説明

接続状態検出方法および通信システム

【課題】検出時間を短縮した接続状態検出方法を得ること。
【解決手段】通信装置が、光信号出力有り無しの状態を切り換えて生成する、双方向ポートペアごとに固有の信号パターンの光信号を送信するステップ(S12)と、光スイッチ装置が受信した光信号を受信ポートとペアをなす送信ポートへループバックするステップ(S14)と、通信装置が、ループバック信号から受信パターンを検出して、検出したパターンが、それを受信した受信ポートとペアの送信ポートから送信された信号パターンと同一の場合に正しい接続状態と判定するステップ(S15)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置と光スイッチ装置の接続状態検出方法および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送を使った通信ネットワークなどの大容量の通信ネットワークでは、光信号の交換を行う光スイッチを適用する光クロスコネクト装置(OXC:Optical Cross-connect)が用いられている。
【0003】
たとえば、従来の通信ネットワークでは、WDM装置同士が光ファイバで接続され、それぞれのWDM装置は、光クロスコネクト装置と接続され、また、光クロスコネクト装置はルータと接続される。ルータは、IPパケットをパケット単位で交換し、パケットを光信号に変換して送受信する。光信号の形式としてはITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)で標準化された同期デジタルハイアラーキ(SDH:Synchronous Digital Hierarchy),IEEE802で標準化されたイーサネット(登録商標)などの形式がある。そして、これらの光信号は、1ギガビット毎秒,2.4ギガビット毎秒,10ギガビット毎秒といった様々な速度で送信される。
【0004】
WDM装置は、複数の光ファイバケーブルによって伝送された複数の光信号を波長多重して1本の光ファイバケーブルに送出する。また、WDM装置は、他のWDM装置との間で、波長多重化された信号の送受信を行う。そして、WDM装置は、1本の光ファイバケーブルによって伝送された波長多重された光信号を波長分離し、複数の光ファイバケーブルに転送する。
【0005】
光クロスコネクト装置は、ルータおよびWDM装置とそれぞれ光ファイバケーブルで接続され、光ファイバケーブルによって伝送された光信号を、別の光ファイバケーブルに転送する。このような構成では、ルータと光クロスコネクト装置,光クロスコネクト装置とWDM装置は、それぞれ光信号を送受信する関係にある。ここで、以下では、一方の装置からみて送信に使用する光ファイバケーブルと受信に使用する光ファイバケーブルのペアを、双方向ファイバペアと呼ぶことにする。
【0006】
たとえば、光クロスコネクト装置は、ルータとの間の双方向ファイバペアの受信(光クロスコネクト装置からみて)方向の光ファイバから受信する光信号を、WDM装置との間の双方向ファイバペアの送信方向(光クロスコネクト装置からみて)の光ファイバに転送する。そして、WDM装置との間の前述の双方向ファイバペアの受信方向の光ファイバから受信した光信号を、ルータとの間の前述の双方向ファイバペアの送信方向の光ファイバに転送することにより、ルータと光クロスコネクト装置の間で光信号の送受信が可能となる。
【0007】
そして、光ファイバケーブルで接続される2つのWDM装置にそれぞれ接続される光クロスコネクト装置が、同様にルータとの間で光信号の送受信を行うことにより、それぞれのWDM装置に光クロスコネクト装置経由で接続されるルータ間で、IPパケットの送受信が可能となる。
【0008】
このような通信システムでIPパケットを正しく転送するためには、構成する、ルータ,光クロスコネクト装置,WDM装置の各々の装置間の光ファイバケーブルの接続を正しく行うだけでなく、装置間のどのポートが接続先のどのポートに対応しているかなどの接続関係の管理も必要である。この管理は、装置自身行うか、または、ネットワーク管理装置が行う。さらに、送信されたデータを正しく受信するためには、光ファイバケーブルによって接続された互いのポートが送受信する光信号の形式・速度が合致していなければならない。
【0009】
接続関係を管理する方法として、たとえば、下記特許文献1に記載の技術がある。下記特許文献1では、信号中継器等の通信装置が識別子を光信号に付加して光スイッチに送信し、光スイッチが光信号をループバックする。そして、通信装置が、自らが送信した識別子の付加された信号を受信し、受信した信号に含まれる識別子と自らが送信した識別子を比較することによって接続関係を自動的に発見する方法が示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2005−12421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、光スイッチのループバックを一度に1ファイバペア分について実施し、光スイッチのループバックするポートを異なる順次変えていくことにより接続関係の情報を得る。したがって、接続関係の検出までに時間がかかるという問題がある。
【0012】
