説明

抽出装置及び該抽出装置が組み込まれた画像形成装置

【課題】安定的且つ低コストで分散媒と分散質とを分離し、分散媒の抽出を可能とする抽出装置及びこの抽出装置が組み込まれた画像形成装置を提供することが課題である。
【解決手段】分散質と分散媒とを含む液体試料を搬送する搬送面と、前記液体試料を吸収可能に形成される吸液帯と、該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体試料を吸収させる押し当て部と、前記液体試料を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記分散媒を搾り出す加圧部と、を備えることを特徴とする抽出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料から分散媒を抽出する抽出装置及び抽出装置が組み込まれた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一の面上に担持された液体を用いて、所定の処理を実行する技術は、印刷技術などの多くの分野で利用されている。例えば、このような技術は、液体現像剤を用いる画像形成装置(例えば、コピー機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの機能を備える複合機等)に適用される。
【0003】
処理に用いられる液体は、多くの場合、分散媒と分散質を含む。例えば、上述の画像形成装置は、分散質としてトナーを用い、分散媒としてキャリア液を用いる。分散媒は、例えば、分散質の分散の均一性を促し、均一な及び/又は安定した処理を行なわせるという役割を担う。特定の処理においては、分散媒を回収し、再利用することが望まれることもある。
【0004】
特許文献1は、分散媒を回収するための技術の一例を開示する。特許文献1の開示技術によれば、液体現像液を電界中に通過させることにより、液体現像液を構成するキャリア液とトナーとを分離させ、キャリア液の回収を行なおうとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−270957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の開示技術は、電界を用いて、流動中の液体現像剤に対して、キャリア液とトナーとの分離処理を実行するが、帯電量が小さいトナー粒子や逆帯電トナーをキャリア液から分離することには不向きである。更に、紙詰まり等の異常動作に起因して生ずる高濃度のトナー粒子を含有する液体現像剤に対して、分離処理を施すことにも不向きである。加えて、電界を生じさせるための装置が要求されるため、製造コストの増大を招来するという課題も存在する。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、安定的且つ低コストで分散媒と分散質とを分離し、分散媒の抽出を可能とする抽出装置及びこの抽出装置が組み込まれた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る抽出装置は、分散質と分散媒とを含む液体試料を搬送する搬送面と、前記液体試料を吸収可能に形成される吸液帯と、該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体試料を吸収させる押し当て部と、前記液体試料を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記分散媒を搾り出す加圧部と、を備えることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
上記構成によれば、搬送面によって搬送される液体試料は、搬送面に押し当てられる吸液帯によって吸収される。加圧部は、吸液帯に圧力を加えるので、分散媒が搾り出されることとなる。したがって、上記構成によれば、電界を用いることなく、液体試料中の分散質と分散媒との分離が行なわれるので、分散質の帯電状態によらず、分散質と分散媒との安定した分離処理を行なうことができるとともに、比較的低コストで製造することが可能な簡素な構造を用いて、分散媒の抽出を行なうことが可能となる。
【0010】
上記構成において、前記加圧部は、前記液体試料を吸収した前記吸液帯を巻き取る巻取部であり、前記分散媒は、前記巻取部に巻回される前記吸液帯に加わる張力によって搾り出されることが好ましい(請求項2)。
【0011】
上記構成によれば、吸液帯を巻き取るために用いられる巻取部が加圧部として機能するので、分散媒を搾り取るための追加的な構造を必要としない。したがって、比較的低コストで製造することが可能な簡素な構造を用いて、分散媒の抽出を行なうことが可能となる。
【0012】
上記構成において、前記加圧部は、第1部材と、該第1部材に圧接される第2部材とを含み、前記吸液帯は、前記第1部材と前記第2部材との間を通過することが好ましい(請求項3)。
【0013】
上記構成によれば、第1部材と第2部材の間を吸液帯が通過することにより、安定的に分散媒を搾り取ることが可能となる。
【0014】
上記構成において、前記吸液帯による前記液体試料の吸収がなされた前記搬送面に当接するとともに該搬送面を清掃する清掃部を更に備えることが好ましい(請求項4)。
【0015】
上記構成によれば、搬送面の清掃を好適に行なうことが可能となる。
【0016】
上記構成において、前記加圧部は、前記液体試料を加熱する熱源を更に含むことが好ましい(請求項5)。
【0017】
上記構成によれば、分散媒の粘度を低減させることが可能となり、分散媒を好適に搾り出すことが可能となる。したがって、分散媒の抽出を一層促すことが可能となる。
【0018】
上記構成において、前記熱源は、前記分散質を軟化させることが好ましい(請求項6)。
【0019】
上記構成によれば、分散質が軟化することにより、吸液帯により分散質が捕捉されやすくなる。したがって、分散媒と分散質との分離を一層促すことが可能となる。
【0020】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体にトナーとキャリア液とを含む液体現像剤を供給するとともに前記潜像担持体上にトナー像を形成する現像部と、前記トナー像をシートに転写する転写部と、前記液体現像剤を吸収可能に形成される抽出装置と、を備え、前記現像部は、前記潜像担持体に前記液体現像剤を搬送する搬送面を含み、前記抽出装置は、前記液体現像剤を吸収可能に形成される吸液帯と、該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体試料を吸収させる押し当て部と、前記液体現像剤を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記キャリア液を搾り出す加圧部と、を含むことを特徴とする(請求項7)。
【0021】
上記構成によれば、潜像を担持する潜像担持体に液体現像剤を供給することにより、潜像担持体にトナー像が形成される。潜像担持体に形成されたトナー像は転写部によりシートに転写される。抽出装置は、潜像担持体に液体現像剤を供給した後の搬送面に存する液体現像剤を、吸液帯を用いて吸収する。吸液帯は、送出部から送り出され、押し当て部により搬送面に押し当てられることにより、液体現像剤を吸収する。その後、吸液帯は、加圧部により圧力を加えられる。これにより、キャリア液が吸液帯から搾り出される。したがって、上記構成によれば、電界を用いることなく、液体現像液中のトナーとキャリア液との分離が行なわれるので、トナーの帯電状態によらず、トナーとキャリア液との安定した分離処理を行なうことができるとともに、比較的低コストで製造することが可能な簡素な構造を用いて、キャリア液の抽出を行なうことが可能となる。
【0022】
