説明

掘削装置

【要 約】
【課 題】 地中に入り込む部分にセンサなどを設けずに、拡縮翼の位置を地上で知ること。
【解決手段】 掘削装置は、筒状のアウターロッド(11)と、このアウターロッドを回転させる回転駆動装置(3)と、前記アウターロッドに挿入されるインナーロッド(13)と、このインナーロッドの上端部を上下に昇降させる昇降装置(21)と、このインナーロッドの下端部に設けられた基台(53)と、この基台から立ち上がるとともに、前記アウターロッドと入れ子状に嵌まり合って上下に移動可能な拡縮翼用筒体(61)と、前記拡縮翼用筒体およびアウターロッドにリンク機構(72)を介して取り付けられ、拡縮翼用筒体とアウターロッドとの上下方向の相対移動により、外側に開いた拡大位置と、この拡大位置よりも縮んだ縮小位置との間を拡縮する拡縮翼(7)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡縮される拡縮翼を備えた掘削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の掘削装置は、たとえば、特開2006−9540号公報(特許文献1)に記載のように、拡縮翼は、掘削用のロッドの下部の内部に設けられた油圧装置により、拡縮している。この油圧装置を作動させても、必ずしも、拡縮翼が正常に作動して、拡縮するとは限らないため、油圧装置をロッドの下部に設けると、拡縮翼の位置が地上では不明となる。したがって、拡縮翼の位置を知るためには、拡縮翼の位置を検出するセンサなどが必要になる。このようなセンサは、地中の劣悪な環境状態にさらされるため、故障の頻度が高いとともに、メンテナンスなどに手間がかかる。
【特許文献1】特開2006−9540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、拡縮翼の位置を地上で知るためには、地中に入り込む部分にセンサなどを設ける必要がある点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の掘削装置は、筒状のアウターロッド(11)と、このアウターロッドを回転させる回転駆動装置(3)と、前記アウターロッドに挿入されるインナーロッド(13)と、このインナーロッドの上端部を上下に昇降させる昇降装置(21)と、このインナーロッドの下端部に設けられた基台(53)と、この基台から立ち上がるとともに、前記アウターロッドと入れ子状に嵌まり合って上下に移動可能な拡縮翼用筒体(61)と、前記拡縮翼用筒体およびアウターロッドにリンク機構(72)を介して取り付けられ、拡縮翼用筒体とアウターロッドとの上下方向の相対移動により、外側に開いた拡大位置と、この拡大位置よりも縮んだ縮小位置との間を拡縮する拡縮翼(7)とを備えている。
【0005】
また、インナーロッドがアウターロッドに対して上昇した状態では、前記拡縮翼が縮小位置になり、一方、インナーロッドがアウターロッドに対して下降した状態では、前記拡縮翼が拡大位置になる場合がある。
【0006】
そして、インナーロッドは筒状をしており、上端から流入した流体を前記基台に形成された孔(54)から吐出することができる場合がある。
【0007】
さらに、インナーロッドの外周面にフランジ(41)が設けられており、このフランジの外側の面がアウターロッドの内面に対向している場合がある。
【0008】
また、拡縮翼の端部が拡縮翼用筒体に回動可能に取り付けられているとともに、前記拡縮翼の中間部には、アウターロッドに回転可能に取り付けられたレバーの端部が回動可能に取り付けられている場合がある。
【0009】
そして、拡縮翼の端部がアウターロッドに回動可能に取り付けられているとともに、前記拡縮翼の中間部には、拡縮翼用筒体に回転可能に取り付けられたレバーの端部が回動可能に取り付けられている場合がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、昇降装置がインナーロッドの上端部を昇降させ、この昇降にともなって、インナーロッド下部の拡縮翼用筒体が上下に変位し、リンク機構を介して、拡縮翼を拡大位置や縮小位置に拡縮させているので、インナーロッドと拡縮翼とが同期して連動している。したがって、インナーロッドの上端部などを監視していれば、拡縮翼の位置が正確に分かる。しかも、アウターロッドと拡縮翼用筒体とが入れ子状態なので、インナーロッドとアウターロッドとの間の隙間などに土砂などが流入することを極力防止することができる。
【0011】
