説明

弾球遊技機

【課題】入賞口への異常入賞を監視しながらも、主制御装置の処理負担を増加させずに遊技性の低下を避けることが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】入賞口内にサブ制御装置に接続した第1球検出スイッチと、該第1球検出スイッチの下流側に設けられた主制御装置に接続した第2球検出スイッチと、第2球検出スイッチの球検出信号の入力を条件に、サブ制御装置に球検出信号の入力があったことを示す入力確認コマンドを送信する送信手段を主制御装置に設け、サブ制御装置に、第1球検出スイッチの球検出信号の入力からから所定時間以内に入力確認コマンドの入力がない場合に異常と判定する入球判定手段と、該入球判定手段によって異常と判定されたことに基づいて、異常報知を実行する異常報知手段と、を備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正行為による遊技球の入賞を検出可能とするパチンコ遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くのパチンコ遊技機の入賞口には、遊技球の入球を検出するための検出スイッチとして近接スイッチが設けられており、主制御装置の定時割込処理によって検知する検出スイッチの非検出状態から検出状態への検出状態の変化(検出信号の立ち上がり又は立ち下りの変化)に基づいて遊技球の入賞を検出する構成となっている。
【0003】
パチンコ遊技機においては、様々な種類の不正行為が後を絶たないが、その中でも、入賞口に配置された検出スイッチを誤動作させることによって不正に賞球を得る電波ゴトや、遊技球の流下経路を変化させて所定の入賞口への入賞率を高める釘曲げゴトや、磁石ゴト(ブドウゴト)のように、遊技中にゴト器具を用いて行う不正行為(所謂ローテクゴト)が増加している。
【0004】
この様な状況に対して、遊技機自体やその近傍に枠閉鎖センサ、電波センサ、磁力センサ等を設けて不正行為を監視しているが、なかなか効果が得られていない。特に上記した電波ゴトに対しては、一つの入賞口に対して主制御装置に接続した近接スイッチを2個配置(ダブルセンサ)することによって、電波ゴトを検知する発明も開示されている<特許文献1><特許文献2>。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−147687号公報
【特許文献2】特開2010−230451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2では、監視対象となる入賞口の近傍に該入賞口への遊技球の入球を検出するための近接スイッチと、ダミーの近接スイッチを配置し、両方の近接スイッチを主制御装置に接続し電波ゴトを検出したが、主制御装置は規則によってROM容量が定められており、不正対策プログラムを主制御装置に搭載するためには、遊技に係る一部の制御プログラムを非搭載とするなど、遊技性の一部を犠牲にしなければならないこともあった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、電波照射による不正行為を監視しながらも、主制御装置の負担を軽減することによって、遊技性の低下を避けることが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の弾球遊技機は、
遊技盤面上に配置される入球口と、
該入球口に入球した遊技球を遊技盤裏面側へと取り込む球通路と、
該球通路に設けられるサブ制御装置に接続した第1球検出スイッチと、
該第1球検出スイッチの下流側に設けられた主制御装置に接続した第2球検出スイッチと、
該第2球検出スイッチの球検出信号の入力を条件に、前記サブ制御装置に球検出信号の入力があったことを示す入力確認コマンドを送信する送信手段を前記主制御装置に設け、
前記サブ制御装置は、
前記第1球検出スイッチの球検出信号の入力から所定時間以内に前記入力確認コマンドを受信しない場合に異常と判定する入球判定手段と、
該入球判定手段によって異常と判定されたことに基づいて、異常報知を実行する異常報知手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機である。
【0009】
第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、どんなスイッチであってもよく、遊技球との接触により機械的に作動するスイッチでもよいし、遊技球の移動に応じた光の遮断や磁束の変化で遊技球を検出するスイッチとしても何ら差し支えない。
【0010】
「第2球検出スイッチの球検出信号の入力を条件に」とは、主制御装置が、第2球検出スイッチの遊技球非検出状態から検出状態への変化を定時割込処理によって検知したことを条件にとしてもよいし、第2球検出スイッチの遊技球検出に基づいて遊技球の入賞を判断したことを条件にとしてもよく、この場合に主制御装置が行う該判断の内容は、主制御装置が定期的に実行する割込処理において、第2球検出スイッチの遊技球の検出状態を所定回数連続して検知することとしてもよい。また、サブ制御装置が判定する第1球検出スイッチの球検出信号の検出は、サブ制御装置が実行する定期割込処理によって、第1球検出スイッチの遊技球非検出状態から検出状態の変化を検知したことを条件にとしてもいいし、第1球検出スイッチの遊技球検出に基づいて遊技球の入賞を判断したことを条件にとしてもよい。
【0011】
主制御装置からサブ制御装置に送信する入力確認コマンドは、遊技球が入球した入球口の種類が判別可能に構成され、受信するサブ制御装置が入球口の種類を判断可能な構成が望ましい。
【0012】
遊技球が入球口に入球して球通路を流下し、第1球検出スイッチの検出後に第2球検出スイッチが遊技球を検出した場合(正常な入球の場合)、サブ制御装置は、入力確認コマンドの受信よりも第1球検出スイッチの球検出信号を必ず先に入力する構成となり、第1球検出スイッチに対して電波が照射された場合、同時に第2球検出スイッチが該電波を受ける範囲に該第2球検出スイッチを配置するのが好適である。
【0013】
上記した第1球検出スイッチと第2球検出スイッチとの配置から、第1球検出スイッチの球検出信号の入力から所定時間以内に入力確認コマンドを受信しない場合に異常と判定する入賞判定手段は、第1球検出スイッチの球検出信号が入力されていないにもかかわらず入力確認コマンドを受信した場合にも異常と判定する構成が望ましい。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の弾球遊技機によれば、サブ制御装置において、ダブルセンサに基づいた入球口の入球状況を監視し、異常と判断した場合は異常状態を報知することが可能になると共に、主制御装置の負担を軽減して遊技性の低下を避けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技盤8の正面図。
