説明

情報処理装置及びアプリケーションプログラムの起動方法

【課題】タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動するか、当該個人情報を使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動するかを、ユーザが簡単に選択することが可能な技術を提供する。
【解決手段】指紋を検出することが可能なタッチパネル50が、アイコンに対する第1操作を検出すると、制御部52は、タッチパネル50で検出された、当該第1操作を行った指の指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動する。一方で、タッチパネル50がアイコンに対する第2操作を検出すると、制御部52は、個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動することが可能な情報処理装置及び当該情報処理装置でのアプリケーションプログラムの起動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話機等の情報処理装置に関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、携帯電話機に関する技術が開示されている。特許文献1の携帯電話機では、押しボタンスイッチが指紋検出部として機能し、当該指紋検出部で検出された指紋に対応付けられている、電話番号やメールアドレス等の通信先データで特定される通信先に接続できるようになっている。これにより、ユーザは、押しボタンスイッチに指を押し当てるだけで、目的の通信先に接続することができる。
【0003】
また特許文献2には、情報処理装置に使用できる、スキャナ機能付きタッチパネルが開示されている。特許文献2のタッチパネルでは、スキャナ機能によって、接触した指の指紋を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−344611号公報
【特許文献2】特開2009−54118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1の携帯電話機において、指紋検出部として、特許文献2のスキャナ機能付きタッチパネルを使用した場合には、例えば、タッチパネルに表示されている、電話機能を起動するためのアイコンを指で触れると、当該指の指紋がタッチパネルで検出されることになる。そして、携帯電話機は、タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている電話番号に接続するようになる。このような場合において、ユーザが、指紋に対応付けられている電話番号を使用せずに、自ら電話番号を入力したいときには、指紋が登録されていない指でアイコンに接触する必要がある。したがって、ユーザが、指紋に対応付けられている電話番号を使用して電話をかけるのか、当該電話番号を使用せずに電話をかけるのかを選択するためには、指紋が登録されていない指を記憶しておくとともに、アイコンに接触する指を変更する必要がある。よって、指紋に対応付けられている電話番号を使用して電話をかけるのか、当該電話番号を使用せずに電話をかけるのかを、ユーザは簡単に選択することができない。
【0006】
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、情報処理装置において、タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている電話番号等の個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動するか、当該個人情報を使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動するかを、ユーザが簡単に選択することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、アプリケーションプログラムを起動するためのアイコンを表示面に表示するとともに、当該表示面に対する指の操作及び当該指の指紋を検出することが可能なタッチパネルと、前記タッチパネルの表示を制御する表示制御部と、指紋と個人情報とを互いに対応付けて記憶する個人情報記憶部と、アプリケーションプログラムを記憶するプログラム記憶部と、アイコンに対応するアプリケーションプログラムを実行するアプリケーション実行部とを備え、前記アプリケーション実行部は、前記タッチパネルがアイコンに対する第1操作を検出すると、前記タッチパネルが検出した、当該第1操作を行った指の指紋に対応付けられている前記個人情報記憶部内の個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動し、前記タッチパネルがアイコンに対する、前記第1操作とは異なる第2操作を検出すると、前記個人情報記憶部内の個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動する。
【0008】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記個人情報記憶部は、前記情報処理装置のユーザが有する複数の指の指紋と、複数の人物の個人情報とをそれぞれ対応付けて記憶している。
【0009】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定領域内に移動する行為である。
【0010】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながらアイコンの表示領域外に移動する行為である。
【0011】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の一方は、所定時間よりも長い間、指がアイコンに接触する行為であって、前記第1及び第2操作の他方は、所定時間よりも短い間、指がアイコンに接触する行為である。
【0012】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の一方は、所定時間内に複数回、指がアイコンに接触する行為であって、前記第1及び第2操作の他方は、所定時間内に1回だけ、指がアイコンに接触する行為である。
【0013】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定距離よりも長く移動する行為である。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の前記一方は、指がアイコンに接触した後に所定領域内において前記タッチパネルに接触しながら所定距離よりも長く移動する行為であって、前記表示制御部は、前記タッチパネルが、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら前記所定領域外に移動することを検出すると、前記タッチパネルを制御して、指の移動先にアイコンを移動させる。
【0015】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定速度よりも速く移動する行為である。
【0016】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定形状に移動する行為である。
【0017】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記第1操作を検出すると、個人情報が使用される情報として指定された状態でアプリケーションプログラムが起動されることを許可するか否かをユーザが選択するための第1選択画面を前記タッチパネルに表示させ、前記アプリケーション実行部は、前記第1選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動する。
【0018】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記表示制御部は、前記第1選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報がアプリケーションプログラムで使用される情報とされることを許可するか否かをユーザが選択するための第2選択画面を前記タッチパネルに表示させ、前記アプリケーション実行部は、前記第2選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動する。
【0019】
また、本発明に係る情報処理装置の一態様では、前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記第2操作を検出すると、個人情報が使用される情報として指定されない状態でアプリケーションプログラムが起動されることを許可するか否かをユーザが選択するための第3選択画面を前記タッチパネルに表示させ、前記アプリケーション実行部は、前記第3選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記個人情報記憶部内の個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動する。
【0020】
