説明

成型体の成膜方法、成膜された成型体の製造方法および成膜された成型体製造用の金型

燈本体(3)およびレンズ部(4)を備えて一体に製造される燈体(9)を、ダイスライドインジェクション方式を用いて製造するにあたり、燈本体(3)の内側面に反射面(14)が形成されたものを製造する。固定金型(2)を真空蒸着装置(6,7,8)が設けられたものとし、燈本体(3)およびレンズ部(4)を成型する一次の射出工程と、燈本体(3)およびレンズ部(4)を突き合わせて一体化する二次の射出工程のあいだに、燈本体(3)の内側面に反射面(14)を真空蒸着する反射面形成工程を設け、反射面のある燈体(9)にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、車両等に搭載されるフロントランプ、ウインカー(サイドウインカーを含む)、テールランプ等を含んだ各種の成型体の成膜方法、成膜された成型体の製造方法および成膜された成型体製造用の金型の技術分野に属するものである。
【背景技術】
一般に、この種成型体のなかには、車両用のフロントランプ等の燈体のように、射出整形された成型体の一つに反射面となる鏡状面を成膜して光量を増加したり広い照射範囲を確保するようにしたものがある。ところで従来、燈体の製造方法としては、電球(バルブ)が組込まれる燈本体と透光性樹脂材で形成されるレンズ部とを突き合わせ(型合わせ)し、該突き合わせ面を接着するようにして製造されるものがあり、このようなものの製造方法として、ダイスライドインジェクション方式が知られている(例えば特公平2−38377号公報参照。)。このものは、可動型と固定型とを対向配設した状態で一次製品である燈本体とレンズ部とをそれぞれ射出成形した後、可動型をスライド移動して各一次製品同志を突き合わせるべく型合わせをし、一次製品同志の突合せ部に樹脂材を二次射出して燈体を一体成形するようにしている。
ところがこのようなものにおいて、前述したように燈本体に反射面を成膜する場合の対応ができず、そのため反射面を成膜する場合、一次射出された燈本体を一旦金型から取り出し、燈本体の内面を真空蒸着やスパッタリング等の成膜手段を用いて反射面を成膜した後、再度金型にセットして一次製品同志の突き合わせ部を二次射出して燈本体とレンズ部とを一体化することが試みられる。
ところが、成型された燈本体を取り出して成膜用の容器にセットし、真空蒸着等の成膜作業を行った後、再び金型にセットしようとする工程で、成膜された反射面部に手が触れたりして油が付着すると、該油付着部の良好な反射面形成が損なわれてしまうため不良品となり、このため燈本体の取り扱いには慎重を期す必要があるだけでなく、再セット時には燈本体は冷却によりすでに収縮していることもあって金型への迅速かつ正確なセットが難しいこともあって作業性が悪く、歩留まりも低いという問題があり、ここに本発明が解決せんとする課題がある。
【発明の開示】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものである。
請求項1の発明は、複数の金型で成型された成型体にマスキングのある成膜をするにあたり、マスキング手段は前記複数の金型のうちの少なくとも一つの金型であることを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項2の発明は、請求項1において、前記マスキングする金型は、成型体を成型するために設けられる複数の金型のうちの少なくとも一つであり、成型体は、成膜工程ではマスキングするための金型から脱型されていないことを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、成型体を成型するための金型は互いに型合わせされるように構成した少なくとも二つの金型であり、成型体への成膜は、これら金型の型合わせ状態で成型された成型体を、少なくとも一つの金型からは脱型されない状態で脱型する脱型行程と、前記脱型されない金型に成膜手段を型合わせする型合わせ工程と、金型から脱型されない部分が少なくともマスキングされるようにして前記成膜手段にて成膜される成膜工程とを備えたことを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項4の発明は、請求項3において、成膜手段は脱型される金型に設けられていることを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項5の発明は、請求項3または4において、成型体は、脱型により露出した面の一部をさらにマスキング部材でマスキングされることを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項6の発明は、請求項5において、マスキング部材は、脱型工程と型合わせ工程とのあいだの工程で組み込まれることを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項7の発明は、請求項5または6において、マスキング部材は成膜手段に設けられ、該成膜手段の型合わせ工程でマスキングされることを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項8の発明は、請求項7において、マスキング部材は、成膜手段の本体を収容するため凹状に設けられた収容部の開口側周縁部であることを特徴とする成型体の成膜方法である。
請求項9の発明は、成型体を成型するため設けられる少なくとも第一と第二の金型を型合わせする第一の型合わせ工程と、成型体を成型する成型工程と、該成型された成型体から、第一金型からは脱型されない状態で第二金型を脱型する脱型行程と、前記第一金型に支持される成型体に成膜手段を型合わせする第二の型合わせ工程と、前記成膜手段により第一金型から脱型されない部分が少なくともマスキングされるようにして成型体に成膜する成膜工程とを備えたことを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項10の発明は、請求項9において、第一の型合わせ工程と第二の型合わせ工程とが同時的に行われ、成型工程と成膜工程とが同時的に行われることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項11の発明は、請求項9または10において、成膜手段は第二金型に設けられていることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