説明

情報表示装置

【課題】1つの表示画面上に各種情報処理端末から得られた動的な情報をリアルタイムに表示しつつ、ユーザが簡単な操作によって所望の機能選択を実行できる情報表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】表示画面上に表示中のメニュー項目の階層を容易に把握できるようにメニュー項目の内容とともに階層に関する情報100、101を表示し、表示したメニュー項目の選択をロータリーエンコーダなどの回転操作部52を用いて操作するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイム性を有する複数の動的画像を、1つの表示画面に統合して表示する情報表示装置のメニュー選択に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レーダ装置、プロッタ、魚群探知機、ファックス、AIS(Automatic Identification System)などの船舶に搭載される各種情報処理端末をネットワークを用いて融合させ、これらの情報を1つの表示画面上に表示する情報表示装置の開発が進められている(特許文献1、2)。
このような情報表示装置は、複数のセンサからの信号を用いて動的な情報を生成し、該生成した情報をリアルタイムに1つの表示画面上に表示する。これにより、海上での衝突予防援助情報や、航海情報、或いは漁労情報などの多種多様な情報をユーザに提供している。
【0003】
図9は、従来の情報表示装置の操作手法を説明するための説明図である。図9に示すように従来の情報表示装置は、操作部に設けられた複数のボタン300にそれぞれ対応するメニューの内容を表示画面上に表示し、階層化したメニュー項目から所望のメニュー項目をユーザに選択させている。
【特許文献1】特開平11−344554号公報
【特許文献2】特開2002−328159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物理的に個数が限られたボタン300を用いて、多数の選択肢から所望の項目を選択させるためには、各ボタン300に応じたメニュー項目を深い階層まで階層付けする必要があり、所望のメニューを選択するまでユーザに多くの操作を強いることとなり、ユーザによる操作性が低下するという問題がある。また、物理的に離れたボタン300を操作してメニュー選択を行うため、常に揺れている船上では、操作し辛いといった問題もある。
【0005】
さらに、図10に示すように、遠隔操作可能なコントローラ400を用いて情報表示装置を操作する場合には、コントローラ400に設けられたボタン300と情報表示装置の表示部とが離れているため、ボタン300と表示画面上に表示されたメニューの内容との対応関係がわかりにくく、操作し辛いといった問題がある。
【0006】
特に、レーダ装置や魚群探知機等の各種情報処理端末から送信される種々の情報を統合して表示する情報表示装置においては、各種情報処理端末の諸機能に応じた機能選択を簡易に行えることが肝要であり、多機能化する各種情報端末に応じた設計自由度の高い機能選択手法の開発が望まれている。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、1つの表示画面上に各種情報処理端末から得られた動的な情報をリアルタイムに表示した状態で、ユーザが簡単な操作によって所望の機能選択を実行することができる情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、船舶に搭載された複数のセンサ部と、前記センサ部からの信号に基づいて時々刻々と変化する複数の動的画像を生成する信号処理部と、前記複数の動的画像のうち、選択された少なくとも1つの画像を個別のウィンドウを用いて表示する情報表示部と、前記動的画像に関連する複数のメニュー項目を階層構造で記憶するメニュー記憶部と、メニュー選択に使用する回転操作部と、前記動的画像を表示画面上に表示した状態で、当該表示画面の一部にメニュー項目を表示するとともに、表示したメニュー項目を前記回転操作部の回転操作に連動してスクロールさせるメニュー表示部と、を備える。
【0009】
前記センサ部は、例えば、魚群探知用のセンサ部、レーダ映像生成用のセンサ部、プロッタに位置情報を与えるセンサ部を含み、信号処理部は、センサ部からの信号に基づいて、魚群探知機の画像、レーダ画像、プロッタ画像の、時々刻々と変化する動的画像を生成する。
