説明

押出し複合手すり用のすべり層を前処理する方法および装置

押出し成形手すり用のすべり層を前処理する方法および装置は、すべり層供給源と、すべり層を滞留時間の間に高温にさらす、すべり層を加熱モジュールまで送る手段と、すべり層を押出しダイヘッドまで送る手段とを有する。すべり層がすべり層供給源から押出しダイヘッドまで送られる際に、すべり層の部分を実質的に無張力のループとして維持する1つまたは複数の制御送り装置も実施され得る。加熱モジュールから押出しダイヘッドまでの間における適切な冷却を保証するための冷却区間も含まれ得る。また、押出しダイヘッドとすべり層との間の熱伝達を低減する手段も設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般に、すべり層(スライダー層)を含む複合押出し成形手すりの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
Angiolettiらの米国特許第4,087,223号明細書には、押出し装置と、断面がC字形のエラストマ材料の手すりの連続した製造とが開示されている。押出し装置は、手すりの様々な要素を導入するための別々の異なる開口と、前記要素を絶えず成形し、それらを絶えず相互に正しい位置に配置してエラストマ材料にする手段とを備える。
【0003】
Weatherallらの米国特許第6,237,740号明細書には、概ねC字形の断面を有し、内側の概ねT字形のスロットを定義する、エスカレータ、動く歩道およびその他の運搬装置のための移動手すり構造が開示されている。手すりは、押出し成形によって形成され、T字形スロットを囲むように延在する熱可塑性材料の第1の層を備える。第1の層の外側を囲むように熱可塑性材料の第2の層が延在し、手すりの外側形状を定義している。すべり層がT字形スロットに沿って、第1の層に接合されている。第1の層の内部には伸張抑制体が延在している。第1の層は、第2の層より硬い熱可塑性材料で形成されており、これは、リップ部の特性を改善し、リニア駆動部の駆動特性を改善するものであることが判明している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書の一態様では、手すり用すべり層(スライダー層)を前処理する方法が提供される。この方法は、加熱モジュールを通してすべり層を送ることと、すべり層を加熱モジュール内での滞留時間の間に高温に維持することと、すべり層を加熱モジュールから排出することとを含み得る。
【0005】
この方法はさらに、すべり層の少なくとも一部分を実質的に無張力のループとして維持することも含み得る。この方法はさらに、すべり層を加熱モジュールから押出しダイヘッドまで制御可能に送ることも含み得る。
【0006】
この方法はさらに、すべり層供給源を設けることと、第1の制御送り装置を使用して、すべり層の第1の部分を実質的に無張力のループとして維持しながら、すべり層の少なくとも第1の部分をすべり層供給源から加熱モジュールまで送ることとも含み得る。この方法はさらに、第2の制御送り装置を使用して、すべり層の第2の部分を実質的に無張力のループとして維持しながら、すべり層の第2の部分を加熱モジュールから押出しダイヘッドまで送ることも含み得る。
【0007】
この方法はさらに、押出しダイヘッドを、すべり層を冷却させるように加熱モジュールから間隔を置いて位置決めすることも含み得る。この方法はさらに、押出しダイヘッドからすべり層への熱伝達を低減することも含み得る。押出しダイヘッドからすべり層への熱伝達は、押出しダイヘッドのすべり層と接触する部分に冷却インサートを設けることによって低減することができる。この冷却インサートは水冷式とすることができる。
【0008】
加熱モジュールは、直列に並べられた複数の加熱板を備えることができる。すべり層は織布で形成され得る。織布は、ポリエステル織物または綿織物とすることができる。
【0009】
高温および滞留時間は、すべり層の収縮を生じさせるのに十分な程度とすることができる。高温は、150℃から250℃までとすることができる。
【0010】
本明細書の別の態様では、手すり用すべり層を前処理する装置が提供される。この装置は、すべり層供給源と、すべり層を高温に維持する加熱モジュールと、すべり層をすべり層供給源から加熱モジュールを通して送り、すべり層を加熱モジュールから排出する装置と、すべり層の少なくとも一部分を実質的に無張力のループとして維持する少なくとも1つの制御送り装置とを備えることができる。
【0011】
少なくとも1つの制御送り装置は、すべり層がすべり層供給源から加熱モジュールまで送られる際にすべり層の第1の部分を実質的に無張力のループとして維持する、すべり層供給源と加熱モジュールとの間に位置決めされた第1の制御送り装置を備えることができる。少なくとも1つの制御送り装置は、すべり層が加熱モジュールから押出しダイヘッドまで送られる際にすべり層の第2の部分を実質的に無張力のループとして維持する、加熱モジュールと押出しダイヘッドとの間に位置決めされた第2の制御送り装置を備えることができる。
【0012】
装置はさらに、押出しダイヘッドと加熱モジュールとの間に冷却区間を備えることもできる。押出しダイヘッドは、すべり層の温度を下げる冷却インサートを含むことができる。冷却インサートは水冷式とすることができる。加熱モジュールは、直列に並べられた複数の加熱板を含むことができる。
【0013】
