説明

成膜装置及び成膜方法

【課題】被処理体の成膜材料を吹き出す蒸着ヘッドを成膜位置と収納位置との間にて移動させることが可能な成膜装置を提供する。
【解決手段】6層連続成膜装置10は、成膜材料が収納された複数の蒸着源155と、複数の蒸着源155に連結され、蒸着源155にて気化された成膜材料を搬送する複数の連結管150と、複数の連結管150にそれぞれ連結され、高さ方向にそれぞれ離隔しながら配設された複数の蒸着ヘッド125と、複数の蒸着ヘッド125から吹き出された成膜材料により、内部にて被処理体を連続成膜する処理室100と、を備える。複数の蒸着ヘッド125は、複数の連結管150を搬送した成膜材料を基板Gに向けて吹き出すために収納位置と成膜位置との間を移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理体を成膜する成膜装置及び成膜方法に関し、特に、被処理体を成膜するための駆動機構を有する成膜装置及び成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイなどを製造する際、成膜材料の気化分子によって基板を成膜する蒸着法が広く用いられている(たとえば、特許文献1を参照。)。このような技術を用いて製造した機器のうち、特に、有機ELディスプレイは、自発光し、反応速度が早く、消費電力が少ない等の優れた長所を有している。このため、フラットパネルディスプレイの製造業界では、有機ELディスプレイに関して、今後ますますの需要が期待されるとともに大型化の要請が強まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−282219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、たとえば、特許文献1の蒸着装置では、1つの処理容器内に1つの蒸着源が納められていた。このように一層の膜を形成するために1つの処理容器が必要となると、複数層の膜を被処理体に形成するためには複数の処理容器が必要となり、フットプリントが大きくなるだけでなく、被処理体を搬送中、その被処理体に汚染物が付着する可能性が高くなるという課題を有していた。
【0005】
一方、この課題を解消するために、1つの処理容器内に複数の蒸着源を配設し、各蒸着源により気化された成膜分子を被処理体に付着させることにより、被処理体を成膜する方法も考えられる。しかしながら、この場合には、同一処理容器内の隣り合う蒸着源から放出された成膜分子が膜中に混入し合い(クロスコンタミネーション)、膜質が悪化する可能性がある。
【0006】
特に、有機ELディスプレイの場合、他のディスプレイに比べて大型化が難しい側面がある。その理由の一つとしては、有機ELディスプレイの製造にnmレベルの微細加工が必要な点が挙げられる。また、有機膜は水分や炭素などの物質に弱いため、有機ELディスプレイの製造時に水分等が存在すると、有機EL素子内に非発光点(ダークスポット)が生じたり、有機EL素子の発光特性を劣化させたりする。このため、有機ELディスプレイの製造では特に水分等がほとんど存在しない環境を整える必要がある。よって、以上の困難性を克服して大型有機ELディスプレイの量産を見据えた成膜装置の設計が望まれる。
【0007】
上記課題を解消するために、本発明は、被処理体の成膜材料を吹き出す蒸着ヘッドを成膜位置と収納位置との間にて移動させることが可能な成膜装置及び成膜方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、成膜材料が収納された複数の蒸着源と、前記複数の蒸着源にそれぞれ連結され、前記複数の蒸着源にて気化された成膜材料を搬送する複数の連結管と、前記複数の連結管にそれぞれ連結され、高さ方向にそれぞれ離隔しながら配設された複数の蒸着ヘッドと、各蒸着ヘッドから吹き出された成膜材料により内部にて被処理体を一層ずつ成膜する処理室と、を有する。前記各蒸着ヘッドは、前記各蒸着ヘッドの収納位置と成膜位置との間を移動し、前記成膜位置に移動した順に蒸着ヘッドから順に各連結管に通された成膜材料を被処理体に向けて吹き出す。
【0009】
ここで、気化とは、液体が気体に変わる現象だけでなく、固体が液体の状態を経ずに直接気体に変わる現象(すなわち、昇華)も含んでいる。
【0010】
これによれば、複数の蒸着ヘッドを処理室の高さ方向に並べて配置し、各蒸着ヘッドを順に被処理体の直上まで移動させることにより成膜が実行される。これにより、成膜装置全体のフットプリントを低減し、成膜装置を小型化することができる。
【0011】
また、かかる構成によれば、成膜に関与しない他の蒸着ヘッドは、収納位置に収納されている。この結果、成膜中、有機材料が他の蒸着ヘッドに付着することを防ぐことができる。また、蒸着ヘッドの出し入れの順番を制御することにより、成膜の順番を容易に変更することができる。
