説明

情報処理装置、情報処理方法

【課題】 ウィンドウ内に配置されているオブジェクトの表示形態に応じて、このオブジェクトに対応するキャプションの表示形態を変更する為の技術を提供すること。
【解決手段】 画面生成部513は、1つのウィンドウ内に配置するオブジェクトと、このオブジェクトに関連する文字列、のデータを用いて1つのウィンドウを生成する。そして画面生成部513は、生成したウィンドウを含む複数のウィンドウを1つの画面内に配置した表示画面を示す画面情報を生成する。ここで、生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知された場合には、生成したウィンドウ内に配置した文字列の表示形態を変更してから画面情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の表示技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
音声に対応する文字情報をこの音声に一致させて表示することで視聴者の理解を助ける為の技術として、字幕表示の技術がある。従来の基本的な字幕表示技術では、個々の映像毎に1つの字幕データを割り当て、各映像の規定の位置に字幕データを合成して表示する方法(第1の方法)があった。
【0003】
しかしながら、上記の基本的な字幕表示方法では、映像表示装置においてピクチャインピクチャ(PINP)表示、或いはピクチャアウトピクチャ(POUTP)表示する場合、個々の画面における字幕表示が小さくなりすぎるという問題がある。これにより、ユーザは、個々の字幕が読みづらくなる。この問題を解決する為の方法として、PINP表示又はPOUTP表示する際、個々の画面に対応する字幕を個々の画面の枠を越えてレイアウトし直し、字幕を大きく表示する方法(第2の方法)がある。この方法により、PINP表示又はPOUTP表示した場合、小さく表示される側の映像に対応する字幕を画面全体を対象として再レイアウトするので、表示領域を大きく取ることができる。従って、文字を従来方法でPINP表示又はPOUTP表示した場合よりも大きく表示することが出来る為、ユーザにとって文字が読み易くなるという利点がある。
【0004】
また、字幕表示に関する上記以外の課題として、複数画面を表示した場合に画面が他画面の字幕の上に表示されてしまい、ユーザにとって字幕の文字が読みにくくなるという問題がある。この問題を解決する為の方法として、映像表示装置において複数画面を表示する際、画面の重ならない位置に字幕を配置することで、字幕文字に欠損の無いよう表示する方法(第3の方法)がある。この方法により、映像表示装置において複数画面を表示する際にも、画面の重なりによって字幕が隠れるのを防止できるという効果がある。この様な技術の例として特許文献1が開示されている。
【特許文献1】特開平7−236100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来の字幕表示技術では、1つの映像に複数の字幕データが対応する場合において、一方の画面における字幕が他方の画面によって隠される際に、実際に表示される映像と表示される字幕が一致しないという問題があった。以下、背景技術で述べた第1〜3の方法についてこの問題を具体的に説明する。
【0006】
背景技術で述べた第1の方法では、1つのウィンドウ内に複数のオブジェクトとそれぞれのオブジェクトに対応する字幕とを表示する場合に、例え一方のウィンドウにおける字幕が他方のウィンドウによって隠されても、字幕の表示については何等変化させない。そのため、他方のウィンドウが重なって見えないオブジェクトの字幕はそのまま表示されるので、ユーザの視聴する映像と字幕とが一致しないという問題がある。
【0007】
この例を図1と図2を用いて説明する。図1は、1つのウィンドウの表示例を示す図である。図1に示す如く、100は1枚のウィンドウを示しており、係るウィンドウ100内には、オブジェクト101,102、オブジェクト101に対応する文字列(キャプション)111、オブジェクト102に対応するキャプション112、が配置されている。図2は、図1に示したウィンドウ100内のオブジェクト102上に別のウィンドウ200を重ねて表示した場合の表示例を示す図である。図2では、ウィンドウ200を表示したことで画面上には表示されないオブジェクト102を点線で示している。
【0008】
このとき、図2に示す如く、オブジェクト102は非表示状態であるものの、オブジェクト102に対応するキャプション112は表示されている。従って、係る画面を見たユーザはあたかも、キャプション111とキャプション112とがオブジェクト101に対応するキャプションであるかのように誤解してしまう恐れがある。係る問題は、背景技術で説明した第2の方法を用いても解消できない。
【0009】
また、背景技術で説明した第3の方法は、映像上の字幕が隠れて見えなくなることを防ぐ為の技術であるので、第3の方法を用いても上記と同様の問題が生じる。具体例を図2と図3を用いて説明する。
【0010】
