説明

情報機器

【課題】安定した自立状態を保持でき、かつ操作性を向上できる情報機器を提供する。
【解決手段】カメラ機器1は、第一筐体2と第二筐体3とを備え、回転軸5を中心に回動することで折り畳み可能に構成されている。カメラ機器1は、回転軸5を上方に向け、第一筐体2と第二筐体3とを最大角度で開いた状態で、机上に自立させることができる。最大角度で開いた状態を回転軸5の軸方向から見た場合、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33とは何れも水平である。これにより、接地部28,33は、机上に対して何れも水平面で接地できるので、カメラ機器1は開いた状態の姿勢を安定して保持できる。カメラ機器1を閉じた状態では、接地部28,33は同位置で互いに傾斜面となるので、カメラ機器1を開く際の操作性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声情報、又は映像情報の入出力を行う情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ会議端末で使用するカメラ機器には、据置タイプ、ディスプレイに装着するタイプ等の種々の形態がある。据置タイプは、設置状態でカメラを安定させるため、設置面積が大きくなるという課題がある。例えば、携帯通信装置の本体中間部を支点にしてバッテリー部を当該装置本体下部から開閉自在に回動させる回動支持部が具備され、回動した前記バッテリー部をスタンドにして装置本体を自立させるようにした携帯通信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−209315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯通信装置を、バッテリー部を開いた状態で卓上に設置した場合、装置の本体下部と卓上との接地面積が小さいため、自立した状態では安定しないという問題点があった。また、バッテリー部を装置本体側に閉じた状態では、装置の本体下部の位置と、バッテリー部の下端部の位置とが異なり、さらにバッテリー部の下端部は本体側に収納されてしまうので、バッテリー部を開けにくいという問題点もあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、安定した自立状態を保持でき、かつ操作性を向上できる情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る情報機器は、音声情報または映像情報の入出力を行う入出力部を備え、前記入出力部を保持する第一本体部と、前記第一本体部に対して回転軸を介して開閉するように連結された第二本体部とを備える情報機器であって、前記第一本体部、及び前記第二本体部には、 前記第一本体部と前記第二本体部とを所定角度で開いた状態で、前記情報機器を水平面に接地させる接地部を備え、前記回転軸の軸方向から見た場合に、一対の前記接地部は何れも水平になっていることを特徴とする。
【0007】
第1態様に係る情報機器では、第一本体部と第二本体部とを所定角度で開いた状態で、第一本体部の接地部と第二本体部の接地部とを水平面に接地させる。この状態を回転軸の軸方向から見た場合に、一対の接地部は何れも水平になっている。故に、水平面に対して両方の接地部が安定して接地するので、情報機器は安定した自立状態を保持できる。さらに、第一本体部と第二本体部とを互いに閉じた状態では、第一本体部の接地部と第二本体部の接地部とが互いに傾斜面となる。これにより、第一本体部と第二本体部とを開く際の操作性を向上できる。
【0008】
また、第1態様において、前記第一本体部と前記第二本体部とを閉じた状態にて、前記回転軸の軸方向から見た場合に、一対の前記接地部は、前記第一本体部と前記第二本体部とが対向する対向面を中心とした対称形状の傾斜面になっていてもよい。これにより、第一本体部と第二本体部とを開く際の操作性をさらに向上できる。
【0009】
また、第1態様において、前記一対の接地部のうち少なくとも一方は、その長手方向の略中央が凹んでいてもよい。これにより、接地部の長手方向の両側を水平面に接地させることができるので、情報機器の安定した自立状態を保持できる。
【0010】
また、第1態様において、前記第一本体部は、前記入出力部に対して電気的に接続した電子基板部を格納する筐体であって、前記第二本体部は、前記第一本体部と前記第二本体部を閉じた状態において前記第一本体部の筐体の一部に覆い被さる空洞部を備えていてもよい。第二本体部の空洞部が、第一本体部の筐体の一部に覆い被さることで、第一本体部と第二本体部とを折り畳んだ状態の厚みを薄くできる。故に、情報機器を持ち運ぶ際の利便性を向上できる。
【0011】
また、第1態様において、前記第二本体部の前記空洞部は、外周にリブ部を備え、前記第二本体部の前記接地部は、前記リブ部の一部で構成されていてもよい。これにより空洞部を容易に構成できる。さらに、リブを外周で構成することにより、第二本体部の剛性を向上できる。
【0012】
