説明

振動表示装置

【課題】工作機械の振動状況を明確に把握することができる振動表示装置を提供する。
【解決手段】演算装置14において、記憶装置13に記憶されている加工条件や工具情報にもとづき、工作機械に発生するびびり振動の周波数域を推定し、びびり振動が表示装置15において明確に表示されるように、表示装置15における振動状況の表示態様を選択したり、所定の周波数近傍を拡大して表示したりするようにした。具体的には、加工条件及び工具情報にもとづいて重切削であるか否かを判断し、重切削である場合には横軸を対数とした表示態様を選択する。また、重切削でない場合には、工具情報にもとづいて工具の固有振動数を算出できたか否かを判断し、工具の固有振動数が算出されている場合には固有振動数の近傍を拡大して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械において加工中に発生する振動を表示するための振動表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械では、工具をワークに対して相対的に移動させて加工を行う。この際、工具及び/又はワークに振動が生じると、加工面にムラが生じる等といった悪影響を及ぼす。この振動の一つとして、たとえば工具を回転させながら加工を行う際に、工具の剛性が低かったり、切り込み量や回転軸の回転速度などの加工条件が適切でない等に起因して生じるびびり振動がある。このびびり振動を抑制するための技術の1つとしては非特許文献1に記載の技術が公知となっており、この技術を利用した振動抑制方法としては、たとえば特許文献1に記載されているように、工具やワーク等といったびびり振動の発生系の固有振動数を、工具やワークをインパルス加振することで求め、これを60倍すると共に工具刃数及び所定の整数で除して得た値を安定回転速度とし、当該安定回転速度にて回転軸を回転させることにより、びびり振動を抑制するといったものがある。
【0003】
また、びびり振動を抑制するための別の技術としては非特許文献2に記載の技術が公知となっており、この技術を利用した振動抑制方法としては、たとえば特許文献2に記載されているように、工作機械の回転軸の近傍に振動検出手段を取り付けることによってびびり周波数を測定し、該びびり周波数から算出されるパラメータを用いて安定回転速度を求め、当該安定回転速度にて回転軸を回転させることにより、びびり振動を抑制するといったものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−340627号公報
【特許文献2】特開2008−290188号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】CIRP,Vol.44/1(1995)Analytical Prediction of Stability Lobes in Milling
【非特許文献2】2001年日本機械学会講習会資料「切削加工、びびり振動の基礎知識」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような方法でびびり振動を抑制することができるものの、びびり振動の発生状況等を作業者に把握させるために、本件出願人は、モニタ等の表示手段を備え、工作機械の振動状況を表示手段に表示させるようにした振動抑制装置を考案している。しかしながら、工作機械に生じるびびり振動の周波数域は、加工条件や工具の種類等に応じて大きく異なる。したがって、工作機械の振動状況を表示するにあたり、加工条件や工具の種類等が異なるにも拘わらず、常に同じ表示態様で振動状況を表示すると、びびり振動の発生状況等を把握しづらいという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、工作機械の振動状況を明確に把握することができる振動表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、工作機械に生じる振動を検出するための振動検出手段と、表示手段と、前記振動検出手段による検出値にもとづいて、横軸を前記振動の周波数から得られるパラメータとし、縦軸を前記振動の大きさとした平面上で前記工作機械の振動状況を前記表示手段に表示する表示制御手段とを備えた振動表示装置であって、前記振動が最大値をとる周波数域を定める要因となる所定の条件を記憶する記憶手段を設けるとともに、前記表示制御手段に、前記横軸のパラメータを複数設定しており、前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記所定の条件にもとづいて、前記横軸のパラメータを選択することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記振動検出手段が、工具又はワークを回転させるための回転軸を備えた工作機械に生じるびびり振動を検出する振動表示装置であって、前記記憶手段には、加工条件及び工具の種類を含んだ工具情報が前記所定の条件として記憶されているとともに、前記表示制御手段には、前記横軸として少なくとも前記振動の周波数の対数が設定されており、前記表示制御手段は、前記加工条件及び/又は前記工具情報にもとづいて加工が重切削であるか否かを判断し、重切削である場合には前記横軸を前記対数として前記振動状況を表示することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項3に記載の発明は、工作機械に生じる振動を検出するための振動検出手段と、表示手段と、前記振動検出手段による