説明

情報管理システム

【課題】 双方向でのメッセージのやりとりを可能とする勤怠管理装置を提供する。
【解決手段】 情報管理システム100は、検知される者の識別情報を検知する識別情報検知部10aと、音声情報又は画像情報が記憶された記憶部20bと、記憶部20bに記憶される音声情報又は画像情報を再生する再生部14と、識別情報検知部10aにより検知された識別情報に対応する音声情報又は画像情報を再生部10bに再生させる制御を行う制御部20aと、識別情報検知部10aで検知された者が所定の情報を入力することができる情報入力部10eとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理、特に勤怠に関する情報管理を行うことができる情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタイムレコーダーは、各自の管理カードを挿入して打刻したりや磁気カードの社員証をカードリーダーに読み取らせて出退勤を管理している。
【0003】
また、近年、勤怠管理装置において、従業員ごとにメッセージを伝える機能を備えたものが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−126924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、双方向でのメッセージのやりとりを可能とする勤怠管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報管理システムは、
検知される者の識別情報を検知する識別情報検知部と、
音声情報又は画像情報が記憶された記憶部と、
前記記憶部に記憶される音声情報又は画像情報を再生する再生部と、
前記識別情報検知部により検知された識別情報に対応する音声情報又は画像情報を前記再生部に再生させる制御を行う制御部と、
前記識別情報検知部で検知された者が所定の情報を入力することができる情報入力部とを含む。
【0006】
従来、背景技術にも示されているように勤怠管理にて、一方向からの情報伝達であり、双方向にてコミュニケーションを行うことに着眼したものはなかった。本発明によれば、情報入力部があるため、被検知者も管理者などの所定の者にメッセージを送ることができ、勤怠管理システムにて双方向のコミュニケーションが可能となる。したがって、出勤時および退勤時における相互に思いやりのやりとりができ、業務の円滑化も図ることができる。
【0007】
本発明において、さらに、検知される者の身体情報を検知する身体情報検知部を含むことができる。これによれば、身体情報が適正な範囲内にあるか、または、過去の履歴と比べて問題となる変化をしていないか確認することができ、被検知者の健康管理にも有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
1.システムの構成
図1は、実施の形態に係る情報管理システムを示すブロック図である。図2は、情報管理システムを模式的に示す図である。本実施の形態では、出退勤管理システムを例にとり情報管理システムを説明する。
【0010】
情報管理システム100は、入出力システム10と、制御システム20とを含む。入力力システムと制御システムとは、電気回線(インターネット回線、イントラネット回線などの電気通信回線も含む)30により接続されている。
【0011】
入出力システム10は、識別情報検知部10aと、再生部10bと、時刻表示部10cと、身体情報検知部10dと、第1情報入力部10eとを含む。
【0012】
識別情報検知部10aは、検知される者(以下「被検知者」という)の識別情報を検知する。識別情報としては、たとえば、氏名、年齢、性別、人体固有情報などを挙げることができる。人体固有情報としては、たとえば、指紋、静脈形状、虹彩、顔形状などがある。
【0013】
識別情報検知部は、磁気部が備えられたIDカード(たとえば社員証カード)の磁気情報を検知するもの、被検知者の人体固有情報を読み取るものなどを挙げることができる。磁気情報を検知するものは、公知の磁気読み取り手段を適用することができる。被検知者の人体固有情報を読みとるものとしては、カメラなどを適用することができる。識別情報検知部10aにより検知した識別情報は、制御装置20aに送られ、記憶部20bに記録される。
【0014】
再生部10bは、音声情報又は画像情報が記憶された記憶部20bから情報を取得し、音声情報または画像情報を再生する。再生部10bは、たとえばマイクや画像表示装置(たとえば液晶表示装置)などから構成することができる。再生部10bは、マイクや画像表示装置など複数設けてもよい。音声情報又は画像情報は、被検知者の趣向(内容や声の人)に合ったものや、その被検知者に対する伝達情報(たとえば被検知者の管理者からの伝達情報)などがある。
【0015】
時刻表示部10cは、時刻を表示する。時刻表示部10cは、公知のものを適用することができ、たとえばタイムレコーダーで適用されているものを用いることができる。時刻表示部10cは、制御装置20aにより同期制御してもよいし、または、制御装置20aから独立したものであってもよい。
【0016】
