説明

形状変化する背中支持フレームを有する腰掛

背もたれが関節式背もたれフレーム及び背中支持部を有する。背もたれフレームは、椅子制御部に枢着される下部セグメント、胸部支持用の上部セグメント、及び上部セグメントと下部セグメントと共に4節リンク機構を形成するリンクを有し、ジョイントが腰部領域に形成されている。背中支持部は、関節式背もたれフレームの形状変化に対応する限られた方向に伸縮可能であり、腰掛けているユーザに十分な支持を与える。腰部ジョイントに後方圧力を受けると、背もたれフレーム自体が形状変化する。4節リンク機構のピボット位置は、腰部が撓む際に上部セグメントの回動移動及び並進移動を同時に制御する機構を形成する。背もたれフレームは背中支持部に近接し、著しい設計柔軟性を与えるが、実質的な腰部の撓みを可能にする。背もたれフレームの関節に対応する種々の背中支持部が意図される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状変化するようになっている背中支持構造部を有する背もたれを備える腰掛ユニットに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、「形状変化する背中支持構造を有する腰掛(SEATING WITH SHAPE-CHANGING BACK SUPPORT STRUCTURE)」と題する、2005年3月8日に出願された米国仮特許出願第60/659,688号(その内容全体が参照により援用される)の利益を主張する。本願はまた、「形状変化する背中支持フレームを有する腰掛(SEATING WITH SHAPE-CHANGING BACK SUPPORT FRAME)」と題する、2006年2月27日に出願された特許出願、及び、「形状変化する背中支持フレームを有する腰掛(SEATING WITH SHAPE-CHANGING BACK SUPPORT FRAME)」と題する、2006年2月27日に出願された特許出願(これもまた参照により本明細書に援用され、米国特許仮出願第60/659,688号の利益も主張する)に関する。
【背景技術】
【0003】
人間工学的背もたれ構成部は、Battey他の米国特許第5,871,258号(以下Battey‘258号特許)に開示されている。Battey‘258号特許の背もたれ構成部は、逆U字形背もたれフレームの前に位置すると共にその上部ピボット及び下部ピボットに枢着される背もたれシェルを有する。背もたれシェルは可撓性腰部セクションを有する。可撓性腰部セクションは、剛性胸部セクション及び剛性骨盤セクションと組み合わさって、十分に画定された所定の経路に沿って背もたれを撓ませるようになっている。付勢機構が腰部セクションを前方に付勢して、腰掛けているユーザに最適な支持を与えるようになっている。特に、Battey‘258号特許では、下部ピボットは、背もたれシェルの前面の前方に延びるフランジ(134)の、全設計オプションを限定すると共に側部位置から座部にかかる左右方向の摺動を妨げる可能性のある位置にある。いくつかの環境及びいくつかの腰掛用途では、前方に延びるフランジが引き起こす、座部への横からの着座に対する妨げをなくすことが望ましい。また、Battey‘258号特許では、背もたれシェルが撓む余地を与えるために、背もたれフレームは後方に離間し、背もたれシェルの外側にある。背もたれフレームが背もたれシェルから後方に離間している必要性をなくすことが望ましいが、その理由は、このような必要性により、椅子の外観に関する設計オプション及び柔軟性が限られてしまうからである。同時に、Battey‘258号特許に示すものと同様の可撓性背もたれシェル構成部の人間工学的機能及び快適性を維持することが望ましい。したがって、機械的組立ては比較的単純なままで、また、容易に分解且つリサイクルすることができる環境に安全であると共に環境に優しい(「グリーンな」)部品を使用しつつ、上部ピボット及び/又は下部ピボットの再位置付け又は排除を可能にするといったような、美観的側面及び機能的側面の双方に関して設計柔軟性を高めることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上記利点を有すると共に上記課題を解決するシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、腰掛ユニットは、基部と、基部上に支持される座部と、直立位置及びリクライニング位置間を移動するように、基部上に動作可能に支持される背もたれ構成部とを備える。背もたれ構成部は、背もたれフレームと、背もたれフレームに胸部領域、骨盤領域、及び腰部領域を縦配置で画定する背中支持部とを有し、当該縦配置では、胸部領域、骨盤領域、及び腰部領域の前面が、腰領域が前方に突出している状態の第1の湾曲形状を画定する。背もたれフレームは、腰掛けているユーザから後方の腰圧を受けると、胸部領域及び骨盤領域を支持し続けつつ腰部領域を後方に移動させるために、撓んで形状変化するように枢動自在に相互接続される構成要素を組み込んでいる少なくとも1つの多リンク機構を有する。この構成により、背もたれ構成部が後方の腰圧を受けると、背中支持部及び背もたれフレームが、第1の湾曲形状から変化して、より平坦な第2の形状を画定する。
【0006】
本発明の別の態様では、腰掛ユニットは、基部と、基部上に支持される座部と、直立位置及びリクライニング位置間を移動するように、基部上に動作可能に支持される背もたれ構成部とを備える。背もたれ構成部は、胸部領域、骨盤領域、及び胸部領域と骨盤領域との間に腰部領域を画定し、腰部領域は、胸部領域及び骨盤領域の少なくとも部分的に前方に位置する。背もたれ構成部は、胸部領域の前面画定部を有する上部剛性支持構造部、基部及び座部の一方に枢着される下部剛性支持構造部を有する。第1の剛性リンク及び第2の剛性リンクが、上部剛性支持構造部の第1の上部ピボット及び第2の上部ピボットに各自の上端がそれぞれ枢着されると共に、下部剛性支持構造部の第1の下部ピボット及び第2の下部ピボットに各自の下端がそれぞれ枢着される。第1の上部ピボット及び第2の上部ピボットはその間に上方の第1の距離を画定し、第1の下部ピボット及び第2の下部ピボットはその間に下方の第2の距離を画定し、第2の距離は第1の距離よりも長い。上部剛性支持構造部及び下部剛性支持構造部、並びに第1の剛性リンク及び第2の剛性リンクは相互接続し、それにより、腰掛けているユーザが腰部領域に後方圧力を加えると背もたれ構成部が形状変化してより平坦な形状を画定する。
【0007】
本発明の別の態様では、腰掛ユニット用の背もたれ構成部は、背もたれフレームと、背もたれフレーム上に支持される背中支持部とを備える。背もたれフレームは、別個の上部セグメント及び下部セグメントを組み込んでいる少なくとも1つの多リンク機構を有する。上部セグメントは、多リンク機構の上部リンクを形成し、背中支持部と組み合わさると、腰掛けているユーザの上背部に対して少なくとも部分的に支持を与えるように構成されると共にそのようになっている。下部セグメントは、多リンク機構の下部リンクを形成する。多リンク機構は、背中支持部と組み合わさると腰掛けているユーザの下背部に対して少なくとも部分的に支持を与えるように構成されると共にそのようになっているさらなるリンクを有する。
【0008】
本発明の別の態様では、腰掛ユニットは、座部と、背もたれフレームと、背もたれフレームによって支持されると共に、腰掛けているユーザを支持するようになっている表面を有する背中支持部と、背もたれフレーム及び背中支持部を直立位置へ付勢する第1のエネルギー機構と、背中支持部の一部を前方突出形状へ付勢するようになっている第2のエネルギー機構とを有する。腰掛ユニットの改良は、背もたれフレームが上部セグメント及び下部セグメントを画定し、第2のエネルギー機構が、背もたれフレームの上部セグメント及び下部セグメントの少なくとも一方の中間部分を前方に付勢するように配置されることを含む。
【0009】
本発明のさらに別の態様では、腰掛ユニット用の背もたれ構成部は、背中支持部を支持するようになっていると共に、動作可能に相互接続される上部セグメント及び下部セグメントを画定して、腰掛けているユーザの腰部領域に近接して上部セグメント及び下部セグメント間に腰部ジョイントを画定する、背もたれフレームを備える。腰部ジョイントは、背もたれフレームの前方突出位置に位置するが、腰掛けているユーザが腰部領域に対して後方に圧力をかけるときに後方に関節運動して移動するようになっている。背もたれフレームは、基部に取り付けられるようになっている下部を有し、腰部ジョイントが撓む際に主として上部剛性セグメントの重量及び移動に対して構造的な支持を与えるように構成される。
【0010】
本発明の別の態様では、腰掛ユニットは、基部と、基部上に支持される下部フレームセグメント、及び下部フレームセグメントによって支持される上部フレームセグメントを有する背もたれ構成部とを備える。上部フレームセグメントは、第1のピボット軸を画定する少なくとも1つの第1のピボットと、第1のピボット軸から水平方向に離間している第2のピボット軸を画定する少なくとも1つの第2のピボットとを画定する。基部及び下部フレームセグメントのうち一方は、上部フレームセグメントのための構造支持部を画定する。機構が、第1のピボット及び第2のピボットを下部構造支持部に相互接続し、この機構は、腰掛けているユーザにより上部フレームセグメントの下部に対して圧力がかけられると、上部フレームセグメントの下部の回動及び後方移動のどちらも同時に制御するように構成される。
【0011】
本発明の別の態様では、腰掛ユニット用の背もたれ構成部は、少なくとも胸部領域及び可撓性の腰部領域を画定する外周フレームセクションを有する関節式背もたれフレームと、関節式背もたれフレームによって支持されると共に、外周フレームセクションの部分間に懸架される背中支持部とを備える。背中支持部は懸架材を有し、この懸架材は、胸部領域及び腰部領域のうち腰掛けているユーザを支持するようになっている少なくとも一方に成形懸架面を画定する。懸架材は、成形懸架面に沿った第1の方向における伸縮性の方が成形懸架面に沿った異なる第2の方向におけるよりも大きい少なくとも1つのエリアを有する。
【0012】
本発明の別の態様では、腰掛ユニット用の背もたれ構成部は、少なくとも胸部領域、可撓性の腰部領域、及び骨盤領域を画定するフレームセクションを有する関節式背もたれフレームを備える。関節式背もたれフレームは自立式であり、腰掛けているユーザからの腰圧に応じて腰部領域を後方に撓ませるように構成される。背中支持部は、関節式背もたれフレームによって支持され、腰部領域において縦方向に拡張可能であり、それにより、背もたれフレームが撓む際の腰部領域の形状変化に対応するようになっている。
【0013】
本発明のさらに別の態様では、腰掛ユニット用の背もたれ構成部は、外周側フレーム部材を有する関節式背もたれフレームであって、外周側フレーム部材が、可撓性の腰部ジョイントを画定すると共に、外周側フレーム部材間に開口エリアを画定する、関節式背もたれフレームと、懸架材及び縦部材を有する背中支持部とを供える。懸架材は、開口エリアにわたって外周側フレーム部材に取り付けられると共に外周側フレーム部材間に支持される。腰部ジョイントに近接した領域の懸架材は、横方向に伸縮可能でなく、外周側フレーム部材間の直線距離よりも長い寸法を有し、そのため、懸架材が外周側フレーム部材間の腰部ジョイントにてスリング構成を形成し、縦部材は伸縮可能であり、懸架材の中央エリアにわたって縦方向に延びて、懸架材を後方に付勢し、したがって、当該懸架材におけるスラックをとり、背もたれ構成部が使用中でないときに懸架材を後方の中心位置に保持する。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、腰掛ユニットは、基部と、基部上に支持される座部と、上部セグメント及び下部セグメント、並びに上部セグメント及び下部セグメント間に少なくとも1つのフレキシブルジョイントを有する関節式背もたれフレームを備える。胸部領域及び骨盤領域を有する背中支持部が、上部セグメント及び下部セグメントにそれぞれ支持され、フレキシブルジョイントにわたって縦方向に延びる可撓性の腰部領域を有する。腰部領域は後方に変形可能であり、フレキシブルジョイントは、後方の変形の際に腰部領域を支持しつつ撓むように構成される。
【0015】
本発明のさらに別の態様では、腰掛ユニットは、基部と、より湾曲した形状及びより平坦な形状間を関節運動するように構成される背もたれ構成部であって、関節運動は、腰掛けているユーザの腰部付近に回動軸を画定し、回動軸は、当該背もたれ構成部の前面付近にある、背もたれ構成部とを備える。少なくとも1つの後部背もたれカバーが、背もたれ構成部の後面にわたって回動軸の後方の位置に水平な特徴ラインを形成する。後部背もたれカバーはその特徴ラインに沿って所定のエリアを覆い、そのため、背もたれ構成部がより湾曲した形状にある場合にエリアを隠すが背もたれ構成部がより平坦な形状へと撓むとエリアを覆わずに露呈させる。
【0016】
本発明のこれらの及び他の態様、目的、及び特徴は、以降に続く明細書、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面を検討すれば、当業者には理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