メニュー選択時には、この動的画像を表示した状態で、表示画面上の一部の領域にメニュー項目を表示し、前記回転操作部の回転操作に連動して表示したメニュー項目をスクロールさせ、メニュー選択を行う。これにより、ユーザは時々刻々と変化する動的画像を確認しながら、メニュー項目の選択を回転操作部のみを操作することに行うことができ、動揺の大きい船上であっても容易に情報表示装置の操作を行うことが可能になる。
【0010】
また、前記メニュー表示部によるメニュー項目の表示は、仮想的に環状に並べたメニュー項目の一部のみを前記表示画面上に表示するようにし、前記回転操作部の回転操作に応じて前記メニュー項目を環状にスクロールさせる。この時、前記回転操作部は、前記環状に並べたメニュー項目の円周内に配置し、前記メニュー項目を前記回転操作部の回転操作に連動して環状にスクロールさせる。これにより、表示画面上に表示したメニュー項目の動きと前記回転操作部の回転操作とに、より一体感が生まれ、ユーザ操作性をさらに高めることが可能になる。
【0011】
また、前記メニュー表示部は、現在表示されているメニュー項目の内容だけでなく、階層に関する情報をも同時に表示するようにしてもよい。例えば、上位階層に分類されたメニュー項目の選択指示を受付けると、当該選択されたメニュー項目の下位階層に分類されたメニュー項目を表示するとともに、既選択済の上位階層メニュー項目の一部または全部を表示画面上に残すようにしたり、また、表示中のメニュー項目に下位階層が存在するか否かを識別するための情報を表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは現在選択中のメニュー項目の階層を認識しながらメニュー選択を行うことができ、ユーザ操作性を高めることが可能になる。
【0012】
また、前記メニュー表示部は、上位階層のメニュー項目の表示時に、当該メニュー項目の下位階層に2つのメニュー項目が存在する場合と、3つ以上のメニュー項目が存在する場合とで、メニュー項目の一部又は全部を異なった表示にする。例えば、表示中のメニュー項目の下位階層がONとOFFの2つのメニュー項目からなる場合には、メニュー表示部は、メニュー項目とともに、表示中のメニュー項目のON/OFF情報を同時に表示する。これにより、下位階層のメニュー項目を表示することなく、上位階層のメニュー項目を表示したままで下位階層のON/OFFの選択が可能になる。
【0013】
また、前記メニュー表示部は、上位階層のメニュー項目の表示時に、メニュー項目の表示内容として、現在実行中の下位階層のメニュー内容を表示するようにしてもよい。これにより、下位階層のメニュー項目を表示させなくてもユーザは現在実行中のメニュー項目を視認することができる。
【0014】
さらに、本発明は、前記メニュー記憶部が複数のメニュー群を有し、メニュー表示部が、前記複数のメニュー群から予め設定された1つのメニュー群を選択し、前記回転操作部を用いたメニュー選択時に前記選択したメニュー群に含まれるメニュー項目の中からメニュー選択を行うようにしてもよい。つまり、初級者用、中級者用、上級者用などの複数のメニュー群を予め用意しておき、ユーザが自己の熟練度に応じたメニュー群を選択して、メニュー選択を行えるようにする。これにより、ユーザによる操作利便性を向上させることが可能になる。
【0015】
また、前記メニュー表示部は、表示するメニュー項目を所定の透過率を有するメニューアイコンとして、表示画面上に表示中の動的画像に重畳して表示してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザは、表示中のリアルタイム性を有する動的画像を監視しながら、回転操作部を用いて表示中の動的画像の機能選択を直感的に行うことが可能になる。また、複数のメニュー項目の選択を1つの回転操作部を用いてソフト的な処理で実行するようにしたことにより、1つの階層で選択可能なメニュー項目数に特に制約を受けず、メニュー項目数を自由に増減させることができ、設計の自由度を大幅に向上させることが可能になる。
【0017】
さらに本発明によれば、メニューを表示する際に、メニューアイコン中にメニュー項目の階層に関する情報を同時に表示するため、表示画面上のメニューアイコン内に表示された情報を頼りに、直感的なメニュー選択を行うことが可能になり、ユーザによるメニュー選択をより一層容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による情報表示装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による情報表示装置の構成の一例を示すブロック図であり、図2は、本発明の実施の形態1による情報表示装置の1つの表示例を示す図である。
【0019】
