説明

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】表示領域に表示されるタッチ操作対象物への操作範囲を表示領域外まで拡大すること。
【解決手段】PC100は、LCD16上へのタッチ及びその周囲のエッジアクセス領域3a上へのタッチを検出可能であり、LCD16にウィンドウWが表示された状態で、クローズボタン41がタッチされた場合にウィンドウWを閉じるのみならず、クローズボタン41に隣接する、エッジアクセス領域3a上の領域Aがタッチされた場合にもウィンドウWを閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作が可能な情報処理装置、当該情報処理装置における情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(Personal Computer)等の情報処理装置にはタッチパネルが搭載されることが多くなっている。このタッチパネルにおいては、表示領域とタッチ操作可能領域とは一致するのが一般的である。しかし、表示領域の隅に小さなアイコン等が表示される場合、表示装置の表示領域の周囲のフレームが邪魔になること、アイコンの大きさに比べて指の接触範囲が大きいこと等の理由により、ユーザのタッチ操作が困難となることがある。
【0003】
このような問題に関連して、下記特許文献1に記載のタッチパネルは、タッチ入力有効領域を表示画面より大きくすることで、表示画面の周辺部へのタッチ入力を容易にしている。
【0004】
また上記特許文献2及び3には、ディスプレイのみならず、その周囲のベゼルやボーダー領域においてもタッチ操作が可能とされた携帯機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−355593号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0238517号明細書
【特許文献3】米国特許第5919802号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術によって、表示画面の周囲のフレームが邪魔にならなくなったとしても、例えば表示画面の隅に表示されるアイコンがユーザの指の接触面積に比べて著しく小さい場合には、そもそも当該アイコンの位置をユーザが正確にタッチすることは難しい。
【0007】
また上記特許文献2及び3に記載の技術では、ベゼルやボーダー領域に対しては、ディスプレイ上へのタッチ操作により実行可能な機能とは異なる機能が割り当てられており、ディスプレイ上のタッチ操作対象物に対する操作を補助することはできない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、表示領域に表示されるタッチ操作対象物への操作範囲を表示領域外まで拡大することでタッチ操作性を向上させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、表示パネルと、フレームと、タッチセンサと、制御部とを有する。上記表示パネルは、所定の表示領域の表示面を有する。上記フレームは、上記表示パネルの周囲で上記表示領域を画定するフレーム面を有する。上記タッチセンサは、上記表示面及び上記フレーム面へのタッチを検出する。上記制御部は、上記表示面の第1の領域へのタッチが検出された場合に所定の処理を実行するとともに、上記第1の領域に隣接する上記フレーム面上の第2の領域へのタッチが検出された場合に上記所定の処理を実行する。
【0010】
この構成により、情報処理装置は、表示面に表示されるタッチ操作対象物への操作範囲を表示領域外まで拡大することができ、それによりタッチ操作性を向上させることができる。上記所定の処理とは、例えばウィンドウを閉じる操作等である。
【0011】
上記情報処理装置は、上記第2の領域へのタッチが検出された場合に、当該タッチの検出を示す情報を出力する出力部をさらに有してもよい。
【0012】
上記フレームは、例えば表示パネルに表示されるアイコン等と異なりそれ自体でタッチに対するフィードバックをユーザに返すことができないが、上記構成により情報処理装置は、フレームへのタッチに対するフィードバックを返すことができる。
【0013】
上記制御部は、上記第2の領域へのタッチが検出された場合に、当該タッチの検出を示す所定のアニメーションを上記表示パネルに表示するように上記出力部を制御してもよい。
【0014】
これにより情報処理装置は、フレームへのタッチに対するフィードバックを視覚的に返すことができる。
【0015】
この場合、上記制御部は、上記第2の領域におけるタッチ位置を中心として上記アニメーションが徐々が大きくなるように上記出力部を制御してもよい。
【0016】
これにより情報処理装置は、ユーザが実際にフレーム上のどの位置にタッチを行ったかを容易に報知することができる。
【0017】
上記出力部はスピーカを有してもよい。この場合上記制御部は、上記第2の領域へのタッチが検出された場合に、当該タッチの検出を示す所定の音声を上記スピーカから出力するように上記出力部を制御してもよい。
【0018】
これにより情報処理装置は、フレームへのタッチに対するフィードバックを聴覚的に返すことができる。
【0019】
上記情報処理装置は、上記フレーム面及び表示面を一体的に覆うように設けられたガラス板をさらに有してもよい。
【0020】
これにより情報処理装置は、上記ガラス板によりフラッシュサーフェス画面を実現し、第1の領域をタッチしているのか第2の領域をタッチしているのかをユーザに意識させないことができる。
【0021】
この場合、上記ガラス板の表面または裏面の、上記第2の領域に対応する位置には、上記所定の処理の内容を示す情報が印刷または彫刻されてもよい。
【0022】
これにより情報処理装置は、第1の領域へのタッチにより実行される所定の処理が、第2の領域へのタッチによっても実行されうることをユーザに容易に理解させることができる。
