説明

投影画像作成装置、方法およびプログラム

【課題】多数の2次元画像を用いて再構成して得た3次元画像データから視点を変えつつ投影画像を作成して観察する際に、3次元的位置関係の把握を容易にする。
【解決手段】第1の投影画像上で注目領域を指定し、第1の投影画像とは異なる第2の視点位置および/または投影方向から第2の投影画像を作成する際に、指定された注目領域と対応する3次元画像データ内のボクセルを第2の視点位置および/または投影方向から投影して得られる第2の投影画像上の領域を第2の投影画像上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元画像データから作成した投影画像において注目点を追跡表示する装置および方法、詳しくは、その投影画像上で注目する領域を指定することにより、その領域を、投影方向を変えて作成された投影画像上においても追跡表示する投影画像作成装置、方法並びにそのためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CT(コンピュータ断層撮影装置;Computed Tomography)やMRI(核磁気共鳴撮像装置)などから得られる複数の医療断層像を観察する際、全ての断層像を1枚ずつ観察するには時間がかかり、また、断層像のみから観察対象となる臓器や組織の3次元形状を理解するには医師の熟練を要するため、注目部位を含む断層像を重ねて得られる3次元画像データから、たとえば最大値投影法などの方法で投影画像を作成して観察することが広く行われている。
【0003】
しかし、最大値投影画像は投影方向に対して3次元画像データの手前や奥の情報が失われているため、第1の投影方向より投影して作成される第1の投影画像1枚のみでは投影画像上に表示された臓器や組織の投影方向に対する手前や奥の関係がわからない場合がある。そこで医師は、上記第1の投影方向とは異なる第2、第3の投影方向から作成された第2、第3の投影画像と第1の投影画像を比較することで、注目部位の3次元的な前後関係(手前、奥の関係)を把握している。
【0004】
特許文献1においては、3次元画像として表示された物体を異なる視点から投影した画像を作成する際に、実空間上で物体を操作するのと類似した感覚で物体を回転指示するユーザインタフェイスが提案されている(ここでは、投影方向の変更と対象物体の回転は同義である)。また、投影画像が最大値投影法により得られる画像の場合において、特許文献2においてMRA(磁気共鳴アンジオグラフィ;Magnetic Resonance Angiography)により得られる3次元画像データを最大値投影して血管の投影画像を作成する際に、投影画像上で2以上の血管が交差する場所を検出して交差する血管の前後関係(手前、奥の関係)を検出し、奥側にある血管の輝度値を下げることで、擬似的に三次元の位置関係を表現する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平5−189541
【特許文献2】特開平5−277091
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来手法を用いた投影画像の観察でも、なお、最大値投影画像上の投影方向に対する注目臓器や組織の手前か奥かの関係がわかりにくいという問題があった。特に、第2、第3の投影方向から作成した投影画像を観察する際、第1の投影画像上で注目していた領域が、第2、第3の投影画像上において、どの位置に移動したか、さらには、第1の投影画像上で注目していた領域が第2、第3の投影画像上に表示されているか分からないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、第1の投影画像上で1点を指定すると、その点と対応する3次元画像データ内の第1のボクセルの、第1の投影画像とは異なる投影方向より作成される第2の投影画像上における位置を求め、表示することを可能にする装置、方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【0007】
