説明

接着剤物品および該物品を製造する方法

【課題】接着特性の改質の目的で、ライナー上に儲けられた接着剤層に電子線を照射させて得られる両面接着テープのロール製品において、使用時に前記ライナーの接着テープからの剥離が容易なライナー付き両面接着テープの提供。
【解決手段】第1の側面と第2の側面を有するライナーおよび第1の表面と第2の表面を有する接着剤を含む接着剤物品であって、前記接着剤の第2の表面が前記ライナーの第1の側面と接触し、前記物品が前記ライナーの第2の側面を通してE−ビーム線に照射され、前記物品を巻き取り前記ライナーの第2の側面を前記接着剤の第1の表面と接触するようにさせ、前記接着剤の第1の表面への前記ライナーの第2の側面が、前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面への剥離値より小さい剥離値を有する接着剤物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着剤物品および該物品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤テープは多くの種類、例えば、転写テープ、片面テープおよび両面テープで提供されている。接着剤テープは発泡テープまたは非発泡テープであることが可能である。両面接着剤テープは両方の側面で接着剤特性を有する。標準両面接着剤テープのマクロ構造および製造方法は比較的単純であり、製造する一方法および得られた構造は次の通りである。実際の接着剤テープを構成するべき接着剤ポリマーは、何らかの許容できる方法によって準備され、押し出される。次に、接着剤ポリマーは直ちにライナーと組み合わされる。両面接着剤テープのために適するライナーは、剥離被膜を両方の側面上で被覆された裏地を含む。そして、両面接着剤テープ製品を形成させるためにライナーと接着剤ポリマーは貼合わされる。
【0003】
高性能接着剤テープにおいて、典型的には、次の工程は、接着剤ポリマーを架橋させることである。接着剤ポリマーを架橋させることは一般に賢明である。架橋させると、接着剤の凝集強度を改善するなどの望ましい特性最終製品に付与するからである。接着剤ポリマーに放射線(例えば、電子ビーム、イオンビームまたは紫外線)を照射することにより、架橋を実行することが可能である。その後、両面接着剤テープ製品は、接着剤テープの第1の表面が製造の方法のゆえにライナーで既に覆われ、接着剤ポリマーで最初は覆われてなかったライナーの側面で接着剤テープの第2の表面が覆われることで、両面接着剤テープの両面をライナーで覆うようにロールに巻き取られる。この方式で製造された両面接着剤テープは、テープを巻き取る時にライナーが接着剤テープの「正側」に残るように差別的剥離ライナーを有するように設計される。ライナー剥離は、テープ上で接着剤からライナーを除去するのに要する力である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この方法による両面接着剤テープの製造は望ましいが、接着剤ポリマーを架橋させるために電子ビーム(E−ビーム)線を用いる時に重大な問題が生じる。E−ビーム線は、大量の顔料または充填剤を有する接着剤ポリマーおよび/またはより厚い厚さの接着剤フィルムを架橋させるのに効果的であるので、架橋の方法として有利である。接着剤ポリマーに(巻き取り前に)非ライナー側を通してE−ビーム線を照射(E−ビーム処理)する場合、接着剤ポリマー自体の接着剤特性は変えられる。例えば、6メガラドのE−ビーム線量は、アクリル接着剤ポリマーのE−ビーム処理側の粘着力を30〜50%低下させうる。両面接着剤テープの両面で許容できる粘着力レベルを維持するために、接着剤ポリマーは、ライナー側を通してE−ビーム処理されなければならない。
【0005】
両面接着剤テープ中で伝統的に用いられるシリコーン被覆ライナーの表面の化学的性質もE−ビーム処理された時に変えられる。接着剤ポリマーがライナーを通してE−ビーム処理される時、接着剤ポリマーに接触するライナーの側面のライナー剥離は若干低下されるのみである。それに反して、ライナーの他方の側面、すなわちE−ビームで処理された非接着剤側面のライナー剥離は大幅に増加される。ライナー剥離のこの増加は、ライナーの非接着剤側面が、一旦最終製品ロールに巻き取られると接着剤ポリマーと接触することになるので有害である。これは、最終製品において好ましくない状況であって、ライナーが「誤側」より先に接着剤テープの「正側」から除去される状況を作り出す。これは「ライナーコンフュージョン」として知られている。場合によって、ライナーは除去さえできない。これは「ライナーブロッキング」として知られている。接着剤が直接(すなわち、ライナーを通さずに)E−ビーム処理される時でさえ、接着剤とは反対側のライナーの側面は放射線がライナーを貫通するなら影響を受ける。
【0006】
この問題の一つの解決方法は、両面接着剤テープを一時的ライナー上で製造し、E−ビーム線で接着剤を架橋し、その後、最終製品に包装する前に一時的ライナーをもう一つのライナーで置き換えることであった。しかし、この解決方法は、プロセスの複雑さを増し、プロセスの無駄を増やし、もう一つのライナーの余分なコストを追加するので受け入れることができない。従って、消費者が最終製品を使用できる前に置き換える必要がないように同じE−ビーム処理前剥離特性を本質的になお維持しつつE−ビーム処理できるライナーが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、接着剤物品および該物品を製造する方法を提供する。本発明の接着剤物品は、第1の側面と第2の側面を有するライナーおよび第1の表面と第2の表面を有する接着剤を含み、前記接着剤の第2の表面は前記ライナーの第1の側面と接触し、前記物品は前記ライナーの第2の側面を通してE−ビーム線に照射され、前記物品を巻き上げ前記ライナーの第2の側面を前記接着剤の第1の表面と接触するようにさせ、前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面へのライナー剥離は前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面へのライナー剥離値とは十分に異なる(ライナーコンフュージョンを避けるのに十分に異なる)。一般に、ライナーの第2の側面の接着剤の第1の表面へのライナー剥離値は280g/in(110g/cm)未満である。好ましくは、ライナーの第2の側面の接着剤の第1の表面へのライナー剥離値は150g/in(59g/cm)未満、最も好ましくは100g/in(39g/cm)未満、例えば、50g/in(20g/cm)未満または30g/in(12g/cm)未満である。
【0008】
本発明は、ライナー裏地の第2の側面、および任意に第1の側面に剥離被覆材料を被着させる工程と、前記被覆されたライナー裏地の第1の側面上に接着剤を被着させる工程と、前記被覆されたライナー裏地の第2の側面を通して照射されたE−ビーム線によって前記接着剤を架橋させる工程と、前記物品をロールに巻き取る工程とを含む接着剤物品を製造する方法も含む。好ましくは、前記ライナー裏地のための剥離被覆材料は、アルコキシシランシリコーン、アセトキシシランシリコーン、シラノールシリコーン、エポキシシリコーンおよびビニルシリコーンからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含み、好ましくは、シラノール末端シリコーンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】両面接着剤テープの一般構造の垂直断面図である。
【図2】最終的な包装ロールを製造するために両面接着剤テープを巻き上げる可能な方法の概略図である。
【図3】両面テープを製造できる機械の例の概略図である。
【図4】二つのライナーを有する接着剤テープを製造する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.構造および接着剤テープを製造する方法
図1は、製造後および包装前の両面接着剤テープ10の一構成の垂直断面を示している。両面接着剤テープ10は接着剤12を含む。接着剤12中で使用できるポリマーは以下でより完全に論じる。接着剤12は、一般にシートで形成され、第1の表面11および第2の表面13を有する。両面接着剤テープ10を製造する時、一つの製造方法は第1の接着剤表面11を覆われないままにする。
【0011】
両面接着剤テープ10はライナー20も含む。ライナー20はライナー裏地21を含む。ライナー裏地21のために適する材料は以下でより完全に論じる。ライナー裏地21は第1の表面23および第2の表面24を含む。ライナー20は第1の剥離被膜22および第2の剥離被膜25を含む。図1は第1の剥離被膜22を有するライナー20を示している一方で、ライナー裏地21は第1の剥離被膜22が必要でないように十分なライナー剥離を有してもよい。第1の剥離被膜22を用いるなら、第1の剥離被膜22はライナー裏地21の第1の表面23に被着される。第2の剥離被膜25はライナー裏地21の第2の表面24に被着される。第1の剥離被膜22は、接着剤12の第2の表面13に隣接する剥離側面27およびライナー裏地側面28を有する。第1の剥離被膜22の剥離側面27は、ライナー20の第1の表面31も定める。第2の剥離被膜25はライナー裏地側面29および非ライナー裏地側面30を有する。第2の剥離被膜25の非ライナー裏地側面30は、ライナー20の第2の表面32も定める。第1の剥離被膜22および第2の剥離被膜25は、同じかまたは異なる材料から構成することが可能である。好ましくは、第1の剥離被膜22および第2の剥離被膜25は異なる材料から構成される。
【0012】
図2は、包装のための両面接着剤テープ10を準備する一方法を描いている。両面接着剤テープ10は、包装可能な物品50を作るためにロールに巻き取られる。使用中、両面接着剤テープは巻き出され、任意に切断され、接着剤12の露出側面(上述した第1の側面11)によって表面に被着され、その後、ライナー21は除去される。任意に、接着剤12の第1の側面13は、ライナー21を除去した後に第2の表面に被着される。包装可能な物品50を作るこの方法は、両面接着剤テープ10の一部分を両面接着剤テープ10の他部分と相互作用させる。一旦両面接着剤テープ10を巻き取り始めると、接着剤12の第1の表面11は、第2の剥離被膜25の非ライナー裏地側面30(ライナー20の第2の表面32とも呼ばれる)と接触することになる。
【0013】
第2の剥離被膜25の非ライナー裏地側面30と接着剤12の表面11の接触は、両面接着剤テープ10を用いるために包装可能な物品50を巻き出す時に重要になる。接着剤12およびライナー20が接着剤12の第1の表面11でなく第2の表面13を通して接触を維持することが望ましい。従って、ライナー20は、接着剤12の第2の表面13から剥離する前に第1の表面11から優先的に剥離するべきである。従って、ライナー20は、接着剤12の第2の表面13からのライナー剥離とは十分に異なる接着剤12の第1の表面11からのライナー剥離を有するべきである。ライナー20の第2の表面32および接着剤12は、この差別的効果を発現するように構成される。例えば、この差別的効果は、ライナー20の第2の表面32のライナー剥離値が約280g/in(110g/cm)未満である時に認められる。好ましくは、ライナー20の第2の表面32の接着剤12へのライナー剥離値は約150g/in(59g/cm)未満である。より好ましくは、ライナー20の第2の表面32と接着剤12のライナー剥離値は約100g/in(39g/cm)未満、例えば、約50g/in(20g/cm)未満および約30g/in(12g/cm)未満である。
【0014】
図3は、両面接着剤テープ10を製造し、両面接着剤テープ10を包装可能な物品50に形成させる一方法を概略的に示している。接着剤12は、ライナー20上にディスペンサー101から分配される。次に、ライナー20および接着剤12は、両面接着剤テープ10を作るために一対のニップロール102の間で互いに貼合される。その後、両面接着剤テープ10は、接着剤12の架橋を引き起こすためにライナー20を通して放射線源103からの放射線を照射される。放射線源103は好ましくはE−ビーム源である。その後、両面接着剤テープ10は、ロールを形成させるために巻き上げることによって包装可能な物品50に形成される。
【0015】
図4は、両面接着剤テープ10を製造し、両面接着剤テープ10を包装可能な物品50に形成させるもう一つの方法を概略的に描いている。この方法は、図3に描かれた方法に似ており、第2のライナー104が追加されている。第2の放射線源106は好ましくはE−ビーム源である。第2のライナー104は、ニップロール102の間で接着剤12および第1のライナー20に送り込まれ、接着剤12および第1のライナー20と合せて貼合される。その後、接着剤テープ10は、第2のライナー104および第1のライナー20を通して、同時または逐次にE−ビーム処理される。その後、第2のライナー104は、別法として接着剤12を露出させるためにロール105によって接着剤テープから除去することが可能である。これは、接着剤12の厚さが、E−ビーム線が一方の側面のみから接着剤12を架橋させるのに十分でないような厚さである時に重要である。
【0016】
本発明は、片面接着剤テープであって、片面接着剤テープの裏地を作るためにライナーが所定の位置に残されるべき片面接着剤テープについても適用可能である。
【0017】
2.ライナー裏地および剥離被膜
A.ライナー裏地
ライナー裏地21のために適する材料には、例えば、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)およびポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、二軸配向ポリプロピレンフィルム(BOPPフィルム))などの高分子フィルム、金属化フィルム、シール紙(例えば、ポリエチレン被覆紙、金属化紙および白土被覆紙)および紙が挙げられる。ライナー裏地21は、第1の表面23および/または第2の表面24上で剥離被膜により被覆することが可能である。
【0018】
B.任意の第1の剥離被膜
ライナー裏地21の第1の表面23上に第1の剥離被膜22が存在する時、剥離被膜22は、当業界で知られている剥離被覆材料を含む従来の剥離被覆材料、例えば、縮合硬化、付加硬化、ラジカル硬化、カチオン硬化およびトリガード縮合硬化の硬化メカニズムを用いる化学薬品を含むことが可能である。別の例についてはPCT公報WO98/40439号明細書および感圧接着剤技術ハンドブック「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」,2nd ed.,Chapter23および24、Van Norstrand Reinhold Co.,Inc.(1989年)を参照すること。
【0019】
C.第2の剥離被膜
ライナー裏地21の第2の表面24上の第2の剥離被膜25はE−ビーム処理に耐える被膜である。シリコーンを第2の剥離被膜25として用いる時、剥離被覆材料は、極性官能基または反応性官能基、特にラジカル反応性官能基が最少で強固に架橋したシロキサン網目を含むことが好ましい。化学結合の開裂はポリマーにE−ビーム線を照射する時に照射されたポリマーの励起状態から起き、それはラジカル形成につながることが知られている。形成されたラジカルの寿命は短く、ラジカルは他のラジカルと再結合して反応性を失うか、ポリマーと反応するか、あるいは他の官能基と反応して、より長い寿命を有するラジカルを生じさせるかのいずれかである。長く生きたラジカルは、例えば、酸素(O2)とさらに反応することが可能であり、照射された材料が酸素含有環境にさらされる時(すなわち、放射線酸化)に以下に概略的に示したように比較的安定な過酸化物を与える。
【0020】
【化1】

