説明

掘削装置及び掘削方法

【課題】ケーシング外への排土の搬出が容易で、かつ、排土を掘削穴に埋め戻す手間の軽減が図れる掘削装置及び掘削方法を提供する。
【解決手段】掘削装置1は、オーガスクリュ120を第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土を上方に搬送するオーガモータ125と、ケーシング110の上端に接続され、オーガモータ125により搬送され、ケーシング110の外部に排出される排土を貯留する貯留部130と、を備え、オーガモータ125は、オーガスクリュ120を第1の方向と逆方向の第2の方向に回転させて、貯留部130に貯留された排土を掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削装置及び掘削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オーガスクリュを用いて地盤を掘削する掘削装置において、掘削時に排出される排土は、ケーシング内に設けられたオーガスクリュにより上方に搬送され、当該上方位置でケーシングに設けられた排土口からケーシング外部に搬出される。そして、搬出された排土は、排土口と接続されて設けられた、蛇腹状の袋体等を辿って外部へと排出されていた。ところが、上記袋体を介して排土を排出する場合、排土の重みにより蛇腹部分のフレームが下方にひきつけられて袋体が収縮し、袋体内部の排出路につまりが生じる等によって、排土の搬出が阻害されるという問題があった。
【0003】
そこで、オーガスクリュにより、ケーシング管内を搬送された掘削土を、ケーシング管の上端に設けられた回収コンテナで受け、回収コンテナから排土シュートを通って、地面に向けて延びる吐出ラインに投入して排出するアースオーガ装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−255778号公報
【0005】
上記特許文献1に記載のアースオーガ装置によると、回収コンテナはケーシング管とケーシング管内に配置されたオーガスクリュを取り囲むように配置されており、ケーシング管内部で上方向に運ばれた排土をケーシング管の開口部を通じて回収することが出来るので、上述のようなケーシング外への排土の搬出が阻害されることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のアースオーガ装置において、回収コンテナにて回収した排土は、吐出ラインを辿って掘削穴とずれた位置に吐出される。そのため、例えば、吐出された排土を掘削した掘削穴に埋め戻す場合、吐出された排土を掘削穴まで運んで埋め戻す必要があるので、手間がかかる。
【0007】
本発明の課題は、ケーシング外への排土の搬出が容易で、かつ、排土を掘削穴に埋め戻す手間の軽減が図れる掘削装置及び掘削方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、オーガ軸と前記オーガ軸の周囲に設けられたスクリュとからなり、ケーシング内を貫通するオーガスクリュにより地盤を掘削する掘削装置において、前記オーガスクリュを第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土を上方に搬送する排土搬送手段と、前記ケーシングの上端に接続され、前記排土搬送手段により搬送され、前記ケーシングの外部に排出される排土を貯留する貯留部と、前記オーガスクリュを前記第1の方向と逆方向の第2の方向に回転させて、前記貯留部に貯留された排土を前記掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させる吐出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘削装置において、前記貯留部の内面に付着した排土を削ぎ落とす削ぎ落とし手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の掘削装置において、前記貯留部は、円筒部を備えており、前記削ぎ落とし手段は、前記円筒部の内周面と前記オーガスクリュの外周面との間で前記円筒部の内周面に近接するように、前記オーガスクリュと同軸に設けられたリボンスクリュと、前記リボンスクリュを第1の方向及び/又は第2の方向に回転駆動する駆動手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の掘削装置において、前記オーガスクリュの外周面が前記ケーシングの内周面に密接するように、前記オーガスクリュの端面部に樹脂部材を貼付したことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、オーガ軸と前記オーガ軸の周囲に設けられたスクリュとからなり、ケーシング内を貫通するオーガスクリュにより地盤を掘削する掘削方法であって、前記オーガスクリュを第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土をケーシングの上端に接続された貯留部に貯留する貯留ステップと、次いで、前記掘削終了後に、前記オーガスクリュを前記第1の方向と逆方向の第2の方向に回転させて、前記貯留部に貯留された排土を前記掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させる吐出ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、掘削する際に排出される排土は、オーガスクリュの第1の方向への回転によりケーシングの上端まで搬送され、当該上端に接続された貯留部に貯留される。そして、上記排土は、吐出手段によりオーガスクリュを第2の方向に回転させて、掘削穴に向けて吐出されるように構成されている。つまり、袋体を介して排土を排出する場合の様なケーシング外への排土の搬出を阻害される要因は無く、かつ、排土は一旦貯留部に貯留された後、直接掘削穴に埋め戻されるので、吐出後に排土を改めて掘削穴に運んで埋め戻す必要もない。
したがって、本発明は、ケーシング外への排土の搬出が容易で、かつ、排土を掘削穴に埋め戻す手間の軽減が図れる掘削装置及び掘削方法であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る掘削装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係るスクリュに樹脂部材が貼付された状態を説明するための模式図である。
【図3】本発明に係る貯留部内に配置されたリボンスクリュを説明するための模式図である。
【図4】本発明に係る掘削装置による掘削処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0016】
本実施形態の掘削装置1は、例えば、図1に示すように、圧入部10と、掘削部100と、等を備え、掘削部100により地盤を掘削して形成される掘削穴へ圧入部10により杭2を圧入する装置である。
【0017】
圧入部10は、例えば、既設の杭2を支えるクランプ11と、複数のクランプ11を備えたサドル12と、サドル12の上方に配置されたマスト13と、マスト13の前方に設けられたチャック14と、を含んで構成される。
【0018】
クランプ11は、例えば、既設の管状の杭2の上端側を挟み込む形で支持する。また、クランプ11は、サドル12に対して左右や前後に移動可能となっており、例えば、円弧等の湾曲した線に沿って並んで圧入された複数の杭2の上端側を複数のクランプ11でそれぞれ掴むことが可能となっている。
サドル12は、例えば、複数のクランプ11を下部に備え、クランプ11各々に対して前後にスライド移動可能に構成される。
マスト13は、例えば、杭2を圧入する位置を調節するために、鉛直方向の軸回りに旋回可能に構成されている。
チャック14は、例えば、挿入口に挿入された杭2に対して、シリンダ装置(ピストン)の前後動で杭固定用の爪を水平方向に移動させることで、杭2を着脱自在に掴持して昇降させ、杭2を地盤に圧入する。
【0019】
掘削部100は、例えば、管状の杭2の内部に挿通されるケーシング110及びオーガスクリュ120と、オーガスクリュ120に回転駆動力を付与するオーガモータ125(排土搬送手段、吐出手段)と、ケーシング110の上端に接続された貯留部130と、貯留部130の内面に付着した排土を削ぎ落とすリボンスクリュ部131と、貯留部130の上端付近に取り付けられた懸架部140と、を含んで構成される。そして、掘削部100は、懸架部140の上端に接続されるクレーン(図示省略)によって、掘削時は圧入部10へ向けて一体的に下降するとともに掘削終了後は一体的に上方へ引き上げられる。
【0020】
ケーシング110は、例えば、オーガスクリュ120の外周を取り囲む円筒形状をした金属性のケースであり、上端が貯留部130と接続されており、内部をオーガスクリュ120が貫通する。
【0021】
オーガスクリュ120は、例えば、オーガ軸121と、オーガヘッド122と、スクリュ123と、を含んで構成される。
【0022】
オーガ軸121は、例えば、貯留部130とケーシング110を貫通する上下方向に延伸したロッド状の部材であり、上端がオーガモータ125と接続され、オーガモータ125により付与される回転駆動力により、図1のA方向及びB方向に回転可能に構成されている。
【0023】
オーガヘッド122は、例えば、オーガ軸121の下端に取り付けられ、地盤を回転掘削する掘削刃列によって形成されている。そして、オーガヘッド122が地盤に接触した状態でオーガ軸121が軸回り(例えば、図1のA方向)に回転することにより、掘削刃列で地盤が回転掘削される。
【0024】