また、本発明に係るアプリケーションプログラムの起動方法は、アプリケーションプログラムを起動するためのアイコンを表示面に表示するとともに、当該表示面に対する指の操作及び当該指の指紋を検出することが可能なタッチパネルを備える情報処理装置でのアプリケーションプログラムの起動方法であって、前記タッチパネルがアイコンに対する第1操作を検出すると、前記タッチパネルが検出した、当該第1操作を行った指の指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動する工程と、前記タッチパネルがアイコンに対する、前記第1操作とは異なる第2操作を検出すると、前記個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動する工程とを備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザの指の指紋に対応付けられた個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動するか、当該個人情報を使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動するかを、ユーザが簡単に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯電話機(情報処理装置)の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯電話機の電気的な構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る記憶部の機能構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るアドレス帳ファイルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る制御部の機能構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの初期画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの初期画面の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの初期画面の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態に係るアイコンの移動を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態に係る情報指定起動操作の一例を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態に係る携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図31】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【図32】本発明の実施の形態に係るタッチパネルの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1,2は本発明の実施の形態に係る情報処理装置1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る情報処理装置1は、例えば携帯電話機である。以後、情報処理装置1を「携帯電話機1」と呼ぶ。
【0024】
図1,2に示されるように、携帯電話機1は、図示しない連結機構によって互いに連結された第1の筐体2と第2の筐体3とを備えている。第1の筐体2と第2の筐体3とは、ともに板状を成しており、第1の筐体2にはタッチパネル50が収納されており、第2の筐体3には、複数のキースイッチ51aを有する操作部51が収納されている。タッチパネル50の表示面は、第1の筐体2の一方の主面から露出しており、複数のキースイッチ51aは第2の筐体3の一方の主面から露出している。
【0025】
本実施の形態に係る携帯電話機1は、複数のキースイッチ51aが外部から視認できるように第1の筐体2の他方の主面と第2の筐体3の一方の主面とが部分的に重なった状態(以後、「オープン状態」)と、複数のキースイッチ51aが外部から視認できないように第1の筐体2の他方の主面と第2の筐体3の一方の主面とが完全に重なった状態(以後、「クローズ状態」と呼ぶ)との2つの状態を有している。図1はオープン状態の携帯電話機1を示しており、図2はクローズ状態の携帯電話機1を示している。ユーザは、第1の筐体2をその主面に沿ってスライドさせることによって、携帯電話機1をオープン状態にしたり、クローズ状態にすることができる。
【0026】
図3は本実施の形態に係る携帯電話機1の電気的な構成を示すブロック図である。図3に示されるように、携帯電話機1は、制御部52と、無線送受信部53と、GPS受信部54と、音声出力部55と、音声入力部56と、上述のタッチパネル50及び操作部51とを備えている。制御部52、無線送受信部53、GPS受信部54、音声出力部55及び音声入力部56は第2の筐体3内に収納されている。
【0027】
制御部52は、CPU52a及び記憶部52b等を備えており、本携帯電話機1の他の構成要素を制御することによって、本携帯電話機1の動作を統括的に管理する。記憶部52bは、ROM及びRAM等で構成されている。制御部52の各種機能は、CPU52aが記憶部52b内の各種プログラムを実行することによって実現される。
【0028】
無線送受信部53は、本携帯電話機1とは別の携帯電話機や、インターネットに接続されたサーバ装置等の通信装置からの信号をアンテナ53aで受信し、受信した信号に対して増幅処理やダウンコンバートを行って制御部52に出力する。また無線送受信部53は、制御部52で生成された送信信号に対してアップコンバートや増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ53aを通じて、本携帯電話機1とは別の携帯電話機や、インターネットに接続された通信装置に対して送信する。
【0029】
GPS受信部54は、GPS衛星から送信されるGPS信号をアンテナ54aを通じて受信する。GPS受信部54は、受信したGPS信号に基づいて、本携帯電話機1の現在位置を算出して制御部52に出力する。
【0030】
音声出力部55は、スピーカを有しており、制御部52からの音声データを音声に変換して外部に出力する。
【0031】
音声入力部56は、マイクを有しており、外部から入力される音声を音声データに変換して制御部52に出力する。
【0032】
タッチパネル50は、制御部52によって制御されることによって、アプリケーションプログラムを起動するためのアイコン(以後、「アプリアイコン」と呼ぶ)や文字などの各種情報を表示面に表示する。またタッチパネル50は、表示面に対するユーザの指の操作を検出して制御部52に出力する。さらにタッチパネル50は、表示面に接触したユーザの指の指紋を検出して制御部52に出力する。このようなタッチパネル50は、例えば、特許文献2のような光センサ素子を利用したスキャナ機能付きタッチパネルで構成しても良いし、静電容量方式のタッチパネルで構成しても良い。
【0033】
操作部51は、上述のように複数のキースイッチ51aを有しており、各キースイッチ51aに対するユーザの押下操作を検出して制御部52に出力する。
【0034】
本実施の形態では、ユーザは、タッチパネル50及び操作部51を操作することによって、様々な情報を本携帯電話機1に入力することが可能となっている。
【0035】
図4は記憶部52bの機能構成を示す図である。図4に示されるように、記憶部52bは、機能構成として、個人情報を記憶する個人情報記憶部520と、各種プログラムを記憶するプログラム記憶部521とを備えている。
【0036】
個人情報記憶部520は、個人情報が記述されたアドレス帳ファイル520aを記憶している。図5はアドレス帳ファイル520aの一例を示す図である。図5に示されるように、アドレス帳ファイル520aはテーブル形式を成しており、アドレス帳ファイル520aの各レコード520aaには、一の人物についての個人情報が登録される。レコード520aaに登録される個人情報としては、例えば、名前、複数種類の電話番号、複数種類のメールアドレス及びURLなどがある。
【0037】
さらに、アドレス帳ファイル520aでは、複数のレコード520aaの少なくとも一部に対して、タッチパネル50で検出された、本携帯電話機1のユーザの指紋が登録される。これにより、複数のレコード520aaの少なくとも一部では、個人情報とユーザの指紋とが対応付けられて記憶される。本実施の形態では、アドレス帳ファイル520aには、互いに異なった複数の指紋が登録可能とされており、同じ指紋を登録することはできない。
【0038】
このように、本実施の形態に係るアドレス帳ファイル520aには、本携帯電話機1のユーザが有する複数の指の指紋と、複数の人物の個人情報とをそれぞれ対応付けて登録することができる。なお、アドレス帳ファイル520aに対する指紋の登録方法については後で詳細に説明する。
【0039】
プログラム記憶部521は、OSプログラム521aと、複数のアプリケーションプログラム(以後、単に「アプリケーション」と呼ぶ)とを記憶している。プログラム記憶部521は、アプリケーションとして、例えば、通話プログラム521b、電子メールプログラム521c、ブラウザ521d、ナビゲーションプログラム521e、地図表示プログラム521f、スケジュール管理プログラム521g及びアドレス帳管理プログラム521hを記憶している。
【0040】
通話プログラム521bは、本携帯電話機1のユーザが、他の携帯電話機のユーザと通話を行うためのアプリケーションである。電子メールプログラム521cは、本携帯電話機1が他の携帯電話機やインターネットに接続された通信装置との間で電子メールをやり取りするためのアプリケーションである。ブラウザ521dは、インターネットに接続されたサーバ装置(通信装置)が提供するウェブサイトをタッチパネル50に表示するためのアプリケーションである。ナビゲーションプログラム521eは、本携帯電話機1のユーザに対して地図を利用した経路案内を行うためのアプリケーションである。地図表示プログラム521fは、タッチパネル50に地図を表示するためのアプリケーションである。スケジュール管理プログラム521gは、本携帯電話機1で作成されるスケジュールを管理するためのアプリケーションである。そして、アドレス帳管理プログラム521hは、アドレス帳ファイル520aを管理するためのアプリケーションである。
【0041】
