説明

搬送方向転換装置及び浮上搬送システム

【課題】基板を第1搬送方向へ浮上搬送して、第2搬送方向へ浮上搬送する搬送時間を短縮すること。
【解決手段】各第1方向転換用ローラケース内に第1方向転換用ローラ63が第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転可能に設けられ、各第2方向転換用ローラケース内に第2方向転換用ローラ75が第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転可能に設けられ、各第1方向転換用ローラ63及び各第2方向転換用ローラ75の高さ位置が基準の浮上高さ位置よりも低くなっていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1浮上搬送装置から例えばガラス基板等の基板を受け取って第2浮上搬送装置へ送り出す際に、基板の搬送方向を第1搬送方向(第1浮上搬送装置の搬送方向)から第1搬送方向に直交する第2搬送方向(第2浮上搬送装置の搬送方向)へ転換する搬送方向転換装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クリーン搬送の分野においては、搬送方向転換装置について種々の開発が行われており、搬送方向転換装置の先行技術として特許文献1に示すものがある。
【0003】
先行技術に係る搬送方向転換装置は、第1浮上搬送装置と第2浮上搬送装置との中継領域に配設されており、方向転換装置本体を具備している。また、方向転換装置本体には、圧縮空気(エア)の圧力を利用して基板を基準の浮上高さ位置まで浮上させる複数の浮上ユニットが設けられており、各浮上ユニットの上面には、圧縮空気を噴出するノズルが形成されている。
【0004】
方向転換装置本体には、複数の方向転換用ローラユニットが配設されており、複数の方向転換用ローラユニットは、第1浮上搬送装置から基板を受け取ったり、第2浮上搬送装置に基板を送り出したりするものである。そして、各方向転換用ローラユニットの具体的な構成は、次のようになる。
【0005】
即ち、方向転換装置本体には、方向転換用ローラケースが設けられており、この方向転換用ローラケースの上側は、開口されてあって、方向転換用ローラケースの下面には、方向転換用吸引穴が形成されている。また、方向転換用ローラケースの下面には、方向転換用吸引穴から方向転換用ローラケース内の空気を吸引する吸引ファンが設けられており、方向転換用吸引ファンを稼動したり又は方向転換用吸引ファンの稼動状態を停止したりすることにより、方向転換用ローラケースの内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっている。更に、方向転換用ローラケース内には、基板の裏面を直接的に支持する方向転換用ローラが軸心(方向転換用ローラの軸心)周りに回転可能に設けられており、方向転換用ローラケース内の適宜位置には、方向転換用ローラを回転させる方向転換用回転モータが設けられている。
【0006】
ここで、具体的な構成は省略するが、方向転換用ローラの高さ位置は、高さ変更アクチュエータの駆動により、基準の浮上高さ位置と同じ支持高さ位置と、この支持高さ位置よりも低い待避高さ位置とに変更可能である。また、方向転換用ローラの姿勢は、姿勢変更アクチュエータの駆動により、軸心(方向転換用ローラの軸心)が第2搬送方向に平行な第1ローラ姿勢と、軸心が第1搬送方向に平行な第2ローラ姿勢とに変更可能である。
【0007】
従って、各方向転換用ローラの高さ位置を支持高さ位置に、各方向転換用ローラの姿勢を第1ローラ姿勢に保ちつつ、各吸引用ファンを稼動して各方向転換用ローラケースの内部を常圧状態から負圧状態に切り替える。そして、各方向転換用浮上ユニットのノズルから圧縮空気を噴出させつつ、方向転換用回転モータの駆動により複数の方向転換用ローラを第2搬送方向に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板の裏面と方向転換用ローラとの接触圧を十分に確保しつつ、複数の方向転換用ローラユニットによって第1浮上搬送装置から基板を受け取ることができる。
【0008】
複数の方向転換用ローラユニットによって第1浮上搬送装置から基板を受け取った後に、方向転換用回転モータの駆動を停止すると共に、各吸引用ファンの稼動状態を停止して各第2方向転換用ローラケースの内部を負圧状態から常圧状態に切り替える。次に、各高さ変更アクチュエータの駆動により各方向転換用ローラの高さ位置を支持高さ位置から待避高さ位置に変更して、各姿勢変更アクチュエータの駆動により各方向転換用ローラの姿勢を第1ローラ姿勢から第2ローラ姿勢に変更する。更に、各高さ変更アクチュエータの駆動により各方向転換用ローラの高さ位置を待避高さ位置から支持高さ位置に変更して、各吸引用ファンを稼動して各第2方向転換用ローラケースの内部を常圧状態から負圧状態に切り替える。そして、各浮上ユニットのノズルから圧縮空気を噴出させつつ、方向転換用回転モータの駆動により複数の方向転換用ローラを第1搬送方向に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板の裏面と方向転換用ローラとの接触圧を十分に確保しつつ、基板の搬送方向を第1搬送方向から第2搬送方向に転換して、複数の方向転換用ローラユニットによって第2浮上搬送装置へ基板を送り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−254918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、前述のように、先行技術に係る搬送方向転換装置にあっては、複数の方向転換用ローラユニットによって第1浮上搬送装置から基板を受け取ってから第2浮上搬送装置に送り出す前に、各方向転換用ローラの高さ位置を支持高さ位置から待避高さ位置に変更する動作、各方向転換用ローラの姿勢を第1姿勢から第2姿勢に変更する動作、及び各方向転換用ローラの高さ位置を待避高さ位置から支持高さ位置に変更する動作が必要になる。