説明

情報機器および携帯情報機器

【課題】利用者の特性や機器の諸元やタッチパネル画面への入力手段などに応じて、タッチパネル画面上のアイテムをタッチパネル画面上のエリアに自動的に再配置できる携帯情報機器。
【解決手段】入力操作により複数のアイテムのうち利用したアイテムと利用したエリアに関する入力情報を制御する入力制御部21と、入力情報に基づいて利用したアイテムと利用したエリアの解析を行う入力情報解析部22と、入力情報解析部の解析情報に基づいて利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位を判定し、入力情報に付加情報を関連付けたユーザ利用情報を管理するユーザ利用情報管理部23と、利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位に基づいてタッチパネル画面上での複数のアイテムの配置を決定する表示構成制御部25を備えたことにより、利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル画面を備えた携帯情報機器に関し、より詳細にはタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアに利用頻度順位の高いアイテムを再配置する機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のタッチパネル画面を備えた端末機器は、図9(a)に示すようにタッチパネル画面上に表示された複数の商品メニューを選択する商品メニュー選択部91と、商品メニュー別に購入頻度を記憶する購入頻度記憶部92と、商品メニューの配置位置を記憶する配置位置記憶部93と、購入頻度に基づいて複数の商品メニューの配置位置を並べ替える配置位置設定制御部94と、全体を制御する全体制御部95とで構成されている。
【0003】
端末機器の初期画面では商品Aから商品Oまでの商品メニューが順番に配列されているが、購入頻度に基づいて利用者の選択頻度の最も高い商品(商品A)をタッチパネル画面の略中央位置に配置し、若しくは、図9(b)に示すように利用者の選択頻度の高い商品群(商品A、商品O、商品E)をタッチパネル画面の略中央位置に並び替えするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−269596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のタッチパネル画面を備えた端末機器は、利用者の選択頻度の高い商品メニュー、若しくは、選択頻度の高い商品メニュー群をタッチパネル画面の略中央位置に並び替えるものである。
【0006】
不特定多数の利用者が利用する券売機などの端末機器においては、タッチパネル画面の略中央位置は利用者の目に付きやすく且つメニュー選択しやすい位置で、その位置に利用者の選択頻度の高い商品メニュー、若しくは、利用者の選択頻度の高い商品メニュー群を並び替えることによって機器利用の操作性は向上する。
【0007】
しかしながら、利用者が所有者または占有者に限定されるなど当事者がほぼ独占的に使用するタッチパネル画面を備えた携帯情報機器においては、利用者の特性(右利き、左利き、手の大きさ、機器の握り方、握り力など)や機器の諸元(機器の大きさ、機器の質量、表示画面の大きさなど)やタッチパネル画面への入力手段(指入力、ペン入力など)などによって、タッチパネル画面上の領域(以下、エリアと呼ぶ)のうち入力操作のしやすいエリアと入力操作のしがたいエリアが生じる。また、タッチパネル画面上のボタンなどの機能(以下、アイテムと呼ぶ)のうち、利用者の利用頻度の高いアイテムを略中央位置に配置することが機器利用の操作性の向上に必ずしも繋がらないという課題を有していた。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、利用者の特性や機器の諸元やタッチパネル画面への入力手段などに応じて、例えば、利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置するなど、タッチパネル画面上のアイテムをタッチパネル画面上のエリアに自動的に再配置して利用者の操作性を向上させることができる携帯情報機器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報機器は、複数のアイテムを表示する表示部と、タッチ入力を検出する入力部と、入力部の検出したタッチ入力に基づいて、入力部の複数のアイテムのうちいずれかに対する操作であって複数のアイテムのうちいずれかを選択する第1の操作と、入力部の複数のアイテムに対応する位置とは無関係な複数の位置のうちいずれかの位置に対する操作であって複数のアイテムのいずれをも選択しない第2の操作と、を判定する入力情報判定部と、複数のアイテムのそれぞれに対して第1の操作を行った頻度をカウント記録する第1の記録部と、入力部の複数の位置のそれぞれに対して第2の操作を行った頻度をカウント記録する第2の記録部と、入力部の複数の位置のうち第2の操作を行った頻度の高い位置に、複数のアイテムのうち第1の操作を行った頻度の高いアイテムを表示させる表示構成制御部を備えた構成を有している。
