説明

抗菌及び抗真菌特性を有する材料

【課題】抗菌及び抗真菌特性を有する材料
【解決手段】(a)式(I)


(式中、nは0又は好ましくは1を表し、R1及びR2は水素原子又は塩素原子を表し、R3はヒドロキシ基又は好ましくは水素原子を表し、R4、R5及びR6は水素原子又は塩素原子を表し、R7はヒドロキシル基を表し、そして、Xは直接結合、−NHCONH−、−
CH2−又は好ましくは−O−を表す。)で表されるフェノール性抗菌化合物から選択さ
れる抗菌剤;及び
(b)ベンズイミダゾール抗真菌剤、トリアゾール、2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジン、イソチアゾリノン抗真菌剤、10,10’−オキシ−ビス−フェノキシアルセン、亜鉛ピリチオンから選択される抗真菌剤、
を含む合成熱可塑性ポリマー材料をベースとする衣類又は履物が、優れた抗菌特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌剤と抗真菌剤の特定の組み合わせを含む、合成熱可塑性ポリマー材料、特に、衣類又は靴、あるいは衣類又は靴の製造のための材料、臭気や白癬を防止するための衣類又は靴の中又は上へのそれら薬剤の使用、さらに、臭気や白癬保護衣類又は靴の製造のための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の上に直接身につける衣類や靴への特定の殺生物剤の使用が提案されている(米国特許第4401770号明細書;国際公開第03080911号パンフレット参照)。国際公開第02023985号パンフレットは、皮革を保護するためのフェノール性化合物と殺真菌剤との組合せを提案している。欧州特許出願公開第1362885号明細書は、銀ベースの抗菌剤を含有するある種の熱可塑性組成物の変色が、銀イオン捕捉剤としてチアベンダゾールなどの特定の塩基の添加によって防止され得ることを説明している。
【0003】
足は、足に汗をかき、それが履物中に閉じ込められると臭う。臭いの原因は、細菌に加え、これら二つの要因の相互作用である。足は体のどの部位よりもより多くの汗腺を有しており、そして履物中で密閉されるために(手のようには)蒸発できず、大汗をかきやすい。細菌はとりわけ臭いの原因となるイソ吉草酸を生成する。
【0004】
特に重要なものは、例えば細菌では、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、スタ
フィロコカス アウレウス)、ミクロコッカス種、コリネバクテリウム種、プロピオン酸菌種である;特に重要な真菌は、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagophytes、トリコファイトン メンタゴファイテ)、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum、トリコファイトン
ルブラム)、有毛表皮糸状菌(Epidermophyton floccosum、エピダーモファイトン フロッコサム)が挙げられる。
【0005】
水虫は若い人々や大人において標準的な状態である。真菌は温かく湿った場所で増殖し、その結果、きつい運動靴を履いたり、或いは足を適切に乾かしていない人々において主要な問題である。
【特許文献1】米国特許第4401770号明細書
【特許文献2】国際公開第03080911号パンフレット
【特許文献3】国際公開第02023985号パンフレット
【特許文献4】欧州特許出願公開第1362885号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、肌の上に直接着る衣類や、スポーツ用靴又は労働用靴などの靴における臭い(悪臭;臭汗症)又は真菌の増殖(例えば水虫、足白癬)を減ずるために、効果的に臭いを減少させ、そして真菌の増殖を防止できると同時に、皮膚刺激、毒性作用、変色等に関する問題を引き起こさない、更なる手段が求められている。
【0007】
抗菌剤と抗真菌剤の組合せが、その問題を克服するのに有利に使用され得、それにより、抗菌性でありよって抗臭性であって抗白癬特性を有する衣類又は履物、特に靴を提供することが、現在見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において有用な抗菌剤(a)は主として、
式(I)
【化1】

