説明

抗生物質化合物

真正細菌Streptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)による栄養培地の発酵は、化学構造式(I)の新規抗菌化合物を産生する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌活性を有する新規天然産物に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌により起こる感染は、これらの病原体の多くが様々な一般的抗生物質に耐性があることから、医学上の関心が高まっている。このような微生物には、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Staphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)、Staphylococcus hemolyticus(溶血性ブドウ球菌)、Streptococcus pyogenes(化膿連鎖球菌)、Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)、Enterococcus faecalis(エンテロコッカス フェカーリス菌)、Enterococcus faecium(エンテロコッカス フェシウム菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)、Actinobacter calcoaeticus(アクチノバクター カルコエチクス)、Escherichia coli(大腸菌)及びStenotrophomonas maltophilia(ステノトロホモナス マルトフィリア)が含まれる。本発明の抗生物質は、様々な既知の抗生物質に対して耐性のある感染症を処置するための治療に対して重要な貢献を果たす。概説として、F.D.Lowy The Journal of Clinical Investigation 2003,111(9),1265を参照のこと。
【0003】
本発明において、Streptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)の真正細菌性の発酵から単離された新規天然産物について述べる。この化合物は、現在使用可能な抗生物質に対して耐性を示していることが多い様々な病原体に対して抗菌活性を示す。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、式Iで示される新規天然産物及び抗菌剤としてのその使用:
【0005】
【化3】

又は細菌感染症の治療に効果的な医薬適合性のその塩について述べる。
【0006】
本発明はまた、真正細菌、Streptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)を用いた発酵による化合物Iの産生のためのプロセスにも関する。本発明はまた、発酵ブロスから式Iの化合物を単離するためのプロセスにも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、構造式I:
【0008】
【化4】

の化合物又は医薬適合性のその塩について述べるものである。
【0009】
本発明の化合物の医薬適合性の塩には、非毒性の無機塩基又は有機塩基から形成される従来の非毒性塩が含まれる。例えば、そのような従来の非毒性塩には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物、例えばカリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム又はマグネシウムなどの無機塩基から誘導される塩:及び、アミン、例えばジベンジルエチレンジアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ベンジルアミンなど、又は、水酸化テトラメチルアンモニウムなどのような第四級水酸化アンモニウムなどの有機塩基から調製される塩が含まれる。
【0010】
それらの医薬適合性の塩は、従来の化学的方法により本発明の化合物から合成することができる。一般に、それらの塩は、ある適切な溶媒中において、もしくは、様々な溶媒の混合液中において、その遊離酸を、所望する塩形成無機塩基又は有機塩基の化学量論的な量もしくは過剰量と反応させることにより調製される。
【0011】
本発明の化合物Iは、細菌感染症の治療に有用な抗生物質活性を示す。これは、メチシリン耐性S.aureus(黄色ブドウ球菌)(MRSA)、バンコマイシン耐性Enterococcus sp.(エンテロコッカス属菌)(VRE)、多剤耐性E.faecium(E.フェシウム菌)、マクロライド耐性S.aureus(黄色ブドウ球菌)、及びS.epidermidis(表皮ブドウ球菌)、及びリネゾライド耐性S.aureus(黄色ブドウ球菌)及びE.faecium(E.フェシウム菌)などの、多くの既知の抗生物質に対して耐性を示す菌種を含む、S.aureus(黄色ブドウ球菌)、S.pneumoniae(肺炎球菌)、E.faecalis(E.フェカーリス)、E.faecium(E.フェシウム菌)、B.subtilis(枯草菌)及びE.coli(大腸菌)の様々な菌株に対して抗菌活性を示す。
