説明

微生物脱酸素剤

微生物脱酸素剤の使用を含む、改善された、包装容器ならびに包装食品の保存期間および品質を長期化する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料、微生物学および食品保存方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の保存には、幅広い方法が使用される。これらの方法の中には、抗菌性保存剤、例えば硝酸塩、二酸化硫黄、安息香酸などの化学物質ならびにナイシン、およびペディオシンなどのタンパク質の使用がある。別の方法は、アスコルビン酸、クエン酸およびトコフェロールなどの酸化防止剤の添加である。酸化防止剤は食品の酸化を防ぎ、酸化防止剤を使用しないと腐敗および退色が起こる。
【0003】
欧州特許第0092183B1号は、乳糖を含む食品に、細菌性腐敗阻害物質を産生する培養物を提供することによる食品の保存方法を開示する。
【0004】
国際公開番号WO01/52668号は、ポルフィリン含有乳酸菌および食品の酸素含有量を減少させるためのそれらの使用を開示する。
【0005】
酸素は、多くの食品にとって主要な品質低下因子である。酸素は、後に多くの食品の品質および保存期限を減少させる、カビの成長、悪臭異臭の発生の原因である。したがって、包装容器内で食品が接触する空気中の酸素含有量を減少させることが望ましい。残留酸素を少なくした、雰囲気が変更された包装容器が、酸素の存在に付随する品質変化を減少させるために導入されている。
【0006】
現在、以下の手法を用いて包装食品内の残留酸素レベルを減少できる:
真空化とガス充てんの周期を繰り返し、残留酸素含有量を減少させる。この方法は、使用するガスの量およびガスの充てん周期のために使用する時間の両方に関して非常に高価である。したがって、包装のコストも大幅に高くなる。
化学的脱酸素剤の使用。現行の方式は、以下の概念の1種または複数種を利用する:鉄粉の酸化、アスコルビン酸の酸化、感光染料の酸化、酵素的酸化(例えば、グルコースオキシダーゼおよびアルコールオキシダーゼ)、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸またはリノレン酸)あるいは固体材料上の固定化酵母(Vermeirenら、1999、2003)。現在市販されている化学的脱酸素剤の多くは、鉄粉の酸化に基づいている。さらに、酵素的な酸素の除去は有望な技術として提唱されている(Vermeiren ら、1999、2003)。脱酸素材料は、ラベル、小袋または包装材料内に組み込まれる。これらの方式の欠点は、脱酸素効果が多くの場合低く、方式が活性化する前に使用する時間が受け入れがたいほど長いことである。さらに、食品に関する法律的状況は、時としてこれらの方式の使用を妨げる。
【0007】
真空で、または変更された雰囲気下で包装された食品は、包装不良および使用中の包装容器開封時に包装容器に酸素の進入が起きやすい。さらに、包装の過程において残留酸素含有量を少なくすることは、時間がかかり、コストが高い。
【特許文献1】欧州特許第0092183B1号明細書
【特許文献2】国際公開第WO01/52668号パンフレット
【特許文献3】国際公開第WO98/54337号パンフレット
【特許文献4】欧州特許第0937774号明細書
【特許文献5】欧州特許第0928333号明細書
【非特許文献1】L.Vermeiren,F.Devlieghere,M.van Best,N de Kruijf,J.Debevere. 1999. Developments in the active packaging of foods. Trends in Food Science & Technology 10: 77−86.
