説明

後部車体構造

【課題】リアサスペンションの後方に位置する車体のオーバーハング部分の剛性を強くすることができて、車体の不快な振動や音を生じにくくすることができ、しかも、ロードノイズがホイールハウスインナパネルを透過しにくくすることができて、車室内を静かにすることができる後部車体構造を提供する。
【解決手段】 車体の後部フロア1の左右両側部の下面に、左右一対のフロアサイドメンバ2を各別に接合し、ホイールハウスインナパネル3の下端部をフロアサイドメンバ2に結合し、ホイールハウスインナパネル3に、第1縦壁部と第1横壁部と第2縦壁部とを車両前後方向に延びる状態に形成し、第1縦壁部及び第1横壁部と共に閉じ断面を形成する補助メンバパネル22を、ホイールハウスインナパネル3の車幅方向外側の面に接合して、補助メンバパネル22と第1縦壁部と第1横壁部とで閉じ断面の補助メンバを構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
車体の後部フロアの左右両側部の下面に、車両前後方向に延びる左右一対のフロアサイドメンバを各別に接合し、
ホイールハウスインナパネルの下端部を前記フロアサイドメンバに結合してある後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記の後部車体構造では、フロアサイドメンバ側のホイールハウスインナパネル部分は一枚板状に形成されているだけであった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−165468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の構造によれば、フロアサイドメンバ側のホイールハウスインナパネル部分は一枚板状に形成されているだけであったために、前記ホイールハウスインナパネル部分の剛性が十分ではなく、リアサスペンションの後方に位置する車体のオーバーハング部分の剛性が弱くなって、車体の不快な振動や音が生じやすかった。また、タイヤを音源とするロードノイズがホイールハウスインナパネルを透過して車室内に到達しやすかった。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、リアサスペンションの後方に位置する車体のオーバーハング部分の剛性を強くすることができて、車体の不快な振動や音を生じにくくすることができ、しかも、タイヤを音源とするロードノイズがホイールハウスインナパネルを透過しにくくすることができて、車室内を静かにすることができる後部車体構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特徴は、冒頭に記載した後部車体構造において、
前記ホイールハウスインナパネルに、前記フロアサイドメンバとの結合部から立ち上がる第1縦壁部と、前記第1縦壁部の上端部から車幅方向外側に折曲する第1横壁部と、前記第1横壁部の車幅方向外側の端部から立ち上がる第2縦壁部とを車両前後方向に延びる状態に形成し、
前記第1縦壁部及び第1横壁部と共に閉じ断面を形成する補助メンバパネルを、前記ホイールハウスインナパネルの車幅方向外側の面に接合して、前記補助メンバパネルと第1縦壁部と第1横壁部とで閉じ断面の補助メンバを構成してある点にある。(請求項1)
【0005】
この構成によれば、ホイールハウスインナパネルの前記第1縦壁部及び第1横壁部と共に閉じ断面を形成する補助メンバパネルを、前記ホイールハウスインナパネルの車幅方向外側の面に接合して、前記補助メンバパネルと第1縦壁部と第1横壁部とで閉じ断面の補助メンバを構成してあるから、ホイールハウスインナパネルの剛性を強くすることができる。
その結果、リアサスペンションの後方に位置する車体のオーバーハング部分の剛性を強くすることができて、車体の不快な振動や音が生じにくくすることができる。
さらに、タイヤを音源とするロードノイズがホイールハウスインナパネルを透過しにくくして車室内に到達しにくくすることができ、車室内を静かにすることができる。(請求項1)
【0006】
本発明において、
前記後部フロアの車両後方側の端部に、車室内と車室外を区分けする縦板状のリヤスカートパネルを接合し、
前記補助メンバパネルの車両後方側の端部に張り出し形成したフランジを前記リヤスカートパネルに車両前方側から重合して溶接固着してあると、補助メンバパネルを車両前後方向で強く位置固定できて、ホイールハウスインナパネルの剛性をより強くすることができる。(請求項2)