【0021】
こうして形成された過酸化物(RO2H)は、接着剤−剥離界面に移行して接着剤とさらに反応(または相互作用)できるように、遙かにより長い寿命を有する。これは、より高いライナー剥離値(比較的好ましくない高い巻き出し力を必要とすることを意味する)またはライナーブロッキングを引き起こす。ライナーブロッキングを避け、第2の剥離被膜25を望ましく機能させるために、剥離被覆材料は、アクリレート官能基、メタクリレート官能基、ビニル官能基および水素化珪素官能基などの最少ラジカル反応性官能基を含むべきである。
【0022】
剥離被膜中の強固に架橋した網目も、一層のラジカル連鎖移動反応を最小化できるように(例えば、E−ビーム処理中に)発生したラジカルの移動度を大幅に制限できるので有用である。強固に架橋した網目を用いる時、極性官能基が接着剤と甚だしく相互作用しないように架橋が非極性リンクであることがより良好である。
【0023】
第2の剥離被膜25がこれらの特性を有する材料を含む時、ライナー20は、両面接着剤テープ10に例えばE−ビーム線源103を照射した後でさえ接着剤12の第2の表面13から剥離する前に第1の表面11から有利に剥離する。
【0024】
シリコーンまたはポリジメチルシロキサンは最も重要で広く用いられる剥離材料である。シリコーンは、炭素−珪素結合と珪素−酸素結合の両方が非極性化学結合である有機珪素化学に基づくポリマーである。非極性であるので、シリコーンは、液体様材料またはゴム様材料をもたらしうる極度に低い分子間力を有する。従って、ラジカル移行に耐える剥離被膜を得るために、ポリマーは一般に架橋される。架橋は、物理的架橋または化学的架橋のいずれかであることが可能である。化学的架橋は、この特許出願で「硬化」とも呼ぶ。
【0025】
シリコーン硬化化学薬品の中で、ラジカル硬化、カチオン硬化およびトリガード縮合硬化はすべて強固に架橋した網目を与えうる。こうした化学薬品からの塗料配合物が長いポットライフを有するからである。しかし、カチオン硬化およびラジカル硬化については、架橋基が極性基(カチオン硬化におけるエーテル基およびラジカル硬化におけるエステル基)であるので、最少極性基と合せて高い架橋密度を達成することが難しい場合がある。従って、カチオン硬化化学薬品およびラジカル硬化化学薬品は、E−ビーム処理され接着剤に貼合される時に必要な剥離を与えない場合がある。しかし、それらを第2の剥離被膜25のために許容できる剥離を有するように配合することが可能である。他方、縮合硬化および付加硬化は、極性基のない(すなわち、それらの架橋が非極性基、例えば、縮合硬化ではSi−O−Siおよび付加硬化ではCH2CH2である)硬化網目を与える場合がある。しかし、実際には、どの化学薬品によっても高度な架橋網目を有することは難しい。これは、縮合硬化について特に当てはまる。こうした化学薬品が一般に被覆するのに短すぎるポットライフを有するからである。付加硬化については、組成物の硬化後に組成物中の一切の残留SiH部分およびSiCH=CH2部分を最小化するために、釣り合った化学量論比を有することも重要である。これらの部分は一般にラジカル反応性である。
【0026】
トリガード縮合硬化は、高い架橋密度、最少極性官能基および最少ラジカル反応性基を有する架橋シリコーン網目を得るために有用なアプローチを与える。こうした一つの硬化化学薬品の詳細はPCT公報WO98/40439号明細書で開示されている。その中で記載されたように、トリガード縮合硬化成分は、架橋剤、酸発生剤(触媒)および任意の反応性希釈剤を含む。リュ(Liu)は、架橋剤、酸発生剤および反応性希釈剤として有用な化合物の多数の例を開示している。
【0027】
架橋剤の好ましい例には、(EtO)3Si(CH28Si(OEt)3、(MeO)3SiCH2CH2Si(OEt)3、(EtO)2MeSi(CH26SiMe(OEt)2、(EtO)3SiCH2CH2(SiMe2O)nSiCH2CH2Si(OEt)3および
【0028】
【化2】

【0029】
などの2個より多い反応性官能基を有するアルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物およびシラノール化合物が挙げられる。式中、mおよびnは独立して約1〜2000の整数である。
【0030】
反応性希釈剤の好ましい例には、
【0031】
【化3】

