説明

折り畳み式携帯端末

電話やデジタルカメラ等の機能の使用状況によって所望の形状に変化させることができる折り畳み式携帯端末を提供する。
折り畳み式携帯端末1は、表示部11を備えた筐体10と、操作部21を備えた筺体20とがヒンジ機構によって折り畳み可能に連結され、該ヒンジ機構は、筺体20に対して折り畳む方向あるいは開く方向に筐体10を回転させる第1の回転軸を筺体10の略中央部に配設した第1のヒンジ部12と、筺体10に対して折り畳む方向あるいは開く方向に筐体20を回転させる第2の回転軸を前記第1の回転軸に平行させて筺体20の略上端部に配設した第2のヒンジ部24と、前記第1の回転軸の両端と前記第2の回転軸の両端とを連結する連結手段13aとを備え、前記ヒンジ機構によって表示部11と操作部21が対向しないように折り畳み可能とし、折り畳み時にユーザは操作部21を操作したり、表示部11を見ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式携帯端末、より詳細には、使用状況によって様々な形状、スタイルをとることを可能にした折り畳み式携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な構造の折り畳み式携帯端末が普及している。通常の折り畳み式携帯端末では、使用しないときは表示部と操作部が内側に隠れるように閉じられ、通話や電子メールなどを利用する際に開いて使用するような構造となっている。この場合には、閉じられたときに表示部が隠れてしまうため、多数の折り畳み式携帯端末は閉じた状態でも着信情報や時刻などを確認できるようにサブ表示部を装備している。また、折り畳み式携帯端末においてテレビ電話機能を使用するために、筺体の外側に備えられた写真や動画撮影用のメインカメラとは別に、筺体の内側にサブカメラを装備したものも多数存在している。さらに、上記サブ表示部を不要にするために、メイン表示部を外側にして閉じることが可能な構造とした折り畳み式携帯端末なども登場している。
【0003】
しかしながら、上記サブ表示部を設けた折り畳み式携帯端末は、サブ表示部を付加することで端末サイズの小型化の妨げとなる上に、コスト的にも高いものになってしまう。また、この折り畳み式携帯端末によりテレビ電話機能を利用する場合には、筺体外側に備えられた撮影用のメインカメラとは別に筺体内側にサブカメラを設ける必要があり、この場合も同様に端末サイズの小型化の妨げとなる上に、コスト的にも高いものになってしまう。また、メインカメラ1つで構成する場合でも、筐体の外側あるいは内側に向くようにメインカメラに回転機構を設ける必要があり、やはりコスト的には高くなる。さらには、携帯端末をテレビとして使用する場合、表示画面を横にする必要があり、通常の折り畳み式携帯端末ではテレビを見るスタイルとしては不自然である。
【0004】
また、サブ表示部を不要にするために、メイン表示部を外側にして閉じることが可能な構成とした折り畳み式携帯端末においても、操作部は内側に折り畳まれており、閉じた状態で携帯端末を操作することはできない。例えば、閉じたまま通話することができず、通話するためには必ず折り畳み式携帯端末を開けるか、または別に閉じた状態でも操作可能な通話ボタンを設ける必要が生じる。
【0005】
ここで、下記の特許文献1や特許文献2には、操作部を備えた操作部側筐体に対して、表示部を備えた表示部側筐体を360度開くことが可能な構造にすることにより、表示部及び操作部ともに外側にして閉じられるようにした折り畳み式携帯端末が開示されている。
【特許文献1】特開2002−171324号公報
【特許文献2】特開2002−198849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に記載の折り畳み式携帯端末は、操作部側筐体と、表示部側筐体とを互いに360度開くことが可能な構造にしたことで、表示部と操作部ともに外側にして閉じることができる一方、操作部を内側に、表示部を外側にして閉じることはできない構造になっている。このため、例えば、ユーザが表示部を外側にして閉じて持ち歩くときに外側の操作部を誤って操作してしまう恐れがある。