本明細書の別の態様では、すべり層の前処理時に押出し成形手すり用のすべり層の移動を制御する装置が提供される。この装置は、すべり層の移動を制御する送り機構と、すべり層の張力を監視し、すべり層の一部分を実質的に無張力のループとして維持するために送り機構にフィードバックを提供する少なくとも1つのセンサとを備えることができる。
【0014】
送り機構は、モータと、少なくとも1対の対向するローラとを備えることができる。センサは、光センサまたはレーザセンサを備えることができる。
【0015】
本明細書には出願人の教示する上記及びその他の特徴を示す。
【0016】
以下本明細書では、例示として、添付の図面を参照して1つまたは複数の実施形態の詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】前処理装置を示す斜視図である。
【図2】すべり層供給源と第1の制御送り装置とを示す斜視図である。
【図3】第2の制御送り装置を示す斜視図である。
【図4】第2の制御送り装置を示す側面図である。
【図5】すべり層の収縮を経時的に示すグラフである。
【図6】すべり層の引張応力に対する温度の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
特許請求される各発明の実施形態を例示するために、以下で様々な装置または方法を説明する。以下に示す実施形態はいずれも、特許請求される発明を限定するものではなく、特許請求される発明はいずれも、以下に示されない装置または方法もその範囲内に含み得る。特許請求される発明は、以下に示すいずれか1つの装置または方法の特徴すべてを有する装置または方法だけに限定されるものではなく、以下に示す装置の複数またはすべてに共通の特徴だけに限定されるものでもない。1つまたは複数の発明が、以下に示す装置要素または方法ステップの組み合わせ、または部分的組み合わせに存する場合もあり、本明細書の別の部分に存する場合もある。以下に示す装置または方法が特許請求される発明のいずれの実施形態でもない可能性もある。出願人、発明者、および/または所有者は、本出願において特許請求されない、以下に示す装置または方法において開示されるあらゆる発明における諸権利を所有するものであり、そのような発明を、本出願におけるその開示によって断念し、放棄し、または公共に献納するものではない。
【0019】
手すりは、公知のものであり、エスカレータ、移動傾斜路、その他の運搬装置の標準的部品である。そのような手すりの典型的な構成は、概ねC字形の断面を有し、概ねT字形の内側スロットを定義する複合構造であり、手すりは、(i)T字形スロットを囲むように延在し、手すりの外側形状を定義する1つまたは複数の熱可塑性材料層と、(ii)第1の層内に埋め込まれた伸張抑制体と、(iii)T字形スロットに沿って、1つまたは複数の熱可塑性材料層の少なくとも1つに接合されたすべり層(スライダー層)とを備える。
【0020】
すべり層は、典型的には、概ね一定の幅を有する細長い柔軟なシート材料の織物であり、普通、織物、すなわち綿のような天然素材またはポリエステルやナイロンといった合成材料で形成される。すべり層の比較的低い摩擦係数により、手すりをガイド上で摺動させることが可能になる。すべり層の幅は手すりのサイズに左右され、例えば125mmから60mm程度の幅とすることができる。
【0021】
これらの複合手すりは、エスカレータなどの駆動機構内でエンドレスループとして実施することができるように全体に均一な断面を有し得る。この均一な断面のために、代替の方法、すなわち、労働集約的であり、生産速度にいささか限界のあるバッチ式生産を考えると、押出し製造は魅力的である。熱可塑性手すりの押出し成形の方法および装置の一例が、どちらも参照によりその全内容が本明細書に組み込まれる、2007年9月10日に出願された、「METHOD AND APPARATUS FOR EXTRUSION OF THERMOPLASTIC HANDRAIL(熱可塑性手すりの押出し成形の方法および装置)」という名称の、同出願人の米国特許仮出願第60/971152号明細書、ならびに2008年9月10日に出願された対応するPCT出願に開示されている。
【0022】
しかしながら、押出し製造工程の間には、すべり層にいくつかの問題が生じ得る。この問題の重要性は、どちらも参照によりその全内容が本明細書に組み込まれる、2007年9月10日に出願された、「MODIFIED HANDRAIL」という名称の同出願人の米国仮特許出願第60/971,163号明細書、ならびに2008年9月10日に出願された対応するPCT出願に記載されているように、発明者らが、押出し成形手すりの全般的曲げ弾性率および剛直性の主要原因がすべり層にあり得ることを発見していることを考慮して、十分に理解されるべきである。
【0023】
すべり層を処理し、すべり層を高温にさらすと、すべり層の物理的特性の望ましくない変更が生じ得る。例えば、ダイの高温と一緒に制御されない張力が加わった押出しダイヘッドを通してすべり層を引っ張ると、特に縦方向にすべり層の著しい伸張を生じ得る。このために、発明者らは、押し出される前にすべり層に前処理が施されることが好ましい場合があることを発見した。
【0024】
