説明

心臓信号と神経信号を同時に表示するためのシステム

ディスプレイ画面又はプリンタなどの表示機器が、時間的に整列された心臓信号と神経信号を同時に表示する。心臓信号トレース又は心臓イベントマーカーの形態の少なくとも1つの心臓信号と神経信号トレース又は神経イベントマーカーの形態の少なくとも1つの神経信号が、同時に表示される。前記心臓信号は感知された心臓の電気的活動及び/又は心臓刺激パルス伝送を示す。前記神経信号は感知された神経の電気的活動及び/又は神経刺激パルス伝送を示す。一実施形態では、前記表示機器は、心臓信号及び/又は神経信号を感知し、かつ心臓刺激パルス及び/又は神経刺激パルスを伝送する埋め込み型システムと通信する外部システムの一部である。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(優先権の主張)
本願において2005年4月25日出願の米国特許出願シリアル番号第11/114246号に対し、優先権の利益を主張し、特許出願を本願に援用する。
【0002】
(関連出願の相互引用)
本願は、発明の譲受人に譲渡された、2005年4月25日出願の「SYSTEM TO PROVIDE NEURAL MARKERS FOR SENSED NEURAL ACTIVITY」と題する米国特許同時係属出願第11/113773号に関連し、出願を本願に援用する。
【技術分野】
【0003】
本願明細書は、一般には医療器具に関連し、具体的には、心臓信号と神経信号を同時に表示するユーザ・インタフェースを含んだ心臓刺激システムと神経刺激システムに関連する。
【背景技術】
【0004】
心臓はヒトの循環系の中心である。心臓の左側部分は、酸素を含んだ血液を肺から汲み出し、その血液を身体器官までポンピングして酸素の代謝必要量をそれら器官に供給する。心臓の右側部分は、酸素がなくなった血液を身体器官から汲み出し、その血液を肺までポンピングし、そこで血液が酸素化される。これらのポンプ機能は心筋(心臓の筋肉)の周期的収縮によって達成される。正常な心臓では、洞房結節が活動電位と呼ばれる電気的刺激を発生する。電気的刺激は電気伝導系を通って心臓の様々な領域に伝播し、これら領域の心筋組織を刺激する。正常な電気伝導系において、活動電位の伝搬の遅延が調節されて、心臓の種々の部分が同期的に収縮し、正常な血行力学的機能によって示される効果的なポンプ機能が得られる。電気伝導系が抑制されるか又は異常をきたすか、かつ/又は心筋組織が劣化すると、心臓と身体の残りの部分への血液供給の減少など、血行力学的機能が正常に機能しなくなる。
【0005】
血行力学的機能は自律神経系の諸部分の神経信号によって調節される。例えば、心筋は交感神経と副交感神経によって刺激される。人工的に加えられる電気刺激などのこれらの神経における活動が、心臓機能と血行力学的機能を調節する。副交感神経を電気的に直接刺激すれば、交感神経活動の低下や血管抵抗性の低減による血圧低下など、圧反射を活性化する。交感神経抑制と副交感神経活性化は、おそらくは急性虚血性心筋障害の側副灌流を増大させるとともに心筋障害を低減させることによって、心筋梗塞後の不整脈の脆弱性の低減に関与している。神経刺激を用いた交感神経系と副交感神経系の調節は、心筋梗塞後に更にリモデリングし、致命的な不整脈を生じ易くなることから心筋を保護するなどの好ましい臨床的有用性を有することがわかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
心臓機能と血行力学的機能における神経刺激治療の効果は、心臓機能と血行力学的機能を表す心臓信号によって示される。したがって、神経刺激治療を導入するためには、固有の神経活動や心臓信号における人工的神経刺激を含む神経イベントの効果を観察し、分析する手段を提供する必要性がある。また、不整脈や心不全などの種々の心臓疾患を処置し、心筋リモデリングを制御するために、ペーシング治療と除細動治療などの心臓に送られる電気刺激治療が開発され、適用されてきた。心臓刺激治療と神経刺激治療を組み合わせて適用する場合、心臓信号及び/又は神経信号における両治療の効果を観察し、分析する手段を提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ディスプレイ画面又はプリンタなどの表示機器が、時間的に整列された心臓信号と神経信号の同時的表示を提供する。心臓信号トレース又は心臓イベントマーカーの形態の少なくとも1つの心臓信号と神経信号トレース又は神経イベントマーカーの形態の少なくとも1つの神経信号が、同時に表示される。心臓信号は感知された心臓の電気的活動及び/又は心臓刺激パルス伝送を示す。神経信号は、感知された神経の電気的活動及び/又は神経刺激パルス伝送を示す。
【0008】
一実施態様では、1つ又は複数の埋め込み型医療機器と通信するシステムが、テレメトリ回路、外部制御回路、表示機器を含む。テレメトリ回路は、1つ又は複数の埋め込み型医療機器から心臓活動と神経活動を表すデータを受信する。外部制御回路は、受信したデータに基づいて視覚的に表示するために、1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を生成し、かつ時間的に整列させる表示コントローラを含む。その表示機器は、時間的に整列された1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を同時に表示する。
【0009】
一実施態様では、医療器具システムが、埋め込み型システムと外部システムを含む。埋め込み型システムは、心臓検出回路、心臓刺激回路、神経感知回路、神経刺激回路、埋め込み制御回路、埋め込みテレメトリ回路を含む。心臓検出回路は、心臓の電気的活動を示す少なくとも1つの心臓信号を感知する。心臓刺激回路は心臓刺激パルスを伝送する。神経感知回路は神経の電気的活動を示す少なくとも1つの神経信号を感知する。神経刺激回路は神経刺激パルスを伝送する。埋め込み制御回路は、心臓の電気的活動、伝送された心臓刺激パルス、神経の電気的活動、伝送された神経刺激パルスを表すデータを生成する。埋め込みテレメトリ回路はデータを送信する。外部システムはテレメトリを介して埋め込まれたシステムに通信可能に結合されており、外部テレメトリ回路、外部制御回路、表示機器を含む。外部テレメトリ回路は埋め込みテレメトリ回路から送信されたデータを受信する。外部制御回路は、1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を生成し、かつ時間的に整列させる表示コントローラを含む。1つ又は複数の心臓信号は、心臓の電気的活動及び伝送された心臓刺激パルスの少なくとも1つを表す。1つ又は複数の神経信号は、神経の電気的活動及び伝送された神経刺激パルスの少なくとも1つを表す。表示機器は、時間的に整列された1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を同時に表示する。
【0010】
一実施態様では、心臓活動と神経活動を表示する方法が提供される。心臓活動と神経活動を表すデータは、1つ又は複数の埋め込み型医療機器から受信される。受信データに基づいて表示するために、心臓信号と神経信号が生成される。心臓信号と神経信号は時間的に整列させられる。時間的に整列させられた心臓信号と神経信号が表示される。
【0011】
この要約は本出願の教示のいくつかの概要であって、本発明の主題の排他的又は包括的な処置であることを意図するものではない。本発明の主題の更なる詳細は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲に見られる。当業者であれば、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部を成す図面を見れば、本発明の他の態様が明らかとなろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその法的同等物によって定められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図面中、図面は必ずしも原寸大ではなく、同様の参照符号はいくつかの図面を通して類似の構成要素を表す。添付図面は、例示として、本明細書において考察される種々の実施形態を概ね示す。
【0013】
以下の詳細な説明では、その一部を成し、説明のために示した本発明を実施する具体的な実施形態である、添付図面に言及する。これらの実施形態は当業者が本発明を実施することができるように十分に詳細に記載されており、実施形態は組み合わされてよいか、又は他の実施形態が用いられてよく、かつ本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、構造的、論理的及び電気的な変更がなされてもよいことを理解されたい。以下の詳細な説明は例を提供するものであって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びそれらの法的同等物によって定められる。
【0014】
本開示における「ある」、「1つの」又は「多くの」実施形態に言及することは、必ずしも同じ実施形態に対してではなく、そういった言及は2つ以上の実施形態を考慮していることに留意されたい。
【0015】
本明細書は、心臓信号と神経信号を同時に表示するためのディスプレイ画面又はプリンタなどの表示機器を備える心臓刺激システムと神経刺激システムを考察する。心臓信号と神経信号は、それらが感知されるときの時間によって時間的に整列させられる。表示機器は、少なくとも1つの心臓信号トレース又は心臓イベントマーカー及び少なくとも1つの神経信号トレース又は神経イベントマーカーを表示する。心臓信号は、感知された心臓の電気的イベントと、ペーシング・パルス又は除細動パルスなどの心臓電気刺激パルスの伝送を示す。神経信号は、感知された神経の電気的イベントと神経電気刺激パルスの伝送を示す。時間的に整列した心臓信号と神経信号を同時に表示することは、神経の電気的活動と心調律における神経刺激の効果などの心臓イベントと神経イベントとの間の関係の分析を観察することを可能にする。
【0016】
図1は心臓刺激システムと神経刺激システム100とシステム100が使用されるある環境の諸部分の実施形態の図である。システム100は埋め込み型システム110、外部システム120、テレメトリ・リンク115を含む。