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、操作部を備えた操作部側筐体と、表示部を備えた表示部側筐体とがヒンジ機構によって折り畳み可能に連結された折り畳み式携帯端末において、折り畳み時に操作部を操作したり、表示部を見ることができる折り畳み構造を有し、該折り畳み構造により電話,電子メール,テレビ電話,テレビ,デジタルカメラ等の様々な機能の利用状況に応じて所望の形状に変化させることができる折り畳み式携帯端末を提供すること、を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第1の技術手段は、操作部を備えた操作部側筺体と、表示部を備えた表示部側筐体とがヒンジ機構によって折り畳み可能に連結された折り畳み式携帯端末において、前記ヒンジ機構は、前記操作部側筺体に対して折り畳む方向あるいは開く方向に前記表示部側筐体を回転させるための第1の回転軸を前記表示部側筺体の略中央部に配設した第1のヒンジ部と、前記表示部側筐体に対して折り畳む方向あるいは開く方向に前記操作部側筐体を回転させるための第2の回転軸を前記第1の回転軸に平行させて前記操作部側筺体の略上端部に配設した第2のヒンジ部と、前記第1の回転軸の両端と前記第2の回転軸の両端とをそれぞれ連結する連結手段とを備え、前記ヒンジ機構によって前記表示部と前記操作部が対向しないように折り畳み可能としたことを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示部,前記操作部のいずれか一方、あるいは両方を外側に向けて折り畳み可能としたことを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記操作部側筺体は、前記操作部を設けた面に撮像手段を備えたことを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記操作部側筺体は、前記操作部を設けた面と反対側の面に撮像手段を備えたことを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記操作部側筐体は、該操作部側筐体に対して前記表示部側筐体を折り畳む方向あるいは開く方向に回転可能な撮像手段を上端部に備えたことを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記表示部側筐体は、前記操作部側筐体に対して前記表示部側筐体を折り畳む方向あるいは開く方向に回転可能な撮像手段を備えたことを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第1乃至第6のいずれか1の技術手段において、該折り畳み式携帯端末の操作を行うための操作手段を前記操作部側筺体又は前記表示部側筺体の側面に備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0015】
操作部を備えた操作部側筐体と、表示部を備えた表示部側筐体とがヒンジ機構によって折り畳み可能に連結された折り畳み式携帯端末において、折り畳み時に操作部を操作したり、表示部を見ることができる折り畳み構造を有し、該折り畳み構造により電話,電子メール,テレビ電話,テレビ,デジタルカメラ等の様々な機能の利用状況に応じて所望の形状に変化させることができる折り畳み式携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る折り畳み式携帯端末の概観図である。
【図2】図1に示した折り畳み式携帯端末に設けられた第1のヒンジ部及び第2のヒンジ部の構造を説明するための断面図である。
【図3】図1に示した折り畳み式携帯端末を開いた状態で側面から見た概観図である。
【図4】図1に示した折り畳み式携帯端末を閉じた状態で側面から見た概観図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る折り畳み式携帯端末の概観図である。
【図6】図5に示した折り畳み式携帯端末を閉じた状態で側面から見た概観図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る折り畳み式携帯端末の概観図である。
【図8】折り畳み式携帯端末の使用スタイルの一例を示した図である。
【符号の説明】
【0017】