図1において、本発明の実施の形態1による情報表示装置は、各種センサ1と、信号処理装部2と、情報表示部3と、ディスプレイ4と、操作部5と、制御部6と、メニュー記憶部7と、指示対象表示部8と、メニュー表示部9とからなり、操作部5は、ウィンドウ選択部51と、回転操作部52と、リターン操作部53とから構成される。
【0020】
各種センサ1は、例えば、図1に示すような魚群探知用センサ、レーダ映像生成用センサ、航跡等を表示するプロッタに位置情報を与える位置センサ(プロッタ用センサ)である。魚群探知用センサは水中に超音波信号を送受信する振動子を含み、該振動子で受信したエコーを予め決められたフォーマットのデータに変換して信号処理部2に出力する。レーダ映像生成用センサはレーダアンテナを含み、レーダアンテナで受信したエコーを予め決められたフォーマットのデータに変換して信号処理部2に出力する。プロッタ用センサは自船位置を検出するためのGPS受信機などであり、表示画面に表示された地図上に自船位置を表示するために、プロッタ用センサで検出した位置情報を信号処理部2に出力する。
【0021】
信号処理部2は、CPU等の情報処理部であり、各種センサ1から得られた信号を用いて時々刻々と変化する少なくとも1つ以上の動的な情報を生成する。情報表示部3は、信号処理部2で生成した動的な情報を予め決められた、或いはユーザによって選択された表示モードでディスプレイ4上に表示する。なお、表示モードとは、表示画面の分割数などの表示形態と、分割子画面に表示する動的画像の内容(例えばレーダ、魚探、プロッタなど)の情報を少なくとも含む。これにより、複数のセンサ信号に基づいて生成した時々刻々と変化する複数の動的画像が1つの表示画面上に統合して表示される。
【0022】
ウィンドウ選択部51は、メニュー選択の対象となるウィンドウを選択する。図2に示すように、表示画面を2分割して個別に異なる情報(例えば、一方の表示領域にレーダ画像、他方の表示領域に魚群探知機の探知画像)を表示するような場合、ウィンドウ選択部51の操作によって、メニュー選択を行う対象が切り替えられる。図2の例では"SELECT"ボタンがウィンドウ選択部51に相当し、図2の"SELECT"ボタンが押下される度にメニュー選択の対象が、Window 1とWindow 2とで切り替えられる。図2の点線で囲った領域が現在選択されている領域を示す。そして、図2に示すように、Window 1が選択された状態で回転操作部52が操作されると、Window 2に表示中の情報に関するメニュー項目を選択するためのメニューアイコンが表示される。
【0023】
回転操作部52は、メニュー項目を選択するための選択手段であり、例えば、ロータリーエンコーダ等の回転角度検出手段により構成される。ユーザによる回転操作が行われた場合、回転操作部52は回転操作が行われたことを検知して制御部6に対してメニュー項目を表示画面上に表示する旨の指示を出す。また、回転操作部52は、ユーザによる操作量、つまり回転操作部52の回転角を検知し、表示したメニュー項目のスクロール量の指示を制御部6に対して行う。また、回転操作部52は、ユーザによる押下操作を検知してユーザが選択したメニュー項目の実行指示を出す。このように、回転操作部52によってユーザによる一連のメニュー選択を実行できるようにしたことにより、物理的に離れた位置に配置されたボタン(ハードキー)を用いてメニュー選択する場合の不憫さを解消し、動揺の大きい船上においても、ユーザによるメニュー選択を容易に行うことが可能になる。
【0024】
リターン操作部53は、1つ前の状態に戻す操作を行うためのキーである。図2の例では"BACK"ボタンがリターン操作部53に相当する。例えば、回転操作部52の操作によってメニュー表示がなされた状態で"BACK"ボタンが押下されると、一つ前の状態、つまり表示画面上にメニュー表示がなされていない状態に戻る。また、上位階層のメニュー項目を選択後、下位階層のメニュー項目表示時に"BACK"ボタンが押下されると、一つ前の状態、つまり上位階層のメニュー項目の表示状態に戻る。
【0025】
制御部6は、ユーザインターフェイスである操作部5から出力された操作信号をうけ、ユーザ操作に基づく所定の処理を各処理部に実行させる。
【0026】
メニュー記憶部7は、例えば、レーダ用の複数のメニュー項目からなるメニューグループ、魚群探知機用の複数のメニュー項目からなるメニューグループ、プロッタ用の複数のメニュー項目からなるメニューグループのように、各種センサ1からの信号を用いて生成される動的画像にそれぞれ対応したメニューグループを記憶保持している。各メニューグループを構成するメニュー項目はそれぞれ図3に示すような階層構造をとっている。
【0027】