また、第1態様において、前記第一本体部の前記接地部は、前記第二本体部の前記接地部に対して、同等以上の面積で形成されていてもよい。これにより、第一本体部に電子基板部等の多くの部品を設けた場合でも、情報機器の第一本体部側の安定性を保持できる。
【0013】
また、第1態様において、前記一対の接地部は、前記第一本体部と前記第二本体部との所定角度を最大角度で開いた状態にて、前記回転軸の軸方向から見た場合に、何れも水平になっていてもよい。これにより、第一本体部と第二本体部を最大角度で開くだけで、水平面に対して一対の接地部を接地させることができる。
【0014】
また、第1態様において、前記情報機器は、他装置に出力する映像情報を取得する撮像部をさらに備え、前記撮像部は、前記回転軸を中心に回動するように軸支されていてもよい。これにより、撮像部を回動させる場合に、回転軸に負荷が掛けられても、回転軸は、第一本体部及び第二本体部によって安定して支持されている。故に、撮像部を安定して回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】カメラ機器1の斜視図(開いて自立した状態)である。
【図2】カメラ機器1の斜視図(閉じた状態)である。
【図3】カメラ機器1の正面図(閉じた状態)である。
【図4】カメラ機器1の右側面図(閉じた状態)である。
【図5】カメラ機器1の右側面図(開いて自立した状態)である。
【図6】変形例であるカメラ機器100の斜視図(開いて自立した状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の情報機器を具現化した一実施形態であるカメラ機器1について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている機器の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。なお、図1の上側、下側、右斜め下側、左斜め上側を、カメラ機器1の上側、下側、右斜め下側、左斜め上側とする。
【0017】
図1に示すカメラ機器1は、テレビ会議端末(図示外)に接続して使用されるものである。カメラ機器1は、自拠点の利用者を撮像し、その映像情報をテレビ会議端末に入力する。カメラ機器1は、カメラ機能の他、利用者の音声をテレビ会議端末に入力するマイク機能、及び他拠点の利用者の音声を出力するスピーカ機能等を併せ持つ情報機器である。
【0018】
まず、カメラ機器1の全体構造について説明する。図1,図2に示すように、カメラ機器1は、第一筐体2(本発明の「第一本体部」に相当)と、第二筐体3(本発明の「第二本体部」に相当)とを備えている。第一筐体2と第二筐体3とは、回転軸5を介して連結され、回転軸5を中心に回動することで折り畳み可能に構成されている。カメラ機器1の上部中央には、回転軸5に回動可能に軸支されたカメラ部6が設けられている。カメラ部6の中心にはレンズ部7が設けられている。カメラ機器1は、回転軸5を上方に向け、第一筐体2と第二筐体3とを最大角度で開いた状態で、机上P(図5参照)に載置して自立させることができる。カメラ機器1が自立した状態で、カメラ部6を回動し、レンズ部7を撮像対象者に向けることで、カメラ機器1の設置が完了する。なお、以下説明において、カメラ機器1を載置する机上Pは水平面とする。
【0019】
次に、第一筐体2の構造について説明する。図1乃至図3に示すように、第一筐体2は、縦長の略直方体状に形成されている。第一筐体2の内側には、電子基板等の各種電子部品が格納されている。第一筐体2は、正面部21、右側面部22、左側面部23、上面部24、底面部25、背面部26を備えている。
【0020】
図3に示すように、正面部21の略中央には、スピーカ10が設けられている。スピーカ10は、他拠点のテレビ会議端末から送信された音声情報等を出力する。正面部21の下部の左右両側には、マイク11,12が各々設けられている。マイク11,12は、自拠点の利用者の音声情報を取得し、自拠点のテレビ会議端末に入力する。
【0021】
図1,図2,図4に示すように、上面部24は、正面部21の上部から後方に向かって半円弧状に形成されている。その終端部は上面部24の最上部に位置し、かつ回転軸5に対して直交する方向に切断されている。この終端部には、第一筐体2と第二筐体3を開く際に、第二筐体3の上端部に設けられた後述する係止部66が係止するための被係止部56が設けられている。図1,図5に示すように、係止部66が被係止部56に係止することによって、第一筐体2と第二筐体3の回動が制限される。このとき、第一筐体2と第二筐体3との開度は最大角度となる。なお、第一筐体2と第二筐体3との開度は、カメラ機器1の机上Pにおける設置面積を考慮すると、最大角度を90°以下にするのが好ましい。
【0022】
図1乃至図3に示すように、上面部24の長手方向中央には、略長方形状に切り欠いた凹部14が設けられている。凹部14の内側には、回転軸5を中心に回動可能に軸支されたカメラ部6が設けられている。カメラ部6を使用する時は、図1に示すように、カメラ部6を回動してレンズ部7を外部に露出させる。カメラ部6を使用しない時は、図2に示すように、カメラ部6を回動してレンズ部7を凹部14の内側に収納する。レンズ部7を収納できるので、使用しない時にレンズ部7が損傷するのを防止できる。