【0017】
埋め込み型システム110は1つ又は複数の埋め込み型医療機器を含む。埋め込み型システム110は患者身体101に埋め込まれた後、心臓信号と神経信号を感知し、心臓及び/又は心臓機能と血行力学的機能を調節する1つ又は複数の神経へ電気刺激パルスを伝送する。埋め込み型システム110は、心臓活動と神経活動を表すデータを生成し、データを外部システム120に送信する。心臓活動を表すデータには、エレクトログラムなどの1つ又は複数の感知された心臓信号を含み、及び/又は検出された脱分極や心臓刺激パルス伝送などの、検出された心臓イベントを表す心臓イベントマーカーを含む。神経活動を表すデータには、1つ又は複数の感知された神経信号を含み、及び/又は検出された神経イベントと神経刺激パルス伝送を表す神経イベントマーカーを含む。
【0018】
外部システム120は、埋め込み型システム110から送信されたデータを受信して処理し、埋め込み型システム110の動作を制御する。図示の実施形態では、外部システム120が外部テレメトリ回路122、外部制御回路124、表示機器126を含む。テレメトリ回路122は、心臓活動と神経活動を表すデータを埋め込み型システム110から受信する。外部制御回路124はテレメトリ回路122が受信したデータを処理し、かつ表示コントローラ128を含む。表示コントローラ128は、視覚的表示のために、選択された種類の心臓信号と神経信号を生成し、時間的に整列させる。視覚的表示のためのそういった信号には、1つ又は複数の種類の信号トレースと1つ又は複数の種類のイベントマーカーを含む。表示機器126は、時間的に整列された選択された種類の心臓信号と神経信号を同時に表示する。一実施形態では、外部制御回路124は、心臓活動と神経活動を表すデータに基づいて、生理学的パラメータ又は信号を更に生成する。そのような生理学的パラメータ又は信号は、心臓及び/又は神経刺激に対する心臓及び/又は血行力学的反応を示す。表示機器126は、時間的に整列された選択された種類の心臓信号や神経信号と一緒に、1つ又は複数の選択された種類の生理学的パラメータ又は信号を同時に更に表示する。
【0019】
テレメトリ・リンク115は、埋め込み型システム110と外部システム120との間の通信を行う。一実施形態では、テレメトリ・リンク115は誘導的テレメトリ・リンクである。代替の実施形態では、テレメトリ・リンク115は遠距離高周波テレメトリ・リンクである。この通信には埋め込み型システム110から外部システム120へのデータ送信を含み、例えば、心臓活動と神経活動を表すデータをリアルタイムで送信すること、埋め込み型システム110に格納された心臓活動と神経活動を表すデータを引き出すこと、埋め込み型システム110の動作状態(例えば、電池状態及びリード・インピーダンス)を示すデータを引き出すことを含む。この通信には外部システム120から埋め込み型システム110へのデータ送信も含み、例えば、心臓活動と神経活動を表すデータを生成するように埋め込み型システム110をプログラムすること、(例えば、機器動作状態のための)少なくとも1つの自己診断テストを実行するように埋め込み型システム110をプログラムすること、心臓刺激治療と神経刺激治療の少なくとも1つを伝送するように埋め込み型システム110をプログラムすることを含む。
【0020】
図2は埋め込み型システム210の回路の一実施形態を示すブロック図であり、埋め込み型システム110の具体的な実施形態である。種々の実施形態では、この回路は、図17、18を参照して以下で更に詳細に考察されるように、単一の埋め込み型機器に含まれるか、又は2つ以上の埋め込み型機器内に分散させられる。埋め込み型システム210は、1つ又は複数の心臓リード線230、心臓検出回路232、心臓刺激回路234、1つ又は複数の神経リード線236、神経感知回路238、神経刺激回路240、埋め込み制御回路242、埋め込みテレメトリ回路244を含む。
【0021】
1つ以上の心臓リード線230は、心臓感知/刺激リード線であり、各々、心臓の電気的活動を示す1つ又は複数の心臓信号を感知するための及び/又は心臓刺激パルスを伝送するための、1つ又は複数の心内膜電極及び/又は心外膜電極を含んでいる。そういった心臓リード線の例にはペーシング電極と除細動リード線を含み、各々、エレクトログラムを感知するための少なくとも1つの電極を含む。種々の実施形態では、右心房(RA)、左心房(LA)、右心室(RV)及び/又は左心室(LV)の脱分極を表すエレクトログラムを感知するために、電極はこれらの室の中、近傍又は上に設置されるように構成される。心臓検出回路232は、1つ以上の心臓リード線230を介して1つ又は複数の心臓信号を感知する。心臓刺激回路234は、1つ以上の心臓リード線230を介して心臓刺激パルスを伝送する。
【0022】
1つ以上の神経リード線236は神経感知/刺激リード線であり、各々、神経の電気的活動を示す1つ又は複数の神経信号を感知するための及び/あるいは神経刺激パルスを伝送するための1つ又は複数の電極を含んでいる。神経リード線の例には、高濃度の圧受容器近傍の肺動脈内に設置される電極を有する伸張可能刺激リード線と、心臓脂肪パッドの1つの近傍に設置される電極を有する経血管リード線と、心臓脂肪パッド内に設置される電極を有する心外膜リード線と、大動脈神経、頸動脈神経又は迷走神経周囲に設置されるカフ電極を有するリード線と、大動脈神経、頸動脈神経又は迷走神経の近傍に設置されてその神経を血管横断的に刺激するための電極を有する、経血管的に送り込まれるリード線とを含む。神経感知回路238は、1つ以上の神経リード線236を介して1つ又は複数の神経信号を感知する。神経刺激回路240は1つ以上の神経リード線236を介して神経刺激パルスを伝送する。
【0023】
埋め込み制御回路242は、埋め込み型システム210の動作を制御し、心臓活動と神経活動を表すデータを生成する。それらのデータには1つ又は複数の感知された心臓信号、伝送された心臓刺激パルス、1つ又は複数の感知された神経信号、伝送された神経刺激パルスを含む。埋め込みテレメトリ回路244は、テレメトリ・リンク115を介してデータを外部システム120に送信する。一実施形態では、埋め込み制御回路242は、1つ又は複数の感知された心臓信号、伝送された心臓刺激パルス、1つ又は複数の感知された神経信号、伝送された神経刺激パルスを含む、心臓活動と神経活動をタイム・スタンプする。次いで、心臓活動と神経活動を表すこのデータは、逐次的に又は多重送信することによって、テレメトリ・リンクを介して送信される。外部システム120は、時間的に整列させられた心臓信号と神経信号を表示するために、タイム・スタンプを用いて心臓活動と神経活動の順序とタイミングを再構成する。一実施形態では、埋め込み制御回路242は、検出された心臓イベント、検出された神経イベント、伝送された心臓刺激パルス、伝送された神経刺激パルスから選択された所定の種類のイベントの各々をタイム・スタンプする。別の実施形態では、埋め込み制御回路242は、所定の種類のイベントの各々についての開始時間と終了時間をタイム・スタンプする。別の実施形態では、埋め込み制御回路242は、所定の種類のイベントの各々についての開始時間と持続時間をタイム・スタンプする。別の実施形態では、埋め込み制御回路242は、心臓活動と神経活動の全部に共通するタイミング基準を提供するために、周期的なタイミング間隔マーカーを生成する。
【0024】
図3はシステム100の信号処理回路346の一実施形態を示すブロック図である。信号処理回路346は表示機器126による視覚的表示のための信号を生成する。信号処理回路346は心臓マーカー生成器348、神経マーカー生成器350、生理学的パラメータ生成器352、記憶機器354、表示コントローラ356を含む。種々の実施形態では、信号処理回路346は図19を参照して以下で更に考察されるように、埋め込み制御回路242と外部制御回路124の一部として分散させられる。
【0025】
心臓マーカー生成器348は所定の種類の心臓イベントを示す心臓イベントマーカーを生成する。心臓イベントマーカーには、心臓刺激パルスの伝送を各々示す心臓刺激マーカーと、固有の心臓の電気的イベントを各々示す心臓感知マーカーとを含む。各心臓イベントマーカーは、特定の種類の心臓イベントに関連する独特のシンボルであり、その心臓イベントの発生又は検出の時間を示すために、心臓検出回路232によって提供されるタイミング情報を用いてタイム・スタンプされる。
【0026】
神経マーカー生成器350は所定の種類の神経イベントを示す神経イベントマーカーを生成する。神経イベントマーカーには、神経刺激パルスの伝送を各々示す神経刺激マーカーと、固有の神経の電気的イベントを各々示す神経感知マーカーとを含む。各神経イベントマーカーは特定の種類の神経イベントを示す独特のシンボルであり、その神経イベントの発生又は検出の時間を示すために、神経感知回路238によって提供されるタイミング情報を用いてタイム・スタンプされる。一実施形態では、神経刺激マーカーには神経刺激パルスの群発が伝送される神経刺激期間を各々表すマーカーを含む。
【0027】
生理学的パラメータ生成器352は、心臓活動と神経活動を表すデータから1つ又は複数の生理学的パラメータを導く。一実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は心拍数を動的に測定するための心拍数生成器を含む。更なる実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は、測定された心拍数を表す心拍数信号を生成し、心拍数の変化を経時的に示す。別の実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は、測定された心拍数に基づいてHRVパラメータを動的に算出するための心拍数変動(HRV)生成器を含む。更なる実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は算出されたHRVパラメータを表すためのHRV信号を生成し、HRVの変化を経時的に示す。別の実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は所定の種類の心拍数間隔を動的に測定するための心拍数間隔生成器を含む。このような心拍数間隔の例には、心周期長、房室間隔(AVI)、心室間間隔(IVI)を含む。更なる実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は測定された心拍数間隔を表すための心拍数間隔信号を生成し、心拍数間隔の変化を経時的に示す。別の実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は所定の種類の心臓イベントに関連する振幅を動的に測定するための振幅生成器を含む。更なる実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は所定の種類の心臓イベントの測定された振幅を表すための振幅信号を生成し、その振幅の変化を経時的に示す。別の実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は所定の種類の心臓イベントに関連する持続時間を動的に測定するための持続時間生成器を含む。このような心臓イベントの例にはP波、R波、T波を含む。更なる実施形態では、生理学的パラメータ生成器352は所定の種類の心臓イベントの測定された持続時間を表すための持続時間信号を生成し、その持続時間の変化を経時的に示す。