【0023】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、所定の表示領域の表示面を有する表示パネルと、上記表示パネルの周囲で上記表示領域を画定するフレーム面を有するフレームと、タッチセンサとを有する情報処理装置における情報処理方法である。当該情報処理方法では、上記タッチセンサにより、上記表示面及び上記フレーム面へのタッチが検出される。上記表示面の第1の領域へのタッチが検出された場合には、所定の処理が実行される。また上記第1の領域に隣接する上記フレーム面上の第2の領域へのタッチが検出された場合にも、上記所定の処理が実行される。
【0024】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、所定の表示領域の表示面を有する表示パネルと、上記表示パネルの周囲で上記表示領域を画定するフレーム面を有するフレームと、タッチセンサとを有する情報処理装置に、検出ステップと、第1実行ステップと、第2実行ステップとを実行させる。上記検出ステップでは、上記タッチセンサにより、上記表示面及び上記フレーム面へのタッチが検出される。上記第1実行ステップでは、上記表示面の第1の領域へのタッチが検出された場合に所定の処理が実行される。上記第2実行ステップでは、上記第1の領域に隣接する上記フレーム面上の第2の領域へのタッチが検出された場合に上記所定の処理が実行される。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、表示領域に表示されるタッチ操作対象物への操作範囲を表示領域外まで拡大することでタッチ操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るPCの外観を示す正面図である。
【図2】図1のPCのA−A部分断面図である。
【図3】上記PCにおけるガラス板とLCDとの貼合処理の効果を示す図である。
【図4】上記PCにおいて、印刷領域のサイズの相違によりLCDの有効表示領域のサイズが変更される様子を示した図である。
【図5】上記PCの上部の構造を従来のPCと比較して示した図である。
【図6】上記PCの印刷領域における印刷によるステータス表示を示した図である。
【図7】上記PCの印刷領域における印刷によるステータス表示を示した図である。
【図8】上記PCのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図9】上記PCの光学式タッチセンサユニットの構成を示すブロック図である。
【図10】上記PCにおけるエッジアクセス機能の有効エリアを示した図である。
【図11】上記PCにおける光学式タッチセンサの検出精度を説明した図である。
【図12】上記PCにおけるエッジアクセス機能の初回起動時の流れを示した図である。
【図13】上記PCにおけるエッジアクセス機能の操作ガイド画面を示した図である。
【図14】上記PCにおいてエッジアクセス機能を有する領域がタッチされた状態を示した図である。
【図15】図14の場合のPCの動作の流れを示したフローチャートである。
【図16】上記PCにおいてエッジアクセス機能を有する領域がタッチされた場合にアニメーションを表示する様子を示した図である。
【図17】図16の場合のPCの動作の流れを示したフローチャートである。
【図18】上記PCにおいてエッジアクセス機能を有する領域がタッチされた場合におけるアニメーションの様子を示した図である。
【図19】上記PCにおいてエッジアクセス機能を有する領域がタッチされた場合におけるアニメーションの様子を示した図である。
【図20】上記PCにおいてエッジアクセス機能を有する領域がタッチされた場合におけるアニメーションの様子を示した図である。
【図21】本発明の他の実施形態において、エッジアクセス機能を有する領域がタッチされた場合にPCがアニメーションを表示する様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0028】
[PCの外観及び内部構造]
図1は、本発明の一実施形態に係るPCの外観を示す正面図である。また図2は、図1に示すPCのA−A部分断面図である。
【0029】
これらの図に示すように、PC100は、筐体1と、スタンド2とを有する。筐体1には、LCD16と、当該LCD16の周囲でLCD16を支持するフレーム4が設けられている。当該PC100は、筐体1にHDDやマザーボードも収容された、ディスプレイ一体型のPCである。
【0030】
上記LCD16上には、ガラス板3が貼り付けられている。図2に示すように、当該ガラス板3は、上記LCD16の有効表示領域よりも大きい表示領域を有する。ガラス板3の裏面の周囲には、不透明色の印刷領域3aが額縁状に形成されている。この印刷領域3aにより、LCD16の有効表示領域が画定される。当該印刷領域3aの着色は例えば黒色であるが、様々なカラーバリエーションが可能であり、また単一色のみならず様々な模様が印刷により施されてもよい。
【0031】
また図1に示すように、フレーム4の上部左右端の内部には、光学式タッチセンサユニット用のカメラ21がそれぞれ設けられる。当該各カメラ21は、赤外線エミッタとレシーバとが一体的に形成されたものである。また図2に示すように、フレーム4の、ガラス板3の左右下三辺に対応する内面には、上記赤外線エミッタから発光された赤外線を反射する光再帰性反射テープ31が貼付されている。当該光再帰性反射テープ31は、そのフィルム内部にガラスビーズ等を内包しており、どの方向の光に対しても一定の垂直面を有している。したがって、赤外線エミッタから発光された赤外線は、光再帰性反射テープ31により、カメラ21の方向へ反射され、レシーバで受光される。ユーザがガラス板3を指でタッチすると、赤外線エミッタから発光された赤外線はレシーバで受光されず、指の影となって検出される。この影の位置から、三角測量の原理によりタッチ位置が算出される。またこの処理により、光学式タッチセンサユニットは、マルチタッチ検出も可能である。当該光学式タッチセンサユニットの詳細については後述する。
【0032】
上記光学式タッチセンサユニットは、ガラス板3の全面に亘ってユーザのタッチを検出可能であるため、タッチ操作の有効領域は、上記LCD16上のみならず、その周囲の上記印刷領域3aにも存在する。本実施形態では、当該印刷領域3a上におけるタッチ操作が可能な機能をエッジアクセス機能と称し、印刷領域3aをエッジアクセス領域とも称する。
【0033】
