情報収集方法及び情報収集システム
【課題】主電源に異常が発生した場合でも長時間通信状態を維持できる、情報収集方法を提供する。
【解決手段】直線形やツリー形トポロジーのマルチホップ無線通信を用いて、複数の監視制御端末から情報を収集する本発明の広域監視システムは、端末の主電源電圧低下による予備電源動作への切替えを検知し、予備電源切替動作を通知する工程502と、切替えを行った端末の端末情報を、通信経路毎にノード順で管理する通信経路管理テーブルから抽出し、監視情報取得範囲設定を行う工程503と、監視情報収集範囲設定から、収集範囲にある端末の監視情報を纏めて収集する工程504と、主電源動作への復旧を検知し、主電源への切替動作を通知する工程506で構成される。
【解決手段】直線形やツリー形トポロジーのマルチホップ無線通信を用いて、複数の監視制御端末から情報を収集する本発明の広域監視システムは、端末の主電源電圧低下による予備電源動作への切替えを検知し、予備電源切替動作を通知する工程502と、切替えを行った端末の端末情報を、通信経路毎にノード順で管理する通信経路管理テーブルから抽出し、監視情報取得範囲設定を行う工程503と、監視情報収集範囲設定から、収集範囲にある端末の監視情報を纏めて収集する工程504と、主電源動作への復旧を検知し、主電源への切替動作を通知する工程506で構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信によりデータを収集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信により広域監視制御を行なうシステムは多数知られており、その無線通信の技術の一つにマルチホップ通信という無線通信の技術がある
マルチホップ通信は、いわゆるバケツリレー方式であり、複数の無線端末を中継器として利用し、目的の端末とデータのやり取りを行うものである。ここで、直線形やツリー形のようなトポロジー、すなわち、個々の無線端末が1対1で通信する経路を有するトポロジーでマルチホップ通信を行う場合、通信経路に冗長性が無いため、途中の無線端末が通信不能になると、それ以降の無線端末とのデータのやりとりも不能となる。このようなトポロジーのマルチホップ通信では、停電や電源異常による通信不能を避けるために、各無線端末が予備電源を備え、主電源電圧低下時には、予備電源から電源を供給することにより通信を継続する技術が知られている。
【0003】
しかし、停電や電源異常による通信不能状態は、復旧するまでの時間が不定であるため、様々な種類の停電や電源異常に対応するためには大容量のバッテリーが要求される。しかし、広域監視制御システムでは、その監視領域内に多数の監視制御端末が必要になるため、それら全ての監視制御端末に高価な大容量のバッテリ等を搭載させることは、設備投資の観点で課題が生じる。
【0004】
そのため、通信方法や情報収集の方法を変える事により、より少ない容量のバッテリーでも長時間の通信状態が維持できるやり方が望まれている。このような、少ない容量のバッテリーでも長時間の通信状態が維持させる技術として特許文献1がある。この文献では、無線端末が送受信できるアクティブ時間が設定されており、無線端末への電力供給状況に応じて、この電力消費量の多いアクティブ時間を変更する技術が開示されている。より具体的には、無線端末が系統から受電する主電源に異常が生じ予備電源(バッテリー)に切替えた際に、アクティブ時間を最短に切替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−158418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記、特許文献1のようにアクティブ時間を変更すると、その無線端末の主目的である監視情報の収集の周期が遅延してしまうという課題が生じる。
【0007】
そこで本発明の目的は、電源異常時であっても監視情報の収集周期を変更せずに、通信の省電力化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、端末の主電源電圧低下による予備電源動作への切替えを検知する工程と、予備電源切替動作を通知する工程と、切替えを行った端末の端末情報を、通信経路毎にノード順で管理する通信経路管理テーブルから抽出し、監視情報取得範囲設定を行う工程と、監視情報収集範囲設定から、収集範囲にある端末の監視情報を纏めて収集する工程と、を備える。
【0009】
監視情報収集範囲設定は、予備電源切替動作の通知を行った端末間、あるいは、予備電源切替動作の通知を行った前記端末と末端のノードまでの間の端末を情報収集範囲の設定としてもよい。このとき、収集範囲の前記端末数が一定値を超えていた場合、収集範囲にある前記端末数を平均的に複数に分割し、収集範囲を再設定してもよい。
【0010】
途中のノードで通信経路が分岐していた場合、それぞれの通信経路において収集範囲を設定してもよい。
【0011】
通信経路管理テーブルは、通信経路毎に、マルチホップ通信でのホップ順を示すノード順と、情報の宛先を表すアドレスと、製造年、製造メーカ、シリアルナンバーを判別する端末番号で構成してもよい。
【0012】
監視情報収集範囲設定によって決まる収集範囲の子局台数を基に、監視情報収集要求に対する、返信のタイムアウト時間を算出し、算出したタイムアウト時間を基に情報収集要求を行ってもよい。
【0013】
また、監視情報収集範囲設定は、予備電源切替動作の通知を行った端末間、あるいは、予備電源切替動作の通知を行った端末と末端のノードまでの間の端末を情報収集範囲の設定とし、更にノード順が遠い情報収集範囲を、ノード順が近い情報収集範囲に含めてもよい。
【0014】
このとき、収集範囲の前記端末数が一定値を超えないように、ノード順が遠い情報収集範囲を、ノード順が近い情報収集範囲に含めるか決定してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明では予備電源動作の子局において、通信回数を少なくすることで、通信の省電力化が実現できる。これにより少ない容量のバッテリーであっても長時間の通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】システムの全体構成例を示す図である。
【図2】子局の機能ブロック図の一例である。
【図3】切替子局の機能ブロック図の一例である。
【図4(a)】通信経路管理テーブルの一例である。
【図4(b)】通信経路の模式的に表現した図である。
【図5】システム全体のフローチャートの一例である。
【図6】停電検知(主電源異常検知)子局のフローチャートの一例である。
【図7】停電情報(主電源異常情報)を受信した親局のフローチャートの一例である。
【図8】情報収集グループ設定ついて示すフローチャートの一例である。
【図9】グループ管理テーブルの作成の一例である。
【図10】グループ管理テーブルの一例である。
【図11】停電動作情報を受信した切替子局の動作を示すフローチャートの一例である。
【図12】指令動作について示すフローチャートの一例である。
【図13】グループポーリング指令を受信した子局の動作を示すフローチャートの一例である。
【図14】実施例1における、情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。
【図15】実施例2における、グループ管理テーブルの作成の一例である。
【図16】実施例2における、グループ管理テーブルの一例である。
【図17】実施例2における、グループポーリング指令を受信した子局の動作を示すフローチャートの一例である。
【図18】実施例2における、情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1ついて、図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態では、広域監視制御システムの中でも、無線通信による監視制御を行い、無線通信ネットワークのトポロジーは直線形やツリー形で、マルチホッ プ通信によって、複数の端末と通信を行う。
【0019】
図1は、本実施形態のシステムの全体構成例を示す図である。本システムは、親局101と切替子局103と複数の子局104によって構成され、通常時はポーリング方式により、切替子局103が、これら子局104から監視情報を収集し、親局101は、子局104と切替子局103の監視情報を、切替子局103から収集するシステムである。また親局101は、切替子局103を通して、子局104の制御を行う。
【0020】
親局101は、通信線102を通し、切替子局103と通信を行い、監視情報の収集や切替子局又は子局の制御指示を行う。
【0021】
通信線102は、メタル線や光ケーブル等で構成される。
【0022】
親局101と、切替子局103の間に、通信線102によって通信を行う端末があってもよい。
【0023】
切替子局103は、親局101の指令により、電線105等の電圧監視情報の送信や、電柱に設置された開閉器の制御等を行う。また親局101と、通信線102によって通信し、子局104と、無線によって通信を行うことができ、親局101から、子局104へ指令の伝達、子局104から、親局101への情報の中継等を行う。また、子局104の監視情報等を収集し、保持しておくことができ、親局101から、子局104の監視情報の送信要求があった場合、切替子局103が、保持する子局104の監視情報を返信することができる。切替子局103は、親局101に含まれる構成であってもよい。
【0024】
子局104は、親局101や、切替子局103の指令により、電線105等の電圧監視情報の送信や、電柱に設置された開閉器の制御等を行う。子局104は、監視制御を行わず、マルチホップ通信の中継器となるように構成されていてもよい。
【0025】
切替子局103や子局104は、電線105等を支持する電柱106等に取り付けられる。設置間隔は、隣接する切替子局103や、子局104が無線通信を行える距離にする必要がある。ここで、より少ない子局でより広い領域を監視するためには、通信距離の限界距離付近に隣接する子局を設置することが望ましい。
【0026】
監視制御端末107は、電圧を計測するセンサや、開閉器等であり、切替子局103や、子局104と通信が可能であり、切替子局103や、子局104から信号を受信することにより、計測値や制御結果の返信を行うことができる。
【0027】
図2は子局104の一構成例である。子局104は主電源部201と、予備電源部202と、電源切替部203と、コントローラ部204と、情報記憶部205と、無線通信部206と、監視制御部207によって構成される。
【0028】
主電源部201は、商用電源等(系統電源)から電力を供給する場合には、交流から直流に変換する変換器や、電圧を変換する変圧器等で構成することができる。
【0029】
予備電源部202は、バッテリや電気二重層コンデンサ等で構成することができ、商用電源の停電や、主電源回路の異常により、主電源201の出力が低下した、あるいは出力が無くなった場合に、予備的に用いられる充電可能な電源である。
【0030】
電源切替部203は、充電IC等で構成することができ、主電源の出力電圧がある場合には端末に電力を供給するように電力供給の流れを制御する。また、主電源部201の出力が閾値未満の時は、予備電源部202からの出力に切替えを行う。なお、主電源の出力電圧がある場合には、端末への電力供給のみならず、予備電源部202へも電力が供給されるように制御することで予備電源の充電を行う。
【0031】
コントローラ部204は、中央処理装置や、一時的な記憶を行うメモリ等で構成することができ、情報記憶部205に備えるプログラムの実行や、監視制御部207の監視制御、電源切替部203による電源の切替え監視等を実行するものである。
【0032】
情報記憶部205は長期的な記憶を行うメモリ等から構成され、プログラムや監視情報の記憶等を行うものである。
【0033】
無線通信部206は、モデム、発信器、及びアンテナ等から構成することができ、コントローラ部204で生成された信号を電波により発信したり、受信した信号をコントローラ部204に受け渡したりするものである。
【0034】
監視制御部207は、コントローラ部204からの指令に従い、監視制御端末106と通信を行うものである。
【0035】
ここで、監視制御端末107との接続は必須ではなく、この子局が隣接する子局の中継器としてのみ動作する場合は、監視制御部207は不要である。
【0036】
図3は切替子局103の構成例である。切替子局103は、子局104と同様の機能を具備し、更に有線通信部301によって構成される。
【0037】
コントローラ部204は、子局104と同様の構成で、更に有線通信部302の信号の送受信を行える。
【0038】
ここで、監視制御端末107との接続は必須ではなく、親局と、この切替子局が接する子局とを結ぶ中継器としてのみ動作する場合は、監視制御部207は不要である。
【0039】
有線通信部301は、モデム、発信器等から構成することができ、コントローラ部204で生成された信号を、通信線102を通し、発信したり、受信した信号をコントローラ部204に受け渡したりするものである。
【0040】
図4(a)は、通信経路管理テーブル401の一例であり、端末番号402の項目と、監視制御管理403の項目と、アドレス404の項目と、通信経路405の項目で構成される。また通信経路管理テーブル401は、予め全ての項目が設定されている必要があり、親局101、切替子局103、子局104が保持している。
【0041】
端末番号402は子局104や、切替子局103の製造年、製造メーカ、シリアルナンバーを判別する番号や文字列などである。
【0042】
監視制御管理403は、端末番号402に該当する子局104が、監視を行う端末なのか、制御を行う端末なのか、中継器なのか判別する番号や文字列である。例えば、電流の監視等、監視対象や制御対象等の詳細を示してもよい。
【0043】
アドレス404はいわゆる、ネットワーク上の宛先であり、IPアドレス等である。
【0044】
