説明

弾球遊技機

【課題】遊技球の振分種類を多くして、遊技の趣向性を向上させる。
【解決手段】遊技領域に設けられた特別遊技領域101Bと、遊技領域に打込まれた遊技球を特別遊技領域101B内に受入れ可能な球入口と、特別遊技領域101Bに設けられ、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口113aと、特別遊技領域101Bに設けられ、一般の入賞とする第2入賞口113bと、特別遊技領域101Bに設けられ、特別遊技と異なる他の特別遊技の権利を発生可能な第3入賞口113cと、特別遊技領域101Bに受け入れられた遊技球を、第1入賞口113a、第2入賞口113bまたは第3入賞口113cの何れかに振り分ける振分回転盤13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機において、遊技領域に発射された遊技球が、遊技領域に設けられた始動入賞口に入賞すると、遊技領域のほぼ中央部に配置された入賞装置に設けた羽根部材が開閉動作する。そして、羽根部材が開閉動作したとき、遊技球が入賞装置内に受け入れられて、入賞装置内に設けた特別遊技領域に誘導されて特別入賞口に入賞することにより、特別遊技の権利が発生するようになっている。特別遊技領域には、受け入れた遊技球を特別入賞口または一般入賞口に振り分けるための振分手段をなす振分回転盤が設けられている。
【0003】
振分回転盤においては、垂直軸廻りに回転し、遊技球を特別入賞口に搬送するための特別搬送部及び一般入賞口に搬送するための一般搬送部を設けたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2006−34694号公報
【特許文献2】特開2006−149420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような弾球遊技機においては、振分回転盤により遊技球を振り分ける振分種類が、特別入賞口及び一般入賞口の2種類しかないため、遊技球の振分が単調であって趣向性が低い。また、遊技球が振分回転盤により特別入賞口または一般入賞口に振り分けられることで、その時点で、特別遊技の権利が発生するか否かが確定されるため、遊技球の振分による動きを長く楽しむという遊技機の趣向性が低下することとなる。
【0005】
本発明は、上述の従来の問題に鑑みてなされたもので、第1の目的は、遊技球の振分種類を多くして、遊技の趣向性を向上させた弾球遊技機を提供することにある。第2の目的は、遊技球の振分による動きを長く楽しむことができるようにして、遊技の趣向性を向上させた弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられた特別遊技領域と、前記遊技領域に打込まれた遊技球を前記特別遊技領域内に受入れ可能な球入口と、前記特別遊技領域に設けられ、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口と、前記特別遊技領域に設けられ、一般の入賞とする第2入賞口と、前記特別遊技領域に設けられ、前記特別遊技と異なる他の特別遊技の権利を発生可能な第3入賞口と、前記特別遊技領域に受け入れられた遊技球を、前記第1入賞口、前記第2入賞口または第3入賞口の何れかに振り分ける振分手段を備える。
【0007】
(2)上記(1)項において、前記振分手段を、前記特別遊技領域に駆動源により回転可能に枢支された振分回転盤とし、前記振分回転盤は、前記特別遊技領域に受け入れられた遊技球を受け入れてこれを前記振分回転盤の円周方向に沿って移動させて前記第1入賞口に振り分ける第1搬送部、前記第2入賞口に振り分ける第2搬送部及び前記第3入賞口に振り分ける第3搬送部を有する。
【0008】
(3)遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられ、一次特別領域と二次特別領域とに区画された特別遊技領域と、前記遊技領域に打込まれた遊技球を前記特別遊技領域内に受入れ可能な球入口と、前記特別遊技領域における前記一次特別領域に設けられ、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口と、前記一次特別領域に設けられ、一般の入賞とする第2入賞口と、前記一次特別領域に設けられ、前記二次特別領域へ移動可能とする第3入賞口と、前記一次特別領域に受け入れられた遊技球を、前記第1入賞口、前記第2入賞口または第3入賞口の何れかに振り分ける一次振分手段と、前記二次特別領域に設けられ、特別遊技の権利を発生可能な第4入賞口と、前記二次特別領域に設けられ、一般の入賞とする第5入賞口と、前記一次振分手段により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を、前記第4入賞口または前記第5入賞口に振り分ける二次振分手段を備える。
【0009】
(4)上記(3)項において、前記一次振分手段を、前記一次特別領域に駆動源により回転可能に枢支された一次振分回転盤とし、また、記二次振分手段を、前記二次特別領域に駆動源により回転可能に枢支された二次振分回転盤とし、前記一次振分回転盤は、前記一次特別領域に入った遊技球を受け入れてこれを前記一次振分回転盤の円周方向に沿って移動させて前記第1入賞口に振り分ける第1搬送部、前記第2入賞口に振り分ける第2搬送部及び前記第3入賞口に振り分ける第3搬送部を有し、前記二次振分回転盤は、前記一次振分回転盤により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を受け入れてこれを前記二次振分回転盤の円周方向に沿って移動させて前記第4入賞口に振り分ける第4搬送部及び前記第5入賞口に振り分ける第5搬送部を有する。
【0010】
(5)上記(3)項または(4)項において、前記一次振分手段により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を、前記二次特別領域に誘導可能な案内手段を備える。
【0011】
(6)上記(5)項において、前記案内手段は、前記一次振分手段により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を前記二次特別領域に向けて転動させる斜面部と、前記斜面部を転動した遊技球を受け止めてこれを上方へ搬送して前記二次特別領域に搬送可能なリフト回転盤を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次のような効果が奏せられる。
請求項1記載の発明によると、遊技領域に設けられた特別遊技領域に、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口と、一般の入賞とする第2入賞口と、特別遊技と異なる他の特別遊技の権利を発生可能な第3の入賞口と、特別遊技領域に入った遊技球を、第1入賞口、第2入賞口または第3入賞口の何れかに振り分ける振分手段を設けたことによって、遊技球の振分が多彩になって遊技の趣向性を向上させることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によると、振分手段を、特別遊技領域に駆動源により回転可能に枢支された振分回転盤としたことにより、振分回転盤の回転による遊技球の振り分けを楽しむことができる。
【0014】
請求項3記載の発明によると、特別遊技領域における一次特別領域に、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口と、一般の入賞とする第2入賞口と、特別遊技領域における二次特別領域へ移動可能とする第3入賞口と、遊技球を第1入賞口、第2入賞口または第3入賞口の何れかに振り分ける一次振分手段を設け、また、特別遊技領域における二次特別領域に、特別遊技の権利を発生可能な第4入賞口と、一般の入賞とする第5入賞口と、一次振分手段により第3入賞口に振り分けられた遊技球を、第4入賞口または第5入賞口の何れかに振り分ける二次振分手段を設けたことにより、一次振分手段により振り分けられた遊技球をさらに二次振分手段により振り分けるため、遊技球の振分による動きを長く楽しむことができるとともに、一次特別領域と二次特別領域で2度の抽選を楽しむことができ、遊技の趣向性を向上させることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によると、一次振分回転盤の回転により遊技球を振り分けた後、再度、二次振分回転盤の回転により遊技球の振り分けを楽しむことができる。