本発明の更に他の局面に係る画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体にトナーとキャリア液とを含む液体現像剤を供給するとともに前記潜像担持体上にトナー像を形成する現像部と、前記トナー像をシートに転写する転写部と、前記液体現像剤を吸収可能に形成される抽出装置と、を備え、前記転写部は、前記シートに前記トナー像を搬送する搬送面を含み、前記抽出装置は、前記液体現像剤を吸収可能に形成される吸液帯と、該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、前記シートに前記トナー像の転写を行なった後の前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体現像剤を吸収させる押し当て部と、前記液体現像剤を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記キャリア液を搾り出す加圧部と、を含むことを特徴とする(請求項8)。
【0023】
上記構成によれば、潜像を担持する潜像担持体に液体現像剤を供給することにより、潜像担持体にトナー像が形成される。潜像担持体に形成されたトナー像は転写部によりシートに転写される。抽出装置は、シートにトナー像を転写した後の搬送面に存する液体現像剤を、吸液帯を用いて吸収する。吸液帯は、送出部から送り出され、押し当て部により搬送面に押し当てられることにより、液体現像剤を吸収する。その後、吸液帯は、加圧部により圧力を加えられる。これにより、キャリア液が吸液帯から搾り出される。したがって、上記構成によれば、電界を用いることなく、液体現像液中のトナーとキャリア液との分離が行なわれるので、トナーの帯電状態によらず、トナーとキャリア液との安定した分離処理を行なうことができるとともに、比較的低コストで製造することが可能な簡素な構造を用いて、キャリア液の抽出を行なうことが可能となる。
【0024】
本発明の更に他の局面に係る画像形成装置は、潜像を担持する搬送面を含む潜像担持体と、前記搬送面にトナーとキャリア液とを含む液体現像剤を供給するとともに前記搬送面上にトナー像を形成する現像部と、前記液体現像剤を吸収可能に形成される抽出装置と、を備え、前記潜像担持体は、一の面に前記トナー像を転写し、前記抽出装置は、前記液体現像剤を吸収可能に形成される吸液帯と、該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、前記シートに前記トナー像の転写を行なった後の前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体現像剤を吸収させる押し当て部と、前記液体現像剤を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記キャリア液を搾り出す加圧部と、を含むことを特徴とする(請求項9)。
【0025】
上記構成によれば、潜像を担持する潜像担持体に液体現像剤を供給することにより、潜像担持体にトナー像が形成される。潜像担持体に形成されたトナー像は転写部によりシートに転写される。抽出装置は、一の面にトナー像を転写した後の潜像担持体の搬送面に存する液体現像剤を、吸液帯を用いて吸収する。吸液帯は、送出部から送り出され、押し当て部により搬送面に押し当てられることにより、液体現像剤を吸収する。その後、吸液帯は、加圧部により圧力を加えられる。これにより、キャリア液が吸液帯から搾り出される。したがって、上記構成によれば、電界を用いることなく、液体現像液中のトナーとキャリア液との分離が行なわれるので、トナーの帯電状態によらず、トナーとキャリア液との安定した分離処理を行なうことができるとともに、比較的低コストで製造することが可能な簡素な構造を用いて、キャリア液の抽出を行なうことが可能となる。
【0026】
上記構成において、前記加圧部により搾り出されたキャリア液から前記トナーを除去する除去機構を更に含むことが好ましい(請求項10)。
【0027】
上記構成によれば、トナーとキャリア液とが好適に分離される。
【発明の効果】
【0028】
上述の如く、本発明に係る抽出装置及び画像形成装置は、安定的且つ低コストで分散媒と分散質とを分離し、分散媒の抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る抽出装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る抽出装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る抽出装置の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る抽出装置の概略構成を示す図である。
【図5】図1乃至図4に示される抽出装置の原理が組み込まれた画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図6】図5に示される画像形成装置の概略構成図である。
【図7】図5に示される画像形成装置が備える画像形成部の概略構成図である。
【図8】図7に示される画像形成装置の液体現像剤を循環させるシステムの概略構成図である。
【図9】図8に示される液体現像剤を循環させるシステムが備える除去装置の概略構成図である。
【図10】図8に示される除去装置を用いた分散質の除去処理の一工程を説明する図である。
【図11】図8に示される除去装置を用いた分散質の除去処理の一工程を説明する図である。
【図12】図8に示される除去装置を用いた分散質の除去処理の一工程を説明する図である。
【図13】図8に示される除去装置を用いた分散質の除去処理の一工程を説明する図である。
【図14】図8に示される除去装置を用いた分散質の除去処理の一工程を説明する図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の概略構成を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。更に、以下の説明で用いられる「シート」との用語は、コピー用紙、トレーシングペーパ、厚紙、OHPシートや画像を形成することが可能な他のシートを意味する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る抽出装置の概略構成図である。尚、図1に示される抽出装置には、液体試料として、液体現像剤が供給されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、分散質と分散媒とを含む任意の液体試料を用いることができる。尚、本実施形態において用いられる液体現像剤には、分散質としてトナーが含有され、分散媒としてキャリア液が含まれている。
【0032】
抽出装置600は、略直方体形状の筐体610と、抽出装置600を構成する電動装置及び/又は電子機器を制御する制御部620とを備える。筐体610内には、液体供給源630が配される。液体供給源630は、液体試料を収容するとともに上方に開口した箱状の液槽631と、液槽631内の液体試料に接触するとともに、液槽631の開口部から上方に突出する円柱形状の供給ローラ632とを含む。供給ローラ632は、制御部620と電気的に接続されたモータに接続され、制御部620の制御下で回転する。尚、図1に示される液体供給源630は、本実施形態の原理を容易に理解させるために例示的に示されるものであり、分散媒を抽出するための部材に液体試料を供給する任意の構造を液体供給源630として用いることが可能である。
【0033】
