説明

接着接合部材及び該部材の製造方法

【課題】第1及び第2の被着部材を連鎖硬化接着剤により互いに接合する場合に、その連鎖硬化接着剤の連鎖硬化反応が途中で止まらないようにして、連鎖硬化接着剤全体を確実に硬化させる。
【解決手段】第1の被着部材2における被着接合部6の側方部に、第2の被着部材3側に突出する立設部12を被着接合部延設方向に沿って連続して形成し、第2の被着部材3における被着接合部7の側方部に、上記立設部12に当接することにより両被着部材2,3の被着接合部6,7間の隙間量を規定する当接部13を、被着接合部延設方向に沿って連続して形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1及び第2の被着部材が、該両被着部材にそれぞれ延設された被着接合部にて連鎖硬化接着剤により互いに接合されてなる接着接合部材及び該部材の製造方法に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に示されているように、光や熱エネルギーを付与した際に、該エネルギー付与部分が硬化反応して硬化反応熱を発生しかつ該硬化反応熱により該硬化反応部分に隣接する部分が硬化反応して硬化反応熱を発生することで、連鎖硬化反応する連鎖硬化ポリマーが知られている。この連鎖硬化ポリマーは、例えば、エポキシ樹脂と、芳香族スルホニウム塩等の光・熱硬化開始剤と、スルホニウム塩等の熱硬化開始剤とを含有し、エネルギーの付与により樹脂内部にカチオン及び硬化反応熱を連続的に発生させることで、樹脂を連鎖硬化反応させる。そして、特許文献1には、上記連鎖硬化ポリマーを、接着剤として用いることが可能であることが示されている。
【特許文献1】特開平11−193322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記連鎖硬化ポリマーを接着剤として用いて、車両の車体等を構成する第1及び第2の被着部材を互いに接着接合するようにすることが考えられる。すなわち、第1及び第2の被着部材に、フランジ部等の被着接合部をそれぞれ延設しておき、その両被着部材の被着接合部間に、接着剤としての連鎖硬化ポリマーである連鎖硬化接着剤を配設し、この連鎖硬化接着剤の一部に光や熱エネルギーを付与して、該連鎖硬化接着剤を連鎖硬化反応させることで、連鎖硬化接着剤全体を硬化させる。こうすれば、エネルギー付与から連鎖硬化接着剤全体が硬化するまでの時間が数十秒程度と短くて接着工程を短縮することができるとともに、連鎖硬化接着剤全体を硬化させるために車体部材全体を加熱する必要がなくて、接合のための設備等を簡略化することができるようになる。また、両被着部材同士が連続的に接合されることで、両被着部材が互いに接合されてなる接着接合部材の剛性を、スポット的に接合する場合に比べて向上させることができ、結果的に車体部材を薄肉化して軽量化を図ることができるようになる。
【0004】
しかし、上記のように第1及び第2の被着部材を連鎖硬化接着剤により互いに接合する場合、該両被着部材の少なくとも一方の被着接合部に連鎖硬化接着剤を塗布して両被着部材の被着接合部同士を合わせたときに、連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じていたとすると、その切れ目の部分で連鎖硬化反応が途中で止まって、連鎖硬化接着剤全体を硬化させることができなくなってしまうという問題が生じる。特に被着接合部間の隙間量が小さい場合には、被着接合部間の連鎖硬化接着剤が少量になるために、連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じ易くなり、この結果、連鎖硬化反応が途中で止まってしまう可能性が高くなる。このように連鎖硬化反応が途中で止まってしまうと、未接着の部分が生じ、所望の接着強度が得られなくなってしまう。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1及び第2の被着部材を連鎖硬化接着剤により互いに接合する場合に、その連鎖硬化接着剤の連鎖硬化反応が途中で止まらないようにして、連鎖硬化接着剤全体を確実に硬化させるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、第1の被着部材における被着接合部の側方部に、第2の被着部材側に突出する立設部を被着接合部延設方向に沿って連続して形成し、第2の被着部材における被着接合部の側方部に、上記立設部に当接することにより両被着部材の被着接合部間の隙間量を規定する当接部を、被着接合部延設方向に沿って連続して形成するようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、第1及び第2の被着部材が、該両被着部材にそれぞれ延設された被着接合部にて接着剤により互いに接合されてなる接着接合部材を対象とする。
