説明

情報処理装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】プログラムの誤動作の発生を抑制する。
【解決手段】動作制御部は、プログラムを実行するCPUと、プログラムを格納するとともにプログラムの実行に伴って発生するデータを格納するメインメモリ512とを有している。メインメモリ512は、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能なMRAM61と、電源を供給しないと、記憶している情報を保持することができないDRAM62とを備えており、MRAM61の一部領域にはプログラム等が格納されるROM領域A1が設けられ、MRAM61の残りの領域およびDRAM62のすべての領域にはデータ等が格納されるRAM領域A2が設けられる。CPUがリセットされると、ROM領域A1の記憶内容をそのままとする一方でRAM領域A2の記憶内容を消去し、ROM領域A1から読み出したプログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、中央処理装置と、この中央処理装置とデータバスを介して接続される強誘電体メモリとを有し、強誘電体メモリに書き込まれるデータに、所定のデータ列毎にそのデータ列を書き換え可能とするか否かを決定するための判別ビットを付加することにより、強誘電体メモリにおいてデータ書き換えを禁止する領域を設定する半導体集積回路装置が存在する(特許文献1参照)。
【0003】
また、他の公報記載の従来技術として、プログラムに従って所定のデータ処理動作又はシステム制御を行うプロセッサと、読み出し動作と書き込み動作とがプロセッサのサイクルタイムに対応して高速に行われる不揮発性記憶回路(強誘電体キャパシタを用いたRAM)とを、1チップのマイクロコンピュータに搭載するとともに、不揮発性記憶回路のうち、データの処理プログラムが格納される部分を読み出し専用とし、他の残り部分をデータの書き込みと読み出しとに使用する半導体集積回路装置が存在する(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−331371号公報
【特許文献2】特開平7−114497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、プログラムの誤動作の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、プログラムを実行する実行手段と、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、当該不揮発性メモリには、前記実行手段が実行する前記プログラムを記憶する第1記憶領域と、当該実行手段が当該プログラムを実行することに伴って生じるデータを記憶する第2記憶領域とが設けられる記憶手段と、前記実行手段が初期状態に設定されることに伴って、前記記憶手段における前記第2記憶領域の記憶内容を消去する消去手段とを含む情報処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記記憶手段における前記第1記憶領域は、前記プログラムの基本となる基本プログラムを格納する第1格納領域と、当該基本プログラムに基づいて得られた当該プログラムを格納する第2格納領域とを備え、前記第2格納領域に格納される前記プログラムにエラーが発生した場合に、前記第1格納領域から読み出した前記基本プログラムに基づいて作成した当該プログラムを当該第2格納領域に書き込む書込手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記記憶手段の前記不揮発性メモリにおける前記第1記憶領域および前記第2記憶領域の割り当てを変更する変更手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記記憶手段は、電源を供給しないと、記憶している情報を保持することができない揮発性メモリをさらに含み、当該揮発性メモリには、前記実行手段が前記プログラムを実行することに伴って生じるデータを、前記第2記憶領域とともに記憶する第3記憶領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の情報処理装置である。
請求項5記載の発明は、前記記憶手段における前記不揮発性メモリが、MRAM、FeRAM、PRAM、ReRAMのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の情報処理装置である。
【0007】
請求項6記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記画像形成部の制御に用いるためのプログラムを実行する実行手段と、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、当該不揮発性メモリには、前記実行手段が実行する前記プログラムを記憶する第1記憶領域と、当該実行手段が当該プログラムを実行することに伴って生じるデータを記憶する第2記憶領域とが設けられる記憶手段と、前記実行手段が初期状態に設定されたときに、前記記憶手段における前記第2記憶領域の記憶内容を消去する消去手段とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
請求項7記載の発明は、コンピュータに、プログラムを実行する機能と、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、当該不揮発性メモリには、実行する前記プログラムを記憶する第1記憶領域と、当該プログラムを実行することに伴って生じるデータを記憶する第2記憶領域とが設けられる記憶手段に対し、当該プログラムを実行する機能が初期状態に設定されたときに、当該第2記憶領域の記憶内容を消去する機能とを実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、プログラムの誤動作の発生を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、エラーが発生したプログラムを、エラーの発生していないプログラムに書き換えることができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、不揮発性メモリの記憶容量を、より有効に活用することができる。
請求項4記載の発明によれば、かかるコストの上昇を抑制しつつ、記憶容量を増加させることが可能になる。
請求項5記載の発明によれば、例えば不揮発性メモリとしてEEPROMあるいはフラッシュメモリを用いた場合と比較して、不揮発性メモリからのプログラムの読み取りをより高速に行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、プログラムの誤動作の発生を抑制することができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、プログラムの誤動作の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置に設けられた制御部の内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【図3】動作制御部に設けられたMRAM(Magnetoresistive RAM)モジュールの内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【図4】動作制御部のメインメモリにおけるメモリマップの構成の一例をテーブルとして示す図である。
【図5】区分設定情報の構成の一例を示す図である。
【図6】画像形成装置の起動処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】IPL(イニシャル・プログラム・ローダ)の実行に伴う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】画像形成装置の1回目の起動処理(初回起動)の前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。
【図9】画像形成装置の2回目以降の起動処理の前後における、メモリマップの変遷(展開プログラムファイルにエラーがなかった場合)を説明するための図である。
【図10】画像形成装置の2回目以降の起動処理の前後における、メモリマップの変遷(展開プログラムファイルにエラーがあった場合)を説明するための図である。
【図11】MRAMモジュールを用いてROM領域を構成した場合(本実施の形態)と、ROMモジュールを用いてROM領域を構成した場合(比較の形態)とを比較するための図である。
【図12】仕向地設定情報の構成の一例を示す図である。
【図13】不要なフォントファイルを削除する場合における、処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】不要なフォントファイルを削除する前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。
【図15】プログラムファイルを更新する場合における、処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図16】プログラムファイルを更新する前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システムの構成の一例を示す図である。
この画像形成システムは、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を備えた所謂複合機として動作する画像形成装置1と、画像形成装置1に接続されるネットワーク2と、ネットワーク2に接続される端末装置3と、ネットワーク2に接続されるファクシミリ装置4と、ネットワーク2に接続されるサーバ装置5とを有している。
【0012】
ここで、ネットワーク2は、インターネット回線や電話回線等によって構成されている。また、端末装置3は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1に画像の形成等を指示するものであり、例えばPC(Personal Computer)で構成される。さらに、ファクシミリ装置4は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1との間でファクシミリを送受信する。さらにまた、サーバ装置5は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1との間でデータ(プログラムを含む)を送受信する。
【0013】