腰掛ユニット30(図1)は、座部下制御部33が高さ調整可能な柱の頂上に位置する基部32と、座部34と、制御部33に動作可能に支持される背もたれアセンブリ35(本明細書では「背もたれ」とも称する)とを備え、背もたれ35のリクライニング時に同期傾動するようになっている。背もたれ35は、一体型の関節式背もたれフレーム36と、当該背もたれフレーム36に取り付けられると共にそれによって支持される背中支持部37とを備える。特に、背もたれフレーム36は、上部セグメント40及び下部セグメント41を有する。下部セグメント41(図4及び図4A)が椅子制御部33に枢着される。上部セグメント40は、腰掛けているユーザに胸部支持部を与えるようになっている。前部リンク42及び後部リンク43を組み合わせて、上部セグメント40と下部セグメント41とで4節リンク機構を形成する。ジョイント69が背もたれフレーム36の腰部領域にて形成され、背中支持部37はコンプライアントであり、背もたれフレーム36に対する形状変化に対応する。特に、背中支持部37は、関節式背もたれフレーム36における形状変化に対応するように縦方向に伸縮可能であるが、腰掛けているユーザに十分な支持を与えるように背中支持部37に沿って水平方向には概ね伸縮可能でない。腰部ジョイント69にて後方圧力を受け取ると、背もたれフレーム36自体が形状変化する。なお、前部リンク42及び後部リンク43の各上部及び各底部にて画定される複数のピボット位置は、腰部の屈曲の際に回動移動及び並進移動を同時に制御する機構を形成する。背もたれフレーム36は、背もたれ35に一体形となっており、背中支持部37から離隔していないため、「薄い」背もたれ形状設計を可能にすることによって設計の著しい柔軟性を提供し、したがって、約2インチ(約5.08センチメートル)等の厚みしかない。種々の異なる背もたれフレーム構造が意図され、また、本発明の背もたれフレームの関節式撓みに対応する種々の異なる背中支持部が意図される。
【0018】
本発明の背もたれ構成部35は、種々の異なるベース、制御部、座部、及びアームレストに用いることができることが意図される。したがって、本発明の概念は、開示されている実施形態のみに限定されないものと考えれられる。
【0019】
上記のように、関節式背もたれフレーム36(図4A)は、各側に2つのリンク42及び43を備える多リンク機構によって相互接続される上部セグメント40及び下部セグメント41を備える。上部セグメント40は逆U字形を成しており、図示のように、ピボット画定(pivot-defining)ブラケットが各端部に溶接されているU字形曲管を有する。図示のブラケット50は、上部セグメント40の端部のスロットに嵌まるスタンピング部品である。ブラケット50はそれぞれ、前部の上部ピボット軸51を画定する前穴及び後部の上部ピボット軸52を画定する後穴を有する。これらの軸51及び52の位置は、背もたれの撓みの要件に応じて変わり得る。図示の軸51及び52は約1.5インチ(約38.1mm)離れている。
【0020】
下部セグメント41(図4A)は、各端部に上部成形(up-formed)フランジ56を有する横バー55を備える。2つの脚部57が、横バー55の離間している位置から前方に延び、制御部33に接続するのに十分な距離延びている。脚部57はそれぞれ、背もたれ傾動軸59を形成するピボット画定構造部58を有し、この構造部には回動軸が位置し、背もたれ35が直立位置からリクライニング位置にリクライニングしたときに背もたれ35はこの回動軸を中心に回動する。本発明の背もたれ35は、リクライニング時に座部及び背もたれの同期移動を行う腰掛ユニット(事務椅子等)又は背もたれのリクライニングのみを行う腰掛ユニットに用いることができることに留意されたい。本発明の背もたれ35はまた、いかなる背もたれのリクライニングも行わない腰掛ユニットに用いることもできる。背もたれのリクライニング時に座部及び背もたれの同期移動を行う制御部は当該技術分野において既知であるため、かかる制御部の具体的な開示は本発明の概念の理解に必要ではない。しかしながら、本発明(present inventiveness)の一部は、本発明の概念と座部及び背もたれ用の同期傾動制御部を有する腰掛ユニットとの組み合わせであることが意図される。アップフランジ56は、前部の下部ピボット軸60及び後部の下部軸61を画定する各穴を有する。軸60及び61の位置は、背もたれの可撓性の要件に応じて変わり得る。図示の軸60及び61は約2インチ(約50.8mm)離れている。
【0021】
前部リンク42(図4A)は、縦方向に延びる左右のリンク部品63、及びリンク部品63に溶接されると共に相互接続する横管64を有する。リンク部品63は、横管64を所望の後部位置に位置付けするL字形側面形状を有するスタンピング部品である。また、リンク部品63のL字形は、腰掛けているユーザの下方且つ後方に、リンク部品の中間位置に位置し、そのため、腰掛ユニット30に対する開口した側部からのアクセスが維持される。しかしながら、異なる形状のリンクを用いることができることを理解されたい。例えば、線形であるリンク43D(図11)を参照のこと。リンク部品63(図4A)は、前部の上部軸51に沿って延びて腰部ジョイント69を画定する整合ピボットピン68によって、上部セグメント40のブラケット50に枢着される。リンク部品63は前部の下部軸60に沿って延びるピボットピン70によって下部セグメント41に枢着される。
【0022】
後部リンク43(図4A)は、組み立てられる腰掛ユニットの機能及び構造の要件に応じて、横管によって相互接続されてもよく又はされなくてもよい左右の部品を備える。図示の後部リンク43は接続されない。これらのリンクは上下方向に延びるL字形スタンピングである。後部リンク43はそれぞれ、後部の上部軸52に沿って延びる整合ピボットピン71によって上部セグメント40の端部ブラケット50に枢着され、後部の下部軸61に沿って延びる整合ピボットピン72によって下部セグメント41のアップフランジ56に枢着される。図示の構成では、前部リンク部品63は、上部セグメント40の端部ブラケット50の内側、及び下部セグメント41のアップフランジ56の内側に位置し、また、後部リンク43は、端部ブラケット50の外側、及びアップフランジ56の外側に位置する。しかしながら、これらの相対位置は逆でもよく、又はリンク部品はどちらも外側位置又は内側位置にあることもできることが意図される。ジョイント及びピンチ点を背中支持部37又は美観カバーによって覆うことができ、ピンチ点は部品40〜43の設計によりなくすこともできることがさらに意図される。
【0023】
背もたれフレーム36(図3)は、背中支持部37を支持する一体形の外周フレームを画定する。具体的には、上部セグメント40及び下部セグメント41が前部リンク42と組み合わさって開口64’を画定する。上部セグメント40は、U字形を形成する、上部セクション75及び対向する側部セクション76を有する。前部リンク42のリンク部品63は側部セクション76から垂直方向に延び、ピボットピン68によって上部セグメント40のブラケット50にさらに枢着されて腰部ジョイント69を画定する。横管64が外周フレームの下部セクションを形成する。背もたれフレーム36は、前方ホーム位置(図3)と腰部が後方に後退した位置(図4)との間で腰部ジョイント69(図2を参照)にて曲がるか又は関節式に曲がることができる。
【0024】
背中支持部37(図1)は、胸部上部領域80と、骨盤下部領域81と、横スロット83を有する可撓性のコンプライアントな腰部領域82とを有する高分子材料から作製されるシート状背もたれシェルであり、それらの領域はBatteyの米国特許第5,871,258号に開示している領域に類似している。Batteyの米国特許第5,871,258号の全内容は、可撓性背もたれシェル及び協働する背もたれフレームの動作の教示に関して、本その明細書中に援用される。腰部領域82は、腰部領域82にわたって延びる縦方向縁ストラップ84を有する。好ましくは、ストラップ84は、腰部ジョイント69の回動軸の比較的近くに又は当該回動軸と整合して位置付けされることで、(図3及び図4に比して)胸部領域80及び骨盤領域81を垂直方向に付勢することなく、腰部領域82が、撓む際に腰部ジョイント69を中心に背もたれフレーム37の関節により撓むようになっている。腰部領域82における背もたれフレーム36の関節曲がり及び撓みの際に垂直方向の伸張又は拡張が生じるため、背中支持部37の腰部領域82が伸張及び拡張(又は収縮)される。このことは、腰部領域82の付加的なスリットによって、及び/又は背中支持部37を背もたれフレーム36に取り付けるのに用いられるタイプの取り付けによって、また、構造部及びカバー部品の剪断運動に対応するように腰掛の当該技術分野において達成されることができる。
【0025】
上部セグメント40及び下部セグメント41(図2)、並びにリンク42及び43は、一体形の4節リンク構成を形成する。上部ピボット軸51及び52は互いにより近くにあり(約1.5インチ(約38.1mm)離れている)、下部ピボット軸60及び61はさらに離れている(例えば約2インチ(約50.8mm)離れている)。また、軸51及び60間並びに軸52及び61間の縦方向の間隔はほぼ等しい(例えば約6〜8インチ(約152.4mm〜203.2mm)。リンクは比較的剛性であるため、上部セグメント40の下部は腰部ジョイント69での撓み時に十分に規定された回動及び並進移動を受ける。また、上部セグメント40の位置(回動及び並進)は、背もたれの撓みの全ての位置で十分に制御される。この結果、特に腰部領域82におけるだけでなく胸部領域80にもおける背もたれ35が人の背中の曲がりを模し、そのため、腰掛けているユーザの上部の胴に最適な背中の支持を可能にする。換言すると、背もたれ35は、人間工学的に、且つコンプライアントに、腰掛けているユーザと非常によく適合すると共に当該ユーザを快適に支持する人の胴の支持形状を維持する。同時に、背もたれフレーム36は背中支持部37の囲み内にあり、背中支持部37から後方に離隔している必要はないことに留意されたい。このような理由から、背もたれ35の設計は単純であり、設計の選択肢が大幅に増す。例えば、本設計により、比較的薄い形状(例えば約2インチ(約50.8mm)の総厚)を有する背もたれが可能であり、また本設計は、別個の可視の背もたれフレームを必要としない。なお、背もたれフレーム36は、Batteyの‘258特許に示す上部ピボットと同様の場所に、腰部ジョイント69よりも数インチ上の位置で上部セグメント40の後方に仮想ピボット地点86を画定するが、背もたれフレームがその位置に延びる構造を有する必要がない。腰部ジョイント69で背もたれフレーム36が後方に撓む際、仮想ピボット86を越えて延びる背もたれフレーム36の任意の部分が前方に移動する。仮想ピボット(86)は異なる位置に、特により高い位置に位置することができる。腰掛けているユーザに同様の支持及び快適さを椅子がもたらすようにするために、このようにピボット位置が高いほど、高い腰部エネルギーばね率、及び低い背もたれリクライニングエネルギーが必要とされる。
【0026】
本発明の重要な特徴は、軸51、52、60、及び61の相対位置を、背もたれフレーム36の非常に特別な撓みを達成する設計により位置付けすることができ、したがって、腰掛けているユーザが腰を撓ませる際に背もたれ35の前面に非常に特殊な形状変化を与える。第2の(又はそれ以上の)4節リンク機構が、第1の4節リンク機構に「スタック」されて、形状変化のさらに大幅な調整を達成することが考えられ得る。しかしながら、試験により、図示の単一の4節リンク機構を用いた場合に優れた結果が示されている。
【0027】
制御部33は、脚部57を上方に付勢すると共に背もたれ35全体を直立位置へ付勢する付勢機構(1つ又は複数のばね等)を組み込んでいることに留意されたい。かかるばね機構は既知であるため、本発明の理解のために本明細書において説明する必要なはい。下記に説明する腰部付勢ばね機構は、背もたれフレーム36がさらなる前方突出凸形状を画定するように腰部ジョイント69を前方に付勢するためのものである。この前方位置はホーム位置又は前方突出位置と呼ばれる。腰掛けているユーザは、腰部領域内で後方にもたれかかるため、腰部ジョイント69は後方に撓み、腰部付勢ばね機構が後方への撓みに対し抵抗を与えることで、腰掛けているユーザに優れた腰部支持が与えられる。
【0028】
種々の異なる手段により、エネルギーを本背もたれ設計へ取り込むことができる。腰部付勢機構90(図5)は、上端が端部ブラケット50の一方(又は双方)のフック92に取り付けられていると共に下端が前部リンク42のリンク部品63の下側地点93に取り付けられている伸縮可能なコイルばね91を有する。図示のフック92は前部の上部軸51の後方に位置し、それにより、前部の上部軸51、後部の上部軸52、フック92、及び下側地点93により形成される構成により、ばね91に上部セグメント40(又はリンク42及び43の一方若しくは双方)に所定の力を生じさせ、腰部ジョイント69を前方に付勢する(すなわち、4節リンク機構の上部を前方に付勢する)。前進停止部94がリンク機構の下部セグメント41の所定の位置等の上に形成されており、これにより、前部リンク42の前進回動が制限されることになる。前進停止部94は、背もたれフレーム36のホーム位置及び前部関節を画定する(set)。同様の停止部を、背もたれフレーム36の後方への撓みを制限するように形成することができる。
【0029】
フック92は、端部ブラケット50の移動を調整するのに設けることができることが意図される。例えば、フック92は、端部ブラケット50に水平な前/後トラックと摺動可能に係合するフォロワを有することができるであろうことが意図される。代替的に、フック92は、端部ブラケット50のピボットピンを軸に回動することができる。調整は、フォロワと係合すると共に端部ブラケット50に回動可能に支持されるねじ切りシャフト等、異なる手段によって行うことができ、そのため、回動すると、フック92が前/後方向に移動するようになっている。この機構により、端部ブラケット50によって画定されるトルクアーム(したがって、端部ブラケット50に加えられるねじり力)が調整の際に変化する。したがって、異なるレベルの腰部付勢力95が提供される。また、調整可能に支持されているにすぎない状態では、2つのばね91を各側に1つずつ用いることができることも意図される。しかしながら、背もたれフレーム36が十分に剛性である場合、1つのばね91で十分に機能する。
【0030】
代替的な付勢機構100(図6)は、上部が背もたれフレーム36の上部セグメント40のフランジ102に取り付けられていると共に、下部が前部リンク42のフランジ104に取り付けられている、1つ又は複数の板ばね101を有する。板ばね(複数可)101は、背もたれフレーム36の腰部ジョイント69にわたって延びる中間部分105を有する。中間部分105は、リテーナ106により腰部ジョイント69に取り付けられる。板ばね(複数可)101は、所望レベルの前方付勢を腰部ジョイント69に供給するように予成形される。図6の構成では、前進停止部107は、後部リンク(複数可)43から上方に延びると共に、上部セグメント40の端部ブラケット50上のピン108と当接係合するように構成されるフランジを有する。板ばね(複数可)101の端部のための支持の場所及び相対的な(前方/後方)位置を調整することにより、ばね張力調整を行うことができることが意図される。
