説明

描画装置

【課題】ワークに対して正確に描画することができる描画装置を提供すること。
【解決手段】ワークに向けて液滴を吐出する液滴吐出装置と、前記ワークを保持するワーク保持部と前記ワークを回転させる回転部と前記ワークの位置を変更させる伸縮部とを有するワーク保持アーム部と、前記液滴吐出装置に対して前記ワークを移動させるとともに、前記ワークに向けて液滴を吐出させる制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドを所定の位置に固定させ、ヘッドに対してワークを移動させながらヘッドから機能液を液滴として吐出して、ワーク上に機能液を塗布する描画装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−80061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の描画装置では、移動手段によってワークがヘッドに対して前後、左右、或いは回転移動されるが、画一的な移動であるため、ワークの移動範囲が制限され、例えば、凹凸面を有するワークに対して機能液を塗布することができない、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる描画装置は、ワークに向けて液滴を吐出する液滴吐出装置と、前記ワークを保持するワーク保持部と前記ワークを回転させる回転部と前記ワークの位置を変更させる伸縮部とを有するワーク保持アーム部と、前記液滴吐出装置に対して前記ワークを移動させるとともに、前記ワークに向けて液滴を吐出させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、ワークが保持されるとともに、液滴吐出装置に対して自由自在に移動される。従って、例えば、凹凸面を有するワークであっても、液滴吐出装置に対して最適な位置まで移動させ、機能液をワークに塗布させることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかる描画装置は、前記ワークの形態を形態データとして取得する形態データ取得部を備え、前記制御部では、前記形態データに基づいて、前記液滴吐出装置に対して前記ワークを移動させるとともに、前記ワークに向けて液滴を吐出させることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、ワークの形態が形態データとして取得され、形態データに基づいて描画される。従って、描画ばらつきが低減され、正確に描画することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】描画装置の構成を示す側面図。
【図2】描画装置の電気的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、描画装置の構成について説明する。図1は、描画装置の構成を示す側面図である。図1に示すように、描画装置1は、液滴吐出装置3と、ワーク保持アーム部2と、これらの部材を制御する制御部15を備えている。さらに、形態データ取得部4等を備えている。以下、詳細に説明する。
【0012】
ワーク保持アーム部2は、基台30上に設置され、ワーク6を保持するワーク保持部14と、回転軸を備えた第1回転部8、第2回転部11、第3回転部13と、伸縮可能な第1伸縮部9、第2伸縮部10、第3伸縮部12とを備えている。そして、さらに、ワーク保持アーム部2を回転させる回転テーブル20と、回転テーブル20をXまたはY方向に移動させるXYテーブル7を備えている。
【0013】
ワーク保持部14は、例えば、複数本の爪部と、各爪部に接続されたモーターを備え、モーターを駆動させることにより各爪が駆動し、爪部が開閉動作する。これにより、ワーク6を保持或いは開放することができる。
【0014】
第1〜第3回転部8,11,13は、回転軸と、当該回転軸に接続されたモーターを備え、モーターを駆動させることにより回転軸が正方向或いは負方向に回転動作する。
【0015】
第1〜第3伸縮部9,10,12は、例えば、エアーシリンダーや油圧シリンダー等であり、各シリンダーを駆動させることにより伸縮動作する。
【0016】
なお、本実施形態では、ワーク保持部14に第3回転部13が接続され、第3回転部13に第3伸縮部12が接続され、第3伸縮部12に第2回転部11が接続され、第2回転部11に第2伸縮部10が接続され、第2伸縮部10に第1回転部8が接続され、第1回転部8に第1伸縮部9が接続されている。
【0017】
第1伸縮部9には回転テーブル20が接続されている。回転テーブル20は、回転体にモーターが接続され、当該モーターを駆動させることによりワーク保持アーム部2を回転させることができる。さらに、第1伸縮部9及び回転テーブル20は、XYテーブル7に接続されている。XYテーブル7は、X方向移動軸とY方向移動軸と、各移動軸にモーターが接続され、当該モーターを駆動させることにより、XやY方向に移動させることができる。
【0018】
液滴吐出装置3は、ワーク6に対してインク等を塗布するものである。液滴吐出装置3は、例えば、インクジェットヘッドを備えている。使用されるインクの色は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトの5種類であり、UV硬化型インクであることが好ましい。
【0019】
形態データ取得部4は、例えば、カメラであり、ワーク6の形態を取得するものである。本実施形態では、形態データ取得部4は、液滴吐出装置3と併設されている。同じワーク6であってもワーク保持部14が同じ場所を保持するとは限らないので、形態データ取得部4にてワーク6の保持具合を認識し、保持ズレを補正することができ、適切に描画することができる。
【0020】
次に、描画装置の電気的構成について説明する。図2は、描画装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、描画装置1は、制御部15を備えている。制御部15は、液滴吐出装置3、形態データ取得部4、ワーク保持アーム部2、回転テーブル20、XYテーブル7に接続されている。そして、制御部15は、CPU17とメモリー18等を備え、例えば、メモリー18に格納された動作プログラムに基づいて、CPU17が各種演算を行い、各部材に駆動信号を送信し、各部材を駆動させる。具体的には、ワーク保持アーム部2の各部材に駆動信号を送り、液滴吐出装置3に対してワーク6を所定の位置に移動させるとともに、液滴吐出装置3に駆動信号を送ってワーク6に向けて液滴を吐出させる。また、形態データ取得部4を駆動させ、ワーク6の形態を形態データとして取得し、当該形態データに基づいて、液滴吐出装置3に対してワーク6を移動させるとともに、ワーク6に向けて液滴を吐出させる。このようにして、ワーク6にインクが塗布(描画)される。なお、ワーク保持部14によって保持されていたため、描画できなかった部分を描画印字する場合には、ワーク6を一旦ワーク載置部5に載置し、再度ワーク6を保持して、改めて描画動作させればよい。
【0022】
従って、上記実施形態によれば、以下に示す効果がある。
【0023】
ワーク6が保持されるとともに、液滴吐出装置3に対してフレキシブルに移動可能となる。従って、液滴吐出装置3に対して最適な位置まで移動させることができ、ワークに対して機能液を正確に塗布させることができる。
【0024】
なお、本実施形態の描画装置1は、例えば、自家用車の内装の木目等の描画、カーボン調パネルの描画、ラジカセ等の電子機器の外装の描画、軌道走行玩具の描画、ミニチュアカーなど、各種ワークの描画に適用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1…描画装置、2…ワーク保持アーム部、3…液滴吐出装置、4…形態データ取得部、6…ワーク、7…XYテーブル、8…第1回転部、9…第1伸縮部、10…第2伸縮部、11…第2回転部、12…第3伸縮部、13…第3回転部、14…ワーク保持部、15…制御部、17…CPU、18…メモリー、20…回転テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに向けて液滴を吐出する液滴吐出装置と、
前記ワークを保持するワーク保持部と前記ワークを回転させる回転部と前記ワークの位置を変更させる伸縮部とを有するワーク保持アーム部と、
前記液滴吐出装置に対して前記ワークを移動させるとともに、前記ワークに向けて液滴を吐出させる制御部と、を備えたことを特徴とする描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記ワークの形態を形態データとして取得する形態データ取得部を備え、
前記制御部では、
前記形態データに基づいて、前記液滴吐出装置に対して前記ワークを移動させるとともに、前記ワークに向けて液滴を吐出させることを特徴とする描画装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−166167(P2012−166167A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30531(P2011−30531)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】