図2に示す如く、ウィンドウ200は、ウィンドウ100内の何れのキャプション111,112にも重なっていない。従って第3の方法では、この場合には、キャプション111,112は通常通り表示する。従って、オブジェクト102は非表示状態であるものの、オブジェクト102に対応するキャプション112は表示されることになり、第1の方法、第2の方法と同様の問題が生じ得る。即ち、係る画面を見たユーザはあたかも、キャプション111とキャプション112とがオブジェクト101に対応するキャプションであるかのように誤解してしまう恐れがある。
【0011】
図3は、図2に示したキャプション111の一部にウィンドウ200が重なったために、キャプション111の代わりにキャプション111を縮小したキャプション113を配置したウィンドウ100の表示例を示す図である。図2に示したキャプション111の一部にウィンドウ200が重なると、キャプション111においてウィンドウ200と重なった部分が表示されなくなるため、キャプション111の代わりにキャプション113を配置する。キャプション113は、キャプション111のサイズを適当なサイズに縮小したものである。もちろん、キャプション111の配置位置を変更したものをキャプション113としても良い。
【0012】
しかしながら、第3の方法を用いても、オブジェクト102は非表示状態であるものの、オブジェクト102に対応するキャプション112は表示されている。従って、係る画面を見たユーザはあたかも、キャプション111とキャプション112とがオブジェクト101に対応するキャプションであるかのように誤解してしまう恐れがある。
【0013】
以上をまとめると、第1の方法、第2の方法、第3の方法の何れを用いても、同様の問題が生じることになる。
【0014】
本発明は以上の問題に鑑みて成されたものであり、ウィンドウ内に配置されているオブジェクトの表示形態に応じて、このオブジェクトに対応するキャプションの表示形態を変更する為の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。
【0016】
即ち、複数のウィンドウを生成して表示装置に表示させる情報処理装置であって、
1つのウィンドウ内に配置するオブジェクトと当該オブジェクトに関連する文字列、のデータを用いて1つのウィンドウを生成する生成手段と、
前記生成手段が生成したウィンドウを含む複数のウィンドウを1つの画面内に配置した表示画面を示す画面情報を生成し、生成した画面情報を前記表示装置に出力する出力手段とを備え、
前記出力手段は、
前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合には、前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置した文字列の表示形態を変更してから前記画面情報を生成することを特徴とする。
【0017】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の情報処理方法は以下の構成を備える。
【0018】
即ち、複数のウィンドウを生成して表示装置に表示させる情報処理装置が行う情報処理方法であって、
1つのウィンドウ内に配置するオブジェクトと当該オブジェクトに関連する文字列、のデータを用いて1つのウィンドウを生成する生成工程と、
前記生成工程で生成したウィンドウを含む複数のウィンドウを1つの画面内に配置した表示画面を示す画面情報を生成し、生成した画面情報を前記表示装置に出力する出力工程とを備え、
前記出力工程では、
前記生成工程で生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合には、前記生成工程で生成したウィンドウ内に配置した文字列の表示形態を変更してから前記画面情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の構成によれば、ウィンドウ内に配置されているオブジェクトの表示形態に応じて、このオブジェクトに対応するキャプションの表示形態を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
【0021】
[第1の実施形態]
図5は、本実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。図5に示す如く、本実施形態に係る情報処理装置550は、入力部510、重なり判定部511、キャプション表示形態制御部512、画面生成部513、出力部514、を有する。
【0022】
入力部510には、各ウィンドウ内に表示する情報が記述されたデータが入力される。ここで、入力部510に入力されるデータについて説明する。
【0023】
入力部510に入力されるデータは、ウィンドウ毎のデータに大別される。そして1つのウィンドウに対するデータは更に、係るウィンドウ内に表示されるオブジェクト毎のデータに大別される。
【0024】
502は、あるウィンドウ(図5ではウィンドウA)に対するデータであり、実際にはデータファイルとして存在する。データファイル502には、各オブジェクト(図5ではオブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトC)に対するデータが含まれている。501はオブジェクトAに対するデータであり、実際にはデータファイルとして存在する。データファイル501には、オブジェクトデータ501a、オブジェクト表示領域データ501b、キャプションデータ501cが含まれている。