項12の発明は、請求項9、10または11において、第一金型は可動金型、第二金型は固定金型であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項13の発明は、請求項9乃至12の何れかにおいて、成膜は反射面であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項14の発明は、請求項9乃至13の何れかにおいて、成膜工程の前に第二金型の脱型により露出した面の一部をマスキング部材でマスキングする工程があることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項15の発明は、請求項14において、マスキング部材は、脱型工程と第二の型合わせ工程とのあいだの工程で組み込まれることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項16の発明は、請求項13乃至15の何れかにおいて、マスキング部材は、成膜手段本体を第二金型に収容すべく設けた凹部の開口側周縁部であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項17の発明は、請求項14乃至16の何れかにおいて、マスキング部材は、第二金型に移動自在に形成されたマスキング用型面であり、該マスキング用型面が二次の型合わせ工程と同時または前後に移動することで成型体のマスキング部分を覆うものであることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項18の発明は、請求項13乃至17の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、電気的な絶縁をする部位であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法である。
請求項19の発明は、請求項13乃至18の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、成型体に第三の成型体を接着する接着面部であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法である。
請求項20の発明は、第一と第二の成型体を成型するため設けられる少なくとも第一と第二の金型を型合わせする第一の型合わせ工程と、第一と第二の成型体を同時的に成型する成型工程と、成型された第一成型体は、第一金型からは脱型されない状態で第二金型から脱型し、第二成型体は、第二金型からは脱型されない状態で第一金型から脱型する脱型行程と、前記第一成型体に成膜手段を型合わせする第二の突き合わせ工程と、前記成膜手段により第一金型から脱型されない部分がマスキングされるようにして第一成型体に成膜する成膜工程と、第一成型体から成膜手段を離間させる離間工程と、第一、第二の成型体を突き合わせするべく第一、第二金型を型合わせする第三の型合わせ工程と、第一、第二の成型体を接着すべく成型する接着工程とを備えていることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項21の発明は、請求項20において、成膜手段は第二金型に設けられていることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項22の発明は、請求項21において、第一金型は可動金型、第二金型は固定金型であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項23の発明は、請求項19乃至22の何れかにおいて、成膜は反射面であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項24の発明は、請求項19乃至23の何れかにおいて、成膜工程の前に第二金型の脱型により露出した面の一部をマスキング部材でマスキングする工程があることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項25の発明は、請求項24において、マスキング部材は、脱型工程と第二の型合わせ工程とのあいだの工程で組み込まれることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項26の発明は、請求項24または25の何れかにおいて、マスキング部材は、成膜手段本体を第二金型に収容すべく設けた凹部の開口側周縁部であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項27の発明は、請求項24乃至26の何れかにおいて、マスキング部材は、第二金型に移動自在に形成されたマスキング用型面であり、該マスキング用型面が第二の型合わせ工程と同時または前後に移動することで成型体のマスキング部分を覆うものであることを特徴とする成膜された成型体の製造方法である。
請求項28の発明は、請求項24乃至27の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、電気的な絶縁をする部位であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法である。
請求項29の発明は、請求項24乃至28の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、第一成型体と第二成型体との接着面部であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法である。