【図2】遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図3】主制御装置50が実行するメインルーチンを示すフローチャート。
【図4】実施例1において、左一般入賞口の断面図1。
【図5】実施例1において、一般入賞口スイッチと入球スイッチの位置関係を示す図1。
【図6】主制御装置50が実行する入球データ作成処理を示すフローチャート。
【図7】主制御装置50が実行する賞球コマンド送信処理を示すフローチャート。
【図8】実施例1において、サブ統合制御装置53が実行する入球判定処理1を示すフローチャート。
【図9】実施例2において、左一般入賞口の断面図2。
【図10】実施例2において、一般入賞口スイッチと入球スイッチの位置関係を示す図2。
【図11】実施例2において、サブ統合制御装置53が実行する入球判定処理2を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【実施例1】
【0017】
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0018】
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
【0019】
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左側には、左一般入賞口35a(本発明の入球口に該当)が備えられる入賞口ユニット35が設けられ、大入賞口ユニット33の右側にも、右一般入賞口35a(本発明の入球口に該当)が備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
【0020】
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。また、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と第2始動口32は3個、大入賞口33aは14個、左右一般入賞口35aは10個に設定されている。
【0021】
また、左一般入賞口35aに遊技球が入球すると、左一般入賞口スイッチ35b(図2参照)が遊技球を検出した後にサブ統合制御装置53に接続された左入球スイッチ35d(図2参照)が該遊技球を検出するように配置され、同様に、右一般入賞口35aに遊技球が入球すると、右一般入賞口スイッチ35c図2参照)が遊技球を検出した後にサブ統合制御装置53に接続された右入球スイッチ35e(図2参照)が該遊技球を検出するように配置されている。
【0022】
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0023】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球が可能となるように構成されている。
【0024】
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
【0025】
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、左一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する左一般入賞口スイッチ35b(本発明の第1検出スイッチに該当)と、右一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する右一般入賞口スイッチ35c(本発明の第1検出スイッチに該当)とが接続されている。
【0026】
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ31a、第2始動口スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、カウントスイッチ33b、左一般入賞口スイッチ35b、右一般入賞口スイッチ35c)は、電波(電磁波)ゴトに有効なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
【0027】
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイドと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイドとが接続されており、図柄表示装置中継端子板を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置と、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置と、普通図柄を表示する普通図柄表示装置と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置とが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
【0028】
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
【0029】
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチと、エラー解除スイッチ76と、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータと、球切れ表示LEDと、下皿満杯表示LEDと、異常状態報知LED75と、エラーNO表示LED74と、が接続されている。
【0030】
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置とは払出制御装置51から発射制御装置への一方向通信回路として構成されている。
【0031】
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
【0032】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0033】
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチと、左一般入賞口スイッチ35bの下流に配置された左入球スイッチ35d(本発明の第2検出スイッチに該当)と、右一般入賞口スイッチ35cの下流に配置された右入球スイッチ35e(本発明の第2検出スイッチに該当)とが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプと、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカと、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置とはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置への一方向通信回路として構成されている。
【0034】
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニットの演出図柄制御装置に出力する。