【0010】
また、本発明の情報機器では、第1の操作はタップ操作であり、第2の操作はスライド操作又はフリック操作である。
【0011】
この構成により、タップ操作などのエリアが決められている操作により利用したアイテムに関するアイテム情報と、スライド操作やフリック操作などの操作ためのエリアが決められていない操作により利用したエリア情報との蓄積結果から利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位を判定し、判定した利用頻度順位に基づいて利用頻度順位の高いアイテムを利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置することができる。
【0012】
また、本発明の情報機器では、入力部はタッチパネルである。
【0013】
この構成により、判定した利用頻度順位に基づいて利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置することができる。
【0014】
本発明の携帯情報機器は、タッチパネル画面上に複数のアイテムを表示し、タッチパネルを介して入力操作を行う携帯情報機器であって、入力操作により複数のアイテムのうち利用したアイテムと利用したエリアに関する入力情報を入力制御する入力制御部と、入力情報に基づいて利用したアイテムと利用したエリアの解析を行う入力情報解析部と、入力情報解析部の解析情報に基づいて利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位を判定し、入力情報に付加情報を関連付けたユーザ利用情報を管理するユーザ利用情報管理部と、利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位に基づいてタッチパネル画面上での複数のアイテムの配置を決定する表示構成制御部を備えた構成を有している。
【0015】
この構成により、タッチパネル画面上でタップ操作などのエリアが決められている操作により利用したアイテムに関するアイテム情報とタッチパネル画面上でスライド操作やフリック操作などの操作ためのエリアが決められていない操作により利用したエリア情報との蓄積結果から利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位を判定し、判定した利用頻度順位に基づいて利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置することができる。
【0016】
また、本発明の携帯情報機器は、入力情報は、タッチパネル画面上のタッチ座標位置とリリース座標位置およびタッチ回数を含む構成を有している。
【0017】
この構成により、タッチパネル画面上でタップ操作などのエリアが決められている操作によりタップしたタッチ座標位置とタッチ回数に関する情報を取得することができる。
【0018】
また、タッチパネル画面上でスライド操作やフリック操作などの操作ためのエリアが決められていない操作によりタッチしたタッチ座標位置とリリースしたリリース座標位置およびタッチ回数に関する情報を取得することができる。
【0019】
さらに、タッチパネルを構成するマトリクススイッチの出力信号よりタッチパネル画面上への接触面積の大きさが判別でき、タッチパネル画面を指先で触れたか入力ペンで触れたかが判別できる。
【0020】
また、本発明の携帯情報機器は、利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位は、タッチ回数を降順に並べて判定する構成を有している。
【0021】
この構成により、タッチパネル画面上の全てのアイテム毎の利用頻度順位とエリア毎の利用頻度順位を判定することができる。
【0022】
また、本発明の携帯情報機器は、付加情報は、時刻情報とアプリケーション情報とである構成を有している。
【0023】