指示対象表示部8は、メニュー選択の対象となる動的画像を特定するためのものであり、ここでは、図2に示すように、メニュー選択の対象となる画面を特定する太い点線枠を表示画面上に表示する。指示対象表示部8は、制御部6からの制御信号に基づいて、メニュー選択の対象となるウィンドウを切替える。
【0028】
メニュー表示部9は、ディスプレイ上に表示中の動的な画像に重畳してメニュー記憶部7に記憶されている所定のメニュー項目に対応するメニューアイコンを表示するとともに、操作部5からの指示に基づいて表示したメニューアイコンを移動させる。メニュー表示部9は、あたかも、仮想的に環状に配列したメニューアイコンの一部が表示画面上に表示されているようにメニューアイコンの表示位置を制御し、回転操作部52の回転操作に連動して新たなメニューアイコンが表示画面の縁部から次々と表れるようにメニューアイコンを環状にスクロールさせる。この時、図2に示すように、回転操作部52をディスプレイ近傍に配置し、メニューアイコンが回転操作部52の周りを移動するように制御する。これにより、表示画面上に表示されたメニューアイコンのスクロールと回転操作部52の回転操作に一体感を持たせることができる。
【0029】
また、表示画面を分割してそれぞれの子画面で複数の動的画像を表示する場合、メニューアイコンは、画面分割された境界線上に跨って表示するようにしてもよい。これにより、メニューアイコンは等分割されたそれぞれの子画面に同じ割合で重畳することとなり、表示中の動的画像を極力隠すことなく、メニュー選択を行うことが可能になる。また、メニュー表示部9が表示するメニューアイコンは、ディスプレイ4上に表示されている動的な情報の視認性を妨げないため、所定の透過率を有するメニューアイコンとするのが好ましい。表示されるメニューアイコンは、表示中の動的画像の視認性を妨げないような大きさとし、表示画面全体の10%以下あるいは5%以下の領域に表示することが好ましく、さらに表示画面の端付近に表示することが望ましい。
【0030】
また、メニュー表示部9は、選択対象となっているメニュー項目をわかりやすくユーザに視認させるため、選択対象となっているメニュー項目を表示色が異なるメニューアイコン(灰色)で表示し、さらに、他のメニューアイコンよりも突出した位置に表示する。このように選択対象となっているメニューアイコンを他のメニューアイコンよりも突出した位置に表示することにより、色覚異常のユーザであっても容易に選択対象のメニューアイコンを特定することが可能になる。
【0031】
また、図2に示す例では、メニュー表示部9がメニュー項目とともに、楕円マーク100と三角マーク101を表示している。楕円マーク100は、表示中のメニュー項目に下位の階層があり、その下位階層がONとOFFのように2つの選択肢からなることを示す。さらに、メニュー項目に対応する機能(コマンド)を実行中であるか否かを、楕円マーク100の点灯、消滅で表示している。これにより、上位階層のメニュー項目を表示したまま実行指示を出せばON/OFFの切替えを行うことができ、下記階層のメニュー項目を表示することなくメニュー選択を行うことが可能になる。なお、下位階層のメニュー項目はON/OFFの2つの選択肢からなるメニュー項目のみに限定されず、例えば、最下位階層のメニュー項目が2つの選択肢からなるメニュー項目である場合でも、メニュー項目の内容をメニュー項目の実行指示に応じて切替表示することにより、下位階層のメニュー項目を表示せずにメニュー選択を実行させることが可能である。
【0032】
また、図2中の三角マーク101は、表示中のメニュー項目に下位の階層があり、その下位階層に3つ以上の選択肢があることを示す。三角マーク101が表示されているメニュー項目が選択されると、選択された階層のメニューアイコンが表示画面上から消え、下位階層のメニュー項目のメニューアイコンが表示される。なお、図4(e)に示すように選択元のメニューアイコンの一部を表示画面上に残しておくようにしてもよく、この場合、上位の階層から移動してきたことをユーザに視認させることができる。
【0033】
また、楕円マーク100と三角マーク101の何れのマークも付されていないメニュー項目は、最下位層のメニュー項目(下位階層がないメニュー項目)を示し、当該メニュー項目が選択されることにより、該メニュー項目に対応する機能(コマンド)が実行される。このように、メニューアイコン中にメニュー項目の階層に関する情報を付すことにより、ユーザの操作性をより一層向上させることができる。
【0034】
