従来方式の有線ベースのプロトコルのための無線アーキテクチャ
【課題】高速無線リンクによって有線リンクを介して従来方式で通信されるデータの転送に関して、既存の有線アーキテクチャにおける最小の変化しか与えない有線データ通信および/または無線データ通信を提供する。
【解決手段】従来方式の有線リンクを越えて無線で通信する装置は、有線リンクによって接続された第1のクライアント部とホストとを備える送信機と、第2のクライアント部を備える受信機とを含む。この装置は、媒体アクセス制御および再送信統計値によってサポートされるレートに少なくとも部分的に基づいて動作レートを決定するクエリ・モジュールと、通信を有線プロトコルまたは無線プロトコルに割り当てる割当モジュールとを含む。
【解決手段】従来方式の有線リンクを越えて無線で通信する装置は、有線リンクによって接続された第1のクライアント部とホストとを備える送信機と、第2のクライアント部を備える受信機とを含む。この装置は、媒体アクセス制御および再送信統計値によってサポートされるレートに少なくとも部分的に基づいて動作レートを決定するクエリ・モジュールと、通信を有線プロトコルまたは無線プロトコルに割り当てる割当モジュールとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記述は、一般に通信システムに関し、特に、従来方式の有線ベースのデバイスを、無線リンクおよび/または有線リンクによって通信可能とすることに関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワーク・システムは、ユーザが特定の時間において存在するならどの場所(例えば、家庭、オフイス、旅行先等)であろうとも、通信するために、多くの人によって利用される。無線通信デバイスは、ユーザ・ニーズを満足するために、可搬性と利便性とを改善しつつ、より小型かつより強力(例えば、拡張された機能および/またはアプリケーション、より大容量のメモリ)になった。ユーザは、セルラ電話および携帯情報端末(PDA)等を含む無線通信デバイスの多くの用途を見つけた。例えば、無線通信デバイスは、画像(例えば、静止画、動画、ビデオ・ゲーム等)をキャプチャして処理する機能を含むことができる。
【0003】
非常に高いデータ・レートを用いて動作するアプリケーションおよび/または機能は、かなりの電力要求および/または高い電流レベルを持つ。そのような電力要求および/または電流レベルは、有線プロトコルを用いて通信するデバイスに容易に利用可能である。しかしながら、無線通信システムは、高いデータ・レートを用いて動作する能力を持たないかもしれない。したがって、ユーザが通信を送信および/または受信することを望む通信は、いくつかの状況において制限されうる。
【0004】
いくつかのデバイスは、従来、例えばモバイル・ディスプレイ・デジタル・インタフェース(MMDI)のような有線機能においてのみ動作する。したがって、そのようなモバイルを有するユーザは、モバイルと通信することができず、無線デバイスを得るためにさらにコストをかけねばならない。それは必ずしも実現可能ではないかもしれない。いくつかの状況で、ユーザは、2つのデバイス、すなわち、有線機能を持つものと、無線機能を持つものとを操作することによって、両デバイスの利点を達成している。しかしながら、これら2つのデバイスに関連するコストは、これら両デバイスを追跡することと同様に、ユーザに対して不適切な負担を課する恐れがある。
【0005】
上記およびその他の欠点を解決するために、従来方式の有線ベースのプロトコルが、有線アーキテクチャかまたは無線アーキテクチャかの何れか一方で通信することを可能にする技術が提供される。開示する技術は、有線アーキテクチャに対する変更を最低限に抑える柔軟性を提供する。
【関連出願】
【0006】
本願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている、WIRELESS ARCHITECTURE FOR A TRADITIONAL WIRE-BASED PROTOCOLと題され、2006年5月26日に出願された米国特許仮出願60/809,068号、WIRELESS ARCHITECTURE FOR A TRADITIONAL WIRE-BASED PROTOCOLと題され、2006年7月26日に出願された米国特許仮出願60/833,564号、WIRELESS ARCHITECTURE FOR A TRADITIONAL WIRE-BASED PROTOCOLと題され、2006年7月26日に出願された米国特許仮出願60/833,565号の35U.S.C§119(e)の下の利益を要求する。
【発明の概要】
【0007】
以下は、1または複数の実施形態のいくつかの局面の基本的理解を与えるために、これら実施形態の簡単な要約を示す。この要約は、1または複数の実施形態の広範な概要ではなく、これら実施形態の重要なまたは決定的な構成要素を特定することも、そのような実施形態の範囲を線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後述する更に詳細な記載に対する前置きとして、実施形態の幾つかの概念を、簡単な形式で示すことである。
【0008】
1または複数の実施形態および対応する開示に従って、様々な局面が、高速無線通信リンクによって有線リンクを介して従来方式で通信されるデータの転送に関して記述される。開示された実施形態は、既存の有線アーキテクチャに対する変更を最低限に抑える有線データ通信および/または無線データ通信を提供する。
【0009】
実施形態によれば、高速無線リンクによって、有線リンクを介して従来方式で送信されるデータを転送するための動作レートを決定する方法が提供される。この方法は、利用可能なアプリケーション・データ・レートについてホストに問い合わせることと、往復遅延レートを測定することとを含んでいる。順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートが、測定された往復遅延レートに基づいて確定される。確定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて、動作レートが計算される。この動作レートは、受信機(例えば、モバイル・デバイス)に通信される。動作レートを計算することは、順方向リンク・レートあるいは逆方向リンク・レートが低レートであるかを判定することと、その低レートを動作レートとして指定することとを含む。いくつかの実施形態によれば、この計算は、順方向リンク・レート、逆方向リンク・レート、ホストの利用可能なアプリケーション・データ・レート、およびクライアントの最大キャパシティを比較し、動作レートとして指定される最低レートを決定することを含む。いくつかの実施形態によれば、許容可能な最低レートが確立される。そして、動作レートは、この最低レートを下回るのであれば、調節される。
【0010】
別の実施形態によれば、従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルか無線プロトコルかの何れかで通信するように設定する方法が提供される。この方法は、第1のクライアント部を、送信機に配置することと、第2のクライアント部を、受信機に配置することと、受信機において、有線機能と無線機能とを提供することとを含む。この方法は、送信機をデータ・ソースに接続することと、第1のクライアント部を、有線リンクを用いて、送信機に含まれるホストにインタフェースすることとを含む。
【0011】
別の実施形態によれば、従来方式の有線リンクを越えて無線で通信する装置が提供される。この装置は、有線リンクによって接続された第1のクライアント部とホストとを備える送信機と、第2のクライアント部を備える受信機とを含む。いくつかの実施形態によれば、この装置は、媒体アクセス制御および再送信統計情報によってサポートされているレートに部分的に基づいて動作レートを決定するクエリ・モジュールと、通信を有線プロトコルまたは無線プロトコルに割り当てる割当モジュールとを含む。
【0012】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクによって通信するモバイル・デバイスが提供される。このモバイル・デバイスは、通信のための動作レートを受信する手段と、無線リンクによって通信する手段と、有線リンクによって通信する手段とを含む。このモバイル・デバイスはまた、受信した動作レートに部分的に基づいて、無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段を含む。いくつかの実施形態によれば、受信した動作レートに部分的に基づいて、無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段は更に、無線リンクと有線リンクとを切り換えるかを決定する。
【0013】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクによって、低オーバヘッド・モードで通信する方法が提供される。この方法は、順方向リンク・データをバッファに配置することと、一方向チャネル時間割当(CTA)を要求することと、順方向リンク・データを送信することとを含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、逆方向リンク・データをバッファに配置することと、逆方向CTAを要求することと、逆方向リンク・データを送信することと、逆方向カプセル化パケットで、ホストにデータを通信することとを含む。
【0014】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクかの何れかで、低レイテンシ・モードで通信する方法が提供される。この方法は、順方向においてはmミリ秒間、逆方向においてはnミリ秒間、CTAを要求することと、順方向CTAを逆方向CTAと比較することとを含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、逆方向のために確保されたCTAの間、逆方向リンク・データを送信することと、MACフレームの持続時間を導出することとを含む。
【0015】
別の実施形態によれば、ホストが提供するアプリケーション・データ・レートを求めてホストにコンタクトすることと、往復遅延を計算することとのためのコンピュータ実行可能命令群を有するコンピュータ読取可能媒体が提供される。これら命令群は、計算された往復遅延に部分的に基づいて、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを決定することと、決定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて動作レートを確定することとを含む。いくつかの実施形態によれば、これら命令群は、クライアントの最大キャパシティ、ホストが提供するアプリケーション・データ・レート、逆方向リンク・レート、および順方向リンク・レートの最低レートを決定することを含む。決定された最低レートは、動作レートとして指定することができる。そして、このレートは、受信機に送られる。
【0016】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクによって通信する命令群を実行するプロセッサが提供される。これら命令群は、通信動作レートを受信することと、受信した通信動作レートに部分的に基づいて、通信を、有線リンクか、あるいは無線リンクによって行うのかを選択的に決定することとを含む。
【0017】
前述した目的および関連する目的を達成するために、1または複数の実施形態は、以下に十分に記述され、特に、特許請求の範囲において指摘された特徴を備えている。以下の記述および添付図面は、1または複数の実施形態のある例示的な局面を詳細に述べている。しかしながら、これらの局面は、様々な実施形態の原理が適用され、記述された実施形態がそのような全ての局面およびその等価物を含むことを意図された様々な方法のうちのほんの幾つかしか示していない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、従来方式のデバイスが無線で通信することを可能にするシステムのブロック図を例示する。
【図2】図2は、無線リンクによる通信を可能にするための従来方式の有線設定の機能を拡張するシステムを例示する。
【図3】図3は、有線アーキテクチャおよび/または無線アーキテクチャを介して通信するシステムを例示する。
【図4】図4は、無線リンクによる通信を可能にする従来方式の有線設定を拡張するシステムの別の実施形態を例示する。
【図5】図5は、従来方式の有線デバイスを用いて有線リンクまたは無線リンクによって通信するシステムを例示する。
【図6】図6は、本明細書に示された様々な実施形態に従う低オーバヘッド・モードによる典型的な順方向リンクMDDIデータ転送を例示する。
【図7】図7は、本明細書に示された様々な実施形態に従う低オーバヘッド・モードによる典型的な逆方向リンクMDDIデータ転送を例示する。
【図8】図8は、本明細書に示された様々な実施形態に従う低レイテンシ・モードMDDI接続セットアップを例示する。
【図9】図9は、従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルおよび/または無線プロトコルによって通信するように設定する方法を例示する。
【図10】図10は、開示された1または複数の実施形態に従って動作レートを決定する方法を例示する。
【図11】図11は、本明細書で示された様々な実施形態に従って低オーバヘッド・モードで通信する方法を例示する。
【図12】図12は、本明細書で示された様々な実施形態に従って低レイテンシ・モードで通信する方法を例示する。
【図13】図13は、端末の可能な構成の概略ブロック図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な実施形態が、図面を参照して記述される。以下の記述では、説明の目的のために、多くの具体的な詳細が、1または複数の局面についての完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、そのような実施形態は、これら具体的な詳細がなくても実現されうることが明らかである。他の事例では、これらの実施形態の記述を容易にするために、周知の構成およびデバイスがブロック図形式で示される。
【0020】
本願で使用されているように、「構成要素」、「モジュール」、「システム」等の用語は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアかの何れかであるコンピュータに関連するエンティティを参照することが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によって、計算デバイス上で実行するアプリケーションと、計算デバイスとの両方が、構成要素になりうる。1または複数の構成要素は、実行中のスレッドおよび/またはプロセス内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されうるか、および/または、2またはそれ以上のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、その上に格納された様々なデータ構造を有する様々なコンピュータ読取可能媒体から実行することができる。これら構成要素は、例えば、1または複数のデータ・パケットを有する信号(例えば、信号によって他のシステムと、インターネットのようなネットワークを介して、ローカル・システムにおいて、および/または分散システムにおいて、他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ)に従って、ローカル処理および/または遠隔処理によって通信することができる。
【0021】
更に、本明細書では、様々な実施形態が、ユーザ・デバイスに関して記述される。ユーザ・デバイスはまた、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル・デバイス、遠隔局、アクセス・ポイント、基地局、遠隔端末、アクセス端末、ハンドセット、ユーザ端末、端末、ユーザ・エージェント、あるいはユーザ機器と呼ぶことができる。ユーザ・デバイスは、セルラ電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL)局、PDA、無線接続能力を有する携帯式デバイス、あるいは無線モデムに接続されたその他の制御デバイスでありうる。
【0022】