また、ファイバケーブルによって接続された装置の各ポートが送受信する光信号の形式・速度が、お互いに合致していない場合には、受信した光信号に付加された識別子を取り出すことができない。したがって、その場合には、ファイバペアが誤って接続されたことを検出できないという問題がある。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接続状態の検出時間を短縮し、かつ誤接続の場合に誤接続先のポートの特定を可能とする接続状態検出方法および通信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光信号の経路を切り換える光スイッチ装置と前記光スイッチ装置と接続される通信装置で構成される通信システムにおいて、前記光スイッチ装置と前記通信装置が、受信ポートと送信ポートの組み合わせである双方向ポートペアをそれぞれ複数備える場合の接続状態検出方法であって、前記通信装置が、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔で切り換えることにより生成する所定の周期の信号パターンを、双方向ポートペアごとに固有の前記送信パターンとしてそれぞれ生成し、生成した信号パターンにしたがって光信号を送信する光信号送信ステップと、前記光スイッチ装置が、前記光信号を受信し、受信した受信ポートと双方向ポートペアをなす送信ポートへ前記光信号をループバック信号として転送する光信号ループバックステップと、前記通信装置が、前記ループバック信号の出力値に基づき、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔ごとに推定した結果を受信パターンとして検出する受信パターン検出ステップと、前記通信装置が、前記信号パターンと前記受信パターンを比較し、比較結果に基づいて前記受信パターンが、その受信パターンを受信した受信ポートの属する双方向ポートペアに属する送信ポートから送信された信号パターンと同一の場合に、正しい接続状態と判定する接続状態検出ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、通信装置が光信号ON/OFFパターンを送信し、光スイッチ装置が双方向ポートペアとなる受信ポートと送信ポートをループバック状態に設定して、さらに、通信装置が、自装置の双方向ポートペアごとに送信パターンと受信パターンを比較することにより正しい接続状態であるか否かを判断するようにしたので、接続状態の検出時間を短縮し、かつ誤接続の場合に誤接続先のポートを特定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかる接続状態検出方法および通信システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる通信システムの実施の形態1の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の通信システムは、通信装置1と光スイッチ装置2で構成される。通信装置1は、光信号を送信する光信号送信部3−1,3−2と、受信する光信号のパワーを計測する光パワーモニタ4−1,4−2と、通信装置1の動作を制御し、光スイッチ装置2と通信を行う制御部5と、送信ポート6−1,6−3と、受信ポート6−2,6−4と、で構成される。通信装置1は、たとえば、ルータ,WDM装置などのように光スイッチ装置2と隣接する装置である。光スイッチ装置2は、受信する光信号のパワーを計測する光パワーモニタ7−1〜7−3と、光信号の経路を切り替える光スイッチ8と、光スイッチ装置2の動作を制御し、通信装置1と通信を行う制御部9と、受信ポート6−5,6−7と、送信ポート6−6,6−8と、で構成される。
【0018】
また、通信装置1の送信ポート6−1,6−3と光スイッチ装置2の受信ポート6−5,6−6には、それぞれ光ファイバケーブル10−1,光ファイバケーブル10−3が接続している。通信装置1の受信ポート6−2,6−4と光スイッチ装置2の送信ポート6−6,6−8には、それぞれ光ファイバケーブル10−2,光ファイバケーブル10−4が接続している。また、光スイッチ装置2の送信ポート6−9,受信ポート6−10には、それぞれ光ファイバケーブル10−5,10−6が接続している。
【0019】
通信装置1の光信号送信部3−1,3−2は、それぞれ送信ポート6−1,6−3を経由して、光ファイバケーブル10−1,10−3へ光信号を送信するが、光信号を送信する動作と送信しない動作のいずれかを選択することが可能である。そして、その選択は、制御部5が制御する。また、制御部5は、光パワーモニタ4−1,4−2のそれぞれの状態を監視し、光ファイバケーブル10−2,10−4によって伝送された光信号のパワーの有無(光信号のパワーが所定の値以上であるか否か)を把握する。さらに、制御部5は、光スイッチ装置2と通信を行い、光信号送信部3−1,3−2または光パワーモニタ4−1,4−2の監視制御の内容,光信号を送受信するポートの識別情報などの情報を交換する。
【0020】
光スイッチ装置2の制御部9は、光スイッチ8の光信号の転送動作を制御し、また、光パワーモニタ7−1〜7−3の状態をそれぞれ監視し、光ファイバケーブル10−1,10−3,10−6経由で受信する光信号のパワーの有無を把握する。また、制御部9は、通信装置1と通信を行い、光信号送信部3−1,3−2または光パワーモニタ7−1〜7−3の監視制御の内容,光信号を送受信するポートの識別情報などの情報を交換する。光スイッチ8は、制御部9から指示された制御内容に基づき光ファイバケーブル10−1,10−3,10−6経由で受信する光信号を、それぞれ光ファイバケーブル10−2,10−4,10−5等に転送する、または、転送しない(光を送信しない)のいずれかの動作を実行する。
【0021】
また、光ファイバケーブル10−1と10−2,光ファイバケーブル10−3と10−4,光ファイバケーブル10−5と10−6は、それぞれ1対で同一の接続先との送受信を行う双方向ファイバペア12−1,12−2,12−3を構成する。また、通信装置1の送信ポート6−1と受信ポート6−2,送信ポート6−3と受信ポート6−4は、それぞれ1対で同一の接続先との送受信を行うポートであり、以下では、これらの一対を双方向ポートペアとよぶこととする。同様に、光スイッチ装置の受信ポート6−5と送信ポート6−6,受信ポート6−7と送信ポート6−8,送信ポート6−9と受信ポート6−10も、それぞれ双方向ポートペアとする。
