説明

感光性組成物、およびそれを用いたパターン形成方法

【課題】高い感度と解像性を備えるとともに、アルカリ現像可能な感光性組成物の提供。
【解決手段】溶剤と(2-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタノール誘導体でアモルファス性を示す、例えば4−(4'''−{2−[ヒドロキシ−(2−ヒドロキシフェニル)−フェニル−メチル]}[1,1’;4’,1”]ビフェニル)−(2−ヒドロキシフェニル)−フェニル−メタノールや下式で示される化合物をマトリックス化合物として含有する感光性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性組成物、およびそれを用いたパターン形成方法や画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造においては、紫外線や電子線などの高エネルギーの化学放射線を用いたリソグラフィーによる微細加工が行なわれている。LSIなどの高集積化に伴ない、最近では100nm以下の微細なパターニング特性が要求されている。
【0003】
レジストには、均一な膜となるといった特性や、高いドライエッチング耐性が求められ、芳香族化合物を含有するレジストが広く用いられてきた。高分子化合物では、その分子サイズがエッジラフネスなどに影響を与えはじめており、高分子化合物をベースとするレジストでは解像度を高めることが困難になりつつある(例えば、非特許文献1参照)。そこで、分子レジストと呼ばれる均一な膜となるアモルファス性を示す低分子化合物を、レジストのマトリックスとして用いる試みがなされている。低分子化合物は結晶性が高分子に比べて高いことから、いくつかの化合物が探索されている。
【0004】
現在、主に用いられているのは、光酸発生剤を含有する化学増幅型レジストである。かかるレジストは、酸拡散機構を含むため、少量の照射する化学放射線の照射で十分にコントラストを得ることができ、スループットが高い点では有利である。しかしながら、超微細パターンを形成する際には問題が生じる。例えば、露光部から未露光部への酸の拡散に起因して解像性に限界があり、また、ラフネスも顕著化するおそれがある。
【0005】
そこで、高解像性、低ラフネスの超微細パターンを得るため、非化学増幅型であり、かつ低分子量で耐熱性の高いカリックスアレーンなどの環状フェノール誘導体やフラーレン誘導体を用いるEBレジストが報告されている(例えば、非特許文献2、特許文献1参照)。カリックスアレーンやフラーレン誘導体は、数mC/cm2から数C/cm2の照射量が必要とされ比較的低感度である。しかも、現像液として用いられるのは有機溶媒であることから、近年の環境へ配慮するトレンドにも反するものである。
【非特許文献1】J. Photopolym. Sci. Technol., 10, 629 (1997)
【非特許文献2】J. Photopolym. Sci. Technol., 10, 641 (1997)
【特許文献1】特開平11−258796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、紫外線または電離放射線の照射に対して高感度で反応し、高い解像度および改善されたエッジラフネスを備えるとともに、アルカリ現像可能な感光性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる感光性化合物は、下記一般式(I)で表わされる構造を含み、アモルファス性を示すことを特徴とする。
【化4】

【0008】
(上記一般式(I)中、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、および炭素数1から10の置換または非置換芳香族基から選択される。m1およびm2は1から4の整数である。nは0以上2以下の整数である。)
本発明の他の態様にかかる感光性化合物は、下記一般式(II)で表わされる構造を含み、アモルファス性を示すことを特徴とする。
【化5】

【0009】
(上記一般式(II)中、R3は、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、炭素数1から10の置換または非置換芳香族基からなる群より選択され、m3は1から4の整数である。)
本発明の一態様にかかる感光性組成物は、溶剤とマトリックス化合物とを含有し、前記マトリックス化合物は、下記一般式(I)で表わされる化合物および一般式(II)で表わされる化合物の少なくとも一方を含むことを含有することを特徴とする。
【化6】