図1に示すように、上記印刷領域3aの右上には、例えばTVモード、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)モード、ビデオモード、ウェブモード、ワイヤレスモード、電源のオン/オフ等のステータスを表示するステータス表示群5が印刷されている。印刷領域3aの右下には、エッジアクセス設定ボタン6及び3Dモードステータス表示7が印刷されている。印刷領域3aの左下には、デスクトップ/ウィンドウ切替ボタン10が印刷されている。印刷領域3aの下部中央と左上には、それぞれ商標ロゴ8、9が印刷されている。これらのうち、エッジアクセス設定ボタン6、商標ロゴ8、9、デスクトップ/ウィンドウ切替ボタン10は、エッジアクセス機能の対象となる。すなわちユーザはこれらのボタンやロゴをタッチすることで各種機能をPC100に実行させることが可能である。エッジアクセス機能の詳細については後述する。
【0034】
図2に示すように、上記LCD16の表示パネル16aとガラス板3とは、例えば透明UV樹脂等の貼合樹脂が充填されることで貼り合わされる。図3は、この貼合技術の効果を示した図である。同図(A)は、貼合樹脂の代わりに空気を充填させた従来のPCの正面を示し、同図(B)は本実施形態に係るPC100の正面を示す。同図に示すように、LCD16とガラス板3との間に空気層に替わって貼合樹脂が充填されることで、外光が空気層で乱反射することが防止され、まるでガラス板3の前面に画像が浮き出ているように見える。したがって、LCD16に表示されるユーザインタフェースは、ユーザにとって、上記エッジアクセス機能とともに、ガラス板3の前面で展開されることとなる。
【0035】
本実施形態では、上記ガラス板3がLCD16の有効表示領域よりも大きい範囲をカバーしているため、PC100の前面では、フレームの最端部が突出する以外は、いわゆるフラッシュサーフェスデザインが実現されている。
【0036】
また、光学式タッチパネルを有するPCにおいては、フレームの内面に上記光再帰性反射テープが設けられるため、ガラス板とフレームとの間には必ず段差ができることになる。従来のPCにおいては、当該段差の位置と、LCDの有効表示領域及びガラス板の端部とがほぼ一致していたため、当該段差がLCDの画面内に影を落とすことになる。これは映画やTVの視聴時には非常に煩わしい要素となる。
【0037】
また、上述のように、光再帰性反射テープは、どの方向の光に対しても一定の垂直面を有していることから、当該テープでは例えば蛍光灯等の鏡像が波を打って見え、それがLCDに落ち込むことがあり、上述と同様に煩わしい要素となる。
【0038】
しかし本実施形態のようなフラッシュサーフェスデザインが実現され、上記印刷領域3aが形成されることで、上記影等の落ち込みは上記印刷領域3aに吸収され、ユーザには視認されなくなり、上述のような煩わしさはなくなる。
【0039】
また、従来の光学式タッチパネルを有するPCにおいては、カメラから発光される赤外線の反射を抑えるため、ガラス板の周囲のフレームは艶消し黒に処理されるのが一般的である。しかし、本実施形態では、上記印刷領域3aは、ガラス板3の裏面に形成されていることから、ガラス板3の厚み分(2〜2.5mm程度)、当該厚み方向において赤外線の通過するエリアから離間しており、上記反射の影響を受けにくくなる。したがって、当該印刷領域3aを用いることで、PC100の様々なカラーバリエーションが実現可能である。
【0040】
さらに、上記印刷領域3aは、LCD16の有効表示領域を変更するためにも用いられうる。図4は、上記印刷領域3aのサイズの相違によりLCD16の有効表示領域のサイズが変更される様子を示した図である。
【0041】
同図(A)及び(B)に示すように、印刷領域3aの面積を変更することで、LCD16のインチサイズが異なった機種を、筐体1のサイズを変更することなく製造することが可能となる。LCD16のインチサイズが変更されても筐体1のサイズが変更されないことで、多くの部品が共通化される。また、上記エッジアクセス機能を実現するソフトウェアについては、各インチサイズによって異なる機能定義の座標テーブルを用意し、これを切り替えることで共通化することもできる。
【0042】
図5は、PC100の上部を従来の光学式タッチパネルを有するPCと比較して示した図である。同図(A)は従来のPCの上部を示し、同図(B)は本実施形態のPC100の上部を示す。同図(A)に示すように、従来のPCでは、2つのカメラCから発光された赤外線は、フレームFのフロントパネル内部を通過するため、赤外線を遮るような構造はフロントパネル内部の領域Dには持ち得ない。そうすると、フロントパネルの内部には空洞ができ、フロントパネルをユーザが手で押さえた場合等にフロントパネルが撓んでしまうことがあり、剛性上の問題が生じる。しかし、同図(B)に示すように、本実施形態に係るPC100では、2つのカメラ21はLCD16の有効表示領域よりも十分上部に配置されており、カメラ21から発光された光は、フレーム4の内部を通過することなく、すぐにガラス板3を通過することになる。したがって、本実施形態では、フレーム4の上部の、ガラス板3の裏側に、サポートリブ51が設けられており、これにより上記剛性が確保されている。
【0043】
上記印刷領域3aにおいては、各種ステータス表示をさまざまな印刷処理を用いて行うことが可能である。図6及び図7は、当該印刷によるステータス表示を示した図である。図6に示すように、上記エッジアクセス設定ボタン6及び3Dモードステータス表示7は、黒地の印刷領域3aに白抜き文字印刷を施すことで形成されている。これらボタンやステータス表示の裏面にLEDを設けることで、ステータスのフィードバックを容易に実現できる。さらに、これら文字をメジューム印刷処理により形成することで、LEDの点灯/消灯により、文字の消し込みも可能となる。例えば図6(A)、(B)及び(C)に示すように、3Dモードステータス表示7を、Disable状態・待機状態・発動状態の3つのステータスで表現することができる。
【0044】
また図7に示すように、PC100の様々な機能の有無を、印刷領域3aへの印刷処理のみで表現することが可能となる。例えば、PC100におけるTVチューナ機能について、同図(A)では、当該機能を有することが印刷により表されており、同図(B)では、当該機能に該当する部分を有しない印刷版を用いることで、その他のハードウェア部品を変更することなく、当該機能を有していないことが表されている。