本実施の形態では、プログラム実行部として機能するCPU52aが、記憶部52b内のOSプログラム521a及び各種アプリケーションを実行することによって、制御部52内に複数の機能ブロックが実現される。図6は制御部52内に形成される複数の機能ブロックを示す図である。図6に示されるように、制御部52内には、機能ブロックとして、表示制御部522、個人情報取得部523、操作内容特定部524、通話処理部525、電子メール処理部526、ブラウザ処理部527、ナビゲーション部528、地図表示部529、スケジュール管理部530及びアドレス帳管理部531が形成される。
【0042】
表示制御部522は、タッチパネル50を制御して、タッチパネル50にアプリアイコン等の各種情報を表示させる。
【0043】
個人情報取得部523は、アドレス帳ファイル520aを参照して、タッチパネル50で検出された指紋に対応付けられている個人情報を当該アドレス帳ファイル520aから取得する。この個人情報は、後述するように、CPU52aがアプリケーションを実行する際に使用される。
【0044】
操作内容特定部524は、タッチパネル50が検出した操作の内容を特定する。例えば、タッチパネル50に対して行われた操作が、アプリケーションの起動を行う操作であることを特定したり、所定の文字を入力する操作であることを特定する。また、操作内容特定部524は、操作部51が検出した、複数のキースイッチ51aに対する操作の内容を特定する。
【0045】
通話処理部525は、通話プログラム521bが実行されることによって形成される機能ブロックであって、無線送受信部53を通じて、他の携帯電話機と音声通信を行う。通話処理部525は、音声入力部56から入力される音声データを含む送信信号を生成し、当該送信信号を無線送受信部53を通じて他の携帯電話機に対して送信する。また、通話処理部525は、無線送受信部53が受信した信号から音声データを取得して、当該音声データを音声出力部55に出力する。
【0046】
電子メール処理部526は、電子メールプログラム521cが実行されることによって形成される機能ブロックであって、無線送受信部53を通じて、他の携帯電話機やインターネットに接続された通信装置との間で電子メールの送受信を行う。電子メール処理部526は、送信用の電子メールを生成し、当該電子メールを無線送受信部53を通じて他の携帯電話機やインターネットに接続された通信装置に対して送信する。また、電子メール処理部526は、無線送受信部53が受信した信号から電子メールを取得する。
【0047】
ブラウザ処理部527は、ブラウザ521dが実行されることによって形成される機能ブロックであって、無線送受信部53を通じて、インターネットに接続されたサーバ装置と通信を行う。ブラウザ処理部527は、無線送受信部53で受信された信号から、インターネットに接続されたサーバ装置から送信されたウェブページを取得し、当該ウェブページを表示制御部522を通じてタッチパネル50に表示させる。
【0048】
ナビゲーション部528は、ナビゲーションプログラム521eが実行されることによって形成される機能ブロックである。ナビゲーション部528は、記憶部52bに記憶されている地図情報に基づいて、出発地から目的地までの経路を求めて、タッチパネル50あるいは音声出力部55を利用して、求めた経路をユーザに対して案内する。ナビゲーション部528は、後述するように、GPS受信部54で得られた本携帯電話機1の現在位置を出発地に設定することが可能である。
【0049】
地図表示部529は、地図表示プログラム521fが実行されることによって形成される機能ブロックである。地図表示部529は、記憶部52bに記憶されている地図情報に基づいて所定範囲の地図を生成し、表示制御部522を通じて、生成した地図をタッチパネル50に表示させる。
【0050】
スケジュール管理部530は、スケジュール管理プログラム521gが実行されることによって形成される機能ブロックである。スケジュール管理部530は、タッチパネル50あるいは操作部51を通じて入力された情報に基づいてスケジュールを生成する。また、スケジュール管理部530は、タッチパネル50あるいは操作部51を通じて入力された情報に基づいて、生成したスケジュールの変更を行う。
【0051】
アドレス帳管理部531は、アドレス帳管理プログラム521hが実行されることによって形成される機能ブロックである。アドレス帳管理部531は、タッチパネル50あるいは操作部51を通じて入力された個人情報をアドレス帳ファイル520aに登録する。またアドレス帳管理部531は、タッチパネル50あるいは操作部51を通じて入力された情報に基づいて、アドレス帳ファイル520aに登録されている個人情報を変更する。
【0052】
本実施の形態に係る携帯電話機1では、アドレス帳ファイル520aに登録されている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションを起動するか、当該個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションを起動するかを、ユーザが、タッチパネル50に対して異なった操作を行うことによって選択することが可能となっている。つまり、ユーザは、タッチパネル50に対する操作によって、アプリケーションを起動する際に、当該アプリケーションで使用する情報を指定することもできるし、指定しないこともできる。以下に本携帯電話機1でのアプリケーションの起動方法について説明する。以後、アドレス帳ファイル520aに登録されている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションを起動することを「情報指定起動」と呼び、当該個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションを起動することを「通常起動」と呼ぶことがある。
【0053】
<アプリケーションの起動方法>
図7は本実施の形態に係る携帯電話機1での、アドレス帳管理プログラム521h以外のアプリケーションの起動方法を示すフローチャートである。図7に示されるように、まずステップs1において、タッチパネル50が、その初期画面に表示されている所定のアプリアイコンに対する指の操作と、当該指の指紋を検出する。タッチパネル50の初期画面には、プログラム記憶部521が記憶する複数のアプリケーションにそれぞれ対応した複数のアプリアイコンが表示される。
【0054】
次にステップs2において、操作内容特定部524が、ステップs1で検出された操作が、情報指定起動操作であるのか、通常起動操作であるのかを特定する。ここで、情報指定起動操作とは、当該操作が行われたアプリアイコンに対応するアプリケーションを情報指定起動することを本携帯電話機1に指示するための操作である。一方で、通常起動操作は、当該操作が行われたアプリアイコンに対応するアプリケーションを通常起動することを本携帯電話機1に指示するための操作である。なお、情報指定起動操作及び通常起動操作については、後で詳細に説明する。
【0055】
ステップs2において、操作内容特定部524がステップs1で検出された操作が通常起動操作であると特定すると、つまり、タッチパネル50において通常起動操作が検出されると、ステップs3において、アドレス帳ファイル520a内の個人情報が、使用される情報として指定されない状態で、操作されたアプリアイコンに対応するアプリケーションがCPU52aによって起動される。
【0056】
一方で、ステップs2において、操作内容特定部524がステップs1で検出された操作が情報指定起動操作であると特定すると、つまり、タッチパネル50において情報指定起動操作が検出されると、ステップs4において、個人情報取得部523が、アドレス帳ファイル520aを参照して、ステップs1で検出された指紋に対応付けられている個人情報を特定し、当該個人情報をアドレス帳ファイル520aから取得する。そして、ステップs5において、ステップs4で取得された個人情報が、使用される情報として指定された状態で、操作されたアプリアイコンに対応するアプリケーションがCPU52aによって起動される。これにより、ユーザは、タッチパネル50に表示されているアプリアイコンに対して所定の操作を指で行うことによって、当該指の指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態で、当該アプリアイコンに対応するアプリケーションを起動することができる。
【0057】
例えば、ユーザが、通話プログラム521bに対応するアプリアイコンに対して通常起動操作を行うと、本携帯電話機1では、通話プログラム521bが通常起動される。通話プログラム521bが通常起動されると、通話処理部525は、表示制御部522を通じてタッチパネル50を制御して、電話番号の入力画面をタッチパネル50に表示させる。ユーザは、タッチパネル50あるいは操作部51に対して、通話先の電話番号を本携帯電話機1に入力する操作を行う。そうすると、通話処理部525は、ユーザによって入力された電話番号で特定される他の携帯電話機との接続を無線送受信部53を通じて行う。これにより、本携帯電話機1のユーザは、音声出力部55及び音声入力部56を利用して、通話先の他の携帯電話機のユーザとの通話が可能となる。
【0058】
一方で、ユーザが、通話プログラム521bに対応するアプリアイコンに対して情報指定起動操作を行うと、本携帯電話機1では、ステップs4で取得された個人情報が、使用される情報として指摘された状態で通話プログラム521bが起動される。通話プログラム521bが情報指定起動されると、通話処理部525は、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の電話番号で特定される他の携帯電話機との接続を無線送受信部53を通じて行う。
【0059】