請求項30の発明は、成膜された成型体を製造するための金型であって、該金型は、成型体の一面部を形成するための型面が形成される第一金型と、成型体の他面部を形成するための型面が形成される第二金型との金型を少なくとも備えて構成され、前記第二金型には、第一金型に支持される成型体を成膜するための成膜手段が設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項31の発明は、請求項30において、第一金型は可動金型、第二金型は固定金型であることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項32の発明は、請求項30または31において、成膜手段は第二金型に設けた収容部に収容して設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項33の発明は、請求項30乃至32の何れかにおいて、成膜手段は、第一金型に支持されて隠れる部分をマスキングするようにして成膜するものであることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項34の発明は、請求項30乃至33の何れかにおいて、第二金型には、成型体の第一金型からの脱型で露出する面のうち成膜しない部分をマスキングするマスキング部が形成されていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項35の発明は、請求項34において、マスキング部は、成膜手段本体を収容すべく第二金型に形成した凹部の開口側周縁部であることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項36の発明は、請求項34において、マスキング部は、第二金型に移動自在に設けられたマスキング用型面であることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項37の発明は、請求項30において、第二金型には、第一金型に支持される成型体に突き合わされて成型体の成膜しない部分に成型体とは離脱可能な素材を射出するための覆い部形成用の型面が形成されていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項38の発明は、請求項30乃至37の何れかにおいて、第一金型には、所定の間隔を存して成型体製造用の金型面の一対が設けられ、第二金型には、成膜手段と、前記所定の間隔を存して前記成膜手段があいだに挟まれるようにして配される一対の成型体製造用の金型面とが設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項39の発明は、請求項30乃至37の何れかにおいて、第一金型には、所定の間隔を存して成型体製造用の金型面の一対が設けられ、第二金型には、成型体製造用の金型面と、前記所定の間隔を存して前記成型体製造用金型面があいだに挟まれるようにして配される一対の成膜手段とが設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型である。
請求項40の発明は、請求項38または39において、金型に形成される一対の型面は、同一の成型体が型形成されるようになっていることを特徴とする成膜された成型体製造用の型面である。
請求項41の発明は、請求項38または39において、金型に形成される一対の型面は、同一の成型体が型形成されるようになっていることを特徴とする成膜された成型体製造用の型面である。
請求項1の発明にすることで、成型体に成膜するにあたり、該成型体を成型するための少なくとも一つの金型を有効に利用してマスキングすることができる。
請求項2の発明とすることで、少なくとも一つの金型からは脱型されない成型直後の成型体への成膜がマスキングをする状態でできることになる。
請求項3の発明とすることで、成型体の成型、成膜が一連の型成型の工程でできることになって作業性が向上する。
請求項4の発明とすることで、脱型される側の金型に成膜手段が設けられることになって一連の型成型によって成型、成膜を実行することができる。
請求項5の発明とすることで、脱型により露出した部位のマスキングも合わせてできることになる。
請求項6の発明とすることで、マスキング部材を用いてマスキングする場合のマスキング部材組み込みが一連の流れの中でできることになる。
請求項7の発明とすることで、成膜手段を有効に利用してマスキングができることになる。
請求項8の発明とすることで、成膜手段を収容するための収容部周縁がマスキング部材として利用できることになる。
請求項9の発明とすることで、成膜された成型体を一連の型成型で製造できることになる。
請求項10の発明とすることで、成膜された成型体の製造が、同時的な型合わせ、そして成型、成膜とができることになって作業性が向上する。
請求項11の発明とすることで、成型体から脱型される第二金型に設けられることになって、金型構造が複雑になることがない。
請求項12の発明とすることで、固定金型である第二金型に成膜手段が設けられることになって、移動のための配慮が不要となり、構造の簡略化が図れる。
請求項13の発明とすることにより、反射面の成膜が簡単にできる。
請求項14の発明とすることにより、露出した部分の一部をマスキングできることになる。
請求項15の発明とすることで、マスキング部材の組み込みが一連の工程でできることになる。
請求項16の発明とすることで、マスキング部材が、成膜手段を収容する凹部周縁を有効に利用してできることになる。
請求項17の発明とすることで、型合わせを利用してマスキングができることになる。
請求項18の発明とすることで、金属の成膜をしたときに絶縁が保たれることになる。
請求項19の発明とすることで、成型体同士を第三の成型体で接着する部位をマスキングにより保護できて接着不良が生じることを回避できる。
請求項20の発明とすることで、燈体のように内部に反射面等の成膜を施した製品を一連の作業工程で容易に製造できることになる。
請求項21の発明とすることで、脱型される第二金型に成膜手段が設けられていて、効率のよい成膜ができる。
請求項22の発明とすることで、成膜手段が固定されるため、移動のための配慮が不要となる。
請求項23の発明とすることで、反射面の成膜が簡単にできる。
請求項24の発明とすることで、脱型により露出した部分の一部マスキングが容易にできる。
請求項25の発明とすることで、マスキング部材の組み込みが一連の作業工程の中で簡単にできる。
請求項26の発明とすることで、成膜手段を収容する収容部周縁を有効に利用してマスキングできる。
請求項27の発明とすることで、第二金型に設けたマスキング専用の型面でのマスキングができることになる。
請求項28の発明とすることで、成膜を、絶縁性が損なわれることのないものにできる。
請求項29の発明とすることで、成型品同士を接着する面部を成膜から保護できることになる。
請求項30の発明とすることで、成型と成膜とができる金型を提供できる。
請求項31の発明とすることで、成膜手段を、移動について配慮しないものとすることができる。
請求項32の発明とすることで、成膜手段を設けることが金型を利用してできることになる。