【0008】
そして、上記接着剤は、該接着剤の一部にエネルギーを付与した際に、該エネルギー付与部分が硬化反応して硬化反応熱を発生しかつ該硬化反応熱により該硬化反応部分に隣接する部分が硬化反応して硬化反応熱を発生することで、連鎖硬化反応する連鎖硬化接着剤であって、上記エネルギーの付与により硬化したものであり、上記両被着部材の被着接合部間には、上記連鎖硬化接着剤が被着接合部延設方向に沿って連続して設けられ、上記第1の被着部材における被着接合部の側方部に、上記第2の被着部材側に突出する立設部が被着接合部延設方向に沿って連続して形成され、上記第2の被着部材における被着接合部の側方部に、上記立設部に当接することにより両被着部材の被着接合部間の隙間量を規定する当接部が、被着接合部延設方向に沿って連続して形成されているものとする。
【0009】
上記の構成により、第1の被着部材に形成された立設部と第2の被着部材に形成された当接部との当接により、両被着部材の被着接合部間に所定の隙間量が確保され、該隙間量が小さくなり過ぎて連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じるのを防止することができる。しかも、立設部により連鎖硬化接着剤の流動方向が制限され、連鎖硬化接着剤に切れ目が生じるのを有効に防止することができる。すなわち、両被着部材の被着接合部同士を合わせる前には、通常、両被着部材のうちの少なくとも一方の被着部材の被着接合部に連鎖硬化接着剤を被着接合部延設方向に沿って配置(塗布)する。そして、両被着部材の被着接合部同士を合わせる際、上記連鎖硬化接着剤は、被着接合部の側方(被着接合部延設方向と垂直な方向)に流動しようとするが、立設部によって流動方向が被着接合部延設方向に変更される。この結果、上記連鎖硬化接着剤の配置時に、連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じていたとしても、上記流動方向の変更により切れ目の被着接合部延設方向両側部分が互いに接近して繋がり、被着接合部同士の合わせが完了したときには、切れ目が生じていない状態となる。したがって、連鎖硬化接着剤の連鎖硬化反応が途中で止まることなく確実に行われ、連鎖硬化接着剤全体を確実に硬化させることができる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記立設部は、上記第1の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成され、上記当接部は、上記第2の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成されており、上記両当接部が両立設部にそれぞれ当接することにより、上記両被着部材の被着接合部間に上記連鎖硬化接着剤の充填空間が画成されているものとする。
【0011】
このことにより、両被着部材の被着接合部間に所定の隙間量を確実に確保することができるとともに、被着接合部の両側に立設部が形成されていることで、連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じるのをより確実に防止することができる。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、上記両被着部材は、該両被着部材の接合により互いに重ね合わされたフランジ部をそれぞれ有し、上記両被着部材の被着接合部は、該両被着部材におけるフランジ部の合わせ面に、該フランジ部の長さ方向に沿って延びるようにそれぞれ設けられたものであるとする。
【0013】
このことで、フランジ部に立設部や当接部を形成することができ、この結果、両被着部材の本体部の形状に影響を及ぼすことなく、立設部及び当接部を容易に形成することができる。
【0014】
請求項4の発明は、第1及び第2の被着部材が、該両被着部材にそれぞれ延設された被着接合部にて接着剤により互いに接合されてなる接着接合部材の製造方法の発明であり、この発明では、上記接着剤は、該接着剤の一部にエネルギーを付与した際に、該エネルギー付与部分が硬化反応して硬化反応熱を発生しかつ該硬化反応熱により該硬化反応部分に隣接する部分が硬化反応して硬化反応熱を発生することで、連鎖硬化反応する連鎖硬化接着剤であり、上記両被着部材のうちの少なくとも一方の被着部材の被着接合部に、上記連鎖硬化接着剤を被着接合部延設方向に沿って配置する接着剤配置工程と、上記接着剤配置工程後に、上記両被着部材の被着接合部同士を合わせる被着接合部合わせ工程と、上記被着接合部合わせ工程後に、上記連鎖硬化接着剤の所定箇所に上記エネルギーを付与することで、該連鎖硬化接着剤を連鎖硬化反応させる連鎖硬化反応工程とを含み、上記第1の被着部材は、該第1の被着部材における被着接合部の側方部に、上記両被着部材の被着接合部同士を合わせた状態で上記第2の被着部材側に突出する立設部が被着接合部延設方向に沿って連続して形成されたものであり、上記第2の被着部材は、該第2の被着部材における被着接合部の側方部に、上記被着接合部合わせ工程で上記立設部に当接することにより両被着部材の被着接合部間の隙間量を規定する当接部が、被着接合部延設方向に沿って連続して形成されたものであるとする。
