説明

情報配信システム、およびこれに利用する情報配信装置、情報配信方法、情報配信用プログラム

【課題】 大雨による災害を未然に防ぐための冠水や洪水の予測情報を高い精度でユーザに判りやすく提供することが可能な情報配信システム、およびこれに利用する情報配信装置、情報配信方法、情報配信用プログラムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば情報配信装置は環境情報監視部と予測情報生成部と予測画像情報生成部と情報送信部とを有する。環境情報監視部は降雨量または河川水位値が閾値を超えたか否かを監視する。予測情報生成部は降雨量または河川水位値が閾値を超えたと判定されたときに所定時間後の降雨量または河川の水位の予測情報を生成する。予測画像情報生成部は予測情報に基づいて所定時間後の道路または河川の予測画像情報を生成する。情報送信部は道路形状情報または河川形状情報と予測画像情報とを取得し携帯端末の撮影装置で撮影された映像情報上の該当する位置に予測画像情報を重畳して表示させるために携帯端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大雨による災害を未然に防ぐための予測情報を配信する情報配信システム、およびこれに利用する情報配信装置、情報配信方法、情報配信用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大雨による洪水や冠水の被害を未然に防止するために、洪水予測情報を提供する技術がある。
【0003】
例えば、過去の洪水情報を蓄積しておき、これを利用して現在の降雨状況から将来の洪水状況を予測したテキスト情報を生成し、地図画像上の該当位置に表示することで洪水予測情報としてユーザに提供することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−367065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年は突発的な集中豪雨が多く発生しており、これにより短時間で急激に道路が冠水したり河川が増水することがある。
【0006】
このような事態に対応するため、さらに高い精度でユーザに判りやすく洪水等の予測情報を提供することが求められている。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、大雨による災害を未然に防ぐための冠水や洪水の予測情報を、高い精度でユーザに判りやすく提供することが可能な情報配信システム、およびこれに利用する情報配信装置、情報配信方法、情報配信用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための実施形態によれば情報配信装置は、環境情報監視部と予測情報生成部と予測画像情報生成部と情報送信部とを有する。環境情報監視部は、降雨量または河川水位値が閾値を超えたか否かを監視する。予測情報生成部は、降雨量または河川水位値が閾値を超えたと判定されたときに所定時間後の降雨量または河川の水位の予測情報を生成する。予測画像情報生成部は、予測情報に基づいて所定時間後の道路または河川の予測画像情報を生成する。情報送信部は、道路形状情報または河川形状情報と予測画像情報とを取得し携帯端末の撮影装置で撮影された映像情報上の該当する位置に予測画像情報を重畳して表示させるために携帯端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態による情報配信装置を利用した防災システムの構成を示す全体図である。
【図2】一実施形態による情報配信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】一実施形態による情報配信装置を利用した防災システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】一実施形態による情報配信装置により配信された情報に基づいて生成した表示情報を携帯端末に表示した状態を示す表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〈一実施形態による情報提供システムを利用した防災システムの構成〉
本発明の一実施形態による情報提供システムを利用した防災システムの構成について、図1を参照して説明する。
【0011】
本実施形態による防災システム1は、情報配信システム10と、複数のユーザがそれぞれ携帯する携帯端末30とが、公衆回線網40を介して接続されることにより構成されている。
【0012】
情報配信システム10は、データベースサーバ11と、監視対象の地域内のエリアごとに設置された複数の雨量計12、河川水位計13、および気象レーダ14と、情報配信装置としての監視制御装置15と、ダイヤルアップサーバ16と、回線終端装置17と、音声通報サーバ18と、回線終端装置19とを有する。
