説明

弾性波デバイス

【課題】電極指からバスバー方向への弾性波の漏れを抑制すること。
【解決手段】本発明は、弾性波を反射する弾性波反射領域(20)を有する圧電基板(10)と、圧電基板(10)上に設けられ、弾性波を励振する複数の電極指(12)と、圧電基板(10)上に設けられ、複数の電極指(12)を互いに接続するバスバー(13)と、バスバー(13)の少なくとも一部上に接して設けられた第1媒質層(16a)と、を有する。弾性波反射領域(20)は、複数の電極指(12)のバスバー(13)方向にバスバー(13)に接するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波デバイス関し、特に、弾性波反射領域を有する圧電基板を用いた弾性波デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
レーリー波や第1漏洩波などの弾性表面波を利用した弾性表面波デバイスでは、小型化及び軽量化を進めることができ、かつ周波数調整が不要である。このため、弾性表面波デバイスは、携帯電話用RF(Radio Frequency)フィルタ、IF(Intermidiate Frequency)フィルタ、VCO(Voltage Controlled Ocillator)用共振子またはテレビ用VIF(Vedeo Intermidiate Frequency)フィルタなどに広く用いられている。
【0003】
また、非特許文献1のように、圧電基板と媒質膜との間の界面付近を伝搬するラブ波や弾性境界波を用いた弾性境界波デバイスも開発されている。弾性境界波デバイスは、弾性表面波デバイスと比べ、例えば共振周波数の温度依存性等の温度特性を改善できる。また、弾性表面波デバイスのように気密封止が必要なく、安価なパッケージを使用することができる。
【0004】
図1(a)および図1(b)は従来例に係る弾性境界波デバイスを示す平面図および断面図である。図1(a)を参照に、圧電基板10上に金属膜からなる櫛型電極IDT0および反射器R0が設けられている。櫛型電極IDT0は弾性波を励振する複数の電極指12と複数の電極指12を接続するバスバー13とを有している。電極指12が形成されている領域が電極指領域22、バスバー13が形成されている領域がバスバー領域23である。図1(b)を参照に、圧電基板10上に複数の電極指12が設けられ、電極指12を覆うように第2媒質層14が設けられている。第2媒質層14上に第3媒質層16が設けられている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−222991号公報
【非特許文献1】IEEE Trans. Sonics and ultrason. Vol. SU-25, No.6, pp384-389, 1978 IEEE
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
弾性波デバイスでは、弾性波の振動が電極指領域22からバスバー領域23に漏れると通過特性が悪化してしまう。例えば、図2を参照に、弾性境界波デバイスにおいては、電極指領域22およびバスバー領域23上に第2媒質層14が形成されている。このため、図2の矢印のように、電極指領域22からバスバー領域23に第2媒質層14を介し弾性波が漏れてしまう。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、電極指からバスバー方向への弾性波の漏れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、弾性波を反射する弾性波反射領域を有する圧電基板と、前記圧電基板上に設けられ、前記弾性波を励振する複数の電極指と、前記圧電基板上に設けられ、前記複数の電極指を互いに接続するバスバーと、前記バスバーの少なくとも一部上に接して設けられた第1媒質層と、を具備し、前記弾性波反射領域は、前記複数の電極指の前記バスバー方向に前記バスバーに接するように設けられていることを特徴とする弾性波デバイスである。本発明によれば、電極指からバスバー方向への弾性波の漏れを抑制し、弾性波デバイスの特性を改善することができる。
【0009】
上記構成において、前記弾性波反射領域は、前記圧電基板の表面が除去された段差である構成とすることができる。この構成によれば、段差を弾性波反射領域として用いることができる。
【0010】
上記構成において、前記圧電基板の表面が除去された段差上に前記第1媒質層が設けられ、前記バスバーは前記第1媒質層上に設けられている構成とすることができる。この構成によれば、圧電基板の段差を第1媒質層で平坦化することができる。よって、段差に起因した電極の切断等を抑制することができる。
【0011】
上記構成において、前記段差の深さは前記弾性波の波長以下である構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記弾性波反射領域は、前記圧電基板の表面に設けられた複数の溝部である構成とすることができる。この構成によれば複数の溝部を弾性波反射領域として用いることができるため、溝の深さを浅くすることができる。