【0012】
本発明の化合物は、化合物Iを医薬適合性の担体と混合することにより医薬組成物に調合することができる。そのような担体の例を以下に述べる。
【0013】
本化合物は、粉末又は結晶の形態で、液状の溶液で、又は懸濁液の形態で用い得る。本化合物は、様々な方法で投与することができ、そのうち、特に関心のある投与方法には、局所投与、経口投与及び注射による非経口投与(静脈内注射又は筋肉内注射)が含まれる。
【0014】
送達経路の1つである注射用の組成物は、アンプルに入った単位剤形で調製することができ、又は、多回量容器に入った形態で調製することもできる。それらの注射可能な組成物は、油性もしくは水性のビヒクル中における懸濁液、溶液又は乳濁液などの形態をとり得るか、又は様々な調合用物質を含有し得る。あるいは、その活性成分は、送達時に滅菌水などの適切なビヒクルで再構成するための粉末状の(凍結乾燥された、又は、凍結乾燥されていない)形態であり得る。注射可能な組成物において、担体は、通常、滅菌水、生理食塩水又は別の注射可能な液体、例えば筋肉内注射用のラッカセイ油などから成る。また、様々な緩衝剤、保存剤なども含まれ得る。
【0015】
局所適用製剤は、軟膏、クリ−ム、ロ−ションを形成するための疎水性基剤又は親水性基剤などの担体中、塗布剤を形成するための水性、油脂性又はアルコ−ル性液体中、又は粉末剤を形成するための乾性希釈剤中において調合し得る。
【0016】
経口用組成物は、錠剤、カプセル剤、経口用懸濁液及び経口用溶液などの形態をとり得る。それらの経口用組成物は、従来の調合用物質などの担体を利用し得、徐放特性ならびに速放性送達形態を含み得る。
【0017】
投与すべき用量は、主に、治療を受ける対象の状態及び大きさ、投与経路及び投与頻度、本化合物に対する病原体の感受性、その感染物質の毒性及び他の要因に依存する。しかし、そのような事柄は、抗菌技術分野において周知の治療の原理に従う医師の通常行う判断に任される。
【0018】
液体であるか固体であるかに関わらず、ヒトに投与する場合、1回量当たりのそれらの組成物には、化合物Iが約0.01%から約99%という高濃度で含有され得るが、この範囲のある実施態様において、化合物Iが約10%から60%含有され得る。この組成物は、一般に、約15mgから約2.5gの化合物Iを含み、この範囲のある実施態様において、約250mgから1000mgの化合物Iを含む。非経口投与形態において、通常、単位用量は、滅菌水溶液中において、又は、溶液とするよう意図された可溶性粉末の形態で純粋な化合物Iを含み、それを、中性のpH及び等張性に調製することができる。
【0019】
ここで説明されている本発明はまた、細菌感染症の治療が必要な哺乳動物にその感染症を治療するのに有効な量で化合物Iを投与することを含む、細菌感染症の治療が必要な哺乳動物における細菌感染症を治療するための方法も含む。
【0020】
化合物Iを投与する方法のある実施態様には、経口的方法、及び非経口的方法、例えば、i.v.注入、i.v.ボ−ラス、及びi.m.注射が含まれる。
【0021】
成人の場合、体重1kgあたり約5mgから50mgの化合物Iを1日に1回から4回与えることが好ましい。1日あたり1回から4回与えられる本抗菌物質の好ましい用量は、250mgから1000mgである。より具体的には、軽度の感染症の場合、1日に2回又は3回、約250mgの用量が推奨される。感受性の高いグラム陽性菌に対する中等度の感染症の場合、1日に3回から4回、約500mgの用量が推奨される。本抗生物質に対する感受性が上限である微生物に対する、生命に関わる重篤な感染症の場合、1日に3回から4回、約1000mgから2000mgの用量が推奨され得る。
【0022】
子供に対しては、1日あたり2回、3回又は4回与えられる約5mg/kg体重から25mg/kg体重の用量が好ましく;通常は、10mg/kgの用量が推奨される。
【0023】
本発明の別の局面は、Streptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)微生物を適切な栄養培地中で培養し、次にその発酵ブロスから本発明の化合物を回収することを含む、化合物Iを生成するためのプロセスである。関心のある微生物は、分類学に従い、真正細菌、Streptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)として同定され、Merck Culture Collectionに寄託されている、ATCC#PTA−5316(MA7327)及びATCC#PTA−5317(MA7331)の2種類ある。
【0024】
これらの生物は、後に、American Type Culture Collection(ATCC)、12301 Parklawn Drive,Rockville、Maryland,20852に永久寄託し、受託番号ATCC#PTA−5316(Merck#MA7327)及びATCC#PTA−5317(Merck#MA7331)を割り当てられている。
【0025】