【0023】
図1,図2,図4に示すように、右側面部22の長手方向略中央には、スピーカ10の音量を大きくするための+(プラス)ボタン51と、小さくするための−(マイナス)ボタン52とが上下に並んで設けられている。右側面部22の下側には、マイク11,12による音声入力を一時禁止するマイク禁止ボタン53が設けられている。
【0024】
図5に示すように、右側面部22の背面部26側の縁部に沿った部分には、右側面部22よりも一段低くなった段差部22Aが設けられている。段差部22Aは、カメラ機器1を閉じたときに、第二筐体3の後述する側壁部32によって覆われる部分である。この段差部22Aを設けることによって、カメラ機器1を閉じた状態において、第一筐体2の右側面部22と、第二筐体3の側壁部32とを面一にできる。
【0025】
左側面部23には、カメラ部6による撮影を一時中断するカメラ中断ボタン(図示外)と、テレビ会議端末に対して音声情報、映像情報の入出力を行うためのケーブル(図示外)を接続するための入出力部(図示外)が設けられている。
【0026】
図1,図5に示すように、底面部25は、背面部26側の非接地部27と、正面部21側の接地部28とからなる。接地部28は、非接地部27よりも下方に突出しているため、机上P(図5参照)に接地する部分となる。図4に示すように、接地部28は、正面部21側から背面部26側に向かって所定角度で斜め上方に傾斜している。接地部28の傾斜面は、カメラ機器1を最大角度で開き、机上Pに自立させたときに水平となるように形成されている(図1,図5参照)。
【0027】
次に、第二筐体3の構造について説明する。図1,図5に示すように、第二筐体3は、断面凹状の蓋状に形成されている。第二筐体3は、薄板である本体部31を備えている。本体部31は、その上端部において回転軸5に回動可能に連結されている。本体部31の左右両端部には、第一筐体2側に向かって突出するリブ状の側壁部32(左端部の側壁部は図示外)が各々設けられている。さらに、本体部31の下端部には、第一筐体2側に向かって突出すると共に、机上Pに接地するリブ状の接地部33が設けられている。一対の側壁部32と接地部33とは互いに連接している。これにより、本体部31の剛性が向上し、第二筐体3の剛性が向上する。
【0028】
また、図4に示すように、接地部33は、カメラ機器1の後方から第一筐体2側に向かって所定角度で斜め上方に傾斜している。接地部33の傾斜面は、カメラ機器1を最大角度で開き、机上Pに自立させたときに水平となるように形成されている(図1,図5参照)。
【0029】
また、これら本体部31、側壁部32、接地部33によって囲まれる内側に、第一筐体2の背面部26側に覆い被さるための空洞部37が形成されている。カメラ機器1を折り畳んだときに、第一筐体2の背面部26側に第二筐体3が覆い被さることで、カメラ機器1の厚みを薄くできる。これにより、カメラ機器1の小型化を図ることができる。
【0030】
図4に示すように、第二筐体3の上端部は、前方に向かって円弧状に緩やかに湾曲している。さらに、第二筐体3の長手方向略中央には、第一筐体2の凹部14に対応する同形状の凹部(図示外)が設けられている。第二筐体3の上端部の前端部には、第一筐体2と第二筐体3とを開く際に、第一筐体2の上面部24に設けられた被係止部56に係止するための係止部66が設けられている。これにより、第一筐体2と第二筐体3の開度を最大角度に調整できる。
【0031】
次に、上記構造からなるカメラ機器1を自立させたときの状態について説明する。図5に示すように、第一筐体2と第二筐体3とを回転軸5を中心に開くと、第一筐体2の被係止部56に第二筐体3の係止部66が係止する。このとき、第一筐体2と第二筐体3との開度は最大角度となる。最大角度で開いたカメラ機器1を、回転軸5を上方にして机上Pに載置する。この状態のカメラ機器1を回転軸5の軸方向から見た場合、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33とは何れも水平である。
【0032】
これにより、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33とは、机上Pに対して何れも水平面で接地できるので、カメラ機器1は、開いた状態の姿勢を安定して保持できる。さらに、机上Pに自立したカメラ機器1は三角形構造である。故に、第一筐体2、第二筐体3および回転軸5にかかる荷重が分散され、バランス良く釣り合うので、カメラ機器1の構造の安定化を図ることができる。また、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33とが机上Pに設置することによって姿勢が安定するので、カメラ機器1の設置面積は大きくならない。
【0033】