通信経路405の値は、切替子局103からのノード順を示したものである。行406の例で示すと、端末番号402「xx4」は、通信経路a405(A)において、切替子局103から4番目のノードであることを示す。空白部分は、通信経路に該当端末が含まれていないことを示している。また通信経路405数は、切替子局103から、通信経路が分岐する数だけ存在する。
【0045】
図4(b)は、図4(a)の例を模式的に表現したものである。通信経路a405(A)では、端末番号402「xx1」、「xx2」、「xx3」、「xx4」、「xx5」、「xx6」の順番で、マルチホップ通信することを示しており、端末番号402「xx7」、「xx8」、「xx9」、「x10」は通信経路a405(A)に含まれない。通信経路b405(B)では端末番号402「xx1」、「xx2」、「xx3」、「xx7」、「xx8」、「xx9」、「x10」の順番で、マルチホップ通信することを示しており、端末番号402「xx3」、「xx4」、「xx5」は通信経路b405(B)に含まれていない。また端末番号402「xx3」の次のノードが、通信経路a405(A)は端末番号402「xx4」、通信経路b405(B)は端末番号402「xx7」と異なっており、端末番号402「xx3」で通信経路が分岐していることを示している。
【0046】
通信経路管理テーブル401の更新を行う際には、例えば、親局101からブロードキャスト等により、切替子局103と、子局104に保持する通信経路管理テーブル401を更新する。
【0047】
図5は、本実施例におけるシステム全体のフローチャートである。親局101、切替子局103、子局104の動作の詳細については後述する。
【0048】
ステップ501は、商用電源の停電や、子局104の主電源回路の異常が発生した状態である。
【0049】
ステップ502は、停電や主電源回路の異常を検知した子局104が、電源を主電源出力から予備電源出力に変更し、切替子局103を通して、親局101に、停電情報を送信する。親局101が停電情報を受信すると、親局は切替子局103と、全ての子局104の監視情報収集を停止させ、ステップ503に移る。
【0050】
ステップ503は、親局101が、受信した停電情報を基に、情報収集する単位であるグループの設定を行い、切替子局103に、グループ設定情報と、情報収集方式の切替を含む停電動作情報を送信する。切替子局103が、停電動作情報を受信すると、ステップ504に移る。
【0051】
ステップ504は、切替子局103が、停電動作情報を基に、グループ外の子局104と、グループに含まれ、そのグループの纏め役となる特定の子局(指定子局)とにグループ内の全子局104の監視情報要求を行い、ステップ505に移る。ここで指定子局は、停電している子局よりも1ホップだけ親局から見て先の子局であることが、マルチホップ通信の通信回数の観点からして好適である。ただし本発明はそれに限定されるものではなく、グループ内の子局であれば、指定子局になり得る。
【0052】
ステップ505は、子局104が、主電源出力への切替えを検知した場合、ステップ506に移り、検知していない場合、ステップ505の処理を繰り返す判断処理である。
【0053】
ステップ506は、主電源出力への切替えを検知した子局104が、切替子局103を通して、親局101に停電復旧情報を送信する。親局101が、停電復旧情報を受信するとステップ507に移る。
【0054】
ステップ507は、親局101が、停電情報を送信した全ての子局104から、停電復旧情報を受信した場合、ステップ508に移り、全ての子局104から、停電復旧情報を受信していない場合、グループの再設定が必要になるため、再びステップ503から処理を繰り返す判断処理である。
【0055】
ステップ508は、親局101が、切替子局103に通常動作情報を送信する。切替子局103が通常動作情報を受信するとステップ509に移る。
【0056】
ステップ509は、全ての子局104が、主電源出力による動作を行っており、親局101、切替子局103は通常通りの監視情報収集を行う。
【0057】
図6は商用電源の停電や、主電源回路の異常により主電源電圧の低下を検知した子局104の動作を示すフローチャートの一例である。
【0058】
ステップ601は、商用電源の停電や主電源回路の故障等により、子局104における、主電源部201の出力が、閾値未満になるのを電源切替部203の充電IC等により検知した後、ステップ602に移る。
【0059】
ステップ602は、子局104における、電源切替部203が、予備電源部202の出力に切替え、コントローラ部204に、予備電源切替え信号等を送信することで、コントローラ部204は予備電源への切替えを検知した後、ステップ603に移る。
【0060】
ステップ603は、予備電源動作中の子局104が、切替子局103を通し、親局101に、予備電源動作切替情報と、自局の端末番号402等を知らせる停電情報を送信し、ステップ604に移る。子局104の一瞬の電圧低下の検知を、停電情報として送信したくない場合は、ステップ602から、任意の時間が経った後に、予備電源による出力が継続していた場合のみ、停電情報を送信する等してもよい。これにより、瞬間的に電圧が低下したことを停電と誤認し、不要な解列を引き起こすことを回避することができる。
【0061】
切替子局103は、停電情報を子局104から受信した後、親局101に送信する。
【0062】
ステップ604は、ステップ603を実行した回数をカウントし、ステップ605に移る。
【0063】
ステップ605は、停電情報発呼に対し、一定時間待機後に返信があった場合、ステップ607に移り、返信がない場合は、ステップ606に移る判断処理である。
【0064】
ステップ606は、ステップ604のカウント数を基に、指定回数の停電情報発呼を行った場合、ステップ607に移り、指定回数に達していない場合は、再びステップ603から処理を繰り返す判断処理である。親局101からの返信があるまで、停電情報を発呼し続けると、予備電源の消費が多くなるので、予め指定回数を設定し、停電情報を指定回数発呼しても返信がない場合、強制的にステップ607に移るための処理である。
【0065】
ステップ607は、予備電源動作の子局104において、監視制御部207の監視を行わず、コントローラ部204のCPU等の消費電力を下げる等、予備電源部202の出力で長時間動作させるための状態に遷移し、ステップ608に移る。
【0066】
ステップ607を実行する子局104は、マルチホップ通信の中継器として動作する。ステップ606からステップ607に移る場合、親局101は、省電力動作状態であることを知らないため、監視情報の要求を行う場合があるが、省電力状態の子局104は、監視情報の返信を行わなくてよい。
【0067】
ステップ608は、省電力動作状態から、商用電源の停電や、主電源回路の異常により主電源電圧の低下から復旧したのを、電源切替部203の充電IC等が検知した場合、ステップ609に移り、商用電源の停電や、主電源部201の異常が続いている場合は、省電力動作状態を継続する判断処理である。
【0068】
ステップ609は、子局104における、電源切替部203が、主電源部201からの出力に切替え、コントローラ部204に主電源切替信号を送信し、コントローラ部204は主電源への切替えを検知した後、ステップ610に移る。
【0069】
ステップ610は、子局104が、切替子局103に、予備電源動作から主電源動作に切替えたことを知らせる停電復旧情報を送信した後、ステップ611に移る。切替子局103は、停電復旧情報を子局104から受信した後、親局101に送信する。
【0070】
ステップ611は、一定時間待機後、切替子局103を通し、親局101から停電復旧情報の返信があった場合は、ステップ612に移り、返信がない場合はステップ610から再び処理を繰り返す判断処理である。
【0071】
ステップ612は、通常時の監視制御や通信等の動作を行う状態であり、主電源部201からの出力があり、機能制限等を行っていない状態である。
【0072】
図7は、ステップ603の処理により、停電情報を受信した親局101の動作を示すフローチャートの一例である。
【0073】
ステップ701は、親局101が、切替子局103から、ステップ603の処理により、停電情報を受信した状態であり、ステップ702に移る。複数の子局104が停電状態になり、複数の停電情報を受信する可能性があるので、最初の停電情報を受信してから、任意の時間待機した後に、次のステップに移ってもよい。
【0074】
ステップ702は、親局101が予備電源により動作している子局101の通信回数を抑えるように、情報収集のグループ分けを行い、ステップ703に移る。処理の詳細は、図8のフローチャートで説明する。
【0075】
ステップ703は、親局101が、切替子局103に,後述するグループ管理テーブル1001と、情報収集方式の変更を含む停電動作情報を送信し、ステップ704に移る。
【0076】
ステップ704は、停電動作情報の送信に対して、一定時間待機後、切替子局103から返信があった場合、ステップ705に移り、返信がない場合は、再びステップ703から処理を繰り返す判断処理である。
【0077】
ステップ705は、停電復旧情報を受信した場合には、ステップ706に移り、受信していない場合には、受信するまでステップ705を繰り返す判断処理である。
【0078】
ステップ706は、全ての予備電源動作子局104から停電復旧情報を受信している場合には、ステップ707に移り、全ての予備電源動作子局104から停電復旧情報を受信していない場合は、情報収集のグループの再設定が必要となるため、再びステップ702から処理を繰り返す判断処理である。
【0079】
ステップ707は、切替子局103に停電時動作を中止させ、通常時の収集方式に切り替え、ステップ708に移る。
【0080】
ステップ708は、通常動作情報の送信に対して、返信があった場合、ステップ709に移り、返信がない場合は、再びステップ707から処理を繰り返す判断処理である。
【0081】
ステップ709は、全ての子局104と、切替子局103と、親局101が通常動作を行う状態である。
【0082】
図8はステップ702について示すフローチャートの一例である。
【0083】
ステップ801は、親局101が停電情報を受信し、ステップ802に移る。
【0084】
ステップ802は、親局101が停電情報を受信した全子局104について、通信経路管理テーブル401を基に、端末番号402、監視制御情報403、アドレス404、どの通信経路405に属し、ノード順が何番目であるかを抽出し、ステップ803に移る。抽出した情報は、ステップ803で使用される。また必要に応じて、システムの使用者や管理者に知らせてもよい。
【0085】
ステップ803は、ステップ802で抽出した停電中の子局104の、端末番号402と、監視制御情報403と、通信経路405情報を基に、グループ管理テーブル1001を作成し、ステップ804に移る。処理の詳細は、図9のフローチャートで説明する。
【0086】
ステップ804からステップ810は、テーブル401に登録されている全ての通信経路405に対し、ステップ805からステップ809の必要な処理を行うループ処理である。
【0087】
ステップ805からステップ808は、該当通信経路405に含まれる全てのグループに対し、ステップ806からステップ807の必要な処理を行うループ処理である。該当通信経路405にグループが存在しない場合、ステップ805からステップ808の処理を行わない。
【0088】
ステップ806は、グループ内の子局104の台数が、指定台数以上である場合、ステップ807に移り、指定台数より少ない場合、ステップ808に移る判断処理である。指定台数は、予め設定しておく必要がある。
【0089】
ステップ807は、グループ内の子局104の台数が指定台数以下になるように、グループを複数に分割し、分割したグループを一時的に記憶しておく。一時的に記憶されるグループは、端末番号402を保持している。グループ分割の方法は、例えば、最大剰余法によって、分割後の全てのグループの子局104数をほぼ等しく設定できる。最大剰余法による分割について、具体例を挙げて示す。グループ内の子局104の台数が14台、指定数が5台であった場合、まず、グループ内の子局104の台数の14を、指定数の5で割り、商の小数点を切り上げ、分割数が3と求められる。次にグループ内の子局104の台数の14を、分割数3で割り、商の整数4を分配する。最後に剰余2を1ずつ分配する。以上で、子局104の台数が5台、5台、4台の3グループに分割でき、一時的に3つの仮グループとして記憶しておく。
【0090】
ステップ809は、ステップ807の処理を実施した場合、ステップ810に移り、実施していない場合は、ステップ811に移る。
【0091】
ステップ810は、ステップ807で一時的に記憶したグループに、グループ名を付け、グループ管理テーブル1001の通信経路(端末番号)の更新を行う。グループ名のつけ方は、切替子局103に近い端末番号を含むグループ順に、グループ1、グループ2、グループ3、とする。
【0092】
ステップ812は、全ての通信経路405について、グループの設定を終えた状態である。
【0093】
図9はステップ803について示すフローチャートの一例である。
【0094】
ステップ901は、ステップ803を開始する状態であり、ステップ902に移る。
【0095】
ステップ902からステップ913は、通信経路管理テーブル401に登録されている全ての通信経路405に対し、ステップ903からステップ912の必要な処理を行うループ処理である。
【0096】
ステップ903は、変数nodeに1を代入する処理である。変数名は任意でよく、子局104のノード順の値を表す。
【0097】
ステップ904は、変数Grに0を代入する処理である。変数名は任意でよく、グループ順を表す。
【0098】
ステップ905からステップ912は、該当通信経路405内に含まれる全ての子局104に対し、ステップ906からステップ911の必要な処理を行うループ処理である。
【0099】