【0032】
などのシラノール末端シロキサン、アルコキシシラン末端シロキサンおよびアセトキシシラン末端シロキサンが挙げられる。
【0033】
架橋密度は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の鎖長または反応性希釈剤および/または高分子架橋剤を用いるなら架橋剤のいずれかの中のPDMS中の個々の反復単位の長さを調節することにより制御される。nの値は、架橋点の間の鎖長に関連付けられる架橋間の平均重合度(すなわち架橋密度)を表し、第2の剥離被膜25に関して約50未満、好ましくは約20未満、より好ましくは約12未満、例えば約8の値を有するのがよい。通常、PDMS鎖長が短ければ短いほど、または反復単位の数が小さければ小さいほど(すなわち、より小さいn)、硬化したシリコーン網目の架橋密度は高い。
【0034】
触媒の好ましい例には、R2PhI+SbF6-およびR2PhI+B(PhF54-などのヨードニウム塩、スルホニウム塩および弗素化エステルが挙げられ、式中、Rは脂肪族有機基、例えばドデシルである。
【0035】
D.剥離ライナーを製造する一般手順
剥離ライナーを被覆するために、いかなる方法も用いることが可能である。典型的な剥離被膜重量は、約0.2g/m2より重く、より典型的には約0.7g/m2〜約1.9g/m2である。E−ビーム処理されたライナー裏地において観察されるライナー剥離値は、塗布量と用いられる特定のライナー裏地の両方によって異なる。異なるライナー裏地材料のために異なる塗布量を用いる例は実施例1で見ることができる。
【0036】
例えば、充填剤、酸化防止剤、粘度調整剤、顔料、剥離調整剤などの添加剤は、最終製品の所望の特性を変えない程度に第1の剥離被膜と第2の剥離被膜(22および25)の両方に添加することが可能である。
【0037】
一旦剥離塗料配合物を選択すると、成分は混合され、コーターに送られる。有用な被覆方法には、例えば、バーコーティング、ロールコーティング(例えば、グラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング(3−ロールコーティングとも呼ばれる)および5−ロールコーティング)、スプレーコーティング、カーテンコーティングおよびブラシコーティングが挙げられる。
【0038】
剥離塗料配合物は、100%固形物または溶液のいずれかからライナー裏地上に直接被覆される。有用なライナー裏地には、ポリエステル(例えばPET)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸配向ポリプロピレン(BOPP))、ポリ被覆紙、金属化紙、白土シール紙および金属化フィルムが挙げられるが、それらに限定されない。ライナー裏地の表面は、例えば、下塗剤、コロナ処理または火炎処理によりライナー裏地への剥離被膜定着を化学的または物理的に強化するために、さらに処理してもよい。
【0039】
剥離被膜をライナー裏地上に被覆した後、被覆されたライナー裏地は、系の要件に応じて、例えば、紫外線(UV)または熱放射によって硬化される。有用なUV線の例には、H FUSIONランプ(メリーランド州ロックビルのフュージョン・UV・キュアリング・システムズ(Fusion UV Curing Systems(Rockville,MD))によって市販されている)および中圧水銀ランプなどの高強度UV線が挙げられる。溶媒系配合物を剥離塗料として用いる時、溶媒を除去するためにUV硬化前に熱オーブン内の処理も必要な場合がある。
【0040】
この一般手順は、第1の剥離被膜21と第2の剥離被膜25の両方のために機能する。一般に、第1の剥離被膜21は第2の剥離被膜25の前に被覆される。あるいは、第1の剥離被膜21と第2の剥離被膜25の両方は同時に被覆し硬化させてもよい。
【0041】
3.接着剤
多様な異なるポリマー樹脂およびポリマー樹脂のブレンドは接着剤12中で用いるために適し、溶融押出加工のために適する樹脂が最も望ましい。特定の樹脂は、最終物品の所望の特性に基づいて選択される。接着剤12中で有用なポリマー樹脂の種類の例は、米国特許第6,103,152号明細書で見られる。化学的組成が異なる二種以上のアクリレートポリマーをブレンドすることが望ましい場合がある。ブレンド成分の種類および濃度の操作によって、広範囲の物理的特性を得ることが可能である。
【0042】
接着剤12のために有用なポリマーの一つの種類には、アクリレートポリマーおよびコポリマーならびにメタクリレートポリマーおよびコポリマーが含まれる。こうしたポリマーは、例えば、炭素原子数1〜約20(例えば、炭素原子数3〜18)のアルキル基を有する非第三アルキルアルコールの一種以上のモノマーアクリル酸エステルまたはモノマーメタクリル酸エステルを重合することにより作られる。適するアクリレートモノマーには、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレートおよびドデシルアクリレートが挙げられる。対応するメタクリレートも有用である。芳香族アクリレートおよび芳香族メタクリレート、例えば、ベンジルアクリレートおよびシクロベンジルアクリレートも有用である。
【0043】
任意に、一種以上のモノエチレン系不飽和コモノマーをアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーと重合させてもよい。コモノマーの特定の種類と量は、ポリマーの所望の特性に基づいて選択される。有用なコモノマーの一群には、(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレートまたはメタクリレート)ホモポリマーのガラス転移温度より高いホモポリマーガラス転移温度を有するコモノマーが挙げられる。この群内に入る適するコモノマーの例には、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、置換アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミドなど)、イタコン酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、イソボルニルアクリレート、シアノエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、無水マレイン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアクリルアミド、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、ネオデカン酸のビニルエステル、ネオノナン酸のビニルエステル、ネオペンタン酸のビニルエステル、2−エチルヘキサン酸のビニルエステルまたはプロピオン酸のビニルエステル(例えば、「バイネート」(「Vynates」)という商品名で、コネチカット州ダンベリーのユニオン・カーバイド(Union Carbide Corp.(Danbury,CT))から入手可能)、塩化ビニリデン、スチレン、ビニルトルエンおよびアルキルビニルエステルが挙げられる。
【0044】
アクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーと重合してもよいモノエチレン系不飽和モノマーの第2の群には、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度より低いホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有するモノエチレン系不飽和モノマーが挙げられる。この種類内に入る適するコモノマーの例には、エチルオキシエトキシエチルアクリレート(Tg=−71℃)およびメトキシポリエチレングリコール400アクリレート(TG=−65℃、「NK Ester AM−90G」という商品名で、シンナカムラ・ケミカル(Shin Nakamura Chemical Co.,Ltdから入手可能)が挙げられる。
【0045】
接着剤12中で有用なポリマーの第2の種類には、ポリオレフィンおよびポリオレフィンコポリマー(例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなどの炭素原子数約2〜約8の間のモノマーに基づくポリマー樹脂)、ポリエステルおよびコポリエステル、ポリアミドおよびコポリアミド、弗素化ホモポリマーおよびコポリマー、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド)、ポリビニルアルコール、イオノマー(例えば、塩基で中和されたエチレン−メタクリル酸コポリマー)および酢酸セルロースなどの半結晶性ポリマー樹脂が挙げられる。この種類のポリマーの他の例には、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、芳香族エポキシ、ポリカーボネート、非晶質ポリエステル、非晶質ポリアミド、ABSブロックコポリマー、ポリフェニレンオキシドアロイ、イオノマー(例えば、塩で中和されたエチレン−メタクリル酸コポリマー)、弗素化エラストマーおよびポリジメチルシロキサンなどの非晶質ポリマーが挙げられる。
【0046】
接着剤12中で有用なポリマーの第3の種類には、紫外線活性化性基を含むエラストマーが挙げられる。その例には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレンとジエンのランダムコポリマーおよびブロックコポリマー(例えば、SBR)およびエチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴムが挙げられる。ポリマーのこの種類は、典型的には粘着性付与樹脂と組み合わされる。
【0047】
接着剤12中で有用なポリマーの第4の種類には、非光重合性モノマーから調製された感圧接着剤およびホットメルト被着接着剤が挙げられる。こうしたポリマーは接着剤ポリマー(すなわち、固有に接着剤であるポリマー)、または固有には接着剤ではないが可塑剤または粘着性付与剤などの化合物と配合された時に接着剤組成物を形成することが可能であるポリマーであることが可能である。特定の例には、ポリアルファオレフィン(例えば、ポリオクテン、ポリヘキセンおよびアタクチックポリプロピレン)、ブロックコポリマー系接着剤、天然ゴムおよび合成ゴム、シリコーン接着剤、エチレン−酢酸ビニル、およびエポキシ含有構造接着剤ブレンド(例えば、エポキシ−アクリレートおよびエポキシ−ポリエステルブレンド)が挙げられる。
【0048】
接着剤12は、その中に他の成分を任意に有してもよい。最終製品の所望の特性を変えない程度に、充填剤、酸化防止剤、粘度調整剤、顔料、粘着性付与樹脂および繊維などの通常の添加剤を接着剤12に添加することも可能である。
【0049】
好ましい任意の添加剤は顔料または光遮断充填剤である。顔料として一般に用いられるいかなる化合物も、最終製品の所望の特性を変えない限り用いることが可能である。代表的な顔料には、カーボンブラックおよび二酸化チタンが挙げられる。顔料の量も製品の所望の用途に応じて決まる。一般に、顔料の濃度は、約0.10重量%より高い。好ましくは、顔料の濃度は、接着剤12に不透明色を与えるために約0.15重量%より高く、より好ましくは、約0.18重量%より高い。
【0050】
接着剤12の厚さは製品の用途に応じて異なる。特定の発泡接着剤製品の場合、好ましくは、接着剤12の厚さは約250μmより厚い。より好ましくは、厚さは約500μmより厚い。
【0051】
4.電子ビーム線
本発明において用いられる接着剤12は、好ましくは放射線によって架橋される。接着剤12は、両面接着剤テープ10に高い強度などのより望ましい特性を付与するために架橋される。架橋する一方法は電子ビーム(「E−ビーム」)線を用いる。E−ビーム線は、高顔料接着剤、充填剤入り接着剤および接着剤の比較的厚い層などの、他の方法では架橋できないポリマーを架橋することができるので有利である。
【0052】
E−ビーム線は、ラジカル鎖反応を開始させることにより接着剤の架橋を引き起こす。E−ビームからの電離放射線はポリマー中に直接吸収され、架橋プロセスを開始させるラジカルを発生させる。一般に、約100KeVの電子エネルギーが化学結合を破壊し、そしてポリマー系の成分をイオン化するか、または励起させるために必要である。従って、生成された散乱電子は、接着剤全体を通して大集団のラジカルを生じさせる。これらのラジカルは重合反応を開始させる。この重合プロセスは三次元架橋ポリマーを生じさせる。
【0053】
E−ビーム加工装置はこのプロセスのために放射線を供給する。一般に、加工装置は、電源およびE−ビーム加速チューブを備える。電源は、電流を増加させ、整流し、加速器はE−ビームを発生させ焦点に集め、走査を制御する。E−ビームは、例えば、高電圧でタングステンフィラメントに電圧を印加することにより生じさせてもよい。これは、電子を高速で発生させる。その後、これらの電子は高エネルギービームを形成させるために集中され、電子銃内部で全速に加速される。加速器チューブの側の電磁石は、ビームの偏向または走査を可能にする。
【0054】
走査の幅および深さは、それぞれ約61〜183cmから約10〜15cmまで異なる。スキャナー開口は、電子の通過を可能にするが高真空を維持する金属薄フォイル、通常はチタンで覆われる。加速器の特徴的電力、電流および線量率は、それぞれ約200〜500keV、約25〜200ミリアンペア(mA)および約1〜10メガラド(Mrads)である。
【0055】
以下の非限定的な実施例を参照することにより本発明をより完全に理解するであろう。
【実施例】
【0056】
実施例において示したすべての量は特に明記しない限り重量部である。「室温」は特に明記しない限り22℃である。実施例において、特に指定がない限り、E−ビーム処理を完全窒素パージ条件下で行った。酸素レベルを監視した時、酸素レベルは典型的には酸素10ppm未満であり、大抵は酸素2.5ppm未満であった。これは、「低酸素レベル」と実施例において呼んでいる。
【0057】
試験方法
ライナー剥離
実施例におけるように作成された幅約6インチ(15cm)×長さ約18インチ(46cm)のライナーシートの被覆された側面を実施例で規定されたように幅約6インチ(15cm)×長さ約18インチ(46cm)の発泡テープシートに貼合せた。4.5lb(2.0kg)のゴムローラーを用いてライナーを発泡テープ上でならした。作成した貼合せ体から幅1インチ(2.5cm)×長さ6インチ(15cm)のサンプル帯を切り出した。
【0058】
実施例で規定されたように試験テープを放置してライナーと接触させて保持した後、マサチューセッツ州アコードのアイマス(IMASS,Inc.(Accord(Hingham),MA))によって市販されている「I−MASS」テスター(Model SP−2000滑り/剥離テスター)を用いて180度および90in/分(229cm/分)の引き剥がし速度で発泡テープからライナーを除去するのに必要な力を測定した。ライナー剥離は5秒の試験時間にわたる積分平均を用いてグラム/in(g/in)で測定し、グラム/センチメートル(g/cm)に換算した。
【0059】
90度引き剥がし粘着力
「ライナー剥離試験方法」のために作成された貼合せ体から幅1インチ(2.5cm)×長さ6インチ(15cm)のサンプル帯を切り出した。厚さ5ミル(0.127mm)×幅1.12インチ(2.86cm)の陽極処理アルミニウムの帯を試験ライナーとは反対側の発泡テープの側面に貼合せた。
【0060】
その後、ライナーを除去し、発泡テープの露出接着剤側面をステンレススチール、アルミニウムまたはガラスの試験パネルのいずれかに接着させた。接着させたサンプルを試験前に放置して規定時間にわたり室温で保持した。90度引き剥がし粘着力を12in/分(30cm/分)の引き剥がし速度で決定し、マサチューセッツ州カントンのインストロン・コーポレーション(Instron Corporation(Canton,MA))から市販されているINSTRONテスターを用いて測定した。90度引き剥がし粘着力はポンド/インチ幅(piw)で測定し、ニュートン/cm(N/cm)に換算した。
【0061】
[実施例1]
この実施例において、プロセス工程の順序を変えた時のライナー剥離値に及ぼすE−ビーム線の影響を決定した。
【0062】
シリコーン組成物を次の方法によって調製した。85部のシラノール末端ポリジメチルシロキサン(「ゲレスト」(GELEST DMS−S12)で、ペンシルバニア州タリータウンのゲレスト(Gelest,Inc.(Tullytown,PA))から入手可能)、15部のビストリエトキシシリルオクタン(「ゲレスト」(GELEST SIB−1824)で、ペンシルバニア州タリータウンのゲレスト(Gelest,Inc.(Tullytown,PA))から入手可能)および2部のビスドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを十分にブレンドされるまで(約10分)混合しつつ室温で組み合わせた。200ライン/in(78ライン/cm)のグラビアロールを有する3Roll Offset Gravure Coater(ミネソタ州ミネアポリスのストラブ(Straub)(Minneapolis,MN))によって市販されている)を用いて、約0.8g/m2の塗布量で厚さ2ミル(0.0508mm)の火炎処理済み二軸配向ポリプロピレン(BOPP)ライナー裏地の一方の側面上に、および厚さ2ミル(0.0508mm)の下塗ポリエステルテレフタレート(PET)フィルム(HOSTAPHAN PETライナー裏地と以後呼ぶ、サウスカロライナ州グリーアの三菱ポリエステル(Mitsubishi Polyester(Greer,SC))によって市販されている)の一方の側面上に得られた組成物を被覆した。
【0063】
動力設定125ワット/inで一個の中圧水銀灯を有するメリーランド州ロックビルのフュージョン・UV・キュアリング・システムズ(Fusion UV Curing Systems(Rockville,MD))によって市販されているGEO AETEK International Model QC250244ANIR硬化チャンバを用いて、バージニア州スターリングのEIT Inc.(Sterling,VA)によって市販されているUVCモードにあるUV POWER PUCKによって測定して合計エネルギー40ミリジュール/平方センチメートル(mJ/cm2)のUVC超紫外線に、被覆済みBOPPライナー裏地および被覆済みPETライナー裏地を供して、それぞれ「ライナーA」および「ライナーB」を作成した。「ライナーC」は、イリノイ州ウェストチェスターのダウバート・コーテッド・プロダクツ(Daubert Coated Products(Westchester,IL))によって市販されている両方の側面に7200/7200シリコーンを有する厚さ2ミル(0.0508mm)のPETライナー裏地であった。
【0064】
0.5重量%のカーボンブラックを含む厚さ62ミル(1.57mm)のアクリル発泡接着剤テープであって、厚さ58ミル(1.47mm)の非架橋アクリル発泡コアと、発泡コアの両方の側面に貼合された厚さ2ミル(0.0508mm)の架橋アクリル感圧接着剤と一方の接着剤上の剥離ライナーを含むアクリル発泡接着剤テープを以下のように修正した米国特許第6,103,152号明細書の実施例1に明示されたプロセスによって製造した。ホットメルト組成物10(90部の2−エチルヘキシルアクリレートおよび10部のアクリル酸を含む)をニューヨーク州バッファローのピアス・スチーブンス(Pierce Stevens(Buffalo,NY))によって市販されている1.0重量%のF−100D発泡性高分子微小球およびミネソタ州イーガンのポリ・ワン・コーポレーション(Poly One Corporation(Eagan,MN))によって市販されているエチレン酢酸ビニル樹脂中の50%カーボンブラック顔料コンセントレート1重量%(4900CMB)と組み合わせ、フィルム接着剤を発泡コアの両方の側面に貼合せた。
【0065】
6メガラドの線量および300keVの加速電圧を有するE−ビーム線のライナー剥離に及ぼす影響を評価するために4種の異なる方法を用いた。サンプルを処理するために、マサチューセッツ州ウィルミントンのエネルギー・サイエンシーズ(Energy Sciences Inc.)(ESI)のELECTROCURTAIN CB−300 E−Beam装置(Wilmington,MS)を用いた。一方の側面にライナーA、BまたはCを有する接着剤発泡テープの貼合せサンプルを作成し、以下の条件下で試験した。
【0066】
条件1:試験ライナーの被覆済み側面をE−ビーム処理した。接着剤発泡テープの接着剤側面を別個にE−ビーム処理した。4.5lb(2.0kg)のローラーを用いて、直ちに(すなわち、30〜60秒以内)試験ライナーのE−ビーム処理済み側面を接着剤発泡テープのE−ビーム処理済み側面に貼合せた。
【0067】
条件2:接着剤発泡テープの接着剤側面をE−ビーム処理した。その後、4.5lb(2.0kg)のローラーを用いて、試験ライナーの被覆済み側面を接着剤発泡テープのE−ビーム処理済み側面に直ちに貼合せた。
【0068】
条件3:試験ライナーの被覆済み側面をE−ビーム処理した。その後、4.5lb(2.0kg)のローラーを用いて、試験ライナーのE−ビーム処理済み側面を接着剤発泡テープの接着剤側面に直ちに貼合せた。この条件は、ライナーの第2の側面のための被膜(ライナー20の第2の被膜25)としての剥離材料の有用性を試験した。
【0069】
条件4:4.5lb(2.0kg)のローラーを用いて試験ライナーの被覆済み側面を接着剤発泡テープの接着剤側面に貼合せた。その後、貼合せ体を試験ライナーの非被覆(露出)側面でE−ビーム処理した。この条件は、ライナーの第1の側面のための被膜(ライナー20の第1の被膜22)としての剥離材料の有用性を試験した。
【0070】
E−ビーム処理を低酸素レベル(すなわち、10ppm未満、典型的には2.5ppm未満)で行った。
【0071】
室温で約24時間保持した後に上述した「試験方法」に従ってサンプルの剥離特性を試験した。ライナー、条件および剥離値を表2に示している。
【0072】
【表1】

