説明

搬送装置、及び、画像形成装置

【課題】ユーザーが給紙部にセットした記録媒体のサイズと、ユーザーが画像形成装置に入力した記録媒体の情報に基く記録媒体のサイズと、が異なってしまったときに、その状態を、記録媒体を搬送しながらジャム等の不具合が生じる前に簡易に検出することができる、搬送装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】搬送ローラ対33、34に対して搬送方向上流側において記録媒体P1が湾曲しながら搬送ローラ対33、34の位置に達するように記録媒体P1を案内する湾曲ガイド部材36、37と、記録媒体P1が搬送ローラ対33、34の位置に達した後に湾曲ガイド部材36、37によって規制されていた記録媒体P1の湾曲状態が解除されて記録媒体P1の後端が変位するように形成された変位部Aと、変位部Aの位置で記録媒体P1の後端が変位した状態を検知する検知手段41、42と、が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録媒体を搬送する搬送装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置では、ユーザーによって給紙部に所望のサイズの記録媒体(用紙)が複数枚重ねてセットされる。そして、その後に、ユーザーによってプリント指令がされると、給紙ローラによって給紙部から最上方の記録媒体から1枚ずつ順次に搬送経路に向けて給送されて、搬送経路において記録媒体が搬送されながら画像形成部で記録媒体上に画像が形成される。
【0003】
このような画像形成装置では、画像形成装置本体に入力・設定されている記録媒体のサイズ(搬送方向の長さ)に関する情報に基いて、給紙部から記録媒体を給送するための給紙ローラの回転時間やタイミングが定められる。また、搬送経路中に記録媒体の先端と後端とを検知する紙検知センサが設置されていて、この紙検知センサによって、記録媒体のジャム等の搬送不良を検出している。
【0004】
そして、このような画像形成装置では、ユーザーの作業ミスによって、ユーザーが給紙部にセットした記録媒体のサイズと、ユーザーが画像形成装置に入力した記録媒体の情報に基く記録媒体のサイズと、が異なってしまったときに、給紙部から給紙ローラによって複数の記録媒体が紙間を空けずに給送されてしまう問題が生じてしまうことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このように複数の記録媒体が紙間を空けずに給送されてしまうと、搬送経路中に設置した紙検知センサによって1枚ごとの記録媒体の先後端が検知されずに、そのまま複数枚の記録媒体が連なって搬送されてしまって、紙間を空けずに搬送された記録媒体が定着ローラに巻き付く不具合等が生じてしまうことになる。
特許文献1では、このような問題を解決するために、給紙ローラを回転駆動の途中で一旦停止させて、その後に再び給紙ローラを回転駆動させて、用紙検出センサで記録媒体の有無を検知する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1等の従来の画像形成装置は、給紙ローラを回転駆動の途中で一旦停止させながら記録媒体を給送しているため、画像形成装置における生産性が低下してしまう等の副作用が生じていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ユーザーが給紙部にセットした記録媒体のサイズと、ユーザーが画像形成装置に入力した記録媒体の情報に基く記録媒体のサイズと、が異なってしまったときに、その状態を、記録媒体を搬送しながらジャム等の不具合が生じる前に簡易に検出することができる、搬送装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の請求項1記載の発明にかかる搬送装置は、記録媒体を搬送する搬送ローラ対と、前記搬送ローラ対に対して搬送方向上流側において記録媒体が湾曲しながら前記搬送ローラ対の位置に達するように記録媒体を案内する湾曲ガイド部材と、記録媒体が前記搬送ローラ対の位置に達した後に前記湾曲ガイド部材によって規制されていた当該記録媒体の湾曲状態が緩和されて当該記録媒体の後端が変位するように形成された変位部と、前記変位部における記録媒体の挙動を検知する検知手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、記録媒体が搬送ローラ対の位置に達した後に湾曲ガイド部材によって規制されていた湾曲状態が解除されて記録媒体の後端が変位するように形成された変位部を設けて、変位部の位置で記録媒体の後端の挙動を検知している。これにより、ユーザーが給紙部にセットした記録媒体のサイズと、ユーザーが画像形成装置に入力した記録媒体の情報に基く記録媒体のサイズと、が異なってしまったときに、その状態が、記録媒体を搬送しながらジャム等の不具合が生じる前に簡易に検出される、搬送装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置された搬送装置を示す構成図である。
