説明

携帯ロボットのプログラミングおよび診断ツール

ロボットデバイス(18、20)と通信する方法およびその関連するシステムは、構成情報および診断情報がロボットデバイス(18、20)および構成ツール(12)との間で通信することを可能にする。方法は、特定のタスクまたは機能を実行するようにデバイスをプログラムする情報をロボットデバイス(18、20)へ通信し得る、携帯デバイスなどの構成ツール(12)からなる。構成ツール(12)はまた、ロボットデバイスから診断情報を取り入れるように、および分析ツールへその情報を通信するように構成し得る。ある実施形態において構成ツールは、異なる構成プログラムとともにインストールされ得、構成ツールがロボットデバイスの性能特質を変更または強化することを可能にする。結果として、構成ツールを、単一のユーザまたは複数のユーザの特定の要件に基づいてロボットデバイスの性能を調整するアクセサリとして作成することが可能であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2004年6月24日に出願された米国仮特許出願第60/582,531号の優先権および利益を主張するものであり、前記仮特許出願は本明細書にて、参考としてその全体が援用される。本出願は、本出願と同日付けで出願され「Remote Control Scheduler and Method for Autonomous Robotic Device」と題された米国出願代理人整理番号第IRO−018号に関連付けられ、前記同日出願は本明細書にて、参考としてその全体が援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は一般に、自律ロボットデバイスの制御を含む、ロボット工学分野に関する。より詳細には、本発明は清掃ロボットなど、自律ロボットデバイスとの間で構成および診断情報を通信するための構成ツールおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ロボット清掃デバイスは、ロボットのプロセッサに保存されたプログラムに基づいて、特定区域を清掃するために使用され得る。これらの装置の目的は、ユーザが清掃デバイスを物理的に制御する必要なしに、または床が清掃されている最中、部屋にいる必要なしに効率的に部屋を清掃することである。これは、家事に必要な時間を低減し、ユーザが居合わせる必要なしに部屋が掃除されることを可能にすることにより騒音公害を低減し、もしくは年配者や障害者が補助なしには難しいか、やり遂げられない部屋の清掃を可能にし得る。
【0004】
一般に、これらの装置は工場でプログラムされ、動作や機能はロボットデバイスに取り付けられたチップに実装されたプログラムに基づいている。そのような装置の動作または機能を変更するためには、ロボットデバイスは分解され、マスクチッププログラムは更新されたプログラムとともに新しいチップを取り付けることにより交換される必要がある。機械設計および構成が完成するかなり前にソフトウェアが完成する必要があるので、開発時間が長引き得る。また、装置の構成が一旦完了すると、装置の動作および機能が容易に変更され得ないので、ロボットデバイスの有用性を制限し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記から、装置を工場へ戻したり新しいハードウェアを取り付けたりする必要なしに、ロボット清掃装置のような自律ロボットデバイスの動作および機能がいつでも変更または更新されることを可能にする方法および装置へのニーズがある。さらに、ロボットデバイスの有用性、効率、および使い勝手を改善するために、ロボットデバイスへ新しい構成アプリケーションをロードしたり、ロボットデバイスから診断情報をアップロードしたりし得る携帯装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、装置にプリインストールされたプログラムに従って動作するようにロボットデバイスを構成するための方法および装置を提供する。方法および装置は、ユーザの要件に従って、ロボットデバイスの機能が更新されたり、または変更されたりすることを可能にする。装置はまた、ロボットデバイスから診断情報を入手するために使用され得る。本発明の一つ以上のインプリメンテーションは、次の特徴のうちの一つ以上を提供し得る。
【0007】
本発明の一つの実施形態は、ロボットデバイスとの間で通信する方法を含む。方法は、ロボットデバイスへ構成ツールをリンクするステップと、構成ツールを認証するステップと、少なくとも構成ツールを介してロボットデバイスへ情報をロードするステップおよびロボットデバイスから構成ツールへ情報をロードするステップのうちの少なくとも一つを含む。実行されたロードするステップは典型的には、構成ツールの正常な認証の後に行われる。
【0008】
本発明の一つの実施形態において、ロボットデバイスは、構成ツールへ電力を供給する。代替実施形態として構成ツールは、構成ツールの内部にある、または構成ツールに取り付けられた内部電源、もしくは構成ツールにリンクされた遠隔電源により電力供給され得る。構成ツールとロボットデバイスの間のリンクは、通信ポート、無線接続、および物理的接続のうちの少なくとも一つを含む。ある実施形態において、物理的接続は、検証属性(verification attribute)を含み得る。
【0009】
