説明

情報処理装置および情報処理方法

【課題】
本発明は、複数の装置の設置場所が任意移動しても各装置の設置場所の物理的配置が容易に推定できる情報を提供する情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【解決手段】
信号が送受信された相手装置から相手装置の情報を取得する情報取得手段、相手装置の情報リストを作成するリンクリスト作成手段、相手装置と自装置がそれぞれ保持する情報リストを相互に交換する情報交換手段、相手装置から取得した情報リストに自装置保持の情報リストで未記載の装置の情報がある場合は、該情報の装置と信号を送受信し、該装置保持の情報リストを該装置から取得し、該取得した情報リストに自装置と未通信の装置の情報がなくなるまで順次繰り返す接続手段、自装置保持及び取得した情報リストに基づき相手装置との接続経路の情報を作成する経路情報作成手段、該接続経路の情報に基づき自装置と相手装置の物理的な配置情報を作成する配置情報作成手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法に関し、特に、複数の情報処理装置が設置される環境において、各情報処理装置の設置場所が任意移動しても各情報処理装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報を提供する情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のパソコンや印刷装置、スキャナー等の各種情報処理装置をネットワーク接続し、パソコンで作成した画像データをネットワークを介して所望の印刷装置で印刷出力する、あるいはスキャナーで原稿から読み取った画像データをネットワークを介してパソコンに取り込む等の処理が行われている。
【0003】
また、パソコンで作成した画像データを出力する際、パソコンの近くに設置された印刷装置が他の印刷ジョブの処理でビジー状態にある場合は、パソコンから次に近い位置に設置された印刷装置を出力先に指定して印刷出力ことができ、他の印刷ジョブの処理の終了を待って印刷出力するような不要な待ち時間を解消することも可能となる。
【0004】
このように各種情報処理装置をネットワーク接続することで印刷装置やスキャナー等の各種情報処理装置を共有して使用できる等のメリットが得られる。
【0005】
しかしながら画像データを出力する際には、ユーザはパソコン上で所望する印刷装置を指定して印刷指示する必要があり、ネットワークに接続された複数の印刷装置のうちの何れの印刷装置がパソコンから近い位置に配置されているか等の情報を把握することは困難である。
【0006】
そこで、ネットワーク接続された種々の装置(パソコン、印刷装置、スキャナー等)の設置場所の物理的な配置が容易に把握できる装置や方法等の提案が望まれており、例えば特許文献1には、携帯端末やPHS等を備える装置のデータを画像形成装置に出力する際に、上記装置の最寄りある画像形成装置を自動的に検索し、検索された画像形成装置に上記装置(携帯端末やPHS等を備える装置)のデータを出力する画像形成システムが提案されている。
【0007】
上記特許文献1に示される画像形成システムは、携帯端末等を備える装置や画像形成装置にGPS衛星から発信される電波を受信して位置情報を取得するGPS受信部を設け、上記各装置(携帯端末等を備える装置及び画像形成装置)のGPS受信部で取得された位置情報から携帯端末等を備える装置の最寄りにある画像形成装置を自動的に検索し、検索された画像形成装置に携帯端末等を備える装置のデータを出力するように構成されたものである。
【特許文献1】特開2002−244831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に示される画像形成システムは、GPS衛星から発信される電波を受信して位置情報を取得するため各装置(携帯端末等を備える装置や画像形成装置)が屋内にある場合にはGPS衛星からの電波の受信状態が悪く位置情報が取得できない場合がある。
【0009】
また、GPS衛星からの電波を受信して取得される各装置(携帯端末等を備える装置及び画像形成装置)の位置情報(緯度、経度)と、各装置がそれぞれ設置されている場所の物理的な配置との間に不整合がある場合があった。
【0010】
すなわち、例えばGPS衛星からの電波を受信して取得される各装置の位置情報(緯度、経度)が互いに近い位置関係を示す場合であっても、各装置がそれぞれ別室に設置(物理的な配置)され、各装置間が壁等で仕切られている場合、ユーザが携帯端末等を備える装置の設置場所から画像形成装置の設置場所へ行くためには各装置が設置された部屋の出入口を経由して行く必要がある。
【0011】
したがって、ユーザ側からすれば携帯端末等を備える装置と画像形成装置との位置関係(緯度、経度)が互いに近い関係であっても各装置の設置環境を含む位置関係(物理的な配置)では、必ずしも近い位置関係とは言い難く、この両者が示す位置情報に不整合がある場合があった。
【0012】
そこで、本発明は、複数の情報処理装置が設置される環境において、各情報処理装置の設置場所が任意移動しても各情報処理装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報を提供する情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1の情報処理装置の発明は、自装置と相手装置との間で信号を送受信することで前記相手装置の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得された前記相手装置の情報に基づき自装置と前記相手装置の情報リストを作成するリンクリスト作成手段と、前記自装置及び前記相手装置がそれぞれ保持する前記情報リストを前記自装置と前記相手装置との間で相互に交換する情報交換手段と、前記情報交換手段により前記相手装置から取得した前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がある場合は、該装置と信号を送受信して前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がなくなるまで順次繰り返す接続手段と、前記接続手段により前記相手装置から取得した前記情報リストと前記自装置が保持する前記情報リストとの各情報に基づき前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報を作成する経路情報作成手段と、前記経路情報作成手段で作成した前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報に基づき前記自装置と前記相手装置との物理的な配置情報を作成する配置情報作成手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の情報処理装置の発明は、請求項1の発明において、前記情報取得手段は、自装置と相手装置との間で信号を送受信することで該信号に含まれる前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報を取得することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の情報処理装置の発明は、請求項2の発明において、前記経路情報作成手段は、前記自装置と前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報と、前記自装置と前記相手装置との間の中継装置を含む経路情報を作成することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の情報処理装置の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記配置情報作成手段は、前記経路情報を出力する経路情報出力手段を具備することを特徴とする。
【0017】