【0025】
オブジェクトデータ501aは、オブジェクトAの画像を形成するためのデータである。オブジェクトデータ501aは、オブジェクトAの画像データそのものであっても良いし、ポリゴンなどの表示構成要素のデータであっても良い。何れにせよ、オブジェクトデータ501aは、オブジェクトAの画像を形成するためのデータであれば、如何なるデータであっても良い。例えば、データファイル502がMPEG−4に従った符号化データファイルである場合には、オブジェクトデータ501aは、各フレームにおけるオブジェクトAの画像を形成するための符号化データとなる。
【0026】
オブジェクト表示領域データ501bは、ウィンドウA内に表示するオブジェクトAの表示位置(例えばオブジェクトAの中心の表示位置)、オブジェクトAの縦横のサイズを示すデータである。例えば、データファイル502がMPEG−4に従った符号化データファイルである場合には、オブジェクト表示領域データ501bは、オブジェクトAの縦横のサイズを示すデータ、及び各フレームにおけるオブジェクトAの表示位置を示すデータとなる。なお、オブジェクト表示領域データ501bが示す内容は、表示位置及び縦横のサイズに限定するものではなく、ウィンドウA内でオブジェクトAが占める領域の範囲を示すデータであっても良い。
【0027】
キャプションデータ501cは、オブジェクトAに関連する文字列のデータと、係る文字列のウィンドウA内における表示位置を示すデータと、で構成されている。係る文字列は、例えば、オブジェクトAの名前等のオブジェクト情報であっても良いし、オブジェクトAが発した台詞などの台詞情報であっても良い。何れにせよ、係る文字列は、オブジェクトAに関連しているものであれば、如何なる文字列であっても良い。もちろん、文字列の代わりに、他の情報を用いても良い。
【0028】
入力部510は、ウィンドウ毎のデータを外部から受けると、これを重なり判定部511と画面生成部513とに送出する。なお、入力部510によるデータの取得形態については特に限定するものではなく、ネットワークを介して他の装置から無線若しくは有線を介して受信しても良いし、情報処理装置550が有するハードディスクなどのメモリからロードしても良い。
【0029】
重なり判定部511は、各ウィンドウに対応するデータを用いて、各ウィンドウを形成する。例えば、データファイル502を用いてウィンドウAを形成する。ウィンドウAを形成するとは、データファイル502内の各データを用いて、それぞれのオブジェクト及び対応する文字列をウィンドウA内に配置することである。例えばオブジェクトAについて処理する場合には次のような処理を行う。即ち、オブジェクトデータ501aに基づくオブジェクトAの画像を、オブジェクト表示領域データ501bが示す表示位置に配置すると共に、キャプションデータ501cに基づく文字列をキャプションデータ501cが示す位置に配置する。このような処理を、データファイル502に含まれる各オブジェクト(図5ではオブジェクトA、オブジェクトB、オブジェクトC)に対するデータを用いて行うことで、ウィンドウAを形成することができる。なお、重なり判定部511が行うウィンドウの形成は、実際に表示するためのものではなく、後述する演算処理を行うために、メモリ上で行うものである。
【0030】
次に、重なり判定部511は、ウィンドウ毎に次のような処理を行う。即ち、他ウィンドウ(他方のウィンドウ)を表示することで、着目ウィンドウ内に配置したオブジェクトが隠蔽されるか否かを判定する。着目ウィンドウ内に表示したオブジェクトが他ウィンドウによって隠蔽されているか否かを判定する為の処理は、他ウィンドウが、着目ウィンドウを管理するアプリケーション、他のアプリケーション、の何れによって管理されているのかに応じて異なる。
【0031】
他ウィンドウが着目ウィンドウを管理するアプリケーションによって管理されている場合、重なり判定部511は、係るアプリケーションから、他ウィンドウの画面上における表示領域の範囲を取得する。一方、他ウィンドウが着目ウィンドウを管理するアプリケーション以外のアプリケーション(他アプリケーション)によって管理されている場合、重なり判定部511は、情報処理装置550のOS(オペレーティングシステム)にアクセスする。そしてOSに対して「他アプリケーションが現在動作させている他ウィンドウの画面上における表示領域の範囲」の取得を要求する。そして重なり判定部511は、係る要求に応じてOSから提供された、各ウィンドウの表示領域の範囲を取得する。これにより、重なり判定部511は、他ウィンドウの画面上における表示領域の範囲を取得することができる。
【0032】
このように、他ウィンドウを管理するアプリケーションに応じた処理を行うことで、重なり判定部511は、他ウィンドウの画面上における表示領域の範囲を取得することができる。
【0033】
一方で重なり判定部511は、着目ウィンドウ内に配置したそれぞれのオブジェクトについては、対応するオブジェクト表示領域データによって、その表示位置、縦横のサイズは把握している。換言すれば、重なり判定部511は、着目ウィンドウ内でそれぞれのオブジェクトが占める領域の範囲を把握していることになる。例えば、オブジェクトAの場合、オブジェクト表示領域データ501bによってオブジェクトAの表示位置、縦横のサイズは把握しているので、結果としてウィンドウA内でオブジェクトAが占める領域の範囲は把握していることになる。