スクリュ123は、例えば、オーガヘッド122の上部位置から貯留部130の中間位置に亘ってオーガ軸121に螺設されており、金属性のスクリュ羽根からなる。そして、オーガスクリュ120は、搬送手段として、オーガヘッド122が地盤を掘削する際に排出する排土を、スクリュ123(オーガ軸121)が第1の方向(例えば、図1のA方向)に回転することにより、上方に搬送することが出来る。また、オーガスクリュ120は、吐出手段として、スクリュ123(オーガ軸121)が上記第1の方向と逆方向の第2の方向(例えば、図1のB方向)に回転することにより、貯留部130に貯留される排土を下方へ搬送することができるので、クレーンでオーガスクリュ120が引き上げられる際に、当該排土を掘削により形成される掘削穴に向けて、スクリュ123の下端から吐出させることができる。
また、図2に示すように、スクリュ123の端面部には、オーガスクリュ120の外周面(径方向の端面)がケーシング110の内周面に密接するように、樹脂部材123aが貼付されている。つまり、当該樹脂部材123aを貼付することによって、排土を上方に搬送する時にオーガスクリュ120の外周面とケーシング110の内周面の隙間から排土が零れ落ちることが防止され、オーガスクリュ120は効率的に排土を上方に搬送することができる。さらに、スクリュ123の端面部に樹脂部材123aが貼付された状態では、スクリュ123とケーシング110は直接接触することが無いので、双方(金属同士)の接触音を発生させず、掘削時/排土搬送時の静音性が向上する。
【0025】
オーガモータ125は、オーガ軸121の上端と接続され、オーガスクリュ120(オーガ軸121)に対してA方向及びB方向(第1の方向と第2の方向)への回転駆動力を付与する。つまり、オーガモータ125は、オーガスクリュ120を第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土を上方に搬送するとともに、オーガスクリュ120を第2の方向に回転させて、貯留部130に貯留された排土を掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させることができる。
【0026】
貯留部130は、例えば、ケーシング110の上端と接続され、円筒形状の円筒部130aと、上端が上記円筒部130aの径と等しく下端がケーシング110の径と等しい、下方に向けて縮径する縮径円筒部130bと、が上下に組み合わされ、オーガ軸121の周面を取り囲むように配置された排土貯留用のホッパである。つまり、貯留部130は、オーガ軸121が第1の方向に回転することにより、ケーシング110の上端まで搬送される(ケーシング110の外部に排出される)排土を貯留することができる。また、当該貯留された排土は、縮径円筒部130bの下端に向けて滑り落ちるので、オーガモータ125の付与する回転駆動力により、オーガスクリュ120(スクリュ123)が第2の方向に回転することで下方に搬送することが出来る。
【0027】
リボンスクリュ部131は、例えば、リボンスクリュ132と、駆動力伝達部133(駆動手段)と、リボンスクリュモータ135(駆動手段)と、を含んで構成され、貯留部130の内面に付着した排土を削ぎ落とす。
【0028】
リボンスクリュ132は、例えば、図3に示すように、円筒部130aの内周面とオーガスクリュ120の外周面(径方向の端面)との間で円筒部130aの内周面に近接するように、オーガスクリュ120と同軸に設けられた中空状のスクリュであり、上端部が駆動力伝達部133に固定されている。
【0029】
駆動力伝達部133は、例えば、内径がオーガ軸121の径より大きな中空円筒状の部材であり、リボンスクリュモータ135のモータ軸に軸着された歯車133aを介してリボンスクリュモータ135と接続されており、リボンスクリュモータ135より回転駆動力が付与されるように構成されている。つまり、駆動力伝達部133は、リボンスクリュモータ135より回転駆動力が付与されると、リボンスクリュ132をオーガスクリュ120の回転と独立して軸回り(図1におけるA方向又はB方向)に回転させる。そして当該リボンスクリュ132の回転により、貯留部130(ケーシング110の外部)へ向けて排出され、貯留部130の内面(又はスクリュ123のスクリュ羽根端部)に付着した排土を削ぎ落とすことができる。
【0030】
リボンスクリュモータ135は、例えば、駆動力伝達部133の上方に設けられたモータであり、駆動力伝達部133に対して回転駆動力を付与する。ここで、リボンスクリュ132を回転させるリボンスクリュモータ135は、オーガモータ125と独立して設けられているため、付着した排土の位置や量に合わせてリボンスクリュ132の回転方向や回転速度の調整を容易に行うことが出来る。
【0031】