【0035】
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチが備えられ、音量調節スイッチの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカへ送信する内容とを判断し、スピーカから出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
【0036】
演出図柄制御装置は、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置を制御して、演出図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
【0037】
また、サブ統合制御装置53には、左一般入賞口スイッチ35bの検出に起因して主制御装置50から受信する入球確認コマンド(左)と、左入球スイッチ35dの遊技球検出信号に基づいて、左一般入賞口35aへの遊技球の入球状況を監視し、右一般入賞口スイッチ35cの検出に起因して主制御装置50から受信する入球確認コマンド(右)と、右入球スイッチ35eの遊技球検出信号に基づいて、右一般入賞口35aへの遊技球の入球状況を監視する構成を備え、詳細については後述する。
【0038】
次に、図3を用いて、主制御装置50が実行するメインルーチンについて説明する。図3に示すフローチャートは、主制御装置50のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2mS毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S70までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS75、S80の処理を「残余処理」と称する。
【0039】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0040】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S13)、残余処理に移行する。
【0041】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、各種乱数についての更新処理が順次行なわれる。まず初期値乱数1の更新処理が実行される(S15)。この処理は、初期値乱数1の値について、この処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数1の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0042】
S15の処理後には、初期値乱数2の更新処理が実行される(S20)。この処理はS15の処理と同様に初期値乱数2の値について、実行毎に+1するインクリメント処理である。違いは、初期値乱数1の最大値が「3966」であるのに対して初期値乱数2の最大値が「997」であるということである。よって、この処理を実行する前の初期値乱数2の乱数値が最大値である「997」のときは次回の処理で初期値である「0」に戻る。尚、初期値乱数1は大当り判定(特別図柄の抽選)に使用するものであり、初期値乱数2は当り判定(普通図柄の抽選)に使用するものである。
【0043】
S20に続く大当り判定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数1の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数1の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
【0044】
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期値乱数1と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、大当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
【0045】
尚、通常確率状態時の当選値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
【0046】
S25に続く当り判定用乱数更新処理(S30)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「996」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数2の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数2の値を初期値とし「0」〜「996」までの997個の整数値を繰り返し作成する。
【0047】
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの整数値とすることは前記初期値乱数2と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの997個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「996」の997個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。尚、通常確率状態時の当選値の数は10で、値は「31」〜「40」であり、高確率状態時の当選値の数は966で、値は「31」〜「996」である。
【0048】
大当り図柄決定用乱数更新処理(S35)は「0」〜「19」の20個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る構成になっており、この20個の乱数値により20種類の大当り図柄より1つの大当り図柄が決定され、第1特別図柄、第2特別図柄共に同じ大当り図柄を使用する構成になっている。
【0049】
第1始動口31に入賞したことに起因して行われる大当り抽選(遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かを抽選する)で大当りと判断される確率と第2始動口32に入賞したことに起因して行われる大当り抽選で大当りと判断される確率は、通常遊技状態では1/396.7、高確率遊技状態では1/ 39.67で同じであるが、大当りした際に行われる大当り遊技の内容が第1始動口31に入球して大当りになった場合よりも第2始動口32に入球して大当りになった場合のほうが、大当り遊技中に多く賞球が得られる大当りになる確率が高くなっている。なお、確変大当りになる確率は第1始動口31に入球して抽選が行われた場合と第2始動口32に入球して抽選が行われた場合とで変化はない(同じ確率である)。
【0050】
