情報配信システム、サーバ及び中継装置
【課題】 使い勝手がよく、信頼性の高い情報配信システム、サーバ及び中継装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、情報配信システムに関する。そして、情報配信システムは、装置識別情報を記憶する無線通信装置と、カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた中継装置識別情報と装置識別情報を送信する第1、第2の中継装置と、第1、第2中継装置識別情報のそれぞれと第1、第2提供情報を対応付けて記憶し、装置識別情報と該第1提供情報および該第2提供情報の送信先となる送信先情報とを対応付けて記憶するサーバとを備え、サーバは、中継装置が送信した中継装置識別情報と装置識別情報を受信し、中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信することを特徴とする。
【解決手段】 本発明は、情報配信システムに関する。そして、情報配信システムは、装置識別情報を記憶する無線通信装置と、カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた中継装置識別情報と装置識別情報を送信する第1、第2の中継装置と、第1、第2中継装置識別情報のそれぞれと第1、第2提供情報を対応付けて記憶し、装置識別情報と該第1提供情報および該第2提供情報の送信先となる送信先情報とを対応付けて記憶するサーバとを備え、サーバは、中継装置が送信した中継装置識別情報と装置識別情報を受信し、中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、サーバ及び中継装置に関し、送信先に所望の提供情報を配信する場合などに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信端末の位置情報を評定し、当該評定結果に応じた提供情報を、当該移動通信端末に提供する方法として、さまざまな方法が用いられている(特許文献1〜特許文献3参照)。
【0003】
例えば、位置情報の評定に人工衛星からの電波を用いたGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して端末所持者の現在位置を特定し、その現在位置に対応する情報を提供する方式がある。
【0004】
また、PHS(パーソナル・ハンディホーン・システム)のローミング機能を利用して端末所持者の現在位置を特定し、現在位置に対応する情報を提供する方式がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−327472号公報
【特許文献2】特開平11−285053号公報
【特許文献3】特開2000−115857号公報
【特許文献4】特開平11−219481号公報
【特許文献5】特開平7−297956号公報
【特許文献6】特開平10−124632号公報
【特許文献7】特開2000−99187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、GPSを用いる方式では電波のとどかない地下街や建物内といった場所にGPS端末がある場合、その場所を特定することは難しく、よってこのような場所に関する位置情報をもとにした情報を提供することは難しい。
【0007】
また、PHSのローミング機能を利用する方法では、PHSの基地局の出力は同一ではなく、カバーするエリアの地理的範囲が半径100mのものもあれば、500mのものもあり、情報提供者が自由にその範囲を設定することも不可能である。
【0008】
カバーする範囲が広く、1つのカバーエリア内に複数の異なる情報提供者が登録されている場合、位置情報の評定結果だけでは提供情報を1つに絞り込むことができない。すなわち位置情報の評定精度が低くなる。
【0009】
これらの場合、当該端末には、精度の低い位置情報評定に基づいて複数の提供情報が殺到し、端末所持者がそれらの情報を検索する必要が生じる。
【0010】
これを回避するためには、データ配信側が位置情報評定結果以外の情報に基づいてさらなる検索を実行し、提供情報を1つに絞り込むこと等が必要となり、新たな操作や処理の負担が生じる。
【0011】
一方、上述のいずれの方式も位置情報評定結果に基づきネットワーク上のデータサーバから位置情報に対応したデータ(提供情報)を配信するのが一般的であるが、端末所持者のプライバシーを保障した上でデータを提供することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の本発明の情報配信システムは、(1)装置識別情報を記憶する無線通信装置と、(2)第1カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第1中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第1中継装置と、(3)第2カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第2中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第2中継装置と、(4)前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶し、前記装置識別情報と該第1提供情報および該第2提供情報の送信先となる送信先情報とを対応付けて記憶するサーバとを備え、(5)前記サーバは、(5−1)中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、(5−2)前記中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、(5−3)前記装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信することを特徴とする。
【0013】
第2の本発明のサーバは、(1)第1の本発明の情報配信システムに適用可能なサーバであって、(2)前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶する第1の記憶手段と、(3)前記第1提供情報および前記第2提供情報の送信先となる送信先情報と前記装置識別情報を対応付けて記憶する第2の記憶手段と、(4)中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、当該中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、当該装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第3の本発明の中継装置は、(1)第1の本発明の情報配信システムに適用可能な中継装置であって、(2)予め自己に割り当てられた中継装置識別情報を記憶する記憶手段と、(3)カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信する受信手段と、(4)前記中継装置識別情報と前記装置識別情報を、サーバに送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使い勝手がよく、信頼性の高い情報配信システム、サーバ及び中継装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の動作説明図である。
【図2】第1の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図3】第1の実施形態に係る移動通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図5】第3の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図6】第4の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図7】第1の実施形態に係るアクセスポイント装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】第1の実施形態に係るアクセスサーバ装置の内部構成を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態の動作説明図である。
【図10】第1の実施形態の動作説明図である。
【図11】第1の実施形態の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(A)第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、移動通信端末所持者のプライバシーを可能な限り保護するとともに、情報提供者の希望に即応することのできる位置依存型の情報提供を行うことを目的とする。
【0018】
(A−1)第1の実施形態の構成及び各部の動作
第1の実施形態の情報配信システム10の全体構成を図2に示す。
【0019】
図2において、当該情報配信システム10は、インターネット11と、複数のアクセスポイント装置AP1、AP2と、アクセスサーバ(アクセスホスト)装置12と、携帯電話ネットワーク13と、PHSネットワーク14と、基地局15,16と、複数の移動通信端末TE1〜TE3とを備えている。
【0020】
なお、アクセスポイント装置AP1の管理主体は情報提供者であり、アクセスサーバ装置12の管理主体は複数の情報提供者の要望に応じて各提供情報の提供を代行する仲介者であり、携帯電話ネットワーク13やPHSネットワーク14の管理運営主体は加入者系無線通信事業者であり、移動通信端末TE1〜TE3の利用主体は、各端末の所持者(通常は所有者と同じ)である。
【0021】
前記移動通信端末TE1〜TE3のうち、移動通信端末TE1は携帯電話機であり、移動通信端末TE2はPHS端末であり、移動通信端末TE3は携帯情報端末(PDA)であるが、これらは一例を示しているにすぎない。本実施形態は、無線通信機能を備えた移動通信端末に広く適用することができる。
【0022】
携帯電話機、PHS端末、携帯情報端末などの種類に応じて、各移動通信端末TE1〜TE3は、異なる機能を装備しているのであるが、本実施形態の適用上必要な機能は、図3に示した通り、共通である。従って、図3には携帯電話機TE1を示したものとして説明する。
【0023】
(A−1−1)移動通信端末の内部構成
図3において、携帯電話機TE1は、一般通信機能部20と、画面表示処理部21と、AP通信機能部22と、TEID処理部23と、IN通信機能部24とを備えている。
【0024】
このうち一般通信機能部20は、携帯電話機としての一般的な通信機能を装備している部分である。一般通信機能部20によって、当該携帯電話機TE1は、携帯電話ネットワーク13内の基地局15と無線通信することができる。
【0025】
もしも当該携帯電話機TE1がPHS端末TE2であれば、当該一般通信機能部20の内部がPHSに対応したものとなり、PDAであれば、当該一般通信機能部20の内部がPDAに対応したものとなる。
【0026】
画面表示処理部21は、例えば液晶ディスプレイ装置などから構成された部分で、基地局15から一般通信機能部20を介して供給される提供情報SIを画面表示する。
【0027】
本実施形態おいてこの提供情報SIは、街中で行われるチラシ配りで配られるチラシと同様な宣伝広告用の情報であるものとする。
【0028】
また、前記AP通信機能部22は、前記アクセスポイント装置AP1と通信する機能を装備した部分である。本実施形態では、このAP通信機能部22には、ISM(Industrial,Scientific and Medical)帯域を利用した無線通信機能を装備しているものとする。ISM帯域を利用するのは、無線局免許を取得することなく無線通信を行うことができる点に着目したものである。
【0029】
前記一般通信機能部20のほかに当該AP通信機能部22を装備していることから、当該携帯電話機TE1は、マルチモード端末を構成しているといえる。
【0030】
このAP通信機能部22に接続されたTEID処理部23は、当該携帯電話機TE1に割当てられた端末識別子であるTEIDを一時的に格納する部分である。端末識別子TEIDは、アクセスサーバ装置12からみて、移動通信端末TE2やTE3及び他の携帯電話機など(図示せず)と、当該携帯電話機TE1とを、一義的に識別するために使用される。
【0031】
当該端末識別子TEIDの取得は、TEID処理部23に接続されているIN通信機能部24によって、インターネット(IN)11経由で行われるものとする。端末識別子TEIDを割当てるのは、アクセスサーバ装置12である。
【0032】
但し必要に応じて、インターネット11経由で自動的に割当てるのではなく、郵送などによって、前記仲介者が、各端末(例えば携帯電話機TE1)の所有者に端末識別子TEIDを割当て、各所有者が各端末に該当する端末識別子TEIDを設定操作するようにしてもよい。その場合には、前記IN通信機能部24は省略することができる。
【0033】
各移動通信端末の所有者の希望に応じて、郵送による方法やインターネット経由による方法を選択できるようにするとよい。
【0034】
前記AP通信機能部22は、アクセスポイント装置AP1に対して当該端末識別子TEIDを送信することで、提供情報SIのサービスを要求することになる。この端末識別子TEIDの送信は、端末識別子TEIDの送信を求めてアクセスポイント装置AP1が常時送信している識別子要求信号RQ1を受信したAP通信機能部22が、当該受信に応答することで、自動的に行われる。
【0035】
従って、AP通信機能部22とTEID処理部23の間のこのやり取りは、携帯電話機TE1の所持者が全く意識しないうちに実行される。
【0036】
アクセスポイント装置AP1が識別子要求信号RQ1の送信を行わずに、携帯電話機TE1のほうが自発的に端末識別子TEIDを送信する構成とすることも可能であるが、その場合は、携帯電話機TE1の所持者のボタン操作などに応じて端末識別子TEIDを送信するか、携帯電話機TE1が常時、当該端末識別子TEIDを送信している構成とすることになると考えられる。
【0037】
次に、このような携帯電話機TE1とISM帯域を利用して無線通信するアクセスポイント装置AP1の内部構成について、図7を参照しながら説明する。アクセスポイント装置AP2の内部構成もアクセスポイント装置AP1の内部構成と実質的に同じなので、図7にはアクセスポイント装置AP1を示したものとして説明を進める。
【0038】
(A−1−2)アクセスポイント装置AP1の内部構成
図7において、アクセスポイント装置AP1は、IN通信機能部30と、APID処理部31と、バッチ処理部32と、端末通信機能部33とを備えている。
【0039】
IN通信機能部30は、前記インターネット11を介してアクセスサーバ装置12と通信するための機能を搭載した部分である。
【0040】
当該IN通信機能部30に接続されたAPID処理部31は、前記アクセスサーバ装置12によって当該アクセスポイント装置AP1に割当てられたアクセスポイント識別子であるAPIDを格納する部分である。アクセスポイント識別子APIDは、アクセスサーバ装置12からみて、アクセスポイント装置AP2及び他のアクセスポイント装置(図示せず)と、当該アクセスポイント装置AP1とを、一義的に識別するために使用される。
【0041】
本実施形態では、一例として、アクセスポイント装置AP1のアクセスポイント識別子APIDがAPID1であり、アクセスポイント装置AP2のアクセスポイント識別子APIDがAPID2であり、…、他のアクセスポイント装置(図示せず)のアクセスポイント識別子APIDがAPIDK(末尾のKは自然数)であるものとする。
【0042】
また、前記端末通信機能部33は、前記携帯電話機TE1のAP通信機能部22に対向する部分で、当該アクセスポイント装置AP1の稼働中には、常時、識別子要求信号RQ1を送信している。
【0043】
なお、端末通信機能部33は携帯電話機TE1の前記AP通信機能部22と通信するのであるから、移動通信端末が携帯電話機の場合に限らずPHS端末(例えばTE2)や携帯情報端末(例えばTE3)であったとしても、基本的に同一のハードウエア構成、ソフトウエア構成のAP通信機能部22によって通信することが可能である。
【0044】
また、当該識別子要求信号RQ1に応えて携帯電話機TE1が送信した端末識別子TEIDは、当該端末通信機能部33を介してバッチ処理部32に一時的に格納される。
【0045】
当該バッチ処理部32は、複数の端末識別子TEIDを蓄積したのちに、各端末識別子TEIDをまとめ、当該アクセスポイント装置AP1に割当てられたアクセスポイント識別子APIDとセットにしてID情報SSを構成し、当該ID情報SSを送信する部分である。
【0046】
例えば、携帯電話機TE1の端末識別子TEIDがTEID1であり、当該携帯電話機TE1につづいてアクセスポイント装置AP1のカバーエリア内に入った携帯電話機など(図示せず)の端末識別子TEIDがTEID2、TEID3、…、TEIDL(末尾のLは自然数)であるものとすると、バッチ処理部32は、TEID1〜TEIDLをまとめて、前記ID情報SSに収容することになる。
【0047】
このID情報SSは、IN通信機能部30によってインターネット11に送出されるので、バッチ処理を利用すれば、通信回数を減らすことができる。
【0048】
なお、必要に応じて、バッチ処理部32は、複数の端末識別子TEIDをまとめてID情報SSに収容してバッチ処理を行うのではなく、各端末識別子が供給されるたびに、当該端末識別子とアクセスポイント識別子とをセットにして、ID情報SSを送信するようにしてもよい。
【0049】
また、当該アクセスポイント装置AP1によるISM帯域を利用した通信のカバーエリアCA1は、携帯電話ネットワーク13やPHSネットワーク14のカバーエリア(図示せず)に比べると、通常、はるかに狭い、限定的な地理的領域である。
【0050】
チラシ配りの代替システムとして当該情報配信システム10を用いるなら、アクセスポイント装置AP1のカバーエリアCA1は、街中の比較的人通りの多い通り等のなかから適宜に選択するとよい。この場合、アクセスポイント装置AP1は、当該通り等の近傍に固定的に設置し、携帯電話機ET1とアクセスポイント装置AP1の通信可能な距離は、例えば数十m以内となる。
【0051】
また、アクセスポイント装置AP1と携帯電話機TE1の通信では、識別子要求信号RQ1と端末識別子TEIDがやり取りされるだけである。識別子要求信号RQ1も端末識別子TEIDも、わずかの情報量しか持っていないため、極めて短い時間長の無線信号に収容することができる。
【0052】
一方、このようなアクセスポイント装置AP1とインターネット11を介して通信するアクセスサーバ装置12は、図8に示すような内部構成を有する。
【0053】
(A−1−3)アクセスサーバ装置の内部構成
図8において、このアクセスサーバ装置12は、IN通信機能部40と、分配部41と、提供情報記憶部42と、IDテーブル43と、加入者系通信機能部44とを備えている。
【0054】
このうちIN通信機能部40は、前記インターネット11を介してアクセスポイント装置AP1と通信するための機能を搭載した部分であり、前記アクセスポイント装置AP1内部のIN通信機能部30に対向して、前記ID情報SSを受信する。
【0055】
当該IN通信機能部40に接続された分配部41は、受信したID情報SSを端末識別子TEIDとアクセスポイント識別子APIDに分離して、端末識別子TEIDはIDテーブル43に供給し、アクセスポイント識別子APIDは提供情報記憶部42に供給する。
【0056】
IDテーブル43は、各端末識別子TEIDと各端末に付与されている電話番号TIとを対応付けて記憶している記憶手段である。
【0057】
同様に、提供情報記憶部42は、各アクセスポイント識別子APIDと各提供情報SIとを対応付けて記憶している部分で、データベースの本体を構成する。
【0058】
分配部41によってIDテーブル43に端末識別子TEIDが供給されると、当該端末識別子で指定される移動通信端末の電話番号TIが読み出されて、加入者系通信機能部44に供給され、提供情報記憶部42にアクセスポイント識別子APIDが供給されると、当該アクセスポイント識別子で指定されるアクセスポイント装置が依頼した提供情報SIが読み出されて当該加入者系通信機能部44に供給される。
【0059】
当該加入者系通信機能部44と各移動通信端末間の通信は、携帯電話ネットワーク13内で端末同士(例えば携帯電話機同士)が通信する場合と同じ方法で行われる。すなわち、電話番号TIによって指定された移動通信端末に対して回線が設定された後、当該回線を用いて提供情報SIが当該移動通信端末に供給される。
【0060】
但し、ここで、提供情報SIの内容は、通常のチラシと同様な内容を有する画像情報や文字情報であるので、通常の携帯電話でやり取りされる音声ではなく、静止画、動画、文字などのデータである。もちろん、情報提供者側の要望に応じて、当該提供情報SIとして、宣伝広告用の音声情報を提供するようにしてもよい。
【0061】
(A−2)第1の実施形態の全体動作
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。本実施形態の情報配信システム10の動作シーケンスを図1に示す。
【0062】
図1の動作シーケンスは、ステップS1〜S14の各ステップを有している。また、当該動作シーケンスは、ステップS1〜S6によって構成される部分シーケンスCQ1と、ステップS7〜S10によって構成される部分シーケンスCQ2と、ステップS11〜S14によって構成される部分シーケンスCQ3とに分類することができる。
【0063】
このうち部分シーケンスCQ1は、本来の動作シーケンスである部分シーケンスCQ2を実行する前提として必要な登録作業のためのシーケンスであり、部分シーケンスCQ3は、提供情報SIを各移動通信端末に供給する際に電話をかけることで発生した電話料金などの負担を処理するためのシーケンスである。
【0064】
図1において、インターネット11に接続された例えば携帯電話機TE1から、インターネット経由でアクセスサーバ装置12に登録要求が出されると、当該携帯電話機TE1の電話番号TI1がアクセスサーバ装置12に供給され(S1)、アクセスサーバ装置12からは、端末識別子TEID1が携帯電話機TE1に供給される(S2)。これによって、端末識別子TEID1が、当該携帯電話機TE1に割当てられたことになる。
【0065】
このとき、図8に示したアクセスサーバ装置12内部のIDテーブル43では、図9に示すように、当該端末識別子TEID1と、前記電話番号TI1とが対応付けられて記憶される。IDテーブル43の内部では、携帯電話機TE1以外の移動通信端末についても、これと同様にして、電話番号TI2〜TIN(末尾のNは自然数)と、割当てられた端末識別子TEID2〜TEIDNとが、それぞれに対応付けられて記憶されている。
【0066】
ステップS1の登録要求では、図3に示した携帯電話機TE1内のIN通信機能部12が現在時刻などの情報に基づいてほぼ定期的に出力するようにしてもよく、所持者が行うボタン操作などに応じて携帯電話機TE1から出力されるようにしてもよい。
【0067】
いったん割当てられた端末識別子TEIDの内容は、登録内容の更新(S3)によって、変更され得る。このような登録内容の更新を行うことは、セキュリティ性を高め、携帯電話機TE1を利用する所持者(又は所有者)のプライバシーを守るために有効であると考えられる。
【0068】
なお、以降のステップでは、前記携帯電話機TE1には端末識別子TEID1が割当てられた状態であるものとする。
【0069】
ステップS3につづくステップS4では、アクセスポイント装置AP1からアクセスサーバ装置12に対して登録要求が出され、当該登録要求に応えてアクセスポイント識別子APIDがアクセスポイント装置AP1に割当てられる(S5)。
【0070】
ここでは、アクセスポイント装置AP1に対して、アクセスポイント識別子APID1が割当てられたものとする。
【0071】
次に、ステップS6では、前記提供情報SIの登録や更新を行う。
【0072】
このとき、図8に示したアクセスサーバ装置12内部の提供情報記憶部42には、図10に示すように、アクセスポイント装置AP1に割当てられたアクセスポイント識別子APID1には、提供情報SI1が対応づけられて記憶される。
【0073】
提供情報記憶部42の内部では、アクセスポイント装置AP1以外のアクセスポイント装置(例えばアクセスポイント装置AP2など)についても、これと同様にして、アクセスポイント識別子APID2〜APIDK(末尾のKは自然数)と、各アクセスポイント装置毎に指定された提供情報SI2〜SIKとが、それぞれに対応付けられて記憶されている。
【0074】
アクセスポイント装置AP1がステップS6の処理を実行すると、提供情報記憶部42内に格納されている当該提供情報SI1の内容が書き換えられ、変更されることになる。
【0075】
なお、いったん割当てられたアクセスポイント識別子APIDの内容も、前記ステップS3と同様な処理によって変更するようにしてもよい。このような登録内容の変更を行うのは、セキュリティ性を高め、携帯電話機TE1を利用する所持者のプライバシーやアクセスポイント装置AP1を管理する情報提供者の営業秘密を守るために有効であると考えられる。
【0076】
以降のステップでは、前記アクセスポイント装置AP1にはアクセスポイント識別子APID1が割当てられた状態であるものとする。
【0077】
ところで、ここではステップS1〜S6の順番を図示の通りとしたが、ステップS1とS2の時間的な前後関係、ステップS4とS5の時間的な前後関係、及びステップS5とS6の時間的な前後関係以外は、図示のものに限定する必要はない。例えば、ステップS4〜S6の全部又は一部を、ステップS1〜S3よりも先に実行してもかまわない。
【0078】
要するに、部分シーケンスCQ2を実行する前提条件として、アクセスサーバ装置12の提供情報記憶部42の内部には図10に示す記憶内容が格納され、IDテーブル43の内部には図9に示す記憶内容が格納されており、さらに図9の記憶内容と、携帯電話機TE1などの各移動通信端末内のTEID処理部23内に格納されている端末識別子TEIDとは整合しており、なおかつ、図10の記憶内容とアクセスポイント装置AP1などの各アクセスポイント装置内のAPID処理部31に格納されているアクセスポイント識別子が整合していることが必要である。