身体情報検知部10dは、体温、血圧または脈拍などを検知する。体温を検知するものとしては、公知のものを適用でき、接触式または非接触式のいずれであってもよい。脈拍を検知するものとしては、公知の脈拍センサー(たとえば赤外線などを利用した脈拍センサーなど)を適用することができる。血圧を計測するセンサーは、公知のものを適用することができる。身体情報検知部10dは、制御装置20aにより制御される。身体情報検知部10dにより検知した身体情報は、制御装置20aに送信され、制御装置20aに接続された記憶部20bに記録される。身体情報検知部10dは、見やすさの観点から、再生部10bの近傍に設けることができる。身体情報検知部10dは、識別情報検知部10aと同一のセンサーから構成させるとよい。つまり、識別情報検知部10aが指紋を検知するものである場合に、識別情報検知部10aを構成するセンサーに脈拍を把握するセンサー機能をもたすことができる。これにより、識別情報を検知させる行為のみで、身体情報を把握することができる。
【0017】
第1情報入力部10eは、被検知者が情報を入力するためのものである。第1情報入力部10eの使用態様として、たとえば、被検知者の管理者に対するメッセージ情報などを入力するものを挙げることができる。第1情報入力部10eは、たとえば、被検知者の声を入力するためのマイク、被検知者の顔などを撮影するカメラ、文字を入力することができるキーボードなどであることができる。第1情報入力部10eは、制御装置20aにより制御される。第1情報入力部10eに情報が入力された場合には、制御装置20aに情報が送られ、記憶部20bに情報が記憶される。被検知者の情報は、特定の者(たとえば管理者)に対応づけて記憶され、管理者は、制御装置20aから、または、制御装置20aに接続されたコンピューター端末からその情報をいつでも知得することができるようにすることができる。
【0018】
次に、制御システム20について説明する。
【0019】
制御システム20は、制御装置(たとえばコンピューター)20aと、記憶部20bと、第2情報入力部20cとを含む。
【0020】
制御装置20aは、記憶部20bおよび第2情報入力部20cを制御すると共に、上述したように、識別情報検知部10a、再生部10b、時刻表示部10c、身体情報検知部10dおよび第1情報入力部10eを制御する。
【0021】
制御装置20aは、識別情報検知部10aで検知した識別情報を記憶部20bに記憶する。また、制御装置20aは、記憶部20bに記憶されている認証データーベースに基づき、識別情報検知部10aで検知した識別情報と認証データベースとのデータとを照合し、認証判断も行う。また、識別情報検知部10aが識別情報を検知した時(いわゆる打刻時刻)の時刻を読み取り、記憶部24に記憶する。
【0022】
記憶部20bは、制御装置(コンピューター)20aに接続されており、記憶部20bには識別情報に対応させて音声情報又は画像情報が記憶されている。また、認証データベースも記憶されている。記憶部20bの機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、またはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。また、制御装置20aにハードディスクなどの記憶手段がある場合には、その記憶手段に記憶部20bの機能を持たせてもよい。
【0023】
第2情報入力部20cは、入出力システム10により検知される者に対する情報を入力するものである。第2情報入力部20cは、たとえば、被検知者に対するメッセージを入力するためのマイク、第2情報入力部20cで情報を入力しようとしている者(たとえば管理者)の顔などを撮影するカメラ、文字を入力することができるキーボードなどであることができる。第2情報入力部20cにより、被検知者の身体情報に応じたアドバイス内容を入力してもよい。第2情報入力部20cは、制御装置20aにより制御される。第2情報入力部20cに情報が入力された場合には、制御装置20aに情報が送られ、記憶部20bに情報が記憶される。第2情報入力部20cは、制御装置20aに接続されている別の端末に接続されていてもよい。
【0024】
2.動作
次に、動作例を説明する。
【0025】
(1)第1の動作例
図3を参照しながら、第1の動作例(通常の例)を説明する。
【0026】
まず、出勤または退勤時に被検知者は、自らの識別情報を識別情報検知部10aに検知させる(S10)。たとえば、磁気部を有するIDカードにより識別情報を検知する場合には、被検知者は、IDカードを識別情報検知部10aとしてのカードリーダーに通す。人体固有情報に基づき識別情報を検知する場合には、自らの身体の固有情報を読み込ませる。
【0027】
次に、識別情報検知部10aが検知した識別情報に基づき、制御装置20aが記憶部20bに記憶された認証データーベースと照合して認証を行う(S11)。認証された場合には、認証した旨および識別情報の検知時間を記憶部20bに転送する(S12)。認証されなかった場合には、再生部10bなどで警告を表示する(S13)。記憶部20bに転送された情報は、記憶部20bに記憶されると共に(S14)、記憶部20bにその被検知者に対する情報(メッセージなど)があるかどうかを判断する(S15)。被検知者に対する情報があれば、再生部10bによりその情報を再生する(S16)。被検知者に対する情報がなければ、再生しないか、または、再生部10bで定型のメッセージを再生する(S17)。
【0028】
(2)第2の動作例
図4を参照しながら、第2の動作例(健康メッセージを流す例)を説明する。
【0029】
まず、出勤または退勤時に被検知者は、自らの識別情報を識別情報検知部10aに検知させる(S20)。たとえば、磁気部を有するIDカードにより識別情報を検知する場合には、被検知者は、IDカードを識別情報検知部10aとしてのカードリーダーに通す。人体固有情報に基づき識別情報を検知する場合には、自らの身体の固有情報を読み込ませる。また、併せて、身体情報検知部10dに自らの身体情報を検知させる。