本微生物への公共的アクセスに関するあらゆる制限は、特許発行時に撤回不能に解除されることになっている。本発明と関連付けてこの特定の種の使用を説明しているが、化合物Iを生成することができる他の種及び上述の微生物の突然変異株もあり得、それらの使用も本発明のプロセスを実施する際の範囲に入るべく意図されている。
【0026】
構造式Iの化合物は、真正細菌、Streptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)の培養物の接種を介した、制御条件下における適切な培地の好気性発酵により産生される。適切な培地は、好ましくは、水性であり、同化可能な炭素、窒素及び無機塩のソ−スを含む。
【0027】
上述のStreptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)による発酵で使用される培地は、それが単独であるか、又は、当業者が通常使用する栄養素が添加されているかは別にして、基本的に、周知のDifco Tryptic Soy Brothである。
【0028】
本明細書中で述べる栄養培地は、使用され得る広範囲の様々な培地のうちの単なる例証にすぎず、どのような意味においても本発明の範囲を制限すべく意図されたものではないことに留意されたい。
【0029】
発酵は、約10℃から約40℃までのある温度で実施される。しかし、最適な結果を得るためには、その発酵を約28℃で行うことが好ましい。発酵中の栄養培地のpHは、約5.5から約7.5であり得る。
【0030】
本発明の化合物の発酵による産生に対して、本発明が、ATCC受託番号ATCC#PTA−5316(Merck#7327)及びATCC#PTA−5317(Merck#7331)を有する特定のStreptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)を使用することに限定されるものではないことを理解されたい。特に、本発明の化合物を産生することができる限りにおいて、説明した培養物から生成又は誘導される他の天然又は人工突然変異株の使用、又はStreptomyces(ストレプトミセス)属の他の変異株又は菌種の使用を本発明の範囲に含めることが望ましく、また、そのように意図されている。ATCC#PTA−5316(Merck#7327)及びATCC#PTA−5317(Merck#7331)からのStreptomyces(ストレプトミセス)の突然変異種又は変異菌株の人工的な生成は、従来の物理的又は化学的な突然変異誘発要因、例えば上記で説明した培養物の紫外線照射又はニトロソグアニジン処理などにより達成し得る。プロトプラスト融合、プラスミド取り込み、染色体フラグメント取り込みなどの組み換えDNA技術も有用であることが認められ得る。
【実施例1】
【0031】
化合物Iの産生−ATCC#PTA−5316(MA7327)及びATCC#PTA−5317(MA7331)両者に対して同じ方法を適用する。
【0032】
【表1】

【0033】
Streptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)ATCC#PTA−5316(MA7327)の凍結縣濁液(2.0mL)を、播種用培地 50mLを含有する250mL バッフル付きフラスコに接種した。このフラスコを28.0℃にて220RPMで撹拌しながら48時間インキュベーションした。第一段階の種培養 10mLを、播種用培地 500mLを含有する、2リットルのバッフルの付いていない振盪フラスコに接種することにより、第二段階の種培養を行った。このフラスコを28.0℃にて180RPMで撹拌しながら48時間インキュベーションした。CLA産生用培地 50リットルを含有する、75リットルの規模のChemap発酵槽に、第二段階の種培養から1.5リットルを接種した。75リットルの規模の発酵槽の操作パラメーターは:温度=28℃、振盪=300RPM、空気循環=30slpm及び気圧=5psigであった。ブロス 43Lを含有する発酵槽を、インキュベーション9日後に回収した。
【0034】
化合物Iの単離:43L 発酵ブロスに、29L MeOHを添加し、pH3.0に酸性化し、72Lの最終体積をとした。この抽出物を濾過し、濾過液を直接、1.5L アンバークロムに添加し、40%から100%のMeOH水溶液勾配で溶出し、各画分 600mLを回収した。化合物Iを主に含有する画分11から13をプールし、大部分が水性の200mLに濃縮し、それを300mLの水で希釈し、500mLの最終体積とした。固形の重炭酸ナトリウムを添加し、pHを9に上昇させた。この溶液を塩化メチレン 等体積で3回抽出した。この水層を6N HCl(塩酸)でpH2.0に酸性化し、塩化メチレン 等体積で4回抽出し、合わせた抽出物(1900cc)を濃縮し、半精製化合物I 2.6gを得た。
【0035】
この半精製物質を酢酸エチル少量に溶解し、80:20;ヘキサン−酢酸エチル中で充填した500ccシリカゲルカラムに載せた。ヘキサン−酢酸エチル(8:2)の4カラム体積でこのカラムを洗浄し、次に、酢酸エチル:ヘキサン:水:氷酢酸:メタノール=80:20:0.5:0.5:0.5の4カラム体積で洗浄し、各画分200mLを回収した。画分6から10をプールし、減圧下で濃縮し、化合物I 1.24gを得た。