【図3】図2の搬送装置において、設定されたものと異なるサイズの記録媒体が給紙されたときの動作を示す図である。
【図4】従来の搬送装置において、設定されたものと異なるサイズの記録媒体が給紙されたときの動作を示す図である。
【図5】別形態の搬送装置を示す図である。
【図6】さらに別形態の搬送装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
画像形成装置本体1の下方には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納された給紙部12(給紙カセット)が設置されている。
【0012】
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
【0013】
感光体ドラム5Y、5M、5C、5K(像担持体)は、不図示の駆動モータ(作像モータ)によって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0014】
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0015】
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0016】
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、像担持体としての中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85(像担持体)は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、不図示の駆動モータ(作像モータ)に連結された1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0017】
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
【0018】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0019】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、搬送経路を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ31が図1中の反時計方向に回転駆動されると、給紙ローラ31とフリクションパッド32との間に挟まれた一番上の記録媒体Pが、ガイド板36〜38(図2を参照できる。)に案内されながら、搬送ローラ対としてのレジストローラ対33、34のローラ間に向けて給送される。
【0020】
レジストローラ対33、34(タイミングローラ対)に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対33、34のローラニップ(ニップ部)の位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対33、34が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップ(画像形成部)に向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0021】
その後、2次転写ニップ(画像形成部)の位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ22による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0022】
次に、図2及び図3にて、本実施の形態において特徴的な搬送装置30について詳述する。
図2は、搬送装置30を示す構成図である。図3は、搬送装置30において設定されたものと異なるサイズの記録媒体P1、P2が紙間を空けずに給紙されたときの動作を示す図である。
なお、図3(A)は、紙間を空けずに給紙された2枚の記録媒体P1、P2のうち、先行の記録媒体P1の後端が、変位部Aに達しておらず、湾曲した状態を示している。これに対して、図3(B)は、先行の記録媒体P1の後端が、変位部Aに達して、黒矢印方向に変位(記録媒体が湾曲状態から直線状態に近づくのにともなう変位である。)した状態を示している。また、図3において、先行の記録媒体P1は実線で示し、後行の記録媒体P2は一点鎖線で示している。
【0023】
図2を参照して、搬送装置30には、給紙ローラ31の位置から搬送ローラ対としてのレジストローラ対33、34に至る記録媒体Pの搬送経路を形成する、ガイド板36〜38が配設されている。
この搬送装置30によって、記録媒体P上に画像を形成(転写)する画像形成部としての2次転写ニップ(2次転写バックアップローラ82と2次転写ローラ89との圧接部である。)に向けて記録媒体Pが搬送されることになる。
【0024】