【0022】
さらに、通信装置1の制御部5と光スイッチ装置2の制御部9は、制御通信路11で接続されており、制御部5および制御部9は制御通信路11経由で上述の情報の交換を行う。
【0023】
図1に示した構成の場合、正しい接続状態では、光スイッチ装置2の双方向ポートペア(第1の双方向ポートペアとする)を構成する送信ポートと通信装置1の双方向ポートペア(第2の双方向ポートペアとする)を構成する受信ポートが光ファイバで接続され、第1の双方向ポートペアを構成する受信ポートと第2の双方向ポートペアを構成する送信ポートが光ファイバで接続されている。すなわち、正しく接続されている状態では、通信装置1の双方向ポートペアに接続されている光ファイバケーブルが、光スイッチ装置2において双方向ポートペアを構成する送受信ポートにそれぞれ接続されている。
【0024】
しかし、単に光ファイバケーブルを通信装置1と光スイッチ装置2の送受信ポートをそれぞれ接続したのみの状態では、正しく接続されているかどうかは未知である。また、正しく接続されているとしても、通信装置1のどの双方向ポートペアと光スイッチ装置2のどの双方向ポートペアが接続されているかについても未知である。本実施の形態では、この接続関係を検出する。以下、この接続関係の検出動作について説明する。
【0025】
図2は、光信号送信部3−1が、光ファイバケーブル10−1に送信する光信号のON/OFFパターン(光信号ON/OFFパターン)の一例を示す図である。制御部5は、光信号送信部3−1,3−2に対して、所定の時間間隔で、光信号の送信を行う状態(ON)と送信を行わない状態(OFF)のいずれの状態とするかを指示する。本実施の形態では、所定の時間間隔を1秒とし、1秒ごとにONとOFFのいずれの状態とするかを指示することとする。光信号送信部3−1,3−2は、指示に従ってONまたはOFFとし、所定の時間間隔経過後に次の指示を受け取るまでは同じ状態を維持する。また、所定の回数のONまたはOFFの指示で1つの光信号ON/OFFパターンを構成することとし、光信号送信部3−1,3−2はそれぞれの光信号ON/OFFパターンを繰り返して送信する。ここでは、所定の回数を8回とする。したがって、8秒間で1つの光信号ON/OFFパターンが送信される。制御部5は、光信号送信部3−1,3−2ごとに異なる光信号ON/OFFパターンとなるようにONまたはOFFを指示する。
【0026】
図2は、制御部5が、1秒後ごとに「ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,OFF」の指示を順次送出した場合に、光信号送信部3−1から送出される光信号の8秒間のパワーのパターンを示している。この場合、光ファイバケーブル10−1には、7秒間連続して光信号が送信され、その後1秒間光信号の送信が停止されることになる。制御部5は、光信号送信部3−1に対して、このON/OFFパターンを繰り返して指示する。
【0027】
このように光信号送信部3−1から送信された光信号のON/OFFパターンは、光ファイバケーブル10−1を経由して、光パワーモニタ7−1に出力される。そして、光パワーモニタ7−1は、光信号のパワーを測定し、制御部9が、その測定結果を監視する。制御部9は、監視している光信号のパワーが所定のしきい値より大きな場合には、光信号が送信された状態(ON)と判断し、所定のしきい値以下の場合には光信号が送信されていない状態(OFF)と判断する。このときの所定のしきい値は、光信号の送信パワー,途中の経路における減衰,雑音などを考慮して、ONとOFFの状態が判別できるような数値に設定しておく。
【0028】
また、制御部9からの指示に基づいて、光スイッチ8が光ファイバケーブル10−1,すなわち受信ポート6−5から受信した光信号を、光ファイバケーブル10−1と双方向ファイバペアを構成する光ファイバケーブル10−2,すなわち送信ポート6−6に転送するような切り換えであったとする。このとき、光ファイバケーブル10−1経由で送信された光信号は、光ファイバケーブル10−2経由で通信装置1に送信される。
【0029】
したがって、この光信号は、受信ポート6−2経由で光パワーモニタ4−1に入力される。光パワーモニタ4−1は、この光信号のパワーを測定して、制御部5は、所定のしきい値より大きな場合には、光信号が送信された状態(ON)と判断し、所定のしきい値以下の場合には光信号が送信されていない状態(OFF)と判断する。そしてこれらのONとOFFの判別結果から、受信した光信号のON/OFFパターンを検出することができる、なお、ここで用いる所定のしきい値は、制御部9が用いた所定のしきい値と同一としてもよいし、通信路の状態などを考慮して、制御部9と異なる値を設定してもよい。このように受信ポートから受信する光信号を、その受信ポートが構成する双方向ポートペアの送信ポートに転送する状態のことを、ループバックした状態とよぶこととする。
【0030】
したがって、光信号送信部3−1,3−2が送信する光信号ON/OFFパターンをそれぞれ固有のパターンとすれば、送信した光信号ON/OFFパターンと光スイッチ装置2を経由して受信した光信号を比較することにより、正しい接続状態か否かを検出することができる。
【0031】
具体的には、制御部5が送信を指示した光信号ON/OFFパターンと、その光信号ON/OFFパターンを送信した送信ポートと双方向ペアを構成する受信ポート経由で受信した信号の光信号ON/OFFパターンが一致する場合に正しい接続状態と判断できる。たとえば、光信号送信部3−1から送信ポート6−1経由で光信号ON/OFFパターンが送信されたとする。この場合、受信ポート6−2経由で光パワーモニタ4−1の測定した受信信号のパワーに基づいて制御部5が検出した光信号ON/OFFパターンが送信ポート6−1経由で送信した光信号ON/OFFパターンと一致すれば、送信ポート6−1と受信ポート6−2の双方向ポートペアについては、正しく接続されていることになる。