ステップ906は、通信経路管理テーブル401とステップ802の処理を基に、変数nodeの値と等しいノード順の子局104の端末番号402を調べ、予備電源動作子局104であった場合、ステップ911に移り、等しくなかった場合、ステップ907に移る。
【0100】
ステップ907は、通信経路管理テーブル401を基に、変数nodeの値と等しいノード順の子局104の監視制御情報403が、監視情報収集対象であった場合、ステップ908に移り、監視情報収集を行わない場合、ステップ910に移る。
【0101】
ステップ908は、変数Grの値が0である場合、ステップ912に移り、0でない場合、ステップ909に移る判断処理である。
【0102】
ステップ909は、該当通信経路405内で、変数nodeの値と等しいノード順である子局104を、変数Gr番目のグループに、端末番号402を記録し、ステップ911に移る。
【0103】
ステップ910は、変数Grの値に1加算する処理を行った後、ステップ911に移る。
【0104】
ステップ911は、変数nodeの値に1加算する処理を行う。
【0105】
ステップ914は、全ての通信経路405において、グループ設定が終わった状態であり、グループ設定を基に、作成されたグループ管理テーブル1001の詳細は、図10を参照して説明する。
【0106】
図10は、ステップ803で作成されるグループ管理テーブル1001の一例であり、グループ番号1002の項目と、通信経路(端末番号)1003の項目から構成されている。
【0107】
グループ番号1002は、それぞれの通信経路405で作成されるグループの数だけ登録される。
【0108】
通信経路(端末番号)1003は、該当通信経路405において該当グループ番号に含まれる、子局104の端末番号402を示している。
【0109】
図9の例において、通信経路a(端末番号)1003(A)には、グループが1つ存在し、端末番号402「xx3」、「xx4」、「xx5」、「xx6」がグループ1であることを示している。また、通信経路b(端末番号)1003(B)には2つのグループが存在し、端末番号402「xx3」、「xx7」がグループ1、端末番号402「xx9」、「xx10」がグループ2であることを示している。
【0110】
図11は停電動作情報を受信した、切替子局103の動作を示すフローチャートの一例である。
【0111】
ステップ1101は、切替子局103が、親局101から停電動作情報を受信した状態であり、ステップ1102に移る。
【0112】
ステップ1102からステップ1109は、停電動作情報に含まれる、グループ管理テーブル1001の情報を基に、全ての通信経路405に対し、ステップ1103からステップ1108の必要な処理を行うループ処理である。
【0113】
ステップ1103からステップ1105は、該当通信経路405内に含まれる全てのグループに対し、ステップ1104の処理を行うループ処理である。
【0114】
ステップ1104は、指定の子局104に、監視情報収集対象の端末番号402等を含む、グループ単位での監視情報の要求指令を行う。グループ単位での監視情報の要求指令の送信先である指定の子局104は、該当グループに含まれ、切替子局103に最も近いノード順の子局104が良い。指令の詳細については図11で示す。
【0115】
ステップ1106からステップ1108は、停電動作情報に含まれる、グループ管理テーブル1001の情報と、通信経路管理テーブル401を基に、グループに含まれていない全ての子局104にステップ1106の処理を行うループ処理である。
【0116】
ステップ1107は、ポーリング通信によって、指定の子局104に、監視情報の要求の指令を行う。
【0117】
ステップ1110は、親局101から、通常動作情報を受信した場合、ステップ1111に移り、通常動作情報を受信していない場合、再びステップ1102の処理を繰り返し行う判断処理である。ステップ1110は、ステップ1109の次の処理としているが、通常動作情報を受信した直後にステップ1111に移ってもよい。
【0118】
ステップ1111は、全ての子局104が、主電源部201による電圧供給で動作しており、切替子局103も通常時の情報収集を行う状態である。
【0119】
図12は切替子局による指令動作について示すフローチャートの一例である。
【0120】
ステップ1201は、例えば、グループポーリング指令や、通常ポーリング指令等の指令を開始する状態であり、ステップ1202に移る。
【0121】
ステップ1202は、タイムアウト時間の設定を行い、ステップ1203に移る。タイムアウト時間は、予め決められた時間を使用するか、例えば、収集する子局104の台数のx倍秒や、通信する子局104までのホップ数のy倍秒等と設定してもよい。
【0122】
ステップ1203は、指定アドレスに情報を送信し、ステップ1204に移る。指定アドレスとは、情報を送る宛先であり、切替子局103や子局104等である。
【0123】
ステップ1204は、情報の送信回数をカウントし、ステップ1205に移る。
【0124】
ステップ1205は、指定アドレスから、情報送信に対する返信があった場合、ステップ1206に移り、返信がない場合は、ステップ1207に移る判断処理である。
【0125】
ステップ1206は、返信された情報の記録を行い、ステップ1210に移る。
【0126】
ステップ1207は、ステップ1202により設定された時間が、経過していた場合、ステップ1208に移り、経過していない場合、再びステップ1205の処理を繰り返し行う判断処理である。
【0127】
ステップ1208は、ステップ1204でカウントした回数が、指定回数のより多い場合、ステップ1209の処理に移り、指定回数以下の場合は、再びステップ1203から処理を繰り返し行う判断処理である。指定回数については、予め回数を設定しておくか、タイムアウト時間等によって回数決めてもよい。
【0128】
ステップ1209は、ステップ1204が成功しなかったことを記録し、ステップ1210に移る。必要に応じて、指令送信のエラー情報を画面表示する等の機能を追加し、システムの使用者、管理者に通知してもよい。
【0129】
ステップ1210は、指令の送信が成功、失敗のどちらかで完了した状態である。
【0130】
図13はグループポーリング指令を受信した、子局104の動作を示すフローチャートの一例である。
【0131】
ステップ1301は、グループポーリング指令を受信した状態であり、ステップ1302に移る。
【0132】
ステップ1302からステップ1304は、グループポーリング指令に含まれる、端末番号402等の情報を基に、指定された全ての子局104に、ステップ1303の処理を行う。
【0133】
ステップ1303は、指定された子局104に、ポーリング通信により監視情報の要求指令を行う。
【0134】
グループポーリング指令を受信した子局104は、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行う。
【0135】
ステップ1305は、指定された子局104の台数分の、監視情報や取得エラー情報等を、切替子局103に纏めて送信し、ステップ1306に移る。
【0136】
ステップ1306は、グループポーリング指令を受信した、子局104の動作が全て終了した状態である。
【0137】
図14は実施例1における、停電時の切替子局103による情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。図11の構成例では切替子局103から子局104(A)から子局104(I)まで順番にマルチホップ通信を行い、子局104(B)と、子局104(F)が商用電源の停電や主電源回路の故障等により、ステップ607の処理を行い省電力動作状態であることを示しており、切替子局103がステップ901の処理(グループ管理テーブルの作成)に移った状態である。グループの設定は、グループ外が子局104(A)、グループ1が子局104(C)、子局104(D)、子局104(E)、グループ2が子局104(G)、子局104(H)、子局104(I)である。
【0138】
先ず、切替子局103は、子局104(G)に対して子局(A)から(F)を経由(マルチホップ通信)して、ステップ1103(A)の処理(グループポーリング指令)を行う。この時、子局104(G)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数等を基に、ステップ1202の処理(タイムアウト時間の設定)を行い、タイムアウト時間a1401(A)を設定するとよい。子局104(G)はステップ1301の処理に移り、子局104(I)にステップ1303(A)の処理、子局104(H)にステップ1303(B)の処理を行い、ステップ1103(A)のグループポーリング指令を受信した子局104(G)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1305(A)の処理(収集情報送信)を、子局(F)から(A)を経由(マルチホップ通信)して行う。切替子局103は、ステップ1305(A)の処理により、返信情報を受信すると、ステップ1206の処理によって返信情報の記録を行い、ステップ1103(A)の処理が終了となる。
【0139】
ステップ1303(A)の処理や、ステップ1303(B)の処理を行う際に、ステップ1303の処理を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1102の処理を行い、タイムアウト時間b1401(B)と、タイムアウト時間c1401(C)を設定するとよい。
【0140】
次に、切替子局103は、子局104(C)に、ステップ1103(B)の処理を行う。この時、子局104(C)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間d1401(D)を設定するとよい。子局104(C)はステップ1301の処理に移り、子局104(E)にステップ1303(C)の処理、子局104(D)にステップ1303(D)の処理を行い、ステップ1103(A)を受信した子局104(C)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1305(B)の処理を行う。切替子局103は、ステップ1305(B)の処理により、返信情報を受信すると、ステップ1206の処理によって返信情報の記録を行い、ステップ1103(B)の処理が終了となる。
【0141】
ステップ1303(C)の処理や、ステップ1303(D)の処理を行う際に、ステップ1303の処理を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間e1401(E)と、タイムアウト時間f1401(F)を設定するとよい。
【0142】
最後に、切替子局103は、グループ外の子局104(A)に、ステップ1106の処理を行う。この時、子局104(A)までのホップ数等を基に、タイムアウト時間の設定1102を行い、タイムアウト時間g1401(G)を設定するとよい。
【0143】
切替子局103は以上の動作を、通常動作情報を受信するまで繰り返し行う。
【0144】
尚、ステップ1103(A)の処理、ステップ1103(B)の処理、ステップ1106の処理を行う順番と、ステップ1303(A)の処理、ステップ1303(B)の処理を行う順番と、ステップ1303(C)の処理、ステップ1303(D)の処理を行う順番は任意でよい。
【0145】
実施例1による監視情報収集のメリットは3つある。1つ目は予備電源動作子局104(104(B)、(F))の、通信回数を抑えられ、その結果、予備電源の消費を抑え、予備電源動作する子局104が長時間の通信を維持できることにある。
【0146】
図11の切替子局103と、子局104(A)から子局104(I)の構成例で、切替子局103が、通常のポーリング指令によって、全ての子局104から、監視情報の収集を行う場合と、本実施形態によって、監視情報の収集を行う場合で、予備電源による動作を行っている子局104(B)と子局104(F)の通信回数の差を以下で説明する。尚、予備電源による動作を行っている子局104(B)と子局104(F)は監視情報等の情報収集は行わず、マルチホップ通信のための中継器としてのみ動作し、その他の子局104は、監視情報の取得を行うものとする。また、マルチホップ通信の中継を行う際には、受信1回と送信1回が行われるものとする。
【0147】
通常のポーリング指令によって、全ての子局104から監視情報等の収集を行う場合、子局104(F)の送受信回数は、12回であり、子局104(B)の送受信回数は24回である。通常のポーリング指令における、省電力動作状態の子局104の送受信回数は、自局よりノード順が後の子局104の数の分だけ中継することになるので、自局よりノード順が後の子局104の数を4倍すれば求めることができる。
【0148】
本実施形態によって、全ての子局104から監視情報等の収集を行う場合、子局104(F)の送受信回数は4回で、子局104(B)の送受信回数は8回となる。本発明の実施例1における、省電力動作状態の子局104の送受信回数は、切替子局103から、最もノード順が遠い、省電力動作状態の子局104の、通信回数が4回になり、省電力動作状態の子局104が、切替子局103にノード順が近くなるにつれ、通信回数を4回ずつ増加させていくことで、求めることができる。
【0149】
結果として、通常のポーリング指令によって、全ての子局104から監視情報の収集を行う場合に比べ、本発明の実施例1では、子局104(F)で8回、子局104(B)で16回の通信回数を抑えることができる。
【0150】
上記の例以外でも、予備電源による動作を行っている子局104より、通信順番が後で、監視情報の収集を行う子局104が2台以上あれば、通信回数を減らすことができる。
【0151】
通信回数を減らすことによる、効果について説明する。特小無線による通信を行う場合、その消費電流は、大凡、待機電流に約20マイクロアンペア、送信電流に約20ミリアンペア、受信電流に約30ミリアンペア程度であり、送受信を行う際には、待機電流の約1000倍の消費電流を使用している。
【0152】