【0036】
化合物Iの大規模単離法:5リットルの発酵ブロスを4N HClで酸性化し、酢酸イソプロピル 2.5リットルで抽出し、それを、重炭酸ナトリウムの5%水溶液 300mLで抽出した。150mL アンバークロムカラムに重炭酸層を負荷し、溶出液のpHが中性になるまで水で洗浄した。0.1N HClの1カラム体積でそのカラムを洗浄し、溶出液のpHが中性になるまで水で洗浄した。20、40、60、80、90及び100% メタノール水溶液 各2カラム体積でそのカラムを溶出した。化合物Iは、90%及び100% メタノール水溶液画分において溶出された。プールした画分をほとんど水性になるまで減圧下で濃縮し、塩化メチレン 等体積で抽出した(酢酸イソプロピル及び酢酸エチルも同様に有効である。)。その有機層を乾燥するまで濃縮し、非晶質粉末として化合物I 193mgを得て、それを熱いニトロメタン、酢酸イソプロピル、酢酸エチル又はアセトニトリル−水から結晶化することができた。
【0037】
化合物Iの物理学的データ:淡黄色の針状晶としてニトロメタンから結晶化した。mp 220−223℃(230℃で分解)、UV(CHOH)λmax227(ε 28,167),296(4,825)nm,[α]23 −51.1°(c 0.135,CHOH),FTIR(ZnSe)3400,2964,1713(w),1650,(br,strong),1535,1446,1378,1296,1240,1153,1105,1091,1024,953,828,791,608cm−1
HEESIFTMS:実測値:442.1853;C2427NO+Hに対する計算値:442.1866,
H NMR(500MHz)CN δ:1.14(3H,s),1.40(3H,s),1.48(3H,d,J=11Hz),1.57(1H,dd,J=11.5,6.5Hz),1.73(1H,dd,J=10.5,3Hz),1.81(2H,brd,J=11.5Hz),1.90(1H,m),2.0(1H,m),2.20(1H,t,J=6.5Hz),2.45(1H,brs),2.68(1H,m),2.75(1H,ddd,J=14.5,11.5,5),2.83(1H,ddd,J=14.5,11.5,5.5Hz),4.49(1H,t,J=3.5Hz),5.94(1H,d,J=10Hz),6,37(1H,d,J=10Hz),6.87(1H,d,J=9Hz),8.12(1H,d,J=9Hz),10.5(1H,s);
13C NMR(125MHz)CNδ:23.9,25.1,32.4,32.8,41.4,43.7,45.7,46.8,47.2,47.4,55.6,77.1,87.5,107.8,110.5,115.9,127.9,130.1,154.6,158.5,159.1,175.0,175.2,203.8
培養菌の特性決定
成長、培養菌の全般的特徴及び炭素源利用をShirling及びGottliebの方法に従い観察した(Int.J.Syst.Bacteriol.(1966)16:313−340)。培養菌の色調は、Methuen Handbook of Colour(A.Kornerup及びJ.H.Wauscher,第三版,1978)に記載の色度標準と比較して決定した。
【0038】
細胞の化学組成は、Lechevalier及びLechevalier(1980)の方法を用いて決定した。
【0039】
脂肪酸組成は、改変試料調製法(Sasser,1990)を用いて決定した。脂肪酸メチルエステル(FAMEs)の分析は、フェニルメチルシリコンカラム(0.2mmx25m)を備えたHewlett Packard Model 6890Nガスクロマトグラフ/Microbial Indentification Systemソフトウエア(MIDI,Inc.,Newark,Del)を使用して、キャピラリーガスクロマトグラフィーにより行った。個々の脂肪酸同定は、Microbial Indentification Systemソフトウエアを用いて行った。
プライマー、27f及び1525r(Lane,1991)を用いて得られた1500bpのPCRフラグメントから、16SrDNAの完全配列を決定した。ABI PRISMTM Dye Terminator Cycle 配列決定キット(Perkin Elmer)を使用した配列決定反応において、このPCR産物をテンプレートとして使用した。GCG Fragment Assembly System(Wisconsin Package、バージョン8)を使用して部分配列を組み立て、CLUSTALWプログラム(Inteligenetics,Inc.)を用いて、配列をアライメントした。Phylogeny Using Parsimony Analysis(PAUP)プログラムバージョン4.0(Swofford,1993)の分枝限定アルゴリズムを用いた最大節約法を使用して、アライメントした配列の系統発生解析を行った。
【0040】
ソース
菌株ATCC#PTA−5316(MA7327)は、Eastern Cape,South Africaで採取した土壌から得た。この土壌試料は、フィンボス及び砂丘の沿岸地域において、Manulea obovbata(マヌレ オボバータ)の根圏に付着していた。土壌試料を連続希釈し、20μg/mlのナリジクス酸を含有するデンプンゼイン寒天培地に播種した後、その菌株を単離した。