【0032】
固有のパターンとしては、たとえば、光信号送信部3−1が送信する光信号ON/OFFパターンを図2のように「ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,OFF」とし、光信号送信部3−2が送信する光信号ON/OFFパターンを「ON,ON,ON,ON,ON,ON,OFF,OFF」とする。
【0033】
また、送信した光信号ON/OFFパターンと、その光信号ON/OFFパターンを送信した送信ポートと双方向ペアを構成する受信ポート経由で受信した光信号のON/OFFパターンが一致しない場合には、接続状態が正しくない(誤接続)と判断することができる。このとき、誤接続と判断された受信ポート経由で受信した光信号ON/OFFパターンと、光信号送信部3−1,3−2のそれぞれが送信した光信号ON/OFFパターンを比較すれば、どの送信ポートから送信された光信号を受信したかを推定することができる。
【0034】
たとえば、光信号送信部3−1が送信した光信号ON/OFFパターンと受信ポート6−2経由で受信した光信号ON/OFFパターンが一致しない場合には、制御部5は誤接続と判断する。そして、さらに、制御部5が、その受信した光信号ON/OFFパターンを光信号送信部3−2が送信した光信号ON/OFFパターンと比較する。比較結果が一致した場合、受信ポート6−2は、光信号送信部3−2から送信された信号が光スイッチ装置2では受信された受信ポートと双方向ポートペアを構成する送信ポートから送信された信号と推定することができる。したがって、この場合、受信ポート6−2に接続される光ファイバケーブル10−2を受信ポート6−4に接続すると正しい接続状態となると推定することができる。
【0035】
つづいて、本実施の形態の接続状態を検出するための動作手順について説明する。図3は、本実施の形態の接続状態の検出手順の一例を示すチャート図である。なお、図3は接続状態が正しい場合の動作手順を示している。この検出手順は、接続状態が未知の場合(たとえば、初期接続時など)に行われる。まず、通信装置1の制御部5は、光信号送信部3−1,3−2に対してそれぞれ固有の光信号ON/OFFパターンを生成し、そのパターンにしたがって、光信号送信部3−1,3−2に、それぞれONまたはOFFの指示(所定の時間間隔)の送出を開始する(ステップS10)。そして、光信号送信部3−1,3−2は、それぞれ制御部5からの指示に従い光信号ON/OFFパターンを送信する(ステップS12)。
【0036】
一方、光スイッチ装置2の制御部9は、接続関係が未知の場合には、光スイッチ8の切り換えの状態を双方向ポートペアのループバック状態(双方向ポートペアの受信ポートから受信した信号がその双方向ポートペアの送信ポートから出力される状態)に設定する(ステップS11)。そして、光スイッチ装置2の光スイッチ8は、ステップS12で通信装置1から送信された光信号ON/OFFパターンを、受信ポート6−5,6−7および光パワーモニタ7−1,7−2経由で受信すると、その信号を受信した受信ポートと双方向ポートペアを構成する送信ポートに転送する(ステップS13)。そして、光信号は転送された受信ポートからループバック光信号として通信装置1へ送信される(ステップS14)。
【0037】
通信装置1の制御部5は、光パワーモニタ4−1,4−2の測定結果に基づいて受信ポートごとに受信した光信号ON/OFFパターン(受信パターン)を検出する。そして、双方向ポートペアごとに、送信ポートから送信された光信号ON/OFFパターン(送信パターン)とその双方向ポートペアの受信ポートで検出された受信パターンとを比較する(ステップS15)。そして、全ての双方向ポートペアについて比較の結果が一致し、正しく接続されていると判断した場合には、受信確認要求パケットを光スイッチ装置2に制御通信路11経由で送信する(ステップS17)。受信確認要求パケットには、通信装置1の双方向ポートペアの識別情報と、その双方向ポートペアの送信ポートから送信された光信号ON/OFFパターンを含むこととする。
【0038】
一方、光スイッチ装置2の制御部9は、光パワーモニタ7−1,7−2の測定結果に基づいて、受信ポートごとに受信パターンを検出して記録する(ステップS16)。そして、制御部9は、ステップS17で送信された受信確認要求パケットを受信すると、通信装置1の双方向ポートペアの識別情報ごとに、記録されている受信パターンと受信確認要求パケットに含まれる送信パターンが一致する受信ポートを特定する(ステップS18)。この特定結果に基づいて、通信装置1の双方向ポートペアと光スイッチ装置2の双方向ポートペアを対応付ける(接続されている双方向ポートペア同士として対応付ける:ステップS19)。
【0039】
たとえば、通信装置1の送信ポート6−1と受信ポート6−2の双方向ポートペアの識別番号を“A1”とし、光スイッチ装置2の受信ポート6−5と送信ポート6−6の双方向ポートペアの識別番号を“B1”とする。このとき、受信ポート6−5経由で受信した受信パターンが、受信確認要求パケットに含まれる双方向ポートペア“A1”の光信号ON/OFFパターンと一致する場合に、“A1”と“B1”を対応付ける。
【0040】
そして、ステップS19で対応付けた双方向ポートペアの識別情報を含めた受信確認応答パケットを通信装置1へ送信する(ステップS20)。そして、通信装置1は、この受信確認応答パケットを受信し、受信確認応答パケットに含まれる光スイッチ装置2の双方向ポートペアとの対応情報報を得る(ステップS22)。
【0041】