(式中、
nは0又は好ましくは1を表し、
1及びR2は水素原子又は塩素原子を表し、
3はヒドロキシ基又は好ましくは水素原子を表し、
4、R5及びR6は水素原子又は塩素原子を表し、
7はヒドロキシ基を表し、そして
Xは直接結合、−NHCONH−、−CH2−又は好ましくは−O−を表す。)
で表されるフェノール性抗菌化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
抗菌成分(a)の好ましい例としては、2−フェニルフェノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、2,2’−メチレン−ビス−(4−クロロ−フェノール)、4−(2−t−ブチル−5−メチルフェノキシ)−フェノール、3−(4−クロロフェニル)−1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−尿素、2,4,6−トリクロロフェノールが挙げられる。
【0010】
銀イオン放出剤、例えば、AgCl、AgNO3、Ag2SO4、銀−ゼオライト、銀−
ガラス、銀−ジルコネートなどの塩又は銀錯体塩が更なる抗菌成分として使用され得、例えば前述の成分a)に対して約1:9乃至約9:1の質量比で使用され得る。銀含有ゼオライトは、米国特許第4,775,585号明細書、米国特許第4,911,898号明細書、米国特許第4,911,899号明細書及び米国特許第6,071,542号明細書に記載されるものであり得、該開示は参照することによって本書に組み込まれる。ゼオライトは一般に3次元成長骨格構造を有するアルミノシリケートであり、そして一般にxM2/nO・Al23・ySiO2・zH2O(式中、Mは一般に一価の又は二価の金属イオ
ンであるイオン交換可能な金属イオンを表し;nは金属の価数に対応し;xは金属酸化物の係数(率)を表し;yはシリカの係数を表し;そしてzは結晶化した水の数を表す。)で表され、Al23を主成分として記載される。本発明の抗菌剤と共に使用されるゼオライトは、少なくとも150m2/gの固有の表面積を有する。
成分a)としてより好ましいものは、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−メチレン−ビス−(4−クロロ−フェノール)、3−(4−クロロフェニル)−1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−尿素である。
【0011】
本発明において有用な抗真菌剤(b)は、ベンズイミダゾール抗真菌剤、トリアゾール、2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジン、イソチアゾリノン抗真菌剤、10,10’−オキシ−ビス−フェノキシアルセン、亜鉛ピリチオンから選択される。
【0012】
有用なベンズイミダゾール抗真菌剤は、例えば:カルベンダジム(2−メトキシカルボニルアミノ−ベンズイミダゾール、[CAS:メチル 1H−ベンズイミダゾール−2−イルカルバメート;登録番号 10605−21−7]);チアベンダゾール[CAS:
2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾール;登録番号 148−79−8];である。
【0013】
有用なトリアゾールは、例えば:テブコナゾール((RS)−1−p−クロロフェニル−4,4−ジメチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ペンタン−3−オール[CAS α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、登録番号 107534−96−3]);である。
【0014】
有用な2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジンは、主に国際公開第05011758号パンフレットに記載されているものであり、すなわち、式
【化2】

(式中、
1は炭素原子数1乃至12のアルキル基又は炭素原子数6乃至10のアリール基を表し

2は水素原子又は炭素原子数1乃至12のアルキル基を表し;或いは
1及びG2は一緒になって式
【化3】

(式中、G’及びG’’は夫々互いに独立して水素原子、炭素原子数1乃至6のアルキル基又は炭素原子数1乃至6のアルコキシ基を表す。)で表される基を形成し;
3及びG5は夫々互いに独立して水素原子又は炭素原子数1乃至8のアルキル基を表し;G4は炭素原子数1乃至20のアルキル基、非置換のフェニル基、炭素原子数6乃至10
のアリール基、好ましくは炭素原子数7乃至10のアリール基;炭素原子数6乃至10のアリール−炭素原子数1乃至6のアルキル基、ヒドロキシ−炭素原子数1乃至6のアルキル基、ジ−炭素原子数1乃至6のアルキルアミノ−炭素原子数1乃至6のアルキル基、モノ−炭素原子数1乃至6のアルキルアミノ−炭素原子数1乃至6のアルキル基、−(CH22−(O−(CH221-4−OH又は−(CH22−(O−(CH221-4−NH2
を表し;
6は炭素原子数1乃至20のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基、炭素原
子数6乃至10のアリール−炭素原子数1乃至6のアルキル基、ヒドロキシ−炭素原子数1乃至6のアルキル基、ジ−炭素原子数1乃至6のアルキルアミノ−炭素原子数1乃至6のアルキル基、モノ−炭素原子数1乃至6のアルキルアミノ−炭素原子数1乃至6のアルキル基、−(CH22−(O−(CH221-4−OH又は−(CH22−(O−(CH221-4−NH2を表し;又は
3及びG4及び/又はG5及びG6は一緒になってピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン又はモルホリン環を形成する。)で表される化合物であり;
2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジンの典型的な例としては、式
【化4】