【0012】
記各蒸着ヘッドは、その下面に成膜材料を吹き出す吹き出し口を有し、前記成膜位置に移動した後、前記各連結管に通された成膜材料を前記吹き出し口から下向きに吹き出してもよい。
【0013】
これによれば、各蒸着ヘッドの吹き出し口から吹き出されるダウンフローの成膜分子により、被処理体をフェイスアップ方式にて成膜することができる。このため、フェイスダウン方式の場合のように基板がたわんで搬送や成膜が困難になることを避けることができ、大型基板に合致した搬送処理及び成膜処理を実現できる。
【0014】
前記各蒸着ヘッドは、成膜後に前記成膜位置から前記収納位置まで移動して収納されてもよい。
【0015】
前記処理室は、前記処理室の内部を成膜空間と収納空間とに区画する収納部を有し、前記複数の蒸着ヘッドの収納位置は、前記収納部内の収納空間内であり、前記複数の蒸着ヘッドの成膜位置は、前記収納部外の成膜空間内であってもよい。
【0016】
また、前記処理室内には、被処理体を載置するステージと、前記ステージの下方にて前記処理室内を排気する排気口と、が設けられていてもよい。
【0017】
これによれば、成膜に用いられる蒸着ヘッド以外の蒸着ヘッドは、収納部に収納されている。また、成膜中、排気装置を駆動することにより、成膜に使われなかった余分な成膜分子は排気口から排気される。この結果、残余の成膜分子が、他の蒸着ヘッドや処理室の内壁に付着して、コンタミネーションの原因となることを防ぐことができる。
【0018】
前記複数の蒸着ヘッドは、前記ステージの両側にて高さ方向にそれぞれ離隔しながら、対向する蒸着ヘッド同士が段違いになるように配設され、各蒸着ヘッドが順に各蒸着ヘッドの収納位置から成膜位置へ移動することにより、被処理体を一層ずつ連続成膜してもよい。
【0019】
前記複数の蒸着ヘッドは、前記ステージの片側にて高さ方向に離隔しながら配設され、各蒸着ヘッドが順に各蒸着ヘッドの収納位置から成膜位置へ移動することにより、被処理体を一層ずつ連続成膜してもよい。
【0020】
前記ステージは、成膜位置まで移動した各蒸着ヘッドと前記ステージとの対向面が一定の間隔に離隔されるように昇降してもよい。
【0021】
前記ステージは、成膜中、前記処理室の接地面に対して水平な方向であって前記蒸着ヘッドの吹き出し口の長手方向に対して垂直な方向に移動してもよい。
【0022】
これによれば、蒸着ヘッドの吹き出し口の形状によらず、均一な成膜が可能になる。
【0023】
前記ステージが前記処理室の接地面に対して水平な方向に移動する際、往路又は復路のいずれか一方で成膜処理を実行してもよく、又は、往路又は復路の両方で成膜処理を実行してもよい。
【0024】
前記複数の蒸着ヘッドには、前記蒸着ヘッドとともに移動する防着板がそれぞれ取り付けられていてもよい。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の態様によれば、前記複数の蒸着源にて気化された成膜材料を前記複数の蒸着源に連結された複数の連結管に通して搬送するステップと、前記複数の連結管に連結された複数の蒸着ヘッドを処理室内の収納位置から成膜位置まで順に移動させるステップと、前記成膜位置に移動した蒸着ヘッドから順に各連結管に通された成膜材料を被処理体に向けて吹き出させるステップと、各蒸着ヘッドから吹き出された成膜材料により、前記処理室の内部にて被処理体を一層ずつ成膜するステップと、を含む成膜方法が提供される。
【0026】
これによれば、複数の蒸着ヘッドを処理室の高さ方向に並べて配置し、各蒸着ヘッドを順に被処理体の直上に展開することにより成膜が実行される。これにより、成膜装置全体のフットプリントを低減し、成膜装置を小型化することができる。
【0027】
成膜後、前記蒸着ヘッドを前記成膜位置から収納位置まで移動させるステップを更に含んでいてもよい。
【0028】
次の成膜のために成膜位置に移動した蒸着ヘッドと被処理体を載置するステージとの対向面が一定の間隔に離隔されるように前記ステージを昇降させるステップを更に含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、被処理体の成膜材料を吹き出す蒸着ヘッドを成膜位置と収納位置との間にて移動させることができるため、フットプリントを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る6層連続成膜装置の縦断面の模式図である。
【図2】第1及び第2の実施形態に係る蒸着ヘッドの内部構成図である。
【図3】第1及び第2の実施形態に係る蒸着源の内部構成図である。
【図4】図4(a)(b)は、第1の実施形態に係る6層連続成膜装置の動作を説明するための図である。
【図5】図5(a)(b)は、第1の実施形態に係る6層連続成膜装置の動作を説明するための図である。