【0007】
本発明において、
前記補助メンバパネルは、前記第1横壁部に下方から対向する第1対向壁部と、
前記第1対向壁部の車幅方向外側の端部から立ち上がって前記第1縦壁部に対向する第2対向壁部と、
前記第2対向壁部の上端部から車幅方向外側に折曲した上側折曲部と、前記第1対向壁部の車幅方向内側の端部から下方に折曲した下側折曲部とから成り、
前記上側折曲部を前記第2縦壁部に車幅方向外側から重合して溶接固着し、
前記下側折曲部を、前記第1縦壁部の下端部と、前記フロアサイドメンバの車幅方向外側の側壁とに車幅方向外側から重合して溶接固着してあると、補助メンバを簡単に形成することができるとともに、ホイールハウスインナパネルの剛性をより確実に強くすることができる。(請求項3)
【0008】
本発明において、
前記第2対向壁部にショックアブソーバの上端部を連結してあると、ショックアブソーバの上端部を後部フロアよりも上方に配置することができる。つまり、ショックアブソーバに後部フロアの高さが制約されることがなくなって、後部フロアのフロア高さを低くすることができ、車室内を広くすることができる。(請求項4)
また、ショックアブソーバの上端部が連結された前記第2対向壁部を備える補助メンバパネルについては、その下側折曲部を、剛性が強いフロアサイドメンバの車幅方向外側の側壁に車幅方向外側から重合して溶接固着してあるから、補助メンバパネルの剛性が強くなって、ショックアブソーバから入力される上下方向の力を確実かつ安定的に受け止めることができる。(請求項4)
【0009】
本発明において、
前記第2対向壁部に車幅方向内側に凹む凹部を形成し、
前記凹部の底壁の裏面にナットを溶接固着するとともに、前記凹部の底壁に前記ナットに対応する第1ボルト挿通孔を形成し、
車両前後方向で凹部の両側の第2対向壁部分に、第2ボルト挿通孔を備えたブラケットを架け渡して溶接固着し、
前記第1ボルト挿通孔と、前記ショックアブソーバの上端部に形成した第3ボルト挿通孔と、前記第2ボルト挿通孔とに取付けボルトを挿通させて前記ナットに螺合させてあると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0010】
前記第2対向壁部の凹部の底壁と、凹部の両側の第2対向壁部分に架け渡したブラケットによってショックアブソーバの上端部を両持ち支持することができる。これにより、ショックアブソーバを安定支持することができて車両の走行安定性が向上する。
そして、ショックアブソーバの支持構造を簡素化できるとともに、ショックアブソーバの上端部を、前記ブラケットと、前記第2対向壁部を備える補助メンバパネルとに簡単に取付けることができる。
例えば、ナットをホイールハウスインナパネルの裏面(車室内側の面)に固着した構造では、車室内にナットが突出して車室内が狭くなるが、本発明の上記構成によれば、ナットを第2対向壁部の凹部の底壁の裏面に溶接固着してあるから、ナットが車室内に突出せずに車室内の空間を広くすることができる。(請求項5)
【0011】
本発明において、
前記ブラケットを平板状に形成し、前記ブラケットの上端部を前記凹部の上側の第2対向壁部分に溶接固着してあると、ブラケットの構造を簡素化でき、ブラケットを、前記第2対向壁部を備える補助メンバパネルに、より強く固定することができる。(請求項6)
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、
リアサスペンションの後方に位置する車体のオーバーハング部分の剛性を強くすることができて、車体の不快な振動や音を生じにくくすることができ、しかも、タイヤを音源とするロードノイズがホイールハウスインナパネルを透過しにくくすることができて、車室内を静かにすることができる後部車体構造を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の自動車の後部車体構造は左右対称であり、本実施形態では右側の後部車体構造を例に挙げて説明する。
【0014】
図1〜図4に示すように、車体の後部フロア1の左右両側部の下面に、車両前後方向に延びる左右一対のフロアサイドメンバ2を各別に接合し、ホイールハウスインナパネル3の下端部をフロアサイドメンバ2に結合して後部車体構造を構成してある。
【0015】