【0045】
[PCのハードウェア構成]
図8は、上記PC100のハードウェア構成を示したブロック図である。同図に示すように、PC100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM12(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0046】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらPC100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0047】
入出力インタフェース15には、LCD16、入力部17、HDD18、ネットワークインタフェース19、光学式タッチセンサユニット20等が接続される。また図示しないが、入出力インタフェース15には、音声を出力するスピーカも接続されている。
【0048】
LCD16は、各種アプリケーションの画面やコンテンツの映像等を表示する。当該LCD16に替えて、プラズマディスプレイ、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)等の他の表示デバイスが用いられてもよい。
【0049】
入力部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、スイッチ、その他の操作装置である。
【0050】
HDD18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該HDD18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。特に本実施形態では、HDD18には、上記エッジアクセス機能を実行するために必要なアプリケーション及びデータ等も記憶される。
【0051】
ネットワークインタフェース19は、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等である。ネットワークインタフェース19は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。
【0052】
光学式タッチセンサユニット20は、上述のように、ガラス板3に対するユーザのタッチを検出し、それをCPU11へ伝える。図9は、当該光学式タッチセンサユニット20の構成を示すブロック図である。
【0053】
同図に示すように、光学式タッチセンサユニット20は、上記カメラ21のほか、カメラインタフェース(I/F)22、DSP(Digital Signal Processor)23、プロセッサ24、USB(Universal Serial Bus)インタフェース(I/F)25、クロック発生器26、電源コントローラ27、SDRAM(Synchronous DRAM)28及びフラッシュメモリ29を有する。
【0054】
カメラ21により上記影が検出されると、その情報がDSP23を介してプロセッサ24へ伝えられる。プロセッサ24は、クロック発生器26、電源コントローラ27、SDRAM28、フラッシュメモリ29と適宜協働して、三角測量の要領でタッチ位置を演算し、USBインタフェース25を介してその演算結果をCPU11へ伝える。
【0055】
[エッジアクセス機能の有効領域定義]
図10は、上記エッジアクセス機能の有効領域定義を示した図である。同図に示すように、本実施形態では、一点鎖線で示す各領域A〜Iにそれぞれ異なる機能が割り当てられている。各領域は、LCD16の有効表示領域の左上端部を原点(0,0)とした座標系でそれぞれ定義されている。ここで、各領域は、フレームのエッジよりもさらに外側の仮想的な位置まで3mm程度大きく定義されている。これにより、部品や製造時の寸法のばらつきを吸収することができる。また、エッジアクセス機能においては、いくつかの操作対象領域には印刷等による意図的な明示がないものもあるため、それらの領域はその範囲が大きめに設定されている。
【0056】
また、上記商標ロゴ9及び10の領域は、ロゴの印刷部分ではなく、その周囲の領域のみが反応部として定義されており、かつ、その領域は左右方向よりも上下方向において大きく設定されている。これは、エッジアクセス機能が基本的にユーザの指で操作される事を想定しており、指による操作が、左右方向よりも上下方向において誤差が大きいこと、またユーザの操作時にロゴの文字が指で隠れないのが望ましいことが考慮されたためである。例えば、当該ロゴの周囲の反応領域は、ロゴの端部から左右5mm、上下8mmの範囲に設定される。
【0057】
また、PC100では複数のアプリケーション(またはユーティリティ)が実行されることから、各領域A〜Iに割り当てられる機能は、当該複数のアプリケーションに応じて異なる場合もある。すなわち、PC100は、HDD18等に、各領域に割り当てられた機能(キーコード)とアプリケーションとの対応データベースを有しており、現在ハイライトされているアプリケーションに応じて、各領域A〜Iに割り当てられるキーコードを切り替えることが可能である。一般的には、アプリケーションのGUIは、マウスやタッチパッドのように相対移動量によって操作可能なものと、リモートコントローラのように上下左右カーソルによって操作可能なものとがあるが、アプリケーション毎にインタフェースが異なると、ユーザに混乱が生じることも多い。しかし本実施形態では上述のようにPC100が内部的にキーコードを切り替えることで、ユーザはそれを意識することなく直感的な操作を行うことができる。
【0058】
印刷領域3aの右上の領域Aには、各種アプリケーションのウィンドウを閉じる機能が割り当てられている。各種アプリケーションのウィンドウのクローズボタンは、LCD16の右上端部に表示される場合が多いが、特に高解像度のLCDにおいては当該クローズボタンのサイズが小さくなり、ユーザがそれを正しくタッチできない場合がある。特に光学式タッチパネルにおいては、後述するように、LCD16の上部の領域は他の領域に比べて検出精度が悪い場合が多い。これは、一般的に光学式タッチパネルが、指の大きさがφ5mm程度を想定して設計されているのに対して、Windows(登録商標)等の一般的なOSがその画面サイズや解像度、アプリケーションデザイン等の制約を設けていない関係で、実際のタッチパネル製品においてそのハードウェア性能を超えてしまう場合があるからである。
