説明

情報再生装置および情報再生方法

【課題】パフォーマンスの高い情報再生装置および情報再生方法を提供する。
【解決手段】メモリB120と、デコーダB150と、メモリB120とデコーダB150との間に配置され、メモリB120から供給されたデータを、連続に一旦保存してからデコーダB150に出力する中間メモリB140と、メモリB120の出力をデコーダB150と中間メモリB140とのいずれかに切替える切替手段B130と、メモリS120に保存されたデータの配置情報を管理するメモリ管理手段B180と、メモリS120に保存されたデータが物理的に分割された記憶領域に配置されているか否かを判断する判断手段B181と、判断手段B181によってデータが物理的に分割された記憶領域に配置されていると判断された場合に、メモリS120からの出力データが中間メモリB140を経由してデコーダB150に入力されるように切替手段B130を切替える切替制御手段B191と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報再生装置、複数の記憶領域を有するメモリを備えた情報再生装置、および、その情報再生装置における情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報再生装置は、外部から入力されるリソースデータを蓄えておくメモリを有している。メモリにリソースデータが保存される際には、そのリソースデータを保存するために必要な容量が確保される。
【0003】
リソースデータをデコーダする際には、一般的に、メモリの連続領域にデータが配置されていることが望ましい。リソースデコーダの制約に依存するが、一般的にリソースデコーダは、入力されるリソースデコーダの種類(フォーマット)によりある程度物理的に連続領域に配置されたデータを入力データとして扱うことが望ましい。
【0004】
したがって、入力されるデータすべてが連続領域に配置されていることが最良である。このような傾向は、リソースデコーダがソフトウエアで構成されるより、ハードウエアで構成される場合の方がより顕著に現れる。
【0005】
従来、一定容量のブロックで構成された複数の単位メモリで分割された各メモリ単位の使用中、空きの状態が管理されるメモリ管理方式によって、連続したエリアの確保を容易とするものが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−181785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のようにメモリを管理していたとしても、メモリに配置されるリソースデータは、リソースデコーダが意とするように配置されていない場合があった。メモリの連続領域にデータが配置されていない場合には、データの転送処理のオーバーヘッドや、デコーダ制御のオーバーヘッドが余分にかかり、システム全体のパフォーマンスが低下する場合があった。
【0007】
例えば、リソースデータとしてJPEG画像を想定し、その数枚を一画面に配置して表示されるケースの場合、このデコード処理が早ければ早いほど処理開始から表示終了までの処理が早く、操作するユーザからはレスポンスの良いシステムとして好まれる。しかしながらこの処理が遅いと、なかなか表示が始まらずレスポンスに時間を要する場合があった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、メモリ管理部がメモリにリソースデータが物理的に分割された領域に配置されているか否かを管理することにより、データ処理方法を切り替えるパフォーマンスの高い情報再生装置および情報再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様に係る情報再生装置は、複数の記憶領域を有し、入力されたデータが前記複数の記憶領域に保存されるメモリと、前記データをデコードするデコーダと、前記メモリと前記デコーダとの間に配置され、前記メモリから供給されたデータを、連続に一旦保存してから前記デコーダに出力する中間メモリと、前記メモリの出力を前記デコーダと前記中間メモリとのいずれかに切替える切替手段と、前記複数の記憶領域に保存されたデータの配置情報を管理するメモリ管理手段と、前記メモリに保存されたデータが前記メモリの連続する領域に配置されているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記データが物理的に分割された記憶領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記中間メモリを経由して前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替え、前記データが前記メモリの連続する領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替える切替制御手段と、を備える。
【0010】
