説明

微小構造を形成する前に堆積しまたラビング処理する液晶配向層

【課題】液晶の配向層を有する空洞を形成するための新規な方法を提供する。
【解決手段】微小光学デバイスの空洞4を形成する方法において、支持基板10における表面の平面上にラビング処理した液晶配向層12を形成するステップと、前記液晶配向層12上に犠牲保護層を堆積するステップと、犠牲保護層上に樹脂層を堆積およびエッチングにより前記空洞4の壁6を形成するステップと、前記空洞4の壁6間における犠牲保護層を除去するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁によって画定する微細寸法である気密の空洞を有し、これら空洞に機能液体(この場合は液晶)を導入するデバイスを製造することに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、封止した空洞の中で配向する液晶を使用する分野、特に光学レンズまたは光学ガラスを製造する光学分野に適用する。
【0003】
このような光学素子の例としては、図1に示した、100mmまたはそれ以上の幅Lを有するものがある。
【0004】
この光学素子は、壁によって区切った独立した微小(マイクロ)カップまたは微小(マイクロ)空洞2のネットワークを有する。これら微小空洞は柔軟かつ平坦な基板上に構築する。
【0005】
その後、空洞に所望の光学作用に適した液体4を充填する。
【0006】
つぎに、空洞を、柔軟な材料で形成した閉鎖層9により閉鎖し、一般には閉鎖層を壁6の頂面に積層する。
【0007】
この全体構成を支持体上に形成し、この支持体は、図示の例では、例えば石英のような材料で形成した基板1、およびポリマー材料で形成した層8を有する。
【0008】
このような光学素子は、10万〜1000万の間における個数におよぶ多数の微小カップを有することができる。
【0009】
壁6はできるだけ目に見えないようにしなければならず、そのため大きいアスペクト比(または形状因子)を付与し、所望の範囲(5〜50μm)の樹脂高さに対する最小壁幅にすることが必要となる。
【0010】
壁および微小空洞は、集合型微小技術プロセスまたは構造特性に対して選択的に樹脂を異方性エッチングすることによって得ることができる。
【0011】
ある場合においては、空洞中の機能性液体として液晶を用いることが好ましい。液晶は封止すべき空洞の面内で配向する。これら液晶は、主に空洞の底面に位置する、また壁に沿っても位置するポリイミド層5との摩擦により整列する。
【0012】
この技術を図2に線図的に示す。既に構築した組立体上に層5を堆積した後、この層をブラシで擦掃(ラビング)処理し、このブラシの毛を参照符号9で示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この技術にはいくつかの問題を引き起こす。
【0014】
第一に、壁6の両側およびその足元に位置し、図2において参照符号A,A’,A,A’で示す層5の領域は、ブラシによるラビング処理が適切に施されないことにより処理が十分ではない。このことは「陰影付き(シェーディング)」作用として知られる光学作用を生ずる。
【0015】
デバイスの平面において、これら領域は数μm〜約10μmのオーダーの幅を有する。これは、この構造におけるトポロジー(形状)において層5を均一に敷衍させることの困難さの証左である。
【0016】
また、ブラシを通過させるによって、ポリイミドの飛散物7、7′、およびポリイミドの再堆積、またはその他の特有の汚れを生じる。
【0017】
これらのすべて、すなわち特有の汚れと同様に陰影付き(シェーディング)効果もまた、光学的欠陥に関与するのであり、こうした欠陥はポリイミド層5上で可視である。この層は影響を受け易く、空洞の光リソグラフィプロセスの前に形成することはできない。しかし、そのような光学的欠陥は、当該光学的有用性を台無しにする。
【0018】
本発明の課題は、液晶の配向層を有する空洞を形成するための新規な方法を見出すことにある。
【0019】
本発明は、まず、微小光学デバイスの空洞を形成する方法に関し、
a)支持基板における表面の平面上に、液晶の配向層を形成するステップと、
b)層空洞の壁を形成し、空洞の底面を配向層により形成するステップと
を有する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、壁の形成または構築に先立って、まず、層例えばポリイミドの配向層を摩擦して形成する。したがって、配向層は、壁が未だ形成されていないために連続的かつ十分一様に敷衍させることができる。このようにして、摩擦処理は壁を形成する前に、最適な条件で行うことができる。
【0021】
本発明の特別な実施形態においては、ステップb)は、空洞の壁を形成するための樹脂層を堆積し、ついでエッチングするステップを有する。
【0022】
本発明によるプロセスは、さらに、
a’)ステップa)とステップb)との間で、該配向層上に犠牲保護層を堆積するステップと、および
b’)ステップb)の後における、空洞の壁間の犠牲保護層を除去するステップを有することができる。
【0023】
本発明は、とくに、このように微小光学デバイスの空洞を形成する方法に関し、以下の順序のステップ、すなわち、