【0059】
そこで本実施形態においては、上記LCD16に表示されるクローズボタンに加えて、それに隣接する上記領域Aがタッチされた場合にもウィンドウを閉じることを可能としている。すなわち、当該ウィンドウを閉じる機能の操作対象領域をLCD16の外側の印刷領域3aまで広げることで、ユーザの操作をサポートしている。
【0060】
印刷領域3aの右側中央の縦長矩形状の領域Bには、LCD16に表示される各種コンテンツの拡大/縮小機能が割り当てられている。ユーザが当該領域Bを指で上下になぞることで、LCD16に表示された文書や画像が拡大(下から上になぞった場合)/縮小(上から下になぞった場合)される。より詳細には、Internet Explorer(登録商標)等のブラウザやPDF閲覧ソフトの実行中に領域Bへのタッチがあると、[Ctrl]+[+/-]のキーコードがアプリケーション側へ伝えられ、Windows(登録商標) ExplorerやMicrosoft Office(登録商標)等の実行中に領域Bへのタッチがあると、[Ctrl]+[Mouse Scroll Up/Down]のキーコードがアプリケーション側へ伝えられる。
【0061】
印刷領域3aの右下の領域Cには、上述したように、エッジアクセス設定ボタン6の機能が割り当てられている。当該領域Cがタッチ(タップ)されると、エッジアクセス機能に関する操作ガイドが表示され、長押し(ロングタッチ)されると、エッジアクセス機能の設定画面が表示される。
【0062】
印刷領域3aの下部の横長矩形状の領域D及び領域Fには、それぞれ、「次へ」ボタンの機能と「前へ」ボタンの機能とが割り当てられている。領域Dがタッチされると、文書コンテンツにおいてはページが次へ送られ、写真・ビデオ・音楽等の再生ソフトウェアでは、次のコンテンツが再生される。同様に、領域Fがタッチされると、文書コンテンツにおいてはページが前へ戻され、写真・ビデオ・音楽等の再生ソフトウェアでは、前のコンテンツが再生される。より詳細には、ブラウザの実行中に領域Dまたは領域Fへのタッチがあると、[Alt]+[←/→]のキーコードがアプリケーション側へ伝えられ、TVやDVD再生アプリケーションの実行中に領域Dまたは領域Fへのタッチがあると、「チャプター送り/チャプター戻し」のメッセージがアプリケーション側へ伝えられる。
【0063】
印刷領域3aの下部中央の領域Eには、商標ロゴ8の背面に設けられたLEDランプの自動制御/消灯を切り替える機能が割り当てられている。当該領域Eがタッチされる度に、ロゴのランプの点灯を自動制御するモードと、ランプを消灯させたままにするモードとが切り替わる。
【0064】
印刷領域3aの左下の領域Gには、上述したデスクトップ/ウィンドウ切替ボタン10の機能が割り当てられている。当該領域Gがタッチ(タップ)されると、LCD16にデスクトップが表示され、長押し(ロングタッチ)されると、LCD16に表示されるウィンドウの切り替えが行われる。
【0065】
印刷領域3aの左側中央の縦長矩形状の領域には、LCD16にスクリーンキーボードを表示させる機能が割り当てられている。
【0066】
印刷領域3aの左上の領域I(商標ロゴ9の領域)には、予め指定されたアプリケーションを起動させる機能が割り当てられている。当該領域Iがタッチ(タップ)されると、当該アプリケーションが起動し、長押し(ロングタッチ)されると、起動させるアプリケーションを変更するための画面がLCD16に表示される。
【0067】
上記HDD18には、以上説明した各領域A〜Iの座標位置と、それに割り当てられた機能との対応テーブルが記憶されており、後述するエッジアクセス機能の有効状態において印刷領域3aがタッチされる度に、当該テーブルが参照され、各機能が実行される。
【0068】
以上のように各領域へ割り当てられる機能は、以下のような種類に分別することができる。
1.タッチパネル機能で操作しにくい機能
2.タッチパネル操作と相性は良いが発動のための階層が深い機能
3.タッチパネル操作時に頻繁に操作される機能
【0069】
上記1.の例は、上記領域Aに割り当てられた、ウィンドウを閉じる機能である。一般的なウィンドウのクローズボタンは、マウスによる操作が前提となっており、タッチパネルで操作するには小さすぎる場合が多いが、上述のとおり、その操作範囲を拡大することで、ユーザの操作性が向上する。
【0070】
上記2.の例は、上記領域Eに割り当てられた、ロゴの点灯/消灯機能である。通常のOSでは、このような点灯/消灯の設定を制御するには、ユーザは非常に深い階層まで辿る必要があり、直感的に設定を行うのは困難であるが、当該機能を上記領域Eに割り当てることで、ロゴを直接触れることによる直感的な制御が可能となる。また、上記領域Gに割り当てられた、デスクトップ/ウィンドウの切り替え機能も、上記2.の例である。通常、Windows(登録商標)では、「Ctrl + Alt + Tab」によりウィンドウを選択することが可能であるが、3つのキーを同時に押す必要があり、一般にはほとんど利用されていない。しかし、これをタッチパネルでショートカットとして実現することで、ユーザの使い勝手を格段に向上させることができる。
【0071】
上記3.の例は、上記領域Hに割り当てられた、ソフトウェアキーボード起動の機能である。このような、タッチパネルにおいて特に重要な機能に関してその使用開始を容易にすることで、タッチパネルの操作性をさらに向上する。また、本実施形態では、当該領域Hがタッチされると、当該ソフトウェアキーボードが、当該領域Hの位置に対応して、LCD16の左側から飛び出てくるような仕様となっており、より直感的な操作が可能となっている。
【0072】
図11は、上記PCにおける光学式タッチセンサの領域毎の検出精度を説明した図である。上述の通り、本実施形態においては、赤外線エミッタ一体型のカメラ21がフレーム4の上部左右に1個ずつ、計2個配置されるが、その特性上、LCD16の上部中央が信号レベルの最も低い部分となり、タッチ操作検出精度の最も低い部分となる。そこで、本実施形態では、この低精度エリアは使用せず、何の機能も割り当てないことで、その他の中精度エリア及び高精度エリアのみを使用することで、高精度デバイスを実現している。