【0010】
(ここで、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、および炭素数1から10の置換または非置換芳香族基から選択される。m1およびm2は1から4の整数である。nは0以上2以下の整数である。R3は、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、炭素数1から10の置換または非置換芳香族基からなる群より選択され、m3は1から4の整数である。)
本発明の一態様にかかるパターン形成方法は、基板上に前述載の感光性組成物を含む感光性層を形成する工程と、
前記感光性層の所定の領域に紫外線または電離放射線を照射してパターン露光する工程と、
前記パターン露光後の感光性層をアルカリ水溶液で現像処理して、前記感光性層の未露光部を選択的に除去する工程と
を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紫外線または電離放射線の照射に対して高感度で反応し、アルカリ現像可能な感光性組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0013】
本発明の一実施形態にかかる感光性組成物には、前記一般式(I)で表わされる構造を有する化合物、および前記一般式(II)で表わされる構造を有する化合物の少なくとも一方が含有される。
【0014】
こうした感光性組成物を含む感光性層を形成し、その所定の領域に紫外線または電離放射線を照射してパターン露光を行なうと、露光部において選択的に表面エネルギーが変化する。これは、次のように説明される。
【0015】
前記一般式(I)および(II)には、反応部位として(2−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタノールが存在し、紫外線または電離放射線の照射によって、この部位の構造が変化する。その結果、感光性層の露光部はアルカリ現像液に対する溶解性が低下し、未露光部のみをアルカリ現像液により選択的に溶解除去して、パターンを形成することができる。すなわち、ネガ型の非化学増幅型レジストである。
【0016】
前記一般式(I)および(II)で表わされる化合物は、メタノールの炭素に2つのフェニル基と1つの2−ヒドロキシフェニル基とが置換された構造を分子内に含む低分子化合物である。(2−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタノールそのものは、アモルファス性を示さず結晶性であることが知られている。結晶性の化合物は、成膜することができない。言い換えると、結晶性の化合物を溶媒に溶解して基板上に塗膜を形成しても、溶媒が揮発除去された後には膜として保たれない。
【0017】
しかしながら、前記一般式(I)または(II)で表わされる化合物は、特異的にアモルファス性を示し、マトリックス化合物として好適な特性を有することが本発明者らによって見出された。すなわち、こうした化合物を溶媒に溶解して基板上に塗膜を形成し、溶媒を揮発除去した後でも均一な膜を保つことができる。
【0018】
(2-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタノール誘導体は、下記化学式に示されるように、可逆的に反応し、紫外線または電離放射線を照射することによって、フェノール性のヒドロキシ基が脱離して脱水反応が進行する。その結果し、表面エネルギーが大きく変化する。
【化7】