前記ホイールハウスインナパネル3は車輪の上方に位置する円弧状の上面部4と、車輪の前方側に位置する前面部5と、上面部4の車幅方向内側D1の端部から下方に延びる側面部6とを備えている。上面部4と側面部6には車幅方向及び上下方向に延びる複数の補強用のリブ7が、車両前後方向に所定の間隔を空けて並んだ状態に形成されている。そして、前記側面部6の下端部(後述の第1縦壁部11の下端部)が車幅方向内側D1に折曲されて、その折曲した下端部8が後部フロア1の車幅方向外側D2の一側部9の下面に下方から重合して溶接固着されている(図3,図4参照)。
【0016】
フロアサイドメンバ2は上側開放の断面コの字状に形成されており、車幅方向外側D2の側壁16が車幅方向内側D1の側壁15よりも上方に延出し、その延出した上端部10が車幅方向外側D2から前記側面部6の下端部に重合して溶接固着されている。フロアサイドメンバ2の前記車幅方向外側D2の側壁16は、上端部側ほど車幅方向外側D2に位置するように傾斜している(図3,図4参照)。
【0017】
図1に示すように、フロアサイドメンバ2の下壁14のうち、ホイールハウスインナパネル3の車両前後方向中間部の下方に位置する第1下壁部分14Aには、サスペンションのコイルスプリングを上方から受け止め支持するスプリング受け27を設けてある。このスプリング受け27が形成される第1下壁部分14Aは、コイルスプリングの径に対応して幅広に形成されているが、第1下壁部分14Aの車両後方側の第2下壁部分14Bと、第1下壁部分14Aの車両前方側Fr側の第3下壁部分14Cとは前記第1下壁部分14Aよりも幅狭に形成されている。
【0018】
フロアサイドメンバ2の車幅方向内側D1の側壁15の上端部17は車幅方向内側D1に折曲され、後部フロア1の下面に下方から重合して溶接固着されている。つまり、フロアサイドメンバ2と、後部フロア1と、車幅方向内側D1に折曲したホイールハウスインナパネル3の下端部とで閉じ断面を構成している。この構造によりフロアサイドメンバ2とその周りの剛性が強くなり、後部フロア1の剛性が強くなっている。
【0019】
図1,図4に示すように、前記スプリング受け27の車両後方側において、ホイールハウスインナパネル3の側面部6に、フロアサイドメンバ2との結合部20から立ち上がる第1縦壁部11と、第1縦壁部11の上端部から車幅方向外側D2に折曲する第1横壁部21と、第1横壁部21の車幅方向外側D2の端部から立ち上がる第2縦壁部12とを車両前後方向に延びる状態に形成してある。第1縦壁部11と第1横壁部21の接続部13は断面円弧状に形成されている。また、第1縦壁部11は垂直に立ち上がり、第2縦壁部12は斜め外側上方に立ち上がっている。この第2縦壁部12にホイールハウスインナパネル3の上面部4が連なっている。
【0020】
また、ホイールハウスインナパネル3の第1縦壁部11及び第1横壁部21と共に閉じ断面を形成する補助メンバパネル22を、ホイールハウスインナパネル3の車幅方向外側D2の面とフロアサイドメンバ2の車幅方向外側D2の側壁16に溶接固着して、補助メンバパネル22と第1縦壁部11と第1横壁部21とで閉じ断面の補助メンバ30を構成してある。
詳述すると、補助メンバパネル22は、第1横壁部21に下方から対向する第1対向壁部31と、第1対向壁部31の車幅方向外側D2の端部から立ち上がって第1縦壁部11に対向する第2対向壁部32と、第2対向壁部32の上端部から車幅方向外側D2に折曲した上側折曲部33と、第1対向壁部31の車幅方向内側D1の端部から下方に折曲した下側折曲部34とから成る。
【0021】
そして、前記上側折曲部33をホイールハウスインナパネル3の第2縦壁部12に車幅方向外側D2から重合して溶接固着し、下側折曲部34を、第1縦壁部11の下端部と、フロアサイドメンバ2の車幅方向外側D2の側壁16の上半部とに車幅方向外側D2から重合して溶接固着してある。
すなわち、前記下側折曲部34を、フロアサイドメンバ2の車幅方向外側D2の側壁16の延出した上端部10と、この延出した上端部10の下方の側壁部分16Aとに、ホイールハウスインナパネル3の下端部8と後部フロア1の接合部の上下にわたり車幅方向外側D2から重合して溶接固着し、これにより、第2対向壁部32を第1縦壁部11に車幅方向外側D2から対向させるとともに、第1対向壁部31を第1横壁部21に下方から対向させ、補助メンバパネル22と第1縦壁部11と第1横壁部21とで車両の前後方向に延びる閉じ断面の補助メンバ30をフロアサイドメンバ2の車幅方向外側D2の上方に構成してある。