図8は通話処理部525が通話先の電話番号で特定される他の携帯電話機と接続している際のタッチパネル50の表示画面150を示す図である。図8に示されるように、表示画面150には、例えば、接続先の電話番号150aとともに、アドレス帳ファイル520aにおいて、当該電話番号150aに対応付けられている名前150b及び画像150cが示される。また、表示画面150には、他の携帯電話機との接続を中止するためのキャンセルボタン150dが示される。通話プログラム521bが情報指定起動される場合には、表示画面150には、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の電話番号150a、名前150b及び画像150cが示される。このような表示画面150は、通話処理部525が表示制御部522を通じてタッチパネル50に表示させる。
【0060】
また、ユーザが、電子メールプログラム521cに対応するアプリアイコンに対して通常起動操作を行うと、本携帯電話機1では、電子メールプログラム521cが通常起動される。電子メールプログラム521cが通常起動されると、電子メール処理部526は、電子メールに関するメニュー画面をタッチパネル50に表示させる。このメニュー画面には、電子メールの作成画面を表示するためのアイコンや、既に受信している電子メールの内容を確認するためのアイコンが示される。電子メール処理部526は、タッチパネル50に表示されている、電子メールの作成画面を表示するためのアイコンが操作されると、当該作成画面をタッチパネル50に表示させる。タッチパネル50あるいは操作部51に対して、アドレスを入力するための操作や本文を入力するための操作が行われた後に、電子メールを送信することを指示する操作が行われると、電子メール処理部526は、入力されたアドレスで特定される装置に対して、無線送受信部53を通じて電子メールを送信する。
【0061】
一方で、ユーザが、電子メールプログラム521cに対応するアプリアイコンに対して情報指定起動操作を行うと、本携帯電話機1では、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一のメールアドレスが、使用される情報として指定された状態で電子メールプログラム521cが起動される。電子メールプログラム521cが情報指定起動されると、電子メール処理部526は、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一のメールアドレスが入力された、電子メールの作成画面をタッチパネル50に表示させる。図9は、メールアドレスがすでに入力された、電子メールの作成画面151を示している。電子メールの作成画面151には、電子メールの送信を指示するための送信ボタン151aと、電子メールに関するメニュー画面を表示するための表示ボタン151bとが示される。
【0062】
また、ユーザが、ブラウザ521dに対応するアプリアイコンに対して通常起動操作を行うと、本携帯電話機1では、ブラウザ521dが通常起動される。ブラウザ521dが通常起動されると、ブラウザ処理部527は、無線送受信部53を通じて、デフォルトのURLで特定されるサーバ装置に接続し、当該サーバ装置からのウェブページをタッチパネル50に表示させる。
【0063】
一方で、ユーザが、ブラウザ521dに対応するアプリアイコンに対して情報指定起動操作を行うと、本携帯電話機1では、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一のURLが、使用される情報として指定された状態でブラウザ521dが起動される。ブラウザ521dが情報指定起動されると、ブラウザ処理部527は、無線送受信部53を通じて、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一のURLで特定されるサーバ装置に接続し、当該サーバ装置からのウェブページをタッチパネル50に表示させる。
【0064】
図10はタッチパネル50に表示されるブラウザ画面152を示す図である。ブラウザ画面152には、ウェブページ152aとともに、URLの入力欄152bが示される。さらに、ブラウザ画面152には、入力欄152bに入力されたURLで特定されるサーバ装置に接続するための接続ボタン152cと、タッチパネル50に初期画面を表示させるための表示ボタン152dとが示される。ブラウザ521dが情報指定起動される場合には、ブラウザ画面152では、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一のURLが入力欄152bに入力されるとともに、当該URLで特定されるサーバ装置からのウェブページ152aが示される。
【0065】
また、ユーザが、ナビゲーションプログラム521eに対応するアプリアイコンに対して通常起動操作を行うと、本携帯電話機1ではナビゲーションプログラム521eが通常起動される。ナビゲーションプログラム521eが通常起動されると、ナビゲーション部528は、ナビゲーションに関するメニュー画面をタッチパネル50に表示させる。このメニュー画面には、出発地の入力欄や目的地の入力欄などが示される。ナビゲーション部528は、タッチパネル50あるいは操作部51に対して、出発地及び目的地を入力するための操作が行われると、記憶部52bに記憶されている地図情報に基づいて、入力された出発地及び目的地を含む所定範囲の地図を生成し、当該地図上において出発地と目的地とを結ぶ最適な経路を求める。そして、ナビゲーション部528は、生成した地図と、入力された出発地及び目的地とをタッチパネル50に表示させる。その後、タッチパネル50あるいは操作部51に対してナビゲーションの開始を指示する操作が行われると、ナビゲーション部528は、タッチパネル50の表示内容を変更したり、音声出力部55に音声を出力させることによって、求めた経路をユーザに対して案内する。
【0066】
一方で、ユーザが、ナビゲーションプログラム521eに対応するアプリアイコンに対して情報指定起動操作を行うと、本携帯電話機1では、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の住所が、使用される情報として指定された状態でナビゲーションプログラム521eが起動される。ナビゲーションプログラム521eが情報指定起動されると、ナビゲーション部528は、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の住所を目的地とする。また、ナビゲーション部528は、GPS受信部54で取得された本携帯電話機1の現在位置を出発地とする。そして、ナビゲーション部528は、記憶部52bに記憶されている地図情報に基づいて、決定した出発地及び目的地を含む所定領域の地図を生成し、当該地図上において出発地と目的地とを結ぶ最適な経路を求める。その後、ナビゲーション部528は、生成した地図と、設定した出発地及び目的地とをタッチパネル50に表示させる。ナビゲーション部528は、タッチパネル50あるいは操作部51に対してナビゲーションの開始を指示する操作が行われると、タッチパネル50の表示内容を変更したり、音声出力部55に音声を出力させることによって、求めた経路をユーザに対して案内する。
【0067】
図11はタッチパネル50が表示するナビゲーション画面153を示す図である。図11に示されるように、ナビゲーション画面153には、出発地を示す図形153aと、目的地を示す図形153bと、出発地及び目的地を含む所定領域の地図153cとが示される。またナビゲーション画面153には、ナビゲーションの開始を指示するための開始ボタン153dと、ナビゲーションに関するメニュー画面をタッチパネル50に表示するための表示ボタン153eとが示される。
【0068】
また、ユーザが、地図表示プログラム521fに対応するアプリアイコンに対して通常起動操作を行うと、本携帯電話機1では、地図表示プログラム521fが通常起動される。地図表示プログラム521fが通常起動されると、地図表示部529は、GPS受信部54から出力される本携帯電話機1の現在位置を含む所定領域の地図を、記憶部52bに記憶されている地図情報に基づいて生成する。そして、地図表示部529は、生成した地図をタッチパネル50に表示させる。
【0069】
一方で、ユーザが、地図表示プログラム521fに対応するアプリアイコンに対して情報指定起動操作を行うと、本携帯電話機1では、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の住所が、使用される情報として指定された状態で地図表示プログラム521fが起動される。地図表示プログラム521fが情報指定起動されると、地図表示部529は、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の住所を含む所定領域の地図を、記憶部52bに記憶されている地図情報に基づいて生成する。そして、地図表示部529は、生成した地図をタッチパネル50に表示させる。
【0070】
図12はタッチパネル50が表示する地図表示画面154を示す図である。図12に示されるように、地図表示画面154では、所定の位置を示す図形154aと、当該所定の位置を含む所定領域の地図154bとが示される。さらに地図表示画面154には、タッチパネル50に初期画面を表示させるための表示ボタン154cが示される。地図表示プログラム521fが情報指定起動される場合には、地図表示画面154には、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の住所を示す図形154aが示される。
【0071】
また、ユーザが、スケジュール管理プログラム521gに対応するアプリアイコンに対して通常起動操作を行うと、本携帯電話機1では、スケジュール管理プログラム521gが通常起動される。スケジュール管理プログラム521gが通常起動されると、スケジュール管理部530は、現在の日付を、スケジュールの設定対象の日付としたスケジュール表を作成し、当該スケジュール表をタッチパネル50に表示させる。その後、タッチパネル50あるいは操作部51に対して、対象の日付についてのスケジュールの設定を行うことを指示する操作が行われると、スケジュール管理部530は、対象の日付についてのスケジュール設定画面をタッチパネル50に表示させる。ユーザは、このスケジュール設定画面において対象の日付のスケジュールを設定できる。