【0031】
第2の代替的な付勢機構110(図7)は、ピボット軸51、52、60、及び/又は61のうち1つに位置付けされる1つ(又は複数)のねじりばね111を有する。図示のばね111は、ピボット軸52に位置付けされるコイルを有し、また、端部ブラケット50の前方位置と係合する第1の脚部112、及び後部リンク43と係合する第2の脚部113を有する。ばね111は、腰部ジョイント69を前方に付勢するようにして端部ブラケット50を回動可能に付勢するように構成される。端部ブラケット50上又は後部リンク43上の摺動ウェッジ等、ばね脚部112及び113の相対位置を調整する任意の機構により、調整を達成することができることが意図される。
【0032】
種々の異なる実施形態及び変形形態を以下に説明する。上記で説明した構成要素及び特徴と同一又は同様の構成要素及び特徴には同一の符号が用いられるが、文字「A」、「B」、「C」等の文字が添えられている。これは余分な説明を減らすためになされており、別の目的はない。
【0033】
図8及び図9は、本設計により適用される背もたれフレームの変形形態を示す。図示の背もたれフレーム36A(図8)では、上部セグメント40AのU字形曲管は、好適な曲線状に曲がる側管部分120Aを有し、この側管部分120Aは、腰部ジョイント69Aへ下方に至る前部湾曲下側部121Aを有する。また、側管部分120Aは、わずかに前方に曲がっている伸張上側部122Aを有し、したがって、腰掛けているユーザの頭部及び肩部を受けると共に支持する小さなポケットを形成する。上部セグメント40Aはまた、側管部分120A間にわたって延びているため、前面に向いた凹形状を画定するように後方に曲がっている上部横管部分123Aを有する。横バー55Aは、同様に後方に曲がっているが、若干大きく曲がっている。この構成により、背中支持体(37)が、上部横管部123Aと下部横バー55Aとの間で張力をかけられた状態で、背もたれフレーム36Aのセグメント40A〜42Aに取り付けられると、PRINGLES(登録商標)の「ポテトチップ」形に類似の多湾曲形状が形成される。
【0034】
背もたれフレーム36B(図9)は、半可撓性の上部横管部分123Bを有し、下部横バー(55)はなくなっている。この構成により、背もたれフレーム36Bはねじり方向にさらに可撓性となり、例えば、腰掛けているユーザによるねじりの動き及び/又は後方にもたれる側方の動きによりよく対応すると共に人間工学的に支持するようになっている。上部横管部分123Bは異なる方法で作製することができることが意図される。例えば、筒状金属、スタンピング金属、プラスチック部品から、又は、使用目的に応じて十分な構造及び耐久性を有する構造金属により作製することができる。背もたれフレーム36B及び背中支持部(37)の構造は、所望の構造、なお且つ所望のコンプライアンス及び耐久性を与えるように変更されることができることが意図される。例えば、腰部ジョイント69Bを形成する方法によって、また、背もたれフレーム36B(構成部品40B〜43Bを含む)のいずれか又は全体を形成する構造、及び/又は背中支持部(37)の構造、及び/又は背中支持部(37)の背もたれフレーム36Bへのアセンブリによって提供される構造を変更することによって、さらなる構造支持を達成することができる。また、所望であれば、摺動自在な(鋏運動の様な)相互係合を行うこと等によってリンク42B及び43Bの安定性を変更及び改善することができる。さらに、下記に説明する図17に示されるように、背もたれフレームの上部セグメント及び背中支持部を共に一体形成することができることが意図される。
【0035】
図10〜図16は、本設計により適用される背中支持部の複数の変形形態を示している。種々のカバー構成(椅子張りされている又はされていない、また、クッションを有している又は有していないものを含む)が当該技術分野において一般に既知である。例示的な一カバー構成は例えばBatteyの‘258号特許に開示されており、椅子張りのサブアセンブリに関する教示はBatteyの‘258号特許から本明細書に援用される。
【0036】
図示の背中支持部37C(図10)は、内部クッション132Cを有するソックス状(sock-like)の椅子張りカバー131Cを有するカバーサブアセンブリ130Cを有する。ソックス状椅子張りカバー131Cが背もたれフレーム36Cの上部セグメント40Cに下方に引っ張られたときにクッションが安定するように、シート様パネル形状クッション補強材が接着剤又はステープル等により内部クッションの背面に取り付けられる。椅子張りカバー131Cの下縁は、横バー55Cに取り付けられるパネル部134Cを有する。サブアセンブリ130Cは横バー55Cよりも下に延びる剛性パネル部134Cを組み込み得ることが意図される。図示のように、剛性パネル部134Cは、座部34Cの後縁の上面よりも下の、横管64Cの視野から保護されると共に隠れる場所に延びている。カバーサブアセンブリ130Cの腰部領域は、背もたれフレーム36Cの腰部ジョイント69Cを通過している(pass over)。カバーサブアセンブリ130Cは、少なくとも縦方向に伸縮可能に作製されている。このことは、例えば、プラスチック背もたれシェル(図1を参照)の腰部領域82Cに横スロット83Cを設けることによって、及び/又は椅子張りカバー131C(図10)の腰部領域82Cに伸縮可能なクッション補強材及び織物地部分を設けることによってなされ得る。カバーサブアセンブリ130Cは、腰部領域が前方付勢されたホーム位置(図3)から後方に屈曲した位置(図4)に移動する際に伸縮可能であると共に張力をかけられるであろう。前方湾曲(前方に湾曲した)凹形状からより平坦な形状へ中央の縦方向の形状が変化する場合でも、腰部領域の伸縮性は、腰部ジョイント69Cの後方移動の際の横バー64Cの下方移動により起こる。伸張した材料は、前方付勢されたホーム位置にあるときは縦方向の距離が縮小する。
【0037】
背もたれ35D(図11)は、背もたれ35(図4A)と同様の構成要素40D〜43Dを有する関節式管状外周フレーム36Dを有する。背中支持部37D(図11)は構造織物(多くの場合「高機能ファブリック」と呼ばれる)であるか、或いは、可撓性シェルを形成するプラスチック薄シートである。図11Aの縦断面図(背もたれ35Dの中央に沿っている)により示されるように、背中支持部37Dの前面の縦方向の中心線は、前方突出凹形状腰部領域82Dを含む前方湾曲形状を形成する。図11Bの高い方の横断面及び図11Cの低い方の横断面によって示されるように、背中支持部37Dは後方に湾曲し前方に向いた凹形状を画定し、この形状の奥行きは、背中支持部37Dの上部付近のより浅い奥行きから(図11B)腰部ジョイント69D付近のより深い奥行き(図11C)まで変化し、次いで、横バー55D付近で再び浅い奥行きとなっている。背中支持部37Dは比較的、横方向に伸縮性がないと共に弾性がないが、背中支持部37Dの表面に対して垂直な前後方向に変位可能である。これにより、場所136Dに示した横断面のずれた撓みを示す図11Dに示すように、腰掛けているユーザに対して不均一な支持が可能となる。例えば、これは、腰掛けているユーザが後方に左側にもたれかかる場合に、例えば、背もたれ35Dの直立位置又はリクライニング位置にあるまま、或る対象物に手を伸ばす場合に起こるであろう。腰部領域及び/又は胸部領域が横方向に伸縮可能でないが縦方向には伸縮可能であり、また、腰掛けているユーザに対していくらかのねじり及びねじり方向のコンプライアントの支持を可能にする上部フレームセグメント40Dと組み合わせられる、背中支持部の「スリング式」手法のこのような組み合わせは、非常に独特で人間工学的な背中支持機構を提供すると本発明者らによって考えられている。このような背中支持システムの快適性及びコンプライアント/人間工学性は、腰掛けているユーザへの優れた人間工学的背中支持に関して驚くべき予期せぬ成果を提供し、そのため、腰掛けているユーザが、腰掛ユニットに長時間腰掛けた後であっても当該ユーザの背中に滋養を圧送するようにユーザの胸部支持体を移動及び調整することが可能である。また、この構成により、腰掛けているユーザの背中に空気流が与えられ、この空気流により、腰掛けているユーザから背もたれ構成部を通して汗及び熱を出すことが可能になることによって快適性を増大させることができる。
【0038】
胸部上部領域80D(図11A)は、腰部領域82Dよりも曲率が小さく、示すように比較的平坦であることに留意されたい。上部領域80Dは、縦方向に伸縮可能でないであろうこと、又は、少なくとも、腰部領域82Dにおけるよりも縦方向の伸縮性が小さいであろうことが意図される。対照的に、横/側方向には、胸部上部領域80Dには幾分低レベルの伸縮性が望まれ得ることが意図される。背もたれフレーム36Dの上部セグメント40Dが或る程度の側方可撓性を有する場合、背中支持部37Dの伸縮性及び弾性の量が減る可能性がある。例えば、関節式背もたれフレーム36B(図9)を参照すると、関節式背もたれフレーム36Bは可撓性上部管部分123Bを有し、この可撓性上部管部分は、制御されたやり方で、側フレーム部分を互いへ向けて若干内側に撓ませる。
【0039】
背もたれ35E(図12)は、背もたれフレーム36と同様の関節式背もたれフレーム36Eを有する。背中支持部37Eは、複数の横ストラップ140E及び縦ストラップ141Eを有する。図示のストラップ140Eは横方向に延びているが、ストラップ140Eは斜め方向に、又は水平線に対して所定の角度で、背もたれフレーム36Eの側縁間に延びることができ、同様のスリング状の支持機能を達成することができることに留意されたい。ストラップ140E及び141Eは、好都合な方法、例えば、背もたれフレーム構成要素40E〜43Eの各自の部分にストラップ140E及び141Eの端部を巻き付けること、及びねじ又は他の固定リテーナを用いて端部を適所に固定すること等によって、それら構成要素40E〜43Eに取り付けられる各自の端部を有する。横ストラップ140Eは本質的に、伸縮可能がないと共に弾性がない。具体的には、横ストラップ140Eは程度の異なる伸縮性及び/又は弾性を有し得ることが意図される。例えば、下の方の横ストラップ140Eは伸縮性が低い(又はゼロである)が、胸部上方領域80Eでの上の方の横ストラップ140Eは幾分制限されているが伸縮性があることが意図される。また、ストラップ140Eの長さは様々とすることができる。例えば、下の方の横ストラップ140Eは上の方の横ストラップ140Eよりも長さが長く緩やかであることが意図される。このため、下の方のストラップ140Eが縦ストラップ141Eによって後方に引き伸ばされて、下記に説明する「ポテトチップ形」になる。さらに、横ストラップ140Eは、長さが異なるように、また、腰部領域から胸部領域に上方に移動するにつれ次第に奥行きが減っている曲線形状を画定するように作製することができる。ストラップ140E及び141Eを含む背中支持部37Eは、「スマートサスペンション」又は「インテリジェントサスペンション」と呼ばれるが、この理由は、背中支持部37Eが種々の異なるエリアで種々の異なる応答を行い、特定のエリア及び/又は特定のストラップが、腰掛けているユーザに対して特定の必要性に合わせた背中支持部を与えるためである。また、背中支持部37Eは、腰掛けているユーザが各自の腰を撓ませたときの、及び/又は腰掛けているユーザが寄りかかったときのせん断応力に対して特定の応答を行うようになされることができる。せん断応力は、例えば、リクライニングの際、腰掛けているユーザが支持されるのとは異なる方向に背中支持部が移動する場合に、背中支持部37Eの前面に平行に生じる力によって起こる。限られた量のせん断応力は、ユーザを腰掛ユニットに保持すると共に、腰掛けているユーザに安定感をさらに与えるため、許容可能であろう。重なる位置でのストラップ140E及び141Eの相互係合を制御することによって、例えば、少量の滑りを許容すること、又は、縦ストラップ141Eにはいくらかの伸縮を与えるが横ストラップ140Eの伸縮又は拡張を限定する(又はなくす)こと等によって、腰掛けているユーザが背中支持部37Eから受ける支持を、局所レベルで非常に十分に制御することができ、さらに、特定のユーザに合うようにカスタマイズすることができる。本発明の背中支持部37Eは、クッション及び椅子張りのアセンブリによって覆われることができ、このため、さらなる制御が可能となると共にせん断応力のさらなる分布が可能となることに留意されたい。
【0040】
縦ストラップ141Eの縦方向の張力、及び横ストラップ140Eの異なる長さにより、腰部領域82E(すなわち、図11Bに示す、腰部領域82Eの前方突出凹形状、及び、図11Cに示す、腰部領域82Eの後方に湾曲した前方に向いた凹形状)に、「ポテトチップ」形状が生じ、この「ポテトチップ」形状はストラップ140E及び141Eによって形成される。示すように、縦ストラップ141Eは横ストラップ140Eの前にあり、それにより、縦ストラップ141Eが横ストラップ140Eの中央セクションと当接係合すると共に当該中央セクションを後方に付勢するようになっている。縦ストラップ141Eは、腰掛けているユーザからの後方圧力に抗してその後方圧力を分布させるのに十分な幅を有する。代替的に、ストラップ140E及び141Eは、上述したカバーサブアセンブリ130Cとは異なっていないカバーサブアセンブリで覆うことができる。代替的に、ストラップ140E及び141Eは織り合わされることができ、及び/又は、所望レベルの相互作用を与えるように相互地点にて互いに他の方法で取り付けられるか若しくは連結されることができる。横ストラップ140Eは長さが異なり、また、所望に応じて、背中支持部37Eの前面の、特に腰部領域及び胸部領域内の域内位置の前面の形状を調整するために、所望のように種々の異なる奥行き及び長さの「スリング」を画定するように取り付けられることに留意されたい。横ストラップ140Eは、背もたれフレームにわたって横方向に、又は水平線に対して所定の角度で延びることができ、また、平行に且つ均一に離間して延びることができ、また、同様の幅を有することができ、又は、非平行に且つ不均一に離間して、及び/又は等しくない幅で延びることができる。