懸架部140は、例えば、貯留部130の上端に固定され、上方に向けて延伸したワイヤー142が複数結び付けられており、当該ワイヤー142が懸架部140の上方に設置されるクレーン(図示省略)によって懸架される。
【0032】
(掘削処理)
次に、本実施形態に係る掘削装置1により実施される掘削処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
まず、掘削作業が行われる際、掘削部100(ケーシング110,オーガスクリュ120,オーガモータ125,貯留部130,リボンスクリュ部131,懸架部140)がクレーンによって圧入部10に向かって引き下げられ、杭2内にケーシング110及びオーガスクリュ120が挿通される(ステップS1)。
【0034】
次いで、オーガモータ125からオーガスクリュ120に付与される回転駆動力により、オーガヘッド122を軸回りに回転させて地盤を掘削し、当該掘削により生じた排土は、オーガスクリュ120を第1の方向へ回転させることで、上方へと搬送される(ステップS2)。
【0035】
次いで、ステップS2にてケーシング110の上端まで搬送された排土は、貯留部130に貯留される。そして、上記貯留時に、リボンスクリュ131がリボンスクリュモータ135の付与する(駆動力伝達部133の伝達する)回転駆動力により回転することで、貯留部130の内壁(又はスクリュ123の端部)に付着した排土を削ぎ落とす(ステップS3;貯留ステップ)。
【0036】
次いで、ステップS3にて貯留された排土は、掘削作業が終了して掘削部100がクレーンによって引き上げられる際、オーガモータ125によりオーガスクリュ120が第2の方向に回転することにより下方へ搬送され、スクリュ123の下端から掘削穴に向けて吐出される(ステップS4;吐出ステップ)。
【0037】
以上により、本実施形態における掘削装置1は、オーガスクリュ120を第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土を上方に搬送するオーガモータ125と、ケーシング110の上端に接続され、オーガモータ125の駆動によってオーガスクリュ120により搬送され、ケーシング110の外部に排出される排土を貯留する貯留部130と、を備え、オーガモータ125は、オーガスクリュ120を第1の方向と逆方向の第2の方向に回転させて、貯留部130に貯留された排土を掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させることができる。
【0038】
つまり、掘削装置1によると、掘削する際に排出される排土は、オーガスクリュ120の第1の方向への回転によりケーシング110の上端まで搬送され、当該上端に接続された貯留部130に貯留される。そして、上記排土は、オーガモータ125によりオーガスクリュ120を第2の方向に回転させて、掘削穴に向けて吐出されるように構成されている。つまり、袋体を介して排土を排出する場合の様なケーシング110外への排土の搬出を阻害される要因は無く、かつ、排土は一旦貯留部130に貯留された後、直接掘削穴に埋め戻されるので、吐出後に排土を改めて掘削穴に運んで埋め戻す必要もない。
したがって、本発明は、ケーシング外への排土の搬出が容易で、かつ、排土を掘削穴に埋め戻す手間の軽減が図れる掘削装置であるといえる。
【0039】
また掘削装置1は、貯留部130の内面に付着した排土を削ぎ落とすリボンスクリュ部131を備える。
つまり、掘削装置1は、貯留部130(ケーシング110の外部)へ向けて排出され、貯留部130の内面に付着した排土を削ぎ落とすことができるので、上記排土を吐出する際に、掘削装置1内部に排土を残留させるおそれを好適に回避できる。
【0040】
また、貯留部130は、円筒部130aを備えており、リボンスクリュ132は、円筒部130aの内周面とオーガスクリュ120の外周面との間で円筒部130aの内周面に近接するように、オーガスクリュ120と同軸に設けられており、リボンスクリュモータ135により、駆動力伝達部133を介して第1の方向及び/又は第2の方向に回転駆動する。
つまり、リボンスクリュ132が円筒部130aの内周面に近接するように設けられているので、貯留部130の内面に付着した排土を好適に削ぎ落とすことができる。また、リボンスクリュ132を回転させるリボンスクリュモータ135は、オーガモータ125と独立して設けられているため、付着した排土の位置や量に合わせてリボンスクリュ132の回転方向や回転速度の調整を容易に行うことが出来る。
【0041】
また、オーガスクリュ120の外周面がケーシング110の内周面に密接するように、スクリュ123の端面部に樹脂部材123aが貼付される。