【0028】
記憶機器354は、感知された心臓信号と神経信号、心臓イベントマーカーと神経イベントマーカー、生理学的パラメータ、及び/又は信号の一部又は全部を表すデータを格納する。必要に応じて、記憶機器354は格納されたデータに基づいて診断又は処置の制御を可能にする。
【0029】
表示コントローラ356は表示機器126を制御する。表示コントローラ356は表示入力358、画像生成器360、アライメント・モジュール362を含む。表示入力358は感知された心臓信号と神経信号、心臓イベントマーカーと神経イベントマーカー、生理学的パラメータ、及び/又は信号の一部又は全部を受信する。一実施形態では、表示入力358は、心臓信号と神経信号をリアルタイムで表示するために、埋め込み制御回路242からデータを受信する。別の実施形態では、表示入力358は、格納された心臓信号と神経信号を表示してオフライン分析するために、記憶機器354からデータを受信する。画像生成器360は心臓信号と神経信号に関する視覚的画像を生成する。アライメント・モジュール362は、表示機器126によって同時に表示するためにそれらのタイミング情報(タイム・スタンプなど)に基づいて、心臓信号と神経信号の視覚的画像を時間的に整列させる。一実施形態では、画像生成器360は生理学的パラメータ又は信号に関する1つ又は複数の視覚的画像を更に生成し、アライメント・モジュール362は、表示機器126によって同時に表示するために、生理学的パラメータ又は信号の1つ以上の視覚的画像を心臓信号及び/又は神経信号の視覚的画像と更に時間的に整列させる。一実施形態では、表示コントローラ356はユーザ命令を受信し、ユーザ命令に従って表示内容を制御する。表示入力358はユーザの命令に従って、感知された心臓信号と神経信号、心臓イベントマーカーと神経イベントマーカー、生理学的なパラメータ又は信号を表すデータを選択的に受信する。画像生成器360はユーザ命令に従って、信号に関する画像を選択的に生成する。アライメント・モジュール362は、表示機器126によって同時に表示するために、選択的に生成された画像を時間的に整列させる。
【0030】
図4はシステム100のユーザ・インタフェース478の一実施形態示すブロック図である。ユーザ・インタフェース478は外部システム120の一部であり、ユーザ入力425及び表示機器426を含む。
【0031】
ユーザ入力425は、心臓信号と神経信号の視覚的表示の内容及びフォーマットを制御するユーザ命令を受信するための複数のユーザ入力機器を含む。そういったユーザ入力機器の例には、信号選択入力機器464、ズーム入力機器466、時間範囲入力機器468、タイミング測定入力機器470、フォーマット入力機器472を含む。信号選択入力機器464は表示の内容を制御するユーザ命令を受信する。医師又はその他の介護者などのユーザは、表示機器126によって同時に表示するために、少なくとも1つの種類の心臓信号と少なくとも1つの種類の神経信号を選択することが可能である。一実施形態では、ユーザは、心臓信号と神経信号とを一緒に同時に表示するために、少なくとも1つの種類の生理学的パラメータ又は信号を選択することが更に可能である。同時的表示のために選択可能な信号の例には、心臓感知回路232によって感知された1つ又は複数の心臓信号、神経感知回路238によって感知された1つ又は複数の神経信号、心臓マーカー生成器348によって生成された心臓イベントマーカー、神経マーカー生成器350によって生成された神経イベントマーカー、生理学的パラメータ生成器352によって生成された生理学的パラメータと信号を含む。
【0032】
ズーム入力機器466、時間範囲入力機器468、タイミング測定入力機器470、フォーマット入力機器472は、視覚的表示のフォーマットを制御するユーザ命令を受信する。ズーム入力機器466は、心臓信号と神経信号の表示サイズを制御するズーム・パラメータのユーザ選択を受信する。時間範囲入力機器468は、心臓信号と神経信号に関連する時間範囲のユーザ選択を受信する。一実施形態では、時間範囲入力機器468は、時間範囲を適宜前後に動かすユーザ命令を更に受信する。タイミング測定入力機器470は、心臓信号と神経信号における任意の2地点間の時間間隔のユーザ制御可能な測定を可能にする。一実施形態では、タイミング測定入力機器470は、心臓信号と神経信号と共に視覚的に表示された2つのキャリパーの各々の位置を制御するためのキャリパー・コントローラを含む。キャリパーは、心臓信号と神経信号における任意の2地点間の時間間隔を測定するためにユーザが位置決めする。別の実施形態では、タイミング測定入力機器470は、視覚的に表示された固定されたタイム・スケールを心臓信号と神経信号に隣接する目盛りマーカー及びタイミング・ラベルを用いて設定することを可能にする。別の実施形態では、タイミング測定入力で機器470は、タイム・スタンプの表示を可能にする。ある具体的な実施形態では、タイム・スタンプは、絶対時間又は所定の時間基準地点に関連する時間を示す。別の具体的な実施形態では、タイム・スタンプは、所定の種類のイベントに関連する時間を示す。フォーマット入力機器472は、表示されるべき信号の各種類についての視覚的外観のユーザ選択を受信する。このような視覚的外観の例には、色、グレー・スケール、トレース(曲線)の種類、マーカー(シンボル)の種類を含む。
【0033】
表示機器426は表示機器126の具体的な実施形態であり、時間的に整列された心臓信号と神経信号を同時に示す。一実施形態では、表示機器426は、時間的に整列された心臓信号や神経信号と一緒に1つ又は複数の生理学的パラメータ又は信号を更に同時に表示する。一実施形態では、表示機器426はディスプレイ画面474を含み、これは心臓信号と神経信号及び/又は生理学的パラメータ又は信号を表示するためのディスプレイ領域又はディスプレイ・ウィンドウを含む。別の実施形態では、表示機器426はプリンタ476を更に含む。具体的な一実施形態では、プリンタ476は、ユーザ命令を受信すると同時にディスプレイ画面474に表示中の信号を帯状記録紙に印刷することを開始し、別のユーザ命令を受信すると同時に印刷を停止する。
【0034】
図5は心臓信号と神経信号を同時に表示する方法の一実施形態を示すフロー・チャートである。一実施形態では、方法はシステム100を用いて実行される。
【0035】
心臓活動と神経活動を表すデータは、500において1つ又は複数の埋め込み型医療機器から受信される。一実施形態では、データは心臓活動と神経活動の発生時間を示すタイミング情報を含む。一実施形態では、データは1つ又は複数の埋め込み型医療機器によって感知された1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を表す。別の実施形態では、データは心臓イベントを表す心臓イベントマーカー及び/又は神経イベントを表す神経イベントマーカーも表す。
【0036】
心臓信号と神経信号が、受信データに基づいて510において視覚的表示のために生成される。一実施形態では、1つ又は複数のユーザ命令が受信され、心臓信号と神経信号が、視覚的表示のための信号の種類及び/又はフォーマットを指定するユーザ命令に従って生成される。一実施形態では、指定された時間間隔に関連する心臓信号と神経信号を表すデータのサブセットが、その期間を指定するユーザ命令に従って選択される。
【0037】
心臓信号と神経信号が520において時間的に整列させられる。一実施形態では、心臓信号と神経信号は、500において受信されたタイミング情報を用いて時間的に整列させられる。次いで、この時間的に整列された心臓信号と神経信号は530において表示される。一実施形態では、時間的に整列された心臓信号と神経信号は、リアルタイムで表示される。別の実施形態では、時間的に整列された心臓信号と神経信号が格納され、表示要求を受信すると同時に表示される。表示された1つ以上の心臓信号は、少なくとも1つの心臓信号トレースと心臓イベントマーカーを含む。表示された1つ以上の神経信号は、少なくとも1つの神経信号トレースと神経イベントマーカーを含む。神経イベントマーカーは、神経刺激パルスのバーストが伝送される時間間隔を各々含む神経刺激期間を示すマーカーを含む。一実施形態では、心臓イベントマーカー、少なくとも1つの神経信号トレース、神経刺激期間を示す神経イベントマーカーが、同時に表示される。別の実施形態では、少なくとも1つの心臓信号トレースと神経刺激期間を示す神経イベントマーカーが、同時に表示される。一実施形態では、1つ又は複数の生理学的パラメータが、1つ又は複数の埋め込み型医療機器から受信されたデータを用いて測定され、心臓信号及び/又は神経信号と一緒に同時に表示される。
【0038】