さらに、本明細書に記述された様々な局面または特徴は、標準的なプログラミングおよび/またはエンジニアリング技法を用いた方法、装置、または製造物品として実現されうる。本明細書で用いられる用語「製造物品」は、任意のコンピュータ読取可能デバイス、搬送波、または媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含するように意図される。例えば、コンピュータ読取可能媒体は、限定される訳ではないが、磁気記憶装置(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストライプ等)、光ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD)、DVD等)、スマート・カード、およびフラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、カード、スティック、キー・ドライブ等)を含む。
【0023】
次の詳細な記述では、様々な局面および実施形態が、モバイル・ディスプレイ・デジタル・インタフェース(MDDI)、および/または、電気電子学会(IEEE)802.15.3媒体アクセス制御(MAC)レイヤに関して記述されうる。これらの発明的な局面は、開示された実施形態との使用に良く適している一方、当業者であれば、これらの発明的な局面が、その他の様々な従来方式の有線ベースのプロトコルにおける使用にも同様に適用可能であることを容易に理解するだろう。従って、MDDIおよび/またはIEEE802.15.3MACへのいかなる参照も、そのような発明的な局面が広範な用途を持つという理解の下、これら発明的な局面を例示することのみが意図されている。
【0024】
様々な実施形態は、多くの構成要素およびモジュール等を含むシステムの観点から示される。様々なシステムが、更なる構成要素、モジュール等を含み、図に関連して説明された構成要素、モジュール等の全てを含んでいる訳ではないことが理解され認識される。これらのアプローチの組み合わせを用いることもできる。更に、様々なシステムが、複数のモジュール・デバイス(例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド計算デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、その他の適切なデバイス)で実現される。
【0025】
図示するように、図1は、従来方式の有線ベースのデバイスが、無線で通信することを可能にするシステム100のブロック図を例示している。システム100は、受信機104と有線および/または無線で通信する送信機102を含んでいる。送信機102および受信機104は、有線ベースのプロトコルで従来方式で通信する構成要素でありうる。理解されるように、システム100には、多くの送信機102および受信機104が含まれうるが、単純化のために、1つの受信機104に通信データ信号を送信する1つの送信機102が例示されている。
【0026】
送信機102から受信機104へ送られる通信は、順方向リンクと称され、受信機104から送信機102へ送られる通信は、逆方向リンクと称される。送信機102は、データ・ソース106(例えば、記憶装置、メモリ等)に接続され、受信機104は、ディスプレイのようなインタフェース・デバイス108に接続されうる。
【0027】
システム100は、少なくとも2つの動作モード、すなわち、低オーバヘッド・モードおよび/または低レイテンシ・モードで動作しうる。低オーバヘッド・モードは、チャネル割当時間(秒)を要求することによって、エア(例えば、無線)で送られるパケットを最適化する。チャネル割当時間は、データが何れかの方向(送信機から受信機、または、受信機から送信機)から送られる時間である。低レイテンシ・モードでは、チャネル割当時間(秒)は、順方向リンクと逆方向リンクとの両方に含まれたデータについての知識に基づいて決定することができる。
【0028】
送信機102は、様々な基準(例えば、往復遅延測定値)に基づいて、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを確定するように構成されうる。送信機102は、フレーム毎に、少なくとも1つの逆方向リンク・カプセル化パケットを送ることができる。逆方向リンク・カプセル化パケットは、転送リンクによる逆方向パケットの転送に適応するために使用することができる。これによって逆方向リンクを生成する。
【0029】
受信機104は、有線機能および/または無線機能によってデータ通信を受信および/または送信するように構成されうる。どの機能を利用するかの決定は、データのタイプ(例えば、音声、テキスト、画像等)、データを通信するための従来方式の方法(例えば、有線リンクまたはは無線リンク)、送信されるファイルまたはパケットのサイズを含む様々な基準のみならず、データ、送信機、および/または受信機に関するその他の基準にも基づきうる。送信機102は、受信機104がどのようにして(例えば、有線か無線か)データを受信するかを知ることなくデータを通信することができる。
【0030】
図2は、無線リンクによる通信を可能にする従来方式の有線構成の機能を拡張するためのシステム200を例示する。システム200は、順方向リンクで受信機204と通信する送信機202を含んでいる。受信機204は、逆方向リンクで送信機202と通信する。送信機202および受信機204は、通常は有線プロトコルで通信するデバイスでありうる。しかしながら、システム200は、これらデバイスが、有線プロトコル、および/または、例えば高速無線リンクのような無線プロトコルによって通信することを可能にする。理解されるように、システム200は、多くの送信機202および受信機204を含むことができるが、簡略のために、1つの受信機204に通信データ信号を送信する1つの送信機202のみが例示されている。
【0031】
送信機202は、ホスト206、クライアント部(C1)208、および通信構成要素210を含みうる。例えば、ホスト206はMDDIホストでありうる。いくつかの実施形態では、ホスト206は、送信機202から分離した構成要素であり、有線リンクによって送信機202に接続されうる。クライアント部(C1)208は、ホスト206と同期しているか、あるいはクロック同期のためにホスト206と通信している。クライアント(C1)208は、例えば、従来方式の有線リンク(例えば、MDDIリンク)によってホスト206に接続されうる。ホスト206は、データのパケットをクライアント(C1)208に送信または通信するように構成されうる。これらのパケットは、例えば超広帯域(UWB)システムのようなモデムを含む通信構成要素210を介して受信機204に通信されうる。いくつかのパケット(例えば、MDDI往復遅延測定パケット)は、クライアント(C1)208によって処理され、受信機204へ通信される。他のパケット(例えば、フィラ・パケット)は、クライアント(C1)208によってふるい落とされ、受信機204へ通信されるべきではない。すなわち、あるパケットは、順方向無線リンクあるいは逆方向無線リンクの何れにおいても送信されるべきではない。フィラ・パケットは、例えば、送信機202と受信機204との間のタイミングを保つ。そのようなパケットは、それぞれのクライアント部によって、送信機202あるいは受信機204の何れかによって生成されうる。
【0032】
受信機204は、インタフェース・デバイス212(例えば、ディスプレイ)、クライアント部(C2)214、および通信構成要素216を含みうる。いくつかの実施形態では、デバイス212は、受信機204から分離した構成要素になりえ、例えば有線リンクを介して受信機204に接続されうる。クライアント(C2)214は、有線リンクによってデバイス212に接続することができる。クライアント(C2)214は、送信機202から受信したパケットを処理するように構成することができる。受信機204は、例えばUWBモデムを含むことができる通信構成要素216によって送信機202からの通信を受信することができる。
【0033】
システム200は、2つの動作モードのうちの1つで動作するように構成されうる。これらのモードは、低オーバヘッド・モードおよび低レイテンシ・モードを含んでいる。低オーバヘッド・モードでは、クライアント(C1)208は、例えば、フィル・パケットおよび往復遅延パケットを除外して、通信構成要素210(例えば、UWBモデム)上に含まれるバッファ内に、送信されるデータを配置する。通信構成要素210は、例えばUWB MACによって、バッファのサイズに基づいて、送信機202から受信機204への一方向チャネル時間割当(CTA)を定期的に要求することができる。逆方向(例えば逆方向リンク)では、クライアント(C2)214は、例えばフィラ・パケットを除いて、送りたい逆方向リンク・データを、通信構成要素216(例えば、UWBモデム)に関連付けられたバッファ内に配置することができる。逆方向では、通信構成要素216は、逆方向CTAを要求することができる。
【0034】
低レイテンシ・モードの場合、初期化段階中に、通信構成要素210(例えば、UWBモデム)は、順方向においてはmミリ秒間、逆方向においてはnミリ秒間、CTAを要求する。トラフィックにおける順方向:逆方向の期待される比率はm:nであり、m秒は、順方向転送レートRf−mddiに対応する持続時間である。Tはスーパフレーム持続時間である。これは、アプリケーションのレイテンシ制約によって決定され、
(m+n)<TCTAP<T
の関係を持つ。
【0035】
図3に示すように、有線アーキテクチャおよび/または無線アーキテクチャによって通信するシステム300が例示される。システム300は、順方向リンク(送信機302から)および/または逆方向リンク(受信機304から)で通信する送信機302および受信機304を含んでいる。順方向リンクおよび/または逆方向リンクによる通信は、特定の状況(例えば、送信されるデータ、データ・レート、通信リンクの品質、各デバイスの状況等)に依存して、有線プロトコルによって、および/または、無線プロトコルによってなされうる。理解されるように、多くの送信機302および受信機304がシステム300に含まれうるが、簡略のため、1つの受信機306に通信データ信号を送信する1つの送信機302のみが例示されている。
【0036】
送信機302は、クライアント(C1)構成要素308に接続されたホスト構成要素306と、通信構成要素310とを含むことができる。受信機304は、クライアント(C2)構成要素314に接続されたデバイス312と、通信構成要素316とを含むことができる。クライアント(C1)構成要素308およびクライアント(C2)構成要素314はそれぞれのクライアントの部位である。
【0037】
送信機302および/または受信機304は、追加の構成要素を含むことができることが、当業者によって理解されるだろう。例えば、送信機302は、適切な無線通信プロトコルに従って信号を変調および/または符合化できる符合化構成要素(図示せず)を含むことができる。これら信号は、その後、受信機304へ送信されうる。いくつかの実施形態では、符合化構成要素は、アナログ波形をデジタル信号に変換するスピーチ・アナライザを用いる音声コーダ(ボコーダ)であるか、または、その他のタイプの符号化器でありうる。適切な無線通信プロトコルは、限定される訳ではないが、直交周波数分割多重(OFDM)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)等を含みうる。
【0038】
受信機304は、受信した信号、および/または、その中の処理されるためのデータ・パケットを復号する復号構成要素(図示せず)を含むことができる。データ・パケットの復号が成功すると、アクノレッジメント構成要素(図示せず)が、データ・パケットの復号が成功したことを示すアクノレッジメントを生成することができる。これは、送信機302に送られ、データ・パケットが受信され復号されたので、再送信する必要がないことを送信機302に通知する。
【0039】
ホスト構成要素306は、クエリ・モジュール318および測定モジュール320を含みうる。クエリ・モジュール318は、MACが提供するアプリケーション・データ・レートについて、ホスト媒体アクセス制御(MAC)に問い合わせるように構成される。無線通信の場合、動作レートは、無線リンクのレートに依存しうる。測定モジュール320は、無線プロトコルにおいて指定される例えば往復遅延測定値に基づいて、順方向リンク・レートと、逆方向リンク・レートとを決定するように構成されうる。いくつかの実施形態では、無線動作レートは、クライアント(C1)308の最大キャパシティ、ホスト306の最大キャパシティ、および、2つのレート(順方向リンク・レートと逆方向リンク・レート)のうちの最小のものよって決定される。許容可能な最小レートRminが存在する。測定された動作レートが、この許容可能な最小レート未満である場合、動作レートは、それぞれの構成要素(例えば、通信構成要素310および/または通信構成要素316)によって、送信機302および/または受信機304によって調節される。送信機302は、受信機304に、通信が処理されるレートを通知することができる。
【0040】
クライアント(C2)構成要素314は、MACが提供するアプリケーション・データ・レートを送信機302に通知するように構成されうる通知モジュール322を含むことができる。そのような通知は、送信機302から受信したクエリ(例えば、クエリ・モジュール318によって送られたクエリ)に基づきうる。逆方向リンク・パケットの場合、通知モジュール322は、現在のフレームで逆方向リンクによって送信するために受信機304によって必要とされるバイト数を指定することができる。クライアント(C2)構成要素はまた、通信に関連付けられた様々なパラメータ(例えば、通信タイプ、通信レート、送信機、受信機等)に依存して、有線プロトコルまたは無線プロトコルへと通信を割り当てるように構成されうる。
【0041】
通信構成要素316は、有線モジュール326および無線モジュール328を含むことができる。有線モジュール326は、有線機能を提供するように構成され、無線モジュール328は、無線機能を提供するように構成されうる。無線モジュール328を用いて無線で通信するべきか、有線モジュール326を用いて通信するべきであるかの判定がなされうる。そのような判定は、動作レート、送信されているデータのタイプ(例えば、音声、テキスト、画像等)、送信されているデータまたはファイルのサイズ、データが有線リンクで通信されるか無線リンクで通信されるか等を含む様々な要因に基づくことができる。有線モジュール326および/または無線モジュール328は、1つのモジュールから他のモジュール(例えば、無線から有線、有線から無線)への通信への変更があった場合、スイッチオーバ問題によって通信が失われることのないように、コンテンツを格納するためのバッファを含みうる。
【0042】
受信機304が有線リンクを介して通信している、または、無線リンクを介して通信しているかに関する情報は、送信機302に送られる必要はない。送信機302は、通信方法(有線または無線)に関わらず、実質的に同じ方式でその機能を実行することができる。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、送信機302は、サブフレーム(図示せず)を分解するように構成された構成要素を含めることができ、受信機304は、サブフレーム(図示せず)を再集合するように構成された構成要素を含めることができる。MDDIサブフレームの最大長さは、例えば約65,536バイトであるが、通常はそれよりも小さい。802.15.3MACフレームの最大サイズは、基本的なレートが約480Mbpsである場合、約4,096バイトまたは約8,192バイトでありうる。基本的な物理レイヤ・レートが約200Mbpsである場合、このサイズは約2,048バイトである。したがって、フレームのサイズを収納するために、サブフレームは送信機302側で分解され、受信機304側で再集合される必要がある。そのような分解および再集合は、通信構成要素310、316、および/または、送信機302および受信機304に関連付けられたその他の構成要素によってそれぞれ実行される。
【0044】
図4は、無線リンクによる通信を可能にするために従来方式の有線構成を拡張したシステム400の別の実施形態を例示する。システム400は、ホスト406、クライアント部(C1)408、および通信構成要素410を含む送信機402を含むことができる。システム400はまた、デバイス412、クライアント部(C2)414、および通信構成要素416を含む受信機404を含むことができる。送信機402は、順方向リンクで受信機404に通信し、受信機404は、逆方向リンクで送信機402に通信する。図面を用いて既に説明したように、システム400内に多くの送信機402および受信機404を含めることができるが、簡略のために、1つの受信機404に通信データ信号を送信する1つの送信機402のみが例示されている。
【0045】
