情報処理システム及びプログラム
【課題】オペレータ操作効率を向上させるアプリケーションを提供する。
【解決手段】図4(A)に示されるプルダウンメニューの右ボタンをクリックすると、図4(B)に示されるように、メニュー項目としてのパラメータの設定値が表示される。メニューの中から選択すべき設定値にカーソルを合わせクリックすることにより、その設定値を指定すると、図4(C)に示されるように、一番上の設定パラメータ表示欄には、数値「100」が表示されるようになる。さらに、330が選択された場合には、図4(D)に示されるように、「100」の上に、「330」が表示されるようになる。
【解決手段】図4(A)に示されるプルダウンメニューの右ボタンをクリックすると、図4(B)に示されるように、メニュー項目としてのパラメータの設定値が表示される。メニューの中から選択すべき設定値にカーソルを合わせクリックすることにより、その設定値を指定すると、図4(C)に示されるように、一番上の設定パラメータ表示欄には、数値「100」が表示されるようになる。さらに、330が選択された場合には、図4(D)に示されるように、「100」の上に、「330」が表示されるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに係り、さらに詳しくは、グラフィック・ユーザ・インターフェイス(以下、「GUI」と略称する)環境を提供するマルチタスクのオペレーティングシステム(以下、「OS」と略称する)の制御の下で処理を行う情報処理システム及びそのOSの制御の下で実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子等のデバイスの製造工程では、ステップ・アンド・リピート方式、又はステップ・アンド・スキャン方式等の露光装置、ウエハプローバ、或いはレーザリペア装置等が用いられている。これらの装置を円滑に運用して製造工程の歩留まりを低下させないようにするには、各装置の運用状況などをオペレータが正確に把握しておく必要があり、場合によっては、オペレータにより、各装置の動作の解析、評価などを行うこともある。
【0003】
このような観点から、各装置を解析・評価するための種々のツールが提供されている。例えば、デバイスの製造ラインに配置された各装置と接続されたコンピュータ上で動作するソフトウエアであって、露光装置の重ね合わせ露光の露光結果などを、評価、解析するソフトウエアはその一例である。
【0004】
このようなソフトウエアは、その大半が、GUIを提供するマルチタスクのOSの制御の下で実行されるアプリケーションとして構築される。このようにすれば、解析、評価中のオペレータの操作効率を格段に向上することができるからである。このような環境の下で、例えば、露光装置のシミュレーション等を行うことができるアプリケーションも提供されている。
【0005】
しかしながら、露光装置のような複雑な動作を行う装置のシミュレーションを、精度良く行うのは容易ではない。露光装置は多数の装置パラメータに従って動作しており、そのシミュレーションを正確に行うためには、多数の装置パラメータを適切に設定することが要求されるからである。
【0006】
上記アプリケーションでは、各種パラメータの設定は、オペレータが、キーボードを介したテキスト入力によってその設定値を入力したり、OSにより提供されるGUIを利用してディスプレイに表示されたプルダウンメニュー等のメニューリストを参照し、その項目をマウスクリックしてパラメータの設定値を個別に選択することにより行われるが、キーボードを介したテキスト入力を、多数の装置パラメータに対し繰り返し行うのは、作業効率の観点から望ましいことではないし、パラメータによっては、設定値の候補も多数存在し、メニューからそれらの設定値を選ぶのにも時間を要することがある。
【0007】
一方、上記アプリケーションでは、装置における処理結果が含まれるデータファイルを、装置から取得し、そのデータファイルをオープンしてその中に書き込まれたデータを読み込み、そのデータを解析することにより装置の運用状態を検出している。しかしながら、このようなアプリケーションでは、読み込み可能なファイル数が制限されているのが一般的である。そこで、読み込み可能なファイル数を多く設定すると、アプリケーションを実行するのに必要なメモリサイズが大きくなるため、読み込み可能なファイル数は比較的少なくなるように設定されている。このため、1つのアプリケーションでは、解析可能なデータ量がこのファイル数の制限に伴って制限されてしまうという不都合が生じる。また、必要なファイルをすべて読み込めたとしても、各種データ表示・グラフ表示など、複数条件での処理結果を表示する場合、同時表示数には制限がある。同時表示数などを増やすように、アプリケーションを改造するには、ソフトウエアの大幅な設計変更が必要となる。
【0008】
また、上記アプリケーションでは、通常、上記装置パラメータの設定など、オペレータが複数回同一の操作を行う場合もある。例えば、上記異なるデータファイルそれぞれを用いて同じシミュレーションを行う場合には、同じ操作を繰り返し行う必要があり、オペレータのストレスによる作業効率の低下も指摘されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記事情の下になされた本発明は、第1の観点からすると、複数の項目が含まれるメニューリストを表示する表示装置と;前記項目の指定に関する情報を入力する入力装置と;前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置における前記メニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する調整装置と;を備える情報処理システムである。
【0010】
これによれば、表示装置に表示された複数の項目を含むメニューリストに対し、入力装置によりそのメニューリストの項目の指定に関する情報が入力された場合に、調整装置は、その情報に応じて、表示装置におけるメニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する。このようにすれば、表示装置におけるそれらの表示状態を、例えばオペレータによる指示である入力装置より入力された項目の指定に関する情報、すなわち操作内容に応じて調整することができるので、操作効率を向上させることができる。
【0011】
本発明は、第2の観点からすると、マルチタスクのオペレーティングシステムの制御の下で情報処理を行う情報処理システムであって、オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、前記操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行う処理装置と;を備える情報処理システムである。
【0012】
これによれば、処理装置が、オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、入力装置により入力される操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行うので、アプリケーションがオープン可能なファイル数に制限があっても、実質的に一度に扱えるファイル数の制限を無くすことができ、アプリケーションのメモリサイズを維持しつつ、アプリケーションの機能の拡張性を高めることができる。
【0013】
本発明は、第3の観点からすると、オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;一連の操作手順の履歴の記録命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力される度に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を、随時記録する記録装置と;記録された前記履歴のうちいずれか1つの履歴に含まれる一連の操作手順の再実行命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力された場合には、指定された履歴に含まれる一連の操作手順に従って処理を行う処理装置と;を備える情報処理システムである。
【0014】
これによれば、記録装置に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を随時記録しておくことにより、記録された一連の操作手順の再実行命令が入力された場合には、その履歴に従って一連の操作手順に従って処理を再実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図17に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るリソグラフィシステム110の全体構成が概略的に示されている。このリソグラフィシステム110は、マイクロデバイスの製造ラインの一部として設けられているものであり、マイクロデバイスの基となるウエハに対しリソグラフィ工程を行うためのシステムであり、N台の露光装置1001、1002、……、100Nと、情報処理システムとしてのコンピュータ(以下、「PC」と略述する)130等を備えている。露光装置1001〜100N、PC130は、ローカルエリアネットワーク(LAN)160を介して相互に通信可能となっている。
【0016】
露光装置1001〜100Nは、例えばインラインに接続されたコータ・デベロッパ(以下、「C/D」と略述する)で感光剤が塗布されたウエハを装置内に投入し、マイクロデバイスの例えば回路パターン等が形成された投影原版としてのレチクルの回路パターン等の像をレーザ光などの照明光により形成し、その回路パターン等の像を後述する投影光学系により、投入されたウエハ上の複数の箇所に投影することによってウエハを感光させ、ウエハ上に上記回路パターンの像が転写された区画領域(以下、「ショット領域」という)を順次形成していく装置である。この露光装置1001〜100Nのそれぞれは、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆる「ステッパ」)であってもよいし、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(以下、「走査型露光装置」という)であってもよい。
【0017】
露光装置1001〜100Nでは、マイクロコンピュータ又はワークステーション等の主制御装置により、装置の構成各部が統括して制御されている。この主制御装置は、LAN160に接続されている。この主制御装置は、露光装置の動作を制御する各種プログラムを実行するCPUの他、そのプログラムや各種データを記憶する内部メモリや、ハードディスク等の記憶装置などを備えている。主制御装置は、露光装置において行われるアライメントの結果(例えば、EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメントで検出されるアライメントマークを含むウエハ上の領域に対応する光電変換信号の波形データ、その波形データに対する波形処理を規定する波形処理パラメータを含む装置パラメータ、算出されるEGAパラメータの値及び残差に関する情報)や露光結果などを、そのウエハが属するロット番号、ウエハ番号、ショット領域の番号などと対応付けてデータファイル形式で記憶装置に格納する。また、主制御装置には、FTP機能が実装されており、FTPサーバとして機能することができるようになっている。なお、このデータファイルは、PC130によりFTPの下で参照可能なディレクトリ形式にまとめられており、そのファイル形式は、PC130でオープン可能な形式となっていることが望ましい。
【0018】
前記PC130は、処理装置としてのコンピュータ本体(以下、「PC本体」と略述する)130Pと、表示装置としてのディスプレイ130Dとを含んで構成されている。PC130としては、マウス130Mなどのポインティングデバイスによる操作が可能なGUIの環境を提供する所定のOSの制御の下で動作するパーソナルコンピュータを用いることができる。
【0019】
PC本体130Pは、マイクロプロセッサ及びメモリ(いずれも不図示)、キーボード130K,マウス130Mを接続するためのキーボードインターフェイス(キーボードコントローラ)、ディスプレイ130Dを接続するためのビデオインターフェイス、シリアルインターフェイス、ハードディスク、LAN160と接続可能なLANボード等を有しており、PC本体130Pには、その入力デバイスであるキーボード130K,マウス130Mと、ディスプレイ130Dとが接続されている。また、PC本体130Pには、露光装置1001〜100Nで行われる、後述するアライメント処理に対する解析・評価を行うためのアプリケーションソフトウエア(以下、「アプリケーション」と略述する)がインストールされている。このアプリケーションには、LAN160を介して、FTP(ファイル転送プロトコル)の下で、露光装置1001〜100Nとの間でデータファイルの送受信を行うことができるように、FTP機能が実装されている。
【0020】
次に、PC130を用いた露光装置のウエハアライメントの解析・評価を行う際の流れについて説明する。なお、前提として、PC130において、露光装置1001〜100Nにおけるアライメントを評価するための上記アプリケーションが既に起動されているものとする。露光装置からデータファイルを取得する時は、まず、露光装置1001〜100Nを選択するため選択用のウィンドウを表示する。その選択用のウィンドウの内容等を参照して、オペレータが、マウス130M又はキーボード130Kを介して、露光装置1001〜100Nの中から1台の露光装置(露光装置1001が選択されるものとする)を選択すると、アプリケーションは、FTP(ファイル転送プロトコル)クライアントとして、その露光装置(露光装置1001)の主制御装置(FTPサーバ)に対し、接続要求を送信する。アプリケーションは、接続が許可されると、次に、主制御装置に対しディレクトリ表示要求を送信する。主制御装置は、この要求を受けて、記憶装置に格納されるアライメント履歴データのデータファイルのディレクトリ表示に関する情報をPC130に送る。アプリケーションは、このディレクトリ表示に関する情報を受けて、ディスプレイ130Dに表示されたウィンドウ内に、この主制御装置の記憶装置に格納されているアライメント履歴データの選択用のウィンドウを表示する。このウィンドウでは、ディレクトリに関する情報に基づいて、アライメント履歴データが、これまでに露光装置1001で処理された処理日時、製品(製品名)、ロット(ロット名)、ウエハ(ウエハ番号)、レイヤ(レイヤ番号)などと対応付けて表示される。オペレータが、このウィンドウを参照して、解析・評価したいデータファイルを、マウス130M又はキーボード130Kを介して選択すると、オペレータによって選択された処理日時、製品名、ロット名、ウエハ番号のウエハのイメージ図のイメージウィンドウが表示される。
【0021】
そのウエハのイメージ上には、マトリクス状のセルが表示される。このセルは、ウエハ上に形成された各ショット領域を示すものである。セルの中には、三角マークが表示されているものがあるが、これは、ウエハアライメントの際にサンプルショット(計測ショット)とされた領域であることを示している。これら三角マークは、マウス130Mのクリック操作により、このアプリケーションに対し、新たなウィンドウを表示させるためのイベントを発生させるボタンとなっている。例えば、オペレータが、マウス130Mを操作して、1つのアライメントマークを選択すると、ディスプレイ130Dの画面には、その位置でのマークの波形データを表示した波形表示ウィンドウが表示される。この波形表示ウィンドウには、Xマーク又はYマークを含む領域に対応する光電変換信号の波形データがグラフ表示される。以下では、この波形データを「生波形データ」と呼ぶ。図2には、アプリケーション全体のウィンドウの中に、ウエハのイメージウィンドウとともに、その中から任意に選択された1つのアライメント計測マークに対する波形表示ウィンドウが表示されている様子が示されている。
【0022】
この波形表示ウィンドウには、パラメータ設定画面を表示するボタンも表示されている。マウス130Mの操作によリこのボタンをクリックすると、パラメータ設定ウィンドウがディスプレイ130Dの画面上に表示される。図3には、パラメータ設定ウィンドウの一例が表示されている。