【図6】第1及び第2の実施形態に係る6層連続成膜装置により成膜された膜構造の模式図である。
【図7】第1及び第2の実施形態に係る蒸着ヘッドに防着板を装着した図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る6層連続成膜装置の縦断面の模式図である。
【図9】図8の1−1断面図である。
【図10】従来の成膜装置の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
【0032】
なお、説明は以下の順序で行う。
<第1の実施形態>
1.6層連続成膜装置の全体構成
2.蒸着ヘッドの内部構成
3.蒸着源の内部構成

4.成膜動作
5.従来の装置との比較
<第2の実施形態>
6.6層連続成膜装置の全体構成
7.ステージの移動動作
【0033】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る6層連続成膜装置の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態に係る6層連続成膜装置10の縦断面図を示す。
【0034】
[6層連続成膜装置の全体構成]
6層連続成膜装置10は、処理室100を有している。処理室100の底面中央には、基板Gを載置するステージ105が配設されている。ステージ105の下方には、モータ110、ボールベアリングのネジ115及びガイド120が設けられている。モータ110の動力は、スクリュー上にネジ切りされたボールベアリングのネジ115に伝えられる。ボールベアリングのネジ115は、モータ110の回転運動を直線運動に変換する。これにより、ステージ105が、4本のガイド120により支持された状態で上下に昇降する。
【0035】
ステージ105の両側には、6つの蒸着ヘッド125a〜125fが3つずつそれぞれ配設されている。蒸着ヘッド125a〜125fの下面には、有機材料の気化分子を基板Gに向けて下向きに吹き出す吹き出し口(図2の吹き出し口Op参照)が設けられている。
【0036】
蒸着ヘッド125a〜125fは、処理室100の両側壁をそれぞれ貫通している。蒸着ヘッド125a、125c、125eは、処理室100の高さ方向にそれぞれ離隔しながら水平に並んで配設されている。蒸着ヘッド125b、125d、125fも同様に、処理室100の高さ方向にそれぞれ離隔しながら、蒸着ヘッド125a、125c、125eに対向した状態で水平に並んで配設されている。蒸着ヘッド125a、125c、125eと蒸着ヘッド125b、125d、125fとは、蒸着ヘッド125a、125b、125c、125d、125e、125fの順に高い位置になるように、段違いに固定されている。
【0037】
処理室100は、処理室100の内部を成膜空間PSと収納空間CSとに区画する収納部130a、130bを有している。収納部130aは、蒸着ヘッド125a、125c、125eを収納する。収納部130bは、125b、125d、125fを収納する。収納部130a、130bには、各蒸着ヘッド125a〜125fの先端近傍にてバルブVがそれぞれ設けられている。バルブVの開閉により、各蒸着ヘッド125a〜125fを収納空間CSと成膜空間PSとの間で出し入れすることができる。
【0038】
処理室100には、ステージ105の下方であって収納部130a,130bとステージ105との間の位置に処理室100の内部を排気する排気口135が設けられている。排気口135には、ターボモレキュラポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)140及びドライポンプ(DRY:Dry Pump)145が連結されている。処理室100の内部は、ドライポンプ145により粗引きされ、ターボモレキュラポンプ140により真空引きされる。これにより、処理室内は所望の真空度に維持される。また、成膜中、ターボモレキュラポンプ140及びドライポンプ145を駆動することにより、成膜に使われなかった有機分子をステージ105の下方に導き、排気口135から排気する。これにより、蒸着ヘッド125a〜125fや処理室100の内壁等に成膜材料が付着し、コンタミネーションの原因となることを抑止することができる。
【0039】
各蒸着ヘッド125a〜125fの末端は、連結管150a〜150fにそれぞれ連結されている。連結管150a〜150fは、さらに、蒸着源155a〜155fにそれぞれ連結されている。混合ガスまたは単一ガスである有機分子A,B,C、D、E、Fは、蒸着源155a〜155fにて気化された後、出力され、キャリアガスにより連結管150a〜150fを搬送され、蒸着ヘッド125a〜125fからそれぞれ吹き出される。連結管150a〜150fには、流量調整バルブVA,VB,VC,VD,VE,VFが設けられていて、流量調整バルブVA,VB,VC,VD,VE,VFの開度を調節することにより、蒸着ヘッド125a〜125fに搬送される有機分子A,B,C、D、E、Fの流量をそれぞれ調整することができる。