システム400は、受信機404に動作可能に接続されたメモリ418を含みうる。メモリ418は、パケット・タイプ(例えば、MACによって提供されているアプリケーション・データ・レート、無線リンクの動作レート等)および/またはパケットのデータ・レート、パケット・タイプおよび/またはパケットの動作モード、および/または、無線プロトコル、有線プロトコル、またはこれらプロトコルの組み合わせによってデータを送信することに関連付けられたその他のパラメータに関連する情報を格納することができる。例えば、通信のために有線プロトコルが使用され、通信中に、中断や停止することなく、無線プロトコルへの切り換え、あるいはその逆の切り換えを行うかの判定がなされる。
【0046】
プロセッサ420は、特定の通信が有線プロトコルまたは無線プロトコルで送られるべきかを確定することに関連する情報の分析を容易にするために、受信機404(および/またはメモリ418)に、動作可能に接続されうる。プロセッサ420は、受信機404に通信される情報の分析および/または生成を行うための専用のプロセッサ、システム400の1または複数の構成要素を制御するプロセッサ、および/または、受信機404によって受信される情報の分析および生成の両方を行い、システム400の1または複数の構成要素を制御するプロセッサでありうる。
【0047】
メモリ418は、データ通信レートおよび動作レートに関連付けられたプロトコルを格納し、受信機404と送信機402との間等の通信を制御する動作を講じる。これによって、システム400は、格納されたプロトコルおよび/またはアルゴリズムを適用して、本明細書に記載したような無線ネットワークにおける改善された通信を達成することができる。本明細書に記載されたデータ記憶(例えば、メモリ)要素は、揮発性メモリか不揮発性メモリかの何れかであるか、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含むことができることが評価されるべきである。限定ではなく一例として、不揮発性メモリは、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、EPROM(EPROM)、EEROM(EEPROM)、あるいはフラッシュ・メモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュ・メモリとして動作するランダム・アクセス記憶装置(RAM)を含むことができる。限定ではなく一例として、RAMは、例えば、シンクロナスRAM(DRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、同期リンクDRAM(SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM(登録商標))のような多くの形式で利用することが可能である。開示された実施形態のメモリ418は、限定する訳ではないが、これらおよびその他の適切なタイプのメモリを含むことが意図される。
【0048】
図5は、従来方式の有線デバイスと有線リンクあるいは無線リンクによって通信するシステム500を例示する。システム500は、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックとして表わされる。システム500は、通信用の動作レートを受信するように構成されうる受信機502を含んでいる。この動作レートは、例えば、送信機または送信機ホストから受信されうる。この動作レートは、順方向と逆方向との両方の方向で、通信レートのセットアップまたは確立を行うことができる。システム500はまた、無線プロトコルによって通信を送信および/または受信するように構成されうる無線通信部504を含んでいる。有線通信部506は、有線プロトコルによって通信を送信および/または受信するように構成されうる。
【0049】
順方向および/または逆方向では、パケット拡張および/または新たなパケットが存在しうることが注目されるべきである。例えば、順方向では、MDDI送信機情報が、パケットに追加されうる。このパケット拡張は、受信機端のMDDIクライアントに、MDDI送信機情報を提供することができる。この情報は、MDDIホストとクライアントとが、送信機で動作すべきであるレートを含むことができる。逆方向では、クライアント機能パケットに対する拡張が、MDDI受信機MAC情報について約4バイト、MDD受信機クライアント情報について約2バイト含むが、その他の拡張もまた可能である。
【0050】
システム500には更に判定部が含まれている。判定部は、無線プロトコルによって通信する無線通信部を用いるのか、有線プロトコルによって通信する有線通信部を用いるのかを選択的に判定することができる。そのような判定は、例えば通信動作レートのような様々なパラメータに基づいて選択的になされうる。この判定を行うためにその他のパラメータを用いることもできる。例えば、この判定は、特定の通信がどのようにして従来方式で送信および/または受信された(例えば、履歴分析)か、通信のタイプ(例えば、音声、画像、テキスト等)のみならず、通信、送信機、および/または受信機に関するその他のパラメータに基づいてなされうる。
【0051】
図6は、本明細書に示された様々な実施形態に従った低オーバヘッド・モードにおける典型的な順方向リンクMDDIデータ転送600を例示する。MDDI送信機602がMDDI受信機604へデータを送るモードのうちの1つのタイプは、低オーバヘッド・モードでありうる。このモードでは、無線で送られたパケットが、チャネル割当時間について最適化される。チャネル割当時間は、何れかの方向(例えば、順方向または逆方向)からデータが送られるのに要する時間である。MDDI送信機602は、クライアント部(C1)606を含むことができ、MDDI受信機604は、クライアント処理部(C2)608を含むことができる。
【0052】
MDDIクライアント(C1)606は、送られるデータを、例えばUWBモデムのようなバッファに配置することができる。この送られるデータは、例えばフィル・パケットおよび往復遅延パケットのような不要なパケットを除外するべきである。MDDIデータは、612に示すように、送信機MAC610へ送られる。送信機MAC610(またはUWB MAC)は、例えばバッファのサイズに基づいて、MDDI送信機602からMDDI受信機604へ少なくとも1つのCTAを定期的または連続的に要求する。
【0053】
送信機MAC610は、614において、ピコネット・コントローラ(PNC)MAC616からの順方向リンクCTAを(例えば、定期的または連続的に)要求することができる。PNC MAC616は、618において、チャネル時間応答コードをもって、送信機MAC610へ応答することができる。この応答コードは、データが正しく通信されたかを示すことができる。チャネル時間応答コードが正しく受信された後、送信機MAC610は、622に例示するように、MDDIデータを、受信機MAC620に送ることができる。
【0054】
図7は、本明細書に示された様々な実施形態に従った低オーバヘッド・モードにおける典型的な逆方向リンクMDDIデータ転送700を例示する。MDDI受信機702は、逆方向リンクで、MDDI送信機704に向けられた通信を開始することができる。MDDI受信機702は、クライアント部(C2)706を含むことができ、MDDI送信機704は、クライアント部(C1)708を含むことができる。
【0055】
712に示すように、MDDI受信機702は 受信機MAC710へMDDIデータを送ることができる。受信機MAC710は、716において、PNC MAC714からの逆方向リンクCTAを要求することができる。この要求は、逆方向で送られるデータに相当しうる。PNC MAC714は、718において、チャネル時間応答コードをもって応答することができる。受信機MAC710は、720において、MDDIデータをCTAで送信機MAC722へ送ることができる。724に示すように、送信機MAC722は、724において、受信機MAC710からMDDIデータを受信する少し前か、または実質的に同時に、クライアント(C1)708にMDDIデータを送る、つまり、与えることができる。MDDI送信機ホスト726は、728および730に示すように、フレーム毎に、少なくとも1つの逆方向リンク・カプセルを送信および/または受信することができる。逆方向リンク・データは、データ要求を待たずに、率先して送信することができる。クライアントは、現在のフレームで、逆方向リンクで送る必要があるバイト数を指定することができる。ホスト726は、それに従って、逆方向リンク・カプセル・パケット内に、この要求を割り当てることができる。
【0056】
図8は、本明細書に示された様々な実施形態に従った低レイテンシ・モードMDDI接続セットアップ800を例示する。低レイテンシ・モードでは、順方向と逆方向との両方で、パケットに含まれるデータから導かれる推論に基づいて、チャネル割当時間を確定することができる。MDDI送信機802は、クライアント部(C1)806およびホスト804を含むことができる。初期化段階中に、送信機802のUWBモデムは、810において、送信機MAC808にMACクエリを送ることができる。MACクエリは、MACおよび再送信統計情報によってサポートされるレートを見つけ出すために送られるクエリである。送信機MAC808は、812において、クエリに応答することができる。この応答は、MAC再送信統計情報によってサポートされるレートを示すMAC応答でありうる。
【0057】
送信機802は、順方向においてはmミリ秒間、逆方向においてはnミリ秒間、CTAセットアップ814を要求する。トラフィックにおける順方向:逆方向の期待される比率はm:nであるべきである。816において、チャネル時間要求(CTRQ)がPNC MAC818へ送られる。チャネル時間応答コードは、820のように逆方向で送られ、および822のように順方向で受信機MAC824に送られる。826に例示するように、MDDI送信機802は、MDDI転送を開始することができる。
【0058】
Rf−mddiのMDDI順方向リンク転送速度に対応する持続時間はm秒である。そして、アプリケーションのレイテンシ制約によって決定されるスーパフレーム持続時間がTである場合、以下の式が成立する。
m+n<TCTAP<T
低レイテンシ・モードの場合、逆方向でCTAが保持されている間、リンク・データが送られる。MACスーパフレームに関する逆方向リンク・データの到着時間に依存して、転送は、以下の式で示される最大レイテンシを有しうる。
Trl=ceil[{k*(N/R1+RIFS+H/R2)+SIFS+TACK}/n]*T
ここで、kは、MACフレームによって経験された再送信の平均数である。Nは、送られる逆方向リンク・パケットのサイズである。nは、各スーパフレームにおける逆方向リンクCTA持続時間である。R1は、MDDIデータ(MACペイロード)の物理レイヤ送信レートであり、R2は、PHYヘッダ、MACヘッダ、およびプリアンブルの物理レイヤ送信レートである。Hは、MACヘッダのサイズと、PHYヘッダのサイズと、プリアンブルのサイズとを加えたものである。SIFSは、短いフレーム間隔持続時間である。RIFSは、再送信フレーム間隔持続時間である。TACKは、ACKの送信の持続時間である。Tは、スーパフレーム持続時間である。説明目的のために、ACKポリシーが、Imm−ACKであると仮定されている。これらに従って、順方向リンク・パケットのレイテンシTflが決定されうる。順方向リンクおよび逆方向リンクにおけるアプリケーション・レイテンシ制約が与えられ、それに従って、MACフレームの持続時間が導出される。MACフレームの持続時間、および/または、順方向リンク・パケットのレイテンシを導出するために、例えば、様々なアルゴリズム、方法、および/または技術が適用されうる。
【0059】
図示および記載された典型的なシステムを考慮して、本明細書に示された1または複数の実施形態に従って実施される方法が、図9乃至12の図面を参照してより良く理解されるだろう。説明の単純化の目的で、一連の動作(または機能ブロック)としてこれら方法が示され記載される一方、このような方法に従ったこれら動作は、異なる順番で、および/または、本明細書で示され記載されたものとは別の動作と同時に起こりうるので、これら動作の順番によって制限されないことが理解され認識されるべきである。更に、以下の方法を実現するために、例示された全ての動作が必要とされるとは限らない。様々な動作が、ソフトウェア、ハードウェア、それらの組み合わせ、あるいは、これら動作に関連付けられた機能を実行するためのその他任意の適切な手段(例えば、デバイス、システム、処理、構成要素)によって実現されうることが認識されるべきである。これら動作は、簡略形式で本明細書に示されたある局面を単に例示するためのものであり、これらの局面は、より少ないおよび/またはより多い数の動作によって例示されうることが認識されるべきである。当業者は、方法が、たとえば状態図のような相互関連するイベントの状態のようにしても表されうることを理解し認識するだろう。
【0060】
図9に示すように、従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルおよび/または無線プロトコルで通信するように設定する方法900が例示される。902において、第1のクライアント部がMDDI送信機に配置される。MDDI送信機は、無線であることができ、データ・ソースに接続されうる。MDDI送信機は更に、例えば従来方式の有線MDDIリンクによって、クライアント部に接続またはインタフェースされたMDDIホストをも含む。
【0061】
904では、第2のクライアント部が、無線MDDI受信機でありうるMDDI受信機に配置される。MDDI受信機は、例えばディスプレイでありうるデバイスに接続されうる。MDDI送信機に配置されたクライアント部と、MDDI受信機に配置されたクライアント部とは、同じクライアントの別の部位である。クライアントのこれらそれぞれの部位は、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現されうることが注目されるべきである。
【0062】
906では、有線機能および無線機能が提供される。この機能は、MDDI受信機に含まれており、MDDI受信機が、有線機能、無線機能、およびこれら両方の機能によって受信できるようにする。
【0063】
限定ではなく一例として、MDDI受信機は、例えば、CRTスクリーンまたはディスプレイ上に表示される映画のような通信を受信するモバイル・デバイスでありうる。このモバイル・デバイスは、壁掛式ディスプレイに接続され、映画が壁に表示され、他の人は、映像を見ることができるようになる。このモバイル・デバイスが多機能である場合、ディスプレイ上に映画をブロードキャストすることができ、実質的に同時に、映画に関連する音声通信とは異なる音声通信を送受信することができる。したがって、モバイル・デバイスのユーザは、映画とは別の通信を行うことができる。これが適用されうる例は、ユーザの子供が映画を見ており、ユーザが、電話に対し答えて立ち去りたい場合である。したがって、この映画は、有線機能によって表示され、ユーザは、実質的に同時に、無線機能によって通信することができる。
【0064】
図10は、開示された1または複数の実施形態に従って動作レートを決定する方法1000を例示する。無線MDDIでは、例えば、MDDI動作レートは、無線リンクのレートに部分的に依存する。動作レートを決定する方法1000は、1002で始まる。1002では、利用可能なアプリケーション・データ・レート(例えば、MACが提供するアプリケーション・データ・レート)についてホストMACが問い合わされる。この問い合わせは、例えばMDDIホストによって要求されうる。
【0065】
1004において、往復遅延が測定される。順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを決定または確定するために、1006において、往復遅延測定値が用いられうる。いくつかの実施形態によれば、往復遅延測定値が、使用される有線MDDIプロトコルで指定されうる。
【0066】
1008において、動作レートが計算される。この動作レートは、順方向リンク・レートを逆方向リンク・レートと比較して、2つのレートのうちのどちらが最小であるかを判定することに部分的に基づいて計算されうる。これら2つのレートのうちの最小のものが、動作レートとして指定されうる。いくつかの実施形態では、これら2つのレートのうちの最小のものが更に、MDDIホストの最大キャパシティと、MDDIクライアント(C1)の最大キャパシティとの両方と比較される。この比較に基づく最小すなわち最も低いレートが、動作レートとして割り当てられる。
【0067】
通信パラメータに基づいて確立されるか、あるいは予め定められる許容可能な最小レートRminが存在しなければならない。この計算された動作レートが、許容可能な最小レートよりも低いのであれば、レートを増加させるために調節がなされうる。1010では、動作レートが受信機(例えば、MDDI受信機)に通信または送信され、この受信機に、通信が続行されるレートが通知される。
【0068】