また、インナーロッドがアウターロッドに対して上昇した状態では、拡縮翼が縮小位置になり、一方、インナーロッドがアウターロッドに対して下降した状態では、拡縮翼が拡大位置になる場合がある。ところで、掘削時には、拡縮翼は縮小位置であるが、インナーロッドやアウターロッドの自重と、地盤からの反力により相当の圧縮荷重を受けるため、この場合のように、掘削時には、軸方向においても、収縮した状態であることが好ましい。
【0012】
そして、インナーロッドは筒状をしており、上端から流入した流体を基台に形成された孔から吐出することができる場合には、適宜、インナーロッドを介して、流体を掘削中の孔に供給することができる。
【0013】
さらに、インナーロッドの外周面にフランジが設けられており、このフランジの外側の面がアウターロッドの内面に対向している場合には、インナーロッドに圧縮荷重が加わり、座屈しかけても、フランジを介してアウターロッドで支持されるので、インナーロッドの座屈を阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
地中に入り込む部分にセンサなどを設けずに、拡縮翼の位置を地上で知るという目的を、昇降装置でインナーロッドの上端部を上下に昇降させ、この昇降にともなって、インナーロッド下部の拡縮翼用筒体を上下に変位させ、リンク機構を介して、拡縮翼を拡大位置や縮小位置に拡縮させることで実現した。
【実施例1】
【0015】
次に、本発明における掘削装置の一実施例について、図1ないし図5を用いて説明する。図1は本発明における掘削装置の実施の一形態の側面図である。図2は掘削装置の上部の正面の説明図である。図3は掘削装置の下部の断面図である。図4は延長用エレメントの断面図である。図5は拡大位置にある拡縮翼の状態を説明するための図である。なお、図2では、部分的に断面で図示されている。また、図4において、スクリュー板の図示は省略されている。
【0016】
まず始めに、掘削装置の全体構成を図1で説明する。
スクリューオーガ掘削装置は、走行車体1と、この走行車体1に立設しているリーダ2と、このリーダ2に上下動可能に取り付けられている電動モータなどの回転駆動装置としての原動機3と、この原動機3に回転駆動されるオーガ4と、このオーガ4の下端に設けられている掘削ヘッド6と、掘削ヘッド6の上方に設けられているレバー状の拡縮翼7とを備えている。
【0017】
オーガ4は、円筒状のアウターロッド11と、このアウターロッド11の外周に螺旋状に固定して設けられているスクリュー板12と、アウターロッド11の内部に挿入されている円筒状のインナーロッド13とを具備している。オーガ4は軸方向に複数のエレメントに分割可能に構成されており、図4に図示する延長用エレメント14を、取り付け・取り外しすることにより、オーガ4の長さを適宜変更することができる。
【0018】
図2において、原動機3は左右一対設けられ、歯車16を介して、アウターロッド11の上端部を回転駆動する。インナーロッド13はアウターロッド11に対して上下動可能に挿入されており、その上端部が、左右一対の油圧シリンダなどの液圧シリンダ21で昇降可能となっている。なお、インナーロッド13の上端部は、軸受部17を介して液圧シリンダ21で支持されており、液圧シリンダ21対して回転可能に設けられている。そして、この昇降装置としての液圧シリンダ21が稼働すると、インナーロッド13をアウターロッド11に対して相対的に上下動させることができる。また、インナーロッド13の上端は、スイベルを介して、パイプ23を連結することが可能である。このパイプ23から、加圧空気、水、セメント、掘削液、根固め液などの流体をインナーロッド13内に供給することができる。
【0019】
アウターロッド11の上部エレメント26の下端部に設けられた連結部31には、延長用エレメント14のアウターロッド11の上端の上側連結部32が接続される。また、延長用エレメント14のアウターロッド11の下端には、下方の延長用エレメント14のアウターロッド11の上側連結部32を連結する下側連結部33が設けられている。
【0020】
インナーロッド13の上部エレメント36の下端部に設けられた連結部37は、延長用エレメント14のインナーロッド13の上端の上側連結部38が接続される。また、延長用エレメント14のインナーロッド13の下端には、下方の延長用エレメント14のインナーロッド13の上側連結部38を連結する下側連結部39が設けられている。さらに、延長用エレメント14のインナーロッド13の外周面の一部にはフランジ41が設けられ、このフランジ41は、アウターロッド11の内面を摺動する。