そのため、送受信回数を抑えることにより、消費電流が少なくなり、長時間の通信状態の維持が可能となる。
【0153】
グループ内の監視情報等の収集を行う子局104の数が多いほど、通信回数を抑えることが可能となるが、子局104の数が多くなると、タイムアウト時間1101が長くなり、途中で送受信が失敗すると、再度、情報の収集指令を行うまで時間がかかってしまう。また、割込みで制御指令を与える際には、輻輳を避けるため、タイムアウト時間まで待機する必要があり、待機時間増加につながる。そのため、ステップ807の処理によって、グループ内の子局104の台数を指定台数以下に設定し、待機時間の増加を防ぐ必要がある。
【0154】
また、2つ目のメリットとして、本実施形態では、通常のポーリング指令によって、全ての子局104から監視情報等の収集を行う場合の1周期の時間を、変更せずに実現が可能なことである。これは、送受信の間隔やタイミングは変更していないことと、全体のホップ数を、通常のポーリング指令以下に出来るためである。図14のステップ1303(A)の処理の例では、子局(G)と子局(I)が通信を行っており、子局(H)をホップして通信を行っている。一方、通常のポーリング指令時は、切替子局103と子局(I)が通信を行うため、子局(A)から子局(H)までホップする必要があり、実施例1に比べ、ホップ数が多いことが分かる。グループで収集を行う子局104は、通常のポーリング指令による収集より、ホップ数が抑えられる。
【0155】
最後に、3つ目のメリットとして、ネットワークに余分な負荷をかけないことである。本実施形態で、切替子局103と子局104の間の、監視情報の要求や返信以外の通信は、予備電源出力に切替えた時に送信する停電動作情報と、主電源出力に切替えた時に送信する通常動作情報のみであり、どちらも、電源切替時のみ送信されるため、周期的な通信等によるネットワークへの余分な負荷を与えない。
【実施例2】
【0156】
次に第二の実施形態(以下、実施例2)について図を参照して、説明する。
【0157】
実施例2について、実施例1と異なる点は、グループを入子式に設定し、グループポーリングを実施することにあり、システムの構成などは実施例1と同様である。
【0158】
図15は実施例2におけるステップ702について示すフローチャートの一例である。
【0159】
実施例1と異なる点のみ説明する。
【0160】
ステップ1501からステップ1509は、通信経路管理テーブル401に登録されている全ての通信経路405に対し、ステップ805からステップ1508の必要な処理を行うループ処理である。
【0161】
ステップ1502は、変数nに該当通信経路405のグループ数を代入し、ステップ1503に移る。変数名は任意でよい。
【0162】
ステップ1503は、nマイナス1の結果が1以上である場合、ステップ1502に移り、1より小さい場合、ステップ1507に移る。
【0163】
ステップ1504は、該当通信経路405の変数n番目のグループに含まれる子局104の数と、変数nマイナス1のグループに含まれる子局104の数が、指定個数以下である場合、ステップ1505に移り、指定個数以上であれば、ステップ1506に移る判断処理である。指定個数は予め設定しておく必要がある。
【0164】
ステップ1505は、変数nマイナス1番目のグループに、変数n番目のグループを含める処理を行い、一時的に統合したグループを記憶し、ステップ1506に移る。処理の結果作成されるグループ管理テーブルについて、図16に示す。
【0165】
ステップ1506は、変数nの値に、nマイナス1の値を代入し、再びステップ1503の処理に移る。
【0166】
ステップ1507は、ステップ1504の処理を実施した場合、ステップ1508に移り、実施していない場合はステップ1509に移る。
【0167】
ステップ1508は、ステップ1505で、一時的に記憶しているグループの再設定を行い、グループ管理テーブル1001の更新を行う。再設定の方法は、グループ名を、切替子局103に近いノードのグループ順に、グループ1、グループ2、グループ3、とする。その後、グループ管理テーブル1001を、再設定したグループ名で更新し、ステップ1509に移る。
【0168】
図16は、実施例2における、ステップ803で作成されるグループ管理テーブル1001の一例である。
【0169】
実施例1と異なる点のみ説明する。ステップ803によって、通信経路b1601は、グループ1に端末番号402「xx3」、「xx7」、グループ2に端末番号402「xx9」、「xx10」と設定されるが、その後、ステップ1505によって、グループ2をグループ1に含めるため、グループ1が、端末番号402「xx3」、「xx7」、グループ[「xx9」「x10」]として設定された、グループ管理テーブル1001が作成される。
【0170】
図17に、実施例2の方式で、グループポーリング指令を受信した子局104の動作を示すフローチャートの一例を示す。
【0171】
ここでは、実施例1と異なる点のみ説明する。
【0172】
ステップ1701からステップ1704は、指定された全ての子局104とグループに、ステップ1702からステップ1703の必要な処理を行うループ処理である。
【0173】
ステップ1702は、グループ管理テーブル1001に含まれる監視情報の収集対象が、グループである場合、ステップ1703に移り、監視情報の収集対象が、子局104である場合、ステップ1303に移る判断処理である。
【0174】
ステップ1703は、グループ情報と、子局104が保持する通信経路管理テーブル401を基に、指定の子局104に、グループ単位での監視情報の要求指令を行う。
【0175】
ステップ1705では、グループポーリング指令の送信元に、収集した監視情報を纏めて送信する。
【0176】
図18は実施例2における、停電時の切替子局103による情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。図18の構成例では、図14と同様に、切替子局103から子局104(A)から子局104(I)まで順番にマルチホップ通信を行い、子局104(B)と、子局104(F)が商用電源の停電や、子局104の主電源回路の異常により、ステップ607の処理を行い、省電力動作状態であることを示しており、切替子局103がステップ901の処理に移った状態である。グループの設定は、グループ外が子局104(A)、グループ1が子局104(C)、子局104(D)、子局104(E)と、グループ[子局104(G)、子局104(H)、子局104(I)]である。
【0177】
先ず、切替子局103は、子局104(G)に、ステップ1103(C)の処理を行う。ステップ1103(C)の処理は、子局104(C)に、子局104(G)、子局104(H)、子局104(I)を含むグループ、子局104(C)、子局104(D)、子局104(E)の監視情報の収集要求を行う。
【0178】
この時、子局104(C)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間h1401(H)を設定するとよい。
【0179】
子局104(C)は、子局104(G)にステップ1703の処理を行う。この時、子局104(G)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間i1401(I)を設定するとよい。
【0180】
子局104(C)からグループポーリング指令を受信した、子局104(G)は、子局104(I)にステップ1303(A)の処理、子局104(H)にステップ1303(B)の処理、ステップ1703を受信した子局104(G)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1705(A)の処理を行う。通常ポーリング指令1103(A)や、通常ポーリング指令1103(B)を行う際に、通常ポーリング指令1103を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間b1401(B)と、タイムアウト時間c1401(C)を設定するとよい。
【0181】
ステップ1702の処理を終えた子局104(C)は、子局104(E)にステップ1203(C)の処理、子局104(D)にステップ1303(D)の処理を行い、ステップ1103(C)を受信した子局104(G)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1703(B)の処理を行う。
【0182】
ステップ1303(C)の処理と、ステップ1303(D)の処理を行う際に、ステップ1303を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1102の処理を行い、タイムアウト時間e1401(E)、タイムアウト時間f1401(F)を設定するとよい。
【0183】
最後に、切替子局103は、グループ外の子局104(A)に、ステップ1106の処理を行う。この時、子局104(A)までのホップ数等を基に、タイムアウト時間の設定1202を行い、タイムアウト時間g1401(G)を設定するとよい。
【0184】
切替子局103は以上の動作を、通常動作情報を受信するまで繰り返し行う。
【0185】
尚、ステップ1103(C)の処理と、ステップ1106の処理を行う順番と、ステップ1703の処理と、ステップ1303(C)の処理と、ステップ1303(D)の処理を行う順番と、ステップ1303(C)の処理と、ステップ1303(D)の処理を行う順番は任意でよい。
【0186】
実施例2のメリットは、複数のグループがある場合、予備電源動作の子局104の通信回数を、実施例1以下に出来ることである。
【0187】
また入子式で、全てのグループを1つにまとめた場合、全ての予備電源動作の子局104の送受信回数を等しくすることが出来るため、予備電源の使用量を、ほぼ一定にすることが出来る。ただし、グループをまとめることにより、切替子局103のタイムアウト時間1401が、実施例1と比べ、長くなり、割込みで制御指令を与える際に、待機時間が増えてしまうことや、指令を再送するまでに時間がかかる等の問題がある。そのため、ステップ1504の判断処理によって、グループ内の子局104の台数が指定台数以上にならないように設定し、待機時間の増加を防ぐ必要がある。
【0188】
また実施例2のメリットにおいて、実施例1と同様、通常時のポーリング方式による監視情報の収集と比べ、収集周期の時間を変更せずに実現が可能であり、ネットワークに余分な負荷をかけないということが言える。
【符号の説明】
【0189】
101 親局
102 通信線
103 切替子局
104 子局
105 電線
106 電柱
107 監視制御端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信によりデータを収集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信により広域監視制御を行なうシステムは多数知られており、その無線通信の技術の一つにマルチホップ通信という無線通信の技術がある
マルチホップ通信は、いわゆるバケツリレー方式であり、複数の無線端末を中継器として利用し、目的の端末とデータのやり取りを行うものである。ここで、直線形やツリー形のようなトポロジー、すなわち、個々の無線端末が1対1で通信する経路を有するトポロジーでマルチホップ通信を行う場合、通信経路に冗長性が無いため、途中の無線端末が通信不能になると、それ以降の無線端末とのデータのやりとりも不能となる。このようなトポロジーのマルチホップ通信では、停電や電源異常による通信不能を避けるために、各無線端末が予備電源を備え、主電源電圧低下時には、予備電源から電源を供給することにより通信を継続する技術が知られている。
【0003】
しかし、停電や電源異常による通信不能状態は、復旧するまでの時間が不定であるため、様々な種類の停電や電源異常に対応するためには大容量のバッテリーが要求される。しかし、広域監視制御システムでは、その監視領域内に多数の監視制御端末が必要になるため、それら全ての監視制御端末に高価な大容量のバッテリ等を搭載させることは、設備投資の観点で課題が生じる。
【0004】
そのため、通信方法や情報収集の方法を変える事により、より少ない容量のバッテリーでも長時間の通信状態が維持できるやり方が望まれている。このような、少ない容量のバッテリーでも長時間の通信状態が維持させる技術として特許文献1がある。この文献では、無線端末が送受信できるアクティブ時間が設定されており、無線端末への電力供給状況に応じて、この電力消費量の多いアクティブ時間を変更する技術が開示されている。より具体的には、無線端末が系統から受電する主電源に異常が生じ予備電源(バッテリー)に切替えた際に、アクティブ時間を最短に切替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−158418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記、特許文献1のようにアクティブ時間を変更すると、その無線端末の主目的である監視情報の収集の周期が遅延してしまうという課題が生じる。
【0007】
そこで本発明の目的は、電源異常時であっても監視情報の収集周期を変更せずに、通信の省電力化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、端末の主電源電圧低下による予備電源動作への切替えを検知する工程と、予備電源切替動作を通知する工程と、切替えを行った端末の端末情報を、通信経路毎にノード順で管理する通信経路管理テーブルから抽出し、監視情報取得範囲設定を行う工程と、監視情報収集範囲設定から、収集範囲にある端末の監視情報を纏めて収集する工程と、を備える。
【0009】
監視情報収集範囲設定は、予備電源切替動作の通知を行った端末間、あるいは、予備電源切替動作の通知を行った前記端末と末端のノードまでの間の端末を情報収集範囲の設定としてもよい。このとき、収集範囲の前記端末数が一定値を超えていた場合、収集範囲にある前記端末数を平均的に複数に分割し、収集範囲を再設定してもよい。