【非特許文献2】L.Vermeiren,F.Heirlings,F.Devlieghere,J.Debevere. 2003. Oxygen,ethylene and other scavengers. In:R.Ahvenainen(Ed.)Novel Food Packaging Techniques. Woodhead Publishing,Cambridge,pp.22−49.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、食品産業において包装食品において残留酸素含有量を減らす代替の方法または補助的な方法を見出す必要がある。残留酸素含有量を減らすこのような代替の方法は、食品規制法および消費者の好みに従わなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、食品を微生物脱酸素剤と共に包装材料中に包装することによる、前記食品の保存方法を提供する。
【0010】
それ故、本発明の一態様は微生物脱酸素剤と共に包装材料中に包装された食品に関する。
【0011】
本発明はさらに、包装容器内の酸素含有量を減らすことができる、微生物含有成長培地を提供する。微生物脱酸素剤は、酸素を消費し、二酸化炭素および有機酸の同時産物がわずかまたはない微生物が好ましい。このような微生物の例としては、酸素を利用し、限られた量のジアセチルおよびアセトインを産生する、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)株がある。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、微生物脱酸素剤は、食品の表面に用いる。本発明の別の好ましい実施形態において、微生物脱酸素剤は、前記食品上に前記微生物脱酸素剤の移動を最小化するように包装容器内に配置する小袋、ラベル、カプセルまたは凍結乾燥ペレットとして用いる。別の実施形態において、微生系脱酸素剤は包装材料、例えばラミネート構造またはコーティングとして組み込まれる。別の態様において、本発明は、消費者が包装容器を繰り返し開封した後でも、包装容器内の酸素含有量が少ない食品を提供する。
【0013】
本発明の1つの利点は、包装時の残留酸素が増加してもよいので、包装機械の速度を上げることが可能なことである。別の利点は、包装容器を開けたり閉じたりした後に、食品包装容器内の酸素含有量を繰り返し減少させられることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1aは、層状材料22’より形成された成形上部22を含み、その周囲枠26に接合したホイル28を有する、包装容器20内に保存された生鮮食品10を示す。図のように、受け皿様の底部27は枠26にスナップ式に閉めることができる。
【0015】
上部22の層状材料22’は、3つの層23、24、25を含むことができ、上層または外層23は、包装容器20に食品10の急速な腐敗を導く空気が進入し、したがってホイル28を除去することにより包装容器20を開封するまでの、食品10を新鮮に維持する期間が短縮されることを、従来の方法で防ぐように構成されているバリヤーを画定する。層状材料22’の中心層または中間層24は、より綿密な詳細を以下に論じる微生物脱酸素材料によって画定され、またはこれを含む。さらなる層25は、食品10に対向する包装容器20の表面を画定し、層25は、層24と包装容器20の内部との間でガスが伝達できるように透過性である。
【0016】
好ましくは、上層23およびホイル28用の材料は、確実に密閉するためにPE層を含む。透過性層25は、好ましくは穿孔性PE繊維で製造する。しかし包装容器20は、その内部対向表面に微生物脱酸素剤層24を適用してガラスまたは金属でも作製できることに留意されたい。ホイル28もまた、層状材料22’と同じまたは類似の特性を有する層状材料によって画定できる。一実施形態において、包装容器20は、上部22の面21のような、微生物脱酸素剤を備えない範囲を有してもよい。
【0017】
図1aに示した実施形態において、上部22は、比較的大きいヘッドスペース15が、食品10と上部22との間に画定される形状が維持されるように作製されるが、上部22は食品10がその中にぴったり納まるように成形されてもよい。
【0018】
微生物脱酸素剤を有する層状材料22’は、好ましくは包装容器20の作製より十分前もって製造されることが好ましいが、微生物脱酸素材料層24の寿命または活性が短い、または臨界であるような場合、層状材料22’を、包装容器20をホイル28により密閉する直前に作製し、その結果材料層24が空気にさらされる期間を短縮することが好ましいことに留意されたい。
【0019】
あるいは、微生物脱酸素層24の活性を保護または調整する必要がない場合、層状材料22’は透過性層25なしで形成できる。図1bは、上記のように層状材料22’が上部層23を含み、層23に噴霧または適用された微生物脱酸素剤の層を担持するような例の1つを示す。上部22用のこのような層状材料22’は、上部22が射出成型または深絞り加工などによって成形される直前に製造してもよい。
【0020】
上記において、包装容器20は、通常の使用でその形状を維持するように構成される部分22を含む包装容器20によって、明確に画定されるヘッドスペース15を提供するように記載された。しかし、微生物脱酸素材料を含み、食品10の周りを包む柔軟な包装材料の使用もまた、本発明の一般概念に収められる。
【0021】
