成形品組立体製造装置
【課題】複数の成形品を成形した後、成形品が互いに連結されるまでの間、成形品の姿勢を所定の姿勢に確実に維持する装置を提供する。
【解決手段】第1成形型52Hを使用して第1成形品12を成形すると共に第2成形型51Uを使用して第2成形品11Uを成形し、その後、第1成形型に第1成形品を保持させた状態で第1成形品の一部を露出させると共に第2成形型に第2成形品を保持させた状態で第2成形品の一部を露出させ、第1成形型に対して第2成形型を移動させて第1成形品に第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置に関する。第2成形品の成形時に第2成形品の外形を規定する壁面として第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に第2成形品外周壁面を一周するように延在する第2成形品包囲壁を有する。
【解決手段】第1成形型52Hを使用して第1成形品12を成形すると共に第2成形型51Uを使用して第2成形品11Uを成形し、その後、第1成形型に第1成形品を保持させた状態で第1成形品の一部を露出させると共に第2成形型に第2成形品を保持させた状態で第2成形品の一部を露出させ、第1成形型に対して第2成形型を移動させて第1成形品に第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置に関する。第2成形品の成形時に第2成形品の外形を規定する壁面として第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に第2成形品外周壁面を一周するように延在する第2成形品包囲壁を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品組立体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、複数の成形品を独立して成形した後にこれら成形品を互いに連結することによって複数の成形品からなる組立体(以下この組立体を「成形品組立体」という)を製造する成形品組立体製造装置が開示されている。より具体的には、特許文献1において最終的に製造される成形品組立体は風向調節用レジスタであり、このレジスタを構成する複数の成形品は5枚の調整羽根と2つの枠部材と1本の連結部材とである。そして、特許文献1に記載の成形品組立体製造装置では、調整羽根と枠部材と連結部材とが独立して成形され、その後、各枠部材の嵌合孔を各調整羽根の対応する支持軸に嵌合することによって枠部材が調整羽根に連結されると共に連結部材の嵌合孔を各調整羽根の対応する連結軸に嵌合することによって連結部材が調整羽根に連結され、これによって、風向調節用レジスタが製造される。
【0003】
ところで、特許文献1に記載の成形品組立体製造装置では、各成形品(すなわち、調整羽根、枠部材、および、連結部材)は、複数の成形型が組み合わされることによってこれら成形型間に画成される成形空間内において成形される。そして、各成形品が独立して成形された後、これら成形品を互いに連結することができるように、これら成形品の成形に使用された成形型を互いに離れるように移動させることによってこれら成形品の連結箇所(すなわち、調整羽根の支持軸および連結軸、枠部材の嵌合孔、ならびに、連結部材の嵌合孔)が互いに対して露出せしめられる。そして、これら成形品同士が近づくようにこれら成形品が移動せしめられて互いに連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−118427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したように、特許文献1に記載の成形品組立体製造装置において、成形型を互いに離れるように移動させることによって成形品の連結箇所が互いに対して露出せしめられたとき、成形品は、それぞれの成形に使用された成形型に保持された状態で互いに対して露出している。そして、このとき、成形品が対応する成形型に所定の姿勢でもって保持されていることがその後に成形品を互いに連結するためには必要である。言い換えれば、成形品が互いに対して露出されてから成形品が互いに連結されるまでの間に、成形品の姿勢が所定の姿勢からずれてしまうと、成形品を互いに連結することができないか或いは少なくとも成形品を良好な形では互いに連結することができない。
【0006】
したがって、成形品を良好な形でもって互いに連結するためには、成形品が互いに対して露出されてから成形品が互いに連結されるまでの間、成形品の姿勢が所定の姿勢に維持されていることが極めて重要である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、複数の成形品を独立して成形した後にこれら成形品を互いに連結することによって成形品組立体を製造する成形品組立体製造装置において、成形品が互いに対して露出されてから成形品が互いに連結されるまでの間、成形品の姿勢を所定の姿勢に確実に維持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の1番目の発明は、少なくとも2つの成形型を第1成形型および第2成形型として具備し、前記第1成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第1成形品として成形すると共に前記第2成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第2成形品として成形し、その後、前記第1成形型に前記第1成形品を保持させた状態で前記第1成形品の一部を露出させると共に前記第2成形型に前記第2成形品を保持させた状態で前記第2成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させて前記第1成形品に前記第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置に関する。
【0009】
そして、本発明では、前記第1成形品の一部を露出させたときに該第1成形品を前記第1成形型から抜き出すことが可能な方向を第1抜出可能方向と称し、該第1抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第1成形品の壁面を第1成形品外周壁面と称したとき、前記第1成形品の成形時に該第1成形品の外形を規定する壁面として前記第1成形型が第1抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第1成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面として有し、或いは、前記第2成形品の一部を露出させたときに該第2成形品を前記第2成形型から抜き出すことが可能な方向を第2抜出可能方向と称し、該第2抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第2成形品の壁面を第2成形品外周壁面と称したとき、前記第2成形品の成形時に該第2成形品の外形を規定する壁面として前記第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第2成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁として有する。
【0010】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第1成形品に第2成形品が連結される前に第1成形品が第1成形型に保持され且つ第2成形品が第2成形型に保持された状態でもって第1成形品の一部および第2成形品の一部が露出せしめられる。
【0011】
ここで、第1成形品に対する第1成形型の保持力が比較的弱い場合、第1成形品の一部が露出せしめられたときに第1成形品が第1抜出可能方向に第1成形型から抜け出たり或いは第1成形型に対する第1成形品の位置が第1抜出可能方向に所定位置からずれたりしてしまう可能性がある。そして、このように第1成形品が第1成形型から抜け出たり或いは第1成形品の位置が所定位置からずれたりしてしまった場合、第1成形品に第2成形品が所期通りに連結されないことになる。しかしながら、本発明では、第1成形型が第1成形品外周壁面を第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面として有する。このため、本発明において第1抜出可能方向における第1成形品に対する第1成形型の保持力は、例えば、第1成形型が第1成形品外周壁面の一部のみを包囲する壁面しか有していない場合の同保持力よりも大きい。このため、第1成形品が第1成形型から抜け出たり或いは第1成形品の位置が所定位置からずれたりすることが抑制される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0012】
また、第2成形品に対する第2成形型の保持力が比較的弱い場合、第2成形品の一部が露出せしめられたときに第2成形品が第2抜出可能方向に第2成形型から抜け出たり或いは第2成形型に対する第2成形品の位置が第2抜出可能方向に所定位置からずれたりしてしまう可能性がある。そして、このように第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第1成形品の位置が所定位置からずれたりしてしまった場合、第1成形品に第2成形品が所期通りに連結されないことになる。しかしながら、本発明では、第2成形型が第2成形品外周壁面を第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁面として有する。このため、本発明において第2抜出可能方向における第2成形品に対する第2成形型の保持力は、例えば、第2成形型が第2成形品外周壁面の一部のみを包囲する壁面しか有していない場合の同保持力よりも大きい。このため、第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定位置からずれたりすることが抑制される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0013】
本願の2番目の発明では、上記1番目の発明において、前記第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第1成形型が前記第1成形品包囲壁面を有し、前記第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第2成形型が前記第2成形品包囲壁面を有する。
【0014】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第1成形品の一部が露出せしめられたときに第1成形品が第1抜出可能方向に抜け出たり或いは第1成形型に対する第1成形品の位置が第1抜出可能方向に所定位置からずれたりしやすい。しかしながら、本発明では、第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第1成形型が第1成形品包囲壁面を有する。このため、本発明において鉛直方向(すなわち、第1抜出可能方向)における第1成形品に対する第1成形型の保持力が大きい。このため、第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合であっても、1番目の発明に関連して説明した理由と同じ理由から、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0015】
また、第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第2成形品の一部が露出せしめられたときに第2成形品が第2抜出可能方向に抜け出たり或いは第2成形型に対する第2成形品の位置が第2抜出可能方向に所定位置からずれたりしやすい。しかしながら、本発明では、第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第2成形型が第2成形品包囲壁面を有する。このため、本発明において鉛直方向(すなわち、第2抜出可能方向)における第2成形品に対する第2成形型の保持力が大きい。このため、第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合であっても、1番目の発明に関連して説明した理由と同じ理由から、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0016】
本願の3番目の発明は、少なくとも1つの成形品を第3成形型としてさらに具備する上記1または2番目の発明の成形品組立体製造装置であって、該第3成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第3成形品として成形し、その後、前記第3成形型に前記第3成形品を保持させた状態で前記第3成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形品が露出された状態にあるときに、前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させて前記第1成形品に前記第3成形品を連結させる成形品組立体製造装置に関する。
【0017】
そして、本発明では、前記第1成形品に前記第2成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる方向を第2成形型移動方向と称し、前記第1成形品に前記第3成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる方向を第3成形型移動方向と称したとき、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向である。
【0018】
そして、本発明では、前記第2成形型移動方向および前記第3成形型移動方向において前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに重なり合わない状態でもってこれら第2成形品および第3成形品が前記第1成形品に連結される。
【0019】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第1成形品に第2成形品および第3成形品を連結するために第2成形型および第3成形型を移動させる場合において、第1成形品に第2成形品および第3成形品を効率良く連結させるという観点では、第2成形型および第3成形型の移動距離が少なく且つこれら成形型の移動方向の変更回数が少ないことが好ましい。ここで、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向であれば、第2成形型および第3成形型の移動距離が少なく且つこれら成形型の移動方向の変更回数が零であることから、第1成形品に第2成形品および第3成形品を効率良く連結することができる。しかしながら、この場合、第2成形型移動方向および第3成形型移動方向において第2成形品と第3成形品とに互いに重なり合う部分がある場合、第2成形型と第3成形型とを同じ方向(すなわち、第2成形型移動方向および第3成形型移動方向)に移動させたのでは、第1成形品に第2成形品および第3成形品を連結することができない。ここで、本発明では、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向であって、且つ、第2成形型移動方向および第3成形型移動方向において第2成形品と第3成形品とが互いに重なり合わない状態でもって第2成形品および第3成形品が第1成形品に連結される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品および第3成形品を効率良く連結することができるという効果が得られる。
【0020】
本願の4番目の発明は、前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに隣接した位置において略同時に成形され、前記第2成形品の成形時に該第2成形品を成形するための空間が第2成形品成形空間として形成されていると共に前記第3成形品の成形時に該第3成形品を成形するための空間が第3成形品成形空間として形成される上記3番目の発明の成形品組立体製造装置に関する。
【0021】
そして、本発明では、前記第2成形品の成形と前記第3成形品の成形とが行われるときに前記第2成形品成形空間と前記第3成形品成形空間とが通路によって接続され、前記第2成形品を成形するために前記第2成形品成形空間に流入した材料が前記通路を介して前記第3成形品成形空間に流入し、該通路を介して前記第3成形品成形空間に流入した材料によって前記第3成形品が成形される。
【0022】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第2成形品成形空間と第3成形品成形空間とが通路によって接続され、この通路を介して樹脂が第2成形品成形空間から第3成形品成形空間に流入する。ここで、第2成形品と第3成形品とは互いに隣接した位置において成形される。すなわち、第2成形品および第3成形品の成形時、第2成形品成形空間と第3成形品成形空間とは互いに隣接した位置に位置する。このように互いに隣接する成形空間を直接的に接続する通路によって成形空間に樹脂を流入させるように成形空間に樹脂を流入させる通路を構成することによって、成形空間に樹脂を流入させる通路の構成を簡略化することができるという効果が得られる。
【0023】
本願の5番目の発明では、上記4番目の発明において、前記第2成形品および前記第3成形品が成形されたとき、これら第2成形品と第3成形品とが前記通路内に残留した材料によって形成される材料部分によって連結される。そして、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される。
【0024】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第2成形品および第3成形品が成形されたとき、これら第2成形品と第3成形品とが材料部分によって連結されている。この場合、第2成形品の一部が露出せしめられたときに材料部分が第2形成型に保持されることから、第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品をより確実に所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0025】
また、本願の6番目の発明では、上記5番目の発明において、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる距離と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる距離とが互いに異なるように前記第2成形品を成形する位置および前記第3成形品を成形する位置が設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる速度と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる速度とが異なる速度に設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第2成形型の移動を開始するタイミングと前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第3成形型の移動を開始するタイミングとが互いに異なるタイミングに設定されていることによって、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される。