本発明の多様な実施形態において、構成ツールの認証のステップは、情報に含まれた認証コードの同定、ロボットデバイスと構成ツールとの間の少なくとも一つの所定のメッセージの交換、ロボットデバイスからの構成情報の受信、ロック解除命令の発行、または検証属性とロボットデバイスとの相互接続のうちの少なくとも一つを含み得る。所定のメッセージは、ロボットデバイスから送られたメッセージ、および構成ツールから送られたメッセージを含み得る。構成情報は、プロセッサタイプを含み得る。ロック解除命令は、通信ポートの使用を許可し得る。
【0010】
本発明の一つの実施形態において、実行されるロードするステップは、有効期限内にのみ発生する。有効期限は少なくとも部分的には、認証からの経過時間、認証の回数、または認証の頻度のうちの少なくとも一つに基づき得る。本発明のある実施形態において、構成ツールは、ユーザインタフェースを含み得る。
【0011】
本発明の多様な実施形態において、ロボットデバイスへロードされる情報、またはロボットデバイスからロードされる情報は、作動データの少なくとも一つ、またはコンピュータプログラムの少なくとも一部分を含み得る。動作データは、モータ電流あるいはセンサ閾値のうちの少なくとも一つを含み得る。本発明の一つの実施形態において、情報の少なくとも一部分が暗号化され得る。この実施形態において方法は、ロボットデバイスによる情報の解読のステップをさらに含み得る。本発明の一つの実施形態において、ロボットデバイスへロードされるべき情報は、ロボットデバイスから受信した情報に依存する。
【0012】
本発明の一つの実施形態は、ロボットデバイスとの間で通信するための装置を含み得る。装置は、情報の保存のためのメモリ、ロボットデバイスと通信するための少なくとも一つのポート、装置を認証するための少なくとも一つの認証器、情報の少なくとも一部分を少なくとも一つのポートを介して通信するための少なくとも一つのローダを含み得る。情報の少なくとも一部分は、装置からロボットデバイスへロードされた情報、ロボットデバイスから装置へロードされた情報のうちの一つからなり得る。
【0013】
本発明の一つの実施形態において、ロボットデバイスは装置へ電源を供給し得る。代替実施形態において、構成ツールは、構成ツールの内部に位置する、あるいは構成ツールに取り付けられた内部電源、もしくは構成ツールにリンクされた遠隔電源により電力供給され得る。本発明のある実施形態において、装置はユーザインタフェースを含み得る。
【0014】
本発明の一つの実施形態において、少なくとも一つのポートは、無線接続および物理的接続のうちの少なくとも一つを含み得、物理的接続は、構成ツールが他のデバイスへ直接リンクすること、または他のデバイスへケーブルを介して接続することを可能にし得る。ある実施形態において、物理的接続は検証属性を含み得る。
【0015】
本発明のある実施形態において情報は、認証コード、少なくとも一つの所定のメッセージ、ロック解除命令、コンピュータプログラムの少なくとも一部分、または動作データのうちの少なくとも一つを含み得る。一つの実施形態において、所定のメッセージは、ロボットデバイスにより送られたメッセージおよび装置により送られたメッセージを含み得る。一つの実施形態においてロック解除命令は、少なくとも一つのポートを有効にし得る。一つの実施形態において動作データは、モータ電流およびセンサ閾値のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0016】
本発明のある実施形態において認証は、ロボットデバイスからの構成情報を受信するための受信器、および検証属性とロボットデバイスとの間の相互接続のうちの一つを含み得る。一つの実施形態において構成情報は、プロセッサタイプを含み得る。一つの実施形態において少なくとも一つのローダは、有効期限を含み得る。有効期限は少なくとも部分的に、認証からの経過時間、認証の回数、および認証の頻度のうちの少なくとも一つに基づき得る。
【0017】
本発明のある実施形態において、情報は暗号化され得る。装置は、ロボットデバイス内で情報を解読するための解読器をさらに含み得る。本発明の一つの実施形態において、ロボットデバイスにロードされる情報は、ロボットデバイスから受信した情報に依存する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、ロボットデバイスへ情報を通信する、またはロボットデバイスから情報を受信するための方法および装置を提供する。装置は、ロボットデバイスへ構成情報をロードするために使用され得、ロボットデバイスの機能がユーザにより容易に更新または変更されることを可能にする。ロボットデバイスはこのため、ユーザが要求する新しいタスクを行うように再プログラムされ得、または既存のタスクの機能性を改善するために更新され得る。装置はさらに、ロボットデバイスから診断情報を入手すために使用され得、エンジニアまたはユーザがデバイスにおいてシステム診断を行うことを可能にする。
【0019】
図1は、ロボットデバイスとともに使用するための構成ツール12の一つの実施形態10を示す構成図である。この実施形態において、構成ツール12は、ロボットデバイスもしくは他の通信デバイスまたは分析デバイスへ情報を通信するように、あるいはロボットデバイスもしくは他の通信デバイスまたは分析デバイスから情報を受信するように適合、および構成される。情報は、構成情報14および診断情報16を含む(これに限らない)。
【0020】