【0023】
図3のパラメータ設定ウィンドウにおいては、各種パラメータの表示及び設定欄(以下、「パラメータ設定欄」と呼ぶ)が表示されている。このパラメータ設定欄には、テキストボックスへのキーボード130Kのキー入力、又は、メニューリストとしてのプルダウンメニューの項目のマウス130Mによる指定のいずれかによりパラメータを設定することができるようになっている。オペレータは、後述する波形処理シミュレーションを行おうとする際には、このパラメータ設定ウィンドウにおいて、各パラメータ設定欄に、シミュレーションの各パラメータの設定値を上記操作により入力する。各パラメータの詳細な説明については省略する。
【0024】
ここで、プルダウンメニューにおけるパラメータの設定の手順の一例について説明する。図4(A)には、あるパラメータの設定値を設定するためのプルダウンメニューが表示されている。図4(A)に示されている状態では、まだ、項目表示がされておらず、テキストボックス中も、まだ未入力の状態となっている。
【0025】
ここで、オペレータがマウス130Mの操作により、プルダウンメニューにおけるテキストボックスの右側のボタンをクリックすると、図4(B)に示されるように、メニュー項目としてのパラメータの設定値が複数表示される。ここでは、設定値として、「10」、「30」、「50」、「100」、「130」、「150」、「200」、「230」、「250」、「300」、「330」が項目として登録されており、それらが表示されるものとする。オペレータはマウス130Mを操作することにより、メニューの中から選択すべき設定値(項目)にカーソルを合わせクリックして、その設定値を指定することができる。この指定を行うと、図4(C)に示されるように、そのパラメータの値として、「100」が設定されるようになるとともに、プルダウンメニューの一番上の項目として「100」が優先的に表示されるようになる。また、次に、このプルダウンメニューにおいて、「330」が選択された場合には、図4(D)に示されるように、そのパラメータの値として「330」が設定されるとともに、「100」の上に、「330」が一番上の項目として優先的に表示されるようになる。このように、一度指定されたパラメータの設定値は、再度指定される可能性が高いため、それらを優先的に表示するようにすれば、一度指定された項目がプルダウンメニューの上側に集まるようになり、アプリケーション全体の操作性が向上する。
【0026】
ここで、このアプリケーションにおける内部処理について更に詳細に説明する。オペレータが、プルダウンメニューの項目を、マウス130Mの操作により選択すると、そのプルダウンメニューのUI(ユーザ・インターフェイス)オブジェクトからOSにその旨のコマンドメッセージが発行される。OSは、このコマンドメッセージを、このアプリケーションのメッセージキューにポスト(投函)する。アプリケーションのメインルーチンは、このメッセージを取得し、いわゆるディスパッチを行って、OSに対しCPUを開放する。OSは、このアプリケーションのウィンドウプロシージャを呼び出し、そのウィンドウプロシージャにコマンドメッセージとともに、その付帯情報として、このプルダウンメニューの項目が選択された旨の情報を渡す。このウィンドウプロシージャでは、この付帯情報を参照して、該当するプルダウンメニューに対応するメッセージハンドラを実行する。
【0027】
メッセージハンドラでは、図5に示されるように、まず、ステップ201において、指定された項目を取得し、ステップ203において、その項目に対応する値を、波形処理シミュレーションに用いるパラメータの値として設定し、ステップ205において、指定した項目がプルダウンメニューの最上位に表示されるようにプルダウンメニューの項目のソートを行う。メッセージハンドラ終了後、ウィンドウプロシージャが終了し、OSに制御が戻った後、OSは再びアプリケーションのメインルーチンを呼び出す。このメインルーチンでは、メッセージ待ちの状態となリ、再びCPUをOSに開放する。なお、ディスプレイ130Dは、メッセージハンドラが行った、ソート結果にしたがって、プルダウンメニューの再表示を行う。すなわち、この処理がCPUにより実行される際のPC本体130Pは、ディスプレイ130Dにおけるプルダウンメニューの項目の表示状態を調整する調整装置であるとすることができ、より具体的には、指定された項目に応じて、ディスプレイ130Dにより表示されるプルダウンメニュー内の項目の表示順を調整する調整装置であるとすることができる。
【0028】
なお、このOSはプリエンプティブなマルチタスク環境をサポートするOSであり、上述した内部処理は、このようなOSの下で、アプリケーションすべてにほぼ共通の処理であるため、以下の説明では、各種イベントに沿って行われる処理だけについて説明する。
【0029】
上述したように、パラメータの設定のためのプルダウンメニューには、パラメータの設定値として多数の項目が登録されている。そこで、本実施形態では、このプルダウンメニューでの項目の指定を支援する機能として様々な機能が他にも提供されている。例えば、図6(A)、図6(B)には、ワイルドカード(検索文字又は検索キー)を利用した機能の一例が示されている。まず、図6(A)に示されるように、プルダウンメニューのテキスト文字設定欄に、ワイルドカードとして%を指定し、「%3%」とキーボード130Kを用いて入力する。すると、プルダウンメニューには、真ん中の数が3である項目、「130」、「230」、「330」のみが表示されるようになる。また、図6(B)に示されるように、テキスト入力設定欄に、ワイルドカードとして*を指定し、「3*」とキーボード130Kを用いて入力する。すると、プルダウンメニューには、3が先頭の数字である、「30」、「300」、「330」のみが表示されるようになる。
【0030】
この処理を行うメッセージハンドラは、図7に示されるように、まず、ステップ301において、上記キーボード入力による文字列を取得し、ステップ303において、その文字列を参照して、ワイルドカード「%」、「*」、「3」などのキーワードが含まれていることを解読し、ステップ305において、それらのキーワードに関連する項目のみを、プルダウンメニューの項目テーブルから抽出(検索)し、ステップ307において、抽出(検索)された項目のみを、ディスプレイ130Dによりプルダウンメニューに表示させるようにする。このようにすれば、プルダウンメニューの項目の絞り込みを行うことができるようになるので、操作性がさらに向上する。
【0031】
また、図8には、パラメータの設定のためのプルダウンメニューの他の表示例が示されている。このプルダウンメニューでは、推奨値として指定されている項目に対し丸又は二重丸が付与されている。このようにすれば、オペレータは、このプルダウンメニュー内に表示されたパラメータの設定値群の中から推奨されている設定値を容易に識別することができるようになるので、さらに、操作性を向上させることができる。このような推奨値の表示は、まさに、オペレータによるマウス130M又はキーボード130Kを介したプルダウンメニューの各項目の指定を支援するための情報を表示することに相当する。ここで、推奨値の表示は、過去の使用頻度に基づいてプルダウンメニューに表示されても良い。
【0032】
また、図9には、複数の異なる3つのパラメータをそれぞれ設定するための複数のプルダウンメニューが並べて表示されている様子が示されている。一番左のプルダウンメニューは、アライメントの際に用いるアライメントセンサを選択するためのプルダウンメニューである。ここでは、LSA(Laser Step Alignment)方式、FIA(Field Image Alignment)方式のいずれかを設定可能となっている。これらのアライメントセンサの方式に関しては、特開平7−321028号公報等に開示されているので、詳細な説明を省略する。このようなアライメントセンサの選択も、波形処理シミュレーションを行うための重要なパラメータである。
【0033】
また、中央のプルダウンメニューでは、マークの波形データを処理する際のアルゴリズムの番号を選択することができるようになっており、一番右のプルダウンメニューでは、その波形データからマークのエッジを検出するためのエッジ検出方法を選択することができるようになっている。露光装置1001〜100Nでは、多種多様なアルゴリズムで波形処理を行うことができるようになっており、そのアルゴリズムで用いられる波形のエッジを検出する方法も幾つか用意されているのである。
【0034】
このように、これら3つのパラメータは互いに相関関係のあるパラメータである。例えばアライメントセンサとしてLSA方式を選択した場合と、FIA方式とを選択した場合とでは、用いることが可能な波形処理アルゴリズムは異なり、その波形処理アルゴリズムによって、適用することができるエッジ検出方法も当然異なる。そこで、本実施形態では、アライメントセンサのプルダウンメニューにおいて、例えば図9に示されるように、FIA方式を選択した場合には、アルゴリズム番号のプルダウンメニューには、そのFIA方式のアライメントセンサを選択した場合に、選択可能なアルゴリズム番号41、42、44〜46、80〜85しか表示しないものとする。また、アルゴリズム番号45を選択した場合には、その45番のアルゴリズムで選択可能なエッジ検出方法である、「Slice」、「M−Slope1」、「M−Slope2」しか表示しないものとする。
【0035】
このような処理も、メッセージハンドラで実現することが可能である。例えば、図10に示されるように、アライメントセンサのプルダウンメニューの選択に対応するメッセージハンドラ内で、ステップ401、ステップ403において、図5のステップ201と、ステップ203と同様の処理を行った後、ステップ405において、関連するパラメータのプルダウンメニューの項目における関連する項目の絞り込みを行えばよい。
【0036】
このように、それぞれが独立したプルダウンメニューにおいて、それぞれ連関したパラメータを設定しようとする場合には、各パラメータが、主と従の関係にある場合には、上述のように、主のパラメータをそのプルダウンメニュー(第1のメニューリスト)から選択したときに、従のパラメータに対応するプルダウンメニュー(第2のメニューリスト)メニュー表示を絞りこむ(第1の項目に対応する第2の項目を抽出し、それを表示する)ように設定すればよい。しかしながら、各パラメータには相関関係があるものの、各パラメータが互いに対等の関係である場合には、どのプルダウンメニューの項目が指定されるかはオペレータの操作次第となる。この場合には、どのプルダウンメニュ−において項目が選択されても(すなわち第2のメニューリストで第2の項目が選択されても)、他のプルダウンメニュー(第1のメニューリスト)において項目の絞りこみ(第2の項目に対する第1の項目の抽出)が行われる必要がある。そこで、このアプリケーションは、どのプルダウンメニューで最初に項目が選択されても、他のメニューにおいて項目を抽出することができるように構成されている。
【0037】
また、図9に示されるように、各プルダウンメニューにおいて、項目の横に矢印を表示するようにしてもよい。この矢印をクリックすると、その矢印の方向にある他のプルダウンメニューにおいて関連する項目がポップアップ表示されるようになる、それらの項目の横にも矢印が表示されており、その矢印を選択すると、その矢印の方向にある他のプルダウンメニューの項目が表示されるようになる。そして、このプルダウンメニューの項目を選択すると、全てのプルダウンメニューにおいて項目(設定値)が選択されたものとし、その設定値で、各パラメータ設定を行う。図9では、アライメントセンサ→アルゴリズム番号→エッジ検出方法の順に項目が選択されているが、これは、任意の順番とすることができる。アルゴリズム番号を先に選択した場合には、逆側(左右)にそれぞれ向いた2つの矢印を表示するようにしてもよい。
【0038】
このような仕組みは、以下のように実現される。すなわち、マウス130Mの操作により項目が選択されると、ウィンドウプロシージャは、選択された項目と、その項目に関連する他のプルダウンメニュー内の項目との階層ツリーを構築する。この階層ツリーは、例えば、図9の例によれば、アライメントセンサのFIAの下の層には、アルゴリズム番号45等がつながり、アルゴリズム45番の下の層には、エッジ検出方法として、「Slice」、「M−Slope1」、「M−Slope2」などがつながっているような仮想的なツリーである。このような階層ツリーは、予め設定された各パラメータの関係を示すテーブルを参照することにより作成される。そして、新たにその階層ツリーに基づいて、選択された項目の横に、他のプルダウンメニューを向く矢印(UIオブジェクト)を表示させる。前述のように、そのプルダウンメニューが先に選択されるかは、オペレータの操作によるため、矢印の向きは、その都度決定される。このようにすれば、連続した一度のマウス操作により、複数のプルダウンメニューの項目選択が可能となるので、操作性が向上する。
【0039】
なお、図9に示されるように、1つのウィンドウの中に複数のプルダウンメニューが存在する場合には、パラメータが関連する全てのプルダウンメニューをアクティブにするショートカットキーを設定できるようにしてもよいし、“ctrl”キーを使用して複数のプルダウンメニューを選択し、アクティブにしても良い。
【0040】
図3に戻り、すべてのパラメータの設定が完了し、「OK」ボタンをマウス130Mの操作によりクリックすると、このアプリケーションにより波形処理シミュレーションが実行される。
【0041】
図11には、この波形処理シミュレーションの処理(これも上述したウィンドウプロシージャのメッセージハンドラとすることができる)を示すフローチャートが示されている。図11に示されるように、まず、ステップ501では、マウス130M又はキーボード130Kの操作により入力され更新されたアライメントパラメータ群をメモリ領域から読み出す。そして、次のステップ503で、設定されたアルゴリズム番号、及び、そのアルゴリズム番号で使用する各種処理パラメータに基づいて波形処理シミュレーションを行う。この波形処理シミュレーションは、露光装置1001の主制御装置で行われる波形処理とほぼ同じ処理である。この波形処理結果、すなわちマーク位置の検出結果などは、例えば図12のウィンドウのように表示することができる。このウィンドウでは、ウエハ番号1の各ショット領域におけるXマーク及びYマークの検出結果がリスト表示されている。
【0042】
以上述べたように、本実施形態のアプリケーションでは、プルダウンメニューを用いてパラメータを設定する際にオペレータの操作を支援する機能について説明したが、このアプリケーションでは、オペレータを支援する他の機能も提供されている。
【0043】
<マクロスクリプト実行機能>
例えば、オペレータが過去に行った操作手順を覚えておき、必要に応じてその操作を手間をかけずに繰り返すことができる機能が提供されている。図13には、その機能を実現するためのウィンドウが示されている。このウィンドウの右上には、ロギング実行ボタンと、復元実行ボタンとが表示されている。なお、このロギング実行ボタンがまだクリックされておらず、マクロスクリプトファイルが保存されていない状態では、復元実行ボタンは霞がけ表示で、クリックされてもイベントが発生しない無効ボタンとなっている。このロギング実行ボタンをマウスでクリックすれば、それ以前の操作をスクリプトファイルなどに記憶する。これにより、復元実行ボタンの霞がけが解除され、イベントを発生させる有効なボタンとして機能するようになる。この復元実行ボタンをクリックすれば、そのスクリプトファイルに記憶されたスクリプトを実行することにより、一連の操作手順を再び実行する。
【0044】
このマクロスクリプト実行機能についても、ウィンドウプロシージャにおいて、コマンドメッセージに含まれる付帯情報(命令の種別を示すコマンドID)の履歴、すなわち一連の操作手順の履歴をバックグラウンドで記憶しておき、ロギング実行ボタンに対応するコマンドメッセージ(一連の操作手順の履歴の記録命令を示すコマンドIDを含むコマンドメッセージ)が送られてくる度に、そのメッセージハンドラで、その履歴に基づいてスクリプトファイルの生成を随時行う。なお、このスクリプトファイルを生成するために、ウィンドウプロシージャでは、これまでの操作履歴を内部メモリに格納している。予めロギング機能オフの設定がなされている場合は、前記ウィンドウプロシージャにおけるコマンドメッセージに含まれる付帯情報の履歴のバックグラウンド記憶は行われない。これにより、本機能未使用時の処理時間短縮が行える。