この構成により、タッチパネル画面上の複数のアイテムのうち利用したアイテム関するアイテム情報と利用したエリアに関するエリア情報に時刻情報とアプリケーション情報とを付加情報として関連付けることができる。
【0024】
また、本発明の携帯情報機器は、表示構成制御部は、利用頻度順位の高いエリアが交差している場合は交差点を優先順位の高いエリアとして判定し、利用頻度順位の高いエリアが分散している場合は上位の複数点を結んで囲まれた領域内を優先順位の高いエリアとして判定する構成を有している。
【0025】
この構成により、タッチパネル画面上で利用頻度順位の高いエリアが交差している場合は交差点を優先順位の最も高いエリアとして判定し、利用頻度順位の高いエリアが分散している場合は上位の複数点を結んで囲まれた領域内を優先順位の高いエリアとして判定することができる。
【0026】
また、本発明の携帯情報機器は、表示構成制御部は、利用頻度順位の高いエリアに利用したアイテムを大きいサイズで表示し、利用頻度順位の高いエリア外の領域に利用したアイテム以外のアイテムを小さいサイズで表示する構成を有している。
【0027】
この構成により、タッチパネル画面上で利用頻度順位の高いエリアに利用したアイテムを大きいサイズで表示し、利用頻度順位の高いエリア外の領域に利用したアイテム以外のアイテムを小さいサイズで表示することができる。
【0028】
また、本発明の携帯情報機器は、表示構成制御部は、利用頻度順位の高いエリア外の領域に複数のアイテムのうち利用頻度順位の高いアイテムの下層のアイテムまたは同系統のアイテムを表示する構成を有している。
【0029】
この構成により、タッチパネル画面上で利用頻度順位の高いエリア外の領域に複数のアイテムのうち利用頻度順位の高いアイテムの下層のアイテムまたは同系統のアイテムを表示することができる。
【0030】
また、本発明の携帯情報機器は、表示構成制御部は、タッチパネル画面上に表示されていない利用頻度の低い機能へのアクセス用として、その他メニューアクセスアイテムを表示する構成を有している。
【0031】
この構成により、タッチパネル画面上に表示されていない利用頻度の低い機能へのアクセス用として、その他メニューアクセスアイテムを表示することができる。
【0032】
また、本発明の携帯情報機器は、表示構成制御部は、利用頻度順位の高いエリア外の領域に複数のアイテム以外の付加情報を重畳表示する構成を有している。
【0033】
この構成により、タッチパネル画面上で利用頻度順位の高いエリア外の領域に複数のアイテム以外の付加情報を重畳表示することができる。
【0034】
また、本発明の携帯情報機器は、表示構成制御部は、内蔵された感圧センサよりのセンサ情報に基づいて複数のアイテムを配置する構成を有している。
【0035】
この構成により、タッチパネル画面上に内蔵された感圧センサよりのセンサ情報に基づいて複数のアイテムを配置することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、利用者の特性や機器の諸元やタッチパネル画面への入力手段などに応じて、例えば、利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置するなど、タッチパネル画面上のアイテムをタッチパネル画面上のエリアに自動的に再配置して利用者の操作性を向上させることができるという効果を有する携帯情報機器を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯情報機器の入力操作を説明する図
【図2】本発明の実施の形態1における携帯情報機器の構成を示すブロック図
【図3】(a)本発明の実施の形態1における携帯情報機器のアイテムの配置を説明する図(b)アイテムの利用頻度順位を説明する図
【図4】(a)本発明の実施の形態1における携帯情報機器のエリアの配置を説明する図(b)エリアの利用頻度順位を説明する図
【図5】本発明の実施の形態1における携帯情報機器のアイテムの再配置を説明する図
【図6】本発明の実施の形態2における携帯情報機器のアイテムの再配置を説明する図
【図7】本発明の実施の形態3における携帯情報機器の構成を示すブロック図
【図8】(a)本発明の実施の形態3における携帯情報機器の保持を説明する図(b)アイテムの再配置を説明する図
【図9】従来の端末機器の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0038】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態の携帯情報機器について、図面を用いて説明する。
【0039】