【0013】
上記構成において、前記溝部の深さは前記弾性波の波長以下である構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記弾性波反射領域は、前記圧電基板の表面に設けられ前記弾性波の波長以下の中心線平均粗さを有する面荒れ部である構成とすることができる。この構成によれば面荒れ部を弾性波反射領域として用いることができるため、
【0015】
上記構成において、前記第1媒質層は窒化アルミニウム、窒化シリコンまたは酸化タンタルからなる構成とすることができる。この構成によれば、音速の早い材料を第1媒質層とすることにより、弾性波を反射することができる。
【0016】
上記構成において、前記複数の電極指を覆うように設けられ、前記第1媒質層より音速の遅い第2媒質層を具備する構成とすることができる。この構成によれば、圧電基板を介した弾性波の漏れを弾性波反射領域が抑制し、第2媒質層を介した弾性波の漏れを第1媒質層が抑制することができる。
【0017】
上記構成において、前記第2媒質層は前記圧電基板とは逆符号の線熱膨張係数を有する構成とすることができる。この構成によれば、温度特性を改善することができる。
【0018】
上記構成において、前記第2媒質層はSiO、ZrW、NbOPOまたはLiO−Al−nSiOからなる構成とすることができる。
【0019】
上記構成において、前記第2媒質層上に設けられ、前記第2媒質層より音速の速い第3媒質層を具備する構成とすることができる。この構成によれば、弾性波を第2媒質層に閉じ込めることができる。
【0020】
上記構成において、前記圧電基板と前記複数の電極指との間に設けられた第4媒質層を具備する構成とすることができる。
【0021】
上記構成において、前記圧電基板は、LiNbOまたはLiTaOからなる構成とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、電極指からバスバー方向への弾性波の漏れを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1(a)および図1(b)に示した従来例に係る弾性境界波デバイスについて、共振点および反共振点での変位分布を有限要素法で計算した。その結果、反共振点において、弾性境界波が電極指からバスバー方向に漏れていることがわかった。以下に、反共振点において、弾性波の電極指からバスバー方向への漏れが抑制することができる弾性波デバイスについて説明する。
【実施例1】
【0024】
図3(a)は実施例1に係る弾性境界波デバイスの平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。図4は図3(a)のB−B断面図である。図3(a)を参照に、圧電基板10上に設けられた櫛型電極IDT0は複数の電極指12と複数の電極指12を互いに接続するバスバー13から構成されている。櫛形電極IDT0の両側には反射器R0が設けられている。反射器R0においても、弾性波を反射する電極を電極指12、電極指12を互いに接続する電極をバスバー13として示した。また、電極指12が配置される領域を電極指領域22、バスバー13が配置される領域をバスバー領域23として示した。
【0025】
図3(b)および図4を参照に、圧電基板10上に弾性波を励振するCu(銅)からなる複数の電極指12が設けられている。電極指12を覆うようにSiO(酸化シリコン)からなる第2媒質層14が設けられている。第2媒質層14上にAlN(窒化アルミニウム)からなる第3媒質層16が設けられている。図3(b)の電極指12の外側および図4のバスバー領域23の圧電基板10にはt1の段差が設けられている。圧電基板10のバスバー13上には第1媒質層16aが接して設けられている。図4において、圧電基板10の表面が除去された段差が設けられた領域が弾性波反射領域20、段差が形成されていない領域が弾性波伝搬領域21である。
【0026】
図5(a)から図5(d)を参照に、実施例1に係る弾性境界波デバイスの製造工程を説明する。図5(a)を参照に、42度YカットLiTaO(タンタル酸リチウム)からなる圧電基板10の弾性波反射領域20に0.2μmの段差を形成する。段差の形成は、露光技術およびイオンミリング法を用いて行う。図5(b)を参照に、圧電基板10上に電極指12およびバスバー13を有する電極を形成する。電極の形成は以下により行う。ウェハ全面にスパッタリング法を用い膜厚が0.5μm/0.15μmのTi(チタン)/Cu(銅)膜を形成する。露光技術およびエッチング法を用い電極パターンを形成する。このとき、バスバー13は弾性波反射領域20に形成され、電極指12は弾性波伝搬領域21に形成される。
【0027】
図5(c)を参照に、複数の電極指12を覆うように第2媒質層14を形成する。第2媒質層14の形成は、スパッタリング法を用い膜厚が1μmの酸化シリコン膜を形成する。露光技術およびエッチング法を用い、弾性波反射領域20の第2媒質層14を除去し、弾性波伝搬領域21に第2媒質層14を残存させる。図5(d)を参照に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い第2媒質層14およびバスバー13を覆うように膜厚が2μmの窒化アルミニウム膜を形成する。これにより、バスバー13上に接するように第1媒質層16aが形成され、第2媒質層14上に第3媒質層16が形成される。