【0045】
さらに、復元実行ボタンに対応するコマンドメッセージ(すなわち、マクロスクリプトに含まれる一連の操作手順の再実行命令を付帯情報として含むコマンドメッセージ)が送られてきた場合に、その復元実行ボタンに対応するメッセージハンドラでは、記録したスクリプトファイルの実行を行うようにすればよい。
【0046】
この機能では、スクリプトファイルを複数記憶しておくことができる。図13に示される画面の一番左のプルダウンメニューの項目は、そのスクリプトファイルのID番号を示す。このID番号は、1〜8まであり、計8個のスクリプトファイルを記憶しておくことができる。ロギング実行ボタンがクリックされたときに実行されるメッセージハンドラでは、スクリプトファイルの記憶は、1番から順番に行われる。すなわち、最初に記憶されたスクリプトファイルのID番号は、1番となる。そして、記憶される毎に、2、3、…8のID番号が各スクリプトファイルに付与される。各スクリプトファイルには、オペレータが行ったこれまでの操作(コマンドID)がすべて書き込まれる。なお、本実施形態では、格納可能なスクリプトファイルは8であるが、これには限られない。
【0047】
次に、オペレータが、このプルダウンメニューにおいてスクリプトファイルのID番号を指定して、復元実行ボタンをクリックすると、そのボタンに対応するメッセージハンドラでは、そのID番号のスクリプトファイルをオープンし、そのファイルに含まれるスクリプトを実行する。ここで、ID番号が1〜8までのスクリプトファイルをそれぞれ実行すると、前に行った一連の操作手順での各段階における処理結果を再び表示させることができるようになる。すなわち、オペレータが、解析結果を段階的に追っていくことができるので、その解析、評価を効率良く行うことが可能となる。
【0048】
一方、中央のプルダウンメニューは、スクリプトファイルの実行の際に、用いるデータファイルを指定するメニューである。ここで、「include」を選択すれば、復元実行ボタンに対応するメッセージハンドラでは、スクリプトファイルを記憶した時にオープンされ選択されていたデータファイルを用いてスクリプトを再実行し、「exclude」を選択すれば、そのメッセージハンドラでは、現在選択されているデータファイルを用いてそのマクロスクリプトを再実行する。このようにすれば、元々の画面を完全に復元することもできるようにもなるし、新たなデータファイルで一連の操作手順に従った処理を実行することもできるようになる。これにより、オペレータの要求に応じたスクリプトの実行環境を実現することができるようになる。なお、「exclude」を選択した場合に、選択されたデータと、マクロスクリプトに含まれる実行命令との中に不整合がある場合には、その旨のエラー表示を行う。
【0049】
図14には、上記復元実行ボタンがクリックされたときの処理の一例のフローチャートが示されている。図14に示されるように、まず、ステップ601において、選択されたID番号を取得し、ステップ603において、そのID番号に対応するスプリプトファイルをオープンする。そして、ステップ605において、「include」が設定されているか否かを判断する。この判断が肯定されれば、ステップ607に進み、否定されればステップ609に進む。ステップ607では、ロギング実行時に選択されていたデータファイルをオープンし、ステップ609では、現在選択されているデータファイルをオープンする。ステップ607又はステップ609実行後は、ステップ611に進み、そのスクリプトファイルに含まれるマクロスクリプトを実行する。
【0050】
なお、このようなマクロスクリプトの実行(復元実行)は、任意のタイミングで行うことができる。例えば、このアプリケーションを一旦クローズし、再びオープンした後でも実行可能である。
【0051】
<データリンク機能>
また、このアプリケーションでは、オープン可能なデータファイルに制限があり、このアプリケーションを1つだけ起動した状態では、それ以上の数の複数のデータファイルに対するデータの一括処理を行うことができない。そこで、オペレータは、このアプリケーションを複数起動させ、各アプリケーションにより、異なるデータファイルをオープンして処理させる。この場合、オペレータは複数起動した各アプリケーションにおいて同じ操作を行うようになるが、各アプリケーションのウィンドウに対し、同じ操作を実際に行うのは効率の面から好ましくないので、複数起動したアプリケーションのうち、いずれか1つのアプリケーションに対して行った操作を、他のアプリケーションでも自動的に行うことができる、いわゆる同期操作を行うような仕組みを提供する。
【0052】
このようなアプリケーションでは、起動される際に、いわゆるID番号としてのインスタンスハンドルがOSより付与される。各アプリケーションは、自身のインスタンスハンドルを識別できるようになっている。本実施形態のアプリケーションでは、起動したアプリケーション間のコマンド通信リンクを確立するためのリンク設定ウィンドウが用意されている。このウィンドウでは、いわゆるマスタとしてのアプリケーションと、そのマスタのスレーブとなるアプリケーションを、それらのインスタンスハンドルを指定することにより設定する。
【0053】
ここで、起動しているアプリケーションを「アプリ−1」、「アプリ−2」、「アプリ−3」とする。図15には、この「アプリ−1」〜「アプリ−3」でコマンド通信リンクが確立されている状態が模式的に示されている。各アプリ−1、2、3のブロックの上側に、同期操作のためのコマンド通信リンクを示す矢印が示されている。この矢印は、マスタとなるオブジェクトからスレーブとなるオブジェクトを指すように図示されている。すなわち、図15に示される状態では、アプリ−1がマスタとして設定されており、アプリ−2、アプリ−3がスレーブとして設定されている。このようなコマンド通信リンクが確立している場合、アプリ−1に対して行われた操作は、このコマンド通信リンクを介して、アプリ−2、アプリ−3に伝えられ、アプリ−2、3では、この操作に従ってその操作が自身に対して行われたのと同様の処理を行う。
【0054】
このコマンド通信リンクの仕組みの一例について説明する。このアプリケーションでは、複数起動された場合に、そのアプリケーション間で共通にアクセスすることができる共有のメモリ領域が設けられている。本実施形態では、この共通メモリを介して、コマンド通信リンクが確立された旨や、操作内容が、マスタから全てのスレーブのアプリケーションに伝えられる。このようにすれば、アプリケーション間の同期操作を実現することが可能となる。なお、このような共有メモリを用いたアプリケーション間の通信機能は、マルチタスクのOSでは、一般的に提供されている機能である。
【0055】
また、本実施形態では、このアプリケーションでは、複数起動された場合に、そのアプリケーション間で、データ通信リンクを確立することにより、アプリケーション間でのデータのやり取りを行うことができるようになっている。アプリケーションでは、このデータ通信リンクを確立するための設定ウィンドウが提供されている。例えば、アプリ−2、アプリ−3でオープンしたデータファイルのデータをアプリ−1で一括して処理したい場合には、アプリ−1をマスタ(クライアントと考えてもよい)とし、アプリ−2、3をスレーブに設定すればよい。このようにすればアプリ−1のウィンドウで、各種操作を行う場合には、アプリ−1、2、3でオープンしたデータファイルに含まれるすべてのデータに対し、その操作に従った処理が行われる。図15には、上述したマスタ−スレーブの関係の一例に基づくデータ通信リンクの接続関係が模式的に示されている。
【0056】
図16には、上述したデータ通信リンクを介してデータの一括処理を行うためのウィンドウが示されている。このウィンドウには、複数のウエハにおけるEGAの結果、すなわちオフセット、回転、直交度、倍率の各補正ファクタがウエハ毎にリスト表示されている。例えば、これらのEGA結果のデータファイルがウエハ毎に存在する場合、このようなリスト表示を行うには、各ウエハのデータファイルをウエハ数分だけオープンする必要があるが、1つのアプリケーションだけではオープン可能なファイル数に制限があるので、複数のアプリケーションを起動し、各アプリケーションで読み込み可能な数のデータファイルをオープンしてデータを読み込む。そして、上記データ通信リンクを介してマスタのアプリケーションにすべてのデータを送り、図16に示されるマスタのウィンドウ内で、すべてのデータのリスト表示を行うことができる。また、同様に、前記EGA結果のデータファイルがロット毎に存在する場合、ロット間でのデータ評価が行える。この場合、図16のデータリストの“Sim.Param.No.”欄に、ロット毎の識別番号が表示される。
【0057】
なお、このウィンドウを用いて、データのソートなどを行うこともできる。このウィンドウには「Order by」の枠が表示されており、その枠内には、ソート対象の項目を指定するためのラジオボタンが表示されている。例えば図16では、「Offset」のラジオボタンが指定されており、この場合には、例えばウエハ間のEGAパラメータのデータが連結され、オフセットが小さい順にデータがソーティングされ、リスト内の表示が更新される。
【0058】
なお、このようなデータ通信リンク機能も、コマンド通信リンク機能と同様に、上述したアプリケーション間の共有メモリを用いて実現することができる。
【0059】
また、図17には、このデータ通信リンク機能を利用したデータ一括処理により、複数のウエハそれぞれに対応するデータファイルを別々のアプリケーションでオープンし、算出された各ウエハの補正量のベクトルマップを重ねて表示した補正量マップが示されている。このようにすれば、各アプリケーションで処理した結果の比較表示が可能となる。もし、このデータ通信リンク機能を活用せず、別々のウィンドウで、ベクトルマップを表示させてそれらを比較するのに比べて、その違いが鮮明となる。なお、この場合、異なるベクトルマップは、例えば違う色で表示するなどの工夫が必要である。
【0060】
このようなデータの一括処理には、同時データ評価やデータの一括保存など、様々なものが挙げられる。例えば図2に示されるような波形表示ウィンドウで、異なるデータファイルから読み取られた波形データの比較表示を実現することも可能である。
【0061】
なお、このデータ通信リンク機能を活用する際にも、上述したマクロスクリプト実行機能を用いることは可能である。このようにすれば、複数のアプリケーションの一連の同期操作手順をマクロスクリプト化できるので、操作性が飛躍的に向上する。
【0062】
なお、本実施形態では、PC130を制御するオペレーティングシステムを、Windows(登録商標)としたが、GUIを提供するマルチタスクのオペレーティングシステムであれば他のOSでもよいことは勿論である。このようなOSはプリエンプティブなものでも、ノンプリエンプティブなものでもよい。ただし、ノンプリエンプティブなOSである場合に、アプリケーション間の同期動作、データ一括処理を行う場合には、上述した共有メモリにくわえて、アプリケーション間でメッセージのやり取りを行って、メッセージの受け手側のアプリケーションが実行されるようにディスパッチを行う必要がある。
【0063】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、アプリケーションが動作するPC本体130Pが調整装置、処理装置に対応する。
【0064】
以上詳細に述べたように、本実施形態によれば、マウス130M又はキーボード130Kの操作により、ディスプレイ130Dに表示された複数の項目を含むプルダウンメニューの項目が指定され、その指定に関する情報が入力された場合に、PC本体130P上で動作するアプリケーションでは、その指定に関する情報(OSを介してウィンドウプロシージャに送られるコマンドメッセージに含まれる各項目に対応するコマンドID)に応じて、ディスプレイ130Dにおけるそのプルダウンメニュー及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する。このようにすれば、再度そのプルダウンメニューの項目の選択を行う際には、オペレータの操作内容に応じて調整された状態で、項目の選択を行うことができるので、操作効率を向上させることができる。この操作効率の向上により、結果的に、このアプリケーションの実行を伴うデバイスの製造工程のスループットを向上させることができる。
【0065】
具体的には、本実施形態では、入力された項目指定に関する情報に応じて、ディスプレイ130Dにより表示されるウィンドウのプルダウンメニューの項目の表示順を調整している。さらに、具体的には、指定された項目がそのプルダウンメニューの先頭(最上位)に表示されるようにする。このようにすれば、再度指定される可能性が高い項目が、プルダウンメニューに最優先で表示されるようになり、そのプルダウンメニューで項目を選択する際の操作効率が向上する。なお、指定された項目を、常にプルダウンメニューの一番上に表示する必要はない。プルダウンメニュー内の各項目についてそれぞれが何回指定されたかを内部メモリに記憶しておき、指定された回数が多い順にプルダウンメニューの表示順をソートするようにしてもよい。
【0066】
また、プルダウンメニューの表示順を調整するだけでなく、指定された項目を太字で表示したり、色を変えたり、字を点滅させたり、動かしたり、フォントサイズを大きくしたり、その項目に対応するメニュー領域を広げたりするようにしてもよい。
【0067】
なお、このような機能は、過去の入力履歴に基づいて、次回の入力を予測する機能であるとみなすことができる。
【0068】
また、入力された項目指定に関する情報に、キーボード130Kからの入力によるキーワードが含まれている場合には、プルダウンメニューに含まれる項目をそのキーボードに関連する項目を抽出し、抽出された項目のみをプルダウンメニューに表示する。このようにすれば、プルダウンメニュー内の項目数を少なくすることができるので、操作効率がさらに向上する。なお、本実施形態では、「%」、「*」などの記号をワイルドカードとして用いたがこれには限られない。他の記号をワイルドカードとして用いてもよいし、ワイルドカードは指定されなくてもよい。なお、抽出された項目だけを表示するようにしなくてもよく、最優先に表示するだけでもよい。
【0069】
また、本実施形態のアプリケーションでは、パラメータの設定値に関し、その推奨値が存在する場合には、そのパラメータを設定するためのプルダウンメニュー内において、その値が推奨値であることが識別できるように表示する。このようにすれば、例えば、オペレータは、推奨値またはそれに近い値をすぐに設定することができるので、操作効率が向上する。なお、推奨値の表示は、本実施形態のようなものには限られず、推奨値を太字で表示してもよいし、色を変えてもよいし、推奨値である旨を直接表示するようにしてもよいし、少しシフトさせて表示させるようにしてもよい。すなわち、推奨値を他の項目よりも優先的に表示すればよい。このように、このアプリケーションでは、プルダウンメニュー内に、オペレータによるマウス130M又はキーボード130Kを介した各項目の指定を支援するための情報をも表示して、項目を選択する際の操作性の向上を図っている。項目の指定を支援するための情報としては、任意の情報を適用することができる。例えば、過去に指定された回数や、指定した結果がおもわしくなかった項目などに関する情報を表示するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態によれば、複数の異なるパラメータの設定に関し、各パラメータの設定のためのプルダウンメニューがディスプレイ130Dに同時に表示されている。そして、パラメータ間に相関関係がある場合には、オペレータがいずれか1つのプルダウンメニューにおいてパラメータの設定値を指定した場合に、他のプルダウンメニューの項目から、指定された設定値に関連するパラメータの設定値を、該他のプルダウンメニュー内から抽出し、ディスプレイ130Dにその抽出された設定値のみを表示する。このようにすれば、項目の絞り込みを行うことができるので、さらに操作性を高めることができるようになる。
