説明

接着剤供給装置及び接着剤供給方法

【課題】ワークへの接着剤の均一な塗布と、接着剤のワークからのはみ出し防止を実現できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供する。
【解決手段】貼り合せ対象となるワークSに対して接着剤Rを供給する接着剤供給装置において、ワークSの縁部に接離可能なダミー供給領域部12を備え、ワークS及びダミー供給領域部12に、接着剤Rを供給する供給部10と、ダミー供給領域部12を、ワークSから離れる方向に移動させる移動部13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、貼り合せられるワークに接着剤を供給する技術に改良を施した接着剤供給装置及び接着剤供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶ディスプレイは、液晶モジュール、操作用のタッチパネル、表面を保護する保護パネル等を積層することにより構成されている。これらの液晶モジュール、タッチパネル、保護パネル等(以下、ワークと呼ぶ)は、液晶ディスプレイの筐体に組み込まれる。
【0003】
このように積層される各ワークの間に空気の層が入ると、外光反射により、液晶の表示面の視認性が低下する。これに対処するため、各ワークを貼り合せる際に、接着剤によって各ワークの間を埋めることにより、接着層を形成することが行われている。
【0004】
このため、液晶ディスプレイの製造には、少なくとも一方のワークに対して接着剤を供給する接着剤供給装置が必要となる。たとえば、基板に接着剤を塗布する技術として、特許文献1に示すものが提案されている。これは、スリットコート式の塗布装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−5682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、液晶の表示面の視認性を均一にするためには、接着層は、厚み等が均一に形成されていることが望ましい。このため、従来技術においては、接着剤を塗布する器具、接着剤を塗布する態様等を工夫することにより、均一な塗布を実現しようとしている。
【0007】
しかし、たとえ塗布の時点で均一化が実現できていたとしても、図24(A)(B)に示すように、接着剤Rが流動することによって、ワークSの外縁部の外側にはみ出してしまう場合がある。このはみ出した接着剤Rは、それ自体が製品上問題となる。さらに、接着剤Rにはみ出しが生じると、ワークSの外縁部は厚さが薄くなる。このため、接着剤Rの塗布圧に高低差が生じることになる。
【0008】
これに対処するため、塗布の開始端と終了端において、接着剤Rを厚く供給することが考えられる。しかし、この場合、ワークSの縁における流動量が多くなるので、はみ出しの可能性が高くなり、解決にはならない。粘度の高い接着剤Rを用いて流動を抑制しても、逆に、塗布時に均一に広がり難い。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、ワークへの接着剤の均一な塗布と、接着剤のワークからのはみ出し防止を実現できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明は、貼り合せ対象となるワークに対して接着剤を供給する接着剤供給装置において、ワークの縁部に接離可能なダミー供給領域部を備え、前記ワークに対して、前記ダミー供給領域部にまで及ぶように接着剤を供給する供給部を有することを特徴とする。
【0011】
以上のような発明では、供給部によってワーク及びダミー供給領域部に接着剤を供給した後、ワークの縁部からダミー供給領域部を離脱させる。これにより、高低差が生じやすい接着剤の縁部を、ワークから除去できるので、均一な塗布が実現できる。また、ワークの縁部から外れた部分の接着剤を除去できるので、実質的にワークからの接着剤のはみ出しを防止できる。
【0012】
他の態様は、前記ダミー供給領域部及び前記ワークの少なくとも一方を他方から離れる方向に移動させる移動部を有することを特徴とする。
以上のような態様では、ワーク及びダミー供給領域部への接着剤の供給後、移動部によって、ダミー供給領域部をワークから離脱させることができる。
【0013】
他の態様は、前記ダミー供給領域部は、複数に分割可能に設けられていることを特徴とする。
他の態様は、前記ダミー供給領域部は、ワークを載置する載置部であることを特徴とする。
他の態様は、前記ダミー供給領域部は、シート状であることを特徴とする。
以上のような態様では、再利用、廃棄が可能な種々のダミー供給領域を構成できる。
【0014】
他の態様は、前記ダミー供給領域部を洗浄する洗浄部を有することを特徴とする。