この閉じ断面の補助メンバ30を構成したことで、ホイールハウスインナパネル3の剛性が強くなり、前記フロアサイドメンバ2と、後部フロア1と、車幅方向内側D1に折曲したホイールハウスインナパネル3の下端部とで形成した閉じ断面が小さくても済むようになる。
【0022】
図1に示すように、後部フロア1の車両後方側の端部には、車室内と車室外を区分けする縦板状のリヤスカートパネル19を接合してあり、このリヤスカートパネル19に、補助メンバパネル22の後端部に張り出し形成したフランジ22Fを車両前方側Frから重合して溶接固着してある。つまり、補助メンバパネル22によって形成された補助メンバ30の閉じ断面の後端は、リヤスカートパネル19によって閉じられ、剛性が向上している。
また、補助メンバ30の前端は、車両の前後方向でフロアサイドメンバ2のスプリング受け27が形成される第1下壁部分14Aの位置に配置されている。つまり、第1下壁部分14Aよりも幅狭に形成されている第1下壁部分14Aの車両後方側の第2下壁部分14Bによって車幅方向内側D1となるフロアサイドメンバ2の側壁16および第1縦壁部11の下端部位置に補助メンバパネル22が配置され、補助メンバ30が構成されている。これによって、補助メンバ30のホイールハウス内への突出量を最小限にすることができるとともに、フロアサイドメンバ2が幅狭に形成されているスプリング受け27の車両後方側の車体を補強することができる。
【0023】
また、補助メンバパネル22には、前記第2対向壁部32を車幅方向内側D1に凹ませて、第2対向壁部32と第1対向壁部31とにわたって側方と下方を開放した凹部23を形成してある。凹部23は、側面視で車両前後方向に長い長方形状に形成されている。この凹部23の車幅方向内側D1の面となる底壁35の裏面にナットNを溶接固着するとともに、凹部23の底壁35にナットNに対応する第1ボルト挿通孔S1を同芯状に形成してある。つまり、ナットNは、ホイールハウスインナパネル3の第1縦壁部11及び第1横壁部21と底壁35に囲まれた閉じ断面内に配置され、補助メンバ30の閉じ断面は、底壁35の車幅方向内側D1にて凹部23の前後が連続されている。
【0024】
そして、車両前後方向で凹部23の両側の第2対向壁部分32Aに、第2ボルト挿通孔S2を備えた一枚の長方形平板状のブラケット29を架け渡し、凹部23の両側(車両前後方向の両側)に位置するブラケット29の両端部29Aを第2対向壁部分32Aに車幅方向外側D2から重合して溶接固着し、ブラケット29の上端部29Bを凹部23の上側の第2対向壁部分32Bに溶接固着してある。つまり、ブラケット29の上端部29Bと、上側の第2対向壁部分32Bと、ホイールハウスインナパネル3の側面部6の第2縦壁部12とは、互いに重合されて一体に溶接固着されている。これにより、ブラケット29と補助メンバパネル22のホイールハウスインナパネル3に対する取付け強度を強くすることができるとともに、補助メンバパネル22の凹部23を補強して補助メンバ30の剛性を向上させることができる。
【0025】
さらに、図3に示すように、凹部23は、リアサスペンションのショックアブソーバ50の車体側の取付け部となっている。つまり、補助メンバ30はリアサスペンションの取付け部となっており、ショックアブソーバ50の上端部50Jを凹部23内に挿入して、ブラケット29と凹部23の底壁35の間に配置している。詳細には、補助メンバパネル22の第1ボルト挿通孔S1と、リアサスペンションのショックアブソーバ50の上端部50Jに形成した第3ボルト挿通孔S3と、ブラケット29の第2ボルト挿通孔S2とに取付けボルト49を挿通させて前記ナットNに螺合させることで、補助メンバ30にショックアブソーバ50の上端部50Jを連結してある。図3に示すように、ブラケット29と補助メンバパネル22の凹部23の底壁35との間にショックアブソーバ50の上端部50Jが配置され、上端部50Jの両側を支持して剛性の高い取付状態となっている。そして、ショックアブソーバ50の上端部50Jを後部フロアよりも上方に配置することができるとともに、幅狭に形成されているフロアサイドメンバ2のスプリング受け27の車両後方側にショックアブソーバ50が配置でき、これによって、ショックアブソーバ50のホイールハウス内への突出量を最小限にすることができる。つまり、ショックアブソーバに後部フロアの高さが制約されることがなくなって、後部フロアのフロア高さを低くすることができ、車室内を広くすることができる。
