情報処理装置
【課題】使用状態・環境に応じて、使用制限の解除手順及び使用期限が設定された装置内に保存された情報の消去手順を管理者が自由かつ動的に定義することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段とを備える。また、第1の判定手段により使用期限に達していると判定された場合に、情報処理装置の使用制限を行う制限手段と、情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段とを備える。また、ワークフロー情報が登録されている場合に、制限手段により情報処理装置が使用制限された状態で、ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段を備える。各手段は、CPU201がその機能を有する。
【解決手段】情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段とを備える。また、第1の判定手段により使用期限に達していると判定された場合に、情報処理装置の使用制限を行う制限手段と、情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段とを備える。また、ワークフロー情報が登録されている場合に、制限手段により情報処理装置が使用制限された状態で、ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段を備える。各手段は、CPU201がその機能を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用期限が定められた情報処理装置に関し、特に、使用期限の設定技術及び解除技術に特徴のある情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体験版アプリケーション等、使用期限を定め、その期限内でアプリケーションプログラムを使用許可し、あるいは実行可能とするアプリケーションが存在する。
【0003】
また、上述の仕組みを備えるアプリケーションや情報機器(情報処理装置)において、例えば、正規のライセンスキーを入力することで、機能制限もしくは使用期間の解除を行う技術が提供されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、近年の、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナ等の各装置の機能を1つの筐体内に収納した複合機において、新たな外部ソフトウェアを組み込み、ライセンスキーを入力して外部アプリを動作される手段が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、特許文献3には、以下の技術が提案されている。
【0006】
即ち、特許文献3に開示された技術では、貸与したプリンタ装置と管理サーバがインターネットを介して接続され、プリンタ装置から使用状況の情報が管理サーバに所定間隔で通知される。そして、使用期間の情報が管理サーバによって管理され、使用期間が経過したプリンタ装置に対して使用停止信号が供給され、以後のプリンタ装置の使用を停止する。
【特許文献1】特開2003−303248号公報
【特許文献2】特開2004−110779号公報
【特許文献3】特開2001−357123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術の機能制限の解除技術は、前述のようなライセンスキーを入力して解除を行う技術を含め、解除手段が予めアプリケーションもしくは情報機器内に静的に定義されている。
【0008】
そのため、一度不正な経路で解除手段が入手された場合や、機器の利用環境に応じて解除手段を変更したい場合(例えば、個人認証と連動させたい解除者を限定したい場合)であっても、自由に解除手段を変更することができない課題があった。
【0009】
また、近年の複合機において、電子文書を蓄積したり、宛先アドレス情報やユーザ認証データ等の個人情報を保持することが可能になっている。
【0010】
レンタル契約等において使用期限後に複合機を返却する場合等、単にアプリケーションの使用を停止するだけでなく、複合機内に保持された個人情報等のセキュリティ情報の流出を防ぐために、セキュリティ情報を確実に消去することが求められる。
【0011】
しかしながら、セキュリティ情報の消去作業は、通常、複合機の使用者もしくは管理者等によって人手によって行う必要があり、個人情報の消し忘れ等のセキュリティ上の課題も存在している。
【0012】
本発明の目的は、使用状態・環境に応じて、使用制限の解除手順及び使用期限が設定された装置内に保存された情報の消去手順を管理者が自由かつ動的に定義することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の情報処理装置は、情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段により前記使用期限に達していると判定された場合に、前記情報処理装置の使用制限を行う制限手段と、前記情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段と、前記ワークフロー情報が登録されている場合に、前記制限手段により前記情報処理装置が使用制限された状態で、前記ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の情報処理装置は、使用状態・環境に応じて、使用制限の解除手順及び使用期限が設定された装置内に保存された情報の消去手順を管理者が自由かつ動的に定義することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置を含むネットワークシステムの構成図である。
【0017】
図1において、ネットワークシステムは、例えばTCP/IPプロトコルをサポートするネットワーク101によって接続されるクライアントコンピュータ102、103と、複合機(情報処理装置)104、105と、ワークフロー情報を保持するサーバ106とを備える。
【0018】
例えば、クライアントコンピュータ102、103で複合機104もしくは105が使用制限解除に必要な一連の操作手順もしくは処理手順を定義したワークフロー情報ファイルを作成しサーバ106に保存する。
【0019】
サーバ106に保持されたワークフロー情報(ワークフロー情報ファイル)を、ネットワーク101を介して複合機104、105に配信し、配信されたワークフロー情報は複合機104、105内の記録媒体に保持される。
【0020】