請求項33の発明とすることで、脱型により露出した部分の成膜を、マスキングする状態でできることになる。
請求項34の発明とすることで、第二金型を有効に利用してマスキングができることになる。
請求項35の発明とすることで、脱型により露出する部分の成膜が、成膜手段を収容する凹部周縁部によってできることになる。
請求項36の発明とすることで、露出部位のマスキングを第二金型に設けた専用型面で行うことができる。
請求項37の発明とすることで、マスキングの多様性を確保することができる。
請求項38の発明とすることで、成膜された成型体の製造を効率よく、しかも型締め力の調整が不要なものでできることになる。
請求項39の発明とすることで、成膜された成型体の製造を効率よく、しかも型締め力の調整が不要なものでできることになる。
請求項40または41の発明とすることで、成膜された同一製品、異形製品の製造が一つの金型を利用して同時的にできることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、サイドウインカーの縦断面図である。
第2図(A)〜(C)は、一次射出するまでの工程概略図である。
第3図(A)〜(C)は、二次の突合せまでの工程概略図、(D)は型の要部拡大図である。
第4図(A)〜(C)は、燈本体とレンズ部とが対向するまでの工程概略図である。
第5図(A)〜(C)は、燈体取出しまでの工程概略図である。
第6図(A)〜(C)は、第二の実施の形態の工程概略図の一部である。
第7図(A)〜(C)は、第二の実施の形態の工程概略図の一部である。
第8図(A)〜(C)は、第二の実施の形態の工程概略図の一部である。
第9図(A)〜(C)は、第二の実施の形態の工程概略図の一部である。
第10図は、第三の実施の形態の金型の概略図である。
第11図(A)は第四の実施の形態、(B)は第五の実施の形態のそれぞれの金型の概略図である。
第12図は、第六の実施の形態の金型の概略図である。
第13図(A)〜(C)は、第七の実施の形態の要部工程概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次ぎに、第1図〜第5図の図面の記載に基づいて本発明の第一の実施の形態について説明する。図面において、1は可動金型(第一金型)、2は固定金型(第二金型)であって、可動金型1は、固定金型2に対して対向方向に離接移動できると共に、固定金型2から離間した状態で固定金型2に対して面に沿う方向の移動(平行移動)ができるように構成されているが、移動機構の詳細については従来のダイスライドインジェクションに用いた技術をそのまま採用できるのでその詳細は省略する。尚、金型の移動は相対的なものでよいから、第一金型を固定、第二金型を移動させるように構成してもよく、また両者を相対移動するように構成しても勿論良い。また移動は、面に沿う方向の移動であれば、直線方向の平行移動に限らず、軸を中心とする回転移動であっても良いものである。
前記可動金型1には、燈本体3の外側面を形成するための凹型面1aとレンズ部4の内側面を形成するための凸型面1bとがそれぞれ形成される一方、固定金型2には、前記燈本体3の内側面を形成するための凸型面2aとレンズ部4の外側面を形成するための凹型面2bとがそれぞれ形成されると共に、さらに成膜手段(装置)として本実施の形態で採用の真空蒸着装置5を収容(内装)するための凹型面2cが形成されているが、該凹型面2cは、燈本体3の内側面形成用の凸型面2aとレンズ部4の外側面形成用の凹型面2とのあいだに形成されている。前記真空蒸着装置5は公知のものが設けられるが、その概略として、真空ポンプPに接続される吸気路6、蒸着する金属(例えばアルミニウムやクロム)を入れるボート(ターゲット)7、該ボート7を加熱するためのヒータ8とを備えて構成されている。
燈体9は、本実施の形態ではサイドウインカーであって、端子10、バルブ(電球)11が必要部品として組込まれ、不透光樹脂材で成形される燈本体3と、透光性(透明)樹脂材から成形されるレンズ部4とからなり、後述するように、一次射出の工程でこれら燈本体3、レンズ部4とを成型した後、可動型1を移動させ(ダイスライド)て燈本体3、レンズ部4とを突き合わせ、その突き合わせ面部に樹脂材12を二次射出することによって一体化して燈体9を成形するようになっている。
次に、燈体9の製造方法について、図面を用いて説明する。第2図(A)は、両金型1、2について、燈本体3を形成する型面1a、2a同志、レンズ部4を形成する型面1b、2b同志がそれぞれ互いに離間する状態で対向しており、この離間状態から可動金型1を固定金型2側に移動して前記対向する型面同志が型合わせされる(一次の突き合わせ工程:第2図(B)参照)。この型合わせ状態で、一次の射出が行われて燈本体3とレンズ部4とがそれぞれ射出成形される(一次の射出工程:第2図(C)参照)。
しかる後、第3図(A)に示すように、可動金型1が固定金型2から離間する方向に移動する脱型工程が実行されるが、このとき、可動金型1側に燈本体3が脱型されずに支持され(残り)、固定金型2側にレンズ部4が脱型されずに支持される(残る)ように型設計されている。次いで可動型1は、燈本体3が真空蒸着装置5と対向するよう平行移動(第3図(B)参照)した後、固定金型2側に移動して型合わせ状態となる(二次の突き合わせ工程:第3図(C)参照)。この平行移動をする前、あるいは後の両金型1、2が離間している状態において、真空蒸着をしたくない部所、ここでは燈本体3の端子10やバルブ11の挿入部3aをマスキングする(覆う)ためのマスキング部材(覆い部材)13が燈本体3に組み込まれる(差し込まれる)(マスキング部材組込み工程)が、本実施の形態では、平行移動する前の段階でマスキング部材13を組込むようになっている。また、真空蒸着装置5の本体を内装する凹型面2cの開口側周縁部2dは、燈本体3のレンズ部4との突き合わせ面3bをマスキングしここが真空蒸着されないように型設計されている(図3(D)参照)。
前記燈本体3と真空蒸着装置5とが対向した型合わせ状態となると、凹型面2c内の空気が吸気路6から抜かれて内部が真空状態になると共に、加熱したヒータ8によりボート7に供給される溶融した金属が蒸気化することになって燈本体3の露出する内面が真空蒸着されて皮射面14が(成膜)される(成膜(反射面)形成工程:第4図(A)参照)。次いで可動金型1を固定金型2から離間させた(第4図(B)参照)後、可動金型1を固定金型2に対して平行移動させて燈本体3とレンズ部4とを対向させる(第4図(C)参照)。因みに、前記可動金型1を平行移動させる前後において、マスキング部材13を取り去る取り去り工程、必要部品である端子10、バルブ11を組み込む組み込み工程が実行されるが、本実施の形態では、平行移動させる前の離間移動が終わった工程で前記取り去り工程、組み込み工程が実行される。