1…折り畳み式携帯端末、10…表示部側筺体、11…表示部、12…第1のヒンジ部、12a,12b…第1のヒンジ部材、13a,13b…連結手段、20…操作部側筺体、21…操作部、22,25,26…カメラ、23…操作ボタン、24…第2のヒンジ部、24a,24b…第2のヒンジ部材、30…台、40a,40b…ケーブル、41…第1の回転軸、42…第2の回転軸。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る折り畳み式携帯端末の概観図で、図中、1は折り畳み式携帯端末で、折り畳み式携帯端末1は、表示部を備えた表示部側筐体10と、操作部を備えた操作部側筐体20を有する。表示部側筺体10は、様々な情報を表示するための液晶などの表示部11を有する筺体である。操作部側筺体20は、折り畳み式携帯端末1の様々な操作を行うための操作部21を有する筺体である。表示部側筺体10の略中央部には、操作部側筐体20に対して表示部側筐体10を折り畳む方向あるいは開く方向に回転する第1のヒンジ部12が設けられ、操作部側筺体20の略上端部には、第1のヒンジ部12と平行な第2のヒンジ部24が回転可能に設けられている。第1のヒンジ部12と第2のヒンジ部24の両端は連結手段13a,13bで連結されている。また、写真撮影,動画撮影,テレビ電話などに使用するカメラ22が操作部側筺体20側に取り付けられており、シャッターボタンなどカメラ操作やその他の操作に使用するための操作ボタン23が操作部側筺体20の側面に取り付けられている。尚、操作ボタン23は、複数個取り付けることが可能であるが、本実施形態では1個だけ取り付けた状態を代表例として示している。
【0019】
ここで、別の実施形態として、表示部側筺体10の略下端部に、操作部側筐体20に対して表示部側筐体10を折り畳む方向あるいは開く方向に回転する第1のヒンジ部12を設け、操作部側筺体20の略中央部に、第1のヒンジ部12と平行な第2のヒンジ部24を回転可能に設けるようにしてもよい。この場合も、上記と同様に第1のヒンジ部12と第2のヒンジ部24の両端が連結手段13a,13bで連結される。
【0020】
図2は、図1に示した折り畳み式携帯端末1に設けられた第1のヒンジ部12及び第2のヒンジ部24の構造を説明するための断面図である。図2(A)は、折り畳み式携帯端末1を正面から見たときの第1のヒンジ部12及び第2のヒンジ部24を示す断面図で、図2(B)は、折り畳み式携帯端末1を側面から見たときの第1のヒンジ部12及び第2のヒンジ部24を示す断面図である。
図2(A)及び図2(B)において、表示部側筺体10と操作部側筺体20との電気接続は、ケーブル40a,ケーブル40bにより接続されている。表示部側筺体10の略中心部に位置する第1のヒンジ部12は、図2(A)に示したように、左右対称に配置された第1のヒンジ部材12a,12b及び第1の回転軸41から構成されている。
【0021】
また、図2(B)に示すように、第1のヒンジ部材12a及び第1の回転軸41の断面はドーナツ形状になっており、そのドーナツの穴にケーブル40aが通される。同様に、第1のヒンジ部材12b及び第1の回転軸41の断面はドーナツ形状になっており、そのドーナツの穴にケーブル40bが通される。このため、回転するときは第1のヒンジ部材12a,12b及び第1の回転軸41のみ回転し、ケーブル40a及び40bは回転しない構造となっている。なお、後述するように第1のヒンジ部12は180度程度回転する構造となっており、図2(B)に示すように、第1のヒンジ部材12a,12b周辺のケーブル40a及び40bは180度程度回転可能なようにたるみを持たせている。
【0022】
また、図2(A)に示すように、操作部側筺体20の略上端部に位置する第2のヒンジ部24は、左右対称に配置された第2のヒンジ部材24a,24b及び第2の回転軸42から構成されている。第2のヒンジ部24の構造は、上述した第1のヒンジ部12と同様の構造となっている。但し、後述するように第2のヒンジ部24は360度程度回転する構造となっており、図2(B)に示すように、第2のヒンジ部材24a,24b周辺のケーブル40a及び40bは360度程度回転可能なように、上記第1のヒンジ部材12a,12bよりもさらに余分のたるみを持たせている。
【0023】
また、表示部側筺体10の略中心部に配置された第1のヒンジ部12、操作部側筺体20の略上端部に配置された第2のヒンジ部24は、それぞれある程度ヒンジの回転に抵抗を加えることにより、折り畳み式携帯端末1を任意の回転角度で保持して使用することが可能なフリーストップ構造を有している。但し、よく使用される形状,スタイルに応じた回転角度で保持されるように回転角度毎にストッパ部材を設け、その形状,スタイルで回転角度を保持するようにしてもよい。
【0024】
図3(A)乃至図3(C)は、図1に示した折り畳み式携帯端末1を開いた状態で側面から見た概観図である。例えば、電話,電子メール,Webサイトの閲覧などの通常使用時においては、図3(A)に示したように、表示部側筐体10及び操作部側筐体20を互いに開いたスタイルで使用する。また、本実施形態の折り畳み式携帯端末1は、操作部側筐体20側にカメラ22が取り付けられているため、ユーザが自分自身の撮影や、手に持ってテレビ電話を使用するような場合も同様に図3(A)に示すスタイルで使用することができる。この際、カメラ22を表示部側筐体10側に取り付けるようにしてもよい。