筐体610内には、更に、円柱形状の液体搬送ローラ640が配される。液体搬送ローラ640は、供給ローラ632の上方に配設される。液体搬送ローラ640は、制御部620と電気的に接続されたモータに接続され、制御部620の制御下で回転する。或いは、供給ローラ632に接続されるモータからの駆動力を液体搬送ローラ640に伝達可能に形成されたギア機構を用いて、液体搬送ローラ640が回転してもよい。液体搬送ローラ640の周面は、供給ローラ632の周面に接触する。供給ローラ632が回転すると、供給ローラ632の周面に液槽631内の液体試料が付着し、この液体試料は、液体搬送ローラ640に供給される。液体搬送ローラ640と供給ローラ632との接触部において、液体試料の一部は、液体搬送ローラ640に乗り移り、液体搬送ローラ640によって搬送される。尚、図1において、円柱状の液体搬送ローラ640の周面が、液体試料を搬送する搬送面として用いられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、液体試料をベルトの面等で搬送するときには、ベルトの平坦な面が搬送面として利用されてもよい。
【0034】
液体搬送ローラ640の左方には、抽出機構650が配設される。抽出機構650は、液体試料を吸収可能に形成される吸液帯651と、ロール状に巻回された吸液帯651を巻き出す送出部652と、送出部652から巻き出された吸液帯651を巻き取る巻取部653と、送出部652と巻取部653の間で、液体搬送ローラ640に吸液帯651を押し当てる押し当て部654とを含む。吸液帯651は、例えば、アラミド繊維を含む不織布から形成されるが、本発明は、これに限定されるものではなく、液体試料を吸収可能な材料を用いて、吸液帯651が形成されてもよい。送出部652は、例えば、制御部620の制御下で動作するモータと接続されたシャフトを含み、ロール状に巻回された吸液帯651がシャフトに取り付けられる。制御部620の制御下で、送出部652のシャフトが回転し、吸液帯651が巻き出される。巻取部653は、例えば、制御部620の制御下で動作するモータと接続されたシャフトを含み、シャフトに吸液帯651の先頭端が接続される。巻取部653のシャフトが、制御部620の制御下で回転するとシャフトに吸液帯651が巻き付けられる。尚、巻取部653の巻取速度は、送出部652の送出速度より速く設定される。これにより、送出部652から巻取部653へ向かう吸液帯651に張力が加えられることとなり、送出部652から巻取部653への吸液帯651の搬送を安定的に行なうことができる。
【0035】
押し当て部654は、液体搬送ローラ640に隣接して配設される押し当てローラ655と、押し当てローラ655に接続される先端部を有する伸縮自在なロッド657を含むシリンダ656とを備える。シリンダ656は、制御部620の制御下で、ロッド657を伸縮させ、押し当てローラ655を液体搬送ローラ640に対して近付ける方向及び遠ざかる方向に往復移動させることが可能である。送出部652から液体搬送ローラ640の周面に向けて送出された吸液帯651は、押し当てローラ655と液体搬送ローラ640との間を通り、巻取部653へ至る。ロッド657が伸長したとき、押し当てローラ655は液体搬送ローラ640に圧接し、吸液帯651を液体搬送ローラ640に押し当てる。この間、押し当てローラ655は、液体搬送ローラ640の回転に対して従動回転する。液体搬送ローラ640に押し当てられた吸液帯651は、液体搬送ローラ640の周面に存する液体試料を吸収し、その後、巻取部653によって巻き取られる。
【0036】
上述の如く、吸液帯651には張力が加えられる。この張力は、巻取部653において、巻回される吸液帯651の巻回中心方向に向く圧力となる。したがって、巻取部653に巻き取られた吸液帯651から分散媒が搾り出されることとなる。一方、液体試料中の分散質の殆どは、吸液帯651により捕捉され、搾り出される分散媒中に存する分散質は殆ど或いは全く存在しない。このようにして、液体試料を分散媒と分散質とに分離することができる。筐体610の底壁611には、開口部612が形成される。開口部612は、巻取部653の直下に配設される。搾り取られた分散媒は、開口部612を介して、筐体610外に排出される。開口部612には、排出管路613が接続される。排出管路613は、搾り取られた分散媒に所定の処理を施す装置(例えば、搾り取られた分散媒から更に分散媒を除去する処理を行なう除去機構)へ、分散媒を案内する。
【0037】
筐体610内には更に、薄板状のブレード660(清掃部)が配される。ブレード660の先端部は、液体搬送ローラ640に当接し、吸液帯651による液体試料の吸収がなされた後の液体搬送ローラ640の周面を清掃する。清掃された液体搬送ローラ640の周面は、供給ローラ632に向かい、引き続き、液体試料を搬送することとなる。
【0038】
図2は、抽出装置600の他の構造を示す。尚、以下の説明において、図1に示される抽出装置600との相違点が示され、図1に示される抽出装置600と共通する構成に関する説明は省略される。
【0039】
図1に示される抽出装置600において、液体試料を吸収した吸収帯に圧力を加え、分散媒を搾り出す加圧部として、巻取部653が用いられたが、図2に示される抽出装置600は、加圧部として、ニップ機構670を用いる。ニップ機構670は、制御部620の制御下で作動するモータに接続される第1ローラ671(第1部材)と、シリンダ(図示せず)等の加圧装置を用いて第1ローラ671に圧接されるとともに第1ローラ671の回転に対して従動回転する第2ローラ672(第2部材)とを含む。ニップ機構670は、押し当てローラ655と巻取部653との間に配設される。
【0040】
図1に関連して説明された如く、液体供給源630から液体搬送ローラ640に供給された液体試料は、押し当てローラ655によって、液体搬送ローラ640に押し当てられた吸収帯651によって吸収される。液体試料を吸収した吸収帯651は、第1ローラ671と第2ローラ672との間を通過した後、巻取部653によって巻き取られる。第1ローラ671と第2ローラ672との間を通過するとき、吸収帯651は、第1ローラ671と第2ローラ672とによって加圧され、吸収帯651に吸収された液体試料から分散媒が搾り出されることとなる。
【0041】
第2ローラ672の下方に、筐体610の開口部612が形成される。ニップ機構670は更に、板状のブレード673を備える。ブレード673の先端部は、第2ローラ672の周面に当接される。これにより、ニップ機構670により搾り取られ、第2ローラ672の周面に付着した分散媒がブレード673によって掻き取られることとなる。ブレード673によって、掻き取られる分散媒は開口部612に向けて落下し、筐体610外に排出される。
【0042】
図3及び図4はそれぞれ、熱源を備える抽出装置600を示す。図3に示される抽出装置600は、図1に示される抽出装置600に熱源を配することにより構成される。図4に示される抽出装置600は、図2に示される抽出装置600に熱源を配することにより構成される。
【0043】
図3に示される抽出装置600は、巻取部653の近くに熱源680を備える。熱源680は、巻取部653に巻回される吸液帯651を加熱する。図4に示される抽出装置600は、第2ローラ672の内部に配設される熱源680を備える。熱源680は、吸液帯651を加熱し、吸液帯651に吸収された液体試料の粘度を下げる。この結果、加圧部653,670を用いて、液体成分である分散媒を吸液帯651から絞りやすくなる。熱源680は、比較的高い熱エネルギを吸液帯に与え、液体試料中の分散質を軟化させてもよい。軟化した分散質は、吸液帯651の繊維に捕捉されやすくなるため、分散媒と分散質との分離が一層促されることとなる。
【0044】
図1乃至図4に関連して説明された抽出装置600は、液体搬送ローラ640の周面の移動方向に沿うように、吸液帯651を送出部652から巻取部653に向けて送出したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液体搬送ローラ640の周面の移動方向に逆らうように、巻取部653から送出部652に向けて吸液帯651を送出してもよい。
【0045】
