説明

微量PCB混入廃絶縁油の無害化処理方法

【課題】微量PCB混入廃絶縁油のみを対象としていることに着目し、燃焼室でのPCBの分解を主目的とせず、PCBを液体中に含まれている状態から排ガスに移行させるとともに、PCB分解触媒の活性化温度まで昇温させることを主目的として、低濃度PCBの絶縁油を内燃機関内で焼却処理し、その際に排出する低濃度PCBの排ガスをPCB分解触媒の充填されている触媒反応塔に導入することによって、低濃度PCBを分解する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】低濃度PCBの絶縁油2を内燃機関1内に噴射して焼却処理した後に、内燃機関1から排出された高温の排ガスをPCB分解触媒が充填された触媒反応塔5に導入することにより、上記排ガス中に含まれる低濃度PCBを上記PCB分解触媒により分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低濃度PCBの絶縁油を焼却処理することにより、低濃度PCBを分解することのできる微量PCB混入廃絶縁油の無害化処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、水に溶けにくく、沸点が高いなどの物理的な性質を有する油状の物質である。また、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定した性質を有する物質であることから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されてきた。しかし、昭和43年のカネミ油症事件の発生により、その毒性が社会問題となり、昭和47年以降その製造および新規使用が禁止され、すでに製造されたPCBについては、その使用が終了した時点で保管するように義務づけられた。
【0003】
また、既に製造され保管されているPCBを処理するために、国や民間によってPCB処理施設の設置の動きが幾度かあったが、施設の設置に関し住民の理解を得ることができなかったため、長期にわたりほとんど処理が行われず、結果として保管が続いている状況にある。
【0004】
ところで、PCBには、高濃度PCBと低濃度PCBとがある。高濃度PCBは、高圧トランスなどの絶縁油などに、PCBが10%以上の割合で含有されているものが多い。そのため環境汚染の影響も大きく、近年では法律が施行されたことにより、適切処理が進んできている。
【0005】
一方、低濃度PCBは、昭和47年以降に製造され、PCBを使用していないとされた電気機器などの絶縁油に、数十ppm程度の割合でPCBが含有されたもので、平成14年7月に判明した。この微量PCB混入廃絶縁油の処理は、主に民間において進められてきている。しかし、この微量PCB混入廃絶縁油に関しては、高濃度PCBの処理が優先したこともあり、適切処理が十分に行われずに、長期にわたり放置されたり、不法に投棄されたりと、環境汚染の問題が深刻になってきている。
【0006】
そこで、民間において進められている微量PCB混入廃絶縁油の処分には、近年色々な処理方法が提案されてきている。
例えば、下記特許文献においては、PCBを含有する絶縁油を内燃機関の燃料として焼却処理する方法が提案されている。
【0007】
この従来の方法は、PCB廃油と軽油や灯油などの燃料油および水を規定の割合で混合してなる燃料にてディーゼルエンジンを稼働させ、同時にPCB廃油を焼却することを特徴とするものである。この方法では、上記PCB廃油が高濃度PCBも対象としているため、他のものを混合して極力薄めることによって、PCBを分解しやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−295635号公報
【発明の概要】
【0009】
ところが、従来のディーゼルエンジンを用いたPCBの処理方法は、PCB廃油を薄める手段として、PCB廃油と燃料油の他に水を混合させているため、この水を気化・昇温させるための大きな熱エネルギーが必要になってしまう。この結果、大型の燃焼室が必要となり、排気量の大きなディーゼルエンジンでしか処理することができないため、既存のディーゼルエンジンの中でも、限られたものしか利用することができないという問題がある。
【0010】
また、PCB廃油と燃料油の他に水を混合させているため、燃焼効率が下がり安定したエンジン回転を得ることが出来ない。この結果、安定した電力を必要とする発電機などでは利用することが難しいとともに、ディーゼルエンジンの破損や故障の原因になってしまうという問題もある。
【0011】
一方、低濃度PCBの廃油の処理として、PCB分解触媒を用いる方法も提案されている。一般的に分解触媒は、高温でないと分解しないため、低濃度PCBの廃液または廃油などをPCB分解触媒の活性温度まで昇温する必要がある。このため、上記廃液または廃油をPCB分解触媒の活性温度まで昇温するための装置を別途設ける必要があり、設備の大型化やコストが掛かってしまうという問題もある。