【0073】
一般的に、光学式タッチパネルでは、画面の縦寸法の上部6%の領域(縦方向の長さHの領域)が低精度になるため、本実施形態でも、この領域の下の領域からアクティブエリアが始まるよう設計されている。例えば上記ガラス板3が27インチサイズである場合、上記Hは20mmに設定される。しかし、上記Hは、三角測量の演算処理性能とカメラ性能によって決まるため、これらによってHは適宜変更される。
【0074】
[PCの動作]
次に、以上のように構成されたPC100における動作について説明する。以降の説明においては、PC100のCPU11を主な動作主体として説明するが、この動作はCPU11の制御下において実行される他のハードウェア及び各種ソフトウェアと協働して行われる。
【0075】
(エッジアクセス機能の初期設定)
本実施形態に係るエッジアクセス機能においては、上述のように、いくつかの機能は、その位置を意図的に明示していないため、ユーザに対して、位置と機能との関係を認知してもらう必要がある。そのため、PC100は、PC100の初回起動時のみ、それ以降の起動時とは異なる挙動を取ることとしている。図12は、エッジアクセス機能の初回起動時の流れを示した図である。
【0076】
同図(A)に示すように、PC100の購入時においては、エッジアクセス機能は無効とされており、ユーザが印刷領域3aのいずれかの領域を長押しすると、同図(B)に示すように、エッジアクセス機能を有効にするか否かをユーザに選択させるダイアログが表示され、エッジアクセス機能の存在がユーザに認知される。
【0077】
当該ダイアログでユーザが有効化を選択した場合、同図(C)に示すように、エッジアクセス機能の操作ガイド画面が表示される。図13は、当該操作ガイド画面を示した図である。同図に示すように、当該操作ガイド画面では、上記図8を用いて説明したのと同様の内容が表示される。この表示後、ユーザが印刷領域3aのいずれかの領域をタッチすると、同図(D)に示すように、エッジアクセス機能は有効状態に遷移する。有効状態へ遷移後に、ユーザが上記エッジアクセス設定ボタン6をタップすると、上記操作ガイド画面が表示される。
【0078】
この有効状態において、ユーザが上記エッジアクセス設定ボタン6を長押しすると、同図(E)に示すように、エッジアクセス機能の設定画面が表示され、当該設定画面上でエッジアクセス機能の無効化が選択されると、同図(A)に示したような無効状態に遷移する。当該無効状態においては、ユーザが上記エッジアクセス設定ボタン6を長押しすると、同図(E)で示した設定画面が表示され、当該画面上で、エッジアクセス機能を再び有効状態とすることができる。
【0079】
(エッジアクセス機能の実行)
次に、エッジアクセス機能の有効状態における動作について説明する。図14は、LCD16にウィンドウWが表示された状態で、上記領域Aがタッチされた状態を示した図である。また図15は、印刷領域3aがタッチされた場合のCPU11の動作の流れを示したフローチャートである。
【0080】
図15に示すように、PC100のCPU11は、印刷領域3aへの指fによるタッチダウンを検出すると(ステップ151)、当該タッチ領域のXY座標がエッジアクセス機能の対象エリア内か否かを判断する(ステップ152)。
【0081】
上記タッチ領域のXY座標がエッジアクセス機能の対象エリア内であると判断した場合(Yes)、CPU11は、上記対応テーブルを読み出し、当該エリアに対応する機能(図14の場合、ウィンドウを閉じる機能)を割り出す(ステップ153)。
【0082】
続いてCPU11は、タッチアップ操作を待機し(ステップ154)、タッチアップ操作を検出した場合(ステップ155のYes)、当該割り出した機能を実行する(ステップ156)。
【0083】
一方、上記ステップ152においてタッチ領域のXY座標がエッジアクセス機能の対象エリア外であると判断した場合(No)、CPU11は、エッジアクセス機能については何の処理も行わず終了する。ここで、タッチ領域のXY座標が、LCD16上のクローズボタン41の位置であると判断した場合には、CPU11は、ウィンドウWを閉じる処理を実行する。LCD16上のその他の領域についても、CPU11は、アプリケーション毎に割り当てられたユーザインタフェースに従って、タッチ位置に応じた処理を実行する。
【0084】
これによりCPU11は、ウィンドウWのクローズボタン41がタッチされた場合と同様に、それに隣接する、印刷領域3a内の領域Aがタッチされた場合にもウィンドウWを閉じる処理を実行することができる。
【0085】
(エッジアクセス機能におけるアニメーションによるフィードバック)
ところで、エッジアクセス機能においては、上述のように、いくつかのボタンについてはその位置が意図的に明示されていないため、実際にタッチがされた場合のユーザへのフィードバックがあることが望ましい。また、そのタッチ位置において当該フィードバックが示されると効果的であるが、印刷領域3aにはそれを表示すべき画面が存在しない。そこで、本実施形態において、PC100は、上記タッチ位置を中心としたアニメーションをLCD16に表示することとしている。
【0086】
図16は、上記領域Gがタッチされた様子を示した図であり、図17は、この場合のCPU11の動作の流れを示したフローチャートである。
【0087】
ここで、図16に示すように、領域Gには、上述したように、ページを前へ戻したり、前のコンテンツを再生したりする機能が割り当てられているが、当該機能は、アプリケーションによっては、LCD16上の例えば上記領域Gに隣接する領域G’でも可能である。例えば、写真表示アプリケーションや電子書籍閲覧アプリケーションでは、LCD16上の領域G’がタッチされることで、前の写真や前のページが表示される場合もある。すなわち、PC100は、LCD16上の領域G’において可能な「前へ」機能を、それに隣接する印刷領域3a上の領域Gでも可能とし、当該機能を実行するための操作対象範囲を拡大している。
【0088】