本発明の第2態様に係る情報再生方法は、複数の記憶領域を有し、入力されたデータが前記複数の記憶領域に保存されるメモリと、前記データをデコードするデコーダと、前記メモリと前記デコーダとの間に配置され、前記メモリから供給されたデータを、連続に一旦保存してから前記デコーダに出力する中間メモリと、前記メモリの出力を前記デコーダと前記中間メモリとのいずれかに切替える切替手段と、前記複数の記憶領域に保存されたデータの配置情報を管理するメモリ管理手段と、を有する情報再生装置における情報再生方法であって、前記メモリに保存されたデータが前記メモリの連続する領域に配置されているか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記データが物理的に分割された記憶領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記中間メモリを経由して前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替え、前記データが前記メモリの連続する領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替える切替制御ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、メモリ管理部がメモリにリソースデータが物理的に分割された領域に配置されているか否かを管理することにより、データ処理方法を切り替えるパフォーマンスの高い情報再生装置および情報再生方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の第1実施形態に係る情報再生装置、および情報再生方法について図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る情報再生装置は、再生されるリソースデータが入力されるデータ入力部B110と、データ入力部B110から入力されたリソースデータが一時的に保存されるファイルキャッシュB120と、ファイルキャッシュB120を管理するファイルキャッシュ管理部B180と、出力対象モジュールのデコード指示等を行なう制御部としてのリソース表示制御部B190と、を有している。
【0013】
データ入力部B110は、リソース表示制御部B190によって制御され、例えば、ディスクB100、外部メモリ、ネットワークなどから再生対象となるリソースデータを取得し、ファイルキャッシュB120にリソースデータを入力する。
【0014】
ファイルキャッシュB120は、データ入力部B110から入力されるリソースデータを蓄えておくメモリ領域である。ファイルキャッシュB120は、連続する複数の記憶領域を有している。例えば、ファイルキャッシュB120の容量が3MBである場合に、サイズ3Mのリソースデータが入力された場合には、図5の配置A1のように、連続する3つの記憶領域にそれぞれサイズ1MのリソースデータD1、D2、D3が配置される。
【0015】
ファイルキャッシュB120の出力端子には、切替スイッチB130が接続されている。切替スイッチB130は、ファイルキャッシュB120から供給されるリソースデータが入力される入力端子と、中間バッファB140への出力ラインに接続された出力端子B131と、リソースデコーダB150への出力ラインに接続された出力端子B132とを有している。
【0016】
従って、ファイルキャッシュB120の出力端子が切替スイッチB130によって、出力端子B131に接続されるとファイルキャッシュB120から出力されたリソースデータは、中間バッファB140に供給される。ファイルキャッシュB120の出力端子が切替スイッチB130によって、出力端子B132に接続されるとファイルキャッシュB120から出力されたリソースデータは、リソースデコーダB150に供給される。
【0017】
中間バッファB140から出力されたリソースデータは、リソースデコーダB150に供給される。リソースデコーダB150は、ファイルキャッシュB120に配置されたリソースデータのデコードモジュールであって、その動作をリソース表示制御部B190によって制御される。
【0018】
リソース出力装置B160は、リソースデコーダB150から出力されるデコードされたデータを出力する装置であって、その動作をリソース表示制御部B190によって制御される。リソース出力装置B160は、例えば、入力されたデータが画像データの場合には表示装置にデータを出力し、入力されたデータが音声データの場合にはスピーカにデータを出力する。
【0019】
ファイルキャッシュ管理部B180は、ファイルキャッシュ管理テーブルB170を用いてファイルキャッシュB120内のデータを管理および制御するモジュールである。ファイルキャッシュ管理テーブルB170は、ファイルキャッシュB120に保存されたリソースデータの配置情報を管理するためテーブルである。
【0020】
ファイルキャッシュ管理テーブルB170では、例えば図2に示すように、ファイルキャッシュB120に保存されたリソースデータのそれぞれについて管理アドレス数C100と先頭アドレスC110が設定されている。管理アドレス数C100は、次のアドレステーブル番号C120から実データアドレスC140の物理的に連続な個々のデータブロックの配置情報を示している。
【0021】