【0028】
実施例1の効果を調べるため、従来例および実施例1に加え比較例1および比較例2についてFEM(有限要素法)シミュレーションを行った。図6を参照に、比較例1に係る弾性境界波デバイスは、第2媒質層14はバスバー領域23には形成されておらずバスバー13上には第1媒質層16aが接して設けられているが、弾性波反射領域20は形成されていない。図7を参照に、比較例2に係る弾性境界波デバイスは、段差つまり弾性波反射領域20は形成されているが、第2媒質層14はバスバー領域23上に接して形成されている。
【0029】
従来例、比較例1および比較例2の対応する材料および寸法は実施例1と同じとし、反共振点での弾性波の変位量、S21の絶対値およびアドミッタンスをシミュレーションした。図8から図11はそれぞれ、実施例1、従来例、比較例1および比較例2の弾性波の変位量を示す図である。図8は図4の電極指領域22およびバスバー領域23に対応している。図8を参照に、実施例1において、弾性波の変位は電極指領域22に限定されており、バスバー領域23への弾性波の漏れが抑制されている。図9を参照に、従来例において、弾性波の変位は電極指領域22およびバスバー領域23に存在し、弾性波は電極指領域22からバスバー領域23に漏れている。図10および図11を参照に、比較例1および比較例2においても弾性波は電極指領域22からバスバー領域23に漏れている。
【0030】
図12および図13はそれぞれ通過特性(S21の絶対値)およびアドミッタンスの周波数依存を示す図である。図12および図13を参照に、実施例1は従来例、比較例1および比較例2に比べ、通過特性およびアドミッタンスの極小値が最も小さい。
【0031】
以上のように、実施例1においては、反共振点での電極指領域22からバスバー領域23への漏れが抑制され、通過特性およびアドミッタンスを改善することができる。これは、複数の電極指12のバスバー13方向に弾性波反射領域20である段差を設けることにより、圧電基板10内の弾性波がバスバー13方向に漏れることを抑制でき、かつ、バスバー13上に第2媒質層14より音速の速い第1媒質層16aを設ける(つまり、第2媒質層14の音速は第1媒質層16aより遅い)ことにより、第2媒質層14内の弾性波がバスバー13方向に漏れることを抑制できたためである。
【0032】
第2媒質層14上に第2媒質層14より音速の速い第3媒質層16を設けることにより、弾性波を第2媒質層14に閉じ込める効果がある。さらに、第1媒質層16aと第3媒質層16とを窒化アルミニウムで構成することにより、図5(d)のように、第1媒質層16aと第3媒質層16とを同時に形成することができる。
【0033】
さらに、段差の深さt1は弾性波の波長以下であること好ましい。これにより、段差を形成することが容易となる。なお、段差の深さt1は大きい方が弾性波を反射する効果を有するが、実施例1では段差の深さは弾性波の波長の1/10程度であり、この程度でも十分弾性波を反射することができる。
【0034】
さらに、第2媒質層14は圧電基板10とは逆符号の線熱膨張係数を有することにより、第2媒質層14と圧電基板10との両方を伝搬する弾性境界波の温度特性を改善することができる。
【実施例2】
【0035】
実施例2は弾性波反射領域25が圧電基板10の表面に設けられた複数の溝部を有する例である。図14を参照に、バスバー13は複数の溝部を有する弾性波反射領域25に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例2においても、溝部が弾性波を反射するため実施例1のように弾性波のバスバー方向への漏れを抑制することができる。さらに、実施例2では複数の溝部を設けるため、各溝部で弾性波が反射される。よって、実施例1に比べ、溝部の深さが浅くとも同じ効果を得ることができる。
【0036】
また、溝部の深さt2は弾性波の波長以下であることが好ましい。これにより、溝部を形成することが容易となる。
【実施例3】
【0037】
実施例3は、弾性波反射領域26が圧電基板10の表面に設けられ面荒れ部の例である。図15を参照に、バスバー13は中心線平均粗さt3が弾性波の波長以下である面荒れ部に設けられている。面荒れ部は例えばサンドブラスト法を用い形成し、例えば弾性波の波長の1/10の中心線平均粗さを有する。実施例3のように、圧電基板10の表面が面荒れしていることにより、弾性波を反射することができ、実施例1と同様に、弾性波のバスバー方向への漏れを抑制することができる。
【0038】
面荒れ部の中心線平均粗さt3が弾性波の波長以下のため、面荒れ部を形成することが容易となる。また、弾性波を反射する効果を得るためには中心線平均粗さt3は弾性波の波長の1/20以上であることが好ましい。
【0039】