【0071】
また、本実施形態によれば、PC本体130Pは、ディスプレイ130Dから入力された指定に関する情報に基づいて選択された項目と、その項目に関連する他のプルダウンメニュー内の項目との階層ツリーを構築し、該階層ツリーに基づいて前記各プルダウンメニューの項目を、オペレータによるマウス130Dを介した入力により一度に選択可能となるように対応付けてディスプレイ130Dにより同時に表示するように調整する。このようにすれば、オペレータは、複数のプルダウンメニューにまたがる異なるパラメータの設定を一度の連続した操作で行えるようになる。
【0072】
また、上記実施形態では、プルダウンメニューに本発明を適用する場合に述べたが、メニューは、ポップアップメニューやダイアログボックスのリスト表示などでもよい。
【0073】
また、本実施形態によれば、PC本体130Pは、OSにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、マウス130M又はキーボード130Kの操作により入力される操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行うことができるので、各アプリケーションにおいてそれぞれ同じ操作を繰り返し行う必要がなくなるため全体的な操作性が格段に向上する。また、アプリケーションがオープン可能なファイル数に制限があっても、アプリケーション間のデータ通信機能を利用してデータの一括処理を行えるようになるので、実質的に一度に扱えるファイル数に制限がなくなり、アプリケーションのサイズを保ちつつ、大規模なデータ処理を実現することが可能となる。
【0074】
なお、上記データ通信機能には、本実施形態のような共有メモリを用いたものに限られない。メッセージキューを用いた機能、フラグ(セマフォ)を用いた機能、シグナルを用いた機能などを適用することができる。また、アプリケーション(プロセス)間でメッセージのやり取りが可能であれば、メッセージにより、同期動作又はデータの一括処理を実現するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態によれば、ロギング実行ボタンがクリックされると、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴をロギングしておく。そして、復元実行ボタンがクリックされ、ロギングされた一連の操作手順の再実行命令がコマンドメッセージとして入力された場合には、その履歴に従って一連の操作手順(マクロスクリプト)の処理を再実行する。このようにすれば、同じ一連の操作手順を繰り返し実行するための操作を行う必要がなくなって手間が省けるので、アプリケーションの操作性を格段に向上させることができるようになる。
【0076】
なお、このようなマクロスクリプトの記録、実行においては、マクロスクリプトファイルが作成された時に選択されていたデータファイルを用いるか、現在選択されているデータファイルを用いるか指定可能であり、一連の操作手順を段階的に実行できるように、その段階に応じたスクリプトファイルを複数記録することができるというように、マクロスクリプトの実行に関するきめ細かな設定を可能としているので、利便性がさらに向上している。
【0077】
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態のリソグラフィシステム110及び露光装置100iによりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、メモリリペアステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0078】
また、上記実施形態では、露光装置のシミュレーションを行うアプリケーションでのパラメータの設定について本発明を適用する例について述べたが、露光装置の他、検査装置、リペア装置、搬送装置、計測装置、試験装置、その他の装置全般のシミュレーションを行うアプリケーションの装置パラメータの設定への適用が可能である。また、本発明は、シミュレーションを行うアプリケーションソフトウエアだけでなく、GUI環境を提供するOSの制御の下で動作する全てのアプリケーションに適用が可能である。また、複数のアプリケーションでの同期操作、データ一括処理を行うことが可能なアプリケーションは、同一の情報処理システムで起動しているものには限られず、通信ネットワークで接続された2つのコンピュータ上でそれぞれ動作するアプリケーションであってもよい。
【0079】
なお、上記実施形態では、Windows(登録商標)の制御の下で動作するアプリケーションに本発明を適用する場合について述べたが、これには限られず、他のOSの制御の下で動作するアプリケーションでもよいことは勿論である。また、通常のパーソナルコンピュータだけでなく、露光装置等のデバイス製造装置のマン・マシン・インターフェイス、携帯電話、固定電話機、PDA、コピー機、FAX、テレビジョン、ATM、チケット販売機などの情報処理端末、旅客機や船舶などの操作端末、インターネットに接続された情報家電などが、GUIや、マルチタスクの環境をサポートしている場合には、そのような装置にも本発明を適用することができるのは勿論である。
【0080】
なお、現在では、上記のようなOSには、多種多様なプログラミング開発言語及びAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)がサポートされており、上記アプリケーションのソフトウエアを開発することは上記開示内容により容易にできる。基本的には、発生したイベント(すなわちオペレータによる操作)に対するアプリケーションのふるまい、具体的には、強力なサポート体制が確立されている開発環境であれば、アプリケーションに送られてくるメッセージに対するメッセージハンドラ等の処理内容を設計するだけでアプリケーションの開発が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の情報処理システム及びプログラムは、グラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)環境を提供するオペレーティングシステム(OS)の制御の下で動作するアプリケーションツールとして用いられるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に係るリソグラフィシステムの全体構成を概略的に示す図である。
【図2】評価ソフトアプリケーションの波形表示ウィンドウの一例を示す図である。
【図3】評価ソフトアプリケーションのパラメータ設定ウィンドウの一例を示す図である。
【図4】図4(A)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その1)であり、図4(B)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その2)であり、図4(C)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その3)であり、図4(D)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その4)である。
【図5】プルダウンの調整処理を示すフローチャートである。
【図6】図6(A)は、プルダウンメニューにおけるワイルドカードの設定例を示す図(その1)であり、図6(B)は、プルダウンメニューにおけるワイルドカードの設定例を示す図(その2)である。
【図7】キーワードによる項目絞り込みの処理を示すフローチャートである。
【図8】プルダウンメニューの一例を示す図(その5)である。
【図9】プルダウンメニューの一例を示す図(その6)である。
【図10】複数のプルダウンメニューでの設定処理を示すフローチャートである。
【図11】波形処理シミュレーションを行う際のフローチャートである。
【図12】マークの位置の検出結果を表示するウィンドウの一例を示す図である。
【図13】マクロスクリプトの設定ウィンドウの一例を示す図である。
【図14】復元実行の処理を示すフローチャートである。
【図15】アプリケーション間の通信リンクを模式的に示す図である。
【図16】EGAの補正結果のデータを表示するウィンドウの一例を示す図である。
【図17】ウエハ上のEGAの補正量を示す補正量マップを表示するウィンドウの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1001〜100N…露光装置、130…コンピュータ(PC、情報処理システム)、130D…ディスプレイ(表示装置)、130K…キーボード(入力装置)、130M…マウス(入力装置)、130P…コンピュータ本体(PC本体)、160…LAN。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに係り、さらに詳しくは、グラフィック・ユーザ・インターフェイス(以下、「GUI」と略称する)環境を提供するマルチタスクのオペレーティングシステム(以下、「OS」と略称する)の制御の下で処理を行う情報処理システム及びそのOSの制御の下で実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子等のデバイスの製造工程では、ステップ・アンド・リピート方式、又はステップ・アンド・スキャン方式等の露光装置、ウエハプローバ、或いはレーザリペア装置等が用いられている。これらの装置を円滑に運用して製造工程の歩留まりを低下させないようにするには、各装置の運用状況などをオペレータが正確に把握しておく必要があり、場合によっては、オペレータにより、各装置の動作の解析、評価などを行うこともある。
【0003】
このような観点から、各装置を解析・評価するための種々のツールが提供されている。例えば、デバイスの製造ラインに配置された各装置と接続されたコンピュータ上で動作するソフトウエアであって、露光装置の重ね合わせ露光の露光結果などを、評価、解析するソフトウエアはその一例である。
【0004】
このようなソフトウエアは、その大半が、GUIを提供するマルチタスクのOSの制御の下で実行されるアプリケーションとして構築される。このようにすれば、解析、評価中のオペレータの操作効率を格段に向上することができるからである。このような環境の下で、例えば、露光装置のシミュレーション等を行うことができるアプリケーションも提供されている。
【0005】
しかしながら、露光装置のような複雑な動作を行う装置のシミュレーションを、精度良く行うのは容易ではない。露光装置は多数の装置パラメータに従って動作しており、そのシミュレーションを正確に行うためには、多数の装置パラメータを適切に設定することが要求されるからである。
【0006】
上記アプリケーションでは、各種パラメータの設定は、オペレータが、キーボードを介したテキスト入力によってその設定値を入力したり、OSにより提供されるGUIを利用してディスプレイに表示されたプルダウンメニュー等のメニューリストを参照し、その項目をマウスクリックしてパラメータの設定値を個別に選択することにより行われるが、キーボードを介したテキスト入力を、多数の装置パラメータに対し繰り返し行うのは、作業効率の観点から望ましいことではないし、パラメータによっては、設定値の候補も多数存在し、メニューからそれらの設定値を選ぶのにも時間を要することがある。
【0007】
一方、上記アプリケーションでは、装置における処理結果が含まれるデータファイルを、装置から取得し、そのデータファイルをオープンしてその中に書き込まれたデータを読み込み、そのデータを解析することにより装置の運用状態を検出している。しかしながら、このようなアプリケーションでは、読み込み可能なファイル数が制限されているのが一般的である。そこで、読み込み可能なファイル数を多く設定すると、アプリケーションを実行するのに必要なメモリサイズが大きくなるため、読み込み可能なファイル数は比較的少なくなるように設定されている。このため、1つのアプリケーションでは、解析可能なデータ量がこのファイル数の制限に伴って制限されてしまうという不都合が生じる。また、必要なファイルをすべて読み込めたとしても、各種データ表示・グラフ表示など、複数条件での処理結果を表示する場合、同時表示数には制限がある。同時表示数などを増やすように、アプリケーションを改造するには、ソフトウエアの大幅な設計変更が必要となる。
【0008】
また、上記アプリケーションでは、通常、上記装置パラメータの設定など、オペレータが複数回同一の操作を行う場合もある。例えば、上記異なるデータファイルそれぞれを用いて同じシミュレーションを行う場合には、同じ操作を繰り返し行う必要があり、オペレータのストレスによる作業効率の低下も指摘されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記事情の下になされた本発明は、第1の観点からすると、複数の項目が含まれるメニューリストを表示する表示装置と;前記項目の指定に関する情報を入力する入力装置と;前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置における前記メニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する調整装置と;を備える情報処理システムである。
【0010】
これによれば、表示装置に表示された複数の項目を含むメニューリストに対し、入力装置によりそのメニューリストの項目の指定に関する情報が入力された場合に、調整装置は、その情報に応じて、表示装置におけるメニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する。このようにすれば、表示装置におけるそれらの表示状態を、例えばオペレータによる指示である入力装置より入力された項目の指定に関する情報、すなわち操作内容に応じて調整することができるので、操作効率を向上させることができる。
【0011】
本発明は、第2の観点からすると、マルチタスクのオペレーティングシステムの制御の下で情報処理を行う情報処理システムであって、オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、前記操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行う処理装置と;を備える情報処理システムである。
【0012】
これによれば、処理装置が、オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、入力装置により入力される操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行うので、アプリケーションがオープン可能なファイル数に制限があっても、実質的に一度に扱えるファイル数の制限を無くすことができ、アプリケーションのメモリサイズを維持しつつ、アプリケーションの機能の拡張性を高めることができる。
【0013】
本発明は、第3の観点からすると、オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;一連の操作手順の履歴の記録命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力される度に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を、随時記録する記録装置と;記録された前記履歴のうちいずれか1つの履歴に含まれる一連の操作手順の再実行命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力された場合には、指定された履歴に含まれる一連の操作手順に従って処理を行う処理装置と;を備える情報処理システムである。
【0014】