ユーザは、クライアントコンピュータ102、103上で、サーバ106に保存されたワークフロー情報を表示、編集等を行うことができる。
【0021】
情報処理装置としては、複合機104、105である必要はなく、プリンタやスキャナ等のデバイスが単体でネットワーク101に接続されていてもよい。また、ワークフロー情報ファイルを保持するサーバを介さず、クライアントコンピュータ102、103上から直接、複合機104もしくは105にワークフロー情報を送信できるように構成されていてもよい。
【0022】
図2は、図1における複合機の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図2において、CPU201は、ROM203またはHDD204に記憶された制御プログラムに従って、システムバス207に接続される各種装置とのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ200内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。
【0024】
RAM202は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。ROM203には、装置のブートプログラム等が格納されている。
【0025】
HDD204は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データ、アドレス情報や個人認証情報、さらに、本発明におけるワークフロー情報、使用期限情報を格納することが可能である。
【0026】
操作部I/F205は、システムバス207と操作部221とを接続するためのインタフェース部である。この操作部I/F205は、操作部221に表示するための画像データをシステムバス207から受け取り、操作部221に出力すると共に、操作部221から入力された情報をシステムバス207へ出力する。
【0027】
ネットワークI/F206は、LANやWAN224及びシステムバス207に接続し、他の機器と双方向にデータをやり取りする。
【0028】
RIP部208は、PDLコードデータを元に生成された中間データを受け取り、ビットマップデータ(多値)を生成する。生成されたビットマップデータは圧縮部209で圧縮されて画像バス220へ送られる。
【0029】
画像バス220は、画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバスまたはIEEE1394で構成されている。
【0030】
スキャナ画像処理部212は、スキャナ部222からスキャナI/F211を介して受け取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。埋め込み情報抽出部210は、画像データから背景画像に埋め込まれているパターンの検出や付加情報の抽出の処理を行う。
【0031】
圧縮部213は、画像データを受け取り、データを圧縮する。伸長部215は、データを伸長した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部217に送る。
【0032】
画像変換部214は、画像データに対して回転や色空間変換、2値多値変換、画像合成、間引きといった所定の変換処理を施す。
【0033】
符号画像生成部216は、二次元コード画像やバーコード画像、情報埋め込み技術により生成された画像等の符号画像データを生成する。画像生成には、CPU201が不図示のメモリカードスロットから読み込んだ情報あるいは操作部221で入力された情報が利用される。
【0034】
プリンタ画像処理部217は、伸長部215から送られた画像データを受け取り、この画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。また、プリンタ画像処理部217は、指示がある場合は、符号画像生成部216において生成された符号画像データを画像データに合成する。
【0035】
尚、符合画像の生成は、RAM202内に格納されたプログラムを実行することによって行われる。画像処理後の画像データは、プリンタI/F218を介してプリンタ部223に出力される。
【0036】
認証処理部219は、操作部221で入力されたユーザ情報を使用したユーザやワークグループの認証に加えて、印刷ジョブ認証を行う。
【0037】
図3は、図1におけるクライアントコンピュータあるいはサーバの概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図3において、クライアントコンピュータ102、103あるいはワークフロー情報ファイルを保持するサーバ106を統括するPC300は、ROM302もしくはHDD311に記憶されたソフトウェアを実行するCPU301を備える。CPU301は、システムバス304に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0039】
RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBD C)305は、キーボード(KBD)309からの指示入力を制御する。
【0040】
ディスプレイコントローラ(DISP C)306は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される表示モジュールであるディスフレイ310の表示を制御する。
【0041】
ディスクコントローラ(DKC)307は、大容量記憶デバイスであるHDD311を制御する。
【0042】
ネットワークI/F308は、LANやWAN224を介して他の機器と双方向にデータをやり取りする。
【0043】
図4は、図2の複合機によって実行される使用期限制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0044】
使用期限制御プログラムは、図2におけるコントローラ200内のROM203またはHDD204に記憶されており、RAM202に制御プログラムを読み込んだ後、コントローラ200内のCPU201によって実行される。
【0045】
尚、図4の処理手順は、予め使用期限が設定された複合機104もしくは105(以下、複合機104で代表する)において、使用期限が経過した場合の処理手順を説明したものである。
【0046】
まず、ステップS401で、複合機104に設定された使用期限情報を取得し、ステップS402において、使用期限情報に含まれる日時情報と現在の日時情報を照合し、使用期限が経過しているか(現在の日時が使用期限に達しているか)否かを判定する。
【0047】