【0040】
[蒸着ヘッドの内部構成]
次に、蒸着ヘッドの内部構成について説明する。なお、蒸着ヘッド125a〜125fの内部構成はすべて同じであるため、図2に示した蒸着ヘッド125aの内部構成を説明することにより、他の蒸着ヘッド125b〜125fの内部構成の説明を省略する。
【0041】
蒸着ヘッド125aは、吹き出し本体125a1、ボールベアリングのネジ125a2及びベローズ125a3を有している。吹き出し本体125a1は中空であり、その下面に吹き出し口Opを有している。これにより、吹き出し口Opから有機分子が吹き出されるようになっている。吹き出し口Opは矩形状に開口していてもよく、1又は2以上のスリット形状であってもよく、ポーラス材により閉塞されていてもよい。ボールベアリングのネジ125a2は、スクリュー上にねじ切りされ、処理室100を貫通して吹き出し本体125a1の端部に嵌着されている。
【0042】
ネジ125a2には、モータ160が取り付けられている。モータ160の動力は、スクリュー上にネジ切りされたボールベアリングのネジ125a2に伝えられる。これにより、ネジ125a2が回転すると、その回転運動は、図示しないナットにより吹き出し本体125a1の直線運動に変換される。これにより、吹き出し本体125a1は、前方方向(紙面の右方向)又は後方方向(紙面の左方向)に移動する。
【0043】
ネジ125a2の内部には、ガス導入口hoが貫通していて、連結管150aの内部通路(図示せず)及び吹き出し本体125a1の内部空間Sと連通している。これにより、蒸着源155aにて気化された成膜分子は、流量調整バルブVAにより流量を調整されながら、連結管150aの内部通路、ガス導入口hoを通って、吹き出し本体125a1の内部空間Sに飛来し、吹き出し口Opから吹き出される。
【0044】
ベローズ125a3は、吹き出し本体125a1と処理室100の側壁との間に設けられている。すなわち、ベローズ125a3の一端は吹き出し本体125a1の末端に固着され、ベローズ125a3の他端は処理室100の側壁に設けられた貫通口の外周にてその側壁に固着されている。ベローズ125a3は、処理室内の真空空間と処理室外の大気空間とを遮断するとともに、吹き出し本体125a1の水平移動に応じて伸縮するようになっている。
【0045】
なお、図1のボールベアリングのネジ115及び図2のボールベアリングのネジ125a2は、ステージ105及び蒸着ヘッド125aを昇降及び前後に移動させるためのアクチュエータの一例である。ステージ105及び蒸着ヘッド125aを稼働させるアクチュエータの他の例としては、ジャッキスクリューや油圧式駆動機構が挙げられる。
【0046】
[蒸着源の内部構成]
次に、蒸着源の内部構成について説明する。なお、蒸着源155a〜155fの内部構成はすべて同じであるため、図3に示した蒸着源155aの内部構成を説明することにより、他の蒸着源155b〜155fの内部構成の説明を省略する。
【0047】
蒸着源155aには、3つのるつぼ155a1,155a2、155a3が内蔵されている。各るつぼ155a1,155a2、155a3には、有機材料A1,A2,A3がそれぞれ収納されている。るつぼ155a1,155a2、155a3の底には、ヒータheが埋設されている。各ヒータheはヒータ源200に接続されている。蒸着源155aの内部は、排気口155a4に接続された図示しない排気装置により排気され、所望の真空状態に維持されている。
【0048】
ヒータ源200から出力された電力により、各るつぼ155a1,155a2、155a3が加熱されると、各るつぼ155a1,155a2、155a3内の有機材料A1,A2,A3が気化し、有機分子となって蒸着源155a内を飛来する。有機分子は、図示しないガス供給源から供給されるキャリアガスにより連結管150aの内部通路を搬送される。搬送中、各有機材料A1,A2,A3の分子は混合され、混合ガスAとなる。混合ガスAは、前述したように、蒸着ヘッド125aの吹き出し口Opから基板Gに向けて吹き出される。なお、気化とは、液体が気体に変わる現象だけでなく、固体が液体の状態を経ずに直接気体に変わる現象(すなわち、昇華)も含んでいる。
【0049】
るつぼには、成膜に必要な有機材料のみが収納されている。たとえば、単一ガスにより成膜される場合、一つのるつぼに特定の有機材料が収納され、他のるつぼには何も収納されない。
【0050】
[成膜動作]