【0041】
菌株ATCC#PTA−5317(MA7331)は、Mallorca,Balearic Islands,Spainで採取した土壌から単離した。0.01%塩化ベンゼトニウムで土壌を前処理し、20μg/ml ノボビオシンを添加したフミン酸使用寒天に播種した後、この菌株を単離した。
【0042】
全般的な成長特性
菌株ATCC PTA−5316(MA7327)は、酵母麦芽エキス、オートミール、グリセロールアスパラギン、無機塩デンプン及びトリプチケースソイ(Trypticase Soy)寒天などの一連の寒天培地において、28℃にて良好に成長する。肉眼的なコロニーの形態は、Streptomycetesに特有なものであり、胞子塊の色調、基質菌糸の着色及び様々な色素産生を含む、その成長の特性を様々な寒天培地において記録した(表1)。
【0043】
コロニー形態(麦芽酵母エキス寒天培地、ISP2):最初黄白色である基質菌糸は、インキュベーション21日後、橙褐色(5C6)に変化する。21日間のインキュベーション後、最初白色である気中菌糸体は成長を続け、黄灰色に変化し、最終的に、褐色の湿った浸出液の小滴を伴う灰色(5D2)となる。
微構造:光学顕微鏡により、400X及び1000Xの拡大率で、プレート上で直接胞子鎖の形態を調べた。麦芽酵母エキス寒天培地で7日、14日及び21日間培養した後に観察を行った。気中菌子体が広く分枝した基菌糸から生じる。まばらな分枝した気菌糸は、最初に、短く不規則で堅固な螺旋形態の胞子鎖に分化する。10から20個未満の胞子によって担胞子体が形成され、時間が経過するにつれて、より時間が経過した培養菌においては、暗色の粘液状の胞子塊に合着する傾向がある。他の試験培地の殆どにおいても同様の形態が観察されたが、合着の程度は様々であった。一方、グリセロールアスパラギン寒天培地では、この菌株は不稔の栄養菌子として成長する。
【0044】
菌株ATCC#PTA−5317(MA7331)は、酵母麦芽エキス、オートミール、グリセロールアスパラギン、無機塩デンプン及びトリプチケースソイ(Trypticase Soy)寒天などの試験寒天培地において、28℃にて良好に成長する。肉眼的なコロニー形態は、Streptomycetesに特有なものであり、その成長特性を様々な寒天培地において記録した(表1)。
【0045】
コロニー形態(酵母麦芽寒天培地、ISP2):最初黄白色である基質菌糸は、インキュベーション21日間後、黄褐色(5E7)に変化する。インキュベーション21日後、最初黄白色である気中菌糸体は成長を続け、均一に灰色となる(5E1)。
微構造:光学顕微鏡により、400X及び1000Xの拡大率で、プレート上で直接胞子鎖の形態を調べた。麦芽酵母エキス寒天培地で7日、14日及び21日間培養した後に観察を行った。大規模な気中菌子体が分枝した基菌糸から生じる。担胞子体は、気菌糸の先端で、又は2次分枝した菌糸で生じる。それらは、ループ状又はコイル状の構造を伴う短く堅固で不規則な胞子鎖を形成するが、それらはさらに長時間インキュベーションすると合着する。菌株が不稔の栄養菌糸として成長するグリセロールアスパラギン寒天培地を除く他の試験培地において、合着の程度が異なる同様の形態が観察された。
【0046】
化学分類分析
細胞壁組成の分析により、菌株ATCC#PTA−5316(MA7327)及び菌株ATCC# PTA−5317(MA7331)が、生物全体の加水分解物において、Streptomyces(ストレプトミセス)の特徴である、LL−Apmを含有していることが示される。菌株ATCC#PTA−5316(MA7327)は、主要な細胞壁糖質としてグルコースを含有し、一方、菌株ATCC#PTA−5317(MA7331)においては、特徴的な糖質としてグルコース及びガラクトースが見られる。両菌株とも、直鎖飽和脂肪酸及びイソ(iso)及びアンテイソ(anteiso)脂肪酸に富んでいるが、完全に異なる脂肪酸パターンを示す。完全な脂肪酸組成を表2で示す。全細胞の加メタノール分解物で見られる主な脂肪酸は、15:0 アンテイソ(anteiso)と16:0 イソ(iso)に相当し、これもまた、Streptomyces(ストレプトミセス)に特有である。これらの化学分類分析全てから、両菌株がStreptomyces(ストレプトミセス)属のメンバーに相当することが示される。
【0047】
生理学的特性
これらの菌株は、わずかに異なる炭素利用パターンを示す(表3):
ATCC#PTA−5316(MA7327):D−グルコース、スクロース、I−イノシトール、D−マンニトール、D−フルクトース及びラフィノースを良好に利用し;D−キシロースを中程度に利用し;L−アラビノース及びセルロースをわずかに利用し;ラムノースを利用しない。
【0048】
ATCC#PTA−5317(MA7331):スクロース、D−キシロース、I−イノシトール、D−フルクトース及びラフィノースを良好に利用し;D−グルコース及びD−マンニトールを中程度に利用し;L−アラビノースをわずかに利用し;セルロース及びラムノースを利用しない。
【0049】
16S rDNA配列及び系統発生解析