【0026】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第1成形品に第2成形品および第3成形品が連結されるときに材料部分が切断される。ここで、第2成形品に対する第2成形型の保持力が弱いと、材料部分が切断されるときに第2成形品にかかる力によって第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定の位置からずれたりする可能性がある。しかしながら、本発明では、第2成形型が第2成形品包囲壁面を有することから、第2成形品に対する第2成形型の保持力が大きい。このため、材料部分が切断されるときに第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。すなわち、本発明によれば、第1成形品に第2成形品および第3成形品が連結されるときに材料部分が切断されるとしても、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態のレジスタ製造装置によって作製される風向調節レジスタを示した図であり、(A)は風向調節レジスタの正面図であり、(B)は風向調節レジスタの背面図である。
【図2】図1に示した風向調節レジスタを示した図であり、(A)は風向調節レジスタの上面図(図1(A)の参照符号2Aから見た図)であり、(B)は風向調節レジスタの底面図(図1(B)の参照符号2Bから見た図)である。
【図3】図1に示した風向調節レジスタを示した図であり、(A)は風向調節レジスタの左側面図(図1(A)の参照符号3Aから見た図)であり、(B)風向調節レジスタの右側面図(図1(A)の参照符号3Bから見た図)である。
【図4】図1に示した風向調節レジスタを作製するための第1実施形態のレジスタ製造装置の縦断面図である。
【図5】図4と同様の図であるが、風向調節レジスタの成形段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図6】図4と同様の図であるが、風向調節レジスタの組立段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図7】図4と同様の図であるが、図6に示した風向調節レジスタの組立段階よりも進んだ段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図8】図4と同様の図であるが、図7に示した風向調節レジスタの組立段階よりも進んだ段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図9】図4と同様の図であるが、風向調節レジスタの排出段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図10】(A)は第1実施形態のレジスタ製造装置によって成形される上方ブッシュの拡大図であり、(B)は同レジスタ製造装置の第2成形保持型の部分拡大図である。
【図11】図10(B)と同様の図であって、第1実施形態の上方ブッシュ包囲壁面の他の例を示した図である。
【図12】(A)は第1実施形態のレジスタ製造装置によって成形されるロッドの拡大図であり、(B)は同レジスタ製造装置の第4成形保持型の部分拡大図である。
【図13】(A)は第1実施形態のレジスタ製造装置によって成形される下方ブッシュの拡大図であり、(B)は同レジスタ製造装置の第3成形保持型の部分拡大図である。
【図14】(A)は第2実施形態のレジスタ製造装置の可動保持型、第2成形保持型、および、第4成形保持型の部分拡大図であり、(B)は第2実施形態のレジスタ製造装置によって成形される上方ブッシュおよびロッドを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明のレジスタ製造装置の実施形態について説明する。図1〜図3に本発明の第1実施形態のレジスタ製造装置によって作製される風向調整レジスタ(すなわち、成形品組立体)10が示されている。風向調整レジスタ(以下単に「レジスタ」という)10は、プレート状の枠部材として使用される2枚のブッシュ11U、11Lと同じくプレート状の6枚のブレード12と棒状の1本のロッド13とから構成される。6枚のブレード12は、2枚のブッシュ11U、11L間に配置されている。なお、以下の説明において、図1においてブレード12の上方に配置されているブッシュ11Uを「上方ブッシュ」と称し、図1においてブレード12の下方に配置されているブッシュ11Lを「下方ブッシュ」と称する。
【0029】
各ブレード12の上端面(すなわち、図1において上方を向いたブレードの端面であって、以下この端面を「ブレード上端面」ともいう)12Uには、上方ブッシュ11Uの対応する嵌合孔(以下この嵌合孔を「上方ブッシュ嵌合孔」ともいう)に嵌合される1つの連結軸(以下この連結軸を「上方連結軸」ともいう)14Uが形成されている。この上方連結軸14Uは、ブレード上端面12Uから同ブレード上端面に対して垂直に延びる。
【0030】
また、各ブレード12の下端面(すなわち、図1において下方を向いたブレードの端面であって、以下この端面を「ブレード下端面」ともいう)12Lには、下方ブレード11Lの対応する嵌合孔(以下この嵌合孔を「下方ブッシュ嵌合孔」ともいう)に嵌合される1つの連結軸(以下この連結軸を「下方連結軸」ともいう)14Lが形成されている。この下方連結軸14Lは、ブレード下端面12Lから同ブレード下端面に対して垂直に延びる。
【0031】
また、各ブレード12の後端面(すなわち、図2(A)において上方を向いたブレードの端面であって、以下この端面を「ブレード後端面」という)12R近傍の当該ブレードの側壁面から同側壁面に対して垂直に延びるアーム15には、ロッド13の対応する嵌合孔(以下この嵌合孔を「ロッド嵌合孔」ともいう)に嵌合される1つの連結軸(以下この連結軸を「後方連結軸」ともいう)14Rが形成されている。この後方連結軸14Rは、アーム15から同アームに対して垂直に延びる。
【0032】
上方連結軸14Uが上方ブッシュ嵌合孔に嵌合せしめられることによって各ブレード12が上方ブッシュ11Uに取り付けられると共に、下方連結軸14Lが下方ブッシュ嵌合孔に嵌合せしめられることによって各ブレード12が下方ブッシュ11Lに取り付けられる。なお、各ブレード12がブッシュ11U、11Lに取り付けられている場合、各ブレード12は、ブッシュ嵌合孔に嵌合している連結軸14U、14Lの軸線を中心としてブッシュ11U、11Lに対して枢動可能である。
【0033】
また、後方連結軸14Rがロッド嵌合孔に嵌合せしめられることによって各ブレード12がロッド13に取り付けられる。なお、各ブレード12がロッド13に取り付けられている場合、各ブレード12は、ロッド嵌合孔に嵌合している後方連結軸14Rの軸線を中心としてロッド13に対して枢動可能である。
【0034】
図4に第1実施形態のレジスタ製造装置50が示されている。第1実施形態のレジスタ製造装置は、参照符号52Sで示されている型を具備する。この型52Sは、ブレード成形空間(すなわち、上述したレジスタ10のブレード12を成形するための空間)62を画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時(すなわち、ブッシュ11U、11Lとロッド13とをブレード12に取り付ける時)に移動せしめられずに固定されている。以下、この型52Sを「固定成形型」と称する。
【0035】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号52Mで示されている型をさらに具備する。この型52Mは、上方ブッシュ成形空間(すなわち、上述したレジスタ10の上方ブッシュ11Uを成形するための空間)61Uを画成する壁面の一部と、下方ブッシュ成形空間(すなわち、レジスタ10の下方ブッシュ11Lを成形するための空間)61Lを画成する壁面の一部と、ブレード成形空間62を画成する壁面の一部と、ロッド成形空間(すなわち、レジスタ10のロッド13を成形するための空間)63を画成する壁面の一部とを構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられる。以下、この型52Mを「可動成形型」と称する。
【0036】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号52Hで示されている型をさらに具備する。この型52Hは、ブレード成形空間62を画成する壁面の一部を構成する壁面(以下この壁面を「ブレード成形壁面」ともいう)を備え、レジスタ組立時に移動せしめられ且つ成形されたブレード12を保持する。以下、この型52Hを「第1成形保持型」と称する。なお、第1成形保持型52Hは、成形されたブレード12を互いに対向するブレード成形壁面によって挟持することによって同ブレード12を当該第1成形保持型52Hに保持する。
【0037】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号51Uで示されている型をさらに具備する。この型51Uは、上方ブッシュ成形空間61Uを画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられると共に成形された上方ブッシュ11Uを保持する。以下、この型51Uを「第2成形保持型」と称する。
【0038】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号51Lで示されている型をさらに具備する。この型51Lは、下方ブッシュ成形空間61Lを画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられると共に成形された下方ブッシュ11Lを保持する。以下、この型51Lを「第3成形保持型」と称する。
【0039】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号53で示されている型をさらに具備する。この型53は、ロッド成形空間63を画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられると共に成形されたロッド13を保持する。以下、この型53を「第4成形保持型」と称する。
【0040】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号52Eで示されているピンをさらに具備する。このピン52Eは、ブレード成形空間を画成する壁面の一部を構成する壁面(以下この壁面を「ブレード成形壁面」ともいう)を該ピン52Eの先端52Tに備え、レジスタ排出時(すなわち、レジスタ10をレジスタ製造装置50から排出する時)にレジスタ10をレジスタ製造装置50から排出する。以下、このピン52Eを「排出ピン」と称する。なお、排出ピン52Eの先端52Tの反対側の端部52Bは、可動プレート52Pに連結されている。また、可動プレート52Pは、筐体55内に形成された空間55S内に収容されている。そして、筐体55は、レジスタ組立時に移動せしめられる。また、可動プレート52Pは、レジスタ組立時およびレジスタ排出時に移動せしめられる。
【0041】
ところで、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mと排出ピン52Eとがブレード12を成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「ブレード成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型52H、52Mと排出ピン52Eとの間に、ブレード成形空間62が形成される。
【0042】
また、第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ11Uを成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「上方ブッシュ成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型51U、52Mの間に、上方ブッシュ成形空間61Uが形成される。
【0043】
また、第3成形保持型51Lと可動成形型52Mとが下方ブッシュ11Lを成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「下方ブッシュ成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型11L、52Mの間に、下方ブッシュ成形空間61Lが形成される。
【0044】
また、第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド13を成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「ロッド成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型53、52Mの間に、ロッド成形空間63が形成される。
【0045】
ところで、固定成形型52Sには、樹脂注入孔70と樹脂通路(以下この通路を「第1樹脂通路」という)71とが設けられている。樹脂注入孔70は、ブッシュ11U、11L、ブレード12、および、ロッド13を成形するための材料である樹脂が注入される孔である。また、第1樹脂通路71は、樹脂注入孔70に接続されており、樹脂注入孔70に注入された樹脂が第1樹脂通路71に流入するようになっている。そして、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mと排出ピン52Eとがブレード成形位置に位置決めされているとき、第1樹脂通路71は、ブレード成形空間62に連通し、樹脂注入孔70に注入された樹脂が第1樹脂通路71を介してブレード成形空間62に供給されるようになっている。
【0046】
また、第2成形保持型51Uにも、樹脂通路(図示せず)(以下この通路を「第2樹脂通路」という)が設けられている。第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ成形位置に位置決めされているとき、第2樹脂通路は、第1樹脂通路71と上方ブッシュ成形空間61Uとに連通し、第1樹脂通路71内を流れる樹脂が第2樹脂通路に流入すると共に第2樹脂通路に流入した樹脂が当該第2樹脂通路を介して上方ブッシュ成形空間61Uに供給されるようになっている。
【0047】
また、第3成形保持型51Lにも、樹脂通路(図示せず)(以下この通路を「第3樹脂通路」という)が設けられている。第3成形保持型51Lと可動成形型52Mとが下方ブッシュ成形位置に位置決めされているとき、第3樹脂通路は、第1樹脂通路71と下方ブッシュ成形空間61Lとに連通し、第1樹脂通路71内を流れる樹脂が第3樹脂通路に流入すると共に第3樹脂通路に流入した樹脂が当該第3樹脂通路を介して下方ブッシュ成形空間61Lに供給されるようになっている。
【0048】
また、第4成形保持型53にも、樹脂通路(図示せず)(以下この通路を「第4樹脂通路」という)が設けられている。第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド成形位置に位置決めされているとき、第4樹脂通路は、第2樹脂通路とロッド成形空間63とに連通し、第2樹脂通路内を流れる樹脂が第4樹脂通路に流入すると共に第4樹脂通路に流入した樹脂が当該第4樹脂通路を介してロッド成形空間63に供給されるようになっている。
【0049】
上述したレジスタ製造装置50において、ブッシュ11U、11L、ブレード12、および、ロッド13が以下のように成形される。すなわち、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mと排出ピン52Eとがブレード成形位置に位置決めされ、且つ、第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ成形位置に位置決めされ、第3成形保持型51Lと可動成形型52Mとが下方ブッシュ成形位置に位置決めされ、且つ、第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド成形位置に位置決めされているときに、樹脂注入孔70に樹脂が注入されると、図5に示されているように、第1樹脂通路71を介してブレード成形空間62に樹脂が供給されることによって所期の形状のブレード12が成形され、第1樹脂通路71および第2樹脂通路を介して上方ブッシュ成形空間61Uに樹脂が供給されることによって所期の形状の上方ブッシュ11Uが成形され、第1樹脂通路71および第3樹脂通路を介して下方ブッシュ成形空間61Lに樹脂が供給されることによって所期の形状の下方ブッシュ11Lが成形され、第1樹脂通路71、第2樹脂通路、および、第4樹脂通路を介してロッド成形空間63に樹脂が供給されることによって所期の形状のロッド13が成形される。
【0050】
上述したように成形されたブッシュ11U、11L、ブレード12、および、ロッド13は、それぞれ独立して成形される。そして、これら独立して成形されたブッシュ、ブレード、および、ロッドは、レジスタ製造装置50内において以下のように組み立てられる。
【0051】
すなわち、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mとが図4で見て左方向に固定成形型52Sから離れるように所定の位置まで移動せしめられる。これによって、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mとが図6に示されている位置に位置決めされる。このとき、各ブレード12は第1成形保持型52Hに保持されている。すなわち、各ブレード12は第1成形保持型52Hと共に移動せしめられる。また、このとき、可動成形型52Mの移動量は、第1成形保持型52Hの移動量よりも大きい。したがって、第1成形保持型52Hおよび可動成形型52Mが所定位置まで移動せしめられたとき、各ブレード12は、第1成形保持型52Hに保持されている部分を除いて、図6で見て上下方向において露出している。また、第1成形保持型52Hが所定位置まで移動せしめられたとき、各ブレード12の連結軸14U、14L、14Rは、図6で見て上下方向において対応するブッシュ嵌合孔およびロッド嵌合孔に整列している。
【0052】
なお、可動成形型52Mが上記所定位置まで移動せしめられたとき、上方ブッシュ11Uはその一部(具体的には、図6で見て下方を向いた壁面)が露出した状態で第2成形保持型51Uに保持されており、下方ブッシュ11Lはその一部(具体的には、図6で見て上方を向いた壁面)が露出した状態で第2成形保持型51Lに保持されており、ロッド13はその一部(具体的には、図6で見て下方を向いた壁面)が露出した状態で第4成形保持型53に保持されている。
【0053】
第1成形保持型52Hと可動成形型52Mが上記所定位置まで移動せしめられた後、第2成形保持型51Uが図6で見て下方に第1成形保持型52Hに保持されているブレード12に向かって移動せしめられる。そして、この移動は、第2成形保持型51Uに保持されている上方ブッシュ11Uの各嵌合孔が各ブレード12の対応する上方連結軸14Uに嵌合したときに終了せしめられる。これによって、第2成形保持型51Uが図7に示されている位置に位置決めされる。また、第3成形保持型51Lが図6で見て上方に第1成形保持型52Hに保持されているブレード12に向かって移動せしめられる。そして、この移動は、第2成形保持型51Lに保持されている下方ブッシュ11Lの各嵌合孔が各ブレード12の対応する下方連結軸14Lに嵌合したときに終了せしめられる。これによって、第3成形保持型51Lが図7に示されている位置に位置決めされる。また、第4成形保持型53が図6で見て下方に第1成形保持型52Hに保持されているブレード12に向かって移動せしめられる。そして、この移動は、第4成形保持型53に保持されているロッド13の各嵌合孔が各ブレード12の対応する後方連結軸14Rに嵌合したときに終了せしめられる。これによって、第4成形保持型53が図7に示されている位置に位置決めされる。斯くして、図1に示されているレジスタ10が組み立てられる。