【0015】
この発明により、被着接合部合わせ工程で、第1の被着部材の立設部に第2の被着部材の当接部が当接することで、両被着部材の被着接合部間に所定の隙間量が確保される。また、接着剤配置工程で連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じていたとしても、両被着部材の被着接合部同士を合わせる際に、被着接合部の側方に流動しようとする連鎖硬化接着剤の流動方向が、立設部によって被着接合部延設方向に変更され、被着接合部合わせ工程完了時には、切れ目が生じていない状態となる。その後、連鎖硬化接着剤の所定箇所に光や熱エネルギーを付与することで、連鎖硬化接着剤が連鎖硬化反応する。このとき、連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じていないので、連鎖硬化接着剤の連鎖硬化反応が途中で止まることなく確実に行われ、連鎖硬化接着剤全体を確実に硬化させることができる。
【0016】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、上記接着剤配置工程は、上記両被着部材のうちの一方の被着部材のみの被着接合部に上記連鎖硬化接着剤を被着接合部延設方向に沿って配置する工程であるものとする。
【0017】
このことで、連鎖硬化接着剤の配置(塗布)を容易に行って、接着剤配置工程を簡略化することができる。
【0018】
請求項6の発明では、請求項5の発明において、上記接着剤配置工程は、上記第1の被着部材の被着接合部に上記連鎖硬化接着剤を被着接合部延設方向に沿って配置する工程であるものとする。
【0019】
このことにより、立設部に対して正確な位置に連鎖硬化接着剤を配置して、被着接合部合わせ工程において、連鎖硬化接着剤の流動方向を立設部によって被着接合部延設方向に変更するようにすることが確実にできる。また、被着接合部合わせ工程において、連鎖硬化接着剤を、立設部によって被着接合部から外側に漏れないようにすることが確実にできる。
【0020】
請求項7の発明では、請求項4〜6のいずれか1つの発明において、上記立設部は、上記第1の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成されたものであり、上記当接部は、上記第2の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成されたものであり、上記被着接合部合わせ工程で上記両当接部を両立設部にそれぞれ当接させることで、上記両被着部材の被着接合部間に上記連鎖硬化接着剤の充填空間を画成するようにする。このことで、請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0021】
請求項8の発明では、請求項4〜7のいずれか1つの発明において、上記両被着部材は、上記被着接合部合わせ工程で互いに重ね合わされるフランジ部をそれぞれ有し、上記両被着部材の被着接合部は、該両被着部材におけるフランジ部の合わせ面に、該フランジ部の長さ方向に沿って延びるようにそれぞれ設けられたものであるとする。こうすることで、請求項3の発明と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明の接着接合部材及び該部材の製造方法によると、第1の被着部材における被着接合部の側方部に、第2の被着部材側に突出する立設部を被着接合部延設方向に沿って連続して形成し、第2の被着部材における被着接合部の側方部に、上記立設部に当接することにより両被着部材の被着接合部間の隙間量を規定する当接部を、被着接合部延設方向に沿って連続して形成するようにしたことにより、連鎖硬化接着剤全体を確実に硬化させることができ、所望の接着強度が確実に得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る接着接合部材1を示し、この接着接合部材1は、第1及び第2の被着部材2,3が接着剤(後述の連鎖硬化接着剤)により互いに接合されてなるものである。本実施形態では、第1の被着部材2は、鋼やアルミニウムからなる金属製の車体アウタパネルであり、第2の被着部材3は、鋼やアルミニウムからなる金属製の車体インナパネルであり、これら両被着部材2,3が互いに接合されてなる接着接合部材1は、車両(自動車等)の車体の一部を構成していて、両被着部材2,3の長さ方向に連続して延びる閉断面部4を有している。尚、両被着部材2,3の少なくとも一方が樹脂製であってもよい。
【0025】