【0019】
これをレジストに応用すると、フェノール性のヒドロキシル基が存在する露光前の一般式(I)および(II)は、アルカリ性水溶液に溶解するレジストとして機能する。この反応機構は、酸触媒の作用によって分解または架橋する従来のレジストとは異なる機構である。(2-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタノール誘導体における上述したような脱水反応は、酸存在下でも反応は促進される。そのため、光酸発生剤など紫外線または電離放射線によって酸を発生する化合物と混合した状態であっても、同様の作用を示す。
【0020】
本発明の一実施形態にかかる感光性組成物は、分子サイズの小さい低分子化合物をマトリックス化合物として含有するので、分子量の小さい化合物のみで構成されることとなる。その結果、レジストとして用いてパターンを形成した際には、解像度を高めるとともにエッジラフネスを改善することができる。
【0021】
低分子化合物は、分子サイズが小さく、分子鎖の絡まりあった集合体のサイズも小さい。このため、低分子化合物のみで構成される感光性組成物の場合には、現像時に露光部で脱離する集合体が小さく、その側壁に基づいたエッジラフネスが低減される。その結果、低分子化合物を用いた本発明の実施形態にかかる感光性組成物では、解像度が高められ、エッジラフネスを改善することが可能となった。
【0022】
これに対して、例えば高分子化合物は、分子サイズが大きく、分子鎖の絡まりあった網目構造の集合体のサイズが大きい。マトリックス化合物として高分子化合物が含有される感光性組成物の場合には、現像時に露光部の大きな集合体が脱離するため、この集合体の脱離に起因して側壁に大きなエッジラフネスを生ずることとなる。本発明の実施形態においては、こうした問題は解消される。
【0023】
一般的に、感光性組成物を含有する感光性層に対し、紫外線または電離放射線を真空中で照射する場合には、炭化水素などの脱ガスが感光性組成物から発生して、照射装置の内部を汚染することが問題とされている。上述したような一般式(I)および(II)に示す化合物では、反応によって炭化水素が発生することはないため、脱ガスの問題も回避することができる。
【0024】
前記一般式(I)において、R1およびR2として導入され得るアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、t-ブチル基などの分鎖状アルキル基、シクロブチル基などの環状アルキル基、ビニル基、アリル基などの不飽和結合を有するアルケニル基やアルキニル基等が挙げられる。また、芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、およびトリル基等が挙げられる。こうしたアルキル基および芳香族基の少なくとも1つの水素原子は、例えばヒドロキシ基、アルコシキ基、アシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、またはスルホ基などで置換されてもよい。
【0025】
上述したようなアルキル基および芳香族基は、R3として上記一般式(II)に導入することができる。
【0026】
全てのR1およびR2として水素原子が導入されている場合には、化合物を合成する際、合成工程数が少なく簡便であるという点で有利である。R1およびR2の少なくとも一方に、上述したようなアルキル基および芳香族基の少なくとも一方が導入された場合には、アモルファス性、感度およびアルカリ現像液への溶解性の制御が可能となる。R3についても同様であり、全てに水素原子が導入されている場合には、化合物を合成する際、合成工程数が少なく簡便であるという点で有利である。また、アルキル基および芳香族基の少なくとも一方が導入された場合には、アモルファス性、感度およびアルカリ現像液への溶解性の制御が可能となる。
【0027】
フェニル基が存在しない場合、すなわちn=0の場合には、未露光部のアルカリ現像液への溶解性の向上といった効果が得られる。一方、フェニル基が存在する場合には、露光部のアルカリ現像液への溶解抑止能が高められる。ただし、分子量が増大するとパターンのエッジラフネスが低減するという効果が小さくなるといった不都合が生じるのを避けるために、nの上限は2に限定される。
【0028】
前記一般式(I)で表わされる構造を有する化合物、および前記一般式(II)で表わされる構造を有する化合物は、オルト−ブロモフェノール誘導体とベンゾフェノン骨格とを反応させることにより得られる化合物であり、ブチルリチウムなど強塩基などを用いて反応させることができる。
【0029】
オルト−ブロモフェノール誘導体は置換基を含んでもよく、この置換基が、上記一般式(I)におけるR1,R2、および上記一般式(II)におけるR3を決定することになる。したがって、所望される効果に応じて、出発物質としてのオルト−ブロモフェノール誘導体を適宜選択さればよい。
【0030】
特に、電子供与性の置換基をR1,R2、およびR3として導入することによって、レジストとして用いる際に感度を高めることが期待できる。電子供与性の置換基としては、例えばアルコシキ基、アミノ基、ヒドロキシ基、および芳香族基等が挙げられる。
【0031】
上記一般式(I)においてnの値は、例えば合成の際に用いる試薬を変えることによって制御することができる。例えば、4,4’−ビスベンゾイルビフェニルを反応基質として用いることによって、n=0の化合物が得られる。nの値を大きくする手法としては、例えば、カップリング反応の際に用いるジブロモ化合物を変えるなどが挙げられる。
【0032】
なお、前記一般式(II)で表わされる化合物は、例えば、ジブロモ化合物として4,4’−ジブロモビフェニルを用い、4−ベンゾイルフェニルホウ酸とカップリング反応をさせ、反応中間体をつくることによって合成することができる。
【0033】
本発明の実施形態にかかる感光性組成物は、本発明の実施形態にかかる感光性化合物をマトリックス化合物として溶剤に溶解し、メンブレンフィルターなどで濾過することによって調製することができる。必要に応じて、2種以上のマトリックス化合物が含有されてもよい。
【0034】
溶剤としては、ケトン類、セロソルブ類、およびエステル類といった有機溶媒が挙げられる。具体的には、ケトンとしては、例えばシクロヘキサノン、アセトン、エチルメチルケトン、およびメチルイソブチルケトンなどが挙げられる。セロソルブル類としては、例えばメチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、およびブチルセロソルブアセテートなどが挙げられる。また、エステル類としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、γ−ブチロラクトン、および3−メトキシプロピオン酸メチルなどが挙げられる。上述したような溶剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
感光性組成物の種類によっては、溶解性を向上させるためにジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、アニソール、モノクロロベンゼン、あるいはオルトジクロロベンゼンなどを、溶剤の一部として用いることもできる。さらには、低毒性溶媒として乳酸エチルなどの乳酸エステル、プロピレングリコールモノエチルアセテートなどを用いてもよい。
【0036】
基本的には、前記一般式(I)で表わされる化合物および前記一般式(II)で表わされる化合物の少なくとも一方と溶剤とによって、本発明の実施形態にかかる感光性組成物が調製される。
【0037】
本発明の実施形態にかかる感光性組成物には、光酸発生剤がさらに配合されてもよい。この場合には、ネガ型の化学増幅型レジストとなる。光酸発生剤とは、紫外線または電離放射線の作用により酸を発生する化合物である。光酸発生剤としては、スルホニル、ヨードニウム、およびその他のオニウム塩化合物やスルホニルエステルが好ましく用いられる。光酸発生剤の好ましい具体例としては、下記のものを挙げることができる。
【化8】