以上のような態様では、ダミー供給領域部に付着した接着剤を洗浄することにより、再利用可能となる。
【0015】
なお、上記の各発明は、接着剤供給方法の発明としても捉えることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上、説明したように、本発明によれば、ワークへの接着剤の均一な塗布と、接着剤のワークからのはみ出し防止を実現できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成を示す説明図である。
【図2】図1の実施形態におけるワーク及び接着剤を示す説明図である。
【図3】図1の実施形態における供給部の一例を示す斜視図である。
【図4】図1の実施形態における接着剤拡大後(A)、ダミー供給領域部の離脱後(B)を示す簡略断面図である。
【図5】図1の実施形態における接着剤塗布時(A)、接着剤拡大後(B)を示す簡略断面図である。
【図6】図1の実施形態における接着剤塗布時(A)、接着剤拡大後(B)を示す簡略断面図である。
【図7】図1の実施形態における接着剤拡大後に、ダミー供給領域部の外縁からはみ出た状態(A)、ダミー供給領域部内に留まった状態(B)を示す簡略断面図である。
【図8】ダミー供給領域部を移動させる移動部の一例の接着剤塗布の準備段階を示す簡略断面図である。
【図9】ダミー供給領域部を移動させる移動部の一例の接着剤塗布段階を示す簡略断面図である。
【図10】ダミー供給領域部とワークに高低差がある一例を示す簡略断面図である。
【図11】ダミー供給領域部とワークに高低差がある一例を示す簡略断面図である。
【図12】載置部内に移動部を設けた一例を示す簡略断面図である。
【図13】移動部に対して接続部を着脱可能に設けた一例を示す簡略断面図である。
【図14】載置部を移動可能に設けた一例を示す簡略断面図である。
【図15】ダミー供給領域部を持ち上げる移動部の一例を示す斜視図である。
【図16】図15の実施形態の接着剤塗布時を示す簡略断面図である。
【図17】図15の実施形態の接着剤拡大時(A)、ダミー供給領域部の離脱時(B)を示す簡略断面図である。
【図18】ダミー供給領域部を押し下げる構造の一例を示す説明図である。
【図19】ダミー供給領域部を分割可能した一例を示す説明図である。
【図20】ダミー供給領域部をシート状とした一例を示す説明図である。
【図21】ダミー供給領域部をサセプタとした一例を示す説明図である。
【図22】洗浄部を設けた一例を示す説明図である。
【図23】ワークとして光ディスクを用いた場合の一例を示す簡略断面図である。
【図24】接着剤塗布後にワークの外縁からはみ出た一例を示す簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[A.構成]
まず、本実施形態の接着剤供給装置(以下、本装置と呼ぶ)の構成を説明する。本装置は、図1に示すように、接着剤供給部1、搬送部2等を有している。貼り合わせの対象となるワークSは、搬送部2によって移動可能に設けられている。
【0019】
接着剤供給部1は、たとえば、供給部10、載置部11、ダミー供給領域部12、移動部13等を有している。供給部10は、ワークSに対して、接着剤Rを供給する構成部である。供給部10は、たとえば、接着剤Rを収容したタンクT、タンクTに収容された接着剤Rを、配管を介してワークSに滴下するノズル10a等を備えている。また、供給部10は、たとえば、ノズル10aを走査する走査装置等の駆動機構(図示せず)を備えている。
【0020】
載置部11は、ワークS1が載置される台である。ダミー供給領域部12は、例えば、平板状の部材であり、その内側に、載置部11上のワークSが嵌め込まれる内枠部12aが形成されている。この内枠部12aの内側面が、ワークSの縁部(外側面)に接する境界部となっている。
【0021】
さらに、ダミー供給領域部12の下部は、移動部13によって支持されている。この移動部13は、図示しない昇降機構等の駆動機構によって移動可能に設けられている。これにより、移動部13は、ワークSへの接着剤Rの塗布後に下降して、ダミー供給領域部12を下方に移動させることができる。
【0022】
搬送部2は、たとえば、ワークSを搭載した載置部11を、ダミー供給領域部12及び移動部13とともに搬送する搬送装置20を有している。搬送装置20としては、たとえば、ターンテーブル、コンベア等及びその駆動機構が考えられる。ただし、ワークSを搬送可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。
【0023】
[B.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用を、図1〜3を参照して説明する。
【0024】
