説明

抗酸化組成物及びこれを含む食品・医薬品・化粧品

【課題】 総合的な栄養バランスが優れており、成人病や生活習慣病の一因となる活性酸素を抑制することで、健康の維持・増進に貢献できる抗酸化組成物及びこれを含む二次産品としての食品・医薬品・化粧品を提供すること。
【解決手段】 玄米粉、又は、豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末、若しくは、その双方と、マイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して、機能性の高い抗酸化組成物を得る。また、前記の抗酸化組成物を主成分又は補助成分として含めることで、機能性の高い食品・医薬品・化粧品を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総合的な栄養バランスが優れた抗酸化組成物及びこれを含む食品・医薬品・化粧品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
我が国では古くから玄米を主食としてきた歴史があり、白米は一般庶民にとってなかなか手の届かない高級品であった。ところが、経済の成長に伴って、においや硬さのある玄米よりも白米が好んで食されるようになり、主食の座は白米に取って代わってしまった。しかしながら、昨今の健康ブームにより玄米の栄養学的効果が見直されるようになり、最近では、特開2003−180276公報に示される胚芽玄米を加工した食品や、特開2004−109公報に示される玄米飲料食品などが開発されるようになった。
【0003】
事実、玄米はビタミン、鉄分、ミネラルなど様々な栄養素の含有量において、白米を遥かに凌ぐことが古くから知られている。しかしながら、一方では、玄米にはフィチン酸が多く含まれるため、カルシウムや鉄分などのミネラル成分と強く結合し、その吸収を阻害してしまうといった弊害を有しており、前記した特開2003−180276公報に示されるような胚芽玄米を加工した食品や特開2004−109公報に示される玄米飲料食品は、この点に関する解決が不十分であった。
【0004】
また、古くから、大豆が栄養学的に優れた素材であることは知られているが、その栄養吸収率を効果的に高めた典型的な食品として豆腐や豆乳がある。豆腐や豆乳の栄養学的効果は具体的には、骨の形成・維持に欠かせないカルシウムやイソフラボノイド、ボケ防止の効果があるコリン、血行を増進させることで動脈硬化防止に効果があるレシチン、糖尿病防止に効果があるトリピシンインヒビター、腸内活性に役立つオリゴ糖、脂肪酸の酸化防止や活性酸素の抑制効果があるサボニン、コレステロールを抑制するリノール酸など、数え上げたら枚挙に暇がない。
【0005】
そのため、最近では、栄養学的に優れた豆腐の効果をより高めるため、特開2001−333722の公報に示される大豆以外の副食材を混入させた豆腐及びその製造方法に関する技術や、特開2003−339335の公報に示される豆乳に滋養成分を加えた豆腐及びその製造方法に関する技術などが開発されているが、混入される副食材や滋養成分によっては食感や風味等を損なってしまうといった問題点があった。
【0006】
更に、昨今、様々な成人病や生活習慣病を引き起こす原因の1つとして、体内で生成される活性酸素の存在が指摘されているが、日常の食生活の中でこれを効率良く除去できるような素材は存在していなかった。
【特許文献1】特開2003−180276
【特許文献2】特開2004−109
【特許文献3】特開2001−333722
【特許文献4】特開2003−339335
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、大豆や玄米が持つ高い栄養価を備えるとともに、カルシウムや鉄分などのミネラル成分を補給でき、且つ、体内の活性酸素を効率的に除去し得るような、総合的な栄養バランスが優れた抗酸化組成物を取得することで、理想的な健康食品を提供することを課題として開発されたのが本発明である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、如上の課題を解決するための具体的手段として、以下の抗酸化組成物及びこれを含む食品・医薬品・化粧品を採用した。
(1)玄米粉とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項1)。
(2)豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項2)。
(3)玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末及びマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項3)。
(4)前記抗酸化組成物を含む食品・医薬品・化粧品(請求項4)。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る抗酸化組成物により、玄米や大豆の高い栄養価を摂取できることに加えて、カルシウムや鉄分などのミネラルも補給することができ、更に、成人病や生活習慣病の原因といわれる活性酸素も効率良く除去できるようになったほか、これを食品や医薬品、化粧品に含有させることで、理想的な抗酸化商品を提供できるようになった。具体的には以下のとおりである。
(1)玄米粉とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末を混合した抗酸化組成物により、玄米の持つ栄養価を摂取できるとともに、玄米により吸収が阻害されるカルシウムを補給することができ、更に、体内の活性酸素を効率的に除去できるようになった。