【0038】
【化9】

【0039】
【化10】

【0040】
【化11】

【0041】
【化12】

【0042】
【化13】

【0043】
【化14】

【0044】
【化15】

【0045】
【化16】

【0046】
ここで、R10、R11およびR12は、同一でも異なっていてもよく、置換または非置換のアルキル基、および置換または非置換のアリール基から選択される。
【化17】

【0047】
ここでZは、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリール基、およびハロゲン原子から選択される置換基であり、X+−は任意のカチオン基である。nは、そのカチオン基の全体電荷が+1になるような1〜3の整数である。
【化18】

【0048】
光酸発生剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。光酸発生剤の含有量は、一般には、感光性組成物に含まれる固形成分の全重量の0.1重量%の量で含有されていれば、その効果が得られる。固形成分とは、感光性組成物から有機溶媒成分を除いた組成物をさす。光酸発生剤の含有量が少なすぎる場合には、十分な感度を得ることが困難となる。特に電離放射線による照射では、紫外線に比べて、多くの光酸発生剤を要する。
【0049】
一方、光酸発生剤が多すぎる場合には、例えばArFエキシマー光などによる露光の場合、光酸発生剤そのものの光吸収により露光波長における感光性組成物の光透過性が損なわれることがある。こうした不都合を避けるために、光酸発生剤の含有量は最大でも10.0重量%にとどめることが望まれる。
【0050】
本発明の実施形態にかかる感光性組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、化学増幅型レジストの欠点である環境中の塩基性化合物の影響を低減させるために、微量の塩基性化合物を添加してもよい。
【0051】
塩基性化合物としては、例えば、ピリジン誘導体、アニリン誘導体、アミン化合物、およびインデン誘導体などが挙げられる。ピリジン誘導体としては、例えばt−ブチルピリジン、ベンジルピリジン、および各種のピリジニウム塩などが挙げられ、アニリン誘導体としては、例えばN−メチルアニリン、N−エチルアニリン、およびN、N’−ジメチルアニリンなどが挙げられる。また、アミン化合物としては、例えばジフェニルアミンおよびN−メチルジフェニルアミンなどが挙げられる。
【0052】
塩基性化合物は、光酸発生剤のモル数の10%以上の量で配合されていれば、その効果を得ることができる。塩基性化合物が多すぎる場合には、感光性組成物の感度が低下することがあるので、その添加量は最大でも光酸発生剤のモル数の70%にとどめることが望まれる。塩基性化合物の添加量は、用いるパターニング装置等に応じて適宜調整すればよい。
【0053】
本発明の実施形態にかかる感光性組成物を用いてパターンを形成するにあたっては、まず、感光性組成物を基板上に塗布して感光性層を形成する。基板としては、任意のものを用いることができる。基板としては具体的には、シリコンウェハー、ドーピングされたシリコンウェハー、表面に各種の絶縁膜、電極、または配線が形成されたシリコンウェハー、マスクブランクス、GaAsまたはAlGaAsなどのIII−V族化合物半導体ウェハーなどを挙げることができる。さらに、クロムまたは酸化クロム蒸着基板、アルミニウム蒸着基板、IBSPGコート基板、SOGコート基板、またはSiNコート基板を用いることもできる。
【0054】
こうした基板上に感光性組成物を塗布するには任意の方法を採用することができ、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード法、およびカーテンコーティングなどが挙げられる。
【0055】
塗布された感光性組成物を加熱乾燥して、感光性層が形成される。マトリックス化合物の置換基や、光酸発生剤は未露光のときであっても、高温加熱で分解反応を起こし、反応してしまうことから、加熱乾燥の温度は170℃以下が好ましく、60〜120℃が好ましい。
【0056】
次に、感光性層の所定の領域に紫外線または電離放射線を照射してパターン露光を行なう。露光は、所定のマスクパターンを介して、感光性層に紫外線または電離放射線を照射することにより行なうことができる。あるいは、マスクパターンを用いずに、感光性層に電離放射線を直接走査させて露光を行なってもよい。
【0057】
露光に用いる電離放射線は、本発明の実施形態にかかる感光性組成物が感度を有する波長を持つものであれば任意のものとすることができる。
【0058】
具体的には、紫外線、水銀ランプのi線、h線、またはg線、キセノンランプ光、深紫外UV光(たとえばKrFまたはArFなどのエキシマーレーザー光)、X線、シンクロトロンオービタルラジエーション(SR)、電子線、γ線、およびイオンビームなどを用いることができる。
【0059】
露光後の感光性層は、アルカリ現像液により現像処理を施す。ただし、光酸発生剤を添加して化学増幅型レジストとした場合には、酸触媒反応を促進させるために、露光後の感光性層に対して加熱処理(露光後ベーク)を行なう。露光後ベーク処理は、化学増幅型レジストに適用される任意の方法で行なうことができ、熱板上や加熱炉中での加熱、または赤外線照射などにより加熱すればよい。通常、加熱処理の温度は50℃以上であるが、酸が過剰に拡散するのを抑えるために、加熱温度の上限は150℃程度に抑えることが望まれる。
【0060】