【0072】
一方で、ユーザが、スケジュール管理プログラム521gに対応するアプリアイコンに対して情報指定起動操作を行うと、本携帯電話機1では、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の誕生日が、使用される情報として指定された状態でスケジュール管理プログラム521gが起動される。スケジュール管理プログラム521gが情報指定起動されると、スケジュール管理部530は、ステップs4で取得された個人情報に含まれる一の誕生日を、スケジュールの設定対象の日付としたスケジュール表を作成し、当該スケジュール表をタッチパネル50に表示させる。その後、タッチパネル50あるいは操作部51に対して、対象の日付についてのスケジュールの設定を行うことを指示する操作が行われると、スケジュール管理部530は、対象の日付についてのスケジュール設定画面をタッチパネル50に表示させる。
【0073】
図13はタッチパネル50に表示されるスケジュール確認画面155を示す図である。図13に示されるように、スケジュール確認画面155においては、スケジュール表155aが示され、このスケジュール表155aでは、スケジュールの設定対象の日付の下に丸印が示される。またスケジュール確認画面155には、対象の日付のスケジュールを設定することを指示する指示ボタン155bと、タッチパネル50に初期画面を表示させるための表示ボタン155cとが示される。
【0074】
以上のように、本実施の形態に係る携帯電話機1では、ユーザは、タッチパネル50に表示されているアプリアイコンに対する操作を変化させるだけで、当該アプリアイコンに対応するアプリケーションを通常起動するか、情報指定起動するかを選択することができるため、アプリケーションを通常起動するか、情報指定起動するかを簡単に選択することができる。
【0075】
また、ユーザは、アプリアイコンに対して情報指定起動操作を行う指を変化させるだけで、当該アプリアイコンに対応するアプリケーションが起動される際に、使用される情報として指定される個人情報を選択することができる。例えば、ユーザの親指の指紋に対して、ユーザの父親の個人情報が対応付けられている場合には、アプリアイコンに対して親指で情報指定起動操作を行うことによって、父親の個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションを起動することができる。また、ユーザの人差し指の指紋に対して、ユーザの母親の個人情報が対応付けられている場合には、アプリアイコンに対して人差し指で情報指定起動操作を行うことによって、母親の個人情報を、使用する情報として指摘した状態でアプリケーションを起動することができる。
【0076】
<情報指定起動操作及び通常起動操作の詳細説明>
次に情報指定起動操作及び通常起動操作について詳細に説明する。以下では、情報指定起動操作及び通常起動操作についての複数の組み合わせ例について説明する。
【0077】
<第1の組み合わせ例>
本例においては、情報指定起動操作は、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながら所定領域内に移動する行為であって、通常起動操作は、指がアプリアイコンに単に接触する行為である。
【0078】
図14は、本例におけるタッチパネル50の初期画面160の一例を示す図である。初期画面160には、複数のアプリアイコンが表示されるアイコン表示領域161が設けられている。また初期画面160には、情報指定起動操作において指が移動する先の領域である移動先領域162が示される。アイコン表示領域161の上部には、アイコン表示領域161を上側にスクロールしてタッチパネル50に他のアプリアイコンを表示するための上側スクロールボタン163が示されている。また、アイコン表示領域161の下部には、アイコン表示領域161を下側にスクロールしてタッチパネル50に他のアプリアイコンを表示するための下側スクロールボタン164が示されている。図14では、アイコン表示領域161には、通話プログラム521bを起動するためのアプリアイコン200aと、電子メールプログラム521cを起動するためのアプリアイコン200bと、ブラウザ521dを起動するためのアプリアイコン200cと、ナビゲーションプログラム521eを起動するためのアプリアイコン200dと、スケジュール管理プログラム521gを起動するためのアプリアイコン200eとが示されている。ユーザは、他のアプリアイコンをアイコン表示領域161に表示するためには、上側スクロールボタン163あるいは下側スクロールボタン164を操作する。
【0079】
ユーザは、例えば、本携帯電話機1において、通話プログラム521bを通常起動させたい場合には、アプリアイコン200aを指で触れる。これにより、本携帯電話機1では、操作内容特定部524が、タッチパネル50で検出された操作が通常起動操作であると特定し、通話プログラム521bが上述のようにして通常起動される。なお、CPU52aは、アプリアイコン200aがユーザの指で触れられた後にアプリアイコン200aから指が離れた時点で、つまりユーザがアプリアイコン200aをタップした時点で、通話プログラム521bを通常起動する。
【0080】
一方で、ユーザは、本携帯電話機1において、通話プログラム521bを情報指定起動させたい場合には、まず図15に示されるように、指定対象の個人情報が対応付けられている指紋を有する指165で、アプリアイコン200aに触れる。そして、図16に示されるように、ユーザは、指165がタッチパネル50に触れた状態で、指165(詳細には、指165におけるタッチパネル50との接触部分)を移動先領域162まで移動させる。このとき、表示制御部522は、タッチパネル50を制御して、指165の移動に応じてアプリアイコン200aを移動させても良いし、アプリアイコン200aの位置を変化させなくても良い。ユーザが、タッチパネルに表示されるアイコンを指で接触し、その後、当該指をタッチパネルに接触した状態で移動させて、当該指の移動先にアイコンを移動させる行為は「ドラッグ」と呼ばれる。これにより、本携帯電話機1では、操作内容特定部524が、タッチパネル50で検出された操作が情報指定起動操作であると特定し、上述のようにして、指165の指紋に対応付けられている個人情報が、使用される情報として指定された状態で通話プログラム521bが起動される。ここで、CPU52aは、指165が移動先領域162内に移動した時点で通話プログラム521bを情報指定起動しても良いし、指165が移動先領域162内に移動した後にタッチパネル50から離れた時点で、通話プログラム521bを情報指定起動しても良い。
【0081】
なお、情報指定起動操作を、指がアプリアイコンに単に接触する行為とし、通常起動操作を、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながら所定領域内に移動する行為としても良い。
【0082】
<第2の組み合わせ例>
本例においては、情報指定起動操作は、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながらアプリアイコンの表示領域外に移動する行為であって、通常起動操作は、指がアプリアイコンに単に接触する行為である。
【0083】
図17は、本例におけるタッチパネル50の初期画面170の一例を示す図である。初期画面170には、複数のアプリアイコンが表示されるアイコン表示領域171が設けられている。アイコン表示領域171における右側(初期画面170を見て右側)には、アイコン表示領域171を右側にスクロールしてタッチパネル50に他のアプリアイコンを表示するための右側スクロールボタン172が示されている。また、アイコン表示領域171の左側(初期画面170を見て左側)には、アイコン表示領域171を左側にスクロールしてタッチパネル50に他のアプリアイコンを表示するための左側スクロールボタン173が示されている。また、初期画面170においては、アイコン表示領域171の周辺領域174にはアイコン等が表示されておらず、アイコン表示領域171には、上述のアプリアイコン200a〜200eが表示されている。
【0084】
本例においては、ユーザは、例えば、本携帯電話機1において、電子メールプログラム521cを通常起動させたい場合には、アプリアイコン200bを指で接触する。これにより、本携帯電話機1では、操作内容特定部524が、タッチパネル50で検出された操作が通常起動操作であると特定し、電子メールプログラム521cが上述のようにして通常起動される。なお、CPU52aは、ユーザがアプリアイコン200bをタップした時点で電子メールプログラム521cを通常起動する。
【0085】
一方で、ユーザは、本携帯電話機1において、電子メールプログラム521cを情報指定起動させたい場合には、まず図18に示されるように、指定対象の個人情報が対応付けられている指紋を有する指175で、アプリアイコン200bに触れる。そして、図19に示されるように、ユーザは、指175がタッチパネル50に触れた状態で、指175(詳細には、指175におけるタッチパネル50との接触部分)をアイコン表示領域171よりも外側の領域、つまり周辺領域174まで移動させる。このとき、表示制御部522は、タッチパネル50を制御して、指175の移動に応じてアプリアイコン200bを移動させても良いし、アプリアイコン200bの位置を変化させなくても良い。これにより、本携帯電話機1では、操作内容特定部524が、タッチパネル50で検出された操作が情報指定起動操作であると特定し、上述のようにして、指175の指紋に対応付けられている個人情報が、使用される情報として指定された状態で電子メールプログラム521cが起動される。ここで、CPU52aは、指175が周辺領域174内に移動した時点で電子メールプログラム521cを情報指定起動しても良いし、指175が周辺領域174内に移動した後にタッチパネル50から離れた時点で、電子メールプログラム521cを情報指定起動しても良い。