図17に示すように、CPU11は、印刷領域3aへのタッチダウンを検出すると(ステップ171)、当該タッチ領域のXY座標がエッジアクセス機能の対象エリア内か否かを判断する(ステップ172)。
【0089】
上記タッチ領域のXY座標がエッジアクセス機能の対象エリア内であると判断した場合(Yes)、CPU11は、上記タッチ位置のXY座標を起点にして、図16に示すような波紋状のアニメーションAを描画してLCD16に表示する(ステップ173)。
【0090】
続いてCPU11は、上記対応テーブルを読み出し、当該エリアに対応する機能(図16の場合、前へ戻す機能)を割り出す(ステップ174)。
【0091】
続いてCPU11は、タッチアップ操作を待機し(ステップ175)、タッチアップ操作を検出した場合(ステップ176のYes)、当該割り出した機能を実行する(ステップ177)。
【0092】
一方、上記ステップ176において、タッチアップが検出されず、タッチ位置のXY座標の移動が検出された場合(ステップ178のYES)、CPU11は、上記ステップ173に戻り、当該移動後のXY座標を起点に上記波紋状のアニメーションを描画する。
【0093】
このように、CPU11は、LCD16の有効表示領域外の仮想的な点を中心とした波紋アニメーションを表示させることで、ユーザにとって分かりやすいフィードバックを実現している。
【0094】
図18は、上記波紋状のアニメーションの表示の流れを示した図である。同図(A)〜(E)に示すように、波紋状のアニメーションは、ユーザが印刷領域3aにタッチしてから時間が経過するにしたがって、タッチ位置を中心に徐々に大きくなるように描画される。
【0095】
図19及び図20は、印刷領域3aへのタッチダウン後、タッチ位置が移動した場合のアニメーションの表示の流れを示した図である。図19(A)〜(C)に示すように、タッチダウン後、タッチ位置はまず下方向へ移動し、その後左方向へ移動している。また図20(A)〜(C)に示すように、タッチ位置は、タッチダウン後、右方向へ徐々に移動している。このような場合も、CPU11は、上述のように、移動後のタッチ位置を逐一検出し、当該移動後のタッチ位置のXY座標を起点としてアニメーションを描画する。
【0096】
(アニメーション以外のフィードバック)
本実施形態において、PC100は、上記波紋状のアニメーションのような視覚的なフィードバックのほか、スピーカからの効果音による聴覚的なフィードバックを行うことも可能である。これは、例えば、正常反応・特殊使用・イベント発生・イベント終了・拡大・縮小・無効化等、連動する機能の意味合いからグルーピングされており、その音階イメージとそれに対応する動作により、分かりやすいフィードバックが実現される。
【0097】
異なる効果音としては、例えば、汎用タップ音、長押し操作音、ソフトウェアキーボード及び操作ガイド画面表示音、ソフトウェアキーボード及び操作ガイド画面非表示音、「次へ」及び拡大操作音、「前へ」及び縮小操作音、操作無効時音、エッジアクセス機能無効化音等が挙げられる。
【0098】
また、さらに、PC100は、視覚的なフィードバックの他の例として、OSDによる表示を行うことも可能である。例えばPC100は、上記領域Gがタッチされた場合には、「前へ」といったOSDをLCD16に表示することも可能である。
【0099】
上記波紋状のアニメーションと、OSDによるアニメーションについては、ユーザは、上記設定画面等において無効化することが可能である。これにより、例えば映画の視聴中等、アニメーションやOSDの表示が好ましくない場合にそれらが表示されないようにすることができる。
【0100】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、PC100は、LCD16に表示されるタッチ操作対象物への操作範囲をLCD16の有効表示領域外(印刷領域3a)まで拡大することができ、それによりタッチ操作性を向上させることができる。
【0101】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することが可能である。
【0102】
上述の実施形態では、印刷領域3aへのタッチ操作に対する視覚的なフィードバックとして、波紋状のアニメーションが表示されたが、アニメーションの種類はこれに限られない。例えば、図21に示すように、タッチ位置のXY座標を起点として、LCD16の上方向に向かって水しぶきが上がるようなアニメーションが表示されてもよい。
【0103】
上述の実施形態において、印刷領域3aには、エッジアクセス機能に関するボタン等が印刷により明示されていたが、これらは印刷に替えて彫刻により明示されてもよい。また、ユーザは、インターネット等を介して、ユーザの指定した任意の内容の印刷または彫刻をカスタムオーダーすることが可能であってもよい。この場合、カスタムオーダーにより印刷または彫刻された部分に、プログラマブルパワーキーの仕組みを用いて、任意のプログラムの起動ショートカットや、新たな機能が印刷領域3aに割り当てられてもよい。これにより、PC100の出荷時に、ユーザにより指定されたソフトウェアのプリインストールサービスと、そのソフトウェアに関するエッジアクセス機能の印刷・彫刻サービスとをセットにしてユーザに提供できる。
【0104】
また、上記印刷領域3aにおいては、印刷や彫刻がなされていない領域であっても、ユーザは、例えば水性ペンで任意のボタンや文字を書き加えた上で、上記プログラマブルパワーキーの仕組みにより当該書き加えた領域にソフトウェアを割り当てることで、新たなエッジアクセス機能を追加することが可能である。
【0105】
また上述の実施形態においては、印刷領域3aのウィンドウを閉じる機能が割り当てられた領域Aには、それを示す文字やボタン等の印刷や彫刻はなされていなかったが、そのような印刷や彫刻がなされていても構わない。上記「次へ」及び「前へ」の機能が割り当てられた領域D及び領域F等についても同様である。
【0106】
