説明

弾性表面波素子片および弾性表面波デバイス

【課題】 インピーダンスを大きくせずに横モードによるスプリアスを低減できるようにする。
【解決手段】 弾性表面波素子片10は、圧電基板12の中央部にすだれ状電極からなる入力用IDT14と出力用IDT16とが弾性表面波の伝播方向に設けてある。入力用IDT14を構成している櫛型電極18aの各電極指22は、弾性表面波の伝播方向に直交した直線部22a、22bと、直線部22a、22b間に「く」の字状に屈曲して形成した接続部22cとからなる。各直線部22a、22bは、ほぼ同一の直線上に配置されている。IDT14、16を形成する他の櫛型電極18b、20a、20bの電極指24、26、28のそれぞれも同様に形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すだれ状電極からなるIDT(Interdigital Transducer)を備えた弾性表面波素子片および弾性表面波デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)デバイスである弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)は、高周波への対応が容易であって、小型、量産性に優れているところから、種々の電子機器に使用されている。弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波素子片には、水晶などの圧電基板の表面に、すだれ状電極からなる入力用IDTおよび出力用IDTと、これらのIDTを挟んで設けた反射器とを有するものがある。
【0003】
このような弾性表面波素子片は、一般にインピーダンスが高く、弾性表面波フィルタとして使用した場合に、回路とのインピーダンスをマッチングさせるのが容易でない。このため、低インピーダンスの弾性表面波素子片が求められている。弾性表面波素子片のインピーダンスを低下させる方法として、IDTを構成している電極指の交差幅Wを大きくすることが知られている。ところが、交差幅Wを大きくすると、弾性表面波の伝播方向と直交した方向にエネルギーが分布する横モードのスプリアスが発生し、フィルタ特性を劣化させる。そこで、従来は、IDTを構成している電極指の交差幅を、例えば弾性表面波の伝播方向にコサイン状に変化させて交差幅の重み付けをし、共振周波数(目標周波数)近傍における横モードスプリアスを低減するようにしている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−22898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のように、電極指の交差幅を弾性表面波の伝播方向において変化させると、共振周波数近傍の横モードによるスプリアスを低減することができる。しかし、特許文献1のように電極指の交差幅をコサイン状に変化させた場合、IDT内に交差幅の非常に小さな部分が形成される。このため、特許文献1に記載の弾性表面波素子片は、インピーダンスが大きくなってしまう。そして、弾性表面波素子片の低インピーダンス化を図るためには、IDTを複数並列に形成して相互に接続する必要があり、弾性表面波素子片の幅(弾性表面波の伝播方向と直交した方向の寸法)が大きくなり、近年一段と要求が強くなっている小型化に対応することができない。
【0005】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、インピーダンスを大きくせずに横モードによるスプリアスを低減できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、小型化を図ることができるようにすることを目的としている。
さらに、本発明は、通過帯域の広いフィルタを容易に形成できるようにすることなどを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る弾性表面波素子片は、圧電基板に形成したすだれ状電極を備えた弾性表面波素子片であって、前記すだれ状電極を構成している電極指は、弾性表面波の伝播方向に直交した複数の直線部と、前記各直線部間に屈曲して形成され、隣接する前記直線部を相互に接続する接続部とを有し、前記各直線部はほぼ同一の直線上に配置されている、ことを特徴としている。
【0007】
このようになっている本発明は、すだれ状電極を構成している電極指が、弾性表面波の伝播方向に直交した直線部と屈曲して形成した接続部とからなっている。このため、圧電基板を励振して弾性表面波を生成する直線部を短くすることができる。したがって、直線部により弾性表面波を発生させたときに、横モードによるスプリアスを目標周波数(共振周波数)から遠ざけることができ、横モードによるスプリアスを低減することができる。また、直線部の数を多くすることにより、全体としての電極指の交差幅を大きくすることができ、低インピーダンス化を図ることができる。しかも、複数のIDTを並列して形成する必要がなく、弾性表面波素子片の小型化を図ることができる。