【0025】
また、図3(B)に示すように、表示部側筺体10は、該筺体の略中央部に取り付けられた第1のヒンジ部12を中心に回転することが可能である。本実施形態では、第1のヒンジ部12が、図3(A)に示す状態から図3(C)に示す状態まで180度程度回転することが可能であるため、表示部11を反転させることができる。このため、例えば、ユーザが自分以外を撮影する場合には、図3(C)に示すように表示部11を反転させて使用すればよい。このとき、表示部11の映像が上下反転するのを防ぐために、表示部11を反転させたときに自動的に表示部11の映像も上下反転するように制御を行う。例えば、折り畳み式携帯端末1に回転角度センサ(図示せず)を備え、この回転角度センサにより第1のヒンジ部12の回転角度を検知して表示部11の映像の上下反転を行えばよい。
【0026】
また、前述したように、第2のヒンジ部24は360度程度回転することが可能であるため、表示部11及び操作部21を内側にして閉じた状態から、360度開いた状態、すなわち表示部11及び操作部21を外側にして閉じた状態にすることが可能となる。このため、ユーザが自分以外を撮影する場合には、さらにこの360度開いた状態のデジタルカメラのスタイルで使用することも可能となる。これについては後述の図4で詳細に説明する。図3(A)又は図3(C)に示す状態で撮影を行う場合、撮影時に使用するシャッターボタンなどのカメラ操作は、操作ボタン23もしくは操作部21を使用する。
【0027】
図4(A)乃至図4(C)は、図1に示した折り畳み式携帯端末1を閉じた状態で側面から見た概観図である。通常使用しないときは、図4(A)に示すように表示部11,操作部21、カメラ22を内側にして閉じればよい。このように閉じることで、ユーザが折り畳み式携帯端末1を持ち運ぶ時などに表示部11やカメラ22を傷つける恐れはなく、また誤って操作部21を押してしまうこともない。
【0028】
また、折り畳み式携帯端末1を開けずに着信情報や時刻情報などを確認したい場合は、図4(C)に示すように、表示部11を反転させて閉じればよい。このように構成することで、従来の折り畳み式携帯端末が備えていたサブ液晶画面の代わりになる。通常、表示部11の画面サイズは大きく構成されているため、サブ液晶画面の代わりに使用する場合には、表示部11の表示領域の一部を使用して表示するようにすれば消費電力の低減につながる。また、折り畳み式携帯端末1にテレビ機能が付加されている場合、テレビを見るためのスタイルとしては、図4(C)に示すように、表示部11を反転させて閉じ、表示部11を横にしたスタイルで見ることが可能である。このように閉じた状態、すなわちコンパクトなスタイルでテレビを見ることが可能となる。また、チャネル切り替えなどの操作は、操作ボタン23を使用することが可能である。
【0029】
また、デジタルカメラのスタイルで使用したい場合には、図4(B)に示すように表示部11、操作部21(及びカメラ22)の両方を外側にして閉じる。換言すると、図4(A)に示す状態から表示部11を360度開いたスタイルで使用することが可能である。このようにすることにより、カメラ22から入ってきた映像をそのまま表示部11に映し出すことができ、デジタルカメラのスタイルとして使用可能となる。シャッターボタンなどのカメラ操作は操作ボタン23を使用すればよい。また、外側に出ている操作部21をカメラ操作に使用することも可能である。
【0030】
また、図4(B)に示すスタイルでテレビを見ることも可能で、このスタイルでは操作部21が外側に出ているため、この操作部21をテレビ操作に使用することが可能となる。但し、誤って操作部21の操作ボタンを押してしまう恐れがあるため、テレビだけを見る場合は図4(B)もしくは図4(C)に示すスタイルを状況により使い分けすればよい。
【0031】
さらに、図4(B)に示すスタイルで閉じておくと、操作部21が常に外側に出ている状態になるため、この状態で様々な操作が可能となる。例えば、着信,通話などわざわざ折り畳み式携帯端末1を開く必要がなく、閉じたままで行うことが可能となる。また、後述する第3の実施形態において説明する図8(A)に示すようなスタイルで台上に置いて、テレビを見たり、置時計などに利用したりすることが可能となる。