まず、図1に示すように、搬送装置20は、前工程から載置部11に載置されたワークSを、接着剤供給部1に搬送する。接着剤供給部1においては、図1(A)に示すように、供給部10が、ワークSに対して接着剤Rを供給する。たとえば、図2(A)、図3に示すように、走査装置によって走査されたノズル10aが、接着剤Rを滴下しながら移動することにより、ワークSの全体に接着剤Rを塗布することができる。
【0025】
このように接着剤Rが塗布されると、図1(B)、図2(B)、図4(A)に示すように、接着剤Rは、ワークSからダミー供給領域部12まで広がる。このとき、接着剤Rは、塗布された領域の縁部に行く程、高低差が大きくなる。
【0026】
なお、塗布の開始位置は、ワークS上であっても、ダミー供給領域部12上であってもよい。請求項の「ダミー供給領域部にまで及ぶように接着剤を供給する」とは、たとえば、図5(A)に示すように、ワークS上に接着剤Rを供給した結果、図5(B)に示すように、流動によりダミー供給領域部12まで接着剤Rが達した場合も含まれる。また、たとえば、図6(A)に示すように、ダミー供給領域部12上に接着剤Rを供給して、図6(B)に示すように、さらに外縁まで広がった場合も含まれる。
【0027】
そして、たとえば、図7(A)に示すように、接着剤Rが広がった結果、ダミー供給領域部12の外縁からはみ出てもよい。さらに、図7(B)に示すように、接着剤Rが広がっても、ダミー供給領域部12の外縁まで達しなくてもよい。
【0028】
以上のような塗布が行われた後、図1(C)、図2(C)、図4(B)に示すように、移動部13が、昇降機構によって下降する。すると、高低差が大きい縁部の接着剤Rxは、ダミー供給領域部12とともに、ワークSから離脱する。その後、搬送装置20は、ワークSを次工程へ搬送する。
【0029】
[C.効果]
以上のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、高低差が生じやすい縁部の接着剤Rxを、ダミー供給領域部12を利用してワークSから除去することができる。このため、全体として、厚みが均一な接着剤Rの層を形成することができる。また、ワークSの縁部から外れた部分の接着剤Rを除去できるので、実質的にワークSからの接着剤Rのはみ出しを防止できる。特に、移動部13を、昇降機構によって下降させることにより、ダミー供給領域部12による接着剤Rxの離脱を、確実に行うことができる。
【0030】
[D.他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。たとえば、ダミー供給領域部12とワークSとを接離させる構造及び方法は、自由である。ダミー供給領域部12及びワークSのいずれか一方を移動させてもよいし、双方を移動させてもよく、その移動方向も特定の方向には限定されない。
【0031】
たとえば、図8、図9に示すように、移動部13を、接続部13aを介して昇降機構に接続した構成が考えられる。かかる構成では、まず、図8(A)(B)に示すように、移動部13を上昇させて、載置部11上のワークSに、ダミー供給領域部12の内枠部12aを嵌める。そして、図9(A)に示すように、接着剤RをワークS上に供給した後、図9(B)に示すように、移動部13を下降させて、ダミー供給領域部12をワークSから離脱させることにより、縁部の接着剤Rxを除去する。なお、昇降機構としは、シリンダやカム機構が考えられるが、特定のものには限定されない。
【0032】
また、上記の例では、ダミー供給領域部12における接着剤Rが供給される面は、ワークSと高さが同じ平面となっていた。しかし、たとえば、図10(A)(B)に示すように、ワークSの表面と、ダミー供給領域部12の表面との間に段差があってもよい。ダミー供給領域部12の面が、ワークSの面より高い場合には、内側から外側への接着剤Rの流動を、より抑制する効果がある。
【0033】
また、ダミー供給領域部12によって規定される接着剤Rの供給領域は、必ずしもワークSの縁と一致していなくてもよい。たとえば、図11(A)(B)に示すように、境界部12aがワークSの縁よりも内側となっていてもよい。なお、この場合、図11(B)に示すように、移動部13は、ダミー供給領域部12を下方から押し上げる構成とすることが考えられる。かかる場合にも、内側から外側への接着剤Rの流動を抑制する効果がある。ダミー供給領域部12をワークSから離脱させるために、移動部13を上昇させるか下降させるかは自由である。
【0034】
また、移動部13が、載置部11に組み込まれた構成であってもよい。たとえば、図12(A)(B)に示すように、筺体状の載置部11の側部に形成された上下方向の空隙部11a(たとえば、スリット等)を介して、移動部13がダミー供給領域部12に接続されている。そして、載置部11が、載置部11の底部に形成された穴11bを貫通した接続部13aを介して、昇降機構に接続されている。これにより、上下方向の所要スペースを節約することができる。