しかる後、可動金型1を固定金型2側に移動させて燈本体3とレンズ部4とを突合せ(三次の突き合わせ工程:第5図(A)参照)、燈本体3とレンズ部4との突き合わせ面に樹脂材12を二次射出し(二次の射出工程;第5図(B)参照)、これによって燈本体3とレンズ部4とが一体化され、反射面14が形成された燈体9となる。そして可動金型1が固定金型2から離間し、あわせて前記成型された燈体9の取り出し(脱型)(第5図(C)参照)があり、しかる後、可動金型1が第2図(A)の最初の位置まで平行移動し、以降、この工程が繰り返されるようになっている。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、燈体9を製造するに際し、燈本体3、レンズ部4を形成する一次の射出成形の工程と、該燈本体3、レンズ部4とを一体化するための二次の射出工程とのあいだに、燈本体3の内面に反射面14を形成する成膜工程を設けた結果、従来のように、一旦、金型から取り出した燈本体3に反射面を成膜し、しかる後、再び金型にセットしなければならない従来の場合のように、燈本体3の取り出し、再セットの作業が不要になって一連のダイスライドの工程で燈本体3の製造と反射面の成膜とができ、作業能率が向上する。しかも燈本体3の取り出し、再セットがないため、反射面14を手でさわって指紋がついたり物が当って傷がついたりすることもなく、不良品発生を大幅に低減できることになる。
しかもこのものでは、前記成膜工程において燈本体3は表面(第一金型1に覆われている面)が第一金型1に対して脱型されることなく支持されたままの目隠し状態であるため、該燈本体3の表面(製品となった場合の表面)は第一金型1自体がマスキング部材となって機能し、燈本体3の表面が成膜されてしまうことがない。さらにこのものでは、真空蒸着装置5の本体が収容される凹型面2cが固定金型である第二金型2に形成されるため、真空蒸着装置5は固定されたものとなって、可動金型1側に設けた場合のように、真空蒸着装置5に設けられるポンプ配管や配線等について移動を考慮した構成にする必要はなく、構造の簡略化と共に耐久性の向上が図れることになる。
さらにまた、このものでは反射面を成膜したくない部位、つまり端子10とバルブ11の取付け部3aに金属膜の反射面を成膜すると、絶縁性が損なわれて回路が短絡してしまうことになり、そこでこの部分をマスキング部材13で塞いでから反射面14を形成するようにしたため、前記短絡という問題のない燈体9となる。しかもこのものでは、反射面14を形成後、塞ぎ部材13を取り除いてから端子10、バルブ11を組込むことになるので、一連のダイスライドの工程で全ての製造作業が円滑に実行され、効率の良い燈体9の製造ができる。
さらにまた、燈体9は、燈本体3とレンズ部4との突き合わせ部を二次の射出工程で接合(接着)することになるが、燈本体3の成膜時においてこの接合部位は蒸着装置5本体を収容する凹型面2cの開口側周縁部によってマスキングされていて反射面が成膜されることがない。この結果、第一金型1の脱型で露出する部分のマスキングを、前記専用のマスキング部材13を用いる必要がなく、第二金型2を用いてマスキングすることができ、二次の射出工程で射出される部位が成膜されてしまうことがなく、燈本体3とレンズ部4との接着が確実となって作業の効率化が図れることになる。
また、固定金型2に形成される蒸着装置5の本体を収容する凹型面2cは、燈本体3とレンズ部4とを形成するための型面2a、2bのあいだにあるため、一次の射出工程から反射面形成工程への可動金型1の移動方向と、反射面形成工程から二次の射出工程への可動金型1の移動方向とが同じ方向となる結果、ダイスライド機構の構成を簡略化できるという利点がある。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないものであって、成膜は、鏡状面等の反射面に限定されないものであって塗装等の成膜であっても良く、さらに成膜手段としては、真空蒸着装置に限定されず、例えばスパッタリング蒸着等の物理蒸着法(PVD)、熱蒸着やプラズマ蒸着等の化学蒸着法(CVD)等、通常知られた各種の成膜装置を採用することができる。また、燈体等の成型体である場合、端子やバルブ等の付属品は成型後に後付けするタイプのものとすることもできる。
また本発明は、成型工程としては射出成型により実施するようにしたが、これに限定されず、型成型するものとして例えばプレス成型、ブロー成型等の通常知られた型成型に実施することができる。さらにまた、完成品が燈体である場合を例として説明すると、該燈体を最後まで連続成形するのではなく、燈本体3に鏡状面14を成膜した半製品までの成型とし、該成型されたものを脱型して部品として用いるようにすることもできる。さらにまた、成膜装置としては、鏡状面となる面を形成する金型と同じ金型に設けたものではなく、別の金型に設けたものとしても実施することができる。
また、金型としては、前記実施の形態では第一、第二の二つの金型を用いたものとして説明したが、形状が複雑な成型体で、二つの金型では成型できないような成型体を型成型するものであるような場合、第三、第四の金型等、必要において金型の数を増やすことができ、この場合において、少なくとも一つの金型でマスキングするように構成することで本発明を実施できることは言うまでもない。
さらに本発明の第二の実施の形態について第6図〜第9図を用いて説明する。このものは、成型品である燈本体3について成膜するまでを一連の工程で行うものであって、可動型である第一金型15と固定型である第二金型16を備えているが、第一金型15には、燈本体3の表面形成用の第一、第二の型面15a、15bが所定間隔を存して一対形成されている。一方、第二金型16には、真空蒸着装置17を収容する型面部16cを中央に挟んだ状態で、燈本体3の内面形成用の第一、第二の金面16a、16bが前記所定間隔を存して両側に設けられている。そしてこのものは、第6図(A)に示すように第一型面15a、16a同士が対向する(このとき、第一金型15の第二型面15bと第二金型の型面部16cとが対向している)状態から第一金型15が型合せ方向に移動して第一の型合せ工程が行われた後、樹脂材が射出して成膜面のない燈本体3が成型される(第6図(B)、(C)参照)。しかる後、第一金型15が離間する脱型工程となった(第7図(A)参照)後、第一金型15が図面において前記所定間隔だけ右側に平行移動し、これによって第二型面15b、16b同士が対向すると共に、第一型面15aと型面部16cとが対向する(第7図(B)参照)。尚、このものでは必要である場合にマスキング部材13の取付け工程がこの工程に関係して実施されている。ついで第一金型15が第二金型16に突合せ方向に移動する第二の型合せ工程が行われた(第7図(C)参照)後、真空蒸着装置17による成膜工程と第二型面15b、16bでの射出成型の工程とが同時的に実行されて成膜面18のある燈本体3と成膜面のない燈本体3とが同時に形成される(第8図(A)参照)。