上記第1の被着部材2は、上記閉断面部4に沿って延びかつ該閉断面部4周囲の半分を構成する本体部2aと、この本体部2aの幅方向両側に、該本体部2aに沿って連続して延びるようにそれぞれ設けられた左右2つのフランジ部2b,2bとを有し、第2の被着部材3は、上記閉断面部4に沿って延びかつ該閉断面部4周囲の残りの半分を構成する本体部3aと、この本体部3aの幅方向両側に、該本体部3aに沿って連続して延びるようにそれぞれ設けられた左右2つのフランジ部3b,3bとを有している。そして、第1の被着部材2のフランジ部2bと第2の被着部材3のフランジ部3bとが互いに重ね合わされて(左側のフランジ部2b,3b同士が重ね合わされるとともに、右側のフランジ部2b,3b同士が重ね合わされる)、その両フランジ部2b,3bの合わせ面間に配設された接着剤(後述の連鎖硬化接着剤8)により、該両フランジ部2b,3bにて第1及び第2の被着部材2,3が互いに接合されている。尚、左右2つのフランジ部2b,2bの構成は同じであり、左右2つのフランジ部3b,3bの構成も同じであるので、以下、一方のフランジ部2b及び該フランジ部2bと重ね合わされるフランジ部3bについて説明する。
【0026】
上記接着剤は、該接着剤の一部に光(紫外線等)又は熱エネルギーを付与した際に、該エネルギー付与部分が硬化反応して硬化反応熱を発生しかつ該硬化反応熱により該硬化反応部分に隣接する部分が硬化反応して硬化反応熱を発生することで、連鎖硬化反応する連鎖硬化接着剤であって、上記エネルギーの付与により硬化したものである。この連鎖硬化接着剤は、エポキシ樹脂と硬化開始剤とを含有する。この硬化開始剤は、芳香族スルホニウム塩等の光・熱硬化開始剤、及び、スルホニウム塩等の熱硬化開始剤を含む。そして、接着剤の所定箇所に上記エネルギーを付与することにより接着剤内部にカチオン及び硬化反応熱を連鎖的に発生させることで、接着剤を連鎖硬化反応させ、このことによって、接着剤全体を硬化させる。
【0027】
上記エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等があり、脂環式エポキシ樹脂では、硬化反応(カチオン重合)を良好に行わせることができ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂では、高い接着強度が得られる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、金属との密着性が良好な水酸基やベンゼン環を有するので、本実施形態のように両被着部材2,3が金属製の場合に、特に高い接着強度が得られる。
【0028】
図2に示すように、上記第1の被着部材2におけるフランジ部2bの合わせ面の幅方向(図2の左右方向)の一部(本実施形態では、フランジ部2bの合わせ面の幅方向両端部を除く部分)には、第1の被着部材2の被着接合部6がフランジ部2bの長さ方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って連続して延設されている。また、上記第2の被着部材3におけるフランジ部3bの合わせ面の幅方向の一部(本実施形態では、フランジ部3bの合わせ面の幅方向両端部を除く部分)には、第2の被着部材3の被着接合部7がフランジ部3bの長さ方向に沿って連続して延設されている。
【0029】
上記両被着部材2,3の被着接合部6,7間には、上記連鎖硬化接着剤8が被着接合部延設方向に沿って連続して設けられている。尚、本実施形態では、被着接合部6,7及び連鎖硬化接着剤8は、フランジ部2b,3bの長さ方向全体に亘って設けられている。
【0030】
上記第1の被着部材2のフランジ部2bにおける被着接合部6の両側側方部(フランジ部2bの合わせ面の幅方向両端近傍部)には、第2の被着部材3側に突出する立設部12,12がそれぞれ一体形成されている。この立設部12は、フランジ部2bにおいて、該フランジ部2bの長さ方向全体に亘って、被着接合部延設方向に沿って連続して延びていて、被着接合部6側及びその反対側の傾斜面で構成されて断面三角形状をなしている。本実施形態では、第1の被着部材2の板厚が小さいために、フランジ部2bの合わせ面とは反対側面には、上記立設部12に対応して凹む断面V字溝状部が形成されていることになる。
【0031】
一方、上記第2の被着部材3のフランジ部3bにおける被着接合部7の両側側方部(フランジ部3bの合わせ面の幅方向両端近傍部)には、上記立設部12,12の突出先端部にそれぞれ当接することにより両被着部材2,3の被着接合部6,7間の隙間量を規定する当接部13,13がそれぞれ一体形成されている。この当接部13は、フランジ部3bにおいて、該フランジ部3bの長さ方向全体に亘って、被着接合部延設方向に沿って連続して延びていて、被着接合部7側及びその反対側の傾斜面で構成されて断面V字溝状に形成されている。本実施形態では、第2の被着部材3の板厚が小さいために、フランジ部3bの合わせ面とは反対側面には、上記当接部13に対応して突出する断面三角形状のビードが形成されていることになる。