で表され;
有用なイソチアゾリノン抗真菌剤は、例えば:2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−N−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンである。
【0015】
亜鉛ピリチオン[CAS登録番号 13463−41−7]はまた2−メルカプトピリジン−1−オキシド亜鉛塩としても知られている。
【0016】
好ましい抗真菌剤は、チアベンダゾール、テブコナゾール、亜鉛ピリチオン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−N−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、式(IIb)、(IIc)、(IId)で表される2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジンであり;特にチアベンダゾール、テブコナゾール、亜鉛ピリチオンである。
【0017】
単一化合物又は各成分の混合物が使用され得る。例えば、フェノール性抗菌剤と銀成分の組み合わせの使用が、例えば米国特許第6585989号明細書に記載されるように、更なる有利点をもたらし得る。勿論、前記特許明細書に記載される酸化亜鉛、銅及び銅成分、コロイダル銀などの一般的な銀、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、銀錯体、金属含有ゼオライト及び表面変性金属含有ゼオライトから選択される一種以上のさらなる成分も加えられ得る。
【0018】
成分a)及びb)は好ましくは0.5:20乃至20:0.5の範囲の比率で使用され、特にa):b)は1:10乃至10:1の比で使用される。
【0019】
成分a)及びb)の総量は、好ましくは処理される衣類又は靴又対応する材料の0.01質量%乃至10質量%、特に0.02質量%乃至5質量%の範囲である。
【0020】
成分a)及びb)の抗菌性混合物は、優れた長期間の活性と優れた毒性プロフィールを示す。
【0021】
成分a)及びb)の新規な抗菌性混合物は、回転成形や紡糸などの製造工程を経る前に、プラスチック樹脂に配合され得る。成分a)及びb)の混合物は、例えば200℃より遥かに超える高温などの過酷処理条件に耐えることが可能である。
【0022】
したがって、本発明はまた、上記に(a)及び(b)として定義された抗菌剤及び抗真菌剤がその中に配合されることを特徴とする、特に衣類又は靴の抗菌性材料の製造方法、並びに、衣類又は履物の製造のための抗菌剤(a)と抗真菌剤(b)の組み合わせの使用にも関する。
【0023】
本発明の抗菌活性を持つプラスチック樹脂ポリマー基材などの材料の例は:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0024】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、望ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び高温において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一種又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又はさらなる活性剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、前記金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用され得る。活性剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス、スタンダ
ードオイルインディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0025】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0026】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えばCOCの様な、エチレン/ノルボルネン)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンなどのジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0027】
4.水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5乃至9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0028】
1.)乃至4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0029】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0030】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0031】
6a.上述された芳香族ビニルモノマー及び、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びその混合物から選択されるコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレー
ト、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンなどのスチレンのブロックコポリマー。
【0032】
6b.6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
【0033】
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0034】
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0035】
7.スチレン又はα−メチルスチレンなどの芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル,アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0036】
8.ポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデンならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーなどのそれらのコボリマーなどのハロゲン含有ポリマー。
【0037】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのなどのそれらの誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃変性されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0038】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0039】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリル
フタレート又はポリアリルメラミン;並びに上記の1)で言及されたオレフィンとそれらコポリマー。
【0040】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーなどの環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0041】
13.ポリオキシメチレンなどのポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性されたポリアセタール。
【0042】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0043】
15.一方はヒドロキシル末端化ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0044】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド(PA)、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から及び変性剤としてエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0045】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0046】
18.ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)、及びポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0047】
19.皮革、セルロース、ゴム、ゼラチン及び化学的に変性されたそれらの同族誘導体などの天然ポリマー材料、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート及びセルロースブチレート、又はメチルセルロースなどのセルロースエーテル、並びにロシン及びその誘導体。
【0048】
20.前述されたポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/ア
クリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0049】
21.純単量体又はそれら化合物の混合物である天然由来及び合成有機材料、例えば鉱物オイル、動物及び植物脂肪、油及びワックス、又は合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)及びまた合成エステルと鉱物油のあらゆる質量比率の混合物をベースとする油、脂肪及びワックス、典型的に紡糸組成物として使用されるもの、並びにそれら材料の水性エマルション。
【0050】
22.天然又は合成ゴムの水性エマルション、例えば天然ラテックス又はカルボキシル化されたスチレン/ブタジエンコポリマーのラテックス。
【0051】
23.たとえば米国特許第4,259,467号明細書に記載の軟質親水性ポリシロキサン;並びに例えば米国特許第4,355,147号明細書に記載の硬質ポリオルガノシロキサンなどのポリシロキサン。
【0052】
好ましい基材は、LDPE又はHDPEなどのポリエチレン、ポリプロピレン(PP;ホモ又はコポリマー)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、PET、PET−G、ポリオール、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、PVC、PA6又はPA6.6などのPAである。基材は発泡体であり得る。
【0053】
本発明の材料、衣類又は靴、特にポリマー基材はまた一種以上の下記既知の添加剤をその中に配合し得る。
【0054】
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
たとえば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直線状若しくは側鎖で分岐したノニルフェノール、たとえば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0055】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
たとえば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0056】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
たとえば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第
三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0057】
1.4.トコフェロール、
たとえば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0058】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
たとえば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0059】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
たとえば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0060】
1.7.O−、N−、及びS−ベンジル化合物、
たとえば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0061】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、
たとえば、ジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルベンジル)マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0062】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、
たとえば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0063】
1.10.トリアジン化合物、
たとえば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0064】
1.11.ベンジルホスホネート
たとえば、ジメチル−2,5−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0065】
1.12.アシルアミノフェノール、
たとえば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバメート。
【0066】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
たとえば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0067】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
たとえば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカ
ノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン。
【0068】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
たとえば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0069】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
たとえば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0070】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド
たとえば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤルによって供給されるナウガードXL−1(登録商標 Naugard))
【0071】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0072】
1.19.アミン抗酸化剤、
たとえば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニ
レンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、たとえばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチル−ジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0073】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
たとえば、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3
’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【化5】

(式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表す)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0074】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、
たとえば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ、及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0075】
2.3.置換及び非置換の安息香酸のエステル、
たとえば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0076】
2.4.アクリレート、
たとえば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0077】
2.5.ニッケル化合物
たとえば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、若しくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンといった付加配位子を伴うか若しくは伴わない、1:1又は1:2の錯体といった、2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、たとえば、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル若しくはエチルエステル、ケトキシム、たとえば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、付加的な配位子を伴うか若しくは伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0078】
2.6.立体障害性アミン
たとえば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状若しくは環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状若しくは環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロー4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノ−プロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及び4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及びN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7];N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン若しくは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0079】
立体障害性アミンはまた、英国特許出願公開第2301106号明細書に成分I−a)、I−b)、I−c)、I−d)、I−e)、I−f)、I−g)、I−h)、I−i)
、I−j)、I−k)又はI−l)、特に前記英国特許出願公開第2301106号明細書の68乃至73頁に記載される光安定剤1−a−1、1−a−2、1−b−1、1−c−1、1−c−2、1−d−1、1−d−2、1−d−3、1−e−1、1−f−1、1−g−1、1−g−2又は1−k−1として記載される化合物の一つであり得る。
【0080】
立体障害性アミンはまた、欧州特許出願公開第0782994号明細書に、例えばその中の請求項10又は請求項38に、又は実施例1−12に、又はD−1乃至D−5に記載される化合物の一つであり得る。
【0081】
2.7.N−原子上でヒドロキシ置換アルコキシ基によって置換されている立体障害性アミン、
たとえば、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコール由来の炭素基との反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート及び2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジンなどの化合物。
【0082】
2.8.オキサミド、
たとえば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、並びに、o−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0083】
2.9.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
たとえば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(
2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−[3−(2
−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル]−4,6
−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0084】
3.金属奪活剤
たとえば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0085】
4.ホスフィット及びホスホナイト、
たとえば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’―ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0086】
特に好まれるのは以下のホスフィットである:
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス168、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(登録商標:Irgafos))、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化6】