次に第一金型15が第二金型16から離間する脱型工程の後、成膜された燈本体3が第一型面15aから取り出される一方、第一金型15が図面において前記所定間隔だけ左側に平行移動する(第8図(B)(C)参照)と、第二型面15aが型面部16cに対向するとともに、第一型面15a、16a同士が対向し、この状態で型合せがなされると、第一型面15a、16a同士と、第二型面15bと型面部16c同士とが互いに型合わせされ、成膜面18のない燈本体3の射出成型と成膜面18のある燈本体3の形成が同時的になされる(第9図(A)参照)。次いで第一金型15の脱型移動の後、成膜された燈本体3の取り出しがなされる(第9図(B)参照)と、第一、第二金型15、16は最初の脱型がなされた状態(第7図(A)の状態)となり、以降、これを繰り返すことにより、効率のよい成膜された燈本体3の製造が連続してできることになり、このようにして実施することもでき、この場合には型合わせしたときの型合わせ面の面積を同じにできる(第一金型15が第二金型16からはみ出ない)ので、型締め力の設定が調整しやすくなるという利点もある。
そして前記第二の実施の形態において、脱型後において成膜された燈本体3の取り出しを行う場合、該燈体3の取り出しは一定位置でよい(第8図(B)、第9図(B)の実線の取り出し矢印参照)ため取り出し用の装置(マニュピレータ等のロボット類を採用できる)は一つでよいが、取り出し行程が長く、これに対応したものを採用することになる。これに対し、脱型後、左右に平行移動した時点で成膜された燈本体3を取り出すようにした場合(第8図(C)、第9図(C)の点線の取り出し矢印参照)、取り出し行程は短くなるが、左右に各取り出し用装置を配する必要がある。そして前者の場合、第一型面15a、16a同士、第二型面15b、16b同士が同じ製品を製造する型面である場合に好適である。これに対し後者のものは、異なる製品を製造する場合、該異なった製品の各別取り出しができることになって別製品同士が区別され、不用意に混じってしまうことをなくすという観点からも好ましいといえる。
つまり、本第二の実施の形態のものでは、第一、第二の金型15、16に形成される型面は、同じ部材3を型成型するものであるため、同一の型面形状となっているが、これに限定されるものではなく、第10図に示される第三の実施の形態のように、異なる部材3、3aを型成型するものである場合、異形の型面形状とすることができ、この場合には部材3、3aの表裏形状が何れも異なるものになり、このようにしても本発明を実施することができる。勿論、第二金型16に形成される型面は同一とし、第一型面15に形成される型面を異形にしてもよく、またその逆にすることもでき、このようにした場合には、型形成される部材の表裏の何れか一方が異なった形状のものになる。
なおこの場合において、マスキング部材13は、成膜した成型品3と一体で第一金型15から取り出した後、該取り出した成型体3から取り出すようにしてもよいが、成型体3の取り出し前の段階で別途取り出すようにしてもよく、またさらには、成膜した成型体3から取り出したマスキング部材13をこれから成膜しようとする成型体3に組み込むようにしてもよく、このようにすることでマスキング部材13の連続使用が可能となる(第8図(B)、第9図(B)参照)。
さらに本発明は、第11図(A)に示す第四の実施の形態のようにしても実施することができる。このものは第一金型19に、前記第二の実施の形態のように型成型用の第一、第二の型面19a、19bが形成されるが、第二金型20には、中央部に型成型用の型面20aが形成され、その両側に成膜装置21を収容する第一、第二の型面部20b、20cが形成されたものであり、このようにしても実施できることになる。
この応用例として、第11図(B)に示す第五の実施の形態とすることもできる。つまりこのものは、第一金型19に形成される型面19a、19bを異形にしたもので、このようにすることにより、成膜されない面が異形の成型体3、3aを型成型できることになる。
さらにまた、脱型により露出した部分のマスキングをする手段としては、前述したように専用のマスキング部材13を用いたり、真空蒸着装置5が設けられる第二金型2の成膜手段を収容する凹部周縁の型面を利用してマスキングするものだけでなく、第12図に示す第六の実施の形態のように、第二金型22に出没自在なマスキング用金型23を設け、成膜工程の前段階、つまり前記二次の突合せ工程と同時、またはその前後においてマスキング用金型23の型面を成型体に当接あるいは覆いかぶせるよう移動させて露出部の部分的なマスキングをするようにしても実施することができる。
さらにまた、第13図に示す第七の実施の形態のように、第二金型24に、一次の成型工程で成型された成型品25の露出面の一部に対して成型品25とは離脱しやすい素材で構成されたマスキング部26を射出するための型面24aを形成し、成型品3を成型後、マスキング部位にマスキング部26を射出成型する射出成型工程(第13図(A)参照)を設け、その後、成膜工程によりマスキング部26の表面とともに成型品3の露出面に成膜装置29で成膜27をし(第13図(B)参照)、第一金型28から取り出した成型品26から前記マスキング部26を離脱されることで部分的なマスキングができ、このようにしても実施することができる。
【産業上の利用可能性】
本発明は、車両等に搭載されるフロントランプ、ウインカー(サイドウインカーを含む)、テールランプ等を含んだ各種の成型体の成膜方法、成膜された成型体の製造方法および成膜された成型体製造用の金型として有用であり、特にマスキングのある成膜を必要とする場合に適している。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金型で成型された成型体にマスキングのある成膜をするにあたり、マスキング手段は前記複数の金型のうちの少なくとも一つの金型であることを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項2】