さらに、本実施形態のカメラ機器1が、テレビ会議端末に対してケーブルで接続されている場合、ケーブルの剛性等によって、カメラ機器1が引っ張られることがある。しかしながら、カメラ機器1の接地部28、33は何れも水平となって机上Pに安定して接地している。それ故、カメラ機器1がケーブルに引っ張られて動いてしまうのを防止できる。
【0034】
そして、カメラ機器1を机上Pに自立させた状態で、カメラ部6の角度を調整する。カメラ部6を回転軸5を中心に回動させると、回転軸5に負荷がかかる。しかしながら、カメラ機器1は、上記したように、安定した状態で自立している。さらに、回転軸5にかかる負荷は、第一筐体2と、第二筐体3とにそれぞれ分散されるので、カメラ機器1は安定してその姿勢を保持できる。それ故、カメラ部6を安定して回動させることができる。そして、レンズ部7を撮像対象者に向けることによって、カメラ機器1の設置が完了する。
【0035】
次に、折り畳まれたカメラ機器1を開くときの操作性について説明する。図4に示すように、折り畳まれたカメラ機器1を回転軸5の軸方向から見た場合、第一筐体2の接地部28は、前方から後方に向かって斜め上方に傾斜している。これに対し、第二筐体3の接地部33は、後方から前方に向かって斜め上方に傾斜している。さらに、カメラ機器1を折り畳んだ状態では、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33とは、同じ位置関係となっている。故に、接地部28,33はV字形状を形成することができる。
【0036】
さらに、接地部28,33は、第一筐体2と第二筐体3とが対向する対向面を中心とした対称形状の傾斜面となっている。これは、第一筐体2と第二筐体3とが回転軸5を中心に開く構造であって、その開いた状態の接地部28,33を水平にしたことに起因する。これらの特徴から、接地部28,33に対して両手の指を当てやすく、さらには指を引っ掛けやすくなるので、カメラ機器1を開く際の操作性が向上する。
【0037】
次に、カメラ機器1を折り畳んだ状態について説明する。図2,図4に示すように、カメラ機器1を折り畳んだ状態では、第二筐体3の右端側の側壁部32は、第一筐体2の右側面部22の段差部22Aに覆い被さっている。第二筐体3の左端側の側壁部(図示外)は、第一筐体2の左側面部23の段差部(図示外)に覆い被さっている。第二筐体3の接地部33は、第一筐体2の底面部25の非接地部27に覆い被さっている。この状態では、第二筐体3の空洞部37に、第一筐体2の背面側が収納された状態となる。従って、カメラ機器1を折り畳んだ状態の厚みを薄くできるので、カメラ機器1を小型化できる。
【0038】
さらに、第二筐体3の接地部33は、第一筐体2の底面部25の非接地部27に覆い被さるので、第二筐体3の接地部33の位置を、第一筐体2の接地部28の位置に寄せることができる。これにより、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33との間の隙間が無くなるので、底面部25のデザイン性が向上する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態であるカメラ機器1は、第一筐体2と第二筐体3とを備え、回転軸5を中心に回動することで折り畳み可能に構成されている。カメラ機器1は、回転軸5を上方に向け、第一筐体2と第二筐体3とを最大角度で開いた状態で、机上Pに載置して自立させることができる。最大角度で開いたカメラ機器1を回転軸5の軸方向から見た場合、第一筐体2の机上Pに接地する接地部28と、第二筐体3の机上Pに接地する接地部33とは何れも水平である。これにより、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33とは、机上Pに対して何れも水平面で接地できるので、カメラ機器1は、開いた状態の姿勢を安定して保持できる。さらに、机上Pに自立したカメラ機器1は三角形構造である。故に、第一筐体2、第二筐体3および回転軸5にかかる荷重が分散され、バランス良く釣り合うので、カメラ機器1の構造の安定化を図ることができる。また、カメラ機器1を閉じた状態では、接地部28,33は同位置で互いに傾斜面となるので、カメラ機器1を開く際の操作性を向上できる。
【0040】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、テレビ会議端末が接続されたケーブルを、第一筐体2に設けられた入出力部に接続し、ケーブルを通じて音声情報または映像情報の入出力を行っている。これに対し、例えば、テレビ会議端末と無線通信によって音声情報、映像情報の入出力を行うようにしてもよい。この場合、テレビ会議端末と通信するためのアンテナが必要となるが、例えば、図6に示す変形例のように、網状のアンテナ80を第二筐体3の本体部31に埋め込んでもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、第一筐体2の接地部28と、第二筐体3の接地部33との全領域を一平面で形成している。接地部28,33を完全に均一な平面で形成できればよいが、製造上、その長手方向の中央付近が膨出する場合がある。この場合、接地部28,33は机上Pに対して水平に接地することができず、カメラ機器100の姿勢が安定しない。そこで、例えば、その長手方向の中央をあらかじめ凹ませることで、接地部28,33を机上Pに対して水平に接地させることができる。