【0087】
5.ヒドロキシルアミン、
たとえば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミ
ン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミン由来のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0088】
6.ニトロン、
たとえば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミン由来のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン由来のニトロン。
【0089】
7.アミンオキシド、
たとえば、米国特許第5,844,029号明細書及び米国特許第5,880,191号明細書に記載のアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシド及びトリヘキサデシルアミンオキシド。
【0090】
8.ベンゾフラノン及びインドリノン、
たとえば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第−4316611号明細書;独国特許出願公開第−4316622号明細書;独国特許出願公開第−4316876号明細書;欧州特許出願公開第−0589839号明細書、又は、欧州特許出願公開第−0591102号明細書に開示されるもの、又は、3−[4−(2−アセトキシエトキシ)−フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン。
【0091】
9.チオ相乗剤
たとえば、ジラウリルチオジプロピオネート、又は、ジステアリルチオジプロピオネート。
【0092】
10.過酸化物捕捉剤、
たとえば、β−チオジプロピオン酸のエステル、たとえばラウリル、ステアリル、ミリスチル、若しくはトリデシルエステル、メラカプトベンゾイミダゾール若しくは2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0093】
11.ポリアミド安定剤、
たとえば、ヨウ化物及び/又はリン化合物との組合せた銅塩、及び、二価マンガン塩。
【0094】
12.塩基性補助安定剤、
たとえば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、たとえばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート、及びカリウムパルミテートなどの高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、アンチモンピロカテコレート、又は亜鉛ピロカテコレート。
【0095】
13.核剤、
たとえば、タルクなどの無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムなどの金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩、又は硫酸塩;モノあるいはポリカルボン酸などの有機化合物及びそれらの塩、たとえば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオン化コポリマー(アイオノマー)などのポリマー化化合物。特に好ましいのは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0096】
14.充填剤及び強化剤、
たとえば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラスファイバー、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0097】
15.その他の添加剤、
たとえば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、染料、レオロジー添加剤、触媒、流量調整剤、蛍光増白剤、スリップ剤、スリップ剤、架橋剤、架橋促進剤、ハロゲン捕捉剤、スモークインヒビター(smoke inhibitors)、防炎剤、帯電防止剤、置換及び非置換のビスベンジリデンソルビトールなどの清澄剤、2,2’−p−フェニレン−ビス(3,1−ベンズオキサジン−4−オン)などのベンズオキサジノンUV吸収剤、サイアソーブ(Cyasorb:登録商標)3638(CAS# 18600−59−4)、及び発泡剤。
【0098】
16.その他のバイオサイド、
たとえば、3,5−ジメチル−テトラヒドロ−1,3,5−2H−チオジアジン−2−チオン、ビス−トリブチルチンオキシド、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−ブチル−ベンズイソチアゾリン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、亜鉛−2−ピリジンチオール−1−オキシドなどの抗真菌剤、及び、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−(α,β−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−第三ブチルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(α、α−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジンなどの殺藻剤(アルジサイド)。
【0099】
これら添加剤は、しばしば材料の0.01乃至10質量%の範囲の量で含有され;これら更なる添加剤の通常の量は約0.05乃至5質量%の範囲である。充填剤はより多い量で含有され得、例えば1乃至50質量%の量で含有され得る。
【0100】
好ましい更なる添加剤は、抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、ホスフィット又はホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、ベンゾフラン−2−オン、チオ相乗剤、ポリアミド安定剤、金属ステアレート、核剤、充填剤、強化剤、滑剤、乳化剤、染料、顔料、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤及び発泡剤からなる群から選択される。
【0101】
成分a)及びb)、すなわち、本発明の添加剤、及び任意の更なる添加剤は、プラスチック樹脂、例えばポリオレフィンに個別に、又は互いに混合して加えられ得る。所望により、添加剤混合物の個々の成分は、プラスチック材料に配合される前に溶融(溶融混合)状態で互いに混合可能である。
【0102】
成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤からなる混合物のプラスチック材料への配合は、パウダー形態でのドライ混合、溶液又は懸濁液形態でのウェット混合などの既知の方法で実施され得る。成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤は、例えば、成形(molding)の前後に、或いは、続く溶媒の蒸発を伴うか或いは伴わない、溶解又は分散した安定剤混合物のプラスチック材料への適用によって、配合され得る。
【0103】
成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤は、これらの成分を、充填されるキャリアの約1乃至80質量%、例えば2.5質量%乃至70質量%、特に5質量%乃至50質量%又は1質量%乃至約40質量%の濃度で含有するマスターバッチ(“濃縮物”)の形態で、プラスチック材料に添加され得る;そのような操作において、該ポリマーは粉体、顆粒、溶液、懸濁液の形態又はラテックスの形態で使用可能である。該ポリマーは、該添加剤が最後に添加されるポリマーと、必ずしも同一構造ではない。本発明は、よって、まず抗菌剤(a)及び抗真菌剤(b)が熱可塑性ポリマーキャリアに、キャリアの1乃至80質量%の範囲の量で配合され、そして充填されたキャリアは次に材料に配合され、両工程はいずれも熱の適用を伴い実施されるところの、抗菌性の衣類又は靴の製造のための方法を包含するものである。
【0104】