つまり、当該樹脂部材123aを貼付することによって、排土搬送時にオーガスクリュ120の外周面とケーシング110の内周面の隙間から排土が零れ落ちることが防止され、オーガスクリュ120は効率的に排土を上方に搬送することができる。さらに、スクリュ123のブレード端部に樹脂部材123aが貼付された状態では、スクリュ123とケーシング110は直接接触することが無いので、双方(金属同士)の接触音を発生させず、掘削時/排土搬送時の静音性が向上する。
【0042】
また、掘削装置1を用いた掘削方法は、オーガスクリュ120を第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土をケーシング110の上端に接続された貯留部130に貯留する貯留ステップと、次いで、掘削終了後に、オーガスクリュ120を第1の方向と逆方向の第2の方向に回転させて、貯留部130に貯留された排土を掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させる吐出ステップと、を有する。
つまり、上記掘削方法によると、従来のように、吐出された排土を掘削穴まで運んで埋め戻す必要がないため、掘削作業に要する時間/労力の軽減が図れる。
【0043】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、本実施形態では、リボンスクリュ132を回転駆動する駆動手段は、駆動力伝達部133及びリボンスクリュモータ135としたが、例えば、オーガモータ125がオーガスクリュ120に付与する回転駆動力を利用するように構成してもよい。これによりリボンスクリュモータ135を省略できるので、コスト削減できる。
【符号の説明】
【0044】
1 掘削装置
100 掘削部
110 ケーシング
120 オーガスクリュ(排土搬送手段、吐出手段)
121 オーガ軸
123 スクリュ
123a 樹脂部材
125 オーガモータ(排土搬送手段、吐出手段)
130 貯留部
130a 円筒部
131 リボンスクリュ部(削ぎ落とし手段)
132 リボンスクリュ
133 駆動力伝達部(駆動手段)
135 リボンスクリュモータ(駆動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーガ軸と前記オーガ軸の周囲に設けられたスクリュとからなり、ケーシング内を貫通するオーガスクリュにより地盤を掘削する掘削装置において、
前記オーガスクリュを第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土を上方に搬送する排土搬送手段と、
前記ケーシングの上端に接続され、前記排土搬送手段により搬送され、前記ケーシングの外部に排出される排土を貯留する貯留部と、
前記オーガスクリュを前記第1の方向と逆方向の第2の方向に回転させて、前記貯留部に貯留された排土を前記掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させる吐出手段と、
を備えることを特徴とする掘削装置。
【請求項2】
請求項1に記載の掘削装置において、
前記貯留部の内面に付着した排土を削ぎ落とす削ぎ落とし手段を備えることを特徴とする掘削装置。
【請求項3】
請求項2に記載の掘削装置において、
前記貯留部は、円筒部を備えており、
前記削ぎ落とし手段は、
前記円筒部の内周面と前記オーガスクリュの外周面との間で前記円筒部の内周面に近接するように、前記オーガスクリュと同軸に設けられたリボンスクリュと、
前記リボンスクリュを第1の方向及び/又は第2の方向に回転駆動する駆動手段と、
を有することを特徴とする掘削装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の掘削装置において、
前記オーガスクリュの外周面が前記ケーシングの内周面に密接するように、前記オーガスクリュの端面部に樹脂部材を貼付したことを特徴とする掘削装置。
【請求項5】
オーガ軸と前記オーガ軸の周囲に設けられたスクリュとからなり、ケーシング内を貫通するオーガスクリュにより地盤を掘削する掘削方法であって、
前記オーガスクリュを第1の方向に回転させて掘削する際に排出される排土をケーシングの上端に接続された貯留部に貯留する貯留ステップと、
次いで、前記掘削終了後に、前記オーガスクリュを前記第1の方向と逆方向の第2の方向に回転させて、前記貯留部に貯留された排土を前記掘削により形成された掘削穴に向けて吐出させる吐出ステップと、
を備えることを特徴とする掘削方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−80218(P2011−80218A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232082(P2009−232082)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000141521)株式会社技研製作所 (83)
【Fターム(参考)】