検出値にもとづいて、横軸を前記振動の周波数とし、縦軸を前記振動の大きさとした平面上で前記工作機械の振動状況を前記表示手段に表示する表示制御手段とを備えた振動表示装置であって、前記振動が最大値をとる周波数域を定める要因となる所定の条件を記憶する記憶手段を設け、前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記所定の条件にもとづいて、前記振動状況のうち所定の周波数近傍を拡大して表示することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記振動検出手段が、工具又はワークを回転させるための回転軸を備えた工作機械に生じるびびり振動を検出する振動表示装置であって、前記記憶手段には、工具の種類を含んだ工具情報が前記所定の条件として記憶されており、前記表示制御手段は、前記工具情報にもとづいて前記工具の固有振動数を算出するとともに、前記振動状況のうち前記固有振動数と同じ周波数近傍を拡大して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記憶手段に記憶されている所定の条件にもとづいて、振動状況を表示する際の横軸を選択したり、振動状況の一部を拡大したりして表示するため、作業者は、表示手段における表示にもとづいて、工作機械の振動状況を正確且つ容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】振動抑制装置のブロック構成を示した説明図である。
【図2】振動抑制の対象となる回転軸ハウジングを側方から示した説明図である。
【図3】回転軸ハウジングを軸方向から示した説明図である。
【図4】振動抑制装置による振動情報の表示を含んだびびり振動の振動抑制制御のフローチャート図である。
【図5】工具の一例を示した説明図である。
【図6】表示装置における振動状況の表示態様の一例を示した説明図であり、(a)は横軸をリニアスケールとした表示態様であり、(b)は横軸を対数とした表示態様である。
【図7】表示装置における振動状況の表示態様の別例を示した説明図であり、(a)はリニアスケールでの表示態様であり、(b)は所定の周波数近傍を拡大して示した表示態様である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態であり、振動のうちの一つであるびびり振動を表示するための振動表示装置を含んだ振動抑制装置について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0012】
図1は、振動抑制装置10のブロック構成を示した説明図である。図2は、振動抑制の対象となる回転軸ハウジング1を側方から示した説明図であり、図3は、回転軸ハウジング1を軸方向から示した説明図である。
振動抑制装置10は、回転軸ハウジング1にC軸周りで回転可能に備えられた回転軸3に生じる「びびり振動」を抑制するためのものであって、回転中の回転軸3に生じる振動に伴う特性値である時間領域の振動加速度(時間軸上の振動加速度を意味する)を検出するための振動センサ2a〜2cと、該振動センサ2a〜2cによる検出値を解析して「びびり振動」の発生の有無を判断し、その判断結果に基づいて回転軸3の回転速度を制御する制御装置5とを備えてなる。
【0013】
振動センサ2a〜2cは、図2及び図3に示す如く回転軸ハウジング1に取り付けられており、一の振動センサは、他の振動センサに対して直角方向への時間領域の振動加速度を検出するようになっている(たとえば、振動センサ2a〜2cにて、それぞれ直交するX軸、Y軸、Z軸方向での時間領域の振動加速度を検出するように取り付ける)。
【0014】
一方、制御装置5は、振動センサ2a〜2cから検出される時間領域の振動加速度をもとにした解析を行うFFT演算装置11と、びびり振動の発生の検出に係る閾値等を作業者が入力するための入力装置12、入力装置12を介して作業者により入力されるデータ等を記憶する記憶装置13と、FFT演算装置11にて解析された値からびびり振動の発生の有無を検出するとともに、その値と記憶装置13に記憶されている各種の値とから安定回転速度を算出する演算装置14と、回転軸ハウジング1における加工を制御するNC装置16とを備えており、NC装置16には、横軸を周波数(後述するように対数をとる場合もある)とし、縦軸を振動加速度とした平面上で工作機械の振動状況を表示する表示装置15が設けられている。
【0015】
ここで、振動抑制装置10による振動情報の表示を含んだびびり振動の振動抑制制御について、図4のフローチャートにしたがい説明する。
まず、加工開始前に、予め入力装置12を介して、びびり振動の発生の検出に係る閾値、工具の種類や工具刃数等といった工具情報、加工条件等といった加工情報を入力し、記憶装置13に記憶させる(S1)。すると、演算装置14では、入力された工具情報にもとづき、工具を図5に示すような片持ち梁と考えて、下記式(1)により工具の固有振動数fを算出する(S2)。
【0016】
【数1】

上記式(1)におけるEは工具材料のヤング率であり、ρは密度、Lは図5に示すような工具ホルダからの突き出し量である。また、Aは断面積であり、Dを工具の直径とすれば、A=πD/4で求めることができる。さらに、λは1次の振動モードと考えて、λ=1.875と設定する。加えて、Iは断面2次モーメントであり、I=πD/64で求めることができる。
【0017】