【0010】
途中のノードで通信経路が分岐していた場合、それぞれの通信経路において収集範囲を設定してもよい。
【0011】
通信経路管理テーブルは、通信経路毎に、マルチホップ通信でのホップ順を示すノード順と、情報の宛先を表すアドレスと、製造年、製造メーカ、シリアルナンバーを判別する端末番号で構成してもよい。
【0012】
監視情報収集範囲設定によって決まる収集範囲の子局台数を基に、監視情報収集要求に対する、返信のタイムアウト時間を算出し、算出したタイムアウト時間を基に情報収集要求を行ってもよい。
【0013】
また、監視情報収集範囲設定は、予備電源切替動作の通知を行った端末間、あるいは、予備電源切替動作の通知を行った端末と末端のノードまでの間の端末を情報収集範囲の設定とし、更にノード順が遠い情報収集範囲を、ノード順が近い情報収集範囲に含めてもよい。
【0014】
このとき、収集範囲の前記端末数が一定値を超えないように、ノード順が遠い情報収集範囲を、ノード順が近い情報収集範囲に含めるか決定してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明では予備電源動作の子局において、通信回数を少なくすることで、通信の省電力化が実現できる。これにより少ない容量のバッテリーであっても長時間の通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】システムの全体構成例を示す図である。
【図2】子局の機能ブロック図の一例である。
【図3】切替子局の機能ブロック図の一例である。
【図4(a)】通信経路管理テーブルの一例である。
【図4(b)】通信経路の模式的に表現した図である。
【図5】システム全体のフローチャートの一例である。
【図6】停電検知(主電源異常検知)子局のフローチャートの一例である。
【図7】停電情報(主電源異常情報)を受信した親局のフローチャートの一例である。
【図8】情報収集グループ設定ついて示すフローチャートの一例である。
【図9】グループ管理テーブルの作成の一例である。
【図10】グループ管理テーブルの一例である。
【図11】停電動作情報を受信した切替子局の動作を示すフローチャートの一例である。
【図12】指令動作について示すフローチャートの一例である。
【図13】グループポーリング指令を受信した子局の動作を示すフローチャートの一例である。
【図14】実施例1における、情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。
【図15】実施例2における、グループ管理テーブルの作成の一例である。
【図16】実施例2における、グループ管理テーブルの一例である。
【図17】実施例2における、グループポーリング指令を受信した子局の動作を示すフローチャートの一例である。
【図18】実施例2における、情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1ついて、図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態では、広域監視制御システムの中でも、無線通信による監視制御を行い、無線通信ネットワークのトポロジーは直線形やツリー形で、マルチホッ プ通信によって、複数の端末と通信を行う。
【0019】
図1は、本実施形態のシステムの全体構成例を示す図である。本システムは、親局101と切替子局103と複数の子局104によって構成され、通常時はポーリング方式により、切替子局103が、これら子局104から監視情報を収集し、親局101は、子局104と切替子局103の監視情報を、切替子局103から収集するシステムである。また親局101は、切替子局103を通して、子局104の制御を行う。
【0020】
親局101は、通信線102を通し、切替子局103と通信を行い、監視情報の収集や切替子局又は子局の制御指示を行う。
【0021】
通信線102は、メタル線や光ケーブル等で構成される。
【0022】
親局101と、切替子局103の間に、通信線102によって通信を行う端末があってもよい。
【0023】
切替子局103は、親局101の指令により、電線105等の電圧監視情報の送信や、電柱に設置された開閉器の制御等を行う。また親局101と、通信線102によって通信し、子局104と、無線によって通信を行うことができ、親局101から、子局104へ指令の伝達、子局104から、親局101への情報の中継等を行う。また、子局104の監視情報等を収集し、保持しておくことができ、親局101から、子局104の監視情報の送信要求があった場合、切替子局103が、保持する子局104の監視情報を返信することができる。切替子局103は、親局101に含まれる構成であってもよい。
【0024】
子局104は、親局101や、切替子局103の指令により、電線105等の電圧監視情報の送信や、電柱に設置された開閉器の制御等を行う。子局104は、監視制御を行わず、マルチホップ通信の中継器となるように構成されていてもよい。
【0025】
切替子局103や子局104は、電線105等を支持する電柱106等に取り付けられる。設置間隔は、隣接する切替子局103や、子局104が無線通信を行える距離にする必要がある。ここで、より少ない子局でより広い領域を監視するためには、通信距離の限界距離付近に隣接する子局を設置することが望ましい。
【0026】
監視制御端末107は、電圧を計測するセンサや、開閉器等であり、切替子局103や、子局104と通信が可能であり、切替子局103や、子局104から信号を受信することにより、計測値や制御結果の返信を行うことができる。
【0027】
図2は子局104の一構成例である。子局104は主電源部201と、予備電源部202と、電源切替部203と、コントローラ部204と、情報記憶部205と、無線通信部206と、監視制御部207によって構成される。
【0028】
主電源部201は、商用電源等(系統電源)から電力を供給する場合には、交流から直流に変換する変換器や、電圧を変換する変圧器等で構成することができる。
【0029】
予備電源部202は、バッテリや電気二重層コンデンサ等で構成することができ、商用電源の停電や、主電源回路の異常により、主電源201の出力が低下した、あるいは出力が無くなった場合に、予備的に用いられる充電可能な電源である。
【0030】
電源切替部203は、充電IC等で構成することができ、主電源の出力電圧がある場合には端末に電力を供給するように電力供給の流れを制御する。また、主電源部201の出力が閾値未満の時は、予備電源部202からの出力に切替えを行う。なお、主電源の出力電圧がある場合には、端末への電力供給のみならず、予備電源部202へも電力が供給されるように制御することで予備電源の充電を行う。
【0031】
コントローラ部204は、中央処理装置や、一時的な記憶を行うメモリ等で構成することができ、情報記憶部205に備えるプログラムの実行や、監視制御部207の監視制御、電源切替部203による電源の切替え監視等を実行するものである。
【0032】
情報記憶部205は長期的な記憶を行うメモリ等から構成され、プログラムや監視情報の記憶等を行うものである。
【0033】
無線通信部206は、モデム、発信器、及びアンテナ等から構成することができ、コントローラ部204で生成された信号を電波により発信したり、受信した信号をコントローラ部204に受け渡したりするものである。
【0034】
監視制御部207は、コントローラ部204からの指令に従い、監視制御端末106と通信を行うものである。
【0035】
ここで、監視制御端末107との接続は必須ではなく、この子局が隣接する子局の中継器としてのみ動作する場合は、監視制御部207は不要である。
【0036】
図3は切替子局103の構成例である。切替子局103は、子局104と同様の機能を具備し、更に有線通信部301によって構成される。
【0037】
コントローラ部204は、子局104と同様の構成で、更に有線通信部302の信号の送受信を行える。
【0038】
ここで、監視制御端末107との接続は必須ではなく、親局と、この切替子局が接する子局とを結ぶ中継器としてのみ動作する場合は、監視制御部207は不要である。
【0039】
有線通信部301は、モデム、発信器等から構成することができ、コントローラ部204で生成された信号を、通信線102を通し、発信したり、受信した信号をコントローラ部204に受け渡したりするものである。
【0040】
図4(a)は、通信経路管理テーブル401の一例であり、端末番号402の項目と、監視制御管理403の項目と、アドレス404の項目と、通信経路405の項目で構成される。また通信経路管理テーブル401は、予め全ての項目が設定されている必要があり、親局101、切替子局103、子局104が保持している。
【0041】
端末番号402は子局104や、切替子局103の製造年、製造メーカ、シリアルナンバーを判別する番号や文字列などである。
【0042】
監視制御管理403は、端末番号402に該当する子局104が、監視を行う端末なのか、制御を行う端末なのか、中継器なのか判別する番号や文字列である。例えば、電流の監視等、監視対象や制御対象等の詳細を示してもよい。
【0043】
アドレス404はいわゆる、ネットワーク上の宛先であり、IPアドレス等である。
【0044】
通信経路405の値は、切替子局103からのノード順を示したものである。行406の例で示すと、端末番号402「xx4」は、通信経路a405(A)において、切替子局103から4番目のノードであることを示す。空白部分は、通信経路に該当端末が含まれていないことを示している。また通信経路405数は、切替子局103から、通信経路が分岐する数だけ存在する。
【0045】
図4(b)は、図4(a)の例を模式的に表現したものである。通信経路a405(A)では、端末番号402「xx1」、「xx2」、「xx3」、「xx4」、「xx5」、「xx6」の順番で、マルチホップ通信することを示しており、端末番号402「xx7」、「xx8」、「xx9」、「x10」は通信経路a405(A)に含まれない。通信経路b405(B)では端末番号402「xx1」、「xx2」、「xx3」、「xx7」、「xx8」、「xx9」、「x10」の順番で、マルチホップ通信することを示しており、端末番号402「xx3」、「xx4」、「xx5」は通信経路b405(B)に含まれていない。また端末番号402「xx3」の次のノードが、通信経路a405(A)は端末番号402「xx4」、通信経路b405(B)は端末番号402「xx7」と異なっており、端末番号402「xx3」で通信経路が分岐していることを示している。
【0046】
通信経路管理テーブル401の更新を行う際には、例えば、親局101からブロードキャスト等により、切替子局103と、子局104に保持する通信経路管理テーブル401を更新する。
【0047】
図5は、本実施例におけるシステム全体のフローチャートである。親局101、切替子局103、子局104の動作の詳細については後述する。
【0048】
ステップ501は、商用電源の停電や、子局104の主電源回路の異常が発生した状態である。
【0049】
ステップ502は、停電や主電源回路の異常を検知した子局104が、電源を主電源出力から予備電源出力に変更し、切替子局103を通して、親局101に、停電情報を送信する。親局101が停電情報を受信すると、親局は切替子局103と、全ての子局104の監視情報収集を停止させ、ステップ503に移る。
【0050】
ステップ503は、親局101が、受信した停電情報を基に、情報収集する単位であるグループの設定を行い、切替子局103に、グループ設定情報と、情報収集方式の切替を含む停電動作情報を送信する。切替子局103が、停電動作情報を受信すると、ステップ504に移る。
【0051】
ステップ504は、切替子局103が、停電動作情報を基に、グループ外の子局104と、グループに含まれ、そのグループの纏め役となる特定の子局(指定子局)とにグループ内の全子局104の監視情報要求を行い、ステップ505に移る。ここで指定子局は、停電している子局よりも1ホップだけ親局から見て先の子局であることが、マルチホップ通信の通信回数の観点からして好適である。ただし本発明はそれに限定されるものではなく、グループ内の子局であれば、指定子局になり得る。
【0052】
ステップ505は、子局104が、主電源出力への切替えを検知した場合、ステップ506に移り、検知していない場合、ステップ505の処理を繰り返す判断処理である。
【0053】
ステップ506は、主電源出力への切替えを検知した子局104が、切替子局103を通して、親局101に停電復旧情報を送信する。親局101が、停電復旧情報を受信するとステップ507に移る。
【0054】
ステップ507は、親局101が、停電情報を送信した全ての子局104から、停電復旧情報を受信した場合、ステップ508に移り、全ての子局104から、停電復旧情報を受信していない場合、グループの再設定が必要になるため、再びステップ503から処理を繰り返す判断処理である。
【0055】
ステップ508は、親局101が、切替子局103に通常動作情報を送信する。切替子局103が通常動作情報を受信するとステップ509に移る。
【0056】
ステップ509は、全ての子局104が、主電源出力による動作を行っており、親局101、切替子局103は通常通りの監視情報収集を行う。
【0057】
図6は商用電源の停電や、主電源回路の異常により主電源電圧の低下を検知した子局104の動作を示すフローチャートの一例である。
【0058】
ステップ601は、商用電源の停電や主電源回路の故障等により、子局104における、主電源部201の出力が、閾値未満になるのを電源切替部203の充電IC等により検知した後、ステップ602に移る。
【0059】
ステップ602は、子局104における、電源切替部203が、予備電源部202の出力に切替え、コントローラ部204に、予備電源切替え信号等を送信することで、コントローラ部204は予備電源への切替えを検知した後、ステップ603に移る。
【0060】