次に、6層連続成膜の動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4(a)は、有機材料Aによる成膜時の6層連続成膜装置10の縦断面の模式図であり、図4(b)は、図4(a)の平面図である。図5(a)は、ステージ105を上昇させる際の6層連続成膜装置10の縦断面の模式図であり、図5(b)は、有機材料Bによる成膜時の6層連続成膜装置10の縦断面の模式図である。
【0051】
まず、図4(a)(b)を参照しながら、有機材料Aによる成膜動作を説明する。なお、処理室100の内部は、成膜前に所望の真空度に維持されている。また、成膜中の蒸着ヘッド125aとステージ105との間隔は、モータ110を駆動してステージ105を昇降させることにより予め定められたギャップGaになっている。
【0052】
この状態にて図4(b)に示したバルブVinを開閉し、処理室内の気密を保持しながらステージ105上に基板Gを載置する。次に、モータ160を駆動して蒸着ヘッド125aを前方方向に移動させる。これにより、蒸着ヘッド125aは、収納空間CSの収納位置から成膜空間PSの成膜位置まで移動する。
【0053】
移動後、図1の流量調整バルブVAを開く。これにより、蒸着源155aにて気化された図3の有機分子A1,A2,A3は、連結管150aの内部通路を経て蒸着ヘッド125aまで搬送され、ヘッド内のバッファ空間Sにて一時滞留した後、吹き出し口Opから下方に向けて吹き出される。この結果、蒸着ヘッド125aから吹き出される有機材料Aにより基板Gに成膜処理が施され、図6に示したように、ガラス基板GのITO表面上に有機材料Aによる第1層のホール注入層が形成される。
【0054】
次に、モータ160を駆動して、図5(a)に示したように蒸着ヘッド125aを後方方向に移動させる。これにより、蒸着ヘッド125aは、成膜空間PSの成膜位置から収納空間CSの収納位置まで移動し、収納部130aの内部に収納される。ついで、モータ110を駆動し、次に成膜に用いられる蒸着ヘッド125bの高さとステージ105との間隔が一定のギャップGaになるように、ステージ105を上昇させる。このようにして、ステージ105を所望の位置まで上昇させた後、図5(b)に示したように、蒸着ヘッド125bを前方方向に移動させる。これにより、蒸着ヘッド125bは、収納空間CSの収納位置から成膜空間PSの成膜位置まで移動する。蒸着ヘッド125bとステージ105との間隔は、ギャップGaに制御されている。移動後、蒸着ヘッド125bから吹き出される有機材料Bにより基板Gに成膜処理が施される。この結果、図6に示したように、第1層のホール注入層上に有機材料Bによる第2層のホール輸送層が形成される。以上に説明した蒸着ヘッドの移動、成膜、ステージの昇降を蒸着ヘッド125c〜125fについて繰り返し行い、その後、バルブVoutを開閉して成膜後の基板Gを搬出する。
【0055】
この結果、図6に示したように、基板GのITO上に順に、有機材料Aによる第1層のホール注入層、有機材料Bによる第2層のホール輸送層、有機材料Cによる第3層の青発光層、有機材料Dによる第4層の緑発光層、有機材料Eによる第5層の赤発光層、有機材料Fによる第6層の電子輸送層が形成される。このうち、第3層〜第5層の青発光層、緑発光層、赤発光層は、ホールと電子の再結合により発光を生じさせる発光層である。なお、第1層〜第6層の有機層上のメタル層は、スパッタリングにより成膜されてもよく、蒸着により成膜されてもよい。
【0056】
これにより、有機層を陽極(アノード)および陰極(カソード)にてサンドイッチした構造の有機EL素子が基板上に形成される。有機EL素子の陽極および陰極に電圧を印加すると、陽極からはホール(正孔)が有機層に注入され、陰極からは電子が有機層に注入される。注入されたホールおよび電子は有機層にて再結合し、このとき発光が生じる。
【0057】
[従来の装置との比較]
従来の成膜装置と本実施形態に係る成膜装置10とを比較する。たとえば、図10に示した従来の成膜装置90では、蒸着ヘッド905a〜905fが処理室900の底面に等間隔に縦置きされている。基板Gはフェイスダウン方式でステージ910に静電吸着され、摺動機構915により天井面を摺動するようになっている。ステージ910には、防着板として機能するベローズ920が天井面と各蒸着ヘッド905a〜905fとを隔離するように装着されている。これによれば、ステージ910が各蒸着ヘッド905a〜905f上を移動しながら、6層連続成膜が実行される。
【0058】
従来の成膜装置90では、次の点で課題が残る。まず、第1に、蒸着ヘッドが等間隔に縦置きされているため、フットスペースが広く、成膜装置90の小型化の妨げになる。第2に、基板Gがフェイスダウンで載置されるため、基板Gにたわみが生じ、特に大型基板の搬送及び成膜に不利となる。
【0059】