従って、例えば図5の配置A1のように、リソースデータがファイルキャッシュB120内の1つの連続領域に配置されている場合には、管理アドレス数C100は1である。
【0022】
例えば図5の配置A3のリソースデータD40、D41のように、ファイルキャッシュB120内で物理的に複数に分割された不連続領域にリソースデータが配置されている場合には、管理アドレス数C100はその分割された領域の数となる。図5の配置A3のリソースデータD40、D41は、物理的に2つに分割された不連続領域にリソースデータが配置されているので、管理アドレス数C100は2となる。
【0023】
先頭アドレスC110に設定されたアドレスは、実データアドレスC140が保存された記憶領域の先頭アドレスを示している。例えば、図5の配置A3のリソースデータD4の場合、先頭アドレスは0x000000となる。
【0024】
実データアドレスC140が保存された領域の次の記憶領域にはデータサイズC130が保存さる。例えば、図5の配置A3のリソースデータD40、D41の場合、それぞれのデータサイズC130は1Mとなる。
【0025】
さらに、データサイズC130の次の記憶領域には、次のアドレステーブル番号C120が保存されている。例えば、図5の配置A3のリソースデータD40の場合、次のアドレステーブル番号C120は0x300000となる。
【0026】
図5の配置A3のリソースデータD41の場合には、2つの物理的に分割された不連続領域でリソースデータD41が完結するため、次の組の次のアドレステーブル番号C120は、このテーブルでデータが終了していることを示す値(例えば0xFFFFFFFなど)が記載されている。このような管理テーブルを持つことにより、本実施形態に係る情報再生装置におけるファイルキャッシュB120のリソースデータ管理を行なうことが可能となる。
【0027】
ファイルキャッシュ管理部B180はファイルキャッシュB120に保存されたデータが物理的に連続した領域に配置されているか否かを判断する判断部B181を有している。リソース表示制御部B190はファイルキャッシュB120に配置されたリソースデータが連続領域に書き込まれているか、不連続領域に書き込まれているかについて判断部B181に問い合わせる。
【0028】
ファイルキャッシュ管理部B180の判断部は、ファイルキャッシュ管理テーブルB170のデータの配置情報から、リソースデータが連続配置されているか、不連続配置されているかを判断し、その情報をリソース表示制御部B190に通知する。判断部B180の判断の一例として、ファイルキャッシュ管理テーブルB170の管理アドレス数C100が1であったら連続、2以上であれば不連続と判断する。
【0029】
リソース表示制御部B190は、ファイルキャッシュ管理部B180の判断部から通知される情報に応じて切替スイッチB130を制御する切替制御部B191と、切替スイッチB130によって、ファイルキャッシュB120からリソースデコーダB150への経路が切替られた時に、リソースデコーダB150の処理設定を行うデコーダ設定部B192と、リソースデコーダB150やリソースデータによる制約があった場合に、ファイルキャッシュB120から中間バッファB140に転送するデータをさらに分割する分割部B193と、を有している。
【0030】
切替制御部B192は、ファイルキャッシュ管理部B180の判断部B181から、リソースデータが物理的に分割された不連続領域に配置されていると判断された旨の通知があった場合に、切替スイッチB130の経路を出力端子B131側とする。切替制御部B191は。リソースデータが連続領域に配置されていると判断された旨の通知があった場合に、切替スイッチB130の経路を出力端子B132側とする。
【0031】
リソースデコーダB150が、例えば、JPEGデコーダ、音声デコーダなどの複数種類のデコーダを含む場合、リソースデコーダB150の性質、および、デコード対象となるリソースデータの種類によって、ファイルキャッシュB120に配置されたリソースデータの処理方法が異なる。
【0032】
従って、デコーダ設定部B192は、例えば、デコード処理を行うデコーダが、デコード対象であるリソースデータが連続領域に配置されていなくてはデコード不可能なデコーダの場合で、かつ、リソースデータがファイルキャッシュB120内で不連続に配置されている場合、切替スイッチB130を出力端子B131側に接続し、中間バッファB140にデータを転送し、物理的にデータが連続であることを保証して、リソースデコーダB150の設定を連続デコード設定にする。
【0033】
デコーダ設定部B192は、デコード処理を行うデコーダが、デコード対象であるリソースデータが不連続領域に配置されている場合であってもデコード可能なデコーダの場合で、かつ、リソースデータのファイルキャッシュB120内の配置が不連続であった場合、切替スイッチB130を出力端子B132側に接続し、リソースデコーダB150の設定を分割デコード設定とする。
【0034】
次に、上記の情報再生装置の動作について説明する。以下に、入力データとしてディスクB100からのデータを再生する場合について説明する。リソース表示制御部B190は、再生するリソースデータをファイルキャッシュB120に配置するために必要なメモリを確保するため、ファイルキャッシュ管理部B180に依頼する。