上述した方法1000では、例えば、送信機は、クエリ・モジュールによってホストMACに問い合わせることができる。この送信機は更に、往復遅延を測定し、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを確定し、測定モジュールを用いて動作レートを計算することができる。送信機はまた、通信構成要素を用いて受信機に動作レートを送信することができる。上記説明は、例示目的のみであって、本明細書に示す1または複数の実施形態に関連するその他の構成要素を用いることもできることが理解されるべきである。
【0069】
図11に示すように、本明細書に示された様々な実施形態に従って、低オーバヘッド・モードで通信する方法1100が例示される。図の左側には順方向リンクが示され、図の右側には逆方向リンクが示される。
【0070】
1102では、順方向リンク・データが、バッファに配置される。バッファに配置されるデータから除外されるものは、例えばフィル・パケットおよび/または往復遅延パケットのような不要なデータでありうる。このデータは、例えば、MDDI送信機上のMDDIクライアント(C1)によってバッファ内に配置されうる。1104では、一方向CTAが(例えば、定期的または連続的に)要求される。UWB MACは、例えば、バッファのサイズに基づいて、MDDI送信機から受信機へのこの情報を要求することができる。1106では、順方向リンク・データが送信される。
【0071】
逆方向では、ホストが、フレーム毎に、少なくとも1つの逆方向リンク・カプセル化パケットを送る。クライアント(例えば、受信機)は、現在のフレームにおいて逆方向リンクで送る必要のあるバイト数を指定することができる。ホスト(例えば、送信機)は、逆方向リンク・カプセル化パケットでこの要求を割り当てることができる。1108では、送る必要のある逆方向リンク・データが、例えばMDDIクライアント(C2)によってバッファ内に配置される。バッファは、MDDI受信機のUWBモデムに位置することができる。1100では、例えば、MDDI受信機側のUWBモデムによって、逆方向CTAの要求が送られる。この要求は、逆方向で送らねばならないデータに対応する逆方向におけるCATに対するものでありうる。
【0072】
受信機上のMDDIクライアント(C2)は、1112において、送信機上のクライアント(C1)に逆方向リンク・データを率先して送信することができる。例示するように、1114では、送信機上のMDDIクライアント(C1)は、持っているデータを、逆方向カプセル化パケットでMDDIホストに送る。
【0073】
図12は、本明細書で示された様々な実施形態に従って低レイテンシ・モードで通信する方法1200を例示する。図の左側には順方向リンクが示され、図の右側には逆方向リンクが示される。低レイテンシ・モードでの初期化段階中、1202において、送信機上の例えばUWBモデムが、順方向においてはmミリ秒間、CTAを要求する。1204において、逆方向においてnミリ秒間、CTAを要求する。1206において、これら要求に応答して受信された順方向CTAと逆方向CTAとの比較がなされる。トラフィックにおける順方向:逆方向の期待される比率はm:nである。mミリ秒は、Rf−mddiのMDDI順方向リンク転送レートに対応する持続時間であり、
(m+n)<TCTAP<T
であることが注目されるべきである。ここでTは、スーパフレーム持続時間であり、アプリケーションのレイテンシ制約によって決定されうる。
【0074】
低レイテンシ・モード中、逆方向では、1208において、逆方向で確保されたCTAで、逆方向リンク・データが送られる。1210では、順方向リンクおよび逆方向リンクにおけるアプリケーション・レイテンシ制約から、マック・フレームの持続時間が導出される。以下の式において、kはマック・フレームによって経験された再送信の平均数である。Nは、送られる逆方向リンク・パケットのサイズであり、nは、各スーパフレームにおける逆方向リンクCTA持続時間である。R1は、MDDIデータ(MACペイロード)の物理レイヤ送信レートである。R2は、PHYヘッダ、MACヘッダ、およびプリアンブルの物理レイヤ送信レートである。Hは、MACヘッダのサイズと、PHYヘッダのサイズと、プリアンブルのサイズとを加えたものである。SIFSは、短いフレーム間隔持続時間である。RIFSは、再送信フレーム間隔持続時間である。TACKは、ACKの送信の持続時間である。Tは、スーパフレーム持続時間である。説明目的のために、ACKポリシーが、Imm−ACKであると仮定されている。これらに従って、順方向リンク・パケットのレイテンシTflが、様々なアルゴリズム、方法、および/または技法を用いて決定されうる。MACスーパフレームに関する逆方向リンク・データの到着時間に依存して、転送は、以下の式で示される最大レイテンシを有しうる。
Trl=ceil[{k*(N/R1+RIFS+H/R2)+SIFS+TACK}/n]*T
図13に示すように、端末1300の可能な構成の概念ブロック図が例示されている。当業者によって理解されるように、端末1300の正確な構成は、具体的なアプリケーションおよび設計全体の制約に依存して変わりうる。プロセッサ1302は、本明細書に開示されたシステムおよび方法を実現することができる。
【0075】
端末1300は、アンテナ1306に接続されたフロント・エンド・トランシーバ1304を用いて実現されうる。ベース・バンド・プロセッサ1308が、トランシーバ1304に接続されうる。ベース・バンド・プロセッサ1308は、ソフトウェア・ベースのアーキテクチャ、あるいは他のタイプのアーキテクチャで実現することができる。マイクロプロセッサは、他の多くの機能の中でも、制御、およびシステム全体の管理機能を提供するソフトウェア・プログラムを実行するプラットフォームとして利用することができる。デジタル信号プロセッサ(DSP)は、マイクロプロセッサ上の処理要求を低減するアプリケーション特有のアルゴリズムを実行する組込式の通信ソフトウェア・レイヤで実現される。DSPは、パイロット信号獲得、時間同期、周波数トラッキング、スペクトラム拡散処理、変調機能および復調機能、およびフォワード誤り訂正のような様々な信号処理機能を提供するために利用されうる。
【0076】
端末1300はまた、ベース・バンド・プロセッサ1308に接続された様々なユーザ・インタフェース1310を含むことができる。ユーザ・インタフェース1310は、キーパッド、マウス、タッチ・スクリーン、ディスプレイ、ベル、バイブレータ、オーディオ・スピーカ、マイクロホン、カメラ、および/または、その他の入力/出力デバイスを含むことができる。
【0077】
ベース・バンド・プロセッサ1308は、プロセッサ1302を備える。ベース・バンド・プロセッサ1308のソフトウェア・ベースでの実現では、プロセッサ1302は、マイクロプロセッサ上で動作するソフトウェア・プログラムでありうる。しかしながら、当業者であれば容易に理解するように、プロセッサ1302はこの実施形態に限定されず、ハードウェアによる実現、ソフトウェアによる実現、またはこれらの組み合わせを含む
当該技術分野で周知の任意の手段によって実現されうる。これは、本明細書に記載された様々な機能を実行することができる。プロセッサ1302は、データを格納するためのメモリ1312に接続されうる。
【0078】
本明細書に記載の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはこれらの任意の組み合わせによって実現されうることが理解される。これらシステムおよび/または方法が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコード、プログラム・コードまたはコード・セグメントで実現される場合、それらは例えば記憶要素のような機械読取可能媒体に格納される。コード・セグメントは、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、あるいは命令群からなる任意の組み合わせ、データ構造、またはプログラム・ステートメントを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ・コンテンツを渡したり、受け取ったりすることによって、ハードウェア回路または他のコード・セグメントに接続されうる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡し、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を用いて引き渡し、転送、または送信されうる。
【0079】
上述したものは、1または複数の実施形態の例を含んでいる。もちろん、これらの実施形態を記述する目的の構成要素または方法論の考えられる全ての組み合わせを記述することは不可能であるが、当業者であれば、そのような実施形態の置き換えや更に多くの組み合わせが可能であることを認識することができる。従って、本明細書に記載の実施形態は、特許請求の範囲の精神およびスコープ内にあるそのような全ての変更、修正、および変形を含むことが意図される。更に、用語「含む」が、詳細な説明または特許請求の範囲の何れかで使用されている限りは、そのような用語は、特許請求の範囲における遷移語として使用される場合「備える」と解釈される用語「備える」と同様に包括的であると意図される。
【技術分野】
【0001】
以下の記述は、一般に通信システムに関し、特に、従来方式の有線ベースのデバイスを、無線リンクおよび/または有線リンクによって通信可能とすることに関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワーク・システムは、ユーザが特定の時間において存在するならどの場所(例えば、家庭、オフイス、旅行先等)であろうとも、通信するために、多くの人によって利用される。無線通信デバイスは、ユーザ・ニーズを満足するために、可搬性と利便性とを改善しつつ、より小型かつより強力(例えば、拡張された機能および/またはアプリケーション、より大容量のメモリ)になった。ユーザは、セルラ電話および携帯情報端末(PDA)等を含む無線通信デバイスの多くの用途を見つけた。例えば、無線通信デバイスは、画像(例えば、静止画、動画、ビデオ・ゲーム等)をキャプチャして処理する機能を含むことができる。
【0003】
非常に高いデータ・レートを用いて動作するアプリケーションおよび/または機能は、かなりの電力要求および/または高い電流レベルを持つ。そのような電力要求および/または電流レベルは、有線プロトコルを用いて通信するデバイスに容易に利用可能である。しかしながら、無線通信システムは、高いデータ・レートを用いて動作する能力を持たないかもしれない。したがって、ユーザが通信を送信および/または受信することを望む通信は、いくつかの状況において制限されうる。
【0004】
いくつかのデバイスは、従来、例えばモバイル・ディスプレイ・デジタル・インタフェース(MMDI)のような有線機能においてのみ動作する。したがって、そのようなモバイルを有するユーザは、モバイルと通信することができず、無線デバイスを得るためにさらにコストをかけねばならない。それは必ずしも実現可能ではないかもしれない。いくつかの状況で、ユーザは、2つのデバイス、すなわち、有線機能を持つものと、無線機能を持つものとを操作することによって、両デバイスの利点を達成している。しかしながら、これら2つのデバイスに関連するコストは、これら両デバイスを追跡することと同様に、ユーザに対して不適切な負担を課する恐れがある。
【0005】
上記およびその他の欠点を解決するために、従来方式の有線ベースのプロトコルが、有線アーキテクチャかまたは無線アーキテクチャかの何れか一方で通信することを可能にする技術が提供される。開示する技術は、有線アーキテクチャに対する変更を最低限に抑える柔軟性を提供する。
【関連出願】
【0006】
本願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている、WIRELESS ARCHITECTURE FOR A TRADITIONAL WIRE-BASED PROTOCOLと題され、2006年5月26日に出願された米国特許仮出願60/809,068号、WIRELESS ARCHITECTURE FOR A TRADITIONAL WIRE-BASED PROTOCOLと題され、2006年7月26日に出願された米国特許仮出願60/833,564号、WIRELESS ARCHITECTURE FOR A TRADITIONAL WIRE-BASED PROTOCOLと題され、2006年7月26日に出願された米国特許仮出願60/833,565号の35U.S.C§119(e)の下の利益を要求する。
【発明の概要】
【0007】
以下は、1または複数の実施形態のいくつかの局面の基本的理解を与えるために、これら実施形態の簡単な要約を示す。この要約は、1または複数の実施形態の広範な概要ではなく、これら実施形態の重要なまたは決定的な構成要素を特定することも、そのような実施形態の範囲を線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後述する更に詳細な記載に対する前置きとして、実施形態の幾つかの概念を、簡単な形式で示すことである。
【0008】
1または複数の実施形態および対応する開示に従って、様々な局面が、高速無線通信リンクによって有線リンクを介して従来方式で通信されるデータの転送に関して記述される。開示された実施形態は、既存の有線アーキテクチャに対する変更を最低限に抑える有線データ通信および/または無線データ通信を提供する。
【0009】
実施形態によれば、高速無線リンクによって、有線リンクを介して従来方式で送信されるデータを転送するための動作レートを決定する方法が提供される。この方法は、利用可能なアプリケーション・データ・レートについてホストに問い合わせることと、往復遅延レートを測定することとを含んでいる。順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートが、測定された往復遅延レートに基づいて確定される。確定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて、動作レートが計算される。この動作レートは、受信機(例えば、モバイル・デバイス)に通信される。動作レートを計算することは、順方向リンク・レートあるいは逆方向リンク・レートが低レートであるかを判定することと、その低レートを動作レートとして指定することとを含む。いくつかの実施形態によれば、この計算は、順方向リンク・レート、逆方向リンク・レート、ホストの利用可能なアプリケーション・データ・レート、およびクライアントの最大キャパシティを比較し、動作レートとして指定される最低レートを決定することを含む。いくつかの実施形態によれば、許容可能な最低レートが確立される。そして、動作レートは、この最低レートを下回るのであれば、調節される。
【0010】
別の実施形態によれば、従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルか無線プロトコルかの何れかで通信するように設定する方法が提供される。この方法は、第1のクライアント部を、送信機に配置することと、第2のクライアント部を、受信機に配置することと、受信機において、有線機能と無線機能とを提供することとを含む。この方法は、送信機をデータ・ソースに接続することと、第1のクライアント部を、有線リンクを用いて、送信機に含まれるホストにインタフェースすることとを含む。
【0011】
別の実施形態によれば、従来方式の有線リンクを越えて無線で通信する装置が提供される。この装置は、有線リンクによって接続された第1のクライアント部とホストとを備える送信機と、第2のクライアント部を備える受信機とを含む。いくつかの実施形態によれば、この装置は、媒体アクセス制御および再送信統計情報によってサポートされているレートに部分的に基づいて動作レートを決定するクエリ・モジュールと、通信を有線プロトコルまたは無線プロトコルに割り当てる割当モジュールとを含む。
【0012】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクによって通信するモバイル・デバイスが提供される。このモバイル・デバイスは、通信のための動作レートを受信する手段と、無線リンクによって通信する手段と、有線リンクによって通信する手段とを含む。このモバイル・デバイスはまた、受信した動作レートに部分的に基づいて、無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段を含む。いくつかの実施形態によれば、受信した動作レートに部分的に基づいて、無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段は更に、無線リンクと有線リンクとを切り換えるかを決定する。