【0034】
そして重なり判定部511は、着目ウィンドウ内に表示した各オブジェクトについて、オブジェクトの表示領域面積のうち所定の割合(例えば60%)以上が、他ウィンドウの画面上における表示領域によって隠蔽されているか否かをチェックする。そして重なり判定部511は、係るチェックにおいて、「隠蔽されている」と判断(検知)したオブジェクトを、被隠蔽オブジェクトとして特定する。
【0035】
なお、着目ウィンドウ内に表示したオブジェクトが他ウィンドウによって隠蔽されているか否かを判定する為の処理についてはこのような処理に限定するものではなく、システムの構成に対応したものを用いればよい。
【0036】
一方、画面生成部513は、各ウィンドウに対応するデータを用いて、各ウィンドウ(複数のウィンドウ)を形成する。即ち、複数のウィンドウを1つの画面内に配置した表示画面を示す画面情報を生成する。画面生成部513が行うウィンドウの形成処理は、重なり判定部511が行ったウィンドウの形成処理と同様のものである。しかし、重なり判定部511が行ったウィンドウの形成処理は表示用のものではないのに対し、画面生成部513が行うウィンドウの形成処理は表示用のものである。また、画面生成部513は、キャプションデータに基づく文字列をウィンドウ上に配置する場合、キャプション表示形態制御部512からの指示に従う。
【0037】
キャプション表示形態制御部512は、重なり判定部511によって被隠蔽オブジェクトとして特定されたオブジェクトに対応する文字列の表示形態を制御する。例えば、オブジェクトAが被隠蔽オブジェクトとして特定された場合、キャプション表示形態制御部512は、画面生成部513に対してキャプションデータ501cの使用を禁止する。即ち、オブジェクトAに対応する文字列を非表示にする。
【0038】
図4は、隠蔽されたオブジェクトに対応する文字列を非表示にしたウィンドウの表示例を示す図である。図4に示す如く、100は1枚のウィンドウを示しており、係るウィンドウ100内には、オブジェクト101,102、オブジェクト101に対応する文字列(キャプション)111が配置されている。ここで、オブジェクト102がウィンドウ200に隠蔽されていない場合には、オブジェクト102に対応するキャプション112を表示するのであるが、実際には、図4に示す如く、オブジェクト102はウィンドウ200に隠蔽されている。従って、この場合、キャプション112を非表示(図4では非表示状態を点線で示している)にする。
【0039】
なお、文字列の表示形態の制御についてはこれに限定するものではなく、様々なものが考えられる。
【0040】
例えば、オブジェクトAが被隠蔽オブジェクトとして特定された場合、キャプション表示形態制御部512は、キャプションデータ501cに基づく文字列の透明度を上げるように、画面生成部513に指示する。これにより画面生成部513は、指示された透明度でもってキャプションデータ501cに対応する文字列を配置することになる。なお、透明度の代わりに、文字列のサイズや色を変更設定しても良いし、これらを組み合わせて設定変更しても良い。
【0041】
もちろん、キャプション表示形態制御部512は、被隠蔽オブジェクトとして特定されていないオブジェクトについては何も画面生成部513には通知しない。この場合、画面生成部513は、被隠蔽オブジェクトとして特定されていないオブジェクトについては上述のような文字列の表示形態の制御は行わず、キャプションデータに基づいた文字列の配置を行う。
【0042】
そして画面生成部513は、このようにして生成した画面情報を出力部514に対して送出する。
【0043】
出力部514は、画面生成部513から受けた画面情報を、外部の装置(例えば、CRTや液晶画面等により構成されている表示装置)に対して送出する。なお、画面情報を表示装置に送出する場合には、適当な画像処理を施した後、映像信号に変換してから送出することになる。このように、画面情報は、その送出先に応じて適宜処理が施される。
【0044】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置550が行う処理のフローチャートである。なお、各ステップにおける処理については上述の通りであるので、ここでは簡単に説明する。
【0045】
先ずステップS601では、入力部510は、ウィンドウ毎のデータを外部から受けると、これを重なり判定部511と画面生成部513とに送出する。
【0046】
次に、ステップS602では、重なり判定部511は、各ウィンドウに対応するデータを用いて、各ウィンドウを形成する。次に、重なり判定部511は、ウィンドウ毎に次のような処理を行う。即ち、他ウィンドウを表示することで、着目ウィンドウ内に配置したオブジェクトが隠蔽されるか否かを判定する。即ち、重なり判定部511は、着目ウィンドウ内に表示した各オブジェクトについて、オブジェクトの表示領域面積のうち所定の割合(例えば60%)以上が、他ウィンドウの画面上における表示領域によって隠蔽されているか否かをチェックする。そして重なり判定部511は、係るチェックにおいて、「隠蔽されている」と判断したオブジェクトを、被隠蔽オブジェクトとして特定する。