図1は、本発明の実施の形態1における携帯情報機器の入力操作を説明する図である。
【0040】
一般的に携帯情報機器10と呼称される機器は、タッチパネル11を備え、タッチパネル画面上に複数の絵文字や数字やアルファベットなどよりなる機器機能に連携したアイテム12を表示し、このアイテム12を操作エリアとして指先や専用の入力ペンで軽くタップ操作などの操作をすることによって入力操作が行われるようになっている。
【0041】
また、同一画面に表示し切れなかった前後画面のアイテム12を検索する場合や電子書籍などでのページ捲りや画面表示領域の移動などのためには、タッチパネル画面上で操作エリアが決められていないエリアを指先や専用の入力ペンでスライド操作やフリック操作などの操作をすることによって入力操作が行われるようになっている。
【0042】
図1(a)は、携帯情報機器10を左手16で保持し、タッチパネル画面上にある18個のアイテム12から利用者の必要な機能に連携したアイテム(図の場合、左列4段目のアイテム)を選択し、右手18の人差し指によるタップ操作での入力操作の様子を示している。
【0043】
タッチパネル画面上の配置された複数のアイテムから必要なアイテムを選択しタップ操作での入力操作を行う場合、選択したアイテムへの指先または入力ペン先のタップのしやすさは、利用者の特性(右利き、左利き、指の大きさ、機器の握り方、握り力など)や機器の諸元(機器の大きさ、機器の質量、アイテムサイズなど)などによって、タップのしやすい位置とそうでない位置が生じてくる。
【0044】
図1(b)は、携帯情報機器10を左手16で保持し、タッチパネル画面上にある18個のエリア14の一部を右手18の人差し指で触れ(図の場合、左列5段目のエリア)、タッチパネル画面上に触れた状態で右列5段目のエリアまで右方向(矢印方向)にスライドするスライド操作による入力操作の様子を示している。なお、理解を深めるためにタッチパネル画面を横方向3分割縦方向6分割し18個のエリア14に区分している。
【0045】
タッチパネル画面上に指先または入力ペン先を触れ、触れた状態で左右方向または上下方向にスライドするスライド操作または触れた状態でフリックするフリック操作での操作を行う場合も、タップ操作での入力操作と同様に指先または入力ペン先のスライドやフリックのしやすさは、利用者の特性(右利き、左利き、指の大きさ、機器の握り方、握り力など)や機器の諸元(機器の大きさ、機器の質量、アイテム間隔など)などによって、スライドまたはフリックのしやすい位置とそうでない位置が生じてくる。
【0046】
図2は、本実施の形態1の携帯情報機器の構成を示すブロック図である。
【0047】
図2において、本実施の形態の携帯情報機器は、タッチパネル画面上に複数のアイテムを表示し、タッチパネル11を介して入力操作を行う携帯情報機器であって、入力制御部21は、入力操作により複数のアイテムのうち利用したアイテムと利用したエリアに関する入力情報の入力制御とエラー情報の管理監視を行う。
【0048】
入力情報解析部22は、入力情報に基づいて利用したアイテムと利用したエリアの座標情報の解析を行う。
【0049】
ユーザ利用情報管理部23は、入力情報解析部22の解析情報に基づいて利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位を判定し、入力情報に付加情報を関連付けたユーザ利用情報を管理する。
【0050】
ユーザ利用情報データベース24は、ユーザ利用情報をアイテム情報データベース、エリア情報データベース、アプリケーションデータベースなどに機能別区分してユーザ利用情報データベースとして格納更新する。
【0051】
表示構成制御部25は、利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位に基づいてタッチパネル画面上での複数のアイテムの配置を決定する。
【0052】
表示制御部26は、表示構成制御部25の配置指示に基づいて液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのディスプレイ27への表示を制御する。
【0053】
アプリケーション管理部28は、タッチパネル画面上のそれぞれのアイテムに関連付けられた各種のアプリケーションを管理する。
【0054】
時間管理部29は、タッチパネル画面上での入力操作が実施された時刻や表示構成制御部25が再配置を決定した時刻などを管理する。
【0055】
以上のように構成された携帯情報機器について、図3、図4および図5を用いてアイテムの再配置手順を説明する。
【0056】
図3は、アイテムの配置と利用頻度順位を説明する図である。