【0013】
データベースサーバ11は、道路形状DB111と、河川形状DB112と、防災情報DB113と、ユーザ位置情報DB114と、予測情報DB115と、AR(augmented reality)画像DB116とを有する。
【0014】
道路形状DB111は、監視対象の地域の道路形状情報を格納する。
【0015】
河川形状DB112は、監視対象の地域の河川の断面積や河川構造等の情報を含む河川形状情報を格納する。
【0016】
防災情報DB113は、後述する監視制御装置15において生成された防災情報を格納する。
【0017】
ユーザ位置情報DB114は、監視制御装置15において取得された各携帯端末30の位置情報をユーザ位置情報として格納する。
【0018】
予測情報DB115は、監視制御装置15において生成された予測降雨量情報や、河川の予測水位情報、予測天気状況を格納する。
【0019】
AR画像DB116は、監視制御装置15において生成されたAR予測画像情報を格納する。
【0020】
各雨量計12は、設置された場所の降雨量を計測し、得られた降雨量を監視制御装置15に送信する。
【0021】
各水位計13は、設置された場所の河川の水位を計測し、得られた水位値を監視制御装置15に送信する。
【0022】
気象レーダ14は、設置された場所の雨、雲、風等に関する気象状況情報を取得し、監視制御装置15に送信する。
【0023】
監視制御装置15は、図2に示すように、環境情報監視部151と、防災情報生成部152と、ユーザ位置情報取得部153と、警報対象端末情報抽出部154と、予測情報生成部155と、AR予測画像生成部156と、情報送信部157とを有する。
【0024】
環境情報監視部151は、各雨量計12で計測された降雨量、各水位計13で計測された水位値、および各気象レーダ14で取得された気象状況情報を取得し、取得した降雨量または水位値が、冠水のおそれや洪水のおそれがある値として予め設定された警戒値である降雨量の閾値、または水位の閾値を超えたか否かを監視する。
【0025】
防災情報生成部152は、環境情報監視部151において計測値が閾値を超えたと判定された雨量計12、水位計13の識別情報を取得するとともに、これらの計測値および対応するエリアの気象レーダの気象状況情報に基づいて、冠水または洪水のおそれがあるエリアを地図上に示すハザードマップ情報を生成する。そして、この識別情報およびハザードマップ情報を、防災情報として防災情報DB113に送信する。
【0026】
ユーザ位置情報取得部153は、環境情報監視部151において降雨量または水位値が閾値を超えたと判定されたときに、ユーザの携帯端末30の位置情報を要求する位置情報取得要求を生成して各携帯端末30に送信する。そして、位置情報取得要求の送信により取得された各携帯端末30の識別情報および位置情報を、ユーザ位置情報DB112に送信する。
【0027】
警報対象端末情報抽出部154は、ユーザ位置情報DB112に格納された複数の携帯端末30の情報および防災情報DB113の防災情報に基づいて、当該降雨量または河川の水位が閾値を超えたことにより冠水または洪水のおそれがあるエリア内にある携帯端末30の識別情報を取得する。
【0028】
予測情報生成部155は、環境情報監視部151において閾値を超えたと判定された降雨量および水位値と、気象レーダ14で取得された気象状況情報とに基づいて、当該冠水または洪水のおそれがあるエリアの所定時間後(例えば10分後、30分後)の予測降雨量情報、河川の予測水位情報、予測天気状況を生成し、予測情報DB115に送信する。
【0029】
AR予測画像生成部156は、予測情報DB115に記憶された予測降雨量情報および河川の予測水位情報をAR技術用に変換してAR予測画像情報を生成し、AR画像DB116に送信する。
【0030】
情報送信部157は、警報対象端末情報抽出部154で取得した携帯端末30の識別情報を、警報対象端末情報として音声通報サーバ18に送信する。また、冠水のおそれがあるエリアの道路形状情報を道路形状DB111から取得し、また洪水のおそれがあるエリアの河川形状情報を河川形状DB112から取得するとともに、該当するエリアのAR予測画像情報をAR画像DB116から取得し、警報対象端末情報抽出部154で抽出された携帯端末30に送信する。
【0031】
ダイヤルアップサーバ16は、ダイヤルアップ接続により回線終端装置17を介して公衆回線網40に接続し、携帯端末30との通信を行う。
【0032】
音声通報サーバ18は、冠水または洪水のおそれがあることをユーザに通知するための音声情報による警報メッセージ情報を予め記憶し、監視制御装置15から冠水または洪水のおそれがあるエリア内にある携帯端末30の識別情報を受信すると、これらの携帯端末30に、記憶した警報メッセージ情報を送信する。携帯端末30との通信は、回線終端装置19を介して公衆回線網40に接続することにより行う。