本明細書の一態様では、すべり層の前処理は、高温での特定の滞留時間にわたるすべり層の制御された加熱を含む。すべり層は、典型的には天然または合成繊維布であり、加熱されると、製造工程からの残片である基材繊維および織りにおける応力のために収縮する。これらの応力は、別個のバッチ式工程における、または好ましくは押出し成形の前にインライン式での、「ヒートセット(heat setting)」または「防縮加工(preshrinking)」ステップを有する前処理によって解消することができる。すべり層の前処理は、例えば、押出しダイヘッドに入る前に、すべり層を所定の速度で加熱された板の間に通すことによって実現され得る。すべり層を加熱する他の適切な手段は、当業者には容易に理解されるはずである。
【0025】
このように前処理されていないすべり層は、特に、複合押出し成形手すりが逆駆動機構などにおいて後方に曲げられる場合には、引張り状態での性能が多少制限され得ることを理解すべきである。前処理を施されたすべり層では、引張り状態でのすべり層のより大きな伸張が可能である。さらに、このような前処理は、手すりを構成するすべり層と1つまたは複数の熱可塑性材料層とのより強い接着および接合を助長することも判明している。
【0026】
しかしながら、発明者らは、前処理ステップを用いた場合でさえもなお、押出しダイヘッドにおける高温および圧力、ならびに/または前処理工程において処理される間、および押出しダイヘッドまで送られるときのすべり層の引張りが原因で、著しい伸張が発生し得ることを確認している。これに対処するために、本明細書の別の態様は、すべり層送りにおける張力を除去し、または低減する手段を提供する。本明細書の別の態様は、前処理と押出しダイヘッドとの間に冷却区間を設ける。本明細書の別の態様は、押出しダイヘッドとすべり層との間の熱伝達の低減を実現する。これらの態様をそれぞれ、以下でより詳細に論じる。
【0027】
図1を参照すると、前処理装置10の一例が示されている。すべり層供給源12が、すべり層14を送り出すために装置10の一端に位置決めされている。
【0028】
図示するように、第1の制御送り装置16を、すべり層供給源12と加熱モジュール18との間に位置決めすることができる。第1の制御送り装置16は、最大可能収縮を生じさせるように、ごくわずかな張力で、または張力を全く伴わずにすべり層14を加熱モジュール18まで送るのに使用される。
【0029】
加熱モジュール18は、直列に配置された複数の加熱板20から構成することができる。各板20は、例えば、それぞれ、10インチ×10インチ××0.75インチの、上面と底面とに600Wのカートリッジヒータを備えるアルミニウム板などとすることができる。10組の板20を0.25インチ間隔で配置することができる。各加熱板20は、所定の高温を維持するように作動させることができ、別々の温度を維持する別々の区間にさらに分割することができる。これは熱制御および加工精度を向上させ、ヒータ故障による誤差の可能性を低減し得る。
【0030】
第2の制御送り装置22を、加熱モジュール18と押出しダイヘッド24との間に位置決めすることができる。加熱モジュール18は、押出しダイヘッド24から一定の距離26だけ間隔を置いて配置されており、この距離26は、すべり層に押出しダイヘッド24に入る前に室温で冷却する時間を与える冷却区間であることを留意すべきである。第2の制御送り装置は、ごくわずかな張力で、または張力を全く伴わずにすべり層14を押出しダイヘッド24まで送り、望ましくない伸張を防ぐのに使用される。すべり層14およびその他の手すり構成要素(不図示)は、押出しダイヘッドにおいて組み合わされ、押出物28として現れる。
【0031】
図2を参照すると、第1の制御送り装置14は、スタンド30、対向ローラ32、モータ34、制御ループ36、およびセンサ38を備える。同様に、図3に示すように、第2の制御送り装置22は、スタンド40、対向ローラ42、モータ44、制御ループ46、およびセンサ48を備える。
【0032】
制御送り装置16、22は、押出し工程の前の前処理においてすべり層14にかかる張力を実質的に低減または除去するのに使用される。すべり層14は、非接触すべりループ36、46を形成し、ループ36、46は、すべり層14のライン速度および需要に基づくフィードバックをモータ34、44に提供するセンサ38、48によって維持される。この構成は、加熱モジュール18および/または押出しダイヘッド24に入る前に実質的に無張力のループが生じるようにする。制御送り装置16、22は、すべり層14における張力または応力を低減または除去するように働き、これが重要なのは、すべり層14が熱いダイ部分を通過する間のわずかな張力や応力でも、すべり層14を伸張させ、望ましくない硬直した、または剛性の手すりを生じさせる可能性があるためである。
【0033】
制御送り装置16、22は、距離ベースのループに作用する。モータ34、44は、例えば、DC可変速度モータなどとすることができ、押出しラインからの需要(要求)に基づいてすべり層14を前に送るようにコンピュータ制御(不図示)され得る。センサ38、48は、PLCによってプログラムされ、例えば、光センサやレーザセンサなどとすることができる。センサ38、48はすべり層14を感知し、それぞれ、モータ34、44にフィードバックを提供することにより距離Dを維持する。これがさらに、(図示のように)直線ではなくループを維持する。すなわち、加熱モジュール18および/または押出しダイヘッド24の入口のところのすべり層14は実質的に無張力である。
【0034】