現像処理のためのアルカリ現像液としては、有機アルカリ水溶液および無機アルカリ水溶液のいずれを用いてもよい。有機アルカリ水溶液としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、およびコリン水溶液などが挙げられ、無機アルカリ水溶液としては、例えば水酸化カリウム水溶液、および水酸化ナトリウム水溶液などが挙げられる。
【0061】
アルカリ現像液の濃度は限定されないが、感光性層の露光部と未露光部との溶解速度差を大きくして、十分な溶解コントラストを確保するために、15モル%以下の濃度であることが好ましい。この濃度は、マトリックス化合物に導入された保護基の量に応じて調整することが必要である。
【0062】
また、これらの現像液には、必要に応じて任意の添加剤を添加することもできる。例えば、界面活性剤を添加して現像液の表面張力を下げたり、中性塩を加えて現像を活性にすることもできる。界面活性剤としては、例えば、次のものを用いることができる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸モノエステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレンアセチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアセチレングリコール、アルキルリン酸エステル塩等のノニオン性界面活性剤、モノアルキルアミンおよびその塩、アルキルトリメチルアミンおよびその塩、ジアルキルジメチルアミンおよびその塩、イミダゾリニウムおよびその塩、アルキルベンジルジメチル四級アンモニウムおよびその塩、ベンジルピリジニウムおよびその塩、アルキルピリジニウムおよびその塩、ポリオキシエチレンアルキルベンジルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤等である。
【0063】
中性塩としては、例えばテトラメチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、メチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、ジメチルジヒドロキシエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムや、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン等のアルキルアミンや、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等の炭酸塩や炭酸水素塩等が挙げられる。現像液の温度も任意であり、0〜100℃の範囲内で適宜決定すればよい。
【0064】
本発明のパターン形成方法においては、必要に応じて、さらに工程を加えることもできる。例えば、基板上に感光性層を塗設する前に平坦化層形成させる工程、露光光の反射を低減させるための反射防止層を形成させる工程、現像処理後の基板を水などで洗浄して、現像液などを除去するリンス工程などを、前述の工程に組み合わせることができる。
【0065】
すでに説明したように、本発明の実施形態にかかる感光性組成物を含有する感光性層を形成し、パターン露光、および現像処理を施すことによって、感光性層の未露光部が選択的に溶解除去される。その結果、レジストパターンが形成される。本発明の実施形態にかかる感光性組成物が用いられるので、本発明の実施形態にかかる方法によって、非化学増幅型のレジストとしてアルカリ現像液でパターンを解像でき、高い感度で形成することが可能である。
【0066】
以下、本発明の具体例を示す。
【0067】
(合成例1)
系内を窒素置換したガラス容器に、ノルマル−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、8.2ml)を収容して、氷浴で0℃まで冷却した。そこへ、オルト−ブロモフェノール(0.76ml)を滴下し、氷浴を外して室温で2時間反応させた。次いで、反応容器をドライアイス−メタノールバスで冷却し、脱水エーテル−トルエン混合溶媒(エーテル:トルエン=4:3、50ml)に溶解させた4,4’−ビスベンゾイルビフェニル(1.00g)を10分かけて滴下した。
【0068】
その後、0℃の氷浴で3時間反応させ、飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下した。エーテルを加え分液ロートに移し、有機層を純水で数回洗浄した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過を行なって硫酸ナトリウムを除去した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、ヘキサン中で再沈を行なうことにより白色固体を得た。得られた固体を吸引ろ過し、真空乾燥させて純粋な生成物が得られた。
【0069】
H−NMR測定のスペクトルは、次のとおりである。
【0070】
1H−NMR(δ,270MHz,chloroform−d):3.70(s,2H),6.49(d,2H),6.73−6.96(m,6H),7.10−7.58(m,14H),7.84(s,2H)
生成物は、下記化学式で表わされる4−(4'''−{2−[ヒドロキシ−(2−ヒドロキシフェニル)−フェニル−メチル]}[1,1’;4’,1”]ビフェニル)−(2−ヒドロキシフェニル)−フェニル−メタノール(以下HDM−1と称する))と同定された。
【化19】