両菌株に対して、16SrDNAの完全配列を決定した(図2)。配列を、Genbank(AB045882)からのStreptomyces(ストレプトミセス)ヌクレオチド配列とアライメントし、126種類の確認済みStreptomyces(ストレプトミセス)菌種の、アライメントを行った16S rDNA配列の系統発生解析を行うことにより、両株の分類学的位置を決定した。最大節約法を用いて、これらの16S rDNA配列に基づく系統樹を作成した。各分類からのブーツストラップ反復推定値を統計信頼度の尺度として使用した。ブーツストラップ反復推定値の95%で見られる分類を統計的に有意であるとみなした。
【0050】
菌株ATCC# PTA−5316(MA7327)及びATCC# PTA−5317(MA7331)は、菌株Streptomyces platensis(ストレプトミセス プラテンシス)ATCC 13865に関連する同じ枝に現れる。この密接な関係はブーツストラップ反復推定値(92%)により大いに裏付けられており、両分離株が菌種Streptomyces platensis(ストレプトミセス プラテンシス)の異なる株により同定され得ることが示唆される。
【0051】
表1.
Streptomyces(ストレプトミセス)属菌 ATCC# PTA−5316(MA7327)及びATCC# PTA−5317(MA7331)の培養菌の特性(28℃にて21日間)
菌株ATCC#PTA−5316(MA7327)
【0052】
【表2】

【0053】
菌株ATCC#PTA−5317(MA7331)
【0054】
【表3】

【0055】
表2:菌株ATCC#PTA−5316(MA7327)及びATCC# PTA−5317(MA7331)で見られる主要な脂肪酸
【0056】
【表4】

【0057】
表3.菌株ATCC#PTA−5316(MA7327)及びATCC#PTA−5317(MA7331)の炭水化物利用パターン
【0058】
【表5】

【0059】
炭素源としてこの表の化合物を用いて培養菌の成長を監視した:28℃にて、7日、14日及び21日の間隔で観察を行い、個々の炭素源の利用を下記に挙げた。成長レベル:3=良好に利用、2=中程度に利用、1=わずかに利用、0=利用なし。
【0060】
図2.菌株ATCC#PTA−5316(MA7327)及びATCC# PTA−5317(MA7331)の16S rDNA配列及びデータベースの配列
菌株ATCC#PTA−5316(NA7327)16S rDNA領域(1から1449)−配列番号1
【0061】
【化5】


【0062】
菌株ATCC#PTA−5317(NA7331)16S rDNA領域(1から1496)−配列番号2
【0063】
【化6】


【0064】
化合物Iの抗菌活性を決定するために用いたプロトコールを下記に示す。
【0065】
材料:
陽イオン調整済みミューラーヒントンブロス(Mueller Hinton Broth)(MH、BBL)
50% ウマ溶血液(LHB、BBL)(冷凍保存)
RPMI 1640(BioWhittaker)
ヒト血清(Pel−Freez)
RPMI 1640(BioWhittaker)
ヘモフィルス試験培地(HTM、Remel)
トリプチケースソイ(Trypticase Soy)ブロス(TSB、5mL/試験管;BBL)
0.9% 塩化ナトリウム(生理食塩水、Baxter)
トリプチケースソイ+5%ヒツジ血液寒天プレート(TSA、BBL)
サブローデキストロース寒天プレート(BBL)
チョコレート寒天プレート(BBL)
2Xスキムミルク(Remel)
Microbank Beads(Kramer Scientific)
MIC2000 マイクロタイタープレート イノキュレーター
2Xトリプチケースソイブロス(TSB、BBL)+15%グリセロール/50%ウマ血清
96ウェルマイクロタイタープレート、蓋、接種トレイ(Dynex Laboratories)
8チャネルのFinn社製マルチチャネルピペッター、0.5μLから10μL 容積
方法:
培地の調製
陽イオン調整済みミューラーヒントンブロス(BBL):製造者の使用説明書に従い調製する(1000mLの水に22グラムを溶解し、22分間オートクレーブする。)。冷蔵保存する。Corning 0.45Tmセルロースアセテートフィルターを用いて、使用前に濾過滅菌する。
【0066】
50%ウマ溶血液:脱繊維素ウマ血液を滅菌蒸留水で1:1希釈し、冷凍し、凍結融解し、再冷凍し(少なくとも7回繰り返す)、次に遠心する。−20℃で冷凍保存する。
【0067】
陽イオン調整済みミューラーヒントン+2.5%ウマ溶血液:100mL 陽イオン調整済みミューラーヒントンブロスに、5mL 50%ウマ溶血液を無菌的に添加する。Corning 0.45Tmセルロースアセテートフィルターを用いて、使用前に濾過滅菌する。
【0068】
陽イオン調整済みミューラーヒントン+50%ヒト血清:50mL ヒト血清を50mL 2X陽イオン調整済みミューラーヒントンブロスに無菌的に添加する。Corning 0.45Tmセルロースアセテートフィルターを用いて、使用前に濾過滅菌する。
【0069】
ヘモフィルス試験培地(Remel):製造者から調製済みのものを受領する。Corning 0.45Tmセルロースアセテートフィルターを用いて、使用前に濾過滅菌する。