実施例1から実施例3のように、弾性波反射領域は圧電基板10内の電極指領域22からバスバー領域23方向に伝搬する弾性波を反射する機能を有していればよい。また、弾性波反射領域は電極指12からバスバー13方向にバスバー13に接するように設けられていればよく、例えば、バスバー13の一部が弾性波反射領域に設けられている、または、バスバー13の外側に弾性波反射領域が設けられていても良い。しかしながら、弾性波の漏れを抑制するためには、バスバー13は全て弾性波反射領域に設けられることが好ましい。
【0040】
第1媒質層16aは、バスバー13の少なくとも一部上に接して設けられていれば、弾性波が電極指12からバスバー13方向に漏れることを抑制できる。実施例1から実施例3のように、バスバー13上には全て第1媒質層16aが設けられていることが好ましい。
【実施例4】
【0041】
実施例4は、ラブ波を弾性波とする弾性波デバイスの例である。図16を参照に、実施例1の図4に対し、第2媒質層14上に第3媒質層16が設けられていない。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例4のように、ラブ波を弾性波とする弾性波デバイスに第1媒質層16aと弾性波反射領域20とを設けても良い。
【実施例5】
【0042】
実施例5は弾性表面波デバイスの例である。図17を参照に、実施例4の図16に対し、第2媒質層14が設けられていない。その他の構成は実施例4と同じであり説明を省略する。実施例5のように、弾性表面波デバイスに第1媒質層16aと弾性波反射領域20とを設けても良い。
【実施例6】
【0043】
実施例6は、バスバーと圧電基板との間にも第1媒質層を有する例である。図18(a)を参照に、実施例1の図5(a)の後、段差に窒化アルミニウムからなる第1媒質層17を形成する。第1媒質層17により表面が平坦化される。図18(b)を参照に、電極指12およびバスバー13、第2媒質層14、第3媒質層16および第1媒質層16aを形成する。実施例6に係る弾性波デバイスは、圧電基板10の表面が除去された段差上に第1媒質層17が設けられ、バスバー13は第1媒質層17上に設けられている。さらに、バスバー13上には第1媒質層16aが設けられている。このように、バスバー13を第1媒質層16aおよび17で挟むこともできる。実施例6によれば、電極指12およびバスバー13を形成する面が平坦化できるため、段差に起因した電極の切断等を抑制することができる。
【実施例7】
【0044】
実施例7は、圧電基板と複数の電極指との間に第4媒質層が設けられた例である。図19を参照に、圧電基板10と複数の電極指12との間に第4媒質層18が設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例7によれば、圧電基板10と電極指12との間に第4媒質層18を設けることにより、共振点の温度依存と反共振点の温度依存とをともに改善することができる。第4媒質層18としては例えば酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜を用いることができる。
【0045】
実施例1から実施例7において、第1媒質層16aおよび第3媒質層16は例えば、窒化アルミニウム、窒化シリコンまたは酸化タンタルからなる材料を用いることができる。このように、音速の速い材料を用いることにより弾性波を電極指領域に閉じ込めることができる。第2媒質層16は例えば、SiO、ZrW、NbOPOまたはLiO−Al−nSiOからなること材料を用いることができる。このように、圧電基板10や第1媒質層16aおよび第3媒質層16に比べ音速の遅い材料を用いることができる。
【0046】
圧電基板10は、例えばLiNbOまたはLiTaOからなる材料を用いることができる。これにより、高い電気機械結合係数を得ることができる。
【0047】
実施例1から実施例7は、弾性波デバイスとして櫛型電極の両側に反射器を備えた共振器を例に説明した。弾性波デバイスとしては、共振器を組み合わせたラダー型フィルタ、櫛形電極を用いた多重モードフィルタとすることもできる。
【0048】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1(a)は従来例に係る弾性境界波デバイスの平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【図2】図2は図1(a)のB−B断面図である。
【図3】図3(a)は実施例1に係る弾性境界波デバイスの平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。
【図4】図4は図3(a)のB−B断面図である。
【図5】図5(a)から図5(d)は実施例1に係る弾性境界波デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は比較例1に係る弾性境界波デバイスの断面図である。
【図7】図7は比較例2に係る弾性境界波デバイスの断面図である。
【図8】図8は実施例1に係る弾性境界波デバイス内の弾性波の変位量を示す図である。
【図9】図9は従来例に係る弾性境界波デバイス内の弾性波の変位量を示す図である。