【0054】
なお、上方ブッシュ嵌合孔がブレード12の対応する上方連結軸14Uに嵌合せしめられた後、第2成形保持型51Uは図7で見て上方に移動せしめられ、下方ブッシュ嵌合孔がブレード12の対応する下方連結軸14Lに嵌合せしめられた後、第3成形保持型51Lは図7で見て下方に移動せしめられ、ロッド嵌合孔がブレード12の対応する後方連結軸14Rに嵌合せしめられた後、第4成形保持型53は図7で見て上方に移動せしめられる。これによって、第2成形保持型51U、第3成形保持型51L、および、第4成形保持型53が図8に示されている位置に位置決めされる。斯くして、レジスタ10の組立が完了される。
【0055】
上述したように組み立てられたレジスタ10は、各ブレード12が第1成形保持型52Hに保持されていることによってレジスタ製造装置50内に保持されている。そして、この組み立てられたレジスタ10は、以下のようにレジスタ製造装置50から排出される。
【0056】
すなわち、排出ピン52Eが図7で見て右方向(以下この方向を「レジスタ排出方向」という)に移動せしめられる。これにより、排出ピン52Eの先端がブレード後端面12Rをレジスタ排出方向に押すことになる。そして、排出ピン52Eの移動は、図9に示されているように、第1成形保持型52Hに保持されている各ブレード12の部分が第1成形保持型52Hから完全に抜け出るまで継続される。そして、第1成形保持型52Hに保持されている各ブレード12の部分が第1成形保持型52Hから完全に抜け出ると、上述したように組み立てられたレジスタ10は、排出ピン52Eの先端から外れてレジスタ製造装置50から排出される。
【0057】
ところで、第1実施形態のレジスタ製造装置50では、レジスタ組立時、図6で見て下方を向いた上方ブッシュ11Uの壁面(以下この壁面を「上方ブッシュ下壁面」という)が露出せしめられる。そして、このとき、上方ブッシュ11Uが鉛直方向下方へ第2成形保持型51Uから抜き出されることが可能である。ここで、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が比較的小さいと、第2成形保持型51Uから上方ブッシュ11Uが抜け出てしまう可能性がある。そして、第2成形保持型51Uから上方ブッシュ11Uが抜け出てしまった場合、第2成形保持型51Uが図7に示されている位置(以下この位置を「上方ブッシュ組立位置」という)まで移動されたとしても、当然のことながら、上方ブッシュ51Uをブレード12に連結させることができないし、第2成形保持型51Uから上方ブッシュ11Uが抜け出てしまわないとしても第2成形保持型51Uに対する上方ブッシュ11Uの位置が初期の位置(すなわち、上方ブッシュ成形時における第2成形保持型51Uに対する上方ブッシュ11Uの位置)からずれてしまった場合、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ組立位置まで移動されたとしても、少なくとも、上方ブッシュ11Uをブレード12に良好に連結させることはできない。
【0058】
ところが、第1実施形態では、以下の理由から、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が大きく、その結果、レジスタ組立時、上方ブッシュ下壁面が露出せしめられているとしても上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出ることが抑制される。
【0059】
すなわち、図10(A)に詳細に示されているように、上方ブッシュ11Uは、上方ブッシュ下壁面11ULが露出せしめられているときに該上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出ることが可能な方向(すなわち、図10(B)に参照符号D11Uで示されている方向であって、以下この方向を「上方ブッシュ抜出可能方向」という)に対して平行に延在する壁面であって上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して垂直な方向に一周するように延在する壁面(以下この壁面を「上方ブッシュ外周壁面」という)11USを有する。
【0060】
また、図10(B)に詳細に示されているように、第2成形保持型51Uは、上方ブッシュ成形時に上方ブッシュ成形空間61Uを構成する凹部(以下この凹部を「上方ブッシュ成形凹部」という)51URを備える。そして、上方ブッシュ成形凹部51URは、上方ブッシュ成形時に上方ブッシュ11Uの外形を規定する壁面として、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して垂直な方向に上方ブッシュ外周壁面11USを一周するように延在する壁面(以下この壁面を「上方ブッシュ包囲壁面」という)51USを有する。
【0061】
第2成形保持型51Uがこうした構成の上方ブッシュ包囲壁面51USを有することによって、以下の効果が得られる。すなわち、上述したように、第1実施形態では、ブレード12に上方ブッシュ11Uが連結される前に上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51U(より詳細には、上方ブッシュ成形凹部51UR)に保持された状態でもって上方ブッシュ下壁面11ULが露出せしめられる。
【0062】
ここで、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が比較的弱い場合、上方ブッシュ下壁面11ULが露出せしめられたときに上方ブッシュ11Uが上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは第2成形保持型51Uに対する上方ブッシュ11Uの位置が上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに所定位置からずれたりしてしまう可能性がある。そして、このように上方ブッシュ11Uが抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定位置からずれたりした場合、ブレード12に上方ブッシュ11Uが所期通りに連結されないことになる。しかしながら、第1実施形態では、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ包囲壁面51USを有する。このため、上方ブッシュ抜出可能方向における上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力は、例えば、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ外周壁面11USの一部のみを包囲する壁面しか有していない場合の同保持力よりも大きい。このため、上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定位置からずれたりすることが抑制される。したがって、第1実施形態によれば、ブレード12に上方ブッシュ11Uを所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0063】
なお、第1実施形態の上方ブッシュ包囲壁面51USは、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して平行に延在する4つの平坦な壁面によって構成されているが、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力を十分に確保することができ且つ上方ブッシュ11Uに要求される形状として許容される形状である限りにおいて、こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されていてもよい。こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面としては、例えば、図11(A)に示されているように、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに向かって上方ブッシュ成形凹部51URの中央軸線から離れるように同中央軸線に対して角度のついた4つの平坦な壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面51US、図11(B)に示されているように、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに向かって上方ブッシュ成形凹部51URの中央軸線から離れるように上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して平行に延在する2つの壁面によって構成される4つのステップ状壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面51US、および、図11(c)に示されているように、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに向かって上方ブッシュ成形凹部51URの中央軸線から離れるように湾曲した4つの湾曲壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面51USが挙げられる。
【0064】
同様に、第1実施形態のレジスタ製造装置50では、レジスタ組立時、図6で見て下方を向いたロッドの壁面(以下この壁面を「ロッド下壁面」という)が露出せしめられる。そして、このとき、ロッド13が鉛直方向下方へ第4成形保持型53から抜き出されることが可能である。ここで、ロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が比較的小さいと、第4成形保持型53からロッド13が抜け出てしまう可能性がある。そして、第4成形保持型53からロッド13が抜け出てしまった場合、第4成形保持型53が図7に示されている位置(以下この位置を「ロッド組立位置」という)まで移動されたとしても、当然のことながら、ロッド13をブレード12に連結させることができないし、第4成形保持型53からロッド13が抜け出てしまわないとしても第4成形保持型53に対するロッド13の位置が初期の位置(すなわち、ロッド成形時における第4成形保持型53に対するロッド13の位置)からずれてしまった場合、第4成形保持型53がロッド組立位置まで移動されたとしても、少なくとも、ロッド13をブレード12に良好に連結させることはできない。
【0065】
ところが、第1実施形態では、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力に関連して説明した理由と同様の理由から、ロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が大きく、その結果、レジスタ組立時、ロッド下壁面が露出せしめられているとしてもロッド13が第4成形保持型53から抜け出ることが抑制される。
【0066】
すなわち、図12(A)に詳細に示されているように、ロッド13は、ロッド下壁面13Lが露出せしめられているときに該ロッド13が第4成形保持型53から抜け出ることが可能な方向(図12(B)に参照符号D13で示されている方向であって、以下この方向を「ロッド抜出可能方向」という)に対して平行に延在する壁面であってロッド抜出可能方向D13に対して垂直な方向に一周するように延在する壁面(以下この壁面を「ロッド外周壁面」という)13Sを有する。
【0067】
また、図12(B)に詳細に示されているように、第4成形保持型53は、ロッド成形時にロッド成形空間63を構成する凹部(以下この凹部を「ロッド成形凹部」という)53Rを備える。そして、ロッド成形凹部53Rは、ロッド成形時にロッド13の外形を規定する壁面として、ロッド抜出可能方向D13に対して垂直な方向にロッド外周壁面13Sを一周するように延在する壁面(以下この壁面を「ロッド包囲壁面」という)53Sを有する。
【0068】
第4成形保持型53がこうした構成のロッド包囲壁面53Sを有することによって、第2成形保持型51Uの上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した理由と同じ理由から、ブレード12にロッド13を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0069】
なお、第1実施形態のロッド包囲壁面53Sはロッド抜出可能方向D13に対して平行に延在する4つの平坦な壁面によって構成されているが、ロッド13に対する第4成形保持型53の保持力を十分に確保することができ且つロッド13に要求される形状として許容される形状である限りにおいて、こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されてもよい。こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されるロッド包囲壁面としては、例えば、上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した壁面と同様の壁面によって構成されるロッド包囲壁面が挙げられる。
【0070】
なお、第1実施形態のレジスタ装置50では、レジスタ組立時、図6で見て上方を向いた下方ブッシュ11Lの壁面(以下この壁面を「下方ブッシュ上壁面」という)が露出せしめられたとき、下方ブッシュ11Lは鉛直方向上方へ第3成形保持型51Lから抜き出されることが可能であることから、下方ブッシュ上壁面が露出せしめられていたとしても下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出る可能性は低い。しかしながら、特定の事情から、下方ブッシュ上壁面が露出せしめられた状態にあるときに下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出ることを抑制することが要請される場合、第2成形保持型51Uと同様に、第3成形保持型51Lが下方ブッシュ包囲壁面を有していれば、下方ブッシュ上壁面が露出せしめられた状態にあるときに下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出ることが抑制されるという点で好ましい。
【0071】
すなわち、図13(A)に詳細に示されているように、第1実施形態において、下方ブッシュ11Lは、下方ブッシュ上壁面11LUが露出せしめられているときに該下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出ることが可能な方向(図13(B)に参照符号D11Lで示されている方向であって、以下この方向を「下方ブッシュ抜出可能方向」という)に対して平行に延在する壁面であって下方ブッシュ抜出可能方向D11Lに対して垂直な方向に一周するように延在する壁面(以下この壁面を「下方ブッシュ外周壁面」という)11LSを有する。
【0072】
また、図13(B)に詳細に示されているように、第1実施形態において、第3成形保持型51Lは、下方ブッシュ成形時に下方ブッシュ成形空間61Lを構成する凹部(以下この凹部を「下方ブッシュ成形凹部」という)51LRを備える。そして、下方ブッシュ成形凹部51LRは、下方ブッシュ成形時に下方ブッシュ11Lの外形を規定する壁面として、下方ブッシュ抜出可能方向D11Lに対して垂直な方向に下方ブッシュ外周壁面11LSを一周するように延在する壁面(以下この壁面を「下方ブッシュ包囲壁面」という)51LSを有する。
【0073】
第3成形保持型51Lがこうした構成の下方ブッシュ包囲壁面51LSを有することによって、第2成形保持型51Uの上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した理由と同じ理由から、ブレード12に下方ブッシュ11Lを所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0074】
なお、第1実施形態の下方ブッシュ包囲壁面51LSは下方ブッシュ抜出可能方向D11Lに対して平行に延在する4つの平坦な壁面によって構成されているが、下方ブッシュ11Lに対する第3成形保持型51Lの保持力を十分に確保することができ且つ下方ブッシュ11Lに要求される形状として許容される形状である限りにおいて、こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されてもよい。こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成される下方ブッシュ包囲壁面としては、例えば、上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した壁面と同様の壁面によって構成される下方ブッシュ包囲壁面が挙げられる。
【0075】
なお、第1実施形態は、少なくとも6つの成形保持型(すなわち、固定成形型、可動成形型、および、第1成形保持型〜第4成形保持型)を具備するレジスタ製造装置に関するものである。しかしながら、少なくとも2つの成形型を具備し、これら2つの成形型を使用して少なくとも2つの成形品を成形し、これら成形品を互いに連結することによって成形品の組立体を製造する成形品組立体製造装置にも、第2成形保持型による上方ブッシュの保持、第3成形保持型による下方ブッシュの保持、および、第4成形保持型によるロッドの保持に関する第1実施形態の考え方を適用することができる。
【0076】
すなわち、少なくとも2つの成形型(例えば、第1実施形態の第1成形保持型〜第4成形保持型のうちの少なくとも2つ)を第1成形型(例えば、第1実施形態の第2成形保持型)および第2成形型(例えば、第1実施形態の第3成形保持型)として具備し、第1成形型を使用して少なくとも1つの成形品(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ)を第1成形品として成形すると共に第2成形型を使用して少なくとも1つの成形品(例えば、第1実施形態のロッド)を第2成形品として成形し、その後、第1成形型に第1成形品を保持された状態で第1成形品の一部を露出させると共に第2成形型に第2成形品を保持させた状態で第2成形品の一部を露出させ、その後、第1成形型に対して第2成形型を移動させて第1成形品に第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置にも、第2成形保持型による上方ブッシュの保持、第3成形保持型による下方ブッシュの保持、および、第4成形保持型によるロッドの保持に関する第1実施形態の考え方を適用することができる。
【0077】
そして、この場合の成形品組立体製造装置では、第1成形品の一部を露出させたときに該第1成形品を第1成形型から抜き出すことが可能な方向を第1抜出可能方向(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ抜出可能方向)と称し、第1抜出可能方向に対して平行に延在し且つ第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する第1成形品の壁面を第1成形品外周壁面(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ外周壁面)と称したとき、第1成形品の成形時に第1成形品の外形を規定する壁面として第1成形型が第1抜出可能方向に対して垂直な方向に第1成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ包囲壁面)として有し、或いは、第2成形品の一部を露出させたときに第2成形品を第2成形型から抜き出すことが可能な方向を第2抜出可能方向(例えば、第1実施形態のロッド抜出可能方向)と称し、第2抜出可能方向に対して平行に延在し且つ第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する第2成形品の壁面を第2成形品外周壁面(例えば、第1実施形態のロッド外周壁面)と称したとき、第2成形品の成形時に第2成形品の外形を規定する壁面として第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に第2成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁(例えば、第1実施形態のロッド包囲壁面)として有することになる。