そのため、基板を第1搬送方向へ浮上搬送して、第2搬送方向へ浮上搬送する搬送時間(作業時間)が長くなり、基板の浮上搬送に関する作業能率を十分に高めることができないという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の搬送方向転換装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、基板を第1搬送方向へ浮上搬送(浮上させた状態で搬送)する第1浮上搬送装置から基板を受け取って、基板を前記第1搬送方向に対して直交する第2搬送方向へ浮上搬送する第2浮上搬送装置へ基板を送り出す際に、基板の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向へ転換する搬送方向転換装置において、方向転換装置本体に設けられ、上面に浮上ガスを噴出するノズルが形成され、浮上ガスの圧力を利用して基板を基準の浮上高さ位置まで浮上させる複数の浮上ユニットと、前記方向転換装置本体に前記第1搬送方向に沿って配設され、上側が開口されかつ内部が負圧状態と常圧状態とに切り替え可能な第1方向転換用ローラケース、及び前記第1方向転換用ローラケース内に前記第2搬送方向に平行な軸心周りに回転可能に設けられかつ基板の裏面を支持する第1方向転換用ローラを備え、前記第1方向転換用ローラの高さ位置が前記基準の浮上高さ位置よりも低くなって、前記第1浮上搬送装置から基板を受け取る複数の第1方向転換用ローラユニットと、複数の前記第1方向転換用ローラユニットにおける前記第1方向転換用ローラを回転させる第1方向転換用回転アクチュエータと、前記方向転換装置本体に前記第2搬送方向に沿って配設され、上側が開口されかつ内部が負圧状態と常圧状態とに切り替え可能な第2方向転換用ローラケース、及び前記第2方向転換用ローラケース内に前記第1搬送方向に平行な軸心周りに回転可能に設けられかつ基板の裏面を支持する第2方向転換用ローラを備え、前記第2方向転換用ローラの高さ位置が前記基準の浮上高さ位置よりも低くなって、前記第2浮上搬送装置へ基板を送り出す複数の第2方向転換用ローラユニットと、複数の前記第2方向転換用ローラユニットにおける前記第2方向転換用ローラを回転させる第2方向転換用回転アクチュエータと、を具備したことを要旨とする。
【0013】
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「設けられ」とは、直接的に設けられたことの他に、ブラケット等の介在部材を介して間接的に設けられたことを含む意であって、同様に、「配設され」とは、直接的に配設されたことの他に、ブラケット等の介在部材を介して間接的に配設されたことを含む意である。また、「支持する」とは、直接的に支持することの他に、間接的に支持することも含む意であって、「浮上ガス」とは、圧縮空気(エア)、アルゴンガス、窒素ガス等の含む意である。
【0014】
第1の特徴によると、各第2方向転換用ローラケースの内部を常圧状態に保ちつつ、各第1方向転換用ローラケースの内部を常圧状態から負圧状態に切り替える。そして、各浮上ユニットの前記ノズルから浮上ガスを噴出させつつ、前記第1方向転換用回転アクチュエータの駆動により複数の前記第1方向転換用ローラを前記第2搬送方向に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板の裏面と前記第2方向転換用ローラとの間に隙間を形成する一方、基板の裏面と前記第1方向転換用ローラとの接触圧を十分に確保しつつ、複数の前記第1方向転換用ローラユニットによって前記第1浮上搬送装置から基板を受け取ることができる。
【0015】
複数の前記第1方向転換用ローラユニットによって基板を受け取った後に、前記第1方向転換用回転アクチュエータの駆動を停止すると共に、各第2方向転換用ローラケースの内部を常圧状態から負圧状態に、各第1方向転換用ローラケースの内部を負圧状態から常圧状態にそれぞれ切り替える。そして、各浮上ユニットの前記ノズルから浮上ガスを噴出させつつ、前記第2方向転換用回転アクチュエータの駆動により複数の前記第2方向転換用ローラを前記第1搬送方向に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板の裏面と前記第1方向転換用ローラとの間に隙間を形成する一方、基板の裏面と前記第2方向転換用ローラとの接触圧を十分に確保しつつ、基板の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向に転換して、複数の前記第2方向転換用ローラユニットによって前記第2浮上搬送装置へ基板を送り出すことができる。
【0016】