これによれば、記録装置に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を随時記録しておくことにより、記録された一連の操作手順の再実行命令が入力された場合には、その履歴に従って一連の操作手順に従って処理を再実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図17に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るリソグラフィシステム110の全体構成が概略的に示されている。このリソグラフィシステム110は、マイクロデバイスの製造ラインの一部として設けられているものであり、マイクロデバイスの基となるウエハに対しリソグラフィ工程を行うためのシステムであり、N台の露光装置1001、1002、……、100Nと、情報処理システムとしてのコンピュータ(以下、「PC」と略述する)130等を備えている。露光装置1001〜100N、PC130は、ローカルエリアネットワーク(LAN)160を介して相互に通信可能となっている。
【0016】
露光装置1001〜100Nは、例えばインラインに接続されたコータ・デベロッパ(以下、「C/D」と略述する)で感光剤が塗布されたウエハを装置内に投入し、マイクロデバイスの例えば回路パターン等が形成された投影原版としてのレチクルの回路パターン等の像をレーザ光などの照明光により形成し、その回路パターン等の像を後述する投影光学系により、投入されたウエハ上の複数の箇所に投影することによってウエハを感光させ、ウエハ上に上記回路パターンの像が転写された区画領域(以下、「ショット領域」という)を順次形成していく装置である。この露光装置1001〜100Nのそれぞれは、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆる「ステッパ」)であってもよいし、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(以下、「走査型露光装置」という)であってもよい。
【0017】
露光装置1001〜100Nでは、マイクロコンピュータ又はワークステーション等の主制御装置により、装置の構成各部が統括して制御されている。この主制御装置は、LAN160に接続されている。この主制御装置は、露光装置の動作を制御する各種プログラムを実行するCPUの他、そのプログラムや各種データを記憶する内部メモリや、ハードディスク等の記憶装置などを備えている。主制御装置は、露光装置において行われるアライメントの結果(例えば、EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメントで検出されるアライメントマークを含むウエハ上の領域に対応する光電変換信号の波形データ、その波形データに対する波形処理を規定する波形処理パラメータを含む装置パラメータ、算出されるEGAパラメータの値及び残差に関する情報)や露光結果などを、そのウエハが属するロット番号、ウエハ番号、ショット領域の番号などと対応付けてデータファイル形式で記憶装置に格納する。また、主制御装置には、FTP機能が実装されており、FTPサーバとして機能することができるようになっている。なお、このデータファイルは、PC130によりFTPの下で参照可能なディレクトリ形式にまとめられており、そのファイル形式は、PC130でオープン可能な形式となっていることが望ましい。
【0018】
前記PC130は、処理装置としてのコンピュータ本体(以下、「PC本体」と略述する)130Pと、表示装置としてのディスプレイ130Dとを含んで構成されている。PC130としては、マウス130Mなどのポインティングデバイスによる操作が可能なGUIの環境を提供する所定のOSの制御の下で動作するパーソナルコンピュータを用いることができる。
【0019】
PC本体130Pは、マイクロプロセッサ及びメモリ(いずれも不図示)、キーボード130K,マウス130Mを接続するためのキーボードインターフェイス(キーボードコントローラ)、ディスプレイ130Dを接続するためのビデオインターフェイス、シリアルインターフェイス、ハードディスク、LAN160と接続可能なLANボード等を有しており、PC本体130Pには、その入力デバイスであるキーボード130K,マウス130Mと、ディスプレイ130Dとが接続されている。また、PC本体130Pには、露光装置1001〜100Nで行われる、後述するアライメント処理に対する解析・評価を行うためのアプリケーションソフトウエア(以下、「アプリケーション」と略述する)がインストールされている。このアプリケーションには、LAN160を介して、FTP(ファイル転送プロトコル)の下で、露光装置1001〜100Nとの間でデータファイルの送受信を行うことができるように、FTP機能が実装されている。
【0020】
次に、PC130を用いた露光装置のウエハアライメントの解析・評価を行う際の流れについて説明する。なお、前提として、PC130において、露光装置1001〜100Nにおけるアライメントを評価するための上記アプリケーションが既に起動されているものとする。露光装置からデータファイルを取得する時は、まず、露光装置1001〜100Nを選択するため選択用のウィンドウを表示する。その選択用のウィンドウの内容等を参照して、オペレータが、マウス130M又はキーボード130Kを介して、露光装置1001〜100Nの中から1台の露光装置(露光装置1001が選択されるものとする)を選択すると、アプリケーションは、FTP(ファイル転送プロトコル)クライアントとして、その露光装置(露光装置1001)の主制御装置(FTPサーバ)に対し、接続要求を送信する。アプリケーションは、接続が許可されると、次に、主制御装置に対しディレクトリ表示要求を送信する。主制御装置は、この要求を受けて、記憶装置に格納されるアライメント履歴データのデータファイルのディレクトリ表示に関する情報をPC130に送る。アプリケーションは、このディレクトリ表示に関する情報を受けて、ディスプレイ130Dに表示されたウィンドウ内に、この主制御装置の記憶装置に格納されているアライメント履歴データの選択用のウィンドウを表示する。このウィンドウでは、ディレクトリに関する情報に基づいて、アライメント履歴データが、これまでに露光装置1001で処理された処理日時、製品(製品名)、ロット(ロット名)、ウエハ(ウエハ番号)、レイヤ(レイヤ番号)などと対応付けて表示される。オペレータが、このウィンドウを参照して、解析・評価したいデータファイルを、マウス130M又はキーボード130Kを介して選択すると、オペレータによって選択された処理日時、製品名、ロット名、ウエハ番号のウエハのイメージ図のイメージウィンドウが表示される。
【0021】
そのウエハのイメージ上には、マトリクス状のセルが表示される。このセルは、ウエハ上に形成された各ショット領域を示すものである。セルの中には、三角マークが表示されているものがあるが、これは、ウエハアライメントの際にサンプルショット(計測ショット)とされた領域であることを示している。これら三角マークは、マウス130Mのクリック操作により、このアプリケーションに対し、新たなウィンドウを表示させるためのイベントを発生させるボタンとなっている。例えば、オペレータが、マウス130Mを操作して、1つのアライメントマークを選択すると、ディスプレイ130Dの画面には、その位置でのマークの波形データを表示した波形表示ウィンドウが表示される。この波形表示ウィンドウには、Xマーク又はYマークを含む領域に対応する光電変換信号の波形データがグラフ表示される。以下では、この波形データを「生波形データ」と呼ぶ。図2には、アプリケーション全体のウィンドウの中に、ウエハのイメージウィンドウとともに、その中から任意に選択された1つのアライメント計測マークに対する波形表示ウィンドウが表示されている様子が示されている。
【0022】
この波形表示ウィンドウには、パラメータ設定画面を表示するボタンも表示されている。マウス130Mの操作によリこのボタンをクリックすると、パラメータ設定ウィンドウがディスプレイ130Dの画面上に表示される。図3には、パラメータ設定ウィンドウの一例が表示されている。
【0023】
図3のパラメータ設定ウィンドウにおいては、各種パラメータの表示及び設定欄(以下、「パラメータ設定欄」と呼ぶ)が表示されている。このパラメータ設定欄には、テキストボックスへのキーボード130Kのキー入力、又は、メニューリストとしてのプルダウンメニューの項目のマウス130Mによる指定のいずれかによりパラメータを設定することができるようになっている。オペレータは、後述する波形処理シミュレーションを行おうとする際には、このパラメータ設定ウィンドウにおいて、各パラメータ設定欄に、シミュレーションの各パラメータの設定値を上記操作により入力する。各パラメータの詳細な説明については省略する。
【0024】
ここで、プルダウンメニューにおけるパラメータの設定の手順の一例について説明する。図4(A)には、あるパラメータの設定値を設定するためのプルダウンメニューが表示されている。図4(A)に示されている状態では、まだ、項目表示がされておらず、テキストボックス中も、まだ未入力の状態となっている。
【0025】
ここで、オペレータがマウス130Mの操作により、プルダウンメニューにおけるテキストボックスの右側のボタンをクリックすると、図4(B)に示されるように、メニュー項目としてのパラメータの設定値が複数表示される。ここでは、設定値として、「10」、「30」、「50」、「100」、「130」、「150」、「200」、「230」、「250」、「300」、「330」が項目として登録されており、それらが表示されるものとする。オペレータはマウス130Mを操作することにより、メニューの中から選択すべき設定値(項目)にカーソルを合わせクリックして、その設定値を指定することができる。この指定を行うと、図4(C)に示されるように、そのパラメータの値として、「100」が設定されるようになるとともに、プルダウンメニューの一番上の項目として「100」が優先的に表示されるようになる。また、次に、このプルダウンメニューにおいて、「330」が選択された場合には、図4(D)に示されるように、そのパラメータの値として「330」が設定されるとともに、「100」の上に、「330」が一番上の項目として優先的に表示されるようになる。このように、一度指定されたパラメータの設定値は、再度指定される可能性が高いため、それらを優先的に表示するようにすれば、一度指定された項目がプルダウンメニューの上側に集まるようになり、アプリケーション全体の操作性が向上する。
【0026】
ここで、このアプリケーションにおける内部処理について更に詳細に説明する。オペレータが、プルダウンメニューの項目を、マウス130Mの操作により選択すると、そのプルダウンメニューのUI(ユーザ・インターフェイス)オブジェクトからOSにその旨のコマンドメッセージが発行される。OSは、このコマンドメッセージを、このアプリケーションのメッセージキューにポスト(投函)する。アプリケーションのメインルーチンは、このメッセージを取得し、いわゆるディスパッチを行って、OSに対しCPUを開放する。OSは、このアプリケーションのウィンドウプロシージャを呼び出し、そのウィンドウプロシージャにコマンドメッセージとともに、その付帯情報として、このプルダウンメニューの項目が選択された旨の情報を渡す。このウィンドウプロシージャでは、この付帯情報を参照して、該当するプルダウンメニューに対応するメッセージハンドラを実行する。
【0027】
メッセージハンドラでは、図5に示されるように、まず、ステップ201において、指定された項目を取得し、ステップ203において、その項目に対応する値を、波形処理シミュレーションに用いるパラメータの値として設定し、ステップ205において、指定した項目がプルダウンメニューの最上位に表示されるようにプルダウンメニューの項目のソートを行う。メッセージハンドラ終了後、ウィンドウプロシージャが終了し、OSに制御が戻った後、OSは再びアプリケーションのメインルーチンを呼び出す。このメインルーチンでは、メッセージ待ちの状態となリ、再びCPUをOSに開放する。なお、ディスプレイ130Dは、メッセージハンドラが行った、ソート結果にしたがって、プルダウンメニューの再表示を行う。すなわち、この処理がCPUにより実行される際のPC本体130Pは、ディスプレイ130Dにおけるプルダウンメニューの項目の表示状態を調整する調整装置であるとすることができ、より具体的には、指定された項目に応じて、ディスプレイ130Dにより表示されるプルダウンメニュー内の項目の表示順を調整する調整装置であるとすることができる。
【0028】
なお、このOSはプリエンプティブなマルチタスク環境をサポートするOSであり、上述した内部処理は、このようなOSの下で、アプリケーションすべてにほぼ共通の処理であるため、以下の説明では、各種イベントに沿って行われる処理だけについて説明する。
【0029】
上述したように、パラメータの設定のためのプルダウンメニューには、パラメータの設定値として多数の項目が登録されている。そこで、本実施形態では、このプルダウンメニューでの項目の指定を支援する機能として様々な機能が他にも提供されている。例えば、図6(A)、図6(B)には、ワイルドカード(検索文字又は検索キー)を利用した機能の一例が示されている。まず、図6(A)に示されるように、プルダウンメニューのテキスト文字設定欄に、ワイルドカードとして%を指定し、「%3%」とキーボード130Kを用いて入力する。すると、プルダウンメニューには、真ん中の数が3である項目、「130」、「230」、「330」のみが表示されるようになる。また、図6(B)に示されるように、テキスト入力設定欄に、ワイルドカードとして*を指定し、「3*」とキーボード130Kを用いて入力する。すると、プルダウンメニューには、3が先頭の数字である、「30」、「300」、「330」のみが表示されるようになる。
【0030】
この処理を行うメッセージハンドラは、図7に示されるように、まず、ステップ301において、上記キーボード入力による文字列を取得し、ステップ303において、その文字列を参照して、ワイルドカード「%」、「*」、「3」などのキーワードが含まれていることを解読し、ステップ305において、それらのキーワードに関連する項目のみを、プルダウンメニューの項目テーブルから抽出(検索)し、ステップ307において、抽出(検索)された項目のみを、ディスプレイ130Dによりプルダウンメニューに表示させるようにする。このようにすれば、プルダウンメニューの項目の絞り込みを行うことができるようになるので、操作性がさらに向上する。
【0031】
また、図8には、パラメータの設定のためのプルダウンメニューの他の表示例が示されている。このプルダウンメニューでは、推奨値として指定されている項目に対し丸又は二重丸が付与されている。このようにすれば、オペレータは、このプルダウンメニュー内に表示されたパラメータの設定値群の中から推奨されている設定値を容易に識別することができるようになるので、さらに、操作性を向上させることができる。このような推奨値の表示は、まさに、オペレータによるマウス130M又はキーボード130Kを介したプルダウンメニューの各項目の指定を支援するための情報を表示することに相当する。ここで、推奨値の表示は、過去の使用頻度に基づいてプルダウンメニューに表示されても良い。
【0032】
また、図9には、複数の異なる3つのパラメータをそれぞれ設定するための複数のプルダウンメニューが並べて表示されている様子が示されている。一番左のプルダウンメニューは、アライメントの際に用いるアライメントセンサを選択するためのプルダウンメニューである。ここでは、LSA(Laser Step Alignment)方式、FIA(Field Image Alignment)方式のいずれかを設定可能となっている。これらのアライメントセンサの方式に関しては、特開平7−321028号公報等に開示されているので、詳細な説明を省略する。このようなアライメントセンサの選択も、波形処理シミュレーションを行うための重要なパラメータである。
【0033】
また、中央のプルダウンメニューでは、マークの波形データを処理する際のアルゴリズムの番号を選択することができるようになっており、一番右のプルダウンメニューでは、その波形データからマークのエッジを検出するためのエッジ検出方法を選択することができるようになっている。露光装置1001〜100Nでは、多種多様なアルゴリズムで波形処理を行うことができるようになっており、そのアルゴリズムで用いられる波形のエッジを検出する方法も幾つか用意されているのである。
【0034】