使用期限が経過している場合には、ステップS403に進み、複合機104が使用停止処理を行う。この使用停止処理とは、予め使用期限を定めた機能について実行ができない状態にすることを指しており、例えば、図7で示したような画面を操作部221に表示し、当該機能に対してユーザからの操作及び実行ができなくする。
【0048】
さらに、ステップS404において、複合機104のROM203またはHDD204等の記憶領域に、図5で示したような一連の処理手順を定義したワークフロー情報が登録されているか否かを判定する。
【0049】
ワークフロー情報が登録されている場合には、ステップS405において、登録されたフローを実行するためのフロー実行ボタン701を操作部221に表示する(図7)。そして、ワークフローを実行する。
【0050】
ここで、ステップS401は、情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段として機能する。また、ステップS402は、取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段として機能する。
【0051】
また、ステップS403は、第1の判定手段により使用期限に達していると判定された場合に、情報処理装置の使用制限を行う制限手段として機能する。また、CPU201、ROM203、HDD204は、情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段として機能する。
【0052】
また、ステップS405は、ワークフロー情報が登録されている場合に、制限手段により情報処理装置が使用制限された状態で、ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段として機能する。
【0053】
尚、図5は、使用期限が経過された際に実行可能な処理手順を記述した第1のワークフロー定義ファイル501を示すものであり、符号502で示された”<Workflow”から</Workflow>のタグで区切られた領域に実際の処理内容が定義されている。
【0054】
符号503はワークフロー情報を識別するための識別子であり、複合機104は、この識別子503に従い、使用期限が経過した際に実行するワークフロー情報であるかを識別する。行504、505及び506は、実際に実行される一処理を定義したものであり、行504、505、506の順に処理が実行されるよう定義されている。
【0055】
尚、図5の例では、フロー実行時の最初の処理として、行504において認証処理を行うよう定義されており、本処理が実行されると、図8で示されるような認証画面が操作部221に表示される。
【0056】
次に、行505では、図9で示されるような使用禁止状態(使用制限状態)を解除するに必要なライセンスキーをユーザから入力させ、入力されたライセンスキーが、予め複合機104に記憶された解除キーと一致した場合に使用禁止状態が解除される。
【0057】
行506は、フロー実行時の処理履歴を所定の送信先に送信するための処理を定義している。
【0058】
尚、本実施の形態では、ワークフロー情報の登録先として、複合機104内の記憶領域ROM203またはHDD204を例に説明したが、例えば、登録先を図1のサーバ106としてもよい。
【0059】
その場合、ステップS404で、図1のワークフロー情報ファイルを保持するサーバ106内にワークフロー情報が登録されているかを判定するようにすることで同様の処理が実現可能である。
【0060】
尚、好ましくは、ワークフロー情報は、図5で示したような可読性かつ編集可能なファイル形式で登録できるように構成する。
【0061】
こうすることにより、例えば、ワークフロー情報内の処理手順を変更したい場合は、当該ファイルを編集した後、ファイルを上書き保存することで容易に処理手順を変更することが可能となり、個々のユーザ環境に応じた処理を実行することが可能になる。
【0062】
また、フローの登録先として、図1のサーバ106のような外部装置を利用することで、複合機104もしくは105といった複数の装置で同じワークフロー情報を登録した場合に、一括でフロー定義をすることが可能となる。
【0063】
図6は、図2の複合機によって実行されるユーザ情報等の個人情報の削除処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
この削除処理の制御プログラムは、図2におけるコントローラ200内のROM203またはHDD204に記憶されており、RAM202に制御プログラムを読み込んだ後、コントローラ200内のCPU201によって実行される。
【0065】
尚、図6の処理手順は、ワークフロー定義ファイルが複合機104もしくは105(以下、複合機104で代表する)のROM203もしくはHDD204、あるいはサーバ106の記憶装置(不図示)に記憶されているものとして説明する。
【0066】
まず、使用禁止状態の複合機104において、ステップS601では、図11に示したような使用禁止状態画面を操作部221に表示する。
【0067】
図11の表示画面例では、操作禁止状態を解除するフローを実行するためのボタン(解除操作ボタン1101)と、本実施の形態に係る個人情報データの削除処理フローを実行するためのボタン(データ削除ボタン1102)が表示されている。
【0068】
尚、複合機104のROM203もしくはHDD204、あるいはサーバ106の記憶装置に、当該削除処理フローを実行するための後述する図10のワークフロー定義ファイルが登録されていない場合、図11のデータ削除ボタン1102は表示されない。
【0069】
次に、ステップS602において、図11で示された解除操作ボタン1101もしくはデータ削除ボタン1102が押下されたか否かを判定し、ボタンが押下された場合にはステップS603に進む。
【0070】
ステップS603で、押下されたボタンがデータ削除ボタン1102と判定した場合には、ステップS605に進む。押下されたボタンが解除操作ボタン1101と判定した場合には、S604に進み、操作禁止状態を解除するワークフローを実行して処理を終了する。
【0071】
ステップS605以降の処理は、図10で示したワークフロー定義ファイルの情報に従った処理ステップである。
【0072】
ステップS605以降の処理を詳述する前に、図10の第2のワークフロー定義ファイルの定義内容について説明する。
【0073】
図10の第2ワークフロー定義ファイル1000は、本実施の形態に係る個人情報データの削除処理を行うための一連の処理フローを定義した定義ファイルである。
【0074】
図10の符号1001は、ワークフロー定義ファイルの名称であり、ユーザが複数のワークフロー定義ファイルから所望のワークフロー定義ファイルを容易に識別するために用いられる。
【0075】