要するに、各第1方向転換用ローラケース内に前記第1方向転換用ローラが前記第2搬送方向に平行な軸心周りに回転可能に設けられ、各第2方向転換用ローラケース内に前記第2方向転換用ローラが前記第1搬送方向に平行な軸心周りに回転可能に設けられ、各第1方向転換用ローラ及び各第2方向転換用ローラの高さ位置が前記基準の浮上高さ位置よりも低くなっているため、前記第1方向転換用ローラ及び前記第2方向転換用ローラの高さ位置を変更したり、前記第1方向転換用ローラ及び前記第2方向転換用ローラの姿勢を変更したりすることなく、前記第1浮上搬送装置から基板を受け取ってから前記第2浮上搬送装置に送り出すことができる。
【0017】
本発明の第2の特徴は、基板を第1搬送方向へ浮上搬送して、前記第1搬送方向に対して直交する第2搬送方向へ浮上搬送する浮上搬送システムにおいて、基板を前記第1搬送方向へ浮上搬送する第1浮上搬送装置と、前記第1浮上搬送装置の近傍に配設され、基板を前記第2搬送方向へ浮上搬送する第2浮上搬送装置と、前記第1浮上搬送装置と前記第2浮上搬送装置との中継領域に配設され、第1の特徴からなる搬送方向転換装置と、を具備したことを要旨とする。
【0018】
ここで、前記第1浮上搬送装置又は前記第2浮上搬送装置の構成の中に前記搬送方向転換装置が含まれていても構わない。
【0019】
なお、第2の特徴においても、第1の特徴による作用と同様の作用を奏する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、前記第1方向転換用ローラ及び前記第2方向転換用ローラの高さ位置を変更したり、前記第1方向転換用ローラ及び前記第2方向転換用ローラの姿勢を変更したりすることなく、前記第1浮上搬送装置から基板を受け取ってから前記第2浮上搬送装置に送り出すことができるため、基板を前記第1搬送方向へ浮上搬送して、前記第2搬送方向へ浮上搬送する搬送時間を短縮することができ、基板の浮上搬送に関する作業能率を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る浮上搬送システムの平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る搬送方向転換装置の平面図である。
【図3】図2におけるIII-III線に沿った断面図である。
【図4】図2におけるIV-IV線に沿った断面図である。
【図5】図1におけるV-V線に沿った断面図である。
【図6】図1におけるVI-VI線に沿った断面図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例に係る搬送方向転換装置の断面図であって、図2におけるIII-III線に沿った断面図に相当する図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例に係る搬送方向転換装置の断面図であって、図2におけるIII-III線に沿った断面図に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について図1から図5を参照して説明する。なお、図面中、「FF」は、前方向を、「FR」は、後方向を、「L」は、左方向を、「R」は、右方向をそれぞれ指してある。
【0023】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る浮上搬送システム1は、クリーン搬送の分野で用いられ、例えばガラス基板等の基板Wを第1搬送方向D1(本発明の実施形態にあっては、左右方向)へ浮上搬送(浮上させた状態で搬送)して、第1搬送方向D1に対して直交する第2搬送方向D2(本発明の実施形態にあっては、前後方向)へ浮上搬送するシステムである。そして、浮上搬送システム1について概説すると、次のようになる。
【0024】
即ち、浮上搬送システム1は、基板Wを第1搬送方向D1へ浮上搬送する第1浮上搬送装置3を具備しており、この第1浮上搬送装置3の近傍には、基板Wを第2搬送方向D2へ浮上搬送する第2浮上搬送装置5が配設されている。そして、第1浮上搬送装置3の下流側(搬出側)と第2浮上搬送装置5の上流側(搬入側)との中継領域(中間領域)には、搬送方向転換装置7が配設されており、この搬送方向転換装置7は、第1浮上搬送装置3から基板Wを受け取って第2浮上搬送装置5へ基板Wを送り出す際に、基板Wの搬送方向を第1搬送方向D1から第2搬送方向D2へ転換するものである。
【0025】
浮上搬送システム1の第1浮上搬送装置3の具体的な構成は、次のようになる。
【0026】
即ち、図1及び図5に示すように、第1浮上搬送装置3は、第1搬送方向D1へ延びた第1搬送装置本体9を具備しており、この第1搬送装置本体9は、浮上搬送システム1のシステムベースの一部を構成するものである。また、第1搬送装置本体9には、浮上ガスとしての圧縮空気(エア)を収容する複数のチャンバー11が第1搬送方向D1に沿って列状(本発明の実施形態にあっては、2列)に配設されており(各列の下流側のチャンバー11のみを図示)、各チャンバー11の下面には、チャンバー11内に圧縮空気を供給する供給ファン13(本発明の実施形態にあっては、ファンフィルタユニット)が設けられている。
【0027】
各チャンバー11の上面には、圧縮空気の圧力を利用して基板Wを基準の浮上高さ位置LPまで浮上させる中空状の浮上ユニット15が設けられており、換言すれば、第1搬送装置本体9には、複数の浮上ユニット15が複数のチャンバー11を介して設けられている。ここで、各浮上ユニット15の内部は、チャンバー11に連通してあって、各浮上ユニット15は、チャンバー11を介して供給ファン13に接続されている。そして、各浮上ユニット15の上面には、圧縮空気を噴出する枠状のノズル15nが浮上ユニット15の平面視形状に沿って形成されており、各浮上ユニット15の上面と基板Wの裏面との間に略均一な圧力の圧力溜まり層(空気溜まり層)Tを生成するため、各ノズル15nは、特開2006−182563号公報に示すように、垂直方向(浮上ユニット15の上面に垂直な方向)に対してユニット中心側(浮上ユニット15の中心側)へ傾斜するようになっている。