【0035】
また、昇降機構と移動部13とを着脱可能に構成してもよい。たとえば、図13(A)(B)に示すように、載置部11とともに、所定の位置に搬送されてきた移動部13に対して、昇降機構により接続部13aが上昇することにより、接続される構成としてもよい。これにより、昇降機構を、搬送部によって移動させる必要がないため、構成を簡素化できる。
【0036】
また、載置部11を移動させることにより、ダミー供給領域部12からワークSを離脱させてもよい。たとえば、図14(A)(B)に示すように、載置部11を接続部11cを介して昇降機構に接続し、この昇降機構によって載置部11を上昇させることにより、接着剤R塗布後のワークSを移動させて、ダミー供給領域部12から離脱させてもよい。この場合、載置部11は、移動部として機能する。つまり、ダミー供給領域部12とワークSとを離脱させるために、ダミー供給領域部12側を移動させる構造を採用するか、ワークS側を移動させる構造を採用するかは、自由である。
【0037】
また、ダミー供給領域部12を上方から持ち上げる構成とすることも可能である。たとえば、図15に示すように、ダミー供給領域部12の上側に、移動部13を設け、接続部13aを介して上方の昇降機構に接続する。この場合も、図16に示すように、移動部13を下降させて、内枠部12aにワークSを嵌め込み、接着剤Rを塗布する。そして、図17(A)(B)に示すように、移動部13を上昇させることにより、ダミー供給領域部12をワークSから離脱させる。
【0038】
さらに、接着剤R側から、ダミー供給領域部12を付勢することにより、ワークSから離脱させる構成としてもよい。たとえば、図18(A)(B)に示すように、載置部11の上方に配置された移動部13を下降させることにより、接着剤Rを介してダミー供給領域部12を下方に押し下げることにより、ワークSから離脱させることができる。
【0039】
また、ダミー供給領域部12は、必ずしも単一のものであったり、閉じた塗布領域を規定するものであったりする必要はない。たとえば、図19(A)(B)に示すように、接着剤Rの塗布時に、ワークSに接していたダミー供給領域部12が、図19(C)に示すように、分割移動することにより、ワークSから離脱するように構成してもよい。この場合、各ダミー供給領域部12を、横方向に駆動する駆動機構を設けることが考えられる。さらに、ワークSの一部の縁にのみ、ダミー供給領域部12が接離するように構成してもよい。つまり、ワークSのどの部分にダミー供給領域部12を接離させるか、その際のダミー供給領域部12及びワークSの移動方向は自由である。
【0040】
また、ダミー供給領域部12を、シート状の部材によって構成することも可能である。たとえば、図20に示すように、供給機構(図示せず)によって送り出されるフィルム等によって構成することも可能である。この場合、たとえば、図20(A)(B)(C)に示すように、フィルムであるダミー供給領域部12に形成された内枠部12aに、ワークSが嵌められ、接着剤Rが塗布される。そして、図20(D)に示すように、ダミー供給領域部12をワークSから剥離させて回収することにより、上記と同様に、均一な塗布を実現できる。
【0041】
また、ワークSを載置した載置部(サセプタ等)を、ダミー供給領域部12とすることもできる。たとえば、図21に示すように、搬送装置20(たとえば、ターンテーブル)上に載置されたサセプタであるダミー供給領域部12の内枠部12aに、ワークSが入るにように載置される。そして、その上から接着剤Rが塗布された後、ワークSが取り出される。ワークSを取り出した後のダミー供給領域部12も、搬送装置20から取り出される。
【0042】
さらに、上記のようなダミー供給領域部を、回収した後、付着した接着剤を洗浄する洗浄部を設けることも可能である。たとえば、図22(A)は、洗浄部14としてブラシを採用したもの、図22(B)は、洗浄部14として、接着剤Rを掻き取るスクレーパーを採用したものである。洗浄時に、溶剤等を使用することも可能である。このような洗浄部は、搬送部における搬送ポジションに設けることもできるし、搬送部から外れた別のラインに構成することもできる。
【0043】
なお、ダミー供給領域部は、再利用可能とすることも、使い捨てとすることも可能である。たとえば、シート状としたもの、薄い樹脂板としたもの等により、使い捨てとすることも可能である。ダミー供給領域部の材質、大きさ、厚さ、形状等も特定のものには限定されない。ダミー供給領域部を支持、保持等する部材は、ダミー供給領域部を吸着、粘着、把持等する装置、部材、機構等を備えていてもよい。たとえば、移動部13に、吸着装置(真空チャック、静電チャック等)、粘着部材、メカチャック等を備えた構成としてもよい。これは、ワークを支持、保持等する部材についても同様である。たとえば、載置部11に、上記の吸着装置、粘着部材、メカチャック等を備えてもよい。