【0041】
背もたれ35F(図13)は、背もたれフレーム36Fに取り付けられている一体品のカスタマイズされた織物カバー130Fを有する。背もたれフレーム36Fは背もたれフレーム36と同様である。カバー130Fは、織物自体内に固有に形成されている不均一な弾性特性を有する織物から作製される。これは、カバー130Fの種々の箇所にて用いられる特定の織り(weave)によって、及び/又は織物カバーの種々の異なる箇所にて用いられる特定の糸によって達成されることができる。代替的に、異なる伸縮率及び/又は弾性率が、カバーのステッチにより達成されることができる。例えば、比較的可撓性のある織物で開始して、一列のステッチ149Fを腰部領域82Fにて横方向に、また、胸部領域80Fにてより狭い範囲で横方向に織物に縫い付けて、伸縮を調整すると共に所望レベルの拡張を与えるようにすることができる。代替的に、基織物は非裂性を有する高機能ファブリックとすることができる。拡張性は、種々の長さのスリット及び所定のパターンによって達成され、局所エリア内に所望の拡張(「伸縮」)を与えるようなっている。
【0042】
背もたれ35G(図14)は、さらに別の代替形態を示す。背もたれ35Gでは、カバー130Gは、上部パネル156Gの下部に縫い付けられる横ストリップ150G〜155Gと、上部パネル156Gの中央の縦スロットにわたって縫い付けられる縦ストリップ157Gとのアセンブリである。これらストリップ150G〜155G、及び157G、並びにパネル156Gはそれぞれ、各自のそれぞれの位置における特定の力偏差曲線を達成するように選択される。特に、矢印158Gで示す腰部領域において低い(又はゼロの)伸縮率が達成され、矢印159Gで示す腰部領域において比較的高い伸縮率が達成され、矢印160Gで示す胸部領域において中間レベルの伸縮率が達成され、矢印161Gで示す腰部領域において低い(又はゼロの)伸縮率が達成される。
【0043】
背もたれ35H(図15)は、背中支持部37Hがプラスチックのソリッドシートから作製されることができることを示している。背もたれフレーム36Hは、上記に開示した背もたれフレーム36と同様である。背中支持部37Hのシートの縁は、例えば、リベット若しくはねじ、又は他の締結手段等によって、関連する背もたれフレーム構成要素40H〜43Hに巻き付けられると共に当該構成要素に固定される。背中支持部37Hは、背中支持部37の両側から内側に延びる横スリット165Hを有する。横スリット165Hは長さが異なっている。例えば、示すように、スリット165Hは交互に長短になっている。この結果、胸部領域80Hの矢印166Hに沿って或る程度の縦方向の拡張を有する中央ストリップが得られる。また、腰部領域82Hのスロット83Hは、より近接して離間し、実質的に背中支持部37Hの中央にわたって延び、比較的連続的である。したがって、腰部領域82Hは、縦方向に非常に可撓性があるが、横方向には、背中支持部37H自体のシート材料と同じくらい剛性であると共に伸縮可能でない。背中支持部37Hの伸縮及び拡張に対して局所的に制御することを達成するために、種々の異なるスリット及びスロットパターンが可能であることを当該技術分野の当業者は理解するであろう。
【0044】
背もたれ35I(図16)では、背中支持部37Iは、プラスチック材料シートから作製され、ねじ等によって背もたれフレーム36Iに取り付けられる。背中支持部37Iは、背もたれフレーム構成要素40I〜43Iの個々の形状と互いに固定係合する内部成形スナップ取り付けという特徴を有し得ることが意図される。背中支持部37Iは、背もたれフレーム36Iの上部セグメント40Iの外側に延びる周縁パネル状外周セクション170Iを有する。これにより、より大きな背中支持エリアが与えられる。代替的に、背もたれフレーム36Iはサイズを縮小することができ、その場合、外周セクション170Iは、サイズが背中支持部37と同様である外周形状を画定するように延びることになる。
【0045】
背もたれ35J(図17)は一体形構成要素175Jを有し、この一体形構成要素175Jは、上部背もたれセグメント部分176J(すなわち上部セグメント40と同様である)及び背中支持部分177J(すなわち背もたれカバー37と同様である)の双方を形成する。構成要素175Jは、構成要素175Jの外周付近に延びるインサート成形又は隆起面剛性リブ178Jを有する可能性のある一体成形である。端部ブラケット50Jは、下方アーム179Jにインサート成形されるか又は取り付けられる。端部ブラケット50Jは、ピボット軸51J及び52Jを画定する穴を有する。横スロット83Jは、背中支持部分177Jの本体180Jに一体形成される。また、下方フランジ181Jは構成要素175Jの下部に沿って形成され、横バー55Jと嵌合するリセス182Jを画定する。フランジ181Jは、横バー55Bにスナップ取り付けされるように構成されることができるか、或いは、ねじ又は他の締結手段を用いることができる。
【0046】
また、背もたれフレームのさらなる変更が意図される。背もたれ35K(図18〜図20)は、構成要素40K〜43Kを有する関節式背もたれフレーム36Kを有し、また、背中支持部37Kをさらに有し、背中支持部37Kは、人の背骨及び肋骨の外観を有する緻密構造プラスチックから成る可撓性背もたれシェルを有する。上部セグメント40Kは前壁190Kを有するスタンピング直立部材を有し、この直立部材は、前壁190K、側フランジ191K、上壁及び下壁、並びに/又は、補強及び構造一体性を必要とする場合は補強材を有する。穴192Kが前壁190Kに設けられており、背中支持部37Kを上部セグメント40Kに取り付けるようになっている。側フランジ191Kは、ピボット軸51K及び52Kを形成する穴を有する。下部セグメント41Kは、横断壁195K、上方延出側フランジ196K、及び前方延出脚部57Kを有する単一のスタンピングにより形成される。アップフランジ196Kは、軸60K及び61Kを形成する穴を有する。
【0047】
前部リンク42K(図19)は、スタンピングされて湾曲中央パネル198K及び側フランジ199Kを形成し、側フランジ199Kは、パネル198Kに沿って延びると共にパネル198Kを強化する。穴が、前部の上部軸51Kを画定するように側フランジ199Kの上部に、また、前部の下部軸60Kを画定するように側フランジ199Kの下部に形成される。パネル198K及びフランジ199Kは、後方に面すると共に比較的安定したC形状断面を形成する。側面図では、前部リンク42Kはリンク42と同様のL字形外観を有する。
【0048】
後部リンク43Kは、前部リンク42Kと同様の形状を有するが、その「L」字形が「逆」である。具体的には、後部リンク43Kは、スタンピングされて、湾曲した中央パネル200K及び側フランジ201Kを形成し、側フランジ201Kは、パネル200Kに沿って延びると共にパネル200Kを強化する。穴が、後部の上部軸52Kを画定するように側フランジ201Kの上部に、また、後部の下部軸61Kを画定するように側フランジ201Kの下部に形成される。パネル200K及びフランジ201Kは、後方に面すると共に比較的安定したC形状断面を形成する。リンク42K及び43Kの形状により、所望であれば側フランジ199K及び201Kが重なり合って嵌合するようにすることが可能である。リンク42K及び43Kの全幅は背中支持部37Kの全幅未満、例えば椅子の全幅の約半分又は3分の1である。
【0049】
背中支持部37K(図20)は、良好な胸部支持部を形成するようになっている中実パネル形状の上部セクション80Kを有する。リンク42K/43Kの幅にほぼ等しいか又はそれよりもわずかに大きい幅を有する中央壁210Kが、腰部領域82Kにわたって下方に延びる。指状突起211Kが中央壁210Kの対向する両縁から外に延びる。図示の指状突起211Kは、撓むようになっている自由端を有する。これら自由端は、例えば間に外周ワイヤ等を縦方向に張ること等により、互いに相互接続及び支持するように相互接続されることができることが意図される。背中支持部37Kは、上部セグメント40K及び前部リンク42Kに取り付けられ、また、所望に応じて、腰掛けているユーザに安定のよい感触を与えるように下部セグメント41Kにも取り付けられる。
【0050】
変更形態
関節式背もたれフレーム36M(図21)は、背もたれフレーム36(図1)と完全に異なってはいない。背もたれフレーム36M(図21)は、リンク42M及び43Mを含む多リンク機構により相互接続される上部セグメント40M及び下部セグメント41Mを有する。上部セグメント40Mは、逆U字形を画定し、下端にピボット画定ブラケット50Mと、曲管40M’の中央に溶接される中央(第2の)ピボット画定ブラケット50M’とを有する弓状横曲管40M’を有する。図示のブラケット50Mは、セグメント40Mの端部のスロットに嵌まるスタンピング構成要素である。第2の横管40’’が、ブラケット50M間に延びる。ブラケット50Mはそれぞれ、前部の上部ピボット軸51Mを画定する穴を有する。後部の上部ピボット軸52Mを画定する穴は、中央ブラケット50M’内に位置する。軸51M及び53Mの位置は、背もたれの撓みの必要に応じて変えることができる。図示の軸51M及び52Mは、約1.5インチ(約38.1mm)離れている。有利には、本設計により、横曲管40M’の曲率(すなわち背もたれ構成部の腰部領域における曲率)は実質的に、軸51M及び52M間の距離を定める。これにより、構成要素の材料、コストが節減され、その複雑性が減る。
【0051】
下部セグメント41M(図21)は、両端に上部形成フランジ56Mを有する横バー55Mを有する。取付脚部57Mが、横バー55Mの中央から前方に延び、制御部33Mに接続するのに十分な距離延びる(例えば、1999年2月23日に発行されたHeidmannの米国特許第5,873,634号に示される制御分を参照のこと)。図示の脚部57Mは、ボックス形であり、制御部33Mの受けスロートに嵌合するように構成される。なお、本背もたれ35Mはまた、いかなる背もたれリクライニングも行わない腰掛ユニットにも用いることができる。背もたれリクライニング時に座部と背もたれとの同期移動を行うための制御部は、当該技術分野においてよく知られているため、かかる制御部の特別な開示は本発明の概念の理解には必要でない。しかしながら、本発明の一部は、座部と背もたれの同期傾動制御部を有する腰掛ユニットを有する本発明の新規な概念の組合せであることが意図される。アップフランジ56Mは、下部前方ピボット軸60Mを画定する穴を有する。中央ブラケット60M’は、横バー55Mの中央から後方に延び、下部後方軸61Mを画定する。軸60M及び61Mの位置は、背もたれの撓みの必要に応じて変えることができる。図示の軸60M及び61Mは、約2インチ(50.8mm)離れている。
【0052】
前部リンク42M(図4A)は、左右に縦方向に延びるリンク構成要素63Mを有する。図示のリンク42Mは、いかなる横バー(64)も有さないが、所望であれば有することができることが意図される。リンク構成要素63Mは、L字形の側面形状を有するスタンピングされた部品であり、この形状は前部の上部軸51M及び前部の下部軸61Mの所望の場所に嵌合ブラケットへの取り付け具を位置付ける。形状の異なるリンクを用いることができることを理解されたい。例えば、直線形状であるリンク43Dを参照のこと(図11)。枢着は、リベット状コネクタ又はピボットピンにより行われる。
【0053】
後部リンク43M(図21)は、L字形の平坦な中央バンド43M’及び直立フランジ縁43M’’を有する単一スタンピングであり、これらがリンク43Mを剛性のあるものにしている。代替的に、リンク43Mは、別個の左右の構成要素(図4Aにおけるリンク43と同様のリンク)を有することができる。後部リンク(複数可)43M(図21)は、後部の上部軸52Mに沿って延びるピボットピン71Mにより上部セグメント40Mの中央ブラケット50Mに枢着され、後部の下部軸61Mに沿って延びるピボットピン72Mにより中央ブラケット50Mに枢着される。ジョイント及び挟持点を、背中支持部37M若しくは美観カバーによって覆うことができるか、又は構成要素40M〜43Mの設計により挟持点をなくすことができることが意図される。
【0054】
図22〜図25は、共通の背もたれフレーム(すなわち背もたれフレーム36Mと同様)を用いるが、異なる椅子張りカバー(本明細書では「背中支持部」とも呼ばれる)により覆われてよい。背もたれフレーム36M(図22)は、上部セグメント40N及び下部セグメント41Mを有し、上部セグメント40Mが開口64’の付近の外周を画定する。図示の上部セグメント40Nは、上部バーセクション75N、対向する側部バーセクション76N、及び横バーセクション40N’を有する。下部セグメント41Nは、下部横バー55N及びアップフランジ56Nを有し、前部リンク42N及び後部リンク43Nにより、上部セグメント40Nに連結される。背中支持部37Nは、構成要素75N、76N、及び(第2の側の)76Nと係合する内側向きC字形押出成形部(extrusions)240N〜242Nを有する。背中支持部37Nは、下部横バー55N、及び前部リンク側部構成要素63N及び63Nと係合する内側向きC字形押出成形部243N〜245Nを有する。織物又は椅子張りカバー246Nは、押出成形部240N〜245Nに縫い付けられ、胸部上部領域80Nを形成する上部パネル、骨盤下部領域81Nを形成する下部パネル、及び可撓性コンプライアント腰部領域82Nを有する。好適な織物は、「Technofabric」又はDimitrol(商標)と呼ばれる三次元織物(立体生地)である。本質的に、当該織物は、前面及び後面間に延びる糸によりつながっている編物により形成されている前面及び後面を有する。取り付けられる際、当該織物は本質的に、横方向にはゼロ伸縮であり、縦伸縮は約4%である。背もたれフレーム36Nが腰部領域において撓む際、撓み性には縦伸縮が重要であるため、背もたれフレーム36Nの前面が伸縮するため、椅子張り材が提供されうる。対照的に、腰掛けているユーザが所望の支持を受けるように、横方向には伸縮がないことが重要である。領域80N〜82Nは、単一の連続した材料又はシートから形成されることができるか、又は縫い合わされたいくつかのシートセクションから形成されることができ、選択されたセクションは、所望の方向の弾性率及び伸縮率を有することに留意されたい。縦伸縮率は、重なり合うと共に横に延びるスリット248N等のスリット248Nを腰部領域又は骨盤領域に組み込むことによって改善することができることが意図される。