また、請求項5の情報処理方法の発明は、自装置と相手装置との間で信号を送受信することで前記相手装置の情報を情報取得手段で取得し、前記情報取得手段で取得された前記相手装置の情報に基づき自装置と前記相手装置の情報リストをリンクリスト作成手段で作成し、前記自装置及び前記相手装置がそれぞれ保持する前記情報リストを前記自装置と前記相手装置との間で情報交換手段により相互に交換し、前記情報交換手段により前記相手装置から取得した前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がある場合は、該装置と信号を送受信して前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がなくなるまで接続手段で順次繰り返し行い、前記接続手段により前記相手装置から取得した前記情報リストと前記自装置が保持する前記情報リストとの各情報に基づき前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報を経路情報作成手段で作成し、前記経路情報作成手段で作成した前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報に基づき前記自装置と前記相手装置との物理的な配置情報を配置情報作成手段で作成することを特徴とする。
【0018】
また、請求項6の情報処理方法の発明は、請求項5の発明において、前記情報取得手段は、自装置と相手装置との間で信号を送受信することで該信号に含まれる前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報を取得することを特徴とする。
【0019】
また、請求項7の情報処理方法の発明は、請求項5または6の発明において、前記経路情報作成手段は、前記自装置と前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報と、前記自装置と前記相手装置との間の中継装置を含む経路情報を作成することを特徴とする。
【0020】
また、請求項8の情報処理方法の発明は、請求項5乃至7のいずれかの発明において、前記配置情報作成手段は、前記経路情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の情報処理装置および情報処理方法によれば、限られた通信範囲内の相互のアドホック通信により無線アドホックネットワークを形成する各情報処理装置の各装置間の接続状態を示すホップ数の情報に基づき各装置が設置された物理的な配置が容易に推定できる情報を提供するので、GPS衛星から発信される電波が屋内や地下室等で受信不良となるような問題等の制限を受けることがない。
【0022】
また、情報処理装置が互いに近い位置(緯度、経度)に設置されていても各情報処理装置が壁を隔てた場所(別室)にそれぞれ配置されている場合、これら情報処理装置間での無線アドホックネットワークが形成されず、お互いの存在が認識されないので各情報処理装置の位置情報(緯度、経度)と物理的な配置との不整合を解消することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係わる情報処理装置および情報処理方法の一実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係わる情報処理装置で構成される情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように情報処理システム1は、本発明の情報処理装置である印刷装置A2、パソコンB3、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6が有線LAN等のネットワーク10で接続されている。
【0026】
これらの各情報処理装置のうちのパソコンB3、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6が部屋Aに設置され、印刷装置A2が部屋Bに設置されており、部屋Aと部屋Bとは壁7等の遮蔽物で仕切られている。
【0027】
このように各情報処理装置が有線のネットワーク10で接続されているので、ユーザは各印刷装置(印刷装置A2、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6)の中から所望する印刷装置をパソコンB3で作成した印刷データの出力先として任意に選択指定して印刷出力することができる。
【0028】
また、パソコンB3及び各印刷装置(印刷装置A2、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6)は、微小電力の無指向性電波を相互に送受信し、情報交換を行うことで無線アドホックネットワーク(自立分散型無線ネットワーク)を形成するアドホック通信機能を備えている。
【0029】
このアドホック通信機能で送受信される電波は微小電力のため、相互に送受信できる通信範囲(以下、説明の便宜上、「アドホック通信範囲」という。)も限らた狭い範囲(電波が遮蔽物等の影響を受け、通信距離が短い等)であるが、このアドホック通信機能をパソコンB3及び各印刷装置が備えることで、各装置間を遮る遮蔽物が無く、各装置間が互いに近い(アドホック通信範囲内)位置関係で設置されていれば、各装置間で情報が相互に送受信されて相手装置を特定し、無線アドホックネットワークを形成する。
【0030】
また、このアドホック通信機能は、自装置近く(アドホック通信範囲内)に存在する情報処理装置(説明の便宜上、「第1装置」という。)と情報を互いに送受信して無線アドホックネットワークを形成するのみならず、自装置から遠く(アドホック通信範囲外)に存在する情報処理装置(説明の便宜上、「第2装置」という。)とも前述の第1装置の中継により情報を相互に送受信し、さらに前述の第2装置の中継で第2装置近く(アドホック通信範囲内)に存在する情報処理装置(説明の便宜上、「第3装置」という。)とも情報を相互に送受信して無線アドホックネットワークを順次形成するマルチホップ機能を備えている。
【0031】
ところで、有線のネットワーク10で接続された印刷装置A2、パソコンB3、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6の各情報処理装置は、各情報処理装置の設置場所に応じてアドホック通信可能な範囲が限定される。
【0032】
例えば壁7(遮蔽物)に隣接して設置された印刷装置A2及びパソコンB3は、各装置から発信される電波が壁7(遮蔽物)で遮断されるもしくは反射する等の影響を受けることで印刷装置A2がアドホック通信範囲20(破線と壁7で囲まれた範囲)で示される範囲内、パソコンB3がアドホック通信範囲30(破線と壁7で囲まれた範囲)で示される範囲内でアドホック通信が可能となる。
【0033】
また、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6の各印刷装置の近傍には、各印刷装置から発信される電波を遮る壁7等の遮蔽物がないので印刷装置C4がアドホック通信範囲40(破線の円)で示される範囲内、印刷装置D5がアドホック通信範囲50(破線の円)で示される範囲内、印刷装置E6がアドホック通信範囲60(破線の円)で示される範囲内で通信可能となる。
【0034】
このように設置場所の環境に応じて通信可能なアドホック通信範囲を形成するパソコンB3及び各印刷装置は、アドホック通信によりパソコンB3と印刷装置C4、印刷装置C4と印刷装置D5、印刷装置C4と印刷装置E6、印刷装置D5と印刷装置E6がそれぞれ情報を相互に直接送受信し、パソコンB3と印刷装置D5、パソコンB3と印刷装置E6がそれぞれ印刷装置C4の中継で情報を相互に送受信して無線アドホックネットワークを形成するが、印刷装置A2のアドホック通信範囲20内には情報処理装置が存在しなため印刷装置A2は、無線アドホックネットワークを形成することができない。
【0035】
また、パソコンB3及び各印刷装置のアドホック通信範囲は限られた狭い範囲であるため無線アドホックネットワークを構成する各装置のうちの情報が相互に直接送受信される装置間の位置関係は、互いに近く(アドホック通信範囲内)に配置されていることを示し、他の装置の中継で情報が相互に送受信される各装置間の位置関係は、互いに遠く(アドホック通信範囲外)に配置されていることを示している。
【0036】
また、装置間の途中にある装置で中継されて情報が相互に送受信される装置間の配置は、途中の装置で中継される中継回数分だけ互いに遠い(アドホック通信範囲外)位置関係で配置されていることを示している。
【0037】
このことから情報処理システム1を構成するパソコンB3及び各印刷装置は、無線アドホックネットワークを形成する装置間の接続状態を示すホップ数の情報を取得し、ホップ数情報に基づき各装置間の物理的な配置が容易に推定できる情報が提供できるように構成されている。
【0038】