【0030】
次に、識別情報検知部10aが検知した識別情報に基づき、制御装置20aが記憶部20bに記憶された認証データーベースと照合して認証を行う(S21)。認証された場合には、認証した旨、識別情報の検知時間および身体情報検知部10dが検知した身体情報を記憶部20bに転送する(S22)。認証されなかった場合には、再生部10bなどで警告を表示する(S23)。記憶部20bに転送された情報は、記憶部20bに記憶されると共に、記憶部20bに記憶された過去のその被検知者の身体情報と照合される(S24)。照合結果に基づき、健康状態に変化があるかどうかを判断する(S25)。この変化しているかどうかの判断は、身体情報が所定の値を超えたか、または、下回ったかどうかに基づき判断してもよい。また、身体情報の変化量が所定量を超えたかどうかで判断してもよい。
【0031】
健康状態に変化があると判断した場合には、予め記憶された適切なアドバイスメッセージを選択し、再生部10bにより再生する(S26)。健康状態に変化がなければ、良好の旨のメッセージを再生部10bにより再生する(S27)。
【0032】
(3)第3の動作例
図5を参照しながら、第3の動作例(双方向メッセージの例)を説明する。
【0033】
まず、出勤または退勤時に被検知者は、自らの識別情報を識別情報検知部10aに検知させる(S30)。たとえば、磁気部を有するIDカードにより識別情報を検知する場合には、被検知者は、IDカードを識別情報検知部10aとしてのカードリーダーに通す。人体固有情報に基づき識別情報を検知する場合には、自らの身体の固有情報を読み込ませる。
【0034】
次に、識別情報検知部10aが検知した識別情報に基づき、制御装置20aが記憶部20bに記憶された認証データーベースと照合して認証を行う(S31)。認証された場合には、被検知者は、第1情報入力部10eを起動させ、メッセージおよびメッセージの宛先を入力する。その入力後、認証した旨、識別情報の検知時間および被検知者からのメッセージ情報等を記憶部20bに転送する(S32)。認証されなかった場合には、再生部10bなどで警告を表示する(S33)。記憶部20bに転送された情報は、記憶部20bに記憶される(S34)。
【0035】
そして、制御装置20aは、被検知者が入力した宛先に対応するメールアドレスまたはクライアント端末などにメッセージを通知する(S35)。それを受けとった者は、自らのクライアント端末から制御装置20aにアクセスをしてメッセージを再生する(S36)。
【0036】
4.変形例
次に、作用効果を説明する。
【0037】
情報管理システムによれば、たとえば出勤退管理システムとして適用した場合に、出退勤時間の記録ではなく、社員と管理者(経営者を含む)とのコミュニケーションをこのシステムを通じて行うことができる。つまり、管理者がメッセージを伝えられることで、普段のコミュニケーションの不足を補い、社員への仕事意欲奮起、温かみのある社員管理によって社内活性化につながる。また、社員も管理者へのメッセージを伝えることができ、双方向でのコミュニケーションを行うことができる。さらに、社員にメッセージを伝える者(たとえば社長や代表者)のレリーフを識別情報検知部10aの近くの視線に入るところに設置することで、社員がその者に対する親近感をより強いものとすることができる。
【0038】
タイムレコード時に健康データ(体温、血圧、脈拍等)を取得することができるため、毎日の健康状態や変化を把握でき、その日の食事や健康のアドバイスをすることが可能となる。
【0039】
上記の実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施の形態に係る情報管理システムを示すブロック図である。
【図2】情報管理システムを模式的に示す図である。
【図3】第1の動作例を示すフロチャートである。
【図4】第2の動作例を示すフロチャートである。
【図5】第3の動作例を示すフロチャートである。
【符号の説明】
【0041】
10 入出力システム
10a 識別情報検知部
10b 再生部
10c 時刻表示部
10d 身体情報検知部
10e 第1情報入力部
20 制御システム
20a 制御装置
20b 記憶部
20c 第2情報入力部
100 情報管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知される者の識別情報を検知する識別情報検知部と、
音声情報又は画像情報が記憶された記憶部と、
前記記憶部に記憶される音声情報又は画像情報を再生する再生部と、
前記識別情報検知部により検知された識別情報に対応する音声情報又は画像情報を前記再生部に再生させる制御を行う制御部と、
前記識別情報検知部で検知された者が所定の情報を入力することができる情報入力部とを含む、情報管理システム。
【請求項2】
請求項1において、
さらに、検知される者の身体情報を検知する身体情報検知部を含む、情報管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−205188(P2009−205188A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29815(P2008−29815)
【出願日】平成20年2月9日(2008.2.9)
【出願人】(508032974)
【Fターム(参考)】