【0013】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクによって、低オーバヘッド・モードで通信する方法が提供される。この方法は、順方向リンク・データをバッファに配置することと、一方向チャネル時間割当(CTA)を要求することと、順方向リンク・データを送信することとを含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、逆方向リンク・データをバッファに配置することと、逆方向CTAを要求することと、逆方向リンク・データを送信することと、逆方向カプセル化パケットで、ホストにデータを通信することとを含む。
【0014】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクかの何れかで、低レイテンシ・モードで通信する方法が提供される。この方法は、順方向においてはmミリ秒間、逆方向においてはnミリ秒間、CTAを要求することと、順方向CTAを逆方向CTAと比較することとを含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、逆方向のために確保されたCTAの間、逆方向リンク・データを送信することと、MACフレームの持続時間を導出することとを含む。
【0015】
別の実施形態によれば、ホストが提供するアプリケーション・データ・レートを求めてホストにコンタクトすることと、往復遅延を計算することとのためのコンピュータ実行可能命令群を有するコンピュータ読取可能媒体が提供される。これら命令群は、計算された往復遅延に部分的に基づいて、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを決定することと、決定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて動作レートを確定することとを含む。いくつかの実施形態によれば、これら命令群は、クライアントの最大キャパシティ、ホストが提供するアプリケーション・データ・レート、逆方向リンク・レート、および順方向リンク・レートの最低レートを決定することを含む。決定された最低レートは、動作レートとして指定することができる。そして、このレートは、受信機に送られる。
【0016】
別の実施形態によれば、有線リンクまたは無線リンクによって通信する命令群を実行するプロセッサが提供される。これら命令群は、通信動作レートを受信することと、受信した通信動作レートに部分的に基づいて、通信を、有線リンクか、あるいは無線リンクによって行うのかを選択的に決定することとを含む。
【0017】
前述した目的および関連する目的を達成するために、1または複数の実施形態は、以下に十分に記述され、特に、特許請求の範囲において指摘された特徴を備えている。以下の記述および添付図面は、1または複数の実施形態のある例示的な局面を詳細に述べている。しかしながら、これらの局面は、様々な実施形態の原理が適用され、記述された実施形態がそのような全ての局面およびその等価物を含むことを意図された様々な方法のうちのほんの幾つかしか示していない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、従来方式のデバイスが無線で通信することを可能にするシステムのブロック図を例示する。
【図2】図2は、無線リンクによる通信を可能にするための従来方式の有線設定の機能を拡張するシステムを例示する。
【図3】図3は、有線アーキテクチャおよび/または無線アーキテクチャを介して通信するシステムを例示する。
【図4】図4は、無線リンクによる通信を可能にする従来方式の有線設定を拡張するシステムの別の実施形態を例示する。
【図5】図5は、従来方式の有線デバイスを用いて有線リンクまたは無線リンクによって通信するシステムを例示する。
【図6】図6は、本明細書に示された様々な実施形態に従う低オーバヘッド・モードによる典型的な順方向リンクMDDIデータ転送を例示する。
【図7】図7は、本明細書に示された様々な実施形態に従う低オーバヘッド・モードによる典型的な逆方向リンクMDDIデータ転送を例示する。
【図8】図8は、本明細書に示された様々な実施形態に従う低レイテンシ・モードMDDI接続セットアップを例示する。
【図9】図9は、従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルおよび/または無線プロトコルによって通信するように設定する方法を例示する。
【図10】図10は、開示された1または複数の実施形態に従って動作レートを決定する方法を例示する。
【図11】図11は、本明細書で示された様々な実施形態に従って低オーバヘッド・モードで通信する方法を例示する。
【図12】図12は、本明細書で示された様々な実施形態に従って低レイテンシ・モードで通信する方法を例示する。
【図13】図13は、端末の可能な構成の概略ブロック図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な実施形態が、図面を参照して記述される。以下の記述では、説明の目的のために、多くの具体的な詳細が、1または複数の局面についての完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、そのような実施形態は、これら具体的な詳細がなくても実現されうることが明らかである。他の事例では、これらの実施形態の記述を容易にするために、周知の構成およびデバイスがブロック図形式で示される。
【0020】
本願で使用されているように、「構成要素」、「モジュール」、「システム」等の用語は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアかの何れかであるコンピュータに関連するエンティティを参照することが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によって、計算デバイス上で実行するアプリケーションと、計算デバイスとの両方が、構成要素になりうる。1または複数の構成要素は、実行中のスレッドおよび/またはプロセス内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されうるか、および/または、2またはそれ以上のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、その上に格納された様々なデータ構造を有する様々なコンピュータ読取可能媒体から実行することができる。これら構成要素は、例えば、1または複数のデータ・パケットを有する信号(例えば、信号によって他のシステムと、インターネットのようなネットワークを介して、ローカル・システムにおいて、および/または分散システムにおいて、他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ)に従って、ローカル処理および/または遠隔処理によって通信することができる。
【0021】
更に、本明細書では、様々な実施形態が、ユーザ・デバイスに関して記述される。ユーザ・デバイスはまた、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル・デバイス、遠隔局、アクセス・ポイント、基地局、遠隔端末、アクセス端末、ハンドセット、ユーザ端末、端末、ユーザ・エージェント、あるいはユーザ機器と呼ぶことができる。ユーザ・デバイスは、セルラ電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL)局、PDA、無線接続能力を有する携帯式デバイス、あるいは無線モデムに接続されたその他の制御デバイスでありうる。
【0022】
さらに、本明細書に記述された様々な局面または特徴は、標準的なプログラミングおよび/またはエンジニアリング技法を用いた方法、装置、または製造物品として実現されうる。本明細書で用いられる用語「製造物品」は、任意のコンピュータ読取可能デバイス、搬送波、または媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含するように意図される。例えば、コンピュータ読取可能媒体は、限定される訳ではないが、磁気記憶装置(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストライプ等)、光ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD)、DVD等)、スマート・カード、およびフラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、カード、スティック、キー・ドライブ等)を含む。
【0023】
次の詳細な記述では、様々な局面および実施形態が、モバイル・ディスプレイ・デジタル・インタフェース(MDDI)、および/または、電気電子学会(IEEE)802.15.3媒体アクセス制御(MAC)レイヤに関して記述されうる。これらの発明的な局面は、開示された実施形態との使用に良く適している一方、当業者であれば、これらの発明的な局面が、その他の様々な従来方式の有線ベースのプロトコルにおける使用にも同様に適用可能であることを容易に理解するだろう。従って、MDDIおよび/またはIEEE802.15.3MACへのいかなる参照も、そのような発明的な局面が広範な用途を持つという理解の下、これら発明的な局面を例示することのみが意図されている。
【0024】
様々な実施形態は、多くの構成要素およびモジュール等を含むシステムの観点から示される。様々なシステムが、更なる構成要素、モジュール等を含み、図に関連して説明された構成要素、モジュール等の全てを含んでいる訳ではないことが理解され認識される。これらのアプローチの組み合わせを用いることもできる。更に、様々なシステムが、複数のモジュール・デバイス(例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド計算デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、その他の適切なデバイス)で実現される。
【0025】
図示するように、図1は、従来方式の有線ベースのデバイスが、無線で通信することを可能にするシステム100のブロック図を例示している。システム100は、受信機104と有線および/または無線で通信する送信機102を含んでいる。送信機102および受信機104は、有線ベースのプロトコルで従来方式で通信する構成要素でありうる。理解されるように、システム100には、多くの送信機102および受信機104が含まれうるが、単純化のために、1つの受信機104に通信データ信号を送信する1つの送信機102が例示されている。
【0026】
送信機102から受信機104へ送られる通信は、順方向リンクと称され、受信機104から送信機102へ送られる通信は、逆方向リンクと称される。送信機102は、データ・ソース106(例えば、記憶装置、メモリ等)に接続され、受信機104は、ディスプレイのようなインタフェース・デバイス108に接続されうる。
【0027】
システム100は、少なくとも2つの動作モード、すなわち、低オーバヘッド・モードおよび/または低レイテンシ・モードで動作しうる。低オーバヘッド・モードは、チャネル割当時間(秒)を要求することによって、エア(例えば、無線)で送られるパケットを最適化する。チャネル割当時間は、データが何れかの方向(送信機から受信機、または、受信機から送信機)から送られる時間である。低レイテンシ・モードでは、チャネル割当時間(秒)は、順方向リンクと逆方向リンクとの両方に含まれたデータについての知識に基づいて決定することができる。
【0028】
送信機102は、様々な基準(例えば、往復遅延測定値)に基づいて、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを確定するように構成されうる。送信機102は、フレーム毎に、少なくとも1つの逆方向リンク・カプセル化パケットを送ることができる。逆方向リンク・カプセル化パケットは、転送リンクによる逆方向パケットの転送に適応するために使用することができる。これによって逆方向リンクを生成する。
【0029】
受信機104は、有線機能および/または無線機能によってデータ通信を受信および/または送信するように構成されうる。どの機能を利用するかの決定は、データのタイプ(例えば、音声、テキスト、画像等)、データを通信するための従来方式の方法(例えば、有線リンクまたはは無線リンク)、送信されるファイルまたはパケットのサイズを含む様々な基準のみならず、データ、送信機、および/または受信機に関するその他の基準にも基づきうる。送信機102は、受信機104がどのようにして(例えば、有線か無線か)データを受信するかを知ることなくデータを通信することができる。
【0030】
図2は、無線リンクによる通信を可能にする従来方式の有線構成の機能を拡張するためのシステム200を例示する。システム200は、順方向リンクで受信機204と通信する送信機202を含んでいる。受信機204は、逆方向リンクで送信機202と通信する。送信機202および受信機204は、通常は有線プロトコルで通信するデバイスでありうる。しかしながら、システム200は、これらデバイスが、有線プロトコル、および/または、例えば高速無線リンクのような無線プロトコルによって通信することを可能にする。理解されるように、システム200は、多くの送信機202および受信機204を含むことができるが、簡略のために、1つの受信機204に通信データ信号を送信する1つの送信機202のみが例示されている。
【0031】
送信機202は、ホスト206、クライアント部(C1)208、および通信構成要素210を含みうる。例えば、ホスト206はMDDIホストでありうる。いくつかの実施形態では、ホスト206は、送信機202から分離した構成要素であり、有線リンクによって送信機202に接続されうる。クライアント部(C1)208は、ホスト206と同期しているか、あるいはクロック同期のためにホスト206と通信している。クライアント(C1)208は、例えば、従来方式の有線リンク(例えば、MDDIリンク)によってホスト206に接続されうる。ホスト206は、データのパケットをクライアント(C1)208に送信または通信するように構成されうる。これらのパケットは、例えば超広帯域(UWB)システムのようなモデムを含む通信構成要素210を介して受信機204に通信されうる。いくつかのパケット(例えば、MDDI往復遅延測定パケット)は、クライアント(C1)208によって処理され、受信機204へ通信される。他のパケット(例えば、フィラ・パケット)は、クライアント(C1)208によってふるい落とされ、受信機204へ通信されるべきではない。すなわち、あるパケットは、順方向無線リンクあるいは逆方向無線リンクの何れにおいても送信されるべきではない。フィラ・パケットは、例えば、送信機202と受信機204との間のタイミングを保つ。そのようなパケットは、それぞれのクライアント部によって、送信機202あるいは受信機204の何れかによって生成されうる。
【0032】
受信機204は、インタフェース・デバイス212(例えば、ディスプレイ)、クライアント部(C2)214、および通信構成要素216を含みうる。いくつかの実施形態では、デバイス212は、受信機204から分離した構成要素になりえ、例えば有線リンクを介して受信機204に接続されうる。クライアント(C2)214は、有線リンクによってデバイス212に接続することができる。クライアント(C2)214は、送信機202から受信したパケットを処理するように構成することができる。受信機204は、例えばUWBモデムを含むことができる通信構成要素216によって送信機202からの通信を受信することができる。
【0033】
システム200は、2つの動作モードのうちの1つで動作するように構成されうる。これらのモードは、低オーバヘッド・モードおよび低レイテンシ・モードを含んでいる。低オーバヘッド・モードでは、クライアント(C1)208は、例えば、フィル・パケットおよび往復遅延パケットを除外して、通信構成要素210(例えば、UWBモデム)上に含まれるバッファ内に、送信されるデータを配置する。通信構成要素210は、例えばUWB MACによって、バッファのサイズに基づいて、送信機202から受信機204への一方向チャネル時間割当(CTA)を定期的に要求することができる。逆方向(例えば逆方向リンク)では、クライアント(C2)214は、例えばフィラ・パケットを除いて、送りたい逆方向リンク・データを、通信構成要素216(例えば、UWBモデム)に関連付けられたバッファ内に配置することができる。逆方向では、通信構成要素216は、逆方向CTAを要求することができる。
【0034】
低レイテンシ・モードの場合、初期化段階中に、通信構成要素210(例えば、UWBモデム)は、順方向においてはmミリ秒間、逆方向においてはnミリ秒間、CTAを要求する。トラフィックにおける順方向:逆方向の期待される比率はm:nであり、m秒は、順方向転送レートRf−mddiに対応する持続時間である。Tはスーパフレーム持続時間である。これは、アプリケーションのレイテンシ制約によって決定され、