【0079】
次に、部分シーケンスCQ2が開始される。
【0080】
例えば、携帯電話機TE1を携帯した所持者が偶発的に前記カバーエリアCA1に入ると、アクセスポイント装置AP1が常時無線送信している前記識別子要求信号RQ1が、携帯電話機TE1のAP通信機能部22によって有効に受信されるようになる。
【0081】
当該識別子要求信号RQ1がAP通信機能部22からTEID処理部23に供給されると、当該TEID処理部23から、割当てられている端末識別子TEID1が出力され、AP通信機能部22が当該端末識別子TEID1を無線送信する(S7)。
【0082】
無線送信された端末識別子TEID1は、アクセスポイント装置AP1内の端末通信機能部33を介してバッチ処理部32に蓄積される。
【0083】
この間のアクセスポイント装置AP1と携帯電話機TE1の通信は、携帯電話機TE1の所持者に意識されることなく、上述したように、極めて短時間で終了する。そして、通常は、当該携帯電話機TE1はその所持者とともに、カバーエリアCA1の外へ移動する。
【0084】
次のステップS8は、ステップS7の実行後、直ちに実行してもよいが、数時間あるいは数日の時間的間隔をおいてから行うようにしてもよい。この時間的間隔は、情報提供者の希望に応じて変更できるようにするとよいが、その最大値は、バッチ処理部32の記憶容量に応じて制限される。
【0085】
ここでは、携帯電話機TE1につづいて、端末識別子TEID2〜TEIDLを割当てられている移動通信端末が、前記カバーエリアCA1内に入って、ステップS7の処理を行い、アクセスポイント装置AP1内部のバッチ処理部32には、これらの移動通信端末に割当てられていた端末識別子TEID2〜TEIDLが蓄積されたものとする。
【0086】
前記ステップS7につづいて前記時間的間隔が経過したあとで実行されるステップS8では、アクセスポイント装置AP1内のAPID処理部31から当該アクセスポイント装置AP1に割当てられているアクセスポイント識別子APID1が出力され、当該アクセスポイント識別子APID1と、バッチ処理部32に蓄積されている端末識別子TEID1〜TEIDLとで、前記ID情報SSが構成され、IN通信機能部30を介してインターネット11に送出される。
【0087】
このID情報SSは、インターネット11によってルーティングされて、アクセスサーバ装置12まで到達する。
【0088】
次のステップS9では、アクセスサーバ装置12が、図9の通りに、各端末識別子TEID1〜TEIDLに対応付けられた電話番号TI1〜TILを用いて、当該アクセスサーバ装置12と各移動通信端末の間に次々と回線を設定し、アクセスポイント識別子AP1を用いて検索した結果、前記提供情報SI1を得て、携帯電話ネットワーク13に供給する。
【0089】
携帯電話ネットワーク13は、設定された各回線に応じて、当該提供情報SI1を、各移動通信端末(例えば携帯電話機TE1)に届ける(S10)。
【0090】
例えば、携帯電話機TE1の場合には、前記電話番号TI1を用いて携帯電話ネットワーク13内にアクセスサーバ装置12と携帯電話機TE1の間の回線を設定して、当該提供情報SI1を供給する。
【0091】
これにより、携帯電話ネットワーク13のカバーエリア内に位置する携帯電話機TE1の所持者は、前記カバーエリアCA1に入ってから前記時間的間隔だけ経過した頃に、提供情報SI1の内容で決まる表示内容を、画面表示処理部21上に認めることになる。
【0092】
他の端末識別子TEID2〜TEIDLを割当てられていた移動通信端末の所持者も、同様である。
【0093】
次に、部分シーケンスCQ3では、加入者系無線通信事業者が、電話をかけたアクセスサーバ装置12を管理している仲介者に対して、電話料金の請求を行う(S11)。
【0094】
アクセスサーバ装置12は、当該通信によって利益を得る情報提供者に、当該電話料金と提供情報(SI1)を提供するための情報料金を合計した料金を負担させるために、情報提供者に対する合計料金の請求を行う(S12)。
【0095】
情報提供者は、情報料金を仲介者に支払うとともに(S13)、電話料金を、携帯電話ネットワーク13を管理運営する加入者系無線通信事業者に支払う(S14)。
【0096】
なお、これらステップS11〜S14の処理は、郵送などによって実行してもよいが、料金処理機能を搭載した加入者系無線通信事業者の通信装置をインターネット11上に設置するとともに、アクセスポイント装置(AP1など)やアクセスサーバ装置12に必要な料金処理機能を搭載するようにすれば、インターネット11を介して自動的に実行すること等も可能である。
【0097】
以上のステップS1〜S14の処理では、各移動通信端末に付与されている電話番号(TI1など)を認識することができるのは、付与した加入者系無線通信事業者以外では、アクセスサーバ装置12(又は仲介者)だけである。従って、アクセスポイント装置AP1(又は情報提供者)に対しては、電話番号を知らせずに処理を進め、移動通信端末所有者のプライバシーを保護することができる。
【0098】
しかも、各移動通信端末の所有者は全く料金を負担する必要がない。
【0099】
料金負担がなく、プライバシーも守られるのであれば、提供情報(SI1など)の受信を希望する移動通信端末所有者は、少なくないはずである。
【0100】
一方、情報提供者にとっては、提供情報SIを提供することによって、チラシ配布と同等な宣伝効果が期待できるだけでなく、ある提供情報(例えば前記SI1など)の提供中止や提供再開などの処理を迅速に実行することができる。
【0101】
例えば、アクセスポイント装置AP1の電源をOFFとすること等によって、識別子要求信号RQ1の送信動作や、端末識別子TEIDの受信動作を停止すれば、直ちに提供を中止することができ、反対に、アクセスポイント装置AP1の電源をONとすることによって、中止した提供を直ちに再開することもできる。
【0102】
この提供停止と提供再開の間に、情報提供者は、インターネット11を介して、アクセスサーバ装置12の提供情報記憶部42に格納されている提供情報SI1の書き換えを行うようにしてもよい。
【0103】
これにより、情報提供者の営業上の状況変化に即応して、迅速に提供情報を変更することが可能である。
【0104】
なお、迅速性を高めるには、前記バッチ処理部32に関する時間的間隔は短く設定しておくとよい。
【0105】
また、アクセスポイント装置AP1による小さなカバーエリアCA1内に各移動通信端末が入ったかどうかに応じて、提供情報を提供するかどうかが変化し、異なるアクセスポイント装置(例えばAP2)のカバーエリアCA2内に各移動通信端末が入った場合には、異なる提供情報(例えばSI2)が供給され得るので、部分シーケンスCQ2の一連の処理は、位置情報の評定結果に応じて、提供情報を提供していることに等しい。
【0106】
なお、当該部分シーケンスCQ2の処理は、図11のように表現することもできる。
【0107】
すなわち、携帯電話機TE1に提供情報SI1を提供するためには、携帯電話機TE1と、アクセスポイント装置AP1と、アクセスサーバ装置12と、携帯電話ネットワーク13の協調した動作が不可欠であり、この中のどれか1つが欠けても提供情報SI1の提供は行われない。従って、アクセスポイント装置AP1の電源がOFFとされると、提供情報SI1の提供は停止される。
【0108】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、各移動通信端末に提供情報を提供するためにはアクセスポイント装置の介在が不可欠であるから、従来のデータサーバに対応するアクセスサーバ装置との連携作業なしに、アクセスポイント装置だけを操作して、提供情報の提供中止や提供再開などを迅速に実行することが可能となる。
【0109】
これにより、使い勝手がよく、信頼性の高い情報配信システムを構築することができる。
【0110】
また、アクセスポイント装置を設置する場所は任意に選択することができるので、本実施形態では、従来のGPSを用いた方法では困難であった地下街や建物内における位置情報評定を実行することもでき、その評定結果に応じた提供情報を提供することが可能となる。
【0111】
さらに、本実施形態では、各アクセスポイント装置をどのよう場所に設置し、どの程度の大きさのカバーエリア(例えばCA1)を設定するかは、各情報提供者が自由に選択することができるので、カバーエリアを小さくして位置情報の評定精度を高めることや、他のアクセスポイント装置のカバーエリアとオーバーラップしないように設定することも、オーバーラップするように設定することも自由であるため、情報提供者の要望に柔軟にこたえることができ、非常に自由度が高い。
【0112】
(B)第2の実施形態
以下では、第2の実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。第2の実施形態では、移動通信端末に対してメール配信を行う。
【0113】
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
本実施形態の情報配信システム50の全体構成は、図4に示す。
【0114】
図4において、当該情報配信システム50は、携帯電話機TEMと、アクセスポイント装置APM(末尾のMは自然数)と、アクセスサーバ装置52と、WAN(Wide Area Network)53と、携帯電話ネットワーク54と、当該携帯電話ネットワーク54に含まれる基地局55とを備えている。
【0115】
このうち、携帯電話機TEMは、基本的に図3と同様な内部構成を備え、第1の実施形態の携帯電話機TE1などと同様な機能を装備しているが、それに加えてWWW(World Wide Web)経由の電子メールの受信閲覧機能をも装備していることを要する。
【0116】
また、アクセスポイント装置APMは、図7と全く同じ内部構成を備え、第1の実施形態のアクセスポイント装置AP1と同一の機能を装備している。
【0117】
但し、本実施形態では、アクセスポイント装置APMの設置場所は、百貨店57の内部であるものとし、当該アクセスポイント装置APMのカバーエリアCAMは、当該百貨店57の内部に限定される。必要に応じて、このカバーエリアCAMを、当該百貨店57内部の特定の売り場や特定の出入り口などに限定して設定してもよい。
【0118】
また、前記アクセスサーバ装置52は、基本的に図8と同様な内部構成を備え、第1の実施形態のアクセスサーバ装置12と同様な機能を装備している。
【0119】
但し、アクセスサーバ装置52においては、第1の実施形態の電話番号TIの替わりに、携帯電話機TEMなどを指定するメールアドレスが用いられる。
【0120】
従って、上述した図1の部分シーケンスCQ1の登録要求(S1)では、電話番号の代わりにメールアドレスがアクセスサーバ装置52(又は仲介者)に供給され、その他の処理でも、前記電話番号の替わりにメールアドレスが用いられる。
【0121】
これにより、前記カバーエリアCAMに入った携帯電話機TEMの所持者に対しては、前記時間的間隔が経過した頃に、アクセスサーバ装置52から、WAN53(又はWAN53と携帯電話ネットワーク54)を介して、電子メール(インターネットメール)IMMが届けられることになる。この電子メールIMMの内容は、例えば、来店礼状や商品の案内などであってよい。
【0122】
電子メールIMMの送信を行った際に、アクセスホスト装置52は、その通信記録をアクセスポイント装置APMに割当てたアクセスポイント識別子APIDMと対応付けて記録する。
【0123】
この通信記録は、アクセスポイント装置APMを所有している情報提供者(ここでは、百貨店57)に、当該電子メールIMMの送信に要した電話料金などを負担させるために利用する。
【0124】
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を、電子メールの配信について、得ることができる。
【0125】
(C)第3の実施形態
以下では、第3の実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。第3の実施形態では、情報配信システム60全体が1つの構内通信網の内部に存在する。
【0126】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態の情報配信システム60の全体構成を図5に示す。
【0127】
図5において、当該情報配信システム60は、構内PHS端末TEX、TEYと、アクセスポイント装置APX、APYと、LAN(Local Area Network)61と、アクセスサーバ装置62と、LAN63と、構内PHS基地局64とを備えている。
【0128】
このうち、構内PHS端末TEX、TEYは、第1の実施形態の携帯電話機TE1などの移動通信端末に対応し、アクセスポイント装置APX、APYは前記アクセスポイント装置AP1などに対応し、LAN61は前記インターネット11に対応し、アクセスサーバ装置62は前記アクセスサーバ装置12に対応する。