図6〜10は、本発明の主題の信号表示の種々の例を示す。これらの例は説明のためのものであって、限定するために示されているものではない。本発明の主題によれば、心臓信号と神経信号は共に時間的に整列させられ、同時に表示される。利用可能である場合及び望ましい場合、1つ又は複数の生理学的パラメータ又は信号は、心臓信号と神経信号とが一緒に同時に表示される。表示される1つ以上の心臓信号の例には少なくとも1つの心臓信号トレースと心臓イベントマーカーを含む。心臓信号トレースは感知された心臓信号の視覚的表示である。心臓イベントマーカー、すなわち心臓マーカーは各々、感知された心臓信号から検出された心臓イベント又は心臓刺激パルスの伝送を表示する。表示される1つ以上の神経信号の例には、少なくとも1つの神経信号トレースと神経イベントマーカーを含む。神経信号トレースは、感知された神経信号の視覚的表示である。神経イベントマーカー、すなわち神経マーカーは各々、感知された神経信号から検出された神経イベント、あるいは神経刺激パルスの伝送又は神経刺激パルスのバーストが伝送される神経刺激期間を表示する。種々の実施形態では、心臓マーカーと神経マーカーは、イベント時間情報、すなわち、心臓マーカーと神経マーカーによって表示されるイベントの発生時間も含む。図6〜10では、同時に表示するための信号の種々の具体的な組み合わせを示す。本明細書を読んで理解すれば当業者には理解されるように、表示に使用可能な信号又は対象となる信号に応じて、他の具体的な組み合わせが可能である。種々の実施形態では、同時に表示するための信号の具体的な組み合わせは、ユーザが選択可能である。すなわち、医師又はその他の介護者は、具体的な診断要求及び/又は処置要求に従って、同時に表示されるべき信号の種類を選択することが可能である。図6から10に示すように、表示機器は、ディスプレイ画面又はディスプレイ画面の一部であるディスプレイ・ウィンドウに信号を表示する。種々の実施形態では、表示機器は紙に信号を印刷するためのプリンタを更に含む。
【0039】
図6A〜Eは各々、少なくとも1つの心臓信号トレースと神経イベントマーカーを同時に表示するディスプレイ画面の一部分の例示的実施形態の図である。図6Aでは、ディスプレイ・ウィンドウ600Aは心臓信号トレース602と神経イベントマーカー604を同時に表示している。心臓信号トレース602は、心臓脱分極603を示す感知された心臓信号を表す。図示のように、神経イベントマーカー604は神経刺激パルスのバーストが伝送される神経刺激期間を各々示す矩形のバーを含んでいる。図6Bでは、ディスプレイ・ウィンドウ600Bは、心臓信号トレース602と神経イベントマーカー606を同時に表示している。図示のように、神経イベントマーカー606は神経刺激パルスを各々表すシンボルを含む。図6Cでは、ディスプレイ・ウィンドウ600Cは心臓信号トレース602だけでなく神経イベントマーカー608、609を同時に表示している。神経イベントマーカー608は神経刺激パルスのバーストが伝送される神経刺激期間を各々示す柱である。神経イベントマーカー609は神経刺激パルスが伝送されない非刺激期間を各々示す柱である。一実施形態では、神経イベントマーカー608、609は実質的に区別可能な色で表示される。別の実施形態では、神経イベントマーカー608、609は実質的に区別可能なグレー・スケールで表示される。別の実施形態では、神経イベントマーカー608、609は実質的に区別可能な塗りつぶしパターンを用いて表示される。図6Bの神経イベントマーカー606と図6Cの神経イベントマーカー608、609は、図6Aの神経イベントマーカー604の例示的代替例を表す。これらの種類の神経イベントマーカーのいずれも、及び類似の視覚的効果を有する他のシンボルも、神経刺激期間を示すために使用可能である。図6Dでは、ディスプレイ・ウィンドウ600Dは心臓信号トレース602、心臓イベントマーカー610、神経イベントマーカー604を同時に表示している。図示のように、心臓イベントマーカー610は心臓脱分極603の1つを各々表す心臓感知マーカーを含む。心臓刺激が伝送されるとき、心臓イベントマーカー610は心臓刺激パルスの伝送を各々表す心臓刺激マーカーも含む。図6Eでは、ディスプレイ・ウィンドウ600Eは心臓信号トレース602、神経信号トレース612、神経イベントマーカー604を同時に表示している。神経信号トレース612は感知された神経信号を表す。
【0040】
図7A〜Cは各々、少なくとも1つの神経信号トレースと心臓イベントマーカーを同時に表示しているディスプレイ画面の一部分の例示的実施形態の図である。図7Aでは、ディスプレイ・ウィンドウ700Aは心臓イベントマーカー610と神経信号トレース612を同時に表示している。図7Bでは、ディスプレイ・ウィンドウ700Bは心臓イベントマーカー610、神経信号トレース612、神経イベントマーカー604を同時に表示している。図7Cでは、ディスプレイ・ウィンドウ700Cは、心房エレクトログラム(A−EGM)トレース701、心室エレクトログラム(V−EGM)トレース702、心臓イベントマーカー710、神経信号612、神経イベントマーカー604を同時に表示している。図示のように、心臓刺激と神経刺激の両方が印加される。A−EGMトレース701は心房脱分極(P波)を示す感知された心房エレクトログラムを表す。V−EGMトレース702は、心室脱分極(R波)と心室ペーシング・パルスを示す感知された心室エレクトログラムを表す。心臓イベントマーカー710は、心房感知マーカー(As)、心室感知マーカー(Vs)、心室ペース・マーカー(Vp)などの、A−EGMトレース701とV−EGMトレース702の両方に関連する心臓イベントマーカーを含む。
【0041】
図8は少なくとも1つの心臓信号トレースと神経信号トレースを同時に表示しているディスプレイ画面の一部分の例示的実施形態の図である。ディスプレイ・ウィンドウ800は心臓信号トレース602と神経信号トレース612を同時に表示している。
【0042】
図9は少なくとも心臓イベントマーカーと神経イベントマーカーを表示しているディスプレイ画面の一部分の例示的実施形態の図である。ディスプレイ・ウィンドウ900は心臓イベントマーカー610と神経イベントマーカー604を同時に表示する。
【0043】
図10は心臓信号と神経信号に加えて生理学的パラメータを同時に表示しているディスプレイ画面の一部分の例示的実施形態の図である。図10では、ディスプレイ・ウィンドウ1000は心臓信号トレース1002、神経イベントマーカー1004、生理学的パラメータ・トレース1014を同時に表示している。心臓信号トレース1002は感知された心臓信号を表す。神経イベントマーカー1004は、神経刺激パルスのバーストが伝送される神経刺激期間を各々示す矩形のバーを含む。生理学的パラメータ・トレース1014は、心臓信号及び/又は神経信号から動的に導かれた生理学的パラメータを表す。図10に示すように、生理学的パラメータ・トレース1014は心臓信号トレース1002から動的に測定された心拍数を表し、神経刺激が心拍数に及ぼす影響を示す。
【0044】
種々の実施形態では、図6〜10に示した1つ以上の信号トレースとマーカーに加えて、ディスプレイ画面は、文字列、数字、ラベル及び/又は1つ以上の信号トレースやマーカーに関連する他のシンボルを更に表示する。種々の実施形態では、ディスプレイ画面は、タイム・スケール及び/又はタイミング測定入力機器470を用いてユーザによって制御可能なものなどの視覚的に表示された時間測定フィーチャといった、1つ以上の信号トレースとマーカーに関連するタイミング情報を更に表示する。
【0045】
心臓信号と神経信号の同時に表示することは、神経治療、心調律管理(CRM)治療、又は神経治療とCRM治療との組み合わせなどのガイド治療に用いられるツールを医師や他の介護人に提供する。種々の実施形態では、時間的に整列された心臓信号と神経信号によって、心臓の電気的活動における神経刺激治療の効果、神経の電気的活動における心臓刺激治療の効果、及び/又は心臓活動と神経活動との間の関係を監視することが可能である。その種々の実施形態を含むシステム100がどのように用いられるかを説明するために、神経信号やそれらの感知の例を以下で考察する。
【0046】
心臓、大血管、肺にある圧受容器と化学受容器は、求心性迷走神経線維と交感神経求心性線維を介して心臓活動を中枢神経系に伝える。神経の電気的活動を示す神経信号を感知するために、神経リード線が用いられる。種々の実施形態は動脈などの圧受容器野に設置されたリード線を使用し、種々の実施形態は心臓脂肪パッドなどの遠心性神経経路に設置されたリード線を使用し、また種々の実施形態は大動脈神経、頸動脈神経、迷走神経などの神経幹周囲に設置されたリード線を使用する。種々の実施形態によれば、標的となる神経連絡は圧受容器に相当するので、血圧を判定するのに有用である。種々の実施形態によれば、標的となる感知されるべき神経連絡は化学受容器に相当するので、血液ガス濃度を判定するのに有用である。
【0047】
圧受容器と化学受容器に関連する生理学を以下で簡単に考察する。神経リード線の電極(神経連絡センサとも呼ぶ)の設置、及びこれら電極を用いて感知された神経信号を理解するために、この簡単な考察は自律神経系、圧反射及び化学受容器を紹介する。
【0048】
自律神経系(ANS)は「不随意」器官を調節し、他方、随意(骨格)筋は体性運動神経によって制御される。不随意器官の例には呼吸器官と消化器官を含み、血管と心臓も含まれる。多くの場合、ANSは不随意に反射的に機能して、例えば、腺を調節し、皮膚,眼、胃、腸、膀胱の筋を調節し、心筋と血管周囲の筋を調節する。
【0049】
ANSには、限定するものではないが、交感神経系と副交感神経系を含む。交感神経系はストレスや緊急事態に対する「攻撃・逃避反応」に関与する。効果の中でも特に、「攻撃・逃避反応」は血圧と心拍数を上昇させて骨格筋血流量を増大させ、消化力を低減して「闘争又は逃避」のためにエネルギーを提供する。副交感神経系はリラクゼーションや「安静・消化反応」に関与し、効果の中でも特に安静・消化反応は血圧と心拍数を低下させ、消化を高めてエネルギーを保存する。ANSは正常な内部機能を維持し、体性神経系を用いて働く。
【0050】
本発明の主題の種々の実施形態は、神経刺激を与えて心拍数、血圧、血管拡張、血管収縮に影響を及ぼす。交感神経系を刺激すると、心拍数と心臓の力が増大され、交感神経系を抑制すると(副交感神経系を刺激すると)低減される。種々の実施形態は、心拍数、血圧等の別の生理学的パラメータに代わる代替パラメータとして神経連絡を検出する。図11A、11Bは末梢血管制御のための神経機構を示す。図11Aは求心性神経から血管運動中枢を概ね示す。求心性神経は神経の中枢に向かってインパルスを運ぶ。血管運動中枢は、血管を拡張・収縮して血管の大きさを制御する神経に関連する。図11Bは血管運動中枢から遠心性神経を概ね示す。遠心性神経は神経の中枢から離れる方にインパルスを運ぶ。
【0051】