詳しくは、給紙部12から給紙ローラ31(及び、フリクションパッド32)によって給送された記録媒体Pは、ガイド板36〜38に案内されながら、レジストローラ対33、34(搬送ローラ対)の位置に搬送される(図2中、一点鎖線で示した矢印方向の搬送である。)。そして、レジストローラ対33、34の位置に搬送された記録媒体Pは、その先端が、回転駆動が停止されたレジストローラ対33、34に突き当たることによってスキュー補正(斜行補正)、縦レジスト補正(搬送方向の位置ズレ補正)がされた後に、中間転写ベルト78上の画像にタイミングを合わせて、2次転写ニップ(画像形成部)に向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望の画像が転写されることになる。
【0025】
さらに補足的に説明すると、レジストローラ対33、34は、2次転写ニップ(画像形成部)に対して記録媒体Pの搬送方向上流側に配設された搬送ローラ対である。レジストローラ対33、34は、レジストモータ62によって、給紙ローラ31やその他の搬送ローラ対等とは独立して回転駆動・回転停止されるように構成されている。そして、制御部60によって制御されたレジストモータ62のオン・オフ動作によって、上述したように、回転駆動を停止した状態のレジストローラ対33、34に記録媒体Pの先端が突き当ってスキュー補正・縦レジスト補正がされた後に、所定のタイミングで回転駆動を開始したレジストローラ33、34によって2次転写ニップ(画像形成部)に向けて記録媒体Pが搬送されることになる。
【0026】
なお、給紙ローラ31も、給紙モータ61によって、レジストローラ対33、34やその他の搬送ローラ対等とは独立して回転駆動・回転停止されるように構成されている。そして、制御部60に記憶された記録媒体Pのサイズ(搬送方向の長さである。)に関する情報に基いて、そのサイズ(搬送方向長さ)に対応した時間だけ給紙モータ61を回転駆動することによって、給紙部12に積載された複数の記録媒体Pのうち最上方の記録媒体Pのみが搬送経路に向けて給送されることになる。また、連続通紙時には、制御部60によって制御された給紙モータ61のオン・オフ動作によって、給紙部12に積載された複数の記録媒体Pのうち最上方の記録媒体Pから順番に紙間(先方の記録媒体Pの後端と、後方の記録媒体Pの先端と、の間隔である。)をあけて搬送経路に向けて給送されることになる。
なお、給紙ローラ31の位置からレジストローラ対33、34に至る搬送経路中に、回転しながら記録媒体Pを挟持して搬送する搬送ローラ対をレジストローラ対33、34とは別に設置することもできる。
【0027】
ここで、図2及び図3を参照して、本実施の形態における搬送装置30には、レジストローラ対33、34(搬送ローラ対)に対して搬送方向上流側において記録媒体Pが湾曲しながらレジストローラ対33、34の位置に達するように記録媒体Pを案内する湾曲ガイド部材としての湾曲内ガイド板36及び湾曲外ガイド板37が設置されている。
湾曲内ガイド板36は、ステンレス鋼等の板金で形成され、湾曲しながら搬送される記録媒体Pの凹面側に対向するように配設されている。湾曲外ガイド板37は、ステンレス鋼等の板金で形成され、湾曲しながら搬送される記録媒体Pの凸面側に対向するように配設されている。そして、これらの湾曲ガイド板36、37(湾曲ガイド部材)によって形成された湾曲した搬送経路に沿うように、記録媒体Pが搬送されて、レジストローラ対33、34(搬送ローラ対)のニップ部に導かれることになる。
【0028】
また、搬送装置30には、記録媒体Pがレジストローラ対33、34の位置に達した後に湾曲ガイド板36、37によって規制されていた記録媒体Pの湾曲状態が緩和(又は解除)されて記録媒体Pの後端が変位するように、変位部Aが形成されている。
詳しくは、変位部Aは、レジストローラ対33、34に対して搬送方向上流側であってレジストローラ対33、34の近傍の位置において、湾曲ガイド板36、37によって湾曲される記録媒体Pの凸面から離れる方向に形成された空間である。換言すると、湾曲ガイド部材(湾曲ガイド板36、37)によって形成される湾曲した搬送経路において搬送方向に沿って内側の搬送壁部(湾曲内ガイド板36)に対する外側の搬送壁部の間隔が広がるように、段差部A(湾曲外ガイド板37と第2ガイド部材38とで形成される段差であって、変位部である。)が形成されている。
【0029】
さらに具体的に、この空間(変位部A)は、レジストローラ対33、34に対して搬送方向上流側であってレジストローラ対33、34の近傍の位置において湾曲ガイド板36、37との間に搬送方向に沿って記録媒体Pの凸面から離れる方向に段差(段差部)を形成するように設置された第2ガイド部材としての直線状ガイド板38によって形成されている。この直線状ガイド板38(第2ガイド部材)は、レジストローラ対33、34のニップ部における接線方向に対して平行に延在するように直線状に形成されていて、その上流側端部と湾曲外ガイド板37の下流側端部とが水平なガイド板で接続されて段差が形成されている。
【0030】
さらに、湾曲内ガイド板36の位置には、変位部A(段差部)における記録媒体Pの挙動(後端の挙動である。)を検知する検知手段41、42が設置されている。すなわち、湾曲内ガイド板36の位置には、変位部Aの位置で記録媒体Pの後端が変位した状態を検知する検知手段41、42が設置されている。