【0078】
ところで、第1実施形態では、レジスタ組立時において第2成形保持型51Uを移動させる方向(以下この方向を「第2成形保持型の移動方向」という)と第4成形保持型53を移動させる方向(以下この方向を「第4成形保持型の移動方向」という)とが同じ方向になっている。そして、このように第2成形保持型51Uと第4成形保持型53とを同じ方向に移動させることによって上方ブッシュ11Uとロッド13とをブレード12に連結することができるのは、第2成形保持型の移動方向(すなわち、第4成形保持型の移動方向)において上方ブッシュ11Uとロッド13とが重なり合わない状態でもってこれら上方ブッシュ11Uおよびロッド13がブレード12に連結されるからである。
【0079】
そして、第1実施形態のように、第2成形保持型51Uの移動方向と第4成形保持型53の移動方向とが同じ方向である。このため、上方ブッシュ成形位置に位置決めされていた第2成形保持型51Uを上方ブッシュ組立位置まで移動させる距離(以下この距離を「第2成形保持型の組立移動距離」という)とロッド成形位置に位置決めされていた第4成形保持型53をロッド組立位置まで移動させる距離(以下この距離を「第4成形保持型の組立移動距離」という)とが短い。さらに、第2成形保持型51Uを上方ブッシュ成形位置から上方ブッシュ組立位置まで移動させるときに当該第2成形保持型51Uの移動方向を変更する必要がなく、また、第4成形保持型53をロッド成形位置からロッド組立位置まで移動させるときに当該第4成形保持型53の移動方向を変更する必要がない。したがって、第1実施形態によれば、上方ブッシュ11Uおよびロッド13をブレード12に効率良く連結することができるという効果が得られる。
【0080】
ところで、第1実施形態では、ロッド成形時において、第1樹脂通路71に接続された第4樹脂通路を介してロッド成形空間63に樹脂が流入する。しかしながら、第4樹脂通路が以下のように形成されていてもよい。すなわち、この実施形態(以下「第2実施形態」という)では、少なくとも、第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ成形位置に位置決めされると当時に第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド成形位置に位置決めされる。そして、これら型51U、52M、53がそれぞれ上方ブッシュ成形位置およびロッド成形位置に位置決めされたとき、図14(A)に示されているように、上方ブッシュ成形空間61Uとロッド成形空間63とを連通させるように第4樹脂通路74が形成されている。詳細には、第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53がそれぞれ上方ブッシュ成形位置およびロッド成形位置に位置決めされたとき、上方ブッシュ成形空間61Uからロッド成形空間63に向かって延在する部分樹脂通路74Aが第2成形保持型51Uに形成された凹部と可動成形型52Mの壁面とによって形成されると共にロッド成形空間63から上方ブッシュ成形空間61Uに向かって延在する部分樹脂通路74Bが第4成形保持型53に形成された凹部と可動成形型52の壁面とによって形成され、これら部分樹脂通路74A、74Bによって第4樹脂通路74が形成される。
【0081】
そして、このように第4樹脂通路74が形成されている場合、上方ブッシュ11Uとロッド13とが成形されたとき、図14(B)に示されているように、これら上方ブッシュ11Uとロッド13とは第4樹脂通路74内に残留した樹脂によって構成される部分16によって連結されている(以下この第4樹脂通路74内に残留した樹脂によって構成される部分を「連結部分」という)。
【0082】
そして、この連結部分16は、レジスタ組立時に切断される。すなわち、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、レジスタ組立時において第1成形保持型52Hと可動成形型52Mとが上記所定位置まで移動せしめられた後、第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53が図6で見て下方に第1成形保持型52Hに保持されているブッシュ12に向かって移動せしめられる。そして、第2成形保持型51Uの移動は、第2成形保持型が上方ブッシュ組立位置に位置決めされたときに終了せしめられ、第4成形保持型53の移動は、第4成形保持型がロッド組立位置に位置決めされたときに終了せしめられる。
【0083】
ここで、第4成形保持型の組立移動距離は第2成形保持型の組立移動距離よりも長い。したがって、連結部分16は、第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53がそれぞれ上方ブッシュ組立位置およびロッド組立位置に向かって移動せしめられている間に切断されることになる。
【0084】
云い方を換えれば、第2実施形態のレジスタ製造装置50は、ブレード12に対する上方ブッシュ11Uの連結位置とブレード12に対するロッド13の連結位置とを考慮したときに、第2成形保持型51Uの組立移動距離と第4成形保持型53の組立移動距離とが互いに異なる位置において上方ブッシュ11Uおよびロッド13を成形するものであると言える。
【0085】
なお、第2実施形態のように第4樹脂通路を構成することによって、以下の効果が得られる。すなわち、第2実施形態では、上方ブッシュ11Uとロッド13とは互いに隣接した位置において略同時に成形される。したがって、上方ブッシュ11Uおよびロッド13の成形時、上方ブッシュ成形空間61Uとロッド成形空間63とは互いに隣接した位置に位置する。このように互いに隣接する上方ブッシュ成形空間61Uとロッド成形空間63とを第4樹脂通路によって直接的に接続することによって、ロッド成形空間63に樹脂を流入させる通路の構成が簡略化されるという効果が得られる。
【0086】
なお、第2実施形態の第4樹脂通路74は、第2成形保持型51U、第4成形保持型53、および、可動成形型52がそれぞれ上方ブッシュ成形位置およびロッド成形位置に位置決めされているときに上方ブッシュ成形空間61Uからロッド成形空間63に向かって真っ直ぐに延びる形状の通路であり、したがって、第2実施形態の連結部分16は、上方ブッシュ11Uからロッド13に向かって真っ直ぐに延びる通路である。しかしながら、上方ブッシュ11Uおよびロッド13の成形時に、これら上方ブッシュとロッドとを連結する部分が形成されるのであれば、第4樹脂通路74の形状は、上述したように真っ直ぐに延びる形状でなくてもよい。
【0087】
また、当然のことながら、第2実施形態の第4樹脂通路74の形状(特に、当該第4樹脂通路74が延在する方向に対して垂直な当該第4樹脂通路の断面積)は、レジスタ組立時に第4成形保持型53が第2成形保持型51Uの組立移動距離よりも長い距離に亘って移動せしめられることによって切断される強度の連結部分16を形成する形状とされている。
【0088】
また、第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第2実施形態では、上方ブッシュ11Uおよびロッド13が成形されたとき、これら上方ブッシュ11Uとロッド13とが連結部分16によって連結されている。このため、レジスタ組立時において上方ブッシュ11Uおよびロッド13が露出せしめられたときに連結部分が第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53に保持されることから、上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定の位置からずれたりすることが抑制されるし、ロッド13が第4成形保持型53から抜け出たり或いはロッド13の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。したがって、第2実施形態によれば、上方ブッシュ11Uおよびロッド13がブレード12により確実に所期通りに連結されるという効果が得られる。
【0089】
また、第2実施形態によれば、以下の効果も得られる。すなわち、第2実施形態では、ブレード12に上方ブッシュ11Uおよびロッド13が連結されるときに連結部分が切断される。ここで、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が弱かったりロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が弱かったりすると、連結部分が切断されるときに上方ブッシュ11Uおよびロッド13にかかる力によって上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定の位置からずれたりロッド13が第4成形保持型53から抜け出たり或いはロッド13の位置が所定の位置からずれたりする可能性がある。しかしながら、第2実施形態では、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ包囲壁面51USを有すると共に第4成形保持型53がロッド包囲壁面53Sを有することから、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力およびロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が大きい。このため、連結部材が切断されるときに上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定の位置からずれたりすることが抑制されると共にロッド13が第4成形保持型53から抜け出たり或いはロッド13の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。したがって、第2実施形態によれば、上方ブッシュ11Uおよびロッド13がブレード12に連結されるときに連結部分が切断されるとしても、ブレード12に上方ブッシュ11Uおよびロッド13が所期通りに連結されるという効果がえられる。
【0090】
なお、第2実施形態では、ブレード12に対する上方ブッシュ11Uの連結位置とブレード12に対するロッド13の連結位置とを考慮したときに、第2成形保持型51Uの組立移動距離と第4成形保持型53の組立移動距離とが互いに異なる位置に上方ブッシュ11Uおよびロッド13を成形する位置を設定することによって、上方ブッシュ11Uおよびロッド13をブレード12に連結するために第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53を移動させている間に連結部分16が切断されるようにしている。しかしながら、このように上方ブッシュ11Uおよびロッド13を成形する位置を設定するといった手段以外の手段によって、上方ブッシュ11Uおよびロッド13をブレード12に連結するために第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53を移動させている間に連結部分16が切断されるようにしてもよい。
【0091】
こうした手段として、例えば、ブレード12に上方ブッシュ11Uを連結するために第1成形保持型52Hに対して第2成形保持型51Uを移動させる速度とブレード12にロッド13を連結するために第1成形保持型52Hに対して第4成形保持型53を移動させる速度とを異なる速度に設定するといった手段が採用されてもよいし、ブレード12に上方ブッシュ11Uを連結するために第1成形保持型52Hに対する第2成形保持型51Uの移動を開始するタイミングとブレード12にロッド13を連結するために第1成形保持型52Hに対する第4成形保持型53の移動を開始するタイミングとを互いに異なるタイミングに設定するといった手段が採用されてもよい。
【0092】
したがって、第2実施形態は、広くは、ブレード12に上方ブッシュ11Uおよびロッド13が連結されるときに連結部分16が切断されるものであると言える。
【0093】
なお、本発明の実施形態のレジスタ製造装置では、各成形品(すなわち、上方ブッシュ11U、下方ブッシュ11L、ブレード12、および、ロッド13)がそれぞれ独立して成形される。したがって、これら成形品を構成する材料として、互いに異なる材料(例えば、弾性が異なる材料や色彩が異なる材料)を採用することができる。
【符号の説明】
【0094】
10…風向調整レジスタ、11U…上方ブッシュ、11SS…上方ブッシュ外周壁面、11L…下方ブッシュ、11LS…下方ブッシュ外周壁面、12…ブレード、13…ロッド、13S…ロッド外周壁面、16…連結部分、50…レジスタ製造装置、51U…第2成形保持型、51UR…上方ブッシュ成形凹部、51US…上方ブッシュ包囲壁面、51L…第3成形保持型、51LR…下方ブッシュ成形凹部、51LS…下方ブッシュ包囲壁面、52S…固定成形型、52M…可動成形型、52H…第1成形保持型、52E…排出ピン、53…第4成形保持型、53R…ロッド成形凹部、53S…ロッド包囲壁面、74…第4樹脂通路、74A、74B…部分樹脂通路
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品組立体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、複数の成形品を独立して成形した後にこれら成形品を互いに連結することによって複数の成形品からなる組立体(以下この組立体を「成形品組立体」という)を製造する成形品組立体製造装置が開示されている。より具体的には、特許文献1において最終的に製造される成形品組立体は風向調節用レジスタであり、このレジスタを構成する複数の成形品は5枚の調整羽根と2つの枠部材と1本の連結部材とである。そして、特許文献1に記載の成形品組立体製造装置では、調整羽根と枠部材と連結部材とが独立して成形され、その後、各枠部材の嵌合孔を各調整羽根の対応する支持軸に嵌合することによって枠部材が調整羽根に連結されると共に連結部材の嵌合孔を各調整羽根の対応する連結軸に嵌合することによって連結部材が調整羽根に連結され、これによって、風向調節用レジスタが製造される。
【0003】
ところで、特許文献1に記載の成形品組立体製造装置では、各成形品(すなわち、調整羽根、枠部材、および、連結部材)は、複数の成形型が組み合わされることによってこれら成形型間に画成される成形空間内において成形される。そして、各成形品が独立して成形された後、これら成形品を互いに連結することができるように、これら成形品の成形に使用された成形型を互いに離れるように移動させることによってこれら成形品の連結箇所(すなわち、調整羽根の支持軸および連結軸、枠部材の嵌合孔、ならびに、連結部材の嵌合孔)が互いに対して露出せしめられる。そして、これら成形品同士が近づくようにこれら成形品が移動せしめられて互いに連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−118427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したように、特許文献1に記載の成形品組立体製造装置において、成形型を互いに離れるように移動させることによって成形品の連結箇所が互いに対して露出せしめられたとき、成形品は、それぞれの成形に使用された成形型に保持された状態で互いに対して露出している。そして、このとき、成形品が対応する成形型に所定の姿勢でもって保持されていることがその後に成形品を互いに連結するためには必要である。言い換えれば、成形品が互いに対して露出されてから成形品が互いに連結されるまでの間に、成形品の姿勢が所定の姿勢からずれてしまうと、成形品を互いに連結することができないか或いは少なくとも成形品を良好な形では互いに連結することができない。
【0006】
したがって、成形品を良好な形でもって互いに連結するためには、成形品が互いに対して露出されてから成形品が互いに連結されるまでの間、成形品の姿勢が所定の姿勢に維持されていることが極めて重要である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、複数の成形品を独立して成形した後にこれら成形品を互いに連結することによって成形品組立体を製造する成形品組立体製造装置において、成形品が互いに対して露出されてから成形品が互いに連結されるまでの間、成形品の姿勢を所定の姿勢に確実に維持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の1番目の発明は、少なくとも2つの成形型を第1成形型および第2成形型として具備し、前記第1成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第1成形品として成形すると共に前記第2成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第2成形品として成形し、その後、前記第1成形型に前記第1成形品を保持させた状態で前記第1成形品の一部を露出させると共に前記第2成形型に前記第2成形品を保持させた状態で前記第2成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させて前記第1成形品に前記第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置に関する。
【0009】
そして、本発明では、前記第1成形品の一部を露出させたときに該第1成形品を前記第1成形型から抜き出すことが可能な方向を第1抜出可能方向と称し、該第1抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第1成形品の壁面を第1成形品外周壁面と称したとき、前記第1成形品の成形時に該第1成形品の外形を規定する壁面として前記第1成形型が第1抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第1成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面として有し、或いは、前記第2成形品の一部を露出させたときに該第2成形品を前記第2成形型から抜き出すことが可能な方向を第2抜出可能方向と称し、該第2抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第2成形品の壁面を第2成形品外周壁面と称したとき、前記第2成形品の成形時に該第2成形品の外形を規定する壁面として前記第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第2成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁として有する。
【0010】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第1成形品に第2成形品が連結される前に第1成形品が第1成形型に保持され且つ第2成形品が第2成形型に保持された状態でもって第1成形品の一部および第2成形品の一部が露出せしめられる。