【0021】
図3において、アウターロッド11の下部エレメント46は、二重管構造で、外側に第1カバー管47が、また、第1カバー管47の内側にガイドパイプ48が設けられている。第1カバー管47とガイドパイプ48との間の空間の上端は閉塞されている。また、アウターロッド11の下部エレメント46の上端部には、延長用エレメント14のアウターロッド11の下側連結部33または、アウターロッド11の上部エレメント26の下端部の連結部31に連結される連結部49が設けられている。
【0022】
インナーロッド13の下部エレメント51の下端部には、円盤状の基台53が固定して設けられている。この基台53の中央部には、インナーロッド13の内部空間と連通する孔54が形成されており、インナーロッド13内の流体をこの孔54を介して、外部に吐出することができる。基台53およびスクリュー板12の下方には、掘削爪56が複数設けられ、掘削ヘッド6を構成している。また、インナーロッド13の下部エレメント51の上端部には、延長用エレメント14のインナーロッド13の下側連結部39または、インナーロッド13の上部エレメント36の下端部の連結部37に連結される連結部57が設けられている。
【0023】
そして、インナーロッド13の基台53の上面から、二重管構造で、外側に第2カバー管61が、また、第2カバー管61の内側にスライドパイプ62が立ち上がって設けられている。スライドパイプ62はガイドパイプ48に案内されて上下方向にスライド可能となっている。なお、スライドパイプ62は、図示しない案内溝などの案内部によりガイドパイプ48に対して回動不能となっている。また、アウターロッド11の第1カバー管47およびガイドパイプ48は、インナーロッド13の第2カバー管61およびスライドパイプ62と入れ子状態となっており、第1カバー管47と第2カバー管61とにより、外部の土砂が内部に侵入することを防止している。この様に、インナーロッド13の拡縮翼用筒体である第2カバー管61は、アウターロッド11の外側に位置している。また、アウターロッド11の端面(すなわち、第1カバー管47およびガイドパイプ48の端面)は、インナーロッド13の基台53の上面に対向している。
【0024】
拡縮翼7は、その一端が拡縮翼用筒体としての第2カバー管61に回動可能に取り付けられているとともに、他端側には掘削爪71が複数設けられている。また、拡縮翼7の中央部には、レバー72の一端が回動可能に取り付けられている。レバー72の他端は、第1カバー管47に回動可能に取り付けられている。そして、レバー72および拡縮翼7の回動部などでリンク機構が構成され、このリンク機構は第2カバー管61の外側に設けられている。
【0025】
この様に構成されている掘削装置で、地面に孔を掘削する際には、液圧シリンダ21でインナーロッド13を上昇させて、拡縮翼7を図3に図示する縮小位置にする。そして、原動機3を稼働して、歯車16を介して、アウターロッド11を回転させる。アウターロッド11の回転力は、アウターロッド11のガイドパイプ48から、インナーロッド13のスライドパイプ62に伝達され、インナーロッド13が回転する。そして、インナーロッド13に伝達された回転力により、基台53を介して、掘削ヘッド6が回転する。この掘削ヘッド6の回転により、地面に孔が掘削される。また、原動機3、アウターロッド11、インナーロッド13、歯車16および液圧シリンダ21などを一体として、リーダ2に沿って上昇・下降させる駆動装置(図示せず)が設けられており、掘削時には、従来のものと同様にして、原動機3の設けられている構造体(図2に図示されている部分)を、リーダ2に沿って下降させる。
【0026】
この様にして掘削された孔の下端部を、拡大掘りする際には、掘削ヘッド6が掘削された孔の底部にある状態で、液圧シリンダ21を作動させてインナーロッド13を下降させ、拡縮翼7を図5に図示する拡大位置にする。そして、この液圧シリンダ21の稼働と略同時に、原動機3を稼働して、前述のように、アウターロッド11およびインナーロッド13を回転させる。この回転力により、第2カバー管61を介して、拡大している拡縮翼7が回転する。この拡大位置の拡縮翼7の回転により、孔の下部が拡大堀りされる。
【0027】
掘削ヘッド6を、掘削された孔から抜く際には、液圧シリンダ21でインナーロッド13を上昇させて、拡縮翼7を図3に図示する縮小位置にする。そして、原動機3の設けられている構造体(図2に図示されている部分)を、従来のものと同様にして、リーダ2に沿って上昇させる。