図5は、図1乃至図4に関連して説明された抽出装置600が組み込まれた画像形成装置の概略構成図である。図6は、液体現像剤循環装置の部分を除いた画像形成装置の概略断面図である。図7は、画像形成部の一つを拡大して示す断面図である。尚、図5乃至図7に示される画像形成装置はカラープリンタであるが、コピー機、ファクシミリ装置、これらの機能を含む複合機やシート上に画像を形成することができる他の装置とすることもできる。
【0046】
図5に示される如く、カラープリンタ1は、画像形成のための様々なユニットや部品が収納される上側本体部1Aと、この上側本体部1Aの下部に配置され、各色用の液体現像剤循環装置LY、LM、LC、LB(混合液体供給システム)が収納される下側本体部1Bとから構成される。ここでは、上側本体部1Aと下側本体部1Bとを結ぶ配管類は図示されていない。
【0047】
図6に示される如く、上側本体部1Aには、画像データに基づいてトナー画像を形成するタンデム式の画像形成部2と、シートを収容するシート収納部3と、画像形成部2で形成されたトナー画像をシート上に転写する二次転写部4と、転写されたトナー画像をシート上に定着させる定着部5と、定着の完了したシートを排紙する排出部6と、シート収納部3から排出部6までシートを搬送するシート搬送部7とが含まれる。
【0048】
画像形成部2は、中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21のクリーニング部22と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBとを備える。
【0049】
中間転写ベルト21は、導電性を有し、使用可能なシート搬送方向に直角な方向の長さが最大のシートより幅広であって、無端状、すなわちループ状のベルト状部材であり、図5及び図6において時計回りに循環駆動される。中間転写ベルト21の循環駆動において外側を向く面を以下、表面と称し、他方の面を裏面と称する。
【0050】
画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBは、中間転写ベルト21の近傍に4つ並べて中間転写ベルト21のクリーニング部22と二次転写部4との間に配置される。尚、各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置の順番はこの限りではないが、図5及び図6に示される配置は、各色の混色による完成画像への影響を少なくする。
【0051】
画像形成ユニットFY、FM、FC、及びFBは、感光体ドラム10(潜像担持体)と、帯電器11と、LED露光装置12と、現像装置14と、一次転写ローラ20と、図1乃至図4に関連して説明された原理を用いる抽出装置600と、除電装置13とを備える。図5乃至図7に示される感光体ドラム10は、図1乃至図4に関連して説明された液体搬送ローラ640に相当する。
【0052】
各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBに対応して、それぞれ液体現像剤循環装置LY、LM、LC、LBが設けられ、各色の液体現像剤の供給並びに回収が行われる。
【0053】
円柱状の感光体ドラム10の周面は、帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)されたトナーを含むトナー像を担持可能である。図6及び図7に示される感光体ドラム10は、反時計回りに回転可能である。帯電器11は、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる。
【0054】
露光装置12は、LED等の光源を有し、外部の機器から入力される画像データに応じて、一様に帯電された感光体ドラム10の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム10の表面には、静電潜像が形成される。感光体ドラム10は静電潜像を担持する。
【0055】
現像装置14は、トナー及び液体のキャリアを含む液体現像剤を、感光体ドラム10の表面の静電潜像に対向するように保持することにより、静電潜像にトナーを付着させる。この結果、静電潜像はトナー像として現像される。
【0056】
図7に示される如く、現像装置14は、現像容器140、現像ローラ141、供給ローラ142、支持ローラ143、供給ローラブレード144、現像クリーニングブレード145、現像剤回収装置146及び現像ローラ帯電器147を含む。図5乃至図7に関連して説明されるカラープリンタ1の現像装置14は、図1乃至図4に関連して説明された抽出装置600の液体供給源630に相当する。
【0057】
現像容器140は、内部にトナー粒子と液体のキャリアからなる液体現像剤の供給を受ける。液体現像剤は、トナーとキャリアとの濃度調整が予め行われた後、供給ノズル278から現像容器140内へ供給される。尚、液体現像剤は、供給ローラ142と支持ローラ143とのニップ部へ向けて供給され、その余剰分は支持ローラ143の下方へ落下し、現像容器140の底部において貯留される。貯留された液体現像剤は、パイプ82を通して液体現像剤循環装置を用いて回収される。
【0058】
支持ローラ143は現像容器140の略中央に配置され、供給ローラ142に下方から当接されてニップ部を形成する。供給ローラ142は、支持ローラ143の直上ではなく、供給ノズル278から離れる方向の斜め上に配置される。供給ローラ142の周面には液体現像剤を保持するための溝が設けられる。図7中に点線矢印で示すように、支持ローラ143は反時計方向に、供給ローラ142は時計方向に回転する。
【0059】
供給ノズル278から供給される液体現像剤は、ニップ部の回転方向上流側で一時的に滞留され、両ローラ142、143の回転に伴って、供給ローラ142の溝に保持された状態で上方へ運ばれる。供給ローラブレード144は、供給ローラ142の周面に圧接され、供給ローラ142に保持される液体現像剤の量が所定量になるように規制する。供給ローラブレード144により掻き落とされた余剰の液体現像剤は、現像容器140の底部で受け取られる。
【0060】
現像ローラ141は、現像容器140の上部開口部に、供給ローラ142と接するように配置される。現像ローラ141は供給ローラ142と同方向に回転される(現像ローラ141と供給ローラ142とが当接するニップ部では、現像ローラ141の表面は供給ローラ142の表面と逆方向に移動する)。これにより、現像ローラ141の周面には、供給ローラ142の周面に保持された液体現像剤が受け渡される。供給ローラ142の液体現像剤の層厚が所定値に規制されているので、現像ローラ141の表面に形成される液体現像剤層の層厚も所定値に保たれる。
【0061】
現像ローラ帯電器147は、トナーの帯電極性と同極性の帯電電位を与えることにより、現像ローラ141に担持された現像剤層中のトナーを現像ローラ141の表面側に移動させる。この結果、現像効率が向上する。現像ローラ帯電器147は、現像ローラ141と供給ローラ142との間の接触部の回転方向下流側であって、感光体ドラム10との接触部の上流側において、現像ローラ141の周面に対向するように設けられる。
【0062】
現像ローラ141は感光体ドラム10と接し、感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と現像ローラ141に印加される現像バイアスとの電位差によって、形成指示された画像データに応じたトナー像が感光体ドラム10表面に形成される。
【0063】
現像クリーニングブレード145は、現像ローラ141の感光体ドラム10との接触部の回転方向下流側に接触するように配置され、感光体ドラム10への現像動作を終えた現像ローラ141の表面の液体現像剤を除去する。
【0064】
現像剤回収装置146は、現像クリーニングブレード145で除去された液体現像剤を回収して、液体現像剤循環装置のパイプ81へ液体現像剤を送り出す。液体現像剤は現像クリーニングブレード145の表面に沿って流下するが、液体現像剤の粘度が高いことから、現像剤回収装置146には液体現像剤の送り出しを補助する送り出しローラが備えられる。