また、画像形成装置1は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る画像読取部10と、紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成部20と、ユーザから電源のオン/オフ、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を用いた動作に関連する指示を受け付けるとともに、ユーザに対してメッセージを表示するユーザインタフェース(UI)30と、ネットワーク2を介して端末装置3、ファクシミリ装置4およびサーバ装置5との間でデータの送受信を行う送受信部40と、これら画像読取部10、画像形成部20、UI30および送受信部40の動作を制御する制御部50とを備えている。そして、この画像形成装置1では、画像読取部10によってスキャン機能が実現され、画像形成部20によってプリント機能が実現され、画像読取部10および画像形成部20によってコピー機能が実現され、画像読取部10、画像形成部20および送受信部40によってファクシミリ機能が実現される。なお、送受信部40は、例えばインターネット回線用のものと電話回線用のものとを、別々に設けるようにしてもかまわない。
【0014】
図2は、図1に示す画像形成装置1に設けられた制御部50の内部構成の一例を示すハードウェアブック図である。
本実施の形態の制御部50は、画像形成装置1の各部の動作を制御する動作制御部51と、画像読取部10および画像形成部20に関連する画像処理を実行する画像処理部52と、動作制御部51および画像処理部52を接続する接続バス53とを備えている。
【0015】
これらのうち、動作制御部51は、種々の演算を実行することによって画像形成装置1の各部を制御する実行手段、消去手段および変更手段の一例としてのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)511と、メモリバス514を介してCPU511に接続されるメインメモリ512と、CPU511とUI30および送受信部40とを接続するインタフェース回路(I/F)513とを有している。なお、CPU511は、メインメモリ512に対し、直接にデータを読み書きするように構成されている。
【0016】
また、記憶手段の一例としてのメインメモリ512は、メモリデバイスとしてMRAM(Magnetoresistive RAM)を備えるMRAMモジュール61と、メモリデバイスとしてDRAM(Dynamic RAM)を備えるDRAMモジュール62とを有しており、それぞれがメモリバス514に接続されている。ここで、MRAMモジュール61は、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリである。一方、DRAMモジュール62は、電源を供給しないと、記憶している情報を保持することができない揮発性メモリである。そして、本実施の形態では、MRAMモジュール61およびDRAMモジュール62が、メモリバス514に設定された共通のクロック周波数(メモリクロック)にてデータの読み書きを行う。したがって、MRAMモジュール61は、DRAMモジュール62と同等の読み書き性能を有していることになる。それゆえ、MRAMモジュール61は、UV−EPROM(Ultra-Violet Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに比べて、より高速にデータの読み書きを行う。
【0017】
一方、画像処理部52は、種々の演算を実行することによって、画像読取部10から入力される画像データおよび画像形成部20に出力する画像データに処理を施すASIC(Application Specific Integrated Circuit)521と、他のメモリバス524を介してASIC521に接続される他のDRAMモジュール522と、ASIC521と画像読取部10および画像形成部20とを接続する他のインタフェース回路(I/F)523とを有している。
そして、上述した接続バス53は、制御部50において、動作制御部51に設けられたCPU511と、画像処理部52に設けられたASIC521とを接続しており、ASIC521は、CPU511から受けた指示に基づいて、各種画像処理を実行するようになっている。
【0018】
図3は、図2に示す動作制御部51に設けられたMRAMモジュール61の内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
本実施の形態のMRAMモジュール61は、予め決められた数のセル(図示せず)を有する第1MRAMチップ61aと、第1MRAMチップ61aと同じ数のセル(図示せず)を有する第2MRAMチップ61bと、メモリバス514を介してCPU511(図2参照)との間でデータの授受を行うとともに、第1MRAMチップ61aおよび第2MRAMチップ61bに対するデータの読み書きを制御するMRAM制御部61cとを備えている。ここで、第1MRAMチップ61aおよび第2MRAMチップ61bのそれぞれの容量は、通常、2のべき乗数に設定されており、この例では、それぞれの容量が128MB(MRAMモジュール61全体としては128MB×2=256MB)となっている。なお、ここでは、MRAMモジュール61が2個のMRAMチップで構成される場合を例としているが、これに限られるものではなく、例えば1個のMRAMチップで構成してもかまわないし、3個以上のMRAMチップで構成してもかまわない。ただし、一般的なMRAMモジュール61は、2の整数倍の個数のMRAMチップによって構成される。
【0019】
一方、本実施の形態のDRAMモジュール62も、それぞれが同じ数のセルを有する複数のDRAMチップ(図示せず)と、メモリバス514を介してCPU511(図2参照)との間でデータの授受を行うとともに、複数のDRAMチップに対するデータの読み書きを制御するDRAM制御部(図示せず)とを有している。そして、この例では、MRAMモジュール61全体の容量(この例では256MB)に比べて、DRAMモジュール62全体の容量がより大きくなる(この例では1GB)ように、MRAMモジュール61およびDRAMモジュール62の各容量が選択されている。
【0020】
図4は、動作制御部51のメインメモリ512(MRAMモジュール61およびDRAMモジュール62)におけるメモリマップの構成の一例を示す図である。なお、CPU511は、このメモリマップに基づいて、メインメモリ512に対するデータの読み書きを行う。
【0021】
図4に示すメモリマップにおいて、メインメモリ512全体としての記憶領域A0は、基本的にROM(Read Only Memory)として使用されるROM領域A1と、基本的にRAM(Random Access Memory)として使用されるRAM領域A2とを含んでいる。本実施の形態では、MRAMモジュール61にROM領域A1が配置され、MRAMモジュール61とDRAMモジュール62とに跨ってRAM領域A2が配置されている。これらのうち、ROM領域A1は、データの書き換えが基本的に許容されない第1ROM領域A11と、データの書き換えが基本的に許容される第2ROM領域A12とを有している。一方、RAM領域A2は、MRAMモジュール61側に配置される第1RAM領域A21と、DRAMモジュール62側に配置される第2RAM領域A22とを有している。
【0022】
なお、本実施の形態では、記憶領域A0における、ROM領域A1が第1記憶領域に、RAM領域A2における第1RAM領域A21が第2記憶領域に、RAM領域A2における第2RAM領域A22が第3記憶領域に、それぞれ対応している。また、本実施の形態では、ROM領域A1における、第1ROM領域A11が第1格納領域に、第2ROM領域A12が第2格納領域に、それぞれ対応している。
【0023】
ROM領域A1を構成する第1ROM領域A11は、リセットベクタ格納領域A111、仕向地情報格納領域A112、区分設定情報格納領域A113、圧縮プログラム格納領域A114、および圧縮フォント格納領域A115を有している。これらのうち、リセットベクタ格納領域A111は、画像形成装置1を起動するにあたり、動作制御部51においてCPU511が実行するプログラムである、イニシャル・プログラム・ローダ(Initial Program Loader:IPL)を格納している。また、仕向地情報格納領域A112は、出荷後の画像形成装置1が使用され得る複数の国(地域)と、各国(各地域)に対応した設定(例えばUI30に表示させる言語など)とを対応付けた、仕向地情報を格納している。さらに、区分設定情報格納領域A113は、図4に示すメモリマップにおける各領域と、メモリマップ上での各領域のメモリエリア(開始番地および終了番地)とを対応付けた、区分設定情報を格納している。さらにまた、圧縮プログラム格納領域A114は、画像形成装置1の動作において用いられるプログラムをデータ圧縮した、基本プログラムの一例としての圧縮プログラムファイルを格納している。そして、圧縮フォント格納領域A115は、画像形成装置1の画像形成動作において用いられるフォントをデータ圧縮した、圧縮フォントファイルを格納している。ここで、本実施の形態の圧縮フォント格納領域A115は、第1フォントをデータ圧縮した第1圧縮フォントファイルを格納する第1圧縮フォント格納領域A1151と、第1フォントとは異なる第2フォントをデータ圧縮した第2圧縮フォントファイルを格納する第2圧縮フォント格納領域A1152と、第1フォントおよび第2フォントとは異なる第3フォントをデータ圧縮した第3圧縮フォントファイルを格納する第3圧縮フォント格納領域A1153とを含んでいる。
【0024】
一方、第1ROM領域A11とともにROM領域A1を構成する第2ROM領域A12は、展開プログラム格納領域A121と、展開フォント格納領域A122とを有している。これらのうち、展開プログラム格納領域A121は、第1ROM領域A11の圧縮プログラム格納領域A114から読み出した圧縮プログラムファイルを、CPU511(図2参照)が展開することによって得た、プログラムの一例としての展開プログラムファイルを格納する。また、展開フォント格納領域A122は、第1ROM領域A11の圧縮フォント格納領域A115から読み出した圧縮フォントファイルを、CPU511(図2参照)が展開することによって得た展開フォントファイルを格納する。ここで、本実施の形態の展開フォント格納領域A122は、第1圧縮フォント格納領域A1151から読み出した第1圧縮フォントファイルを展開して得た、第1展開フォントファイルを格納する第1展開フォント格納領域A1221と、第2圧縮フォント格納領域A1152から読み出した第2圧縮フォントファイルを展開して得た、第2展開フォントファイルを格納する第2展開フォント格納領域A1222と、第3圧縮フォント格納領域A1153から読み出した第3圧縮フォントファイルを展開して得た、第3展開フォントファイルを格納する第3展開フォント格納領域A1223とを含んでいる。
【0025】