請求項1において、前記マスキングする金型は、成型体を成型するために設けられる複数の金型のうちの少なくとも一つであり、成型体は、成膜工程ではマスキングするための金型から脱型されていないことを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項3】
請求項1または2において、成型体を成型するための金型は互いに型合わせするように構成した少なくとも二つの金型であり、成型体への成膜は、これら金型の型合わせ状態で成型された成型体を、少なくとも一つの金型からは脱型されない状態で脱型する脱型行程と、前記脱型されない金型に成膜手段を型合わせする型合わせ工程と、金型から脱型されない部分が少なくともマスキングされるようにして前記成膜手段にて成膜される成膜工程とを備えたことを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項4】
請求項3において、成膜手段は脱型される金型に設けられていることを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項5】
請求項3または4において、成型体は、脱型により露出した面の一部をさらにマスキング部材でマスキングされることを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項6】
請求項5において、マスキング部材は、脱型工程と型合わせ工程とのあいだの工程で組み込まれることを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項7】
請求項5または6において、マスキング部材は成膜手段に設けられ、該成膜手段の型合わせ工程でマスキングされることを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項8】
請求項7において、マスキング部材は、成膜手段の本体を収容するため凹状に設けられた収容部の開口側周縁部であることを特徴とする成型体の成膜方法。
【請求項9】
成型体を成型するため設けられる少なくとも第一と第二の金型を型合わせする第一の型合わせ工程と、成型体を成型する成型工程と、該成型された成型体から、第一金型からは脱型されない状態で第二金型を脱型する脱型行程と、前記第一金型に支持される成型体に成膜手段を型合わせする第二の型合わせ工程と、前記成膜手段により第一金型から脱型されない部分が少なくともマスキングされるようにして成型体に成膜する成膜工程とを備えたことを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項10】
請求項9において、第一の型合わせ工程と第二の型合わせ工程とが同時的に行われ、成型工程と成膜工程とが同時的に行われることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項11】
請求項9または10において、成膜手段は第二金型に設けられていることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項12】
請求項9、10または11において、第一金型は可動金型、第二金型は固定金型であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項13】
請求項9乃至12の何れかにおいて、成膜は反射面であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項14】
請求項9乃至13の何れかにおいて、成膜工程の前に第二金型の脱型により露出した面の一部をマスキング部材でマスキングする工程があることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項15】
請求項14において、マスキング部材は、脱型工程と第二の型合わせ工程とのあいだの工程で組み込まれることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項16】
請求項13乃至15の何れかにおいて、マスキング部材は、成膜手段本体を第二金型に収容すべく設けた凹部の開口側周縁部であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項17】
請求項14乃至16の何れかにおいて、マスキング部材は、第二金型に移動自在に形成されたマスキング用型面であり、該マスキング用型面が二次の型合わせ工程と同時または前後に移動することで成型体のマスキング部分を覆うものであることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項18】
請求項13乃至17の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、電気的な絶縁をする部位であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法。
【請求項19】
請求項13乃至18の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、成型体に第三の成型体を接着する接着面部であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法。
【請求項20】
第一と第二の成型体を成型するため設けられる少なくとも第一と第二の金型を型合わせする第一の型合わせ工程と、第一と第二の成型体を同時的に成型する成型工程と、成型された第一成型体は、第一金型からは脱型されない状態で第二金型から脱型し、第二成型体は、第二金型からは脱型されない状態で第一金型から脱型する脱型行程と、前記第一成型体に成膜手段を型合わせする第二の型合わせ工程と、前記成膜手段により第一金型から脱型されない部分がマスキングされるようにして第一成型体に成膜する成膜工程と、第一成型体から成膜手段を離間させる離間工程と、第一、第二の成型体を突合わせるべく第一、第二金型を型合わせする第三の型合わせ工程と、第一、第二の成型体を接着すべく成型する接着工程とを備えていることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項21】