【0057】
図3(a)は、タッチパネル11を介して入力操作を行う携帯情報機器10のタッチパネル画面上に機能の異なる18個のアイテム12が配置された状態を示す。
【0058】
このアイテム12の配置は、携帯情報機器10の製造者が設定した初期状態の配置であってもよいし、利用者によってカスタマイズされた配置であってもよい。なお、理解を深めるために各アイテムには「A」から「R」までの記号を付す。
【0059】
図3(b)は、図3(a)に示したアイテムの配置で、利用者が携帯情報機器10を一定期間利用した後の各アイテムの利用頻度 すなわち、タッチパネル画面上のそれぞれのアイテムをタップ操作などで利用した回数を蓄積し、回数の多い順に順位を付した図である。
【0060】
この図3(b)より、中列1段目のアイテム「B」が最も多く利用され、次に右列3段目のアイテム「I」、以下左列2段目のアイテム「D」と利用頻度の順位が判明する。
【0061】
すなわち、携帯情報機器10の所有者は、アイテム「B」に連携した機能を最も多く使用し、次にアイテム「I」に連携した機能を多く使用していることが判明する。
【0062】
次に、図4は、エリアの配置と利用頻度順位を説明する図である。
【0063】
図4(a)は、携帯情報機器10のタッチパネル画面上を18個のエリアに分割した状態を示す。なお、理解を深めるために各エリアに「a」から「r」までの記号を付し、手型の模式パターンでスライドの方向と距離を示している。なお、スライド方向は上下方向、左右方向および斜め方向のいずれでもよい。また、スライド判別はタッチパネル11を構成するマトリクススイッチのピクセル数で決定されるため同一領域内の微小距離移動でも問題なくスライド操作の判別が可能である。
【0064】
図4(b)は、図4(a)に示したエリアの配置で、利用者が携帯情報機器10を一定期間利用した後の各エリアの利用頻度 すなわち、タッチパネル画面上でスライド操作やフリック操作などで利用した回数を蓄積し、回数の多い順に順位を付した図である。なお、回数は、タッチパネル画面上にタッチしたエリアとスライドしたエリアとリリースしたエリアをカウントしている。例えば、図4(a)の下方向にスライドした例では、エリア「i」エリア「l」エリア「o」が回数カウントの対象となる。
【0065】
この図4(b)より、右列2段目のエリア「f」が最も多く利用され、次に中列2段目のエリア「e」、以下左列2段目のエリア「d」と利用頻度の順位が判明する。
【0066】
すなわち、携帯情報機器10の所有者は、エリア「f」を含む左右方向のエリアをスライド操作で最も多く使用し、次にエリア「f」を含む下方向のエリアをスライド操作で多く使用していることが判明する。
【0067】
なお、以上の本実施の形態では利用頻度を把握するために一定期間の情報を蓄積するように説明したが、一定期間は時間に限定されるものでなく、例えばアプリケーション追加やアプリケーション削除などのイベント発生時であってもよい。
【0068】
次に、図5は、アイテムの再配置を説明する図である。
【0069】
まず、図4(b)より携帯情報機器10の利用者は、タッチパネル画面上でのスライド操作やフリック操作などは、エリア「f」を含む左右方向のエリア(楕円51)を最も多く使用し、次にエリア「f」を含む下方向のエリア(楕円52)を多く使用していることが判明した。
【0070】
そこで、第1に利用頻度順位の高いエリア(楕円51)と第2に利用頻度順位の高いエリア(楕円52)が交差しているため、交差点(エリア「f」)を優先順位の最も高いエリアとして判定し、この位置に図3(b)で最も利用頻度順位の高いアイテム「B」をまず配置する。
【0071】
次に、図4(b)で2番目に利用頻度順位の高いエリア「e」に図3(b)で2番目に利用頻度順位の高いアイテム「I」を配置する。
【0072】
次に、図4(b)で3番目に利用頻度順位の高いエリア「d」に図3(b)で3番目に利用頻度順位の高いアイテム「D」を配置する。同様にして残りのすべてのアイテムを再配置したものが図5である。
【0073】
以上のように、本発明の形態の携帯情報機器によれば、利用者の特性や機器の諸元やタッチパネル画面への入力手段などに応じて、例えば、利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置するなど、タッチパネル画面上のアイテムをタッチパネル画面上のエリアに自動的に再配置して利用者の操作性を向上させることができる。
【0074】