小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1されて最大値を超えると初期値である「0」に戻る。小当りを示す図柄は2種類であり、小当り図柄決定用乱数によって、どちらの小当りを示す図柄を選択するか決定する。尚、小当りを示す図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄とも同じになっている。また、ハズレを示す特別図柄も第1特別図柄、第2特別図柄で同じになっており、ハズレを示す図柄は「−−」の1種類になっているので外れ図柄を決定するための乱数は備えていない。また、普通図柄の当り図柄もハズレ図柄も共に1種類しか存在しないので当り図柄又はハズレ図柄を決定するための乱数は備えていない。
【0051】
リーチ判定用乱数更新処理(S45)は「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21個で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5個で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6個で、値は「0」〜「5」である。
【0052】
変動パターン決定用乱数の更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。尚、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は第1始動口31又は第2始動口32に遊技球が入賞(第1始動口スイッチ31a又は第2始動スイッチ32aが遊技球を検出し入賞と判定)することで抽出され、当り判定用乱数は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過(普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出し入賞と判定)することで抽出される。
【0053】
続く入賞確認処理(S55)では、遊技領域26に設けられた各入賞口へ遊技球が正規に入球したか否か及び普通図柄作動ゲート42を遊技球が正規に通過したか否かを判定する処理である。判定内容の詳細は後述するが、この入賞確認処理において遊技球の正規入賞と判定されることによって、各入賞口への入賞に基づく賞球の払出し(払出制御装置51への賞球コマンド送信)、サブ統合制御装置53への入球確認コマンドの送信及び各種乱数値の抽出等が実施される。
【0054】
続いては、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特図当否判定処理(S60)、普通図柄抽選が当りか否かを判定する普図当否判定処理(S65)行う。この特図当否判定処理(S60)、普図当否判定処理(S65)が終了すると、画像出力処理等の各出力処理(S70)が実行される。
【0055】
各出力処理(S70)では、遊技の進行に応じて演出図柄制御装置54a、払出制御装置51、発射制御装置、サブ統合制御装置53、大入賞口ソレノイド、普電役物ソレノイド等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤8に設けた各入賞口へ遊技球が入賞したことが確認されたときには、賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置51に賞球データ(賞球コマンド)を出力する処理を、左右一般入賞口35aへ遊技球が入賞したことが確認されたときには、入球確認コマンドをサブ統合制御装置53に出力する処理を、遊技機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置54a及びホールコンピュータ等にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0056】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数1の更新処理(S75)、初期値乱数2の更新処理(S80)から構成されるが、各々前述したS15、S20の処理と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで、時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S70までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行(特別遊技の実行)するか否か、特別図柄(第1又は第2)の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数1、初期値乱数2の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数1が大当り判定用乱数と、初期値乱数2が当り判定用乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期値乱数1の値により変更され、当り判定用乱数は初期値乱数2の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。
【0057】
次に、本発明の、「遊技盤面上に配置される入球口と、該入球口に入球した遊技球を遊技盤裏面側へと取り込む球通路と、該球通路に設けられるサブ制御装置に接続した第1球検出スイッチと、該第1球検出スイッチの下流側に設けられた主制御装置に接続した第2球検出スイッチと」の構成を、図4に示した左一般入賞口35aの断面図を用いて説明する。
【0058】
図4に示す左一般入賞口35a(本発明の入球口に該当)の断面図では、図の左側が遊技盤の表面側となり、右側が裏面側となっている。(1)では、遊技領域に設けられた左一般入賞口35aに遊技球が入球すると、球通路を流下して遊技盤裏面側に誘導されてから左入球スイッチ35dの通過孔を通過し、次に左一般入賞口スイッチ35bの通過孔を通過する構成となっている。(1)の構成は、本実施例のパチンコ機の構成となるが、(2)に示すように、それぞれの通過孔を遊技盤の表面側に配置する構成も考えられる。
【0059】
また、二つのスイッチ間が離れていれば、先に遊技球を検出するスイッチ(この場合は、左入球スイッチ35d)を遊技盤の表面側に配置し、下流側のスイッチ(この場合は左一般入賞口スイッチ35b)を遊技盤裏面側に配置する構成も考えられる。
【0060】
図5(1)は、多くのパチンコ機で使用される近接スイッチの形状を示す図である。周りをコイルで囲まれた遊技球通過孔を遊技球が通過すると、コイルのインピーダンスが変化し、遊技球を検出する構成となっている。
【0061】
図5(2)は、サブ統合制御装置53に接続された左入球スイッチ35dを上側に配置し、主制御装置50に接続された左一般入賞口スイッチ35bを下側に配置する構成において、好適なスイッチの配置位置を示した図である。図の左入球スイッチ35dと左一般入賞口スイッチ35bとは、近接スイッチ同士の相互干渉を防止するために必要な距離(本実施例では14mm)を保った配置を示している。尚、左入球スイッチ35d及び左一般入賞口スイッチ35bに近接スイッチを使用しているため距離D以上離すことが必要となるが、他のスイッチを使用した場合には、遊技球の流下に沿って左入球スイッチ35dの次に左一般入賞口35bの順に遊技球を検出するように配置されていればその限りではない。