【0055】
背中支持部37N(図22)は、例えば、上部セグメント40Nに下方に引っ張られると共に下部セグメント41Nにわたって引っ張られる椅子張りソックス等の外カバーを有することが意図される。背中支持部37Nは、椅子張りソックスの下縁を背中支持部37N自体に取り付ける(すなわち前パネルを背もたれパネルに縫い付ける)ことにより、所定位置に固定されることができる。代替的に、背中支持部37Nは、下部横バー55Nに固定することによって下縁で固定されることができる。
【0056】
ヘッドレスト250N(図22)が上部横バー75Nに固定される。ヘッドレスト250Nは、上方延出側部ブラケット252Nと、これらブラケット252Kの面に取り付けられるパネル253Nを有する。椅子張りソックス(図示せず)は、ヘッドレストまで引っ張られ、美観から、背もたれフレーム36Nよりも上の位置に適当に縫い付けられると共に取り付けられる。代替的に、椅子張りソックスは、ヘッドレスト及び背もたれフレーム36Nを完全に覆うのに十分な長さを有する。
【0057】
背中支持部37P(図23)は、胸部領域81N(図22)と同様の骨盤領域81Pを有する。しかしながら、腰部領域82P及び胸部領域80Pでは、織物材は、背もたれフレーム36Pの管状側部を覆い包むように延びる。これにより、押出成形部(240P〜245P)を見えなくすることを可能にする。覆い包まれたフラップセクションは、背もたれフレーム36Pの縁付近の前パネルに縫い付けることができるか、又は中央エリアに延びて縫い付けられることができる(図示)。なお、覆い包まれたフラップセクションは材料の弾性及び伸縮性に影響を及ぼすが、この理由は、覆い包まれたフラップセクションが材料の2倍の厚さをもたらし、また、ステッチが伸縮性及び弾性に影響を及ぼすからである。背もたれフレーム36Pの上部外面隅部付近に滑らかな遷移をもたらすように、織物カバーの上部外面隅部が場所251Pにて切れ込みを入れられていることに留意されたい。
【0058】
背中支持部37Q(図24)は、背中支持部37E(図12)と同様である。背中支持部37Qは、複数の横ストラップ140Qと、横ストラップ140Qにわたって上部から下部に延びる中央の縦ストラップ141Qとを有する。胸部領域及び骨盤領域における横ストラップ140Qは、比較的伸縮可能でない。腰部領域における横ストラップ140Qもまた比較的伸縮可能でないが、いくらか伸縮性を有する。縦ストラップ141Qは、腰部領域での背もたれフレーム36Qの撓みを可能にするのに十分な程度、例えば4%〜10%、又はそれ以上伸縮可能である。横ストラップ140Qの間隔を維持するために、また、腰掛けているユーザが背もたれ内を移動している及び撓んでいるときにであっても当該ユーザに滑らかな支持のために何らかの接続を与えるようにするために、縦ストラップ141Qを横ストラップ140Qに取り付けてもよい。しかしながら、縦ストラップ141Qは、取り付けられていない状態にされている場合、特にカバーが背もたれフレーム36Qを覆うように用いられている場合に申し分なく働くであろうことが意図される。なお、縦ストラップ141Qの張力により、横ストラップ140Qが多湾曲ポテトチップス状の形状をとる。
【0059】
背中支持部37R(図25)は、背中支持部37P(図24)と同様であるが、背中支持部37Rは、上記で言及したTechnofabric等の材料から成る上部パネル150R及び下部パネル151Rを有する。背中支持部37Rは、背もたれフレーム36Rの上部から下部に延びる半伸縮性縦ストラップ141Rを有し、この半伸縮性縦ストラップ141Rは、上部パネル150R及び下部パネル151Rを相互接続する。
【0060】
腰掛ユニット30T(図26)は、座部下制御部33Tが高さ調整可能な柱の頂上に位置する基部32Tと、座部34Tと、制御部33Tに動作可能に支持される背もたれアセンブリ35T(本明細書では「背もたれ」とも称する)とを備え、背もたれ35Tのリクライニング時に同期傾動(synchrotilt-movement)するようになっている。背もたれ35Tは、一体型の関節式背もたれフレーム36Tと、背もたれフレーム36Tに取り付けられると共にそれによって支持される背中支持部37Tとを有する。背もたれフレーム36T及び背中支持部37Tは、図22に示すと共に上記に説明した背もたれフレーム36N及び背中支持部37Nと同様である。背もたれフレーム36Tは、上部セグメント40T及び下部セグメント41を有し、上部セグメント40T及び下部セグメント41は、前部リンク42T及び後部リンク43Tによって枢着されて、腰掛けているユーザの下背部が後方の撓む際と主として腰部位置ジョイント69Tで上部セグメント及び下部セグメントの関節運動を支持する4節リンク機構を形成する。この移動は、背もたれ35Tのリクライニングとは独立しているが、前述したように、この構造は、美観のためにスリムな側部形状を与え、また、腰掛けているユーザに対して優れた連続的な腰部支持を与える。
【0061】
図示の基部32Tは、キャスター301の付いた「蜘蛛足状」基部支持体300と、支持体300に支持される上下方向に伸張可能な支柱302と、支柱302の上に位置する座部下制御部33Tとを有する。図示の制御部33Tは、Heidmannの米国特許第5,873,634号(その全内容はそれらの教示について参照により本明細書に援用される)において示されており、座部フレーム304を移動可能に支持する上部取付ブラケット303を有し、また、背もたれフレーム36Tの前方延出雄型コネクタ306と係合する後部スロート305を有する。図示の座部フレーム304は、椅子張りクッション307及び底面外観カバー308によって覆われる。アームレスト309は、座部フレーム304の底面に締結されると共に、ノッチ311を通って座部の下から外に向かって上方に延びるL字形アーム支持体310を有する。アームレスト309は、水平方向に延びるアンカー板312と、支持リテーナ313と、上部カバー314とをさらに有する。本開示の構造部は、種々の異なる基部、座部下制御部、座部、背もたれ、及びアームレストと共に機能するようになされ得ることが意図される。
【0062】
上部背もたれセグメント40Tは、逆U字形ロッド317と、ジョイント69Sを形成するジョイント形成ブラケット318と、横バー319とによって形成される外周フレームを有する。また、取付ストラップ320がブラケット318間に延び、取付ストラップ320は、下部織物支持ブラケット321を取り付けるためにねじを受ける嵌合/整合穴を有する。支持ブラケット321は、ジョイント形成ブラケット318に覆い包む端部を有し、また、ブラケット318内の嵌合穴318’’と係合する内方延出突起318’を有する。カバー322がブラケット321に取り付けられ、ブラケット321を覆い、下部背もたれカバー323が後部リンク43Tの後部に取り付けられる。後述のように、カバー323は、カバー323に重なると共にカバー323と摺動可能に係合する上縁を有する。カバー322及び323は、固有の摺動自在に伸張可能な重なり構成を形成し、それにより、挟持点を妨げつつ、また高い視覚的外観を維持しつつ、背もたれ35Tがジョイント69Tで撓む際に間隔を開けて縦方向に伸張することが可能である。
【0063】
任意に、一対の離間しているブラケット326をロッド317の上部に取り付け、上方に延ばす。パネル327がブラケット326間に取り付けられて、背もたれセグメント40Tの上部にヘッドレストを形成する。パネル327は、ロッド317の湾曲上部に合致するように、また、人の頭部を快適に支持するように湾曲している。
【0064】
背中支持部37Tは、ロッド317の縦側面に取り付けられる複数の押出成形部330と、これら押出成形部330間に取り付けられる三次元織物材料(場合によっては「テクノファブリック材料と呼ばれる)等の織物材料331の一セクションとを有する。
【0065】
下部背もたれセグメント41Tは、前部リンク42T及び後部リンク43Tを有し、前部リンク42Tは上部軸51T及び下部軸60Tに枢着され、後部リンク43Tは上部軸52T及び下部軸61Tに枢着される。上部軸51T及び52Tは、ジョイント形成ブラケット318によって形成される。安定性及び構造のために、所望に応じて、スタビライザクロスブレース332を後部リンク43Tの側部間に延ばすことができる。
【0066】
背中支持部37Tは、前部リンク42T及び横バー332に取り付けられる複数の押出成形部333及び334と、押出成形部333及び334間に取り付けられるテクノファブリック材料等の織物材料335の一セクションとをさらに有する。織物セクション331及び334は、所望であれば単一の材料シートから形成されてもよい。
【0067】
図示のように、前部発泡シート336が背中支持部37Tの前部を覆い、後部発泡シート337が背中支持部37Tの後部を覆い、前部発泡シート336は下部背もたれセグメント41Tの下部に延び、後部発泡シート337は上部背もたれセグメント40Tの下部にのみ延びる。椅子張りソックス339は、背もたれフレーム36T及び背中支持部37Tを覆うように下方に引っ張られ、発泡シート336及び337を含む構成要素全体を覆う。椅子張りソックス339の下縁は、支持ブラケット321へ下方に延び、そこにおいて取り付けられる。所望であれば、支持ブラケット321はリッジ340を有し、リッジ340の上を椅子張りソックス339の下縁が延び、この下縁は、接着剤及び/又はステープル等によってリッジの下に取り付けられる。これにより、リッジに且つリッジの上にすっきりとした外観を有する視覚ラインが与えられる。カバー322の後面は美的処理され、且つ/又は所望の視覚効果のために表面仕上げされる。表面がテクスチャ表面及び/又は縦リブを有することで、ジョイント69Tが後方に撓んで空隙322’’の間隔が開く場合に外観が関心を引くものとなると共に「すっきり」したものとなることが意図される。特に、カバー322は、支持ブラケット321のねじ穴及び織物縁を美観的に覆う。軸受323’を、下部カバー323の中央上部エリアに取り付けることができる。軸受323’は、カバー322の中央から下がっている下方突出フィンガと摺動可能に係合し、それにより、カバー322がカバー323の重なる上縁に引きずられる(ひいては、引っ掻かれることになる)ことが防止される。
【0068】
下部背もたれカバー323は、締結具343を有する大きな成形パネル状カバーであり、締結具343は、後部リンク43Tの344等の位置に取り付けられる。下部背もたれカバー323は、背もたれ35Tの下部セグメント41Tを美観的に覆うように構成される。腰部領域のジョイント69Tで背もたれ35Tが後方に撓むと、ジョイント69Tの後部の空隙は、背もたれ35Tの厚さ寸法により、最大1.5インチ(約38.1mm)まで開く。しかしながら、カバー322の美観的な後面により、開いた空隙はすっきりとした外観を呈する。
【0069】
本発明の概念から逸脱することなく上記構造に変形及び変更を行うことができることが理解され、さらに、かかる概念は、添付の特許請求の範囲がその文言により別に明記していない限り、かかる特許請求の範囲により含まれることが意図されることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を具現する腰掛ユニットの斜視図である。
【図2】本発明を具現する腰掛ユニットの側面図であり、破線は、後方に撓んだ関節式背もたれフレームの腰部ジョイントを示し、背もたれフレームに支持されているコンプライアントな背中支持部を示す。
【図3】図1の斜視図であり、前方直立位置にある背もたれフレームの腰部ジョイントを示す。
【図4】図1の斜視図であり、後方に撓んだ位置にある背もたれフレームの腰部ジョイントを示す。
【図4A】図4の分解斜視図である。
【図5】関節式背もたれフレームの異なるエネルギー機構を示す側部断片図である。
【図6】関節式背もたれフレームの異なるエネルギー機構を示す側部断片図である。
【図7】関節式背もたれフレームの異なるエネルギー機構を示す側部断片図である。
【図8】変形形態の背もたれフレームを示す斜視図である。
【図9】変形形態の背もたれフレームを示す斜視図である。
【図10】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図である。
【図11】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図である。
【図11A】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図であり、図11の背中支持部の断面形状を示す。
【図11B】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図であり、図11の背中支持部の断面形状を示す。
【図11C】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図であり、図11の背中支持部の断面形状を示す。
【図11D】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図であり、図11の背中支持部の断面形状を示す。
【図12】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図である。
【図13】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図である。
【図14】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図である。
【図15】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図である。
【図16】背もたれフレームの、変形形態の背中支持部を示す斜視図である。
【図17】背もたれフレームの上部セグメントを背中支持部と統合する構成要素を示す斜視図である。
【図18】変形形態の背もたれフレーム及び変形形態の背中支持部を含む、別の変更腰掛ユニットの側面図である。
【図19】図18の関節式背もたれフレームの分解斜視図である。