さらに換言すると、段差部Aの近傍であって、記録媒体Pの後端が段差部Aを通過する前後でオン状態(又はオフ状態)からオフ状態(又はオン状態)に変化する位置に、検知手段41、42が配設されている。
【0031】
詳しくは、この検知手段は、主として、樹脂材料で形成された可動部材としてのフィラー41と、発光素子と受光素子とからなるフォトセンサ42と、で構成されている。
フィラー41(可動部材)は、支軸41aを中心にして回動可能に、装置の筐体に保持されている。そして、フィラー41(可動部材)は、変位部Aの近傍において湾曲ガイド板36、37によって湾曲される記録媒体Pの凹面に押動されて基準位置(図2、図3(B)の位置であって、オフ状態である。)から所定方向(反時計方向)に回動する(図3(A)の状態であって、オン状態である。)。その後、フィラー41は、記録媒体Pの後端(図3(B)中、実線で丸く囲んだ部分である。)が変位部Aの位置で黒矢印方向に変位したときに記録媒体Pによる押動が解除されて時計方向(所定方向の逆方向)に回動して基準位置に戻ることになる(図3(B)の状態である。)。また、フィラー41は、後行の記録媒体P2の先端が当接するのをきっかけにして、湾曲する記録媒体P2の凹面に押動されて再び反時計方向に回動することになる(図2、図3(B)の状態である。)。
【0032】
そして、フォトセンサ42は、このようなフィラー41の基準位置からの回動(回動位置の変位)を検知することになる。具体的に、フィラー41が図3(A)の回動位置にあるとき、フィラー41の一部がフォトセンサ42の発光素子と受光素子との間に入り込んで、発光素子から受光素子に向けて照射される光が遮られる。これに対して、フィラー41が図3(B)の回動位置(基準位置)にあるとき、フィラー41がフォトセンサ42の位置から退避して、発光素子から照射された光が受光素子にて受光される。このようなフォトセンサ42における受光素子での受光の有無による電圧変化により、制御部60でフィラー41の回動位置が判別される。すなわち、記録媒体Pがフィラー41の位置を通過している状態(図3(A)の状態である。)と、記録媒体Pの後端がフィラー41の位置を通過した状態(図3(B)の状態である。)と、が制御部60で判別される。
ここで、この検知手段41、42は、上述したように動作するため、記録媒体Pの後端を検知する機能(後端が通過した状態を検知する機能)の他に、記録媒体Pの先端を検知する機能(先端が通過した状態を検知する機能)も有することになる。すなわち、検知手段41、42は、変位部Aの近傍を通過する記録媒体Pの先端と後端とを検知するように形成されている。
【0033】
なお、本実施の形態では、フィラー41の自重によってフィラー41が図3(A)の状態から図3(B)の状態に回動するように構成したが、フィラー41が図3(A)の状態から図3(B)の状態に回動するように付勢するスプリング等の付勢部材を設置することもできる。その場合、付勢部材は、記録媒体Pの搬送を妨げない位置に設置され、記録媒体Pに押動されたときに確実にフォトセンサ42の位置まで回動する程度の弱い付勢力を有するように形成されることになる。
また、本実施の形態において、フィラー41が図3(A)の状態から図3(B)の状態に回動してその位置に留まるように、フィラー41を係止するストッパ部材を設置することもできる。なお、本実施の形態では、直線状ガイド板38の上流側端部と湾曲外ガイド板37の下流側端部とを結ぶ水平なガイド板が、フィラー41を係止するストッパ部材として機能している。
なお、本実施の形態では、検知手段としてのフィラー41及びフォトセンサ42が、幅方向(図2、図3の紙面垂直方向である。)の中央部に設置されている。また、図示は省略するが、湾曲内ガイド板36の幅方向中央部には、上述したフィラー41の回動を可能にするための貫通穴が形成されている。
【0034】
以上説明したように搬送装置30を構成しているため、ユーザーが給紙部12にセットした記録媒体Pのサイズ(搬送方向の長さ)と、ユーザーが画像形成装置1に入力した記録媒体Pの情報(パソコン等を介して装置本体1の制御部60に入力された情報や、装置本体1の操作パネルを介して直接的に入力された情報等である。)に基く記録媒体Pのサイズ(搬送方向の長さ)と、が過誤により異なってしまったときに、その状態を、記録媒体Pを搬送しながらジャム等の不具合が生じる前に簡易に検出することができることになる。
【0035】
以下、図4に示す従来の搬送装置300における動作と比較して、上述した効果について説明する。