【0065】
一次転写ローラ20は、中間転写ベルト21の裏面に、感光体ドラム10と対向して配置される。一次転写ローラ20には、電源(図示せず)からトナー像中のトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧を印加される。一次転写ローラ20は、中間転写ベルト21と接触している位置で、中間転写ベルト21にトナーと逆極性の電圧を印加する。中間転写ベルト21は導電性を有するので、この印加電圧によって、トナー像は、感光体ドラム10から中間転写ベルト21の表面側及びその周辺(一の面)に引き付けられる。中間転写ベルト21は、トナー像を担持して、シートまで搬送する像担持体として機能する。
【0066】
図1乃至図4に関連して説明された如く、抽出装置600は、感光体ドラム10から中間転写ベルト21に転写されずに残留した液体現像剤を吸収し、キャリア液を搾り出す。抽出装置600は、図1乃至図4に関連して説明された如く、感光体ドラム10の周面に残存する液体現像剤を吸収する吸液帯651を送出す送出部652と、吸液帯651を巻き取る巻取部653と、吸液帯651を感光体ドラム10の周面に押し当てる押し当て部654と、吸液帯651によって液体現像剤の吸収がなされた感光体ドラム10の周面に当接するブレード262を含む。尚、ブレード262は、図1乃至図4に関連して説明されたブレード660に相当する。抽出装置600は更に、搬送スクリュー261を備える。抽出装置600内に配置される搬送スクリュー261は、ブレード262によって掻き取られ、抽出装置600の筐体610内に収納された残留現像剤及び加圧部として用いられる巻取部653(或いは、図2及び図4に示されるニップ機構670)により搾り出されたキャリア液を抽出装置600の外部に搬送する。
【0067】
板状のブレード262は、感光体ドラム10の表面に残留した液体現像剤を掻き取るように、感光体ドラム10の回転軸方向に延びる。ブレード262の端部は、感光体ドラム10の表面に摺接し、感光体ドラム10の回転に伴って感光体ドラム10上に残留した液体現像剤を掻き取る。
【0068】
除電装置13は、除電用の光源を有し、次の周回による画像形成に備えて、クリーニングブレード262による液体現像剤除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電する。
【0069】
図6を再度参照する。シート収納部3は、トナー像を定着させるシートを収納する。シート収納部3は、上側本体部1Aの下部に配置される。また、シート収納部3は、シートを収納可能に形成された給紙カセットを含む。
【0070】
二次転写部4は、中間転写ベルト21上に形成されたトナー像をシートに転写する。二次転写部4は、中間転写ベルト21を支持する支持ローラ41と、支持ローラに対向して配置された二次転写ローラ42とを有する。
【0071】
二次転写部4の上側に配置される定着部5は、シートにトナー像を定着させる。定着部5は、加熱ローラ51と、加熱ローラ51に対向して配置された加圧ローラ52とを有する。
【0072】
カラープリンタ1の上部に配置される排出部6には、定着部5でトナー像が定着されたシートが排出される。シート搬送部7は、複数の搬送ローラ対を備え、シート収納部3から二次転写部4や定着部5、排出部6にシートを搬送する。
【0073】
図8は、1つの液体現像剤循環装置LYの全体の概略を示す。他の液体現像剤循環装置LM、LC、LBも同じ構成である。この液体現像剤循環装置LYは、感光体ドラム10へ液体現像剤を供給した後に現像クリーニングブレード145によって現像ローラ141の表面から掻き取られた残留現像剤(トナーとキャリア液との混合物)を循環させ再利用するために用いられる。
【0074】
液体現像剤循環装置LYは、残留現像剤タンク271、現像剤収容容器272、固形分濃度検出装置273、キャリアタンク274、トナータンク275、液面検出装置276、現像剤リザーブタンク277、液体現像剤供給装置278、除去装置500、複数のポンプP1〜P11及び制御部500を備える。
【0075】
残留現像剤タンク271は、現像装置14に第1パイプ81及び第2パイプ82を介して接続され、現像装置14側から回収された液体現像剤を収容する。第1パイプ81及び第2パイプ82の途中には、それぞれ第1ポンプP1及び第5ポンプP5が取り付けられる。
【0076】
感光体ドラム10へトナーを供給した後に、現像クリーニングブレード145によって現像ローラ141の表面から掻き取られた液体現像剤は、第1ポンプP1の駆動により第1パイプ81を通して残留現像剤タンク271に送られる。また、現像容器140内において供給ローラ142から現像ローラ141へ供給されずに現像容器140にて貯留された液体現像剤は、第5ポンプP5の駆動により第2パイプ82を通して残留現像剤タンク271に送られる。
【0077】
現像剤収容容器272は、残留現像剤タンク271と接続される。現像剤収容容器272は、残留現像剤に現像装置14で用いられる現像剤よりもトナー濃度が高い現像剤或いはキャリア液を加えることで、トナー濃度を適正範囲に調整するとともに、残留現像剤のトナー濃度を適正範囲に調整する。トナー濃度が調整された液体現像剤は、現像装置14に補給される。現像剤収容容器272は残留現像剤タンク271と第3パイプ83を介して接続され、この第3パイプ83には第2ポンプP2が取り付けられる。残留現像剤タンク271内の液体現像剤は、第2ポンプP2の駆動により第3パイプ83を通して現像剤収容容器272に送られる。
【0078】
固形分濃度検出装置273は、現像剤収容容器272内の液体現像剤のトナーの濃度を検出する。現像剤収容容器272に接続されている環状の第4パイプ84に、固形分濃度検出装置273が接続される。この環状の第4パイプ84には第4ポンプP4が取り付けられる。現像剤収容容器272内の液体現像剤は、第4ポンプP4の駆動により第4パイプ84の入口端から固形分濃度検出装置273へ導かれ、その後、第4パイプ84の出口端から現像剤収容容器272に戻される。
【0079】
キャリアタンク274は、キャリア液を収納する。固形分濃度検出装置273により、現像剤収容容器272内のトナーの濃度が適正範囲よりも高いと判定された場合に、キャリアタンク274から現像剤収容容器272内にキャリア液が供給され、容器272内の液体現像剤のトナー濃度が下げられる。キャリアタンク274と現像剤収容容器272とは第5パイプ85で接続され、キャリア液の供給は、第5パイプ85の途中に設けられた第3ポンプP3の駆動によって実行される。
【0080】
トナータンク275は、現像装置14で用いられる現像剤よりもトナー濃度が高い液体現像剤を収納する。固形分濃度検出装置273により、現像剤収容容器272内のトナーの濃度が適正範囲よりも低いと判定された場合に、トナータンク275から現像剤収容容器272内にトナー濃度が高い液体現像剤が供給され、容器272内の液体現像剤のトナー濃度が上げられる。トナータンク275と現像剤収容容器272とは第6パイプ86で接続される。液体現像剤の供給は、第6パイプ86の途中に設けられた第8ポンプP8の駆動によって実行される。
【0081】
現像剤収容容器272内に配置される液面検出装置276は、現像剤収容容器272内の液体現像剤量を検出する。液面検出装置276は、現像剤収容容器272内における液体現像剤の液面高さが所定高さ位置以上となったときに液体現像剤と接触するように配置された液面検知部材276aと、液面検知部材276aを駆動するモータ(図示せず)とを備える。液面検知部材276aが、液体現像剤の液面と接触することに伴うモータの負荷変化に基づいて、液体現像剤量を検出する。
【0082】