【0073】
データから、ライナー剥離に関して最も悪い条件は条件3であることが分かる。平均ライナー剥離値は、条件2に関する26g/in(10g/cm)から条件3下でライナーCに関して1912g/in(753g/cm)に増加した。これは、剥離を1134g/in(446g/cm)に増加させた、試験ライナーおよび接着剤発泡テープに別個にE−ビーム照射し、その後互いに貼合せる(条件1)よりライナー剥離に対して遙かにより悪かった。これは、第2の最も悪い条件であった。ライナーと接着剤発泡テープを一緒にE−ビーム処理する(条件4)のは、条件2に似てライナー剥離の増加に殆ど影響を及ぼさなかった。条件2に関するライナー剥離は、接着剤表面がより架橋されるために低下さえしかねなかった。
【0074】
ライナーBは、最良の性能およびE−ビーム処理への耐性を有していた。最低試験条件(条件2)での18g/in(7g/cm)の平均ライナー剥離は、最も厳しい試験条件(条件3)では85g/in(33g/cm)に増加した。同じシリコーン剥離被膜および近い塗布量を有するライナーAはライナーBと同様には機能しなかった。これは、ライナー裏地が剥離性能に影響を及ぼし、ライナーを製造する時にそれを考慮するべきことを示している。
【0075】
条件3は、剥離ライナーのE−ビーム安定性を評価するために最良の条件として特定された。この条件は、ライナーを通した接着剤発泡テープの実際のE−ビーム処理、および連続プロセスにおける巻き取りを模擬している。このプロセスにおける接着剤発泡テープの非E−ビーム処理側面は、ロールに巻き上げられた時にE−ビーム処理されたライナー表面と接触する。
【0076】
[実施例2aおよび2b]
接着剤発泡テープへの貼合せに先立つ室温での熟成のE−ビーム処理済みシリコーンライナーに及ぼす影響を決定した。
【0077】
6メガラドの線量および300keVの加速電圧でE−ビームを実施例1の試験ライナーA、BおよびCに被覆済み側面を通して低酸素レベルで照射した。その後、照射したサンプルを室温で表3に示したように5日または19日にわたり熟成させた。試験ライナーのE−ビーム処理済み側面を実施例1の接着剤発泡テープの非E−ビーム処理接着剤側面に貼合せ、その後、室温で約2日(実施例2a)または約1日(実施例2b)の保持時間後、貼合せたサンプルのライナー剥離を実施例1のように試験した。
【0078】
これらの結果は、実施例1の24時間後の条件3のライナー剥離値と比較することが可能である。ライナー剥離に及ぼすE−ビームの影響は、E−ビーム処理済み試験ライナーを接着剤発泡テープの接着剤側面に貼合せる前に経時的に減少した。結果を以下の表3に示している。
【0079】
[実施例3]
室温でのE−ビーム処理済みライナーの剥離特性に及ぼす第2のE−ビーム処理の影響を決定した。
【0080】
実施例1の試験ライナーA、BおよびCを被覆済み側面上で6メガラドおよび300keVの加速電圧の第1のE−ビーム処理に供した。室温で19日後、ライナーA、BおよびCの一旦照射した被覆済み側面を6メガラドおよび300keVの加速電圧の第2のE−ビーム処理に供した。その後、試験ライナーのE−ビーム処理済み側面を実施例1の接着剤発泡テープの接着剤側面に直ちに貼合せた。すなわち、実施例1の条件3。室温での約1日の保持時間後に、貼合せサンプルのライナー剥離を実施例1のように試験した。結果を以下の表3に示している。
【0081】
【表2】