【0032】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る折り畳み式携帯端末1の概観図である。第1の実施形態における折り畳み式携帯端末1の構造と異なる点は、カメラ25が操作部側筐体20の操作部21と反対側の面に取り付けられている点で、その他は第1の実施形態における折り畳み式携帯端末1と同じ構造となっている。
図6(A)乃至図6(C)は、図5に示した折り畳み式携帯端末1を閉じた状態で側面から見た概観図である。第1の実施形態の折り畳み式携帯端末1とはカメラ25の位置が異なっているため、カメラの使用時に使用形態が異なってくる。本実施形態において、デジタルカメラのスタイルで使用する場合には、図6(C)に示すように表示部11を外側にし、操作部21を内側にして閉じる。これにより、カメラ25から入ってきた映像をそのまま表示部11に映し出すことができ、デジタルカメラのスタイルで使用可能となる。シャッターボタンなどのカメラ操作は第1の実施形態と同様に操作ボタン23を使用すればよい。本実施形態では使用する必要のない操作部21を内側にして隠すことにより、不慣れなユーザに対して操作面での紛らわしさを与えないように配慮されている。
【0033】
また、ユーザが自分自身の撮影や、手に持ってテレビ電話を使用する場合などには、閉じた状態から操作部側筐体20に対して表示部側筐体10を180度程度の回転角度で開き、表示部11を操作部21と反対側に反転させたスタイルで使用する。このようにすることにより、カメラ25を自分自身に向けながら、その映像を同時に表示部11で確認することができ、テレビ電話などが可能となる。このとき、第1の実施形態と同様に、表示部11の映像が上下反転するのを防ぐために、反転したときに自動的に表示部11の映像も上下反転するよう制御を行う。カメラ25を使用する以外の使用スタイルについては、第1の実施形態と同様である。
【0034】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る折り畳み式携帯端末1の概観図である。第1の実施形態及び第2の実施形態における折り畳み式携帯端末1との違いは、操作部側筺体20の上端部に、第2のヒンジ部24が備える第2の回転軸に平行な回転軸を有するカメラ26が取り付けられている点である。このカメラ26は回転軸を中心に180度程度回転可能である。その他は第1の実施形態及び第2の実施形態に示した折り畳み式携帯端末1と同じ構造となっている。尚、カメラ26は、表示部側筐体10側に取り付けるようにしてもよい。
【0035】
カメラ26は回転可能であるため、操作部側筺体20の操作部21側に向けたり、操作部21と反対側に向けたりすることが可能となる。このため、カメラ26を操作部21側に向けたときには第1の実施形態に示した折り畳み式携帯端末1と同様なスタイルで、操作部21の反対側に向けたときには第2の実施形態に示した折り畳み式携帯端末1と同様なスタイルでの使用が可能となる。また、カメラ26の回転角度を様々な位置で保持して使用することで、様々なスタイルでの使用が可能となる。
【0036】
図8(A)及び図8(B)は、折り畳み式携帯端末1の使用スタイルの一例を示した図である。図8(A)は、本実施形態の折り畳み式携帯端末1を手に持たずに台30の上に置いてテレビ電話などをするときのスタイルを示した図である。折り畳み式携帯端末1を台30の上に置いてテレビ電話をするときには、カメラ26を設けた操作部側筺体20を台30の上に載せ、テレビ電話の使用者は表示部11と向かい合い、カメラ26を適当に回転させて使用者の方向に向ける。このとき、図8(A)に示すように、表示部11が操作部21に対して反転した状態で任意の回転角度で保持されているため、第1の実施形態に示した折り畳み式携帯端末1と同様に表示部11の映像を上下反転するよう制御を行う。また、図8(A)に示すように、操作部21側の面を上にして台30に置くことができるため、使用者はテレビ電話中に折り畳み式携帯端末1を台30に置いたまま、様々な操作を行うことが可能となる。
【0037】
また、図8(A)に示すように、テレビ機能を付加した折り畳み式携帯端末1は、小型の置きテレビとして使用するようにしてもよい。さらには、折り畳み式携帯端末1を置時計などにも使用することができる。
図8(B)は、折り畳み式携帯端末1の操作部21を内側に畳み込んだ状態でデジタルカメラのスタイルで使用する例を示した図である。本実施形態では、操作部21を内側にして畳み込むスタイルを示しているが、操作部21を外側にして畳み込むスタイルも可能である。尚、本実施形態の折り畳み式携帯端末1の使用方法は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