マスターバッチ又は濃縮物の形態でプラスチック樹脂に添加される場合、成分a)及びb)の新規な抗菌性混合物は、好ましくはLDPE、HDPE、MDPE、PP、EVA、ABS、SAN、PS、アクリレート、PMMA、ポリアミド、ポリエステル、PVC、ラテックス、スチレン、ポリオール、TPU、不飽和エステル、尿素、パラホルムアルデヒド、水エマルションなどのキャリアを介して添加される;特に好ましいのは、LDPE、HDPE、PP、EVA、PA6、PA6.6、PET、PET−G(すなわちグリコール変性PET)、PVC、TPUである。
【0105】
成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤はまた、重合又は架橋の前、間又は後に添加にされ得る。
【0106】
成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤はそれだけで、又はワックス、油又はポリマーに封入化された形態で、プラスチック材料に配合可能である。
【0107】
成分a)及びb)及び任意の更なる添加剤はまた、材料の上に噴霧され得る。これらは、他の添加剤(例えば上記に示された一般的な添加剤)又はモノマー又はそれらの溶融物を希釈可能であり、そのため、これら添加剤と共に材料の上に噴霧可能である。重合触媒の失活の間の噴霧による添加は特に有用であり、例えば、失活に使用される蒸気などを用いる噴霧を実施することが可能である。
【0108】
一般に、本発明の添加剤及び任意の更なる成分は、ポリマー材料に単体で又は互いに混合されて添加され得る。必要に応じて、ポリマーへ配合する前に、個々の成分を例えばドライ混合、圧縮によって又は溶融物中で、互いに混合可能である。
【0109】
本発明の添加剤及び任意の更なる成分のポリマーへの配合は、パウダー形態のドライ混合、又は例えば不活性溶媒、水又はオイル中の溶液、分散液又は懸濁液形態のウェット混合などの既知の方法で実施される。本発明の添加剤及び任意の更なる添加剤は、例えば、
成形(molding)の前か後に、或いは、続く溶媒又は懸濁/分散剤の蒸発を伴うか或いは伴わない、溶解又は分散した添加剤又は添加剤混合物の、プラスチック材料への適用によって、配合され得る。これらは、例えば、ドライ混合物又はパウダーとして、又は溶液又は分散液又は懸濁液又は溶融物として、処理装置(例えば押出し機、内部ミキサーなど)の内部に直接添加され得る。
【0110】
配合は、撹拌機が備え付けられた加熱可能な任意の容器、例えば、ニーダー、ミキサー又は撹拌槽などの密閉装置中で、実施可能である。配合は好ましくは押出し機又はニーダー中で実施される。加工処理が不活性雰囲気中又は酸素の存在下で実施されるか否かは重要ではない。
【0111】
添加剤又は添加剤ブレンドのポリマーへの添加は、ポリマーを溶融し、添加剤と混合する、全ての一般的な混合装置中で実施可能である。適当な機械は当業者に既知である。それらは主にミキサー、ニーダー及び押出し機である。
【0112】
配合は好ましくは加工処理の間、押出し機中に添加剤が導入されることによって実施される。
【0113】
特に好ましい加工処理機械は、単軸押出し機、二重反転の及び共回転の二軸押出し機、遊星歯車押出し機、環状押出し機又は共ニーダーである。真空状態を適用できる少なくともひとつのガス除去区画をもたらす加工処理機の使用もまた可能である。
【0114】
適当な押出し機及びニーダーは、例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion、第1巻 Grundlagen,F.Hensen、W.Knappe,H.Potente編著,1989,pp3−7,ISBN:3−446−14339−4(第2巻 Extrusionsanlagen 1986,ISBN 3−446−14329−7)に記載される。
【0115】
例えば、スクリュー長は1−60スクリュー直径、好ましくは35−48スクリュー直径である。スクリューの回転速度は好ましくは10−600回転/分(rpm)、非常に特に好ましくは25−300rpmである。
【0116】
最大処理能力はスクリュー直径、回転速度及び駆動力によって決まる。本発明のプロセスはまた、上述のパラメーターの変動、又は、投薬量を知らせる計量機械の使用によって、最大よりもより低いレベルの処理能力で実施可能である。
【0117】
多種の成分が添加される場合、これらは事前混合され得、或いは個々に添加され得る。
【0118】
本発明の添加剤及び任意の更なる添加剤はまたポリマー材料上に噴霧され得る。これらは、他の添加剤(例えば上記に示された一般的な添加剤)又はそれらの溶融物を希釈可能であり、そのため、これら添加剤と共に材料上に噴霧可能である。重合触媒の失活の間の噴霧による添加は特に有用である;この場合、発生した蒸気を触媒の失活に使用し得る。球状に重合されたポリオレフィンの場合、例えば、所望により他の添加剤と共に本発明の添加剤の噴霧による適用が有用である。
【0119】
配合は、成形(shaping)操作の前又は間に、或いは、続く溶媒の蒸発を伴うか又は伴わない、溶解又は分散した化合物のポリマーへの適用によって、実施する。エラストマーの場合、ラテックスとしても安定化可能である。本発明の添加剤のポリマーへの配合における更なる可能性は、対応するモノマーの重合前、重合の間又は重合後に直接、或いは架橋前に、それらに添加することである。この意味において、本発明の添加剤は、そ
のままであるいは封入化された形態(例えばワックス、オイル又はポリマー中に)で添加可能である。
【0120】
本明細書に記載の本発明の添加剤を含有する材料は、成形体、ロトモールディングによる物品、射出成形物品、ブロー成形物品、フィルム、テープ、モノフィラメント、ファイバー、発泡体、不織布、プロフィール、接着剤又はパテ、表面コーティングなどの製造に使用可能である。
【0121】
本成分a)及びb)は、主として、靴下、好ましくは靴などの履物に、特にそれらの熱可塑性又はデューロプラスチック(duroplastic)材料に、例えば、ソール、インソール、ライニング又は靴全体、例えばブーツ(ゴム、PVC)、クロッグ(clog)などに使用される。典型的な材料は、PVC、EVA、TPU、PUR、PET、例えばPA6又はPA6.6などのPA、ゴムである。該材料は、特にインソールの場合に発泡され得る。
【0122】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明する。これらは、如何なる形においても、本発明を制限すると解釈されない。本発明は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、特定の実施例のあらゆる変更と修正をカバーすることを宣言するものである。
【実施例】
【0123】
2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル 10%と、チアベンダゾール 10%をタイプPET−G(イースター(Eastar:登録商標)6763、イーストマン社)のポリエステルに配合した。
10質量%の2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルと10質量%のチアベンダゾールを含有するポリマー混合物を、機械的撹拌機を用いて均一化し、その後、単軸押出し機(Gopfert)中で、窒素下、230℃の最高温度で顆粒にコンパウンドした。
【0124】
EVA試験ディスク
上記PET−Gマスターバッチ(1又は3%)をエチレン酢酸ビニル(Escorene(著作権)OILED 00119、エクソン社)中に、機械的撹拌機(Rohnrad Mischer)におけるマスターバッチ顆粒とポリマーの均一化によって、配合した。比較目的で、マスターバッチを含まない更なる試料を調製した。
【0125】
顆粒のコンパウンディングを、最高温度200℃で、窒素下で、2軸押出し機中で行なった。顆粒を65℃で乾燥した。厚さ2mmの試験ディスクをダイキャストした。
【0126】
抗菌活性
試験ディスクの抗菌活性を、AATCC100法を用いて評価した。このために、規定量(0.15ml)の微生物培養液を試験ディスク表面の40×40mm面積に塗布した。乾燥を防ぐためにイノキュラム(inocculum、接種原)を殺菌フィルムでカバーした。試料を37℃及び>90%相対湿度(RH)で培養した。24時間後、生き残った微生物の数を算出した。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、スタフィロコカス
アウレウス)ATCC6538の倍溶液を用いた。結果を以下の表にまとめた。
【0127】
【表1】