なお、この例において、展開プログラム格納領域A121に用意されるメモリ容量は圧縮プログラム格納領域A114に用意されるメモリ容量よりも大きく、且つ、展開フォント格納領域A122に用意されるメモリ容量は、圧縮フォント格納領域A115に用意されるメモリ容量よりも大きい。これは、圧縮されたファイルを展開することに伴って、そのファイルサイズが大きくなることによるものである。
【0026】
他方、この例において、RAM領域A2を構成する第1RAM領域A21および第2RAM領域A22は、CPU511(図2参照)によるプログラムの実行に伴って発生するデータや、CPU511による処理に伴って、画像形成装置1の各構成要素に対して出力される指示に関するデータなどを、一時的に格納する作業領域A200として用いられる。このように、本実施の形態では、記憶方式が異なる2つのメモリ(MRAMモジュール61の一部の領域およびDRAMモジュール62のすべての領域)によってRAM領域A2(作業領域A200)が構成されている。そして、CPU511は、MRAMモジュール61側に配置される第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62側に配置される第2RAM領域A22を、一まとまりのRAM領域A2として扱う。
【0027】
また、この例においては、MRAMモジュール61における第1MRAMチップ61aのすべての領域および第2MRAMチップ61bの一部の領域が、ROM領域A1として使用される。一方、この例においては、MRAMモジュール61における第2MRAMチップ61bの残りの一部の領域およびDRAMモジュール62のすべての領域が、RAM領域A2として使用される。このように、本実施の形態では、MRAMモジュール61内に、ROM領域A1とRAM領域A2とが共存している。
【0028】
図5は、図4に示す第1ROM領域A11の区分設定情報格納領域A113に格納される区分設定情報の一例をテーブルとして示す図である。
本実施の形態において、区分設定情報は、上述したメモリマップにおける各領域と、メモリマップ上での各領域のメモリエリア(開始番地および終了番地)とを対応付けて構成されている。なお、図5においては、各領域の開始番地および終了番地をすべて「XXXX」として表示しているが、実際は、複数の領域において同じ番地のかぶりが生じないように、各領域の開始番地および終了番地が設定されている。
【0029】
図6は、図1に示す画像形成装置1の起動処理を説明するためのフローチャートである。なお、この起動処理は、例えばUI30を介して画像形成装置1の電源が投入されることに伴って制御部50(より具体的には、動作制御部51におけるCPU511)にリセット指示が入力されたとき、また、画像形成装置1の電源が投入された後に何らかの理由により制御部50にリセット指示が入力されたとき、などに実行される。
【0030】
制御部50の動作制御部51に設けられたCPU511がリセット指示を受け付けると(ステップ1)、CPU511は、自身のリセット(CPUリセット)を実行する(ステップ2)。このとき、CPUリセットに伴って、CPU511に設けられたレジスタ群およびキャッシュメモリ(ともに図示せず)の記憶内容がクリアされる。ただし、CPUリセットが実行されても、動作制御部51に設けられたメインメモリ512(MRAMモジュール61およびDRAMモジュール62)の記憶内容はクリアされず、特にMRAMモジュール61においては、CPUリセット前の記憶内容がそのまま保持される。なお、本実施の形態では、このCPUリセットが、実行手段が初期状態に設定されることに対応している。
【0031】
続いて、CPU511は、メモリバス514を介して、メインメモリ512のうち、ROM領域A1の第1ROM領域A11におけるリセットベクタ格納領域A111に格納されるイニシャル・プログラム・ローダ(IPL)を読み出すとともに、読み出したIPLを実行し(ステップ3)、画像形成装置1の各構成(画像読取部10、画像形成部20、送受信部40等)が使用可能となるように動作準備を行う。そして、画像形成装置1の動作準備が完了する(ステップ4)ことで、一連の起動処理を終了する。
【0032】
続いて、上述したステップ3におけるIPLの実行について、より詳細に説明する。
図7は、IPLの実行に伴う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
IPLの実行に伴い、CPU511は、最初に、ROM領域A1の第1ROM領域A11における区分設定情報格納領域A113に格納される区分設定情報(図5参照)を読み出す(ステップ11)。そして、CPU511は、読み出した区分設定情報に基づき、記憶領域A0のうち、RAM領域A2に設定された領域のデータを消去する(ステップ12)。これにより、作業領域A200すなわちMRAMモジュール61側に配置される第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62側に配置される第2RAM領域A22の記憶内容が、ともにクリアされる。
【0033】
次に、CPU511は、今回の起動処理が初回起動であるか否かを判断する(ステップ13)。ここで、「初回起動」とは、例えば画像形成装置1の電源が初めて投入された場合などである。なお、初回起動であるか否かの判断は、例えば、ROM領域A1の第1ROM領域A11に、既に起動を行ったか否かを示すフラグをさらに格納しておき、これを読み出すことによって行ってもよいし、例えばROM領域A1の第2ROM領域A12に展開プログラムファイルが格納されているか否かに基づいて行ってもよい。
【0034】
ステップ13において肯定の判断(Yes)を行った場合、すなわち、今回の起動処理が初回起動であった場合、CPU511は、続いて、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114に格納される圧縮プログラムファイルを読み出し、読み出した圧縮プログラムファイルを展開し、圧縮プログラムファイルを展開して得られた展開プログラムファイルを、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に格納する(ステップ14)。
【0035】
CPU511は、さらに続いて、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮フォント格納領域A115に格納される圧縮フォントファイルを読み出し、読み出した圧縮フォントファイルを展開し、圧縮フォントファイルを展開して得られた展開フォントファイルを、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122に格納する(ステップ15)。より具体的に説明すると、ステップ15では、CPU511が、まず、第1圧縮フォント格納領域A1151から読み出した第1圧縮フォントファイルを展開し、得られた第1展開フォントファイルを第1展開フォント格納領域A1221に格納し、次に、第2圧縮フォント格納領域A1152から読み出した第2圧縮フォントファイルを展開し、得られた第2展開フォントファイルを第2展開フォント格納領域A1222に格納し、最後に、第3圧縮フォント格納領域A1153から読み出した第3圧縮フォントファイルを展開し、得られた第3展開フォントファイルを第3展開フォント格納領域A1223に格納する。そして、後述するステップ19に進む。
【0036】
一方、ステップ13において否定の判断(No)を行った場合、すなわち、今回の起動処理が2回目以降の起動であった場合、CPU511は、続いて、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に格納される展開プログラムファイルに対し、エラーチェックを実行する(ステップ16)。なお、上述したように、初回起動において、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121には、展開プログラムファイルが格納されるようになっており、また、ROM領域A1は、画像形成装置1の電源が切断されてもその記憶内容が保持されるようになっており、しかも、電源が再投入されることによってCPU511がリセットされた場合にも、ROM領域A1の記憶内容は消去されないようになっている。したがって、展開プログラム格納領域A121には、前回の起動処理で使用した展開プログラムファイルが、そのままの状態で記憶されていることになる。
【0037】
次に、CPU511は、ステップ16におけるエラーチェックの結果に基づき、展開プログラムファイルにエラーが発生したか否かを判断する(ステップ17)。なお、ステップ16で実行されるエラーチェックの手法としては、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)が挙げられる。
【0038】
ステップ17において肯定の判断(Yes)を行った場合、すなわち、展開プログラムファイルにエラーが発生した場合、CPU511は、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114に格納される圧縮プログラムファイルを再度読み出し、読み出した圧縮プログラムファイルを再度展開し、圧縮プログラムファイルを展開して得られた展開プログラムファイルを、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に再度格納する(ステップ18)。このとき、展開プログラム格納領域A121では、エラーが発生した展開プログラムファイルに対し、圧縮プログラムファイルを再度展開して得た新たな展開プログラムファイルが上書きされる。そして、後述するステップ19に進む。
【0039】
これに対し、ステップ17において否定の判断(No)を行った場合、すなわち、展開プログラムファイルにエラーが発生しなかった場合、CPU511は、そのまま後述するステップ19に進む。
【0040】
そして、CPU511は、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に格納された展開プログラムファイルを読み出して処理を行うことにより、画像形成装置1の初期設定を行い(ステップ19)、IPLの実行を完了する。また、ステップ19の初期設定では、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122に格納された各展開フォントファイル(第1展開フォントファイル〜第3展開フォントファイル)を読み出して、各展開フォントファイルに対応するフォントを、使用可能な状態にする。
【0041】
ここで、ステップ13において肯定の判断(Yes)を行っていた場合、CPU511は、ステップ19において、今回の起動で新規に格納された展開プログラムファイルを用いて、初期設定に関する処理を行うことになる。また、ステップ13において否定の判断(No)を行った後にステップ17において肯定(Yes)の判断を行っていた場合、CPU511は、ステップ19において、今回の起動において再び格納された展開プログラムファイルを用いて、初期設定に関する処理を行うことになる。さらに、ステップ13において否定の判断(No)を行った後にステップ17において否定の判断(No)を行っていた場合、CPU511は、ステップ19において、前回までの起動において既に格納されていた展開プログラムファイルを用いて、初期設定に関する処理を行うことになる。