【0071】
(合成例2)
4,4’−ジブロモビフェニル(1.56g)、4−ベンゾイルフェニルホウ酸(3.39g)、および炭酸カリウム(2.07g)を反応容器に収容し、系内を窒素置換した。次いで、テトラヒドロフラン(50ml)、およびテトラキス(トリフエニルホスフィン)パラジウム(0.1g)を加えて、溶解するまで撹拌した。
【0072】
8時間還流させた後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。得られた白色固体にトルエンを加え、100℃に加熱して冷めないうちにろ過を行なった。その後、母液の溶媒を除去し、冷トルエンで洗浄した。ろ液を冷却し、再結晶させ白色固体の(4'''−ベンゾイル−[1、1’;4’、1”;4”、1''']クウォーターフェニル−4−イル)−フェニルメタノンを得た。1H−NMR(δ,270MHz,chloroform−d):7.50−7.95(m,26H)。
【0073】
系内を窒素置換したガラス容器にノルマル−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、8.2ml)を収容して、氷浴で0℃まで冷却した。そこへオルト−ブロモフェノール(0.76ml)を滴下し、氷浴を外して室温で2時間反応させた。次いで、反応容器をドライアイス−メタノールバスで冷却し、脱水エーテル−トルエン混合溶媒(エーテル:トルエン=3:10、26ml)に溶解させておいた(4'''−ベンゾイル−[1,1’;4’,1”;4”,1''']クウォーターフェニル−4−イル)−フェニルメタノン(1.43g)を10分かけて滴下した。
【0074】
その後、0℃の氷浴で1時間反応させ、飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下した。エーテルを加え分液ロートに移し、有機層を純水で数回洗浄した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過を行なって硫酸ナトリウムを除去した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、ヘキサン中で再沈を行なうことにより白色固体を得た。得られた固体を吸引ろ過し、真空乾燥させて純粋な生成物が生じた。
【0075】
H−NMR測定の結果は、次のとおりである。
【0076】
1H−NMR(δ,270MHz,chloroform−d):3.64(s,2H),6.47(d,2H),6.56(t,2H),6.82(d,2H),7.02−7.53(m,26H),8.03(s,2H)。
【0077】
生成物は、下記化学式で表わされる(4−(4'''−{2−[ヒドロキシ−(2−ヒドロキシフェニル)−フェニル−メタノール]}[1,1’;4’,1”;4”,1''']クウォーターフェニル)−(2−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタノール(以下HDM−2と称する))と同定された。
【化20】