図1cは、微生物脱酸素材料の層24を食品10の表面に適用し、包装容器20は、包装容器20に空気が進入することを防止するように構成された、任意の従来のガス非透過性材料から作製される、本発明の代替の実施形態を示す。微生物脱酸素材料は、そのスラリーを、包装前または包装中に、食品10に噴霧することによって適用できる。場合によりスラリーは、1種または複数種の微生物脱酸素剤用の栄養、例えば炭素源および/または窒素源を含んでもよい。食品がチーズの場合、微生物脱酸素剤のチーズ上への適用は、その後に半空気非透過性コーティング、例えばダッチプラスチックコーティング(Dutch plastic coating)、パラフィンワックスまたは他の脂質ベースのコーティングを食品10上に適用することによって可能である。
【0022】
さらに別の好ましい実施形態(図示されず)において、微生物脱酸素剤は、図1cの包装容器20内に配置された個別の小袋またはラベルに適用でき、あるいは微生物脱酸素剤は、好ましくは凍結乾燥粉末ペレットとして、密閉前に包装容器20内に導入できる。液体形態の場合、微生物脱酸素剤は、包装容器20に穴をあけ、次いで再度密封することによって包装容器20に注入できる。
【0023】
従来の方法に従って包装した食品10は、包装容器内、即ち、包装容器と食品との間のヘッドスペースまたは食品それ自体のどちらかに存在する酸素のために、多くの場合急速に腐敗する。食品は真空でまたは変更した雰囲気下で包装できるが、包装過程で残留酸素含有量を高度に減少させ、低くすることは、時間がかかり高価である。
【0024】
上記のような微生物脱酸素材料の使用により、微生物脱酸素剤が、包装容器20を閉じた後で包装容器20内の酸素濃度を連続的に、好ましくは枯渇するまで確実に減少させることによって、残留酸素含有量の減少させることを可能する。本発明は、食品10が真空でまたは変更した雰囲気下で包装された場合、およびさらに食品10が大気中で包装された場合でさえ有用である。
【0025】
さらに、包装容器の内部に大気が進入することがもはや制限されない、消費者によって包装容器20が開封された後も、微生物脱酸素材料の効果により食品10の長期の寿命が確保され得る。
【0026】
食品10のために選択された包装容器20に関係なく、本明細書中で論じる微生物脱酸素剤は、食品に長期の寿命を提供する目的で、食品の製造過程で食品それ自体に組み込むことができ、したがって任意の従来の包装容器が使用できることに留意されたい。
【0027】
微生物脱酸素剤は、好ましくはGRAS(Generally Recognised As Safe)微生物として分類される微生物から選択される。GRASとして分類される微生物は、ラクトコッカス属(Lactococcus spp.)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus spp.)、ロイコノストック属(Leucnostoc spp.)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium spp.)、プロピオン酸菌属(Propionibacterium spp.)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium spp.)、サッカロミセス属(Saccharomyces spp.)およびクルイベロミセス属(Kluyveromyces spp.)である。
【0028】
多くの微生物は、それらの代謝において酸素を利用する。しかしいくつかはこの過程において酸、アルコール、ガスおよび香味化合物を産生し、これらは食品に望ましくない感覚的および物理的変化を起こす。本発明の一実施形態において、微生物脱酸素剤は、後でpHの低下または多量のガスの産生をせずに酸素を利用する。別の実施形態において、微生物脱酸素剤はさらに食品の香味に変化を起こす微生物である。食品の香味のこの変化は、いくつかの用途、例えばいくつかの乳製品に関しては望ましいと思われる。
【0029】
本発明の別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属、ラクトバチルス属、ロイコノストック属、ブレビバクテリウム属、プロピオン酸菌属、ビフィドバクテリウム属および酵母属の酸素吸着株から選択される。天然形態では、これらの属は、本発明による微生物脱酸素剤としてそれらを使用した場合、所望の十分な速さで、低い酸素濃度で酸素を吸着できない。微生物の酸素消費率は、培養による修正、突然変異の導入による修正または他の遺伝的修正のいずれかにより微生物を改変する事によって改善できる。
【0030】
第1の選択肢は、微生物が酸素の吸着(代謝)能力を獲得または改善する条件下で微生物を製造することである。このことを達成する1つの方法は、ポルフィリンを、例えばヘミンとして含む培地で微生物を製造することである。微生物は、この方法により微生物はポルフィリン化合物を「取り込む」ことができ、天然にはポルフィリン化合物を含まない、または十分なポルフィリン化合物を含まない微生物、例えばラクトコッカスが酸素を吸着することが可能になる。WO 01/52668を参照すると、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(DSM 12015)株を、ヘミンを含む培地で培養し、ポルフィリン化合物に基づく乾燥物質として少なくとも0.1ppmを含む細菌を得た。
【0031】
乳酸菌などの微生物を修正する別の選択肢は、代謝による酸素の吸着を促進するような代謝の切り替えを起こす1種または複数種の突然変異を導入することである。一実施形態において、乳酸菌はLdh欠損、Ldhであり、即ち乳酸デヒドロゲナーゼ活性の欠損を起こす突然変異を導入している。Ldh株は、ピルビン酸塩を乳酸に還元して、NADHからNADを再生することはできず、これらの株はNADを再生する他の反応、例えばnox遺伝子によりコードされるNADHオキシダーゼに頼らねばならない。NADHオキシダーゼによるNADの再生は、同時に酸素が消費される。したがってさらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤はLdh表現型を有し、NADHオキシダーゼを過剰発現する乳酸菌である。
さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、LdhおよびPfl表現型を有する、即ち乳酸デヒドロゲナーゼ活性およびピルビン酸蟻酸リアーゼ活性の両方を欠損している乳酸菌である。このようなLdh株の作製方法は、国際公開番号WO98/54337号、欧州特許第0937774号 および欧州特許第0928333号に開示されている。これらの文献はさらに、これらの微生物による酸素消費率の定量化に適した試験を開示する。通常、30℃の、スキムミルクなどの液体に適切な量の微生物、例えば10CFU/mLを接種し、液体中の酸素濃度を経時的に測定する。
【0032】
さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤はラクトコッカス・ラクティスである。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、酸素を消費し、乳酸を産生しないラクトコッカス・ラクティスである。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、Ldh、例えばDN−224(DSM 11037)である、ラクトコッカス・ラクティス株である。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、LdhおよびPfl、例えばDN−223(DSM 11036)である、ラクトコッカス・ラクティス株である。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、LdhでありNADHオキシダーゼ過剰発現のラクトコッカス・ラクティス株である。
【0033】
別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、多量の有機酸および二酸化炭素を産生しない。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤はラクトコッカス・ラクティス亜種ジアセチラクティスである。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、Ldhであるラクトコッカス・ラクティス亜種ジアセチラクティス株である。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、LdhおよびPflの、ラクトコッカス・ラクティス亜種ジアセチラクティス株である。さらに別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、Ldhであり、NADHオキシダーゼ過剰発現のラクトコッカス・ラクティス亜種ジアセチラクティス株である。
【0034】
本発明の別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、30℃においてスキムミルク中の酸素濃度を、スキムミルクに10CFU/mLの微生物脱酸素剤を接種後、3時間未満で約8mg/kgから1mg/kg未満に低下させることができる。
【0035】
本発明の別の実施形態において、微生物脱酸素剤は、30℃において0.1%ペプトン、0.85%NaClおよび3%乳糖の溶液中の酸素濃度を、スキムミルクに10CFU/mLの微生物脱酸素剤を接種後、3時間未満で約8mg/kgから1mg/kg未満に低下させることができる。
【0036】
非常に多様な食品が本発明により保存できる。チーズなどの乳製品は特に好ましい。本発明の一実施形態において、食品はスライスした肉製品、真空調理製品を含むインスタント食品またはベーカリー製品からなる群より選択される。
【0037】
本発明をさらに以下の実施例により例示するが、保護範囲を限定すると解釈されるべきではない。前述の説明および以下の実施例において開示される特徴は、個別でもまたはそれらを任意に組み合わせても、両方とも、多様な形態で本発明を実現する材料であり得る。
【0038】
(参考文献)
L.Vermeiren,F.Devlieghere,M.van Best,N de Kruijf,J.Debevere. 1999. Developments in the active packaging of foods. Trends in Food Science & Technology 10: 77−86.

L.Vermeiren,F.Heirlings,F.Devlieghere,J.Debevere. 2003. Oxygen,ethylene and other scavengers. In:R.Ahvenainen(Ed.)Novel Food Packaging Techniques. Woodhead Publishing,Cambridge,pp.22−49.
【0039】
(実施例)
(実施例1)
目的は、低脂肪および高脂肪チーズについて、微生物脱酸素剤の効果を評価することであった。
【0040】
微生物脱酸素剤ラクトコッカス・ラクティスを、Chr. Hansenより入手した(F−DVS DN−224、受け入れ番号 DSM 11037として寄託された)。乳糖およびプロテアーゼペプトンを含む以下の成長培地を製造した:
0.25% 乳糖:
1.0g ペプトン
8.5g NaCl
2.5g 乳糖
1000mL 脱塩水

0.50% 乳糖:
1.0g ペプトン
8.5g NaCl
5.0g 乳糖
1000mL 脱塩水

0.75%乳糖:
1.0g ペプトン
8.5g NaCl
7.5g 乳糖
1000mL 脱塩水
成長培地をオートクレーブにかけ、30℃まで冷まし、100gのF−DVS DN−224を加えた。これにより、10cfu/mLの細菌濃度を得た。