符号1002は、ワークフロー情報を識別するための識別子であり、複合機104は、この識別子に従い、本ワークフロー定義ファイルがデータ削除処理のワークフローを定義したワークフロー定義ファイルであることを識別する。
【0076】
符号1003は、本ワークフロー定義ファイルが実行可能な回数を定義する行であり、この例では実行できる回数が1回であることを示している。
【0077】
符号1004及び1005は、データ削除処理を実行するための命令を定義した行である。符号1006は、本ワークフロー定義ファイルに定義された処理が全て完了した際に本ワークフロー定義ファイルを削除するか否かを定義した行であり、この例では削除することを示している。
【0078】
以下、図10のワークフロー定義ファイルの定義内容に従い、ステップS605以降の処理を説明する。
【0079】
まず、ステップS605で、図10の行1004及び1005で定義されたデータ削除処理を実行する前に、図12で示した確認画面を操作部221に表示する。
【0080】
図12の確認画面において、ユーザが実行ボタン1201を押下すると、ステップS606に進み、図10の行1004及び1005で定義されたデータの削除を行う。
【0081】
ステップS607において、図10の行1006で定義されたワークフロー定義ファイルの削除処理を実行する前に、図13で示されるような確認画面を操作部221に表示する。
【0082】
図13の確認画面において、ユーザが削除ボタン1301が押下すると、ステップS608にて、図10のワークフロー定義ファイルを削除し、処理を終了する。
【0083】
ここで、CPU201、ROM203、HDD204は、個人情報の削除に必要な操作手順もしくは処理手順をワークフロー情報として登録する第2の登録手段として機能する。また、ステップS603は、個人情報を削除するか否か判定する第2の判定手段として機能する。
【0084】
また、ステップS606は、第3の判定手段により個人情報を削除すると判定された場合に、第2の登録手段に登録されているワークフロー情報に記載された操作手順もしくは処理手順を実行する第2の実行手段として機能する。
【0085】
尚、図13の確認画面に表示される保存ボタン1302を押下した場合には、行1006で定義されたワークフロー定義ファイルの削除処理を実行せずに処理を終了する。
【0086】
尚、図6では、ユーザ情報等の個人情報データの削除処理の流れを説明するために処理ステップを簡素化したが、好ましくは個人情報データの削除処理フローが複数定義されており、ユーザが所望の削除処理フローを選択できるように構成されてもよい。
【0087】
この場合、図11のデータ削除ボタン1102を押下した後、ステップS605を実行する前に、登録されたデータ削除を行うワークフロー定義ファイルを選択するための画面を操作部221に表示する。そして、ユーザが所望の定義ファイルを選択した後、ステップS605以降の処理を実行するように構成する。
【0088】
さらに、ワークフロー定義ファイルから別のワークフロー定義ファイルを参照することで、複数のワークフロー定義ファイルを組み合わせて、新たなワークフロー定義ファイルを作成することで、より効率的にワークフロー定義ファイルを作成することができる。
【0089】
以上説明したように図4の処理によれば、予め設定された使用期限に従い、複合機の使用を停止することが可能となる。また、ステップ404及びステップS405の処理において、使用停止状態となった複合機を、ユーザが所望する一連の解除手順で使用することが可能となる。
【0090】
これにより従来技術のように、ライセンスキーの入力といった予め静的に決定された解除手段しか有しない場合に比べ、不正な解除操作を防止することが可能となる。
【0091】
また、図6の処理によれば、特に、ステップS605以降の処理により煩雑なデータ消去作業を確実に実行でき、使用期限の経過した情報処理装置の廃却し、あるいは返却する場合に、個人情報の流出等のリスクを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置を含むネットワークシステムの構成図である。
【図2】図1における複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1におけるクライアントコンピュータあるいはサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図2の複合機によって実行される使用期限制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図2の複合機の使用期限が経過された際に実行可能な処理手順を記述したワークフロー定義ファイルを示す図である。
【図6】図2の複合機によって実行されるユーザ情報等の個人情報の削除処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図2の複合機が使用禁止状態であることを通知するための画面の一例を示す図である(1)。
【図8】図2の複合機に認証を行うための画面の一例を示す図である。
【図9】図2の複合機に解除キーの入力を行うための画面の一例を示す図である。
【図10】図2の複合機において、個人情報の削除処理手順を記述したワークフロー定義ファイルを示す図である。
【図11】図2の複合機が使用禁止状態であることを通知するための画面の一例を示す図である(2)。
【図12】図2の複合機のデータを削除するための画面の一例を示す図である。
【図13】図2の複合機のフロー定義ファイルの削除を行うための画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
101 ネットワーク
102、103 クライアントコンピュータ
104、105 複合機
106 サーバ
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 HDD
221 操作部
500 第1のワークフロー定義ファイル
1000 第2のワークフロー定義ファイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用期限が定められた情報処理装置に関し、特に、使用期限の設定技術及び解除技術に特徴のある情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体験版アプリケーション等、使用期限を定め、その期限内でアプリケーションプログラムを使用許可し、あるいは実行可能とするアプリケーションが存在する。
【0003】