(m+n)<TCTAP<T
の関係を持つ。
【0035】
図3に示すように、有線アーキテクチャおよび/または無線アーキテクチャによって通信するシステム300が例示される。システム300は、順方向リンク(送信機302から)および/または逆方向リンク(受信機304から)で通信する送信機302および受信機304を含んでいる。順方向リンクおよび/または逆方向リンクによる通信は、特定の状況(例えば、送信されるデータ、データ・レート、通信リンクの品質、各デバイスの状況等)に依存して、有線プロトコルによって、および/または、無線プロトコルによってなされうる。理解されるように、多くの送信機302および受信機304がシステム300に含まれうるが、簡略のため、1つの受信機306に通信データ信号を送信する1つの送信機302のみが例示されている。
【0036】
送信機302は、クライアント(C1)構成要素308に接続されたホスト構成要素306と、通信構成要素310とを含むことができる。受信機304は、クライアント(C2)構成要素314に接続されたデバイス312と、通信構成要素316とを含むことができる。クライアント(C1)構成要素308およびクライアント(C2)構成要素314はそれぞれのクライアントの部位である。
【0037】
送信機302および/または受信機304は、追加の構成要素を含むことができることが、当業者によって理解されるだろう。例えば、送信機302は、適切な無線通信プロトコルに従って信号を変調および/または符合化できる符合化構成要素(図示せず)を含むことができる。これら信号は、その後、受信機304へ送信されうる。いくつかの実施形態では、符合化構成要素は、アナログ波形をデジタル信号に変換するスピーチ・アナライザを用いる音声コーダ(ボコーダ)であるか、または、その他のタイプの符号化器でありうる。適切な無線通信プロトコルは、限定される訳ではないが、直交周波数分割多重(OFDM)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)等を含みうる。
【0038】
受信機304は、受信した信号、および/または、その中の処理されるためのデータ・パケットを復号する復号構成要素(図示せず)を含むことができる。データ・パケットの復号が成功すると、アクノレッジメント構成要素(図示せず)が、データ・パケットの復号が成功したことを示すアクノレッジメントを生成することができる。これは、送信機302に送られ、データ・パケットが受信され復号されたので、再送信する必要がないことを送信機302に通知する。
【0039】
ホスト構成要素306は、クエリ・モジュール318および測定モジュール320を含みうる。クエリ・モジュール318は、MACが提供するアプリケーション・データ・レートについて、ホスト媒体アクセス制御(MAC)に問い合わせるように構成される。無線通信の場合、動作レートは、無線リンクのレートに依存しうる。測定モジュール320は、無線プロトコルにおいて指定される例えば往復遅延測定値に基づいて、順方向リンク・レートと、逆方向リンク・レートとを決定するように構成されうる。いくつかの実施形態では、無線動作レートは、クライアント(C1)308の最大キャパシティ、ホスト306の最大キャパシティ、および、2つのレート(順方向リンク・レートと逆方向リンク・レート)のうちの最小のものよって決定される。許容可能な最小レートRminが存在する。測定された動作レートが、この許容可能な最小レート未満である場合、動作レートは、それぞれの構成要素(例えば、通信構成要素310および/または通信構成要素316)によって、送信機302および/または受信機304によって調節される。送信機302は、受信機304に、通信が処理されるレートを通知することができる。
【0040】
クライアント(C2)構成要素314は、MACが提供するアプリケーション・データ・レートを送信機302に通知するように構成されうる通知モジュール322を含むことができる。そのような通知は、送信機302から受信したクエリ(例えば、クエリ・モジュール318によって送られたクエリ)に基づきうる。逆方向リンク・パケットの場合、通知モジュール322は、現在のフレームで逆方向リンクによって送信するために受信機304によって必要とされるバイト数を指定することができる。クライアント(C2)構成要素はまた、通信に関連付けられた様々なパラメータ(例えば、通信タイプ、通信レート、送信機、受信機等)に依存して、有線プロトコルまたは無線プロトコルへと通信を割り当てるように構成されうる。
【0041】
通信構成要素316は、有線モジュール326および無線モジュール328を含むことができる。有線モジュール326は、有線機能を提供するように構成され、無線モジュール328は、無線機能を提供するように構成されうる。無線モジュール328を用いて無線で通信するべきか、有線モジュール326を用いて通信するべきであるかの判定がなされうる。そのような判定は、動作レート、送信されているデータのタイプ(例えば、音声、テキスト、画像等)、送信されているデータまたはファイルのサイズ、データが有線リンクで通信されるか無線リンクで通信されるか等を含む様々な要因に基づくことができる。有線モジュール326および/または無線モジュール328は、1つのモジュールから他のモジュール(例えば、無線から有線、有線から無線)への通信への変更があった場合、スイッチオーバ問題によって通信が失われることのないように、コンテンツを格納するためのバッファを含みうる。
【0042】
受信機304が有線リンクを介して通信している、または、無線リンクを介して通信しているかに関する情報は、送信機302に送られる必要はない。送信機302は、通信方法(有線または無線)に関わらず、実質的に同じ方式でその機能を実行することができる。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、送信機302は、サブフレーム(図示せず)を分解するように構成された構成要素を含めることができ、受信機304は、サブフレーム(図示せず)を再集合するように構成された構成要素を含めることができる。MDDIサブフレームの最大長さは、例えば約65,536バイトであるが、通常はそれよりも小さい。802.15.3MACフレームの最大サイズは、基本的なレートが約480Mbpsである場合、約4,096バイトまたは約8,192バイトでありうる。基本的な物理レイヤ・レートが約200Mbpsである場合、このサイズは約2,048バイトである。したがって、フレームのサイズを収納するために、サブフレームは送信機302側で分解され、受信機304側で再集合される必要がある。そのような分解および再集合は、通信構成要素310、316、および/または、送信機302および受信機304に関連付けられたその他の構成要素によってそれぞれ実行される。
【0044】
図4は、無線リンクによる通信を可能にするために従来方式の有線構成を拡張したシステム400の別の実施形態を例示する。システム400は、ホスト406、クライアント部(C1)408、および通信構成要素410を含む送信機402を含むことができる。システム400はまた、デバイス412、クライアント部(C2)414、および通信構成要素416を含む受信機404を含むことができる。送信機402は、順方向リンクで受信機404に通信し、受信機404は、逆方向リンクで送信機402に通信する。図面を用いて既に説明したように、システム400内に多くの送信機402および受信機404を含めることができるが、簡略のために、1つの受信機404に通信データ信号を送信する1つの送信機402のみが例示されている。
【0045】
システム400は、受信機404に動作可能に接続されたメモリ418を含みうる。メモリ418は、パケット・タイプ(例えば、MACによって提供されているアプリケーション・データ・レート、無線リンクの動作レート等)および/またはパケットのデータ・レート、パケット・タイプおよび/またはパケットの動作モード、および/または、無線プロトコル、有線プロトコル、またはこれらプロトコルの組み合わせによってデータを送信することに関連付けられたその他のパラメータに関連する情報を格納することができる。例えば、通信のために有線プロトコルが使用され、通信中に、中断や停止することなく、無線プロトコルへの切り換え、あるいはその逆の切り換えを行うかの判定がなされる。
【0046】
プロセッサ420は、特定の通信が有線プロトコルまたは無線プロトコルで送られるべきかを確定することに関連する情報の分析を容易にするために、受信機404(および/またはメモリ418)に、動作可能に接続されうる。プロセッサ420は、受信機404に通信される情報の分析および/または生成を行うための専用のプロセッサ、システム400の1または複数の構成要素を制御するプロセッサ、および/または、受信機404によって受信される情報の分析および生成の両方を行い、システム400の1または複数の構成要素を制御するプロセッサでありうる。
【0047】
メモリ418は、データ通信レートおよび動作レートに関連付けられたプロトコルを格納し、受信機404と送信機402との間等の通信を制御する動作を講じる。これによって、システム400は、格納されたプロトコルおよび/またはアルゴリズムを適用して、本明細書に記載したような無線ネットワークにおける改善された通信を達成することができる。本明細書に記載されたデータ記憶(例えば、メモリ)要素は、揮発性メモリか不揮発性メモリかの何れかであるか、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含むことができることが評価されるべきである。限定ではなく一例として、不揮発性メモリは、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、EPROM(EPROM)、EEROM(EEPROM)、あるいはフラッシュ・メモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュ・メモリとして動作するランダム・アクセス記憶装置(RAM)を含むことができる。限定ではなく一例として、RAMは、例えば、シンクロナスRAM(DRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、同期リンクDRAM(SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM(登録商標))のような多くの形式で利用することが可能である。開示された実施形態のメモリ418は、限定する訳ではないが、これらおよびその他の適切なタイプのメモリを含むことが意図される。
【0048】
図5は、従来方式の有線デバイスと有線リンクあるいは無線リンクによって通信するシステム500を例示する。システム500は、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックとして表わされる。システム500は、通信用の動作レートを受信するように構成されうる受信機502を含んでいる。この動作レートは、例えば、送信機または送信機ホストから受信されうる。この動作レートは、順方向と逆方向との両方の方向で、通信レートのセットアップまたは確立を行うことができる。システム500はまた、無線プロトコルによって通信を送信および/または受信するように構成されうる無線通信部504を含んでいる。有線通信部506は、有線プロトコルによって通信を送信および/または受信するように構成されうる。
【0049】
順方向および/または逆方向では、パケット拡張および/または新たなパケットが存在しうることが注目されるべきである。例えば、順方向では、MDDI送信機情報が、パケットに追加されうる。このパケット拡張は、受信機端のMDDIクライアントに、MDDI送信機情報を提供することができる。この情報は、MDDIホストとクライアントとが、送信機で動作すべきであるレートを含むことができる。逆方向では、クライアント機能パケットに対する拡張が、MDDI受信機MAC情報について約4バイト、MDD受信機クライアント情報について約2バイト含むが、その他の拡張もまた可能である。
【0050】
システム500には更に判定部が含まれている。判定部は、無線プロトコルによって通信する無線通信部を用いるのか、有線プロトコルによって通信する有線通信部を用いるのかを選択的に判定することができる。そのような判定は、例えば通信動作レートのような様々なパラメータに基づいて選択的になされうる。この判定を行うためにその他のパラメータを用いることもできる。例えば、この判定は、特定の通信がどのようにして従来方式で送信および/または受信された(例えば、履歴分析)か、通信のタイプ(例えば、音声、画像、テキスト等)のみならず、通信、送信機、および/または受信機に関するその他のパラメータに基づいてなされうる。
【0051】
図6は、本明細書に示された様々な実施形態に従った低オーバヘッド・モードにおける典型的な順方向リンクMDDIデータ転送600を例示する。MDDI送信機602がMDDI受信機604へデータを送るモードのうちの1つのタイプは、低オーバヘッド・モードでありうる。このモードでは、無線で送られたパケットが、チャネル割当時間について最適化される。チャネル割当時間は、何れかの方向(例えば、順方向または逆方向)からデータが送られるのに要する時間である。MDDI送信機602は、クライアント部(C1)606を含むことができ、MDDI受信機604は、クライアント処理部(C2)608を含むことができる。
【0052】
MDDIクライアント(C1)606は、送られるデータを、例えばUWBモデムのようなバッファに配置することができる。この送られるデータは、例えばフィル・パケットおよび往復遅延パケットのような不要なパケットを除外するべきである。MDDIデータは、612に示すように、送信機MAC610へ送られる。送信機MAC610(またはUWB MAC)は、例えばバッファのサイズに基づいて、MDDI送信機602からMDDI受信機604へ少なくとも1つのCTAを定期的または連続的に要求する。
【0053】
送信機MAC610は、614において、ピコネット・コントローラ(PNC)MAC616からの順方向リンクCTAを(例えば、定期的または連続的に)要求することができる。PNC MAC616は、618において、チャネル時間応答コードをもって、送信機MAC610へ応答することができる。この応答コードは、データが正しく通信されたかを示すことができる。チャネル時間応答コードが正しく受信された後、送信機MAC610は、622に例示するように、MDDIデータを、受信機MAC620に送ることができる。
【0054】
図7は、本明細書に示された様々な実施形態に従った低オーバヘッド・モードにおける典型的な逆方向リンクMDDIデータ転送700を例示する。MDDI受信機702は、逆方向リンクで、MDDI送信機704に向けられた通信を開始することができる。MDDI受信機702は、クライアント部(C2)706を含むことができ、MDDI送信機704は、クライアント部(C1)708を含むことができる。
【0055】
712に示すように、MDDI受信機702は 受信機MAC710へMDDIデータを送ることができる。受信機MAC710は、716において、PNC MAC714からの逆方向リンクCTAを要求することができる。この要求は、逆方向で送られるデータに相当しうる。PNC MAC714は、718において、チャネル時間応答コードをもって応答することができる。受信機MAC710は、720において、MDDIデータをCTAで送信機MAC722へ送ることができる。724に示すように、送信機MAC722は、724において、受信機MAC710からMDDIデータを受信する少し前か、または実質的に同時に、クライアント(C1)708にMDDIデータを送る、つまり、与えることができる。MDDI送信機ホスト726は、728および730に示すように、フレーム毎に、少なくとも1つの逆方向リンク・カプセルを送信および/または受信することができる。逆方向リンク・データは、データ要求を待たずに、率先して送信することができる。クライアントは、現在のフレームで、逆方向リンクで送る必要があるバイト数を指定することができる。ホスト726は、それに従って、逆方向リンク・カプセル・パケット内に、この要求を割り当てることができる。
【0056】
図8は、本明細書に示された様々な実施形態に従った低レイテンシ・モードMDDI接続セットアップ800を例示する。低レイテンシ・モードでは、順方向と逆方向との両方で、パケットに含まれるデータから導かれる推論に基づいて、チャネル割当時間を確定することができる。MDDI送信機802は、クライアント部(C1)806およびホスト804を含むことができる。初期化段階中に、送信機802のUWBモデムは、810において、送信機MAC808にMACクエリを送ることができる。MACクエリは、MACおよび再送信統計情報によってサポートされるレートを見つけ出すために送られるクエリである。送信機MAC808は、812において、クエリに応答することができる。この応答は、MAC再送信統計情報によってサポートされるレートを示すMAC応答でありうる。