なお、情報が相互に直接送受信されて無線アドホックネットワークを形成する装置間の接続状態は、途中の装置の中継がないので中継回数が「0」でホップ数が中継回数に1を加算した値の「1」であり、情報が装置間の途中に設置された装置の中継で相互に送受信されて無線アドホックネットワークを形成する装置間の接続状態は、同様に中継回数が途中の装置で中継された回数で、ホップ数が中継回数に1を加算した値である。
【0039】
具体的には、例えばパソコンB3と印刷装置D5との間に印刷装置C4が設置され、パソコンB3と印刷装置D5とが印刷装置C4の中継で情報を相互に送受信する場合は、中継回数が「1」でホップ数が「2」である。
【0040】
また、情報処理システム1を構成するパソコンB3及び各印刷装置には、通信管理エージェント300のソフトウェアーが予めインストールされており、この通信管理エージェント300が実行動作することで本発明の制御動作が実現する。
【0041】
なお、通信管理エージェント300の構成については後述する。
【0042】
図2は、本発明に係わる情報処理装置(印刷装置A2、パソコンB3、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6)の要部の機能的なブロックを示す機能ブロック図である。
【0043】
なお、図2に示す機能ブロック図は、本発明を実現するためのパソコンB3及び印刷装置C4の要部の機能ブロックを示したものであり、本発明に直接的に係わりのない機能については省略する。
【0044】
また、印刷装置A2、印刷装置D5、印刷装置E6の要部の機能ブロックは、印刷装置C4と同様であるので説明の便宜上、省略してある。
【0045】
図2に示すように、パソコンB3及び印刷装置C4の各情報処理装置は、パソコンB3が制御部31と、ネットワークI/F部32と、無線通信部33と、入出力部34と、記憶部35と、タイマー部36とを備えており、印刷装置C4が制御部41と、ネットワークI/F部42と、無線通信部43と、印刷処理部44と、記憶部45と、タイマー部46とを備えている。
【0046】
パソコンB3のネットワークI/F部32は、自装置(パソコンB3)とネットワーク10で接続された他の装置(以下、「外部装置」という。)との間のデータ信号や制御信号の授受及びインタフェース制御を行う。
【0047】
無線通信部33は、無線アドホックネットワークの開設に必要な種々の情報(例えば自装置(パソコンB3)の識別情報やIPアドレス情報、接続要求等の情報)の信号(以下、説明の便宜上、「接続要求信号」という。)を微小電波で送信し、自装置(パソコンB3)近く(アドホック通信範囲内)の相手装置に報知するとともに当該相手装置から同様に送信される接続要求信号(当該相手装置の識別情報やIPアドレス情報、接続要求等の情報等)を受信し、その接続要求信号に対する応答信号(自装置(パソコンB3)の識別情報やIPアドレス、接続許可等の情報)を送信する。
【0048】
入出力部34は、キーボード、マウス等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置を備え、入力装置から入力されるデータを取り込み、各種情報処理結果を出力装置に出力するとともに、これら入力装置や出力装置の制御を行う。
【0049】
記憶部35は、ROM、RAM等のメモリやハードディスク等を備え、各種データやプログラム等を記憶保持するとともにこれらメモリやハードディスクの制御を行う。
【0050】
前述した通信管理エージェント300は、この記憶部35のROMに記憶保持されており、制御部31がROMから通信管理エージェント300を読み込み、実行することで本発明に係わる動作制御が行われる。
【0051】
タイマー部36は、指令信号に基づき時間を計測し、計測結果を通知する。
【0052】
制御部31は、前述した各部を制御するとともにパソコンB3全体を統括制御する。
【0053】
また、印刷装置C4のネットワークI/F部42は、印刷装置C4とネットワーク10に接続された外部装置(この場合は、パソコンB3や印刷装置C4以外の各印刷装置)との間のデータ信号や制御信号の授受及びインタフェース制御を行う。
【0054】
無線通信部43は、接続要求信号(例えば自装置(印刷装置C4)の識別情報やIPアドレス情報、接続要求等の情報)を微小電波で送信して自装置(印刷装置C4)近く(アドホック通信範囲内)の相手装置に報知するとともに当該相手装置から同様に送信される接続要求信号(当該相手装置の識別情報やIPアドレス情報、接続要求等の情報等)を受信し、その信号に対する応答信号(自装置(印刷装置C4)の識別情報、IPアドレス、接続許可等の情報)を送信する。
【0055】
印刷処理部44は、印刷指示されて転送されてくる画像データに対して画像処理を施し、用紙等の記録媒体上に形成して出力する。
【0056】
記憶部45は、ROM、RAM、画像メモリ等を備え、各種データやプログラム、印刷指示された画像データ等を記憶保持するとともにこれらメモリの制御を行う。
【0057】
この記憶部45のROMには、前述した通信管理エージェント300が記憶保持されており、制御部41が通信管理エージェント300をROMから読み込み、実行することで印刷装置C4による本発明に係わる動作制御が行われる。
【0058】
タイマー部46は、指令信号に基づき時間を計測し、計測結果を通知する。
【0059】
制御部41は、前述した各部を制御するとともに印刷装置C4全体を統括制御する。
【0060】
このように構成されたパソコンB3及び各印刷装置は、前述したように各装置に記憶保持されている通信管理エージェント300を実行することで本発明に係わる動作制御が行う。
【0061】
この通信管理エージェント300は、図3に示すような機能的なブロックで構成されており、通信管理エージェント300の構成及び動作制御について図3を参照し説明する。
【0062】
なお、通信管理エージェント300の動作制御の説明は、説明の便宜上、通信管理エージェント300がパソコンB3にインストールされている場合のパソコンB3の動作例を主に説明することとし、各印刷装置インストールされている通信管理エージェント300がそれぞれ実行されることで各印刷装置もパソコンB3の動作と同様に動作する。
【0063】
図3に示すように通信管理エージェント300は、主制御部301と、隣接装置情報収集部302と、リンクリスト作成部303と、リンクリスト情報交換部304と、経路リスト作成部305と、装置配置情報作成部306と、時間管理部307とで構成されている。
【0064】
主制御部301は、通信管理エージェント300の各部の制御動作を統括制御する。
【0065】
具体的には、通信管理エージェント300を構成する各部の実行指示及び各部から通知される情報に基づき各部の制御動作を統括制御する。
【0066】
隣接装置情報収集部302は、一定時間間隔毎に接続要求信号を発信し、当該接続要求信号に対する応答信号を発信した相手装置と相互に情報交換して無線アドホックネットワークを形成する。
【0067】
また、接続要求信号を受信した場合は、当該接続要求信号を発信した相手装置に対して応答信号を送信するとともに相互に情報交換して無線アドホックネットワークを形成する。
【0068】
また、自装置と無線アドホックネットワークが形成された全ての相手装置の情報を収集し、収集情報を記憶保持する制御を行う。
【0069】
具体的には、パソコンB3は、パソコンB3にインストールされた通信管理エージェント300の時間管理部307の制御に基づきタイマー部36で時間を計測させ、一定時間間隔毎に接続要求信号を無線通信部33を介して発信させ、この接続要求信号に対する応答信号の有無を検知し、応答信号を受信した場合は、当該応答信号から特定される相手装置と無線アドホックネットワークを形成するための情報を相互に交換し、無線アドホックネットワークを形成する制御を行う。
【0070】
また、相手装置(この場合は、パソコンB3以外の各印刷装置)からの接続要求信号が無線通信部33で受信された場合は、この接続要求信号から特定される相手装置と無線アドホックネットワークを形成するための情報を相互に交換し、無線アドホックネットワークを形成する制御を行う。
【0071】
また、自装置(パソコンB3)と無線アドホックネットワークが形成された全ての相手装置の情報を収集し、収集情報を記憶保持する制御を行う。
【0072】
なお、接続要求信号発信後、所定時間経過しても応答信号が受信されない場合は、再度接続要求信号の発信を何回か繰り返した後、それでも応答信号が受信されない場合は、自装置近く(アドホック通信範囲内)に無線アドホックネットワークを形成する相手装置が存在しないと認識する。
【0073】