【0042】
では、図7に示すIPLの実行に伴う処理の手順について、具体的に例を挙げながら説明を行う。
【0043】
[1回目の起動]
図8は、画像形成装置1の1回目の起動処理(初回起動)の前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。ここで、図8(a)は起動処理開始前のメモリマップを示しており、図8(b)は起動処理完了後のメモリマップを示している。なお、図8は、図7に示すIPLの実行に伴う処理のうち、ステップ13において肯定の判断(Yes)を行う場合に対応している。
【0044】
図8(a)に示すように、初回の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61におけるROM領域A1の第1ROM領域A11となる領域のうち、リセットベクタ格納領域A111にはIPLが、仕向地情報格納領域A112には仕向地情報が、区分設定情報格納領域A113には区分設定情報が、圧縮プログラム格納領域A114には圧縮プログラムファイルが、それぞれ格納されている。また、圧縮フォント格納領域A115において、第1圧縮フォント格納領域A1151には第1圧縮フォントが、第2圧縮フォント格納領域A1152には第2圧縮フォントが、第3圧縮フォント格納領域A1153には第3圧縮フォントが、それぞれ格納されている。なお、これらの各データは、画像形成装置1を出荷する際には、第1ROM領域A11を構成する各領域に格納済となっている。
【0045】
また、図8(a)に示すように、初回の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12および第1RAM領域A21、そして、DRAMモジュール62における第2RAM領域A22となる領域には、データの格納は行われておらず、それぞれが空の状態となっている。
【0046】
そして、初回の起動処理が実行されるのに伴い、図8(b)に示すように、MRAMモジュール61における第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62における第2RAM領域A22の記憶内容が消去される(ステップ12)。そして、これら第1RAM領域A21および第2RAM領域A22は、以後の処理において作業領域A200として使用される。
【0047】
また、ステップ13で肯定の判断(Yes)がなされることに伴い、図8(b)に示すように、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開プログラム格納領域A121に、圧縮プログラム格納領域A114に格納される圧縮プログラムファイルを展開して得られた展開プログラムファイルが格納され(ステップ14)、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開フォント格納領域A122に、圧縮フォント格納領域A115に格納される圧縮フォントファイルを展開して得られた展開フォントファイルが格納される(ステップ15)。このとき、展開フォント格納領域A122では、第1展開フォント格納領域A1221に第1展開フォントファイルが格納され、第2展開フォント格納領域A1222に第2展開フォントファイルが格納され、第3展開フォント格納領域A1223に第3展開フォントファイルが格納される。
【0048】
そして、初回の起動処理の前後において、MRAMモジュール61における第1ROM領域A11に格納される各データは、そのまま保持され続ける。すなわち、リセットベクタ格納領域A111におけるIPL、仕向地情報格納領域A112における仕向地情報、区分設定情報格納領域A113における区分設定情報、圧縮プログラム格納領域A114における圧縮プログラムファイル、圧縮フォント格納領域A115における圧縮フォントファイル(第1圧縮フォント格納領域A1151における第1圧縮フォントファイル、第2圧縮フォント格納領域A1152における第2圧縮フォントファイル、第3圧縮フォント格納領域A1153における第3圧縮フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0049】
[2回目以降の起動:その1]
図9は、画像形成装置1の2回目以降の起動処理の前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。ここで、図9(a)は起動処理開始前のメモリマップを示しており、図9(b)は起動処理完了後のメモリマップを示している。なお、図9は、図7に示すIPLの実行に伴う処理のうち、ステップ13において否定の判断(No)を行うとともに、ステップ17において否定の判断(No)を行う場合に対応している。
【0050】
図9(a)に示すように、2回目以降の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61におけるROM領域A1の第1ROM領域A11には、リセットベクタ格納領域A111、仕向地情報格納領域A112、区分設定情報格納領域A113、圧縮プログラム格納領域A114および圧縮フォント格納領域A115が設定されている。そして、リセットベクタ格納領域A111にはIPLが、仕向地情報格納領域A112には仕向地情報が、区分設定情報格納領域A113には区分設定情報が、圧縮プログラム格納領域A114には圧縮プログラムファイルが、それぞれ格納されている。また、圧縮フォント格納領域A115において、第1圧縮フォント格納領域A1151には第1圧縮フォントファイルが、第2圧縮フォント格納領域A1152には第2圧縮フォントファイルが、第3圧縮フォント格納領域A1153には第3圧縮フォントファイルが、それぞれ格納されている。
【0051】
また、図9(a)に示すように、2回目以降の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開プログラム格納領域A121には、前回までの起動処理において既に格納された展開プログラムファイルが存在している。さらに、図9(a)に示すように、2回目以降の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開フォント格納領域A122には、前回までの起動処理において既に格納された展開フォントファイルが存在している。この展開フォント格納領域A122のうち、第1展開フォント格納領域A1221には第1展開フォントファイルが、第2展開フォント格納領域A1222には第2展開フォントファイルが、第3展開フォント格納領域A1223には第3展開フォントファイルが、それぞれ格納されている。そして、2回目以降の起動処理が開始される前において、RAM領域A2のうちMRAMモジュール61によって構成される第1RAM領域A21には、前回の起動処理後の動作において使用されたデータが消えずに残っている。なお、2回目以降の起動処理が開始される前において、RAM領域A2のうちDRAMモジュール62によって構成される第2RAM領域A22では、電源の切断に伴ってデータが消去されている。
【0052】
そして、2回目以降の起動処理が実行されることに伴い、図9(b)に示すように、作業領域A200すなわちMRAMモジュール61における第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62における第2RAM領域A22の記憶内容が消去される(ステップ12)。
【0053】
また、この例では、ステップ13で否定の判断(No)がなされた後、ステップ17で否定の判断(No)がなされる。
したがって、この例では、2回目以降の起動処理の前後において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12に格納される各データは、そのまま保持され続ける。すなわち、展開プログラム格納領域A121における展開プログラムファイル、展開フォント格納領域A122における展開フォントファイル(第1展開フォント格納領域A1221における第1展開フォントファイル、第2展開フォント格納領域A1222における第2展開フォントファイル、第3展開フォント格納領域A1223における第3展開フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0054】
そして、この例でも、2回目以降の起動処理の前後において、MRAMモジュール61における第1ROM領域A11に格納される各データは、そのまま保持され続ける。すなわち、リセットベクタ格納領域A111におけるIPL、仕向地情報格納領域A112における仕向地情報、区分設定情報格納領域A113における区分設定情報、圧縮プログラム格納領域A114における圧縮プログラムファイル、圧縮フォント格納領域A115における圧縮フォントファイル(第1圧縮フォント格納領域A1151における第1圧縮フォントファイル、第2圧縮フォント格納領域A1152における第2圧縮フォントファイル、第3圧縮フォント格納領域A1153における第3圧縮フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0055】
[2回目以降の起動:その2]
図10は、画像形成装置1の2回目以降の起動処理の前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。ここで、図10(a)は起動処理開始前のメモリマップを示しており、図10(b)は起動処理完了後のメモリマップを示している。なお、図10は、図7に示すIPLの実行に伴う処理のうち、ステップ13において否定の判断(No)を行うとともに、ステップ17において肯定の判断(Yes)を行う場合に対応している。
【0056】
図10(a)に示すように、2回目以降の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61におけるROM領域A1の第1ROM領域A11には、リセットベクタ格納領域A111、仕向地情報格納領域A112、区分設定情報格納領域A113、圧縮プログラム格納領域A114および圧縮フォント格納領域A115が設定されている。そして、リセットベクタ格納領域A111にはIPLが、仕向地情報格納領域A112には仕向地情報が、区分設定情報格納領域A113には区分設定情報が、圧縮プログラム格納領域A114には圧縮プログラムファイルが、それぞれ格納されている。また、圧縮フォント格納領域A115において、第1圧縮フォント格納領域A1151には第1圧縮フォントが、第2圧縮フォント格納領域A1152には第2圧縮フォントが、第3圧縮フォント格納領域A1153には第3圧縮フォントが、それぞれ格納されている。