【0032】
上記両当接部13,13が両立設部12,12にそれぞれ当接することにより、被着接合部6,7間には上記連鎖硬化接着剤8の充填空間が画成されるとともに、被着接合部6,7間の隙間量(つまり連鎖硬化接着剤8の厚み)が所定値(0.01mm以上10mm以下であることが好ましい)に設定される。尚、被着接合部6(又は被着接合部7)の幅は1mm以上30mm以下であることが好ましい。また、上記充填空間の断面形状は、フランジ部2b(3b)の長さ方向全体に亘って一定であることが好ましいが、上記隙間量及び被着接合部6(又は被着接合部7)の幅の少なくとも一方が、フランジ部2b(3b)の長さ方向の位置によって異なるものであってもよい。
【0033】
上記第2の被着部材3のフランジ部3bの長さ方向の中間部には、被着接合部7及び該被着接合部7とは反対側面に開口する開口部11(図1参照)が形成されており、上記連鎖硬化接着剤8は、後述の如く該開口部11を介して上記エネルギーを連鎖硬化接着剤8に付与することで硬化したものである。
【0034】
次に、上記接着接合部材1を製造する方法を、図3に基づいて説明する。
【0035】
先ず、上記の如くフランジ部2b,3bや立設部12、当接部13等を形成した第1及び第2の被着部材2,3を用意し、図3(a)に示すように、第1の被着部材2を支持台15にセットする。このとき、第1の被着部材2のフランジ部2bの合わせ面は上方を向いており、該合わせ面とは反対側面が、支持台15の基部15aから上方に突出した支持部15bの上面に当接している。
【0036】
そして、上記第1の被着部材2のフランジ部2bの合わせ面における被着接合部6の幅方向の一部(幅方向中央部が好ましい)に、連鎖硬化接着剤8を被着接合部延設方向に沿って連続して塗布する。この塗布は、例えば、ロボットによって一定速度でフランジ部2b長さ方向に沿って移動するように構成されたノズルから接着剤を連続して吐出することで行い、連鎖硬化接着剤8をフランジ部2b長さ方向全体に亘って塗布する。この塗布された連鎖硬化接着剤8の最大高さは、上記所定値よりも大きい。尚、この段階で、連鎖硬化接着剤8の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じていたとしても、後述の如くフランジ部2b,3bの合わせ面同士を合わせる際に、連続的に繋がった状態になる。
【0037】
続いて、図3(b)に示すように、第1及び第2の被着部材2,3におけるフランジ部2b,3bの合わせ面同士(被着接合部6,7同士)を合わせ、その後、フランジ部2b,3bをクランプ手段16のクランプ部材16aによりクランプする。すなわち、クランプ部材16aによりフランジ部2b,3bを上記支持部15bに押圧する。このとき、上記クランプ部材16aはフランジ部3bにおける上記ビードの突出先端部に当接させて押圧する。このように押圧しても、フランジ部3bの剛性がビードにより高くなっているために、フランジ部3bが撓まず、被着接合部延設方向全体に亘って、被着接合部6,7間の隙間量を上記所定値に維持することができる。尚、クランプ部材16aは、フランジ部3bの長さ方向において上記開口部11とは異なる位置を押圧することで、開口部11を覆わないようにする。
【0038】
上記フランジ部2b,3bの合わせ面同士を合わせる際、連鎖硬化接着剤8は、被着接合部7に当接して押されるため、被着接合部6の両側側方(被着接合部延設方向と垂直な方向)に流動し、やがて立設部12に当接する。このため、連鎖硬化接着剤8の流動方向が、立設部12によって被着接合部延設方向に変更される。したがって、上記連鎖硬化接着剤8の塗布時に、連鎖硬化接着剤8の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じていたとしても、上記流動方向の変更により切れ目の被着接合部延設方向両側部分が互いに接近して繋がり、フランジ部2b,3bの合わせ面同士の合わせ(被着接合部6,7同士の合わせ)が完了したときには、切れ目が生じていない状態となる。また、フランジ部2b,3bの合わせ面同士の合わせが完了したとき、両当接部13,13が両立設部12,12にそれぞれ当接し、これにより、被着接合部6,7間には上記連鎖硬化接着剤8の充填空間が画成されるとともに、被着接合部6,7間の隙間量が上記所定値に設定されるので、該隙間量が小さくなり過ぎて連鎖硬化接着剤の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じるのを防止することができる。また、連鎖硬化接着剤8の厚さが所定値(被着接合部6,7間の隙間量)に規定されるので、接着強度を確実に確保することができる。尚、フランジ部2b,3bの合わせ面同士を合わせる際には、閉塞部材で上記開口部11を閉塞しておくことが好ましい。