現像剤リザーブタンク277は、現像装置14に補給する液体現像剤を収納する。現像剤リザーブタンク277は、現像剤収容容器272と第7パイプ871で接続され、第7パイプ871の途中に設けられた第6ポンプP6の駆動によって、現像剤収容容器272から液体現像剤の供給を受ける。
【0083】
供給ノズル278は、現像剤リザーブタンク277に貯留された液体現像剤を、現像装置14(現像容器140)へ供給する。供給ノズル278と現像剤リザーブタンク277とは第8パイプ872で接続されており、液体現像剤の供給は、第8パイプ872に取り付けられた第7ポンプP7の駆動によって実行される。
【0084】
残留現像剤タンク271、キャリアタンク274、トナータンク275及び現像剤リザーブタンク277の適所には、これらタンク内の液面高さを検知するための液面検出装置(図示せず)が備えられる。
【0085】
除去装置500は、残留現像剤(シートへのトナー像の形成のために消費されなかった液体現像剤)から、抽出装置600によって搾り出されたキャリア液及びブレード262によって掻き取られた残留現像剤との混合液を、トナーとキャリア液とに分離し、トナーを混合液から除去する。尚、除去装置500は、必須の構成ではなく、抽出装置600により、トナーを十分に吸収できる場合には、除去装置500は省略されてもよい。抽出装置600と除去装置500との間は、第9ポンプP9が取り付けられた第9パイプ881で接続される。第9ポンプP9の駆動により、抽出装置600内の混合液は、除去装置500に送られる。
【0086】
図9は、除去装置500の概略構成図である。除去装置500は、略直方体形状に形成された筐体510と、除去装置500を構成する電子機器等を制御する制御部620とを備える。筐体510の天壁511から図9に関連して説明された第9パイプ881が筐体510の内部に突出する。除去装置500は更に、第9パイプ881の下方に配設される円板状の回転板530と、回転板530の上方に配設される帯電器540とを含む。
【0087】
第9パイプ881の途中部には、例えば、制御部620と電気的に接続された流量計591及び電磁弁592が配設される。流量計591は、第9パイプ881を通過する液体現像液の流量に応じた信号を制御部620に出力し、流量計からの信号に基づいて、制御部620は、電磁弁592に開閉動作させる。これにより、所定量の液体現像剤が回転板530上に供給されることとなる。第9パイプ881の先端部は、筐体510内に配設され、例えば、0.1g相当の液体現像剤を回転板530の上面に向けて滴下する。回転板530の水平方向に拡がる上面は、第9パイプ881から滴下された液体現像剤を支持する。
【0088】
回転板530は、円板状に形成された導電部531と、導電部531の上面を被覆する絶縁膜532とを含む。絶縁膜532として、ポリイミドフィルムを好適に用いることができるが、本発明はこれに限られるものではなく、他の絶縁性材料を用いてもよい。また、回転板530の直径は、例えば、15cm程度とすることができる。導電部531の下面から導電性のシャフト533が延出する。
【0089】
除去装置500は更に、筐体510外に配設されるとともに回転板530を回転させるための駆動源として用いられるモータ560を備える。モータ560は、制御部620の制御下で、回転板530を所定の回転数で回転させる。モータ560の回転シャフト561は、筐体510の内部に突出し、回転板530に向けて延びる。モータ560の回転シャフト561の先端部と、回転板530のシャフト533の先端部とは、互いに対向し、絶縁性カップリング534を用いて、互いに接続される。モータ560の回転シャフト561及び回転板530のシャフト533は、円筒形状の導電性ガイド筒535に取り囲まれる。導電性ガイド筒535の上端には金属板536が固定され、金属板536の縁部は、回転板530の導電性シャフト533に圧接される。ガイド筒535の周面からアース線537が延出し、接地される。この結果、回転板530はアース電位を維持することとなる。
【0090】
帯電器540は、高圧電源541と、高圧電源541と接続される放電ワイヤ542と、放電ワイヤ542の先端部を取り囲むとともに回転板530に向けて開口するシールドケース543とを含む。高圧電源541は、制御部620の制御下で作動し、放電ワイヤ542に電力供給する。電力供給を受けたワイヤから放電を生じ、回転板330に支持される液体現像剤中のトナーが帯電される。これにより、トナーは回転板330の絶縁膜532に付着し、回転板330上の液体現像剤がトナー層とキャリア液層とに分離されることとなる。
【0091】
シールドケース543は、アース線537を用いて接地される。帯電器540は、シールドケース543に接続されるとともに筐体520の天壁511に取り付けられるシリンダ544を更に備える。シリンダ544のロッド545の先端は、シールドケース543の上面に接続される。作動流体をシリンダ544に案内する管路の途中部には、ソレノイドバルブ等の経路切替機器(図示せず)が取り付けられ、制御部620の制御下で、作動流体の流動経路が切り換えられ、シリンダロッド545の伸縮動作がなされる。シリンダロッド545の伸縮に伴って、シールドケース543は、放電ワイヤ542の先端部とともに上下動する。シールドケース543が下方に移動すると、放電ワイヤ543の先端部は、回転板530上の液体現像剤に近付き、好適にトナーを帯電させることができる。シールドケース543が上方に移動すると、放電ワイヤ543も回転板530から離間し、後述されるブレード570との干渉を回避することができる。
【0092】
除去装置500は更に、薄板状に形成されたブレード570と、ブレード570に接続されるとともに筐体510の側面壁512の外面に取り付けられるシリンダ571を備える。シリンダ571のロッド572の先端は、ブレード570に接続される。作動流体をシリンダ571に案内する管路の途中部には、ソレノイドバルブ等の経路切替機器(図示せず)が取り付けられ、制御部620の制御下で、作動流体の流動経路が切り換えられ、シリンダロッド572の伸縮動作がなされる。シリンダロッド572の伸縮に伴って、ブレード570は、水平方向に移動可能である。ロッド572が伸長すると、ブレード570の下端は、回転板530の上面を被覆する絶縁膜532に当接し、その後、絶縁膜532に接触しながら、回転板530上を移動する。これにより、絶縁膜532に付着したトナー層を引き剥がすことが可能となる。尚、本実施形態において、ブレード570を移動させてトナー層と絶縁膜532との分離を図るが、回転板530と回転板570の上面に接触するブレード570間の相対移動を生じさせることにより、ブレード570を移動させてトナー層と絶縁膜532との分離を図ることも可能である。例えば、ブレード570を静止させ、回転板530を回転させることにより、トナー層と絶縁膜532との分離を行なってもよく、或いは、ブレード570と回転板530とを同時に動作させてトナー層と絶縁膜532との分離を行なってもよい。
【0093】
除去装置500は更に、上方に開口した回収箱580と、回収箱580に接続されるとともに筐体510の天壁511に取り付けられるシリンダ581とを備える。シリンダ581のロッド582の先端は、回収箱580に接続される。作動流体をシリンダ581に案内する管路の途中部には、ソレノイドバルブ等の経路切替機器(図示せず)が取り付けられ、制御部620の制御下で、作動流体の流動経路が切り換えられ、シリンダロッド582の伸縮動作がなされる。シリンダロッド582の伸縮に伴って、回収箱580は、上下方向に移動可能である。ロッド582が伸長すると、回収箱580は、下方に移動し、回転板530の周面に近接する。ブレード570は、上述の如く、回転板530からトナー層を引き剥がすとともに、引き剥がされたトナーを回収箱580に向けて搬送する。回収箱580は、トナーを保持可能に形成され、トナーを回収するための回収部として用いられる。ブレード570は、回収箱580に向けて移動し、回転板530の周縁からトナーを落下させる。回収箱580は、落下したトナーを受け止める。