ステップ603は、予備電源動作中の子局104が、切替子局103を通し、親局101に、予備電源動作切替情報と、自局の端末番号402等を知らせる停電情報を送信し、ステップ604に移る。子局104の一瞬の電圧低下の検知を、停電情報として送信したくない場合は、ステップ602から、任意の時間が経った後に、予備電源による出力が継続していた場合のみ、停電情報を送信する等してもよい。これにより、瞬間的に電圧が低下したことを停電と誤認し、不要な解列を引き起こすことを回避することができる。
【0061】
切替子局103は、停電情報を子局104から受信した後、親局101に送信する。
【0062】
ステップ604は、ステップ603を実行した回数をカウントし、ステップ605に移る。
【0063】
ステップ605は、停電情報発呼に対し、一定時間待機後に返信があった場合、ステップ607に移り、返信がない場合は、ステップ606に移る判断処理である。
【0064】
ステップ606は、ステップ604のカウント数を基に、指定回数の停電情報発呼を行った場合、ステップ607に移り、指定回数に達していない場合は、再びステップ603から処理を繰り返す判断処理である。親局101からの返信があるまで、停電情報を発呼し続けると、予備電源の消費が多くなるので、予め指定回数を設定し、停電情報を指定回数発呼しても返信がない場合、強制的にステップ607に移るための処理である。
【0065】
ステップ607は、予備電源動作の子局104において、監視制御部207の監視を行わず、コントローラ部204のCPU等の消費電力を下げる等、予備電源部202の出力で長時間動作させるための状態に遷移し、ステップ608に移る。
【0066】
ステップ607を実行する子局104は、マルチホップ通信の中継器として動作する。ステップ606からステップ607に移る場合、親局101は、省電力動作状態であることを知らないため、監視情報の要求を行う場合があるが、省電力状態の子局104は、監視情報の返信を行わなくてよい。
【0067】
ステップ608は、省電力動作状態から、商用電源の停電や、主電源回路の異常により主電源電圧の低下から復旧したのを、電源切替部203の充電IC等が検知した場合、ステップ609に移り、商用電源の停電や、主電源部201の異常が続いている場合は、省電力動作状態を継続する判断処理である。
【0068】
ステップ609は、子局104における、電源切替部203が、主電源部201からの出力に切替え、コントローラ部204に主電源切替信号を送信し、コントローラ部204は主電源への切替えを検知した後、ステップ610に移る。
【0069】
ステップ610は、子局104が、切替子局103に、予備電源動作から主電源動作に切替えたことを知らせる停電復旧情報を送信した後、ステップ611に移る。切替子局103は、停電復旧情報を子局104から受信した後、親局101に送信する。
【0070】
ステップ611は、一定時間待機後、切替子局103を通し、親局101から停電復旧情報の返信があった場合は、ステップ612に移り、返信がない場合はステップ610から再び処理を繰り返す判断処理である。
【0071】
ステップ612は、通常時の監視制御や通信等の動作を行う状態であり、主電源部201からの出力があり、機能制限等を行っていない状態である。
【0072】
図7は、ステップ603の処理により、停電情報を受信した親局101の動作を示すフローチャートの一例である。
【0073】
ステップ701は、親局101が、切替子局103から、ステップ603の処理により、停電情報を受信した状態であり、ステップ702に移る。複数の子局104が停電状態になり、複数の停電情報を受信する可能性があるので、最初の停電情報を受信してから、任意の時間待機した後に、次のステップに移ってもよい。
【0074】
ステップ702は、親局101が予備電源により動作している子局101の通信回数を抑えるように、情報収集のグループ分けを行い、ステップ703に移る。処理の詳細は、図8のフローチャートで説明する。
【0075】
ステップ703は、親局101が、切替子局103に,後述するグループ管理テーブル1001と、情報収集方式の変更を含む停電動作情報を送信し、ステップ704に移る。
【0076】
ステップ704は、停電動作情報の送信に対して、一定時間待機後、切替子局103から返信があった場合、ステップ705に移り、返信がない場合は、再びステップ703から処理を繰り返す判断処理である。
【0077】
ステップ705は、停電復旧情報を受信した場合には、ステップ706に移り、受信していない場合には、受信するまでステップ705を繰り返す判断処理である。
【0078】
ステップ706は、全ての予備電源動作子局104から停電復旧情報を受信している場合には、ステップ707に移り、全ての予備電源動作子局104から停電復旧情報を受信していない場合は、情報収集のグループの再設定が必要となるため、再びステップ702から処理を繰り返す判断処理である。
【0079】
ステップ707は、切替子局103に停電時動作を中止させ、通常時の収集方式に切り替え、ステップ708に移る。
【0080】
ステップ708は、通常動作情報の送信に対して、返信があった場合、ステップ709に移り、返信がない場合は、再びステップ707から処理を繰り返す判断処理である。
【0081】
ステップ709は、全ての子局104と、切替子局103と、親局101が通常動作を行う状態である。
【0082】
図8はステップ702について示すフローチャートの一例である。
【0083】
ステップ801は、親局101が停電情報を受信し、ステップ802に移る。
【0084】
ステップ802は、親局101が停電情報を受信した全子局104について、通信経路管理テーブル401を基に、端末番号402、監視制御情報403、アドレス404、どの通信経路405に属し、ノード順が何番目であるかを抽出し、ステップ803に移る。抽出した情報は、ステップ803で使用される。また必要に応じて、システムの使用者や管理者に知らせてもよい。
【0085】
ステップ803は、ステップ802で抽出した停電中の子局104の、端末番号402と、監視制御情報403と、通信経路405情報を基に、グループ管理テーブル1001を作成し、ステップ804に移る。処理の詳細は、図9のフローチャートで説明する。
【0086】
ステップ804からステップ810は、テーブル401に登録されている全ての通信経路405に対し、ステップ805からステップ809の必要な処理を行うループ処理である。
【0087】
ステップ805からステップ808は、該当通信経路405に含まれる全てのグループに対し、ステップ806からステップ807の必要な処理を行うループ処理である。該当通信経路405にグループが存在しない場合、ステップ805からステップ808の処理を行わない。
【0088】
ステップ806は、グループ内の子局104の台数が、指定台数以上である場合、ステップ807に移り、指定台数より少ない場合、ステップ808に移る判断処理である。指定台数は、予め設定しておく必要がある。
【0089】
ステップ807は、グループ内の子局104の台数が指定台数以下になるように、グループを複数に分割し、分割したグループを一時的に記憶しておく。一時的に記憶されるグループは、端末番号402を保持している。グループ分割の方法は、例えば、最大剰余法によって、分割後の全てのグループの子局104数をほぼ等しく設定できる。最大剰余法による分割について、具体例を挙げて示す。グループ内の子局104の台数が14台、指定数が5台であった場合、まず、グループ内の子局104の台数の14を、指定数の5で割り、商の小数点を切り上げ、分割数が3と求められる。次にグループ内の子局104の台数の14を、分割数3で割り、商の整数4を分配する。最後に剰余2を1ずつ分配する。以上で、子局104の台数が5台、5台、4台の3グループに分割でき、一時的に3つの仮グループとして記憶しておく。
【0090】
ステップ809は、ステップ807の処理を実施した場合、ステップ810に移り、実施していない場合は、ステップ811に移る。
【0091】
ステップ810は、ステップ807で一時的に記憶したグループに、グループ名を付け、グループ管理テーブル1001の通信経路(端末番号)の更新を行う。グループ名のつけ方は、切替子局103に近い端末番号を含むグループ順に、グループ1、グループ2、グループ3、とする。
【0092】
ステップ812は、全ての通信経路405について、グループの設定を終えた状態である。
【0093】
図9はステップ803について示すフローチャートの一例である。
【0094】
ステップ901は、ステップ803を開始する状態であり、ステップ902に移る。
【0095】
ステップ902からステップ913は、通信経路管理テーブル401に登録されている全ての通信経路405に対し、ステップ903からステップ912の必要な処理を行うループ処理である。
【0096】
ステップ903は、変数nodeに1を代入する処理である。変数名は任意でよく、子局104のノード順の値を表す。
【0097】
ステップ904は、変数Grに0を代入する処理である。変数名は任意でよく、グループ順を表す。
【0098】
ステップ905からステップ912は、該当通信経路405内に含まれる全ての子局104に対し、ステップ906からステップ911の必要な処理を行うループ処理である。
【0099】
ステップ906は、通信経路管理テーブル401とステップ802の処理を基に、変数nodeの値と等しいノード順の子局104の端末番号402を調べ、予備電源動作子局104であった場合、ステップ911に移り、等しくなかった場合、ステップ907に移る。
【0100】
ステップ907は、通信経路管理テーブル401を基に、変数nodeの値と等しいノード順の子局104の監視制御情報403が、監視情報収集対象であった場合、ステップ908に移り、監視情報収集を行わない場合、ステップ910に移る。
【0101】
ステップ908は、変数Grの値が0である場合、ステップ912に移り、0でない場合、ステップ909に移る判断処理である。
【0102】
ステップ909は、該当通信経路405内で、変数nodeの値と等しいノード順である子局104を、変数Gr番目のグループに、端末番号402を記録し、ステップ911に移る。
【0103】
ステップ910は、変数Grの値に1加算する処理を行った後、ステップ911に移る。
【0104】
ステップ911は、変数nodeの値に1加算する処理を行う。
【0105】
ステップ914は、全ての通信経路405において、グループ設定が終わった状態であり、グループ設定を基に、作成されたグループ管理テーブル1001の詳細は、図10を参照して説明する。
【0106】
図10は、ステップ803で作成されるグループ管理テーブル1001の一例であり、グループ番号1002の項目と、通信経路(端末番号)1003の項目から構成されている。
【0107】
グループ番号1002は、それぞれの通信経路405で作成されるグループの数だけ登録される。
【0108】
通信経路(端末番号)1003は、該当通信経路405において該当グループ番号に含まれる、子局104の端末番号402を示している。
【0109】
図9の例において、通信経路a(端末番号)1003(A)には、グループが1つ存在し、端末番号402「xx3」、「xx4」、「xx5」、「xx6」がグループ1であることを示している。また、通信経路b(端末番号)1003(B)には2つのグループが存在し、端末番号402「xx3」、「xx7」がグループ1、端末番号402「xx9」、「xx10」がグループ2であることを示している。
【0110】
図11は停電動作情報を受信した、切替子局103の動作を示すフローチャートの一例である。
【0111】
ステップ1101は、切替子局103が、親局101から停電動作情報を受信した状態であり、ステップ1102に移る。
【0112】
ステップ1102からステップ1109は、停電動作情報に含まれる、グループ管理テーブル1001の情報を基に、全ての通信経路405に対し、ステップ1103からステップ1108の必要な処理を行うループ処理である。
【0113】
ステップ1103からステップ1105は、該当通信経路405内に含まれる全てのグループに対し、ステップ1104の処理を行うループ処理である。
【0114】
ステップ1104は、指定の子局104に、監視情報収集対象の端末番号402等を含む、グループ単位での監視情報の要求指令を行う。グループ単位での監視情報の要求指令の送信先である指定の子局104は、該当グループに含まれ、切替子局103に最も近いノード順の子局104が良い。指令の詳細については図11で示す。
【0115】
ステップ1106からステップ1108は、停電動作情報に含まれる、グループ管理テーブル1001の情報と、通信経路管理テーブル401を基に、グループに含まれていない全ての子局104にステップ1106の処理を行うループ処理である。
【0116】
ステップ1107は、ポーリング通信によって、指定の子局104に、監視情報の要求の指令を行う。
【0117】
ステップ1110は、親局101から、通常動作情報を受信した場合、ステップ1111に移り、通常動作情報を受信していない場合、再びステップ1102の処理を繰り返し行う判断処理である。ステップ1110は、ステップ1109の次の処理としているが、通常動作情報を受信した直後にステップ1111に移ってもよい。
【0118】
ステップ1111は、全ての子局104が、主電源部201による電圧供給で動作しており、切替子局103も通常時の情報収集を行う状態である。
【0119】
図12は切替子局による指令動作について示すフローチャートの一例である。
【0120】
ステップ1201は、例えば、グループポーリング指令や、通常ポーリング指令等の指令を開始する状態であり、ステップ1202に移る。
【0121】
ステップ1202は、タイムアウト時間の設定を行い、ステップ1203に移る。タイムアウト時間は、予め決められた時間を使用するか、例えば、収集する子局104の台数のx倍秒や、通信する子局104までのホップ数のy倍秒等と設定してもよい。
【0122】
ステップ1203は、指定アドレスに情報を送信し、ステップ1204に移る。指定アドレスとは、情報を送る宛先であり、切替子局103や子局104等である。