リンクリスト作成部303は、隣接装置情報収集部401で収集される相手装置(自装置と無線アドホックネットワークを形成する情報処理装置)の識別情報に基づきリンクリストを作成し、記憶保持する制御を行う。
【0074】
具体的には、パソコンB3は、通信管理エージェント300の隣接装置情報収集部401の制御により記憶部35に保持された自装置(パソコンB3)と無線アドホックネットワークを形成する相手装置の識別情報に基づき「自装置名」と「接続先」との各項目からなるテーブル(表)で構成されたリンクリストを作成し、記憶部35に記憶保持する。
【0075】
なお、リンクリストの詳細については後述する。
【0076】
リンクリスト情報交換部304は、情報が相互に直接送受信されて無線アドホックネットワークを形成する装置間で各装置が保持するリンクリストの情報を相互に情報交換し、相手装置(第1装置)から取得したリンクリストの情報に未知の装置(第2装置)の情報が存在する場合は、前述の相手装置(第1装置)の中継で第2装置と相互に情報交換して無線アドホックネットワークを形成する制御を行う。
【0077】
また、前述の相手装置(第2装置)とリンクリストの情報を相互に交換し、前述の動作同様に未知の装置(第3装置)との情報交換と無線アドホックネットワークの形成及びリンクリストの情報交換の制御を相手装置から取得したリンクリストに未知の装置の情報が存在しなくなるまで順次繰り返し行い、無線アドホックネットワークを形成する各装置の情報と、ホップ数の情報を記憶部に記憶保持する制御を行う。
【0078】
経路リスト作成部305は、リンクリスト作成部303で作成されるリンクリストの情報と、リンクリスト情報交換部403で相手装置から取得されるリンクリストの情報とに基づき自装置と無線アドホックネットワークが形成された全ての相手装置への接続経路、そのホップ数の情報を「接続先」、「経路情報」、「ホップ数」の各項目で構成される経路リストを作成して記憶保持する制御を行う。
【0079】
なお、経路リストの詳細については後述する。
【0080】
装置配置情報作成部306は、経路リスト作成部305で作成される経路リスト情報に基づき情報処理システム1を構成するパソコンB3及び各印刷装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報を作成し出力する制御を行う。
【0081】
時間管理部307は、指示された時間をタイマー部36(例えばパソコンB3の場合)で時間計測させて時間管理する制御を行う。
【0082】
このように構成された通信管理エージェント300の制御によりパソコンB3及び各印刷装置が無線アドホックネットワークを形成し、各装置間の接続状態を示すホップ数の情報を取得し、各装置間の物理的な配置が容易に推定できる情報を提供する動作について図4の流れ図を参照し説明する。
【0083】
図4に示すように、情報処理システム1(図1参照)を構成するパソコンB3及び各印刷装置は、自装置近く(アドホック通信範囲内)に設置されている相手装置(自装置以外のパソコンB3または各印刷装置)の情報を収集する(ステップS401)。
【0084】
具体的には、パソコンB3及び各印刷装置は、予め指定された一定時間間隔毎に接続要求信号を無指向性電波で発信させ、この接続要求信号に対する応答信号を受信した場合には当該応答信号から特定される相手装置の識別情報を取得して記憶部に記憶保持するとともに、当該相手装置との相互の情報交換により無線アドホックネットワークを形成する。
【0085】
また、相手装置からの接続要求信号を受信した場合は、接続要求信号から特定される相手装置の識別情報を取得して記憶部に記憶保持し、当該相手装置の相互の情報交換により無線アドホックネットワークを形成する。
【0086】
これらの動作制御は、各装置に予めインストールされた通信管理エージェント300により制御される。
【0087】
具体的には、例えばパソコンB3は、パソコンB3にインストールされた通信管理エージェント300の時間管理部307がタイマー部36に時間を計測させ、予め指定された一定時間経過後、その旨の信号を時間管理部307が主制御部301へ通知し、主制御部301の指令信号に基づき隣接装置情報収集部302が接続要求信号を無線通信部33の図示せぬアンテナを介して無指向性電波で発信させる。
【0088】
パソコンB3から発信された接続要求信号は、パソコンB3のアドホック通信範囲30内に設置された印刷装置C4で受信され、この接続要求信号に対する応答信号が印刷装置C4から発信され、パソコンB3で受信される。
【0089】
印刷装置C4からの応答信号がパソコンB3の無線通信部33で受信されると、通信管理エージェント300の隣接装置情報収集部302が応答信号を解析し、応答信号から特定される相手装置(印刷装置C4)の識別情報を取得して記憶部35に記憶保持し、当該相手装置(印刷装置C4)との相互の情報交換により無線アドホックネットワークを形成する。
【0090】
また、パソコンB3が接続要求信号を発信する前に相手装置(印刷装置C4)からの接続要求信号を受信した場合は、当該接続要求信号から特定される相手装置(印刷装置C4)の識別情報を取得して記憶部35に記憶保持し、当該相手装置(印刷装置C4)との相互の情報交換により無線アドホックネットワークを形成する。
【0091】
このような動作制御は、各印刷装置にインストールされた通信管理エージェント300の制御により各印刷装置でも同様に行われる。
【0092】
ステップS401において、自装置近くに存在する相手装置の情報を収集したパソコンB3及び各印刷装置は、収集情報に基づきリンクリストを作成する(ステップS402)。
【0093】
具体的には、情報処理システム1の各装置の配置(図1参照)に示すように、例えば印刷装置A2は、印刷装置A2のアドホック通信範囲20内(図1参照)には他の装置(印刷装置A2以外の情報処理装置)が設置されていないため、印刷装置A2が接続要求信号を発信してもその接続要求信号に対する応答信号が得られず、このことにより印刷装置A2は、印刷装置A2近く(アドホック通信範囲20内)には自装置(印刷装置A2)と無線アドホックネットワークを形成する相手装置が存在しないと認識し、その旨の情報が隣接装置情報収集部302により取得され、印刷装置A2の記憶部に記憶保持されている。
【0094】
この情報に基づきリンクリスト作成部303(印刷装置A2の通信管理エージェント300)が図5(a)に示すようなリンクリスト501を作成し、記憶部に記憶保持する。
図5(a)に示すように、リンクリスト501には、「自装置名」の項目に自装置(印刷装置A2)の識別情報を示す「印刷装置A」、「接続先」の項目に自装置(印刷装置A2)と無線アドホックネットワークを形成する相手装置が存在しないことを示す「なし」の情報が設定されている。
【0095】
また、パソコンB3のアドホック通信範囲30内には印刷装置C4が設置され、印刷装置C4のアドホック通信範囲40内にはパソコンB3と、印刷装置D5と、印刷装置E6とが設置され、印刷装置D5のアドホック通信範囲50内には印刷装置C4と、印刷装置E6とが設置され、印刷装置E6のアドホック通信範囲60内には印刷装置C4と、印刷装置D5とが設置されているので、パソコンB3は、パソコンB3にインストールされた隣接装置情報収集部302(通信管理エージェント300)の制御により印刷装置C4と情報を相互に直接送受信して無線アドホックネットワークを形成し、リンクリスト作成部303(通信管理エージェント300)がパソコンB3近く(アドホック通信範囲30内)の印刷装置C4の存在情報に基づき図5(b)に示すようなリンクリスト502を作成して記憶部35(パソコンB3の)に記憶保持する。
【0096】
図5(b)に示すように、リンクリスト502には、「自装置名」の項目に自装置(パソコンB3)の識別情報を示す「パソコンB」、「接続先」の項目に相手装置(印刷装置C4)の識別情報を示す「印刷装置C」の情報が設定されている。
【0097】
また、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6の各装置も各装置にインストールされた通信管理エージェント300の隣接装置情報収集部302及びリンクリスト作成部3022の制御により前述の印刷装置A1及びパソコンB3の動作制御と同様に動作する。
【0098】
例えば印刷装置C4は、パソコンB3と、印刷装置D5と、印刷装置E6との各装置とそれぞれ情報を相互に直接送受信して無線アドホックネットワークを形成し、印刷装置C4と無線アドホックネットワークを形成する各装置の情報に基づき図5(c)に示すようなリンクリスト503を作成して記憶部45(印刷装置C4)に記憶保持する。