【0041】
2種類のチーズを評価した:低脂肪半硬質チーズ(乾燥物質中5%脂肪)および高脂肪半硬質チーズ(乾燥物質中60%脂肪)。製品をスライスし、表面に細菌のスラリーを噴霧した。チーズをその後APET/PEで作られた市販の包装容器と、OPA/PEからなる蓋とで包装した。修正した雰囲気は30〜33%のCOおよび最大0.5%のOを含み、充填ガスとしてNを使用した。サンプリング時まで製品を5℃において暗所で保存した。
【0042】
製品を、低脂肪チーズに関しては9、11、13および15週間後に、高脂肪チーズに関しては15、17、19および21日週間後に評価した。以下の評価を実施した:ガス含有量(OおよびCO)および官能的評価。さらにpH、ペプチドマッピングおよび揮発性芳香族化合物を、低脂肪チーズに関しては13および15週間後、および高脂肪チーズに関しては19および21週間後に評価した。
【0043】
結果を表1に記載した。明確にするために、低脂肪チーズに関しては13および15週間後の結果、および高脂肪チーズに関しては19および21週間後の結果のみを記載した。一連の試験全てをこれらの時点で実施した。
【0044】
【表1】

【0045】
pHについての微生物脱酸素剤の効果は、低脂肪チーズまたは高脂肪チーズのどちらにも見られなかった。脱酸素剤は、高脂肪チーズの成熟にわずかな効果を有すると思われる。ジアセチルおよびアセトインのレベルの増加が(表1においてジアセチルにより例示した)、チーズに見られた。これらの化合物は乳製品の香味に好ましい効果を有する。単純な官能的評価により、微生物脱酸素剤の好ましい効果が明らかになった。
【0046】
(実施例2)
目的は、残留酸素レベルの違いによる微生物脱酸素剤の効果を評価することであった。
【0047】
微生物脱酸素剤ラクトコッカス・ラクティスをChr. Hansenより入手した(F−DVS DN−224)。乳糖およびプロテアーゼペプトンを含む以下の成長培地を製造した:
3% 乳糖:
1.0g ペプトン
8.5g NaCl
30g 乳糖
1000mL 脱塩水
【0048】
成長培地をオートクレーブにかけ、20℃まで冷まし、10gのF−DVS DN−224を加えた。これにより、47×10cfu/mLの細菌濃度を得た。ペプトン溶液のみを含む参照を、比較として使用した。
【0049】
3%の乳糖/ペプトン水またはペプトン水40mlを、微生物脱酸素剤と共に/これを伴わずにAPET/PEからなる受け皿とOPA/PEからなる蓋との中に配置した。以下の残留酸素濃度:0.3%、1%および21%(大気)を対象として、3種の包装ガスの組合せを適用した。COは、酸素減少ガスに関してはおよそ25%、大気に関してはおよそ0%で一定であった。Nを充填ガスとして使用した。
【0050】
包装容器は、9℃および20℃において0、7、12および20日間保存した。サンプリング時に、ガス含有量(OおよびCO)ならびにラクトコッカス・ラクティスの成長(M17寒天)を測定した。乳糖含有量およびpHを実験開始時と終了時とに測定した。実験を通して、同じ包装容器について連続測定を実施した。結果は、三重の測定値を平均し、これに基づいた。酸素測定値の結果を図2および3に記載した。
【0051】
微生物脱酸素剤は、微生物脱酸素剤を用いない対照と比較して酸素レベルが減少した。この効果は9℃および20℃の両方において見られた。
【0052】
(実施例3)
微生物脱酸素剤と、チェダーチーズとについての製品試験を実施した。
【0053】
目的は、残留酸素レベルの違いによる、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camemberti)を接種した場合、または接種しなかった場合の、微生物脱酸素剤の効果を評価することであった。
【0054】
微生物脱酸素剤ラクトコッカス・ラクティスを、Chr. Hansenより入手した(F−DVS DN−224)。乳糖およびプロテアーゼペプトンを含む以下の成長培地を製造した:
3% 乳糖:
10gペプトン
8.5g NaCl
30g 乳糖
1000mL 脱塩水
【0055】
成長培地をオートクレーブにかけ、20℃まで冷まし、0.5gのF−DVS DN−224を加えた。これにより、27×10cfu/mLの細菌濃度を得た。乳糖/ペプトン溶液のみを含む参照を、比較として使用した。
【0056】
ペニシリウム・カマンベルティ株をKvibille社の乳製品に配置し、DYES (ジクロラン、イーストエクストラクト、ショ糖) 寒天で成長させた。胞子を滅菌水に再懸濁し、10胞子/mLの溶液を得た。ペニシリウム・カマンベルティ溶液は12×10胞子/mLの濃度であった。
【0057】
3%の乳糖/ペプトン水40mlを、微生物脱酸素剤と共に/を伴わずにAPET/PEからなる受け皿とOPA/PEからなる蓋との中に配置した。約100gの重さのチェダーチーズの塊を、パラフィンに浸して、乾燥させた。チェダーチーズを受け皿に置き、試料の半量にペニシリウム・カマンベルティの懸濁液、10μlを接種した。
【0058】
以下の残留酸素濃度:残留酸素濃度が0.3%、1%および21%(大気)を対象として、3種の包装ガスの組合せを適用した。COは、酸素減少ガスに関してはおよそ25%、大気に関してはおよそ0%で一定であった。Nを充填ガスとして使用した。
【0059】
包装容器を、9℃および20℃において0、5、10および20日間保存した。
【0060】
サンプリング時に、ガス含有量(OおよびCO)ならびにラクトコッカス・ラクティスの成長(M17寒天)を測定した。乳糖含有量およびpHを、実験開始時と終了時に測定した。実験を通して、同じ包装容器について連続測定を実施した。結果は、二重の測定値を平均し、これに基づいた。
【0061】