【0129】
但し、本実施形態では、アクセスポイント装置APX、APYは、会社、テーマパーク、学校などの所定の構内に設置される。
【0130】
また、アクセスポイント装置APXのカバーエリアCAXと、アクセスポイント装置APYのカバーエリアCAYとは、当該構内の異なる位置に設定される。カバーエリアCAXもCAYも、通常は、当該構内の全域に比べて十分に小さい限定的な領域である。
【0131】
本実施形態では、第1の実施形態の電話番号TIの替わりに構内PHS用電話番号が使用される。
【0132】
また、本実施形態では、図1の前記部分シーケンスCQ1に相当する登録作業は、当該構内通信網の管理者が一括して行っておくようにしてもよい。
【0133】
本実施形態では、構内PHS端末TEXやTEYなどを携帯して構内を移動する各所持者は、構内において移動した経路(存在した位置)に応じて、アクセスポイント装置APX又はアクセスポイント装置APYに対応付けられた各提供情報SIの提供を受けることになる。
【0134】
(C−2)第3の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を、ローミング機能で位置評定のできない構内PHSについて得ることができる。
【0135】
但し、本実施形態の場合、アクセスサーバ装置(52)を管理する前記仲介者と、アクセスポイント装置(APXなど)を管理する前記情報提供者は、法律的に同一人(構内通信網の管理者)である可能性が高いが、同一人であったとしても、アクセスサーバ装置とアクセスポイント装置の物理的な距離が離れている場合やLAN(61)のトラフィックが高い場合などには、上述した連携作業が必ずしも短時間で実行できるとは限らないので、各アクセスポイント装置の操作に応じて、状況の変化に迅速に対応できる利点は大きい。
【0136】
(D)第4の実施形態
以下では、第4の実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。第4の実施形態では、移動通信端末が自動車などとともに高速に移動し得る。
【0137】
(D−1)第4の実施形態の構成及び動作
本実施形態の情報配信システム70の全体構成を図6に示す。
【0138】
図6において、当該情報配信システム70は、車載端末TEZ1、TEZ2と、アクセスポイント装置APZと、LAN71と、アクセスサーバ装置72と、携帯電話・車載端末ネットワーク73と、基地局74とを備えている。
【0139】
このうち、車載端末TEZ1は、高速に移動し得る車両75に固定的に設置されており、携帯電話機TEZ2は当該車両75に搭乗している所持者が携帯しているものとする。
【0140】
ここで、車載端末TEZ1や携帯電話機TEZ2は、第1の実施形態の携帯電話機TE1などに対応し、アクセスポイント装置APZは前記アクセスポイント装置AP1などに対応し、LAN71は前記インターネット11に対応し、アクセスサーバ装置72は前記アクセスサーバ装置12に対応し、携帯電話・車載端末ネットワーク73は前記携帯電話ネットワーク12に対応し、基地局74は前記基地局15などに対応するものである。
【0141】
本実施形態において、車両75が動いている状態で車載端末TEZ1や携帯電話機TEZ2とアクセスポイント装置APZとが通信を行うのであれば、そのための無線通信方式は、ETC(Electric Toll Collection:自動料金収受)システムなどに適用されているように、マンチェスタ符号などを利用した仕様で実装するとよい。
【0142】
(D−2)第4の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を、高速に移動し得る移動通信端末について得ることができる。
【0143】
(E)他の実施形態
なお、移動通信端末の種類としては、第1〜第4の実施形態に列挙したもののほかに、自動車電話機、ページャ端末、衛星携帯電話機などを利用することもできる。
【0144】
また、第1〜第4の実施形態では、ISM帯域を利用したが、無線局免許の取得を要しない形でアクセスポイント装置と移動通信端末間の無線通信を行うことができるのであれば、その他の方法を採用してもよい。
【0145】
一例としては、赤外線を利用した通信を行うようにしてもよい。この場合、赤外線を使用するのは、アクセスポイント装置のカバーエリア内だけであり、実際に提供情報(SI)を提供するために使用されるのは、広大なカバーエリアを有する加入者系通信システムであるから、従来の赤外線を利用した方法のように、端末の所持者の行動が制限されることがない。
【0146】
また、本発明のアクセスポイント装置のカバーエリアは、通常、非常に狭いので、電波法規の規制の対象外である微弱な電波を使用することも考えられる。周囲の電波環境にもよるが、多くの場合このような微弱な電波であっても、十数m〜数十m程度の距離で有効な無線通信を行うことは十分に可能である。
【0147】
さらに、第1〜第4の実施形態では、アクセスポイント装置は固定的に設置され、各移動通信端末だけが移動したが、アクセスポイント装置自体が移動するようなシステム構成とすることも可能である。その場合、前述の各移動通信端末を、固定的に設置された無線通信装置に置換することもできる。
【0148】
また、本発明の適用にあたっては、必ずしも地理的に移動しなくても、送信電力を変更したり、アンテナの電波放射の指向方向を変更したりすることは、実質的に移動することに等しいとみなすことができる場合がある。
【0149】
なお、第3の実施形態におけるLAN63も、カバーエリアCAXやCAYよりも広いカバーエリアを設定しているという意味で、本発明の適用上、広域通信システムに該当する。
【符号の説明】
【0150】
10,50,60,70…情報配信システム、12,52,62,72…アクセスサーバ装置、11…インターネット、13…携帯電話ネットワーク、15,16…基地局、20…一般通信機能、21…画面表示処理部、22…AP通信機能、23…TEID処理部、24,30,40…IN通信機能部、31…APID処理部、32…バッチ処理部、TE1〜TE3…移動通信端末、CA1,CA2…カバーエリア。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、サーバ及び中継装置に関し、送信先に所望の提供情報を配信する場合などに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信端末の位置情報を評定し、当該評定結果に応じた提供情報を、当該移動通信端末に提供する方法として、さまざまな方法が用いられている(特許文献1〜特許文献3参照)。
【0003】
例えば、位置情報の評定に人工衛星からの電波を用いたGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して端末所持者の現在位置を特定し、その現在位置に対応する情報を提供する方式がある。
【0004】
また、PHS(パーソナル・ハンディホーン・システム)のローミング機能を利用して端末所持者の現在位置を特定し、現在位置に対応する情報を提供する方式がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−327472号公報
【特許文献2】特開平11−285053号公報
【特許文献3】特開2000−115857号公報
【特許文献4】特開平11−219481号公報
【特許文献5】特開平7−297956号公報
【特許文献6】特開平10−124632号公報
【特許文献7】特開2000−99187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、GPSを用いる方式では電波のとどかない地下街や建物内といった場所にGPS端末がある場合、その場所を特定することは難しく、よってこのような場所に関する位置情報をもとにした情報を提供することは難しい。
【0007】
また、PHSのローミング機能を利用する方法では、PHSの基地局の出力は同一ではなく、カバーするエリアの地理的範囲が半径100mのものもあれば、500mのものもあり、情報提供者が自由にその範囲を設定することも不可能である。
【0008】
カバーする範囲が広く、1つのカバーエリア内に複数の異なる情報提供者が登録されている場合、位置情報の評定結果だけでは提供情報を1つに絞り込むことができない。すなわち位置情報の評定精度が低くなる。
【0009】
これらの場合、当該端末には、精度の低い位置情報評定に基づいて複数の提供情報が殺到し、端末所持者がそれらの情報を検索する必要が生じる。
【0010】
これを回避するためには、データ配信側が位置情報評定結果以外の情報に基づいてさらなる検索を実行し、提供情報を1つに絞り込むこと等が必要となり、新たな操作や処理の負担が生じる。
【0011】
一方、上述のいずれの方式も位置情報評定結果に基づきネットワーク上のデータサーバから位置情報に対応したデータ(提供情報)を配信するのが一般的であるが、端末所持者のプライバシーを保障した上でデータを提供することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の本発明の情報配信システムは、(1)装置識別情報を記憶する無線通信装置と、(2)第1カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第1中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第1中継装置と、(3)第2カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第2中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第2中継装置と、(4)前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶し、前記装置識別情報と該第1提供情報および該第2提供情報の送信先となる送信先情報とを対応付けて記憶するサーバとを備え、(5)前記サーバは、(5−1)中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、(5−2)前記中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、(5−3)前記装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信することを特徴とする。
【0013】
第2の本発明のサーバは、(1)第1の本発明の情報配信システムに適用可能なサーバであって、(2)前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶する第1の記憶手段と、(3)前記第1提供情報および前記第2提供情報の送信先となる送信先情報と前記装置識別情報を対応付けて記憶する第2の記憶手段と、(4)中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、当該中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、当該装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第3の本発明の中継装置は、(1)第1の本発明の情報配信システムに適用可能な中継装置であって、(2)予め自己に割り当てられた中継装置識別情報を記憶する記憶手段と、(3)カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信する受信手段と、(4)前記中継装置識別情報と前記装置識別情報を、サーバに送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使い勝手がよく、信頼性の高い情報配信システム、サーバ及び中継装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の動作説明図である。
【図2】第1の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図3】第1の実施形態に係る移動通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図5】第3の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図6】第4の実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示す概略図である。
【図7】第1の実施形態に係るアクセスポイント装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】第1の実施形態に係るアクセスサーバ装置の内部構成を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態の動作説明図である。
【図10】第1の実施形態の動作説明図である。