【0012】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、微量PCB混入廃絶縁油のみを対象としていることに着目し、燃焼室でのPCBの分解を主目的とせず、PCBを液体中に含まれている状態から排ガスに移行させるとともに、PCB分解触媒の活性化温度まで昇温させることを主目的として、低濃度PCBの絶縁油を内燃機関内で焼却処理し、その際に排出する低濃度PCBの排ガスをPCB分解触媒の充填されている触媒反応塔に導入することによって、低濃度PCBを分解する方法を提供することを課題とするのもである。このとき通常燃料を、微量PCB混入廃絶縁油に加えても、あるいは加えなくてもよい。なお、低濃度PCB中に含まれるPCBの濃度は、1000ppm未満とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、低濃度PCBの絶縁油を内燃機関内に噴射して焼却処理した後に、上記内燃機関から排出された高温の排ガスをPCB分解触媒が充填された触媒反応塔に導入することにより、上記排ガス中に含まれる低濃度PCBを上記PCB分解触媒により分解することを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の微量PCB混入廃絶縁油の無害化処理方法において、上記PCB分解触媒は、粒状またはブロック状の触媒により形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
そして、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の微量PCB混入廃絶縁油の無害化処理方法において、上記触媒反応塔の排気側に、上記排ガスを冷却する冷却塔が設けられているとともに、当該冷却塔の排気側に、冷却された上記排ガス中に含まれる低濃度PCBを活性炭吸着層により吸着する吸着除去部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜3のいずれかに記載の本発明によれば、低濃度PCBの絶縁油を内燃機関内に噴射して焼却処理するため、上記内燃機関で使用される通常燃料を無くすか、あるいはその量を減らすことができる。この結果、燃料コストを抑えることができるとともに、上記低濃度PCBの絶縁油に含まれるPCBを蒸発させ、排ガス中に移行させることができる。さらに、上記燃焼室内において、高カロリーの上記低濃度PCBの絶縁油を燃焼させるため、安定したエンジン回転を得ることができる。この結果、コストを掛けずに微量PCB混入廃絶縁油を焼却処理することができるとともに、発電機などに使用される既存の内燃機関でも効率良く利用することができる。
【0017】
また、上記内燃機関から排出された低濃度PCBの上記排ガスは、一般的に用いられているPCB分解触媒の活性温度まで昇温されているため、上記触媒反応塔に直接導入することができる。これにより、上記PCB分解触媒により分解される上記排ガスを、上記PCB分解触媒の活性温度まで昇温させるための燃焼装置や燃料を別途設ける必要がない。この結果、設備を小型化することができるとともに、処理コストを抑えることができる。
【0018】
そして、上記内燃機関の排出側に、上記排ガスに含まれる低濃度PCBを分解するPCB分解触媒を充填した触媒反応塔を設けたため、従来のように大型で高排出量の内燃機関を使用して微量PCB混入廃絶縁油を分解処理する必要がなく、さらに、微量PCB混入廃絶縁油を薄めて分解効率を上げるための水を加えずに焼却処理を行うことができる。これにより、小型で低排出量の内燃機関でも対応することができるとともに、上記燃焼室内に水を混合させることにより起こる様々なトラブルを防止することができる。このため、メンテナンスの頻度を軽減させるとともに、メンテナンスに掛かるコストを低減させることができ、微量PCB混入廃絶縁油の焼却処理を簡便におこなうことができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、上記PCB分解触媒を粒状またはブロック状の触媒により形成するため、上記排ガスの通過流速または接触時間の設定に応じ、これに見合う触媒の形状を選択することができる。この結果、細かな設定にも対応することができ、効率良く低濃度PCBを分解処理することができる。
【0020】
請求項3に記載の本発明によれば、上記触媒反応塔の排気側に、上記排ガスを冷却する冷却塔が設けられているとともに、当該冷却塔の排気側に、冷却された上記排ガス中に含まれる低濃度PCBを活性炭吸着層により吸着する吸着除去部が設けられているため、上記PCB分解触媒の活性温度に昇温した上記排ガスであっても、上記冷却塔により冷却することにより、上記活性炭吸着層に導入される上記排ガスに微量に含有するPCBを確実に吸着することができる。この結果、上記内燃機関より排出されたPCBを含有する上記排ガスは、上記触媒反応塔を通過することによりPCBが分解され、さらに、上記活性炭吸着層を通過することによって、クリーンな排ガスとなり外気へと放出することができ、環境汚染を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の無害化方法の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の無害化方法の他の実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1に基づいて本発明の微量PCB混入廃絶縁油の無害化方法の実施形態を説明する。図1は、本実施形態の微量PCB混入廃絶縁油の無害化方法の概略構成を示している。
【0023】