【0016】
請求項5記載の発明によると、案内手段をもって、一次振分手段により第3入賞口に振り分けられた遊技球を、一次振分手段に確実に移動させることができる。
【0017】
請求項6記載の発明によると、一次特別領域から二次特別領域へ移動する際の遊技球の流れを楽しむことができ、遊技の趣向性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係わる一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した弾球遊技機の正面図である。なお、以下の説明においては、図1において図面手前を「前方または表面」とし、図面奥を「後方または裏面」とし、左方を「左方」とし、右方を「右方」とする。
【0019】
図1に示すように、弾球遊技機をなすパチンコ機1は、遊技施設に据え付けられる外枠2と、外枠2内に固定され、表面に外側ガイドレール5と内側ガイドレール6とによって包囲された円形状の遊技領域7を形成した遊技盤3と、遊技盤3の表面を開閉可能に外枠2に支持されたガラス枠扉4とを備えている。
【0020】
ガラス枠扉4の下方に設けられた球供給皿9に貯留されている遊技球は、ガラス枠扉4の右下に設けられた操作ハンドル8を回動操作することによって、発射装置(図示略)から発射されて、外側ガイドレール5及び内側ガイドレール6により誘導されて遊技領域7に打ち込まれ、遊技領域7に植設された多数の遊技釘に当接しながら流下する。なお、遊技釘は、図面簡素化のため省略してある。
【0021】
遊技領域7のほぼ中央部には、遊技領域7に打ち込まれた遊技球を後述の羽根部材12が開閉動作しているとき内側に受入可能な入賞装置10が配置されている。入賞装置10の下方には、遊技球が入球可能な第1始動口30及び左右の第2始動口31がそれぞれ配置されている。さらに遊技領域7の最下部には、遊技領域7に打ち込まれた遊技球を遊技盤3の裏面側に排出するアウト口32が設けられている。
【0022】
図2は、入賞装置10の正面図、図3は、斜め上方から見た入賞装置10の斜視図、図4は、左側部を切り欠いて示す入賞装置10の斜視図をそれぞれ示す。なお、入賞装置10の下部前面には、カバー10Aが設けられるが、入賞装置10の内部構造を示すため、カバー10Aは、2点鎖線で示すか、または省略してある。
【0023】
入賞装置10は、遊技盤3に固定されるとともに、内側に遊技球50を受入可能な特別遊技領域101を形成した枠状のハウジング11を備えている。特別遊技領域101は、左右方向の仕切板111により上、下特別遊技領域101A、101Bに仕切られている。
【0024】
ハウジング11の上部には、遊技領域7に打ち込まれた遊技球50を上特別遊技領域101Aに受入可能な左右の球入口11a、及び左右の球入口11aを開閉可能な左右の羽根部材12、12が設けられている。また、同じく左側部には、上特別遊技領域101Aと下特別遊技領域101Bとを連絡して、上特別遊技領域101A内に受け入れられた遊技球50を受け入れて下特別遊技領域101Bの後述の一次凹部113内へ誘導可能な連絡路115が設けられている。
【0025】
左右の羽根部材12は、外側端部がハウジング11に前後方向を向く軸廻りに回動可能に枢支されるとともに、ハウジング11の裏面に取り付けられたソレノイド(図示略)にリンク16を介して連結され、遊技球50が第1始動口30または第2始動口31に入球したことを契機に1回または2回開閉動作する。
【0026】
上特別遊技領域101Aにおける仕切板111の上面には、羽根部材12が開閉動作しているとき上特別遊技領域101Aに受け入れられた遊技球50を連絡路115に向けて誘導し得るように左下り勾配の傾斜面111aが設けられている。
【0027】
下特別遊技領域101Bの下部を形成するハウジング11の下部板112の上面には、一次特別領域をなすお椀状に陥入した平面視円形の一次凹部113と、二次特別領域をなす平面視蒲鉾形に陥入した二次凹部114とが区画形成されている。
【0028】