【0086】
なお、情報指定起動操作を、指がアプリアイコンに単に接触する行為とし、通常起動操作を、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながらアイコン表示領域171の外側に移動する行為としても良い。
【0087】
<第3の組み合わせ例:接触回数>
本例においては、情報指定起動操作は、所定時間内に複数回、指がアプリアイコンに接触する行為であって、通常起動操作は、所定時間内に1回だけ、指がアプリアイコンに接触する行為である。
【0088】
ユーザは、例えば、本携帯電話機1において、ブラウザ521dを通常起動させたい場合には、ブラウザ521dを起動するためのアプリアイコンを所定時間内に1回だけ接触する。これにより、本携帯電話機1では、ブラウザ521dが上述のようにして通常起動される。ここで、CPU52aは、所定時間経過した時点でブラウザ521dを通常起動しても良いし、所定時間経過後も指がアプリアイコンに触れている場合には、指がアイコンから離れた時点でブラウザ521dを通常起動しても良い。
【0089】
一方で、ユーザは、本携帯電話機1において、ブラウザ521dを情報指定起動させたい場合には、指定対象の個人情報が対応付けられている指紋を有する指で、ブラウザ521dを起動するためのアプリアイコンを所定時間内に複数回、例えば2回触れる。これにより、本携帯電話機1では、上述のようにして、タッチパネル50で検出された指紋に対応付けられている個人情報が、使用される情報として指定された状態でブラウザ521dが起動される。ここで、CPU52aは、所定時間経過後にブラウザ521dを情報指定起動しても良いし、所定時間経過後も指がアプリアイコンに触れている場合には、指がアイコンから離れた時点でブラウザ521dを情報指定起動しても良い。
【0090】
なお、情報指定起動操作を、所定時間内に1回だけ指がアプリアイコンに触れる行為とし、通常起動操作を、所定時間内に複数回指がアプリアイコンに触れる行為としても良い。
【0091】
<第4の組み合わせ例:接触時間>
本例においては、情報指定起動操作は、所定時間よりも長い間、指がアプリアイコンに接触する行為であって、通常起動操作は、所定時間よりも短い間、指がアプリアイコンに接触する行為である。ここで、指が所定時間だけアプリアイコンに接触する行為については、情報指定起動操作としても良いし、通常起動操作としても良い。
【0092】
ユーザは、例えば、本携帯電話機1において、ナビゲーションプログラム521eを通常起動させたい場合には、ナビゲーションプログラム521eを起動するためのアプリアイコンを所定時間よりも短い間、指で接触する。これにより、本携帯電話機1では、ナビゲーションプログラム521eが上述のようにして通常起動される。なお、CPU52aは、ユーザがアプリアイコンをタップした時点でナビゲーションプログラム521eを通常起動する。
【0093】
一方で、ユーザは、本携帯電話機1において、ナビゲーションプログラム521eを情報指定起動させたい場合には、指定対象の個人情報が対応付けられている指紋を有する指で、ナビゲーションプログラム521eを起動するためのアプリアイコンを所定時間よりも長い間触れる。これにより、本携帯電話機1では、上述のようにして、タッチパネル50で検出された指紋に対応付けられている個人情報が、使用される情報として指定された状態でナビゲーションプログラム521eが起動される。ここで、CPU52aは、所定時間よりも長い間、アプリアイコンが指で触れられた時点でナビゲーションプログラム521eを情報指定起動しても良いし、所定時間よりも長い間アプリアイコンに接触していた指がアプリアイコンから離れた時点でナビゲーションプログラム521eを情報指定起動しても良い。
【0094】
なお、情報指定起動操作を、所定時間よりも短い間、指がアプリアイコンに接触する行為とし、通常起動操作を、所定時間よりも長い間、指がアプリアイコンに接触する行為としても良い。
【0095】
<第5の組み合わせ例:移動距離>
本例においては、情報指定起動操作は、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネルに接触しながら所定距離よりも長く移動する行為であって、通常起動操作は、指がアプリアイコンに単に接触する行為である。ここで、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネルに接触しながら所定距離だけ移動する行為も情報指定起動操作としても良い。
【0096】
図20は、本例におけるタッチパネル50の初期画面180の一例を示す図である。初期画面180には、複数のアプリアイコンが表示される。初期画面180の右側端部には、初期画面180を右側にスクロールしてタッチパネル50に他のアプリアイコンを表示するための右側スクロールボタン181が示される。また、初期画面180の左側端部には、初期画面180を左側にスクロールしてタッチパネル50に他のアプリアイコンを表示するための左側スクロールボタン182が示される。図20では、初期画面180に上述のアプリアイコン200a〜200eが表示されている。
【0097】
本例においては、ユーザは、例えば、本携帯電話機1において、スケジュール管理プログラム521gを通常起動させたい場合には、アプリアイコン200eを指で接触する。これにより、本携帯電話機1では、スケジュール管理プログラム521gが上述のようにして通常起動される。なお、CPU52aは、ユーザがアプリアイコン200eをタップした時点で、スケジュール管理プログラム521gを通常起動する。
【0098】
一方で、ユーザは、本携帯電話機1において、スケジュール管理プログラム521gを情報指定起動させたい場合には、まず図21に示されるように、指定対象の個人情報が対応付けられている指紋を有する指183で、アプリアイコン200eに触れる。そして、図22に示されるように、ユーザは、指183がタッチパネル50に触れた状態で、指183を所定距離よりも長く移動させる。このとき、表示制御部522は、タッチパネル50を制御して、指183の移動に応じてアプリアイコン200eを移動させて、指183の移動先にアプリアイコン200eを配置しても良いし、アプリアイコン200eの位置を変化させなくても良い。これにより、本携帯電話機1では、上述のようにして、指183の指紋に対応付けられている個人情報が、使用される情報として指摘された状態でスケジュール管理プログラム521gが起動される。ここで、CPU52aは、ユーザの指が所定距離よりも長く移動した時点でスケジュール管理プログラム521gを情報指定起動しても良いし、ユーザの指が所定距離よりも長く移動した後にタッチパネル50から離れた時点でスケジュール管理プログラム521gを情報指定起動しても良い。
【0099】
なお、情報指定起動操作を、指がアプリアイコンに単に接触する行為とし、通常起動操作を、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネルに接触しながら所定距離よりも長く移動する行為としても良い。
【0100】
また、図23に示されるように、情報指定起動操作を、指183がアプリアイコンに接触した後に所定領域185内においてタッチパネル50に接触しながら所定距離よりも長く移動する行為としても良い。そして、図24に示されるように、指183がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながら所定領域185の外側に移動した場合には、表示制御部522がタッチパネル50を制御して、当該アプリアイコンを指183に移動に応じて移動させて、指183の移動先に移動させても良い。
【0101】
<第6の組み合わせ例:移動速度>
本例においては、情報指定起動操作は、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながら所定速度よりも速く移動する行為であって、通常起動操作は、指がアプリアイコンに単に接触する行為である。ここで、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながら所定速度で移動する行為も、情報指定起動操作としても良い。
【0102】
本例においては、ユーザは、本携帯電話機1において、所定のアプリケーションを通常起動させたい場合には、当該アプリケーションを起動するためのアプリアイコンを指で接触する。これにより、本携帯電話機1では、ユーザの指で接触されたアプリアイコンに対応するアプリケーションが通常起動される。なお、CPU52aは、ユーザがアプリアイコンをタップした時点でアプリケーションを通常起動する。
【0103】
一方で、ユーザは、本携帯電話機1において、所定のアプリケーションを情報指定起動させたい場合には、まず、指定対象の個人情報が対応付けられている指紋を有する指で、当該アプリケーションに対応するアプリアイコンに触れる。そして、ユーザは、指がタッチパネルに触れた状態で、指を所定速度よりも速く移動する。このとき、表示制御部522は、タッチパネル50を制御して、指の移動に応じてアプリアイコンを移動させて、指の移動先にアプリアイコンを配置しても良いし、アプリアイコンの位置を変化させなくても良い。これにより、本携帯電話機1では、ユーザの指で操作されたアプリアイコンに対応するアプリケーションが、当該指の指紋に対応付けられている個人情報が使用される情報として指定された状態で起動される。ここで、CPU52aは、ユーザの指が所定速度よりも速く移動した時点でアプリケーションを情報指定起動しても良いし、ユーザの指が所定速度よりも速く移動した後にタッチパネル50から離れた時点でアプリケーションを情報指定起動しても良い。
【0104】