【図11】第1の実施形態の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(A)第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、移動通信端末所持者のプライバシーを可能な限り保護するとともに、情報提供者の希望に即応することのできる位置依存型の情報提供を行うことを目的とする。
【0018】
(A−1)第1の実施形態の構成及び各部の動作
第1の実施形態の情報配信システム10の全体構成を図2に示す。
【0019】
図2において、当該情報配信システム10は、インターネット11と、複数のアクセスポイント装置AP1、AP2と、アクセスサーバ(アクセスホスト)装置12と、携帯電話ネットワーク13と、PHSネットワーク14と、基地局15,16と、複数の移動通信端末TE1〜TE3とを備えている。
【0020】
なお、アクセスポイント装置AP1の管理主体は情報提供者であり、アクセスサーバ装置12の管理主体は複数の情報提供者の要望に応じて各提供情報の提供を代行する仲介者であり、携帯電話ネットワーク13やPHSネットワーク14の管理運営主体は加入者系無線通信事業者であり、移動通信端末TE1〜TE3の利用主体は、各端末の所持者(通常は所有者と同じ)である。
【0021】
前記移動通信端末TE1〜TE3のうち、移動通信端末TE1は携帯電話機であり、移動通信端末TE2はPHS端末であり、移動通信端末TE3は携帯情報端末(PDA)であるが、これらは一例を示しているにすぎない。本実施形態は、無線通信機能を備えた移動通信端末に広く適用することができる。
【0022】
携帯電話機、PHS端末、携帯情報端末などの種類に応じて、各移動通信端末TE1〜TE3は、異なる機能を装備しているのであるが、本実施形態の適用上必要な機能は、図3に示した通り、共通である。従って、図3には携帯電話機TE1を示したものとして説明する。
【0023】
(A−1−1)移動通信端末の内部構成
図3において、携帯電話機TE1は、一般通信機能部20と、画面表示処理部21と、AP通信機能部22と、TEID処理部23と、IN通信機能部24とを備えている。
【0024】
このうち一般通信機能部20は、携帯電話機としての一般的な通信機能を装備している部分である。一般通信機能部20によって、当該携帯電話機TE1は、携帯電話ネットワーク13内の基地局15と無線通信することができる。
【0025】
もしも当該携帯電話機TE1がPHS端末TE2であれば、当該一般通信機能部20の内部がPHSに対応したものとなり、PDAであれば、当該一般通信機能部20の内部がPDAに対応したものとなる。
【0026】
画面表示処理部21は、例えば液晶ディスプレイ装置などから構成された部分で、基地局15から一般通信機能部20を介して供給される提供情報SIを画面表示する。
【0027】
本実施形態おいてこの提供情報SIは、街中で行われるチラシ配りで配られるチラシと同様な宣伝広告用の情報であるものとする。
【0028】
また、前記AP通信機能部22は、前記アクセスポイント装置AP1と通信する機能を装備した部分である。本実施形態では、このAP通信機能部22には、ISM(Industrial,Scientific and Medical)帯域を利用した無線通信機能を装備しているものとする。ISM帯域を利用するのは、無線局免許を取得することなく無線通信を行うことができる点に着目したものである。
【0029】
前記一般通信機能部20のほかに当該AP通信機能部22を装備していることから、当該携帯電話機TE1は、マルチモード端末を構成しているといえる。
【0030】
このAP通信機能部22に接続されたTEID処理部23は、当該携帯電話機TE1に割当てられた端末識別子であるTEIDを一時的に格納する部分である。端末識別子TEIDは、アクセスサーバ装置12からみて、移動通信端末TE2やTE3及び他の携帯電話機など(図示せず)と、当該携帯電話機TE1とを、一義的に識別するために使用される。
【0031】
当該端末識別子TEIDの取得は、TEID処理部23に接続されているIN通信機能部24によって、インターネット(IN)11経由で行われるものとする。端末識別子TEIDを割当てるのは、アクセスサーバ装置12である。
【0032】
但し必要に応じて、インターネット11経由で自動的に割当てるのではなく、郵送などによって、前記仲介者が、各端末(例えば携帯電話機TE1)の所有者に端末識別子TEIDを割当て、各所有者が各端末に該当する端末識別子TEIDを設定操作するようにしてもよい。その場合には、前記IN通信機能部24は省略することができる。
【0033】
各移動通信端末の所有者の希望に応じて、郵送による方法やインターネット経由による方法を選択できるようにするとよい。
【0034】
前記AP通信機能部22は、アクセスポイント装置AP1に対して当該端末識別子TEIDを送信することで、提供情報SIのサービスを要求することになる。この端末識別子TEIDの送信は、端末識別子TEIDの送信を求めてアクセスポイント装置AP1が常時送信している識別子要求信号RQ1を受信したAP通信機能部22が、当該受信に応答することで、自動的に行われる。
【0035】
従って、AP通信機能部22とTEID処理部23の間のこのやり取りは、携帯電話機TE1の所持者が全く意識しないうちに実行される。
【0036】
アクセスポイント装置AP1が識別子要求信号RQ1の送信を行わずに、携帯電話機TE1のほうが自発的に端末識別子TEIDを送信する構成とすることも可能であるが、その場合は、携帯電話機TE1の所持者のボタン操作などに応じて端末識別子TEIDを送信するか、携帯電話機TE1が常時、当該端末識別子TEIDを送信している構成とすることになると考えられる。
【0037】
次に、このような携帯電話機TE1とISM帯域を利用して無線通信するアクセスポイント装置AP1の内部構成について、図7を参照しながら説明する。アクセスポイント装置AP2の内部構成もアクセスポイント装置AP1の内部構成と実質的に同じなので、図7にはアクセスポイント装置AP1を示したものとして説明を進める。
【0038】
(A−1−2)アクセスポイント装置AP1の内部構成
図7において、アクセスポイント装置AP1は、IN通信機能部30と、APID処理部31と、バッチ処理部32と、端末通信機能部33とを備えている。
【0039】
IN通信機能部30は、前記インターネット11を介してアクセスサーバ装置12と通信するための機能を搭載した部分である。
【0040】
当該IN通信機能部30に接続されたAPID処理部31は、前記アクセスサーバ装置12によって当該アクセスポイント装置AP1に割当てられたアクセスポイント識別子であるAPIDを格納する部分である。アクセスポイント識別子APIDは、アクセスサーバ装置12からみて、アクセスポイント装置AP2及び他のアクセスポイント装置(図示せず)と、当該アクセスポイント装置AP1とを、一義的に識別するために使用される。
【0041】
本実施形態では、一例として、アクセスポイント装置AP1のアクセスポイント識別子APIDがAPID1であり、アクセスポイント装置AP2のアクセスポイント識別子APIDがAPID2であり、…、他のアクセスポイント装置(図示せず)のアクセスポイント識別子APIDがAPIDK(末尾のKは自然数)であるものとする。
【0042】
また、前記端末通信機能部33は、前記携帯電話機TE1のAP通信機能部22に対向する部分で、当該アクセスポイント装置AP1の稼働中には、常時、識別子要求信号RQ1を送信している。
【0043】
なお、端末通信機能部33は携帯電話機TE1の前記AP通信機能部22と通信するのであるから、移動通信端末が携帯電話機の場合に限らずPHS端末(例えばTE2)や携帯情報端末(例えばTE3)であったとしても、基本的に同一のハードウエア構成、ソフトウエア構成のAP通信機能部22によって通信することが可能である。
【0044】
また、当該識別子要求信号RQ1に応えて携帯電話機TE1が送信した端末識別子TEIDは、当該端末通信機能部33を介してバッチ処理部32に一時的に格納される。
【0045】
当該バッチ処理部32は、複数の端末識別子TEIDを蓄積したのちに、各端末識別子TEIDをまとめ、当該アクセスポイント装置AP1に割当てられたアクセスポイント識別子APIDとセットにしてID情報SSを構成し、当該ID情報SSを送信する部分である。
【0046】
例えば、携帯電話機TE1の端末識別子TEIDがTEID1であり、当該携帯電話機TE1につづいてアクセスポイント装置AP1のカバーエリア内に入った携帯電話機など(図示せず)の端末識別子TEIDがTEID2、TEID3、…、TEIDL(末尾のLは自然数)であるものとすると、バッチ処理部32は、TEID1〜TEIDLをまとめて、前記ID情報SSに収容することになる。
【0047】
このID情報SSは、IN通信機能部30によってインターネット11に送出されるので、バッチ処理を利用すれば、通信回数を減らすことができる。
【0048】
なお、必要に応じて、バッチ処理部32は、複数の端末識別子TEIDをまとめてID情報SSに収容してバッチ処理を行うのではなく、各端末識別子が供給されるたびに、当該端末識別子とアクセスポイント識別子とをセットにして、ID情報SSを送信するようにしてもよい。
【0049】
また、当該アクセスポイント装置AP1によるISM帯域を利用した通信のカバーエリアCA1は、携帯電話ネットワーク13やPHSネットワーク14のカバーエリア(図示せず)に比べると、通常、はるかに狭い、限定的な地理的領域である。
【0050】
チラシ配りの代替システムとして当該情報配信システム10を用いるなら、アクセスポイント装置AP1のカバーエリアCA1は、街中の比較的人通りの多い通り等のなかから適宜に選択するとよい。この場合、アクセスポイント装置AP1は、当該通り等の近傍に固定的に設置し、携帯電話機ET1とアクセスポイント装置AP1の通信可能な距離は、例えば数十m以内となる。
【0051】
また、アクセスポイント装置AP1と携帯電話機TE1の通信では、識別子要求信号RQ1と端末識別子TEIDがやり取りされるだけである。識別子要求信号RQ1も端末識別子TEIDも、わずかの情報量しか持っていないため、極めて短い時間長の無線信号に収容することができる。
【0052】
一方、このようなアクセスポイント装置AP1とインターネット11を介して通信するアクセスサーバ装置12は、図8に示すような内部構成を有する。
【0053】
(A−1−3)アクセスサーバ装置の内部構成
図8において、このアクセスサーバ装置12は、IN通信機能部40と、分配部41と、提供情報記憶部42と、IDテーブル43と、加入者系通信機能部44とを備えている。
【0054】
このうちIN通信機能部40は、前記インターネット11を介してアクセスポイント装置AP1と通信するための機能を搭載した部分であり、前記アクセスポイント装置AP1内部のIN通信機能部30に対向して、前記ID情報SSを受信する。
【0055】
当該IN通信機能部40に接続された分配部41は、受信したID情報SSを端末識別子TEIDとアクセスポイント識別子APIDに分離して、端末識別子TEIDはIDテーブル43に供給し、アクセスポイント識別子APIDは提供情報記憶部42に供給する。
【0056】
IDテーブル43は、各端末識別子TEIDと各端末に付与されている電話番号TIとを対応付けて記憶している記憶手段である。
【0057】
同様に、提供情報記憶部42は、各アクセスポイント識別子APIDと各提供情報SIとを対応付けて記憶している部分で、データベースの本体を構成する。
【0058】
分配部41によってIDテーブル43に端末識別子TEIDが供給されると、当該端末識別子で指定される移動通信端末の電話番号TIが読み出されて、加入者系通信機能部44に供給され、提供情報記憶部42にアクセスポイント識別子APIDが供給されると、当該アクセスポイント識別子で指定されるアクセスポイント装置が依頼した提供情報SIが読み出されて当該加入者系通信機能部44に供給される。
【0059】
当該加入者系通信機能部44と各移動通信端末間の通信は、携帯電話ネットワーク13内で端末同士(例えば携帯電話機同士)が通信する場合と同じ方法で行われる。すなわち、電話番号TIによって指定された移動通信端末に対して回線が設定された後、当該回線を用いて提供情報SIが当該移動通信端末に供給される。
【0060】
但し、ここで、提供情報SIの内容は、通常のチラシと同様な内容を有する画像情報や文字情報であるので、通常の携帯電話でやり取りされる音声ではなく、静止画、動画、文字などのデータである。もちろん、情報提供者側の要望に応じて、当該提供情報SIとして、宣伝広告用の音声情報を提供するようにしてもよい。
【0061】
(A−2)第1の実施形態の全体動作
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。本実施形態の情報配信システム10の動作シーケンスを図1に示す。
【0062】
図1の動作シーケンスは、ステップS1〜S14の各ステップを有している。また、当該動作シーケンスは、ステップS1〜S6によって構成される部分シーケンスCQ1と、ステップS7〜S10によって構成される部分シーケンスCQ2と、ステップS11〜S14によって構成される部分シーケンスCQ3とに分類することができる。
【0063】