【0028】
また、前述の孔の掘削時および拡大堀り時などには、適宜、パイプ23から、加圧空気、水、セメント、掘削液、根固め液などの流体をインナーロッド13内に供給し、基台53の孔54から地盤に吐出することができる。
【0029】
さらに、アウターロッド11の第1カバー管47およびガイドパイプ48と、インナーロッド13のスライドパイプ62および第2カバー管61とは、入れ子状態で伸縮するが、その内部の空気は、アウターロッド11とインナーロッド13との間の隙間の空間を通って、逃げることができる。また、アウターロッド11とインナーロッド13との間の隙間の空間を他の用途、たとえば、加圧空気、水、セメント、掘削液、根固め液などの種々の流体を流すための空間として使用することも可能である。
【0030】
前述の様に、実施の形態においては、インナーロッド13をアウターロッド11に対して、上下動させることにより、拡縮翼7を拡大位置または縮小位置にすることができる。そして、拡縮翼7の移動は、リンク機構により、インナーロッド13の上下動と同期して連動しているので、インナーロッド13の上端部の位置を確認すると、拡縮翼7が拡大位置か縮小位置かが容易に分かる。すなわち、液圧シリンダ21が上昇していると、拡縮翼7は縮小位置で、一方、液圧シリンダ21が下降していると、拡縮翼7は拡大位置であることが分かる。また、リンク機構は第2カバー管61やアウターロッド11の外側に設けられており、メンテナンスや取り付け作業が容易である。
【0031】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)アウターロッド11の下部には、筒体として、第1カバー管47およびガイドパイプ48が設けられているが、少なくとも一個の筒体が設けられていればよい(すなわち、筒状のアウターロッド11の本体のみでもよい)。同様に、インナーロッド13の下部には、筒体として、第2カバー管61およびスライドパイプ62が設けられているが、少なくとも一個の筒体が設けられていればよい。
(2)リンク機構の構造は、インナーロッド13がアウターロッド11に対して相対的に上下動した際に、拡縮翼7が拡大位置かまたは縮小位置に変位することができるならば、適宜変更可能である。
【0032】
(3)拡縮翼7は、インナーロッド13側の筒体に回動可能に取り付けられているが、拡縮翼7を、アウターロッド11側に回動可能に取り付けることも可能である。
(4)インナーロッド13が上昇している際に、拡縮翼7は縮小位置となるが、インナーロッド13が下降している際に、拡縮翼7は縮小位置となるようにすることも可能である。ただし、インナーロッド13が上昇している際に、拡縮翼7は縮小位置となるようにすることが好ましい。
【0033】
(5)スクリュー板12は、拡縮翼7の変位の妨げにならないように設けられていれば良く、アウターロッド11の全長にわたって設けることも可能であるし、部分的に設けることも可能である。同様に、スクリュー板12を、インナーロッド13側の筒体である第2カバー管61の外周の全長にわたって設けることも可能であるし、部分的に設けることも可能である。
(6)インナーロッド用の昇降装置は、必ずしも液圧シリンダ21である必要はなく、インナーロッド13を上下動させることができるならば、その形式や構造などは適宜変更可能である。また、液圧シリンダ21をインナーロッド13と一体となって回転可能なように、回転する台座上に設置することも可能である。
【0034】
(7)インナーロッドの本体(アウターロッドに挿入されている部分)は、必ずしも筒状である必要はない。ただし、筒状であることが好ましい。
(8)拡縮翼7は、拡大位置と縮小位置との間の任意の位置で止めることが可能である。ただし、拡大位置と縮小位置の2位置のみでしか止められないように構成することも可能である。
(9)液圧シリンダ21の上下動(すなわち、インナーロッド13の上下動)の監視は、目視で行うことができるが、目視ではなく、近接センサなどの検知信号で監視することも可能である。このセンサは、液圧シリンダ21の近辺に設けられるため、地中の劣悪な環境状態にさらされることはなく、また、メンテナンスなども容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