【0128】
本発明の試料2及び3は、黄色ブドウ球菌の明らかな減少を示した。
【0129】
抗真菌活性
ISO846、方法Bに従って、抗真菌活性を毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagophytes、トリコファイトン メンタゴファイテ)、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum、トリ
コファイトン ルブラム)又は有毛表皮菌(Epidermophyton floccosum、エピダーモファイトン フロッコサム)を用いて試験した。規定されたとおりに寒天の上に置かれた30×30mmディスクに、特定の媒体中の真菌胞子の培養物で噴霧することによって、植菌した。該ディスクを4週間(曝露期間)、毎週の視覚的評価と共に、24℃で培養した。試験ディスク上の抑制ゾーンのサイズ及び/又は成長率を示す結果は、以下の表で与えられる。
【0130】
毛瘡白癬菌 NCPF89
【表2】

【表3】

【0131】
紅色白癬菌 NCPF115
【表4】

【表5】

【0132】
有毛表皮菌 NCPF634
【表6】

【表7】

【0133】
本発明の試料2及び3は、明らかな成長抑制を示した。
【0134】
実施例2:可塑化PVCシート
式(IIc)又は(IId)で表される2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジン化合物 0.5%を、ジイソドデシルフタレート(DIDP)可塑剤に溶解した。
【0135】
全混合物(6000g)は
63.5p.b.w.のPVC(Evipol(登録商標)SH7020)
35.5p.b.w.のDIDP(Vestnol(登録商標)DZ)
1.5p.b.w.のIrgaplast(登録商標)39*
1.3p.b.w.のIRGASTAB(登録商標)BZ561*
0.25p.b.w.の2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’,−ジ−第三ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾールUV吸収剤(CAS登録番号 003846−71−7)*
*添加剤はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド社より入手可能