【0008】
電極指に形成する直線部の長さは、弾性表面波の波長をλとしたときに、15λ以下であることが望ましい。直線部の長さが15λを超える場合、横モードによるスプリアスにより、特性が劣化するおそれがある。なお、本発明において屈曲とは、「く」の字状の屈曲や、「U」字状の屈曲または湾曲を含んでいる。
【0009】
前記すだれ状電極は、前記弾性表面波の伝播方向に複数設けることができる。すだれ状電極からなるIDTを弾性表面波の伝播方向に複数設けることにより、縦結合二重モードフィルタ用などの通過帯域の広い弾性表面波素子片を得ることができる。また、弾性表面波の伝播方向におけるすだれ状電極を挟んだ位置に反射器を設けることができる。すだれ状電極を挟んで反射器を設けることにより、すだれ状電極によって発生させた弾性表面波を反射器間に閉じ込めることができ、共振器用または共振子型フィルタ用の弾性表面波素子片を得ることができる。
【0010】
すだれ状電極を構成する各電極指の対応する直線部によって形成される複数のトラックは、幅が同じであってもよく、異なっていてもよい。トラックの幅を異ならせると、トラック間における共振周波数が異なってくるため、帯域幅の広いフィルタ用の弾性表面波素子片を得ることができる。
【0011】
本発明に係る弾性表面波デバイスは、上記したいずれかの弾性表面波素子片を備えたことを特徴としている。これにより、上記した作用効果を有する弾性表面波デバイスを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る弾性表面波素子片および弾性表面波デバイスの好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。図1において、弾性表面波素子片10は、圧電基板12の表面中央部に入力用IDT14と出力用IDT16が弾性表面波の伝播方向に設けてある。圧電基板12は、実施形態の場合、水晶板からなっている。そして、水晶板からなる圧電基板12は、平面視矩形状に形成してある。なお、圧電基板は、タンタル酸リチウム(LiTaO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)などの他の圧電体であってもよい。
【0013】
入力用IDT14と出力用IDT16とは、それぞれが一対の櫛型電極18(18a、18b)、20(20a、20b)からなっている。各櫛型電極18、20は、それぞれの一端が相互に接続された櫛歯となる複数の電極指22、24、26、28を備えている。そして、入力用IDT14は、一対の櫛型電極18の電極指22、24が互いにかみ合うように、かつ等間隔に配置され、すだれ状をなしている。同様に、出力用IDT16は、一対の櫛型電極20の各電極指26、28が互いにかみ合うように、かつ等間隔に配置され、すだれ状をなしている。
【0014】
また、弾性表面波素子片10は、一対の反射器30(30a、30b)を備えている。これらの反射器30は、弾性表面波の伝播方向において、入力用IDT14、出力用IDT16を挟んでIDT14、16の外側に配置してある。各反射器30は、それぞれ両端が相互に接続された複数の導体ストリップ32を備えた格子状をなしている。反射器30および各櫛型電極18、20は、実施形態の場合、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金から形成してある。すなわち、反射器30および櫛型電極18、20は、圧電基板12の表面にAlまたはAl合金をスパッタリングや蒸着によって成膜し、それを所定の形状にフォトエッチングして形成してある。
【0015】
入力用IDT14は、一対の櫛型電極18a、18b間に電気信号が入力すると、圧電基板12を励振して圧電基板12に弾性表面波を生成する。入力用IDT14によって励振された弾性表面波は、図1の左右方向に伝播する。そして、一対の反射器30は、伝播してきた弾性表面波をIDT14、16側に反射する。これにより、反射器30a、30b間に弾性表面波の定在波が形成される。一方、出力用IDT16は、圧電基板12を伝播してくる弾性表面波を電気信号に変換し、弾性表面波の振幅に応じた電気信号を出力する。
【0016】
櫛型電極18aの各電極指22は、それぞれが複数(この実施形態の場合2つ)の直線部22a、22bと、これら直線部22a、22b間に設けられて各直線部22a、22bを相互に接続する接続部22cとからなっている。すなわち、電極指22は、接続部22cによって分割された弾性表面波の伝播方向と直交した方向に延在する2つの直線部22a、22bを有する。そして、接続部22cは、実施形態の場合、「く」の字状に屈曲して形成してあって、直線部22a、22bがほぼ同一の直線上に位置するように配置してある。また、各直線部22a、22bは、実施形態の場合、入力用IDT14によって圧電基板12に生成される弾性表面波の波長をλとしたときに、長さが15λ以下となるように形成してある。これにより、横モードによるスプリアスを弾性表面波の共振周波数の近傍から遠ざけることができ、弾性表面波デバイスであるフィルタを形成した場合に、横モードのスプリアスによる特性の劣化を防ぐことができる。