【図20】図18の背中支持部の斜視図である。
【図21】図4及び図4Aに示す背もたれフレームに全く似ていないわけではない別の変形形態の背もたれフレームの斜視図である。
【図22】図1及び図12に示す背もたれカバーに全く似ていないわけではない追加の背もたれカバーの斜視図である。
【図23】図1及び図12に示す背もたれカバーに全く似ていないわけではない追加の背もたれカバーの斜視図である。
【図24】図1及び図12に示す背もたれカバーに全く似ていないわけではない追加の背もたれカバーの斜視図である。
【図25】図1及び図12に示す背もたれカバーに全く似ていないわけではない追加の背もたれカバーの斜視図である。
【図26】図22に示すのと同様の関節式背もたれカバーを組み込んでいる椅子の分解斜視図である。
【図26A】図22に示すのと同様の関節式背もたれカバーを組み込んでいる椅子の分解斜視図であると共に、背もたれフレームの拡大図であり、背もたれカバー及び関連する構成要素を覆っている。
【図27】図26の背もたれの概略的な側面図であり、腰部領域が前方に突出した状態の、通常の前方に湾曲した形状での背もたれを示す。
【図28】図26の背もたれの概略的な側面図であり、背もたれがより平坦な形状を形成するように腰部領域が後方に押された状態の背もたれを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰掛ユニットであって、
座部下制御部(調整部)を有する基部と、
前記座部下制御部に支持される座部と、
直立位置及びリクライニング位置間を枢動するように、前記座部下制御部によって中心位置で直接動作可能に支持される背もたれフレームを有する、背もたれ構成部と
を備え、
前記背もたれ構成部は、前記背もたれフレームに胸部領域、骨盤領域、腰部領域を縦配置で画定する背中支持部を有し、該縦配置では、前記胸部領域、前記骨盤領域、前記腰部領域の前面が、該腰領域が前方に突出している状態の第1の湾曲形状を画定し、
前記背もたれフレームは、腰掛けているユーザから後方の腰圧を受けると、前記胸部領域及び前記骨盤領域を支持し続けつつ前記腰部領域を後方に移動させるために、撓んで形状変化するように枢動自在に相互接続される構成要素を組み込んでいる少なくとも1つの多リンク機構を有し、それにより、前記後方の腰圧を受けると、前記背中支持部及び前記背もたれフレームが、前記第1の湾曲形状から変化して、より平坦な第2の形状を画定し、前記腰部領域の形状の変化は、前記直立位置及び前記リクライニング位置の双方において可能であり、前記直立位置及び前記リクライニング位置間の前記背もたれ構成部のリクライニング移動とは独立している、腰掛ユニット。
【請求項2】
前記背もたれフレームの前記構成要素は、
上部セグメント及び下部セグメントと、
該上部セグメント及び該下部セグメントを相互接続して前記多リンク機構を形成する一対のリンクと
を有し、
前記腰部領域内に少なくとも1つのフレキシブルジョイントを画定する、請求項1に記載の腰掛ユニット。
【請求項3】
前記一対のリンクは、異なる長さを有すると共に前記上部セグメント及び前記下部セグメントと共に4節リンク機構を形成する前部リンク及び後部リンクを有する、請求項2に記載の腰掛ユニット。
【請求項4】
前記背もたれフレームの前記構成要素は、開口エリアを画定する外周フレームを形成する、請求項1に記載の腰掛ユニット。
【請求項5】
前記背中支持部は、前記開口エリアにわたって前記外周フレームに取り付けられると共に該外周フレーム間で支持される懸架材を有する、請求項4に記載の腰掛ユニット。
【請求項6】
前記背もたれ構成部は、水平な特徴ラインを形成すると共に該水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを画定する少なくとも1つの後部背もたれカバーを有し、
該所定のエリアは、前記背もたれ構成部が前記第1の湾曲形状にあるときは隠れているが、前記背中支持部及び前記背もたれフレームが前記より平坦な第2の形状に移ると覆われずに露呈する、請求項1に記載の腰掛ユニット。
【請求項7】
前記少なくとも1つの後部背もたれカバーは、上部カバー及び下部カバーを有し、
該上部カバー及び該下部カバーは、前記後部背もたれカバー及び前記背中支持部が前記より平坦な第2の形状に移ると摺動自在に係合する重なる縁を有する、請求項6に記載の腰掛ユニット。
【請求項8】
前記背もたれフレームは、上部セグメント及び下部セグメントを有し、
前記多リンク機構は、前記背もたれフレームの前記上部セグメント及び前記下部セグメントと共に4節リンク機構を形成する、前部リンク及び後部リンクを有する、請求項1に記載の腰掛ユニット。
【請求項9】
腰掛ユニットであって、
基部と、
前記基部上に支持される座部と、
直立位置及びリクライニング位置間を移動するように、前記基部上に動作可能に支持される、背もたれ構成部と
を備え、
前記背もたれ構成部は、胸部領域、骨盤領域、及び該胸部領域と該骨盤領域との間に腰部領域を画定し、該腰部領域は、前記胸部領域及び前記骨盤領域の少なくとも部分的に前方に位置し、
前記背もたれ構成部は、
前記胸部領域の前面画定部を有する上部剛性支持構造部と、
前記基部及び前記座部のうち一方に枢着される下部剛性支持構造部と、
前記上部剛性支持構造部の第1の上部ピボット及び第2の上部ピボットに各自の上端がそれぞれ枢着されると共に、前記下部剛性支持構造部の第1の下部ピボット及び第2の下部ピボットに各自の下端がそれぞれ枢着される、第1の剛性リンク及び第2の剛性リンクとを有し、
前記第1の上部ピボット及び前記第2の上部ピボットは間に上方の第1の距離を画定し、前記第1の下部ピボット及び第2の下部ピボットは間に下方の第2の距離を画定し、該第2の距離は前記第1の距離よりも長く、
前記上部剛性支持構造部及び前記下部剛性支持構造部、並びに前記第1の剛性リンク及び前記第2の剛性リンクは相互接続し、それにより、腰掛けているユーザが前記腰部領域に後方の圧力を加えると前記背もたれ構成部が形状変化してより平坦な形状を画定する、腰掛ユニット。
【請求項10】
前記下部剛性支持構造部は、前記第1の剛性リンク及び前記第2の剛性リンク、並びに前記上部剛性支持構造部のための底面支持を与える、請求項9に記載の腰掛ユニット。
【請求項11】
前記背もたれ構成部は、
前記上部剛性支持構造部及び前記下部剛性支持構造部を組み込んでいると共に、前記第1の剛性リンク及び前記第2の剛性リンクを組み込んでいる、背もたれフレームを有し、
また、腰掛けているユーザを支持するように、該背もたれフレームに取り付けられると共に該背もたれフレームによって支持される背中支持部をさらに有する、請求項9に記載の腰掛ユニット。
【請求項12】
前記背もたれ構成部は、水平な特徴ラインを形成すると共に該水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを画定する少なくとも1つの後部背もたれカバーを有し、
該所定のエリアは、前記背もたれ構成部が湾曲形状にあるときは隠れているが、前記背中支持部及び背もたれフレームが前記より平坦な形状に移ると覆われずに露呈する、請求項9に記載の腰掛ユニット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの後部背もたれカバーは、上部カバー及び下部カバーを有し、
該上部カバー及び該下部カバーは、前記上部剛性支持構造部及び前記下部剛性支持構造部、並びに前記第1の剛性リンク及び前記第2の剛性リンクが前記より平坦な形状へ移ると摺動自在に係合する重なる縁を有する、請求項12に記載の腰掛ユニット。
【請求項14】
前記上部剛性支持構造部及び前記下部剛性支持構造部、並びに前記第1の剛性リンク及び前記第2の剛性リンクは、前記腰部領域内に位置する前記第1の上部ピボットと共に4節リンク機構を形成する、請求項9に記載の腰掛ユニット。
【請求項15】
腰掛ユニット用の背もたれ構成部であって、
座部下制御部と、
直立位置及びリクライニング位置間を枢動するように、前記座部下制御部によって中心位置で直接動作可能に支持される背もたれフレームと、
前記背もたれフレームに支持される背中支持部と
を備え、
前記背もたれフレームは、別個の上部セグメント及び下部セグメントを組み込んでいる少なくとも1つの多リンク機構を有し、
該上部セグメント及び該下部セグメントは、前記背もたれフレームの腰部領域内に位置するフレキシブルジョイントによって相互接続され、
前記上部セグメントは、前記多リンク機構の上部リンクであり、前記背中支持部と組み合わさると、腰掛けているユーザの上背部に対して少なくとも部分的に支持を与えるように構成されると共にそのようになっており、
前記下部セグメントは、前記多リンク機構の下部リンクであり、
該多リンク機構は、
前記背中支持部と組み合わさると、前記腰掛けているユーザの下背部に対して少なくとも部分的に支持を与えるように構成されると共にそのようになっているさらなるリンクを有し、
また、前記腰掛けているユーザの下背部の腰部位に対して前記フレキシブルジョイントによって与えられる調整可能な支持を含み、
前記腰部位に対して調整可能な支持は、前記直立位置及び前記リクライニング位置間の前記背もたれフレームの枢動とは独立している、腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項16】
前記さらなるリンクは、前記上部セグメント及び前記下部セグメントに、且つ該上部セグメント及び該下部セグメント間に、それぞれ枢着される一対のリンクを有する、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項17】
前記一対のリンクはそれぞれ、上部ピボット位置及び下部ピボット位置で枢支され、
前記上部ピボット位置の1つは、前記背中支持部の前面付近に位置すると共にフレキシブルジョイントを画定し、
前記さらなるリンクはそれぞれ、前記フレキシブルジョイントが撓む際、前記上部セグメントの角度及び位置の双方を調整するように、該上部セグメントを枢動及び回動させるように選択される長さを有する、請求項16に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項18】
前記一対のリンクは、4つのピボット軸を画定する前部リンク及び後部リンクを有し、
該4つのピボット軸は平行四辺形でない幾何学形状を画定する、請求項16に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項19】
前記4つのピボット軸は、前記上部セグメントに一対の上部軸、及び前記下部セグメントに一対の下部軸をそれぞれ有し、
前記上部軸は、前記下部ピボット軸とは異なる距離で離間している、請求項18に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項20】
前記背もたれフレームは、
腰掛けているユーザの腰部位と係合するようになっているフレキシブルジョイントを画定し、
また、前記背もたれフレームに動作可能に連結されるエネルギー源を有し、
該エネルギー源は、前記フレキシブルジョイントを前方に付勢する、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項21】
前記上部セグメントは、上部フレーム部材及び側部フレーム部材によって形成される外周フレームを有し、
前記上部フレーム部材及び前記側部フレーム部材は間に開口エリアを画定する、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項22】
前記背中支持部は、該背中支持部の外周に沿って前記上部フレーム部材及び前記側部フレーム部材によって支持される、請求項21に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項23】
前記上部セグメントを組み込んでいると共に前記背中支持部の大部分を形成する、単一成形品を有する、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項24】
前記背中支持部は、少なくとも1つの方向に伸縮可能であると共に異なる第2の方向には実質的に伸縮可能でない材料シートを有する、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項25】
前記背中支持部は、選択エリアで、選択方向に拡張を可能にするスリットを内部に有する高機能ファブリックを含む、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項26】
前記多リンク機構は、腰掛けているユーザの腰部位に近接してフレキシブルジョイントを有する4節機構で前記上部セグメント及び前記下部セグメントに枢着されると共に該上部セグメント及び該下部セグメントを動作可能に相互接続する、前部リンク及び後部リンクを有する、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項27】
前記フレキシブルジョイントは、互いから前/後方向に離間している第1の上部ピボット及び第2の上部ピボットを画定する、請求項26に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項28】
前記下部セグメントは、互いから前/後方向に離間している第1の下部ピボット及び第2の下部ピボットを画定する、請求項27に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項29】
腰掛ユニット用の背もたれ構成部であって、
背もたれフレームと、
前記背もたれフレームに支持される背中支持部と
を備え、
前記背もたれフレームは、別個の上部セグメント及び下部セグメントを組み込んでいる少なくとも1つの多リンク機構を有し、
前記上部セグメントは、前記多リンク機構の上部リンクであり、前記背中支持部と組み合わさると、腰掛けているユーザの上背部に対して少なくとも部分的に支持を与えるように構成されると共にそのようになっており、
前記下部セグメントは、前記多リンク機構の下部リンクであり、
該多リンク機構は、前記背中支持部と組み合わさると前記腰掛けているユーザの下背部に対して少なくとも部分的に支持を与えるように構成されると共にそのようになっているさらなるリンクを有し、