第3に、成膜中も各蒸着ヘッド905a〜905fが据え置きされているので、隣接する蒸着ヘッドから吹き出される異なる有機分子によるクロスコンタミネーションが生じるおそれがある。これにより、他膜に不必要な有機分子が混入し、膜質が悪くなるおそれがある。また、ベローズ920や処理室の内壁への堆積物が多種の成膜材料から形成されるため、単一の物質から形成されている場合に比べて剥離しやすく、コンタミネーションの原因になりやすい。このようにして生じるコンタミによる歩留まりの低下を回避するため、従来の成膜装置90では、ベローズ920を毎日交換する必要がある。
【0060】
これに対して、第1の実施形態に係る6層連続成膜装置10によれば、第1に、6つの蒸着ヘッド125a〜125fを処理室100の高さ方向に隔しながら平行に配置し、各蒸着ヘッド125a〜125fを順に基板直上に移動させることにより成膜が実行される。これによれば、成膜装置全体のフットプリントを低減し、6層連続成膜装置10を小型化することができる。これにより、排気時間を短縮してスループットを向上させ、生産性を高めることができる。また、排気エネルギーのロスを減らすことができる。
【0061】
第2に、各本実施形態に係る6層連続成膜装置10によれば、基板Gをフェイスアップ方式にて処理することができるため、フェイスダウン方式の場合のように基板がたわんで搬送や成膜が困難になることを避けることができる。よって、大型基板に合致した搬送処理及び成膜処理を実現できる。
【0062】
第3に、各本実施形態に係る6層連続成膜装置10によれば、他の蒸着ヘッド125b〜125fは、収納部130a、130bに収納されている。また、成膜中、ターボモレキュラポンプ140及びドライポンプ145を駆動することにより、成膜に使われなかった有機材料Aは排気口135から排気される。この結果、残余の有機材料Aが、他の蒸着ヘッド125b〜125fや処理室100の内壁に付着して、コンタミネーションの原因となることを防ぐことができる。
【0063】
第4に、蒸着ヘッド125a〜125fの出し入れの順番を制御することにより、成膜の順番を容易に変更することができる。たとえば、蒸着ヘッド125a→125fの順に各蒸着ヘッド125a〜125fを成膜位置に移動させれば、有機材料A→Fの順に積層膜が形成され、蒸着ヘッド125f→125aの順に各蒸着ヘッド125a〜125fを成膜位置に移動させれば、有機材料F→Aの順に積層膜が形成される。また、各本実施形態に係る6層連続成膜装置10によれば、図6の有機層及びメタル層、さらにこれらの層を封止する封止層(図示せず)の連続成膜が可能となり、量産体制に合致した構成となる。
【0064】
さらに、図7に示したように、蒸着ヘッド125aの周りを防着板310にて覆うことにより、蒸着ヘッド125aへの有機材料の付着を防止することができる。防着板310の下面には開口310aが設けられ、壁内にはヒータ310bが埋設されている。開口310aは、蒸着ヘッド125aの吹き出し口Opとほぼ同位置にてほぼ同一形状に開口されていて、これにより、有機分子が蒸着ヘッド125aから外部に吹き出される際の妨げにならないようになっている。また、ヒータ310bに電力を印加して防着板310を加熱し、これにより、有機分子の付着係数との関係で蒸着ヘッド125aの内壁に有機分子が付着することを抑止するようになっている。この結果、材料の使用効率が高められる。特に、有機材料は高価であるため、コストダウンを図ることができる。
【0065】
防着板310は、蒸着ヘッド125aと一体的に成膜位置と収納位置との間を移動する。よって、防着板310には、蒸着ヘッド125aから吹き出された有機材料Aが付着し、他の蒸着ヘッド125b〜125fから吹き出された他の有機材料はほとんど付着しない。同一の有機材料が付着すると、異なる有機材料が付着している場合に比べて付着物同士の密着性が高く、剥がれにくい。このようにして、本実施形態では、防着板の交換サイクルを長くすることができる。この結果、メンテナンスを容易にし、コスト削減を図ることができる。
【0066】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る6層連続成膜装置10について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、第2の実施形態に係る6層連続成膜装置10の縦断面図を示し、図9は、図8の1−1断面を示す。
【0067】
[6層連続成膜装置の全体構成]
第1の実施形態に係る6層連続成膜装置10では、蒸着ヘッド125a〜125fが、ステージ105の両側に配設されていたのに対し、第2の実施形態に係る6層連続成膜装置10では、蒸着ヘッド125a〜125fが、ステージ105の片側にて高さ方向に離隔しながら6つ配設される。したがって、本実施形態では、蒸着ヘッド125a〜125fを収納する収納部130cは、処理室100の片側に1つだけ設けられている。
【0068】