【0078】
(合成例3)
系内を窒素置換したガラス容器にノルマル−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、8.2ml)を収容し、氷浴で0℃まで冷却した。そこへオルト−ブロモフェノール(0.76ml)を滴下し、氷浴を外して室温で、2時間反応させた。次いで、反応容器をドライアイス−メタノールバスで冷却し、脱水エーテル−トルエン混合溶媒(エーテル:トルエン=4:3、35ml)に溶解させておいた4−ベンゾイルビフェニル(1.68g)を10分かけて滴下した。
【0079】
その後、0℃の氷浴で1時間反応させ、飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下した。エーテルを加え分液ロートに移し、有機層を純水で数回洗浄した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過を行って硫酸ナトリウムを除去した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、ヘキサン中で再沈を行なうことにより白色固体を得た。得られた白色固体を吸引ろ過して、真空中で乾燥後、純粋な白色生成物を得た。
【0080】
H−NMR測定の結果は、次のとおりである。
【0081】
1H−NMR(δ,270MHz,chloroform−d):3.90(s,1H),6.60−7.96(m,18H),8.08(s,1H)。
【0082】
白色生成物は、下記化学式で表わされる(2−ヒドロキシ)−4−ビフェニル−ジフェニルメタノール(以下HDM−3と称する))と同定された。
【化21】

【0083】
以上のように、HDM−1、HDM−2、およびHDM−3の3種類の(2−ヒドロキシフェニル)ビフェニルメタノール誘導体を合成した。誘導体をマトリックス化合物として溶剤にそれぞれ溶解して、レジスト液1、2、および3を調製した。溶剤としては、メトキシプロピオン酸メチルを用い、マトリックス化合物の配合量は溶剤に対して6wt%で調製した。
【0084】
(実施例1〜3)
調製されたレジスト液を用いてレジスト膜を形成し、パターニングを行なった。具体的には、レジスト液をスピンコーティングによりシリコンウェハー上に塗布して、膜厚100nm程度のレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜を、60℃で90秒間ベーキングした後、紫外線ランプでパターン露光を行なった。
【0085】
露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液により現像を行なって、ネガ型のパターンを得た。得られたパターンの解像性を、現像処理の条件とともに下記表1にまとめる。
【表1】

【0086】
本発明の実施形態にかかる感光性組成物を用いて膜にしてパターン形成を行なった場合、いずれもアルカリ現像によるパターン形成が可能である。反応機構を考慮すると、軟X線(13nm)のEUV光にも感光することは容易に推測できる。したがって、本発明の実施形態にかかる感光性組成物は、将来のEUVリソグラフィーにも応用することが充分可能である。
【0087】
さらに、各レジスト液をスピンコート法により基板上に塗布して塗膜を形成し、その表面状態を光学顕微鏡により観察した。レジスト液1,2,および3を用いて得られた塗膜は全て、膜として保たれており、アモルファス性を示すことが確認された。
【0088】
比較のために、(2−ヒドロキシフェニル)ビフェニルメタノールをメトキシプロピオン酸メチルに溶解してなるレジスト液を用い、同様の手法により塗膜の形成を試みた。光学顕微鏡により表面を観察した結果、島状となっており、膜として保たれていないことが確認された。
【0089】
(実施例4)
前述のレジスト液1に光酸発生剤を添加して、レジスト液4を調製した。光酸発生剤としてはトリフェニルスルホニウムトリフレートを用い、配合量はマトリックス化合物に対して5wt%とした。光酸発生剤が配合されたので、レジスト液4は化学増幅型レジストである。
【0090】
レジスト液4をスピンコーティングによりシリコンウェハー上に塗布して、膜厚100nm程度のレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜を、60℃で90秒間ベーキングした後、KrFエキシマーレーザー光で露光し、パターンサイズハーフピッチ1μmラインアンドスペースの露光を行なった。
【0091】
その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液により現像を行ない、ネガ型のパターンを得た。現像処理の条件および感度を表2に示す。参考のために、光酸発生剤が配合されないレジスト液1についてのデータも、併せて表2に一緒に示す。
【表2】

【0092】
以上の結果から明らかなように、光酸発生剤を加えて化学増幅型レジストとすることによって感度が高められることがわかる。光酸発生剤が反応する光源を用いれば同様の効果が得られるため、光源がKrFエキシマーレーザー以外であっても感度が高くなることは、反応機構から容易に推測できる。
【0093】
化学増幅型レジストに適用される光源としては、具体的に紫外線、水銀ランプのi線、h線、またはg線、キセノンランプ光、深紫外UV光(例えばKrFまたはArFなどのエキシマーレーザー光)、X線、シンクロトロンオービタルラジエーション(SR)、電子線、γ線、およびイオンビーム、軟X線(13nm)のEUV光などが挙げられる。
【0094】
(実施例5)
レジスト液1をスピンコーティングによりシリコンウェハー上に塗布して、膜厚100nm程度のレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜を60℃で90秒間ベーキングした後、電子線描画装置(電子線の加速電圧は30keV)でパターン描画を行なった。
【0095】
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液により現像し、ネガ型のパターンを得た。得られたパターンの解像度および感度を、現像処理の条件とともに表3にまとめる。
【表3】