‐支持基板の表面の平面上に、液晶の配向層を形成するステップ、
‐該配向層上に、犠牲保護層を堆積するステップ、
‐樹脂層の堆積およびその後のエッチング処理により該空洞の壁を形成するステップ、
‐空洞の壁間の犠牲保護層を除去するステップ
を有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明のこの特別な実施形態においては、該配向層を犠牲層により保護し、構築(壁の形成)を完了し、そして最後に犠牲層を除去する。この犠牲層により、配向層の特性を有効状態に保持することが可能になる。このことは、図2ににつき上述したような、あらゆる汚れの混入および欠陥の生起を防ぐ。
【0025】
配向層は、好ましくは透明材料の犠牲層により保護する。
【0026】
この犠牲層は、例えば低温プロセスによる真空堆積により堆積した層とすることができ、また直下の配向層に対向させる穏やかなプロセス、例えば湿式化学処理により後退させるのが適している。この犠牲層は、シリカまたは有機シリカ材料で形成すると好ましいが、樹脂とすることもできる。
【0027】
犠牲層は、ステップb)の前にエッチングしない、または、本発明方法は、ステップb)の前に少なくとも犠牲層をエッチングして、壁の位置を画定することができる。
【0028】
ある実施形態においては、このようなプロセス(犠牲層の堆積を伴う)は、さらに、ステップa’)の後かつステップb)の前に、
‐犠牲層上にエッチングマスク層を形成し、またこのマスク層に開口付けをして壁の位置を画定するステップと、
‐少なくとも犠牲層の一部を、マスク層を通してエッチングするステップと、
を有し、また、ステップb)の後かつステップb’)の前に、
‐該エッチングマスク層を除去するステップ
を有するものとする。
【0029】
配向層は、犠牲層の下側ではエッチングしない。この場合、壁は配向層の上方または配向層上に形成し、したがって配向層は一つの空洞から他の空洞にわたり連続的かつ均一に維持され、いかなる壁の形成作業によっても影響されることがない。
【0030】
変更形態として、この方法は、ステップb)に先立ち、犠牲層のエッチングした領域の下側にある配向層をエッチングするステップを有する。
【0031】
本発明による方法は、ステップb)に先立ち、配向層および犠牲層のエッチングした領域の下側にある基板をエッチングするステップを有することができる。
【0032】
配向層を堆積する前に、ITO層を堆積し、このITO層はステップb)より前にはエッチングしない。
【0033】
本発明はまた、液晶微小光学デバイスの形成する方法に関し、
‐上述のような方法を使用して、デバイスの空洞を形成するステップと、
‐該デバイスの空洞に液晶を導入するステップと、
‐空洞に壁上に閉鎖層を形成するステップと、
を有する。
【0034】
本発明はまた、液晶微小光学デバイスに関し、壁により画定し、それぞれ少なくとも部分的に液晶を充填する空洞と、ならびに液晶用の配向層であって、好ましくは平坦かつ均一であり、各空洞の底面に位置する配向層とを備える。
【0035】
この配向層は、一つの空洞から他の空洞まで連続的であり、また壁の下側を通過することができる。
【0036】
犠牲層の残留部分は各壁の下側に存在することができる。
【0037】
ある実施形態によれば、隣接する空洞の配向層を壁が分断するものとする。
【0038】
ITO材料の層を配向層の下に配置することができる。この層は連続的であり、エッチングしない。
【0039】
変更した形態として、壁の足元を基板の中に配置する。
【0040】
ある実施形態によれば、配向層は、ラビング処理したポリイミドの層とする。
【0041】
幾何学的な観点では、壁は、数μm〜数十μm、例えば10μm以上の高さを有することができ、および/または数μmもしくはミクロン以下のオーダー、例えば5μm以下または5μm〜0.5μmの範囲におけるオーダーの幅を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】既知の空洞構造を示す。
【図2】ポリイミド層を準備する既知の製造プロセスを示す。
【図3A】本発明による製造プロセスを実施する順次ステップにおける一工程を示す。
【図3B】本発明による製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図3C】本発明による製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図3D】本発明による製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図3E】本発明による製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図4A】本発明による別の製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図4B】本発明による別の製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図4C】本発明による別の製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図4D】本発明による別の製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図4E】本発明による別の製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図4F】本発明による別の製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図4G】本発明による別の製造プロセスを実施するための順次ステップにおける一工程を示す。