さらには、上記第1のボクセルと、上記第1のボクセルが第2の投影画像上に投影される座標における第2の投影画像上の画素が対応する上記3次元画像データ内の第2のボクセルが異なったボクセルである場合には、第1のボクセルと第2のボクセルが異なっていることを明示する装置、方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による投影画像作成装置は、多数の2次元画像を用いて再構成して得た3次元画像データを処理して投影画像を作成する装置において、3次元データから投影対象とする第1の3次元画像データを決定する第1の投影対象決定手段と、第1の3次元画像データを第1の投影方向から最大値投影法または最小値投影法により投影して第1の投影画像を作成する第1の投影画像作成手段と、第1の投影画像上で第1の座標を指定する第1の座標指定手段と、3次元画像データから投影対象とする第2の3次元画像データを決定する第2の投影対象決定手段と、第2の3次元画像データを前記第1の投影方向とは異なる第2の投影方向から投影して第2の投影画像を作成する第2の投影画像作成手段と、第1の投影画像上の第1の座標における画素が対応する3次元画像データ上の第1のボクセルを、第2の投影方向から第2の投影画像上に投影して得られる第2の座標を第2の投影画像上に表示する第2の座標表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明による投影画像作成方法は、多数の2次元画像を用いて再構成して得た3次元画像データを処理して投影画像を作成する方法において、第1の投影方向から作成された第1の投影画像上で注目する領域を指定し、前記指定された領域の前記3次元画像データ中の対応するボクセルを決定し、第1の投影方向とは異なる第2の投影方向から作成された第2の投影画像上に、前記決定された3次元画像データ中の対応するボクセルを第2の投影方向から投影して得られる第2の投影画像上の座標を表示することを特徴とするものである。さらには、第1の投影画像上で指定した注目領域が第2の投影画像上において投影されていない場合、そのことを表示することを特徴とするものである。
【0010】
ここで、注目領域とは投影画像上に表示される関心領域を示すもので、画素1点であってもその付近を含む一定の範囲内であってもよい。
【0011】
すなわち、本発明による投影画像作成方法は、多数の2次元画像を用いて再構成して得た3次元画像データを処理して投影画像を作成する方法において、3次元画像データの投影対象となる第1の3次元画像データを決定し、この第1の3次元画像データから第1の投影方向に基づいて最大値投影法または最小値投影法により第1の投影画像を作成し、この第1の投影画像上で第1の座標を指定し、前記3次元画像データの投影対象となる第2の3次元画像データを決定し、この第2の3次元画像データから第1の投影方向とは異なる第2の投影方向に基づく第2の投影画像を作成し、第1の投影画像上の第1の座標における画素が対応する3次元画像データ上の第1のボクセルを、第2の投影画像上に第2の投影方向に基づいて投影して得られる第2の座標を第2の投影画像上に表示することを特徴とするものである。
【0012】
なお、本発明による投影画像作成方法はコンピュータに実行させるプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の投影画像作成装置、方法およびプログラムによれば、3次元画像データから作成された第1の投影画像上で指定した領域と対応する上記3次元画像データ内のボクセルを、第1の投影画像とは異なる投影方向より第2の投影画像を作成する際に、上記指定した領域と対応する3次元画像データ内のボクセルを第2の投影画像上に投影した位置を表示することができ、さらに、第1の投影画像で指定した領域のボクセルが第2の投影画像上で表示されているか否かを提示することができるため、投影画像から注目臓器や組織の3次元的位置関係を容易に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施形態による投影画像作成装置、すなわち投影画像上の注目点追跡表示装置の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように第1の実施形態による注目点追跡表示装置は、ユーザからの操作や入力を受け付けるためのキーボード12とマウス13と、画像データの入出力の各種制御を行うとともに、キーボード12およびマウス13からの入力を受け付け、本発明方法を実施するためのプログラムを実行するためのCPU11と、本発明において得られる画像を表示するモニタ14と、本発明の処理対象となる3次元画像データ及び本発明方法を実行するためのプログラムを保存したハードディスク15とからなる。なお、処理対象となる3次元画像データは本装置とネットワークでつながれたサーバ上に保存しておき、処理に必要なデータを本装置に転送するようにしてもよい。
【0016】