このうち部分シーケンスCQ1は、本来の動作シーケンスである部分シーケンスCQ2を実行する前提として必要な登録作業のためのシーケンスであり、部分シーケンスCQ3は、提供情報SIを各移動通信端末に供給する際に電話をかけることで発生した電話料金などの負担を処理するためのシーケンスである。
【0064】
図1において、インターネット11に接続された例えば携帯電話機TE1から、インターネット経由でアクセスサーバ装置12に登録要求が出されると、当該携帯電話機TE1の電話番号TI1がアクセスサーバ装置12に供給され(S1)、アクセスサーバ装置12からは、端末識別子TEID1が携帯電話機TE1に供給される(S2)。これによって、端末識別子TEID1が、当該携帯電話機TE1に割当てられたことになる。
【0065】
このとき、図8に示したアクセスサーバ装置12内部のIDテーブル43では、図9に示すように、当該端末識別子TEID1と、前記電話番号TI1とが対応付けられて記憶される。IDテーブル43の内部では、携帯電話機TE1以外の移動通信端末についても、これと同様にして、電話番号TI2〜TIN(末尾のNは自然数)と、割当てられた端末識別子TEID2〜TEIDNとが、それぞれに対応付けられて記憶されている。
【0066】
ステップS1の登録要求では、図3に示した携帯電話機TE1内のIN通信機能部12が現在時刻などの情報に基づいてほぼ定期的に出力するようにしてもよく、所持者が行うボタン操作などに応じて携帯電話機TE1から出力されるようにしてもよい。
【0067】
いったん割当てられた端末識別子TEIDの内容は、登録内容の更新(S3)によって、変更され得る。このような登録内容の更新を行うことは、セキュリティ性を高め、携帯電話機TE1を利用する所持者(又は所有者)のプライバシーを守るために有効であると考えられる。
【0068】
なお、以降のステップでは、前記携帯電話機TE1には端末識別子TEID1が割当てられた状態であるものとする。
【0069】
ステップS3につづくステップS4では、アクセスポイント装置AP1からアクセスサーバ装置12に対して登録要求が出され、当該登録要求に応えてアクセスポイント識別子APIDがアクセスポイント装置AP1に割当てられる(S5)。
【0070】
ここでは、アクセスポイント装置AP1に対して、アクセスポイント識別子APID1が割当てられたものとする。
【0071】
次に、ステップS6では、前記提供情報SIの登録や更新を行う。
【0072】
このとき、図8に示したアクセスサーバ装置12内部の提供情報記憶部42には、図10に示すように、アクセスポイント装置AP1に割当てられたアクセスポイント識別子APID1には、提供情報SI1が対応づけられて記憶される。
【0073】
提供情報記憶部42の内部では、アクセスポイント装置AP1以外のアクセスポイント装置(例えばアクセスポイント装置AP2など)についても、これと同様にして、アクセスポイント識別子APID2〜APIDK(末尾のKは自然数)と、各アクセスポイント装置毎に指定された提供情報SI2〜SIKとが、それぞれに対応付けられて記憶されている。
【0074】
アクセスポイント装置AP1がステップS6の処理を実行すると、提供情報記憶部42内に格納されている当該提供情報SI1の内容が書き換えられ、変更されることになる。
【0075】
なお、いったん割当てられたアクセスポイント識別子APIDの内容も、前記ステップS3と同様な処理によって変更するようにしてもよい。このような登録内容の変更を行うのは、セキュリティ性を高め、携帯電話機TE1を利用する所持者のプライバシーやアクセスポイント装置AP1を管理する情報提供者の営業秘密を守るために有効であると考えられる。
【0076】
以降のステップでは、前記アクセスポイント装置AP1にはアクセスポイント識別子APID1が割当てられた状態であるものとする。
【0077】
ところで、ここではステップS1〜S6の順番を図示の通りとしたが、ステップS1とS2の時間的な前後関係、ステップS4とS5の時間的な前後関係、及びステップS5とS6の時間的な前後関係以外は、図示のものに限定する必要はない。例えば、ステップS4〜S6の全部又は一部を、ステップS1〜S3よりも先に実行してもかまわない。
【0078】
要するに、部分シーケンスCQ2を実行する前提条件として、アクセスサーバ装置12の提供情報記憶部42の内部には図10に示す記憶内容が格納され、IDテーブル43の内部には図9に示す記憶内容が格納されており、さらに図9の記憶内容と、携帯電話機TE1などの各移動通信端末内のTEID処理部23内に格納されている端末識別子TEIDとは整合しており、なおかつ、図10の記憶内容とアクセスポイント装置AP1などの各アクセスポイント装置内のAPID処理部31に格納されているアクセスポイント識別子が整合していることが必要である。
【0079】
次に、部分シーケンスCQ2が開始される。
【0080】
例えば、携帯電話機TE1を携帯した所持者が偶発的に前記カバーエリアCA1に入ると、アクセスポイント装置AP1が常時無線送信している前記識別子要求信号RQ1が、携帯電話機TE1のAP通信機能部22によって有効に受信されるようになる。
【0081】
当該識別子要求信号RQ1がAP通信機能部22からTEID処理部23に供給されると、当該TEID処理部23から、割当てられている端末識別子TEID1が出力され、AP通信機能部22が当該端末識別子TEID1を無線送信する(S7)。
【0082】
無線送信された端末識別子TEID1は、アクセスポイント装置AP1内の端末通信機能部33を介してバッチ処理部32に蓄積される。
【0083】
この間のアクセスポイント装置AP1と携帯電話機TE1の通信は、携帯電話機TE1の所持者に意識されることなく、上述したように、極めて短時間で終了する。そして、通常は、当該携帯電話機TE1はその所持者とともに、カバーエリアCA1の外へ移動する。
【0084】
次のステップS8は、ステップS7の実行後、直ちに実行してもよいが、数時間あるいは数日の時間的間隔をおいてから行うようにしてもよい。この時間的間隔は、情報提供者の希望に応じて変更できるようにするとよいが、その最大値は、バッチ処理部32の記憶容量に応じて制限される。
【0085】
ここでは、携帯電話機TE1につづいて、端末識別子TEID2〜TEIDLを割当てられている移動通信端末が、前記カバーエリアCA1内に入って、ステップS7の処理を行い、アクセスポイント装置AP1内部のバッチ処理部32には、これらの移動通信端末に割当てられていた端末識別子TEID2〜TEIDLが蓄積されたものとする。
【0086】
前記ステップS7につづいて前記時間的間隔が経過したあとで実行されるステップS8では、アクセスポイント装置AP1内のAPID処理部31から当該アクセスポイント装置AP1に割当てられているアクセスポイント識別子APID1が出力され、当該アクセスポイント識別子APID1と、バッチ処理部32に蓄積されている端末識別子TEID1〜TEIDLとで、前記ID情報SSが構成され、IN通信機能部30を介してインターネット11に送出される。
【0087】
このID情報SSは、インターネット11によってルーティングされて、アクセスサーバ装置12まで到達する。
【0088】
次のステップS9では、アクセスサーバ装置12が、図9の通りに、各端末識別子TEID1〜TEIDLに対応付けられた電話番号TI1〜TILを用いて、当該アクセスサーバ装置12と各移動通信端末の間に次々と回線を設定し、アクセスポイント識別子AP1を用いて検索した結果、前記提供情報SI1を得て、携帯電話ネットワーク13に供給する。
【0089】
携帯電話ネットワーク13は、設定された各回線に応じて、当該提供情報SI1を、各移動通信端末(例えば携帯電話機TE1)に届ける(S10)。
【0090】
例えば、携帯電話機TE1の場合には、前記電話番号TI1を用いて携帯電話ネットワーク13内にアクセスサーバ装置12と携帯電話機TE1の間の回線を設定して、当該提供情報SI1を供給する。
【0091】
これにより、携帯電話ネットワーク13のカバーエリア内に位置する携帯電話機TE1の所持者は、前記カバーエリアCA1に入ってから前記時間的間隔だけ経過した頃に、提供情報SI1の内容で決まる表示内容を、画面表示処理部21上に認めることになる。
【0092】
他の端末識別子TEID2〜TEIDLを割当てられていた移動通信端末の所持者も、同様である。
【0093】
次に、部分シーケンスCQ3では、加入者系無線通信事業者が、電話をかけたアクセスサーバ装置12を管理している仲介者に対して、電話料金の請求を行う(S11)。
【0094】
アクセスサーバ装置12は、当該通信によって利益を得る情報提供者に、当該電話料金と提供情報(SI1)を提供するための情報料金を合計した料金を負担させるために、情報提供者に対する合計料金の請求を行う(S12)。
【0095】
情報提供者は、情報料金を仲介者に支払うとともに(S13)、電話料金を、携帯電話ネットワーク13を管理運営する加入者系無線通信事業者に支払う(S14)。
【0096】
なお、これらステップS11〜S14の処理は、郵送などによって実行してもよいが、料金処理機能を搭載した加入者系無線通信事業者の通信装置をインターネット11上に設置するとともに、アクセスポイント装置(AP1など)やアクセスサーバ装置12に必要な料金処理機能を搭載するようにすれば、インターネット11を介して自動的に実行すること等も可能である。
【0097】
以上のステップS1〜S14の処理では、各移動通信端末に付与されている電話番号(TI1など)を認識することができるのは、付与した加入者系無線通信事業者以外では、アクセスサーバ装置12(又は仲介者)だけである。従って、アクセスポイント装置AP1(又は情報提供者)に対しては、電話番号を知らせずに処理を進め、移動通信端末所有者のプライバシーを保護することができる。
【0098】
しかも、各移動通信端末の所有者は全く料金を負担する必要がない。
【0099】
料金負担がなく、プライバシーも守られるのであれば、提供情報(SI1など)の受信を希望する移動通信端末所有者は、少なくないはずである。
【0100】
一方、情報提供者にとっては、提供情報SIを提供することによって、チラシ配布と同等な宣伝効果が期待できるだけでなく、ある提供情報(例えば前記SI1など)の提供中止や提供再開などの処理を迅速に実行することができる。
【0101】
例えば、アクセスポイント装置AP1の電源をOFFとすること等によって、識別子要求信号RQ1の送信動作や、端末識別子TEIDの受信動作を停止すれば、直ちに提供を中止することができ、反対に、アクセスポイント装置AP1の電源をONとすることによって、中止した提供を直ちに再開することもできる。
【0102】
この提供停止と提供再開の間に、情報提供者は、インターネット11を介して、アクセスサーバ装置12の提供情報記憶部42に格納されている提供情報SI1の書き換えを行うようにしてもよい。
【0103】
これにより、情報提供者の営業上の状況変化に即応して、迅速に提供情報を変更することが可能である。
【0104】
なお、迅速性を高めるには、前記バッチ処理部32に関する時間的間隔は短く設定しておくとよい。
【0105】
また、アクセスポイント装置AP1による小さなカバーエリアCA1内に各移動通信端末が入ったかどうかに応じて、提供情報を提供するかどうかが変化し、異なるアクセスポイント装置(例えばAP2)のカバーエリアCA2内に各移動通信端末が入った場合には、異なる提供情報(例えばSI2)が供給され得るので、部分シーケンスCQ2の一連の処理は、位置情報の評定結果に応じて、提供情報を提供していることに等しい。
【0106】
なお、当該部分シーケンスCQ2の処理は、図11のように表現することもできる。
【0107】
すなわち、携帯電話機TE1に提供情報SI1を提供するためには、携帯電話機TE1と、アクセスポイント装置AP1と、アクセスサーバ装置12と、携帯電話ネットワーク13の協調した動作が不可欠であり、この中のどれか1つが欠けても提供情報SI1の提供は行われない。従って、アクセスポイント装置AP1の電源がOFFとされると、提供情報SI1の提供は停止される。
【0108】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、各移動通信端末に提供情報を提供するためにはアクセスポイント装置の介在が不可欠であるから、従来のデータサーバに対応するアクセスサーバ装置との連携作業なしに、アクセスポイント装置だけを操作して、提供情報の提供中止や提供再開などを迅速に実行することが可能となる。
【0109】
これにより、使い勝手がよく、信頼性の高い情報配信システムを構築することができる。
【0110】
また、アクセスポイント装置を設置する場所は任意に選択することができるので、本実施形態では、従来のGPSを用いた方法では困難であった地下街や建物内における位置情報評定を実行することもでき、その評定結果に応じた提供情報を提供することが可能となる。
【0111】
さらに、本実施形態では、各アクセスポイント装置をどのよう場所に設置し、どの程度の大きさのカバーエリア(例えばCA1)を設定するかは、各情報提供者が自由に選択することができるので、カバーエリアを小さくして位置情報の評定精度を高めることや、他のアクセスポイント装置のカバーエリアとオーバーラップしないように設定することも、オーバーラップするように設定することも自由であるため、情報提供者の要望に柔軟にこたえることができ、非常に自由度が高い。