【0099】
図5(c)に示すように、リンクリスト503には、「自装置名」の項目に自装置(印刷装置C4)の識別情報を示す「印刷装置C」、「接続先」の項目に相手装置(パソコンB3、印刷装置D5、印刷装置E6)の各識別情報を示す「パソコンB」、「印刷装置D」、「印刷装置E」の情報がそれぞれ設定されている。
【0100】
また、印刷装置D5は、印刷装置C4及び印刷装置E6の各装置とそれぞれ情報を相互に直接送受信して無線アドホックネットワークを形成し、印刷装置D5と無線アドホックネットワークを形成する各装置の情報に基づき図5(d)に示すようなリンクリスト504を作成して記憶部(印刷装置D5)に記憶保持する。
【0101】
図5(d)に示すように、リンクリスト504には、「自装置名」の項目に自装置(印刷装置D5)の識別情報を示す「印刷装置D」、「接続先」の項目に相手装置(印刷装置C4、印刷装置E6)の各識別情報を示す「印刷装置C」、「印刷装置E」の情報がそれぞれ設定されている。
【0102】
また、印刷装置E6は、印刷装置C4及び印刷装置D5の各装置とそれぞれ情報を相互に直接送受信して無線アドホックネットワークを形成し、印刷装置E6と無線アドホックネットワークを形成する各装置の情報に基づき図5(e)に示すようなリンクリスト505を作成して記憶部(印刷装置E6)に記憶保持する。
【0103】
図5(e)に示すように、リンクリスト505には、「自装置名」の項目に自装置(印刷装置E6)の識別情報を示す「印刷装置E」、「接続先」の項目に相手装置(印刷装置C4、印刷装置D5)の各識別情報を示す「印刷装置C」、「印刷装置D」の情報がそれぞれ設定される。
【0104】
リンクリストを作成保持したパソコンB3及び各印刷装置は、自装置近く(アドホック通信範囲内)の相手装置(第1装置)との間で自装置が保持するリンクリストの情報と相手装置(第1装置)が保持するリンクリストの情報とを相互に情報交換し、相手装置(第1装置)から取得したリンクリストの情報に未知の装置(第2装置)の情報が存在する場合は、相手装置(第1装置)の中継で未知の装置(第2装置)と相互に情報交換して無線アドホックネットワークを形成し、更に相手装置(第2装置)とリンクリストの情報を相互に交換し、前述の動作同様に未知の装置(第3装置)との情報交換と無線アドホックネットワークの形成及びリンクリストの情報交換の制御を相手装置から取得したリンクリストに未知の装置の情報が存在しなくなるまで順次繰り返し行う(ステップS403)。
【0105】
具体的には、パソコンB3は、パソコンB3にインストールされた通信管理エージェント300のリンクリスト情報交換部304の制御により記憶部35に保持されたリンクリスト502の情報を無線通信部33を介して印刷装置C4に送信するとともに印刷装置C4が保持するリンクリスト503の情報の送信を要求して取得する。
【0106】
また、印刷装置C4から取得したリンクリスト503の情報には自装置(パソコンB3)が未知の印刷装置C4と印刷装置D5の各識別情報が存在するので印刷装置D5及び印刷装置E6の各装置へ接続要求信号を印刷装置C4の中継で送信するとともに印刷装置D5及び印刷装置E6がそれぞれ保持するリンクリスト504、リンクリスト505の送信を要求して取得する。
【0107】
また、印刷装置D5及び印刷装置E6からそれぞれ取得したリンクリスト404、リンクリスト405の各情報には自装置(パソコンB3)が未知の相手装置の情報が存在しないので自装置(パソコンB3)と無線アドホックネットワークを形成する印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6の各識別情報と、各装置(印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6)と自装置(パソコンB3)とのそれぞれの接続状態を示すホップ数の情報を記憶部35(パソコンB3)に記憶保持する。
【0108】
なお、ホップ数は、前述したように、無線アドホックネットワークを形成する装置間の接続状態を示しており、無線アドホックネットワークを形成する装置間が情報を相互に直接送受信する接続状態のホップ数が「1」、装置間の途中に設置された装置の中継で情報を相互に送受信する接続状態のホップ数が中継回数に1を加算した値(例えばパソコンB3と印刷装置D5との間は、印刷装置C4の中継で情報を相互に送受信するので中継回数が「1」、ホップ数が中継回数「1」に1を加算した値「2」となる)
また、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6の各装置も各装置にインストールされた通信管理エージェント300のリンクリスト情報交換部304の制御動作により前述のパソコンB3と同様に動作する。
【0109】
このように無線アドホックネットワークを形成する装置間でリンクリストの情報交換を行ったパソコンB3及び各印刷装置は、自装置と無線アドホックネットワークを形成する相手装置への接続経路とそのホップ数の情報を「接続先」と、「経路情報」と、「ホップ数」の各項目で構成される経路リストを作成し、記憶保持する(ステップS404)。
【0110】
具体的には、パソコンB3は、パソコンB3にインストールされた通信管理エージェント300の経路リスト作成部306の制御により記憶部35(パソコンB3)に保持されたパソコンB3と無線アドホックネットワークを形成する相手装置(印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6)の識別情報と、その相手装置への接続経路と、そのホップ数の各情報に基づき図6(a)に示すような経路リスト601を作成し、記憶部35(パソコンB3)に記憶保持する。
【0111】
図6(a)に示すように経路リスト601には、パソコンB3と無線アドホックネットワークを形成する相手装置(印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6)の各経路リスト情報が記録されている。
【0112】
例えば経路リスト情報6011が示す「自装置名」項目の「パソコンB」は、自装置がパソコンB3であることを示し、「接続先」項目の「印刷装置C」は、自装置(パソコンB3)と無線アドホックネットワークを形成する相手装置が印刷装置C4であることを示し、「経路情報」項目の「パソコンB、印刷装置C」は、自装置(パソコンB3)から相手装置(印刷装置C)への接続経路がパソコンB3から印刷装置C4へ直接接続されることを示し、「ホップ数」項目の「1」は、自装置(パソコンB3)と相手装置(印刷装置C)とがホップ数「1」で示される接続状態の配置関係であることを示している。
【0113】
また、経路リスト情報6012が示す「接続先」項目の「印刷装置E」は、自装置(パソコンB3)と無線アドホックネットワークを形成する相手装置が印刷装置E6であることを示し、「経路情報」項目の「パソコンB、印刷装置C、印刷装置E」は、自装置(パソコンB3)から相手装置(印刷装置E6)への接続経路がパソコンB3から印刷装置E6へ印刷装置C4の中継を介して接続されることを示し、「ホップ数」項目の「2」は、自装置(パソコンB3)と相手装置(印刷装置E6)とがホップ数「2」で示される接続状態の配置関係であることを示している。
【0114】
また、印刷装置C4は、印刷装置C4にインストールされた通信管理エージェント300の経路リスト作成部305の制御により記憶部45(印刷装置C4)に保持された印刷装置C4と無線アドホックネットワークを形成する相手装置(パソコンB3、印刷装置D5、印刷装置E6)の識別情報と、その相手装置への接続経路と、そのホップ数の各情報に基づき図6(b)に示すような経路リスト602を作成し、記憶部45(印刷装置C4)に記憶保持する。
【0115】
図6(b)に示すように経路リスト602には、印刷装置C4と無線アドホックネットワークを形成するパソコンB3、印刷装置D5、印刷装置E6への各経路情報が、パソコンB3(接続先)への経路情報(「印刷装置C4、パソコンB」)と、そのホップ数(「1」)、印刷装置D5(接続先)への経路情報(「印刷装置C4、印刷装置D5」)と、そのホップ数(「1」)及び印刷装置E6(接続先)への経路情報(「印刷装置C4、印刷装置E6」)と、そのホップ数(「1」)がそれぞれ記録されている。
【0116】