請求項20において、成膜手段は第二金型に設けられていることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項22】
請求項21において、第一金型は可動金型、第二金型は固定金型であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項23】
請求項19乃至22の何れかにおいて、成膜は反射面であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項24】
請求項19乃至23の何れかにおいて、成膜工程の前に第二金型の脱型により露出した面の一部をマスキング部材でマスキングする工程があることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項25】
請求項24において、マスキング部材は、脱型工程と第二の型合わせ工程とのあいだの工程で組み込まれることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項26】
請求項24または25の何れかにおいて、マスキング部材は、成膜手段本体を第二金型に収容すべく設けた凹部の開口側周縁部であることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項27】
請求項24乃至26の何れかにおいて、マスキング部材は、第二金型に移動自在に形成されたマスキング用型面であり、該マスキング用型面が二次の型合わせ工程と同時または前後に移動することで成型体のマスキング部分を覆うものであることを特徴とする成膜された成型体の製造方法。
【請求項28】
請求項24乃至27の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、電気的な絶縁をする部位であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法。
【請求項29】
請求項24乃至28の何れかにおいて、マスキング部材でマスキングする部位は、第一成型体と第二成型体との接着面部であることを特徴とする成膜された成型体に製造方法。
【請求項30】
成膜された成型体を製造するための金型であって、該金型は、成型体の一面部を形成するための型面が形成される第一金型と、成型体の他面部を形成するための型面が形成される第二金型との金型を少なくとも備えて構成され、前記第二金型には、第一金型に支持される成型体を成膜するための成膜手段が設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項31】
請求項30において、第一金型は可動金型、第二金型は固定金型であることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項32】
請求項30または31において、成膜手段は第二金型に設けた収容部に収容して設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項33】
請求項30乃至32の何れかにおいて、成膜手段は、第一金型に支持されて隠れる部分をマスキングするようにして成膜するものであることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項34】
請求項30乃至33の何れかにおいて、第二金型には、成型体の第一金型からの脱型で露出する面のうち成膜しない部分をマスキングするマスキング部が形成されていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項35】
請求項34において、マスキング部は、成膜手段本体を収容すべく第二金型に形成した凹部の開口側周縁部であることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項36】
請求項34において、マスキング部は、第二金型に移動自在に設けられたマスキング用型面であることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項37】
請求項30において、第二金型には、第一金型に支持される成型体に突き合わされて成型体の成膜しない部分に成型体とは離脱可能な素材を射出するための覆い部形成用の型面が形成されていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項38】
請求項30乃至37の何れかにおいて、第一金型には、所定の間隔を存して成型体製造用の金型面の一対が設けられ、第二金型には、成膜手段と、所定の間隔を存して前記成膜手段があいだに挟まれるようにして配される一対の成型体製造用の金型面とが設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項39】
請求項30乃至37の何れかにおいて、第一金型には、所定の間隔を存して成型体製造用の金型面の一対が設けられ、第二金型には、成型体製造用の金型面と、所定の間隔を存して前記成型体製造用金型面があいだに挟まれるようにして配される一対の成膜手段とが設けられていることを特徴とする成膜された成型体製造用の金型。
【請求項40】
請求項38または39において、金型に形成される一対の型面は、同一の成型体が型形成されるようになっていることを特徴とする成膜された成型体製造用の型面。
【請求項41】
請求項38または39において、金型に形成される一対の型面は、異なる成型体が型形成されるようになっていることを特徴とする成膜された成型体製造用の型面。

【国際公開番号】WO2004/101253
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504489(P2005−504489)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006979
【国際出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【特許番号】特許第3688289号(P3688289)
【特許公報発行日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000149468)株式会社大嶋電機製作所 (89)
【Fターム(参考)】