なお、以上の本実施の形態では、利用頻度順位の高いエリアが交差している場合のアイテムの再配置について説明したが、利用頻度順位の最も高いエリアが単独で存在する場合はそのエリアに利用頻度順位の最も高いアイテムを再配置する。また、利用頻度順位の高いエリアが分散している場合は、上位の複数点を結んで囲まれた領域内を優先順位の高いエリアとして判定し、そのエリアに利用頻度順位の高いアイテムを再配置するようにしてもよい。
【0075】
また、以上の本実施の形態では、再配置の前後におけるアイテムのサイズに関しては説明しなかったが、再配置前後で同一サイズであってもよいし、利用頻度順位の高いエリアに再配置するアイテムを大きいサイズに変更して表示し、利用頻度順位の高いエリア外の領域に再配置するアイテムは小さいサイズに変更または再配置前と同じサイズで表示することもでき、再配置の前後においてアイテムサイズを変えて表示することにより利用頻度順位の高いアイテムがタッチパネル画面上で目立つようになり利用者の操作性はさらに向上する。
【0076】
また、以上の本実施の形態では、利用したエリアと利用したアイテムとを利用頻度順位に対応して再配置するように説明したが、利用頻度順位の高いエリア外の領域には、対応する利用頻度順位の低いアイテムを再配置する替わりに利用頻度順位の高いアイテムの下層のアイテム、例えば、上位のアイテムをカメラにして下位のアイテムを撮影モードや再生モードなどにすることもできる。
【0077】
また、対応する利用頻度順位の低いアイテムを再配置する替わりに利用頻度順位の高いアイテムと同系統のアイテム、例えば、上位のアイテムをカメラにして下位のアイテムをムービにすることもできる。このように対応する利用頻度順位の低いアイテムを再配置する替わりに別のアイテムを配置することによって少ない操作手順で目的の機能にアクセスでき、利用者の操作性はさらに向上する。
【0078】
また、以上の本実施の形態では、利用したエリアと利用したアイテムを利用頻度順位に対応して再配置するように説明したが、タッチパネル画面上に表示されていないアイテムへのアクセス用に、その他メニューアクセスアイテムを配置することによって利用頻度順位の低いアイテムへのアクセスが容易となり利用者の操作性はさらに向上する。
【0079】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における携帯情報機器の構成を示すブロック図は、実施の形態1の携帯情報機器の構成を示すブロック図と同じであるため省略する。
【0080】
また、タッチパネル画面上でタップ操作などのエリアが決められている操作により利用したアイテムに関するアイテム情報とタッチパネル画面上でスライド操作やフリック操作などの操作ためのエリアが決められていない操作により利用したエリア情報との蓄積結果から利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位を判定し、判定した利用頻度順位に基づいて利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置する配置手順は実施の形態1と同じであるため省略する。
【0081】
実施の形態2と実施の形態1との相違点は、利用頻度順位の低い幾つかのアイテムをタッチパネル画面上に再配置せず、幾つかのアイテムの替りにユーザ利用情報データベース24に格納されているアイテム以外の他の情報を呼び出して重畳表示することにある。
【0082】
図6は、本実施の形態における携帯情報機器のアイテムの再配置を説明する図で、利用頻度順位の高いエリアと利用頻度順位の高いアイテムを対応して再配置する配置手順は本実施の形態1と同様で、大部分のアイテムは配置手順に基づいて再配置される。
【0083】
図6においては、利用頻度順位の低いエリアである左列1段目から左列3段目までのエリアに、対応する利用頻度順位の低いアイテムを再配置せず、替りにアイテム以外の他の情報として日時情報61を重畳表示したものである。
【0084】
アイテム以外の他の情報としては、カレンダ表示や時刻表示やマスコット表示やメモ表示や着信表示やテロップ表示などがある。
【0085】
以上のように、本実施の形態における携帯情報機器によれば、タッチパネル画面上でタップ操作などのエリアが決められている操作により利用したアイテムに関するアイテム情報とタッチパネル画面上でスライド操作やフリック操作などの操作ためのエリアが決められていない操作により利用したエリア情報との蓄積結果から利用したアイテムと利用したエリアの利用頻度順位を判定し、判定した利用頻度順位に基づいて利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置するが、幾つかの利用頻度順位の低いアイテムの替りに他の有用な情報を重畳表示するため、利用者の操作性が向上するとともに有効なアイテム以外の他の情報が表示されるため利便性が向上する。