交感神経と副交感神経系を刺激することは、心拍数と血圧以外の効果を有する。例えば、交感神経系を刺激すれば、瞳孔が拡張し、唾液や粘液分泌が低減し、気管支筋が弛緩し、胃の不随意収縮(蠕動)の連続的な波や胃の運動性が低減し、グリコーゲンからグルコースへの肝による転換が増大し、腎による尿の分泌が低減し、膀胱壁が収縮し、膀胱の括約筋が弛緩する。副交感神経系を刺激する及び/又は交感神経系を抑止すれば、瞳孔は収縮し、唾液や粘液分泌は増大し、気管支筋は収縮し、胃や大腸における分泌と運動性が増大し、小腸における消化が高まり、尿の分泌が増大し、膀胱の壁が収縮し、膀胱の括約筋が弛緩する。交感神経と副交感神経系に関連する機能は数多くあり、互いに複雑に統合される。したがって、血管拡張などの所望の反応を得るために交感神経及び/又は副交感神経系を無差別に刺激すれば、ある生理系においては、その他の生理系において望ましくない反応が生じることもある。また、生理学的パラメータの代替パラメータとして用いられる神経連絡の感知は、多数の生理学的パラメータに依存する。本発明の主題の種々の実施形態は、正確に位置決めされた神経刺激を用いて生理系を乱し、この刺激に対する神経連絡の反応を監視する。
【0052】
圧受容領域又は圧受容場は、血圧の変化などの圧力変動を感知することができる。圧受容領域は本明細書では圧受容器と呼ばれ、圧力変動のセンサを一般に含む。例えば、圧受容器は求心性神経を含み、内部からの血圧の上昇により生じる壁の伸展に反応し易く、かつその圧力を低減し易い中枢性反射機構の受容体として機能する圧受容器野を提供する知覚神経終末を更に含む。圧反射は負のフィードバック系として機能し、圧受容器の刺激によって引き起こされる反射機序に関連する。圧力が上昇すれば血管が伸展され、これは次に血管壁内の圧受容器を活性化する。圧受容器の活性化は動脈壁の内圧と伸展によって自然に発生し、これが副交感神経系を刺激して、交感神経活動(SNA)の圧反射抑制と全身動脈圧の低減を生じさせる。圧受容器活性が上昇すれば、SNAの低減が誘起され、これは末梢血管抵抗を低減することによって血圧を低下させる。中枢を媒介した反射経路は、心拍数、心収縮性、心臓の興奮性を調節する。心臓、大血管、肺の圧受容器と化学受容器は、迷走神経線維と求心性線維を介して心臓活動を反映する神経信号を中枢神経系に伝達する。したがって、神経連絡に基づいて全身動脈圧などの生理学的パラメータが決定される。こういった圧力情報は、例えば、有用なフィードバック情報を、神経治療などのガイド治療又はCRTなどのCRM治療に提供する。
【0053】
圧反射は圧受容器の刺激により引き起こされる反射作用である。圧受容器は、内部からの圧力の上昇により生じる壁の伸展に反応し易く、かつその圧力を低減し易い中枢性反射機構の受容体として機能する、心耳の壁、大静脈、大動脈弓、頸動脈洞内の知覚神経終末などの圧力変化のセンサを含む。圧反射を誘起するために求心性神経を電気的に刺激してもよく、これが交感神経活動を抑制し、副交感神経活動を刺激する。知覚神経終末から延びる迷走神経、大動脈神経、頸動脈神経などの求心性神経幹は、圧反射経路の一部も形成する。圧反射経路及び/又は圧受容器を刺激すれば、交感神経活動が抑制され、副交感神経系が刺激され、末梢血管抵抗を減少させ、心収縮性を低減させることによって全身動脈圧が低減される。圧受容器は内圧と血管壁(例えば動脈壁)の伸展によって自然に刺激される。
【0054】
本発明の主題のいくつかの態様は、求心性神経幹及び/又は遠心性神経幹ではなく、又はこれに加えて、血管壁内の特定の神経終末を局所的に感知する。例えば、いくつかの実施形態は、肺動脈内の圧受容器部位又は野を感知する。本発明の主題のいくつかの実施形態は、大動脈内の圧受容器部位又は神経終末、すなわち心臓の室を感知することを含む。本発明の主題のいくつかの実施形態は心臓の脂肪パッドなどの遠心路を感知することを含み、本発明の主題のいくつかの実施形態は、迷走神経、頸動脈神経、大動脈神経などの求心性神経幹を刺激することを含む。種々の実施形態は、神経終末を感知すること、遠心性神経路を感知すること、求心性神経路を感知することの組み合わせを含む。いくつかの実施形態はカフ電極を用いて神経幹を感知し、いくつかの実施形態は神経近傍の血管内に位置決めされた血管内リード線を用いて神経幹を感知する。求心性神経幹の例には、迷走神経、大動脈神経、頸動脈神経を含む。遠心性神経幹の例には、迷走神経から延びる心臓枝を含む。これらの心臓枝などの遠心性神経又は心臓脂肪パッドの神経を刺激すれば、神経インパルスがエフェクタに伝達されるので、遠心性神経の神経活動とともに求心性神経の神経活動に反応する中枢神経系の圧反射の負のフィードバックを使用しない。いくつかの実施形態は上記で特定した神経刺激部位の神経連絡を感知する。
【0055】
図12A〜12Cは心臓を示す。図12に示すように、心臓1201は上大静脈1202、大動脈弓1203、肺動脈1204を含み、図13〜15の図との文脈上の関係を提供するのに有用である。以下でより詳細に考察するように、肺動脈1204は圧受容器を含む。心臓ペースメーカー用リード線に類似するリード線は、末梢静脈と三尖弁を介して心臓の右心室(図面には明示せず)経血管的に挿入することが可能であり、右心室から肺動脈弁を介して肺動脈まで延びる。肺動脈の一部と大動脈は互いに近接している。種々の実施形態は、肺動脈内に経血管的に位置決めされたリード線を用いて、大動脈の圧受容器によって神経活動を感知する。いくつかの実施形態は大動脈の圧受容器も刺激する。本発明の主題の態様は、圧受容器刺激器を用いてあるいは用いずに神経連絡センサを経血管的に肺動脈に埋め込むために、比較的非侵襲的な外科的技法を提供する。
【0056】
図12B〜12Cは心臓の右側と左側をそれぞれ示しており、心臓脂肪パッドを更に示している。図12Bは右心房1267、右心室1268、洞房結節1269、上大静脈1202、下大静脈1270、大動脈1271、右肺静脈1272、右肺動脈1273を示す。図12Bは上大静脈と大動脈との間に心臓脂肪パッド1274も示す。例えば、実施形態によっては、脂肪パッドにねじ込まれたか又は挿入された電極を用いて、心臓脂肪パッド1274の自律神経節が刺激されかつ/又は神経連絡が感知され、実施形態によっては、右肺動脈又は上肺静脈などの血管内の脂肪パッド近傍に位置決めされ、経静脈的に送り込まれたリード線を用いて、心臓脂肪パッド1274の自律神経節が刺激されかつ/又は神経連絡が感知される。図12Cは左心房1275、左心室1276、右心房1267、右心室1268、上大静脈1202、下大静脈1270、大動脈1271、右肺静脈1272、左肺静脈1277、右肺動脈1273、冠静脈洞1278を示す。図12Cは右心静脈近傍に位置する心臓脂肪パッド1279と下大静脈及び左心房近傍に位置する心臓脂肪パッド1280も示す。例えば、実施形態によっては、脂肪パッド1279にねじ込まれたか又は挿入された電極を用いて、脂肪パッド1279の自律神経節が刺激されかつ/又は神経連絡が感知され、実施形態によっては、右肺動脈1273又は右肺静脈1272などの血管内の脂肪パッド近傍に位置決めされた、経静脈的に送り込まれたリード線を用いて、脂肪パッド1279の自律神経節が刺激されかつ/又は神経連絡が感知される。例えば、実施形態によっては、脂肪パッドにねじ込まれたか又は挿入された電極を用いて、脂肪パッド1280の自律神経節が刺激され、かつ/又は神経連絡が感知され、実施形態によっては、下大静脈1270又は冠静脈洞などの血管内の脂肪パッド1280近傍に位置決めされた、経静脈的に送り込まれたリード線、あるいは左心房1275内のリード線を用いて、脂肪パッド1280の自律神経節が刺激されかつ/又は神経連絡が感知される。
【0057】
図13は頸動脈洞1305、大動脈弓1303、肺動脈1304の領域内の圧受容器を示す。大動脈弓1303と肺動脈1304は、図12Aで心臓に関して先に述べている。図13に示すように、迷走神経1306が延びており、大動脈弓1303、頸動脈洞1305、共通の頸動脈1310において圧受容器として機能する知覚神経終末1307となる。舌咽神経1308は、頸動脈洞1305において圧受容器として機能する神経終末1309となる。これらの神経終末1307、1309は例えば、内側からの圧力の上昇により生じる壁の伸展に反応し易い。これらの神経終末を活性化すると、圧力は低減される。図示していないが、心臓の脂肪パッドだけでなく心房室と心室も圧受容器を含む。圧反射を刺激するために圧受容器から血管運動中枢まで延びているカフが、迷走神経などの求心性神経幹周囲に設けられている。本発明の主題の種々の実施形態によれば、カフ又は求心性神経近傍の血管内に位置決めされた経静脈的に送り込まれたリード線を用いて、求心性神経幹を刺激することができかつ/又は求心性神経幹からの神経連絡を感知することができる。
【0058】
図14は肺動脈1404の内やその周囲にある圧受容器を示す。上大静脈1402と大動脈弓1403も示されている。図示のように、肺動脈1404は、全体的に暗い領域で示された多数の圧受容器1411を含む。更に、近接して配置された圧受容器の群は、動脈管索1412が付着している近傍に位置している。図14は、心臓の右心室1413と右心室1413を肺動脈1404から分離する肺動脈弁1414も示す。本発明の主題の種々の実施形態によれば、リード線は、末梢静脈に挿入され、三尖弁を介して右心室内にねじ込まれ、右心室1413から肺動脈弁1414を介して肺動脈1404内に挿入されて、圧受容器を刺激し、かつ/又は肺動脈の内及び/又は周囲の圧受容器からの神経連絡を感知する。種々の実施形態では、例えば、リード線は、圧受容器の群を刺激するように及び/又は動脈管索1412近傍の神経連絡を感知するように位置決めされる。
【0059】
図15は動脈管索と肺動脈1504幹の近傍にある、大動脈弓1503内の圧受容器野1512を示す。いくつかの実施形態は、図12B〜12Cに示すように、圧受容器部位を刺激するようにかつ/又は大動脈及び/又は脂肪パッド内の神経連絡を感知するように、肺動脈内にリード線を位置決めする。
【0060】