【0033】
これらの装置のうち、データベースサーバ11と、雨量計12、水位計13、および気象レーダ14と、監視制御装置15と、ダイヤルアップサーバ16と、音声通報サーバ18とは、LAN20を介して接続されている。
【0034】
また携帯端末30は、通信部31と、位置情報取得部32と、撮像部33と、角度センサとしてのジャイロセンサ34と、表示情報生成部35と、出力部36とを有する。
【0035】
通信部31は、公衆回線網40を介して情報配信システム10との通信を行う。
【0036】
位置情報取得部32は、GPS(Global Positioning System)機能を利用して自端末の位置情報を取得する。
【0037】
撮像部33は、カメラ装置であり、ユーザの操作により被写体の撮影を行い、映像情報を生成する。
【0038】
ジャイロセンサ34は、自端末の角速度を検出することにより、撮像部33で実行されている撮影の角度情報を取得する。
【0039】
表示情報生成部35は、通信部31を介して情報配信システム10から受信した冠水または洪水のおそれがあるエリアの道路形状情報または河川形状情報と、該当するエリアのAR予測画像情報と、位置情報取得部32で取得された自端末の位置情報と、ジャイロセンサ34で取得された角度情報とに基づいて、撮像部33で生成された映像情報上の道路形状情報または河川形状情報に該当する位置にAR予測画像情報を図形情報として重畳した表示情報を生成する。
【0040】
出力部36は、通信部31を介して情報配信システム10から音声通報サーバ18介して送信された警報メッセージ情報を音声情報として出力し、また表示情報生成部35で生成された表示情報を表示する。
【0041】
〈一実施形態による防災システムの動作〉
次に、本実施形態による防災システム1の動作について、図3のシーケンス図を参照して説明する。
【0042】
本実施形態の防災システム1により防災情報をユーザの携帯端末に提供するに際し、情報配信システム10のデータベースサーバ11の道路形状DB111には道路形状情報が予め格納され、河川形状DB112には監視対象の地域の河川の断面積や河川構造等の情報を含む河川形状情報が予め格納されているものとする。
【0043】
これらの情報が格納されている状態で防災情報の提供処理が開始されると、まず各雨量計12において設置された場所の降雨量が計測され、水位計13において設置された場所の河川の水位が計測され、また気象レーダ14において設置された場所の雨、雲、風等に関する気象状況情報が取得され(S1)、得られた情報が監視制御装置15に送信される(S2)。
【0044】
監視制御装置15では、雨量計12、水位計13、および気象レーダ14から送信された降雨量、水位値、および気象状況情報が環境情報監視部151で取得され、これらの降雨量、水位値が、冠水または洪水のおそれがある値として予め設定された警戒値である降雨量の閾値、または水位の閾値を超えたか否かが雨量計12ごと、水位計13ごとに監視される。
【0045】
そして、環境情報監視部151においていずれかの雨量計12または水位計13で降雨量または水位値が閾値を超えたと判定されたときには、防災情報生成部152において閾値を超えたと判定された雨量計12、水位計13の識別情報が取得されるとともに、これらの情報および対応するエリアの気象レーダの気象状況情報に基づいてハザードマップ情報が生成される。そしてこの識別情報およびハザードマップ情報は、防災情報としてデータベースサーバ11に送信され、防災情報DB113に格納される。
【0046】
また、環境情報監視部151により降雨量または水位値が閾値を超えたと判定されると、ユーザ位置情報取得部153によりユーザの携帯端末30の位置情報を要求する位置情報取得要求が生成されて各携帯端末30に送信される(S3)。
【0047】
各携帯端末30では、位置情報取得要求が取得されると、位置情報取得部32によりGPS機能が利用されて自端末の位置情報が取得される。取得された位置情報は、通信部31を介して情報配信システム10に送信され(S4)、データベースサーバ11のユーザ位置情報DB114に格納される。
【0048】
次に、監視制御装置15の警報対象端末情報抽出部154により、ユーザ位置情報DB112に格納された複数の携帯端末30の情報および防災情報DB113の防災情報に基づいて、当該降雨量または水位値が閾値を超えたことにより冠水または洪水のおそれがあるエリア内にある携帯端末30が抽出され、この携帯端末30の識別情報が抽出される(S5)。
【0049】
抽出された携帯端末30の識別情報は、情報送信部157により警報対象端末情報として音声通報サーバ18に送信される(S6)。