【0082】
データから、これらの実施例に関して、試験ライナーを接着剤発泡テープに貼合せる前にE−ビーム処理済み試験ライナーを室温で熟成した時にライナー剥離が減少したことが分かる。これは、シリコーンライナー剥離に及ぼすE−ビーム線の影響が必ずしも永続的ではないことも示している。しかし、E−ビーム線の第2の照射後(実施例3)、ライナー剥離は、接着剤発泡テープの接着剤側面に貼合せた熟成しなかったE−ビーム処理済み試験ライナー(実施例1)のレベルに増加した。これは、第2のE−ビーム照射の影響からライナー剥離を安定化させるために、シリコーンライナーをE−ビーム線で前処理できないことを示している。
【0083】
[実施例4]
粘着力に及ぼすシリコーン剥離被膜およびE−ビーム処理の影響を決定するために、実施例1で作成されたサンプルの90度引き剥がし粘着力を試験した。上述した「90度引き剥がし粘着力試験方法」に従ってサンプルを作成し試験した。4日の室温保持後にステンレススチール(SS)アルミニウムおよびガラスの三種の基板を試験した。試験結果を表4に示している。
【0084】
【表3】

【0085】
データから、粘着力結果が条件3および4の試験のサンプルで最善であったことが分かる。条件3のライナーは最高のライナー剥離も有していた。これは、E−ビーム処理済みシリコーン被膜が引き剥がし粘着力に著しくは影響を及ぼさないが、ライナー剥離力に大幅に影響を及ぼすことを示している。
【0086】
条件1および2に関するより低い粘着力結果は、接着剤発泡テープがどのようにE−ビーム処理されたかに関連づけることが可能である。接着剤発泡テープのE−ビーム処理は、発泡テープの表面上で接着剤を一層架橋させ、それはテープの粘着力を低下させる。粘着力の最悪条件は、低酸素条件におけるライナーのない接着剤発泡テープのE−ビーム処理である(条件1および2)。この接着剤発泡テープのために粘着力を維持する最善の方法は、ライナーを通して接着剤発泡テープをE−ビームで架橋させることである(条件4)。
【0087】
[実施例5]
ライナー剥離に及ぼすE−ビームチャンバ内の酸素濃度の影響を決定した。
【0088】
酸素の濃度は、E−ビーム処理プロセスにおいて制御でき、ライナー剥離および恐らくライナーのないE−ビーム架橋済み接着剤の粘着力に影響を及ぼすことが見出された一つの変数である。本発明者らは、チャンバ内の酸素の量(または生成した過酸化物の量)が剥離表面の酸化の程度に直接関連すると考えている。これは次にライナー剥離に影響を及ぼす。
【0089】
E−ビームチャンバ内の酸素の量を変えたことを除き、6メガラドの線量および300keVの加速電圧を用いて実施例1の条件3下で実施例1のライナーBを試験した。E−ビームチャンバの開口を通した測定された酸素の導入によってE−ビーム照射チャンバ内の酸素レベルを制御した。E−ビームチャンバの雰囲気制御装置への所望量の酸素の放出によって酸素レベルを制御した。ペンシルバニア州パオリのアメテック(Ametek(Paoli,PA))から入手可能なAMETEK Thermox CG−1000酸素分析装置によってE−ビームチャンバ内の酸素レベルを監視した。
【0090】
上述した「試験方法」に従ってライナー剥離について試験する前に、貼合せサンプルを放置して約24時間にわたり室温で保持した。表5で報告された平均酸素レベルおよび酸素の範囲に関する値は、試験ライナーのE−ビーム処理の持続時間にわたって観察された読みである。試験結果を表5に示している。
【0091】
【表4】

【0092】
データから、E−ビームチャンバ内の酸素レベルがライナー剥離に著しい影響を及ぼすことが分かる。酸素レベルが増加するにつれて、ライナー剥離は増加する。E−ビームチャンバ内の酸素レベルは、接着剤テープがライナーを通して処理される時は常に好ましくは約150ppm未満、好ましくは約100ppm未満、より好ましくは約50ppm未満、なおより好ましくは約25ppm未満、最も好ましくは約10ppm未満である。
【0093】
[比較例6]
E−ビーム安定性のために入手できる従来の最良のシリコーンライナーを決定するために、イリノイ州ウェストチェスターのダウバート・コーテッド・プロダクツ(Daubert Coated Products,Inc.(Westchester,IL))によって市販されている市販の5種の厚さ2ミル(0.0508mm)の標準シリコーン被覆ポリエステル(PET)ライナーを評価した。各シリコーンライナーの異なる2ロットを評価した。それらをロール番号1および1Aとして識別する。PETライナー基板が剥離被膜のための最良の基板と思われ、最良のE−ビーム安定性を有すると思われたので、PETライナー基板を選択した。
【0094】
これらのライナーを低酸素レベルで実施例1の条件3に従ってE−ビーム処理し、実施例1の接着剤発泡テープに貼合せた。貼合せたサンプルを放置して室温で約24時間にわたり保持し、その後、実施例1で用いた「試験方法」に従ってサンプルのライナー剥離を試験した。試験結果を以下の表6に示している。
【0095】
【表5】

【0096】
試験した市販の最良シリコーン被覆PETライナーPEST8000Aは、条件3での試験後に約300g/in(118g/cm)の剥離値を有していた。これは、85g/in(33g/cm)の剥離値を有していた実施例1のライナーBより大幅に高かった(すなわち、3倍)。
【0097】
[実施例7a〜7g]
ライナー剥離に及ぼすシリコーン配合、UV強度、ライン速度およびシリコーン塗布量の影響を決定するために、以下のライナーを評価した。実施例1の成分および手順ならびに以下の表7の成分量を用いて、7種のシリコーンライナーサンプルを作成した。実施例1の3Roll Gravure Coaterを用いて、サウスカロライナ州グリーアの三菱ポリエステル(Mitsubishi Polyester(Greer,SC))によって市販されている厚さ2ミル(0.0508mm)のHOSTAPHAN PETライナー裏地の一方の側面上に、得られた組成物をそれぞれ被覆した。その後、メリーランド州ロックビルのフュージョン・UV・キュアリング・システムズ(Fusion UV Curing Systems(Rockville,MD))によって市販されているFUSION−Hバルブが装着されたFusion Systems Curing Unitを用いて、被覆した基板を紫外(UV)線により表7に規定した条件下でそれぞれ硬化させた。上述したバルブは118ワット/cmの電力を有していた。
【0098】
ライナーを実施例1の接着剤発泡テープに貼合せ、条件3および低酸素レベル下で実施例1におけるようにライナーのライナー剥離特性を試験した。
【0099】
室温で約24時間後に上述した「試験方法」に従ってサンプルのライナー剥離を試験した。用いられたライナー組成物、UV電力設定、被覆ライン速度、塗布量およびライナー剥離値を表7に示している。
【0100】
【表6】