【0039】
上記フランジ部2b,3bの合わせ面同士を合わせる前において、連鎖硬化接着剤8を、第1の被着部材2のフランジ部2bの合わせ面に塗布する代わりに、第2の被着部材3のフランジ部3bの合わせ面における被着接合部7の幅方向の一部(幅方向中央部が好ましい)に、被着接合部延設方向に沿って連続して塗布するようにしてもよい。この場合、第2の被着部材3を、フランジ部3bの合わせ面が上方を向くように支持台15にセットして、被着接合部7の幅方向の一部に連鎖硬化接着剤8を塗布する(尚、開口部11は、フランジ部3bに設けずに、第1の被着部材2のフランジ部2bに設けておくことが好ましい)。その後、フランジ部2b,3bの合わせ面同士を合わせることで、両当接部13,13を両立設部12,12にそれぞれ当接させる。この場合も、フランジ部2b,3bの合わせ面同士を合わせる際、連鎖硬化接着剤8の流動方向が、立設部12によって被着接合部延設方向に変更されて、フランジ部2b,3bの合わせ面同士の合わせが完了したときには、切れ目が生じていない状態となる。但し、連鎖硬化接着剤8を、第1の被着部材2のフランジ部2bの合わせ面に塗布する方が好ましい。すなわち、この方が、立設部12に対して正確な位置に鎖硬化接着剤8を配置して、フランジ部2b,3bの合わせ面同士を合わせる際に、連鎖硬化接着剤8の流動方向を立設部12によって被着接合部延設方向に変更するようにすることが確実にできるとともに、連鎖硬化接着剤8を、立設部12によって被着接合部6から外側に漏れないようにすることが確実にできる。
【0040】
或いは、連鎖硬化接着剤8を両被着部材2,3のフランジ部2b,3bの合わせ面にそれぞれ塗布するようにしてもよい。但し、接着剤配置工程を簡略化する観点からは、両フランジ部2b,3bの一方のみに連鎖硬化接着剤8を塗布することが好ましい。
【0041】
次いで、図3(c)に示すように、上記連鎖硬化接着剤8の所定箇所(上記開口部11に対応する箇所)に、開口部11を介して光又は熱エネルギーを付与することで、連鎖硬化接着剤8を連鎖硬化反応させる。このとき、上述の如く連鎖硬化接着剤8の被着接合部延設方向の一部に切れ目が生じていないので、連鎖硬化接着剤8の連鎖硬化反応が途中で止まることなく確実に行われ、連鎖硬化接着剤8全体が硬化する。
【0042】
尚、連鎖硬化接着剤8にエネルギーを付与するための上記開口部11は、1つのフランジ部3bについて1箇所である必要はなく、被着接合部延設方向において複数箇所(クランプ部材16aで覆われる部分を除く)に形成して各開口部11から連鎖硬化接着剤8にエネルギーを付与するようにしてもよい。
【0043】
ここで、上記接着接合部材1としての車体の具体例を示す。図4は、車体のサイドボディ21を示し、このサイドボディ21は、図5に示すように、アウタパネル22とインナパネル23とからなっている。このサイドボディ21のドア開口部24の周縁部全周においては、アウタパネル22のフランジ部22a(当接部13,13が形成されている)とインナパネル23のフランジ部23a(立設部12,12が形成されている)とが互いに接着接合されている。上記アウタパネル22が上記第2の被着部材3に相当し、インナパネル23が上記第1の被着部材2に相当し、フランジ部22a,23aの接合部分の構成は、両被着部材2,3の接合部分と同様である。
【0044】
図6は、ルーフパネル26とルーフサイドレール27との接合部分を示す。すなわち、ルーフサイドレール27のインナパネル28のフランジ部28a(立設部12,12が形成されている)とルーフサイドレール27のアウタパネル29のフランジ部29a(当接部13,13が形成されている)とが互いに接着接合されているとともに、ルーフパネル26のフランジ部26a(当接部13,13が形成されている)とルーフサイドレール27のアウタパネル29のフランジ部29a(上記当接部13,13により形成されたビードがそれぞれ立設部12,12となっている)とが互いに接着接合されている。ルーフサイドレール27のインナパネル28とアウタパネル29との接合では、インナパネル28が上記第1の被着部材2に相当し、アウタパネル29が上記第2の被着部材3に相当し、その接合部分の構成は、両被着部材2,3の接合部分と同様である。また、ルーフパネル26とルーフサイドレール27のアウタパネル29との接合では、ルーフサイドレール27のアウタパネル29が上記第1の被着部材2に相当し、ルーフパネル26が上記第2の被着部材3に相当し、その接合部分の構成は、両被着部材2,3の接合部分と同様である。
【0045】
図7は、ルーフパネル26とルーフサイドレール27との接合部分の変形例を示す。すなわち、この変形例では、ルーフパネル26のフランジ部26aの形状のみが図6のものとは異なっており、フランジ部26aの当接部13は断面V字溝状とはなっておらず、傾斜面が全くない平坦状になっている。この場合、外観にビードが現れないため、外観の見映えを向上させることができる。