本実施形態においても、成膜動作は、第1の実施形態と同様であり、蒸着ヘッド125a→125fの順に各蒸着ヘッド125a〜125fが収納空間CSの収納位置から成膜空間PSの成膜位置へ移動することにより、基板G上に有機膜が6層連続して成膜される。また、ステージ105の高さも、第1の実施形態と同様に昇降しこれにより、成膜時、ステージ105と蒸着ヘッド125a〜125fとの間のギャップGaは一定に管理される。
【0069】
[ステージの移動動作]
これに加えて、本実施形態では、ステージ105が、処理室100の接地面に対して水平方向にも摺動する。すなわち、図9に示したように、処理室100の底面には多数のコロ300が配置され、成膜時、ステージ105がステージ105を支持する支持体305とともに、コロ300の回転に応じて摺動する。摺動方向は、蒸着ヘッド125aの下面に形成された吹き出し口(開口)の長手方向に対して垂直な方向が好ましい。ここでは、ステージ105は、蒸着ヘッド125aの移動方向に垂直な方向に摺動する。これによれば、たとえば、蒸着ヘッド125aの吹き出し口が、図9に示したように、蒸着ヘッド125aの下面中央にスリット状や矩形状に形成されていたとしても、その開口下を基板Gがある速度で移動するため、基板G上に均一な膜を成膜することができる。
【0070】
ステージ105が処理室100の接地面に対して水平な方向に移動する際、往路又は復路のいずれか一方に移動中のみ成膜処理を実行してもよい。また、往路又は復路の両方で成膜処理を実行してもよい。往路又は復路のいずれにおいても成膜処理を実行可能とすると、スループットを向上させ、より生産性を高めることができる。
【0071】
第2の実施形態に係る6層連続成膜装置10によれば、6つの蒸着ヘッド125a〜125fのすべてを処理室100の高さ方向に並べて配置し、各蒸着ヘッド125a〜125fを順に基板直上に展開することにより成膜を実行する。これによれば、蒸着ヘッド125a〜125fを3つずつ高さ方向に配置した第1の実施形態装に比べて、成膜装置全体のフットプリントをさらに低減することができる。
【0072】
以上に説明したように、各実施形態に係る6層連続成膜装置10によれば、装置のフットプリントを軽減し、装置を小型化することができる。また、基板Gの載置にフェイスアップ方式を採用したことにより大型基板の搬送及び成膜に有利な構成とすることができる。この結果、量産時のコストダウンを図ることができる。
【0073】
上記実施形態において、各部の動作はお互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら一連の動作として置き換えることができる。そして、このように置き換えることにより、上記6層連続成膜装置10の実施形態を、6層連続成膜方法の実施形態とすることができる。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0075】
たとえば、本発明に係る成膜装置は、被処理体を成膜処理する装置であれば、6層連続成膜を実現する装置でなくてもよい。すなわち、たとえば、本発明に係る成膜装置において、蒸着源及び蒸着ヘッドの個数は6つに限られず、2以上であればいくつであってもよい。
【0076】
また、蒸着ヘッドを、接地面に対して水平方向に前進及び後退させるだけでなく、昇降させるようにしてもよい。これによれば、ステージを昇降させる機構が不要になる。
【0077】
本発明に係る成膜装置の成膜材料には、パウダー状(固体)の有機材料を用いることができる。成膜材料に主に液体の有機金属を用い、気化させた成膜材料を加熱された被処理体上で分解させることにより、被処理体上に薄膜を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)に用いることもできる。また、本発明に係る成膜装置の成膜材料は、有機材料に限られず、たとえば、銀等の電極用の成膜材料や封止膜用の成膜材料であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
10 6層連続成膜装置
100 処理室
105 ステージ
110,160 モータ
115,125a2 ネジ
120 ガイド
125a,125b,125c,125d,125e,125f 蒸着ヘッド
125a1 吹き出し本体
125a3 ベローズ
130a,130b,130c 収納部
135,155a4 排気口
140 ターボモレキュラポンプ
145 ドライポンプ
150a,150b,150c,150d,150e,150f 連結管
155,155a,155b,155c,155d,155e,155f 蒸着源
155a1,155a2,155a3 るつぼ
200 ヒータ源
300 コロ
310 防着板
収納空間 CS
成膜空間 PS
ギャップ Ga