次に、本発明の実施の形態1による情報表示装置の操作処理について図4、図5を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態1による情報表示装置の動作を説明するための説明図であり、ユーザによる操作に応じた表示画面上の変化の一例を示したものである。ここでは、図4(a)から(f)の順で表示状態が変化する。図5は、メニュー選択の対象となるウィンドウが選択された後のメニュー選択処理を説明するフローチャートである。
【0035】
ユーザは、先ずメニュー選択の対象を特定するため、ウィンドウ選択部51を操作する。図4(a)では、"SELECT"ボタンが図1のウィンドウ選択部51に相当する。"SELECT"ボタンが押下される度に子画面を囲む太い点線枠が移動し、メニュー選択の対象とするウィンドウが特定される。
【0036】
この状態で回転操作部52の回転操作が行われると、回転操作部52から制御部6にメニュー表示指示が発せられ(S101)、制御部6はメニュー選択の対象となっている子画面に表示中の動的画像に対応するメニューをメニュー記憶部7から読み出す。そして、読み出したメニューの最上位階層のメニュー項目をメニュー表示部9に表示させる(S102)。
【0037】
なお、ステップS101のメニュー表示指示は、回転操作部52の回転操作の他、回転操作部52の押下或いは他のボタンによる操作をトリガとして行ってもよい。また、メニュー項目の表示手法としては、図4(b)に示すように、メニューアイコンを画面側面からスライドインさせたり、メニュー表示指示を受けた瞬間にメニューアイコンを表示させる等、種々の表示方法が考えられる。
【0038】
メニュー表示後に、制御部6が回転操作部52の回転操作を検出する(S103)と、制御部6はメニュー表示部9を制御し、表示したメニューアイコンを回転操作部52の回転操作に連動して環状にスクロールさせる(S104)。メニューアイコンは、図4(c)に示すように、回転操作部52の周りを回転操作部52の回転操作に連動して環状に移動する。これにより、ユーザの回転操作部52の操作に連動したメニューアイコンのスクロールを実現でき、ユーザに対して直感的な操作感を与えることが可能になる。
【0039】
次に、ユーザが回転操作部52を押下することによりメニュー項目の実行指示が発令されると、制御部6はメニュー項目の実行指令を受付け(S105)、選択されたメニュー項目に下位階層があるか否かを判断する(S106)。
【0040】
下位階層がない場合、制御部6は選択されたメニュー項目に対応するコマンドの実行指令を信号処理部2に対して行う(S109)。一方で、下位階層がある場合、制御部6は下位階層のメニュー項目がON/OFFの選択肢からなるメニュー項目であるか否かを判断する(S107)。
【0041】
下位階層を構成するメニュー項目がON/OFFの場合には下位階層のメニュー項目を表示せずに、制御部6が信号処理部2に対してON/OFFの切り替え指示を行う(S109)とともに、メニューアイコン中の楕円マーク100の点灯、消滅を、メニュー項目の実行状況に応じて切替える旨の指示を出す。
【0042】
下位階層を構成するメニュー項目がON/OFFでない場合には、更なる選択操作が必要であるため、選択された上位階層のメニュー項目を収納し、下位階層のメニュー項目を表示する(S108)。この様子が図4の(d)に相当する。この時、現在表示中のメニューアイコンが下位階層のメニュー項目であることをユーザに知らせるため、既選択済の上位階層のメニューアイコンの一部または全部を表示画面上に表示しておく(図4(e))。なお、下位階層のメニュー項目が表示された後の処理については、前述したステップS103からステップS107の処理が同様に行われる。
【0043】
そして、ステップS109により選択されたメニュー項目に対応するコマンドの実行指令が発令されると、制御部6は信号処理部2に指示された処理を実行させ、処理結果を表示画面上に表示する。この時、メニューアイコンは表示したままで、メニュー選択後の処理結果を表示画面上に表示された動的画像に反映させる。これにより、選択したメニューの反映状況を表示画面上で確認しながら、さらなるメニュー選択を行うか否かを選択することが可能になる。
【0044】
制御部6は、選択されたメニュー項目に対応するコマンド実行後、一定期間内に更なるコマンドの実行指令が発令されない場合、メニュー表示部9を制御して表示中のメニューアイコンを収納し(S110)、メニュー選択処理を終了する(図4(f))。なお、図5には示していないが、制御部6は、これ以外にも、予め決められた所定の時間内に、さらなるメニュー選択操作が行われなかったことを検出してメニュー項目の収納を行う。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態1による情報表示装置のメニューアイコンの表示手法を説明するための説明図である。