【0050】
音声通報サーバ18には、冠水または洪水のおそれがあることをユーザに通知するための音声情報による警報メッセージ情報が予め記憶されており、監視制御装置15から冠水または洪水のおそれがあるエリア内にある携帯端末30の識別情報が受信されると、これらの携帯端末30に、記憶された警報メッセージ情報が回線終端装置19を介して送信される(S7)。
【0051】
また、監視制御装置15の予測情報生成部155では、環境情報監視部151において閾値を超えたと判定された降雨量、水位値、および気象状況情報に基づいて、当該冠水または洪水のおそれがあるエリアの所定時間後(例えば10分後、30分後)の予測降雨量情報、河川の予測水位情報、予測天気状況が生成され、データベースサーバ11の予測情報DB115に格納される。
【0052】
さらに、監視制御装置15のAR予測画像生成部156では、予測情報DB115に記憶された予測降雨量情報および河川の予測水位情報がAR技術用に変換されてAR予測画像情報が生成され、データベースサーバ11のAR画像DB116に格納される(S8)。
【0053】
次に情報送信部157では、該当するエリアの道路形状情報が道路形状DB111から取得され、また河川形状情報が河川形状DB112から取得されるとともに、AR予測画像情報がAR画像DB116から取得され、警報対象端末情報抽出部154で抽出された携帯端末30に送信される(S9)。
【0054】
警報メッセージ情報を受信した携帯端末30では、音声、表示、または振動等を出力するためのアプリケーションが自動起動され、情報配信システム10から送信された警報メッセージ情報が通信部31を介して受信され出力部36から出力される(S10)。この警報メッセージ情報にテキスト情報を含めるようにし、これが携帯端末30の出力部36で表示されるようにしてもよい。
【0055】
そして携帯端末30に警報メッセージ情報が出力されたことによりユーザの操作により撮像部33の撮影機能が起動され、冠水のおそれのある道路や洪水のおそれのある河川が撮影されると、この撮影による映像情報が生成されるとともにジャイロセンサ34において実行されている撮影の角度情報が取得される。
【0056】
次に表示情報生成部35において、通信部31を介して情報配信システム10から受信した冠水または洪水のおそれがあるエリアの道路形状情報または河川形状情報と、該当するエリアのAR予測画像情報と、位置情報取得部32で取得された自端末の位置情報と、ジャイロセンサ34で取得された角度情報とに基づいて、撮像部33で生成された映像情報上の道路形状情報または河川形状情報に該当する位置にAR予測画像情報を図形情報として重畳した表示情報が生成される(S11)。
【0057】
表示情報生成部35で生成された表示情報は、出力部36により表示されてユーザに提供される(S12)。
【0058】
表示された表示情報の一例を、図4に示す。図4は、携帯端末30の出力部36にユーザにより洪水のおそれがある河川が撮影されたときに表示された表示情報であり、撮影された映像情報301に取得された10分後の河川の水位を示すAR予測画像情報302および30分後の河川の水位を示すAR予測画像情報303が重畳されて表示されている。
【0059】
またこれらのAR予測画像情報には対応するテキスト情報を含めておき、このテキスト情報が表示されるようにしてもよい。例えば、30分後の河川の水位を示すAR予測画像情報303にテキスト情報「危険水域」304を対応させて含めておくことにより、図4に示すようにこれらの情報が対応づけられて表示される。
【0060】
またこの表示情報は、ステップS10で取得されたテキスト情報による警報メッセージ情報305、例えば図4に示すようなテキスト情報「急な増水が予測されます。避難してください。」が表示されるようにしてもよい。
【0061】
また、情報配信システム10から送信する情報に予測情報DB115に格納された予測降雨量情報や予測天気状況等を含めておき、これらの予測降雨量情報や予測天気状況等を示すテキスト情報306が表示情報上に表示されるようにしてもよい。例えば、10分後の予測降雨量「5mm」、予測天気状況「雨」、30分後の予測降雨量「6mm」、予測天気状況「雨」を情報配信システム10から携帯端末30に送信することにより、これらが図4に示すように表示情報上に表示される。
【0062】
以上の本実施形態によれば、ユーザが携帯端末の撮像機能を利用して道路や河川を撮影することにより、携帯端末の表示部に表示された映像上に冠水または洪水に関する予測画像情報が重畳されて表示され、ユーザは注意すべき災害の状況を視覚的に容易に把握することができる。
【0063】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0064】