なお、本実施の形態では、一度に通信装置1の光信号送信部3−1,光信号送信部3−2の両方からそれぞれ光信号ON/OFFパターンを送信するようにしたが、光信号送信部3−1のみからまたは光信号送信部3−2のみから光信号ON/OFFパターンを送信するようにしてもよい。また、その場合に、ステップS20では、受信したポートに対応する通信装置1の双方向ポートペアの識別情報は含まないようにし、ステップS22では、受信確認応答パケットに含まれる光スイッチ装置2の双方向ポートペアの識別情報にもとづいて、光信号ON/OFFパターンを送信した双方向ポートペアにその識別情報に対応する双方向ポートペアを対応付けるようにすればよい。
【0042】
図4は、接続状態を検出するための通信装置1の処理フローの一例を示す図である。まず、制御部5は、光信号を送信するポート(所望のポート)に対応する光信号送信部3−1,3−2のON/OFFを所定の時間間隔で変更する指示を送出し、指示を受けた光信号送信部3−1,3−2は指示にしたがってそれぞれの送信パターンで光信号を送信する(ステップS22)。このときの所望のポートは、上述のように複数でもよいし、単数でもよい。
【0043】
つぎに、制御部5は、ステップS22で光信号の送信を送信したポートと双方向ポートペアを構成する受信ポートから受信した光信号の測定値(光パワーモニタ4−1,4−2の測定値)に基づいて受信パターンを検出する(ステップS23)。そして、制御部5は、送信ポートと受信ポートの双方向ポートペアごとに送信パターンと受信パターンが一致するか否かを判断する(ステップS24)。送信パターンと受信パターンが一致した場合には(ステップS24 Yes)、受信確認要求パケットに双方向ポートペアのポート識別情報、その双方向ポートペアに送信パターンを含めて、光スイッチ装置2に送信する(ステップS25)。
【0044】
そして、制御部5は、光スイッチ装置2から受信確認応答を受信したか否かを判断し(ステップS26)、受信したと判断した場合(ステップS26 Yes)には、受信確認応答に基づいて通信装置1の双方向ポートペアと光スイッチ装置2の双方向ペアの対応付けを行い(ステップS27)、処理を終了する。受信確認応答を受信しないと判断した場合(ステップS26 No)には、ステップS26に戻る。
【0045】
一方、ステップS24で送信パターンと受信パターンが一致しないと判断した場合(ステップS24 No)には、誤接続を判定し(ステップS28)、処理を終了する。なお、誤接続と判定した場合には、前述のとおりどのように誤接続されているか検出できることもできるため、その検出処理をさらに行うようにしてもよい。
【0046】
図5は、接続状態を検出するための光スイッチ装置2の処理フローの一例を示す図である。まず、制御部9は、光スイッチ8にループバックの状態となるよう指示し、光スイッチ8は指示にしたがってループバックの状態に設定する(ステップS31)。つぎに、通信装置1から受信した光信号の受信パターンを受信ポートごとに記録する(ステップS32)。
【0047】
つぎに制御部9は、通信装置1から受信確認要求を受信したか否かを判断する(ステップS33)。受信したと判断した場合(ステップS33 Yes)には、光スイッチ装置2の受信ポートが受信した受信パターンのうち受信確認要求に含まれる送信パターンと一致する受信パターンがあるか否かを判断する(ステップS34)。ステップS33で受信しないと判断した場合(ステップS33 No)には、ステップS33に戻る。
【0048】
ステップS34で送信パターンと一致する受信パターンがあると判断した場合(ステップS34 Yes)には、一致した送信パターンに対応する通信装置1の双方向ポートペアの識別情報と、一致した受信パターンに対応する双方向ポートペアの識別情報を対応付けることにより、通信装置1の双方向ポートペアと光スイッチ装置2の双方向ポートペアを対応付ける(ステップS35)。そして、一致した受信ポートに対応する双方向ポートペアの識別情報を含む受信確認応答を通信装置1に送信する(ステップS36)。このとき、送信パターンが送信されている場合には、受信確認応答には送信パターンに対応する双方向ポートペアごとに受信ポートに対応する双方向ポートペアの識別情報を含める。
【0049】
一方、ステップS34で送信パターンと一致する受信パターンが無い(ステップS34 No)と判断した場合には、自装置でループバックされた光信号は無い(通信装置1と自装置の双方向ポートペアとの接続はない)と判定する(ステップS37)。
【0050】
なお、前述のとおり、誤って接続された場合にも、接続状態の検出が可能である。この検出を行う場合、たとえば、ステップS37で、さらに、全ての受信ポートについて、受信確認応答に含まれる送信パターンに一致する受信パターンを検出する。そして、一致する受信パターンがあった場合に、一致した送信パターンに対応する双方向ポートペアごとに、誤接続を示す情報とともにその一致した受信ポートに対応する自装置の双方向ポートペアの識別情報を出力するようにすればよい。
【0051】
なお、本実施の形態では、8秒(8ビット分の情報に相当)の送信パターンを繰り返すことでポートを識別しているが、この場合、たとえば、2の8乗すなわち256通りパターン変更が可能であり、同時に256個の双方向ポートペアの識別が可能である。また、繰り返しの周期は、これに限らず、どのような数値に設定してもよい。
【0052】
このように、本実施の形態では、通信装置1が送信ポートごとに固有の光信号ON/OFFパターンを送信し、光スイッチ装置2は双方向ポートペアとなる受信ポートと送信ポートをループバック状態に設定して、通信装置1が、自装置の双方向ポートペアごとに送信パターンと受信パターンを比較することにより正しい接続状態であるか否かを判断するようにした。このため、光スイッチ装置2の双方向ポートペアについて並行して接続状態判定してくため、速やかに接続状態が正しいか否かを判断することができる。また、送受信する光信号の形式,速度が、お互いに合致していない場合でも接続状態が正しいか否かを確認することができる。さらに、誤接続と判断された場合にも、誤接続先を検出する処理を追加することにより、誤接続の接続状態を検出することもできる。
【0053】
実施の形態2.