【0017】
他の櫛型電極18b、20a、20bの各電極指24、26、28は、電極指22と同様に、「く」の字状に屈曲して形成した接続部(符号cを付して示した)と、接続部によって接続された2つの直線部(符号a、bを付して示した)とから形成してある。なお、実施形態においては、接続部22cを「く」の字状に屈曲して形成した場合について説明したが、接続部22cは、U字状や湾曲させて形成してもよく、つづら折り状に形成してもよい。
【0018】
さらに、各反射器30を構成している導体ストリップ32は、電極指22、24、26、28と同様に形成してある。すなわち、導体ストリップ32は、電極指の接続部と対応した位置に、「く」の字状に屈曲して形成した導体接続部32cを有し、この導体接続部32cよって、一対の直線部32a、32bに分割されている。これらの直線部32a、32bは、電極指と同様に、ほぼ同一直線上に配置してある。そして、反射器30aは、一方のバスバーに電極部34が形成してあり、他方のバスバー部が櫛型電極18bのバスバーと一体に形成してある。したがって、入力用IDT14の櫛型電極18bは、反射器30aと電気的に接続してあり、反射器30aを介して電気信号が入力するようになっている。また、入力用IDT14の一方の櫛型電極18aは、バスバーに電極部36が設けてあり、電極部36を介して電気信号が入力するようになっている。
【0019】
出力用IDT16側も同様に構成してあって、反射器30bの一方のバスバーに電極部38が形成してあり、他方のバスバーが櫛型電極20bのバスバーと一体に形成してある。そして、出力用IDT16は、一方の櫛型電極20aのバスバーに電極部40が形成してあって、電極部38、40を介して弾性表面波の振幅に応じた強度の電気信号を取り出すことができるようになっている。これにより、入力用IDT14への電気信号の供給、出力用IDT16からの電気信号の取り出しのためのワイヤボンディングを行なった場合に、ボンディングワイヤが交差するのを避けることができる。
【0020】
なお、実施形態においては、電極指22の直線部22aと、電極指24の直線部24bとの弾性表面波の伝播方向における重なり部(第1トラック42)の長さ(第1交差幅B11)と、電極指22の直線部22bと電極指24の直線部24aとの弾性表面波の伝播方向における重なり部(第2トラック44)の長さ(第2交差幅B12)とは同じ(B11=B12)にしてある。したがって、入力用IDT14における電極指のトータルの交差幅Wは、第1交差幅B11と第2交差幅B12との和となる。出力用IDT16の一対の櫛型電極20a、20b間においても、入力用IDT14と同様である。すなわち、弾性表面波素子片10は、IDT14、16が電極指の直線部の、弾性表面波の伝播方向における重なり部からなる第1トラック42と第2トラック44とによって形成してある。なお、各電極指に形成した接続部22c、24c等の長さ、すなわち第1トラック42と第2トラック44との間隔g1は、各トラックにおいて励振した弾性表面波が滑らかに連続し、スプリアスの原因とならないような幅に設定される。この幅g1は、実験やシミュレーションなどにより求めることができる。
【0021】
このようになっている実施形態の弾性表面波素子片10は、入力用IDT14、出力用IDT16が第1トラック42と第2トラック44とを有する。このため、弾性表面波素子片10は、各トラック42、44の交差幅B11、B12を、交差幅が1つである従来の弾性表面波素子片の交差幅より小さくすることができる。したがって、各トラック42、44において発生する横モードによるスプリアスを弾性表面波の目標周波数から遠ざけることができる。このため、弾性表面波素子片10は、横モードスプリアスによるフィルタ特性の劣化を防ぐことができる。しかも、各トラック42、44の交差幅の和B11+B12を従来の弾性表面波素子片の交差幅Wより大きくしても、横モードによるスプリアスの影響を低減することができ、低インピーダンス化することが可能となる。そして、電極指の直線部を接続部によって相互に接続したことにより、通常のIDTを並列して形成し、それらを相互に接続した場合より小型化を図ることができる。
【0022】