上述の実施形態において、エッジアクセス機能は、PC100にインストールされたソフトウェアやユーティリティに対する操作に用いられたが、他の用途に用いられてもよい。例えば、PCのベゼル前面等には、PCに内包されるデバイスやソフトウェアのコマーシャルのためにコマーシャルラベルが貼付されることが多いが、当該コマーシャルラベルに上記エッジアクセス機能が割り当てられてもよい。すなわち、印刷領域3aのコマーシャルラベルが貼付された領域に、インターネット上の企業のウェブサイトにリンクする機能等が割り当てられ、その領域がタッチされると、インターネットに接続され、当該ウェブサイトがLCD16に表示されてもよい。これにより、サードパーティ側はより強力な広告を展開することが可能であり、PCベンダはこの広告の広告料分のディスカウントをサードパーティ側へ要求することも可能となる。
【0107】
上述の実施形態においては、エッジアクセス機能が、ブラウザや各種コンテンツ再生アプリケーションについて実行される例を示したが、その他の様々なアプリケーションにも同様に適用可能である。例えば、ゲームアプリケーションと、上記光学式タッチセンサユニット20のマルチタッチ検出機能とを併用することで、2人以上のユーザのダイナミックな操作が可能となる。その際、エッジアクセス機能を用いれば、実行中のゲームの画面にユーザがタッチすることがないため、当該画面が手で遮られない分、画面を広く使用することができる。
【0108】
上述の実施形態においては、PC100は、光学式タッチセンサユニット20による光学式タッチパネル機能を有していたが、抵抗被膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、マトリクススイッチ方式、表面弾性波方式等、他のタッチパネル方式が用いられても構わない。また、上述の実施形態においては、LCD16よりも大きな面積を有するガラス板3へのタッチが検出されたが、LCD16へのタッチはそれと一体的に設けられたタッチパネルで検出され、上記印刷領域3aに相当する領域へのタッチは、例えばLCD16の周囲のフレーム4に設けられたタッチセンサにより検出されてもよい。
【0109】
上述の実施形態においては、本発明がディスプレイ一体型のPCに適用された例が説明されたが、本発明は、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末、電子辞書、PVR(Personal Video Recorder)、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビジョン装置、ゲーム機器、カーナビゲーション装置等、他のあらゆる情報処理装置にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0110】
W…ウィンドウ
A…アニメーション
3…ガラス板
3a…印刷領域(エッジアクセス領域)
4…フレーム
6…エッジアクセス設定ボタン
11…CPU
16…LCD
16a…表示パネル
18…HDD
20…光学式タッチセンサユニット
21…カメラ
31…光再帰性反射テープ
100…PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表示領域の表示面を有する表示パネルと、
前記表示パネルの周囲で前記表示領域を画定するフレーム面を有するフレームと、
前記表示面及び前記フレーム面へのタッチを検出するタッチセンサと、
前記表示面の第1の領域へのタッチが検出された場合に所定の処理を実行するとともに、前記第1の領域に隣接する前記フレーム面上の第2の領域へのタッチが検出された場合に前記所定の処理を実行する制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第2の領域へのタッチが検出された場合に、当該タッチの検出を示す情報を出力する出力部をさらに具備する情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2の領域へのタッチが検出された場合に、当該タッチの検出を示す所定のアニメーションを前記表示パネルに表示するように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2の領域におけるタッチ位置を中心として前記アニメーションが徐々が大きくなるように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記出力部はスピーカを有し、
前記制御部は、前記第2の領域へのタッチが検出された場合に、当該タッチの検出を示す所定の音声を前記スピーカから出力するように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記フレーム面及び表示面を一体的に覆うように設けられたガラス板をさらに具備する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記ガラス板の表面または裏面の、前記第2の領域に対応する位置には、前記所定の処理の内容を示す情報が印刷または彫刻される
情報処理装置。
【請求項8】
所定の表示領域の表示面を有する表示パネルと、前記表示パネルの周囲で前記表示領域を画定するフレーム面を有するフレームと、タッチセンサとを有する情報処理装置における情報処理方法であって、
前記タッチセンサにより、前記表示面及び前記フレーム面へのタッチを検出し、
前記表示面の第1の領域へのタッチが検出された場合に所定の処理を実行し、
前記第1の領域に隣接する前記フレーム面上の第2の領域へのタッチが検出された場合に前記所定の処理を実行する
情報処理方法。
【請求項9】
所定の表示領域の表示面を有する表示パネルと、前記表示パネルの周囲で前記表示領域を画定するフレーム面を有するフレームと、タッチセンサとを有する情報処理装置に、
前記タッチセンサにより、前記表示面及び前記フレーム面へのタッチを検出するステップと、
前記表示面の第1の領域へのタッチが検出された場合に所定の処理を実行するステップと、
前記第1の領域に隣接する前記フレーム面上の第2の領域へのタッチが検出された場合に前記所定の処理を実行するステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−133453(P2012−133453A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282955(P2010−282955)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】