例えば、上述した実施形態においては、情報配信システムから冠水または洪水のおそれがあるエリア内にある携帯端末に警報メッセージ情報を送信する際に、道路形状情報や河川形状情報、AR予測画像情報等も送信し、これらを受信した携帯端末において必要に応じて表示情報を生成して出力する場合について説明したが、先に警報メッセージ情報のみを送信しておき、これを受信した携帯端末においてユーザが撮影処理を行ったときに表示用情報要求が情報配信システム10に送信され、これに基づいて道路形状情報や河川形状情報、AR予測画像情報等が情報配信システム10から携帯端末30に送信されるようにしてもよい。このように構成することにより、携帯端末や通信回線の負荷を軽減させることができる。
【0065】
また、上記実施形態の監視制御装置15の環境情報監視部151、防災情報生成部152、ユーザ位置情報取得部153、警報対象端末情報抽出部154、予測情報生成部155、AR予測画像生成部156、および情報送信部157の機能構成をプログラム化してコンピュータに組み込むことにより、当該コンピュータを情報配信装置として機能させる情報配信用プログラムを構築することも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…防災システム
10…情報配信システム
11…データベースサーバ
12…雨量計
13…水位計
14…気象レーダ
15…監視制御装置
16…ダイヤルアップサーバ
17…回線終端装置
18…音声通報サーバ
19…回線終端装置
20…LAN
30…携帯端末
31…通信部
32…位置情報取得部
33…撮像部
34…ジャイロセンサ
35…表示情報生成部
36…出力部
40…公衆回線網
111…道路形状DB
112…河川形状DB
113…防災情報DB
114…ユーザ位置情報DB
115…予測情報DB
116…AR画像DB
151…環境情報監視部
152…位置情報取得要求送信部
152…防災情報生成部
153…ユーザ位置情報取得部
154…警報対象端末情報抽出部
155…予測情報生成部
156…AR予測画像生成部
157…情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の地域内に設置された雨量計、河川水位計、および気象レーダと、情報配信装置と、携帯端末とが接続された情報配信システムにおいて、
前記雨量計は、設置された場所の雨量の降雨量を計測する計測部を有し、
前記河川水位計は、設置された場所の河川の水位値を計測する計測部を有し、
前記気象レーダは、設置された場所の気象状況情報を取得する情報取得部を有し、
前記情報配信装置は、
前記監視対象の地域の道路または河川の形状情報を記憶する形状情報記憶部と、
前記雨量計で計測された降雨量または前記河川水位計で計測された河川の水位値が、予め設定された閾値を超えたか否かを監視する環境情報監視部と、
前記環境情報監視部において降雨量または河川の水位が前記閾値を超えたと判定されたときに、所定時間後の降雨量または河川の水位の予測情報を前記気象レーダで取得された気象状況情報に基づいて生成する予測情報生成部と、
前記予測情報生成部で生成された予測情報に基づいて、前記所定時間後の道路または河川の予測画像情報を生成する予測画像情報生成部と、
前記形状記憶部に記憶された道路形状情報または河川形状情報と、前記予測画像情報生成部で生成された予測画像情報とを取得して前記携帯端末に送信する情報送信部と、
を有し、
前記携帯端末は、
撮影処理を行い映像情報を生成する撮影部と、
前記撮影部で実行されている撮影の角度情報を取得する角度センサと、
前記情報配信装置から送信された道路形状情報または河川形状情報と、前記ジャイロセンサで取得された角度情報に基づいて、前記撮影部で撮影された映像情報の該当位置に、前記予測画像情報を重畳した表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部で生成された表示情報を表示する表示部と
を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
撮影装置を有する携帯端末にネットワークを介して接続されるとともに、監視対象の地域内に設置された雨量計、河川水位計、および気象レーダに接続された情報配信装置において、
前記監視対象の地域の道路または河川の形状情報を記憶する形状情報記憶部と、
前記雨量計で計測された降雨量または前記河川水位計で計測された河川の水位値が、予め設定された閾値を超えたか否かを監視する環境情報監視部と、
前記環境情報監視部において降雨量または河川の水位が前記閾値を超えたと判定されたときに、所定時間後の降雨量または河川の水位の予測情報を前記気象レーダで取得された気象状況情報に基づいて生成する予測情報生成部と、