前記多リンク機構は、腰掛けているユーザの腰部位に近接してフレキシブルジョイントを有する4節機構で前記上部セグメント及び前記下部セグメントに枢着されると共に該上部セグメント及び該下部セグメントを動作可能に相互接続する、前部リンク及び後部リンクを有し、
前記フレキシブルジョイントは、互いから前/後方向に離間している第1の上部ピボット及び第2の上部ピボットを画定し、
前記下部セグメントは、互いから前/後方向に離間している第1の下部ピボット及び第2の下部ピボットを画定し、
前記第1の上部ピボット及び前記第2の上部ピボット間の距離は、前記第1の下部ピボット及び前記第2の下部ピボット間の距離よりも短い、腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項30】
前記第1の上部ピボット及び前記第2の上部ピボット間の距離は、約31.75mm未満であり、前記第1の下部ピボット及び前記第2の下部ピボット間の距離は約50.8mmを超える、請求項29に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項31】
前記背もたれ構成部は、水平な特徴ラインを形成すると共に該水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを画定する少なくとも1つの後部背もたれカバーを有し、
該所定のエリアは、前記背もたれ構成部が第1の湾曲形状にあるときは隠れているが、前記背中支持部及び前記背もたれフレームがより平坦な第2の形状に移ると覆われずに露呈する、請求項15に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項32】
座部と、背もたれフレームと、直立位置及びリクライニング位置間を枢動するように、少なくとも該背もたれフレームを直接動作可能に支持する制御部と、該背もたれフレームによって支持されると共に、腰掛けているユーザを支持するようになっている表面を有する、背中支持部と、前記背もたれフレームを直立位置へ付勢する第1のエネルギー機構と、前記背中支持部の一部を前方突出形状へ付勢するようになっている第2のエネルギー機構とを有する腰掛ユニットであって、
該腰掛ユニットの改良は、
前記背もたれフレームは上部セグメント及び下部セグメントを画定し、該上部セグメント及び下部セグメントは、前記背中支持部の腰部領域内に位置するフレキシブルジョイントによって相互接続されること、及び
前記第2のエネルギー機構は、前記フレキシブルジョイントと、前記背もたれフレームの前記上部セグメント及び前記下部セグメントの少なくとも一方の中間部分とを前方に付勢するように配置され、それにより、前記フレキシブルジョイントは前記腰部領域に対して調整可能な支持を与え、前記フレキシブルジョイントの撓みは、前記直立位置及び前記リクライニング位置間の前記背もたれフレームの枢動とは独立していること
を含む、腰掛ユニット。
【請求項33】
前記背もたれフレームは、前記上部セグメント及び前記下部セグメントに、且つ該上部セグメント及び該下部セグメント間に、それぞれ枢着される一対のリンクを有する、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項34】
前記リンクはそれぞれ、上部ピボット位置及び下部ピボット位置で枢支され、該上部ピボット位置はフレキシブルジョイントを画定し、前記一対のリンクはそれぞれ、前記フレキシブルジョイントが撓む際、前記上部セグメントの角度及び位置の双方を調整するように、該上部セグメントを枢動及び回動させるように選択される長さを有する、請求項33に記載の腰掛ユニット。
【請求項35】
座部と、背もたれフレームと、該背もたれフレームによって支持されると共に、腰掛けているユーザを支持するようになっている表面を有する、背中支持部と、前記背もたれフレーム及び前記背中支持部を直立位置へ付勢する第1のエネルギー機構と、該背中支持部の一部を前方突出形状へ付勢するようになっている第2のエネルギー機構とを有する腰掛ユニットであって、
該腰掛ユニットの改良は、
前記背もたれフレームが上部セグメント及び下部セグメントを画定すること、及び
前記第2のエネルギー機構は、前記背もたれフレームの前記上部セグメント及び前記下部セグメントの少なくとも一方の中間部分を前方に付勢するように配置されること
を含み、
前記背もたれフレームは、前記上部セグメント及び前記下部セグメントに、且つ該上部セグメント及び該下部セグメント間に、それぞれ枢着される一対のリンクを有し、
該一対のリンクはそれぞれ、上部ピボット位置及び下部ピボット位置で枢支され、
該上部ピボット位置は、フレキシブルジョイントを画定し、
前記一対のリンクはそれぞれ、前記フレキシブルジョイントが撓む際、前記上部セグメントの角度及び位置の双方を調整するように、該上部セグメントを枢動及び回動させるように選択される長さを有し、
前記一対のリンクは、4つのピボット軸を画定する前部リンク及び後部リンクを有し、
該4つのピボット軸は平行四辺形でない幾何学形状を画定する、腰掛ユニット。
【請求項36】
前記4つのピボット軸は、前記上部セグメントに一対の上部軸、及び前記下部セグメントに一対の下部軸をそれぞれ有し、
前記上部軸は、前記下部ピボット軸とは異なる距離で離間している、請求項35に記載の腰掛ユニット。
【請求項37】
前記前部リンクは、一対のリンク部材と、該一対のリンク部材を接続する横バーとを有し、
該横バーは前記背中支持部のための下方支持を形成する、請求項36に記載の腰掛ユニット。
【請求項38】
前記基部は制御部を有し、
前記下部セグメントは、前記基部の前記制御部に枢着される前方延出脚部を有する、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項39】
前記上部セグメントは、間に開口エリアを画定する、上部フレーム部材及び側部フレーム部材によって形成される外周フレームを有する、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項40】
前記背中支持部は、前記上部フレーム部材及び前記側部フレーム部材上に支持される、請求項39に記載の腰掛ユニット。
【請求項41】
前記背もたれフレームは、フレキシブルジョイントを画定し、また、離間している縦フレーム部材を有し、
該縦フレーム部材は、前記フレキシブルジョイントへ下方に至る前方突出形状を画定するように湾曲している、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項42】
前記背もたれフレームは、前記上部セグメントの前部の上部ピボット及び後部の上部ピボットに枢着される、前部リンク及び後部リンクを有し、
少なくとも前記前部の上部ピボットは、前記フレキシブルジョイントの一部を形成する、請求項41に記載の腰掛ユニット。
【請求項43】
前記背もたれフレームは、外周及びフレキシブルジョイントを画定し、
前記背中支持部は、前記背もたれフレームの前記外周に沿って支持されると共に該外周にわたって懸架され、拡張性が不均一な少なくとも1つのエリアをさらに有する、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項44】
前記背中支持部は、選択エリアで拡張を可能にするスリットを内部に有する高機能ファブリックを含む、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項45】
前記背もたれフレームは、
前記背中支持部の外周に隣接して位置すると共に該外周に取り付けられるが前記背中支持部から離隔していない外周フレームを含み、
また、フレキシブルジョイントを画定し、
前記背中支持部は、腰掛けているユーザの腰に近接して位置するフレキシブルジョイントにて前記背もたれフレームと共に撓むようになっている、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項46】
前記背もたれフレームは、腰掛けているユーザの腰に近接してフレキシブルジョイントを有する4節機構で前記上部セグメント及び前記下部セグメントに枢着されると共に該上部セグメント及び下部セグメントを動作可能に相互接続する、前部リンク及び後部リンクを有する、請求項32に記載の腰掛ユニット。
【請求項47】
前記フレキシブルジョイントは、互いから前/後方向に離間している第1の上部ピボット及び第2の上部ピボットを画定する、請求項46に記載の腰掛ユニット。
【請求項48】
前記下部セグメントは、互いから前/後方向に離間している第1の下部ピボット及び第2の下部ピボットを画定する、請求項47に記載の腰掛ユニット。
【請求項49】
座部と、背もたれフレームと、該背もたれフレームによって支持されると共に、腰掛けているユーザを支持するようになっている表面を有する、背中支持部と、前記背もたれフレーム及び前記背中支持部を直立位置へ付勢する第1のエネルギー機構と、該背中支持部の一部を前方突出形状へ付勢するようになっている第2のエネルギー機構とを有する腰掛ユニットであって、
該腰掛ユニットの改良は、
前記背もたれフレームが上部セグメント及び下部セグメントを画定すること、及び
前記第2のエネルギー機構は、前記背もたれフレームの前記上部セグメント及び前記下部セグメントの少なくとも一方の中間部分を前方に付勢するように配置されること
を含み、
前記背もたれフレームは、腰掛けているユーザの腰に近接してフレキシブルジョイントを有する4節機構で前記上部セグメント及び前記下部セグメントに枢着されると共に該上部セグメント及び該下部セグメントを動作可能に相互接続する、前部リンク及び後部リンクを有し、
前記フレキシブルジョイントは、互いから前/後方向に離間している第1の上部ピボット及び第2の上部ピボットを画定し、
前記第1の上部ピボット及び前記第2の上部ピボット間の距離は、第1の下部ピボット及び第2の下部ピボット間の距離よりも短い、腰掛ユニット。
【請求項50】
腰掛ユニットであって、
座部下制御部を有する基部と、
直立位置及びリクライニング位置間を枢動するように、前記座部下制御部によって中心位置で直接枢支される下部フレームセグメントと、該下部フレームセグメントによって支持される上部フレームセグメントとを有する、背もたれ構成部であって、該上部フレームセグメントは、第1のピボット軸を画定する少なくとも1つの第1のピボットと、該第1のピボット軸から離間している第2のピボット軸を画定する少なくとも1つの第2のピボットとを画定し、前記基部及び前記下部フレームセグメントのうちの一方は、前記上部フレームセグメントのための構造支持部を画定する、背もたれ構成部と、
前記第1のピボット及び前記第2のピボットを前記下部構造支持部に相互接続する機構であって、
腰掛けているユーザにより前記上部フレームセグメントの下部に対して圧力がかけられると、該上部フレームセグメントの該下部の回動及び後方移動のどちらも同時に制御するように構成されており、
前記第1のピボット及び前記第2のピボットは、前記背もたれ構成部の腰部領域内にフレキシブルジョイントを形成し、
該フレキシブルジョイントは、
前記腰掛けているユーザの下背部に対して形状変化調整可能な支持を与え、
また、前記直立位置及び前記リクライニング位置の双方において前記形状変化調整可能な支持を与え、
該形状変化調整可能な支持は、前記直立位置及び前記リクライニング位置間の前記背もたれフレームの枢動とは独立して調整可能である、
機構と
を備える、腰掛ユニット。
【請求項51】
前記第1のピボットは、前記背もたれ構成部の前面付近の位置にて前記第2のピボットから前方に離間している、請求項50に記載の腰掛ユニット。
【請求項52】
前記第1のピボット及び前記第2のピボットは、約25.4mm〜50.8mm離れている、請求項51に記載の腰掛ユニット。
【請求項53】
前記機構は、前記上部フレームセグメントと前記下部フレームセグメントと共に4節機構を形成する一対のリンクを有する、請求項50に記載の腰掛ユニット。
【請求項54】
前記背もたれ構成部は、水平な特徴ラインを形成すると共に該水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを画定する少なくとも1つの後部背もたれカバーを有し、
該所定のエリアは、前記背もたれ構成部が第1の湾曲形状にあるときは隠れているが、該背もたれ構成部がより平坦な第2の形状に移ると覆われずに露呈する、請求項50に記載の腰掛ユニット。
【請求項55】
前記少なくとも1つの後部背もたれカバーは、上部カバー及び下部カバーを有し、
該上部カバー及び該下部カバーは、前記背もたれフレーム及び前記背中支持部が前記より平坦な第2の形状へ移ると摺動自在に係合する重なる縁を有する、請求項54に記載の腰掛ユニット。
【請求項56】
前記機構は、前記上部フレームセグメント及び前記下部フレームセグメントと共に4節リンクを形成する、前部リンク及び後部リンクを有する、請求項50に記載の腰掛ユニット。
【請求項57】
腰掛ユニット用の背もたれ構成部であって、
少なくとも胸部領域、可撓性の腰部領域、及び中央の開口エリアを画定する外周フレームセクションを有する関節式背もたれフレームと、
前記関節式背もたれフレームによって支持されると共に、前記外周フレームセクションの部分間に懸架される、背中支持部であって、
該背中支持部は懸架材を有し、
該懸架材は、前記中央の開口エリアにわたって延びると共に、前記背もたれフレームの少なくとも上部から下部に固定されて、前記胸部領域及び前記腰部領域のうち腰掛けているユーザを支持するようになっている少なくとも一方に成形懸架面を画定し、
また、前記懸架材は、該成形懸架面に沿った第1の方向における伸縮性の方が該成形懸架面に沿った異なる第2の方向におけるよりも大きい少なくとも1つのエリアを有する、
背中支持部と
を備える、腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項58】
前記懸架材は、前記胸部領域及び前記腰部領域の双方に延びる、請求項57に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項59】
前記懸架材は織物シートである、請求項57に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項60】