【0028】
なお、枠状のノズル15nが浮上ユニット15の平面視形状に沿って形成されるの代わりに、スリット状又は丸穴状の複数のノズルが浮上ユニット15の平面視形状に沿って形成されるようにしても構わない。
【0029】
第1搬送装置本体9には、基板Wを第1搬送方向D1へ搬送する複数の第1搬送用ローラユニット17が第1搬送方向D1に沿って列状(本発明の実施形態にあっては、2列)に配設されている(各列の下流側の第1搬送用ローラユニット17のみを図示)。そして、各第1搬送用ローラユニット17の具体的な構成は、次のようになる。
【0030】
即ち、第1搬送装置本体9には、第1搬送用ローラケース19が設けられており、この第1搬送用ローラケース19の上側は、開口(開放)されてあって、第1搬送用ローラケース19の下面には、第1搬送用吸引穴19hが形成されている。また、第1搬送用ローラケース19の下面には、第1搬送用吸引穴19hから第1搬送用ローラケース19内の空気を吸引する第1搬送用吸引ファン21が設けられており、第1搬送用吸引ファン21を稼動したり又は第1搬送用吸引ファン21の稼動状態を停止したりすることにより、第1搬送用ローラケース19の内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっている。
【0031】
第1搬送用ローラケース19内には、基板Wの裏面を直接的に支持する第1搬送用ローラ23が第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転可能に設けられている。ここで、この第1搬送用ローラ23は、第1搬送用ローラケース19の最上部に対して上方向へ突出しており、第1搬送用ローラ23の高さ位置SPは、基準の浮上高さ位置LPよりも低くなっている。そして、第1搬送用ローラケース19の適宜位置には、第1搬送用ローラ23を第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転させる第1搬送用回転モータ(第1搬送用回転アクチュエータの一例)25が設けられており、この第1搬送用回転モータ25の出力軸は、一対のプーリ及びタイミングベルトからなる第1搬送用連動機構27を介して第1搬送用ローラ23の回転軸に連動連結してある。
【0032】
なお、第1搬送用ローラ23の高さ位置SPを基準の浮上高さ位置LPよりも低くする代わりに、基準の浮上高さ位置LPと同じにしても構わなく、第1搬送用ローラユニット17の一部を構成する第1搬送用回転モータ25を省略して、第1搬送装置本体9の適宜位置に複数の第1搬送用ローラユニット17における第1搬送用ローラ23を第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転させる別の第1搬送用回転モータ等が設けられるようにしても構わない。
【0033】
浮上搬送システム1の第2浮上搬送装置5の具体的な構成は、次のようになる。
【0034】
即ち、図1及び図6に示すように、第1浮上搬送装置3の近傍には、第2搬送方向D2へ延びた第2搬送装置本体29が配設されており、この第2搬送装置本体29は、浮上搬送システム1のシステムベースの一部を構成するものである。また、第2搬送装置本体29には、圧縮空気を収容する複数のチャンバー31が第2搬送方向D2に沿って列状(本発明の実施形態にあっては、2列)に配設されており(各列の上流側のチャンバー31のみを図示)、各チャンバー31の下面には、チャンバー31内に圧縮空気を供給する供給ファン33(本発明の実施形態にあっては、ファンフィルタユニット)が設けられている。
【0035】
各チャンバー31の上面には、圧縮空気の圧力を利用して基板Wを基準の浮上高さ位置LPまで浮上させる中空状の浮上ユニット35が設けられており、換言すれば、第2搬送装置本体29には、複数の浮上ユニット35が複数のチャンバー31を介して設けられている。ここで、各浮上ユニット35の内部は、チャンバー31に連通してあって、各浮上ユニット35は、チャンバー31を介して供給ファン33に接続されている。そして、各浮上ユニット35の上面には、圧縮空気を噴出する枠状のノズル35nが浮上ユニット35の平面視形状に沿って形成されており、各浮上ユニット35のノズル35nは、浮上ユニット15のノズル15nと略同じ構成を有している。
【0036】
第2搬送装置本体29には、基板Wを第2搬送方向D2へ搬送する複数の第2搬送用ローラユニット37が第2搬送方向D2に沿って列状(本発明の実施形態にあっては、2列)に配設されている(各列の上流側の第2搬送用ローラユニット37のみを図示)。そして、各第2搬送用ローラユニット37の具体的な構成は、次のようになる。
【0037】
即ち、第2搬送装置本体29には、第2搬送用ローラケース39が設けられており、この第2搬送用ローラケース39の上側は、開口されてあって、第2搬送用ローラケース39の下面には、第2搬送用吸引穴39hが形成されている。また、第2搬送用ローラケース39の下面には、第2搬送用吸引穴39hから第2搬送用ローラケース39内の空気を吸引する第2搬送用吸引ファン41が設けられており、第2搬送用吸引ファン41を稼動したり又は第2搬送用吸引ファン41の稼動状態を停止したりすることにより、第2搬送用ローラケース39の内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっている。