また、本実施形態では入力される3次元画像データはMRIから得られる脳の体軸方向の複数の断層画像から、医師が最大値投影法にて投影した画像を用いて脳血管の三次元形状を観察するものとする。また、投影法には中心投影法と平行投影法があるが、本実施形態においては平行投影法により投影画像を作成するものとする。
【0017】
次に、図2は、第1の実施形態による最大値投影画像(以下、MIP画像と呼ぶ)上の注目点の追跡表示方法において行われる処理のフローチャートである。
【0018】
まずステップS1において、MRIで撮影された複数の断層像を積み重ねて得られる3次元画像データM1が入力される。3次元画像データM1は、図3に示すように各ボクセルから構成されている。ここで、3次元画像データM1は得られたMRIの断層像のスライス間隔が大きい場合には、補間処理を行うことで、より詳細なボクセルデータを取得するようにしてもよい。また、3次元画像データM1において観察する領域が決まっている場合には、本ステップS1において、たとえば左脳付近のみに投影範囲を設定できるようにしてもよい。
【0019】
次にステップS2において、第1のMIP画像Im1を作成するため、図4に示すように、第1の投影方向ベクトルPv1および投影面P1および投影対象ボクセルを決定する。ここでは、初期MIP画像作成のために、y軸方向を第1の投影方向ベクトルPv1とする。第1の投影方向ベクトルPv1が決定されると、そのベクトルを法線とする第1の投影面P1が決定される。次に、投影対象となるボクセルを3次元画像データM1から決定する。本実施例では、投影対象ボクセルは3次元画像データM1全体とするが、ユーザが3次元画像データM1から、たとえば観察したい血管付近のボクセルデータのみを手動で切り出すような手段により、投影対象ボクセルを決定してもよい。
【0020】
ステップS2において第1の投影方向ベクトルPv1および第1の投影面P1および投影対象ボクセルが決定されると、ステップS3において、第1の投影面P1上に第1のMIP画像Im1が作成される。具体的なMIP画像作成方法の1例を以下に詳述する。まず、第1の投影面P1上の1画素の大きさを決定する。ここでは、3次元画像データM1の1ボクセルの縦、横、高さの実際の大きさ(これらは、3次元画像データM1の撮影情報から得ることが出来るものとする)のうち最も小さいものを、投影面P1上の1画素の縦および横の大きさとする。次に、3次元画像データM1の中心ボクセルVm1から、第1の投影方向ベクトルPv1方向に延ばした線と第1の投影面P1の交点をpc1とする。次に、pc1から第1の投影方向ベクトルPv1と逆方向(投影面から3次元画像データM1の方向)に延ばした直線上にある3次元画像データM1のボクセルのうち、最大画素値を持つボクセルの画素値をpc1の画素値として採用する。同様の処理を、pc1に隣接する画素から順に第1の投影面P1上の各画素で行う。これにより、第1の投影面P1上の各画素における画素値を決定してゆき、第1の投影面P1上の画素から第1の投影方向ベクトルPv1と前記逆方向に延ばした直線上に3次元画像データM1のボクセルが全くないという画素のみになったら、MIP画像の作成を完了する。このようにして、第1のMIP画像Im1(図7)が作成される。なお、投影面P1上の各画素から第1の投影方向ベクトルPv1と前記逆方向に延ばした直線上にある3次元画像データM1のボクセルのうち、最大画素値を持つボクセルの画素値をpc1の画素値として採用する際には、延ばした直線が少しでも通っている各ボクセルの中から最大画素値のものを選択してもよいし、延ばした直線上から所定の距離内にあるボクセルの中から最大画素値のものを選択してもよい。
【0021】
さらに、本ステップS3では第1のMIP画像Im1の作成とともに、図5に示すような第1のZ−Buffer画像ImZ1も作成しておく。Z−Buffer画像とは、第1のMIP画像Im1と同じサイズ(ピクセル数)で、第1のMIP画像Im1の各画素が採用した3次元画像データM1内のボクセルから第1の投影方向ベクトルPv1と逆方向(第1の投影面P1と逆側)に直線を延ばしたときに、投影対象となる3次元画像データを出るまでの距離を各画素の値としたものである。例えば図5のZ−Buffer画像上の画素Paは、図6に示すようにMIP画像上の画素Paの画素値の基となった3次元画像データM1内のボクセルVxから、第1の投影方向ベクトルPv1と逆方向に直線を延ばした際に、3次元画像データM1の外に出るまでの距離がd1であったことを示している。
【0022】