本実施形態による微量PCB混入廃絶縁油の無害化装置は、図1に示すように、低濃度PCBの絶縁油2を燃焼させるディーゼルエンジン(内燃機関)1を備えているとともに、このディーゼルエンジン1の動力を電力に変換する発電機4が備えられている。また、ディーゼルエンジン1から排出される排ガスを導入する触媒反応塔5を備えている。
【0024】
また、触媒反応塔5には、低濃度PCBを分解するPCB分解触媒が充填され、触媒充填層が形成されている。このPCB分解触媒は、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)などの酸化物および白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの白金族元素によりなり、シリンダやリングの粒状またはガスの流路をハニカム状に形成したブロックにより形成され、150〜400℃で活性化する。
【0025】
そして、触媒反応塔5の排出側には、無害化した排ガスを排出するための排出部12が設けられている。この排出部12は、触媒反応塔5から排出される排ガスを熱交換により冷却するための冷却塔6と、この冷却塔6から排出される排ガスに含有する不純物質を除去するための吸着除去部13と、上記排ガスを触媒反応塔5より煙突11に誘引するための誘引ファン10とにより構成されている。また、吸着除去部13は、脱硫設備7とフィルタ8および活性炭吸着層9とにより構成されている。この活性炭吸着層には、固定床や移動層式が用いられている。
【0026】
以上の構成による本実施形態を用いて、微量PCB混入廃絶縁油を無害化するには、まず低濃度PCBの絶縁油2を燃料タンクに供給する。この際、必要に応じて通常燃料3を加え、混合燃料として燃料タンクに供給してもよい。次いで、ディーゼルエンジン1をスターターモータにより始動させるとともに、低濃度PCBの絶縁油油2またはこの低濃度PCBの絶縁油2に通常燃料3を加えた上記混合燃料を噴射ノズルより、ディーゼルエンジン1の燃焼室内に噴射する。
【0027】
そして、高圧縮された上記燃焼室内で低濃度PCBの絶縁油2または上記混合燃料が燃焼することによって、低濃度PCBの絶縁油2または上記混合燃料に含まれる低濃度PCBの絶縁油2が焼却されるとともに、PCBが蒸発し排ガスとして排出される。このときディーゼルエンジン1は、上記燃焼室内の低濃度PCBの絶縁油2または上記混合燃料の燃焼により、安定した駆動力が得られ、発電機4が発電する。そして、ディーゼルエンジン1の上記燃焼室から排出した排ガスをPCB分解触媒が充填されている触媒反応塔5に導入し、PCB分解触媒層を通過させる。このとき、上記排ガスはディーゼルエンジン1内で熱せられた高温(150〜400℃)の状態のまま触媒反応塔5に導入される。したがって、上記排ガスはPCB分解触媒の活性温度に昇温されているため、上記排ガス中に含まれる低濃度PCBがPCB分解触媒によって分解する。
【0028】
さらに、ディーゼルエンジン1内で低濃度PCBの絶縁油2または上記混合燃料が燃焼することにより、上記排ガスに含まれる窒素酸化物は、触媒反応塔5内の上記PCB分解触媒を通過させることにより分解処理される。
【0029】
そして、触媒反応塔5内のPCB分解触媒により分解処理が行われた上記排ガスは、誘引ファン10により、煙突11へと誘引される。この際に、高温で加熱された上記排ガスは、一端冷却塔6に導入され熱交換により200℃以下に冷却される。そして、この冷却された上記排ガスは、脱硫設備7に導入され、消石灰の吹込みにより、硫黄分や二酸化硫黄分などが吸着除去される。その後、フィルタ8を通過して、塵芥分や粒状分などの不純物質が濾過される。さらに、活性炭吸着層9に導入され、硫黄酸化物や窒素酸化物などが吸着除去される。そして、不純物が除去された上記排ガスは、煙突11より外気へと排出される。
【0030】
また、触媒反応塔5内のPCB分解触媒により分解処理が行われた上記排ガスは、微量PCB混入廃絶縁油に含まれる硫黄の割合が、0.2%程度と低いため、煙突11の煙突高を規定の高さにすることによって、吸着除去部13を設けなくても、誘引ファン10により、煙突11より外気へと排出することができる。
【0031】
上述の実施形態による微量PCB混入廃絶縁油の無害化方法によれば、低濃度PCBの絶縁油2を内燃機関1内に噴射して焼却処理するため、ディーゼルエンジン1で使用される通常燃料3を無くすか、あるいはその量を減らすことができる。この結果、燃料コストを抑えることができるとともに、低濃度PCBの絶縁油2に含まれるPCBを蒸発させ、排ガス中に移行させることができる。さらに、上記燃焼室内において、高カロリーの上記低濃度PCBの絶縁油2を燃焼させるため、安定したエンジン回転を得ることができる。この結果、コストを掛けずに微量PCB混入廃絶縁油を焼却処理することができるとともに、発電機4などに使用される既存の内燃機関でも効率良く利用することができる。
【0032】
また、ディーゼルエンジン1から排出された低濃度PCBの上記排ガスは、一般的に用いられるPCB分解触媒の活性温度まで昇温されているため、触媒反応塔5に直接導入することができる。これにより、上記PCB分解触媒により分解される上記排ガスを、上記PCB分解触媒の活性温度まで昇温させるための燃焼装置や燃料を別途設ける必要がない。この結果、設備を小型化することができるとともに、処理コストを抑えることができる。