図16は生理系を乱した後の神経反応の一例を示す。この図では、圧力は生理系の指標として機能する。生理系は第1の低圧状態1615と第2の高圧状態1616で示される。1617、1618で示した神経活動は、この2つの状態間で変化する。この変化は、神経系が第1の状態から第2の状態に迅速に適合する場合には、実質的により一過性になるか、又は、神経系が状態の変化に迅速に適合しない場合には、より持続性になる。これとは無関係に、感知された神経連絡信号を分析すれば、反応を示す信号の特徴を引き出すことができるか、あるいは決定することができる。図示の例では、波形1617は、第1の状態から第2の状態までの統合された交感神経活動の変動(例えば、傾斜の変化と波形の期間)に関連している。また、波形1618は、第1の状態から第2の状態まで交感神経活動の平均変動(例えば、第1のレベルの神経活動から第2のレベルの神経活動)に関連している。統合された交感神経活動と交感神経活動の平均波形は例示である。神経連絡信号の変化を感知する他の方法を用いてよい。
【0061】
本発明の主題の種々の実施形態は化学受容器に対応する神経連絡を感知する。頸動脈小体と大動脈体は、ある濃度の心血管化学受容器を提供する。頸動脈小体は共通の頸動脈の分岐の深いところに位置するか、また幾分2つの枝の間に位置する。頸動脈小体は直径2乃至5mmの小さく平坦な楕円構造体であり、洞様毛細血管と密接に関連する類上皮細胞と豊富な神経線維とから構成された特徴的な構造を有する。脆弱な繊維膜が頸動脈小体を囲繞している。それは身体の内臓求心性の系の一部であり、血液中の低濃度の酸素又は高濃度の二酸化炭素、あるいは低pHの血液に反応する化学受容器終末を含む。それは舌咽神経及び迷走神経の両方から神経線維によって供給される。
【0062】
大動脈体(大動脈糸球)は頸動脈小体に類似する化学受容器である。大動脈体からの求心性繊維は右迷走神経内を走り、下神経節に細胞体を有する。supracardial体(大動脈傍神経節)も化学受容器であり、それらの求心性繊維は下神経節の左迷走神経と細胞体にある。
【0063】
本発明の主題の種々の実施形態では、埋め込み型システムによって、心臓信号と神経信号が感知され、心臓治療と神経治療が伝送される。埋め込み型システムは、統合された神経刺激構成要素とCRM構成要素又は別個の埋め込み型神経刺激機器とCRM機器を有する埋め込み型機器を含む。埋め込み型システムを説明し、考察しているが、本発明の主題の種々の態様及び実施形態は外部機器に実装してよい。例えば、心臓イベントと神経イベントは、埋め込み型リード線、外部電極、経皮的リード線、又はこれらの組み合わせを用いて感知することが可能である。
【0064】
図17はシステム100の具体的な実施形態である心臓刺激システムと神経刺激システム1700を示す。システム1700は埋め込み型システム1710と外部システム1720を含む。埋め込み型システム1710は埋め込み型システム110の具体的な実施形態であり、埋め込み型医療機器(IMD)1780を含む。外部システム1720とIMD1780はテレメトリ・リンク115を介して通信する。一実施形態では、システム1700は時間的に整列された心臓信号と神経信号を同時に表示し、外部システム1720はその具体的な実施形態を含む表示機器126を備える。
【0065】
種々の実施形態では、IMD1780はCRM機器を神経感知及び/又は刺激機器と統合する。CRM機器は心臓の電気的活動を感知し、心臓刺激を伝送する。CRM機器の例には、ペースメーカー、心臓除細動器/除細動器、ペースメーカー−心臓除細動器/除細動器の組み合わせ、心臓再同期治療(CRT)機器と心臓リモデリング制御治療(RCT)機器を含む。種々の実施形態では、心臓刺激の必要性を示すため及び/又はペーシング・パルスの伝送タイミングを制御するために、神経活動が感知される。種々の実施形態では、神経刺激を心周期に同期させるためなど、神経刺激パルスの伝送タイミングを制御するために、心臓活動が感知される。
【0066】
種々の実施形態では、IMD1780はANS活動を感知するためのセンサを含む。具体的な一実施形態では、感知されたANS活動は、閉ループ制御システムにおいて神経連絡フィードバックを提供する。種々の実施形態では、呼吸や血圧などの代替パラメータが、ANS活動を示すために感知される。種々の実施形態では、IMD1780は神経刺激を圧受容器に伝送する。神経リード線は右心室を介して送り込まれ、肺動脈内まで更に送り込まれて、圧受容器野から神経刺激パルスを感知しかつ/又は神経刺激パルスを圧受容器野に伝送する。種々の実施形態では、神経リード線は図12A〜12C、13及び14に示したような圧受容器部位及び/又は圧反射経路にアクセスして、感知及び/又は刺激を行う。
【0067】
一実施形態では、埋め込み型システム1710は図2の埋め込み型システム210として示した回路を有する。IMD1780は統合されたCRMと神経刺激機器であり、とりわけ、心臓感知回路、心臓刺激回路、神経感知回路、神経刺激回路を含む。
【0068】
図18はシステム100の別の具体的な実施形態である心臓刺激システムと神経刺激システム1800を示す。システム1800は埋め込み型システム1810と外部システム1820を含む。埋め込み型システム1810は埋め込み型システム110の具体的な実施形態であり、埋め込み型神経刺激器(NS)機器1882と埋め込み型CRM機器1884を含む。外部システム1820と埋め込み型システム1810はテレメトリ・リンク115を介して通信する。一実施形態では、システム1800は、時間的に整列させられた心臓信号と神経信号を同時に表示し、外部システム1820はその具体的な実施形態を含んだ表示機器126を備える。
【0069】
埋め込み型システム1810は、埋め込み型システム1710に機能的に実質的に類似しているが、別個のCRM機器と神経刺激機器を含む。CRM機器1884の例には、ペースメーカー、心臓除細動器/除細動器、ペースメーカー−心臓除細動器/除細動器の組み合わせ、心臓再同期治療(CRT)機器、心臓リモデリング制御治療(RCT)機器を含む。NS機器1882は、IMD1780の神経感知機能と刺激機能を実行する。通信リンク1885は、埋め込み型システム1810が埋め込み型システム1710に実質的に類似する様式で機能するように、感知された神経活動及び/又は神経刺激活動を表すデータをNS機器1882からCRM機器1884に送信し、感知された心臓活動及び/又は心臓刺激活動を表すデータをCRM機器1884からNS機器1882に送信する。一実施形態では、通信リンク1885は、伝送媒体として高周波電磁波又は超音波を用いた無線テレメトリ・リンクを含む。別の実施形態では、通信リンク1885は、NS機器1882とCRM機器1884との間を電気的に接続する1つ又は複数のリード線又はケーブルを含む。一実施形態では、外部システム1820はテレメトリ・リンク115を介して、NS機器1882とCRM機器1884の両方と通信する。別の実施形態では、外部システム1820は、テレメトリ・リンク115を介してNS機器1882とCRM機器1884のうちの1つと通信し、更に通信リンク1885を介して他方と通信する。一実施形態では、各機器において感知された活動と刺激活動とを表すNS機器1882とCRM機器1884から送信されたデータは、同期的にタイム・スタンプされる。具体的な実施形態では、NS機器1882とCRM機器1884は、タイム・スタンプのために機器の各々において同期化されたクロックを使用することができるように、時間同期情報を交換する。別の実施形態では、外部システム1820はNS機器1882とCRM機器1884から送信されたデータを時間的に同期化する。具体的な実施形態では、外部システム1820は、NS機器1882とCRM機器1884からのデータの送信に関連する既知の及び/又は推定されたすべての相対的時間遅延を同時に表示させるために、1つ以上の信号トレース及び/又はマーカーを時間的に整列させる。
【0070】
一実施形態では、埋め込み型システム1810は図2の埋め込み型システム210の回路として示した回路を有する。回路はNS機器1882とCRM機器1884内に配置される。NS機器1882は、とりわけ、神経感知回路と神経刺激回路を含む。CRM機器1884は、とりわけ、心臓感知回路及び心臓刺激回路を含む。
【0071】
図19は心臓信号と神経信号を同時に表示する回路の一実施形態を示すブロック図である。回路は心臓刺激システムと神経刺激システム1900の一部であり、システム100の具体的な実施形態である。システム1900は心臓と神経を感知かつ刺激する埋め込み型システム1910と外部システム1920とを含む。
【0072】
埋め込み型システム1910は、埋め込み型システム210の具体的な一実施形態であり、リード線1933、感知回路1935、刺激回路1937、インプラント処理回路1942、埋め込みテレメトリ回路1944を含む。リード線1933は、限定するものではないが、本明細書で考察したリード線から選択されるリード線の種々の組み合わせを含む。感知回路1935は、リード線1933を介して心臓信号と神経信号を感知する。刺激回路1937は、リード線1933を介して心臓刺激パルス及び/又は神経刺激パルスを伝送する。埋め込み制御回路242の一部であるインプラント処理回路1942は、感知された心臓信号と神経信号を表すデータを生成し、かつ心臓刺激パルス及び/又は神経刺激パルスの伝送を表すデータを生成する。一実施形態では、インプラント処理回路1942は、心臓刺激パルスと神経刺激パルスの伝送と感知された活動との両方を含む心臓イベントと神経イベントを表すために、心臓イベントマーカーと神経イベントマーカーを生成する。埋め込みテレメトリ回路1944はデータを外部システム1920に送信する。
【0073】
外部システム1920は外部システム120の具体的な実施形態であり、外部テレメトリ回路1922、外部処理回路1924と表示機器1926を含む。外部テレメトリ回路1922は、埋め込み型システム1910からデータを受信する。表示コントローラ128を含んだ外部制御回路124の一部である外部処理回路1924は、受信データを処理して、表示機器1926によって同時に表示するために心臓信号と神経信号を生成し、時間的に整列させる。
【0074】
インプラント処理回路1942と外部処理回路1924は、感知された心臓信号と神経信号に基づいて表示を行うために心臓信号と神経信号を生成する信号処理回路1946を形成する。信号処理回路1946は、信号処理回路346が本発明の主題の一実施形態による埋め込み型システムと外部システムに配置されていることを示す。
【0075】