【0011】
ここで、第1成形品に対する第1成形型の保持力が比較的弱い場合、第1成形品の一部が露出せしめられたときに第1成形品が第1抜出可能方向に第1成形型から抜け出たり或いは第1成形型に対する第1成形品の位置が第1抜出可能方向に所定位置からずれたりしてしまう可能性がある。そして、このように第1成形品が第1成形型から抜け出たり或いは第1成形品の位置が所定位置からずれたりしてしまった場合、第1成形品に第2成形品が所期通りに連結されないことになる。しかしながら、本発明では、第1成形型が第1成形品外周壁面を第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面として有する。このため、本発明において第1抜出可能方向における第1成形品に対する第1成形型の保持力は、例えば、第1成形型が第1成形品外周壁面の一部のみを包囲する壁面しか有していない場合の同保持力よりも大きい。このため、第1成形品が第1成形型から抜け出たり或いは第1成形品の位置が所定位置からずれたりすることが抑制される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0012】
また、第2成形品に対する第2成形型の保持力が比較的弱い場合、第2成形品の一部が露出せしめられたときに第2成形品が第2抜出可能方向に第2成形型から抜け出たり或いは第2成形型に対する第2成形品の位置が第2抜出可能方向に所定位置からずれたりしてしまう可能性がある。そして、このように第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第1成形品の位置が所定位置からずれたりしてしまった場合、第1成形品に第2成形品が所期通りに連結されないことになる。しかしながら、本発明では、第2成形型が第2成形品外周壁面を第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁面として有する。このため、本発明において第2抜出可能方向における第2成形品に対する第2成形型の保持力は、例えば、第2成形型が第2成形品外周壁面の一部のみを包囲する壁面しか有していない場合の同保持力よりも大きい。このため、第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定位置からずれたりすることが抑制される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0013】
本願の2番目の発明では、上記1番目の発明において、前記第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第1成形型が前記第1成形品包囲壁面を有し、前記第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第2成形型が前記第2成形品包囲壁面を有する。
【0014】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第1成形品の一部が露出せしめられたときに第1成形品が第1抜出可能方向に抜け出たり或いは第1成形型に対する第1成形品の位置が第1抜出可能方向に所定位置からずれたりしやすい。しかしながら、本発明では、第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第1成形型が第1成形品包囲壁面を有する。このため、本発明において鉛直方向(すなわち、第1抜出可能方向)における第1成形品に対する第1成形型の保持力が大きい。このため、第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合であっても、1番目の発明に関連して説明した理由と同じ理由から、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0015】
また、第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第2成形品の一部が露出せしめられたときに第2成形品が第2抜出可能方向に抜け出たり或いは第2成形型に対する第2成形品の位置が第2抜出可能方向に所定位置からずれたりしやすい。しかしながら、本発明では、第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合、第2成形型が第2成形品包囲壁面を有する。このため、本発明において鉛直方向(すなわち、第2抜出可能方向)における第2成形品に対する第2成形型の保持力が大きい。このため、第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合であっても、1番目の発明に関連して説明した理由と同じ理由から、本発明によれば、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0016】
本願の3番目の発明は、少なくとも1つの成形品を第3成形型としてさらに具備する上記1または2番目の発明の成形品組立体製造装置であって、該第3成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第3成形品として成形し、その後、前記第3成形型に前記第3成形品を保持させた状態で前記第3成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形品が露出された状態にあるときに、前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させて前記第1成形品に前記第3成形品を連結させる成形品組立体製造装置に関する。
【0017】
そして、本発明では、前記第1成形品に前記第2成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる方向を第2成形型移動方向と称し、前記第1成形品に前記第3成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる方向を第3成形型移動方向と称したとき、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向である。
【0018】
そして、本発明では、前記第2成形型移動方向および前記第3成形型移動方向において前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに重なり合わない状態でもってこれら第2成形品および第3成形品が前記第1成形品に連結される。
【0019】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第1成形品に第2成形品および第3成形品を連結するために第2成形型および第3成形型を移動させる場合において、第1成形品に第2成形品および第3成形品を効率良く連結させるという観点では、第2成形型および第3成形型の移動距離が少なく且つこれら成形型の移動方向の変更回数が少ないことが好ましい。ここで、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向であれば、第2成形型および第3成形型の移動距離が少なく且つこれら成形型の移動方向の変更回数が零であることから、第1成形品に第2成形品および第3成形品を効率良く連結することができる。しかしながら、この場合、第2成形型移動方向および第3成形型移動方向において第2成形品と第3成形品とに互いに重なり合う部分がある場合、第2成形型と第3成形型とを同じ方向(すなわち、第2成形型移動方向および第3成形型移動方向)に移動させたのでは、第1成形品に第2成形品および第3成形品を連結することができない。ここで、本発明では、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向であって、且つ、第2成形型移動方向および第3成形型移動方向において第2成形品と第3成形品とが互いに重なり合わない状態でもって第2成形品および第3成形品が第1成形品に連結される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品および第3成形品を効率良く連結することができるという効果が得られる。
【0020】
本願の4番目の発明は、前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに隣接した位置において略同時に成形され、前記第2成形品の成形時に該第2成形品を成形するための空間が第2成形品成形空間として形成されていると共に前記第3成形品の成形時に該第3成形品を成形するための空間が第3成形品成形空間として形成される上記3番目の発明の成形品組立体製造装置に関する。
【0021】
そして、本発明では、前記第2成形品の成形と前記第3成形品の成形とが行われるときに前記第2成形品成形空間と前記第3成形品成形空間とが通路によって接続され、前記第2成形品を成形するために前記第2成形品成形空間に流入した材料が前記通路を介して前記第3成形品成形空間に流入し、該通路を介して前記第3成形品成形空間に流入した材料によって前記第3成形品が成形される。
【0022】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第2成形品成形空間と第3成形品成形空間とが通路によって接続され、この通路を介して樹脂が第2成形品成形空間から第3成形品成形空間に流入する。ここで、第2成形品と第3成形品とは互いに隣接した位置において成形される。すなわち、第2成形品および第3成形品の成形時、第2成形品成形空間と第3成形品成形空間とは互いに隣接した位置に位置する。このように互いに隣接する成形空間を直接的に接続する通路によって成形空間に樹脂を流入させるように成形空間に樹脂を流入させる通路を構成することによって、成形空間に樹脂を流入させる通路の構成を簡略化することができるという効果が得られる。
【0023】
本願の5番目の発明では、上記4番目の発明において、前記第2成形品および前記第3成形品が成形されたとき、これら第2成形品と第3成形品とが前記通路内に残留した材料によって形成される材料部分によって連結される。そして、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される。
【0024】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第2成形品および第3成形品が成形されたとき、これら第2成形品と第3成形品とが材料部分によって連結されている。この場合、第2成形品の一部が露出せしめられたときに材料部分が第2形成型に保持されることから、第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。したがって、本発明によれば、第1成形品に第2成形品をより確実に所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0025】
また、本願の6番目の発明では、上記5番目の発明において、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる距離と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる距離とが互いに異なるように前記第2成形品を成形する位置および前記第3成形品を成形する位置が設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる速度と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる速度とが異なる速度に設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第2成形型の移動を開始するタイミングと前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第3成形型の移動を開始するタイミングとが互いに異なるタイミングに設定されていることによって、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される。
【0026】
本発明によれば、以下の効果が得られる。すなわち、本発明では、第1成形品に第2成形品および第3成形品が連結されるときに材料部分が切断される。ここで、第2成形品に対する第2成形型の保持力が弱いと、材料部分が切断されるときに第2成形品にかかる力によって第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定の位置からずれたりする可能性がある。しかしながら、本発明では、第2成形型が第2成形品包囲壁面を有することから、第2成形品に対する第2成形型の保持力が大きい。このため、材料部分が切断されるときに第2成形品が第2成形型から抜け出たり或いは第2成形品の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。すなわち、本発明によれば、第1成形品に第2成形品および第3成形品が連結されるときに材料部分が切断されるとしても、第1成形品に第2成形品を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態のレジスタ製造装置によって作製される風向調節レジスタを示した図であり、(A)は風向調節レジスタの正面図であり、(B)は風向調節レジスタの背面図である。
【図2】図1に示した風向調節レジスタを示した図であり、(A)は風向調節レジスタの上面図(図1(A)の参照符号2Aから見た図)であり、(B)は風向調節レジスタの底面図(図1(B)の参照符号2Bから見た図)である。
【図3】図1に示した風向調節レジスタを示した図であり、(A)は風向調節レジスタの左側面図(図1(A)の参照符号3Aから見た図)であり、(B)風向調節レジスタの右側面図(図1(A)の参照符号3Bから見た図)である。
【図4】図1に示した風向調節レジスタを作製するための第1実施形態のレジスタ製造装置の縦断面図である。
【図5】図4と同様の図であるが、風向調節レジスタの成形段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図6】図4と同様の図であるが、風向調節レジスタの組立段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図7】図4と同様の図であるが、図6に示した風向調節レジスタの組立段階よりも進んだ段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図8】図4と同様の図であるが、図7に示した風向調節レジスタの組立段階よりも進んだ段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図9】図4と同様の図であるが、風向調節レジスタの排出段階にあるレジスタ製造装置を示した図である。
【図10】(A)は第1実施形態のレジスタ製造装置によって成形される上方ブッシュの拡大図であり、(B)は同レジスタ製造装置の第2成形保持型の部分拡大図である。
【図11】図10(B)と同様の図であって、第1実施形態の上方ブッシュ包囲壁面の他の例を示した図である。
【図12】(A)は第1実施形態のレジスタ製造装置によって成形されるロッドの拡大図であり、(B)は同レジスタ製造装置の第4成形保持型の部分拡大図である。
【図13】(A)は第1実施形態のレジスタ製造装置によって成形される下方ブッシュの拡大図であり、(B)は同レジスタ製造装置の第3成形保持型の部分拡大図である。
【図14】(A)は第2実施形態のレジスタ製造装置の可動保持型、第2成形保持型、および、第4成形保持型の部分拡大図であり、(B)は第2実施形態のレジスタ製造装置によって成形される上方ブッシュおよびロッドを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明のレジスタ製造装置の実施形態について説明する。図1〜図3に本発明の第1実施形態のレジスタ製造装置によって作製される風向調整レジスタ(すなわち、成形品組立体)10が示されている。風向調整レジスタ(以下単に「レジスタ」という)10は、プレート状の枠部材として使用される2枚のブッシュ11U、11Lと同じくプレート状の6枚のブレード12と棒状の1本のロッド13とから構成される。6枚のブレード12は、2枚のブッシュ11U、11L間に配置されている。なお、以下の説明において、図1においてブレード12の上方に配置されているブッシュ11Uを「上方ブッシュ」と称し、図1においてブレード12の下方に配置されているブッシュ11Lを「下方ブッシュ」と称する。
【0029】
各ブレード12の上端面(すなわち、図1において上方を向いたブレードの端面であって、以下この端面を「ブレード上端面」ともいう)12Uには、上方ブッシュ11Uの対応する嵌合孔(以下この嵌合孔を「上方ブッシュ嵌合孔」ともいう)に嵌合される1つの連結軸(以下この連結軸を「上方連結軸」ともいう)14Uが形成されている。この上方連結軸14Uは、ブレード上端面12Uから同ブレード上端面に対して垂直に延びる。
【0030】
また、各ブレード12の下端面(すなわち、図1において下方を向いたブレードの端面であって、以下この端面を「ブレード下端面」ともいう)12Lには、下方ブレード11Lの対応する嵌合孔(以下この嵌合孔を「下方ブッシュ嵌合孔」ともいう)に嵌合される1つの連結軸(以下この連結軸を「下方連結軸」ともいう)14Lが形成されている。この下方連結軸14Lは、ブレード下端面12Lから同ブレード下端面に対して垂直に延びる。
【0031】
また、各ブレード12の後端面(すなわち、図2(A)において上方を向いたブレードの端面であって、以下この端面を「ブレード後端面」という)12R近傍の当該ブレードの側壁面から同側壁面に対して垂直に延びるアーム15には、ロッド13の対応する嵌合孔(以下この嵌合孔を「ロッド嵌合孔」ともいう)に嵌合される1つの連結軸(以下この連結軸を「後方連結軸」ともいう)14Rが形成されている。この後方連結軸14Rは、アーム15から同アームに対して垂直に延びる。
【0032】
上方連結軸14Uが上方ブッシュ嵌合孔に嵌合せしめられることによって各ブレード12が上方ブッシュ11Uに取り付けられると共に、下方連結軸14Lが下方ブッシュ嵌合孔に嵌合せしめられることによって各ブレード12が下方ブッシュ11Lに取り付けられる。なお、各ブレード12がブッシュ11U、11Lに取り付けられている場合、各ブレード12は、ブッシュ嵌合孔に嵌合している連結軸14U、14Lの軸線を中心としてブッシュ11U、11Lに対して枢動可能である。
【0033】
また、後方連結軸14Rがロッド嵌合孔に嵌合せしめられることによって各ブレード12がロッド13に取り付けられる。なお、各ブレード12がロッド13に取り付けられている場合、各ブレード12は、ロッド嵌合孔に嵌合している後方連結軸14Rの軸線を中心としてロッド13に対して枢動可能である。
【0034】
図4に第1実施形態のレジスタ製造装置50が示されている。第1実施形態のレジスタ製造装置は、参照符号52Sで示されている型を具備する。この型52Sは、ブレード成形空間(すなわち、上述したレジスタ10のブレード12を成形するための空間)62を画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時(すなわち、ブッシュ11U、11Lとロッド13とをブレード12に取り付ける時)に移動せしめられずに固定されている。以下、この型52Sを「固定成形型」と称する。