また、上述の仕組みを備えるアプリケーションや情報機器(情報処理装置)において、例えば、正規のライセンスキーを入力することで、機能制限もしくは使用期間の解除を行う技術が提供されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、近年の、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナ等の各装置の機能を1つの筐体内に収納した複合機において、新たな外部ソフトウェアを組み込み、ライセンスキーを入力して外部アプリを動作される手段が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、特許文献3には、以下の技術が提案されている。
【0006】
即ち、特許文献3に開示された技術では、貸与したプリンタ装置と管理サーバがインターネットを介して接続され、プリンタ装置から使用状況の情報が管理サーバに所定間隔で通知される。そして、使用期間の情報が管理サーバによって管理され、使用期間が経過したプリンタ装置に対して使用停止信号が供給され、以後のプリンタ装置の使用を停止する。
【特許文献1】特開2003−303248号公報
【特許文献2】特開2004−110779号公報
【特許文献3】特開2001−357123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術の機能制限の解除技術は、前述のようなライセンスキーを入力して解除を行う技術を含め、解除手段が予めアプリケーションもしくは情報機器内に静的に定義されている。
【0008】
そのため、一度不正な経路で解除手段が入手された場合や、機器の利用環境に応じて解除手段を変更したい場合(例えば、個人認証と連動させたい解除者を限定したい場合)であっても、自由に解除手段を変更することができない課題があった。
【0009】
また、近年の複合機において、電子文書を蓄積したり、宛先アドレス情報やユーザ認証データ等の個人情報を保持することが可能になっている。
【0010】
レンタル契約等において使用期限後に複合機を返却する場合等、単にアプリケーションの使用を停止するだけでなく、複合機内に保持された個人情報等のセキュリティ情報の流出を防ぐために、セキュリティ情報を確実に消去することが求められる。
【0011】
しかしながら、セキュリティ情報の消去作業は、通常、複合機の使用者もしくは管理者等によって人手によって行う必要があり、個人情報の消し忘れ等のセキュリティ上の課題も存在している。
【0012】
本発明の目的は、使用状態・環境に応じて、使用制限の解除手順及び使用期限が設定された装置内に保存された情報の消去手順を管理者が自由かつ動的に定義することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1記載の情報処理装置は、情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段により前記使用期限に達していると判定された場合に、前記情報処理装置の使用制限を行う制限手段と、前記情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段と、前記ワークフロー情報が登録されている場合に、前記制限手段により前記情報処理装置が使用制限された状態で、前記ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の情報処理装置は、使用状態・環境に応じて、使用制限の解除手順及び使用期限が設定された装置内に保存された情報の消去手順を管理者が自由かつ動的に定義することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置を含むネットワークシステムの構成図である。
【0017】
図1において、ネットワークシステムは、例えばTCP/IPプロトコルをサポートするネットワーク101によって接続されるクライアントコンピュータ102、103と、複合機(情報処理装置)104、105と、ワークフロー情報を保持するサーバ106とを備える。
【0018】
例えば、クライアントコンピュータ102、103で複合機104もしくは105が使用制限解除に必要な一連の操作手順もしくは処理手順を定義したワークフロー情報ファイルを作成しサーバ106に保存する。
【0019】
サーバ106に保持されたワークフロー情報(ワークフロー情報ファイル)を、ネットワーク101を介して複合機104、105に配信し、配信されたワークフロー情報は複合機104、105内の記録媒体に保持される。
【0020】
ユーザは、クライアントコンピュータ102、103上で、サーバ106に保存されたワークフロー情報を表示、編集等を行うことができる。
【0021】
情報処理装置としては、複合機104、105である必要はなく、プリンタやスキャナ等のデバイスが単体でネットワーク101に接続されていてもよい。また、ワークフロー情報ファイルを保持するサーバを介さず、クライアントコンピュータ102、103上から直接、複合機104もしくは105にワークフロー情報を送信できるように構成されていてもよい。
【0022】
図2は、図1における複合機の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図2において、CPU201は、ROM203またはHDD204に記憶された制御プログラムに従って、システムバス207に接続される各種装置とのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ200内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。
【0024】
RAM202は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。ROM203には、装置のブートプログラム等が格納されている。
【0025】
HDD204は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データ、アドレス情報や個人認証情報、さらに、本発明におけるワークフロー情報、使用期限情報を格納することが可能である。
【0026】
操作部I/F205は、システムバス207と操作部221とを接続するためのインタフェース部である。この操作部I/F205は、操作部221に表示するための画像データをシステムバス207から受け取り、操作部221に出力すると共に、操作部221から入力された情報をシステムバス207へ出力する。
【0027】
ネットワークI/F206は、LANやWAN224及びシステムバス207に接続し、他の機器と双方向にデータをやり取りする。
【0028】
RIP部208は、PDLコードデータを元に生成された中間データを受け取り、ビットマップデータ(多値)を生成する。生成されたビットマップデータは圧縮部209で圧縮されて画像バス220へ送られる。