次にステップS4では、医師が図7に示す第1のMIP画像Im1上で注目する、たとえば血管の膨張している領域の1点を指定する。ここで、指定した点の第1のMIP画像Im1上での座標をQ1とする。領域を指定する方法としては、第1のMIP画像Im1上においてマウス12でカーソルを注目領域に移動させ、クリックする方法が考えられる。座標Q1が決定されると第1のMIP画像Im1上で図7のように、座標Q1にマーカ20が表示される。
【0023】
ステップS5では、ステップS4で決定された第1のMIP画像Im1上の座標Q1における画素を構成する3次元画像上のボクセルV1の座標が、第1のMIP画像Im1上の座標Q1と第1の投影方向ベクトルPv1と第1のZ−Buffer画像ImZ1とから計算により求められる。なお、ここではZ−Buffer画像を用いることで、座標Q1の画素を構成する3次元画像上のボクセルV1を求めたが、座標Q1から第1の投影方向ベクトルPv1方向に延ばした直線上にある3次元画像データM1のボクセルのうち最大画素値を持つボクセルを再度検索することでボクセルV1を求めてもよい。
【0024】
次にステップS6において、医師が第1のMIP画像Im1とは異なる投影方向から血管の膨張している領域を観察するために、第2の投影方向ベクトルPv2を入力する。ここで、第2の投影方向ベクトルPv2はベクトル値そのものや第1の投影方向ベクトルPv1からの変化量をキーボード13によって数値で入力してもよいが、表示中の第1の投影画像上でマウスをドラッグすることにより投影方向が変更されるようにしてもよい。たとえば、図8に示すように、第1のMIP画像Im1上でマウスをドラッグすると、図9に示すように3次元画像データM1の中心Vm1から第1の投影方向ベクトルPv1と逆方向に一定距離はなれた点E1が、点E1とVm1との距離を保って点E2へ移動し、点E2からVm1へ向かうベクトルを第2の投影方向ベクトルPv2とする。第2の投影方向ベクトルPv2決定されると、第2の投影方向ベクトルPv2を法線とする投影面P2が決定される。
【0025】
ステップS6にて新たな投影方向ベクトルPv2と投影面P2が決定されると、ステップS7において、第2のMIP画像Im2および第2のZ−Buffer画像をImZ2がステップS2と同じように作成される。
【0026】
そして、ステップS8において、ステップS5で求められた医師が注目するボクセルV1をステップS6で決定された第2の投影方向ベクトルPv2により作成される第2のMIP画像Im2上の座標Q2を求める。
【0027】
するとステップS9では、ステップS8で求められた座標Q2における第2のMIP画像Im2上の画素を構成する3次元画像データM1内のボクセルV2の座標が、第2の投影方向ベクトルPv2とステップS7で作成された第2のZ−Buffer画像ImZ2から求められる。
【0028】
そしてステップS10において、第1のボクセルV1と第2のボクセルV2が同一座標のボクセルであるか否かが、両ボクセルの座標を比較することにより判定される。なお、ボクセルV1とボクセルV2は完全に同じ座標でなくともよく、あらかじめ設定した距離の範囲内であれば同一とみなすようにしてもよい。
【0029】
ステップS10において、第1のボクセルV1と第2のボクセルV2が同一であると判定されると、ステップS11において、ステップS7において作成された第2のMIP画像Im2を表示し、さらに、ステップS9で求められたボクセルV1と対応する座標Q2にマーカを表示する。ここで、マーカはステップS4と同じ形状であるが、第1のMIP画像Im1とは投影方向が異なっていることを示すために、ステップS4とは異なる色で表示する。なお、このマーカは画像の観察を妨げないように、キーボード12あるいはマウス13の操作により、一時的に消去できるようにしてもよい。
【0030】
ステップS10において、ボクセルV1とボクセルV2が同一でないと判定されると、ステップS12において、ステップS7において作成された第2のMIP画像Im2を表示するとともに、ステップS9で求められたボクセルV2と対応する座標Q2にマーカを点滅表示して、同一ボクセルでないことを表示する。ここでマーカはステップS11と同じように、ステップS4と同様の形状でステップS4とは異なる色で点滅表示する。なお、ステップS11と同様に、このマーカは画像の観察を妨げないように、キーボード12あるいはマウス13の操作により、一時的に消去できてもよい。なお、上記の例ではマーカは同じ形状で色を変えているが、形状を変えて色を変えないようにしてもよいし、形状も色も変えるようにしてもよい。
【0031】