【0094】
図10は、液体現像剤を第9パイプ881から回転板530へ供給する工程を示す。図2(a)は、除去装置500の概略構成図であり、図2(b)は、回転板530の平面図である。
【0095】
上述の如く、制御部620の制御下で、第9パイプ881から回転板530へ所定量(例えば、0.1g相当)の液体現像剤Lが回転板530の回転中心軸C近傍に滴下される。
【0096】
図11は、回転板530を回転させる工程を示す。図11(a)は、除去装置500の概略構成図であり、図11(b)は、回転板530の平面図である。尚、図11(b)には、帯電器540が回転板530とともに示されている。
【0097】
液体現像剤Lが回転板530上に供給された後、制御部620は、駆動源560を作動させるための第1の信号を出力し、回転板530を第1の回転数(例えば、60rpm)で回転させる。この結果、回転板530の回転中心軸Cの近傍に位置する液体現像剤Lに遠心力が加わり、液体現像剤Lは、回転板530上で拡がり、液膜を形成する。制御部620は、更に、帯電器540の高圧電源541を作動させる第2の信号を出力し、帯電器540から回転板530上の液体現像剤Lに向けて、液体現像剤L中のトナーが帯電しやすい方の極性電圧(例えば、+6kV)を数秒間印加する。図11に示される如く、帯電器540は、回転板530の回転中心軸Cから回転板530の周縁まで回転板530の半径方向に延び、回転板530の回転に伴って、回転板530上の液体現像剤L全体に電気エネルギを供給することができる。尚、帯電器540からの電気エネルギ(印加電圧や放電電流)の大きさや電気エネルギの供給時間の長さは一定であってもよく、可変であってもよい。例えば、第9パイプ881の途中部に液体現像剤L中に含まれるトナーの濃度を検知する濃度センサを配設し、制御部620は、濃度センサの信号に応じて、異なる作動信号を高圧電源541に出力することができる。これにより、液体現像剤L中に含まれるトナーの濃度に応じて、帯電器540からの電気エネルギの大きさや電気エネルギの供給時間の長さを変え、適切な電気エネルギの供給を行なうことが可能となる。更に、濃度センサからの出力信号に基づいて、回転板530の回転数を増減させてもよい。一般的に、トナーの濃度が高いとき、液体現像液は高い粘性を示すので、回転板530の回転数を増加させることにより、回転板530上に好適に薄膜化された液体現像液の層を形成することが可能となる。
【0098】
図12は、図11に関連して説明された帯電器540の作動に伴う液体現像剤L中のトナーの移動を示す。図12(a)は、帯電器540が作動する前の液体現像剤Lの模式図であり、図12(b)は、帯電器540が作動した後の液体現像剤Lの模式図である。図12と併せて、図11を参照しつつ、帯電器540の作動に伴う液体現像剤L中のトナーの移動について説明する。
【0099】
図12(a)に示される如く、帯電器540が作動する前は、液体現像剤L中でトナー粒子Tは、不規則に浮遊している。帯電器540が作動すると、液体現像剤L中のトナー粒子Tは帯電し、アース電位に保たれた回転板530上の絶縁膜532に向けて移動するとともに付着する。この結果、液体現像剤Lは、キャリア液Uの層とトナー粒子Tの層とに分離することとなる。
【0100】
図13は、遠心分離工程を行なったときの回転板530を示す。図13と併せて、図11を参照しつつ、遠心分離工程について説明する。
【0101】
上述の如く、液体現像剤Lの分離を行なった後、制御部3は、駆動源560に第3の信号を出力し、第1の回転数(例えば、60rpm)より大きな第2の回転数(例えば、5000rpm)で回転させる。図12に関連して説明された如く、帯電されたトナー粒子Tは、絶縁膜532に強く付着しているので、回転板530の回転に起因する遠心力に抗して、絶縁膜532上に留まり続けることができる。一方、キャリア液Uは、遠心力により、回転板530の周縁に向けて流動し、回転板530の周縁から流下する。その後、筐体510の底壁513に形成された排出口514からキャリア液Uが回収され、再利用される。
【0102】
図14は、トナー粒子Tの回収工程を示す。図13に関連して説明された遠心分離工程の後、制御部620の制御下で、シリンダ544,571,581が作動する。シリンダ581のロッド582は、下方に伸長し、ロッド582の先端に取り付けられた回収箱580は、回転板530の周縁近傍且つ回転板530の上面より若干下方に配設される。シリンダ544のロッド545は、上方に向けて縮み、ロッド545の先端と接続されるシールドケース543並びに放電ワイヤ542の先端部は、上方に移動する。シリンダ571のロッド572は、回転板530に向けて伸長し、ブレード570の下端は、回転板530の上面を被覆する絶縁膜532上に当接しながら、回収箱580に向けて移動する。この結果、絶縁膜532に付着したトナー粒子Tはブレード570の下端により削り取られ、その後、回収箱580に収容される。回収箱580に収容されたトナー粒子Tは、廃棄されてもよいし、再利用されてもよい。回転板530の上面の清掃が完了した後、シリンダ544,571,581は、逆方向に動作し、除去装置500は、図9に示される設定に戻される。その後、新たな除去工程が実行されることとなる。
【0103】
再度図8を参照する。除去装置500とキャリアタンク274との間には、第10ポンプP10が取り付けられた第10パイプ882が設けられる。除去装置500でトナーの除去処理を施与されたキャリア液は、第10ポンプP10の駆動によってキャリアタンク274へ送られる。
【0104】
図8に示される液体現像剤循環装置LYは、キャリアタンク274から現像剤リザーブタンク277へ延びる直結管路910とトナータンク275から現像剤リザーブタンク277へ延びる直結管路920とを備える。これら直結管路910,920は、循環が行なわれる前に、所定量のキャリア及びトナーを現像剤リザーブタンク277に供給するために用いられる。これにより、現像工程を素早く開始させることが可能となる。
【0105】
図15は、追加的な抽出装置を備える画像形成部2の拡大図である。図15と併せて、図8を参照しつつ、追加的な抽出装置を備える画像形成部2について説明する。
【0106】
図15に示される追加的な抽出装置600Aは、感光体ドラム10に液体現像液を供給した後の現像ローラ141の周面に残存する液体現像剤を吸収するとともに吸収された液体現像剤からキャリア液を搾り出すために用いられる。図15に示される現像ローラ141の周面は、液体現像剤を搬送する搬送面となる。
【0107】
抽出装置600Aは、現像ローラ141の周面に残存する液体現像剤を吸収する吸液帯651Aと、現像ローラ141の上方に配設されるとともに現像ローラ141の周面に向けて吸液帯651Aを送出する送出部652Aと、吸液帯651Aを現像ローラ141の周面に押し当てる押し当て部654Aと、現像クリーニングブレード145の上方に配設されるとともに現像ローラ141の周面から液体現像剤を吸収した吸液帯651を巻き取る巻取部653Aと、巻取部653Aと現像クリーニングブレード145との間に配設される案内板690Aとを備える。案内板690Aは、現像クリーニングブレード145の上方で開口する。案内板690Aの上面は、加圧部として用いられる巻取部653(図2及び図4に示される抽出装置600の構造を採用する場合には、ニップ機構670)から滴下するキャリア液を開口部691Aに案内するように傾斜する。現像クリーニングブレード145は、図1に関連して説明されたブレード660に相当する。
【0108】
図15に示される抽出装置600Aは、図1乃至図4に関連して説明されたように、液体現像剤からキャリア液を分離するとともに搾り出す。搾り出されたキャリア液は、現像クリーニングブレード145上に滴下し、その後、第1ポンプP1によって、残留現像剤タンク271に戻される。
【0109】