下特別遊技領域101Bにおける一次凹部113内には、連絡路115により誘導された遊技球50を後述のように振分可能な一次振分手段をなす一次振分回転盤13が回転可能に設けられ、また、同じく二次凹部114内には、一次振分回転盤13により後述のリプレイ入賞口113cに振り分けられた遊技球50をさらに振分可能な二次振分手段をなす二次振分回転盤14が回転可能に設けられている。下特別遊技領域101Bの前側下方には、一次振分回転盤13によりリプレイ入賞孔113cに振り分けられた遊技球50を二次凹部114へ誘導可能な案内手段15が設けられている。
【0029】
図5は、入賞装置10における要部の斜視図、図6は、入賞装置10における要部の平面図、図7、8は、図6におけるVII―VII線縦断面図、図9は、図6におけるIX―IX線縦断面図、図10は、図6におけるX−X線拡大縦断面図をそれぞれ示す。第1凹部113の底部には、遊技球50が入賞することにより、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口をなす特別入賞口113aと、一般の入賞とする第2入賞口をなす一般入賞口113bと、第3入賞口をなす振分のリプレイを可能にするリプレイ入賞口113cが設けられている。
【0030】
一次振分回転盤13は、一次凹部113内に垂直軸廻りに回転可能に枢支され、ハウジング11の下部に取り付けられた駆動源をなすモータ18により減速ギヤを介して、図6に示す矢印A方向(遊技球50が一次凹部113に誘導されてその内周面を転動する方向(図6に矢印で示す方向)と逆方向)へ回転する。
【0031】
一次振分回転盤13における中央部が凸の丘陵状をなす表面には、連絡路115により誘導されて一次凹部113に誘導された遊技球50を受け入れてこれを一次振分回転盤13の回転方向(図6において矢印A方向)へ移動させて、特別入賞口113aに振り分ける第1搬送部をなす1個の特別搬送孔13aと、特別搬送孔13aよりも内径側に位置し、かつ一般入賞口113bに振り分ける第2搬送部をなす8個の一般搬送孔13bと、特別搬送孔13aよりも内径側で、かつ一般搬送孔13bよりも外径側に位置する第3搬送部をなす1個のリプレイ搬送孔13cが、円周方向に沿ってほぼ等間隔で形成されている。なお、特別搬送孔13a、一般搬送孔13b及びリプレイ搬送孔13cの数は、本実施形態に特定されるものでなく、必要に応じて変更可能である。
【0032】
特別入賞口113aは、一次振分回転盤13の回転による特別搬送孔13aの移動経路の途中の真下に設けられ、一般入賞口113bは、一般搬送孔13bの移動経路の途中の真下に設けられ、また、リプレイ入賞口113cは、リプレイ搬送孔13cの移動経路の途中の真下に設けられる。
【0033】
下特別遊技領域101Bにおける一次凹部113に誘導された遊技球50は、一次凹部113の内周面を転動しつつ一次振分回転盤13の上面に乗り上げて、特別搬送孔13a、一般搬送孔13bまたはリプレイ搬送孔13cのいずれかに受け止められる。
【0034】
特別搬送孔13aに受け止められた遊技球50は、一次振分回転盤13の回転に伴って、一次凹部113の底面を周方向へ転動して、図8に示すように特別入賞口113aの真上に達した時点で特別入賞口113aに振り分けられて入賞する。遊技球50が特別入賞口113aに入賞した場合には、所定数の遊技球50が賞球として払い出されることに加え、左右の羽根部材12が複数回開閉動作を繰り返す特別遊技の権利が発生する。特別遊技の権利が発生した場合には、左右の羽根部材12が開閉動作している間、球入口11aに入球した遊技球50が再度特別入賞口113aに入賞すると、当該ラウンドを終了した後、次のラウンドに移行して、再度、左右の羽根部材12が複数回開閉動作を繰り返すような大当り状態に移行する。なお、大当りの継続可能なラウンド数には、上限が設定されている。したがって、遊技球50が特別入賞口113aに入賞した場合には、特別遊技の権利が発生して、遊技者に対して短時間に大量の遊技価値を付与することとなる。
【0035】
一般搬送孔13bに受け止められた遊技球50は、一次振分回転盤13の回転に伴って、一次凹部113の底面を周方向へ転動して一般入賞口113bに振り分けられる。遊技球50が一般入賞口113bに入賞した場合には、所定数の遊技球50が賞球として払い出される。
【0036】