(2)豆乳又はおから入り豆汁の粉末とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末を混合した抗酸化組成物により、大豆の持つ栄養価を摂取できるとともに、カルシウムの更なる補給が可能となり、加えて、体内の活性酸素を効率的に除去できるようになった。
(3)玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁の粉末とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合した抗酸化組成物により、玄米と大豆の持つ栄養価を摂取できるとともに、玄米により吸収が阻害されるカルシウムを補給することができ、更に、体内の活性酸素を効率的に除去できるようになった。
(4)前記した抗酸化組成物は極めて安全且つ付加価値の高い素材であるため、これを含む食品、医薬品、化粧品として広範な商品化が可能である。
(5)抗酸化組成物は粉状であるため、長期の保存が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、栄養バランスの優れた抗酸化組成物の提供を目的とし、その目的解決の手段として、玄米粉とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項1)、豆乳又はおから入り豆汁の粉末とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項2)、玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁の粉末及びマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項3)の3つの形態を採用し、更に、その二次製品として、これらいずれかの抗酸化組成物を含む食品・医薬品・化粧品(請求項4)の形態を採用した。
【0011】
玄米には、その胚芽部に粗タンパク、類脂肪、ビタミンA・B1・B2・B6・B12・E、パントテン酸、葉酸、各種ミネラルなど、人の健康に欠かせない栄養素や、癌の抑制効果があるといわれるナイアシンが含まれていることが知られている。しかしながら、玄米をそのまま食した場合は栄養吸収率が40%程度に過ぎないため、本発明ではこれを乾燥させて粉砕した玄米粉を採用することで、その栄養吸収率を高めている。また、玄米粉としたことで保存性も高められている。
【0012】
大豆には、骨の形成・維持に欠かせないカルシウムやイソフラボノイド、ボケ防止の効果があるコリン、血行を増進させることで動脈硬化防止に効果があるレシチン、糖尿病防止に効果があるトリピシンインヒビター、腸内活性に役立つオリゴ糖、脂肪酸の酸化防止や活性酸素の抑制効果があるサボニン、コレステロールを抑制するリノール酸など、人の健康維持に欠かせない栄養素が多く含まれていることが知られている。また、おからには大豆の皮や大豆自体の豆乳を搾り取ったあとの食物繊維、たんぱく質も、イソフラボンも、サポニンも、レシチンも、もちろんオリゴ糖も含まれているため、豆乳に代えて「おから入り豆汁」を用いた場合は、豆乳以上の栄養価を含むことになる。
【0013】
しかしながら、大豆をそのまま食したとすれば栄養吸収率は30〜40%に過ぎないため、本発明ではこれを乾燥させて粉砕した粉末を採用することで、その栄養吸収率を高めている。また、粉末としたことで保存性も高められている。なお、おから入り豆汁とは、当業界では「のた」といわれ、水を加えながら大豆を粉砕した状態を「生呉」(なまご)、これを加熱して煮立てたドロドロの状態のものを「煮呉」(にご)というが、この「煮呉」の状態のものを意味する。いずれも豆乳として搾出する前の状態のものであるが、誤解を招かぬよう、本発明においては「おから入り豆汁」の語を用いる。
【0014】
サンゴカルシウムは、海底に堆積した砂状の化石サンゴが含有するカルシウムであるが、化石サンゴにはカルシウムのほか、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれており、しかも水溶性に富んだイオン化し易い性質であるため、人体への吸収効率性が高い自然素材といえる。
【0015】
最後に、マイナス水素イオンについて説明すると、マイナス水素イオンとは活性水素として理解される。生体内には水素元素にもう1個電子が付加されたヒドリドイオンなるマイナス水素イオンが存在するため、マイナス水素イオンを含む水や食物を摂取することで、更にマイナス水素イオンの密度が増すことになる。その結果、前記したもう1個の電子が体内の活性酸素と反応し、これを善玉酸素に変換する抗酸化作用をもたらすことになる。
【0016】
このように、マイナス水素イオンは顕著な抗酸化作用が認められるが、活性が極めて強いため、存在寿命が非常に短いといった問題点があった。しかしながら、セラミックなどの吸蔵体に吸着された状態では、その性状が極めて安定的である点に着目し、前記サンゴカルシウムを前記吸蔵体として採用し、これにマイナス水素イオンを吸着させることに成功した。本発明ではこのようにしてマイナス水素イオンが吸着されたサンゴカルシウムの粉末を採用する。
【0017】
なお、マイナス水素イオンをサンゴカルシウムに吸着させる技術は、理学博士である及川胤昭氏によって初めて開発されたものであるが、本発明は当該マイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムを用いて、更に総合的な健康バランスの優れた抗酸化組成物術及びこれを含む食品・医薬品・化粧品を提供するものである。