なお、情報指定起動操作を、指がアプリアイコンに単に接触する行為とし、通常起動操作を、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネルに接触しながら所定速度よりも速く移動する行為としても良い。
【0105】
<第7の組み合わせ例:ジェスチャー>
本例においては、情報指定起動操作は、指がアプリアイコンに接触した後にタッチパネル50に接触しながら所定形状に移動する行為であって、通常起動操作は、指がアプリアイコンに単に接触する行為である。
【0106】
本例におけるタッチパネル50の初期画面は、例えば上述の図21に示される初期画面180と同じ構成とすることができる。
【0107】
本例においては、ユーザは、本携帯電話機1において、例えばスケジュール管理プログラム521gを通常起動させたい場合には、初期画面180のアプリアイコン200eを指で接触する。これにより、本携帯電話機1では、スケジュール管理プログラム521gが上述のようにして通常起動される。なお、CPU52aは、ユーザがアプリアイコン200eをタップした時点でスケジュール管理プログラム521gを通常起動する。
【0108】
一方で、ユーザは、本携帯電話機1において、スケジュール管理プログラム521gを情報指定起動させたい場合には、まず上述の図21に示されるように、指定対象の個人情報が対応付けられている指紋を有する指183で、アプリアイコン200eに触れる。そして、図25に示されるように、ユーザは、指183がタッチパネル50に触れた状態で、指183を所定形状(図25の例では「V字」)に移動させる。このとき、表示制御部522は、タッチパネル50を制御して、指183の移動に応じてアプリアイコン200eを移動させて、指183の移動先にアプリアイコン200eを配置しても良いし、アプリアイコン200eの位置を変化させなくても良い。これにより、本携帯電話機1では、上述のようにして、指183の指紋に対応付けられている個人情報が、使用される情報として指定された状態でスケジュール管理プログラム521gが起動される。ここで、CPU52aは、指が所定形状に移動した時点でスケジュール管理プログラム521gを情報指定起動しても良いし、指が所定形状に移動した後にタッチパネル50から離れた時点でスケジュール管理プログラム521gを情報指定起動しても良い。
【0109】
<指紋の登録方法>
次にアドレス帳ファイル520aにユーザの指紋を登録する方法について説明する。本実施の形態では、アドレス帳管理プログラム521hを実行することによって、アドレス帳ファイル520aに指紋を登録することができる。
【0110】
図26はアドレス帳管理プログラム521hが実行されている際の本携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。ユーザが、タッチパネル50に表示されている、アドレス帳管理プログラム521hを起動するためのアプリアイコンを指で接触すると、操作内容特定部524が、タッチパネル50が検出した操作が、アドレス帳管理プログラム521hを起動するための操作であると特定し、CPU52aはアドレス帳管理プログラム521hを実行する。そうすると、図26に示されるように、ステップs11において、アドレス帳管理部531が、表示制御部522を通じてタッチパネル50を制御部して、タッチパネル50にアドレス帳登録画面210を表示させる。図27はアドレス帳登録画面210の一例を示す図である。
【0111】
図27に示されるように、アドレス帳登録画面210には、名前の入力欄210aと、入力欄210aに入力された漢字のよみを入力するための入力欄210bと、電話番号を入力するための複数の入力欄210c〜210eと、メールアドレスを入力するための複数の入力欄210f〜210hと、URLの入力欄210iと、住所の入力欄210jと、誕生日の入力欄210kと、血液型の入力欄210lとが示される。ユーザは、タッチパネル50あるいは操作部51に対して操作を行うことによって、複数の入力欄210a〜210lのそれぞれに対して情報を入力することができる。
【0112】
また、アドレス帳登録画面210には、タッチパネル50に初期画面を表示させるための表示ボタン210mと、アドレス帳登録画面210で入力された個人情報をアドレス帳ファイル520aへ登録を行うことを指示するための登録ボタン210nとが示されている。
【0113】
ステップs12において、タッチパネル50が登録ボタン210nに対する操作を検出すると、ステップs13において、アドレス帳管理部531は、タッチパネル50に指紋登録画面220を表示させる。図28は指紋登録画面220の一例を示す図である。図28に示されるように、指紋登録画面220には、登録対象の指紋を有する指を接触させる領域220aが示される。また指紋登録画面220には、指紋登録をキャンセルしてタッチパネル50に初期画面を表示させるためのキャンセルボタン220bが示されている。
【0114】
ユーザが、指紋登録画面220の領域220aに対して指を接触させると、ステップs14において、タッチパネル50が当該指の指紋を検出する。そして、アドレス帳管理部531は、ステップs15において、タッチパネル50が検出した指紋に対応付けられている個人情報がアドレス帳ファイル520aに存在していないかを判定する。
【0115】
アドレス帳管理部531は、タッチパネル50が検出した指紋に対応付けられている個人情報がアドレス帳ファイル520aに存在していないと判定すると、ステップs16において、タッチパネル50で検出された指紋と、アドレス帳登録画面210を利用してユーザが入力した個人情報とを対応付けてアドレス帳ファイル520aに記憶する。
【0116】
一方で、アドレス帳管理部531は、タッチパネル50が検出した指紋に対応付けられている個人情報がアドレス帳ファイル520aに存在していると判定すると、ステップs17において、当該個人情報を、ユーザが新たに入力した個人情報で上書きするかどうかを選択するための上書き選択画面230をタッチパネル50に表示させる。図29は上書き選択画面230の一例を示す図である。図29に示されるように、上書き選択画面230には、上書きを許可することを通知するための許可ボタン230aと、上書きを行わないことを通知するための不許可ボタン230bとが示される。
【0117】
タッチパネル50が許可ボタン230aの操作を検出すると、アドレス帳管理部531は、タッチパネル50が検出した指紋に対応付けられている個人情報を、ユーザが新たに入力した個人情報で上書きする。一方で、タッチパネル50が不許可ボタン230bの操作を検出すると、アドレス帳管理部531はタッチパネル50に初期画面を表示させる。
【0118】
このようにして、ユーザは、自身が有する複数の指の指紋のそれぞれについて、指紋と個人情報とを対応付けてアドレス帳ファイル520aに登録することができる。
【0119】
以上のように、本実施の形態に係る携帯電話機1では、ユーザは、アプリアイコンに対する操作を変更するだけで、当該アプリアイコンに対応するアプリケーションを情報指定起動するか、通常起動するかを選択することができるため、当該アプリケーションを情報指定起動するか、通常起動するかを簡単に選択することができる。
【0120】
また、ユーザの複数の指のそれぞれの指紋に対して、互いに異なった人物の個人情報を対応付けることによって、ユーザは、アプリアイコンに対して情報指定起動操作を行う指を変更するだけで、同一のアプリケーションを起動する場合であっても、異なった人物の個人情報を指摘することができる。
【0121】
<変形例>
上述の図7の例では、タッチパネル50が通常起動操作を検出すると、アプリケーションがすぐに通常起動されていたが、その前に、表示制御部522は、通常起動を行うことを許可するか否かをユーザが選択するための通常起動選択画面をタッチパネル50に表示させても良い。図30は、上述の図14の初期画面160の上に、通常起動選択画面300が重ねて表示されている様子を示す図である。図30に示されるように、通常起動選択画面300には、通常起動を行うことを許可するための許可ボタン300aと、通常起動を行うことを許可しないための不許可ボタン300bとが示されている。
【0122】
CPU52aは、タッチパネル50において許可ボタン300aが操作されたことが検出されると、つまりタッチパネル50が通常起動を行うことを許可する操作を検出すると、通常起動操作が行われたアプリアイコンに対応するアプリケーションを通常起動する。一方で、タッチパネル50において不許可ボタン300bが操作されたことが検出されると、つまりタッチパネル50が通常起動を行うことを許可しない操作を検出すると、表示制御部522はタッチパネル50に初期画面を表示させる。
【0123】
また、上述の図7の例では、タッチパネル50が情報指定起動操作を検出すると、アプリケーションがすぐに情報指定起動されていたが、その前に、表示制御部522は、情報指定起動を行うことを許可するか否かをユーザが選択するための情報指定起動選択画面をタッチパネル50に表示させても良い。図31は、上述の図14の初期画面160の上に、情報指定起動選択画面310が重ねて表示されている様子を示す図である。図31に示されるように、情報指定起動選択画面310には、情報指定起動を行うことを許可するための許可ボタン310aと、情報指定起動を行うことを許可しないための不許可ボタン310bとが示されている。
【0124】
CPU52aは、タッチパネル50において許可ボタン310aが操作されたことが検出されると、情報指定起動操作が行われたアプリアイコンに対応するアプリケーションを情報指定起動する。一方で、タッチパネル50において不許可ボタン310bが操作されたことが検出されると、表示制御部522はタッチパネル50に初期画面を表示させる。
【0125】