【0096】
上記表3に示されるように、本発明の実施形態にかかる感光性組成物は、アルカリ水溶液による現像が可能であり、しかも高い感度でパターン形成することができる。なお、カリックスアレーンやフラーレン誘導体からなるレジストを用いて、同様の条件でパターン形成を試みると、感度はそれぞれ、1mC/cm2および2mC/cm2程度であり、現像液は有機溶媒であることが知られている。
【0097】
(実施例9〜11)
レジスト液1〜3をスピンコーティングによりシリコンウェハー上にそれぞれ塗布して、膜厚100nm程度のレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜を60℃で90秒間ベーキングした後、接触角の測定を行なった。接触角の測定に当たっては、まず、シリンジを用いて水滴をレジスト膜の上に滴下した。水平面からの水滴の写真を撮影して、水滴の頂点の高さと底辺の長さにより接触角を求めた。
【0098】
その後、レジスト膜全面に紫外線ランプで露光し、同様の手法により再度接触角の測定を測定した。ここで、ランプの露光量は、288μJ/cm2とした。ホットプレートで100℃90秒間の加熱を行なった後、再び同様の方法により接触角を測定した。結果を下記表4にまとめる。感光性層表面の親水性・疎水性が可逆的に変換できることが確認できた。
【表4】

【0099】
上記表4に示されるように、本発明の実施形態にかかる感光性化合物は、光異性化反応を起こし、光を照射することによって接触角の値、つまり表面の親水性・疎水性が変化し、加熱することにより再び元に戻る。したがって、表面の親水性・疎水性が可逆的に変化するため、本発明の感光性組成物を含有する感光性層にパターン露光を行なって潜像を形成し、得られた潜像を転写してインクを用いて繰り返し画像形成することが可能である。具体的には、複写機やプリンタなどの画像形成装置の像担体部位の材料として、本発明の実施形態にかかる感光性組成物は好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表わされる構造を含み、アモルファス性を示すことを特徴とする感光性化合物。
【化1】

(上記一般式(I)中、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、および炭素数1から10の置換または非置換芳香族基から選択される。m1およびm2は1から4の整数である。nは0以上2以下の整数である。)
【請求項2】
下記一般式(II)で表わされる構造を含み、アモルファス性を示すことを特徴とする感光性化合物。
【化2】

(上記一般式(II)中、R3は、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、炭素数1から10の置換または非置換芳香族基からなる群より選択され、m3は1から4の整数である。)
【請求項3】
溶剤とマトリックス化合物とを含有し、前記マトリックス化合物は、下記一般式(I)で表わされる化合物および一般式(II)で表わされる化合物の少なくとも一方を含むことを特徴とする感光性組成物。
【化3】

(ここで、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、および炭素数1から10の置換または非置換芳香族基から選択される。m1およびm2は1から4の整数である。nは0以上2以下の整数である。R3は、水素原子、炭素数1から10の置換または非置換アルキル基、炭素数1から10の置換または非置換芳香族基からなる群より選択され、m3は1から4の整数である。)
【請求項4】
紫外線または電離放射線により酸を発生する光酸発生剤をさらに含有することを特徴とする請求項3に記載の感光性組成物。
【請求項5】
基板上に請求項3に記載の感光性組成物を含む感光性層を形成する工程と、
前記感光性層の所定の領域に紫外線または電離放射線を照射してパターン露光する工程と、
前記パターン露光後の感光性層をアルカリ水溶液で現像処理して、前記感光性層の未露光部を選択的に除去する工程と
を具備することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
前記感光性組成物は、紫外線または電離放射線により酸を発生する光酸発生剤をさらに含有し、前記パターン露光後、現像処理前の前記感光性層を熱処理する工程をさらに具備することを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。

【公開番号】特開2010−77063(P2010−77063A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246448(P2008−246448)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】