【0033】
そして、ディーゼルエンジン1の排出側に、上記排ガスに含まれる低濃度のPCBを分解する上記PCB分解触媒を充填した触媒反応塔5を設けたため、従来のように大型で高排出量の内燃機関1を使用して微量PCB混入廃絶縁油2を分解処理する必要がなく、さらに、微量PCB混入廃絶縁油2を薄めて分解効率を上げるための水を加えずに焼却処理を行うことができる。これにより、小型で低排出量の内燃機関1でも対応することができるとともに、上記燃焼室内にPCB廃油と燃料油の他に水を混合させることにより起こる様々なトラブルを防止することができる。したがって、メンテナンスの頻度を軽減させるとともに、メンテナンスに掛かるコストを低減させることができ、微量PCB混入廃絶縁油の焼却処理を簡便におこなうことができる。
【0034】
さらに、上記PCB分解触媒を粒状またはブロック状の触媒により形成するため、上記排ガスの通過流速または接触時間の設定に応じ、これに見合う触媒の形状を選択することができる。この結果、細かな設定にも対応することができ、効率良く低濃度PCBを分解処理することができる。
【0035】
また、触媒反応塔5の排気側に、上記排ガスを冷却する冷却塔6が設けられているとともに、冷却塔6の排気側に、冷却された上記排ガス中に含まれる低濃度PCBを活性炭吸着層9により吸着する吸着除去部13が設けられているため、上記PCB分解触媒の活性温度に昇温した上記排ガスであっても、冷却塔6により冷却することにより、活性炭吸着層9に導入される上記排ガスに微量に含有するPCBを確実に吸着することができる。これにより、ディーゼルエンジン1より排出されたPCBを含有する上記排ガスは、触媒反応塔5を通過することによりPCBが分解され、さらに、活性炭吸着層9を通過することによって、クリーンな排ガスとなり外気へと放出することができ、環境汚染を防ぐことができる。
【0036】
そして、触媒反応塔5に設けられた無害化した排ガスを排出するための排出部12内に、不純物質を除去するための脱硫設備7とフィルタ8および活性炭吸着層9からなる吸着除去部13を設けたため、上記排ガスに含まれる塵芥分や粒状分などの不純物質を濾過し、また硫黄分や二酸化硫黄分、さらに硫黄酸化物や窒素酸化物などを吸着除去することができる。これにより、無害化処理に利用されるディーゼルエンジン1からは、クリーンな排ガスが排出されるため、環境に配慮した無害化処理を行うことができる。
【0037】
なお、上記実施の形態において、低濃度PCBの絶縁油2を焼却処理する内燃機関に、ディーゼルエンジン1を用いた場合についてのみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、ガスタービンなど種々の内燃機関を用いても対応可能である。
また、図2に示す他の実施形態において、吸着除去部13内の活性炭吸着層9の活性炭を活性炭再生装置14に導入することによって、不純物が付着した活性炭から不純物を除去して再生させ、再び活性炭吸着層に戻す活性炭再生部15を設けることも可能である。この際に、活性炭再生装置内で除去した不純物に微量PCB混入廃絶縁油2が含有されている場合には、この不純物を再度ディーゼルエンジン1に投入することにより、上述したように無害化処理することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
低濃度PCBの絶縁油を内燃機関内に燃料として投入する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
2 低濃度PCBの絶縁油(微量PCB混入廃絶縁油)
3 通常燃料
4 発電機
5 触媒反応塔
6 冷却塔
7 脱硫設備
8 フィルタ
9 活性炭素吸着層
10 誘引ファン
11 煙突
12 排出部
13 吸着除去部
14 脱着再生設備
15 脱着再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低濃度PCBの絶縁油を内燃機関内に噴射して焼却処理した後に、上記内燃機関から排出された高温の排ガスをPCB分解触媒が充填された触媒反応塔に導入することにより、上記排ガス中に含まれる低濃度PCBを上記PCB分解触媒により分解することを特徴とする微量PCB混入廃絶縁油の無害化処理方法。
【請求項2】
上記PCB分解触媒は、粒状またはブロック状の触媒により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の微量PCB混入廃絶縁油の無害化処理方法。
【請求項3】
上記触媒反応塔の排気側に、上記排ガスを冷却する冷却塔が設けられているとともに、当該冷却塔の排気側に、冷却された上記排ガス中に含まれる低濃度PCBを活性炭吸着層により吸着する吸着除去部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の微量PCB混入廃絶縁油の無害化処理方法

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−281216(P2010−281216A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132913(P2009−132913)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】