【0046】
制御部6は、メニューアイコンを表示する際に先ず、下位階層のメニュー項目が存在するか否かを判断する(S201)。下位階層のメニュー項目が存在しない場合には、メニュー項目に対応する表示情報のみをメニュー表示部9に表示させる(S202)。図3に示したメニュー一覧を用いて説明すると、"B"の第2階層がこのステップS202の表示処理に該当し、メニュー項目に対応する表示情報として、"B−a"、"B−b"、"B−c"が表示される。この際、図2に示した楕円マーク100や三角マーク101は表示されない。なお、下位階層の"B−a"、"B−b"、"B−c"のメニュー表示時に、現在実行中のメニューに色付けする等、現在実行中のメニュー項目が認識できるような表示を行う。
【0047】
下位階層のメニュー項目が存在する場合、制御部6は、下位階層を構成するメニュー項目がON/OFFの2つ選択肢からなるメニュー項目であるか否かを判断する(S203)。下位階層を構成するメニュー項目がON/OFFの2つ選択肢からなるメニュー項目である場合には、現在の状態がONとOFFのいずれの状態にあるのかを判定する(ステップS204)。下位階層を構成するメニュー項目がON/OFFでない場合には、ステップS208に行く。
【0048】
現在の状態がONの場合には、当該メニュー項目に対応する機能がONである旨を表示する(S205)。現在の状態がOFFの場合には、当該メニュー項目に対応する機能がOFFである旨を表示する(S206)。この表示形態の一例が図2の楕円マーク100である。例えば、メニュー項目に対応する所定の機能がON状態である場合には、楕円マーク100内を点灯させ、メニュー項目に対応する所定の機能がOFF状態である場合には、楕円マーク100内を消灯させる。なお、下位階層のメニュー項目がONとOFF以外であっても、下位階層の情報を文字で表現するなどすれば、いずれの下位階層のメニュー項目が選択されているのかを表示することが可能になる。また、制御部6は、対象となっているメニュー項目に対応する表示情報をメニュー表示部9に表示させる(S207)。図3に示した例では、"A"の第1階層がステップS204〜ステップS207の表示処理に該当し、メニュー項目に対応する表示情報として、"A"が表示されるとともに、点灯或いは消滅した楕円マーク100が表示される。
【0049】
ステップS203にて、下位階層を構成するメニュー項目がON/OFFの2つ選択肢からなるメニュー項目でないと判断された場合には、制御部6は、下位階層が存在する旨の表示を行う(S208)。この表示形態の一例が図2の三角マーク101である。制御部6は、さらに、次の階層が最下位の階層であるか否かの判定を行い(S209)、次の階層が最下位の階層である場合には、三角マーク101とともに、現在実行中の最下位階層のメニュー項目に対応する表示情報をメニュー表示部9に表示させる(S210)。図3に示した例では、"B"の第1階層がステップS210の表示処理に該当し、メニュー表示としては、現在実行中のモード"B−a"、"B−b"、"B−c"のいずれかとともに、下位の階層の存在を示す三角マーク101が表示される。これにより、上位階層"B"の選択時に、下位階層"B−a"、"B−b"、"B−c"の何れを実行中であるのかの情報を得ることができ、ユーザによる操作性をさらに向上させることができる。
【0050】
一方で、次の階層が最下位の階層でない場合には、制御部6は、対象となっているメニュー項目に対応する表示情報をメニュー表示部9に表示させる(S211)。図3に示した例では、"C"の第1階層がステップS211の表示処理に該当し、メニュー項目に対応する表示情報として "C"が表示されるとともに、下位の階層の存在を示す三角マーク101が表示される。なお、制御部6は、次の階層が最下位の階層であるか否かに関わらず、対象となっているメニュー項目に対応する表示情報をメニューアイコン中に表示させてもよい。
【0051】
以上のように、本発明の実施の形態1による情報表示装置によれば、回転操作部52を用いた直感的な操作が可能になり、リアルタイム性を有する動的画像を常に監視しながら、容易にメニュー選択を行うことが可能になる。また、選択対象となるメニュー項目の数をソフト的な処理で自由に変更することができるため、設計の自由度も大幅に向上する。
【0052】
さらに、メニュー項目を表示する際に、メニューアイコン中にメニュー項目の階層に関する情報を同時に表示することにより、メニューアイコン内に表示された情報を頼りに、直感的なメニュー選択を行うことが可能になり、ユーザによるメニュー選択をより一層容易にすることができる。
【0053】