また、印刷装置D5は、印刷装置D5にインストールされた通信管理エージェント300の経路リスト作成部305の制御により記憶部(印刷装置D5)に保持された印刷装置D5と無線アドホックネットワークを形成する相手装置(パソコンB3、印刷装置C4、印刷装置E6)の識別情報と、その相手装置への接続経路と、そのホップ数の各情報に基づき図6(c)に示すような経路リスト603を作成し、記憶部(印刷装置D5)に記憶保持する。
【0117】
図6(c)に示すように経路リスト603には、印刷装置D5と無線アドホックネットワークを形成する印刷装置C4(接続先)への経路情報(「印刷装置D5、印刷装置C4」)と、そのホップ数(「1」)及び印刷装置E6(接続先)への経路情報(「印刷装置D5、印刷装置E6」)と、そのホップ数(「1」)、パソコンB3(接続先)への経路情報(「印刷装置D5、印刷装置C4、パソコンB3」)と、そのホップ数(「2」)がそれぞれ記録される。
【0118】
また、印刷装置E6は、印刷装置E6にインストールされた通信管理エージェント300の経路リスト作成部305の制御により記憶部(印刷装置E6)に保持された印刷装置E6と無線アドホックネットワークを形成する相手装置(パソコンB3、印刷装置C4、印刷装置D5)の識別情報と、その相手装置への接続経路と、そのホップ数の各情報に基づき図6(d)に示すような経路リスト604を作成し、記憶部(印刷装置E6)に記憶保持する。
【0119】
図6(d)に示すように経路リスト604には、印刷装置E6と無線アドホックネットワークを形成する印刷装置C4(接続先)への経路情報(「印刷装置E6、印刷装置C4」)と、そのホップ数(「1」)及び印刷装置D5(接続先)への経路情報(「印刷装置E6、印刷装置D5」)と、そのホップ数(「1」)、パソコンB3(接続先)への経路情報(「印刷装置E6、印刷装置C4、パソコンB3」)と、そのホップ数(「2」)がそれぞれ記録される。
【0120】
情報処理システム1を構成するパソコンB3及び各印刷装置は、一定時間経過毎に前述したステップS401乃至ステップS404の各動作を繰り返し行い(ステップS405でYES)、図6に示したような経路リストを作成して記憶保持するとともに経路リストの情報を適時出力するまたは経路リストの情報に基づく編集加工した情報を出力することで各情報処理装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報をユーザに提供することができる。
【0121】
図7は、パソコンB3及び各印刷装置が保持する経路リスト情報に基づき各情報処理装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報として出力された装置配置情報一覧700の一例を示す図である。
【0122】
なお、装置配置情報一覧700は、情報処理システム1を構成するパソコンB3のユーザがパソコンB3から画像データの印刷指示を行うに先立ち、パソコンB3の近くに設置された印刷装置を確認するためにパソコンB3の画面上に表示される装置配置情報一覧の一例を示したものである。
【0123】
この装置配置情報一覧700の出力は、パソコンB3にインストールされた通信管理エージェント300の制御動作によりユーザがパソコンB3で所定の指示操作を行うことでパソコンB3の画面上に表示される。
【0124】
具体的には、通信管理エージェント300の主制御部301がユーザの指示操作に基づき装置配置情報作成部306を実行させ、装置配置情報作成部306が記憶部35に記憶保持された経路リスト601の情報を読み込み、経路リスト601の情報に基づき各装置の物理的な配置(例えばパソコンB3からの距離(近い、遠い)等の情報)が容易に推定できる情報に加工して出力する。
【0125】
図7に示すように、装置配置情報一覧700は、「自装置名」、「接続先装置」、「接続経路」、「自装置からの距離(HOP)」の各項目で構成されており、パソコンB3が保持する経路リスト601(図6(a)参照)の情報に基づき装置配置情報一覧700の「自装置名」には経路リスト601の「自装置名」に記録された情報(「パソコンB」)が表示され、「接続先装置」には経路リスト601の「接続先」に記録された情報(「印刷装置C」、「印刷装置D」、「印刷装置E」)がそれぞれ表示され、「接続経路」には経路リスト601の「経路情報」に記録された情報(「パソコンB、印刷装置C」、「パソコンB、印刷装置C、印刷装置D」、「パソコンB、印刷装置C、印刷装置E」)に対応する情報がそれぞれ表示され、「自装置からの距離(HOP)」には経路リスト601の「ホップ数」に記録された情報(「1」、「2」、「2」)がそれぞれ表示される。
【0126】
この装置配置情報一覧700の出力により、ユーザは、自装置(パソコンB3)の最寄りに設置された装置が印刷装置C4(自装置からの距離(HOP)が「1」)であり、その次に近い場所に設置された装置が印刷装置D5と印刷装置E6(自装置からの距離(HOP)それぞれ「2」)であることが容易に推定できる。
【0127】
これまでの説明では、情報処理システム1を構成するパソコンB3及び各印刷装置は、無線アドホックネットワークを形成する装置の情報として各装置の識別情報と、接続する装置への経路情報及びそのホップ数を取得する例を示したが、それらの情報の他に各装置が相互に無線アドホックネットワークを形成する際の電波強度の情報を取得する構成としてもよい。
【0128】
すなわち、一定の微小電力の電波を装置間で相互に送受信するアドホック通信においては、各装置間の距離が短い程、各装置間で受信される受信信号の検出出力が大きくなるので、この受信信号の検出出力の情報を得ることで、各装置間の距離関係がより詳細に知ることができる。
【0129】
この場合は、各情報処理装置の無線通信部に受信信号の検出出力を検知し、出力する受信強度出力機能を付加し、通信管理エージェントの時間管理部以外の各部に受信強度出力機能から出力される受信強度の情報を含めて処理する制御機能を付加する構成とすることで無線アドホックネットワークで接続された各装置の物理的な配置の精度をより向上させた情報を提供することができる。
【0130】
具体的には、各装置間で無線アドホックネットワークを形成する際に各装置の受信強度出力機能を備えた無線通信部(説明の便宜上、「無線通信部83」という。)が相手装置から送信される応答信号または接続要求信号と、その受信信号の検出出力の情報(受信強度)を出力する構成とし、また、通信管理エージェントの隣接装置情報収集部は、当該相手装置と無線アドホックネットワークを形成する制御動作を行うとともに無線アドホックネットワークを形成する装置の識別情報と、受信強度情報とを収集して記憶部に記憶保持する制御を行う構成(便宜上、隣接装置情報収集部3020という。)とする。
【0131】
また、リンクリスト作成部は、隣接装置情報収集部3020で収集された情報処理装置(自装置と無線アドホックネットワークを形成する相手装置)の識別情報、受信強度情報に基づきリンクリストを作成し、記憶部に記憶保持する制御を行う構成(便宜上、リンクリスト作成部3030という。)とする。
【0132】
このような構成を情報処理システム1のパソコンB3及び各印刷装置に適用することでリンクリスト作成部3030が図8に示すような「自装置名」、「接続先」、「受信強度」の各項目で構成されたリンクリストを作成し、記憶部に記憶保持する制御を行う。
【0133】
図8は、リンクリスト作成部3030により作成され、記憶保持されるリンクリストの一例を示す図であり、図8(a)は印刷装置A2で作成され保持されるリンクリスト801、図8(b)はパソコンB3で作成され保持されるリンクリスト802、図8(c)は印刷装置C4で作成され保持されるリンクリスト803、図8(d)は印刷装置D5で作成され保持されるリンクリスト804、図8(e)は印刷装置E6で作成され保持されるリンクリスト805をそれぞれ示している。
【0134】
各リンクリスト801、802、803、804、805の「自装置名」、「接続先」、「受信強度」の各項目のうちの「自装置名」、「接続先」に示される情報は、前述の図5で示したリンクリスト501、502、503、504、505の「自装置名」、「接続先」の各項目に示される情報と同様であり、「受信強度」の項目に示される情報は、自装置と「接続先」の項目に示される装置との間での受信強度情報を示している。
【0135】
例えば、図8(a)に示すリンクリスト801の「受信強度」の項目の「0」は、印刷装置A2では応答信号及び接続要求信号が受信できない旨の情報を示している。
【0136】
また、図8(b)に示すリンクリスト802の「受信強度」の項目の「10」は、パソコンB3が印刷装置Cから発信された応答信号または接続要求信号を受信した際の受信強度の大きさが「10」であることを示している。