前記腰部領域の前記成形懸架面は、前記腰部領域の前面の中心にわたって縦方向に引かれる縦ラインに沿って伸縮可能であるが、該腰部領域の前面にわたって横方向に引かれる横ラインに沿って実質的に横方向には伸縮可能でない、請求項57に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項61】
前記胸部領域の前記背中支持部は、該胸部領域の前面の中心にわたって縦方向に引かれる縦ラインに沿って可撓性がないが、該胸部領域の前面にわたって横方向に引かれる横ラインに沿って半可撓性がある、請求項57に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項62】
前記背もたれフレームは、前記腰部領域の前記成形懸架面の前部に対して垂直な前方向に可撓性がある、請求項57に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項63】
前記関節式背もたれフレームの前記外周フレームセクションに取り付けられると共に、前記可撓性の腰部領域に対応する位置で前記背もたれ構成部の後面にわたって水平な特徴ラインを形成する、少なくとも1つの後部背もたれカバーを有し、
該後部背もたれカバーは、前記水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを覆い、そのため、前記背もたれ構成部がより湾曲した形状にあるときは前記所定のエリアを隠すが、該背もたれ構成部がより平坦な形状に撓むと該所定のエリアを覆わずに露呈させる、請求項57に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項64】
腰掛ユニット用の背もたれ構成部であって、
中央の開口エリア、並びに少なくとも胸部領域、可撓性の腰部領域、及び骨盤領域を画定する外周フレームセクションを有する関節式背もたれフレームであって、該関節式背もたれフレームは自立式であり、腰掛けているユーザからの腰圧に応じて前記腰部領域を後方に撓ませるように構成される、関節式背もたれフレームと、
前記関節式背もたれフレームによって支持される背中支持部であって、該背中支持部は、織物懸架材を有し、該織物懸架材は、前記中央の開口エリアにわたって延びると共に前記外周フレームセクションに固定されて成形懸架面、及び該懸架材を画定し、それにより、該背中支持部は、前記背もたれフレームが撓む際の前記腰部領域の形状変化に対応するようになっている、背中支持部と
を備える、腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項65】
前記背中支持部は、前記腰部領域において縦方向に伸縮可能である、請求項64に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項66】
前記関節式背もたれフレームに取り付けられると共に、前記可撓性の腰部領域に対応する位置に前記背もたれ構成部の後面にわたって水平な特徴ラインを形成する少なくとも1つの後部背もたれカバーを有し、
該後部背もたれカバーは、前記水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを覆い、そのため、前記背もたれ構成部がより湾曲した形状にあるときは前記所定のエリアを隠すが、該背もたれ構成部がより平坦な形状に撓むと該所定のエリアを覆わずに露呈させる、請求項64に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項67】
腰掛ユニット用の背もたれ構成部であって、
外周側フレーム部材を有する関節式背もたれフレームであって、該外周側フレーム部材は、可撓性の腰部ジョイントを画定すると共に、該外周側フレーム部材間に開口エリアを画定する、関節式背もたれフレームと、
懸架材及び縦部材を有する背中支持部であって、該懸架材は、前記開口エリアにわたって前記外周側フレーム部材に取り付けられると共に該外周側フレーム部材間に支持され、前記腰部ジョイントに近接した領域の前記懸架材は、横方向に伸縮可能でなく、前記外周側フレーム部材間の直線距離よりも長い寸法を有し、そのため、前記懸架材が前記外周側フレーム部材間の前記腰部ジョイントにてスリング構成を形成するようになっており、前記縦部材は伸縮可能であり、前記懸架材の中央エリアにわたって縦方向に延びて、該懸架材を後方に付勢し、したがって、該懸架材におけるスラックをとり、前記背もたれ構成部が使用中でないときに該懸架材を後方の中心位置に保持する、背中支持部と
を備える、腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項68】
前記関節式背もたれフレームの前記外周フレームセクションに取り付けられると共に、前記可撓性の腰部領域に対応する位置に前記背もたれ構成部の後面にわたって水平な特徴ラインを形成する少なくとも1つの後部背もたれカバーを有し、
該後部背もたれカバーは、前記水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを覆い、そのため、前記背もたれ構成部がより湾曲した形状にあるときは前記所定のエリアを隠すが、該背もたれ構成部がより平坦な形状に撓むと該所定のエリアを覆わずに露呈させる、請求項67に記載の腰掛ユニット用の背もたれ構成部。
【請求項69】
腰掛ユニットであって、
基部と、
前記基部上に支持される座部と、
上部セグメント及び下部セグメントを有する関節式背もたれフレームであって、該上部セグメント及び該下部セグメントは、少なくとも1つの中央の開口エリアを有する外周フレームを形成すると共に、間に少なくとも1つのフレキシブルジョイントを画定する、関節式背もたれフレームと、
前記上部セグメント及び前記下部セグメントにそれぞれ支持される胸部領域及び骨盤領域を有する背中支持部であって、
該背中支持部は織物懸架材を有し、
該懸架材は、前記少なくとも1つの中央の開口エリアにわたって延びて成形懸架面を画定し、また、前記外周フレームに固定され、
前記成形懸架面は、前記フレキシブルジョイントにわたって縦方向に延びる可撓性の腰部領域を有し、該腰部領域は後方に変形可能であり、
前記フレキシブルジョイントは、後方への変形の際に前記腰部領域を支持しつつ撓むように構成される、背中支持部と
を備える、腰掛ユニット。
【請求項70】
前記背もたれフレームは、前記上部セグメント及び前記下部セグメントをそれぞれ接続する一対のリンクを有する、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項71】
前記一対のリンクはそれぞれ、上方位置及び下方位置にて枢支され、前記フレキシブルジョイントが撓む際、前記上部セグメントの角度及び位置の双方を調整するように、該上部セグメントを枢動及び回動させるように選択される長さをそれぞれ有する、請求項70に記載の腰掛ユニット。
【請求項72】
前記背もたれフレームに動作可能に連結されるエネルギー源を有し、
該エネルギー源は、前記フレキシブルジョイントを前方に付勢する、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項73】
前記上部セグメントは、間に開口エリアを画定する上部フレーム部材及び側部フレーム部材によって形成される外周フレームを有する、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項74】
前記背中支持部は、前記上部フレーム部材及び前記側部フレーム部材上に支持される縁を有する、請求項73に記載の腰掛ユニット。
【請求項75】
前記背もたれフレームは、横バーを有すると共に、上方延出リンク部材を有する前リンクを有し、
該上方延出リンク部材は、前記フレキシブルジョイントに延びると共に該フレキシブルジョイントの一部を形成する、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項76】
前記背中支持部は、前記前部リンクの少なくとも1つの位置で支持される、請求項75に記載の腰掛ユニット。
【請求項77】
前記背もたれフレームは、離間している縦フレーム部材を有し、
該縦フレーム部材は、前記フレキシブルジョイントへ下方に至る前方突出形状を画定するように湾曲している、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項78】
前記縦フレーム部材は、前記フレキシブルジョイントの一部を形成するピボットを形成する端部を含む、請求項77に記載の腰掛ユニット。
【請求項79】
前記背もたれフレームは、前記上部セグメントの前部の上部ピボット及び後部の上部ピボットに枢着される、前部リンク及び後部リンクを有し、
少なくとも前部の上部ピボットは前記フレキシブルジョイントの一部を形成する、請求項78に記載の腰掛ユニット。
【請求項80】
前記背もたれフレームは外周を画定し、
前記背中支持部は、該背もたれフレームの該外周に沿って支持され、拡張性が不均一な少なくとも1つのエリアを有する、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項81】
前記背中支持部の前記拡張性が不均一なエリアは、伸縮可能なエリアを含む、請求項80に記載の腰掛ユニット。
【請求項82】
前記拡張性が不均一なエリアの1つは、前記可撓性の腰部領域に位置し、前記フレキシブルジョイントにわたって縦方向に延び、
前記腰部領域は、縦方向に拡張可能であるが前記背中支持部の前面に平行な横方向には比較的拡張可能でない、請求項80に記載の腰掛ユニット。
【請求項83】
前記背中支持部は、少なくとも1つの方向に伸縮可能であるが異なる第2の方向には伸縮可能でない材料シートを含む、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項84】
前記背中支持部は、選択エリアで拡張を可能にするスリットを内部に有する高機能ファブリックを含む、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項85】
前記背もたれフレームは、前記背中支持部の外周に隣接して位置付けされると共に該外周に取り付けられるが該背中支持部から離隔していない外周フレームを含み、
前記背もたれフレーム及び前記背中支持部は前記フレキシブルジョイントにて共に撓むようになっている、請求項69に記載の腰掛ユニット。
【請求項86】
腰掛ユニットであって、
基部と、
より湾曲した形状及びより平坦な形状間を関節運動するように構成される背もたれ構成部であって、該関節運動は、腰掛けているユーザの腰付近に回動軸を画定し、該回動軸は、該背もたれ構成部の前面付近にある、背もたれ構成部と、
前記背もたれ構成部の後面にわたって前記回動軸の後方の位置に水平な特徴ラインを形成する、少なくとも2つの成形重なり後部背もたれカバーであって、該成形重なり後部背もたれカバーの重なる部分は、該水平な特徴ラインに沿って所定のエリアを覆い、そのため、前記背もたれ構成部が前記より湾曲した形状にあるときは前記所定のエリアを隠すが、該背もたれ構成部が前記より平坦な形状へと撓むと該所定のエリアを覆わずに露呈させる、少なくとも2つの成形重なり後部背もたれカバーと
を備える、腰掛ユニット。
【請求項87】
前記少なくとも1つの後部背もたれカバーは、上部カバー及び下部カバーを有し、
該上部カバー及び該下部カバーは、前記背もたれフレーム及び前記背中支持部が前記より湾曲した形状及び前記より平坦な形状間を移動するときに鋏運動により摺動自在に移動する重なる縁を有する、請求項86に記載の腰掛ユニット。
【請求項88】
前記背もたれ構成部は、前記基部上に支持される下部フレームセグメント、上部フレームセグメント、及び該下部フレームセグメント上に該上部フレームセグメントを支持する中間セグメントを有し、
該中間セグメントは、前記回動軸を画定するジョイントにより前記上部フレームセグメントに枢着される、請求項86に記載の腰掛ユニット。
【請求項89】
前記背もたれ構成部は、中央の開口エリアを画定する外周フレームと、前記中央の開口エリアにわたって延びると共に前記外周フレームに縁に沿って取り付けられる懸架材とを有する、請求項86に記載の腰掛ユニット。
【請求項90】
腰掛ユニット用の背もたれ構成部であって、
少なくとも胸部領域及び可撓性の腰部領域、並びに中央の開口エリアを画定する外周フレームセクションを有する、関節式背もたれフレームと、
前記関節式背もたれフレームによって支持されると共に前記外周フレームセクションの部分間に懸架される背中支持部であって、
該背中支持部は、前記中央の開口エリアにわたって延びる織物懸架材を有し、また、前記背もたれフレームに固定されて、前記胸部領域及び前記腰部領域のうち腰掛けているユーザを支持するようになっている少なくとも一方に成形懸架面を画定する前記懸架材の複数の縁に沿って押出成形部をさらに有し、
該懸架材は、前記成形懸架面に沿って縦方向に伸縮可能である少なくとも1つのエリアを有する、背中支持部材と
を備える、腰掛ユニット用の背もたれ構成部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図26A】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2008−532625(P2008−532625A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500742(P2008−500742)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/006887
【国際公開番号】WO2006/096369
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(301057048)スチールケース デベロップメント コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】Steelcase Development Corporation
【住所又は居所原語表記】6100 East Paris Avenue SE, Caledonia,Michigan 49316
【Fターム(参考)】