なお、本実施例では第1のMIP画像Im1上で指定した座標Q1と対応する3次元画像データM1内のボクセルV1を求め、第2の投影方向ベクトルPv2からボクセルV1を第2の投影面P2上に投影した座標Q2を求めたが、第1のMIP画像Im1上の座標Q1と、第1の投影方向ベクトルPv1から3次元画像データM1を第1の投影面P1に投影するための投影行列の逆行列と、第2の投影方向ベクトルPv2から3次元画像データM1を第2の投影面P2に投影するための投影行列Bと、第1のZ−Buffer画像ImZ1とによってボクセルV1を求めずに、第2のMIP画像Im2上での座標Q2を直接求めるようにしてもよい。
【0032】
以上のように本実施形態によれば、第1の投影方向から作成した第1のMIP画像Im1上で指定した注目領域の1点を、第1のMIP画像Im1とは異なる投影方向より作成した第2のMIP画像Im2上に投影され、注目領域は追跡表示されるため、注目した領域の第2のMIP画像Im2上での位置を知ることができ、さらに、第2のMIP画像Im2上に第1のMIP画像Im1上で注目していた点が表示されているかどうか知ることができるので、注目臓器や組織の3次元的位置関係を知るのに有用な情報を提供することができる。
【0033】
上記実施形態では、MRIから得られる脳の体軸方向の複数の断層画像から、医師が最大値投影法にて投影した画像を用いて脳血管の三次元形状を観察する例を説明したが、たとえば、CTから得られる体軸方向の複数の断層画像から気管支の形状観察のために最小値投影画像を作成する場合でも、本発明により同様の効果を得ることができる。さらに、第1の投影方向からは最大値投影画像を作成し、第2の投影方向からは最小値投影画像を作成するというように、投影方向によって投影方法を変えてもよい。さらには、第2の投影方向から投影される画像を、第2の投影面上の各画素から第2の投影方向ベクトルの逆方向に延ばした直線上に存在する3次元画像データのボクセルの濃度値の合計をボクセル数で割ったレイサム画像としてもよい。ただし、この場合は、第1の投影方向ベクトルから作成した画像中で注目していた画素と対応するボクセルが、第2の投影方向ベクトルから作成した画像中に表示されることはないため、図2のステップS8において座標Q2が求められたら、ステップS9以降は行わず、その位置を表示するにとどめることになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示方法において行われる処理を示すフローチャート
【図3】処理の対象となる3次元画像データを説明する図
【図4】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示方法において初期の投影方向と投影面の決定を説明する図
【図5】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示方法においてZ−Buffer画像を説明する図
【図6】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示方法においてZ−Buffer画像と3次元画像データのボクセルの関係を説明する図
【図7】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示方法において注目領域を指定したときに表示されるマーカ
【図8】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示方法において第1のMIP画像を用いて投影方向の移動量を指定することを説明する図
【図9】本発明の第1の実施形態による注目点追跡表示方法において図8により指定された撮影方向の移動量から第2の撮影方向を決定する事を説明する図
【符号の説明】
【0035】
11 CPU
12 キーボード
13 マウス
14 モニタ
15 ハードディスク
20 注目領域を表示するマーカ
21 マウスドラッグ元のマウスポインタ
22 マウスドラッグ先のマウスポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の2次元画像を用いて再構成して得た3次元画像データを処理して投影画像を作成する装置において、
前記3次元データから投影対象とする第1の3次元画像データを決定する第1の投影対象決定手段と
前記第1の3次元画像データを第1の投影方向から最大値投影法または最小値投影法により投影して第1の投影画像を作成する第1の投影画像作成手段と、
該第1の投影画像上で第1の座標を指定する第1の座標指定手段と