リプレイ搬送孔13cに受け止められた遊技球50は、一次振分回転盤13の回転に伴って、一次凹部113の底面を周方向へ転動して、リプレイ入賞口113cの真上に達した時点でリプレイ入賞口113cに振り分けられて入賞する。リプレイ入賞口113cに入賞した遊技球50は、リプレイ入賞口113cを通過してリプレイ検出センサ19(図2参照)により検出された後、案内手段15の後述の斜面部151上に落下して、後述のように、案内手段15により二次凹部114へ搬送される。
【0037】
案内手段15は、一次凹部113に設けられたリプレイ入賞口113cの真下から右方へ向けて下り勾配の斜面部151と、二次振分回転盤14の前側に前後方向を向く軸廻りに回転自在に枢支されたリフト回転盤152と、リフト回転盤152を、減速ギヤ22を介して、図2に示す矢印B方向へ回転させるモータ(図示略)とを含む。なお、リフト回転盤152の外周面の右半分は、傾斜面151の左端部に連設した囲い部153により囲まれている。なお、斜面部151及びリフト回転盤152の前面は、遊技球50がこぼれ落ちないように、カバー10Aにより閉塞されている。
【0038】
リフト回転盤152の外周には、その回転軸を中心として点対称位置に設けられた2個の取り込み部152a、152bが設けられている。取り込み部152a、152bは、傾斜面151を転動して来た遊技球50を取り込んでリフト回転盤152の回転によって上方へ持ち上げて、二次凹部114の入口114aに対向する位置に達した時点で、遊技球50を入口114aに向けて放出する。なお、取り込み部152a、152bの内面は、取り込み部152a、152bに取り込まれた遊技球50を入口114aに向けて転動させるように傾斜している。
【0039】
二次凹部114の前部には、リフト回転盤152により搬送された遊技球50を二次凹部114内に受入可能とする入口114aが設けられている。なお、入口114aの底面は、遊技球50が二次凹部114の中央に向けて転動するように後方に向けて下り傾斜している。図9、10に示すように、二次凹部114の底部114bは、二次凹部114に受け入れられた遊技球50が二次凹部114の中央に向けて転動するようにすり鉢状に傾斜している。
【0040】
図6に示すように、第2凹部114の底部114bには、第2凹部114に受け入れられた遊技球50が入賞することにより、特別遊技の権利を発生可能な第4入賞口をなす特別入賞口114cと、特別入賞口114cよりも外周側に位置して一般の入賞とする第5入賞口をなす一般入賞口114dが設けられている。
【0041】
二次振分回転盤14は、下特別遊技領域101Bにおける二次凹部114内の中央部に垂直軸廻りに回転可能に枢支され、かつハウジング11の下部に取り付けられた駆動源をなすモータ20により減速ギヤを介して図6に示す矢印C方向へ回転する。
【0042】
二次振分回転盤14における中央部が凸の丘陵状をなす表面には、リフト回転盤152により搬送されて二次凹部114に受け入れられた遊技球50を外周側から受け入れてこれを二次振分回転盤14の回転方向へ移動させて、特別入賞口114cに振り分ける第4搬送部をなす1個の特別搬送切欠部14aと、特別搬送切欠部14aよりも浅く切り欠かれた一般入賞口114dに振り分ける第5搬送部をなす4個の一般搬送切欠部14bが、円周方向に沿ってほぼ等間隔で形成されている。なお、特別搬送切欠部14a及び一般搬送切欠部14bは、遊技球50が外周側から受入可能に外周側が開口している。特別搬送切欠部14a及び一般搬送切欠部14bの数は、本実施形態に特定されるものでなく、必要に応じて変更可能である。
【0043】
特別入賞口114cは、二次振分回転盤14の回転に伴う特別搬送切欠部14aの奥部の移動経路の途中の真下に設けられ、一般入賞口114dは、二次振分回転盤14の回転に伴う一般搬送切欠部13bの奥部の移動経路の途中の真下に設けられる。
【0044】
入口114aから二次凹部114内に進入した遊技球50は、二次振分回転盤14の外周に当接しつつ特別搬送切欠部14aまたは一般搬送切欠部14bのいずれかに進入する。このとき、二次凹部114の底部114bが中央部に向けて下り傾斜しているため、二次凹部114に進入した遊技球50は、特別搬送切欠部14aまたは一般搬送切欠部14bの奥部に向けて確実に移動する。
【0045】