図6は、本発明にかかる実施の形態2の接続状態の検出手順の一例を示すチャート図である。本実施の形態の通信システムの機能構成は実施の形態1と同様である。実施の形態1では、通信装置1が光信号ON/OFFパターンを送信することにより接続状態を検出したが、本実施の形態では通信装置は光信号のON/OFFは行わず、光スイッチ装置2が、ループバック状態のON/OFFの動作を行うことにより接続状態を検出する。なお、図6は接続状態が正しい場合の動作手順を示している。
【0054】
図6に示すように、接続関係が未知の状態で、通信装置1は、光信号送信部3−1,3−2のいずれか1つに信号の送信の指示を開始し(ステップS40)、光信号送信部3−1または3−2は指示に従って光信号を送信する(ステップS42)。このとき送信する光信号のパワーは所定の値とする。一方、光スイッチ装置2は、接続関係が未知の状態で、制御部9は、光スイッチ8にループバック状態をON(ループバックに設定する状態)とOFF(ループバックに設定しない状態)とを所定の時間間隔で変更する指示を開始する(ステップS41)。このときループバック状態のONおよびOFFのパターンは双方向ポートペアごとに固有となるように生成する。光スイッチ8は、制御部9の指示にしたがってループバック状態のONとOFFを所定の時間間隔で変更する(ステップS43)。本実施の形態では、ONとOFFは、制御部9が1秒ごとにONまたはOFFを指示し、8秒間で1つのパターン(ループバック状態のON/OFFパターン)を形成することとし、制御部9は、双方向ポートペアごとに、固有のパターンを繰り返すように制御する。たとえば、図2に示すONとOFFのパターンとすればよい。
【0055】
そして、光スイッチ8はステップS42で送信された光信号をループバックにより通信装置1に送信する(ステップS44)。通信装置1の制御部5は、ステップS44で送信された光信号を受信すると、受信ポートごとに光信号の測定値(光パワーモニタ4−1,4−2の測定値)に基づいて受信パターンを検出して記録する(ステップS45)。このときの、受信パターンの検出方法は、実施の形態1の光スイッチ装置2の制御部9における受信パターンの検出方法と同様とする。
【0056】
つぎに、通信装置1の制御部5は、通信装置1の光信号を受信した受信ポートがステップS40で送信した送信ポートと双方向ポートペアを構成するものであるかを確認し、双方向ペアを構成する場合には、その双方向ポートペアの識別情報と受信して検出された受信パターンを含む送信確認要求パケットを、光スイッチ装置2に送信する(ステップS46)。光スイッチ装置2の制御部9は、送信確認要求パケットに含まれる受信パターンと、ステップS41でループバック状態のONおよびOFFを設定した双方向ポートペアと受信パターンを比較し、一致するものがある場合には正しく接続されていると判断し、一致するON/OFFパターンに対応する双方向ポートペアを特定する(ステップS47)。そして、ステップS47で特定した双方向ポートペアに対して、その受信パターンに対応する通信装置1の双方向ポートペア識別情報を対応させることにより、通信装置1の双方向ポートペアと光スイッチ装置2の双方向ポートペアを対応付ける(ステップS48)。
【0057】
つぎに、光スイッチ装置2の制御部9は、ステップS48で対応づけた光スイッチ装置2の双方向ポートペアの識別情報を含む送信確認応答を通信装置1に送信する(ステップS49)。そして、通信装置1の制御部5は、送信確認応答に基づいて通信装置1の双方向ポートペアと光スイッチ装置2の双方向ポートペアを対応付ける(ステップS50)。
【0058】
図7は、接続状態を検出するための動作手順を実施するための通信装置1の処理フローの一例を示す図である。まず、通信装置1の制御部5は、光信号送信部3−1,3−2のいずれか1つに光信号の送信を指示し、光信号送信部3−1または3−2は光信号の送信を開始する(ステップS51)。つぎに、制御部5は、受信ポートごとに、光スイッチ装置2からループバックされた光信号の測定値(光パワーモニタ4−1,4−2の測定値)に基づいて受信パターンを検出し、受信パターンを記録する(ステップS52)。
【0059】
つぎに、制御部5は、ステップS51で光信号を送信した送信ポートと双方向ポートペアを構成する受信ポートで光信号を受信したか否かを判断する(ステップS53)。光信号を送信した送信ポートと双方向ポートペアを構成する受信ポートで光信号を受信したと判断した場合(ステップS53 Yes)には、その受信ポートに対応する双方向ポートペアの識別情報と対応する受信パターンを含めた送信確認要求パケットを光スイッチ装置2に送信する(ステップS54)。
【0060】
そして、制御部5は、送信確認応答を受信したか否かを判断し(ステップS55)、受信したと判断した場合(ステップS55 Yes)には、その送信確認応答に基づいて、通信装置1の双方向ポートペアと光スイッチ装置2の双方向ポートペアを対応付けて(ステップS56)、処理を終了する。送信確認応答を受信しないと判断した場合(ステップS55 No)には、ステップS55に戻る。
【0061】
一方、ステップS53で光信号を送信した送信ポートと双方向ポートペアを構成する受信ポートで光信号を受信していないと判断した場合(ステップS53 No)には、誤接続と判定して(ステップS57)、処理を終了する。
【0062】
図8は、接続状態を検出するための動作手順を実施するための光スイッチ装置2の処理フローの一例を示す図である。まず、光スイッチ装置2は、接続関係が未知の状態で、制御部9は、光スイッチ8にループバック状態をON(ループバックに設定する状態)とOFF(ループバックに設定しない状態)とを所定の時間間隔で変更する指示を開始し、ループバックを行う(ステップS61)。
【0063】
そして、制御部9は送信確認要求パケットを受信したか否かを判断する(ステップS62)。受信したと判断した場合(ステップ62 Yes)には、送信確認要求パケットに含まれる受信パターンと一致するループバック状態のON/OFFパターンを設定した双方向ポートペアがあるか否かを判断する(ステップS63)。また、ステップS62で送信確認要求を受信していないと判断した場合(ステップS62 No)には、ステップS62に戻る。
【0064】
ステップS63で一致する双方向ポートペアがあると判断した場合(ステップS63 Yes)には、制御部9は、一致した受信パターンに対応する通信装置1の双方向ポートペアの識別情報と、その一致したループバック状態のON/OFFパターンに対応する双方向ポートペアの識別情報を対応付ける(ステップS64)。そして、ステップS64で対応づけた自装置の双方向ポートペアの識別情報を含む送信確認応答を通信装置1に送信して(ステップS65)、処理を終了する。このとき、ループバックのON/OFFパターンを設定した双方向ポートペアが複数であるときには、送信確認要求で送信された通信装置1の双方向ポートペアの識別情報ごとに双方向ポートペアの識別情報を送信確認応答に含める。
【0065】