微生物脱酸素剤のみを含む試料、即ちペニシリウム・カマンベルティを接種しない試料において、残留酸素濃度に関して脱酸素剤の存在による明らかな効果が見られた。微生物脱酸素剤と、ペニシリウム・カマンベルティの両方が存在する試料と比較した場合、カビは明らかに酸素の存在を利用し、微生物脱酸素剤のみを含む試料と比較すると、微生物脱酸素剤と、ペニシリウム・カマンベルティの両方を含む製品において、酸素レベルが有意に減少したことは明白であった。
【0062】
(実施例4)
実験の目的は、光に曝すことによる品質変化に関する微生物脱酸素剤の効果を評価することである。
【0063】
残留酸素レベルの違い(0〜5%の間)について試験する。チーズを市販の包装材料に包装し、微生物脱酸素剤をチーズ表面に噴霧し、その後チーズを修正した雰囲気内で包装し、チルド温度で暗所または光に曝して(小売店での曝露条件に似せて)保存する。終了時に、ガス含有量(OおよびCO)を評価し、関連する物理化学的、微生物的および官能的評価を実施する。
【0064】
(実施例5)
実験の目的は、微生物脱酸素剤系の最適化をすることである。
【0065】
以下のパラメーターを評価する:
成長基質の違い(牛乳、ペプトン水、牛乳加水分解物および水)
成長温度の違い(5℃、9℃および20℃)
微生物脱酸素材料の最適濃度(接種パーセンテージ)
適用方法。
【0066】
(実施例6)
実験の目的は、その後包装機械のスピードを速めることのできる、微生物脱酸素剤の濃度と、残留酸素含有量との最適な組合せと評価することである。実験は、噴霧技術および酸素濃度の違いの評価(例えば、O濃度0.1、0.3、1および5%)を含む。最終的に、異なる乳製品についての拡大実験を行う。他の食品もまた、この評価に含む。
【0067】
(実施例7)
5%低脂肪スライスチーズをプラスチックの受け皿に配置し、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスDN224の乳糖/ペプトン溶液をチーズに噴霧する。
【0068】
プラスチックの受け皿に以下の組成を有するガスを用いて包装した:0.4%Oおよび43.5%CO
【0069】
包装したチーズのヘッドスペースのOおよびCOの濃度を、包装した後と、実験後に測定する。
【0070】
以下の材料を使用する:
Nr. Viumの受け皿(GL440, 400 mu APET/4O mu PE)および蓋(15 mu OPA/40 mu PE)。
Nr. Vium 乳業の5%低脂肪スライスチーズ
包装に使用したガスの組成:二酸化炭素43.5%および酸素0.4%
乳糖/ペプトン溶液は以下を含む:
NaCl 8.5g
ペプトン 1.0g
乳糖 30.0g
水 1リットル
121℃で45分間オートクレーブにかけた。
【0071】
以下の量のラクトコッカス・ラクティスDN−224をチーズに接種した:
乳糖/ペプトン溶液1リットル当たり、10gの凍結したラクトコッカス・ラクティス培養液を加える。プラスチックの受け皿に包装したチーズそれぞれに、乳糖/ペプトン1mlを、噴霧することによって加える。
【0072】
プラスチックの受け皿をMultivac社のMultivac T200を使用して包装(密閉)する。
【0073】
包装したチーズを20℃および9℃においてインキュベートする。
【0074】
以下の包装チーズ製品を用意する:
1. チーズ、ラクトコッカス・ラクティスおよび乳糖/ペプトン溶液を9皿
2. チーズおよび乳糖/ペプトン溶液を9皿
3. チーズおよび滅菌水を9皿
4. ラクトコッカス・ラクティスおよび乳糖/ペプトン溶液を9皿
5. 乳糖/ペプトン溶液を9皿。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1a】微生物脱酸素剤を、食品の包装材料に組み込む略図である。
【図1b】食品に対向する包装材料の表面に噴霧した微生物脱酸素剤の略図である。
【図1c】本発明に従った微生物脱酸素剤の代替の適用を示す図である。
【図2】9℃において0〜20日間保存した試料の測定酸素含有量を示す図である。白い点のある点線は、微生物脱酸素剤を用いなかった試料である。黒い点のある実線は、微生物脱酸素剤を用いた試料である。3重の測定を行った。連続測定を、実験を通して同じ包装容器について実施した。
【図3】20℃において0〜20日間保存した試料の測定酸素含有量を示す図である。白い点のある点線は、微生物脱酸素剤を用いなかった試料である。黒い点のある実線は、微生物脱酸素剤を用いた試料である。3重の測定を行った。連続測定を、実験を通して同じ包装容器について実施した。
【符号の説明】
【0076】
10 生鮮食品
20 包装容器
22 成形上部
22’ 層状材料
23、24、25 層
26 周囲枠
27 底部
28 ホイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物脱酸素剤と共に包装材料で包装された食品。
【請求項2】
包装容器中の任意のガスが、酸素1%未満、酸素0.05%未満または酸素0.01%未満などの、大気と比較して減少した、または同等の酸素含有量を有する、請求項1に記載の食品。
【請求項3】
前記微生物脱酸素剤が細菌である、請求項1から2のいずれか一項に記載の食品。
【請求項4】
前記微生物脱酸素剤が、ラクトコッカス属(Lactococcus spp.)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus spp.)、ロイコノストック属(Leuconostoc spp.)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium spp.)、プロピオン酸菌属(Propionibacterium spp.)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium spp.)および酵母属の酸素吸着株から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の食品。