特別搬送切欠部14aに進入した遊技球50は、二次振分回転盤14の回転に伴って、二次凹部114の底面を周方向へ転動して、図10に示すように、特別搬送切欠部14aが特別入賞口114cの真上に達すると、特別入賞口114cに振り分けられて入賞する。また、一般搬送切欠部14bに進入した遊技球50は、二次凹部114の底面を周方向へ転動して、一般搬送切欠部14bが一般入賞口114dの真上に達した時点で一般入賞口114dに振り分けられて入賞する。
【0046】
これにより、遊技球50が一次振分回転盤13によりリプレイ入賞口113cに振り分けられた場合には、遊技者は、一次振分回転盤13による一次抽選と、二次振分回転盤14による二次抽選の2度の抽選を楽しむことができる。また、二次抽選で遊技球50が特別入賞口114cに入賞した場合には、一次抽選と同じ特別遊技または異なる特別遊技の権利が発生して、遊技者に対して短時間に大量の遊技価値を付与する。遊技球50が一般入賞口114dに入賞した場合には、所定数の遊技球50が賞球として払い出される。なお、一次抽選と異なる特別遊技としては、例えば、一次抽選での特別遊技と比較して、羽根部材12の開閉動作やラウンド数を異ならせることが考えられる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(i)特別遊技領域101に受け入れられた遊技球50を、特別遊技領域101における一次特別領域113から二次特別領域114へ搬送する案内手段15を省略する。この場合には、一次特別領域113と二次特別領域114とを2階建て構造として、一次振分手段13により振り分けられた遊技球50を、二次振分手段14上に直接落下させる。
(ii)特別遊技領域101に受け入れられた遊技球50が一次振分手段13により第3入賞口113cに振り分けられた場合、遊技球50を二次特別領域114に移動させて、再度抽選を行なうものに代えて、遊技球50が第3入賞口113cに振り分けられた時点で、特別遊技と異なる他の特別遊技の権利を発生させるようにする。この場合、他の特別遊技としては、例えば、特別遊技と比較して、羽根部材12の開閉動作が少ない、またはラウンド数が少ない中当りとする。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を適用した弾球遊技機の正面図である。
【図2】入賞装置の正面図である。
【図3】斜め上方から見た入賞装置の斜視図である。
【図4】左側部の一部を切り欠いた入賞装置の斜視図である。
【図5】入賞装置における要部の斜視図である。
【図6】入賞装置における要部の平面図である。
【図7】図6におけるVII―VII線縦断面図である。
【図8】一次振分手段の第3搬送部が第3入賞口の真上に来たときの図6におけるVII−VII線縦断面図である。
【図9】図6におけるIX―IX線縦断面図である。
【図10】図6におけるX−X線拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 パチンコ機(弾球遊技機)
2 外枠
3 遊技盤
4 ガラス枠扉
5 外側ガイドレール
6 内側ガイドレール
7 遊技領域
8 操作ハンドル
9 球供給皿
10 入賞装置
10A カバー
11 ハウジング
11a 球入口
12 羽根部材
13 一次振分回転盤(一次振分手段)
13a 特別搬送孔(第1搬送部)
13b 一般搬送孔(第2搬送部)
13c リプレイ搬送孔(第3搬送部)
14 二次振分回転盤(二次振分手段)
14a 特別搬送切欠部(第4搬送部)
14b 一般搬送切欠部(第5搬送部)
15 案内手段
16 リンク
18 モータ
19 リプレイ検出センサ
20 モータ
22 減速ギヤ
30 第1始動口
31 第2始動口
32 アウト口
50 遊技球
101 特別遊技領域
101A 上特別遊技領域
101B 下特別遊技領域
111 仕切板
111a 傾斜面
112 下部板
113 一次凹部(一次特別領域)
113a 特別入賞口(第1入賞口)
113b 一般入賞口(第2入賞口)
113c リプレイ入賞口(第3入賞口)
114 二次凹部(二次特別領域)
114a 入口
114b 底部
114c 特別入賞口(第4入賞口)
114d 一般入賞口(第5入賞口)
115 連絡路
151 斜面部
152 リフト回転盤
152a、152b 取り込み部