なお、本発明の実施の形態1による情報表示装置では、ウィンドウ選択部51と指示対象表示部8によってメニュー選択の対象となるウィンドウを特定したが、例えば、ウィンドウ選択部51及び指示対象表示部8を設けず、選択するメニュー項目の最上位階層を、ウィンドウ選択を行うメニュー項目とし、前述の回転操作部52の操作によってメニュー選択の対象となる動的画像をも特定するようにしてもよい。
【0054】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による情報表示装置について説明する。
本発明の実施の形態2による情報表示装置は、図7に示す、ユーザの熟練度に応じたメニュー項目群を情報表示端末のメニュー記憶部7内に記憶している点において前述した本発明の実施の形態1による情報表示装置と相違する。
【0055】
図7に示す例では、メニュー記憶部7が予め初級者・中級者・上級者用のメニュー群を保持している。なお、このメニュー群はレーダ用の複数のメニュー項目からなるメニューグループ、魚群探知機用の複数のメニュー項目からなるメニューグループ、プロッタ用の複数のメニュー項目からなるメニューグループ等の、メニューグループ(図3)の集合である。
【0056】
そして、情報表示装置は、初期設定等のタイミングで、ユーザにこれら複数のメニュー項目群の中から所望のメニュー項目群を選択させるようにし、ユーザによるメニュー表示指示を受付けると、情報表示装置の制御部6は、予めユーザによって選択されたメニュー項目群をメニュー記憶部7から読み出す。これにより、予めユーザの熟練度に応じたメニューを表示することが可能になる。もちろん、予め用意されるメニュー項目群は、ユーザが自由にカスタマイズできるようにしてもよく、ユーザがよく使う機能のみ選択したメニュー項目群をメニュー記憶部7が保持するようにしてもよい。
また、メニュー項目群の選択はユーザによる事前設定だけでなく、例えば、ユーザが回転操作部52を長押したことをトリガに、メニュー項目群の変更を行うようにしてもよい。
【0057】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による情報表示装置について説明する。
本発明の実施の形態3による情報表示装置は、図8に示すように、遠隔操作可能なコントローラ200を用いて情報表示装置を操作する点において前述した本発明の実施の形態1による情報表示装置と相違する。
【0058】
コントローラ200は、情報表示装置に設けられている操作部5と同様に、ウィンドウ選択部51と、回転操作部52と、リターン操作部53とからなり、前述した本発明の実施の形態1による情報表示装置の操作部5と同様の処理を行う。
【0059】
なお、本発明は、本発明の各実施の形態で説明した発明の本旨を逸しない範囲で自由に設計変更可能であり、本発明の各実施の形態で説明した内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態1による情報表示装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1による情報表示装置の1つの表示例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1による情報表示装置のメニュー記憶部に記憶されたメニューの一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1による情報表示装置の動作を説明するための説明図
【図5】本発明の実施の形態1による情報表示装置のメニュー選択対象が特定された後のメニュー選択処理を説明するためのフローチャート
【図6】本発明の実施の形態1による情報表示装置のメニューアイコンの表示手法を説明するための説明図
【図7】本発明の実施の形態2による情報表示装置のメニュー記憶部に記憶されたメニュー項目群の一例を示す図
【図8】本発明の実施の形態3による情報表示装置の構成を示す図
【図9】従来の情報表示装置の構成を示す図
【図10】従来の遠隔操作用の情報表示装置を示す図
【符号の説明】
【0061】
1 各種センサ
2 信号処理部
3 情報表示部
4 ディスプレイ
5 操作部
6 制御部
7 メニュー記憶部
8 指示対象表示部
9 メニュー表示部
51 ウィンドウ選択部
52 回転操作部
53 リターン操作部
100 楕円マーク
101 三角マーク
200、400 コントローラ
300 ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサ部と、
前記センサ部からの信号に基づいて時々刻々と変化する複数の動的画像を生成する信号処理部と、