昇降装置でインナーロッドの上端部を上下に昇降させ、この昇降にともなって、インナーロッド下部の拡縮翼用筒体を上下に変位させ、リンク機構を介して、拡縮翼を拡大位置や縮小位置に拡縮させているので、インナーロッドと拡縮翼とが同期して連動している。したがって、インナーロッド上端部などを監視していれば、拡縮翼の位置が正確に分かる。したがって、拡縮翼を備えた掘削装置に適用することが最適である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は本発明における掘削装置の実施の一形態の側面図である。
【図2】図2は掘削装置の上部の正面の説明図である。
【図3】図3は掘削装置の下部の断面図である。
【図4】図4は延長用エレメントの断面図である。
【図5】図5は拡大位置にある拡縮翼の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0037】
3 原動機(回転駆動装置)
7 拡縮翼
11 アウターロッド
13 インナーロッド
21 液圧シリンダ(昇降装置)
41 インナーロッドのフランジ
53 基台
54 基台に形成された孔
61 第2カバー管(拡縮翼用筒体)
72 レバー(リンク機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のアウターロッドと、
このアウターロッドを回転させる回転駆動装置と、
前記アウターロッドに挿入されるインナーロッドと、
このインナーロッドの上端部を上下に昇降させる昇降装置と、
このインナーロッドの下端部に設けられた基台と、
この基台から立ち上がるとともに、前記アウターロッドと入れ子状に嵌まり合って上下に移動可能な拡縮翼用筒体と、
前記拡縮翼用筒体およびアウターロッドにリンク機構を介して取り付けられ、拡縮翼用筒体とアウターロッドとの上下方向の相対移動により、外側に開いた拡大位置と、この拡大位置よりも縮んだ縮小位置との間を拡縮する拡縮翼とを備えていることを特徴とする掘削装置。
【請求項2】
前記インナーロッドがアウターロッドに対して上昇した状態では、前記拡縮翼が縮小位置になり、一方、インナーロッドがアウターロッドに対して下降した状態では、前記拡縮翼が拡大位置になることを特徴としている請求項1記載の掘削装置。
【請求項3】
前記インナーロッドは筒状をしており、上端から流入した流体を前記基台に形成された孔から吐出することができることを特徴としている請求項1または2記載の掘削装置。
【請求項4】
前記インナーロッドの外周面にフランジが設けられており、このフランジの外側の面がアウターロッドの内面に対向していることを特徴としている請求項1,2または3記載の掘削装置。
【請求項5】
前記拡縮翼の端部が拡縮翼用筒体に回動可能に取り付けられているとともに、前記拡縮翼の中間部には、アウターロッドに回転可能に取り付けられたレバーの端部が回動可能に取り付けられていることを特徴としている請求項1,2,3または4記載の掘削装置。
【請求項6】
前記拡縮翼の端部がアウターロッドに回動可能に取り付けられているとともに、前記拡縮翼の中間部には、拡縮翼用筒体に回転可能に取り付けられたレバーの端部が回動可能に取り付けられていることを特徴としている請求項1,2,3または4記載の掘削装置。
【請求項7】
前記昇降装置により昇降される前記インナーロッドの上端部は、前記アウターロッドの上端部から突出しており、
前記アウターロッドの下部は、二重管構造で、外側に第1カバー管が、また、第1カバー管の内側にガイドパイプが設けられ、
この第1カバー管とガイドパイプとの間の空間の上端は閉塞されており、
前記インナーロッドの基台の上面から、二重管構造で、外側に前記拡縮翼用筒体としての第2カバー管が、また、第2カバー管の内側にスライドパイプが立ち上がって設けられており、
このスライドパイプは、前記ガイドパイプに対して回動不能な状態で、ガイドパイプに案内されて上下方向にスライド可能となっており、
前記第1カバー管と第2カバー管とにより、外部の土砂が内部に侵入することを防止すべく、アウターロッドの第1カバー管およびガイドパイプが、インナーロッドの第2カバー管およびスライドパイプと入れ子状態となっていることを特徴としている請求項1ないし6の何れか1項記載の掘削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−57307(P2008−57307A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299708(P2006−299708)
【出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【出願人】(506261752)京葉リース株式会社 (8)
【Fターム(参考)】