図20は外部システム2020の具体的な実施形態を示すブロック図であり、外部システム120、1720、1820又は1920の具体的な実施形態である。図20に示すように、外部システム2020は患者管理システムであり、外部機器2090、遠隔通信網2092、遠隔機器2094を含む。外部機器2090は埋め込み型システムの近傍に設けられており、テレメトリ・リンク115を介して埋め込み型システムと通信する外部テレメトリ・システム122を含む。遠隔機器2094は離れた場所にあり、ネットワーク2092を介して外部機器2090と通信し、これによって医師又は他の介護者が遠い場所から患者を監視及び処置することが可能となりかつ/又は遠い場所から種々の処置源にアクセスすることが可能となる。遠隔機器2094は表示機器126を含む。
【0076】
上記詳細な説明は例示のためのものであって、限定するものではないことを理解されたい。当業者であれば、上記説明を読んで理解すれば、他の実施形態が明らかとなろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に関して当特許請求の範囲の権利が与えられた法的同等物の全範囲とともに決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】埋め込み型システムと外部システムならびに心臓刺激システムと神経刺激システムが使用される環境の諸部分を含む、心臓刺激システムと神経刺激システムの一実施形態を示す図である。
【図2】埋め込み型システムの回路の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】心臓刺激システムと神経刺激システムの信号処理回路の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】心臓刺激システムと神経刺激システムのユーザ・インタフェースの一実施形態を示すブロック図である。
【図5】心臓信号と神経信号を同時に表示する方法の一実施形態を示すフロー・チャートである。
【図6A】少なくとも1つの心臓信号トレースと神経イベントマーカーを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図6B】少なくとも1つの心臓信号トレースと神経イベントマーカーを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図6C】少なくとも1つの心臓信号トレースと神経イベントマーカーを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図6D】少なくとも1つの心臓信号トレースと神経イベントマーカーを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図6E】少なくとも1つの心臓信号トレースと神経イベントマーカーを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図7】少なくとも1つの神経信号トレース及び心臓イベントマーカーを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図8】少なくとも1つの心臓信号トレースと神経信号トレースを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図9】少なくとも心臓イベントマーカーと神経イベントマーカーを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図10】心臓信号と神経信号に加えて生理学的パラメータを表示するディスプレイ・ウィンドウの例示的な一実施形態を示す図である。
【図11】末梢血管を制御するための神経機構を示す図である。
【図12A】心臓を示す図である。
【図12B】心臓を示す図である。
【図12C】心臓を示す図である。
【図13】頸動脈洞と大動脈弓の領域にある圧受容器と求心性神経を示す図である。
【図14】肺動脈の内及び周囲にある圧受容器を示す図である。
【図15】大動脈弓、動脈管索及び肺動脈幹にある圧受容器野を示す図である。
【図16】生理系を乱した後の神経反応の例を示す図である。
【図17】心臓刺激システムと神経刺激システムの具体的な実施形態を示す図である。
【図18】心臓刺激システムと神経刺激システムの別の具体的な実施形態を示す図である。
【図19】心臓信号と神経信号を同時に表示する心臓刺激システムと神経刺激システムの回路の一実施形態を示すブロック図である。
【図20】外部システムの具体的な実施形態を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の埋め込み型医療機器と通信するシステムであって、心臓活動と神経活動を表すデータを前記1つ又は複数の埋め込み型医療機器から受信するテレメトリ回路と、
前記テレメトリ回路に結合されており、前記受信データに基づいて視覚的に表示するに、1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を生成し、時間的に整列するように適合された表示コントローラを含む外部制御回路と、
前記表示コントローラに結合されており、前記時間的に整列された1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を同時に表示するように適合された表示機器と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記表示機器がディスプレイ画面を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記表示機器がプリンタを更に含む請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記外部制御回路が、前記受信データから1つ又は複数の生理学的パラメータを導くように適合された生理学的パラメータ生成器を更に含み、前記表示機器が、前記1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号と一緒に、前記1つ又は複数の生理学的パラメータを同時に表示するように更に適合された先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
1つ又は複数のユーザ命令を受信するユーザ入力を更に含み、前記表示コントローラが、前記1つ又は複数のユーザ命令に従って、前記1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を生成し、かつ時間的に整列させるように適合された先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ユーザ入力が、前記1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号に関連する時間範囲のユーザ選択を受信するように適合された時間範囲入力機器を含む請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ユーザ入力機器が、前記1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号の各信号についての色又はグレー・スケールのユーザ選択を受信するように適合されたフォーマット入力機器を含む請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ又は複数の心臓信号が、所定の種類の心臓イベントを各々表す感知された心臓信号と心臓イベントマーカーを表す少なくとも1つの心臓信号トレースの1つ又は複数を含み、前記1つ又は複数の神経信号が、所定の種類の神経イベントを各々表す感知された神経信号と神経イベントマーカーを各々表す少なくとも1つの神経信号トレースの1つ又は複数を含み、前記感知された心臓信号と神経信号が、前記1つ又は複数の埋め込み型医療機器によって感知される先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記神経イベントマーカーが、神経刺激パルスのバーストが伝送される神経刺激期間を各々示す神経イベントマーカーを含む請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記表示機器が、前記神経刺激期間を各々示す矩形のバーを表示するように適合された請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記表示機器が、前記神経刺激期間を各々示す第1の柱と、神経刺激パルスが伝送されない非刺激期間を各々示す第2の柱とを表示するように適合された請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記表示機器が、前記少なくとも1つの心臓信号トレースと前記神経イベントマーカーを同時に表示するように適合された請求項8から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記表示機器が、前記少なくとも1つの心臓信号トレースと前記神経イベントマーカーと一緒に心臓イベントマーカーを更に同時に表示するように適合された請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記表示機器が、前記少なくとも1つの心臓信号トレースと前記神経イベントマーカーと一緒に前記少なくとも1つの神経信号トレースを更に同時に表示するように適合された請求項12と13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記表示機器が、前記少なくとも1つの神経信号トレースと前記心臓イベントマーカーを同時に表示するように適合された請求項8から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記表示機器が、前記少なくとも1つの神経信号と前記心臓イベントマーカーと一緒に前記神経イベントマーカーを更に同時に表示するように適合された請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記表示機器が、前記少なくとも1つの神経信号及び前記心臓イベントマーカーと一緒に前記少なくとも1つの心臓信号トレースを更に同時に表示するように適合された請求項15と16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記表示機器が、前記少なくとも1つの心臓信号トレースと前記少なくとも1つの神経信号トレースを同時に表示するように適合された請求項8に記載のシステム。