【0062】
本発明では、サブ統合制御装置53が、左入球スイッチ35dと左一般入賞口スイッチ35bとの遊技球検出に基づいて入球判定を実施するが、上流側にサブ統合制御装置53に接続された入球スイッチを配置していることにより、サブ統合制御装置53は、正常な遊技球の入球であれば、必ず入球スイッチの遊技球検出状態を主制御装置50からの入球確認コマンドの受信よりも先に検知する構成となっている。
【0063】
この場合、サブ統合制御装置53における入力スイッチ検出から入力確認コマンド受信までの時間差は、二つの検出スイッチの距離と、流下する遊技球の速度に依存するが、主制御装置50が左一般入賞口35bの遊技球検出状態を検知してからサブ統合制御装置53に入球確認コマンドを送信するまでの処理時間は一定となる。
【0064】
従って、二つの検出スイッチ間を想定以上の速度で遊技球が通過した場合であっても、正常な遊技球の入球であれば、サブ統合制御装置53は、左入球スイッチ35dの遊技球検出後から、主制御装置50の処理時間よりも長い時間が経過した後に入球確認コマンドを受信することになる。
【0065】
次に図6のフローチャートを用いて、各入賞口への遊技球の入球に応じて主制御装置50が実行する入球データ作成処理を説明する。入球データ作成処理を開始すると、普通図柄検出スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。肯定判定なら(S100:yes)、6ビットで構成された入球データ記憶バッファの各入球口に該当するビット位置を1にするが、この場合、普通図柄作動口42(普通図柄作動スイッチ42a)に該当するビット位置として下位1ビット目を1にする(S105)。
【0066】
なお、入球データ記憶バッファは6ビットで構成され、各ビットは対応する入球口の入球状態を表し、入球を検知すると対応するビット位置にフラグが立つ(入賞エッジが成立し、1が検知、0が未検知を示す)。この場合、遊技球の入球機会(処理機会)が多い入球口ほど該当するビット位置を下位(若しくは上位)とする構成が好適である。本実施例においても、遊技球が入球する機会が一番多い普通図柄作動口に該当するビットを最下位ビットとし、下位2ビット目をその次に入球機会が多い第1始動口31、下位3ビット目をその次に入球機会が多い第2始動口32、下位4ビット目をその次に入球機会が多い大入賞口33a、下位5ビット目をその次に入球機会が多い左一般入賞口35a、下位6ビット目を最も入球機会が少ない右一般入賞口35a、に設定している。
【0067】
S105の処理の後、又はS100が否定判定なら(S100:no)、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S110)。肯定判定なら(S110:yes)、入球データ記憶バッファの下位2ビット目を1にする(S115)。S115の処理の後、又はS110が否定判定なら(S110:no)、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S120)。肯定判断なら(S120:yes)入球データ記憶バッファの下位3ビット目を1にする(S125)。S125の処理の後、又はS120が否定判定なら(S120:no)、カウントスイッチ33bが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。肯定判断(S130:yes)なら入球データ記憶バッファの下位4ビット目を1にする(S135)。
【0068】
S135の処理の後、又はS130が否定判定なら(S130:no)、左一般入賞口スイッチ35bが遊技球を検出したか否か判定する(S140)。肯定判断なら(S140:yes)入球データ記憶バッファの下位5ビット目を1にする(S145)。S145の処理の後、又はS140が否定判定なら(S140:no)、右一般入賞口スイッチ35cが遊技球を検出したか否か判定する(S150)。肯定判断なら(S150:yes)入球データ記憶バッファの下位6ビット目を1にする(S155)。S155の処理の後、又はS150が否定判定なら(S150:no)、上記処理によって得た入球データを入球データ記憶バッファに記憶処理し(S180)、リターンに抜ける。
【0069】
以上が入球データ作成処理となるが、本実施例のように入賞頻度の高い入球口順に下位ビットから(又は上位ビットから)割り振ることで、処理の負担を軽減する構成が好適といえる。
【0070】
次に図7を用いて主制御装置50が実行する賞球コマンド送信処理を説明する。賞球コマンド送信処理は図3で説明したS70の各出力処理に該当し、図6の処理で作成された入球データを基に、サブ統合制御装置53に入球確認コマンドを送信する処理と、賞球個数を示す賞球コマンドを払出制御装置51へ送信する処理となり、本発明における送信手段を含む。賞球コマンド送信処理を開始すると、まず入球データ記憶バッファにステップS160で記憶処理されたデータがあるか否か(入球記憶バッファが000000でないか否か)を判定する(S200)。
【0071】
否定判定(S200:no)ならリターンし、肯定判定(S200:yes)なら、払出制御装置51から未払い満タン信号を未受信か否かを判定する(S205)。未払い満タン信号とは、未払いの賞球個数を示すデータが払出制御装置51のRAM容量の所定容量以上となったことを知らせる信号である。S205が否定判定、即ち未払い満タン信号を受信していれば(S205:NO)リターンし、払い出す賞球個数を示す賞球コマンドの送信を中断できるように構成する。これによって、払出制御装置51のRAMの記憶容量を小さくすることができ、コストの削減に寄与することができる。
【0072】
S205が肯定判定なら(S205:yes)、入球データ記憶バッファの下位2ビット目が1か否か判定する(S210)。肯定判定なら(S210:yes)、データバスに賞球3個を指示する賞球コマンドをセットし(S215)、ステップS270に進む。S210が否定判定なら(S210:no)、入球データ記憶バッファの下位3ビット目が1か否か判定する(S220)。肯定判定なら(S220:yes)、データバスに賞球3個を指示する賞球コマンドをセットし(S225)、ステップS270に進む。S220が否定判定(S220:no)なら、入球データ記憶バッファの下位4ビット目が1か否か判定する(S230)。肯定判定なら(S230:yes)、データバスに賞球15個を指示する賞球コマンドをセットし(S235)、ステップS270に進む。
【0073】