【0044】
また、接着剤の供給については、現在又は将来において利用可能なあらゆる方法、装置が適用可能である。たとえば、接着剤の供給装置は、ローラによって塗布する装置、スキージによって塗布する装置、スピン塗布する装置等、どのような装置であってもよい。ノズルによって、曲線状、屈曲線状、多数の線状に供給して、接着剤が広がることにより面状に塗布される態様であってもよい。
【0045】
また、移動部が移動するための駆動機構は、特定方向に単に付勢(押す場合も引く場合も含む)する機構であっても、付勢圧(弾性体、空気圧等による)がかかった状態でのロックを解除することによって、移動させる機構であってもよい。
【0046】
搬送装置も、たとえば、ターンテーブル、コンベア、送り機構等、どのような構造であってもよい。載置部は、たとえば、サセプタ等が考えられるが、ワークを支持できる支持部として機能するものであれば、どのような材質、形状であってもよい。水平方向に支持するものには限らない。ワークの搬送方法も、載置部に載置される場合には限定されない。移動する台上に、ワークが直接載置されていて、この台を支持部とすることも可能である。
【0047】
さらに、上記の作業の一部を手動により行う方法も考えられる。たとえば、ワークへの接着剤の供給を、作業者が、塗布、滴下等のための用具を用いて行うこともできる。ダミー供給領域部の洗浄も、洗浄具を用いて作業者が行うこともできる。使用する接着剤についても、電磁波や熱の照射により硬化する樹脂が一般的であるが、現在又は将来において利用可能なあらゆる接着剤を適用可能である。
【0048】
また、貼り合せ対象となるワークは、カバーパネルと液晶モジュール若しくは液晶モジュールを構成する表示パネルとバックライト等が、典型例である。しかし、本発明の適用対象となる一対のワークは、一対の貼着対象となり得るものであれば、その大きさ、形状、材質等は問わない。たとえば、半導体ウェーハ、光ディスク等にも適用可能である。
【0049】
図23(A)(B)は、センターホールを有する光ディスク等、内側に穴があるワークSに、本発明を適用した例である。このように、ワークの縁部とはワークの内径の縁も含み、ダミー供給領域部は、ワークの内縁に設けられたものも含む。
【符号の説明】
【0050】
1…接着剤供給部
2…搬送部
10…供給部
10a…ノズル
11…載置部
11a…空隙部
11b…穴
11c,13a…接続部
12…ダミー供給領域部
12a…内枠部
13…移動部
14…洗浄部
20…搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼り合せ対象となるワークに対して接着剤を供給する接着剤供給装置において、
ワークの縁部に接離可能なダミー供給領域部を備え、
前記ワークに対して、前記ダミー供給領域部にまで及ぶように接着剤を供給する供給部を有することを特徴とする接着剤供給装置。
【請求項2】
前記ダミー供給領域部及び前記ワークの少なくとも一方を他方から離れる方向に移動させる移動部を有することを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項3】
前記ダミー供給領域部は、複数に分割可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の接着剤供給装置。
【請求項4】
前記ダミー供給領域部は、ワークを載置する載置部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項5】
前記ダミー供給領域部は、シート状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項6】
前記ダミー供給領域部を洗浄する洗浄部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項7】
貼り合せ対象となるワークに対して接着剤を供給する接着剤供給方法において、
前記ワークの縁に接したダミー供給領域部にまで及ぶように、前記ワークに接着剤を供給し、
前記ワークから、前記ダミー供給領域部を離脱させることを特徴とする接着剤供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−110870(P2012−110870A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264348(P2010−264348)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】