【0137】
リンクリスト情報交換部は、情報を相互に直接送受信して無線アドホックネットワークを形成する装置間で各装置のリンクリスト作成部3030で作成される受信強度情報を含むリンクリストの情報を相互に情報交換し、相手装置(第1装置)から取得したリンクリストの情報に未知の相手装置(第2装置)の情報が存在する場合は、相手装置(第1装置)の中継で未知の相手装置(第2装置)と相互に情報交換して無線アドホックネットワークを形成し、相手装置(第2装置)と受信強度情報を含むリンクリストの情報を相互に交換し、前述の動作同様に未知の相手装置(第3装置)との情報交換と無線アドホックネットワークの形成及びリンクリストの情報交換の制御を相手装置から取得したリンクリストに自装置が未知の相手装置の情報が存在しなくなるまで順次繰り返し行い、無線アドホックネットワークを形成する全ての相手装置の情報と、各装置間での受信強度の情報を記憶部に記憶保持する制御を行う構成(便宜上、リンクリスト情報交換部3040という。)とする。
【0138】
また、経路リスト作成部は、リンクリスト情報交換部3040で取得され記憶保持された自装置と無線アドホックネットワークを形成する相手装置への接続経路、そのホップ数、各装置間での受信強度の情報を「接続先」と、「経路情報」と、「ホップ数」と、「受信強度(1)」、「受信強度(2)」、・・・等の各項目で構成される経路リストを作成し、記憶保持する制御を行う構成(便宜上、経路リスト作成部3050という。)とする。
【0139】
このような構成を情報処理システム1のパソコンB3及び各印刷装置に適用することで経路リスト作成部3050が図9に示すような「自装置名」、「接続先」、「経路情報」、「ホップ数」、「受信強度(1)」、「受信強度(2)」・・・等の各項目からなるテーブル(表)で構成された経路リストを作成し、記憶部に記憶保持する制御を行う。
【0140】
図9は、経路リスト作成部3050により作成され、記憶保持される経路リストの一例を示す図であり、図9(a)はパソコンB3で作成され保持される経路リスト901、図9(b)は印刷装置C4で作成され保持される経路リスト902、図9(c)は印刷装置D5で作成され保持される経路リスト903、図9(d)は印刷装置E6で作成され保持される経路リスト904をそれぞれ示している。
【0141】
各経路リスト901、902、903、904の「自装置名」、「接続先」、「経路情報」、「ホップ数」、「受信強度(1)」、「受信強度(2)」・・・等の各項目のうちの「自装置名」、「接続先」、「経路情報」、「ホップ数」に示される情報は、前述の図6で示した経路リスト601、602、603、604の「自装置名」、「接続先」、「経路情報」、「ホップ数」の各項目に示される情報と同様であり、「受信強度(1)」、「受信強度(2)」・・・等の各項目に示される情報は、自装置と「接続先」の項目に示される各装置との間での受信強度情報をそれぞれ示している。
【0142】
例えば、図9(a)の経路リスト901の経路リスト情報9011が示す「受信強度(1)」の項目の「10」は、パソコンB3から印刷装置C4への接続経路でのパソコンB3と印刷装置C4との間での受信強度が「10」であることを示している。
【0143】
また、経路リスト901の経路リスト情報9012が示す「受信強度(1)」の項目の「10」は、パソコンB3と印刷装置C4との間が受信強度「10」で検出される範囲の距離で配置されていることを示し、「受信強度(2)」の項目の「9」は、印刷装置C4と印刷装置E6との間が受信強度が「9」で検出される範囲の距離で配置されていることを示している。
【0144】
このような制御動作は、一定時間経過毎に前述した制御各動作を繰り返し行い、図9に示したような経路リストを作成して記憶保持するとともに経路リストの情報を適時出力するまたは経路リストの情報に基づく編集加工した情報を出力することで各情報処理装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報をユーザに提供することができる。
【0145】
例えば通信管理エージェントの装置配置情報作成部が経路リスト作成部3050で作成された受信強度情報を含む経路リスト情報に基づき各情報処理装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報を作成出力する制御を行う構成(説明の便宜上、装置配置情報作成部3060という。)とすることで図10に示すような装置配置情報一覧710を出力する。
【0146】
図10は、装置配置情報作成部3060が受信強度情報を含む経路リスト情報に基づき各情報処理装置の設置場所の物理的な配置が容易に推定できる情報として出力された装置配置情報一覧710の一例を示す図である。
【0147】
なお、装置配置情報一覧710は、図7で示した場合と同様に、情報処理システム1を構成するパソコンB3のユーザがパソコンB3から画像データの印刷指示を行うに先立ち、パソコンB3の近くに設置された印刷装置を確認するためにパソコンB3の画面上に表示される装置配置情報一覧の一例を示したものである。
【0148】
この装置配置情報一覧710の出力は、パソコンB3にインストールされた通信管理エージェント300の制御動作によりユーザがパソコンB3で所定の指示操作を行うことでパソコンB3の画面上に表示される。
【0149】
具体的には、通信管理エージェントの主制御部がユーザの指示操作に基づき装置配置情報作成部3060を実行させ、装置配置情報作成部3060が記憶部35に記憶保持された経路リスト901の情報を読み込み、経路リスト901の情報に基づき装置配置情報一覧710の各種情報を作成し、出力する。
【0150】
図10に示すように、装置配置情報一覧710は、「自装置名」、「接続先装置」、「接続経路」、「自装置からの距離(HOP)」の他に「装置間距離(受信強度)」の各項目からなるテーブル(表)で構成されており、装置配置情報一覧710の「装置間距離(受信強度)」以外の各項目に示される情報は、前述の図7で示した装置配置情報一覧700の各項目に示される情報と同様である。
【0151】
また、装置配置情報一覧710の「装置間距離(受信強度)」の項目に示される情報は、無線アドホックネットワークを形成する各装置間の距離が受信強度情報が示す距離で配置されていることを示している。
【0152】
また、「装置間距離(受信強度)」の項目に示される情報は、左から順にカンマで区切られた値に対応して自装置から接続先への各装置間の受信強度情報が示される。
【0153】
図10に示すように、装置配置情報一覧710の「自装置名」には経路リスト901の「自装置名」に記録された情報(「パソコンB」)が表示され、「接続先装置」には経路リスト901の「接続先」に記録された情報(「印刷装置C」、「印刷装置D」、「印刷装置E」)がそれぞれ表示され、「接続経路」には経路リスト901の「経路情報」に記録された情報(「パソコンB、印刷装置C」、「パソコンB、印刷装置C、印刷装置D」、「パソコンB、印刷装置C、印刷装置E」)に対応する情報がそれぞれ表示され、「自装置からの距離(HOP)」には経路リスト901の「ホップ数」に記録された情報(「1」、「2」、「2」)がそれぞれ表示され、「装置間距離(受信強度)」には経路リスト901の「受信強度(1)」、「受信強度(1)」、・・・等に記録された情報(「10」、「10、11」、「10、9」)がそれぞれ表示される。
【0154】
例えば、装置配置情報一覧710に示される装置配置情報711の「装置間距離(受信強度)」の項目に表示された「10」は、パソコンB3から印刷装置C4への接続経路における各装置間の距離が受信信号(応答信号または接続要求信号)の受信強度「10」で検出される距離で配置されていることを示している。
【0155】
また、装置配置情報712の「装置間距離(受信強度)」の項目に表示された「10、9」は、カンマで区切られた値のうちの左から順に最初の「10」がパソコンB3から印刷装置E6への接続経路におけるパソコンB3と印刷装置C4との間の距離が受信信号の受信強度「10」で検出される距離で配置され、次の「9」が印刷装置C4と印刷装置D5との間の距離が受信信号の受信強度「9」で検出される距離で配置されていることを示している。
【0156】
この装置配置情報一覧710の出力により、ユーザは、自装置(パソコンB3)の最寄りに設置された装置が印刷装置C4(自装置からの距離(HOP)が「1」)であり、その次に近い場所に設置された装置が印刷装置D5と印刷装置E6(自装置からの距離(HOP)それぞれ「2」)であることが容易に推定できるようになる。