さらに、情報指定起動選択画面310を表示するタッチパネル50が、情報指定起動を行うことを許可する操作を検出した際には、CPU52aがアプリケーションを情報指定起動する前に、表示制御部522は、タッチパネル50で検出された指紋に対応付けられている個人情報が、アプリケーションで使用される情報とされることを許可するか否かをユーザが選択するための使用選択画面をタッチパネル50に表示させても良い。図32は、図14の初期画面160の上に、使用選択画面320が重ねて表示されている様子を示す図である。図32に示されるように、使用選択画面320には、タッチパネル50が検出した指紋に対応する個人情報が、アプリケーションで使用される情報とされることを許可するための許可ボタン320aと、当該個人情報が、アプリケーションで使用される情報とされることを許可しないための不許可ボタン320bとが示されている。
【0126】
CPU52aは、タッチパネル50において許可ボタン320aが操作されたことが検出されると、情報指定起動操作が行われたアプリアイコンに対応するアプリケーションを情報指定起動する。一方で、タッチパネル50において不許可ボタン320bが操作されたことが検出されると、表示制御部522はタッチパネル50に初期画面を表示させる。
【0127】
また、上記のナビゲーションプログラム521eの情報指定起動の例では、個人情報に含まれる住所を目的地としていたが、個人情報において、当該個人情報に対応する人物が有する携帯電話機が取得した位置情報が含まれている場合には、当該位置情報が示す位置を目的地としても良い。同様に、地図表示プログラム521fを情報指定起動する際には、個人情報に含まれる、当該個人情報に対応する人物が有する携帯電話機が取得した位置情報が示す位置を含む所定範囲の地図をタッチパネル50に表示しても良い。
【0128】
このような場合には、本携帯電話機1が、他の携帯電話機と通信を行って、当該他の携帯電話機から、それが取得した位置情報を受け取る。そして、本携帯電話機1が、受け取った位置情報を、アドレス帳ファイル520aに登録されている、当該他の携帯電話機を有する人物についての個人情報に含める。これにより、アドレス帳ファイル520aに登録されている個人情報には、当該個人情報に対応する人物が有する携帯電話機が取得した位置情報が含まれる。
【0129】
また、本携帯電話機1は、タッチパネル50が収納された第1の筐体2がスライドするスライド式携帯電話機としたが、第1の筐体2と第2の筐体3とが、タッチパネル50の表示面と複数のキースイッチ51aとが対向するように折り畳むことが可能な折り畳み式携帯電話機であっても良いし、第1の筐体2と第2の筐体3とが上下に配置された状態でそれらの位置関係が変化しない携帯電話機であっても良い。
【0130】
また、本携帯電話機1に対して、本携帯電話機1がオープン状態(図1)であるのかクローズ状態(図2)であるのかを検出する状態検出部を設けて、当該状態検出部が、本携帯電話機1がクローズ状態であることを検出したときのみ、タッチパネル50の指紋検出及び情報指定起動操作の検出を有効にしても良い。
【符号の説明】
【0131】
1 携帯電話機
50 タッチパネル
52a CPU
162 移動先領域
171 アイコン表示領域
174 周辺領域
185 所定領域
200a〜200e アプリアイコン
300 通常起動選択画面
310 情報指定起動選択画面
320 使用選択画面
520 個人情報記憶部
520a アドレス帳ファイル
521 プログラム記憶部
521b 通話プログラム
521c 電子メールプログラム
521d ブラウザ
521e ナビゲーションプログラム
521f 地図表示プログラム
521g スケジュール管理プログラム
521h アドレス帳管理プログラム
522 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムを起動するためのアイコンを表示面に表示するとともに、当該表示面に対する指の操作及び当該指の指紋を検出することが可能なタッチパネルと、
前記タッチパネルの表示を制御する表示制御部と、
指紋と個人情報とを互いに対応付けて記憶する個人情報記憶部と、
アプリケーションプログラムを記憶するプログラム記憶部と、
アイコンに対応するアプリケーションプログラムを実行するアプリケーション実行部と
を備え、
前記アプリケーション実行部は、
前記タッチパネルがアイコンに対する第1操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された、当該第1操作を行った指の指紋に対応付けられている前記個人情報記憶部内の個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動し、
前記タッチパネルがアイコンに対する、前記第1操作とは異なる第2操作を検出すると、前記個人情報記憶部内の個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記個人情報記憶部は、前記情報処理装置のユーザが有する複数の指の指紋と、複数の人物の個人情報とをそれぞれ対応付けて記憶している、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定領域内に移動する行為である、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながらアイコンの表示領域外に移動する行為である、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の一方は、所定時間よりも長い間、指がアイコンに接触する行為であって、
前記第1及び第2操作の他方は、所定時間よりも短い間、指がアイコンに接触する行為である、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の一方は、所定時間内に複数回、指がアイコンに接触する行為であって、
前記第1及び第2操作の他方は、所定時間内に1回だけ、指がアイコンに接触する行為である、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定距離よりも長く移動する行為である、情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の前記一方は、指がアイコンに接触した後に所定領域内において前記タッチパネルに接触しながら所定距離よりも長く移動する行為であって、
前記表示制御部は、前記タッチパネルが、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら前記所定領域外に移動することを検出すると、前記タッチパネルを制御して、指の移動先にアイコンを移動させる、情報処理装置。
【請求項9】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定速度よりも速く移動する行為である、情報処理装置。
【請求項10】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記第1及び第2操作の一方は、指がアイコンに接触した後に前記タッチパネルに接触しながら所定形状に移動する行為である、情報処理装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記第1操作を検出すると、個人情報が使用される情報として指定された状態でアプリケーションプログラムが起動されることを許可するか否かをユーザが選択するための第1選択画面を前記タッチパネルに表示させ、
前記アプリケーション実行部は、
前記第1選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動する、情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置であって、
前記表示制御部は、前記第1選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報がアプリケーションプログラムで使用される情報とされることを許可するか否かをユーザが選択するための第2選択画面を前記タッチパネルに表示させ、
前記アプリケーション実行部は、
前記第2選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動する、情報処理装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記表示制御部は、前記タッチパネルが前記第2操作を検出すると、個人情報が使用される情報として指定されない状態でアプリケーションプログラムが起動されることを許可するか否かをユーザが選択するための第3選択画面を前記タッチパネルに表示させ、
前記アプリケーション実行部は、前記第3選択画面を表示している前記タッチパネルが許可操作を検出すると、前記個人情報記憶部内の個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動する、情報処理装置。
【請求項14】
アプリケーションプログラムを起動するためのアイコンを表示面に表示するとともに、当該表示面に対する指の操作及び当該指の指紋を検出することが可能なタッチパネルを備える情報処理装置でのアプリケーションプログラムの起動方法であって、
前記タッチパネルがアイコンに対する第1操作を検出すると、前記タッチパネルで検出された、当該第1操作を行った指の指紋に対応付けられている個人情報を、使用する情報として指定した状態でアプリケーションプログラムを起動する工程と、
前記タッチパネルがアイコンに対する、前記第1操作とは異なる第2操作を検出すると、前記個人情報を、使用する情報として指定しない状態でアプリケーションプログラムを起動する工程と
を備える、アプリケーションプログラムの起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−34140(P2011−34140A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176984(P2009−176984)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】