前記予測情報生成部で生成された予測情報に基づいて、前記所定時間後の道路または河川の予測画像情報を生成する予測画像情報生成部と、
前記形状記憶部に記憶された道路形状情報または河川形状情報と、前記予測画像情報生成部で生成された予測画像情報とを取得し、前記携帯端末の撮影装置で撮影された映像情報上に重畳して表示させるために前記携帯端末に送信する情報送信部と、
を備えることを特徴とする情報配信装置。
【請求項3】
前記携帯端末の位置情報をユーザ位置情報として記憶するユーザ位置情報記憶部をさらに有し、
前記雨量計または河川水位計は、監視対象の地域内のエリアごとに複数設置され、
前記環境情報監視部は、複数の前記雨量計で計測された降雨量、または複数の前記河川水位計で計測された水位値に基づいて、降雨量または水位値が予め設定された閾値を超えたか否かを前記雨量計ごとまたは前記河川水位計ごとに監視し、
前記環境情報監視部において降雨量または水位値が閾値を超えたと判定された雨量計または河川水位計があるときに、当該降雨量または水位値が前記閾値を超えたことにより冠水または洪水のおそれがあるエリア内にある携帯端末を前記ユーザ位置情報記憶部に記憶されたユーザ位置情報に基づいて抽出する警報対象端末情報抽出部を有し、
前記情報送信部は、前記道路形状情報または河川形状情報と、前記予測画像情報とを、前記警報対象端末情報抽出部で抽出した携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記情報送信部は、前記環境情報監視部において降雨量または水位値が前記閾値を超えたと判定されたときに警報メッセージ情報を前記携帯端末に送信し、この警報メッセージ情報を送信したことにより表示用情報要求が送信された携帯端末に対し、前記道路形状情報または河川形状情報と、前記予測画像情報とを送信する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報配信装置。
【請求項5】
撮影装置を有する携帯端末にネットワークを介して接続されるとともに、監視対象の地域内に設置された雨量計、河川水位計、および気象レーダに接続された情報配信装置が、
前記監視対象の地域の道路または河川の形状情報を記憶する形状情報記憶ステップと、
前記雨量計で計測された降雨量または前記河川水位計で計測された河川の水位値が、予め設定された閾値を超えたか否かを監視する環境情報監視ステップと、
前記環境情報監視ステップにおいて降雨量または河川の水位が前記閾値を超えたと判定されたときに、所定時間後の降雨量または河川の水位の予測情報を前記気象レーダで取得された気象状況情報に基づいて生成する予測情報生成ステップと、
前記予測情報生成ステップで生成された予測情報に基づいて、前記所定時間後の道路または河川の予測画像情報を生成する予測画像情報生成ステップと、
前記形状記憶ステップで記憶された道路形状情報または河川形状情報と、前記予測画像情報生成ステップで生成された予測画像情報とを取得し、前記携帯端末の撮影装置で撮影された映像情報上の該当する位置に前記予測画像情報を重畳して表示させるために前記携帯端末に送信する情報送信ステップと、
を有することを特徴とする情報配信方法。
【請求項6】
撮影装置を有する携帯端末にネットワークを介して接続されるとともに、監視対象の地域内に設置された雨量計、河川水位計、および気象レーダに接続された情報配信装置に、
前記監視対象の地域の道路または河川の形状情報を記憶する形状情報記憶機能と、
前記雨量計で計測された降雨量または前記河川水位計で計測された河川の水位値が、予め設定された閾値を超えたか否かを監視する環境情報監視機能と、
前記環境情報監視機能により降雨量または河川の水位が前記閾値を超えたと判定されたときに、所定時間後の降雨量または河川の水位の予測情報を前記気象レーダで取得された気象状況情報に基づいて生成する予測情報生成機能と、
前記予測情報生成機能により生成された予測情報に基づいて、前記所定時間後の道路または河川の予測画像情報を生成する予測画像情報生成機能と、
前記形状記憶機能により記憶された道路形状情報または河川形状情報と、前記予測画像情報生成機能により生成された予測画像情報とを取得し、前記携帯端末の撮影装置で撮影された映像情報上の該当する位置に前記予測画像情報を重畳して表示させるために前記携帯端末に送信する情報送信機能と、
を実行させる情報配信用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−194738(P2012−194738A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57647(P2011−57647)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】