【0035】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号52Mで示されている型をさらに具備する。この型52Mは、上方ブッシュ成形空間(すなわち、上述したレジスタ10の上方ブッシュ11Uを成形するための空間)61Uを画成する壁面の一部と、下方ブッシュ成形空間(すなわち、レジスタ10の下方ブッシュ11Lを成形するための空間)61Lを画成する壁面の一部と、ブレード成形空間62を画成する壁面の一部と、ロッド成形空間(すなわち、レジスタ10のロッド13を成形するための空間)63を画成する壁面の一部とを構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられる。以下、この型52Mを「可動成形型」と称する。
【0036】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号52Hで示されている型をさらに具備する。この型52Hは、ブレード成形空間62を画成する壁面の一部を構成する壁面(以下この壁面を「ブレード成形壁面」ともいう)を備え、レジスタ組立時に移動せしめられ且つ成形されたブレード12を保持する。以下、この型52Hを「第1成形保持型」と称する。なお、第1成形保持型52Hは、成形されたブレード12を互いに対向するブレード成形壁面によって挟持することによって同ブレード12を当該第1成形保持型52Hに保持する。
【0037】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号51Uで示されている型をさらに具備する。この型51Uは、上方ブッシュ成形空間61Uを画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられると共に成形された上方ブッシュ11Uを保持する。以下、この型51Uを「第2成形保持型」と称する。
【0038】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号51Lで示されている型をさらに具備する。この型51Lは、下方ブッシュ成形空間61Lを画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられると共に成形された下方ブッシュ11Lを保持する。以下、この型51Lを「第3成形保持型」と称する。
【0039】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号53で示されている型をさらに具備する。この型53は、ロッド成形空間63を画成する壁面の一部を構成する壁面を備え、レジスタ組立時に移動せしめられると共に成形されたロッド13を保持する。以下、この型53を「第4成形保持型」と称する。
【0040】
また、レジスタ製造装置50は、参照符号52Eで示されているピンをさらに具備する。このピン52Eは、ブレード成形空間を画成する壁面の一部を構成する壁面(以下この壁面を「ブレード成形壁面」ともいう)を該ピン52Eの先端52Tに備え、レジスタ排出時(すなわち、レジスタ10をレジスタ製造装置50から排出する時)にレジスタ10をレジスタ製造装置50から排出する。以下、このピン52Eを「排出ピン」と称する。なお、排出ピン52Eの先端52Tの反対側の端部52Bは、可動プレート52Pに連結されている。また、可動プレート52Pは、筐体55内に形成された空間55S内に収容されている。そして、筐体55は、レジスタ組立時に移動せしめられる。また、可動プレート52Pは、レジスタ組立時およびレジスタ排出時に移動せしめられる。
【0041】
ところで、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mと排出ピン52Eとがブレード12を成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「ブレード成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型52H、52Mと排出ピン52Eとの間に、ブレード成形空間62が形成される。
【0042】
また、第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ11Uを成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「上方ブッシュ成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型51U、52Mの間に、上方ブッシュ成形空間61Uが形成される。
【0043】
また、第3成形保持型51Lと可動成形型52Mとが下方ブッシュ11Lを成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「下方ブッシュ成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型11L、52Mの間に、下方ブッシュ成形空間61Lが形成される。
【0044】
また、第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド13を成形することができる位置(すなわち、図4に示されている位置であって、以下この位置を「ロッド成形位置」という)に位置決めされているとき、これら型53、52Mの間に、ロッド成形空間63が形成される。
【0045】
ところで、固定成形型52Sには、樹脂注入孔70と樹脂通路(以下この通路を「第1樹脂通路」という)71とが設けられている。樹脂注入孔70は、ブッシュ11U、11L、ブレード12、および、ロッド13を成形するための材料である樹脂が注入される孔である。また、第1樹脂通路71は、樹脂注入孔70に接続されており、樹脂注入孔70に注入された樹脂が第1樹脂通路71に流入するようになっている。そして、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mと排出ピン52Eとがブレード成形位置に位置決めされているとき、第1樹脂通路71は、ブレード成形空間62に連通し、樹脂注入孔70に注入された樹脂が第1樹脂通路71を介してブレード成形空間62に供給されるようになっている。
【0046】
また、第2成形保持型51Uにも、樹脂通路(図示せず)(以下この通路を「第2樹脂通路」という)が設けられている。第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ成形位置に位置決めされているとき、第2樹脂通路は、第1樹脂通路71と上方ブッシュ成形空間61Uとに連通し、第1樹脂通路71内を流れる樹脂が第2樹脂通路に流入すると共に第2樹脂通路に流入した樹脂が当該第2樹脂通路を介して上方ブッシュ成形空間61Uに供給されるようになっている。
【0047】
また、第3成形保持型51Lにも、樹脂通路(図示せず)(以下この通路を「第3樹脂通路」という)が設けられている。第3成形保持型51Lと可動成形型52Mとが下方ブッシュ成形位置に位置決めされているとき、第3樹脂通路は、第1樹脂通路71と下方ブッシュ成形空間61Lとに連通し、第1樹脂通路71内を流れる樹脂が第3樹脂通路に流入すると共に第3樹脂通路に流入した樹脂が当該第3樹脂通路を介して下方ブッシュ成形空間61Lに供給されるようになっている。
【0048】
また、第4成形保持型53にも、樹脂通路(図示せず)(以下この通路を「第4樹脂通路」という)が設けられている。第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド成形位置に位置決めされているとき、第4樹脂通路は、第2樹脂通路とロッド成形空間63とに連通し、第2樹脂通路内を流れる樹脂が第4樹脂通路に流入すると共に第4樹脂通路に流入した樹脂が当該第4樹脂通路を介してロッド成形空間63に供給されるようになっている。
【0049】
上述したレジスタ製造装置50において、ブッシュ11U、11L、ブレード12、および、ロッド13が以下のように成形される。すなわち、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mと排出ピン52Eとがブレード成形位置に位置決めされ、且つ、第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ成形位置に位置決めされ、第3成形保持型51Lと可動成形型52Mとが下方ブッシュ成形位置に位置決めされ、且つ、第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド成形位置に位置決めされているときに、樹脂注入孔70に樹脂が注入されると、図5に示されているように、第1樹脂通路71を介してブレード成形空間62に樹脂が供給されることによって所期の形状のブレード12が成形され、第1樹脂通路71および第2樹脂通路を介して上方ブッシュ成形空間61Uに樹脂が供給されることによって所期の形状の上方ブッシュ11Uが成形され、第1樹脂通路71および第3樹脂通路を介して下方ブッシュ成形空間61Lに樹脂が供給されることによって所期の形状の下方ブッシュ11Lが成形され、第1樹脂通路71、第2樹脂通路、および、第4樹脂通路を介してロッド成形空間63に樹脂が供給されることによって所期の形状のロッド13が成形される。
【0050】
上述したように成形されたブッシュ11U、11L、ブレード12、および、ロッド13は、それぞれ独立して成形される。そして、これら独立して成形されたブッシュ、ブレード、および、ロッドは、レジスタ製造装置50内において以下のように組み立てられる。
【0051】
すなわち、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mとが図4で見て左方向に固定成形型52Sから離れるように所定の位置まで移動せしめられる。これによって、第1成形保持型52Hと可動成形型52Mとが図6に示されている位置に位置決めされる。このとき、各ブレード12は第1成形保持型52Hに保持されている。すなわち、各ブレード12は第1成形保持型52Hと共に移動せしめられる。また、このとき、可動成形型52Mの移動量は、第1成形保持型52Hの移動量よりも大きい。したがって、第1成形保持型52Hおよび可動成形型52Mが所定位置まで移動せしめられたとき、各ブレード12は、第1成形保持型52Hに保持されている部分を除いて、図6で見て上下方向において露出している。また、第1成形保持型52Hが所定位置まで移動せしめられたとき、各ブレード12の連結軸14U、14L、14Rは、図6で見て上下方向において対応するブッシュ嵌合孔およびロッド嵌合孔に整列している。
【0052】
なお、可動成形型52Mが上記所定位置まで移動せしめられたとき、上方ブッシュ11Uはその一部(具体的には、図6で見て下方を向いた壁面)が露出した状態で第2成形保持型51Uに保持されており、下方ブッシュ11Lはその一部(具体的には、図6で見て上方を向いた壁面)が露出した状態で第2成形保持型51Lに保持されており、ロッド13はその一部(具体的には、図6で見て下方を向いた壁面)が露出した状態で第4成形保持型53に保持されている。
【0053】
第1成形保持型52Hと可動成形型52Mが上記所定位置まで移動せしめられた後、第2成形保持型51Uが図6で見て下方に第1成形保持型52Hに保持されているブレード12に向かって移動せしめられる。そして、この移動は、第2成形保持型51Uに保持されている上方ブッシュ11Uの各嵌合孔が各ブレード12の対応する上方連結軸14Uに嵌合したときに終了せしめられる。これによって、第2成形保持型51Uが図7に示されている位置に位置決めされる。また、第3成形保持型51Lが図6で見て上方に第1成形保持型52Hに保持されているブレード12に向かって移動せしめられる。そして、この移動は、第2成形保持型51Lに保持されている下方ブッシュ11Lの各嵌合孔が各ブレード12の対応する下方連結軸14Lに嵌合したときに終了せしめられる。これによって、第3成形保持型51Lが図7に示されている位置に位置決めされる。また、第4成形保持型53が図6で見て下方に第1成形保持型52Hに保持されているブレード12に向かって移動せしめられる。そして、この移動は、第4成形保持型53に保持されているロッド13の各嵌合孔が各ブレード12の対応する後方連結軸14Rに嵌合したときに終了せしめられる。これによって、第4成形保持型53が図7に示されている位置に位置決めされる。斯くして、図1に示されているレジスタ10が組み立てられる。
【0054】
なお、上方ブッシュ嵌合孔がブレード12の対応する上方連結軸14Uに嵌合せしめられた後、第2成形保持型51Uは図7で見て上方に移動せしめられ、下方ブッシュ嵌合孔がブレード12の対応する下方連結軸14Lに嵌合せしめられた後、第3成形保持型51Lは図7で見て下方に移動せしめられ、ロッド嵌合孔がブレード12の対応する後方連結軸14Rに嵌合せしめられた後、第4成形保持型53は図7で見て上方に移動せしめられる。これによって、第2成形保持型51U、第3成形保持型51L、および、第4成形保持型53が図8に示されている位置に位置決めされる。斯くして、レジスタ10の組立が完了される。
【0055】
上述したように組み立てられたレジスタ10は、各ブレード12が第1成形保持型52Hに保持されていることによってレジスタ製造装置50内に保持されている。そして、この組み立てられたレジスタ10は、以下のようにレジスタ製造装置50から排出される。
【0056】
すなわち、排出ピン52Eが図7で見て右方向(以下この方向を「レジスタ排出方向」という)に移動せしめられる。これにより、排出ピン52Eの先端がブレード後端面12Rをレジスタ排出方向に押すことになる。そして、排出ピン52Eの移動は、図9に示されているように、第1成形保持型52Hに保持されている各ブレード12の部分が第1成形保持型52Hから完全に抜け出るまで継続される。そして、第1成形保持型52Hに保持されている各ブレード12の部分が第1成形保持型52Hから完全に抜け出ると、上述したように組み立てられたレジスタ10は、排出ピン52Eの先端から外れてレジスタ製造装置50から排出される。
【0057】
ところで、第1実施形態のレジスタ製造装置50では、レジスタ組立時、図6で見て下方を向いた上方ブッシュ11Uの壁面(以下この壁面を「上方ブッシュ下壁面」という)が露出せしめられる。そして、このとき、上方ブッシュ11Uが鉛直方向下方へ第2成形保持型51Uから抜き出されることが可能である。ここで、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が比較的小さいと、第2成形保持型51Uから上方ブッシュ11Uが抜け出てしまう可能性がある。そして、第2成形保持型51Uから上方ブッシュ11Uが抜け出てしまった場合、第2成形保持型51Uが図7に示されている位置(以下この位置を「上方ブッシュ組立位置」という)まで移動されたとしても、当然のことながら、上方ブッシュ51Uをブレード12に連結させることができないし、第2成形保持型51Uから上方ブッシュ11Uが抜け出てしまわないとしても第2成形保持型51Uに対する上方ブッシュ11Uの位置が初期の位置(すなわち、上方ブッシュ成形時における第2成形保持型51Uに対する上方ブッシュ11Uの位置)からずれてしまった場合、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ組立位置まで移動されたとしても、少なくとも、上方ブッシュ11Uをブレード12に良好に連結させることはできない。
【0058】
ところが、第1実施形態では、以下の理由から、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が大きく、その結果、レジスタ組立時、上方ブッシュ下壁面が露出せしめられているとしても上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出ることが抑制される。
【0059】
すなわち、図10(A)に詳細に示されているように、上方ブッシュ11Uは、上方ブッシュ下壁面11ULが露出せしめられているときに該上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出ることが可能な方向(すなわち、図10(B)に参照符号D11Uで示されている方向であって、以下この方向を「上方ブッシュ抜出可能方向」という)に対して平行に延在する壁面であって上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して垂直な方向に一周するように延在する壁面(以下この壁面を「上方ブッシュ外周壁面」という)11USを有する。
【0060】
また、図10(B)に詳細に示されているように、第2成形保持型51Uは、上方ブッシュ成形時に上方ブッシュ成形空間61Uを構成する凹部(以下この凹部を「上方ブッシュ成形凹部」という)51URを備える。そして、上方ブッシュ成形凹部51URは、上方ブッシュ成形時に上方ブッシュ11Uの外形を規定する壁面として、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して垂直な方向に上方ブッシュ外周壁面11USを一周するように延在する壁面(以下この壁面を「上方ブッシュ包囲壁面」という)51USを有する。
【0061】
第2成形保持型51Uがこうした構成の上方ブッシュ包囲壁面51USを有することによって、以下の効果が得られる。すなわち、上述したように、第1実施形態では、ブレード12に上方ブッシュ11Uが連結される前に上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51U(より詳細には、上方ブッシュ成形凹部51UR)に保持された状態でもって上方ブッシュ下壁面11ULが露出せしめられる。
【0062】
ここで、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が比較的弱い場合、上方ブッシュ下壁面11ULが露出せしめられたときに上方ブッシュ11Uが上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは第2成形保持型51Uに対する上方ブッシュ11Uの位置が上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに所定位置からずれたりしてしまう可能性がある。そして、このように上方ブッシュ11Uが抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定位置からずれたりした場合、ブレード12に上方ブッシュ11Uが所期通りに連結されないことになる。しかしながら、第1実施形態では、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ包囲壁面51USを有する。このため、上方ブッシュ抜出可能方向における上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力は、例えば、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ外周壁面11USの一部のみを包囲する壁面しか有していない場合の同保持力よりも大きい。このため、上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定位置からずれたりすることが抑制される。したがって、第1実施形態によれば、ブレード12に上方ブッシュ11Uを所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0063】