なお、前記実施形態においては、接続部を「く」の字状に屈曲して形成した場合について説明したが、接続部はU字状または湾曲させて形成してもよいし、つづら折り状に形成してもよい。また、前記実施形態においては、接続部がすべて同方向に屈曲している場合を示したが、すべてが同方向でなく、例えば櫛型電極18の接続部を左側が凸となるように屈曲させ、櫛型電極20の接続部を右側が凸となるように屈曲させてもよい。また、前記実施形態においては、すだれ状電極からなるIDTを弾性表面波の伝播方向に2つ設けた場合について説明したが、反射器30a、30bの間にIDTを1つ設けて、共振器用の弾性表面波素子片としてもよい。さらに、反射器30を省略してトランスバーサル型の弾性表面波素子片としてもよい。
【0023】
図2は、本発明の第2実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。この実施形態に係る弾性表面波素子片50は、入力用IDT14と、出力用IDT16とが弾性表面波の伝播方向に形成してある。各IDT14、16は、それぞれ一対の櫛型電極52(52a、52b)、54(54a、54b)によってすだれ状に形成してある。各櫛型電極52、54の電極指56、58、60、62は、それぞれ弾性表面波の伝播方向と直交した方向に沿った4つの直線部を有している。各電極指の4つの直線部は、隣接する直線部間に「く」の字状に屈曲して形成した接続部によって相互に連結してあり、ほぼ同一直線上に位置している。したがって、入力用IDT14、出力用IDT16は、交差幅B21〜B24を有する第1トラック64〜第4トラック70の4つのトラックが形成してある。各トラック64〜70の交差幅B21〜B24は、この実施形態の場合、同じに形成してある。IDT14、16の他の点は、第1実施形態と同様である。また、一対の反射器30は、それぞれの導体ストリップ72が各電極指の接続部と対応した位置に、「く」の字状に屈曲して形成した導体接続部を有する。これらの導体接続部は、同一の導体ストリップ72に形成された隣接する直線部同士を相互に接続している。そして、反射器30aは、他方のバスバーが櫛型電極52bのバスバーと一体に形成してある。反射器30bは、同様に他方のバスバーが櫛型電極54bのバスバーと一体に形成してある。他の構成は、第1実施形態とほぼ同様である。
【0024】
これにより、第2実施形態の弾性表面波素子片50は、前記実施形態と同様に、横モードに基づくスプリアスを目標周波数から遠ざけることができ、横モードによるスプリアスの影響を低減することができる。しかも、直線部の数を4つにしたことによって、各トラックの交差幅の総和(B21+B22+B23+B24)からなるトータル交差幅を大きくすることができ、負荷インピーダンスをより小さくすることができる。また、トータル交差幅を第1実施形態と同じにした場合に、各トラックの交差幅B21〜B24を第1実施形態の各交差幅B11、B12より小さくすることができ、横モードによるスプリアスを目標周波数からさらに遠ざけることができる。なお、トラック数は、任意に設定することができる。
【0025】
図3は、第3実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。図3に示した弾性表面波素子片80は、入力用IDT14と出力用IDT16とがそれぞれ一対の櫛型電極82(82a、82b)、84(84a、84b)から形成してある。各櫛型電極82、84は、電極指86、88、90、92がそれぞれ3つの直線部と、これらの直線部間に「く」の字状に屈曲して形成した接続部とから形成してある。したがって、各IDT14、16は、直線部からなる第1トラック94、第2トラック96、第3トラック98の3つのトラックを形成している。しかし、この実施形態においては、各トラック94、96、98の幅(電極指の交差幅)B31、B32、B33が相互に異なっている。
【0026】
すなわち、櫛型電極82a、84aの電極指86、90は、バスバーに接続した基端側の直線部が一番長く、先端側にいくほど直線部が短くなっている。逆に櫛型電極82b、84bの電極指88、92は、バスバーに接続した基端側の直線部が一番短く、先端側にいくほど長くなっている。これらのトラック94、96、98の幅(電極指の交差幅)B31〜B33は、各トラックにおいて励振する弾性表面波の中心周波数(共振周波数)をどのように設定するかによって定められる。
【0027】
また、入力用IDT14と出力用IDT16とを挟んで設けた一対の反射器30a、30bは、導体ストリップ100が各トラック94〜98に対応させた長さの異なる3つの直線部と、各直線部間に「く」の字状に屈曲して形成した導体接続部とからなっている。
【0028】
これにより、第3実施形態の弾性表面波素子片80は、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、弾性表面波素子片80は、各トラック94〜98の幅B31〜B33が相互に異なっているため、各トラック94〜98によって生成される弾性表面波の周波数が異なり、帯域幅の広いフィルタを形成することができる。
【0029】