【請求項5】
前記微生物脱酸素剤がラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)である、請求項1から4のいずれか一項に記載の食品。
【請求項6】
前記ラクトコッカス・ラクティスが酸素を消費し、乳酸を産生しない、請求項5に記載の食品。
【請求項7】
前記微生物脱酸素剤が多量の有機酸および二酸化炭素を産生しない、請求項1から6のいずれか一項に記載の食品。
【請求項8】
前記微生物脱酸素剤が、表現型Ldhを有する株、例えばDSM 11037として寄託されたラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスDN−224(Lactococcus lactis subsp. lactis DN−224)である、請求項1から7のいずれか一項に記載の食品。
【請求項9】
前記微生物脱酸素剤が、表現型Pflを有する株、例えばDSM 11036として寄託されたラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスN−223(Lactococcus lactis subsp. lactis DN−223)である、請求項8に記載の食品。
【請求項10】
前記微生物脱酸素剤が、NADHオキシダーゼ過剰発現株、例えばラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)株である、請求項1から8のいずれか一項に記載の食品。
【請求項11】
前記微生物脱酸素剤が、少なくとも1種のポルフィリン化合物の存在下で培養された乳酸菌である、請求項1から10のいずれか一項に記載の食品。
【請求項12】
前記微生物脱酸素剤が、ラクトコッカス・ラクティス亜種ジアセチラクティス(Lactococcus lactis subsp. Diacetylactis)である、請求項1から11のいずれか一項に記載の食品。
【請求項13】
前記包装材料が食品の周囲を包む、請求項1から12のいずれか一項に記載の食品。
【請求項14】
前記包装容器が、前記包装材料と食品との間のスペースを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の食品。
【請求項15】
前記ヘッドスペースが容積10mLから200mLであり、食品の重量が100gから1000gであり、食品に適用する微生物脱酸素剤の量が10から10CFUである、請求項14に記載の食品。
【請求項16】
前記微生物脱酸素剤が、食品の表面に適用される、請求項1から15のいずれか一項に記載の食品。
【請求項17】
前記微生物脱酸素剤が食品に組み込まれる、請求項1から16のいずれか一項に記載の食品。
【請求項18】
前記包装材料が食品の表面に直接施されたコーティング、例えばダッチプラスチックコーティング(Dutch plastic coating)、パラフィンワックスまたは他の脂質ベースのコーティングであり、前記微生物脱酸素剤が食品と前記コーティングの間にある、または前記微生物脱酸素剤が前記コーティングに組み込まれている、請求項1から10のいずれか一項に記載の食品。
【請求項19】
前記微生物脱酸素剤が、前記スペース内に配置された、小袋、ラベル、カプセルまたは凍結乾燥粉末ペレットとして適用される、請求項14に記載の食品。
【請求項20】
前記微生物脱酸素剤が、食品に対向する前記包装材料の表面に配置される、請求項1から19のいずれか一項に記載の食品。
【請求項21】
固形食品である、請求項1から20のいずれか一項に記載の食品。
【請求項22】
乳製品である、請求項1から21のいずれか一項に記載の食品。
【請求項23】
チーズのような発酵食品である、請求項22に記載の食品。
【請求項24】
スライスした肉製品、真空調理製品を含むインスタント食品およびベーカリー製品からなる群より選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の食品。
【請求項25】
変更した雰囲気下で包装された、請求項1から24のいずれか一項に記載の食品。
【請求項26】
大気中で包装された、請求項1から25のいずれか一項に記載の食品。
【請求項27】
前記包装容器内の食品量が、100gから700g、または200gから500gなど100gから1000gの範囲であり、製造時に食品に加えられる微生物脱酸素剤の量が10から1010CFUである、請求項1から26のいずれか一項に記載の食品。
【請求項28】
食品を包装材料で、好ましくは従来の様式で空気が包装容器に進入することを防ぐまたは最小化するように構成されたバリヤーが画定された材料で、微生物脱酸素剤と共に包装することによる前記食品の保存方法。
【請求項29】
前記微生物脱酸素剤が、前記食品の表面に適用される、または前記包装材料に組み込まれる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記微生物脱酸素剤が、10CFU/cmから10CFU/cmまたは10CFU/cmから10CFU/cmのように10CFU/cmから10CFU/cmまでの量で適用される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記微生物脱酸素剤が、前記微生物脱酸素剤を含むスラリーを、前記食品または前記包装材料に噴霧することにより適用し、前記スラリーは1種または複数種の微生物脱酸素剤用の栄養、例えば炭素源および/または窒素源を場合により含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記微生物脱酸素剤が、前記食品と前記包装材料との間のスペースに配置された、小袋、ラベル、カプセルまたは凍結乾燥粉末ペレットとして適用される、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