【0086】
なお、以上の本実施の形態では、利用頻度順位の高いアイテムと他の有用な情報を重畳表示するように説明したが、携帯情報機器未使用時には他の有用な情報のみを表示し、節電化を図ることもできる。
【0087】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における携帯情報機器の構成を示すブロック図である。
【0088】
図7において、図2に示す実施の形態1と同様の構成には同一番号を付して説明は省略する。
【0089】
本実施の形態の携帯情報機器は、図2に示す実施の形態1の携帯情報機器の構成に加えて、図7に示すように利用者による携帯情報機器の保持位置を検出する感圧センサ71を備えている。
【0090】
感圧センサ71は、携帯情報機器の右側側面と左側側面の比較的広い範囲をカバーするように筐体内部に装備されており筐体表面には後述の左センサタッチ部と右センサタッチ部が露出している。
【0091】
以上のように構成された携帯情報機器を保持すると利用者の指表面は、筐体表面の左センサタッチ部と右センサタッチ部に接触し、その接触位置を感圧センサ71が感知し接触位置情報を表示構成制御部25に出力する。
【0092】
表示構成制御部25は、感圧センサ71よりの接触位置情報に基づいてタッチパネル画面上のアイテムの配置位置を決定する。
【0093】
図8は、感圧センサを備えた携帯情報機器の保持状態とアイテムの配置を説明する図である。
【0094】
図8(a)は、携帯情報機器80を左手16で保持した状態を示し、親指は携帯情報機器80の左側側面の左センサタッチ部72の中央付近に接触しているため、感圧センサ71はこの領域に対応する接触位置情報を表示構成制御部25に出力する。同時に中指と薬指は、携帯情報機器80の右側側面の右センサタッチ部73の中央付近と中央付近より少し端に寄った位置に接触しているため、感圧センサ71はこの領域に対応する接触位置情報を表示構成制御部25に出力する。
【0095】
表示構成制御部25は、感圧センサ71よりの接触位置情報に基づいてタッチパネル画面上に配置するアイテム12の配置位置を決定する。
【0096】
図18(b)は、感圧センサ71よりの接触位置情報に基づいてタッチパネル画面上でのアイテム12の配置を示した図で、携帯情報機器80の左側側面で親指が接触している付近の左列3段目と右側側面で中指と薬指が接触している付近の右列4段目と5段目は、保持している指が位置しているためタッチパネル画面上でのタップ操作やスライド操作やフリック操作などの操作のしがたいエリアであることより、このエリアにアイテムを配置しない状態を示している。
【0097】
以上のように、本実施の形態によれば、携帯情報機器を保持した指の位置を感知し、その位置に対応したタッチパネル画面上のエリアにアイテムを配置しないため、保持した指の一部が入力操作の邪魔となることがなく携帯情報機器の操作性が向上する。
【0098】
また、携帯情報機器の両側面に比較的広い範囲をカバーするようにセンサタッチ部を装備したため利用者の利き手(右利き、左利き)や機器の握り方などに関係なく携帯情報機器の保持位置を検出することができる。
【0099】
なお、以上の本実施の形態では、接触位置情報に基づいて保持している指が位置しているためタッチパネル画面上でのタップ操作やスライド操作やフリック操作などの操作のしがたいエリアにアイテムを配置しない方法について説明したが、本実施の形態1で説明したようにアイテムを配置するエリア内では利用頻度順位の高いアイテムを利用頻度順位の高いエリアへ配置し、保持した指付近のエリアにはアイテムを配置しないようにすることにより、携帯情報機器の操作性はさらに向上する。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、本発明にかかる携帯情報機器は、利用者の特性や機器の諸元やタッチパネル画面への入力手段などに応じて、例えば、利用頻度順位の高いアイテムをタッチパネル画面上の利用頻度順位の高いエリアへ自動的に再配置するなど、タッチパネル画面上のアイテムをタッチパネル画面上のエリアに自動的に再配置して利用者の操作性を向上させるという効果を有し、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、パソコン、ゲーム機、カメラなどの機器に有用である。
【符号の説明】
【0101】
10,80 携帯情報機器
11 タッチパネル
12 アイテム
14 エリア
21 入力制御部