【図5A】本発明による製造プロセスの変更した実施例を示す。
【図5B】本発明による製造プロセスの変更した実施例を示す。
【図6】空洞に液体を充填する作業を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の第1実施形態を、以下に図3A〜3Eにつき説明する。
【0044】
例えばPETのようなポリマー材料で形成した、簡単な基板10で構成することができる支持体をまず形成する。
【0045】
平坦な液晶配向層または平坦なフィルム12を、例えば「スピンコーティング」または「フレキソ印刷」の技術によって、この同一の基板10の平坦な表面上に堆積する(図3A参照)。フィルム12としては、例えば、ポリイミドフィルムもしくはシリカフィルムを使用し、またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のフィルムであっても、用いることができる。このフィルムは、20μmまでの厚さを有することができる。フィルムは基板10上で連続的なものとする。
【0046】
このフィルム12から摩擦を発生させることができる。この層またはこのフィルムは、適切な織物と摩擦させることにより僅かに溝を形成することができる。
【0047】
つぎに(図3B参照)、壁6の形成中における配向層12の保護を考慮して、この層またはフィルム12上に連続する犠牲層16を堆積する。この犠牲層16は、デバイスの光学的特性に利するよう透明にすると有利である。例えば、この犠牲層は、厚さ50nmのSiO(二酸化ケイ素)の層とする。適した堆積技術は、PECVD技術である。
【0048】
配向層12は、以後の製造プロセス中、とくに使用する犠牲層16を樹脂とするとき、劣化しない。この犠牲層16をシリカで形成するとき、配向層12の摩擦低下を防ぐために、低温で堆積することが好ましい。
【0049】
次のステップは、微小空洞4の壁6を構築することである。
【0050】
そこで、この目的のために犠牲層16上に厚い樹脂18を堆積する(図3C参照)。次いで、例えば適切なマスクを用いたリソグラフィにより、または後に除去する硬質マスクを用いた反応性イオンエッチング(RIE)により、この樹脂をエッチングする(図3D参照)。これが、空洞4の壁6を形成する方法である。
【0051】
犠牲層16は、最初はこの作業によっては影響されない、または僅かにしか影響されない。しかしこの犠牲層は、各微小空洞の底面で除去され、ただし壁6の下側に位置する部分は残して、壁の付着を確保する(図3E参照)。各壁6の下側には犠牲材料の一部16′が残留する。この工程(ステップ)は、層12に対して選択的である、穏やかな方法により行い、層12への影響が極力小さくなるようにする。このことは、例えば、適切な界面活性剤とともに行うHFエッチングとすることができ、これにより、壁6の下側のオーバーエッチングを最大限制限する。BE3O:1とすると、良好な結果を得る。
【0052】
結果として、空洞4の底面でラビング処理し、局所化した配向層12を有する構造を得る。
【0053】
この層は、連続的かつ平坦であり、下側に犠牲層の残留物16′を残存させる壁6の下側に延びて存在(延在)する。
【0054】
本発明の他の実施形態を、以下に図4A〜4Eにつき説明する。
【0055】
始めの2工程(ステップ)は、図3Aおよび3Bにつき上述したのと同一であり、したがってここでは繰り返さない。配向層12と犠牲層16の性質についても上述したのと同様である。
【0056】
構築する硬質マスク層17(図4A参照)は、図3Bのものと同一の基板上に堆積する。この層は、例えば、50nmの厚さを有するクロム層17とする。つぎに、この層17上でリソグラフィを完了し、その後反応性イオンエッチング(RIE)によりエッチングを行って適切なマスクを形成する。
【0057】
層このRIEエッチング工程を継続して、犠牲層16および配向層12に開口付けする(開口を設ける)ことができる。層16は、層12に開口付けまたはエッチングすることなく、開口付けまたはエッチングすることができ、これにより、上部の層の付着性を良好にする連続的な配向層を保持する。
【0058】
このエッチング工程は、後にできる空洞4の壁6の形状を画定する。壁はエッチングした領域に実質的に植設こととなる。
【0059】
層16および12のエッチングは、基板10の材料内に食い込むことができ、これにより壁6の機械的性能を補強する(図4B参照)。
【0060】
最終的に、リソグラフィに用いた樹脂を除去する。
【0061】
この後、樹脂18(図4C参照)を拡散させ、この樹脂18は、エッチングした領域に浸透し、随意的に基板10内にも浸透する。
【0062】