S230が否定判定(S230:no)なら、入球データ記憶バッファの下位5ビット目が1か否か判定する(S240)。肯定判定なら(S240:yes)、データバスに賞球10個を指示する賞球コマンドをセットし(S245)、左入球確認コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S250)、ステップS270に進む。S240が否定判定なら(S240:no)、入球データ記憶バッファの下位6ビット目が1か否か判定する(S255)。肯定判定なら(S255:yes)、データバスに賞球10個を指示する賞球コマンドをセットし(S260)、右入球確認コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S265)、ステップS270に進む。
【0074】
S270では、上記処理でデータバスにセットした賞球コマンドを払出制御装置51に送信し(S270)リターンに抜ける。以上が主制御装置50が実行する賞球コマンド送信処理となりS250とS265が本発明の入力確認コマンドを送信する送信手段に該当する。
【0075】
次に、サブ統合制御装置53が実行する入力判定処理1を図8のフローチャートを用いて説明する。入力判定処理1は、第1球検出スイッチ(入力スイッチ)の球検出信号の入力から所定時間以内に入力確認コマンドを受信しない場合に異常と判定する本発明の入球判定手段に該当し、異常報知手段を含む処理となる。また、入球判定処理1は、左入球スイッチ35dの遊技球検出と左入球確認コマンドの受信とによって実行する処理と、右入球スイッチ35eの遊技球検出と右入球確認コマンドの受信とによって実行する処理とが同一であり、各々に係る一般入賞口35aへの遊技球入球に応じて個々に実施されるため、ここでは左一般入賞口35aへ入球した場合の処理を説明し、右一般入賞口35aへ入球した場合は援用とする。なお、このフローチャートは、プログラムを非常に簡素にするために、連続入球を排除している。そのため、連続入球する可能性がない(極めて低い)タイプの入球口への入球監視に用いることが望ましい。(可変入球装置内のスイッチの監視に用いるのは望ましくない。)
【0076】
入力判定処理1を開始すると、タイマフラグが0か否か判定する(S300)。タイマフラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が「0」のときは、左入球スイッチ35dの遊技球検出に応じてカウントを開始するタイマ1が未作動であることを、値が「1」のときは、該タイマ1が作動中であることをサブ統合制御装置53が判断するための値である。
【0077】
S300が肯定判定なら(S300:yes)、左入球スイッチ35dが遊技球を検出したか否か判定する(S305)。肯定判定なら(S305:yes)、タイマフラグに1をセットし(S310)、タイマ1設定処理によってカウンタ初期値をセットし定時割込処理毎にデクリメントを行うように作動させ(S315)リターンする。S305が否定判定なら(S305:no)、主制御装置50から左入力確認コマンドを受信していないか否か判定する(S320)。
【0078】
S320が肯定判定なら(S320:yes)、正常な状態であるためリターンするが、否定判定なら(S320:no)、即ち左入球スイッチ35dが遊技球を検出していなにも係わらず主制御装置50から左入力確認コマンドを受信した状況、言い換えれば、上流に配置した左入球スイッチ35dが遊技球を検出していないにも拘らず、下流に配置した左一般入賞口スイッチ35bが遊技球を検出した状況は、左一般入賞口35bの下流において球詰まりが発生した可能性が高いためエラー2報知を実施する(S325)。このエラー2報知が本発明の異常報知手段に該当する。
【0079】
エラー2報知が実施されると、サブ統合制御装置53は、エラー2を示す信号を演出図柄制御装置54aに送信し演出図柄表示装置54bにエラー2を報知する態様を表示すると共に、各種ランプ・LEDでエラー2態様の点滅を繰り返し、スピーカからはエラー2を示す効果音を出力する。エラー2報知状態は、ホールスタッフが球詰まりを取り除き遊技機裏面に配置されたエラー解除スイッチ76を操作することで終了する。エラー2が解除されると、各計数値、各タイマ、各カウントがクリアされた状態(初期状態)となる。なお、エラー2状態は報知の開始から所定時間(例えば30秒)経過した時点で終了する構成としてもよい。
【0080】
次に、S300が否定判定なら、即ち左入球スイッチの遊技球検出に応じてタイマ1が作動中であれば(S300:no)、主制御装置50から左入球確認コマンドを受信したか否か判定する(S330)。肯定判定なら(S330:yes)、作動中のタイマ1のカウント値が所定値よりも小さいか否か、言換えれば、左入球スイッチ35dが遊技球を検出したことによって作動を開始したタイマ1のカウンタ値が、正常に左一般入賞口スイッチ35bが検出したことを示す値までカウントが進んでいるか否か判定する(S335)。
【0081】
この場合にS335で比較する所定値は、主制御装置50が、左一般入賞口スイッチ35bの遊技球検出状態への変化を検知してから、サブ統合制御装置53に左入球確認コマンドを送信するまでの処理時間に相当するタイマ1のカウンタ値を、S515でタイマ1として設定するカウンタの初期値から減算した値となる。
【0082】
本実施例における具体的な所定値は、S315でタイマ1として設定するカウンタの初期値が50であり、主制御装置50が左一般入賞口35bで遊技球の検出状態を検知してからサブ統合制御装置53に左入球確認コマンドを送信するまでの処理時間10msをサブ統合制御装置53の定時割込処理の2msで除算した値が5となることから、所定値は45(50−5)となる。
【0083】
従って、S335の判定時に、タイマ1のカウント値が45よりも小さければ、言換えればタイマ1の作動開始から5回の定時割込処理に相当する処理時間が経過した後に左入球確認コマンドを受信していれば(S335:yes)、正常な遊技球の入球(左入球スイッチ35dと左一般入賞口35bとが順に遊技球を検出)として作動中のタイマ1を終了すると共にカウンタ値をクリアし(S345)、タイマフラグに0をセットして(S350)リターンする。
【0084】
S335の判定時に、タイマ1のカウント値が45以上であれば、言換えればタイマ1の作動開始から5回の定時割込処理に相当する処理時間を経過せずに左入球確認コマンドを受信していれば(S335:no)、左入球スイッチ35dと左一般入賞口スイッチ35bとが、電波(電磁波)の照射により同時に非検出状態から検出状態に変化した可能性が高いと判断できる。従ってこの場合は、エラー1報知を実施する(S340)。このエラー1報知が本発明の異常報知手段に該当する。
【0085】
エラー1報知が実施されると、エラー2報知時と同様に、サブ統合制御装置53はエラー1を示す信号を演出図柄制御装置54aに送信し演出図柄表示装置54bにエラー1を報知する態様を表示すると共に、各種ランプ・LEDでエラー1態様の点滅を繰り返し、スピーカからはエラー1を示す効果音を出力する。エラー1報知状態は、ホールスタッフが遊技機裏面に配置されたエラー解除スイッチ76を操作することで終了する。エラー1が解除されると、各計数値、各タイマ、各カウントがクリアされた状態(初期状態)となる。なお、エラー1状態は報知の開始から所定時間(例えば30秒)経過した時点で終了する構成としてもよい。