【0057】
また、図10(a)に示すように、2回目以降の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開プログラム格納領域A121には、前回までの起動処理において既に格納された展開プログラムファイルが存在している。さらに、図10(a)に示すように、2回目以降の起動処理が開始される前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開フォント格納領域A122には、前回までの起動処理において既に格納された展開フォントファイルが存在している。この展開フォント格納領域A122のうち、第1展開フォント格納領域A1221には第1展開フォントが、第2展開フォント格納領域A1222には第2展開フォントが、第3展開フォント格納領域A1223には第3展開フォントが、それぞれ格納されている。なお、2回目以降の起動処理が開始される前において、RAM領域A2のうちMRAMモジュール61によって構成される第1RAM領域A21には、前回の起動処理後の動作において使用されたデータが存在している。なお、2回目以降の起動処理が開始される前において、RAM領域A2のうちDRAMモジュール62によって構成される第2RAM領域A22には、このようなデータは存在しない。
【0058】
そして、2回目以降の起動処理が実行されることに伴い、図10(b)に示すように、作業領域A200すなわちMRAMモジュール61における第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62における第2RAM領域A22の記憶内容が消去される(ステップ12)。
【0059】
また、ステップ13で否定の判断(No)がなされた後、ステップ17で肯定の判断(Yes)がなされることに伴い、図10(b)に示すように、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開プログラム格納領域A121に、圧縮プログラム格納領域A114に格納される圧縮プログラムファイルを再度展開して得られた展開プログラムファイルが再度格納(上書き)される(ステップ18)。
一方、この例では、2回目以降の起動処理の前後において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開フォント格納領域A122に格納される各データは、そのまま保持され続ける。すなわち、展開フォント格納領域A122における展開フォントファイル(第1展開フォント格納領域A1221における第1展開フォントファイル、第2展開フォント格納領域A1222における第2展開フォントファイル、第3展開フォント格納領域A1223における第3展開フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0060】
そして、この例でも、2回目以降の起動処理の前後において、MRAMモジュール61における第1ROM領域A11に格納される各データは、そのまま保持され続ける。すなわち、リセットベクタ格納領域A111におけるIPL、仕向地情報格納領域A112における仕向地情報、区分設定情報格納領域A113における区分設定情報、圧縮プログラム格納領域A114における圧縮プログラムファイル、圧縮フォント格納領域A115における圧縮フォントファイル(第1圧縮フォント格納領域A1151における第1圧縮フォントファイル、第2圧縮フォント格納領域A1152における第2圧縮フォントファイル、第3圧縮フォント格納領域A1153における第3圧縮フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0061】
このように、本実施の形態では、画像形成装置1の起動処理において、作業領域A200となるRAM領域A2すなわちMRAMモジュール61における第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62における第2RAM領域A22の記憶内容を消去するようにした。このため、電源を切っても記憶内容が消去されないMRAMモジュール61の一部をRAM領域A2(第1RAM領域A21)として使用する場合であっても、第1RAM領域A21に前回起動時のデータが残存することに伴って生じる不具合(プログラムの暴走など)の発生を抑制することが可能になる。
【0062】
図11は、読み書き可能なMRAMモジュール61を用いてROM領域A1を構成した場合と、読み込みは可能であって書き込みは不可能なROMモジュール63を用いてROM領域A1を構成した場合とを比較するための図である。ここで、図11(a)が前者に対応する本実施の形態の場合を、図11(b)が後者に対応する比較の形態の場合を、それぞれ例示している。
なお、この例において、MRAMモジュール61は、それぞれが128MBの容量を有する第1MRAMチップ61aおよび第2MRAMチップ61bを含んで構成されているものとし、ROMモジュール63も、それぞれが128MBの容量を有する第1ROMチップ63aおよび第2ROMチップ63bを含んで構成されているものとする。
【0063】
まず、図11(a)を参照しつつ、本実施の形態の場合について説明する。
ROM領域A1に格納すべきソフトウェアとしてのプログラムの容量が例えば129MBである場合、ハードウェアであるMRAMモジュール61では、第1MRAMチップ61aおよび第2MRAMチップ61bの容量がそれぞれ128MBであるため、129MBのプログラムを、第1MRAMチップ61aおよび第2MRAMチップ61bに分けて配置する必要がある。なお、この例では、第1MRAMチップ61aにプログラムのうちの128MB分を配置し、第2MRAMチップ61bにプログラムのうちの1MB分を配置している。ここで、MRAMモジュール61を用いた場合、第2MRAMチップ61bに存在する127MB分の容量は、MRAMモジュール61が読み書き可能なメモリデバイスであることから、RAM領域A2(本実施の形態では第1RAM領域A21)として使用することが可能である。
【0064】
次に、図11(b)を参照しつつ、比較の形態の場合について説明する。ROM領域A1に格納すべきソフトウェアとしてのプログラムの容量が例えば129MBである場合、ハードウェアであるROMモジュール63では、第1ROMチップ63aおよび第2ROMチップ63bの容量がそれぞれ128MBであるため、129MBのプログラムを、第1ROMチップ63aおよび第2ROMチップ63bに分けて配置する必要がある。なお、この例では、第1ROMチップ63aにプログラムのうちの128MB分を配置し、第2ROMチップ63bにプログラムのうちの1MB分を配置している。ここで、ROMモジュール63を用いた場合、第2ROMチップ63bに存在する127MB分の容量は、ROMモジュール63が読み込みは可能であって書き込みは不可能なメモリデバイスであることから、使えない領域すなわち使用不能領域A3となってしまう。
【0065】
このように、本実施の形態では、MRAMモジュール61を用いてROM領域A1を構成することにより、各MRAMチップの容量に関係なく、プログラム等の格納に使用しない領域を、RAM領域A2(第1RAM領域A21)として利用すること可能になる。このため、使用不能領域A3等の発生に伴う無駄な容量を低減することができる。
【0066】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同じであるが、さらに、例えばユーザからの要求等に応じて不要なフォントファイルを削除することにより、メインメモリ512におけるメモリマップを修正して、MRAMモジュール61においてROM領域A1として利用する容量を低減させるとともにRAM領域A2として利用できる容量を増加させるようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0067】
図12は、図4に示すROM領域A11の仕向地情報格納領域A112に格納される仕向地設定情報の構成の一例を示す図である。
実施の形態1でも説明したように、仕向地情報は、出荷後の画像形成装置1が使用され得る複数の国(地域)と、各国(各地域)に対応した設定とを対応付けて構成されている。ここで、図12は、仕向地情報のうち、出荷後の画像形成装置1が使用され得る国(A国、B国、C国)と、各国において使用され得るフォント(第1フォント、第2フォント、第3フォント)との関係を示している。なお、図12に示す例では、「A国」において、第1フォントおよび第2フォントが「要」、第3フォントが「不要」とされている。また、「B国」において、第1フォントおよび第2フォントが「不要」、第3フォントが「要」とされている。さらに、「C国」において、第1フォントが「要」、第2フォントおよび第3フォントが「不要」とされている。
【0068】
図13は、本実施の形態の画像形成装置1において、不要なフォントファイルを削除する場合における、処理の手順を説明するためのフローチャートである。なお、この処理は、例えばIPLの実行に伴って画像形成装置1が使用可能な状態となった後であって、画像形成動作および画像読み取り動作が行われていないときに実行される。したがって、動作制御部51に設けられたメインメモリ512において、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮フォント格納領域A115には、第1圧縮フォントファイル(第1圧縮フォント格納領域A1151)、第2圧縮フォントファイル(第2圧縮フォント格納領域A1152)、そして第3圧縮フォントファイル(第3圧縮フォント格納領域A1153)が格納されている。また、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122には、第1展開フォントファイル(第1展開フォント格納領域A1221)、第2展開フォントファイル(第2展開フォント格納領域A1222)、第3展開フォントファイル(第3展開フォント格納領域A1223)が格納されている。
【0069】
まず、CPU511は、UI30等を介して、不要フォントを削除する旨の指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ31)。
なお、ステップ31において否定の判断(No)を行った場合、CPU511は、そのままこの処理を終了する。
【0070】
一方、ステップ31において肯定の判断(Yes)を行った場合、CPU511は、次に、ROM領域A1の第1ROM領域A11における仕向地情報格納領域A112に格納される仕向地情報(図12参照)を読み出す(ステップ32)。そして、CPU511は、UI30等によって入力された画像形成装置1の仕向地と、ステップ32で取得した仕向地情報とに基づき、仕向地において不要なフォントに対応する圧縮フォントファイルを、第1ROM領域A11の圧縮フォント格納領域A115から消去する(ステップ33)。それから、CPU511は、ROM領域A1の第1ROM領域A11における区分設定情報格納領域A113から区分設定情報(図5参照)を読み出し、ステップ33において消去を行った圧縮フォントファイルの容量と、消去を行った圧縮フォントファイルを展開して得られる展開フォントファイルの容量とを反映させつつ、区分設定情報を再構成し、再構成した区分設定情報を区分設定情報格納領域A113に格納する(ステップ34)。