なお、第1実施形態の上方ブッシュ包囲壁面51USは、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して平行に延在する4つの平坦な壁面によって構成されているが、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力を十分に確保することができ且つ上方ブッシュ11Uに要求される形状として許容される形状である限りにおいて、こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されていてもよい。こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面としては、例えば、図11(A)に示されているように、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに向かって上方ブッシュ成形凹部51URの中央軸線から離れるように同中央軸線に対して角度のついた4つの平坦な壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面51US、図11(B)に示されているように、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに向かって上方ブッシュ成形凹部51URの中央軸線から離れるように上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに対して平行に延在する2つの壁面によって構成される4つのステップ状壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面51US、および、図11(c)に示されているように、上方ブッシュ抜出可能方向D11Uに向かって上方ブッシュ成形凹部51URの中央軸線から離れるように湾曲した4つの湾曲壁面によって構成される上方ブッシュ包囲壁面51USが挙げられる。
【0064】
同様に、第1実施形態のレジスタ製造装置50では、レジスタ組立時、図6で見て下方を向いたロッドの壁面(以下この壁面を「ロッド下壁面」という)が露出せしめられる。そして、このとき、ロッド13が鉛直方向下方へ第4成形保持型53から抜き出されることが可能である。ここで、ロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が比較的小さいと、第4成形保持型53からロッド13が抜け出てしまう可能性がある。そして、第4成形保持型53からロッド13が抜け出てしまった場合、第4成形保持型53が図7に示されている位置(以下この位置を「ロッド組立位置」という)まで移動されたとしても、当然のことながら、ロッド13をブレード12に連結させることができないし、第4成形保持型53からロッド13が抜け出てしまわないとしても第4成形保持型53に対するロッド13の位置が初期の位置(すなわち、ロッド成形時における第4成形保持型53に対するロッド13の位置)からずれてしまった場合、第4成形保持型53がロッド組立位置まで移動されたとしても、少なくとも、ロッド13をブレード12に良好に連結させることはできない。
【0065】
ところが、第1実施形態では、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力に関連して説明した理由と同様の理由から、ロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が大きく、その結果、レジスタ組立時、ロッド下壁面が露出せしめられているとしてもロッド13が第4成形保持型53から抜け出ることが抑制される。
【0066】
すなわち、図12(A)に詳細に示されているように、ロッド13は、ロッド下壁面13Lが露出せしめられているときに該ロッド13が第4成形保持型53から抜け出ることが可能な方向(図12(B)に参照符号D13で示されている方向であって、以下この方向を「ロッド抜出可能方向」という)に対して平行に延在する壁面であってロッド抜出可能方向D13に対して垂直な方向に一周するように延在する壁面(以下この壁面を「ロッド外周壁面」という)13Sを有する。
【0067】
また、図12(B)に詳細に示されているように、第4成形保持型53は、ロッド成形時にロッド成形空間63を構成する凹部(以下この凹部を「ロッド成形凹部」という)53Rを備える。そして、ロッド成形凹部53Rは、ロッド成形時にロッド13の外形を規定する壁面として、ロッド抜出可能方向D13に対して垂直な方向にロッド外周壁面13Sを一周するように延在する壁面(以下この壁面を「ロッド包囲壁面」という)53Sを有する。
【0068】
第4成形保持型53がこうした構成のロッド包囲壁面53Sを有することによって、第2成形保持型51Uの上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した理由と同じ理由から、ブレード12にロッド13を所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0069】
なお、第1実施形態のロッド包囲壁面53Sはロッド抜出可能方向D13に対して平行に延在する4つの平坦な壁面によって構成されているが、ロッド13に対する第4成形保持型53の保持力を十分に確保することができ且つロッド13に要求される形状として許容される形状である限りにおいて、こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されてもよい。こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されるロッド包囲壁面としては、例えば、上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した壁面と同様の壁面によって構成されるロッド包囲壁面が挙げられる。
【0070】
なお、第1実施形態のレジスタ装置50では、レジスタ組立時、図6で見て上方を向いた下方ブッシュ11Lの壁面(以下この壁面を「下方ブッシュ上壁面」という)が露出せしめられたとき、下方ブッシュ11Lは鉛直方向上方へ第3成形保持型51Lから抜き出されることが可能であることから、下方ブッシュ上壁面が露出せしめられていたとしても下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出る可能性は低い。しかしながら、特定の事情から、下方ブッシュ上壁面が露出せしめられた状態にあるときに下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出ることを抑制することが要請される場合、第2成形保持型51Uと同様に、第3成形保持型51Lが下方ブッシュ包囲壁面を有していれば、下方ブッシュ上壁面が露出せしめられた状態にあるときに下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出ることが抑制されるという点で好ましい。
【0071】
すなわち、図13(A)に詳細に示されているように、第1実施形態において、下方ブッシュ11Lは、下方ブッシュ上壁面11LUが露出せしめられているときに該下方ブッシュ11Lが第3成形保持型51Lから抜け出ることが可能な方向(図13(B)に参照符号D11Lで示されている方向であって、以下この方向を「下方ブッシュ抜出可能方向」という)に対して平行に延在する壁面であって下方ブッシュ抜出可能方向D11Lに対して垂直な方向に一周するように延在する壁面(以下この壁面を「下方ブッシュ外周壁面」という)11LSを有する。
【0072】
また、図13(B)に詳細に示されているように、第1実施形態において、第3成形保持型51Lは、下方ブッシュ成形時に下方ブッシュ成形空間61Lを構成する凹部(以下この凹部を「下方ブッシュ成形凹部」という)51LRを備える。そして、下方ブッシュ成形凹部51LRは、下方ブッシュ成形時に下方ブッシュ11Lの外形を規定する壁面として、下方ブッシュ抜出可能方向D11Lに対して垂直な方向に下方ブッシュ外周壁面11LSを一周するように延在する壁面(以下この壁面を「下方ブッシュ包囲壁面」という)51LSを有する。
【0073】
第3成形保持型51Lがこうした構成の下方ブッシュ包囲壁面51LSを有することによって、第2成形保持型51Uの上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した理由と同じ理由から、ブレード12に下方ブッシュ11Lを所期通りに連結することができるという効果が得られる。
【0074】
なお、第1実施形態の下方ブッシュ包囲壁面51LSは下方ブッシュ抜出可能方向D11Lに対して平行に延在する4つの平坦な壁面によって構成されているが、下方ブッシュ11Lに対する第3成形保持型51Lの保持力を十分に確保することができ且つ下方ブッシュ11Lに要求される形状として許容される形状である限りにおいて、こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成されてもよい。こうした平坦な壁面以外の壁面によって構成される下方ブッシュ包囲壁面としては、例えば、上方ブッシュ包囲壁面51USに関連して説明した壁面と同様の壁面によって構成される下方ブッシュ包囲壁面が挙げられる。
【0075】
なお、第1実施形態は、少なくとも6つの成形保持型(すなわち、固定成形型、可動成形型、および、第1成形保持型〜第4成形保持型)を具備するレジスタ製造装置に関するものである。しかしながら、少なくとも2つの成形型を具備し、これら2つの成形型を使用して少なくとも2つの成形品を成形し、これら成形品を互いに連結することによって成形品の組立体を製造する成形品組立体製造装置にも、第2成形保持型による上方ブッシュの保持、第3成形保持型による下方ブッシュの保持、および、第4成形保持型によるロッドの保持に関する第1実施形態の考え方を適用することができる。
【0076】
すなわち、少なくとも2つの成形型(例えば、第1実施形態の第1成形保持型〜第4成形保持型のうちの少なくとも2つ)を第1成形型(例えば、第1実施形態の第2成形保持型)および第2成形型(例えば、第1実施形態の第3成形保持型)として具備し、第1成形型を使用して少なくとも1つの成形品(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ)を第1成形品として成形すると共に第2成形型を使用して少なくとも1つの成形品(例えば、第1実施形態のロッド)を第2成形品として成形し、その後、第1成形型に第1成形品を保持された状態で第1成形品の一部を露出させると共に第2成形型に第2成形品を保持させた状態で第2成形品の一部を露出させ、その後、第1成形型に対して第2成形型を移動させて第1成形品に第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置にも、第2成形保持型による上方ブッシュの保持、第3成形保持型による下方ブッシュの保持、および、第4成形保持型によるロッドの保持に関する第1実施形態の考え方を適用することができる。
【0077】
そして、この場合の成形品組立体製造装置では、第1成形品の一部を露出させたときに該第1成形品を第1成形型から抜き出すことが可能な方向を第1抜出可能方向(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ抜出可能方向)と称し、第1抜出可能方向に対して平行に延在し且つ第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する第1成形品の壁面を第1成形品外周壁面(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ外周壁面)と称したとき、第1成形品の成形時に第1成形品の外形を規定する壁面として第1成形型が第1抜出可能方向に対して垂直な方向に第1成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面(例えば、第1実施形態の上方ブッシュ包囲壁面)として有し、或いは、第2成形品の一部を露出させたときに第2成形品を第2成形型から抜き出すことが可能な方向を第2抜出可能方向(例えば、第1実施形態のロッド抜出可能方向)と称し、第2抜出可能方向に対して平行に延在し且つ第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する第2成形品の壁面を第2成形品外周壁面(例えば、第1実施形態のロッド外周壁面)と称したとき、第2成形品の成形時に第2成形品の外形を規定する壁面として第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に第2成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁(例えば、第1実施形態のロッド包囲壁面)として有することになる。
【0078】
ところで、第1実施形態では、レジスタ組立時において第2成形保持型51Uを移動させる方向(以下この方向を「第2成形保持型の移動方向」という)と第4成形保持型53を移動させる方向(以下この方向を「第4成形保持型の移動方向」という)とが同じ方向になっている。そして、このように第2成形保持型51Uと第4成形保持型53とを同じ方向に移動させることによって上方ブッシュ11Uとロッド13とをブレード12に連結することができるのは、第2成形保持型の移動方向(すなわち、第4成形保持型の移動方向)において上方ブッシュ11Uとロッド13とが重なり合わない状態でもってこれら上方ブッシュ11Uおよびロッド13がブレード12に連結されるからである。
【0079】
そして、第1実施形態のように、第2成形保持型51Uの移動方向と第4成形保持型53の移動方向とが同じ方向である。このため、上方ブッシュ成形位置に位置決めされていた第2成形保持型51Uを上方ブッシュ組立位置まで移動させる距離(以下この距離を「第2成形保持型の組立移動距離」という)とロッド成形位置に位置決めされていた第4成形保持型53をロッド組立位置まで移動させる距離(以下この距離を「第4成形保持型の組立移動距離」という)とが短い。さらに、第2成形保持型51Uを上方ブッシュ成形位置から上方ブッシュ組立位置まで移動させるときに当該第2成形保持型51Uの移動方向を変更する必要がなく、また、第4成形保持型53をロッド成形位置からロッド組立位置まで移動させるときに当該第4成形保持型53の移動方向を変更する必要がない。したがって、第1実施形態によれば、上方ブッシュ11Uおよびロッド13をブレード12に効率良く連結することができるという効果が得られる。
【0080】
ところで、第1実施形態では、ロッド成形時において、第1樹脂通路71に接続された第4樹脂通路を介してロッド成形空間63に樹脂が流入する。しかしながら、第4樹脂通路が以下のように形成されていてもよい。すなわち、この実施形態(以下「第2実施形態」という)では、少なくとも、第2成形保持型51Uと可動成形型52Mとが上方ブッシュ成形位置に位置決めされると当時に第4成形保持型53と可動成形型52Mとがロッド成形位置に位置決めされる。そして、これら型51U、52M、53がそれぞれ上方ブッシュ成形位置およびロッド成形位置に位置決めされたとき、図14(A)に示されているように、上方ブッシュ成形空間61Uとロッド成形空間63とを連通させるように第4樹脂通路74が形成されている。詳細には、第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53がそれぞれ上方ブッシュ成形位置およびロッド成形位置に位置決めされたとき、上方ブッシュ成形空間61Uからロッド成形空間63に向かって延在する部分樹脂通路74Aが第2成形保持型51Uに形成された凹部と可動成形型52Mの壁面とによって形成されると共にロッド成形空間63から上方ブッシュ成形空間61Uに向かって延在する部分樹脂通路74Bが第4成形保持型53に形成された凹部と可動成形型52の壁面とによって形成され、これら部分樹脂通路74A、74Bによって第4樹脂通路74が形成される。
【0081】
そして、このように第4樹脂通路74が形成されている場合、上方ブッシュ11Uとロッド13とが成形されたとき、図14(B)に示されているように、これら上方ブッシュ11Uとロッド13とは第4樹脂通路74内に残留した樹脂によって構成される部分16によって連結されている(以下この第4樹脂通路74内に残留した樹脂によって構成される部分を「連結部分」という)。
【0082】
そして、この連結部分16は、レジスタ組立時に切断される。すなわち、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、レジスタ組立時において第1成形保持型52Hと可動成形型52Mとが上記所定位置まで移動せしめられた後、第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53が図6で見て下方に第1成形保持型52Hに保持されているブッシュ12に向かって移動せしめられる。そして、第2成形保持型51Uの移動は、第2成形保持型が上方ブッシュ組立位置に位置決めされたときに終了せしめられ、第4成形保持型53の移動は、第4成形保持型がロッド組立位置に位置決めされたときに終了せしめられる。
【0083】
ここで、第4成形保持型の組立移動距離は第2成形保持型の組立移動距離よりも長い。したがって、連結部分16は、第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53がそれぞれ上方ブッシュ組立位置およびロッド組立位置に向かって移動せしめられている間に切断されることになる。
【0084】
云い方を換えれば、第2実施形態のレジスタ製造装置50は、ブレード12に対する上方ブッシュ11Uの連結位置とブレード12に対するロッド13の連結位置とを考慮したときに、第2成形保持型51Uの組立移動距離と第4成形保持型53の組立移動距離とが互いに異なる位置において上方ブッシュ11Uおよびロッド13を成形するものであると言える。
【0085】
なお、第2実施形態のように第4樹脂通路を構成することによって、以下の効果が得られる。すなわち、第2実施形態では、上方ブッシュ11Uとロッド13とは互いに隣接した位置において略同時に成形される。したがって、上方ブッシュ11Uおよびロッド13の成形時、上方ブッシュ成形空間61Uとロッド成形空間63とは互いに隣接した位置に位置する。このように互いに隣接する上方ブッシュ成形空間61Uとロッド成形空間63とを第4樹脂通路によって直接的に接続することによって、ロッド成形空間63に樹脂を流入させる通路の構成が簡略化されるという効果が得られる。
【0086】
なお、第2実施形態の第4樹脂通路74は、第2成形保持型51U、第4成形保持型53、および、可動成形型52がそれぞれ上方ブッシュ成形位置およびロッド成形位置に位置決めされているときに上方ブッシュ成形空間61Uからロッド成形空間63に向かって真っ直ぐに延びる形状の通路であり、したがって、第2実施形態の連結部分16は、上方ブッシュ11Uからロッド13に向かって真っ直ぐに延びる通路である。しかしながら、上方ブッシュ11Uおよびロッド13の成形時に、これら上方ブッシュとロッドとを連結する部分が形成されるのであれば、第4樹脂通路74の形状は、上述したように真っ直ぐに延びる形状でなくてもよい。
【0087】
また、当然のことながら、第2実施形態の第4樹脂通路74の形状(特に、当該第4樹脂通路74が延在する方向に対して垂直な当該第4樹脂通路の断面積)は、レジスタ組立時に第4成形保持型53が第2成形保持型51Uの組立移動距離よりも長い距離に亘って移動せしめられることによって切断される強度の連結部分16を形成する形状とされている。
【0088】
また、第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。すなわち、第2実施形態では、上方ブッシュ11Uおよびロッド13が成形されたとき、これら上方ブッシュ11Uとロッド13とが連結部分16によって連結されている。このため、レジスタ組立時において上方ブッシュ11Uおよびロッド13が露出せしめられたときに連結部分が第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53に保持されることから、上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定の位置からずれたりすることが抑制されるし、ロッド13が第4成形保持型53から抜け出たり或いはロッド13の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。したがって、第2実施形態によれば、上方ブッシュ11Uおよびロッド13がブレード12により確実に所期通りに連結されるという効果が得られる。