一方、ステップS63で、一致する双方向ポートペアが無いと判断した場合(ステップS63 No)には、自装置でループバックされた光信号は無い(通信装置1と自装置の双方向ポートペアとの接続はない)と判定する(ステップS66)。なお、通信装置1の双方向ポートペアが3組以上ある場合には、さらに、ステップS51で光信号を送信する送信ポートを変えて、以上の処理を行うようにすればよい。
【0066】
なお、実施の形態1と同様、誤って接続された場合にも、接続状態の検出が可能である。この検出を行う場合、たとえば、ステップS53で、さらに、どの受信ポートで光信号を受信したかを検出する。そして、誤接続を示す情報とともにその受信した受信ポートの双方向ポートペアの識別情報と受信パターンを光スイッチ装置2に送信する。光スイッチ装置2では、正しい接続の場合と同様に状態のその受信パターンに基づいて対応する自装置の双方向ポートペアを検出して、その識別情報を出力すれば、どのように誤接続されているかを知ることができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、8秒(8ビット分の情報に相当)のループバック状態のON/OFFパターンを繰り返すことでポートを識別しているが、この場合、たとえば、2の8乗すなわち256通りパターン変更が可能であり、同時に256個の双方向ポートペアの識別が可能である。また、繰り返しの周期は、これに限らず、どのような数値に設定してもよい。
【0068】
このように、本実施の形態では、通信装置1が送信ポートごとに所定の一定値の光信号を送信し、光スイッチ装置2は双方向ポートペアごとに固有のループバック状態のON/OFFパターンを設定して光信号をループバックし、通信装置1が、受信ポートごとに受信パターンを受信ポートに対応付けて送信し、光スイッチ装置2が、その受信パターンと設定したループバック状態のON/OFFパターンを比較することにより正しい接続状態であるか否かを判断するようにした。このため、複数の双方向ポートペアについて並行して接続状態判定していくため、速やかに接続状態が正しいか否かを判断することができる。また、送受信する光信号の形式,速度が、お互いに合致していない場合でも接続状態が正しいか否かを確認することができる。さらに、誤接続と判断された場合にも、誤接続先を検出する処理を追加することにより、誤接続の接続状態を検出することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本発明にかかる接続状態検出方法は、通信装置と光スイッチ装置との接続状態を検出する通信システムに有用であり、特に、複数の送信ポートおよび受信ポートを有する通信システムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明にかかる通信システムの実施の形態1の機能構成例を示す図である。
【図2】光信号のON/OFFパターンの一例を示す図である。
【図3】実施の形態1の接続状態の検出手順の一例を示すチャート図である。
【図4】実施の形態1の接続状態を検出するための通信装置の処理フローの一例を示す図である。
【図5】実施の形態1の接続状態を検出するための光スイッチ装置の処理フローの一例を示す図である。
【図6】実施の形態2の接続状態の検出手順の一例を示すチャート図である。
【図7】実施の形態2の接続状態を検出するための通信装置の処理フローの一例を示す図である。
【図8】実施の形態2の接続状態を検出するための光スイッチ装置の処理フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 通信装置
2 光スイッチ装置
3−1,3−2 光信号送信部
4−1,4−2,7−1,7−2,7−3 光パワーモニタ
5,9 制御部
10−1〜10−6 光ファイバケーブル
11 制御通信路
12−1〜12−3 双方向ファイバペア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号の経路を切り換える光スイッチ装置と前記光スイッチ装置と接続される通信装置で構成される通信システムにおいて、前記光スイッチ装置と前記通信装置が、受信ポートと送信ポートの組み合わせである双方向ポートペアをそれぞれ複数備える場合の接続状態検出方法であって、
前記通信装置が、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔で切り換えることにより生成する所定の周期の信号パターンを、双方向ポートペアごとに固有の前記送信パターンとしてそれぞれ生成し、生成した信号パターンにしたがって光信号を送信する光信号送信ステップと、
前記光スイッチ装置が、前記光信号を受信し、受信した受信ポートと双方向ポートペアをなす送信ポートへ前記光信号をループバック信号として転送する光信号ループバックステップと、
前記通信装置が、前記ループバック信号の出力値に基づき、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔ごとに推定した結果を受信パターンとして検出する受信パターン検出ステップと、
前記通信装置が、前記信号パターンと前記受信パターンを比較し、比較結果に基づいて前記受信パターンが、その受信パターンを受信した受信ポートの属する双方向ポートペアに属する送信ポートから送信された信号パターンと同一の場合に、正しい接続状態と判定する接続状態検出ステップと、
を含むことを特徴とする接続状態検出方法。
【請求項2】
前記通信装置が、前記光スイッチ装置へ前記接続状態の検出結果を送信する検出結果送信ステップ、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の接続状態検出方法。
【請求項3】
前記光信号送信ステップでは、1つの送信ポートから光信号を送出することを特徴とする請求項1または2に記載の接続状態検出方法。
【請求項4】
前記光信号送信ステップでは、同時に2つ以上の送信ポートからそれぞれ光信号を送出することを特徴とする請求項1または2に記載の接続状態検出方法。
【請求項5】
前記光スイッチ装置が、前記受信した光信号の出力値に基づき、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔ごとに推定した結果を、光スイッチ装置受信パターンとしてその光信号を受信した受信ポートの属する双方向ポートペアと関連付けて記録する光スイッチ装置受信パターン記録ステップと、
前記通信装置が、前記接続状態検出ステップで正しい接続状態と判定した双方向ポートペアの識別情報と、その双方向ポートペアに属する送信ポートに対応する信号パターンとを受信確認情報として前記光スイッチ装置に送信するポート情報送信ステップと、
前記光スイッチ装置が、前記受信確認情報に含まれる信号パターンと前記光スイッチ装置受信パターンとを比較し、一致する場合には、その信号パターンに対応する双方向ポートペアと前記光スイッチ装置受信パターンに対応する双方向ポートペアが接続されているとして対応付ける接続対応付けステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の接続状態検出方法。