微生物脱酸素剤と、水蒸気に曝された状態で酸素を同化するために微生物脱酸素剤が必要とする物質とを含む、小袋、ラベル、カプセルまたは凍結乾燥粉末ペレット。
【請求項34】
包装材料と、微生物脱酸素剤とを含む、食品用包装容器。
【請求項35】
前記微生物脱酸素剤が、噴霧操作によるなどして包装容器の食品保存コンパートメントに対向して用いられた前記包装材料の表面に適用された、請求項34に記載の包装容器。
【請求項36】
前記包装材料が、1層がバリヤーを画定し、別の層が前記微生物脱酸素剤を含む、少なくとも2層を含む、請求項34から35のいずれかに記載の包装容器。
【請求項37】
前記包装材料が、ガス透過性層を含み、前記層が、前記バリヤーと前記ガス透過性層の間に配置された前記微生物脱酸素剤を含む、請求項34から36のいずれかに記載の包装容器。
【請求項38】
前記包装材料が射出成型または深絞り加工などによって成形される、請求項34から37のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項39】
前記包装材料が柔軟性である、請求項34から38のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項40】
前記ガス非透過性層がガラスまたは金属である、請求項37に記載の包装容器。
【請求項41】
前記微生物脱酸素剤が、ラクトコッカス属(Lactococcus spp.)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus spp.)、ロイコノストック属(Leuconostoc spp.)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium spp.)、プロピオン酸菌属(Propionibacterium spp.)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium spp.)および酵母属の酸素吸着株から選択される、請求項34から40のいずれか一項に記載の包装容器または包装材料。
【請求項42】
前記微生物脱酸素剤がラクトコッカス・ラクティスである、請求項34から41のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項43】
前記ラクトコッカス・ラクティスが酸素を消費し、乳酸を産生しない、請求項34から42のいずれかに記載の包装容器。
【請求項44】
前記微生物脱酸素剤が多量の有機酸および二酸化炭素を産生しない、請求項34から43のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項45】
前記微生物脱酸素剤が、表現型Ldhを有する株、例えばDSM 11037として寄託されるラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスDN−224(Lactococcus lactis subsp. lactis DN−224)である、請求項34から44のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項46】
前記微生物脱酸素剤が、表現型Pflを有する株、例えばDSM 11036として寄託されるラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスDN−223(Lactococcus lactis subsp. lactis DN−223)である、請求項45に記載の包装材料。
【請求項47】
前記微生物脱酸素剤が、NADHオキシダーゼ過剰発現株、例えばラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス (Lactococcus lactis subsp. lactis) 株である、請求項34から46のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項48】
前記微生物脱酸素剤が、少なくとも1種のポルフィリン化合物の存在下で培養された乳酸菌である、請求項34から47のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項49】
前記微生物脱酸素剤が、ラクトコッカス・ラクティス亜種ジアセチラクティス(Lactococcus lactis subsp. Diacetylactis)である、請求項34から44のいずれか一項に記載の包装材料。

【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図1a】
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【公表番号】特表2009−516507(P2009−516507A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540455(P2008−540455)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000648
【国際公開番号】WO2007/057026
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(501295969)アルラ・フーズ・エイ・エム・ビィ・エイ (11)
【出願人】(508151127)
【Fターム(参考)】