【0057】
送信機802は、順方向においてはmミリ秒間、逆方向においてはnミリ秒間、CTAセットアップ814を要求する。トラフィックにおける順方向:逆方向の期待される比率はm:nであるべきである。816において、チャネル時間要求(CTRQ)がPNC MAC818へ送られる。チャネル時間応答コードは、820のように逆方向で送られ、および822のように順方向で受信機MAC824に送られる。826に例示するように、MDDI送信機802は、MDDI転送を開始することができる。
【0058】
Rf−mddiのMDDI順方向リンク転送速度に対応する持続時間はm秒である。そして、アプリケーションのレイテンシ制約によって決定されるスーパフレーム持続時間がTである場合、以下の式が成立する。
m+n<TCTAP<T
低レイテンシ・モードの場合、逆方向でCTAが保持されている間、リンク・データが送られる。MACスーパフレームに関する逆方向リンク・データの到着時間に依存して、転送は、以下の式で示される最大レイテンシを有しうる。
Trl=ceil[{k*(N/R1+RIFS+H/R2)+SIFS+TACK}/n]*T
ここで、kは、MACフレームによって経験された再送信の平均数である。Nは、送られる逆方向リンク・パケットのサイズである。nは、各スーパフレームにおける逆方向リンクCTA持続時間である。R1は、MDDIデータ(MACペイロード)の物理レイヤ送信レートであり、R2は、PHYヘッダ、MACヘッダ、およびプリアンブルの物理レイヤ送信レートである。Hは、MACヘッダのサイズと、PHYヘッダのサイズと、プリアンブルのサイズとを加えたものである。SIFSは、短いフレーム間隔持続時間である。RIFSは、再送信フレーム間隔持続時間である。TACKは、ACKの送信の持続時間である。Tは、スーパフレーム持続時間である。説明目的のために、ACKポリシーが、Imm−ACKであると仮定されている。これらに従って、順方向リンク・パケットのレイテンシTflが決定されうる。順方向リンクおよび逆方向リンクにおけるアプリケーション・レイテンシ制約が与えられ、それに従って、MACフレームの持続時間が導出される。MACフレームの持続時間、および/または、順方向リンク・パケットのレイテンシを導出するために、例えば、様々なアルゴリズム、方法、および/または技術が適用されうる。
【0059】
図示および記載された典型的なシステムを考慮して、本明細書に示された1または複数の実施形態に従って実施される方法が、図9乃至12の図面を参照してより良く理解されるだろう。説明の単純化の目的で、一連の動作(または機能ブロック)としてこれら方法が示され記載される一方、このような方法に従ったこれら動作は、異なる順番で、および/または、本明細書で示され記載されたものとは別の動作と同時に起こりうるので、これら動作の順番によって制限されないことが理解され認識されるべきである。更に、以下の方法を実現するために、例示された全ての動作が必要とされるとは限らない。様々な動作が、ソフトウェア、ハードウェア、それらの組み合わせ、あるいは、これら動作に関連付けられた機能を実行するためのその他任意の適切な手段(例えば、デバイス、システム、処理、構成要素)によって実現されうることが認識されるべきである。これら動作は、簡略形式で本明細書に示されたある局面を単に例示するためのものであり、これらの局面は、より少ないおよび/またはより多い数の動作によって例示されうることが認識されるべきである。当業者は、方法が、たとえば状態図のような相互関連するイベントの状態のようにしても表されうることを理解し認識するだろう。
【0060】
図9に示すように、従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルおよび/または無線プロトコルで通信するように設定する方法900が例示される。902において、第1のクライアント部がMDDI送信機に配置される。MDDI送信機は、無線であることができ、データ・ソースに接続されうる。MDDI送信機は更に、例えば従来方式の有線MDDIリンクによって、クライアント部に接続またはインタフェースされたMDDIホストをも含む。
【0061】
904では、第2のクライアント部が、無線MDDI受信機でありうるMDDI受信機に配置される。MDDI受信機は、例えばディスプレイでありうるデバイスに接続されうる。MDDI送信機に配置されたクライアント部と、MDDI受信機に配置されたクライアント部とは、同じクライアントの別の部位である。クライアントのこれらそれぞれの部位は、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現されうることが注目されるべきである。
【0062】
906では、有線機能および無線機能が提供される。この機能は、MDDI受信機に含まれており、MDDI受信機が、有線機能、無線機能、およびこれら両方の機能によって受信できるようにする。
【0063】
限定ではなく一例として、MDDI受信機は、例えば、CRTスクリーンまたはディスプレイ上に表示される映画のような通信を受信するモバイル・デバイスでありうる。このモバイル・デバイスは、壁掛式ディスプレイに接続され、映画が壁に表示され、他の人は、映像を見ることができるようになる。このモバイル・デバイスが多機能である場合、ディスプレイ上に映画をブロードキャストすることができ、実質的に同時に、映画に関連する音声通信とは異なる音声通信を送受信することができる。したがって、モバイル・デバイスのユーザは、映画とは別の通信を行うことができる。これが適用されうる例は、ユーザの子供が映画を見ており、ユーザが、電話に対し答えて立ち去りたい場合である。したがって、この映画は、有線機能によって表示され、ユーザは、実質的に同時に、無線機能によって通信することができる。
【0064】
図10は、開示された1または複数の実施形態に従って動作レートを決定する方法1000を例示する。無線MDDIでは、例えば、MDDI動作レートは、無線リンクのレートに部分的に依存する。動作レートを決定する方法1000は、1002で始まる。1002では、利用可能なアプリケーション・データ・レート(例えば、MACが提供するアプリケーション・データ・レート)についてホストMACが問い合わされる。この問い合わせは、例えばMDDIホストによって要求されうる。
【0065】
1004において、往復遅延が測定される。順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを決定または確定するために、1006において、往復遅延測定値が用いられうる。いくつかの実施形態によれば、往復遅延測定値が、使用される有線MDDIプロトコルで指定されうる。
【0066】
1008において、動作レートが計算される。この動作レートは、順方向リンク・レートを逆方向リンク・レートと比較して、2つのレートのうちのどちらが最小であるかを判定することに部分的に基づいて計算されうる。これら2つのレートのうちの最小のものが、動作レートとして指定されうる。いくつかの実施形態では、これら2つのレートのうちの最小のものが更に、MDDIホストの最大キャパシティと、MDDIクライアント(C1)の最大キャパシティとの両方と比較される。この比較に基づく最小すなわち最も低いレートが、動作レートとして割り当てられる。
【0067】
通信パラメータに基づいて確立されるか、あるいは予め定められる許容可能な最小レートRminが存在しなければならない。この計算された動作レートが、許容可能な最小レートよりも低いのであれば、レートを増加させるために調節がなされうる。1010では、動作レートが受信機(例えば、MDDI受信機)に通信または送信され、この受信機に、通信が続行されるレートが通知される。
【0068】
上述した方法1000では、例えば、送信機は、クエリ・モジュールによってホストMACに問い合わせることができる。この送信機は更に、往復遅延を測定し、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを確定し、測定モジュールを用いて動作レートを計算することができる。送信機はまた、通信構成要素を用いて受信機に動作レートを送信することができる。上記説明は、例示目的のみであって、本明細書に示す1または複数の実施形態に関連するその他の構成要素を用いることもできることが理解されるべきである。
【0069】
図11に示すように、本明細書に示された様々な実施形態に従って、低オーバヘッド・モードで通信する方法1100が例示される。図の左側には順方向リンクが示され、図の右側には逆方向リンクが示される。
【0070】
1102では、順方向リンク・データが、バッファに配置される。バッファに配置されるデータから除外されるものは、例えばフィル・パケットおよび/または往復遅延パケットのような不要なデータでありうる。このデータは、例えば、MDDI送信機上のMDDIクライアント(C1)によってバッファ内に配置されうる。1104では、一方向CTAが(例えば、定期的または連続的に)要求される。UWB MACは、例えば、バッファのサイズに基づいて、MDDI送信機から受信機へのこの情報を要求することができる。1106では、順方向リンク・データが送信される。
【0071】
逆方向では、ホストが、フレーム毎に、少なくとも1つの逆方向リンク・カプセル化パケットを送る。クライアント(例えば、受信機)は、現在のフレームにおいて逆方向リンクで送る必要のあるバイト数を指定することができる。ホスト(例えば、送信機)は、逆方向リンク・カプセル化パケットでこの要求を割り当てることができる。1108では、送る必要のある逆方向リンク・データが、例えばMDDIクライアント(C2)によってバッファ内に配置される。バッファは、MDDI受信機のUWBモデムに位置することができる。1100では、例えば、MDDI受信機側のUWBモデムによって、逆方向CTAの要求が送られる。この要求は、逆方向で送らねばならないデータに対応する逆方向におけるCATに対するものでありうる。
【0072】
受信機上のMDDIクライアント(C2)は、1112において、送信機上のクライアント(C1)に逆方向リンク・データを率先して送信することができる。例示するように、1114では、送信機上のMDDIクライアント(C1)は、持っているデータを、逆方向カプセル化パケットでMDDIホストに送る。
【0073】
図12は、本明細書で示された様々な実施形態に従って低レイテンシ・モードで通信する方法1200を例示する。図の左側には順方向リンクが示され、図の右側には逆方向リンクが示される。低レイテンシ・モードでの初期化段階中、1202において、送信機上の例えばUWBモデムが、順方向においてはmミリ秒間、CTAを要求する。1204において、逆方向においてnミリ秒間、CTAを要求する。1206において、これら要求に応答して受信された順方向CTAと逆方向CTAとの比較がなされる。トラフィックにおける順方向:逆方向の期待される比率はm:nである。mミリ秒は、Rf−mddiのMDDI順方向リンク転送レートに対応する持続時間であり、
(m+n)<TCTAP<T
であることが注目されるべきである。ここでTは、スーパフレーム持続時間であり、アプリケーションのレイテンシ制約によって決定されうる。
【0074】
低レイテンシ・モード中、逆方向では、1208において、逆方向で確保されたCTAで、逆方向リンク・データが送られる。1210では、順方向リンクおよび逆方向リンクにおけるアプリケーション・レイテンシ制約から、マック・フレームの持続時間が導出される。以下の式において、kはマック・フレームによって経験された再送信の平均数である。Nは、送られる逆方向リンク・パケットのサイズであり、nは、各スーパフレームにおける逆方向リンクCTA持続時間である。R1は、MDDIデータ(MACペイロード)の物理レイヤ送信レートである。R2は、PHYヘッダ、MACヘッダ、およびプリアンブルの物理レイヤ送信レートである。Hは、MACヘッダのサイズと、PHYヘッダのサイズと、プリアンブルのサイズとを加えたものである。SIFSは、短いフレーム間隔持続時間である。RIFSは、再送信フレーム間隔持続時間である。TACKは、ACKの送信の持続時間である。Tは、スーパフレーム持続時間である。説明目的のために、ACKポリシーが、Imm−ACKであると仮定されている。これらに従って、順方向リンク・パケットのレイテンシTflが、様々なアルゴリズム、方法、および/または技法を用いて決定されうる。MACスーパフレームに関する逆方向リンク・データの到着時間に依存して、転送は、以下の式で示される最大レイテンシを有しうる。
Trl=ceil[{k*(N/R1+RIFS+H/R2)+SIFS+TACK}/n]*T
図13に示すように、端末1300の可能な構成の概念ブロック図が例示されている。当業者によって理解されるように、端末1300の正確な構成は、具体的なアプリケーションおよび設計全体の制約に依存して変わりうる。プロセッサ1302は、本明細書に開示されたシステムおよび方法を実現することができる。
【0075】
端末1300は、アンテナ1306に接続されたフロント・エンド・トランシーバ1304を用いて実現されうる。ベース・バンド・プロセッサ1308が、トランシーバ1304に接続されうる。ベース・バンド・プロセッサ1308は、ソフトウェア・ベースのアーキテクチャ、あるいは他のタイプのアーキテクチャで実現することができる。マイクロプロセッサは、他の多くの機能の中でも、制御、およびシステム全体の管理機能を提供するソフトウェア・プログラムを実行するプラットフォームとして利用することができる。デジタル信号プロセッサ(DSP)は、マイクロプロセッサ上の処理要求を低減するアプリケーション特有のアルゴリズムを実行する組込式の通信ソフトウェア・レイヤで実現される。DSPは、パイロット信号獲得、時間同期、周波数トラッキング、スペクトラム拡散処理、変調機能および復調機能、およびフォワード誤り訂正のような様々な信号処理機能を提供するために利用されうる。
【0076】
端末1300はまた、ベース・バンド・プロセッサ1308に接続された様々なユーザ・インタフェース1310を含むことができる。ユーザ・インタフェース1310は、キーパッド、マウス、タッチ・スクリーン、ディスプレイ、ベル、バイブレータ、オーディオ・スピーカ、マイクロホン、カメラ、および/または、その他の入力/出力デバイスを含むことができる。
【0077】
ベース・バンド・プロセッサ1308は、プロセッサ1302を備える。ベース・バンド・プロセッサ1308のソフトウェア・ベースでの実現では、プロセッサ1302は、マイクロプロセッサ上で動作するソフトウェア・プログラムでありうる。しかしながら、当業者であれば容易に理解するように、プロセッサ1302はこの実施形態に限定されず、ハードウェアによる実現、ソフトウェアによる実現、またはこれらの組み合わせを含む
当該技術分野で周知の任意の手段によって実現されうる。これは、本明細書に記載された様々な機能を実行することができる。プロセッサ1302は、データを格納するためのメモリ1312に接続されうる。
【0078】
本明細書に記載の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはこれらの任意の組み合わせによって実現されうることが理解される。これらシステムおよび/または方法が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコード、プログラム・コードまたはコード・セグメントで実現される場合、それらは例えば記憶要素のような機械読取可能媒体に格納される。コード・セグメントは、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、あるいは命令群からなる任意の組み合わせ、データ構造、またはプログラム・ステートメントを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ・コンテンツを渡したり、受け取ったりすることによって、ハードウェア回路または他のコード・セグメントに接続されうる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡し、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を用いて引き渡し、転送、または送信されうる。
【0079】
上述したものは、1または複数の実施形態の例を含んでいる。もちろん、これらの実施形態を記述する目的の構成要素または方法論の考えられる全ての組み合わせを記述することは不可能であるが、当業者であれば、そのような実施形態の置き換えや更に多くの組み合わせが可能であることを認識することができる。従って、本明細書に記載の実施形態は、特許請求の範囲の精神およびスコープ内にあるそのような全ての変更、修正、および変形を含むことが意図される。更に、用語「含む」が、詳細な説明または特許請求の範囲の何れかで使用されている限りは、そのような用語は、特許請求の範囲における遷移語として使用される場合「備える」と解釈される用語「備える」と同様に包括的であると意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速無線通信リンクによって有線リンクを介して従来方式で送られるデータを転送する動作レートを決定する方法であって、