【0035】
ファイルキャッシュ管理部B180は、管理するファイルキャッシュ管理テーブルB170をもとに、必要なサイズ分メモリを確保できるか、さらに、どの様な配置で確保できるか算出し、その旨リソース表示制御部B190に通知する。
【0036】
メモリが確保できた場合は、リソース表示制御部B190は、データ入力部B110に対して、ファイルキャッシュB120の確保されたメモリ領域へリソースデータを配置するよう指示を行なう。
【0037】
データ入力部B110は、ファイルキャッシュB120へデータが配置されると、配置終了したことをリソース表示制御部B190に通知する。リソース表示制御部B190は、ファイルキャッシュ管理部B180へ配置されたデータが連続領域に書き込まれているか、不連続領域に書き込まれているか問い合わせを行なう。
【0038】
ここで、例えば、データ入力部B110にサイズ1MBのリソース3つ(D1,D2,D3)合計サイズ3MBのリソースデータが入力された場合、データ入力部B110から、サイズ1MBのリソースデータD1、D2、D3がファイルキャッシュB120内にロードされる。
【0039】
このとき、例えばファイルキャッシュB120の容量が3MBである場合には、リソースデータは配置A1に示すように物理的に連続した領域に配置される。すなわち、リソースデータD1が領域A100に配置され、リソースデータD2が領域A100に隣接する領域A110に配置され、リソースデータD3が領域A110に隣接する領域A120に配置される。
【0040】
図5の配置A1の状態からリソースデータD1およびリソースデータD3がファイルキャッシュB120内から削除されると、図5の配置A2に示すように、リソースデータD2のみがファイルキャッシュB120内の領域A210に配置されている状態となる。
【0041】
さらに、図5の配置A2の状態からサイズ2MBの新しいリソースデータD4がファイルキャッシュB120にロードされると、図5の配置A2の空き領域A200、A220にそれぞれリソースデータD40、D41が配置され、図5の配置A3の状態になる。
【0042】
すなわち、図5の配置A3の状態のように、論理的にはひとつのリソースデータが物理的に分割された不連続領域A300、A320に配置される場合が存在することになる。
【0043】
ファイルキャッシュ管理部B180の判断部は、ファイルキャッシュ管理テーブルB170のデータの配置情報C100からリソースデータが連続配置されているか、不連続配置されているかを判断し、その判断結果をリソース表示制御部B190に通知する。この判断の一例として、ファイルキャッシュ管理部B180は、配置情報C100の管理アドレス数が1であったら連続、管理アドレス数が2以上であれば不連続とみなす。
【0044】
図4に示すフローのように、本実施形態に係る情報再生装置では、判断部B181によってリソースデータが物理的に分割された不連続領域に配置されていると判断された場合には、ファイルキャッシュB120とリソースデコーダとの間に、デコードするために必要な最低限の物理的な連続メモリ領域として中間バッファB140を経由させる。
【0045】
すなわち、判断部B181によって、リソースデータがファイルキャッシュB120の連続した領域に配置されていると判断された場合には、リソース表示制御部B190の切替制御部B191は、切替スイッチB130の経路を出力端子B132側とする。従って、ファイルキャッシュB120から出力されたリソースデータはリソースデコーダB150に入力される。
【0046】
判断部B181によって、リソースデータがファイルキャッシュB120の物理的に分割された不連続領域に配置されていると判断された場合には、リソース表示制御部B190の切替制御部B191は、切替スイッチB130の経路を出力端子B131側とする。従って、ファイルキャッシュB120から出力されたリソースデータは、一旦、中間バッファB140へ転送され、中間バッファB140からリソースデコーダB150に入力される。
【0047】
この際に、リソースデコーダB150についても、リソースデータが連続する領域に配置されている場合と、物理的に分割された不連続領域に配置されている場合とで処理を行う場合の処理変換を行なう必要がある場合には、図5に示すフローのように、リソース表示制御部B190がリソースデコーダB150へ設定を行なう必要がある(S110、S140)。
【0048】
すなわち、判断部B181によって、リソースデータがファイルキャッシュB120の連続領域に配置されていると判断された場合には(S100)、デコーダ設定部B192はリソースデコーダB150を、連続デコード設定とする(S110)。
【0049】
この場合、リソース表示制御部B190の切替制御部B191は、切替スイッチB130の経路を出力端子B132側に切替える(S120)。ファイルキャッシュB120から出力されたリソースデータは、リソースデコーダB150に入力されデコードが開始される(S160)。
【0050】