【0101】
[実施例8]
90グラムのGELEST DMS−S12、10グラムのGELEST SIB−1824および2グラムのヘキサフルオロアンチモネートヨードニウム塩の成分を用いて0.7g/m2の概略塗布量で実施例1におけるように調製されたシリコーン組成物をサウスカロライナ州グリーアの三菱ポリエステル(Mitsubishi Polyester(Greer,SC))によって市販されているHOSTAPHAN PETライナー裏地の両方の側面に被覆した。PETフィルムの一方の側面に被覆し、その後、第2の側面に被覆した。ライン速度は50フィート/分(38m/分)であった。約40mJのUVCエネルギー線を提供する125ワット/in(49ワット/cm)の電力設定を用いて実施例1のUV硬化プロセスに被覆済みPETフィルムを両面ともに供して、側面A(第1の被覆トリップ)および側面B(第2の被覆トリップ)を有するライナーLを作成した。
【0102】
接着剤は、厚さ45ミル(1.14mm)のアクリル接着剤発泡テープであって、厚さ40ミル(1.016mm)の黒色の非架橋アクリル発泡コアと、発泡コアの両方の側面上に共押出された厚さ2.5ミル(0.0635mm)の非架橋アクリル感圧接着剤とを含むアクリル接着剤発泡テープであった。接着剤は米国特許第6,103,152号明細書の実施例31に記載されたプロセスによって製造し、発泡層と接着剤層の両方のための「ホットメルト組成物10」、および1重量%の4900CMB(顔料コンセントレート)を有していた。
【0103】
ライナーLの側面Aを低酸素環境で300keV/6メガラドによりE−ビーム処理した。その後、ライナーLの側面Aを接着剤発泡テープへの実施例1貼合せ体の条件3におけるように接着剤発泡テープと組み合わせた。接着剤発泡テープを実施例1の条件3におけるようにライナーLの側面Bと組み合わせてサンプルを同様に作成した。マサチューセッツ州アコードのアイマス(IMASS,Inc.(Accord(Hingham),MA))によって市販されている「I−MASS」テスター(Model SP−2000滑り/剥離テスター)を用いて、実施例1におけるように約24時間室温で保持後にライナー剥離を測定した。結果を以下の表8に示している。
【0104】
【表7】

【0105】
[実施例9]
厚さ5ミル(0.127mm)の下塗剤入り共押出三層ポリエチレン(PE)フィルムライナー裏地および厚さ5ミル(0.127mm)の下塗なし共押出三層ポリエチレン(PE)フィルムライナー裏地から6種のライナーサンプルを作成した。三層ポリエチレンフィルムライナー裏地は、厚さ0.5ミル(0.0127mm)の低密度ポリエチレン、厚さ4.0ミル(0.102mm)の高密度ポリエチレンおよび厚さ0.5ミル(0.0127mm)の中密度ポリエチレンを含んでいた。ライナーは50より高いダインレベルに火炎処理した。三層ライナー裏地に種々の塗布量でシリコーン組成物を低密度ポリエチレン側で被覆した。シリコーン組成物を被覆する前にPEライナー裏地を下塗する影響を決定するために、ライナーを異なるレベルの下塗剤で処理した。
【0106】
上述したPEフィルムの火炎処理済み低密度ポリエチレン側にシリコーン組成物(85グラムのGELEST DSM−S12、15グラムのGELEST SIB−1824および2グラムのヘキサフルオロアンチモネートヨードニウム塩)を被覆することにより、二種の試験ライナー(試験ライナーMおよびN)を実施例7におけるように作成し、合計で40mJのUVCエネルギーについて電力設定125ワットを用いて50フィート/分(15m/分)の速度で実施例1におけるように硬化させた。試験ライナーMおよびNをそれぞれ0.9g/m2および1.9g/m2の塗布量で作成した。
【0107】
ポリイソボルニルアクリレート、2重量%イルガノックス(IRGANOX)1010(ニューヨーク州ホーソンのチガガイギー(Ciba−Geigy Corporation(Hawthone,NY))によって市販されている)および酢酸エチルの混合物を含む固形物含有率5重量%の下塗剤溶液の層をPEライナー裏地の火炎処理済みポリエチレン側に0.1g/m2または0.7g/m2の塗布量で被覆し、オーブン内で乾燥させたことを除いて試験ライナーMおよびNのように、4種の試験ライナー(試験ライナーO、P、QおよびR)を作成した。その後、乾燥させた下塗剤層上にシリコーン組成物を被覆した。第2の操作でシリコーン塗料を被覆する前に、下塗剤を被覆し、オーブン内で乾燥させた。
【0108】
その後、低酸素レベル下で6メガラドの線量および300keVの加速電圧でライナーにE−ビームを照射した。その後、ライナーの照射された側面を直ちに(1分以内)実施例1の条件3に従って実施例8で用いられた接着剤発泡テープに貼合せた。
【0109】
下塗剤組成物およびシリコーン組成物の塗布量を表9に示している。室温で約24時間の保持時間後に貼合せ体のライナー剥離を実施例8におけるように試験した。結果を以下の表9に示している。
【0110】
【表8】

【0111】
上の結果は、火炎処理済みPEフィルム(試験ライナーN)または軽く下塗したPEフィルム(すなわち、0.1g/m2、試験ライナーP)の両方の上に1.9g/m2の高シリコーン塗布量を有することの重要性を示している。低シリコーン塗布量(試験ライナーMおよびO)は、E−ビーム処理後に、より好ましくない剥離値(すなわち、280g/in(110.24g/cm)より高い)を有する。0.7g/m2のより高い下塗剤塗布量は、より低いシリコーン塗布量(試験ライナーQ)の使用を見込んでいる。これらのライナー(試験ライナーQおよびR)は、6メガラドの線量および300keVの加速電圧でライナーにE−ビームを照射した後に許容できる剥離値を有する。
【0112】
[実施例10aおよび10b]
40〜60ダインの間の処理レベルを用いて両方の側面でコロナ処理された厚さ5ミル(0.127mm)の両面差別的剥離のポリエチレンライナーを次のように作成した。
【0113】
側面1:ゼネラル・エレクトリック(General Electric(Waterfort,NY))によってすべて市販されている40グラムのUV9430(エポキシシリコーン)、60グラムのUV9315(エポキシシリコーン)および2グラムのUV9380を室温で混合することにより剥離塗料溶液を調製した。電力設定1.4kWおよびライン速度100fpm(30m/分)でコロナ処理され、ライン速度50fpm(15m/分および40mJ/cm2より高いUVCエネルギーでメリーランド州ロックビルのフュージョン・UV・キュアリング・システムズ(Fusion UV Curing Systems(Rockville,MD))によって市販されている300W/in(118w/cm)を用いて硬化された実施例9の厚さ5ミル(0.127mm)のポリエチレンフィルムライナー裏地の第1の側面上にミネソタ州ミネアポリスのストラブ(Straub(Minneapolis,MN))によって市販されている3Roll Offset Gravure Coaterを用いて、得られた剥離塗料溶液を被覆した。乾燥塗布量は約0.8g/m2であった。こうして作成された片面被覆ライナー裏地をロールに巻き上げた。
【0114】
側面2:上の片面被覆ライナー裏地を巻き出し、実施例8の剥離塗料組成物を裏地の第2の(被覆されていない)側面上に被覆した。第2の側面上に剥離組成物を被覆する前に、ライナー裏地の第2の側面を電力設定1.4kWおよびライン速度100fpm(30m/分)でコロナ処理した。ライナー裏地の第2の側面上に剥離組成物を被覆した後、剥離組成物を側面1上の剥離塗料組成物と同じ条件で硬化させた。乾燥塗布量は約1.5g/m2であった。
【0115】
試験ライナーの側面1を実施例8の接着剤発泡テープに貼合せ、試験ライナーの露出側を通して低酸素レベル下で6メガラドの線量および300keVの加速電圧でE−ビーム処理する(実施例1の条件4)ことにより実施例10aを作成した。
【0116】
試験ライナーの側面2を低酸素レベル下で6メガラドの線量および300keVの加速電圧でE−ビーム処理し、直ちに試験ライナーの側面2を実施例8の接着剤発泡テープに貼合せる(実施例1の条件3)ことにより実施例10bを作成した。
【0117】
実施例10aおよび実施例10bの貼合せサンプルを放置して室温で約24時間にわたり保持し、その後、貼合せサンプルのライナー剥離を試験した。結果を表10に示している。
【0118】
【表9】

【0119】
この試験ライナーは、室温で一週間を超えてロールに巻き上げられていた後に巻き出された時にライナーコンフュージョンを示さなかった。このライナーは、接着剤を架橋するとともに最大粘着力を維持するようにライナーを通してE−ビーム処理された接着剤物品の製造を見込んでいる。
【0120】
[比較例11a、実施例11bおよび参考例11c]
4.85グラムのDC−7850(ミシガン州ミッドランドのダウ・コーニング(Dow Corning Corporation(Midland,MI))によって市販されている)、0.15グラムのDC−7488(典型的な白金付加硬化化学薬品)および20グラムのヘプタンを室温で混合することにより、剥離塗料溶液を調製した。サウスカロライナ州グリーアの三菱ポリエステル(Mitsubishi Polyester(Greer,SC))によって市販されているHOSTAPHAN PETライナー裏地の一方の側面上にNo.3ロッドを用いて、得られた剥離塗料溶液を被覆し、150℃で3分にわたりオーブン内で硬化させた。乾燥塗布量は約1.2g/m2であった。
【0121】
こうして作成された試験ライナーの被覆済み側面に低酸素レベル下で6メガラドの線量および300keVの加速電圧でE−ビーム線を照射し、その後、実施例8の接着剤発泡テープに直ちに貼合せて(実施例1の条件3)比較例11aを作成するか、あるいは試験ライナーの被覆済み側面を実施例8の接着剤発泡テープに貼合せた。その後、ライナーを通してサンプルをE−ビーム処理して(実施例1の条件4)実施例11bを作成した。
【0122】
さらに、試験ライナーの被覆済み側面を3M BOOK TAPE845(ミネソタ州セントポールのスリーエム(3M Co.(St.Paul,MN))によって市販されている)に貼合せて参考例11cを作成した。貼合せサンプルのライナー剥離を表11に規定した保持時間後に表11に規定した条件で上述した試験方法に従って試験した。データを表11に示している。
【0123】
[比較例12]
100グラムのUV9400(エポキシシリコーン)および3グラムのUV9380(両方ともニューヨーク州ウォーターフォートのゼネラル・エレクトリック(GE(Waterfort,NY))によって市販されている)を室温で混合することにより剥離塗料を調製した。HOSTAPHAN PETライナー裏地(サウスカロライナ州グリーアの三菱ポリエステル(Mitsubishi Polyester(Greer,SC))によって市販されている)の一方の側面上に5Roll Coaterを用いて、得られた剥離塗料溶液を被覆し、ライン速度50fpm(15m/分)でメリーランド州ロックビルのフュージョン・UV・キュアリング・システムズ(Fusion UV Curing Systems(Rockville,MD))によって市販されている300W/in(118W/cm)のH FUSIONランプを用いて硬化させた。乾燥塗布量は約0.7g/m2であった。
【0124】
こうして作成された試験ライナーの被覆済み側面に低酸素レベル下で6メガラドの線量および300keVの加速電圧でE−ビーム線を照射し、実施例8の接着剤発泡テープに直ちに貼合せた(実施例1の条件3)。その後、貼合せサンプルのライナー剥離を室温で約1日後に上述した試験方法に従って試験した。データを表11で記録している。
【0125】
【表10】