このように、これら3つのパラメータは互いに相関関係のあるパラメータである。例えばアライメントセンサとしてLSA方式を選択した場合と、FIA方式とを選択した場合とでは、用いることが可能な波形処理アルゴリズムは異なり、その波形処理アルゴリズムによって、適用することができるエッジ検出方法も当然異なる。そこで、本実施形態では、アライメントセンサのプルダウンメニューにおいて、例えば図9に示されるように、FIA方式を選択した場合には、アルゴリズム番号のプルダウンメニューには、そのFIA方式のアライメントセンサを選択した場合に、選択可能なアルゴリズム番号41、42、44〜46、80〜85しか表示しないものとする。また、アルゴリズム番号45を選択した場合には、その45番のアルゴリズムで選択可能なエッジ検出方法である、「Slice」、「M−Slope1」、「M−Slope2」しか表示しないものとする。
【0035】
このような処理も、メッセージハンドラで実現することが可能である。例えば、図10に示されるように、アライメントセンサのプルダウンメニューの選択に対応するメッセージハンドラ内で、ステップ401、ステップ403において、図5のステップ201と、ステップ203と同様の処理を行った後、ステップ405において、関連するパラメータのプルダウンメニューの項目における関連する項目の絞り込みを行えばよい。
【0036】
このように、それぞれが独立したプルダウンメニューにおいて、それぞれ連関したパラメータを設定しようとする場合には、各パラメータが、主と従の関係にある場合には、上述のように、主のパラメータをそのプルダウンメニュー(第1のメニューリスト)から選択したときに、従のパラメータに対応するプルダウンメニュー(第2のメニューリスト)メニュー表示を絞りこむ(第1の項目に対応する第2の項目を抽出し、それを表示する)ように設定すればよい。しかしながら、各パラメータには相関関係があるものの、各パラメータが互いに対等の関係である場合には、どのプルダウンメニューの項目が指定されるかはオペレータの操作次第となる。この場合には、どのプルダウンメニュ−において項目が選択されても(すなわち第2のメニューリストで第2の項目が選択されても)、他のプルダウンメニュー(第1のメニューリスト)において項目の絞りこみ(第2の項目に対する第1の項目の抽出)が行われる必要がある。そこで、このアプリケーションは、どのプルダウンメニューで最初に項目が選択されても、他のメニューにおいて項目を抽出することができるように構成されている。
【0037】
また、図9に示されるように、各プルダウンメニューにおいて、項目の横に矢印を表示するようにしてもよい。この矢印をクリックすると、その矢印の方向にある他のプルダウンメニューにおいて関連する項目がポップアップ表示されるようになる、それらの項目の横にも矢印が表示されており、その矢印を選択すると、その矢印の方向にある他のプルダウンメニューの項目が表示されるようになる。そして、このプルダウンメニューの項目を選択すると、全てのプルダウンメニューにおいて項目(設定値)が選択されたものとし、その設定値で、各パラメータ設定を行う。図9では、アライメントセンサ→アルゴリズム番号→エッジ検出方法の順に項目が選択されているが、これは、任意の順番とすることができる。アルゴリズム番号を先に選択した場合には、逆側(左右)にそれぞれ向いた2つの矢印を表示するようにしてもよい。
【0038】
このような仕組みは、以下のように実現される。すなわち、マウス130Mの操作により項目が選択されると、ウィンドウプロシージャは、選択された項目と、その項目に関連する他のプルダウンメニュー内の項目との階層ツリーを構築する。この階層ツリーは、例えば、図9の例によれば、アライメントセンサのFIAの下の層には、アルゴリズム番号45等がつながり、アルゴリズム45番の下の層には、エッジ検出方法として、「Slice」、「M−Slope1」、「M−Slope2」などがつながっているような仮想的なツリーである。このような階層ツリーは、予め設定された各パラメータの関係を示すテーブルを参照することにより作成される。そして、新たにその階層ツリーに基づいて、選択された項目の横に、他のプルダウンメニューを向く矢印(UIオブジェクト)を表示させる。前述のように、そのプルダウンメニューが先に選択されるかは、オペレータの操作によるため、矢印の向きは、その都度決定される。このようにすれば、連続した一度のマウス操作により、複数のプルダウンメニューの項目選択が可能となるので、操作性が向上する。
【0039】
なお、図9に示されるように、1つのウィンドウの中に複数のプルダウンメニューが存在する場合には、パラメータが関連する全てのプルダウンメニューをアクティブにするショートカットキーを設定できるようにしてもよいし、“ctrl”キーを使用して複数のプルダウンメニューを選択し、アクティブにしても良い。
【0040】
図3に戻り、すべてのパラメータの設定が完了し、「OK」ボタンをマウス130Mの操作によりクリックすると、このアプリケーションにより波形処理シミュレーションが実行される。
【0041】
図11には、この波形処理シミュレーションの処理(これも上述したウィンドウプロシージャのメッセージハンドラとすることができる)を示すフローチャートが示されている。図11に示されるように、まず、ステップ501では、マウス130M又はキーボード130Kの操作により入力され更新されたアライメントパラメータ群をメモリ領域から読み出す。そして、次のステップ503で、設定されたアルゴリズム番号、及び、そのアルゴリズム番号で使用する各種処理パラメータに基づいて波形処理シミュレーションを行う。この波形処理シミュレーションは、露光装置1001の主制御装置で行われる波形処理とほぼ同じ処理である。この波形処理結果、すなわちマーク位置の検出結果などは、例えば図12のウィンドウのように表示することができる。このウィンドウでは、ウエハ番号1の各ショット領域におけるXマーク及びYマークの検出結果がリスト表示されている。
【0042】
以上述べたように、本実施形態のアプリケーションでは、プルダウンメニューを用いてパラメータを設定する際にオペレータの操作を支援する機能について説明したが、このアプリケーションでは、オペレータを支援する他の機能も提供されている。
【0043】
<マクロスクリプト実行機能>
例えば、オペレータが過去に行った操作手順を覚えておき、必要に応じてその操作を手間をかけずに繰り返すことができる機能が提供されている。図13には、その機能を実現するためのウィンドウが示されている。このウィンドウの右上には、ロギング実行ボタンと、復元実行ボタンとが表示されている。なお、このロギング実行ボタンがまだクリックされておらず、マクロスクリプトファイルが保存されていない状態では、復元実行ボタンは霞がけ表示で、クリックされてもイベントが発生しない無効ボタンとなっている。このロギング実行ボタンをマウスでクリックすれば、それ以前の操作をスクリプトファイルなどに記憶する。これにより、復元実行ボタンの霞がけが解除され、イベントを発生させる有効なボタンとして機能するようになる。この復元実行ボタンをクリックすれば、そのスクリプトファイルに記憶されたスクリプトを実行することにより、一連の操作手順を再び実行する。
【0044】
このマクロスクリプト実行機能についても、ウィンドウプロシージャにおいて、コマンドメッセージに含まれる付帯情報(命令の種別を示すコマンドID)の履歴、すなわち一連の操作手順の履歴をバックグラウンドで記憶しておき、ロギング実行ボタンに対応するコマンドメッセージ(一連の操作手順の履歴の記録命令を示すコマンドIDを含むコマンドメッセージ)が送られてくる度に、そのメッセージハンドラで、その履歴に基づいてスクリプトファイルの生成を随時行う。なお、このスクリプトファイルを生成するために、ウィンドウプロシージャでは、これまでの操作履歴を内部メモリに格納している。予めロギング機能オフの設定がなされている場合は、前記ウィンドウプロシージャにおけるコマンドメッセージに含まれる付帯情報の履歴のバックグラウンド記憶は行われない。これにより、本機能未使用時の処理時間短縮が行える。
【0045】
さらに、復元実行ボタンに対応するコマンドメッセージ(すなわち、マクロスクリプトに含まれる一連の操作手順の再実行命令を付帯情報として含むコマンドメッセージ)が送られてきた場合に、その復元実行ボタンに対応するメッセージハンドラでは、記録したスクリプトファイルの実行を行うようにすればよい。
【0046】
この機能では、スクリプトファイルを複数記憶しておくことができる。図13に示される画面の一番左のプルダウンメニューの項目は、そのスクリプトファイルのID番号を示す。このID番号は、1〜8まであり、計8個のスクリプトファイルを記憶しておくことができる。ロギング実行ボタンがクリックされたときに実行されるメッセージハンドラでは、スクリプトファイルの記憶は、1番から順番に行われる。すなわち、最初に記憶されたスクリプトファイルのID番号は、1番となる。そして、記憶される毎に、2、3、…8のID番号が各スクリプトファイルに付与される。各スクリプトファイルには、オペレータが行ったこれまでの操作(コマンドID)がすべて書き込まれる。なお、本実施形態では、格納可能なスクリプトファイルは8であるが、これには限られない。
【0047】
次に、オペレータが、このプルダウンメニューにおいてスクリプトファイルのID番号を指定して、復元実行ボタンをクリックすると、そのボタンに対応するメッセージハンドラでは、そのID番号のスクリプトファイルをオープンし、そのファイルに含まれるスクリプトを実行する。ここで、ID番号が1〜8までのスクリプトファイルをそれぞれ実行すると、前に行った一連の操作手順での各段階における処理結果を再び表示させることができるようになる。すなわち、オペレータが、解析結果を段階的に追っていくことができるので、その解析、評価を効率良く行うことが可能となる。
【0048】
一方、中央のプルダウンメニューは、スクリプトファイルの実行の際に、用いるデータファイルを指定するメニューである。ここで、「include」を選択すれば、復元実行ボタンに対応するメッセージハンドラでは、スクリプトファイルを記憶した時にオープンされ選択されていたデータファイルを用いてスクリプトを再実行し、「exclude」を選択すれば、そのメッセージハンドラでは、現在選択されているデータファイルを用いてそのマクロスクリプトを再実行する。このようにすれば、元々の画面を完全に復元することもできるようにもなるし、新たなデータファイルで一連の操作手順に従った処理を実行することもできるようになる。これにより、オペレータの要求に応じたスクリプトの実行環境を実現することができるようになる。なお、「exclude」を選択した場合に、選択されたデータと、マクロスクリプトに含まれる実行命令との中に不整合がある場合には、その旨のエラー表示を行う。
【0049】
図14には、上記復元実行ボタンがクリックされたときの処理の一例のフローチャートが示されている。図14に示されるように、まず、ステップ601において、選択されたID番号を取得し、ステップ603において、そのID番号に対応するスプリプトファイルをオープンする。そして、ステップ605において、「include」が設定されているか否かを判断する。この判断が肯定されれば、ステップ607に進み、否定されればステップ609に進む。ステップ607では、ロギング実行時に選択されていたデータファイルをオープンし、ステップ609では、現在選択されているデータファイルをオープンする。ステップ607又はステップ609実行後は、ステップ611に進み、そのスクリプトファイルに含まれるマクロスクリプトを実行する。
【0050】
なお、このようなマクロスクリプトの実行(復元実行)は、任意のタイミングで行うことができる。例えば、このアプリケーションを一旦クローズし、再びオープンした後でも実行可能である。
【0051】
<データリンク機能>
また、このアプリケーションでは、オープン可能なデータファイルに制限があり、このアプリケーションを1つだけ起動した状態では、それ以上の数の複数のデータファイルに対するデータの一括処理を行うことができない。そこで、オペレータは、このアプリケーションを複数起動させ、各アプリケーションにより、異なるデータファイルをオープンして処理させる。この場合、オペレータは複数起動した各アプリケーションにおいて同じ操作を行うようになるが、各アプリケーションのウィンドウに対し、同じ操作を実際に行うのは効率の面から好ましくないので、複数起動したアプリケーションのうち、いずれか1つのアプリケーションに対して行った操作を、他のアプリケーションでも自動的に行うことができる、いわゆる同期操作を行うような仕組みを提供する。
【0052】
このようなアプリケーションでは、起動される際に、いわゆるID番号としてのインスタンスハンドルがOSより付与される。各アプリケーションは、自身のインスタンスハンドルを識別できるようになっている。本実施形態のアプリケーションでは、起動したアプリケーション間のコマンド通信リンクを確立するためのリンク設定ウィンドウが用意されている。このウィンドウでは、いわゆるマスタとしてのアプリケーションと、そのマスタのスレーブとなるアプリケーションを、それらのインスタンスハンドルを指定することにより設定する。
【0053】
ここで、起動しているアプリケーションを「アプリ−1」、「アプリ−2」、「アプリ−3」とする。図15には、この「アプリ−1」〜「アプリ−3」でコマンド通信リンクが確立されている状態が模式的に示されている。各アプリ−1、2、3のブロックの上側に、同期操作のためのコマンド通信リンクを示す矢印が示されている。この矢印は、マスタとなるオブジェクトからスレーブとなるオブジェクトを指すように図示されている。すなわち、図15に示される状態では、アプリ−1がマスタとして設定されており、アプリ−2、アプリ−3がスレーブとして設定されている。このようなコマンド通信リンクが確立している場合、アプリ−1に対して行われた操作は、このコマンド通信リンクを介して、アプリ−2、アプリ−3に伝えられ、アプリ−2、3では、この操作に従ってその操作が自身に対して行われたのと同様の処理を行う。
【0054】
このコマンド通信リンクの仕組みの一例について説明する。このアプリケーションでは、複数起動された場合に、そのアプリケーション間で共通にアクセスすることができる共有のメモリ領域が設けられている。本実施形態では、この共通メモリを介して、コマンド通信リンクが確立された旨や、操作内容が、マスタから全てのスレーブのアプリケーションに伝えられる。このようにすれば、アプリケーション間の同期操作を実現することが可能となる。なお、このような共有メモリを用いたアプリケーション間の通信機能は、マルチタスクのOSでは、一般的に提供されている機能である。
【0055】
また、本実施形態では、このアプリケーションでは、複数起動された場合に、そのアプリケーション間で、データ通信リンクを確立することにより、アプリケーション間でのデータのやり取りを行うことができるようになっている。アプリケーションでは、このデータ通信リンクを確立するための設定ウィンドウが提供されている。例えば、アプリ−2、アプリ−3でオープンしたデータファイルのデータをアプリ−1で一括して処理したい場合には、アプリ−1をマスタ(クライアントと考えてもよい)とし、アプリ−2、3をスレーブに設定すればよい。このようにすればアプリ−1のウィンドウで、各種操作を行う場合には、アプリ−1、2、3でオープンしたデータファイルに含まれるすべてのデータに対し、その操作に従った処理が行われる。図15には、上述したマスタ−スレーブの関係の一例に基づくデータ通信リンクの接続関係が模式的に示されている。
【0056】
図16には、上述したデータ通信リンクを介してデータの一括処理を行うためのウィンドウが示されている。このウィンドウには、複数のウエハにおけるEGAの結果、すなわちオフセット、回転、直交度、倍率の各補正ファクタがウエハ毎にリスト表示されている。例えば、これらのEGA結果のデータファイルがウエハ毎に存在する場合、このようなリスト表示を行うには、各ウエハのデータファイルをウエハ数分だけオープンする必要があるが、1つのアプリケーションだけではオープン可能なファイル数に制限があるので、複数のアプリケーションを起動し、各アプリケーションで読み込み可能な数のデータファイルをオープンしてデータを読み込む。そして、上記データ通信リンクを介してマスタのアプリケーションにすべてのデータを送り、図16に示されるマスタのウィンドウ内で、すべてのデータのリスト表示を行うことができる。また、同様に、前記EGA結果のデータファイルがロット毎に存在する場合、ロット間でのデータ評価が行える。この場合、図16のデータリストの“Sim.Param.No.”欄に、ロット毎の識別番号が表示される。