判断部B181によって、リソースデータが分割されていると判断された場合には(S100)、リソースデコーダB150は、分割デコード設定となる(S140)。この場合、リソース表示制御部B190の切替制御部B191は、切替スイッチB130の経路を出力端子B131側に切替える(S150)。ファイルキャッシュB120から出力されたリソースデータは、中間バッファB140を経由してリソースデコーダB150に入力されデコードが開始される(S160)。
【0051】
次に、ファイルキャッシュB120の分割された領域に配置されたリソースデータをさらに分割して、中間バッファB140に転送する場合について説明する。
【0052】
この場合には、ファイルキャッシュ管理部B180は、リソースデータが連続領域に配置されているか否かを判断するとともに、リソースデータが物理的に分割された不連続領域に配置されていると判断された場合に、ファイルキャッシュB120から中間バッファB140に転送するデータサイズが中間バッファB140の容量よりも大きいか否かを判断する判断部B181を有している。
【0053】
最初に、リソース表示制御部B190は、ファイルキャッシュ管理部B180からリソースデータ分割情報を取得する(S200)。リソースデータ分割情報よりリソースデータがファイルキャッシュB120の分割された領域に配置されているため、リソース表示制御部B190は、切替スイッチB130の経路を出力端子B131側とし、分割されたリソースデータを中間バッファB140に転送する(S210)。
【0054】
このときに、転送するデータのサイズが中間バッファB140の容量以下である場合には(S220)、リソース表示制御部B190は、ファイルキャッシュB120から中間バッファB140にデータを送信する(S260)。リソース表示制御部B190は、中間バッファB140に転送したデータのデコードが終了するまで待ち(S270)、デコード終了後に次のデータを転送する。
【0055】
転送データのサイズが中間バッファB140の容量よりも大きい場合には(S220)、リソース表示制御部B190は転送するデータを分割して(S230)、中間バッファB140に転送する(S240)。
【0056】
すなわち、例えば、リソースデコーダB150がリソース対象データを2MB単位でしか分割デコードできない場合に、ファイルキャッシュB120に配置されているリソースデータのサイズが10MB、かつ、リソースデータがファイルキャッシュB120には1MBずつ10か所に物理的に分割されて配置されており、中間バッファB140のサイズが2MBであった場合には、リソースデコーダB150を分割デコード設定にし、切替スイッチB130を出力端子B132側にすると、リソースデコーダB150でデコード処理を行うことができない。
【0057】
そのため、上記のような場合には、切替スイッチB130を出力端子B131側に接続し、1MB、1MBに分割されているファイルキャッシュB120内のデータを、中間バッファB140に2MB分転送してから、リソースデコーダB150にデータを供給する必要がある。ここでいうさらにデータの分割とはこういったデコーダやリソースデータの制約から対応が必要となる場合の処理である。
【0058】
中間バッファB140に転送されたデータは、中間バッファB140からリソースデコーダB150に出力されてデコードされる。デコードが終了すると(S250)、次の転送データが中間バッファB140に転送される。
【0059】
上記のように、ファイルキャッシュB120にロードされたリソースデータが連続領域に配置されているか否かを判断し、分割された領域に配置されている場合には、ファイルキャッシュB120から出力されたデータを、一旦中間バッファB140において連続して配置させてからリソースデコーダB150に入力させ、連続領域にデータが配置されている場合には、ファイルキャッシュB120に配置されているデータを直接デコーダB150に入力させることにより、直接データの転送処理のオーバーヘッドや、デコーダ制御のオーバーヘッドが余分にかかることを防止し、システム全体のパフォーマンスを向上させることができる。
【0060】
すなわち、本実施形態に係る情報再生装置では、デコード処理速く行うことが可能であるため、処理開始から表示終了までの処理が速く、パフォーマンスの良い情報再生装置を提供することができる。
【0061】
そこで本発明は、ファイルキャッシュ管理部がファイルキャッシュにリソースデータを配置するためにメモリを確保した段階で、その配置が物理的に分割された領域に配置されているか否かを管理することにより、そのデータ処理方法を切り替えることによりシステム全体のパフォーマンスを向上することを可能とする。
【0062】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0063】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報再生装置の一構成例を概略的に示す図。
【図2】図1に示す情報再生装置のファイルキャッシュ管理テーブルの一構成例を説明するための図。
【図3】図1に示す情報再生装置における情報再生方法の一例を説明するための図。
【図4】図1に示す情報再生装置における情報再生方法の他の例を説明するための図。