【0070】
0.9% 塩化ナトリウム(生理食塩水;Abbott Labs):製造者から調製済みのものを受領する。
【0071】
2Xスキムミルク(Remel):製造者から調製済みのものを受領する。
【0072】
寒天プレートは全て、製造者から調製済みのものを受領する。
【0073】
【表6】

【0074】
テストを行う抗生物質の最高濃度=64μg/mL(50% DMSOにおける1mg/mL溶液から開始した場合)。ウェルあたりDMSOの最終濃度=3.2%
分離株の選択及び維持
使用する菌株は、Merck Culture Collection、Merck clinical Culture Collection又は臨床試験のいずれかからの分離株である。Haemophilus influenzae(ヘモフィルス インフルエンザ)の菌株は、Merck社でのインビボ試験に使用されるマウスの病原体である。Escherichia coli(大腸菌)株は、細胞壁透過性の菌株である。Candida albicans(カンジダ アルビカンス)菌株を対照として使用する。これらの培養菌を、a.)Microbankビーズ、b.)2Xスキムミルク又はc.)2Xトリプチケースソイブロス+15% グリセロール/50% ウマ血清(Haemophilus(ヘモフィルス)及びStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌))中で、−80℃にて冷凍保存物として維持する。
【0075】
接種材料調製
選択した分離菌は、チョコレート寒天プレート(Haemophilus influenzae(ヘモフィルスインフルエンザ))、トリプチケースソイ+5%ヒツジ血液寒天プレート(Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌))、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Escherichia coli(大腸菌)、Enterococcus(エンテロコッカス)、Bacillus(バチルス))、又はサブローデキストロース寒天(Candida(カンジダ))上のいずれかで継代培養し、35℃でインキュベーションする。Haemophilus(ヘモフィルス)及びStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌)は、5% CO中でインキュベーションし、他の分離菌は全て、周囲空気中でインキュベーションする。アッセイ前に2回、分離菌を継代培養する。
【0076】
プレートからコロニーを選択し、これを用いて、トリプチケースソイブロス中で0.5McFarland標準と等しい接種材料を調製する。Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)の場合は、1.0McFarland標準と等しい密度を有する接種材料を調製する。全培養菌に対する接種材料密度は、TBS中にて〜10CFU/mLである。このTBS接種材料を滅菌生理食塩水で1:10に希釈し(4mL接種材料+36mL生理食塩水;〜10CFU/mLに相当)、マイクロタイタープレートへの接種に使用するまで氷上で保存する。
【0077】
CFU/ウェルを確認するために、無作為に選択した分離菌のコロニー数を数える(TSA II+5%SB又はチョコレート寒天プレート上のいずれかに、TSB接種材料を10−5、10−6播種し、35℃、CO中で一晩インキュベーションする)。
【0078】
プレートへの注入
96ウェルマイクロタイタープレート(Dynex)の全ウェルに、100TL培地を満たす。Haemophilus influenzae(ヘモフィルス インフルエンザ)を試験するために、ヘモフィルス試験培地プレートを調製し;Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)を試験するために、陽イオン調整済みミューラーヒントン+5%ウマ溶血液プレートを調製し;Enterococcus(エンテロコッカス)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Escherichia col(大腸菌)及びBacillus subtilis(枯草菌)を試験するために、陽イオン調整済みミューラーヒントンブロスプレートを調製する。Candida(カンジダ)を試験するために、RPMI 1640を使用する。血清中のある成分により本化合物が不活性化される(MICが上昇することにより示される。)か否かを調べるために、陽イオン調整済みミューラーヒントン中及び陽イオン調整済みミューラーヒントン+50% ヒト血清でS.aureus Smith(黄色ブドウ球菌Smith型)に対するMICsを決定する。注入済みプレートをビニール袋で包み(蒸発を最小限に抑えるため。)、凍結保存し、使用前に凍結融解する。
【0079】
化合物の調製