153 囲い部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられた特別遊技領域と、前記遊技領域に打込まれた遊技球を前記特別遊技領域内に受入れ可能な球入口と、前記特別遊技領域に設けられ、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口と、前記特別遊技領域に設けられ、一般の入賞とする第2入賞口と、前記特別遊技領域に設けられ、前記特別遊技と異なる他の特別遊技の権利を発生可能な第3入賞口と、前記特別遊技領域に受け入れられた遊技球を、前記第1入賞口、前記第2入賞口または第3入賞口の何れかに振り分ける振分手段を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記振分手段を、前記特別遊技領域に駆動源により回転可能に枢支された振分回転盤とし、前記振分回転盤は、前記特別遊技領域に受け入れられた遊技球を受け入れてこれを前記振分回転盤の円周方向に沿って移動させて前記第1入賞口に振り分ける第1搬送部、前記第2入賞口に振り分ける第2搬送部及び前記第3入賞口に振り分ける第3搬送部を有することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、一次特別領域と二次特別領域とに区画された特別遊技領域と、前記遊技領域に打込まれた遊技球を前記特別遊技領域内に受入れ可能な球入口と、前記特別遊技領域における前記一次特別領域に設けられ、特別遊技の権利を発生可能な第1入賞口と、前記一次特別領域に設けられ、一般の入賞とする第2入賞口と、前記一次特別領域に設けられ、前記二次特別領域へ移動可能とする第3入賞口と、前記一次特別領域に受け入れられた遊技球を、前記第1入賞口、前記第2入賞口または第3入賞口の何れかに振り分ける一次振分手段と、前記二次特別領域に設けられ、特別遊技の権利を発生可能な第4入賞口と、前記二次特別領域に設けられ、一般の入賞とする第5入賞口と、前記一次振分手段により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を、前記第4入賞口または前記第5入賞口に振り分ける二次振分手段を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
前記一次振分手段を、前記一次特別領域に駆動源により回転可能に枢支された一次振分回転盤とし、また、記二次振分手段を、前記二次特別領域に駆動源により回転可能に枢支された二次振分回転盤とし、
前記一次振分回転盤は、前記一次特別領域に入った遊技球を受け入れてこれを前記一次振分回転盤の円周方向に沿って移動させて前記第1入賞口に振り分ける第1搬送部、前記第2入賞口に振り分ける第2搬送部及び前記第3入賞口に振り分ける第3搬送部を有し、
前記二次振分回転盤は、前記一次振分回転盤により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を受け入れてこれを前記二次振分回転盤の円周方向に沿って移動させて前記第4入賞口に振り分ける第4搬送部及び前記第5入賞口に振り分ける第5搬送部を有することを特徴とする請求項3記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記一次振分手段により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を、前記二次特別領域に誘導可能な案内手段を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記案内手段は、前記一次振分手段により前記第3入賞口に振り分けられた遊技球を前記二次特別領域に向けて転動させる斜面部と、前記斜面部を転動した遊技球を受け止めてこれを上方へ搬送して前記二次特別領域に搬送可能なリフト回転盤を含むことを特徴とする請求項5記載の弾球遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−161368(P2008−161368A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353143(P2006−353143)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】