【請求項6】
前記接続状態検出ステップでは、正しい接続状態と判定されなかった場合には、前記信号パターンのいずれかと一致する受信パターンを受信した受信ポートの属する双方向ポートペアの識別情報と、その一致した信号パターンに対応する双方向ポートペアの識別情報を、誤接続情報として出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の接続状態検出方法。
【請求項7】
光信号の経路を切り換える光スイッチ装置とその光スイッチ装置と接続される通信装置で構成される通信システムにおいて、前記光スイッチ装置と前記通信装置が、受信ポートと送信ポートの組み合わせである双方向ポートペアをそれぞれ複数備える場合の接続状態検出方法であって、
前記通信装置が、1つの送信ポートから光信号を出力する光信号出力ステップと、
前記光スイッチ装置が、前記光信号を受信し、受信した受信ポートと双方向ポートペアをなす送信ポートへ前記光信号を転送するループバック転送有りと無しの状態を所定の時間間隔で切り換えることにより生成する所定の信号パターンを、双方向ポートペアごとに固有の前記信号パターンとして生成して、生成した信号パターンにしたがって受信した光信号をループバック信号として転送するループバックステップと、
前記通信装置が、前記ループバック信号を受信した受信ポートが前記光信号出力ステップで光信号を送信した送信ポートと双方向ポートペアをなすものである場合には正しい接続状態と判断する接続状態判断ステップと、
前記通信装置が、前記ループバック信号の出力値に基づき、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔ごとに推定した結果を受信パターンとして検出する受信パターン検出ステップと、
前記通信装置が、前記受信パターンを、その受信パターンを受信した受信ポートの属する双方向ポートペアの識別情報に対応付けて送信する受信パターン送信ステップと、
前記光スイッチ装置が、前記信号パターンと前記通信装置から送信された受信パターンを比較し、一致する場合には、その信号パターンに対応する双方向ポートペアと前記受信パターンに対応する双方向ポートペアが接続されているとして対応付ける接続対応付けステップと、
を含むことを特徴とする接続状態検出方法。
【請求項8】
前記光スイッチ装置が、前記通信装置へ前記接続状態の検出結果を送信する検出結果送信ステップ、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の接続状態検出方法。
【請求項9】
前記接続状態判断ステップで正しい接続状態と判断されなかった場合には、受信パターン送信ステップでは、誤接続を示す情報とともに前記受信パターンを、その受信パターンを受信した受信ポートの属する双方向ポートペアの識別情報に対応付けて送信することを特徴とする請求項7または8に記載の接続状態検出方法。
【請求項10】
光信号の経路を切り換える光スイッチ装置と前記光スイッチ装置と接続される通信装置で構成される通信システムであって、
前記光スイッチ装置は、
受信ポートと送信ポートの組み合わせである双方向ポートペアを複数備える構成とし、
さらに、
光信号を受信し、受信した受信ポートと双方向ポートペアをなす送信ポートへ前記光信号をループバック信号として転送する光スイッチ手段、
を備え、
前記通信装置は、
前記双方向ポートペアを複数備える構成とし、
さらに、
所定の信号パターンにしたがって光信号を送信する制御、および、正しい接続状態かどうかを判定する制御、を行う制御手段と、
前記制御手段による制御に基づき光信号を送信する光信号送信手段と、
を備え、
前記制御手段は、
光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔で切り換えることにより生成する所定の周期の信号パターンを、双方向ポートペアごとに固有の前記送信パターンとしてそれぞれ生成し、生成した信号パターンにしたがって光信号を送信するよう指示し、
また、前記ループバック信号の出力値に基づき、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔ごとに推定した結果を受信パターンとして検出し、前記信号パターンと前記受信パターンを比較し、比較結果に基づいて前記受信パターンが、その受信パターンを受信した受信ポートの属する双方向ポートペアに属する送信ポートから送信された信号パターンと同一の場合に、正しい接続状態と判定することを特徴することを特徴とする通信システム。
【請求項11】
光信号の経路を切り換える光スイッチ装置と前記光スイッチ装置と接続される通信装置で構成される通信システムであって、
前記通信装置は、
受信ポートと送信ポートの組み合わせである双方向ポートペアを複数備える構成とし、
さらに、
正しい接続状態かどうかを判定する制御を行う通信装置制御手段と、
光信号を出力する光信号送信手段と、
を備え、
前記通信装置制御手段は、
前記光スイッチ装置から光信号を受信した受信ポートが前記光信号送信手段で光信号を送信した送信ポートと双方向ポートペアをなすものである場合には正しい接続状態と判断し、
また、前記受信した信号の出力値に基づき、光信号出力有りと無しの状態を所定の時間間隔ごとに推定した結果を受信パターンとして検出し、前記受信パターンをその受信パターンを受信した受信ポートの属する双方向ポートペアの識別情報に対応付けて送信し、
前記光スイッチ装置は、
受信ポートと送信ポートの組み合わせである双方向ポートペアを複数備える構成とし、
さらに、
受信した受信ポートと双方向ポートペアをなす送信ポートへ前記光信号を転送するループバック転送に関する制御、および、接続される双方向ポートペアを対応付ける制御、を行う光スイッチ装置制御手段と、
前記光スイッチ装置の制御に基づいて前記ループバック転送を行う光スイッチ手段と、
を備え、
前記光スイッチ装置制御手段は、
前記通信装置から光信号を受信し、前記ループバック転送有りと無しの状態を所定の時間間隔で切り換えることにより生成する所定の信号パターンを、双方向ポートペアごとに固有の前記信号パターンとして生成し、
また、前記信号パターンと前記通信装置から送信された受信パターンを比較し、一致する場合には、その信号パターンに対応する双方向ポートペアと前記受信パターンに対応する双方向ポートペアが接続されているとして対応付けることを特徴とする通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−288993(P2008−288993A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133150(P2007−133150)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】