また、演算装置14は、加工を開始するにあたり、S1で入力された加工条件や工具の種類にもとづいて今回の加工が重切削であるか否かを判断する(S3)。そして、重切削であると判断した場合(すなわち、加工プログラムから重切削と判断した場合や、工具がフライスやカッターであった場合(工具がフライスやカッターである場合には重切削であることが多いため))には、表示装置15で振動状況を表示するに際し、図6(b)に示すように横軸を周波数の対数とする、すなわち横軸を対数とした表示態様を選択する(S4)。これは、重切削であると機械系の固有振動数を周波数としたびびり振動が生じるため、一般的に周波数が低くなり、図6(a)に示すような横軸をリニアスケールとした表示態様であると、振動加速度の最大値が左枠の近傍に出現して見づらくなるためである。
【0018】
一方、S3において重切削でないと判断した場合、S1において工具情報が入力されたか否か(特に、S2において工具の固有振動数fを算出できたかどうか)を判断する(S5)。そして、工具情報が入力されており、記憶装置13に記憶されていると、表示装置15において振動状況を表示するに際し、図7(b)に示すように工具の固有振動数fの近傍を拡大して表示する(S6)。また、S1において工具情報が入力されていないと、図6(a)や図7(a)に示すように横軸をリニアスケールのまま表示する(S7)。
【0019】
そして、加工が開始されると(S8)、FFT演算装置11では、回転中に常時検出される振動センサ2a〜2cにおける時間領域の振動加速度のフーリエ解析を行い、回転軸3の周波数と、その周波数における回転軸3の周波数領域の振動加速度(周波数軸上の振動加速度)との関係を解析し、演算装置14では、その解析結果を振動状況として表示装置15に表示する(S9)。また、演算装置14では、周波数領域の振動加速度が最大となる主振動(図6や図7中の◎)を選出する(S10)とともに、主振動と記憶装置13に記憶されている閾値とを比較し(S11)、主振動が閾値を超えていると(S11でYES)、回転軸3にびびり振動が発生しているとして、以下の演算式(2)〜(4)により安定回転速度を演算する(S12)。そして、算出した安定回転速度をNC装置16へ出力し、回転軸3の回転速度を安定回転速度へと変更する(S13)。
【0020】
k’値=60×びびり周波数/(工具刃数×回転速度) ・・・(2)
k値=k’値の整数部 ・・・(3)
安定回転速度=60×びびり周波数/(工具刃数×k値) ・・(4)
ここで、演算式(2)、(4)における「工具刃数」は、S1で工具情報として作業者により入力される。また、演算式(2)における「回転速度」とは、びびり振動が発生している状態での回転速度(変更前の回転速度)のことである。さらに、演算式(2)、(4)における「びびり周波数」とは、主振動をとる周波数である。
【0021】
そして、以上のようなびびり振動の検出、及び回転軸3の回転速度の制御を加工が終了する(S14でYES)まで継続し、安定回転速度へ変更したにも拘わらず、再び閾値を超える主振動が検出された場合には、再検出された主振動に係る値を用いて新たな安定回転速度を算出する。尚、振動抑制装置10はびびり振動発生なしと判断しているものの、作業者によってびびり振動の発生が確認される場合も考えられる。この場合、作業者はS9で表示装置15に表示されている解析結果を確認するとともに、加工中であっても入力装置12を利用して閾値を下げる等して対応すればよい。
【0022】
上述したような振動抑制装置10によれば、演算装置14において、記憶装置13に記憶されている加工条件や工具情報にもとづき、工作機械に発生するびびり振動の周波数域を推定し、びびり振動が表示装置15において明確に表示されるように、表示装置15における振動状況の表示態様を選択したり、所定の周波数近傍を拡大して表示したりするようになっている。具体的には、加工条件及び工具情報にもとづいて重切削であるか否かを判断し、重切削である場合には横軸を対数とした表示態様を選択する。また、重切削でない場合には、工具情報にもとづいて工具の固有振動数を算出できたか否かを判断し、工具の固有振動数が算出されている場合には固有振動数の近傍を拡大して表示する。したがって、作業者は、表示装置15における表示にもとづいてびびり振動の発生状況等を容易に把握することができる。
【0023】
なお、本発明に係る振動表示装置は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、振動検出手段、表示する対象となる振動の種類、振動抑制に係る構成等を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0024】
たとえば、上記実施形態では、振動の1つであるびびり振動を表示する振動表示装置について説明しているが、加工に悪影響を及ぼす振動は、びびり振動に限らず、表1に示すように複数種類ある。
【0025】
【表1】

【0026】
そこで、びびり振動(すなわち、加工による振動)以外の他の振動(工作機械の動作による振動や工作機械の周辺の機器等から伝わる振動)についても、記憶装置に記憶されている各種の条件にもとづいて表示態様を選択しながら表示するように構成することも可能である。工作機械の動作による振動の表示については、所定の条件として主軸ベアリング諸元、送り軸転がりガイド諸元、機械全体の固有振動数を記憶手段に記憶させておき、たとえば工作機械を組み立てた直後の運転において発生した振動の原因として組み立て不良を疑う場合には横軸を周波数の対数として振動状況を表示する一方、組み立て不良でない場合にはベアリング又はガイドの損傷を疑い、所定の周波数近傍を拡大して表示するような構成が考えられる。また、工作機械の周辺の機器等から伝わる振動の表示については、所定の条件として周辺機器の振動数や周囲の機械の加工情報等を記憶手段に記憶させておき、音の発生場所に応じて機器を予測し、横軸を周波数の対数として振動状況を表示したり、所定の周波数近傍を拡大して表示したりして、振動の原因となっている機器を特定するような構成が考えられる。