【0026】
[別実施形態]
上記の実施形態では、右側の後部車体構造を例に挙げて説明したが、本発明は、左側の後部車体構造にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】後部車体構造の斜視図
【図2】後部車体構造の側面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】図2のB−B断面図
【符号の説明】
【0028】
1 車体の後部フロア
2 フロアサイドメンバ
3 ホイールハウスインナパネル
11 第1縦壁部
12 第2縦壁部
16 フロアサイドメンバの車幅方向外側の側壁
19 リヤスカートパネル
20 結合部
21 第1横壁部
22 補助メンバパネル
22F フランジ
23 凹部
29 ブラケット
29B ブラケットの上端部
30 補助メンバ
31 第1対向壁部
32 第2対向壁部
32A 車両前後方向で凹部の両側の第2対向壁部分
32B 凹部の上側の第2対向壁部分
33 上側折曲部
34 下側折曲部
35 凹部の底壁
49 取付けボルト
50 ショックアブソーバ
50J ショックアブソーバの上端部
D1 車幅方向内側
D2 車幅方向外側
Fr 車両前方側
N ナット
S1 第1ボルト挿通孔
S2 第2ボルト挿通孔
S3 第3ボルト挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の後部フロアの左右両側部の下面に、車両前後方向に延びる左右一対のフロアサイドメンバを各別に接合し、
ホイールハウスインナパネルの下端部を前記フロアサイドメンバに結合してある後部車体構造であって、
前記ホイールハウスインナパネルに、前記フロアサイドメンバとの結合部から立ち上がる第1縦壁部と、前記第1縦壁部の上端部から車幅方向外側に折曲する第1横壁部と、前記第1横壁部の車幅方向外側の端部から立ち上がる第2縦壁部とを車両前後方向に延びる状態に形成し、
前記第1縦壁部及び第1横壁部と共に閉じ断面を形成する補助メンバパネルを、前記ホイールハウスインナパネルの車幅方向外側の面に接合して、前記補助メンバパネルと第1縦壁部と第1横壁部とで閉じ断面の補助メンバを構成してある後部車体構造。
【請求項2】
前記後部フロアの車両後方側の端部に、車室内と車室外を区分けする縦板状のリヤスカートパネルを接合し、
前記補助メンバパネルの車両後方側の端部に張り出し形成したフランジを前記リヤスカートパネルに車両前方側から重合して溶接固着してある請求項1記載の後部車体構造。
【請求項3】
前記補助メンバパネルは、前記第1横壁部に下方から対向する第1対向壁部と、
前記第1対向壁部の車幅方向外側の端部から立ち上がって前記第1縦壁部に対向する第2対向壁部と、
前記第2対向壁部の上端部から車幅方向外側に折曲した上側折曲部と、前記第1対向壁部の車幅方向内側の端部から下方に折曲した下側折曲部とから成り、
前記上側折曲部を前記第2縦壁部に車幅方向外側から重合して溶接固着し、
前記下側折曲部を、前記第1縦壁部の下端部と、前記フロアサイドメンバの車幅方向外側の側壁とに車幅方向外側から重合して溶接固着してある請求項1又は2記載の後部車体構造。
【請求項4】
前記第2対向壁部にショックアブソーバの上端部を連結してある請求項3記載の後部車体構造。
【請求項5】
前記第2対向壁部に車幅方向内側に凹む凹部を形成し、
前記凹部の底壁の裏面にナットを溶接固着するとともに、前記凹部の底壁に前記ナットに対応する第1ボルト挿通孔を形成し、
車両前後方向で凹部の両側の第2対向壁部分に、第2ボルト挿通孔を備えたブラケットを架け渡して溶接固着し、
前記第1ボルト挿通孔と、前記ショックアブソーバの上端部に形成した第3ボルト挿通孔と、前記第2ボルト挿通孔とに取付けボルトを挿通させて前記ナットに螺合させてある請求項4記載の後部車体構造。
【請求項6】
前記ブラケットを平板状に形成し、前記ブラケットの上端部を前記凹部の上側の第2対向壁部分に溶接固着してある請求項5記載の後部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−73297(P2009−73297A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243145(P2007−243145)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】