【0029】
画像バス220は、画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバスまたはIEEE1394で構成されている。
【0030】
スキャナ画像処理部212は、スキャナ部222からスキャナI/F211を介して受け取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。埋め込み情報抽出部210は、画像データから背景画像に埋め込まれているパターンの検出や付加情報の抽出の処理を行う。
【0031】
圧縮部213は、画像データを受け取り、データを圧縮する。伸長部215は、データを伸長した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部217に送る。
【0032】
画像変換部214は、画像データに対して回転や色空間変換、2値多値変換、画像合成、間引きといった所定の変換処理を施す。
【0033】
符号画像生成部216は、二次元コード画像やバーコード画像、情報埋め込み技術により生成された画像等の符号画像データを生成する。画像生成には、CPU201が不図示のメモリカードスロットから読み込んだ情報あるいは操作部221で入力された情報が利用される。
【0034】
プリンタ画像処理部217は、伸長部215から送られた画像データを受け取り、この画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。また、プリンタ画像処理部217は、指示がある場合は、符号画像生成部216において生成された符号画像データを画像データに合成する。
【0035】
尚、符合画像の生成は、RAM202内に格納されたプログラムを実行することによって行われる。画像処理後の画像データは、プリンタI/F218を介してプリンタ部223に出力される。
【0036】
認証処理部219は、操作部221で入力されたユーザ情報を使用したユーザやワークグループの認証に加えて、印刷ジョブ認証を行う。
【0037】
図3は、図1におけるクライアントコンピュータあるいはサーバの概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図3において、クライアントコンピュータ102、103あるいはワークフロー情報ファイルを保持するサーバ106を統括するPC300は、ROM302もしくはHDD311に記憶されたソフトウェアを実行するCPU301を備える。CPU301は、システムバス304に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0039】
RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBD C)305は、キーボード(KBD)309からの指示入力を制御する。
【0040】
ディスプレイコントローラ(DISP C)306は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される表示モジュールであるディスフレイ310の表示を制御する。
【0041】
ディスクコントローラ(DKC)307は、大容量記憶デバイスであるHDD311を制御する。
【0042】
ネットワークI/F308は、LANやWAN224を介して他の機器と双方向にデータをやり取りする。
【0043】
図4は、図2の複合機によって実行される使用期限制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0044】
使用期限制御プログラムは、図2におけるコントローラ200内のROM203またはHDD204に記憶されており、RAM202に制御プログラムを読み込んだ後、コントローラ200内のCPU201によって実行される。
【0045】
尚、図4の処理手順は、予め使用期限が設定された複合機104もしくは105(以下、複合機104で代表する)において、使用期限が経過した場合の処理手順を説明したものである。
【0046】
まず、ステップS401で、複合機104に設定された使用期限情報を取得し、ステップS402において、使用期限情報に含まれる日時情報と現在の日時情報を照合し、使用期限が経過しているか(現在の日時が使用期限に達しているか)否かを判定する。
【0047】
使用期限が経過している場合には、ステップS403に進み、複合機104が使用停止処理を行う。この使用停止処理とは、予め使用期限を定めた機能について実行ができない状態にすることを指しており、例えば、図7で示したような画面を操作部221に表示し、当該機能に対してユーザからの操作及び実行ができなくする。
【0048】
さらに、ステップS404において、複合機104のROM203またはHDD204等の記憶領域に、図5で示したような一連の処理手順を定義したワークフロー情報が登録されているか否かを判定する。
【0049】
ワークフロー情報が登録されている場合には、ステップS405において、登録されたフローを実行するためのフロー実行ボタン701を操作部221に表示する(図7)。そして、ワークフローを実行する。
【0050】
ここで、ステップS401は、情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段として機能する。また、ステップS402は、取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段として機能する。
【0051】
また、ステップS403は、第1の判定手段により使用期限に達していると判定された場合に、情報処理装置の使用制限を行う制限手段として機能する。また、CPU201、ROM203、HDD204は、情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段として機能する。
【0052】
また、ステップS405は、ワークフロー情報が登録されている場合に、制限手段により情報処理装置が使用制限された状態で、ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段として機能する。
【0053】
尚、図5は、使用期限が経過された際に実行可能な処理手順を記述した第1のワークフロー定義ファイル501を示すものであり、符号502で示された”<Workflow”から</Workflow>のタグで区切られた領域に実際の処理内容が定義されている。
【0054】
符号503はワークフロー情報を識別するための識別子であり、複合機104は、この識別子503に従い、使用期限が経過した際に実行するワークフロー情報であるかを識別する。行504、505及び506は、実際に実行される一処理を定義したものであり、行504、505、506の順に処理が実行されるよう定義されている。