【0042】
図6に示す変形例のように、第一筐体2の接地部28の長手方向中央には、上方に向かって湾曲する凹部91が設けられている。第二筐体3の接地部33の長手方向中央にも、上方向に向かって湾曲する凹部92が設けられている。凹部91,92においては、机上Pに接地しないので、接地部28,33の長手方向の両側の各部位において、机上Pに対して接地することができる。これにより、製造上、接地部28,33に生じる凹凸面に影響されることなく、カメラ機器100の姿勢を確実に安定化できる。
【0043】
また、上記実施形態では、第一筐体2の接地部28の面積と、第二筐体3の接地部33の面積とは、互いに同一となっている。例えば、第一筐体2の接地部28の面積を、第二筐体3の接地部33の面積よりも大きくしてもよい。第一筐体2は、各種電子部品を格納しているので、第二筐体3よりも重く、自立した姿勢で不安定となりやすい。故に、接地部28の面積を接地部33よりも大きくすることで、第一筐体2の安定性を保持できる。第一筐体2の安定性を保持することで、カメラ機器1の全体のバランスが保持されるので、カメラ機器1の安定性を保持できる。
【0044】
また、上記実施形態では、本発明の情報機器の一例として、カメラ機器1について説明したが、スピーカ機能を主とするスピーカ機器、マイク機能を主とするマイク機器であってもよい。さらに、上記実施形態のカメラ機器1は、カメラ部6、スピーカ10、マイク11,12を備えたものであるが、少なくとも何れか一つの機能を有する情報機器としても適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 カメラ機器
2 第一本体部
3 第二本体部
5 回転軸
6 カメラ部
10 スピーカ
11,12 マイク
28 接地部
33 接地部
37 空洞部
91 凹部
92 凹部
100 カメラ機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声情報または映像情報の入出力を行う入出力部を備え、前記入出力部を保持する第一本体部と、前記第一本体部に対して回転軸を介して開閉するように連結された第二本体部とを備える情報機器であって、
前記第一本体部、及び前記第二本体部には、前記第一本体部と前記第二本体部とを所定角度で開いた状態で、前記情報機器を水平面に接地させる接地部を備え、
前記回転軸の軸方向から見た場合に、一対の前記接地部は何れも水平になっていることを特徴とする情報機器。
【請求項2】
前記第一本体部と前記第二本体部とを閉じた状態にて、前記回転軸の軸方向から見た場合に、一対の前記接地部は、前記第一本体部と前記第二本体部とが対向する対向面を中心とした対称形状の傾斜面になっていることを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
【請求項3】
前記一対の接地部のうち少なくとも一方は、その長手方向の略中央が凹んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報機器。
【請求項4】
前記第一本体部は、前記入出力部に対して電気的に接続した電子基板部を格納する筐体であって、
前記第二本体部は、前記第一本体部と前記第二本体部を閉じた状態において前記第一本体部の筐体の一部に覆い被さる空洞部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の情報機器。
【請求項5】
前記第二本体部の前記空洞部は、外周にリブ部を備え、
前記第二本体部の前記接地部は、前記リブ部の一部で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の情報機器。
【請求項6】
前記第一本体部の前記接地部は、前記第二本体部の前記接地部に対して、同等以上の面積で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5に記載の情報機器。
【請求項7】
前記一対の接地部は、
前記第一本体部と前記第二本体部との所定角度を最大角度で開いた状態にて、前記回転軸の軸方向から見た場合に、何れも水平になっていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の情報機器。
【請求項8】
前記情報機器は、他装置に出力する映像情報を取得する撮像部をさらに備え、
前記撮像部は、前記回転軸を中心に回動するように軸支されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−58934(P2012−58934A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200465(P2010−200465)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】