【0071】
その後、CPU511は、画像形成装置1(動作制御部51)の再起動を実行させる(ステップ35)。
再起動の実行に伴い、リセットがなされたCPU511は、最初に、ROM領域A1の第1ROM領域A11における区分設定情報格納領域A113に格納される区分設定情報を読み出す(ステップ36)。このとき、ステップ36で読み出される区分設定情報は、上述したステップ34において更新されている。そして、CPU511は、読み出した区分設定情報に基づき、記憶領域A0のうち、RAM領域A2に設定された領域のデータを消去する(ステップ37)。これにより、作業領域A200すなわちMRAMモジュール61側に配置される第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62側に配置される第2RAM領域A22の記憶内容が、ともにクリアされる。
【0072】
次に、CPU511は、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮フォント格納領域A115に格納される圧縮フォントファイルを読み出し、読み出した圧縮フォントファイルを展開し、圧縮フォントファイルを展開して得られた展開フォントファイルを、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122に格納する(ステップ38)。なお、このとき、CPU511は、上記ステップ33において消去されなかった圧縮フォントファイルのみについて、読み出し、展開、および格納を行うことになる。
【0073】
そして、CPU511は、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に格納された展開プログラムファイルを読み出して処理を行うことにより、画像形成装置1の初期設定を行い(ステップ39)、一連の処理を完了する。また、ステップ39の初期設定では、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122に格納された1または複数の展開フォントファイルを読み出して、各展開フォントファイルに対応するフォントを、使用可能な状態にする。
【0074】
では、図13に示す不要なフォントを削除する処理の手順について、具体的に例を挙げながら説明を行う。
図14は、不要なフォントファイルを削除する前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。ここで、図14(a)は不要なフォントファイルを削除する前のメモリマップを示しており、図14(b)は不要なフォントファイルを削除した後のメモリマップを示している。なお、図14は、図13に示す処理のうち、ステップ31において肯定の判断(Yes)を行う場合であって、画像形成装置1の仕向地がC国(図12参照)であった場合に対応している。
【0075】
図14(a)に示すように、不要なフォントファイルを削除する前において、MRAMモジュール61におけるROM領域A1の第1ROM領域A11には、リセットベクタ格納領域A111、仕向地情報格納領域A112、区分設定情報格納領域A113、圧縮プログラム格納領域A114および圧縮フォント格納領域A115が設定されている。さらに、リセットベクタ格納領域A111にはIPLが、仕向地情報格納領域A112には仕向地情報が、区分設定情報格納領域A113には区分設定情報が、圧縮プログラム格納領域A114には圧縮プログラムファイルが、それぞれ格納されている。そして、圧縮フォント格納領域A115において、第1圧縮フォント格納領域A1151には第1圧縮フォントファイルが、第2圧縮フォント格納領域A1152には第2圧縮フォントファイルが、第3圧縮フォント格納領域A1153には第3圧縮フォントファイルが、それぞれ格納されている。
【0076】
また、図14(a)に示すように、不要なフォントファイルを削除する前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開プログラム格納領域A121には、前回までの起動処理において既に格納された展開プログラムファイルが存在している。さらに、図14(a)に示すように、不要なフォントファイルを削除する前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開フォント格納領域A122には、前回までの起動処理において既に格納された展開フォントファイルが存在している。そして、展開フォント格納領域A122のうち、第1展開フォント格納領域A1221には第1展開フォントファイルが、第2展開フォント格納領域A1222には第2展開フォントファイルが、第3展開フォント格納領域A1223には第3展開フォントファイルが、それぞれ格納されている。なお、不要なフォントファイルの削除が開始される前において、RAM領域A2を構成する第1RAM領域A21および第2RAM領域A22は、既に作業領域A200として使用されている。
【0077】
この例では、画像形成装置1の仕向地がC国であることから、図12から明らかなように、第1フォントは「要」である一方、第2フォントおよび第3フォントは「不要」である。このため、図14(a)に示すように、第1ROM領域A1における圧縮フォント格納領域A115において、第2圧縮フォント格納領域A1152に格納される第2圧縮フォントファイルおよび第3圧縮フォント格納領域A1153に格納される第3圧縮フォントファイルの両者が消去(削除)される(ステップ33)。一方、第1圧縮フォント格納領域A1151に格納される第1圧縮フォントファイルは、消去されることなくそのまま残される。
【0078】
そして、第1ROM領域A1における圧縮フォント格納領域A115が第1圧縮フォント格納領域1151(第1圧縮フォントファイルを格納)のみとなること、第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122が第1展開フォント格納領域A1221(第1展開フォントファイルを格納)のみとなること、第1ROM領域A11における圧縮フォント格納領域A115および第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122の容量が低減される分だけ第1RAM領域A21の容量を増加させること、を反映させた区分設定情報(図5参照)を、区分設定情報格納領域A113に格納させ(ステップ34)、再起動を実行する。このとき、新たな区分設定情報では、第1ROM領域A1における圧縮フォント格納領域A115のメモリエリアおよび第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122のメモリエリアがそれぞれ縮小されるとともに、その分、RAM領域A2(より具体的には第1RAM領域A21)のメモリエリアが拡張される。
【0079】
そして、再起動処理が実行されることに伴い、図14(b)に示すように、メモリマップが更新される。なお、メモリマップの更新において、ROM領域A1の第1ROM領域A11におけるリセットベクタ格納領域A111、仕向地情報格納領域A112、区分設定情報格納領域A113、圧縮プログラム格納領域A114、圧縮フォント格納領域A115を構成する第1圧縮フォント格納領域A1151、および、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121については、再起動処理の実行前と同じメモリエリアが指定される。一方、メモリマップの更新前に、ROM領域A1の第1ROM領域A11において圧縮フォント格納領域A115を構成する第2圧縮フォント格納領域A1152および第3圧縮フォント格納領域A1153であったメモリエリア、および、ROM領域A1の第2ROM領域A12において展開フォント格納領域A122を構成する第2展開フォント格納領域A1222および第3展開フォント格納領域A1223であったメモリエリアは、アドレス変換が行われることにより、RAM領域A2の第1RAM領域A21に振り分けられる。その結果、ROM領域A1の容量は再起動前よりも低減されることになり、その分、RAM領域A2の容量は、再起動前よりも増加することになる。
【0080】
そして、図14(b)に示すように、MRAMモジュール61における第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62における第2RAM領域A22の記憶内容が消去される(ステップ37)。これに伴い、これら第1RAM領域A21および第2RAM領域A22は、以後の処理において作業領域A200として使用される。このとき、作業領域A200(第1RAM領域A21)は、上述した理由により、再起動前よりもメモリエリアが拡張されている。また、上述したアドレス変換により、第1RAM領域A21では、再起動前から第1RAM領域A21であった領域と、再起動後に新たに第1RAM領域A21に振り分けられた領域とが、アドレス空間において連続するようになる。
【0081】
また、この例では、再起動処理が実行されることに伴い、図14(b)に示すように、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開フォント格納領域A122に、圧縮フォント格納領域A115に格納される圧縮フォントファイルを展開して得られた展開フォントファイルが格納される(ステップ38)。このとき、展開フォント格納領域A122では、第1展開フォント格納領域A1221に第1展開フォントファイルが格納される。
【0082】
そして、再起動処理の前後において、MRAMモジュール61における第1ROM領域A11に格納される各データは、ステップ33において消去された第2圧縮フォントファイルおよび第3圧縮フォントファイルを除いて、そのまま保持され続ける。すなわち、リセットベクタ格納領域A111におけるIPL、仕向地情報格納領域A112における仕向地情報、区分設定情報格納領域A113における区分設定情報、圧縮プログラム格納領域A114における圧縮プログラムファイル、圧縮フォント格納領域A115における圧縮フォントファイル(第1圧縮フォント格納領域A1151における第1圧縮フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0083】
また、再起動処理の前後において、MRAMモジュール61の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に格納される展開プログラムファイルも、そのまま保持され続ける。すなわち、展開プログラム格納領域A121における展開プログラムファイルは、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0084】