図4に示すように、従来の搬送装置300は、湾曲外ガイド板370がレジストローラ対33、34の位置まで延設されている。そのため、ユーザーが給紙部12にセットした記録媒体Pのサイズ(実際に搬送される記録媒体Pのサイズであって、例えば、A4横サイズである。)よりも大きなサイズ(例えば、A4縦サイズである。)の記録媒体Pをセットしたものとして、その情報を画像形成装置1に入力設定してしまったときに、給紙部12において給紙ローラ31が大きなサイズの記録媒体Pを搬送する時間だけ回転駆動されることになるため、小さなサイズの複数の記録媒体P1、P2が1枚の記録媒体としてほとんど隙間(紙間)を空けずに連続的に給送されてしまい、その状態を検知手段41、42によって検知できないことになる。すなわち、図4(A)に示すように、先行の記録媒体P1に押動されてフィラー41が回動した状態がフォトセンサ42で検知されるものの、図4(B)に示すように、フォトセンサ41の位置を先行の記録媒体P1の後端が通過しても、隙間を空けずに通過する後行の記録媒体P2に押動されてフィラー41が回動した状態が維持されてしまうことになる。そのため、検知手段41、42の位置で、複数の記録媒体P1、P2が異常ないものとして連なって搬送されて、その後にもレジストローラ対33、34によって画像形成部に向けて複数の記録媒体P1、P2が連なって搬送されることになる。そして、このような状態では、レジストローラ対33、34の位置を含めて、その下流側の搬送経路にて後行の記録媒体P2のジャムが生じやすくなる。特に、画像形成部において後行の記録媒体P2の先端部(通常は余白部分となる部分である。)に画像が転写されてしまうと、定着工程時において定着ローラ21に記録媒体P2の先端部が密着して定着ローラ21から分離されずに巻き付きやすくなってしまう。
【0036】
これに対して、本実施の形態では、ユーザーが給紙部12にセットした記録媒体Pのサイズよりも大きなサイズの記録媒体Pをセットしたものとして、その情報を画像形成装置1に入力設定してしまって、給紙部12において給紙ローラ31が大きなサイズの記録媒体Pを搬送する時間だけ回転駆動されて、小さなサイズの複数の記録媒体P1、P2が1枚の記録媒体としてほとんど隙間(紙間)を空けずに連続的に給送されてしまっても、先に図3(A)及び図3(B)を用いて説明したように、変位部Aで先行の記録媒体P1の後端の挙動が検知手段41、42によって検知される。すなわち、図3(A)に示すように、先行の記録媒体P1に押動されてフィラー41が回動した状態がフォトセンサ42で検知されて、図3(B)に示すように、フォトセンサ41の位置を先行の記録媒体P1の後端が通過したときに、その後端が黒矢印方向に変位してフィラー41を押動する力がなくなりフィラー41が基準位置に回動する状態がフォトセンサ42で検知される。このようなとき、フォトセンサ42(検知手段)で検知される記録媒体の先後端のタイミング(先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間であって、記録媒体の搬送方向の長さに比例するものである。)は、設定されたサイズの記録媒体を通紙したときのものと異なり短くなるため、ユーザーが給紙部12に実際にセットした記録媒体Pのサイズが設定されたものよりも小さいことが検出されることになる。そして、このような誤セット(又は、誤設定)の検出は、記録媒体Pの搬送中において、記録媒体Pのジャムが生じる前におこなわれることになる。
なお、上述の例では、ユーザーが給紙部12に実際にセットした記録媒体Pのサイズが設定されたものよりも小さい場合について説明したが、ユーザーが給紙部12に実際にセットした記録媒体Pのサイズが設定されたものよりも大きい場合には、フォトセンサ42(検知手段)で検知される記録媒体の先後端のタイミングが、設定されたサイズの記録媒体を通紙したときのものと異なり長くなるため、その状態をフォトセンサ42(検知手段)で検出することができる。
【0037】
ここで、本実施の形態では、上述したように検知手段41、42が、変位部Aの近傍を通過する記録媒体Pの先端と後端とを検知するように形成されている。これにより、検知手段41、42で検知された情報に基いて、変位部Aの近傍を通過する記録媒体Pの搬送方向の長さ(サイズ)を検出することができる。具体的に、制御部60の演算部において、記録媒体Pの先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間と、記録媒体Pの搬送速度(プロセス線速)と、によって記録媒体Pの搬送方向の長さ(サイズ)が求められる。
【0038】
そして、検知手段41、42で検知された情報に基いて検出された記録媒体Pの搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体Pの情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、給紙部12からレジストローラ対33、34の位置に向けての新たな記録媒体Pの給送が停止される。
すなわち、検知手段41、42によって記録媒体Pの誤セット(又は、誤設定)が検出されると、連続通紙中であっても、制御部60による制御によって給紙モータ31が駆動停止されて、新たな記録媒体Pの給送が中断される。
このような制御をおこなうことで、設定されたサイズと異なるサイズの記録媒体Pが、ジャム等の不具合が生じるまで、続けて給送されてしまう不具合が抑止される。
【0039】
さらに、本実施の形態では、検知手段41、42で検知された情報に基いて検出された記録媒体Pの搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体Pの情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、その旨の告知と、搬送中の記録媒体の除去を促す旨の告知と、のうち少なくとも一方の告知がおこなわれる。