【0086】
S330が否定判定なら(S330:no)、タイマ1が作動中の処理としてタイマ1のカウンタ値から−1するデクリメント処理を行い(S355)、タイマ1の値が0ではないか否か判定する(S360)。肯定判定ならリターンし、否定判定なら(S360:no)、即ち、左入球スイッチ35dが検出したにも拘らず、所定時間(例えば100ms)が経過しても、左入球スイッチ35dが遊技球を検出しない状態なら、エラー2報知を実施する(S365)。この状態は上流の左入球スイッチ35bが遊技球を検出した状態で球詰まりが発生している可能性が高いと判断できる。
【0087】
以上がサブ統合制御装置53が実行する入球判定処理1となる。この処理は、一つの入賞口(この場合左一般入賞口35a)に対して、入賞を検出する検出スイッチを2個設け、決められた順(この場合は上流側に左一般入賞口スイッチ35b、下流側に左入賞スイッチ35d)に遊技球を検出するように配置することにより、前記一つの入賞口への遊技球の入球状況及び電波ゴトを監視する処理となる。
【0088】
この処理により、上流側の検出スイッチのみが遊技球を検出した状態で所定時間が経過した場合は、上流側の検出スイッチ付近で玉詰まりが発生していると判断できる。また、二つの検出スイッチが同時に電磁波を照射された場合、サブ統合制御装置53は入球スイッチの検出から主制御装置50の処理時間だけ遅延して(入球スイッチから一般入賞口スイッチまで遊技球が流下する時間を経ずに)入球確認コマンドを受信することによって二つの検出スイッチに電磁波が照射された可能性が高いと判断できる。また、入球スイッチが未検出の状態で入球確認コマンドを受信した場合は、主制御装置50に接続した一般入賞口スイッチの下流で球詰まりが発生していると判断できる。
【実施例2】
【0089】
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用して説明を進める。
【0090】
実施例1は、上流側の入球スイッチと下流側の一般入賞口スイッチとを相互干渉を防止するのに必要な距離だけ接近させて配置(図4、5参照)し、監視する入球口への連続入球の可能性が極めて低い場合として説明したが、本実施例は、入球スイッチと一般入賞口スイッチとの配置位置を、入球スイッチの検出した遊技球が一般入賞口スイッチに検出されるまでに、入球スイッチが複数の遊技球を検出可能な距離に配置し、監視する入球口において連続入球にも対応した構成となる。
【0091】
実施例1で説明した図1、2、3、6、7は共通内容であるため説明は援用とし、左入球スイッチ35dと左一般入賞口スイッチ35bとの配置関係と、該配置に応じてサブ統合制御装置53が実行する入賞判定処理2を説明する。
【0092】
図9に示す左一般入賞口35a(本発明の入球口に該当)の断面図でも、図の左側が遊技盤の表面側となり、右側が裏面側となっている。また、実施例1と同様に、遊技領域に設けられた左一般入賞口35aに遊技球が入球すると、球通路を流下して遊技盤裏面側に誘導されてから左入球スイッチ35dの通過孔を通過し、次に左一般入賞口スイッチ35bの通過孔を通過する構成となっているが、図10に示すように、左入球スイッチ35dと左一般入賞口スイッチ35bとの配置位置を離すことにより、左入球スイッチ35dで検出された遊技球(1)が左一般入賞口スイッチ35bで検出されるまでに、複数の遊技球が左入球スイッチ35dで検出される可能性がある構成となっている。言い換えれば、入球スイッチと一般入賞口スイッチとの配置位置が、二つの検出スイッチ間に複数の遊技球が存在可能となるように離れている構成となる。
【0093】
この場合、二つの検出スイッチを共に遊技盤の表側に配置するのは遊技盤面上のスペースを必要とするため望ましくない。そのため、上流側の検出スイッチのみを遊技盤の表側に配置し、下流側のスイッチを遊技盤の裏面側に配置する構成や、上流側、下流側の両検出スイッチを遊技盤の裏面側に配置する構成が考えられる。
【0094】
次に、入球スイッチが複数の遊技球を検出した後に一般入賞口スイッチが該複数の遊技球の検出を行う場合に対応した、サブ統合制御装置53が実行する入球判定処理2を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。実施例1の入球判定処理1では、入球スイッチが遊技球を検出してから入球確認コマンドを受信するまでの時間のみを監視して正常な入球か否かを判定したが、入球判定処理2では、該時間の監視に加え、入球スイッチの遊技球検出数と入球確認コマンドの受信数とを監視し、規定時間内の検出数と受信数の整合性を条件に正常な入球か否かの判定を実施する構成となっている。
【0095】
なお、実施例1のように二つの検出スイッチが接近した場合でも入球判定処理2を用いることは可能であり、入球判定処理2も本発明の入球判定手段に該当する処理となる。また、入球判定処理2も、左入球スイッチ35dと左一般入賞口35bとに係る処理と、右入球スイッチ35eと右一般入賞口35cとに係る処理とが各々に実行される構成となっているため、左入球スイッチ35dと左一般入賞口35bとに係る処理として説明し、右入球スイッチ35eと右一般入賞口35cとに係る処理の説明は援用とする。
【0096】
サブ統合制御装置53が、図11に示す入球判定処理2を開始すると、タイマフラグが0か否か判定する(S400)。タイマフラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が「0」のときは、左入球スイッチ35dが遊技球を検出する毎にカウントを開始するタイマ2が未作動であることを、値が「1」のときは、該タイマ2が作動中であることをサブ統合制御装置53が判断するための値である。
【0097】
S400が肯定判定なら(400:yes)、左入球スイッチ35dが遊技球を検出したか否か判定する(S405)。肯定判定なら(S405:yes)、タイマフラグに1をセットし(S410)、タイマ2設定処理によってカウンタ初期値をセットし定時割込処理毎にデクリメントを行うように作動させ(S415)、左入球スイッチ35dの検出数に応じたカウンタ1に+1するインクリメント処理を行って(S420)リターンする。S405が否定判定なら(S405:no)、左入力確認コマンドを未受信か否か判定する(S425)。
【0098】
S425が肯定判定なら(S425:yes)、正常な状態としてリターンするが、否定判定なら(S425:no)、即ち、左入球スイッチ35dが遊技球を検出していないにもかかわらず、主制御装置50から左一般入賞口35bの検出に応じた左入球確認コマンドを受信した状況、言い換えれば、上流に配置した左入球スイッチ35dが一つの遊技機も検出していない(カウンタがクリアな状態)にもかかわらず、下流に配置した左一般入賞口スイッチ35bが遊技球を検出した状況は、左一般入賞口35bの下流において球詰まりが発生した可能性が高いためエラー2報知を実施する(S430)。このエラー2報知が本発明の異常報知手段に該当する。なお、エラー2報知では、実施例1と同内容の報知が実施される。