利用可能なアプリケーション・データ・レートについてホストに問い合わせることと、
往復遅延レートを測定することと、
順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを、前記測定された往復遅延レートに基づいて確定することと、
前記確定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて、動作レートを計算することと
を備える方法。
【請求項2】
前記動作レートを受信機に通信することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動作レートを計算することは更に、
前記順方向リンク・レートあるいは前記逆方向リンク・レートが、低いレートであるかを判定することと、
前記低いレートを前記動作レートとして指定することと
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記動作レートを計算することは更に、
前記順方向リンク・レート、前記逆方向リンク・レート、前記ホストの利用可能なアプリケーション・データ・レート、およびクライアントの最大能力を比較して、最低レートを決定することと、
前記最低レートを前記動作レートとして割り当てることと
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
許容可能な最低レートを確立することと、
前記最低レートを下回るのであれば、前記動作レートを調節することと
を更に備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記利用可能なアプリケーション・データ・レートは、前記ホストの最大能力である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルか無線プロトコルかの何れかで通信するように設定する方法であって、
第1のクライアント部を、送信機に配置することと、
第2のクライアント部を、受信機に配置することと、
前記受信機において、有線機能と無線機能とを提供することと
を備える方法。
【請求項8】
前記送信機をデータ・ソースに接続することと、
前記第1のクライアント部を、有線リンクを用いて、前記送信機に含まれるホストにインタフェースすることと
を更に備える請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記受信機をディスプレイに接続することを更に備える請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のクライアント部と前記第2のクライアント部とは、同じクライアントの別個の部位である請求項7に記載の方法。
【請求項11】
従来方式の有線リンクを介して無線で通信する装置であって、
有線リンクによって接続された第1のクライアント部とホストとを備える送信機と、
第2のクライアント部を備える受信機と
を備える装置。
【請求項12】
前記送信機のホストは、
媒体アクセス制御および再送信統計情報によってサポートされているレートに部分的に基づいて動作レートを決定するクエリ・モジュールと、
通信を有線プロトコルまたは無線プロトコルに割り当てる割当モジュールと
を備える請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記動作レートは、前記無線リンクのレートに基づいても決定される請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2のクライアント部は、アプリケーション・データ・レートの通知を送る通知モジュールを備える請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記送信機は、データ・ソースに接続され、前記受信機は、インタフェース・デバイスに接続される請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記送信機および受信機は、低オーバヘッド・モードおよび低レイテンシ・モードのうちの1つで動作する請求項11に記載の装置。
【請求項17】
有線リンクまたは無線リンクによって通信するモバイル・デバイスであって、
通信のための動作レートを受信する手段と、
無線リンクによって通信する手段と、
有線リンクによって通信する手段と、
前記受信した動作レートに部分的に基づいて、前記無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段と
を備えるモバイル・デバイス。
【請求項18】
前記受信した動作レートに部分的に基づいて、無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段は更に、前記無線リンクと前記有線リンクとを切り換えるかを決定する請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記無線リンクと前記有線リンクとの切り換えは、単一の通信中に引き起こる請求項18に記載の装置。
【請求項20】
有線リンクまたは無線リンクによって、低オーバヘッド・モードで通信する方法であって、
順方向リンク・データをバッファに配置することと、
一方向チャネル時間割当(CTA)を要求することと、
前記順方向リンク・データを送信することと
を備える方法。
【請求項21】
逆方向リンク・データをバッファに配置することと、
逆方向CTAを要求することと、
逆方向リンク・データを送信することと、
逆方向カプセル化パケットで、ホストにデータを通信することと
を備える請求項20に記載の方法。
【請求項22】
有線リンクまたは無線リンクかの何れかで、低レイテンシ・モードで通信する方法であって、
順方向においてmミリ秒間、CTAを要求することと、
逆方向においてnミリ秒間、CTAを要求することと、
前記順方向CTAを前記逆方向CTAと比較することと
を備える方法。
【請求項23】
逆方向のために確保されたCTAの間、逆方向リンク・データを送信することと、
媒体アクセス制御フレームの持続時間を導出することと
を更に備える請求項22の方法、
【請求項24】
前記ホストが提供するアプリケーション・データ・レートを求めてホストにコンタクトし、
往復遅延を計算し、
前記計算された往復遅延に部分的に基づいて、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを決定し、
前記決定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて動作レートを確定する
ためのコンピュータ実行可能命令群を有するコンピュータ読取可能媒体。
【請求項25】
前記動作レートを受信機に送信するためのコンピュータ実行可能命令を更に有する請求項24に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項26】
クライアントの最大能力、前記ホストが提供するアプリケーション・データ・レート、前記逆方向リンク・レート、および前記順方向リンク・レートの最低レートを決定し、
前記決定された最低レートを、前記動作レートとして指定し、
前記動作レートを、受信機に送る
ためのコンピュータ実行可能命令群を更に有する請求項24に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項27】
有線リンクまたは無線リンクによって通信するための命令群を実行するプロセッサであって、
前記命令群は、
通信動作レートを受信することと、
前記受信した通信動作レートに部分的に基づいて、通信を、有線リンクか、あるいは無線リンクによって行うのかを選択的に決定することと
を備えるプロセッサ。
【請求項1】
高速無線通信リンクによって有線リンクを介して従来方式で送られるデータを転送する動作レートを決定する方法であって、
利用可能なアプリケーション・データ・レートについてホストに問い合わせることと、
往復遅延レートを測定することと、
順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを、前記測定された往復遅延レートに基づいて確定することと、
前記確定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて、動作レートを計算することと
を備える方法。
【請求項2】
前記動作レートを受信機に通信することを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動作レートを計算することは更に、
前記順方向リンク・レートあるいは前記逆方向リンク・レートが、低いレートであるかを判定することと、
前記低いレートを前記動作レートとして指定することと
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記動作レートを計算することは更に、
前記順方向リンク・レート、前記逆方向リンク・レート、前記ホストの利用可能なアプリケーション・データ・レート、およびクライアントの最大能力を比較して、最低レートを決定することと、
前記最低レートを前記動作レートとして割り当てることと
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
許容可能な最低レートを確立することと、
前記最低レートを下回るのであれば、前記動作レートを調節することと
を更に備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記利用可能なアプリケーション・データ・レートは、前記ホストの最大能力である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
従来方式の有線デバイスを、有線プロトコルか無線プロトコルかの何れかで通信するように設定する方法であって、
第1のクライアント部を、送信機に配置することと、
第2のクライアント部を、受信機に配置することと、
前記受信機において、有線機能と無線機能とを提供することと
を備える方法。
【請求項8】
前記送信機をデータ・ソースに接続することと、
前記第1のクライアント部を、有線リンクを用いて、前記送信機に含まれるホストにインタフェースすることと
を更に備える請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記受信機をディスプレイに接続することを更に備える請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のクライアント部と前記第2のクライアント部とは、同じクライアントの別個の部位である請求項7に記載の方法。
【請求項11】
従来方式の有線リンクを介して無線で通信する装置であって、
有線リンクによって接続された第1のクライアント部とホストとを備える送信機と、
第2のクライアント部を備える受信機と
を備える装置。
【請求項12】
前記送信機のホストは、
媒体アクセス制御および再送信統計情報によってサポートされているレートに部分的に基づいて動作レートを決定するクエリ・モジュールと、
通信を有線プロトコルまたは無線プロトコルに割り当てる割当モジュールと
を備える請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記動作レートは、前記無線リンクのレートに基づいても決定される請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2のクライアント部は、アプリケーション・データ・レートの通知を送る通知モジュールを備える請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記送信機は、データ・ソースに接続され、前記受信機は、インタフェース・デバイスに接続される請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記送信機および受信機は、低オーバヘッド・モードおよび低レイテンシ・モードのうちの1つで動作する請求項11に記載の装置。
【請求項17】
有線リンクまたは無線リンクによって通信するモバイル・デバイスであって、
通信のための動作レートを受信する手段と、
無線リンクによって通信する手段と、
有線リンクによって通信する手段と、
前記受信した動作レートに部分的に基づいて、前記無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段と
を備えるモバイル・デバイス。
【請求項18】
前記受信した動作レートに部分的に基づいて、無線リンクまたは有線リンクを利用するかを選択的に決定する手段は更に、前記無線リンクと前記有線リンクとを切り換えるかを決定する請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記無線リンクと前記有線リンクとの切り換えは、単一の通信中に引き起こる請求項18に記載の装置。
【請求項20】
有線リンクまたは無線リンクによって、低オーバヘッド・モードで通信する方法であって、
順方向リンク・データをバッファに配置することと、
一方向チャネル時間割当(CTA)を要求することと、
前記順方向リンク・データを送信することと
を備える方法。
【請求項21】
逆方向リンク・データをバッファに配置することと、
逆方向CTAを要求することと、
逆方向リンク・データを送信することと、
逆方向カプセル化パケットで、ホストにデータを通信することと
を備える請求項20に記載の方法。
【請求項22】
有線リンクまたは無線リンクかの何れかで、低レイテンシ・モードで通信する方法であって、
順方向においてmミリ秒間、CTAを要求することと、
逆方向においてnミリ秒間、CTAを要求することと、
前記順方向CTAを前記逆方向CTAと比較することと
を備える方法。
【請求項23】
逆方向のために確保されたCTAの間、逆方向リンク・データを送信することと、
媒体アクセス制御フレームの持続時間を導出することと
を更に備える請求項22の方法、
【請求項24】
前記ホストが提供するアプリケーション・データ・レートを求めてホストにコンタクトし、
往復遅延を計算し、
前記計算された往復遅延に部分的に基づいて、順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートを決定し、
前記決定された順方向リンク・レートおよび逆方向リンク・レートに部分的に基づいて動作レートを確定する
ためのコンピュータ実行可能命令群を有するコンピュータ読取可能媒体。
【請求項25】
前記動作レートを受信機に送信するためのコンピュータ実行可能命令を更に有する請求項24に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項26】
クライアントの最大能力、前記ホストが提供するアプリケーション・データ・レート、前記逆方向リンク・レート、および前記順方向リンク・レートの最低レートを決定し、
前記決定された最低レートを、前記動作レートとして指定し、
前記動作レートを、受信機に送る
ためのコンピュータ実行可能命令群を更に有する請求項24に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項27】
有線リンクまたは無線リンクによって通信するための命令群を実行するプロセッサであって、
前記命令群は、
通信動作レートを受信することと、
前記受信した通信動作レートに部分的に基づいて、通信を、有線リンクか、あるいは無線リンクによって行うのかを選択的に決定することと
を備えるプロセッサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−62820(P2013−62820A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231819(P2012−231819)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2009−513404(P2009−513404)の分割
【原出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−231819(P2012−231819)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2009−513404(P2009−513404)の分割
【原出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]