なお、直線部の長さの順番は、任意に設定することができる。すなわち、図3に示す実施形態では、第1トラック94の幅B31を一番広くし、第2トラック96、第3トラック98の順に幅を狭くした場合を示したが、第2トラック96の幅B32を一番広くしてもよいし、第3トラック98の幅B33を一番広くしてもよい。また、2つまたは4つ以上のトラックを形成して、それぞれのトラック幅を異ならせてもよい。
【0030】
図4は、実施の形態に係る弾性表面波デバイスの一例を示す断面図であって、第1実施形態に係る弾性表面波素子片10を備えた弾性表面波フィルタの断面図である。図4において、弾性表面波フィルタ110は、弾性表面波素子片10がパッケージ112に収容してある。パッケージ112は、弾性表面波素子片10を収容する収容凹部114を形成するパッケージベース116と、収容凹部114を封止するリッド118とから構成してある。パッケージベース116は、収容凹部114内に電極パッド120が設けてあり、下面に電極パッド120と電気的に接続した外部電極122が設けてある。弾性表面波素子片10は、パッケージベース116の収容凹部114の底面に接着剤(図示せず)を介して実装してある。そして、弾性表面波素子片10は、入力用IDT14と出力用IDT16とが、電極部に接合したボンディングワイヤ124を介して電極パッド120に電気的に接続してある。また、パッケージベース116の上面には、リッド118が気密に接合してある。これにより、弾性表面波素子片10は、弾性表面波フィルタ110として様々な電子機器に搭載することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。
【図4】実施の形態に係る弾性表面波デバイスの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
10………弾性表面波素子片、12………圧電基板、14、16………すだれ状電極(入力用IDT、出力用IDT)、18a、18b………櫛型電極、20a、20b………櫛型電極、22、24、26、28………電極指、22a〜28a………直線部、22b〜28b………直線部、22c〜28c………接続部、30a、30b………反射器、32………導体ストリップ、42………第1トラック、44………第2トラック、50、80………弾性表面波素子片、52a、52b………櫛型電極、54a、54b………櫛型電極、56、58、60、62………電極指、64………第1トラック、66………第2トラック、68………第3トラック、70………第4トラック、82a、82b………櫛型電極、84a、84b………櫛型電極、86、88、90、92………電極指、94………第1トラック、96………第2トラック、98………第3トラック、110………弾性表面波デバイス(弾性表面波フィルタ)、112………パッケージ、116………パッケージベース、118………リッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板に形成したすだれ状電極を備えた弾性表面波素子片であって、
前記すだれ状電極を構成している電極指は、弾性表面波の伝播方向に直交した複数の直線部と、前記各直線部間に屈曲して形成され、隣接する前記直線部を相互に接続する接続部とを有し、前記各直線部はほぼ同一の直線上に配置されている、
ことを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項2】
請求項1に記載の弾性表面波素子片において、
前記すだれ状電極は、前記弾性表面波の伝播方向に複数設けてあることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項3】
請求項1または2に記載の弾性表面波素子片において、
前記圧電基板は、弾性表面波の伝播方向における前記すだれ状電極を挟んだ位置に反射器を有することを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
前記すだれ状電極を構成する各電極指の対応する直線部によって形成される複数のトラックは、幅が同じであることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の弾性表面波素子片において、
前記すだれ状電極を構成する各電極指の対応する直線部によって形成される複数のトラックは、相互に幅が異なっていることを特徴とする弾性表面波素子片。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の弾性表面波素子片を備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−27878(P2007−27878A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203336(P2005−203336)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】