【図5】図1に示す情報再生装置において、ファイルキャッシュにおけるリソースデータの配置例について説明するための図。
【符号の説明】
【0065】
B150…リソースデコーダ、B120…ファイルキャッシュ(メモリ)、B180…ファイルキャッシュ管理部、B190…リソース表示制御部、B130…切替スイッチ、B140…中間バッファ(中間メモリ)、B181…判断部、B191…切替制御部、B130…切替スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記憶領域を有し、入力されたデータが前記複数の記憶領域に保存されるメモリと、
前記データをデコードするデコーダと、
前記メモリと前記デコーダとの間に配置され、前記メモリから供給されたデータを、連続して一旦保存してから前記デコーダに出力する中間メモリと、
前記メモリの出力を前記デコーダと前記中間メモリとのいずれかに切替える切替手段と、
前記複数の記憶領域に保存されたデータの配置情報を管理するメモリ管理手段と、
前記メモリに保存されたデータが前記メモリの連続する領域に配置されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記データが物理的に分割された記憶領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記中間メモリを経由して前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替え、前記データが前記メモリの連続する領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替える切替制御手段と、を備える情報再生装置。
【請求項2】
前記データが保存された前記複数の記憶領域の配置情報を示すメモリ管理テーブルをさらに有し、
前記判断手段は、前記メモリ管理テーブルを参照して前記複数の記憶領域に保存された前記データの配置情報から、前記データが物理的に分割された領域に配置されているか否かを判断する手段である請求項1記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記判断手段によって、前記データが物理的に分割された領域に配置されていると判断された場合に、前記デコーダの設定を分割してデコードを行う設定とし、前記データが連続領域に配置されていると判断された場合に、前記デコーダの設定を連続してデコードを行う設定とするデコーダ設定手段をさらに有する請求項1または請求項2記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記判断手段によって前記データが物理的に分割された領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリから転送されるデータのサイズが前記中間メモリの容量よりも大きいか否かを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段によって前記メモリから転送されるデータのサイズが、前記中間バッファの容量よりも大きいと判断された場合に前記メモリから前記中間メモリにデータを転送する際に、所定のサイズに分割して転送する分割手段をさらに有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報再生装置。
【請求項5】
複数の記憶領域を有し、入力されたデータが前記複数の記憶領域に保存されるメモリと、
前記データをデコードするデコーダと、
前記メモリと前記デコーダとの間に配置され、前記メモリから供給されたデータを、連続して一旦保存してから前記デコーダに出力する中間メモリと、
前記メモリの出力を前記デコーダと前記中間メモリとのいずれかに切替える切替手段と、
前記複数の記憶領域に保存されたデータの配置情報を管理するメモリ管理手段と、を有する情報再生装置における情報再生方法であって、
前記メモリに保存されたデータが前記メモリの連続する領域に配置されているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記データが物理的に分割された記憶領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記中間メモリを経由して前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替え、前記データが前記メモリの連続する領域に配置されていると判断された場合に、前記メモリからの出力データが前記デコーダに入力されるように前記切替手段を切替える切替制御ステップと、を備える情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−293371(P2008−293371A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139591(P2007−139591)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】