前記3次元画像データから投影対象とする第2の3次元画像データを決定する第2の投影対象決定手段と
前記第2の3次元画像データを前記第1の投影方向とは異なる第2の投影方向から投影して第2の投影画像を作成する第2の投影画像作成手段と、
前記第1の投影画像上の前記第1の座標における画素が対応する前記3次元画像データ上の第1のボクセルを、前記第2の投影方向に前記第2の投影画像上に投影して得られる第2の座標を前記第2の投影画像上に表示する第2の座標表示手段と、
を備えたことを特徴とする投影画像作成装置。
【請求項2】
前記第2の座標表示手段が、
あらかじめ前記第1の投影画像とともにZ−Buffer画像を作成しておき、
該Z−Buffer画像と前記第1の座標から前記第1のボクセルを決定し、
該第1のボクセルを前記第2の投影方向から前記第2の投影画像上に投影して求められる第2の座標を表示する
ものであることを特徴とする請求項1記載の投影画像作成装置。
【請求項3】
前記第2の座標表示手段が、
あらかじめ前記第1の投影画像とともに作成されたZ−Buffer画像と、
前記第1の3次元画像データから前記第1の投影画像を作成するための変換行列と、
前記第2の3次元画像データから前記第2の投影画像を作成するための変換行列と、
前記指定された第1の座標とから第2の座標を求めて表示する
ものであることを特徴とする請求項1記載の投影画像作成装置。
【請求項4】
前記第2の投影対象決定手段が、前記第1の投影対象決定手段により決定された第1の3次元データと同じものを第2の3次元画像データとするものであることを特徴とする請求項1記載の投影画像作成装置。
【請求項5】
前記第2の投影画像作成手段が、
最大値投影法によって投影画像を作成するものであることを特徴とする請求項1記載の投影画像作成装置。
【請求項6】
前記第2の投影画像作成手段が、
最小値投影法によって投影画像を作成するものであることを特徴とする請求項1記載の投影画像作成装置。
【請求項7】
前記第2の座標表示手段が、
前記第1のボクセルと、
前記第2の座標における前記第2の投影画像の画素が対応する前記3次元画像データ上の第2のボクセルとが異なっている場合に、該異なっていることを表示する
ものであることを特徴とする請求項5または6記載の投影画像作成装置。
【請求項8】
前記第2の投影画像作成手段が、
前記第2の投影画像が指定した区域の画素値をそれぞれ投影方向に加算し平均したレイサム処理によって投影画像を作成する
ものであることを特徴とする請求項1記載の投影画像作成装置。
【請求項9】
多数の2次元画像を用いて再構成して得た3次元画像データを処理して投影画像を作成する方法において、
前記3次元画像データの投影対象となる第1の3次元画像データを決定し、
該第1の3次元画像データから第1の投影方向に基づいて最大値投影法または最小値投影法により第1の投影画像を作成し、
該第1の投影画像上で第1の座標を指定し、
前記3次元画像データの投影対象となる第2の3次元画像データを決定し、
該第2の3次元画像データから前記第1の投影方向とは異なる第2の投影方向に基づく第2の投影画像を作成し、
前記第1の投影画像上の前記第1の座標における画素が対応する前記3次元画像データ上の第1のボクセルを前記第2の投影画像上に前記第2の投影方向から投影して得られる第2の座標を前記第2の投影画像上に表示する
ことを特徴とする投影画像作成方法
【請求項10】
多数の2次元画像を用いて再構成して得た3次元画像データから投影対象となる第1の3次元画像データを決定し、
該第1の3次元画像データから第1の投影方向に基づいて最大値投影法または最小値投影法により第1の投影画像を作成し、
該第1の投影画像上で第1の座標を指定し、
前記3次元画像データから投影対象となる第2の3次元画像データを決定し、
前記第2の3次元画像データから前記第1の投影画像とは異なる第2の投影方向に基づく第2の投影画像を作成し、
前記第1の投影画像上の前記第1の座標における画素が対応する前記3次元画像データ上の第1のボクセルを前記第2の投影方向に基づいて前記第2の投影画像上に投影して得られる第2の座標を前記第2の投影画像上に表示する
ことをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−291276(P2009−291276A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145402(P2008−145402)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】