前記複数の動的画像のうち、選択された少なくとも1つの画像を個別のウィンドウを用いて表示する情報表示部と、
前記動的画像に関連する複数のメニュー項目を階層構造で記憶するメニュー記憶部と、
メニュー選択に使用する回転操作部と、
前記動的画像を表示画面上に表示した状態で、当該表示画面の一部に前記メニュー項目を表示するとともに、表示したメニュー項目を前記回転操作部の回転操作に連動してスクロールさせるメニュー表示部と、
を備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記センサ部は、魚群探知用のセンサ部、レーダ映像生成用のセンサ部、プロッタに位置情報を与えるセンサ部、の少なくとも1つを含むことを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記メニュー表示部は、仮想的に環状に並べたメニュー項目の一部のみを前記表示画面上に表示するようにし、
前記回転操作部の回転操作に応じて前記メニュー項目を環状にスクロールさせることを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報表示装置において、
前記回転操作部は、前記仮想的に環状に並べたメニュー項目の円周内に配置され、
前記メニュー項目は、前記回転操作部の回転操作に連動して、前記回転操作部の周りを環状にスクロールすることを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の情報表示装置において、
前記メニュー表示部は、上位階層に分類されたメニュー項目の選択指示を受付けると、当該選択されたメニュー項目の下位階層に分類されたメニュー項目を表示するとともに、既選択済の上位階層メニュー項目の一部または全部を表示画面上に残しておくことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れかに記載の情報表示装置において、
前記メニュー表示部は、表示中のメニュー項目に下位階層が存在するか否かを識別するための情報を表示することを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報表示装置において、
前記メニュー表示部は、上位階層のメニュー項目の表示時に、当該メニュー項目の下位階層に2つのメニュー項目が存在する場合と、3つ以上のメニュー項目が存在する場合とで、メニュー項目の一部又は全部を異なった表示にすることを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載の情報表示装置において、
前記メニュー表示部は、表示中のメニュー項目の下位階層がONとOFFの2つのメニュー項目からなる場合には、メニュー項目とともに、表示中のメニュー項目のON/OFF情報を同時に表示することを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
請求項1から7の何れかに記載の情報表示装置において、
前記メニュー表示部は、上位階層のメニュー項目の表示時に、メニュー項目の表示内容として、現在実行中の下位階層のメニュー内容を表示することを特徴とする情報表示装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れかに記載の情報表示装置において、
前記メニュー記憶部は、複数のメニュー群を有し、
メニュー表示部は、前記複数のメニュー群から予め設定された1つのメニュー群を選択し、前記回転操作部を用いたメニュー選択時に前記選択したメニュー群に含まれるメニュー項目の中からメニュー選択を行うことを特徴とする情報表示装置。
【請求項11】
請求項1から10の何れかに記載の情報表示装置において、
前記メニュー表示部は、表示するメニュー項目を所定の透過率を有するメニューアイコンとして、表示画面上に表示中の動的画像に重畳して表示することを特徴とする情報表示装置。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図4】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−282390(P2008−282390A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95266(P2008−95266)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【出願人】(507117968)マックスシー インターナショナル エス.エ−.エス (3)
【Fターム(参考)】