【実施例】
【0018】
次に、本発明に係る抗酸化組成物の実施例について説明する。本発明に係る抗酸化組成物では、玄米粉とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項1)と、豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項2)、及び、玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末及びマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物(請求項3)の3つの実施態様が予定される。
【0019】
請求項1及び請求項2に係る実施態様は、マイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末と、前者は玄米粉とを、後者は豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とを、それぞれ混合する内容であり、どちらの素材が持つ効能を高めるかにより適時調合されるため、その混合比率については格別限定するものではない。しかしながら、総合的な栄養バランスを考慮した場合、総重量比で、マイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末を0.1〜3.0%、残余を玄米粉若しくは豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とすることが望ましい。
【0020】
請求項3に係る実施態様は、玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末及びマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合する内容であり、この実施態様でも前記した理由により、各素材の混合比率は限定しないが、一般的には総重量比で、マイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末を0.1〜3.0%、残余を1:9〜9:1の比率で玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とを配合することが望ましい。
【0021】
玄米粉は、酸化を防止するため、予め150℃〜200℃に過熱した玄米を用い、粉砕の瞬間に180℃に過熱処理することが望ましい。また、玄米の栄養価を吸収し易くするため、20〜30ミクロンに粉砕した玄米粉を採用することが望ましい。
【0022】
豆乳は、豆腐を作る過程で搾出されるものを意味し、また、おから入り豆汁は、前記した「のた」といわれる豆乳として搾出する前の状態のものを意味し、本発明では、これらを乾燥させて粉末状に粉砕したものを用いることが望ましい。
【0023】
かくして、如上の玄米粉とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合し、また、如上の豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とマイナス水素イオンを吸着したサンゴカルシウムの粉末とを混合し、若しくは、如上の玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合することで、請求項1乃至請求項3に係る抗酸化組成物を得ることができる。
【0024】
本発明の実施態様として、更に、前記抗酸化組成物を含む食品・医薬品・化粧品があり、前記抗酸化組成物を主成分又は補助成分として包含する、二次製品としての食品・医薬品・化粧品も予定されている。
【産業上の利用可能性】
【0025】
このようにして得られた抗酸化組成物とこれを含む食品・医薬品・化粧品は、玄米又は大豆若しくはその双方が持つ有用な栄養価を摂取できるほか、玄米の作用によって吸収が阻害されるカルシウムなどのミネラルも十分に摂取できるため、総合的な栄養バランスが極めて高く、しかも、成人病や生活習慣病を惹き起こす原因となる活性酸素を抑制できるため、健康の維持・増進に資することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄米粉とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物。
【請求項2】
豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末とマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物。
【請求項3】
玄米粉と豆乳又はおから入り豆汁を乾燥させた粉末及びマイナス水素イオンを吸着させたサンゴカルシウムの粉末とを混合して得られた抗酸化組成物。
【請求項4】
前記抗酸化組成物を含む食品・医薬品・化粧品。

【公開番号】特開2007−217351(P2007−217351A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40230(P2006−40230)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(505044222)アミモト技研株式会社 (3)
【出願人】(505135405)株式会社サンテ・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】