【請求項19】
前記表示機器が、前記心臓イベントマーカーと前記神経イベントマーカーを同時に表示するように適合された請求項8から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
埋め込み型システムと、テレメトリを介して埋め込まれたシステムと通信を行うように結合された外部システムとからなるシステムであって、
前記埋め込み型システムが、
心臓の電気的活動を示す少なくとも1つの心臓信号を感知する心臓感知回路と、
心臓刺激パルスを伝送する心臓刺激回路と、
神経の電気的活動を示す少なくとも1つの神経信号を感知する神経感知回路と、
神経刺激パルスを伝送する神経刺激回路と、
前記心臓の電気的活動、伝送された前記心臓刺激パルス、前記神経の電気的活動、前記伝送された神経刺激パルスを表すデータを生成するに、前記心臓感知回路、前記心臓刺激回路、前記神経感知回路、前記神経刺激回路に結合された埋め込み制御回路と、
前記データを送信するに前記埋め込み制御回路に結合された埋め込みテレメトリ回路と、を有し、
前記外部システムが、
前記データを受信する外部テレメトリ回路と、
前記外部テレメトリ回路に結合されており、1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を、生成するとともに時間的に整列させるように適合され、前記1つ又は複数の心臓信号は前記心臓の電気的活動と前記伝送された心臓刺激パルスのうちの少なくとも1つを表しており、前記1つ又は複数の神経信号は前記神経の電気的活動と前記伝送された神経刺激パルスのうちの少なくとも1つを表している、表示コントローラを含む外部制御回路と、
前記表示コントローラに結合されており、前記時間的に整列された1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号とを、同時に表示するように適合された表示機器とを有する、
システム。
【請求項21】
前記埋め込み型システムが、少なくとも前記心臓感知回路、前記心臓刺激回路、前記神経感知回路、前記神経刺激回路を含む埋め込み型医療機器を備えた請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記埋め込み型システムが、
少なくとも前記心臓感知回路と前記心臓刺激回路を含む埋め込み型心調律管理機器と、
少なくとも前記神経感知回路と前記神経刺激回路を含む埋め込み型神経刺激機器とを備えた請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記埋め込み型心調律管理機器と前記埋め込み型神経刺激機器が、テレメトリを介して前記外部システムと各々通信を行うように結合された請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記埋め込み型心調律管理機器と前記埋め込み型神経刺激機器の少なくとも1つが、第1のテレメトリ・リンクを介して通信を行うように前記外部システムに結合され、前記埋め込み型心調律管理機器が第2のテレメトリ・リンクを介して通信を行うように前記埋め込み型神経刺激機器に結合された請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記表示機器が、前記時間的に整列された1つ又は複数の心臓信号と1つ又は複数の神経信号を同時に表示するように構成されたディスプレイ画面を備え、前記1つ又は複数の心臓信号が、前記心臓の電気的活動と前記伝送された心臓刺激パルスを表す少なくとも1つの心臓信号トレースと心臓イベントマーカーのうちの1つ又は複数を含み、前記1つ又は複数の神経信号が、前記神経の電気的活動と前記伝送された神経刺激パルスを表す少なくとも1つの神経信号トレースと神経イベントマーカーのうちの1つ又は複数を含む請求項20から24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
表示コントローラが、前記神経刺激パルスのバーストが伝送される時間間隔を各々含む神経刺激期間を示す神経イベントマーカーを生成するように適合され、前記ディスプレイ画面が、前記1つ又は複数の心臓信号と前記神経刺激期間を示す前記神経イベントマーカーを同時に表示するように構成された請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記外部システムが、前記埋め込み型システムをプログラムするように適合され、前記ディスプレイ画面を含むプログラマを備えた請求項25と26のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記外部システムが、
前記外部テレメトリ回路を含む外部機器と、
遠隔機器と、
前記外部機器と前記遠隔機器との間で通信を行うための遠隔通信網とを含む患者管理システムを備え、
前記遠隔機器が前記ディスプレイ画面を含む請求項25から27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
心臓活動と神経活動を表すデータを1つ又は複数の埋め込み型医療機器から受信するステップと、
前記受信データに基づいて表示する心臓信号と神経信号を生成するステップと、前記心臓信号と神経信号を時間的に整列させるステップと、
前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップとを含む方法。
【請求項30】
1つ又は複数のユーザ命令を受信するステップと、
前記1つ又は複数のユーザ命令に従って表示する心臓信号と神経信号を生成するステップとを更に含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ又は複数のユーザ命令を受信するステップが、指定された時間間隔の間に発生するか又は検出された心臓活動と神経活動を表すデータのサブセットを選択するユーザ命令を受信するステップを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記受信データから1つ又は複数の生理学的パラメータを導くステップと、前記時間的に整列された心臓信号と神経信号と一緒に前記1つ又は複数の生理学的パラメータを同時に表示するステップとを更に含む請求項29から31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記1つ又は複数の生理学的パラメータを導くステップが心拍数を測定するステップを含み、前記1つ又は複数の生理学的パラメータを表示するステップが前記測定された心拍数を表す信号トレースを表示するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ又は複数の生理学的パラメータを導くステップが2つの所定の種類の心臓イベント間の時間間隔である心拍数間隔を測定するステップを含み、前記1つ又は複数の生理学的パラメータを表示するステップが前記測定された心拍数間隔を表す信号トレースを表示するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップが、前記時間的に整列された心臓信号と神経信号をリアルタイムで表示するステップを含む請求項29から34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記受信データを格納するステップと、
表示要求を受信するステップとを更に含み、
前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップが前記表示要求に応答して、前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップを含む請求項29から35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップが、少なくとも1つの心臓信号トレースと心臓イベントマーカーのうちの1つ又は複数を表示するステップと、少なくとも1つの神経信号トレースと神経イベントマーカーのうちの1つ又は複数を表示するステップとを含む請求項29から36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップが、神経刺激パルスのバーストが伝送される時間間隔を各々含む神経刺激期間を示す神経イベントマーカーを表示するステップを含む請求項29から37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップが、
前記心臓イベントマーカーを表示するステップと、
前記少なくとも1つの神経信号を表示するステップと、
前記神経刺激期間を示す前記神経イベントマーカーを含む前記神経イベントマーカーを表示するステップとを含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記時間的に整列された心臓信号と神経信号を表示するステップが、
前記少なくとも1つの心臓信号を表示するステップと、
前記神経刺激期間を示す前記神経イベントマーカーを含む前記神経イベントマーカーを表示するステップとを含む請求項38に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図6E】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図12C】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公表番号】特表2008−538996(P2008−538996A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508911(P2008−508911)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/014535
【国際公開番号】WO2006/115899
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(505003528)カーディアック・ペースメーカーズ・インコーポレーテッド (466)
【Fターム(参考)】