【0089】
また、第2実施形態によれば、以下の効果も得られる。すなわち、第2実施形態では、ブレード12に上方ブッシュ11Uおよびロッド13が連結されるときに連結部分が切断される。ここで、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力が弱かったりロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が弱かったりすると、連結部分が切断されるときに上方ブッシュ11Uおよびロッド13にかかる力によって上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定の位置からずれたりロッド13が第4成形保持型53から抜け出たり或いはロッド13の位置が所定の位置からずれたりする可能性がある。しかしながら、第2実施形態では、第2成形保持型51Uが上方ブッシュ包囲壁面51USを有すると共に第4成形保持型53がロッド包囲壁面53Sを有することから、上方ブッシュ11Uに対する第2成形保持型51Uの保持力およびロッド13に対する第4成形保持型53の保持力が大きい。このため、連結部材が切断されるときに上方ブッシュ11Uが第2成形保持型51Uから抜け出たり或いは上方ブッシュ11Uの位置が所定の位置からずれたりすることが抑制されると共にロッド13が第4成形保持型53から抜け出たり或いはロッド13の位置が所定の位置からずれたりすることが抑制される。したがって、第2実施形態によれば、上方ブッシュ11Uおよびロッド13がブレード12に連結されるときに連結部分が切断されるとしても、ブレード12に上方ブッシュ11Uおよびロッド13が所期通りに連結されるという効果がえられる。
【0090】
なお、第2実施形態では、ブレード12に対する上方ブッシュ11Uの連結位置とブレード12に対するロッド13の連結位置とを考慮したときに、第2成形保持型51Uの組立移動距離と第4成形保持型53の組立移動距離とが互いに異なる位置に上方ブッシュ11Uおよびロッド13を成形する位置を設定することによって、上方ブッシュ11Uおよびロッド13をブレード12に連結するために第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53を移動させている間に連結部分16が切断されるようにしている。しかしながら、このように上方ブッシュ11Uおよびロッド13を成形する位置を設定するといった手段以外の手段によって、上方ブッシュ11Uおよびロッド13をブレード12に連結するために第2成形保持型51Uおよび第4成形保持型53を移動させている間に連結部分16が切断されるようにしてもよい。
【0091】
こうした手段として、例えば、ブレード12に上方ブッシュ11Uを連結するために第1成形保持型52Hに対して第2成形保持型51Uを移動させる速度とブレード12にロッド13を連結するために第1成形保持型52Hに対して第4成形保持型53を移動させる速度とを異なる速度に設定するといった手段が採用されてもよいし、ブレード12に上方ブッシュ11Uを連結するために第1成形保持型52Hに対する第2成形保持型51Uの移動を開始するタイミングとブレード12にロッド13を連結するために第1成形保持型52Hに対する第4成形保持型53の移動を開始するタイミングとを互いに異なるタイミングに設定するといった手段が採用されてもよい。
【0092】
したがって、第2実施形態は、広くは、ブレード12に上方ブッシュ11Uおよびロッド13が連結されるときに連結部分16が切断されるものであると言える。
【0093】
なお、本発明の実施形態のレジスタ製造装置では、各成形品(すなわち、上方ブッシュ11U、下方ブッシュ11L、ブレード12、および、ロッド13)がそれぞれ独立して成形される。したがって、これら成形品を構成する材料として、互いに異なる材料(例えば、弾性が異なる材料や色彩が異なる材料)を採用することができる。
【符号の説明】
【0094】
10…風向調整レジスタ、11U…上方ブッシュ、11SS…上方ブッシュ外周壁面、11L…下方ブッシュ、11LS…下方ブッシュ外周壁面、12…ブレード、13…ロッド、13S…ロッド外周壁面、16…連結部分、50…レジスタ製造装置、51U…第2成形保持型、51UR…上方ブッシュ成形凹部、51US…上方ブッシュ包囲壁面、51L…第3成形保持型、51LR…下方ブッシュ成形凹部、51LS…下方ブッシュ包囲壁面、52S…固定成形型、52M…可動成形型、52H…第1成形保持型、52E…排出ピン、53…第4成形保持型、53R…ロッド成形凹部、53S…ロッド包囲壁面、74…第4樹脂通路、74A、74B…部分樹脂通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの成形型を第1成形型および第2成形型として具備し、前記第1成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第1成形品として成形すると共に前記第2成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第2成形品として成形し、その後、前記第1成形型に前記第1成形品を保持させた状態で前記第1成形品の一部を露出させると共に前記第2成形型に前記第2成形品を保持させた状態で前記第2成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させて前記第1成形品に前記第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置において、前記第1成形品の一部を露出させたときに該第1成形品を前記第1成形型から抜き出すことが可能な方向を第1抜出可能方向と称し、該第1抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第1成形品の壁面を第1成形品外周壁面と称したとき、前記第1成形品の成形時に該第1成形品の外形を規定する壁面として前記第1成形型が第1抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第1成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面として有し、或いは、前記第2成形品の一部を露出させたときに該第2成形品を前記第2成形型から抜き出すことが可能な方向を第2抜出可能方向と称し、該第2抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第2成形品の壁面を第2成形品外周壁面と称したとき、前記第2成形品の成形時に該第2成形品の外形を規定する壁面として前記第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第2成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁として有する成形品組立体製造装置。
【請求項2】
前記第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第1成形型が前記第1成形品包囲壁面を有し、前記第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第2成形型が前記第2成形品包囲壁面を有する請求項1に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項3】
少なくとも1つの成形品を第3成形型としてさらに具備し、該第3成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第3成形品として成形し、その後、前記第3成形型に前記第3成形品を保持させた状態で前記第3成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形品が露出された状態にあるときに、前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させて前記第1成形品に前記第3成形品を連結させる成形品組立体製造装置であって、前記第1成形品に前記第2成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる方向を第2成形型移動方向と称し、前記第1成形品に前記第3成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる方向を第3成形型移動方向と称したとき、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向であり、前記第2成形型移動方向および前記第3成形型移動方向において前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに重なり合わない状態でもってこれら第2成形品および第3成形品が前記第1成形品に連結される請求項1または2に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項4】
本願の4番目の発明は、前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに隣接した位置において略同時に成形され、前記第2成形品の成形時に該第2成形品を成形するための空間が第2成形品成形空間として形成されていると共に前記第3成形品の成形時に該第3成形品を成形するための空間が第3成形品成形空間として形成される成形品組立体製造装置であって、前記第2成形品の成形と前記第3成形品の成形とが行われるときに前記第2成形品成形空間と前記第3成形品成形空間とが通路によって接続され、前記第2成形品を成形するために前記第2成形品成形空間に流入した材料が前記通路を介して前記第3成形品成形空間に流入し、該通路を介して前記第3成形品成形空間に流入した材料によって前記第3成形品が成形される請求項3に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項5】
前記第2成形品および前記第3成形品が成形されたとき、これら第2成形品と第3成形品とが前記通路内に残留した材料によって形成される材料部分によって連結される。そして、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される請求項4に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項6】
前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる距離と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる距離とが互いに異なるように前記第2成形品を成形する位置および前記第3成形品を成形する位置が設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる速度と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる速度とが異なる速度に設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第2成形型の移動を開始するタイミングと前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第3成形型の移動を開始するタイミングとが互いに異なるタイミングに設定されていることによって、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される請求項5に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項1】
少なくとも2つの成形型を第1成形型および第2成形型として具備し、前記第1成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第1成形品として成形すると共に前記第2成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第2成形品として成形し、その後、前記第1成形型に前記第1成形品を保持させた状態で前記第1成形品の一部を露出させると共に前記第2成形型に前記第2成形品を保持させた状態で前記第2成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させて前記第1成形品に前記第2成形品を連結させることによって複数の成形品からなる組立体を製造する成形品組立体製造装置において、前記第1成形品の一部を露出させたときに該第1成形品を前記第1成形型から抜き出すことが可能な方向を第1抜出可能方向と称し、該第1抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第1抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第1成形品の壁面を第1成形品外周壁面と称したとき、前記第1成形品の成形時に該第1成形品の外形を規定する壁面として前記第1成形型が第1抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第1成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第1成形品包囲壁面として有し、或いは、前記第2成形品の一部を露出させたときに該第2成形品を前記第2成形型から抜き出すことが可能な方向を第2抜出可能方向と称し、該第2抜出可能方向に対して平行に延在し且つ該第2抜出可能方向に対して垂直な方向に一周するように延在する前記第2成形品の壁面を第2成形品外周壁面と称したとき、前記第2成形品の成形時に該第2成形品の外形を規定する壁面として前記第2成形型が第2抜出可能方向に対して垂直な方向に前記第2成形品外周壁面を一周するように延在する壁面を第2成形品包囲壁として有する成形品組立体製造装置。
【請求項2】
前記第1抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第1成形型が前記第1成形品包囲壁面を有し、前記第2抜出可能方向が鉛直方向に対して平行である場合においては前記第2成形型が前記第2成形品包囲壁面を有する請求項1に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項3】
少なくとも1つの成形品を第3成形型としてさらに具備し、該第3成形型を使用して少なくとも1つの成形品を第3成形品として成形し、その後、前記第3成形型に前記第3成形品を保持させた状態で前記第3成形品の一部を露出させ、その後、前記第1成形品が露出された状態にあるときに、前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させて前記第1成形品に前記第3成形品を連結させる成形品組立体製造装置であって、前記第1成形品に前記第2成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる方向を第2成形型移動方向と称し、前記第1成形品に前記第3成形品を連結させるために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる方向を第3成形型移動方向と称したとき、第2成形型移動方向と第3成形型移動方向とが同じ方向であり、前記第2成形型移動方向および前記第3成形型移動方向において前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに重なり合わない状態でもってこれら第2成形品および第3成形品が前記第1成形品に連結される請求項1または2に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項4】
本願の4番目の発明は、前記第2成形品と前記第3成形品とが互いに隣接した位置において略同時に成形され、前記第2成形品の成形時に該第2成形品を成形するための空間が第2成形品成形空間として形成されていると共に前記第3成形品の成形時に該第3成形品を成形するための空間が第3成形品成形空間として形成される成形品組立体製造装置であって、前記第2成形品の成形と前記第3成形品の成形とが行われるときに前記第2成形品成形空間と前記第3成形品成形空間とが通路によって接続され、前記第2成形品を成形するために前記第2成形品成形空間に流入した材料が前記通路を介して前記第3成形品成形空間に流入し、該通路を介して前記第3成形品成形空間に流入した材料によって前記第3成形品が成形される請求項3に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項5】
前記第2成形品および前記第3成形品が成形されたとき、これら第2成形品と第3成形品とが前記通路内に残留した材料によって形成される材料部分によって連結される。そして、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される請求項4に記載の成形品組立体製造装置。
【請求項6】
前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる距離と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる距離とが互いに異なるように前記第2成形品を成形する位置および前記第3成形品を成形する位置が設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第2成形型を移動させる速度と前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対して前記第3成形型を移動させる速度とが異なる速度に設定されていることによって、或いは、前記第1成形品に前記第2成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第2成形型の移動を開始するタイミングと前記第1成形品に前記第3成形品を連結するために前記第1成形型に対する前記第3成形型の移動を開始するタイミングとが互いに異なるタイミングに設定されていることによって、前記第1成形品に前記第2成形品および前記第3成形品が連結されるときに前記材料部分が切断される請求項5に記載の成形品組立体製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
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【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−11733(P2012−11733A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152623(P2010−152623)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(308016242)豊和化成株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(308016242)豊和化成株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
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