【0047】
そして、被隠蔽オブジェクトとして特定されたオブジェクトが1つでもある場合には、処理をステップS603を介してステップS604に進める。一方、被隠蔽オブジェクトとして特定されたオブジェクトが1つもない場合には、処理をステップS603を介してステップS605に進める。
【0048】
ステップS604では、キャプション表示形態制御部512は、重なり判定部511によって被隠蔽オブジェクトとして特定されたオブジェクトに対応する文字列の表示形態を制御する。即ち、上述の通り、様々な考えられる表示形態制御を実現させるべく、画面生成部513に指示する。
【0049】
ステップS605では、画面生成部513は、各ウィンドウに対応するデータを用いて、各ウィンドウ(複数のウィンドウ)を形成する。なお、画面生成部513はキャプション表示形態制御部512から文字列の表示形態制御の指示を受けている場合には、係る文字列については、係る指示に従って表示形態を変更する。そして画面生成部513は、このようにして生成した画面情報を出力部514に対して送出する。
【0050】
ステップS606では、出力部514は、画面生成部513から受けた画面情報を、外部の装置(例えば、CRTや液晶画面等により構成されている表示装置)に対して送出する。
【0051】
なお、本実施形態では、オブジェクトがウィンドウ表示によって隠蔽された場合に限って、このオブジェクトに対応する文字列の表示形態を制御した。しかし、係る表示形態制御を行うための条件はこれに限定するものではない。
【0052】
[第2の実施形態]
図5に示した、情報処理装置550を構成する各部は、専用のハードウェアでもって実現しても良いが、一部若しくは全部をソフトウェアでもって実現させても良い。この場合、情報処理装置550には、係るソフトウェアを実行する一般のPC(パーソナルコンピュータ)などのコンピュータを適用することができる。
【0053】
図7は、情報処理装置550に適用可能なコンピュータのハードウェアを構成例を示すブロック図である。
【0054】
CPU701は、RAM702やROM703に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いてコンピュータ全体の制御を行うと共に、情報処理装置550が行うものとして第1の実施形態で説明した各処理を実行する。
【0055】
RAM702は、外部記憶装置706からロードされたコンピュータプログラムやデータ、I/F(インターフェース)707を介して外部から受信したデータなどを一時的に記憶するためのエリアを有する。更に、RAM702は、CPU701が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアも有する。即ち、RAM702は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0056】
ROM703には、ブートプログラムや、本コンピュータの設定データなどが格納されている。
【0057】
操作部704は、キーボードやマウスなどにより構成されており、本コンピュータの操作者が操作することで、各種の指示をCPU701に対して入力することができる。
【0058】
表示部705は、CRTや液晶画面などにより構成されており、CPU701による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。例えば、出力部514が出力するものとして説明した画面情報に基づく画面を表示することができる。
【0059】
外部記憶装置706は、ハードディスクドライブ装置に代表される大容量情報記憶装置である。外部記憶装置706には、OS(オペレーティングシステム)や、情報処理装置550が行うものとして第1の実施形態で説明した各種の処理をCPU701に実行させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。
【0060】
係るコンピュータプログラムには、図5に示した重なり判定部511、キャプション表示形態制御部512、画面生成部513のそれぞれの機能をCPU701に実行させるためのコンピュータプログラムが含まれている。また、係るデータには、各ウィンドウ内に表示する情報が記述されたデータが含まれる。係るデータは、図5に示す如く、データファイル502を含む、ウィンドウ毎のデータファイルである。
【0061】
外部記憶装置706に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU701による制御に従って適宜RAM702にロードされ、CPU701による処理対象となる。
【0062】
I/F707は、本コンピュータと外部装置とのデータ通信を可能にする為のものであって、例えば、図5に示した入力部510、出力部514に対応するものである。
【0063】
708は上述の各部を繋ぐバスである。
【0064】
[その他の実施形態]