発明者らは、すべり層14に生じた伸張の大部分が押出しダイヘッド24の高温から生じたものであることを認めた。すべり層14の変化または伸張を低減して、特に縦方向の弾性率を不変のままに保つためには、押出しダイヘッド24とすべり層14との間の熱伝達を低減する手段を設けることが望ましいとすることができる。これは、少なくとも次の2つの方法で実現することができる。すなわち、(i)すべり層14が接触する押出しダイヘッド24の底部からヒータを除去すること、および(ii)すべり層14と直接接触する押出しダイヘッド24の底部に水冷式のインサートを導入することによってである。
【0035】
すべり層に対する異なる前処理条件の影響を調べるための試験を行った。この場合のすべり層は、幅140mm、厚さ0.80mmから0.90mm、織物重量508+/−28g/m2のベネシャン織(Venetian weave)を有するスパンポリエステル織物であった。同様のすべり層サンプルに50mm×50mmの正方形で印をつけ、異なる条件で(160〜180℃、長さ1.8mの)加熱モジュールに通した。後で、各正方形を縦方向と横方向の両方で測定し、これらの値を加算した。結果を図5に要約する。この実験では、滞留時間がより長く、温度がより高いほどすべり層の収縮が増大することが確認された。下の線は、2m/分の布速度での結果を示し、上の線は、3m/分の布速度、すなわち、滞留時間が1/3低減された場合の結果を示す。
【0036】
また、試験は、制御送り装置を含む前処理が施された、160℃、185℃および205℃の3つの前処理温度を有するすべり層と、制御送り装置を使用しない160℃の前処理温度を有するすべり層とを用いて押出し成形された手すりでも行った。(加熱モジュールは長さ1.8mであった。)すべり層弾性率は、50.00mm/分でASTM D−412を使用して測定した。結果を図6に示す。図6に示すように、前処理温度が高いほど、引張応力値の低い手すりがもたらされる。また、制御送り装置の有効性も示されている。これらの試験の結果は、(温度が高すぎる場合にはすべり層が脆弱になり得ることに留意して)加熱モジュールの温度と長さを増大させるべきことを示唆するものであった。
【0037】
すべり層前処理に影響を及ぼす変量を調べる別の試験を行った。この結果を以下の表1に要約する。「A」は、前処理出口と押出しダイとの間が200mm離れた、限られた冷却区間を有するより短い加熱モジュールを使用して前処理されたサンプルを表す。「B」は、より長い加熱モジュールで前処理され、前処理出口と押出しダイ入口の間に1.25mを設けて、結果的に室温で約50秒間の滞留時間が生じ、すべり層が約40℃まで冷却するようにしたサンプルを表す。「B」サンプルでは、約2から4%の収縮を示すことが観測されたのに対し、「A」サンプルでは6から8%の伸張が観測された。概ね、「B」の条件は、特定のすべり層(スパンポリエステル織物)には適切であると考えられた。
【0038】
【表1】

【0039】
前述の前処理パラメータは例として、選択された特定のすべり層材料、特定の押出し工程、および特定の構成の押出し複合手すり製品の状況において示すものにすぎないことを理解すべきである。異なる材料、押出し工程および手すり構成には異なる前処理パラメータが適用され、それらはすべて当業者には容易に理解されるはずである。
【0040】
本明細書で示した1つまたは複数の実施形態の他の変形も可能であり、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく実施され得ることが当業者には理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手すり用のすべり層を前処理する方法であって、
a)加熱モジュールを通して前記すべり層を送ることと、
b)前記すべり層を前記加熱モジュール内での滞留時間の間に高温に維持することと、
c)前記すべり層を前記加熱モジュールから排出することとを含む、方法。
【請求項2】
前記すべり層の少なくとも一部分を実質的に無張力のループとして維持することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記すべり層を前記加熱モジュールから押出しダイヘッドまで制御可能に送ることをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
すべり層供給源を設けることと、第1の制御送り装置を使用して、前記すべり層の第1の部分を実質的に無張力のループとして維持しながら、前記すべり層の少なくとも前記第1の部分を、前記すべり層供給源から前記加熱モジュールまで送ることとをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第2の制御送り装置を使用して、前記すべり層の第2の部分を実質的に無張力のループとして維持しながら、前記すべり層の前記第2の部分を前記加熱モジュールから前記押出しダイヘッドまで送ることをさらに含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記押出しダイヘッドを、前記すべり層を冷却させるように前記加熱モジュールから間隔を置いて位置決めすることをさらに含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記押出しダイヘッドから前記すべり層への熱伝達を低減することをさらに含む、請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記押出しダイヘッドから前記すべり層への熱伝達は、前記押出しダイヘッドの前記すべり層と接触する部分において冷却インサートを設けることによって低減される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記冷却インサートは水冷式のものである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記加熱モジュールは直列に並べられた複数の加熱板を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記すべり層は織布で形成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記織布はポリエステル織物または綿織物である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記高温および前記滞留時間は前記すべり層の収縮を生じさせるのに十分な程度である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記高温は150℃から250℃までである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
手すり用のすべり層を前処理する装置であって、
a)すべり層供給源と、
b)前記すべり層を高温に維持する加熱モジュールと、
c)前記すべり層を前記すべり層供給源から前記加熱モジュールを通して送り、前記すべり層を前記加熱モジュールから排出する装置と、
d)前記すべり層の少なくとも一部分を実質的に無張力のループとして維持する少なくとも1つの制御送り装置とを備える、装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの制御送り装置は、前記すべり層が前記すべり層供給源から前記加熱モジュールまで送られる際に前記すべり層の第1の部分を実質的に無張力のループとして維持する、前記すべり層供給源と前記加熱モジュールとの間に位置決めされた第1の制御送り装置を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの制御送り装置は、前記すべり層が前記加熱モジュールから押出しダイヘッドまで送られる際に前記すべり層の第2の部分を実質的に無張力のループとして維持する、前記加熱モジュールと前記押出しダイヘッドとの間に位置決めされた第2の制御送り装置を備える、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記押出しダイヘッドと前記加熱モジュールとの間に冷却区間をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記押出しダイヘッドは、前記すべり層の温度を低減するための冷却インサートを含む、請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記冷却インサートは水冷式のものである、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記加熱モジュールは直列に並べられた複数の加熱板を含む、請求項15から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
すべり層の前処理時に押出し成形手すり用の前記すべり層の移動を制御する装置であって、
a)前記すべり層の移動を制御する送り機構と、
b)前記すべり層の張力を監視し、前記すべり層の一部分を実質的に無張力のループとして維持するために前記送り機構にフィードバックを提供する少なくとも1つのセンサとを備える、装置。
【請求項23】
前記送り機構は、モータと、少なくとも1対の対向するローラとを備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記センサは、光センサまたはレーザセンサを備える、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
実質的に、添付の図面を参照して本明細書において説明され、または添付の図面に図示されている押出し成形手すり用のすべり層を前処理する、方法。
【請求項26】
実質的に、添付の図面を参照して本明細書において説明され、または添付の図面に図示されている押出し成形手すり用のすべり層を前処理する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−538865(P2010−538865A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524317(P2010−524317)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001600
【国際公開番号】WO2009/033273
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(509198284)イー エイチ シー カナダ インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】EHC Canada,Inc.
【住所又は居所原語表記】1287 Boundary Road,Oshawa,Ontario,L1J 6Z7, Canada
【Fターム(参考)】