【0057】
なお、このウィンドウを用いて、データのソートなどを行うこともできる。このウィンドウには「Order by」の枠が表示されており、その枠内には、ソート対象の項目を指定するためのラジオボタンが表示されている。例えば図16では、「Offset」のラジオボタンが指定されており、この場合には、例えばウエハ間のEGAパラメータのデータが連結され、オフセットが小さい順にデータがソーティングされ、リスト内の表示が更新される。
【0058】
なお、このようなデータ通信リンク機能も、コマンド通信リンク機能と同様に、上述したアプリケーション間の共有メモリを用いて実現することができる。
【0059】
また、図17には、このデータ通信リンク機能を利用したデータ一括処理により、複数のウエハそれぞれに対応するデータファイルを別々のアプリケーションでオープンし、算出された各ウエハの補正量のベクトルマップを重ねて表示した補正量マップが示されている。このようにすれば、各アプリケーションで処理した結果の比較表示が可能となる。もし、このデータ通信リンク機能を活用せず、別々のウィンドウで、ベクトルマップを表示させてそれらを比較するのに比べて、その違いが鮮明となる。なお、この場合、異なるベクトルマップは、例えば違う色で表示するなどの工夫が必要である。
【0060】
このようなデータの一括処理には、同時データ評価やデータの一括保存など、様々なものが挙げられる。例えば図2に示されるような波形表示ウィンドウで、異なるデータファイルから読み取られた波形データの比較表示を実現することも可能である。
【0061】
なお、このデータ通信リンク機能を活用する際にも、上述したマクロスクリプト実行機能を用いることは可能である。このようにすれば、複数のアプリケーションの一連の同期操作手順をマクロスクリプト化できるので、操作性が飛躍的に向上する。
【0062】
なお、本実施形態では、PC130を制御するオペレーティングシステムを、Windows(登録商標)としたが、GUIを提供するマルチタスクのオペレーティングシステムであれば他のOSでもよいことは勿論である。このようなOSはプリエンプティブなものでも、ノンプリエンプティブなものでもよい。ただし、ノンプリエンプティブなOSである場合に、アプリケーション間の同期動作、データ一括処理を行う場合には、上述した共有メモリにくわえて、アプリケーション間でメッセージのやり取りを行って、メッセージの受け手側のアプリケーションが実行されるようにディスパッチを行う必要がある。
【0063】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、アプリケーションが動作するPC本体130Pが調整装置、処理装置に対応する。
【0064】
以上詳細に述べたように、本実施形態によれば、マウス130M又はキーボード130Kの操作により、ディスプレイ130Dに表示された複数の項目を含むプルダウンメニューの項目が指定され、その指定に関する情報が入力された場合に、PC本体130P上で動作するアプリケーションでは、その指定に関する情報(OSを介してウィンドウプロシージャに送られるコマンドメッセージに含まれる各項目に対応するコマンドID)に応じて、ディスプレイ130Dにおけるそのプルダウンメニュー及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する。このようにすれば、再度そのプルダウンメニューの項目の選択を行う際には、オペレータの操作内容に応じて調整された状態で、項目の選択を行うことができるので、操作効率を向上させることができる。この操作効率の向上により、結果的に、このアプリケーションの実行を伴うデバイスの製造工程のスループットを向上させることができる。
【0065】
具体的には、本実施形態では、入力された項目指定に関する情報に応じて、ディスプレイ130Dにより表示されるウィンドウのプルダウンメニューの項目の表示順を調整している。さらに、具体的には、指定された項目がそのプルダウンメニューの先頭(最上位)に表示されるようにする。このようにすれば、再度指定される可能性が高い項目が、プルダウンメニューに最優先で表示されるようになり、そのプルダウンメニューで項目を選択する際の操作効率が向上する。なお、指定された項目を、常にプルダウンメニューの一番上に表示する必要はない。プルダウンメニュー内の各項目についてそれぞれが何回指定されたかを内部メモリに記憶しておき、指定された回数が多い順にプルダウンメニューの表示順をソートするようにしてもよい。
【0066】
また、プルダウンメニューの表示順を調整するだけでなく、指定された項目を太字で表示したり、色を変えたり、字を点滅させたり、動かしたり、フォントサイズを大きくしたり、その項目に対応するメニュー領域を広げたりするようにしてもよい。
【0067】
なお、このような機能は、過去の入力履歴に基づいて、次回の入力を予測する機能であるとみなすことができる。
【0068】
また、入力された項目指定に関する情報に、キーボード130Kからの入力によるキーワードが含まれている場合には、プルダウンメニューに含まれる項目をそのキーボードに関連する項目を抽出し、抽出された項目のみをプルダウンメニューに表示する。このようにすれば、プルダウンメニュー内の項目数を少なくすることができるので、操作効率がさらに向上する。なお、本実施形態では、「%」、「*」などの記号をワイルドカードとして用いたがこれには限られない。他の記号をワイルドカードとして用いてもよいし、ワイルドカードは指定されなくてもよい。なお、抽出された項目だけを表示するようにしなくてもよく、最優先に表示するだけでもよい。
【0069】
また、本実施形態のアプリケーションでは、パラメータの設定値に関し、その推奨値が存在する場合には、そのパラメータを設定するためのプルダウンメニュー内において、その値が推奨値であることが識別できるように表示する。このようにすれば、例えば、オペレータは、推奨値またはそれに近い値をすぐに設定することができるので、操作効率が向上する。なお、推奨値の表示は、本実施形態のようなものには限られず、推奨値を太字で表示してもよいし、色を変えてもよいし、推奨値である旨を直接表示するようにしてもよいし、少しシフトさせて表示させるようにしてもよい。すなわち、推奨値を他の項目よりも優先的に表示すればよい。このように、このアプリケーションでは、プルダウンメニュー内に、オペレータによるマウス130M又はキーボード130Kを介した各項目の指定を支援するための情報をも表示して、項目を選択する際の操作性の向上を図っている。項目の指定を支援するための情報としては、任意の情報を適用することができる。例えば、過去に指定された回数や、指定した結果がおもわしくなかった項目などに関する情報を表示するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態によれば、複数の異なるパラメータの設定に関し、各パラメータの設定のためのプルダウンメニューがディスプレイ130Dに同時に表示されている。そして、パラメータ間に相関関係がある場合には、オペレータがいずれか1つのプルダウンメニューにおいてパラメータの設定値を指定した場合に、他のプルダウンメニューの項目から、指定された設定値に関連するパラメータの設定値を、該他のプルダウンメニュー内から抽出し、ディスプレイ130Dにその抽出された設定値のみを表示する。このようにすれば、項目の絞り込みを行うことができるので、さらに操作性を高めることができるようになる。
【0071】
また、本実施形態によれば、PC本体130Pは、ディスプレイ130Dから入力された指定に関する情報に基づいて選択された項目と、その項目に関連する他のプルダウンメニュー内の項目との階層ツリーを構築し、該階層ツリーに基づいて前記各プルダウンメニューの項目を、オペレータによるマウス130Dを介した入力により一度に選択可能となるように対応付けてディスプレイ130Dにより同時に表示するように調整する。このようにすれば、オペレータは、複数のプルダウンメニューにまたがる異なるパラメータの設定を一度の連続した操作で行えるようになる。
【0072】
また、上記実施形態では、プルダウンメニューに本発明を適用する場合に述べたが、メニューは、ポップアップメニューやダイアログボックスのリスト表示などでもよい。
【0073】
また、本実施形態によれば、PC本体130Pは、OSにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、マウス130M又はキーボード130Kの操作により入力される操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行うことができるので、各アプリケーションにおいてそれぞれ同じ操作を繰り返し行う必要がなくなるため全体的な操作性が格段に向上する。また、アプリケーションがオープン可能なファイル数に制限があっても、アプリケーション間のデータ通信機能を利用してデータの一括処理を行えるようになるので、実質的に一度に扱えるファイル数に制限がなくなり、アプリケーションのサイズを保ちつつ、大規模なデータ処理を実現することが可能となる。
【0074】
なお、上記データ通信機能には、本実施形態のような共有メモリを用いたものに限られない。メッセージキューを用いた機能、フラグ(セマフォ)を用いた機能、シグナルを用いた機能などを適用することができる。また、アプリケーション(プロセス)間でメッセージのやり取りが可能であれば、メッセージにより、同期動作又はデータの一括処理を実現するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態によれば、ロギング実行ボタンがクリックされると、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴をロギングしておく。そして、復元実行ボタンがクリックされ、ロギングされた一連の操作手順の再実行命令がコマンドメッセージとして入力された場合には、その履歴に従って一連の操作手順(マクロスクリプト)の処理を再実行する。このようにすれば、同じ一連の操作手順を繰り返し実行するための操作を行う必要がなくなって手間が省けるので、アプリケーションの操作性を格段に向上させることができるようになる。
【0076】
なお、このようなマクロスクリプトの記録、実行においては、マクロスクリプトファイルが作成された時に選択されていたデータファイルを用いるか、現在選択されているデータファイルを用いるか指定可能であり、一連の操作手順を段階的に実行できるように、その段階に応じたスクリプトファイルを複数記録することができるというように、マクロスクリプトの実行に関するきめ細かな設定を可能としているので、利便性がさらに向上している。
【0077】
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態のリソグラフィシステム110及び露光装置100iによりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、メモリリペアステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0078】
また、上記実施形態では、露光装置のシミュレーションを行うアプリケーションでのパラメータの設定について本発明を適用する例について述べたが、露光装置の他、検査装置、リペア装置、搬送装置、計測装置、試験装置、その他の装置全般のシミュレーションを行うアプリケーションの装置パラメータの設定への適用が可能である。また、本発明は、シミュレーションを行うアプリケーションソフトウエアだけでなく、GUI環境を提供するOSの制御の下で動作する全てのアプリケーションに適用が可能である。また、複数のアプリケーションでの同期操作、データ一括処理を行うことが可能なアプリケーションは、同一の情報処理システムで起動しているものには限られず、通信ネットワークで接続された2つのコンピュータ上でそれぞれ動作するアプリケーションであってもよい。
【0079】
なお、上記実施形態では、Windows(登録商標)の制御の下で動作するアプリケーションに本発明を適用する場合について述べたが、これには限られず、他のOSの制御の下で動作するアプリケーションでもよいことは勿論である。また、通常のパーソナルコンピュータだけでなく、露光装置等のデバイス製造装置のマン・マシン・インターフェイス、携帯電話、固定電話機、PDA、コピー機、FAX、テレビジョン、ATM、チケット販売機などの情報処理端末、旅客機や船舶などの操作端末、インターネットに接続された情報家電などが、GUIや、マルチタスクの環境をサポートしている場合には、そのような装置にも本発明を適用することができるのは勿論である。
【0080】
なお、現在では、上記のようなOSには、多種多様なプログラミング開発言語及びAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)がサポートされており、上記アプリケーションのソフトウエアを開発することは上記開示内容により容易にできる。基本的には、発生したイベント(すなわちオペレータによる操作)に対するアプリケーションのふるまい、具体的には、強力なサポート体制が確立されている開発環境であれば、アプリケーションに送られてくるメッセージに対するメッセージハンドラ等の処理内容を設計するだけでアプリケーションの開発が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の情報処理システム及びプログラムは、グラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)環境を提供するオペレーティングシステム(OS)の制御の下で動作するアプリケーションツールとして用いられるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に係るリソグラフィシステムの全体構成を概略的に示す図である。
【図2】評価ソフトアプリケーションの波形表示ウィンドウの一例を示す図である。
【図3】評価ソフトアプリケーションのパラメータ設定ウィンドウの一例を示す図である。
【図4】図4(A)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その1)であり、図4(B)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その2)であり、図4(C)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その3)であり、図4(D)は、プルダウンメニューの一例を示す図(その4)である。
【図5】プルダウンの調整処理を示すフローチャートである。
【図6】図6(A)は、プルダウンメニューにおけるワイルドカードの設定例を示す図(その1)であり、図6(B)は、プルダウンメニューにおけるワイルドカードの設定例を示す図(その2)である。
【図7】キーワードによる項目絞り込みの処理を示すフローチャートである。
【図8】プルダウンメニューの一例を示す図(その5)である。
【図9】プルダウンメニューの一例を示す図(その6)である。
【図10】複数のプルダウンメニューでの設定処理を示すフローチャートである。
【図11】波形処理シミュレーションを行う際のフローチャートである。
【図12】マークの位置の検出結果を表示するウィンドウの一例を示す図である。
【図13】マクロスクリプトの設定ウィンドウの一例を示す図である。
【図14】復元実行の処理を示すフローチャートである。
【図15】アプリケーション間の通信リンクを模式的に示す図である。
【図16】EGAの補正結果のデータを表示するウィンドウの一例を示す図である。
【図17】ウエハ上のEGAの補正量を示す補正量マップを表示するウィンドウの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1001〜100N…露光装置、130…コンピュータ(PC、情報処理システム)、130D…ディスプレイ(表示装置)、130K…キーボード(入力装置)、130M…マウス(入力装置)、130P…コンピュータ本体(PC本体)、160…LAN。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目が含まれるメニューリストを表示する表示装置と;