例えば、検知手段41、42によって記録媒体Pの誤セット(又は、誤設定)が検出されると、制御部60による制御によって、装置本体1の外装部に設置された表示パネル65に、「設定されたサイズと異なるサイズの用紙がセットされています。給紙カセットの横のドアーを開放して、搬送された用紙を取り出してください。また、サイズの設定を正しいものに変更するか、又は、設置されたサイズの用紙をセットしなおしてください。」等の告知が表示されることになる。
このような制御をおこなうことで、設定されたサイズと異なるサイズの記録媒体Pが給紙部12にセットされた不具合が、ユーザーの作業によって、解消されることになる。
【0040】
また、本実施の形態において、検知手段41、42で検知された情報に基いて検出された記録媒体Pの搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体Pの情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、搬送中の記録媒体P(誤セット又は誤設定の対象となった記録媒体P1、P2である。)が装置本体1の外部に自動的に排出される「排紙モード」がおこなわれるように設定することが好ましい。
詳しくは、検知手段41、42によって記録媒体Pの誤セット(又は、誤設定)が検出されると、制御部60による制御によって、搬送モータ67(搬送経路において、給紙ローラ31やレジストローラ対33、34以外のローラ対を駆動するモータである。)やレジストモータ62が駆動されて、搬送経路中に残留するすべての記録媒体Pが、画像形成の有無に関わらず、搬送経路を搬送されて排紙ローラ対99によって装置外に排出されて、スタック部100上に排紙される。
このような制御をおこなうことで、搬送経路に残留する記録媒体Pを装置本体1から取り出すユーザーの作業を省くことができる。
【0041】
また、本実施の形態において、検知手段41、42で検知された情報に基いて検出された記録媒体Pの搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体Pの情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、像担持体としての中間転写ベルト78や感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kに形成された画像(トナー像)をクリーニングする「クリーニングモード」がおこなわれるように設定することが好ましい。
詳しくは、検知手段41、42によって記録媒体Pの誤セット(又は、誤設定)が検出されると、制御部60による制御によって、作像モータ67(中間転写ベルト78や感光体ドラム5Y、5M、5C、5K等の作像プロセスをおこなうための部材を駆動するモータである。)が駆動されて、画像形成プロセスが完了していなくても、中間転写クリーニング部80によって中間転写ベルト78上に担持された画像がクリーニングされて、クリーニング部77によって感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に担持された画像もクリーニングされる。
このような制御をおこなうことで、搬送経路に残留する記録媒体Pを装置本体1から自動又は手動で取り出す作業がおこなわれた後に、新たに画像形成プロセスがおこなわれても、中間転写ベルト78上に残った従前の画像によって2次転写ローラ89が汚れてしまう不具合や、新たに通紙した記録媒体P上に中間転写ベルト78上に残った従前の画像が転写されてしまう不具合を抑止することができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、記録媒体Pの後端が変位部Aで変位する状態を検知するとともに、記録媒体Pの先後端を検知する検知手段として、フィラー41とフォトセンサ42とを用いた。
これに対して、同様に機能する検知手段として、図5に示すように、変位部A(段差部)の近傍において湾曲ガイド板36、37によって湾曲される記録媒体Pを挟むように配設された発光素子45と受光素子46とを用いることもできる。詳しくは、発光素子45は、発光ダイオード等であって、湾曲外ガイド板37の下流側端部の近傍に設置されている。受光素子46は、フォトダイオード等であって、湾曲内ガイド板36の近傍であって発光素子45に対向する位置に設置されている。そして、図5(A)に示すように、湾曲ガイド板46、47によって湾曲される記録媒体Pによって発光素子45から発光された光が遮られ(オフ状態になり)、図5(B)に示すように、記録媒体Pの後端が変位部Aの位置で変位したときに発光素子45から発光された光が受光素子46によって受光されることになる(オン状態になる)。なお、図示は省略するが、ガイド板36〜38には、発光素子45から受光素子46に至る光路を確保するための貫通穴が形成されている。