このように、本実施の形態では、MRAMモジュール61の第1ROM領域A11に格納される複数の圧縮フォントファイルのうち、仕向地において不要な圧縮フォントファイルを消去することにより、不要な圧縮フォントファイルおよびこの不要な圧縮フォントファイルを展開して得られた不要な展開フォントファイルを格納しておくための容量を低減し、その分、第1RAM領域A21に振り分けることができる。このため、例えばDRAMモジュール62を交換しなくても、メインメモリ512におけるRAM領域A2(作業領域A200)の容量を増加させることが可能となる。
【0085】
<実施の形態3>
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同じであるが、さらに、CPU511によって実行されるプログラムファイルが更新される際に、メインメモリ512におけるメモリマップを修正するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0086】
図15は、本実施の形態の画像形成装置1において、プログラムファイルを更新する場合における、処理の手順を説明するためのフローチャートである。なお、この処理は、例えばIPLの実行に伴って画像形成装置1が使用可能な状態となった後であって、画像形成動作および画像読み取り動作が行われていないときに実行される。したがって、動作制御部51に設けられたメインメモリ512において、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114には、既に圧縮プログラムファイル(現行の圧縮プログラムファイル)が格納されている。また、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121には、現状の圧縮プログラムファイルを展開することによって得られた展開プログラムファイル(現行の展開プログラムファイルと呼ぶ)が格納されている。
【0087】
まず、CPU511は、UI30等を介して、プログラムファイルの更新を要求する旨の指示を受け付けたか否かを判断する(ステップ51)。
なお、ステップ51において否定の判断(No)を行った場合、CPU511は、そのままこの処理を終了する。
【0088】
一方、ステップ51において肯定の判断(Yes)を行った場合、CPU511は、次に、送受信部40およびネットワーク2を介して、サーバ装置5から更新用圧縮プログラムファイルを取得(ダウンロード)し、RAM領域A2(作業領域A200)のうちMRAMモジュール61によって構成される第1RAM領域A21に格納する(ステップ52)。続いて、CPU51は、ステップ52で取得した更新用圧縮プログラムファイルの容量(ファイルサイズ)を確認する(ステップ53)。それから、CPU511は、ROM領域A1の第1ROM領域A11における区分設定情報格納領域A113から区分設定情報(図5参照)を読み出し、ステップ53において確認した更新用圧縮プログラムファイルの容量および第1RAM領域A21において更新用圧縮プログラムファイルを格納したメモリアドレス(開始番地、終了番地)を反映させつつ、区分設定情報を再構成し、再構成した区分設定情報を区分設定情報格納領域A113に格納する(ステップ54)。
【0089】
その後、CPU511は、画像形成装置1(動作制御部51)の再起動を実行させる(ステップ55)。
再起動の実行に伴い、リセットがなされたCPU511は、最初に、ROM領域A1の第1ROM領域A11における区分設定情報格納領域A113に格納される区分設定情報を読み出す(ステップ56)。このとき、ステップ56で読み出される区分設定情報は、上述したステップ54において更新されている。そして、CPU511は、読み出した区分設定情報に基づき、記憶領域A0のうち、RAM領域A2に設定された領域のデータを消去する(ステップ57)。これにより、作業領域A200すなわちMRAMモジュール61側に配置される第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62側に配置される第2RAM領域A22の記憶内容が、ともにクリアされる。なお、再起動前に、第2RAM領域A21のうちステップ52において更新用圧縮プログラムファイルが格納されたメモリアドレスの範囲は、ステップ54において区分設定情報を再構成する際に、第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114となるように変更されている。
【0090】
次に、CPU511は、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114に格納される圧縮プログラムファイル(更新用圧縮プログラムファイル)を読み出し、読み出した圧縮プログラムファイルを展開し、圧縮プログラムファイルを展開して得られた展開プログラムファイル(新たな展開プログラムファイル)を、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に格納する(ステップ58)。
【0091】
そして、CPU511は、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に格納された新たな展開プログラムファイルを読み出して処理を行うことにより、画像形成装置1の初期設定を行い(ステップ59)、一連の処理を完了する。また、ステップ59の初期設定では、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122に格納された各展開フォントファイル(第1展開フォントファイル〜第3展開フォントファイル)を読み出して、各展開フォントファイルに対応するフォントを、使用可能な状態にする。
【0092】
では、図15に示すプログラムファイルを更新する処理の手順について、具体的に例を挙げながら説明を行う。
図16は、プログラムファイルを更新する前後における、メモリマップの変遷を説明するための図である。ここで、図16(a)はプログラムファイルを更新する前のメモリマップを示しており、図16(b)はプログラムファイルを更新した後のメモリマップを示している。なお、図16は、図15に示す処理のうち、ステップ51において肯定の判断(Yes)を行う場合であって、現行の圧縮プログラムファイルに比べて更新用プログラムファイルの容量が大きかった場合に対応している。
【0093】
図16(a)に示すように、プログラムファイルを更新する前において、MRAMモジュール61におけるROM領域A1の第1ROM領域A11には、リセットベクタ格納領域A111、仕向地情報格納領域A112、区分設定情報格納領域A113、圧縮プログラム格納領域A114および圧縮フォント格納領域A115が設定されている。さらに、リセットベクタ格納領域A111にはIPLが、仕向地情報格納領域A112には仕向地情報が、区分設定情報格納領域A113には区分設定情報が、圧縮プログラム格納領域A114には現行の圧縮プログラムファイルが、それぞれ格納されている。そして、圧縮フォント格納領域A115において、第1圧縮フォント格納領域A1151には第1圧縮フォントファイルが、第2圧縮フォント格納領域A1152には第2圧縮フォントファイルが、第3圧縮フォント格納領域A1153には第3圧縮フォントファイルが、それぞれ格納されている。
【0094】
また、図16(a)に示すように、プログラムファイルを更新する前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開プログラム格納領域A121には、前回までの起動処理において既に格納された現行の展開プログラムファイルが存在している。さらに、図16(a)に示すように、プログラムファイルを更新する前において、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開フォント格納領域A122には、前回までの起動処理において既に格納された展開フォントファイルが存在している。そして、展開フォント格納領域A122のうち、第1展開フォント格納領域A1221には第1展開フォントファイルが、第2展開フォント格納領域A1222には第2展開フォントファイルが、第3展開フォント格納領域A1223には第3展開フォントファイルが、それぞれ格納されている。なお、不要なフォントファイルの削除が開始される前において、RAM領域A2を構成する第1RAM領域A21および第2RAM領域A22は、既に作業領域A200として使用されている。
【0095】
この例では、ダウンロードされた新たな圧縮プログラムファイルが、RAM領域A2のうち、MRAMモジュール61で構成された第1RAM領域A21に格納される(ステップ52)。なお、ダウンロードした更新用圧縮プロフラムファイルを第1ROM領域A11の圧縮プログラム格納領域A114にそのまま格納(上書)しないのは、更新用圧縮プログラムファイルの容量が現行の圧縮プログラムファイルの容量よりも大きい場合に、更新用圧縮プログラムファイルの格納に必要な領域が不足してしまうためである。
【0096】
そして、第1ROM領域A1における圧縮プログラム格納領域A114のメモリエリアが、RAM領域A21において更新用圧縮プログラムを格納しているメモリアドレスの範囲に変更されること、第1ROM領域A11において圧縮プログラム格納領域A114の容量が増加すること、第2ROM領域A12において展開プログラム格納領域A121の容量が増加すること、第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114および第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122の容量が増加される分だけ第1RAM領域A21の容量を低減させること、を反映させた区分設定情報(図5参照)を、区分設定情報格納領域A113に格納させ(ステップ54)、再起動を実行する。このとき、新たな区分設定情報では、第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114のメモリエリアおよび第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121のメモリエリアがそれぞれ拡張されるとともに、その分、RAM領域A2(より具体的には第1RAM領域A21)のメモリエリアが縮小される。
【0097】