【0157】
また、自装置(パソコンB3)と印刷装置C4とが受信信号の受信強度が「10」で検出される距離で配置され、印刷装置C4と印刷装置D5とが受信信号の受信強度「9」で検出される距離で配置されていることが認識できる。
【0158】
以上の説明では、情報処理システム1を構成するパソコンB3及び各印刷装置がそれぞれリンクリスト及び経路リストを保持管理する例を示したが、各装置のうちの特定の装置でリンクリスト及び経路リストを集中管理する構成としてもよい。
【0159】
また、各情報処理装置の制御部が通信管理エージェント300と同様な制御動作を実現する構成とし、通信管理エージェント300のインストールを不要とする構成としてもよい。
【0160】
また、無線アドホックネットワークを形成する際に各装置間で情報を送受信する通信手段は、電波に限定されるものではなく、装置の設置環境の影響を受けながら一定範囲内で情報の送受信ができ無線ネットワークが形成できる通信手段であれば何れの通信手段でもよい。
【0161】
この場合は、各情報処理装置の無線通信部が各装置間の情報の送受信を適用する通信手段で行うように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明に係わる情報処理装置で構成される情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図
【図2】本発明に係わる情報処理装置(印刷装置A2、パソコンB3、印刷装置C4、印刷装置D5、印刷装置E6)の要部の機能的なブロックを示す機能ブロック図
【図3】本発明に係わる通信管理エージェントの機能的なブロックを示す図
【図4】各情報処理装置の物理的な配置が容易に推定できる情報を提供するための制御動作を示す流れ図
【図5】リンクリストの一例を示す図
【図6】経路リストの一例を示す図
【図7】装置配置情報一覧700の一例を示す図
【図8】受信強度情報を含むリンクリストの一例を示す図
【図9】受信強度情報を含む経路リストの一例を示す図
【図10】装置配置情報一覧710の一例を示す図
【符号の説明】
【0163】
1 情報処理システム
2 印刷装置A
3 パソコンB
4 印刷装置C
5 印刷装置D
6 印刷装置E
7 壁(遮蔽物)
10 LAN等の有線ネットワーク
20 印刷装置Aのアドホック通信範囲
30 パソコンBのアドホック通信範囲
31 制御部
32 ネットワークI/F部(パソコンB)
33 無線通信部(パソコンB)
34 入出力部(パソコンB)
35 記憶部(パソコンB)
36 タイマー部(パソコンB)
40 印刷装置Cのアドホック通信範囲
41 制御部41(印刷装置C)
42 ネットワークI/F部(印刷装置C)
43 無線通信部(印刷装置C)
44 印刷処理部
45 記憶部(印刷装置C)
46 タイマー部(印刷装置C)
300 通信管理エージェント
301 主制御部301
302 隣接装置情報収集部
303 リンクリスト作成部
304 リンクリスト情報交換部
305 経路リスト作成部
306 装置配置情報作成部
307 時間管理部
501、502、503、504、505 リンクリスト
601、602、603、604 経路リスト
700 装置配置情報一覧
710 装置配置情報一覧(受信強度情報を含む)
711、712 装置配置情報
801、802、803、804、805 リンクリスト(受信強度情報を含む)
901、902、903、904 経路リスト(受信強度情報を含む)
9011、9012 経路リスト情報(受信強度情報を含む)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置と相手装置との間で信号を送受信することで前記相手装置の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記相手装置の情報に基づき自装置と前記相手装置の情報リストを作成するリンクリスト作成手段と、
前記自装置及び前記相手装置がそれぞれ保持する前記情報リストを前記自装置と前記相手装置との間で相互に交換する情報交換手段と、
前記情報交換手段により前記相手装置から取得した前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がある場合は、該装置と信号を送受信して前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がなくなるまで順次繰り返す接続手段と、
前記接続手段により前記相手装置から取得した前記情報リストと前記自装置が保持する前記情報リストとの各情報に基づき前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報を作成する経路情報作成手段と、
前記経路情報作成手段で作成した前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報に基づき前記自装置と前記相手装置との物理的な配置情報を作成する配置情報作成手段と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記情報取得手段は、
自装置と相手装置との間で信号を送受信することで該信号に含まれる前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報を取得する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記経路情報作成手段は、
前記自装置と前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報と、前記自装置と前記相手装置との間の中継装置を含む経路情報を作成する請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記配置情報作成手段は、
前記経路情報を出力する経路情報出力手段
を具備する請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
自装置と相手装置との間で信号を送受信することで前記相手装置の情報を情報取得手段で取得し、
前記情報取得手段で取得された前記相手装置の情報に基づき自装置と前記相手装置の情報リストをリンクリスト作成手段で作成し、
前記自装置及び前記相手装置がそれぞれ保持する前記情報リストを前記自装置と前記相手装置との間で情報交換手段により相互に交換し、
前記情報交換手段により前記相手装置から取得した前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がある場合は、該装置と信号を送受信して前記情報リストに前記自装置が保持する前記情報リストに記載されていない装置の情報がなくなるまで接続手段で順次繰り返し行い、
前記接続手段により前記相手装置から取得した前記情報リストと前記自装置が保持する前記情報リストとの各情報に基づき前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報を経路情報作成手段で作成し、
前記経路情報作成手段で作成した前記自装置と前記相手装置との接続経路の情報に基づき前記自装置と前記相手装置との物理的な配置情報を配置情報作成手段で作成する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
前記情報取得手段は、
自装置と相手装置との間で信号を送受信することで該信号に含まれる前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報を取得する請求項5記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記経路情報作成手段は、
前記自装置と前記相手装置の識別情報と、前記自装置と前記相手装置との接続状態の情報と、前記自装置と前記相手装置との間の中継装置を含む経路情報を作成する請求項5または6記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記配置情報作成手段は、
前記経路情報を出力する
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−46757(P2008−46757A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219934(P2006−219934)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】