【0038】
本発明によると、折り畳み式携帯端末において、表示部を外側に出して閉じることが可能であるため、サブ表示部やサブカメラ等が不要になり、従来の端末に比べて端末サイズの小型化やコスト面で有利となる。
また、折り畳み式携帯端末の操作部を外側に出して閉じることが可能であるため、着信,通話など閉じたままの操作が可能となる。また、操作部を外側に出して閉じることによってユーザが誤って操作してしまう場合がある。これを防止するために、操作部のみを内側にして(表示部は外側又は内側にして)閉じることもできる。
【0039】
また、折り畳み式携帯端末が置きテレビや置き時計等にもなり、さらには回転カメラを装備すれば台上に置いたままテレビ電話等が可能となる。折り畳み式携帯端末の操作部側筐体を台上に置いたとき、操作部を操作可能なように上にして台に設置することができるため、折り畳み式携帯端末を台に置いたまま着信,通話等の各種操作や、チャンネル切り替え操作等を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を備えた操作部側筺体と、表示部を備えた表示部側筐体とがヒンジ機構によって折り畳み可能に連結された折り畳み式携帯端末において、前記ヒンジ機構は、前記操作部側筺体に対して折り畳む方向あるいは開く方向に前記表示部側筐体を回転させるための第1の回転軸を前記表示部側筺体の略中央部に配設した第1のヒンジ部と、前記表示部側筐体に対して折り畳む方向あるいは開く方向に前記操作部側筐体を回転させるための第2の回転軸を前記第1の回転軸に平行させて前記操作部側筺体の略上端部に配設した第2のヒンジ部と、前記第1の回転軸の両端と前記第2の回転軸の両端とをそれぞれ連結する連結手段とを備え、前記ヒンジ機構によって前記表示部と前記操作部が対向しないように折り畳み可能としたことを特徴とする折り畳み式携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の折り畳み式携帯端末において、前記表示部,前記操作部のいずれか一方、あるいは両方を外側に向けて折り畳み可能としたことを特徴とする折り畳み式携帯端末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の折り畳み式携帯端末において、前記操作部側筺体は、前記操作部を設けた面に撮像手段を備えたことを特徴とする折り畳み式携帯端末。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の折り畳み式携帯端末において、前記操作部側筺体は、前記操作部を設けた面と反対側の面に撮像手段を備えたことを特徴とする折り畳み式携帯端末。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の折り畳み式携帯端末において、前記操作部側筐体は、該操作部側筐体に対して前記表示部側筐体を折り畳む方向あるいは開く方向に回転可能な撮像手段を上端部に備えたことを特徴とする折り畳み式携帯端末。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の折り畳み式携帯端末において、前記表示部側筐体は、前記操作部側筐体に対して前記表示部側筐体を折り畳む方向あるいは開く方向に回転可能な撮像手段を備えたことを特徴とする折り畳み式携帯端末。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載の折り畳み式携帯端末において、該折り畳み式携帯端末の操作を行うための操作手段を前記操作部側筺体又は前記表示部側筺体の側面に備えたことを特徴とする折り畳み式携帯端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/053288
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【発行日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515744(P2005−515744)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015601
【国際出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】