【0099】
次に、S400が否定判定なら、即ち左入球スイッチ35dの検出に応じてタイマ2が作動中であれば(S400:no)、左入球スイッチ35dが遊技球を検出したか否か判定する(S435)。肯定判定なら(S435:yes)、タイマ2再設定処理としてタイマ2のカウントを終了しカウンタ値をクリアしてからS615と同様にカウンタを初期値から再作動させ(S440)、左入球スイッチ35dの遊技球検出に応じたカウンタ1に+1するインクリメント処理を行って(S450)、カウンタ1の値が所定値(本実施例では5個)よりも大きいか否か判定する(S455)。否定判定なら(S455:no)S470に進み、肯定判定なら、即ち二つの検出スイッチ間に物理的に存在が不可能な数の遊技球が存在する状況であれば(S455:yes)、二つの検出スイッチ間で玉詰まりが発生し、上流側の入球スイッチ35dにおいてチャタリングが起きている可能性が高いため、エラー2報知を実施する(S460)。
【0100】
S435が否定判定なら(S435:no)、タイマ2のカウンタ値から−1するデクリメント処理を行い(S465)、左入球確認コマンドを受信したか否か判定する(S470)。肯定判定なら(S470:yes)、カウンタ1から−1するデクリメント処理を行い(S475)、カウンタ1が0か否か、即ち上流の左入球スイッチ35dで検出された遊技球が下流の左一般入賞口スイッチ35bで全て検出されたか否か判定する(S480)。肯定判定なら(S480:yes)、実施例1のS335と同様に、作動中のタイマ1のカウンタ値が所定値よりも小さいか否か、言換えれば、左入球スイッチ35dが遊技球を検出したことによって作動を開始したタイマ1のカウンタ値が、その後に正常に左一般入賞口スイッチ35bが検出したことを示す値までカウントが進んだか否かを判定する(S485)。
【0101】
この場合の所定値も実施例1と同様の値となり、S485が否定判定なら(S485:no)、左入球スイッチ35dと左一般入賞口スイッチ35bとが、電波(電磁波)の照射により同時に非検出状態から検出状態に変化した可能性が高いと判断できるためエラー1報知を実施する(S500)。このエラー1報知も本発明の異常報知手段に該当する。
【0102】
S485が肯定判定なら(S485:yes)、左入球スイッチ35dで検出された全ての遊技球が左一般入賞口スイッチ35bで正常に検出された状態であり、タイマ2をクリアし(S490)、タイマフラグに0を設定して(S495)、リターンする。
【0103】
S470が否定判定、又はS480が否定判定なら(S470:no、S480:no)、タイマ2のカウンタ値が0か否か判定する(S505)。否定判定なら(S505:no)リターンし、肯定判定なら、即ち左入球スイッチ35dが検出した遊技球が、所定時間を経過しても左一般入賞口スイッチ35bに検出されない状態であれば(S505yes)、二つの検出スイッチ間で玉詰まりが発生している可能性が高いため、エラー2報知を実施する(S460)。
【0104】
以上が実施例2においてサブ統合制御装置53が実行する入球判定処理2となる。実施例2においても、上流側の検出スイッチのみが遊技球を検出した状態で所定時間が経過した場合は、上流側の検出スイッチ付近で玉詰まりが発生していると判断でき、入球スイッチが検出後、該検出に対応した入球確認コマンドを所定時間を経ずに受信した場合は、二つの検出スイッチに電波が照射される電波ゴトが実行された可能性が高いためエラー1報知を行う。また、入球スイッチが未検出の状態で入球確認コマンドを受信した場合は、主制御装置50に接続した一般入賞口スイッチの下流で球詰まりが発生している可能性が高いと判断できる。
【0105】
なお、この入球判定処理2は、実施例1で説明した入球判定処理1とは異なり、連続入球する可能性があるタイプの入球口に対応可能な構成となっている。従って、例えば可変入球装置のように連続して遊技球が入球する機会がある入球口への入球監視に用いることが望ましいが、連続入球の可能性が少ないタイプの入球口に用いることも可能である。
【0106】
以上が実施例の説明と成るが、図8、図11で説明したような監視を行うためには、十分なプログラム容量が必要であると共に、処理に要する時間も必要となるため、規則上の性能制限がなされている主制御装置50や払出制御装置51では荷が重すぎる。その点、規則上の性能制限のないサブ統合制御装置53では、十分に処理を実行することができる。それにより、主制御装置50の制御負担を軽減させるだけでなく、不正対策として必要となるプログラム容量を遊技の興趣を高める方向で利用することができると共に、主制御装置50での不正監視よりも優れた監視を可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明の弾球遊技機によれば、サブ統合制御装置制御装置による二つの検出スイッチ(ダブルセンサ)を用いた入球口の監視処理によって電波ゴトの不正行為を適切に検出することが可能となりながら、主制御装置の容量を不正監視処理によって圧迫することが無く遊技性を低下させる虞がない。従って、サブ制御装置を備える弾球遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0108】
8 遊技盤
31 第1始動口
31a 第1始動口スイッチ
32 第2始動口
32a 第2始動口スイッチ
33a 大入賞口
33b カウントスイッチ
35a 左右一般入賞口
35b 左一般入賞口スイッチ
35c 右一般入賞口スイッチ
35d 左入球検出スイッチ
35e 右入球検出スイッチ
40 普通電動役物
42 普通図柄作動ゲート
50 主制御装置
53 サブ統合制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤面上に配置される入球口と、
該入球口に入球した遊技球を遊技盤裏面側へと取り込む球通路と、
該球通路に設けられるサブ制御装置に接続した第1球検出スイッチと、
該第1球検出スイッチの下流側に設けられた主制御装置に接続した第2球検出スイッチと、
該第2球検出スイッチの球検出信号の入力を条件に、前記サブ制御装置に球検出信号の入力があったことを示す入力確認コマンドを送信する送信手段を前記主制御装置に設け、
前記サブ制御装置は、
前記第1球検出スイッチの球検出信号の入力から所定時間以内に前記入力確認コマンドを受信しない場合に異常と判定する入球判定手段と、
該入球判定手段によって異常と判定されたことに基づいて、異常報知を実行する異常報知手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−196274(P2012−196274A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61389(P2011−61389)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】