【0055】
尚、図5の例では、フロー実行時の最初の処理として、行504において認証処理を行うよう定義されており、本処理が実行されると、図8で示されるような認証画面が操作部221に表示される。
【0056】
次に、行505では、図9で示されるような使用禁止状態(使用制限状態)を解除するに必要なライセンスキーをユーザから入力させ、入力されたライセンスキーが、予め複合機104に記憶された解除キーと一致した場合に使用禁止状態が解除される。
【0057】
行506は、フロー実行時の処理履歴を所定の送信先に送信するための処理を定義している。
【0058】
尚、本実施の形態では、ワークフロー情報の登録先として、複合機104内の記憶領域ROM203またはHDD204を例に説明したが、例えば、登録先を図1のサーバ106としてもよい。
【0059】
その場合、ステップS404で、図1のワークフロー情報ファイルを保持するサーバ106内にワークフロー情報が登録されているかを判定するようにすることで同様の処理が実現可能である。
【0060】
尚、好ましくは、ワークフロー情報は、図5で示したような可読性かつ編集可能なファイル形式で登録できるように構成する。
【0061】
こうすることにより、例えば、ワークフロー情報内の処理手順を変更したい場合は、当該ファイルを編集した後、ファイルを上書き保存することで容易に処理手順を変更することが可能となり、個々のユーザ環境に応じた処理を実行することが可能になる。
【0062】
また、フローの登録先として、図1のサーバ106のような外部装置を利用することで、複合機104もしくは105といった複数の装置で同じワークフロー情報を登録した場合に、一括でフロー定義をすることが可能となる。
【0063】
図6は、図2の複合機によって実行されるユーザ情報等の個人情報の削除処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
この削除処理の制御プログラムは、図2におけるコントローラ200内のROM203またはHDD204に記憶されており、RAM202に制御プログラムを読み込んだ後、コントローラ200内のCPU201によって実行される。
【0065】
尚、図6の処理手順は、ワークフロー定義ファイルが複合機104もしくは105(以下、複合機104で代表する)のROM203もしくはHDD204、あるいはサーバ106の記憶装置(不図示)に記憶されているものとして説明する。
【0066】
まず、使用禁止状態の複合機104において、ステップS601では、図11に示したような使用禁止状態画面を操作部221に表示する。
【0067】
図11の表示画面例では、操作禁止状態を解除するフローを実行するためのボタン(解除操作ボタン1101)と、本実施の形態に係る個人情報データの削除処理フローを実行するためのボタン(データ削除ボタン1102)が表示されている。
【0068】
尚、複合機104のROM203もしくはHDD204、あるいはサーバ106の記憶装置に、当該削除処理フローを実行するための後述する図10のワークフロー定義ファイルが登録されていない場合、図11のデータ削除ボタン1102は表示されない。
【0069】
次に、ステップS602において、図11で示された解除操作ボタン1101もしくはデータ削除ボタン1102が押下されたか否かを判定し、ボタンが押下された場合にはステップS603に進む。
【0070】
ステップS603で、押下されたボタンがデータ削除ボタン1102と判定した場合には、ステップS605に進む。押下されたボタンが解除操作ボタン1101と判定した場合には、S604に進み、操作禁止状態を解除するワークフローを実行して処理を終了する。
【0071】
ステップS605以降の処理は、図10で示したワークフロー定義ファイルの情報に従った処理ステップである。
【0072】
ステップS605以降の処理を詳述する前に、図10の第2のワークフロー定義ファイルの定義内容について説明する。
【0073】
図10の第2ワークフロー定義ファイル1000は、本実施の形態に係る個人情報データの削除処理を行うための一連の処理フローを定義した定義ファイルである。
【0074】
図10の符号1001は、ワークフロー定義ファイルの名称であり、ユーザが複数のワークフロー定義ファイルから所望のワークフロー定義ファイルを容易に識別するために用いられる。
【0075】
符号1002は、ワークフロー情報を識別するための識別子であり、複合機104は、この識別子に従い、本ワークフロー定義ファイルがデータ削除処理のワークフローを定義したワークフロー定義ファイルであることを識別する。
【0076】
符号1003は、本ワークフロー定義ファイルが実行可能な回数を定義する行であり、この例では実行できる回数が1回であることを示している。
【0077】
符号1004及び1005は、データ削除処理を実行するための命令を定義した行である。符号1006は、本ワークフロー定義ファイルに定義された処理が全て完了した際に本ワークフロー定義ファイルを削除するか否かを定義した行であり、この例では削除することを示している。
【0078】
以下、図10のワークフロー定義ファイルの定義内容に従い、ステップS605以降の処理を説明する。
【0079】
まず、ステップS605で、図10の行1004及び1005で定義されたデータ削除処理を実行する前に、図12で示した確認画面を操作部221に表示する。
【0080】
図12の確認画面において、ユーザが実行ボタン1201を押下すると、ステップS606に進み、図10の行1004及び1005で定義されたデータの削除を行う。
【0081】
ステップS607において、図10の行1006で定義されたワークフロー定義ファイルの削除処理を実行する前に、図13で示されるような確認画面を操作部221に表示する。
【0082】
図13の確認画面において、ユーザが削除ボタン1301が押下すると、ステップS608にて、図10のワークフロー定義ファイルを削除し、処理を終了する。
【0083】
ここで、CPU201、ROM203、HDD204は、個人情報の削除に必要な操作手順もしくは処理手順をワークフロー情報として登録する第2の登録手段として機能する。また、ステップS603は、個人情報を削除するか否か判定する第2の判定手段として機能する。
【0084】
また、ステップS606は、第3の判定手段により個人情報を削除すると判定された場合に、第2の登録手段に登録されているワークフロー情報に記載された操作手順もしくは処理手順を実行する第2の実行手段として機能する。
【0085】
尚、図13の確認画面に表示される保存ボタン1302を押下した場合には、行1006で定義されたワークフロー定義ファイルの削除処理を実行せずに処理を終了する。