【0112】
(B)第2の実施形態
以下では、第2の実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。第2の実施形態では、移動通信端末に対してメール配信を行う。
【0113】
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
本実施形態の情報配信システム50の全体構成は、図4に示す。
【0114】
図4において、当該情報配信システム50は、携帯電話機TEMと、アクセスポイント装置APM(末尾のMは自然数)と、アクセスサーバ装置52と、WAN(Wide Area Network)53と、携帯電話ネットワーク54と、当該携帯電話ネットワーク54に含まれる基地局55とを備えている。
【0115】
このうち、携帯電話機TEMは、基本的に図3と同様な内部構成を備え、第1の実施形態の携帯電話機TE1などと同様な機能を装備しているが、それに加えてWWW(World Wide Web)経由の電子メールの受信閲覧機能をも装備していることを要する。
【0116】
また、アクセスポイント装置APMは、図7と全く同じ内部構成を備え、第1の実施形態のアクセスポイント装置AP1と同一の機能を装備している。
【0117】
但し、本実施形態では、アクセスポイント装置APMの設置場所は、百貨店57の内部であるものとし、当該アクセスポイント装置APMのカバーエリアCAMは、当該百貨店57の内部に限定される。必要に応じて、このカバーエリアCAMを、当該百貨店57内部の特定の売り場や特定の出入り口などに限定して設定してもよい。
【0118】
また、前記アクセスサーバ装置52は、基本的に図8と同様な内部構成を備え、第1の実施形態のアクセスサーバ装置12と同様な機能を装備している。
【0119】
但し、アクセスサーバ装置52においては、第1の実施形態の電話番号TIの替わりに、携帯電話機TEMなどを指定するメールアドレスが用いられる。
【0120】
従って、上述した図1の部分シーケンスCQ1の登録要求(S1)では、電話番号の代わりにメールアドレスがアクセスサーバ装置52(又は仲介者)に供給され、その他の処理でも、前記電話番号の替わりにメールアドレスが用いられる。
【0121】
これにより、前記カバーエリアCAMに入った携帯電話機TEMの所持者に対しては、前記時間的間隔が経過した頃に、アクセスサーバ装置52から、WAN53(又はWAN53と携帯電話ネットワーク54)を介して、電子メール(インターネットメール)IMMが届けられることになる。この電子メールIMMの内容は、例えば、来店礼状や商品の案内などであってよい。
【0122】
電子メールIMMの送信を行った際に、アクセスホスト装置52は、その通信記録をアクセスポイント装置APMに割当てたアクセスポイント識別子APIDMと対応付けて記録する。
【0123】
この通信記録は、アクセスポイント装置APMを所有している情報提供者(ここでは、百貨店57)に、当該電子メールIMMの送信に要した電話料金などを負担させるために利用する。
【0124】
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を、電子メールの配信について、得ることができる。
【0125】
(C)第3の実施形態
以下では、第3の実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。第3の実施形態では、情報配信システム60全体が1つの構内通信網の内部に存在する。
【0126】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態の情報配信システム60の全体構成を図5に示す。
【0127】
図5において、当該情報配信システム60は、構内PHS端末TEX、TEYと、アクセスポイント装置APX、APYと、LAN(Local Area Network)61と、アクセスサーバ装置62と、LAN63と、構内PHS基地局64とを備えている。
【0128】
このうち、構内PHS端末TEX、TEYは、第1の実施形態の携帯電話機TE1などの移動通信端末に対応し、アクセスポイント装置APX、APYは前記アクセスポイント装置AP1などに対応し、LAN61は前記インターネット11に対応し、アクセスサーバ装置62は前記アクセスサーバ装置12に対応する。
【0129】
但し、本実施形態では、アクセスポイント装置APX、APYは、会社、テーマパーク、学校などの所定の構内に設置される。
【0130】
また、アクセスポイント装置APXのカバーエリアCAXと、アクセスポイント装置APYのカバーエリアCAYとは、当該構内の異なる位置に設定される。カバーエリアCAXもCAYも、通常は、当該構内の全域に比べて十分に小さい限定的な領域である。
【0131】
本実施形態では、第1の実施形態の電話番号TIの替わりに構内PHS用電話番号が使用される。
【0132】
また、本実施形態では、図1の前記部分シーケンスCQ1に相当する登録作業は、当該構内通信網の管理者が一括して行っておくようにしてもよい。
【0133】
本実施形態では、構内PHS端末TEXやTEYなどを携帯して構内を移動する各所持者は、構内において移動した経路(存在した位置)に応じて、アクセスポイント装置APX又はアクセスポイント装置APYに対応付けられた各提供情報SIの提供を受けることになる。
【0134】
(C−2)第3の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を、ローミング機能で位置評定のできない構内PHSについて得ることができる。
【0135】
但し、本実施形態の場合、アクセスサーバ装置(52)を管理する前記仲介者と、アクセスポイント装置(APXなど)を管理する前記情報提供者は、法律的に同一人(構内通信網の管理者)である可能性が高いが、同一人であったとしても、アクセスサーバ装置とアクセスポイント装置の物理的な距離が離れている場合やLAN(61)のトラフィックが高い場合などには、上述した連携作業が必ずしも短時間で実行できるとは限らないので、各アクセスポイント装置の操作に応じて、状況の変化に迅速に対応できる利点は大きい。
【0136】
(D)第4の実施形態
以下では、第4の実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。第4の実施形態では、移動通信端末が自動車などとともに高速に移動し得る。
【0137】
(D−1)第4の実施形態の構成及び動作
本実施形態の情報配信システム70の全体構成を図6に示す。
【0138】
図6において、当該情報配信システム70は、車載端末TEZ1、TEZ2と、アクセスポイント装置APZと、LAN71と、アクセスサーバ装置72と、携帯電話・車載端末ネットワーク73と、基地局74とを備えている。
【0139】
このうち、車載端末TEZ1は、高速に移動し得る車両75に固定的に設置されており、携帯電話機TEZ2は当該車両75に搭乗している所持者が携帯しているものとする。
【0140】
ここで、車載端末TEZ1や携帯電話機TEZ2は、第1の実施形態の携帯電話機TE1などに対応し、アクセスポイント装置APZは前記アクセスポイント装置AP1などに対応し、LAN71は前記インターネット11に対応し、アクセスサーバ装置72は前記アクセスサーバ装置12に対応し、携帯電話・車載端末ネットワーク73は前記携帯電話ネットワーク12に対応し、基地局74は前記基地局15などに対応するものである。
【0141】
本実施形態において、車両75が動いている状態で車載端末TEZ1や携帯電話機TEZ2とアクセスポイント装置APZとが通信を行うのであれば、そのための無線通信方式は、ETC(Electric Toll Collection:自動料金収受)システムなどに適用されているように、マンチェスタ符号などを利用した仕様で実装するとよい。
【0142】
(D−2)第4の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を、高速に移動し得る移動通信端末について得ることができる。
【0143】
(E)他の実施形態
なお、移動通信端末の種類としては、第1〜第4の実施形態に列挙したもののほかに、自動車電話機、ページャ端末、衛星携帯電話機などを利用することもできる。
【0144】
また、第1〜第4の実施形態では、ISM帯域を利用したが、無線局免許の取得を要しない形でアクセスポイント装置と移動通信端末間の無線通信を行うことができるのであれば、その他の方法を採用してもよい。
【0145】
一例としては、赤外線を利用した通信を行うようにしてもよい。この場合、赤外線を使用するのは、アクセスポイント装置のカバーエリア内だけであり、実際に提供情報(SI)を提供するために使用されるのは、広大なカバーエリアを有する加入者系通信システムであるから、従来の赤外線を利用した方法のように、端末の所持者の行動が制限されることがない。
【0146】
また、本発明のアクセスポイント装置のカバーエリアは、通常、非常に狭いので、電波法規の規制の対象外である微弱な電波を使用することも考えられる。周囲の電波環境にもよるが、多くの場合このような微弱な電波であっても、十数m〜数十m程度の距離で有効な無線通信を行うことは十分に可能である。
【0147】
さらに、第1〜第4の実施形態では、アクセスポイント装置は固定的に設置され、各移動通信端末だけが移動したが、アクセスポイント装置自体が移動するようなシステム構成とすることも可能である。その場合、前述の各移動通信端末を、固定的に設置された無線通信装置に置換することもできる。
【0148】
また、本発明の適用にあたっては、必ずしも地理的に移動しなくても、送信電力を変更したり、アンテナの電波放射の指向方向を変更したりすることは、実質的に移動することに等しいとみなすことができる場合がある。
【0149】
なお、第3の実施形態におけるLAN63も、カバーエリアCAXやCAYよりも広いカバーエリアを設定しているという意味で、本発明の適用上、広域通信システムに該当する。
【符号の説明】
【0150】
10,50,60,70…情報配信システム、12,52,62,72…アクセスサーバ装置、11…インターネット、13…携帯電話ネットワーク、15,16…基地局、20…一般通信機能、21…画面表示処理部、22…AP通信機能、23…TEID処理部、24,30,40…IN通信機能部、31…APID処理部、32…バッチ処理部、TE1〜TE3…移動通信端末、CA1,CA2…カバーエリア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置識別情報を記憶する無線通信装置と、
第1カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第1中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第1中継装置と、
第2カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第2中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第2中継装置と、
前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶し、前記装置識別情報と該第1提供情報および該第2提供情報の送信先となる送信先情報とを対応付けて記憶するサーバとを備え、
前記サーバは、
中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、
前記中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、
前記装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信する
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
前記第1中継装置の前記第1カバーエリアと前記第2中継装置の前記第2カバーエリアは、互いにオーバーラップしないことを特徴とする請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記送信先情報は、電話番号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記提供情報は、音声情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記提供情報は、静止画、動画、又は文字のデータであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項6】
前記送信先情報はメールアドレスであり、前記サーバから送信される前記提供情報は電子メールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項7】