このように構成した場合であっても、本実施の形態のものと同様に、誤セット(又は、誤設定)によって紙間を空けずに連続的に搬送される複数の記録媒体P1、P2における先行の記録媒体P1の後端を、検知手段45、46によって確実に検出することができる。さらに、この検知手段45、46によっても、記録媒体Pの先後端を検知して記録媒体Pの搬送方向の長さを検出することができる。特に、この検知手段45、46は、フィラーのように可動する部材がないために、機械的な動作不良等の不具合が生じることがない。
【0043】
また、本実施の形態では、変位部Aを形成するために第2ガイド部材として直線状ガイド板38を用いた。
しかし、変位部Aを形成するための第2ガイド部材の形態はこれに限定されることなく、例えば、図6に示すように、第2ガイド部材として、湾曲率が比較的小さな曲線状ガイド板39を用いることもできる。そして、このような曲線状ガイド板39を用いて変位部A(段差部)を形成した場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態においては、記録媒体Pがレジストローラ対33、34(搬送ローラ対)の位置に達した後に湾曲ガイド板36、37(湾曲ガイド部材)によって規制されていた湾曲状態が解除されて記録媒体Pの後端が変位するように形成された変位部A(段差部)を設けて、変位部Aの位置で記録媒体Pの後端の挙動を検知している。これにより、ユーザーが給紙部12にセットした記録媒体Pのサイズと、ユーザーが画像形成装置1に入力した記録媒体Pの情報に基く記録媒体Pのサイズと、が異なってしまったときに、その状態を、記録媒体Pを搬送しながらジャム等の不具合が生じる前に簡易に検出することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、カラーの画像形成装置1に設置される搬送装置30に対して本発明を適用したが、モノクロの画像形成装置に設置される搬送装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、搬送ローラ対としてレジストローラ対33、34を用いて、画像形成部に向けて記録媒体Pを搬送する搬送装置30に対して、本発明を適用した。これに対して、レジストローラ対以外の搬送ローラ対が設置されていて、その他の位置に向けて記録媒体Pを搬送する搬送装置であっても、当然に本発明を適用することができる。特に、変位部Aの下流側に配設される搬送ローラ対は、レジストローラ対33、34のように記録媒体Pがニップ部に到達した後に回転駆動を開始するものに限定されず、常に回転駆動されているものであっても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される搬送装置30に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置である。)に設置される搬送装置であっても、それらのすべての搬送装置に対して当然に本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、湾曲ガイド部材として板金からなる湾曲ガイド板36、37を用いたが、湾曲ガイド部材として樹脂材料等からなる部材を用いることもできる。
また、本実施の形態では、第2ガイド部材としての直線状ガイド板38や曲線状ガイド板39を用いて、湾曲外ガイド板37との接続部に閉空間による段差を形成して、この段差を変位部Aとして機能させた。これに対して、記録媒体Pの良好な搬送性を維持できる範囲で、第2ガイド部材を設置せずに、湾曲外ガイド板37とレジストローラ対33、34のニップ部との間に開放された空間を形成して、この開放された空間を変位部Aとして機能させることもできる(図2において、直線状ガイド板38を取り外した状態である。)。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置本体(装置本体)、
30 搬送装置、
31 給紙ローラ、
32 フリクションパッド、
33、34 レジストローラ対(搬送ローラ対)、
36 湾曲内ガイド板(湾曲ガイド部材)、
37 湾曲外ガイド板(湾曲ガイド部材)、
38 直線状ガイド板(第2ガイド部材)、
39 曲線状ガイド板(第2ガイド部材)、
41 フィラー(可動部材、検知手段)、
42 フォトセンサ(検知手段)、
45 発光素子(検知手段)、
46 受光素子(検知手段)、
A 変位部(段差部)、 P、P1、P2 記録媒体。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特許2007−121885号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送ローラ対と、
前記搬送ローラ対に対して搬送方向上流側において記録媒体が湾曲しながら前記搬送ローラ対の位置に達するように記録媒体を案内する湾曲ガイド部材と、
記録媒体が前記搬送ローラ対の位置に達した後に前記湾曲ガイド部材によって規制されていた当該記録媒体の湾曲状態が緩和されて当該記録媒体の後端が変位するように形成された変位部と、