【0126】
このデータは、剥離組成物中に存在する官能基が多すぎる場合、または強固な架橋網目が形成されていない場合、ライナー剥離がライナーの第2の側面のための被膜(すなわち、ライナー20の第2の剥離被膜25)として用いるために大して好ましくない(すなわち、280g/in(110g/cm)より高い)ことを示している。
【0127】
[実施例13aおよび13bならびに参考例13c]
米国特許第5,409,773号明細書において開示された手順に従って調製された830単位のエポキシ当量を有する5グラムの混合エポキシシリコーン、ドデシルアルコール中の固形物50重量%の0.2グラムのビスドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートおよび20グラムのヘプタンを室温で混合することにより剥離塗料を調製した。
【0128】
サウスカロライナ州グリーアの三菱ポリエステル(Mitsubishi Polyester(Greer,SC))によって市販されているHOSTAPHAN PETライナー裏地の一方の側面上にNo.3ロッドを用いて、得られた剥離塗料溶液を被覆し、ライン速度50fpm(15m/分)でミッドランド州ロックビルのフュージョン・UV・キュアリング・システムズ(Fusion UV Curing Systems(Rockville,MD))によって市販されている300W/in(118W/cm)のH FUSIONランプを用いて硬化させた。架橋間の平均重合度は11.2であると計算された。それは強固に架橋された網目を示している。
【0129】
こうして作成された試験ライナーの被覆済み側面に低酸素レベル下で6メガラドの線量および300keVの加速電圧でE−ビーム線を照射した。試験ライナーにE−ビーム照射した後に実施例8の接着剤発泡テープに試験ライナーのE−ビーム処理済み側面を直ちに貼合せる(実施例1の条件3)ことにより実施例13aを作成した。実施例8の接着剤発泡テープに試験ライナーの被覆済み側面を貼合せ、その後、試験ライナーの露出側面を通して貼合せサンプルをE−ビーム処理する(実施例1の条件4)ことにより実施例13bを作成した。試験ライナーを3M BOOK TAPE845(ミネソタ州セントポールのスリーエム(3M Co.(St.Paul,MN))から入手可能)に貼合せることにより参考例13cを作成した。
【0130】
貼合せサンプルを放置して表12に規定したように保持し、その後、ライナー剥離を上述した試験方法に従って試験した。データを表12で記録している。
【0131】
[実施例14]
100グラムのDC7350(エポキシシリコーン、ミシガン州ミッドランドのダウ・コーニング(Dow Corning Corporation(Midland,MI))によって市販されている)およびドデシルアルコール中の固形物50重量%の5グラムのビスドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート溶液を室温で混合することにより剥離塗料を調製した。サウスカロライナ州グリーアの三菱ポリエステル(Mitsubishi Polyester(Greer,SC))によって市販されているHOSTAPHAN PETライナー裏地の一方の側面上にミネソタ州ミネアポリスのストラブ(Straub(Minneapolis,MN))によって市販されている5−Roll Coaterを用いて、得られた剥離塗料を被覆し、ライン速度50fpm(15m/分)でメリーランド州ロックビルのフュージョン・UV・キュアリング・システムズ(Fusion UV Curing Systems(Rockville,MD))によって市販されている300W/in(118W/cm)のH FUSIONランプを用いて硬化させた。乾燥塗布量は約0.6g/m2であった。
【0132】
こうして作成された試験ライナーの被覆済み側面に低酸素レベル下で6メガラドの線量および300keVの加速電圧でE−ビーム線を照射した。試験ライナーのE−ビーム処理済み側面を実施例8の接着剤発泡テープに直ちに貼合せた(実施例1の条件3)。
【0133】
貼合せサンプルを放置して表12に規定したように保持し、その後、ライナー剥離を上述した試験方法に従って試験した。データを表12に示している。
【0134】
【表11】