【0038】
第2搬送用ローラケース39内には、基板Wの裏面を直接的に支持する第2搬送用ローラ43が第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転可能に設けられている。ここで、第2搬送用ローラ43は、第2搬送用ローラケース39の最上部に対して上方向へ突出しており、第2搬送用ローラ43の高さ位置SPは、第1搬送用ローラ23の高さ位置SPと同じであって、基準の浮上高さ位置LPよりも低くなっている。そして、第2搬送用ローラケース39の適宜位置には、第2搬送用ローラ43を第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転させる第2搬送用回転モータ(第2搬送用回転アクチュエータの一例)45が設けられており、この第2搬送用回転モータ45の出力軸は、一対のプーリ及びタイミングベルトからなる第2搬送用連動機構47を介して第2搬送用ローラ43の回転軸に連動連結してある。
【0039】
なお、第2搬送用ローラ43の高さ位置SPを基準の浮上高さ位置LPよりも低くする代わりに、基準の浮上高さ位置LPと同じにしても構わなく、第2搬送用ローラユニット37の一部を構成する第2搬送用回転モータ45を省略して、第2搬送装置本体29の適宜位置に複数の第2搬送用ローラユニット37における第2搬送用ローラ43を第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転させる別の第2搬送用回転モータ等が設けられるようにしても構わない。
【0040】
浮上搬送システム1の搬送方向転換装置7の具体的な構成は、次のようになる。
【0041】
即ち、図1から図4に示すように、第1浮上搬送装置3と第2浮上搬送装置5の中継領域には、方向転換装置本体49が配設されており、この方向転換装置本体49は、浮上搬送システム1のシステムベースの一部を構成するものである。また、方向転換装置本体49には、圧縮空気を収容する複数(本発明の実施形態にあっては、4つ)のチャンバー51が略均等に配設されており、各チャンバー51の下面には、チャンバー51内に圧縮空気を供給する供給ファン53(本発明の実施形態にあっては、ファンフィルタユニット)が設けられている。
【0042】
各チャンバー51の上面には、圧縮空気の圧力を利用して基板Wを基準の浮上高さ位置LPまで浮上させる中空状の浮上ユニット55が設けられており、換言すれば、方向転換装置本体49には、複数の浮上ユニット55が複数のチャンバー51を介して設けられている。ここで、各浮上ユニット55の内部は、チャンバー51に連通してあって、各浮上ユニット55は、チャンバー51を介して供給ファン53に接続されている。そして、各浮上ユニット55の上面には、圧縮空気を噴出する枠状のノズル55nが浮上ユニット55の平面視形状に沿って形成されており、各浮上ユニット55のノズル55nは、浮上ユニット15のノズル15nと略同じ構成を有している。
【0043】
方向転換装置本体49には、第1浮上搬送装置3の下流側から基板Wを受け取る複数の第1方向転換用ローラユニット57が第1搬送方向D1に沿って列状(本発明の実施形態にあっては、2列)に配設されている。そして、各第1方向転換用ローラユニット57の具体的な構成は、次のようになる。
【0044】
即ち、方向転換装置本体49には、第1方向転換用ローラケース59が設けられており、この第1方向転換用ローラケース59の上側は、開口されてあって、第1方向転換用ローラケース59の下面には、第1方向転換用吸引穴59hが形成されている。また、第1方向転換用ローラケース59の下面には、第1方向転換用吸引穴59hから第1方向転換用ローラケース59内の空気を吸引する第1方向転換用吸引ファン61が設けられており、第1方向転換用吸引ファン61を稼動したり又は第1方向転換用吸引ファン61の稼動状態を停止したりすることにより、第1方向転換用ローラケース59の内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっている。
【0045】
第1方向転換用ローラケース59内には、基板Wの裏面を直接的に支持する第1方向転換用ローラ63が第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転可能に設けられている。ここで、第1方向転換用ローラ63は、第1方向転換用ローラケース59の最上部に対して上方向へ突出しており、第1方向転換用ローラ63の高さ位置SPは、第1搬送用ローラ23の高さ位置SPと同じであって、基準の浮上高さ位置LPよりも低くなっている。そして、第1方向転換用ローラケース59の適宜位置には、第1方向転換用ローラ63を第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転させる第1方向転換用回転モータ(第1方向転換用回転アクチュエータの一例)65が設けられており、この第1方向転換用回転モータ65の出力軸は、一対のプーリ及びタイミングベルトからなる第1方向転換用連動機構67を介して第1方向転換用ローラ63の回転軸に連動連結してある。
【0046】