【0046】
図8は、サイドシル31とフロアパネル32との接合部分を示す。すなわち、フロアパネル32の車幅方向端部が上側に折れ曲がって上下に延びる上下延設部32aとされ、この上下延設部32a(当接部13,13が形成されている)とサイドシル31の下端部(上下延設部32aと対向する部分に立設部12,12が形成されている)とが接合されている。この例では、サイドシル31が上記第1の被着部材2に相当し、フロアパネル32が上記第2の被着部材3に相当し、その接合部分の構成は、両被着部材2,3の接合部分と同様である。
【0047】
上記立設部12及び当接部13の形状は、上記実施形態のような三角形状に限らず、例えば図9に示すような形状であってもよい。すなわち、立設部12における被着接合部6とは反対側部分が傾斜面になっておらず、被着接合部6と平行に延びている。これに対応して、当接部13における被着接合部7とは反対側部分が被着接合部7と平行に延びている。
【0048】
或いは、立設部12及び当接部13の形状は、図10に示すような形状であってもよい。すなわち、立設部12の形状は図9のものと同様であるが、当接部13の形状は、図7のルーフパネル26のフランジ部26aと同様に、傾斜面が全くない平坦状になっている。
【0049】
尚、上記実施形態では、第1の被着部材2のフランジ部2bにおける被着接合部6の両側側方部に立設部12,12をそれぞれ形成し、第2の被着部材3のフランジ部3bにおける被着接合部7の両側側方部に当接部13,13をそれぞれ形成したが、フランジ部2bにおける被着接合部6の一側側方部のみに立設部12を形成し、フランジ部3bにおける被着接合部7の一側側方部(立設部12に対応する部分)のみに、該立設部12に当接する当接部13を形成するようにしてもよい。この場合でも、立設部12の側へ流動する連鎖硬化接着剤8の流動方向を、立設部12により被着接合部延設方向に変更することができる。
【0050】
また、上記実施形態では、両被着部材2,3のフランジ部2b,3bの合わせ面に被着接合部6,7をそれぞれ設けたが、両被着部材2,3にフランジ部がない場合であっても、被着接合部や立設部、当接部を延設することができれば、本発明を適用することができる。
【0051】
さらに、上記実施形態では、本発明を自動車等の車両の車体に適用した場合を示したが、本発明は、接着接合可能なものであれば、どのようなものにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、第1及び第2の被着部材を連鎖硬化接着剤により互いに接合する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る接着接合部材を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】接着接合部材の製造方法を示す斜視図であり、(a)は第1の被着部材を支持台にセットした状態を示し、(b)は第1及び第2の被着部材のフランジ部をクランプ手段のクランプ部材によりクランプした状態を示し、(c)は連鎖硬化接着剤に開口部を介して光又は熱エネルギーを付与している状態を示す。
【図4】車体のサイドボディを示す車体側方から見た図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】ルーフパネルとルーフサイドレールとの接合部分を示す断面図である。
【図7】ルーフパネルとルーフサイドレールとの接合部分の変形例を示す断面図である。
【図8】サイドシルとフロアパネルとの接合部分を示す断面図である。
【図9】立設部及び当接部の変形例を示す図2相当図である。
【図10】立設部及び当接部の更なる変形例を示す図2相当図である。
【符号の説明】
【0054】
1 接着接合部材
2 第1の被着部材
2b 第1の被着部材のフランジ部
3 第2の被着部材
3b 第2の被着部材のフランジ部
6 第1の被着部材の被着接合部
7 第2の被着部材の被着接合部
8 連鎖硬化接着剤
12 立設部
13 当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の被着部材が、該両被着部材にそれぞれ延設された被着接合部にて接着剤により互いに接合されてなる接着接合部材であって、
上記接着剤は、該接着剤の一部にエネルギーを付与した際に、該エネルギー付与部分が硬化反応して硬化反応熱を発生しかつ該硬化反応熱により該硬化反応部分に隣接する部分が硬化反応して硬化反応熱を発生することで、連鎖硬化反応する連鎖硬化接着剤であって、上記エネルギーの付与により硬化したものであり、
上記両被着部材の被着接合部間には、上記連鎖硬化接着剤が被着接合部延設方向に沿って連続して設けられ、
上記第1の被着部材における被着接合部の側方部に、上記第2の被着部材側に突出する立設部が被着接合部延設方向に沿って連続して形成され、