つぎに、基板10の後面10′からの露光および現像によるリソグラフィによって、この樹脂18内に微小空洞の壁6を形成する(図4D参照)。後面10′は、層12,16および17を堆積する側とは反対側の面である。
【0063】
つぎに、マスク層17を除去し(図4E参照)、この除去は、クロム層の場合では湿式CrEtch(クロムエッチング液の商標名)のエッチングによって行う。
【0064】
この後、犠牲層16を除去し(図4F参照)、この場合やはり、層12に対して選択的である、穏やかな方法により除去し、層への影響が極力小さくなるようにする。例えば、フッ化水素(HF)によるアタックおよび任意の界面活性剤を用いる(図3Eにつき上述した説明を参照)。各空洞における配向層は壁6により隣接する空洞とは分断される。
【0065】
ITOの副層20(配向層12の下にあり、該配向層に先立って基板10に堆積する)が存在する場合においては、開口部のエッチングはITO層で停止する(図4G参照)。層17および16は、上述した通り、図4Gの構造から除去することができる。ITO層は連続するが、各空洞の配向層は壁6によって隣接する空洞の配向層から分断される。
【0066】
この結果層、層空洞4の底部を、例えば擦掃(ラビング)処理したポリイミド製の配向層を有する構造を得る。
【0067】
この実施形態の変更例を図5Aおよび5Bに示す。先行工程は上で図4Aおよび4Bにつき説明したのと同一である。しかしここでは、層17における開口部のエッチング工程は、犠牲層16または配向層12のいずれにも影響しないようにする。
【0068】
樹脂18の堆積後、壁6をエッチング処理し、層17および16を除去した後、最終的なデバイスは図5Bに示すものとなる。犠牲材料の一部16′は各壁6の下に残留する。
【0069】
いずれの場合においても、結果として、壁6により区切られた空洞4、各空洞の底面に位置する液晶配向層12を有する構造を得る。この層は、各空洞の底面において平坦かつ均一である。これは壁6の下側で連続していてもよく(図3Eおよび5Bの場合)、または図4Fもしくは4Gのように隣接する空洞の配向層から壁6によって分断するようにもできる。いずれの場合においても、従来技術に関して説明したような、陰影付き作用または特有の汚染がない。壁6は数μmから数十μm、例えば10μm以上のオーダーの高さeを有することができる。それらの幅l(図6参照)は、数μmまたはミクロン以下のオーダー、例えば5μm以下または5μm〜0.5μmの間におけるオーダーとすることができる。
【0070】
この後、1個またはそれ以上の空洞に対する充填を機器E(図6参照)により行い、ここの機器は空洞4の内側に向けてジェットもしくは液滴の形態で、数ピコリットルのオーダーの量とすることができる液体材料24を放出する。この液体配給は、小容積局所化すなわち数十〜数百ピコリットルに適した技術を使用して行うことができる。使用する機器Eは、インクジェット分注技術に類似した液体分注技術を利用することができる。
【0071】
液体材料24は空洞4を部分的もしくは完全に満たすことができる。空洞の完全な充填は壁6の頂部32に達するように行う。
【0072】
製品は、保護層9(図1参照)の転移(最も簡素な場合では積層処理による)によって終了し、この保護層はプラスチックフィルムのようなものであって、支持体10の材料と同一または別の材料とすることができる。この保護層を随意的に、最終的機能(反射防止、硬化層、防汚、等々)のために適した機能層でさらに被覆する。
【0073】
最終製品の特徴付けは、最終表面への転移に先立って完了する。特徴付けは、スタッキングを行うのに使用する堅固な支持体上で行うことが好ましいが、必須ではない。もし特徴付けを実現支持体上で行う場合、特徴付けは、レーザー、超音波、または切削ツールによって行う。以下の品質を備えた技術が好ましく、すなわち、周囲に対する予封止の保証、最適封止のためのスライスの良好な表面状態保持の保証、および工業化に適した迅速実施である。この特徴付けは、ガスおよび湿気に対する高気密性を保証する外気密閉、製品の寿命に至るまでの期間にわたる良好な機械的性能、消費者製品に適した審美的外観の質(必要ならば、例えばメガネにおける審美的外観)がある。
【0074】
本発明によれば、配向層上への飛散物7、および7′の落下(図1との相違に関して)ならびに陰影付き作用、すなわち壁6の両側に基板に対し直交する方向に沿って材料が堆積する(ここでもまた図1との相違に関して)ことがないデバイスを得ることができる。本発明によれば、壁6の側面に対する堆積を生ずることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小光学デバイスの空洞を形成する方法において、
a)支持基板における表面の平面上に液晶の配向層を形成するステップと、
b)前記配向層上に犠牲層(16)を堆積するステップと、