22 入力情報解析部
23 ユーザ利用情報管理部
24 ユーザ利用情報データベース
25 表示構成制御部
26 表示制御部
27 ディスプレイ
28 アプリケーション管理部
29 時間管理部
61 日時情報
71 感圧センサ
72 左センサタッチ部
73 右センサタッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアイテムを表示する表示部と、
タッチ入力を検出する入力部と、
前記入力部の検出したタッチ入力に基づいて、前記入力部の前記複数のアイテムのうちいずれかに対する操作であって前記複数のアイテムのうちいずれかを選択する第1の操作と、前記入力部の前記複数のアイテムに対応する位置とは無関係な複数の位置のうちいずれかの位置に対する操作であって前記複数のアイテムのいずれをも選択しない第2の操作と、を判定する入力情報判定部と、
前記複数のアイテムのそれぞれに対して前記第1の操作を行った頻度をカウント記録する第1の記録部と、
前記入力部の複数の位置のそれぞれに対して前記第2の操作を行った頻度をカウント記録する第2の記録部と、
前記入力部の複数の位置のうち前記第2の操作を行った頻度の高い位置に、前記複数のアイテムのうち前記第1の操作を行った頻度の高いアイテムを表示させる表示構成制御部と、
を備える情報機器。
【請求項2】
前記第1の操作は、タップ操作であり、
前記第2の操作は、スライド操作又はフリック操作である
請求項1に記載の情報機器。
【請求項3】
前記入力部は、タッチパネルである
請求項1又は請求項2に記載の情報機器。
【請求項4】
タッチパネル画面上に複数のアイテムを表示し、タッチパネルを介して入力操作を行う携帯情報機器であって、
前記入力操作により前記複数のアイテムのうち利用したアイテムと利用したエリアに関する入力情報を入力制御する入力制御部と、
前記入力情報に基づいて前記利用したアイテムと前記利用したエリアの解析を行う入力情報解析部と、
前記入力情報解析部の解析情報に基づいて前記利用したアイテムと前記利用したエリアの利用頻度順位を判定し、前記入力情報に付加情報を関連付けたユーザ利用情報を管理するユーザ利用情報管理部と、
前記利用したアイテムと前記利用したエリアの利用頻度順位に基づいてタッチパネル画面上での前記複数のアイテムの配置を決定する表示構成制御部を備える
携帯情報機器。
【請求項5】
前記入力情報は、タッチパネル画面上のタッチ座標位置とリリース座標位置およびタッチ回数を含む
請求項4に記載の携帯情報機器。
【請求項6】
前記利用したアイテムと前記利用したエリアの利用頻度順位は、前記タッチ回数を降順に並べて判定する
請求項5に記載の携帯情報機器。
【請求項7】
前記付加情報は、時刻情報とアプリケーション情報とであることを特徴とする
請求項4記に載の携帯情報機器
【請求項8】
前記表示構成制御部は、前記利用頻度順位の高いエリアが交差している場合は交差点を優先順位の高いエリアとして判定し、前記利用頻度順位の高いエリアが分散している場合は上位の複数点を結んで囲まれた領域内を優先順位の高いエリアとして判定する
請求項4に記載の携帯情報機器。
【請求項9】
前記表示構成制御部は、前記利用頻度順位の高いエリアに前記利用したアイテムを大きいサイズで表示し、前記利用頻度順位の高いエリア外の領域に前記利用したアイテム以外のアイテムを小さいサイズで表示する
請求項4に記載の携帯情報機器。
【請求項10】
前記表示構成制御部は、前記利用頻度順位の高いエリア外の領域に前記複数のアイテムのうち利用頻度順位の高いアイテムの下層のアイテムまたは同系統のアイテムを表示する
請求項4に記載の携帯情報機器。
【請求項11】
前記表示構成制御部は、タッチパネル画面上に表示されていない利用頻度の低い機能へのアクセス用として、その他メニューアクセスアイテムを表示する
請求項4に記載の携帯情報機器。
【請求項12】
前記表示構成制御部は、前記利用頻度順位の高いエリア外の領域に前記複数のアイテム以外の付加情報を重畳表示する
請求項4に記載の携帯情報機器。
【請求項13】
前記表示構成制御部は、内蔵された感圧センサよりのセンサ情報に基づいて前記複数のアイテムを配置する
請求項4に記載の携帯情報機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−209824(P2011−209824A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74682(P2010−74682)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】