【0123】
ステップ1204は、情報の送信回数をカウントし、ステップ1205に移る。
【0124】
ステップ1205は、指定アドレスから、情報送信に対する返信があった場合、ステップ1206に移り、返信がない場合は、ステップ1207に移る判断処理である。
【0125】
ステップ1206は、返信された情報の記録を行い、ステップ1210に移る。
【0126】
ステップ1207は、ステップ1202により設定された時間が、経過していた場合、ステップ1208に移り、経過していない場合、再びステップ1205の処理を繰り返し行う判断処理である。
【0127】
ステップ1208は、ステップ1204でカウントした回数が、指定回数のより多い場合、ステップ1209の処理に移り、指定回数以下の場合は、再びステップ1203から処理を繰り返し行う判断処理である。指定回数については、予め回数を設定しておくか、タイムアウト時間等によって回数決めてもよい。
【0128】
ステップ1209は、ステップ1204が成功しなかったことを記録し、ステップ1210に移る。必要に応じて、指令送信のエラー情報を画面表示する等の機能を追加し、システムの使用者、管理者に通知してもよい。
【0129】
ステップ1210は、指令の送信が成功、失敗のどちらかで完了した状態である。
【0130】
図13はグループポーリング指令を受信した、子局104の動作を示すフローチャートの一例である。
【0131】
ステップ1301は、グループポーリング指令を受信した状態であり、ステップ1302に移る。
【0132】
ステップ1302からステップ1304は、グループポーリング指令に含まれる、端末番号402等の情報を基に、指定された全ての子局104に、ステップ1303の処理を行う。
【0133】
ステップ1303は、指定された子局104に、ポーリング通信により監視情報の要求指令を行う。
【0134】
グループポーリング指令を受信した子局104は、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行う。
【0135】
ステップ1305は、指定された子局104の台数分の、監視情報や取得エラー情報等を、切替子局103に纏めて送信し、ステップ1306に移る。
【0136】
ステップ1306は、グループポーリング指令を受信した、子局104の動作が全て終了した状態である。
【0137】
図14は実施例1における、停電時の切替子局103による情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。図11の構成例では切替子局103から子局104(A)から子局104(I)まで順番にマルチホップ通信を行い、子局104(B)と、子局104(F)が商用電源の停電や主電源回路の故障等により、ステップ607の処理を行い省電力動作状態であることを示しており、切替子局103がステップ901の処理(グループ管理テーブルの作成)に移った状態である。グループの設定は、グループ外が子局104(A)、グループ1が子局104(C)、子局104(D)、子局104(E)、グループ2が子局104(G)、子局104(H)、子局104(I)である。
【0138】
先ず、切替子局103は、子局104(G)に対して子局(A)から(F)を経由(マルチホップ通信)して、ステップ1103(A)の処理(グループポーリング指令)を行う。この時、子局104(G)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数等を基に、ステップ1202の処理(タイムアウト時間の設定)を行い、タイムアウト時間a1401(A)を設定するとよい。子局104(G)はステップ1301の処理に移り、子局104(I)にステップ1303(A)の処理、子局104(H)にステップ1303(B)の処理を行い、ステップ1103(A)のグループポーリング指令を受信した子局104(G)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1305(A)の処理(収集情報送信)を、子局(F)から(A)を経由(マルチホップ通信)して行う。切替子局103は、ステップ1305(A)の処理により、返信情報を受信すると、ステップ1206の処理によって返信情報の記録を行い、ステップ1103(A)の処理が終了となる。
【0139】
ステップ1303(A)の処理や、ステップ1303(B)の処理を行う際に、ステップ1303の処理を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1102の処理を行い、タイムアウト時間b1401(B)と、タイムアウト時間c1401(C)を設定するとよい。
【0140】
次に、切替子局103は、子局104(C)に、ステップ1103(B)の処理を行う。この時、子局104(C)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間d1401(D)を設定するとよい。子局104(C)はステップ1301の処理に移り、子局104(E)にステップ1303(C)の処理、子局104(D)にステップ1303(D)の処理を行い、ステップ1103(A)を受信した子局104(C)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1305(B)の処理を行う。切替子局103は、ステップ1305(B)の処理により、返信情報を受信すると、ステップ1206の処理によって返信情報の記録を行い、ステップ1103(B)の処理が終了となる。
【0141】
ステップ1303(C)の処理や、ステップ1303(D)の処理を行う際に、ステップ1303の処理を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間e1401(E)と、タイムアウト時間f1401(F)を設定するとよい。
【0142】
最後に、切替子局103は、グループ外の子局104(A)に、ステップ1106の処理を行う。この時、子局104(A)までのホップ数等を基に、タイムアウト時間の設定1102を行い、タイムアウト時間g1401(G)を設定するとよい。
【0143】
切替子局103は以上の動作を、通常動作情報を受信するまで繰り返し行う。
【0144】
尚、ステップ1103(A)の処理、ステップ1103(B)の処理、ステップ1106の処理を行う順番と、ステップ1303(A)の処理、ステップ1303(B)の処理を行う順番と、ステップ1303(C)の処理、ステップ1303(D)の処理を行う順番は任意でよい。
【0145】
実施例1による監視情報収集のメリットは3つある。1つ目は予備電源動作子局104(104(B)、(F))の、通信回数を抑えられ、その結果、予備電源の消費を抑え、予備電源動作する子局104が長時間の通信を維持できることにある。
【0146】
図11の切替子局103と、子局104(A)から子局104(I)の構成例で、切替子局103が、通常のポーリング指令によって、全ての子局104から、監視情報の収集を行う場合と、本実施形態によって、監視情報の収集を行う場合で、予備電源による動作を行っている子局104(B)と子局104(F)の通信回数の差を以下で説明する。尚、予備電源による動作を行っている子局104(B)と子局104(F)は監視情報等の情報収集は行わず、マルチホップ通信のための中継器としてのみ動作し、その他の子局104は、監視情報の取得を行うものとする。また、マルチホップ通信の中継を行う際には、受信1回と送信1回が行われるものとする。
【0147】
通常のポーリング指令によって、全ての子局104から監視情報等の収集を行う場合、子局104(F)の送受信回数は、12回であり、子局104(B)の送受信回数は24回である。通常のポーリング指令における、省電力動作状態の子局104の送受信回数は、自局よりノード順が後の子局104の数の分だけ中継することになるので、自局よりノード順が後の子局104の数を4倍すれば求めることができる。
【0148】
本実施形態によって、全ての子局104から監視情報等の収集を行う場合、子局104(F)の送受信回数は4回で、子局104(B)の送受信回数は8回となる。本発明の実施例1における、省電力動作状態の子局104の送受信回数は、切替子局103から、最もノード順が遠い、省電力動作状態の子局104の、通信回数が4回になり、省電力動作状態の子局104が、切替子局103にノード順が近くなるにつれ、通信回数を4回ずつ増加させていくことで、求めることができる。
【0149】
結果として、通常のポーリング指令によって、全ての子局104から監視情報の収集を行う場合に比べ、本発明の実施例1では、子局104(F)で8回、子局104(B)で16回の通信回数を抑えることができる。
【0150】
上記の例以外でも、予備電源による動作を行っている子局104より、通信順番が後で、監視情報の収集を行う子局104が2台以上あれば、通信回数を減らすことができる。
【0151】
通信回数を減らすことによる、効果について説明する。特小無線による通信を行う場合、その消費電流は、大凡、待機電流に約20マイクロアンペア、送信電流に約20ミリアンペア、受信電流に約30ミリアンペア程度であり、送受信を行う際には、待機電流の約1000倍の消費電流を使用している。
【0152】
そのため、送受信回数を抑えることにより、消費電流が少なくなり、長時間の通信状態の維持が可能となる。
【0153】
グループ内の監視情報等の収集を行う子局104の数が多いほど、通信回数を抑えることが可能となるが、子局104の数が多くなると、タイムアウト時間1101が長くなり、途中で送受信が失敗すると、再度、情報の収集指令を行うまで時間がかかってしまう。また、割込みで制御指令を与える際には、輻輳を避けるため、タイムアウト時間まで待機する必要があり、待機時間増加につながる。そのため、ステップ807の処理によって、グループ内の子局104の台数を指定台数以下に設定し、待機時間の増加を防ぐ必要がある。
【0154】
また、2つ目のメリットとして、本実施形態では、通常のポーリング指令によって、全ての子局104から監視情報等の収集を行う場合の1周期の時間を、変更せずに実現が可能なことである。これは、送受信の間隔やタイミングは変更していないことと、全体のホップ数を、通常のポーリング指令以下に出来るためである。図14のステップ1303(A)の処理の例では、子局(G)と子局(I)が通信を行っており、子局(H)をホップして通信を行っている。一方、通常のポーリング指令時は、切替子局103と子局(I)が通信を行うため、子局(A)から子局(H)までホップする必要があり、実施例1に比べ、ホップ数が多いことが分かる。グループで収集を行う子局104は、通常のポーリング指令による収集より、ホップ数が抑えられる。
【0155】
最後に、3つ目のメリットとして、ネットワークに余分な負荷をかけないことである。本実施形態で、切替子局103と子局104の間の、監視情報の要求や返信以外の通信は、予備電源出力に切替えた時に送信する停電動作情報と、主電源出力に切替えた時に送信する通常動作情報のみであり、どちらも、電源切替時のみ送信されるため、周期的な通信等によるネットワークへの余分な負荷を与えない。
【実施例2】
【0156】
次に第二の実施形態(以下、実施例2)について図を参照して、説明する。
【0157】
実施例2について、実施例1と異なる点は、グループを入子式に設定し、グループポーリングを実施することにあり、システムの構成などは実施例1と同様である。
【0158】
図15は実施例2におけるステップ702について示すフローチャートの一例である。
【0159】
実施例1と異なる点のみ説明する。
【0160】
ステップ1501からステップ1509は、通信経路管理テーブル401に登録されている全ての通信経路405に対し、ステップ805からステップ1508の必要な処理を行うループ処理である。
【0161】
ステップ1502は、変数nに該当通信経路405のグループ数を代入し、ステップ1503に移る。変数名は任意でよい。
【0162】
ステップ1503は、nマイナス1の結果が1以上である場合、ステップ1502に移り、1より小さい場合、ステップ1507に移る。
【0163】
ステップ1504は、該当通信経路405の変数n番目のグループに含まれる子局104の数と、変数nマイナス1のグループに含まれる子局104の数が、指定個数以下である場合、ステップ1505に移り、指定個数以上であれば、ステップ1506に移る判断処理である。指定個数は予め設定しておく必要がある。
【0164】
ステップ1505は、変数nマイナス1番目のグループに、変数n番目のグループを含める処理を行い、一時的に統合したグループを記憶し、ステップ1506に移る。処理の結果作成されるグループ管理テーブルについて、図16に示す。
【0165】
ステップ1506は、変数nの値に、nマイナス1の値を代入し、再びステップ1503の処理に移る。
【0166】
ステップ1507は、ステップ1504の処理を実施した場合、ステップ1508に移り、実施していない場合はステップ1509に移る。
【0167】
ステップ1508は、ステップ1505で、一時的に記憶しているグループの再設定を行い、グループ管理テーブル1001の更新を行う。再設定の方法は、グループ名を、切替子局103に近いノードのグループ順に、グループ1、グループ2、グループ3、とする。その後、グループ管理テーブル1001を、再設定したグループ名で更新し、ステップ1509に移る。
【0168】
図16は、実施例2における、ステップ803で作成されるグループ管理テーブル1001の一例である。
【0169】
実施例1と異なる点のみ説明する。ステップ803によって、通信経路b1601は、グループ1に端末番号402「xx3」、「xx7」、グループ2に端末番号402「xx9」、「xx10」と設定されるが、その後、ステップ1505によって、グループ2をグループ1に含めるため、グループ1が、端末番号402「xx3」、「xx7」、グループ[「xx9」「x10」]として設定された、グループ管理テーブル1001が作成される。