【0027】
また、上記実施形態では、振動表示装置を振動抑制装置の一部としている、言い換えると振動表示装置に振動抑制装置の機能をもたせているが、振動抑制に係る構成(たとえば安定回転速度の算出に係る構成や回転速度の自動変更に係る構成等)を備えていなくても何ら問題はなく、表示装置に表示された振動状況にもとづいて作業者が手動で回転速度を変動させたり、安定回転速度を表示装置に表示して作業者に回転速度の変更を促したりするような振動表示装置であってもよい。
【0028】
さらに、上記実施形態では、振動状況を表示するにあたって、重切削であるか否か、及び固有振動数を算出できたか否かの2つの判断を行っているが、何れか一方の判断しか行わなくてもよい。たとえば重切削であるか否かのみを判断し、重切削でない場合には横軸を周波数のリニアスケールとして振動状況を表示するようにしたり、固有振動数を算出できたか否かのみを判断するようにしても何ら問題はない。
【0029】
さらにまた、上記実施形態では、振動センサにより回転軸の振動加速度を検出するよう構成しているが、振動による回転軸の変位や音圧を検出し、当該変位や音圧にもとづいて安定回転速度を算出するように構成することも可能である。
加えて、上記実施形態では、工作機械の回転軸における振動を検出する構成としているが、回転しない側(固定側)の振動を検出し、安定回転速度を算出するように構成してもよいし、工具を回転させるマシニングセンタに限らず、ワークを回転させる旋盤は勿論のこと、そもそも回転軸を備えていない工作機械の振動を表示するように適用可能である。尚、検出手段の設置位置や設置数等を、工作機械の種類、大きさ等に応じて適宜変更してもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0030】
1・・回転軸ハウジング、2a、2b、2c・・振動センサ(振動検出手段)、3・・回転軸、5・・制御装置、10・・振動抑制装置(振動表示装置)、11・・FFT演算装置(表示制御手段)、12・・入力装置、13・・記憶装置(記憶手段)、14・・演算装置(表示制御手段)、15・・表示装置(表示手段)、16・・NC装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械に生じる振動を検出するための振動検出手段と、表示手段と、前記振動検出手段による検出値にもとづいて、横軸を前記振動の周波数から得られるパラメータとし、縦軸を前記振動の大きさとした平面上で前記工作機械の振動状況を前記表示手段に表示する表示制御手段とを備えた振動表示装置であって、
前記振動が最大値をとる周波数域を定める要因となる所定の条件を記憶する記憶手段を設けるとともに、前記表示制御手段に、前記横軸のパラメータを複数設定しており、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記所定の条件にもとづいて、前記横軸のパラメータを選択することを特徴とする振動表示装置。
【請求項2】
前記振動検出手段が、工具又はワークを回転させるための回転軸を備えた工作機械に生じるびびり振動を検出する振動表示装置であって、
前記記憶手段には、加工条件及び工具の種類を含んだ工具情報が前記所定の条件として記憶されているとともに、
前記表示制御手段には、前記横軸として少なくとも前記振動の周波数の対数が設定されており、
前記表示制御手段は、前記加工条件及び/又は前記工具情報にもとづいて加工が重切削であるか否かを判断し、重切削である場合には前記横軸を前記対数として前記振動状況を表示することを特徴とする請求項1に記載の振動表示装置。
【請求項3】
工作機械に生じる振動を検出するための振動検出手段と、表示手段と、前記振動検出手段による検出値にもとづいて、横軸を前記振動の周波数とし、縦軸を前記振動の大きさとした平面上で前記工作機械の振動状況を前記表示手段に表示する表示制御手段とを備えた振動表示装置であって、
前記振動が最大値をとる周波数域を定める要因となる所定の条件を記憶する記憶手段を設け、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記所定の条件にもとづいて、前記振動状況のうち所定の周波数近傍を拡大して表示することを特徴とする振動表示装置。
【請求項4】
前記振動検出手段が、工具又はワークを回転させるための回転軸を備えた工作機械に生じるびびり振動を検出する振動表示装置であって、
前記記憶手段には、工具の種類を含んだ工具情報が前記所定の条件として記憶されており、
前記表示制御手段は、前記工具情報にもとづいて前記工具の固有振動数を算出するとともに、前記振動状況のうち前記固有振動数と同じ周波数近傍を拡大して表示することを特徴とする請求項3に記載の振動表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−93983(P2012−93983A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241134(P2010−241134)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000149066)オークマ株式会社 (476)
【Fターム(参考)】