【0135】
このデータは、幾つかのエポキシシリコーンがライナーの第2の側面のための被覆材料(すなわち、ライナー20の第2の剥離被膜25)として有用であることを示している。
【0136】
前の詳細な説明から、本発明を好ましい実施形態において記載してきた。開示された概念の修正および同等物を添付した請求の範囲内に包含しようとするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1の側面および第2の側面を有するライナーと、
(b)第1の表面と第2の表面を有する接着剤と、を含む接着剤物品であって、前記接着剤の第2の表面が前記ライナーの第1の側面と接触し、前記物品が前記ライナーの第2の側面を通してE−ビーム線に照射され、前記物品を巻き取り前記ライナーの第2の側面を前記接着剤の第1の表面と接触するようにさせ、前記ライナーの第2の側面および前記接着剤の第1の表面が、前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面へのライナー剥離値より小さいライナー剥離値を有する接着剤物品。
【請求項2】
(a)第1の側面および第2の側面を有するライナー
(b)第1の表面と第2の表面を有する接着剤と、を含む接着剤物品であって、前記接着剤の第2の表面が前記ライナーの第1の側面と接触し、前記物品が前記ライナーの第2の側面を通してE−ビーム線に照射され、前記物品を巻き取り前記ライナーの第2の側面を前記接着剤の第1の表面と接触するようにさせ、前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面へのライナー剥離値と、前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面へのライナー剥離値と、がライナーコンフュージョンを避けるのに十分に異なる接着剤物品。
【請求項3】
前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面への前記ライナー剥離値は約110g/cmより小さい、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項4】
前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面への前記ライナー剥離値は約59g/cmより小さい、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項5】
前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面への前記ライナー剥離値は約39g/cmより小さい、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項6】
前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面への前記ライナー剥離値は約20g/cmより小さい、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項7】
前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面への前記ライナー剥離値は約12g/cmより小さい、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項8】
前記接着剤は少なくとも約250マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項9】
前記接着剤は少なくとも約500マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項10】
前記接着剤中に分散した顔料をさらに含む、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項11】
前記顔料は約0.10重量%より高い濃度で前記接着剤中に存在する、請求項10に記載の接着剤物品。
【請求項12】
前記顔料は約0.15重量%より高い濃度で前記接着剤中に存在する、請求項10に記載の接着剤物品。
【請求項13】
前記顔料は約0.18重量%より高い濃度で前記接着剤中に存在する、請求項10に記載の接着剤物品。
【請求項14】
前記接着剤は少なくとも一種の(メタ)アクリルポリマーを含む、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項15】
前記(メタ)アクリルポリマーは、2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸から誘導される、請求項14に記載の接着剤物品。
【請求項16】
前記ライナーは第1の側面および第2の側面ならびに前記第2の側面上の剥離被覆材料を有するライナー裏地を含む、請求項1に記載の接着剤物品。
【請求項17】
前記剥離被覆材料は、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物およびシラノール化合物から選択される少なくとも一種の化合物を含む、請求項16に記載の接着剤物品。
【請求項18】
前記剥離被覆材料はシラノール末端ポリジメチルシロキサンを含む、請求項17に記載の接着剤物品。
【請求項19】
前記剥離被覆材料はエポキシシリコーンを含む、請求項16に記載の接着剤物品。
【請求項20】
前記エポキシシリコーンは、約12未満の架橋間の平均重合度を有するエポキシシリコーンを含む、請求項19に記載の接着剤物品。
【請求項21】
前記被覆材料は少なくとも約0.7g/m2の重量で被覆される、請求項16に記載の接着剤物品。
【請求項22】
(a)第1の側面および第2の側面を有するライナー裏地と、
(b)前記ライナー裏地の第1の側面上の接着剤と、
(c)前記ライナー裏地の第2の側面上の被覆材料と、を含む接着剤物品であって、前記前記剥離被覆材料が、前記接着剤を架橋させるためにE−ビーム線を前記ライナー裏地に照射すると、前記ライナー裏地の第2の側面の前記接着剤へのライナー剥離値が、前記ライナー裏地の第1の側面の前記接着剤へのライナー剥離値より小さいように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有する接着剤物品。
【請求項23】
(a)第1の側面および第2の側面を有するライナー裏地と、
(b)前記ライナー裏地の第1の側面上に第1の表面および第2の表面を有する接着剤と、
(c)前記ライナー裏地の第2の側面上の剥離被覆材料と、を含む接着剤物品であって、前記前記剥離被覆材料が、前記接着剤を架橋させるためにE−ビーム線を前記ライナー裏地に照射すると、前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面へのライナー剥離値と、前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面へのライナー剥離値と、がライナーコンフュージョンを避けるのに十分に異なるように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有する接着剤物品。
【請求項24】
前記剥離被覆材料は、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物およびシラノール化合物から選択される少なくとも一種の化合物を含む、請求項22に記載の接着剤物品。
【請求項25】
前記剥離被覆材料はシラノール末端ポリジメチルシロキサンを含む、請求項24に記載の接着剤物品。
【請求項26】
前記剥離被覆材料は少なくとも約0.7g/m2の重量で被覆される、請求項22に記載の接着剤物品。
【請求項27】
前記剥離被覆材料はエポキシシリコーンを含む、請求項22に記載の接着剤物品。
【請求項28】
前記剥離被覆材料は、約12未満の架橋間の平均重合度を有するエポキシシリコーンを含む、請求項27に記載の接着剤物品。
【請求項29】
前記ライナー裏地は、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、金属化フィルム、シール紙、金属化紙、白土被覆紙および紙から選択される、請求項22に記載の接着剤物品。
【請求項30】
前記ライナー裏地はポリエステルフィルムまたはポリオレフィンフィルムから選択される、請求項29に記載の接着剤物品。
【請求項31】
前記ライナー裏地はポリオレフィンフィルムである、請求項30に記載の接着剤物品。
【請求項32】
前記ポリオレフィンフィルムはポリエチレンフィルムである、請求項31に記載の接着剤物品。
【請求項33】
前記ポリエチレンフィルムは多層ポリエチレンフィルムである、請求項32に記載の接着剤物品。
【請求項34】
(a)ライナー裏地の第2の側面に剥離被覆材料を被着させる工程と、
(b)前記被覆されたライナー裏地の第1の側面に接着剤を被着させる工程と、
(c)前記ライナー裏地の第2の側面を通して加えられたE−ビーム線によって前記接着剤を架橋させる工程と、を含む接着剤物品を製造する方法であって、
前記被覆されたライナー裏地の第2の側面の前記接着剤へのライナー剥離値が、前記被覆されたライナー裏地の第1の側面の前記接着剤へのライナー剥離値より小さい方法。
【請求項35】
前記ライナー裏地の第1の側面に剥離被覆材料を被着させる工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記物品をロールに巻き取る工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記ライナー裏地は、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、金属化フィルム、シール紙、金属化紙、白土被覆紙および紙から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記ライナー裏地はポリエステルフィルムまたはポリオレフィンフィルムから選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ライナー裏地はポリオレフィンフィルムである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ポリオレフィンフィルムはポリエチレンフィルムである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ポリエチレンフィルムは多層ポリエチレンフィルムである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記剥離被覆材料は、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物およびシラノール化合物から選択される少なくとも一種の化合物を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記剥離被覆材料はシラノール末端ポリジメチルシロキサンを含む、請求項42に記載の接着剤物品。
【請求項44】
前記剥離被覆材料はエポキシシリコーンを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
前記エポキシシリコーンは、約12未満の平均重合度を有するエポキシシリコーンを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記剥離被覆材料は少なくとも約0.7g/m2の重量で形成される、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
前記剥離被覆材料は、前記接着剤を架橋させるためにE−ビーム線を前記ライナー裏地に照射すると、前記被覆されたライナー裏地の第2の側面の前記接着剤へのライナー剥離値が、前記被覆されたライナー裏地の第1の側面の前記接着剤へのライナー剥離値より小さいように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有する、請求項34に記載の方法。
【請求項48】
前記剥離被覆材料は、前記接着剤を架橋させるためにE−ビーム線を前記ライナー裏地に照射すると、前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面へのライナー剥離値と、前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面へのライナー剥離値と、がライナーコンフュージョンを避けるのに十分に異なるように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有する、請求項34に記載の方法。
【請求項49】
前記E−ビーム線は約5〜10メガラドの線量である、請求項34に記載の方法。
【請求項50】
前記E−ビーム線は約5〜7メガラドの線量である、請求項34に記載の方法。
【請求項51】
前記E−ビーム線は、酸素約100ppm未満の雰囲気内で行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項52】
前記E−ビーム線は、酸素10ppm未満の雰囲気内で行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項53】
前記E−ビーム線は、酸素約2.5ppm未満の雰囲気内で行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項54】
接着剤テープ製品中で用いるための第1の側面および第2の側面を有するライナーであって、接着剤が前記ライナーの第1の側面に被着され、前記ライナーが剥離被覆材料で第2の側面上に被覆され、前記剥離被覆材料が、前記接着剤を架橋させるためにE−ビーム線をライナー裏地に照射すると、前記被覆されたライナー裏地の第2の側面の前記接着剤へのライナー剥離値が前記被覆されたライナー裏地の第1の側面の前記接着剤へのライナー剥離値より小さいように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有し、前記ライナーが前記ライナーの第2の側面を通してE−ビーム線で処理されるライナー。
【請求項55】
接着剤テープ製品中で用いるための、第1の側面および第2の側面を有するライナーであって、第1の表面および第2の表面を有する接着剤が前記ライナーの第1の側面に被着され、前記ライナーが剥離被覆材料で被覆され、前記剥離被覆材料が、前記接着剤を架橋させるためにライナー裏地を通してE−ビーム線を照射すると、前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面へのライナー剥離値および前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面へのライナー剥離値が、ライナーコンフュージョンを避けるのに十分に異なるように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有するライナー。
【請求項56】
ライナー裏地の第1の側面上に被覆された接着剤を架橋させるためにライナーを通してE−ビーム線で処理する時に接着剤ライナーの剥離特性を改良する方法であって、前記接着剤を架橋させるために前記ライナー裏地を通してE−ビーム線で処理すると、前記ライナー裏地の第2の側面の前記接着剤へのライナー剥離値が前記ライナー裏地の第1の側面の前記接着剤へのライナー剥離値より小さいように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有する剥離被覆材料で前記ライナー裏地の第2の側面を被覆する工程を含む方法。
【請求項57】
ライナー裏地の第1の側面上に被覆された接着剤を架橋させるためにライナーを通してE−ビーム線で処理する時に接着剤ライナーの剥離特性を改良する方法であって、前記接着剤を架橋させるために前記ライナー裏地を通してE−ビーム線で処理すると、前記ライナーの第2の側面の前記接着剤の第1の表面へのライナー剥離値と、前記ライナーの第1の側面の前記接着剤の第2の表面へのライナー剥離値と、がライナーコンフュージョンを避けるのに十分に異なるように十分に強固に架橋された網目、極性官能基および反応性基のレベルを有する剥離被覆材料で前記ライナー裏地の第2の側面を被覆する工程を含む方法。
【請求項58】
(a)第1の側面および第2の側面を有するライナー裏地と、
(b)第1の表面および第2の表面を有する接着剤と、を含む物品であって、前記接着剤の第2の表面が前記ライナー裏地の第1の側面と接触し、前記物品が前記ライナー裏地の第2の側面を通してE−ビーム線で処理され、前記ライナー裏地が約110g/cm未満の第2の側面での前記接着剤へのライナー剥離値を有する物品。
【請求項59】
前記第2の側面での前記ライナー剥離値は約59g/cm未満である、請求項58に記載の物品。
【請求項60】
前記第2の側面での前記ライナー剥離値は約39g/cm未満である、請求項58に記載の物品。
【請求項61】
前記第2の側面での前記ライナー剥離値は約20g/cm未満である、請求項58に記載の物品。
【請求項62】
前記第2の側面での前記ライナー剥離値は約12g/cm未満である、請求項58に記載の物品。
【請求項63】
(a)第1の側面および第2の側面を有する第1のライナーと、
(b)少なくとも一方の側面上に剥離被膜を有する第2のライナーと、
(c)第1の表面および第2の表面を有する接着剤と、を含む接着剤物品であって、前記接着剤の第2の表面が前記第1のライナーの第1の側面と接触し、前記接着剤の第1の表面が前記第2のライナーの前記剥離被膜と接触し、
前記物品が前記第1のライナーおよび第2のライナーを通してE−ビーム線に両方の側面上で照射される接着剤物品。
【請求項64】
前記接着剤は少なくとも約250マイクロメートルの厚さを有する、請求項63に記載の接着剤物品。
【請求項65】
前記接着剤は少なくとも約500マイクロメートルの厚さを有する、請求項63に記載の接着剤物品。
【請求項66】
さらに前記第2のライナーは除去されている、請求項63に記載の接着剤物品。
【請求項67】
(a)第1のライナー裏地の少なくとも第2の側面に剥離被覆材料を被着させる工程と、
(b)第2のライナー裏地の少なくとも一方の側面に剥離被覆材料を被着させる工程と、
(c)前記被覆された第1のライナー裏地の第1の側面上に接着剤を被着させる工程と、
(d)前記接着剤の露出面に前記第2のライナーの被覆された側面を被着させる工程と、
(e)前記第1のライナー裏地および第2のライナー裏地を通して前記接着剤の両方の側面に加えられたE−ビーム線で前記接着剤を架橋させる工程と、
を含む接着剤物品を製造する方法。
【請求項68】
前記接着剤は少なくとも約500マイクロメートルの厚さを有する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
(f)前記第2の被覆されたライナー裏地を除去して、それによって前記接着剤を露出させる工程と、
(g)前記物品をロールに巻き取る工程と、をさらに含む方法であって、前記物品を巻き取り、前記第1のライナーの第2の側面を前記接着剤の露出面と接触するようにさせ、前記第1のライナーの第2の側面の前記接着剤へのライナー剥離値と、前記第1のライナーの第1の側面の前記接着剤へのライナー剥離値と、がライナーコンフュージョンを避けるのに十分に異なる、請求項67に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−111951(P2012−111951A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−1054(P2012−1054)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2002−563255(P2002−563255)の分割
【原出願日】平成13年6月4日(2001.6.4)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】