【図10】図10は比較例1に係る弾性境界波デバイス内の弾性波の変位量を示す図である。
【図11】図11は比較例2に係る弾性境界波デバイス内の弾性波の変位量を示す図である。
【図12】図12は反共振点付近の通過特性を示す図である。
【図13】図13は反共振点付近のアドミッタンスを示す図である。
【図14】図14は実施例2に係る弾性境界波デバイスの断面図である。
【図15】図15は実施例3に係る弾性境界波デバイスの断面図である。
【図16】図16は実施例4に係る弾性波デバイスの断面図である。
【図17】図17は実施例5に係る弾性表面波デバイスの断面図である。
【図18】図18(a)および図18(b)は実施例6に係る弾性境界波デバイスの製造工程を示す断面図である。
【図19】図19は実施例7に係る弾性境界波デバイスの断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 圧電基板
12 電極指
13 バスバー
14 第2媒質層
16 第3媒質層
16a、17 第1媒質層
18 第4媒質層
20 弾性波反射領域
25 弾性波反射領域
26 弾性波反射領域
21 弾性波伝搬領域
22 電極指領域
23 バスバー領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性波を反射する弾性波反射領域を有する圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられ、前記弾性波を励振する複数の電極指と、
前記圧電基板上に設けられ、前記複数の電極指を互いに接続するバスバーと、
前記バスバーの少なくとも一部上に接して設けられた第1媒質層と、を具備し、
前記弾性波反射領域は、前記複数の電極指の前記バスバー方向に前記バスバーに接するように設けられていることを特徴とする弾性波デバイス。
【請求項2】
前記弾性波反射領域は、前記圧電基板の表面が除去された段差であることを特徴とする請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記圧電基板の表面が除去された段差上に前記第1媒質層が設けられ、
前記バスバーは前記第1媒質層上に設けられていることを特徴とする請求項2記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記段差の深さは前記弾性波の波長以下であることを特徴とする請求項2または3記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記弾性波反射領域は、前記圧電基板の表面に設けられた複数の溝部であることを特徴とする請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記溝部の深さは前記弾性波の波長以下であることを特徴とする請求項5記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記弾性波反射領域は、前記圧電基板の表面に設けられ前記弾性波の波長以下の中心線平均粗さを有する面荒れ部であることを特徴とする請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
前記第1媒質層は窒化アルミニウム、窒化シリコンまたは酸化タンタルからなることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項9】
前記複数の電極指を覆うように設けられ、前記第1媒質層より音速の遅い第2媒質層を具備することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項10】
前記第2媒質層は前記圧電基板とは逆符号の線熱膨張係数を有することを特徴とする請求項9記載の弾性波デバイス。
【請求項11】
前記第2媒質層はSiO、ZrW、NbOPOまたはLiO−Al−nSiOからなることを特徴とする請求項9または10記載の弾性波デバイス。
【請求項12】
前記第2媒質層上に設けられ、前記第2媒質層より音速の速い第3媒質層を具備することを特徴とする請求項9から11のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項13】
前記圧電基板と前記複数の電極指との間に設けられた第4媒質層を具備することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項14】
前記圧電基板は、LiNbOまたはLiTaOからなることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項記載の弾性波デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−118576(P2008−118576A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302154(P2006−302154)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】