そして、再起動処理が実行されることに伴い、図16(b)に示すように、メモリマップが更新される。なお、メモリマップの更新において、ROM領域A1の第1ROM領域A11におけるリセットベクタ格納領域A111、仕向地情報格納領域A112、区分設定情報格納領域A113、圧縮フォント格納領域A115については、再起動処理の実行前と同じメモリエリアが指定される。一方、メモリマップの更新において、ROM領域A1の第1ROM領域A11で圧縮プログラム格納領域A114であったメモリエリアは、アドレス変換が行われることにより、RAM領域A2の第1RAM領域A21に振り分けられる。また、メモリマップの更新において、RAM領域A2の第1RAM領域A21のうち更新用プログラムファイルが格納されていたメモリエリアは、アドレス変換が行われることにより、ROM領域A1の第1ROM領域A11における圧縮プログラム格納領域A114に振り分けられる。そして、メモリマップの更新において、RAM領域A2の第1RAM領域A21の一部領域は、アドレス変換が行われることにより、ROM領域A1の第2ROM領域A12における展開プログラム格納領域A121に振り分けられる。その結果、ROM領域A1の容量は再起動前よりも増加することになり、RAM領域A2の容量は再起動前よりも低減されることになる。
【0098】
そして、図16(b)に示すように、MRAMモジュール61における第1RAM領域A21およびDRAMモジュール62における第2RAM領域A22の記憶内容が消去される(ステップ57)。これに伴い、これら第1RAM領域A21および第2RAM領域A22は、以後の処理において作業領域A200として使用される。このとき、作業領域A200(第1RAM領域A21)は、上述した理由により、再起動前よりもメモリエリアが縮小されている。
【0099】
また、この例では、再起動処理が実行されることに伴い、図16(b)に示すように、MRAMモジュール61における第2ROM領域A12の展開プログラム格納領域A121に、圧縮プログラム格納領域A114に格納される更新用圧縮プログラムファイルを展開して得られた新たな展開プログラムファイルが格納される(ステップ58)。
【0100】
そして、再起動処理の前後において、MRAMモジュール61における第1ROM領域A11に格納される各データは、ステップ58において新たに格納(更新)された圧縮プログラムファイルを除いて、そのまま保持され続ける。すなわち、リセットベクタ格納領域A111におけるIPL、仕向地情報格納領域A112における仕向地情報、区分設定情報格納領域A113における区分設定情報、圧縮フォント格納領域A115における圧縮フォントファイル(第1圧縮フォント格納領域A1151における第1圧縮フォントファイル、第2圧縮フォント格納領域A1152における第2圧縮フォントファイル、第3圧縮フォント格納領域A1153における第3圧縮フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0101】
また、再起動処理の前後において、MRAMモジュール61の第2ROM領域A12における展開フォント格納領域A122に格納される展開フォントファイルも、そのまま保持され続ける。すなわち、展開フォント格納領域A122における展開フォントファイル(第1展開フォント格納領域A1221における第1展開フォントファイル、第2展開フォント格納領域A1222における第2展開フォントファイル、第3展開フォント格納領域A1223における第3展開フォントファイル)は、変更されることなくそのままの状態を維持する。
【0102】
なお、ここでは、現行の圧縮プログラムファイルよりも更新用圧縮プログラムファイルの容量が大きくなる場合について説明を行ったが、原稿の圧縮プログラムファイルよりも更新用圧縮プログラムファイルの容量が小さくなる場合も存在し得る。そして、このような場合には、ROM領域A1における圧縮プログラム格納領域A114および展開プログラム格納領域のメモリエリアを縮小させるようにメモリマップを修正することで、実施の形態2と同様に、RAM領域A2(第1RAM領域A21)の容量を増加させることができる。
【0103】
このように、本実施の形態では、MRAMモジュール61の第1ROM領域A11に格納される圧縮プログラムファイルを更新する際に、更新用圧縮プログラムファイルおよび更新用圧縮プログラムファイルを展開して得られる新たな展開プログラムファイルの容量に応じて、MRAMモジュール61におけるROM領域A1とRAM領域A2として使用される第1RAM領域A21との比率を調整するようにした。このため、第2RAM領域A22の容量を低減させるとともにROM領域A1(第1ROM領域A11および第2ROM領域A12)の容量を増加させることで、更新に伴うプログラムの容量の増大に対応することができる。また、第2RAM領域A22の容量を増加させるとともにROM領域A1(第1ROM領域A11および第2ROM領域A12)の容量を低減させることで、更新に伴うプログラムの容量の減少に対応することができる。
【0104】
なお、実施の形態1〜3では、MRAMモジュール61およびDRAMモジュール62を用いてメインメモリ512を構成していたが、これに限られるものではない。例えば、MRAMモジュール61のみを用いてメインメモリ512を構成してもかまわない。
また、実施の形態1〜3では、メインメモリ512を構成する不揮発性メモリとして、MRAMモジュール61を用いていたが、これに限られるものではない。例えば、メインメモリ512で使用する不揮発性メモリとして、FeRAM(Ferroelectric RAM)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistance RAM)などを用いてもかまわない。
【0105】
また、実施の形態1〜3では、第1ROM領域A11に圧縮プログラムファイルおよび圧縮フォントファイルを格納しておき、これらを展開して得られた展開プログラムファイルおよび展開プログラムファイルを第2ROM領域A12に格納するようにしていたが、これに限られるものではない。すなわち、例えば第1ROM領域A11に展開プログラムファイルおよび展開フォントファイルを格納しておき、これらを複写して得られた展開プログラムファイルおよび展開プログラムファイルを第2ROM領域A12に格納するようにしてもよい。
【0106】
さらに、実施の形態1〜3において、コンピュータ(CPU511)に実行させるプログラムは、このコンピュータが読み取り可能に記憶した記憶媒体に格納される形態がある。この記憶媒体としては、例えばCD−ROM媒体等が該当し、コンピュータにおけるCD−ROM読取装置によってプログラムが読み取られ、例えば、コンピュータにおけるハードディスク等の各種メモリにこのプログラムが格納され、実行される形態が考えられる。また、これらのプログラムは、例えば、プログラム伝送装置によってネットワークを介してノートPCや携帯端末に提供される形態が考えられる。このようなプログラム伝送装置としては、プログラムを格納するメモリと、ネットワークを介してプログラムを提供するプログラム伝送手段とを備えていれば足りる。
【符号の説明】
【0107】
1…画像形成装置、2…ネットワーク、3…端末装置、4…ファクシミリ装置、5…サーバ装置、10…画像読取部、20…画像形成部、30…UI、40…送受信部、50…制御部、51…動作制御部、52…画像処理部、53…接続バス、61…MRAMモジュール、61a…第1MRAMチップ、61b…第2MRAMチップ、61c…MRAM制御部、62…DRAMモジュール、511…CPU、512…メインメモリ、513…インタフェース回路、514…メモリバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを実行する実行手段と、
読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、当該不揮発性メモリには、前記実行手段が実行する前記プログラムを記憶する第1記憶領域と、当該実行手段が当該プログラムを実行することに伴って生じるデータを記憶する第2記憶領域とが設けられる記憶手段と、
前記実行手段が初期状態に設定されることに伴って、前記記憶手段における前記第2記憶領域の記憶内容を消去する消去手段と
を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段における前記第1記憶領域は、前記プログラムの基本となる基本プログラムを格納する第1格納領域と、当該基本プログラムに基づいて得られた当該プログラムを格納する第2格納領域とを備え、
前記第2格納領域に格納される前記プログラムにエラーが発生した場合に、前記第1格納領域から読み出した前記基本プログラムに基づいて作成した当該プログラムを当該第2格納領域に書き込む書込手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段の前記不揮発性メモリにおける前記第1記憶領域および前記第2記憶領域の割り当てを変更する変更手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、電源を供給しないと、記憶している情報を保持することができない揮発性メモリをさらに含み、当該揮発性メモリには、前記実行手段が前記プログラムを実行することに伴って生じるデータを、前記第2記憶領域とともに記憶する第3記憶領域が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段における前記不揮発性メモリが、MRAM、FeRAM、PRAM、ReRAMのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記画像形成部の制御に用いるためのプログラムを実行する実行手段と、
読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、当該不揮発性メモリには、前記実行手段が実行する前記プログラムを記憶する第1記憶領域と、当該実行手段が当該プログラムを実行することに伴って生じるデータを記憶する第2記憶領域とが設けられる記憶手段と、
前記実行手段が初期状態に設定されたときに、前記記憶手段における前記第2記憶領域の記憶内容を消去する消去手段と
を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータに、
プログラムを実行する機能と、
読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、当該不揮発性メモリには、実行する前記プログラムを記憶する第1記憶領域と、当該プログラムを実行することに伴って生じるデータを記憶する第2記憶領域とが設けられる記憶手段に対し、当該プログラムを実行する機能が初期状態に設定されたときに、当該第2記憶領域の記憶内容を消去する機能と
を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−45285(P2013−45285A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182643(P2011−182643)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】