なお、第1方向転換用ローラユニット57の一部を構成する第1方向転換用回転モータ65を省略して、方向転換装置本体49の適宜位置に複数の第1方向転換用ローラユニット57における第1方向転換用ローラ63を第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転させる別の第1方向転換用回転モータ等が設けられるようにしても構わない。
【0047】
方向転換装置本体49には、第2浮上搬送装置5の上流側へ基板Wを送り出す複数の第2方向転換用ローラユニット69が第2搬送方向D2に沿って列状(本発明の実施形態にあっては、2列)に配設されている。そして、各第2方向転換用ローラユニット69の具体的な構成は、次のようになる。
【0048】
即ち、方向転換装置本体49には、第2方向転換用ローラケース71が設けられており、この第2方向転換用ローラケース71の上側は、開口されてあって、第2方向転換用ローラケース71の下面には、第2方向転換用吸引穴71hが形成されている。また、第2方向転換用ローラケース71の下面には、第2方向転換用吸引穴71hから第2方向転換用ローラケース71内の空気を吸引する第2方向転換用吸引ファン73が設けられており、第2方向転換用吸引ファン73を稼動したり又は第2方向転換用吸引ファン73の稼動状態を停止したりすることにより、第2方向転換用ローラケース71の内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっている。
【0049】
第2方向転換用ローラケース71内には、基板Wの裏面を直接的に支持する第2方向転換用ローラ75が第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転可能に設けられている。ここで、第2方向転換用ローラ75は、第2方向転換用ローラケース71の最上部に対して上方向へ突出しており、第2方向転換用ローラ75の高さ位置SPは、第1搬送用ローラ23の高さ位置SPと同じであって、基準の浮上高さ位置LPよりも低くなっている。そして、第2方向転換用ローラケース71の適宜位置には、第2方向転換用ローラ75を第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転させる第2方向転換用回転モータ(第2方向転換用回転アクチュエータの一例)77が設けられており、この第2方向転換用回転モータ77の出力軸は、一対のプーリ及びタイミングベルトからなる第2方向転換用連動機構79を介して第2方向転換用ローラ75の回転軸に連動連結してある。
【0050】
なお、第2方向転換用ローラユニット69の一部を構成する第2方向転換用回転モータ77を省略して、方向転換装置本体49の適宜位置に複数の第2方向転換用ローラユニット69における第2方向転換用ローラ75を第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転させる別の第2方向転換用回転モータ等が設けられるようにしても構わない。
【0051】
方向転換装置本体49の右側の適宜位置には、反射型光電センサ81が設けられており、この反射型光電センサ81は、投光した信号光の反射を監視することにより、複数の第1方向転換用ローラユニット57によって第1浮上搬送装置3の下流側から基板Wを受け取ったことを検出するものである。また、反射型光電センサ81は、第1方向転換用吸引ファン61、第1方向転換用回転モータ65、第2方向転換用吸引ファン73、及び第2方向転換用回転モータ77等を制御するコントローラ(図示省略)に電気的に接続されている。
【0052】
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0053】
各供給ファン13を稼動して各浮上ユニット15のノズル15nから圧縮空気を噴出させる。また、各第1搬送用吸引ファン21を稼動して各第1搬送用ローラケース19の内部を常圧状態から負圧状態に適宜に切り替えると共に、各第1搬送用回転モータ25の駆動により各第1搬送用ローラ23を第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板Wの裏面と複数の第1搬送用ローラ23との接触圧を十分に確保しつつ、基板Wを第1搬送方向D1へ浮上搬送することができる。
【0054】
基板Wが第1浮上搬送装置3の下流側の所定位置を通過する前に、各第2方向転換用ローラケース71の内部を常圧状態に保ちつつ、各第1方向転換用吸引ファン61を稼動して各第1方向転換用ローラケース59の内部を常圧状態から負圧状態に切り替える。そして、各供給ファン53を稼動して各浮上ユニット55のノズル55nから圧縮空気を噴出させつつ、各第1方向転換用回転モータ65の駆動により各第1方向転換用ローラ63を第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板Wの裏面と第2方向転換用ローラ75との間に隙間(図3参照)を形成する一方、基板Wの裏面と第1方向転換用ローラ63との接触圧を十分に確保しつつ、複数の第1方向転換用ローラユニット57によって第1浮上搬送装置3の下流側から基板Wを受け取ることができる。
【0055】