前記変位部における記録媒体の挙動を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記変位部は、前記搬送ローラ対に対して搬送方向上流側であって前記搬送ローラ対の近傍の位置において、前記湾曲ガイド部材によって湾曲される記録媒体の凸面から離れる方向に形成された空間であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記空間は、前記搬送ローラ対に対して搬送方向上流側であって前記搬送ローラ対の近傍の位置において前記湾曲ガイド部材との間に搬送方向に沿って前記記録媒体の凸面から離れる方向に段差を形成するように設置された第2ガイド部材によって形成されたことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記検知手段は、
前記変位部の近傍において前記湾曲ガイド部材によって湾曲される記録媒体の凹面に押動されて基準位置から所定方向に回動して、当該記録媒体の後端が前記変位部の位置で変位したときに当該記録媒体による押動が解除されて前記所定方向の逆方向に回動して前記基準位置に戻る可動部材と、
前記可動部材の前記基準位置からの回動を検知するフォトセンサと、
を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記検知手段は、
前記変位部の近傍において前記湾曲ガイド部材によって湾曲される記録媒体を挟むように配設された発光素子と受光素子とを具備し、
前記湾曲ガイド部材によって湾曲される記録媒体によって前記発光素子から発光された光が遮られ、当該記録媒体の後端が前記変位部の位置で変位したときに前記発光素子から発光された光が前記受光素子によって受光されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
記録媒体を搬送する搬送ローラ対と、
前記搬送ローラ対に対して搬送方向上流側において記録媒体が湾曲しながら前記搬送ローラ対の位置に達するように記録媒体を案内する湾曲ガイド部材と、
前記湾曲ガイド部材によって形成される湾曲した搬送経路において搬送方向に沿って内側の搬送壁部に対する外側の搬送壁部の間隔が広がるように形成された段差部と、
前記段差部の近傍であって、記録媒体の後端が前記段差部を通過する前後でオン状態又はオフ状態からオフ状態又はオン状態に変化する位置に配設された検知手段と、
を備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
前記搬送ローラ対は、記録媒体上に画像を形成する画像形成部に向けてタイミングを合わせて記録媒体を搬送するレジストローラ対であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記検知手段は、前記変位部の近傍を通過する記録媒体の先端と後端とを検知するように形成され、
前記検知手段で検知された情報に基いて記録媒体の搬送方向の長さを検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検知手段で検知された情報に基いて検出された記録媒体の搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体の情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、前記搬送ローラ対の位置に向けての新たな記録媒体の給送を停止することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記検知手段で検知された情報に基いて検出された記録媒体の搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体の情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、その旨の告知と搬送中の記録媒体の除去を促す旨の告知とのうち少なくとも一方の告知をおこなうことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記検知手段で検知された情報に基いて検出された記録媒体の搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体の情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、搬送中の記録媒体が装置本体の外部に排出される排紙モードがおこなわれることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
記録媒体上に転写するための画像が担持される像担持体を備え、
前記検知手段で検知された情報に基いて検出された記録媒体の搬送方向の長さが、ユーザーによって入力された記録媒体の情報に基く搬送方向の長さと異なるときに、前記像担持体に形成された画像をクリーニングするクリーニングモードがおこなわれることを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−75766(P2013−75766A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−137566(P2012−137566)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】