【0136】
固体成分をミキサー(Papenmeier)に投入し、そして700rpmで撹拌し、加熱した。混合物の温度が60℃に達するとすぐに、液体成分を投入した。ミキサーの速度を1800rpmに上げ、そして温度を100℃にまで上昇させた。100℃域に達
したとき、速度を700rpmに減速し、混合物を50−60℃に冷却した。混合物を二段ロールミル(Schwabenthan D−1)上で8分間、150−160℃で可塑化させた。得られた厚さ400ミクロンのシートを試験ディスクの製造に用いた。
【0137】
抗真菌活性
試験ディスクの抗真菌活性をAATCC100法を用いて評価した。このために、規定量(0.1ml)の微生物倍溶液を直径2cm面積の試験ディスク表面に塗布し、試料の真菌の最終濃度は〜105コロニー形成単位(CFU)となる。試料を29℃、>90%
相対湿度(RH)で培養した。1週間の培養期間後、生き残った微生物の数を算出した。毛瘡白癬菌ATCC9553及び紅色白癬菌ATCC10218の培養液を用いた。結果を以下の表にまとめた。
【0138】
結果:CFU/試料
【表8】

【表9】

【0139】
本発明の試料は、毛蒼白癬菌及び紅色白癬菌の明らかな減少を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類又は履物である、抗菌性及び抗真菌性合成熱可塑性ポリマー材料、又は、衣類又は履物を製造するための合成熱可塑性ポリマー材料であって、該材料のバルク中に配合された(a)式(I)
【化1】

(式中、
nは0又は好ましくは1を表し、
1及びR2は水素原子又は塩素原子を表し、
3はヒドロキシ基又は好ましくは水素原子を表し、
4、R5及びR6は水素原子又は塩素原子を表し、
7はヒドロキシ基を表し、及び、
Xは直接結合、−NHCONH−、−CH2−又は好ましくは−O−を表す。)
で表されるフェノール性抗菌性化合物から選択される抗菌剤;及び
(b)ベンズイミダゾール系抗真菌剤、トリアゾール、2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジン、イソチアゾリノン系抗真菌剤、10,10’−オキシ−ビス−フェノキサレン、亜鉛ピリチオンからなる群から選択される抗真菌剤、
を含む材料。
【請求項2】
成分(b)がチアベンダゾール、テブコナゾール、亜鉛ピリチオン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−N−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、及び式
【化2】

で表される2,4−ビス(アルキルアミノ)ピリミジンからなる群から選択される、請求項1記載の材料。
【請求項3】
成分(a)が2−フェニルフェノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、2,2’−メチレン−ビス−(4−クロロ−フェノール)、4−(2−t−ブチル−5−メチルフェノキシ)−フェノール、3−(4−クロロフェニル)−1−(3,4−ジクロロ−フェニル)尿素、2,4,6−トリクロロフェノールからなる群から選択される、請求項1記載の材料。
【請求項4】
前記衣類又は履物が靴下又は特に靴、ソール、インソール又はそれらのライニング(裏張り)である、請求項1記載の材料
【請求項5】
成分a):b)の比が0.5:20乃至20:0.5の範囲であり、及び成分a)とb)の総量が衣類又は履物又は対応する材料に対して0.01質量%乃至10質量%の範囲で含む、請求項1記載の材料。
【請求項6】
更なる成分として銀塩又は銀錯体などの銀イオン放出剤を含む、請求項1記載の材料。
【請求項7】
請求項1記載の抗菌剤(a)と抗真菌剤(b)をそこに配合することを特徴とする、請求項1記載の材料の製造方法。
【請求項8】
ポリエチレン、ポリプロピレンホモ及び/又はコポリマー、エチレンビニルアセテート、
ポリエステル、ポリオール、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリアミドからなる群から選択される合成熱可塑性ポリマーである材料のバルク中に、成分(a)及び(b)が配合されている、請求項7記載の方法。
【請求項9】
更なる成分として、抗酸化剤、ホスフィット、ホスホナイト、ベンゾフラノン、インドリノン、更なる抗菌剤及び光安定剤からなる群から選択される一種以上の化合物が、前記合成熱可塑性ポリマーに配合されている、請求項8記載の方法。
【請求項10】
抗菌剤(a)及び抗真菌剤(b)が最初に担体に対して1乃至80質量%の範囲の量で熱可塑性ポリマー担体に配合され、そして混ぜられた担体はその後請求項1記載の材料に配合され、そしてこれら両工程が熱の適用を伴って実施されるところの請求項7記載の方法。
【請求項11】
合成熱可塑性ポリマーをベースとする衣類又は履物の製造のための請求項1記載の抗菌剤及び抗真菌剤の使用。


【公表番号】特表2009−513837(P2009−513837A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534982(P2008−534982)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066947
【国際公開番号】WO2007/042416
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】