前記送信先への送信は、時間的間隔をおいて前記提供情報を送信することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項8】
前記時間的間隔は、数時間、または数日であることを特徴とする請求項7に記載の情報配信システム。
【請求項9】
前記第1中継装置、前記第2中継装置または前記サーバは、前記送信先への送信にかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項10】
前記第1中継装置、前記第2中継装置または前記サーバは、前記提供情報を提供するためにかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項11】
前記第1中継装置の電源をオフとすることによって、当該第1中継装置に関する提供情報の送信を中止すること、及び又は前記第2中継装置の電源をオフとすることによって、当該第2中継装置に関する提供情報の送信を中止することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項12】
前記無線通信装置は、前記第1中継装置から要求信号を受信すると、前記第1中継装置に前記装置識別情報を送信すること、または前記第2中継装置から要求信号を受信すると、前記第2中継装置に前記装置識別情報を送信することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項13】
前記無線通信装置が自発的に前記装置識別情報を送信し、前記第1中継装置または前記第2中継装置が前記装置識別情報を受信することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項14】
請求項1に記載の情報配信システムに適用可能なサーバであって、
前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記第1提供情報および前記第2提供情報の送信先となる送信先情報と前記装置識別情報を対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、当該中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、当該装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項15】
前記送信先情報は、電話番号であることを特徴とする請求項14に記載のサーバ。
【請求項16】
前記提供情報は、音声情報であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のサーバ。
【請求項17】
前記提供情報は、静止画、動画、又は文字のデータであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のサーバ。
【請求項18】
前記送信先情報はメールアドレスであり、前記送信手段から送信される前記提供情報は電子メールであることを特徴とする請求項14に記載のサーバ。
【請求項19】
前記送信先への送信は、時間的間隔をおいて前記提供情報を送信するように設定可能な機能を有することを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載のサーバ。
【請求項20】
前記設定された時間的間隔は、数時間、または数日であることを特徴とする請求項19に記載のサーバ。
【請求項21】
前記送信先への送信にかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載のサーバ。
【請求項22】
前記提供情報を提供するためにかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載のサーバ。
【請求項23】
請求項1に記載の情報配信システムに適用可能な中継装置であって、
予め自己に割り当てられた中継装置識別情報を記憶する記憶手段と、
カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信する受信手段と、
前記中継装置識別情報と前記装置識別情報を、サーバに送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする中継装置。
【請求項24】
前記中継装置の電源をオフとすることによって、該中継装置は前記中継装置識別情報と前記装置識別情報の送信を中止することを特徴とする請求項23に記載の中継装置。
【請求項25】
前記中継装置は、前記無線通信装置に要求信号を送信し、前記無線通信装置から送信された前記装置識別情報を受信することを特徴とする請求項23または請求項24に記載の中継装置。
【請求項26】
前記中継装置は、前記無線通信装置が自発的に送信した前記装置識別情報を受信することを特徴とする請求項23または請求項24に記載の中継装置。
【請求項1】
装置識別情報を記憶する無線通信装置と、
第1カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第1中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第1中継装置と、
第2カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信し、予め自己に割り当てられた第2中継装置識別情報と前記装置識別情報を送信する第2中継装置と、
前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶し、前記装置識別情報と該第1提供情報および該第2提供情報の送信先となる送信先情報とを対応付けて記憶するサーバとを備え、
前記サーバは、
中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、
前記中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、
前記装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信する
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
前記第1中継装置の前記第1カバーエリアと前記第2中継装置の前記第2カバーエリアは、互いにオーバーラップしないことを特徴とする請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記送信先情報は、電話番号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記提供情報は、音声情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記提供情報は、静止画、動画、又は文字のデータであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項6】
前記送信先情報はメールアドレスであり、前記サーバから送信される前記提供情報は電子メールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項7】
前記送信先への送信は、時間的間隔をおいて前記提供情報を送信することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項8】
前記時間的間隔は、数時間、または数日であることを特徴とする請求項7に記載の情報配信システム。
【請求項9】
前記第1中継装置、前記第2中継装置または前記サーバは、前記送信先への送信にかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項10】
前記第1中継装置、前記第2中継装置または前記サーバは、前記提供情報を提供するためにかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項11】
前記第1中継装置の電源をオフとすることによって、当該第1中継装置に関する提供情報の送信を中止すること、及び又は前記第2中継装置の電源をオフとすることによって、当該第2中継装置に関する提供情報の送信を中止することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項12】
前記無線通信装置は、前記第1中継装置から要求信号を受信すると、前記第1中継装置に前記装置識別情報を送信すること、または前記第2中継装置から要求信号を受信すると、前記第2中継装置に前記装置識別情報を送信することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項13】
前記無線通信装置が自発的に前記装置識別情報を送信し、前記第1中継装置または前記第2中継装置が前記装置識別情報を受信することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の情報配信システム。
【請求項14】
請求項1に記載の情報配信システムに適用可能なサーバであって、
前記第1中継装置識別情報と第1提供情報を対応付けて記憶し、前記第2中継装置識別情報と第2提供情報を対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記第1提供情報および前記第2提供情報の送信先となる送信先情報と前記装置識別情報を対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
中継装置が送信した中継装置識別情報と前記装置識別情報を受信し、当該中継装置識別情報に対応した提供情報を特定し、当該装置識別情報により特定される送信先に、特定された提供情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項15】
前記送信先情報は、電話番号であることを特徴とする請求項14に記載のサーバ。
【請求項16】
前記提供情報は、音声情報であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のサーバ。
【請求項17】
前記提供情報は、静止画、動画、又は文字のデータであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のサーバ。
【請求項18】
前記送信先情報はメールアドレスであり、前記送信手段から送信される前記提供情報は電子メールであることを特徴とする請求項14に記載のサーバ。
【請求項19】
前記送信先への送信は、時間的間隔をおいて前記提供情報を送信するように設定可能な機能を有することを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載のサーバ。
【請求項20】
前記設定された時間的間隔は、数時間、または数日であることを特徴とする請求項19に記載のサーバ。
【請求項21】
前記送信先への送信にかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載のサーバ。
【請求項22】
前記提供情報を提供するためにかかる料金を処理する料金処理機能部を備えることを特徴とする請求項14〜20のいずれかに記載のサーバ。
【請求項23】
請求項1に記載の情報配信システムに適用可能な中継装置であって、
予め自己に割り当てられた中継装置識別情報を記憶する記憶手段と、
カバーエリア内に入った前記無線通信装置の前記装置識別情報を受信する受信手段と、
前記中継装置識別情報と前記装置識別情報を、サーバに送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする中継装置。
【請求項24】
前記中継装置の電源をオフとすることによって、該中継装置は前記中継装置識別情報と前記装置識別情報の送信を中止することを特徴とする請求項23に記載の中継装置。
【請求項25】
前記中継装置は、前記無線通信装置に要求信号を送信し、前記無線通信装置から送信された前記装置識別情報を受信することを特徴とする請求項23または請求項24に記載の中継装置。
【請求項26】
前記中継装置は、前記無線通信装置が自発的に送信した前記装置識別情報を受信することを特徴とする請求項23または請求項24に記載の中継装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−273363(P2010−273363A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155927(P2010−155927)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【分割の表示】特願2007−37958(P2007−37958)の分割
【原出願日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【分割の表示】特願2007−37958(P2007−37958)の分割
【原出願日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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