複数の第1方向転換用ローラユニット57によって基板Wを受け取った後に(換言すれば、反射型光電センサ81から検出信号が出力されると)、第1方向転換用回転モータ65の駆動を停止すると共に、各第2方向転換用吸引ファン73を稼動して各第2方向転換用ローラケース71の内部を常圧状態から負圧状態に、各第1方向転換用吸引ファン61の稼動状態を停止して各第1方向転換用ローラケース59の内部を負圧状態から常圧状態にそれぞれ切り替える。そして、各浮上ユニット55のノズル55nから圧縮空気を噴出させつつ、第2方向転換用回転モータ77の駆動により複数の第2方向転換用ローラ75を第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板Wの裏面と第1方向転換用ローラ63との間に隙間(図4参照)を形成する一方、基板Wの裏面と第2方向転換用ローラ75との接触圧を十分に確保しつつ、基板Wの搬送方向を第1搬送方向D1から第2搬送方向D2に転換して、複数の第2方向転換用ローラユニット69によって第2浮上搬送装置5の上流側へ基板Wを送り出すことができる。
【0056】
複数の第2方向転換用ローラユニット69によって第2浮上搬送装置5の上流側へ基板Wを送り出す前又は送り出す際に、各供給ファン33を稼動して各浮上ユニット35のノズル35nから圧縮空気を噴出させる。また、各第2搬送用吸引ファン41を稼動して各第2搬送用ローラケース39の内部を常圧状態から負圧状態に適宜に切り替えると共に、各第2搬送用回転モータ45の駆動により各第2搬送用ローラ43を第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転させる。これにより、基板Wの裏面と複数の第2搬送用ローラ43との接触圧を十分に確保しつつ、基板Wを第2搬送方向D2へ浮上搬送することができる。
【0057】
要するに、各第1方向転換用ローラケース59内に第1方向転換用ローラ63が第2搬送方向D2に平行な軸心周りに回転可能に設けられ、各第2方向転換用ローラケース71内に第2方向転換用ローラ75が第1搬送方向D1に平行な軸心周りに回転可能に設けられ、各第1方向転換用ローラ63及び各第2方向転換用ローラ75の高さ位置が基準の浮上高さ位置LPよりも低くなっているため、第1方向転換用ローラ63及び第2方向転換用ローラ75の高さ位置を変更したり、第1方向転換用ローラ63及び第2方向転換用ローラ75の姿勢を変更したりすることなく、第1浮上搬送装置3の下流側から基板Wを受け取ってから第2浮上搬送装置5の上流側に送り出すことができる。
【0058】
従って、本発明の実施形態によれば、基板Wを第1搬送方向D1へ浮上搬送して、第2搬送方向D2へ浮上搬送する搬送時間を短縮することができ、基板Wの浮上搬送に関する作業能率を十分に高めることができる。
【0059】
(変形例)
本発明の実施形態の変形例について図7及び図8を参照して説明する。なお、図面中、「FF」は、前方向を、「FR」は、後方向を、「L」は、左方向を、「R」は、右方向をそれぞれ指してある。
【0060】
図7及び図8に示すように、各第1方向転換用ローラケース59には、第1方向転換用ローラケース59の第1方向転換用吸引穴59hを開閉する第1方向転換用シャッタ83が設けられている。また、各第1方向転換用ローラケース59の適宜位置には、第1方向転換用シャッタ83の開閉動作(開放方向へ移動)させるロッドレス型の第1方向転換用開閉シリンダ(第1方向転換用開閉アクチュエータの一例)85が設けられており、各第1方向転換用開閉シリンダ85は、開閉方向へ移動可能な可動子87を備えてあって、各第1方向転換用開閉シリンダ85における可動子87は、第1方向転換用シャッタ83の適宜位置に連結してある。そして、第1方向転換用シャッタ83による開閉動作によって、第1方向転換用ローラケース59の内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっている。
【0061】
同様に、各第2方向転換用ローラケース71には、第2方向転換用ローラケース71の第2方向転換用吸引穴71hを開閉する第2方向転換用シャッタ89が設けられている。また、各第2方向転換用ローラケース71の適宜位置には、第2方向転換用シャッタ89の開閉動作させるロッドレス型の第2方向転換用開閉シリンダ(第2方向転換用開閉アクチュエータの一例)91が設けられており、各第2方向転換用開閉シリンダ91は、開閉方向へ移動可能な可動子93を備えてあって、各第2方向転換用開閉シリンダ91における可動子87は、第2方向転換用シャッタ89の適宜位置に連結してある。そして、第2方向転換用シャッタ89による開閉動作によって、第2方向転換用ローラケース71の内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっている。
【0062】
ここで、本発明の実施形態の変形例においても、前述の本発明の実施形態の作用及び効果と同様の作用及び効果を奏する。
【0063】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【符号の説明】
【0064】
D1 第1搬送方向
D2 第2搬送方向
LP 基準の浮上高さ位置
SP 浮上ユニットの高さ位置
W 基板
1 浮上搬送システム
3 第1浮上搬送装置
5 第2浮上搬送装置
7 搬送方向転換装置
9 第1搬送装置本体
15 浮上ユニット
15n ノズル
17 第1搬送用ローラユニット
19 第1搬送用ローラケース
23 第1搬送用ローラ
25 第1搬送用回転モータ
29 第2搬送装置本体
35 浮上ユニット
35n ノズル
37 第2搬送用ローラユニット
39 第2搬送用ローラケース
43 第2搬送用ローラ
45 第2搬送用回転モータ
49 方向転換装置本体
55 浮上ユニット
55n ノズル
57 第1方向転換用ローラユニット
59 第1方向転換用ローラケース
59h 第1方向転換用吸引穴