図16は、追加的な抽出装置を備えるカラープリンタ1を示す。尚、図16は、液体現像剤循環装置の部分を示していない。
【0110】
追加的な抽出装置600Bは、中間転写ベルト21のクリーニング部22に設けられる。クリーニング部22は、中間転写ベルト21のうち下方に位置するベルト帯の進行方向において上流側に位置する支持ローラ41に隣接して配設される。抽出装置600Bは、下流側に配設される支持ローラ41と二次転写ローラ42との間での転写がなされた後に、中間転写ベルト21の表面に残存する液体現像剤を吸収する。図16に示される中間転写ベルト21の表面は、液体現像剤を搬送する搬送面となる。
【0111】
抽出装置600Bは、中間転写ベルト21の表面に残存する液体現像剤を吸収する吸液帯651と、中間転写ベルト21の表面に向けて吸液帯651を送出する送出部652と、中間転写ベルト21に吸液帯651を押し当てる押し当て部654と、液体現像剤を吸収した吸液帯651を巻き取る巻取部653と、液体現像剤の吸収がなされた中間転写ベルト651の表面に当接する先端部を含むブレード660と、これらを取り囲むように形成される筐体610とを含む。図2及び図4に関連して説明された抽出装置600の構造を適用する場合には、抽出装置600Bは更にニップ機構670を含む。
【0112】
図1乃至図4に関連して説明された如く、抽出装置600Bは、中間転写ベルト21から液体現像剤を吸収するとともに、吸収された液体現像剤からキャリア液を分離して搾り出す。搾り出されたキャリア液は、筐体610外に排出され、その後、廃棄されてもよい。或いは、筐体610から、除去装置500(図8参照)まで延びる適切な配管経路を形成し、キャリア液に含まれる微量のトナーの除去処理がなされた後、キャリア液の再利用がなされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、カラープリンタ、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機などの各種の画像形成装置並びに分散質と分散媒とを分離することを必要とする他の装置に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1・・・・・カラープリンタ
10・・・・感光体ドラム
14・・・・現像装置(現像部)
21・・・・中間転写ベルト(転写部)
500・・・除去装置
600・・・抽出装置
640・・・液体搬送ローラ
651・・・吸液帯
652・・・送出部
653・・・巻取部
654・・・押し当て部
660・・・ブレード(清掃部)
670・・・ニップ機構
671・・・第1ローラ
672・・・第2ローラ
680・・・熱源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散質と分散媒とを含む液体試料を搬送する搬送面と、
前記液体試料を吸収可能に形成される吸液帯と、
該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、
前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体試料を吸収させる押し当て部と、
前記液体試料を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記分散媒を搾り出す加圧部と、を備えることを特徴とする抽出装置。
【請求項2】
前記加圧部は、前記液体試料を吸収した前記吸液帯を巻き取る巻取部であり、
前記分散媒は、前記巻取部に巻回される前記吸液帯に加わる張力によって搾り出されることを特徴とする請求項1記載の抽出装置。
【請求項3】
前記加圧部は、第1部材と、該第1部材に圧接される第2部材とを含み、
前記吸液帯は、前記第1部材と前記第2部材との間を通過することを特徴とする請求項1記載の抽出装置。
【請求項4】
前記吸液帯による前記液体試料の吸収がなされた前記搬送面に当接するとともに該搬送面を清掃する清掃部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の抽出装置。
【請求項5】
前記加圧部は、前記液体試料を加熱する熱源を更に含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の抽出装置。
【請求項6】
前記熱源は、前記分散質を軟化させることを特徴とする請求項5記載の抽出装置。
【請求項7】
潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体にトナーとキャリア液とを含む液体現像剤を供給するとともに前記潜像担持体上にトナー像を形成する現像部と、
前記トナー像をシートに転写する転写部と、
前記液体現像剤を吸収可能に形成される抽出装置と、を備え、
前記現像部は、前記潜像担持体に前記液体現像剤を搬送する搬送面を含み、
前記抽出装置は、前記液体現像剤を吸収可能に形成される吸液帯と、
該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、
前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体試料を吸収させる押し当て部と、
前記液体現像剤を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記キャリア液を搾り出す加圧部と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体にトナーとキャリア液とを含む液体現像剤を供給するとともに前記潜像担持体上にトナー像を形成する現像部と、
前記トナー像をシートに転写する転写部と、
前記液体現像剤を吸収可能に形成される抽出装置と、を備え、
前記転写部は、前記シートに前記トナー像を搬送する搬送面を含み、
前記抽出装置は、前記液体現像剤を吸収可能に形成される吸液帯と、
該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、
前記シートに前記トナー像の転写を行なった後の前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体現像剤を吸収させる押し当て部と、
前記液体現像剤を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記キャリア液を搾り出す加圧部と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
潜像を担持する搬送面を含む潜像担持体と、
前記搬送面にトナーとキャリア液とを含む液体現像剤を供給するとともに前記搬送面上にトナー像を形成する現像部と、
前記液体現像剤を吸収可能に形成される抽出装置と、を備え、
前記潜像担持体は、一の面に前記トナー像を転写し、
前記抽出装置は、前記液体現像剤を吸収可能に形成される吸液帯と、
該吸液帯を前記搬送面に向けて送り出す送出部と、
前記シートに前記トナー像の転写を行なった後の前記搬送面に前記吸液帯を押し当て、該吸液帯に前記液体現像剤を吸収させる押し当て部と、
前記液体現像剤を吸収した前記吸液帯に圧力を加え、前記キャリア液を搾り出す加圧部と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記加圧部により搾り出されたキャリア液から前記トナーを除去する除去機構を更に含むことを特徴とする請求項7乃至9いずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−95441(P2011−95441A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248471(P2009−248471)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】