【0086】
尚、図6では、ユーザ情報等の個人情報データの削除処理の流れを説明するために処理ステップを簡素化したが、好ましくは個人情報データの削除処理フローが複数定義されており、ユーザが所望の削除処理フローを選択できるように構成されてもよい。
【0087】
この場合、図11のデータ削除ボタン1102を押下した後、ステップS605を実行する前に、登録されたデータ削除を行うワークフロー定義ファイルを選択するための画面を操作部221に表示する。そして、ユーザが所望の定義ファイルを選択した後、ステップS605以降の処理を実行するように構成する。
【0088】
さらに、ワークフロー定義ファイルから別のワークフロー定義ファイルを参照することで、複数のワークフロー定義ファイルを組み合わせて、新たなワークフロー定義ファイルを作成することで、より効率的にワークフロー定義ファイルを作成することができる。
【0089】
以上説明したように図4の処理によれば、予め設定された使用期限に従い、複合機の使用を停止することが可能となる。また、ステップ404及びステップS405の処理において、使用停止状態となった複合機を、ユーザが所望する一連の解除手順で使用することが可能となる。
【0090】
これにより従来技術のように、ライセンスキーの入力といった予め静的に決定された解除手段しか有しない場合に比べ、不正な解除操作を防止することが可能となる。
【0091】
また、図6の処理によれば、特に、ステップS605以降の処理により煩雑なデータ消去作業を確実に実行でき、使用期限の経過した情報処理装置の廃却し、あるいは返却する場合に、個人情報の流出等のリスクを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置を含むネットワークシステムの構成図である。
【図2】図1における複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1におけるクライアントコンピュータあるいはサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図2の複合機によって実行される使用期限制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図2の複合機の使用期限が経過された際に実行可能な処理手順を記述したワークフロー定義ファイルを示す図である。
【図6】図2の複合機によって実行されるユーザ情報等の個人情報の削除処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図2の複合機が使用禁止状態であることを通知するための画面の一例を示す図である(1)。
【図8】図2の複合機に認証を行うための画面の一例を示す図である。
【図9】図2の複合機に解除キーの入力を行うための画面の一例を示す図である。
【図10】図2の複合機において、個人情報の削除処理手順を記述したワークフロー定義ファイルを示す図である。
【図11】図2の複合機が使用禁止状態であることを通知するための画面の一例を示す図である(2)。
【図12】図2の複合機のデータを削除するための画面の一例を示す図である。
【図13】図2の複合機のフロー定義ファイルの削除を行うための画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
101 ネットワーク
102、103 クライアントコンピュータ
104、105 複合機
106 サーバ
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 HDD
221 操作部
500 第1のワークフロー定義ファイル
1000 第2のワークフロー定義ファイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により前記使用期限に達していると判定された場合に、前記情報処理装置の使用制限を行う制限手段と、
前記情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段と、
前記ワークフロー情報が登録されている場合に、前記制限手段により前記情報処理装置が使用制限された状態で、前記ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
個人情報の削除に必要な操作手順もしくは処理手順をワークフロー情報として登録する第2の登録手段と、
前記個人情報を削除するか否か判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記個人情報を削除すると判定された場合に、前記第2の登録手段に登録されている前記ワークフロー情報に記載された前記操作手順もしくは処理手順を実行する第2の実行手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項1】
情報処理装置の使用期限に関する情報である使用期限情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された使用期限に達しているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により前記使用期限に達していると判定された場合に、前記情報処理装置の使用制限を行う制限手段と、
前記情報処理装置が実行する特定の処理手順をワークフロー情報として登録する登録手段と、
前記ワークフロー情報が登録されている場合に、前記制限手段により前記情報処理装置が使用制限された状態で、前記ワークフロー情報に記載された処理手順を実行する実行手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
個人情報の削除に必要な操作手順もしくは処理手順をワークフロー情報として登録する第2の登録手段と、
前記個人情報を削除するか否か判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記個人情報を削除すると判定された場合に、前記第2の登録手段に登録されている前記ワークフロー情報に記載された前記操作手順もしくは処理手順を実行する第2の実行手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−21702(P2010−21702A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179053(P2008−179053)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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