61 第1方向転換用吸引ファン
63 第1方向転換用ローラ
65 第1方向転換用回転モータ
69 第2方向転換用ローラユニット
71 第2方向転換用ローラケース
71h 第2方向転換用吸引穴
73 第2方向転換用吸引ファン
75 第2方向転換用ローラ
77 第2方向転換用回転モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を第1搬送方向へ浮上搬送する第1浮上搬送装置から基板を受け取って、基板を前記第1搬送方向に対して直交する第2搬送方向へ浮上搬送する第2浮上搬送装置へ基板を送り出す際に、基板の搬送方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向へ転換する搬送方向転換装置において、
方向転換装置本体に設けられ、上面に浮上ガスを噴出するノズルが形成され、浮上ガスの圧力を利用して基板を基準の浮上高さ位置まで浮上させる複数の浮上ユニットと、
前記方向転換装置本体に前記第1搬送方向に沿って配設され、上側が開口されかつ内部が負圧状態と常圧状態とに切り替え可能な第1方向転換用ローラケース、及び前記第1方向転換用ローラケース内に前記第2搬送方向に平行な軸心周りに回転可能に設けられかつ基板の裏面を支持する第1方向転換用ローラを備え、前記第1方向転換用ローラの高さ位置が前記基準の浮上高さ位置よりも低くなって、前記第1浮上搬送装置から基板を受け取る複数の第1方向転換用ローラユニットと、
複数の前記第1方向転換用ローラユニットにおける前記第1方向転換用ローラを回転させる第1方向転換用回転アクチュエータと、
前記方向転換装置本体に前記第2搬送方向に沿って配設され、上側が開口されかつ内部が負圧状態と常圧状態とに切り替え可能な第2方向転換用ローラケース、及び前記第2方向転換用ローラケース内に前記第1搬送方向に平行な軸心周りに回転可能に設けられかつ基板の裏面を支持する第2方向転換用ローラを備え、前記第2方向転換用ローラの高さ位置が前記基準の浮上高さ位置よりも低くなって、前記第2浮上搬送装置へ基板を送り出す複数の第2方向転換用ローラユニットと、
複数の前記第2方向転換用ローラユニットにおける前記第2方向転換用ローラを回転させる第2方向転換用回転アクチュエータと、を具備したことを特徴とする搬送方向転換装置。
【請求項2】
各第1方向転換用ローラユニットは、前記第1方向転換用ローラケースに形成された第1方向転換用吸引穴から前記第1方向転換用ローラケース内の空気を吸引する第1方向転換用吸引ファンを備え、前記第1方向転換用吸引ファンを稼動したり又は前記第1方向転換用吸引ファンの稼動状態を停止したりすることによって前記第1方向転換用ローラケースの内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になってあって、
各第2方向転換用ローラユニットは、前記第2方向転換用ローラケースに形成された第2方向転換用吸引穴から前記第2方向転換用ローラケース内の空気を吸引する第2方向転換用吸引ファンを備え、前記第2方向転換用吸引ファンを稼動したり又は前記第2方向転換用吸引ファンの稼動状態を停止したりすることによって前記第2方向転換用ローラケースの内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の搬送方向転換装置。
【請求項3】
各第1方向転換用ローラユニットは、前記第1方向転換用ローラケースに形成された第1方向転換用吸引穴から前記第1方向転換用ローラケース内の空気を吸引する第1方向転換用吸引ファン、及び前記第1方向転換用ローラケースの前記第1方向転換用吸引穴を開閉する第1方向転換用シャッタを備え、前記第1方向転換用シャッタによる開閉動作によって前記第1方向転換用ローラケースの内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になってあって、
各第2方向転換用ローラユニットは、前記第2方向転換用ローラケースに形成された第2方向転換用吸引穴から前記第2方向転換用ローラケース内の空気を吸引する第2方向転換用吸引ファン、及び前記第2方向転換用ローラケースの前記第2方向転換用吸引穴を開閉する第2方向転換用シャッタを備え、前記第2方向転換用シャッタによる開閉動作によって前記第2方向転換用ローラケースの内部を負圧状態と常圧状態とに切り替え可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の搬送方向転換装置。
【請求項4】
基板を第1搬送方向へ浮上搬送して、前記第1搬送方向に対して直交する第2搬送方向へ浮上搬送する浮上搬送システムにおいて、
基板を前記第1搬送方向へ浮上搬送する第1浮上搬送装置と、
前記第1浮上搬送装置の近傍に配設され、基板を前記第2搬送方向へ浮上搬送する第2浮上搬送装置と、
前記第1浮上搬送装置と前記第2浮上搬送装置との中継領域に配設され、請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の搬送方向転換装置と、を具備したことを特徴とする浮上搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−245336(P2010−245336A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93026(P2009−93026)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】