化合物は重量ベースで調製する。化合物を100%DMSO中で2mg/mLに調製し、次にDMSO/2XCAMHBの1:1希釈で、1mg/mLに希釈する(最終濃度=50% DMSO/50% CAMHB)。BD Biosciences Deep Well Polypropylene 96ウェルプレートにおいて、50%DMSO/50%CAMHBで、化合物を連続的に1:1希釈する(開始濃度は1mg/mL)。
【0080】
マイクロブロス希釈アッセイ
Finn社製自動マルチチャネルピペットを使用して、(0.5μLから10μL容積)抗菌性試験溶液 6.4TLsを、注入済みマイクロタイタープレートのウェルに添加する(最初のウェルの抗菌剤濃度=64μg/mL;DMSO濃度=3.2%)。このようにして抗菌剤を添加し、各ウェルのDMSO量を一定に保持する(化合物を溶解した状態に維持し、DMSOによる非特異的殺菌の可能性について説明するため。)。最終列には、3.2% DMSOの成長対照が含まれる。
【0081】
各アッセイに対して、対照を試験する。この対照は、本化合物と同様の方法で調製する、ペニシリンG及びクロラムフェニコールである。血清タンパク質結合アッセイに対する対照として、エルタペネムが含まれる。
【0082】
プレート接種
1ウェルあたり1.5TLの接種材料を送達する自動プレート接種装置である、MIC2000システムを用いて、(生理食塩水で希釈した)培養菌をマイクロタイタープレートの全ウェルに接種する。周囲空気中で、プレートを35℃にてインキュベーションする。非接種プレートも滅菌性をチェックするものとしてインキュベーションする。22時間から24時間のインキュベーション後に、結果を記録する。プレートにおいて、成長がないものを調べた。MICは、22−24時間のインキュベーション後に成長が見られないという結果となった最低抗菌濃度として定義する。
【0083】
化合物Iは、S.aureus(黄色ブドウ球菌)、E.faecalis(E.フェカーリス菌)、E.faecium(E.フェシウム菌)、B.subtilis(枯草菌)、S.pneumoniae(肺炎球菌)及びE.coli(大腸菌)の様々な菌株に対する抗菌作用を示す。化合物Iはまた、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌類(VRE)、多剤耐性E.faecium(E.フェシウム菌)、マクロライド耐性黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌及び、リネゾリド耐性黄色ブドウ球菌及びE.faecium(E.フェシウム菌)などの多くの既知の抗生物質に耐性がある様々な菌種に対しても抗菌作用を示す。これらの試験菌株に対する最小発育阻止濃度(MIC)値は、0.1μg/mLから32μg/mLの範囲にわたる。MICsはNCCLSガイドラインに従って算出する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、CN中での化合物Iの13C NMRスペクトルである。
【図2】図2は、CN中での化合物IのH NMRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

の化合物又は医薬適合性のその塩。
【請求項2】
ATCC#PTA−5316(MA7327)又はATCC#PTA−5317(MA7331)を有するStreptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)又はそれらの天然もしくは人工突然変異株を栄養培地中で培養すること及びその発酵ブロスから前記化合物Iを回収することを含む、構造式I:
【化2】

の化合物の調製のためのプロセス。
【請求項3】
前記発酵が、約10℃から約40℃までのある温度で実施される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記発酵が約28℃の温度で実施される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
ATCC受託番号ATCC#PTA−5316(MA7327)を有するStreptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)。
【請求項6】
ATCC受託番号ATCC#PTA−5317(MA7331)を有するStreptomyces sp.(ストレプトミセス属菌)。
【請求項7】
医薬適合性の担体と、構造Iの化合物の有効量と、を含む医薬組成物。
【請求項8】
式Iの化合物の有効量を投与することを含む、細菌感染症の治療が必要な宿主における細菌感染症の治療方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−528639(P2006−528639A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521275(P2006−521275)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/023780
【国際公開番号】WO2005/009391
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【出願人】(504225703)
【Fターム(参考)】