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜材料が収納された複数の蒸着源と、
前記複数の蒸着源にそれぞれ連結され、前記複数の蒸着源にて気化された成膜材料を搬送する複数の連結管と、
前記複数の連結管にそれぞれ連結され、高さ方向にそれぞれ離隔しながら配設された複数の蒸着ヘッドと、
各蒸着ヘッドから吹き出された成膜材料により内部にて被処理体を一層ずつ成膜する処理室と、を備え、
前記各蒸着ヘッドは、前記各蒸着ヘッドの収納位置と成膜位置との間を移動し、前記成膜位置に移動した順に蒸着ヘッドから順に各連結管に通された成膜材料を被処理体に向けて吹き出す成膜装置。
【請求項2】
前記各蒸着ヘッドは、その下面に成膜材料を吹き出す吹き出し口を有し、前記成膜位置に移動した後、前記各連結管に通された成膜材料を前記吹き出し口から下向きに吹き出す請求項1に記載された成膜装置。
【請求項3】
前記各蒸着ヘッドは、成膜後に前記成膜位置から前記収納位置まで移動して収納される請求項1又は請求項2のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項4】
前記処理室は、前記処理室の内部を成膜空間と収納空間とに区画する収納部を有し、
前記複数の蒸着ヘッドの収納位置は、前記収納部内の収納空間内であり、
前記複数の蒸着ヘッドの成膜位置は、前記収納部外の成膜空間内である請求項1〜3のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項5】
前記処理室内には、被処理体を載置するステージと、前記ステージの下方にて前記処理室内を排気する排気口と、が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項6】
前記複数の蒸着ヘッドは、前記ステージの両側にて高さ方向にそれぞれ離隔しながら、対向する蒸着ヘッド同士が段違いになるように配設され、前記各蒸着ヘッドが順に各蒸着ヘッドの収納位置から成膜位置へ移動することにより、被処理体を一層ずつ連続成膜する請求項1〜5のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項7】
前記複数の蒸着ヘッドは、前記ステージの片側にて高さ方向に離隔しながら配設され、前記各蒸着ヘッドが順に各蒸着ヘッドの収納位置から成膜位置へ移動することにより、被処理体を一層ずつ連続成膜する請求項1〜5のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項8】
前記ステージは、成膜位置まで移動した各蒸着ヘッドと前記ステージとの対向面が一定の間隔に離隔されるように昇降する請求項5〜7のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項9】
前記ステージは、成膜中、前記処理室の接地面に対して水平方向であって前記蒸着ヘッドの吹き出し口の長手方向に対して垂直な方向に移動する請求項5〜8のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項10】
前記ステージが前記水平方向に移動する際、往路又は復路のいずれか一方で成膜処理を実行するか、又は、往路及び復路の両方で成膜処理を実行する請求項9に記載された成膜処理。
【請求項11】
前記複数の蒸着ヘッドには、前記蒸着ヘッドとともに移動する防着板がそれぞれ取り付けられている請求項1〜10のいずれかに記載された成膜装置。
【請求項12】
前記複数の蒸着源にて気化された成膜材料を前記複数の蒸着源に連結された複数の連結管に通して搬送するステップと、
前記複数の連結管に連結された複数の蒸着ヘッドを処理室内の収納位置から成膜位置まで順に移動させるステップと、
前記成膜位置に移動した蒸着ヘッドから順に各連結管に通された成膜材料を被処理体に向けて吹き出させるステップと、
各蒸着ヘッドから吹き出された成膜材料により、前記処理室の内部にて被処理体を一層ずつ成膜するステップと、を含む成膜方法。
【請求項13】
成膜後、各蒸着ヘッドを前記成膜位置から収納位置まで移動させるステップを更に含む請求項12に記載された成膜方法。
【請求項14】
次の成膜のために成膜位置に移動した蒸着ヘッドと被処理体を載置するステージとの対向面が一定の間隔に離隔されるように前記ステージを昇降させるステップを更に含む請求項12又は請求項13のいずれかに記載された成膜方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−163637(P2010−163637A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4878(P2009−4878)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】