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成されることはいうまでもない。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給する。係る記憶媒体は言うまでもなく、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0065】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0066】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0067】
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】1つのウィンドウの表示例を示す図である。
【図2】図1に示したウィンドウ100内のオブジェクト102上に別のウィンドウ200を重ねて表示した場合の表示例を示す図である。
【図3】図2に示したキャプション111の一部にウィンドウ200が重なったために、キャプション111の代わりにキャプション111を縮小したキャプション113を配置したウィンドウ100の表示例を示す図である。
【図4】隠蔽されたオブジェクトに対応する文字列を非表示にしたウィンドウの表示例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置550が行う処理のフローチャートである。
【図7】情報処理装置550に適用可能なコンピュータのハードウェアを構成例を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウィンドウを生成して表示装置に表示させる情報処理装置であって、
1つのウィンドウ内に配置するオブジェクトと当該オブジェクトに関連する文字列、のデータを用いて1つのウィンドウを生成する生成手段と、
前記生成手段が生成したウィンドウを含む複数のウィンドウを1つの画面内に配置した表示画面を示す画面情報を生成し、生成した画面情報を前記表示装置に出力する出力手段とを備え、
前記出力手段は、
前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合には、前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置した文字列の表示形態を変更してから前記画面情報を生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、
前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合、前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置した文字列を非表示にしてから前記画面情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、
前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合、前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置した文字列の透明度を変更してから前記画面情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、
前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合、前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置した文字列のサイズを変更してから前記画面情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、
前記生成手段が生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合、前記生成手段が生成した配置した文字列の色を変更してから前記画面情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数のウィンドウを生成して表示装置に表示させる情報処理装置が行う情報処理方法であって、
1つのウィンドウ内に配置するオブジェクトと当該オブジェクトに関連する文字列、のデータを用いて1つのウィンドウを生成する生成工程と、
前記生成工程で生成したウィンドウを含む複数のウィンドウを1つの画面内に配置した表示画面を示す画面情報を生成し、生成した画面情報を前記表示装置に出力する出力工程とを備え、
前記出力工程では、
前記生成工程で生成したウィンドウ内に配置したオブジェクトが、他方のウィンドウに隠蔽されていることを検知した場合には、前記生成工程で生成したウィンドウ内に配置した文字列の表示形態を変更してから前記画面情報を生成することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置が有する各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−294614(P2009−294614A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150840(P2008−150840)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】