c)つぎに、前記空洞の壁を形成し、また前記空洞の壁間における犠牲保護層を除去するステップであって、前記空洞の底面を前記配向層によって形成する壁形成および犠牲保護層除去ステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、ステップc)は、樹脂層を堆積し、ついで前記樹脂層をエッチングして、前記空洞の壁を形成するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、該犠牲層を前記ステップc)の前にエッチングしないことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、さらに、前記ステップc)の前に少なくとも犠牲層の一部をエッチングして、壁の位置を画定するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、さらに、前記ステップb)の後かつステップc)の前に、
‐前記犠牲層上にエッチングマスク層を形成し、またこのマスク層に開口付けをして前記壁の位置を画定するステップと、
‐少なくとも前記犠牲層の一部を、前記マスク層を通してエッチングするステップと
を有し、また、前記空洞の壁の形成した後かつ前記犠牲保護層を除去する前に、
‐前記エッチングマスク層を除去するステップ
を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法において、前記配向層は、前記犠牲層の下側ではエッチングしないことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項4に記載のプロセスであって、さらに、前記ステップc)の前に、前記犠牲層のエッチングした領域の下側にある配向層の領域または一部をエッチングするステップを有することを特徴とするプロセス。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、さらに、前記ステップc)の前に、前記配向層および犠牲層のエッチングした領域または一部の下側にある基板部分をエッチングするステップを有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記配向層を堆積する前に、ITO層を堆積し、このITO層を前記ステップc)の前にエッチングしないことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、前記配向層は、ラビング処理したポリイミドとしたことを特徴とする方法。
【請求項11】
液晶微小光学デバイスを形成する方法において、
‐請求項1に記載の方法を使用して、前記デバイスの空洞を形成するステップと、
‐前記デバイスの前記空洞に液晶の導入するステップと、
‐前記空洞の壁上に閉鎖層を形成するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
微小光学デバイスの空洞を形成する方法において、
a)支持基板の表面平面上に液晶の配向層を形成するステップと、
b)前記配向層上に犠牲保護層を堆積するステップと、
c)少なくとも前記犠牲層の一部をエッチングして、前記壁を画定するステップと、
d)つぎに、前記空洞の壁を形成し、また前記空洞の壁間における犠牲保護層を除去する、壁形成および保護層除去ステップであって、該空洞の底面を前記配向層によって形成する、該壁形成および保護層除去ステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
微小光学液晶デバイスにおいて、壁により画定した空洞と、各壁の下側に存在する犠牲材料の一部と、各空洞を少なくとも部分的に充填する液晶と、層各空洞の底部に位置する液晶用の配向層とを備えたことを特徴とするデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記配向層は、平坦かつ均一なものとしたことを特徴とするデバイス。
【請求項15】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記配向層は、1個の空洞から他の空洞まで連続し、前記壁の下側を通過するものとしたことを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項13に記載のデバイスにおいて、さらに、前記配向層の下側に位置するITO材料層を備えたことを特徴とするデバイス。
【請求項17】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記配向層は、ラビング処理したポリイミドとしたことを特徴とするデバイス。
【請求項18】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記壁は、数μm〜数十μmのオーダーの高さを有することを特徴とするデバイス。
【請求項19】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記壁は、数μmまたはミクロン以下のオーダーの幅を有することを特徴とするデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−44375(P2010−44375A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−165036(P2009−165036)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(509248165)コミサリア ア レネルジ アトミク (28)
【Fターム(参考)】