前記項目の指定に関する情報を入力する入力装置と;
前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置における前記メニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する調整装置と;を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記調整装置は、
過去に入力された前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置により表示されるメニューリスト内の項目の表示順を調整することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記調整装置は、
前記指定に関する情報に含まれる項目が常に最優先となるような表示順の調整と、前記各項目の指定回数に応じた表示順の調整とのいずれか一方を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記指定に関する情報には、キーワードが含まれており、
前記調整装置は、前記メニューリストからそのキーワードに関連する項目のみを、前記表示装置により前記メニューリスト内に表示する項目として抽出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示装置は、前記メニューリスト内に、オペレータによる前記入力装置を介した各項目の指定を支援するための情報を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記各項目の指定を支援するための情報には、その項目が推奨されているか否かを識別可能な情報が含まれることを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記調整装置は、
前記メニューリストとは他のメニューリストにおいて指定された項目に関連する項目を優先的に表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示装置は、
複数の異なる前記メニューリストを同時に表示可能であり、
前記調整装置は、
前記指定に関する情報に基づいて複数のメニューリストのうちのいずれか1つの第1のメニューリストについて第1の項目が指定されると、第2のメニューリストの項目から、指定された第1の項目に関連する第2の項目を、前記表示装置により前記第2のメニューリスト内に表示する項目として抽出するとともに、前記第2のメニューリストの項目について第2の項目が指定されると、前記第1のメニューリストの項目から、指定された第2の項目に関連する第1の項目を、前記表示装置により前記第1のメニューリスト内に表示する項目として抽出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記調整装置は、
前記入力装置から入力された指定に関する情報に基づいて選択された項目と、その項目に関連する他のメニューリスト内の項目との階層ツリーを構築し、該階層ツリーに基づいて前記各メニューリストの項目を、オペレータによる前記入力装置を介した入力により一度に選択可能となるように対応付けて前記表示装置により同時に表示するように調整することを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
マルチタスクのオペレーティングシステムの制御の下で情報処理を行う情報処理システムであって、
オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;
前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、前記操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行う処理装置と;を備える情報処理システム。
【請求項11】
オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;
一連の操作手順の履歴の記録命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力される度に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を、随時記録する記録装置と;
記録された前記履歴のうちいずれか1つの履歴に含まれる一連の操作手順の再実行命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力された場合には、指定された履歴に含まれる一連の操作手順に従って処理を行う処理装置と;を備える情報処理システム。
【請求項12】
前記記録命令には、前記一連の操作手順の再実行時に、前回の実行時に選択されていたデータファイルを用いるか、現在選択されているデータファイルを用いるかを指定するファイル指定に関する情報が含まれ、
前記処理装置は、
前記ファイル指定に関する情報に指定されたデータファイルを用いることを特徴とする請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記処理装置は、マルチタスクのオペレーティングシステムの制御の下で処理を行う装置であり、
前記操作情報には、
前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用した、アプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行うための処理命令が含まれることを特徴とする請求項11又は12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記メニューリスト内の各項目は、露光装置の動作を規定する装置パラメータの設定値であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項15】
複数の項目が含まれるメニューリストを表示する表示手順と;
前記項目の指定に関する情報を入力する入力手順と;
前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置における前記メニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する調整手順と;をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
オペレータによる操作情報を入力する第1手順と;
前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、前記操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行う第2手順と;をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項17】
オペレータによる操作情報を入力する第1手順と;
一連の操作手順の履歴の記録命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力される度に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を、随時記録する第2手順と;
記録された前記履歴のうちいずれか1つの履歴に含まれる一連の操作手順の再実行命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力された場合には、指定された履歴に含まれる一連の操作手順に従って処理を行う第3手順と;をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
複数の項目が含まれるメニューリストを表示する表示装置と;
前記項目の指定に関する情報を入力する入力装置と;
前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置における前記メニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する調整装置と;を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記調整装置は、
過去に入力された前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置により表示されるメニューリスト内の項目の表示順を調整することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記調整装置は、
前記指定に関する情報に含まれる項目が常に最優先となるような表示順の調整と、前記各項目の指定回数に応じた表示順の調整とのいずれか一方を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記指定に関する情報には、キーワードが含まれており、
前記調整装置は、前記メニューリストからそのキーワードに関連する項目のみを、前記表示装置により前記メニューリスト内に表示する項目として抽出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示装置は、前記メニューリスト内に、オペレータによる前記入力装置を介した各項目の指定を支援するための情報を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記各項目の指定を支援するための情報には、その項目が推奨されているか否かを識別可能な情報が含まれることを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記調整装置は、
前記メニューリストとは他のメニューリストにおいて指定された項目に関連する項目を優先的に表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示装置は、
複数の異なる前記メニューリストを同時に表示可能であり、
前記調整装置は、
前記指定に関する情報に基づいて複数のメニューリストのうちのいずれか1つの第1のメニューリストについて第1の項目が指定されると、第2のメニューリストの項目から、指定された第1の項目に関連する第2の項目を、前記表示装置により前記第2のメニューリスト内に表示する項目として抽出するとともに、前記第2のメニューリストの項目について第2の項目が指定されると、前記第1のメニューリストの項目から、指定された第2の項目に関連する第1の項目を、前記表示装置により前記第1のメニューリスト内に表示する項目として抽出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記調整装置は、
前記入力装置から入力された指定に関する情報に基づいて選択された項目と、その項目に関連する他のメニューリスト内の項目との階層ツリーを構築し、該階層ツリーに基づいて前記各メニューリストの項目を、オペレータによる前記入力装置を介した入力により一度に選択可能となるように対応付けて前記表示装置により同時に表示するように調整することを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
マルチタスクのオペレーティングシステムの制御の下で情報処理を行う情報処理システムであって、
オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;
前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、前記操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行う処理装置と;を備える情報処理システム。
【請求項11】
オペレータによる操作情報を入力する入力装置と;
一連の操作手順の履歴の記録命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力される度に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を、随時記録する記録装置と;
記録された前記履歴のうちいずれか1つの履歴に含まれる一連の操作手順の再実行命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力された場合には、指定された履歴に含まれる一連の操作手順に従って処理を行う処理装置と;を備える情報処理システム。
【請求項12】
前記記録命令には、前記一連の操作手順の再実行時に、前回の実行時に選択されていたデータファイルを用いるか、現在選択されているデータファイルを用いるかを指定するファイル指定に関する情報が含まれ、
前記処理装置は、
前記ファイル指定に関する情報に指定されたデータファイルを用いることを特徴とする請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記処理装置は、マルチタスクのオペレーティングシステムの制御の下で処理を行う装置であり、
前記操作情報には、
前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用した、アプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行うための処理命令が含まれることを特徴とする請求項11又は12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記メニューリスト内の各項目は、露光装置の動作を規定する装置パラメータの設定値であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項15】
複数の項目が含まれるメニューリストを表示する表示手順と;
前記項目の指定に関する情報を入力する入力手順と;
前記指定に関する情報に応じて、前記表示装置における前記メニューリスト及びその項目の少なくとも一方の表示状態を調整する調整手順と;をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
オペレータによる操作情報を入力する第1手順と;
前記オペレーティングシステムにより提供される複数の同一アプリケーション相互間でのデータ通信機能を利用して、前記操作情報に含まれる処理命令に対するアプリケーション間の同期処理及び前記各アプリケーションそれぞれに読み込まれたデータファイルに含まれるデータの一括処理の少なくとも一方を行う第2手順と;をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項17】
オペレータによる操作情報を入力する第1手順と;
一連の操作手順の履歴の記録命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力される度に、過去に入力された操作情報に基づく一連の操作手順の履歴を、随時記録する第2手順と;
記録された前記履歴のうちいずれか1つの履歴に含まれる一連の操作手順の再実行命令が含まれる操作情報が前記入力装置により入力された場合には、指定された履歴に含まれる一連の操作手順に従って処理を行う第3手順と;をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図12】
【図16】
【図17】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図12】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−113705(P2006−113705A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298426(P2004−298426)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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