上記第2の被着部材における被着接合部の側方部に、上記立設部に当接することにより両被着部材の被着接合部間の隙間量を規定する当接部が、被着接合部延設方向に沿って連続して形成されていることを特徴とする接着接合部材。
【請求項2】
請求項1記載の接着接合部材において、
上記立設部は、上記第1の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成され、
上記当接部は、上記第2の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成されており、
上記両当接部が両立設部にそれぞれ当接することにより、上記両被着部材の被着接合部間に上記連鎖硬化接着剤の充填空間が画成されていることを特徴とする接着接合部材。
【請求項3】
請求項1又は2記載の接着接合部材において、
上記両被着部材は、該両被着部材の接合により互いに重ね合わされたフランジ部をそれぞれ有し、
上記両被着部材の被着接合部は、該両被着部材におけるフランジ部の合わせ面に、該フランジ部の長さ方向に沿って延びるようにそれぞれ設けられたものであることを特徴とする接着接合部材。
【請求項4】
第1及び第2の被着部材が、該両被着部材にそれぞれ延設された被着接合部にて接着剤により互いに接合されてなる接着接合部材の製造方法であって、
上記接着剤は、該接着剤の一部にエネルギーを付与した際に、該エネルギー付与部分が硬化反応して硬化反応熱を発生しかつ該硬化反応熱により該硬化反応部分に隣接する部分が硬化反応して硬化反応熱を発生することで、連鎖硬化反応する連鎖硬化接着剤であり、
上記両被着部材のうちの少なくとも一方の被着部材の被着接合部に、上記連鎖硬化接着剤を被着接合部延設方向に沿って配置する接着剤配置工程と、
上記接着剤配置工程後に、上記両被着部材の被着接合部同士を合わせる被着接合部合わせ工程と、
上記被着接合部合わせ工程後に、上記連鎖硬化接着剤の所定箇所に上記エネルギーを付与することで、該連鎖硬化接着剤を連鎖硬化反応させる連鎖硬化反応工程とを含み、
上記第1の被着部材は、該第1の被着部材における被着接合部の側方部に、上記両被着部材の被着接合部同士を合わせた状態で上記第2の被着部材側に突出する立設部が被着接合部延設方向に沿って連続して形成されたものであり、
上記第2の被着部材は、該第2の被着部材における被着接合部の側方部に、上記被着接合部合わせ工程で上記立設部に当接することにより両被着部材の被着接合部間の隙間量を規定する当接部が、被着接合部延設方向に沿って連続して形成されたものであることを特徴とする接着接合部材の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の接着接合部材の製造方法において、
上記接着剤配置工程は、上記両被着部材のうちの一方の被着部材のみの被着接合部に上記連鎖硬化接着剤を被着接合部延設方向に沿って配置する工程であることを特徴とする接着接合部材の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の接着接合部材の製造方法において、
上記接着剤配置工程は、上記第1の被着部材の被着接合部に上記連鎖硬化接着剤を被着接合部延設方向に沿って配置する工程であることを特徴とする接着接合部材の製造方法。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1つに記載の接着接合部材の製造方法において、
上記立設部は、上記第1の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成されたものであり、
上記当接部は、上記第2の被着部材における被着接合部の両側側方部にそれぞれ形成されたものであり、
上記被着接合部合わせ工程で上記両当接部を両立設部にそれぞれ当接させることで、上記両被着部材の被着接合部間に上記連鎖硬化接着剤の充填空間を画成することを特徴とする接着接合部材の製造方法。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1つに記載の接着接合部材の製造方法において、
上記両被着部材は、上記被着接合部合わせ工程で互いに重ね合わされるフランジ部をそれぞれ有し、
上記両被着部材の被着接合部は、該両被着部材におけるフランジ部の合わせ面に、該フランジ部の長さ方向に沿って延びるようにそれぞれ設けられたものであることを特徴とする接着接合部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−296557(P2008−296557A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148478(P2007−148478)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】