【0170】
図17に、実施例2の方式で、グループポーリング指令を受信した子局104の動作を示すフローチャートの一例を示す。
【0171】
ここでは、実施例1と異なる点のみ説明する。
【0172】
ステップ1701からステップ1704は、指定された全ての子局104とグループに、ステップ1702からステップ1703の必要な処理を行うループ処理である。
【0173】
ステップ1702は、グループ管理テーブル1001に含まれる監視情報の収集対象が、グループである場合、ステップ1703に移り、監視情報の収集対象が、子局104である場合、ステップ1303に移る判断処理である。
【0174】
ステップ1703は、グループ情報と、子局104が保持する通信経路管理テーブル401を基に、指定の子局104に、グループ単位での監視情報の要求指令を行う。
【0175】
ステップ1705では、グループポーリング指令の送信元に、収集した監視情報を纏めて送信する。
【0176】
図18は実施例2における、停電時の切替子局103による情報収集方法の一例を示すシーケンス図である。図18の構成例では、図14と同様に、切替子局103から子局104(A)から子局104(I)まで順番にマルチホップ通信を行い、子局104(B)と、子局104(F)が商用電源の停電や、子局104の主電源回路の異常により、ステップ607の処理を行い、省電力動作状態であることを示しており、切替子局103がステップ901の処理に移った状態である。グループの設定は、グループ外が子局104(A)、グループ1が子局104(C)、子局104(D)、子局104(E)と、グループ[子局104(G)、子局104(H)、子局104(I)]である。
【0177】
先ず、切替子局103は、子局104(G)に、ステップ1103(C)の処理を行う。ステップ1103(C)の処理は、子局104(C)に、子局104(G)、子局104(H)、子局104(I)を含むグループ、子局104(C)、子局104(D)、子局104(E)の監視情報の収集要求を行う。
【0178】
この時、子局104(C)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間h1401(H)を設定するとよい。
【0179】
子局104(C)は、子局104(G)にステップ1703の処理を行う。この時、子局104(G)までのホップ数や、監視情報を収集する子局104の台数を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間i1401(I)を設定するとよい。
【0180】
子局104(C)からグループポーリング指令を受信した、子局104(G)は、子局104(I)にステップ1303(A)の処理、子局104(H)にステップ1303(B)の処理、ステップ1703を受信した子局104(G)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1705(A)の処理を行う。通常ポーリング指令1103(A)や、通常ポーリング指令1103(B)を行う際に、通常ポーリング指令1103を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1202の処理を行い、タイムアウト時間b1401(B)と、タイムアウト時間c1401(C)を設定するとよい。
【0181】
ステップ1702の処理を終えた子局104(C)は、子局104(E)にステップ1203(C)の処理、子局104(D)にステップ1303(D)の処理を行い、ステップ1103(C)を受信した子局104(G)が、監視情報収集要求の対象であった場合、ポーリング通信の代わりに、自局の監視制御部207から、監視情報の取得を行い、ステップ1703(B)の処理を行う。
【0182】
ステップ1303(C)の処理と、ステップ1303(D)の処理を行う際に、ステップ1303を行う子局104までのホップ数等を基に、ステップ1102の処理を行い、タイムアウト時間e1401(E)、タイムアウト時間f1401(F)を設定するとよい。
【0183】
最後に、切替子局103は、グループ外の子局104(A)に、ステップ1106の処理を行う。この時、子局104(A)までのホップ数等を基に、タイムアウト時間の設定1202を行い、タイムアウト時間g1401(G)を設定するとよい。
【0184】
切替子局103は以上の動作を、通常動作情報を受信するまで繰り返し行う。
【0185】
尚、ステップ1103(C)の処理と、ステップ1106の処理を行う順番と、ステップ1703の処理と、ステップ1303(C)の処理と、ステップ1303(D)の処理を行う順番と、ステップ1303(C)の処理と、ステップ1303(D)の処理を行う順番は任意でよい。
【0186】
実施例2のメリットは、複数のグループがある場合、予備電源動作の子局104の通信回数を、実施例1以下に出来ることである。
【0187】
また入子式で、全てのグループを1つにまとめた場合、全ての予備電源動作の子局104の送受信回数を等しくすることが出来るため、予備電源の使用量を、ほぼ一定にすることが出来る。ただし、グループをまとめることにより、切替子局103のタイムアウト時間1401が、実施例1と比べ、長くなり、割込みで制御指令を与える際に、待機時間が増えてしまうことや、指令を再送するまでに時間がかかる等の問題がある。そのため、ステップ1504の判断処理によって、グループ内の子局104の台数が指定台数以上にならないように設定し、待機時間の増加を防ぐ必要がある。
【0188】
また実施例2のメリットにおいて、実施例1と同様、通常時のポーリング方式による監視情報の収集と比べ、収集周期の時間を変更せずに実現が可能であり、ネットワークに余分な負荷をかけないということが言える。
【符号の説明】
【0189】
101 親局
102 通信線
103 切替子局
104 子局
105 電線
106 電柱
107 監視制御端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチホップ無線通信を用いて端末が複数の無線端末から情報収集を行なう情報収集方法であって、
前記複数の無線端末のうち、前記端末からのホップ数が、特定の無線端末より大きい無線端末をグルーピングするステップと、
前記グルーピングされた無線端末のうち、当該グルーピングされた無線端末の情報を集約する集約端末を選択するステップと、
前記集約端末に対して、当該グルーピングされた無線端末が備える情報を収集するための指令を前記端末からマルチホップで送信するステップと、
前記集約端末が前記グルーピングされた無線端末から当該無線端末が備える情報を収集するステップと、
前記集約端末が、前記端末へ向けて前記収集した情報をマルチホップで送信するステップと、
を備えることを特徴とする情報収集方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報収集方法において、
前記グルーピングされた無線端末の数は、所定の値以下であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報収集方法において、
前記特定の無線端末が複数ある場合、前記端末からのホップ数が小さい特定の無線端末から、他の特定の無線端末までの無線端末を第1のグループとし、他の特定の無線端末より先の前記無線端末を第2のグループとし、当該第1のグループの集約端末及び当該第2のグループの集約端末は、それぞれのグループ内の前記無線端末から前記情報を収集し、前記第1のグループの集約端末は、当該第1のグループの前記無線端末の情報と、前記第2のグループの前記無線端末の情報と、を併せて前記端末に送信するこをと特徴とする情報収集方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報収集方法において、
前記集約端末とは、前記特定の無線端末よりもホップ数が1大きい無線端末であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報収集方法において、
前記無線端末は電柱に設置された子局であり、前記端末は当該複数の子局の情報を収集する親局であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報収集方法において、
前記無線端末は、系統からの電力または自己が備える蓄電装置からの電力により駆動しており、前記特定の無線端末は蓄電装置からの電力により駆動している無線端末であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項7】
端末と、複数の無線端末と、を備えマルチホップ無線通信により情報収集を行なう情報収集システムであって、
前記端末は、
前記複数の無線端末のうち、前記端末からのホップ数が、前記無線端末のうちの特定の無線端末より大きい無線端末をグルーピングするグループ作成部と、
前記グルーピングされた無線端末のうち、前記特定の無線端末よりもホップ数が大きい無線端末に対して、当該グルーピングされた無線端末が備える情報を収集するための指令を前記端末から当該ホップ数が大きい無線端末へ向けてマルチホップで送信する情報収集指令部と、
前記ホップ数が大きい無線端末から情報を取得する受信部と、を備え、
前記ホップ数が大きい無線端末は、
前記グルーピングされた無線端末から情報を収集し、前記端末へ収集した情報を送信する無線通信部、を備える
ことを特徴とする情報収集システム。
【請求項8】
コントローラ部と、
端末又は他の無線端末と通信可能な通信部と、
電力エネルギーを蓄電する蓄電部と、
を備えた無線端末であって、
前記コントローラ部は、前記端末からの指令に基き、前記他の無線端末から情報を収集し、前記通信部を介して前記端末に向けて当該収集した情報を送信することを特徴とする無線端末。
【請求項1】
マルチホップ無線通信を用いて端末が複数の無線端末から情報収集を行なう情報収集方法であって、
前記複数の無線端末のうち、前記端末からのホップ数が、特定の無線端末より大きい無線端末をグルーピングするステップと、
前記グルーピングされた無線端末のうち、当該グルーピングされた無線端末の情報を集約する集約端末を選択するステップと、
前記集約端末に対して、当該グルーピングされた無線端末が備える情報を収集するための指令を前記端末からマルチホップで送信するステップと、
前記集約端末が前記グルーピングされた無線端末から当該無線端末が備える情報を収集するステップと、
前記集約端末が、前記端末へ向けて前記収集した情報をマルチホップで送信するステップと、
を備えることを特徴とする情報収集方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報収集方法において、
前記グルーピングされた無線端末の数は、所定の値以下であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報収集方法において、
前記特定の無線端末が複数ある場合、前記端末からのホップ数が小さい特定の無線端末から、他の特定の無線端末までの無線端末を第1のグループとし、他の特定の無線端末より先の前記無線端末を第2のグループとし、当該第1のグループの集約端末及び当該第2のグループの集約端末は、それぞれのグループ内の前記無線端末から前記情報を収集し、前記第1のグループの集約端末は、当該第1のグループの前記無線端末の情報と、前記第2のグループの前記無線端末の情報と、を併せて前記端末に送信するこをと特徴とする情報収集方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報収集方法において、
前記集約端末とは、前記特定の無線端末よりもホップ数が1大きい無線端末であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報収集方法において、
前記無線端末は電柱に設置された子局であり、前記端末は当該複数の子局の情報を収集する親局であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報収集方法において、
前記無線端末は、系統からの電力または自己が備える蓄電装置からの電力により駆動しており、前記特定の無線端末は蓄電装置からの電力により駆動している無線端末であることを特徴とする情報収集方法。
【請求項7】
端末と、複数の無線端末と、を備えマルチホップ無線通信により情報収集を行なう情報収集システムであって、
前記端末は、
前記複数の無線端末のうち、前記端末からのホップ数が、前記無線端末のうちの特定の無線端末より大きい無線端末をグルーピングするグループ作成部と、
前記グルーピングされた無線端末のうち、前記特定の無線端末よりもホップ数が大きい無線端末に対して、当該グルーピングされた無線端末が備える情報を収集するための指令を前記端末から当該ホップ数が大きい無線端末へ向けてマルチホップで送信する情報収集指令部と、
前記ホップ数が大きい無線端末から情報を取得する受信部と、を備え、
前記ホップ数が大きい無線端末は、
前記グルーピングされた無線端末から情報を収集し、前記端末へ収集した情報を送信する無線通信部、を備える
ことを特徴とする情報収集システム。
【請求項8】
コントローラ部と、
端末又は他の無線端末と通信可能な通信部と、
電力エネルギーを蓄電する蓄電部と、
を備えた無線端末であって、
前記コントローラ部は、前記端末からの指令に基き、前記他の無線端末から情報を収集し、前記通信部を介して前記端末に向けて当該収集した情報を送信することを特徴とする無線端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−89978(P2013−89978A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225454(P2011−225454)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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