構成ツール12は、可動ロボットデバイス18、静止ロボットデバイス20、通信デバイス22、および分析デバイス24を含む(これに限らない)、いくつかのデバイスと通信し得るように適合される。可動ロボットデバイス18は例えば、マサチューセッツ州BurlingtonのiRobot Corporationから入手できる、Roomba(登録商標)ブランドのロボット床清掃機および掃除機などの清掃ロボットであり得る。静止ロボットデバイス20は例えば、可動ロボットデバイス18の移動を、限定する指定パスに沿ってIRビームを送信するように設計された携帯バリア信号送信器であり得る。また、静止ロボットデバイス20は、可動ロボットデバイス18とともに使用するためのドッキングステーション、ホームベース、または充電デバイスでもあり得る。
【0021】
携帯電話、遠隔制御デバイス、またはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)など(これに限らない)、通信デバイス22は、構成ツール12に接続され得る。通信デバイスは、ロボットデバイスへロードされるべき構成情報14または他のプログラム情報を構成ツール12にインストールするために使用され得る。通信デバイス22はまた、ロボットデバイスから構成ツール12へ通信された、診断情報16または他の適切な情報を検索するために使用され得る。診断情報16は後に通信デバイス22へ保存され得、さらなる分析のために分析デバイス24へ転送され得るか、または直接診断情報を分析するために使用され得る。通信デバイス22は、可動ロボットデバイス18および/または静止ロボットデバイス20とともに使用される、スケジュールデバイスおよび/または遠隔コントローラでもあり得る。構成ツール12はその後に、スケジュールデバイスおよび/または遠隔コントローラのアプリケーションプログラムをインストールまたはアップグレードするために使用され得る。
【0022】
分析デバイス24は、情報を保存したり分析したりするためのPC、ラップトップ、または他の適切なデバイスであり得る(これに限らない)。構成ツール12を分析デバイス24に接続すると、構成情報14が分析デバイス24により構成ツール12にインストールされることを可能にするか、または分析デバイス24が可動ロボットデバイス18および/または静止ロボットデバイス20とともに使用され得ることを可能にするために、構成ツール12が、分析、スケジュール、または制御プログラムを含む(これに限らない)、情報をインストールすことを可能にする。構成ツール12はまた、分析デバイス24による分析のために、ロボットデバイスまたは他のデバイスから診断情報16をダウンロードするために使用され得る。
【0023】
構成情報14は、工場においてロボットデバイスを初めてプログラムするための情報、もしくはロボットデバイスの既存の能力をグレードアップするための情報、または工場あるいは現場において新しいタスクを行うためにデバイスを再プログラムするための情報を含み得る。グレードアップ情報は、ロボットデバイスにインストールされたソフトウェアの新しいバージョン、ロボットデバイスの機能を特定のタスクに適合させるための特別なプログラム、さらなるユーザ入力なしで自動的にロボットデバイスが作動することを可能にするスケジュールプログラム、ロボットデバイスが、遠隔コントロールツールまたはスケジュールツール(ユーザにより開始されるもの、あるいはあるイベントの発生において自動的に開始されるもの)などの通信デバイスへ情報を送信することを可能にするプログラムを含み得る(これに限らない)。さらなるグレードアップ情報または再プログラム情報は、可動ロボットデバイス18がまったく新しいタスク(例えば、おもちゃ、セキュリティデバイス、または紛失物発見デバイスとして機能することを含む(これに限らない))を行うことを可能にするプログラムおよびアプリケーション、もしくは特定のタスクを行うことにより獲得される情報に基づいてロボットデバイスが自身のプログラムを適合させることを可能にする「学習」プログラムおよびアプリケーションを含み得る。学習プログラムは例えば、可動ロボットデバイス18が、部屋のレイアウトを作成し、物体や障害物が部屋のどこにあるかを記憶すること、もしくはユーザの以前の行動パターンまたは環境条件に基づいてスケジュールを適合させることを可能にし得る。
【0024】
一つの実施形態10において、構成ツール12は直接、物理的接続を介してデバイスと通信し得る。この直接通信において、一方のオスコネクタ(例えば、DINコネクタ、USB、シリアルポートまたは他の適切な接続要素)が他方のメスコネクタと直接接続する。代替実施形態において、直接通信は、ロボットデバイスにある、もしくは通信デバイスまたは分析デバイスに取り付けられたドッキングステーションを含み得、このため構成ツール12は、取り外し可能なようにデバイスへ直接取り付けられ得る。ある実施形態において、構成ツール12とデバイスとの間の物理的接続は、接続のソフトウェア、ハードウェア、または物理的・幾何学的特質に基づく検証属性を含み得る。
【0025】
代替実施形態において、通信された情報は、ケーブル(例えば、USBまたはシリアルポートリンク)により、通信ポートを介して送られ得る。デバイスのさらなる代替実施形態において、構成情報14および診断情報16は、赤外線(IR)信号、電波(RF)信号、または他の適切な信号により送られる情報とともに、デバイスとの無線接続を介して送信され得る。他の代替実施形態において、構成情報14は、可動ロボットデバイス18のバッテリを充電および再充電するために使用される充電デバイスまたはドッキングステーションに埋め込まれ得る(2004年1月21日に出願され、本明細書にて参考としてその全体が援用される、米国特許出願第10/762,219号を参照)。構成情報14はその後に、充電デバイスと「ドッキング」するときに、可動ロボットデバイス18に通信され得る。可動ロボットデバイス18と充電デバイスとの間のリンクは、IR通信リンクなどの無線リンク、または充電器のオスポートと可動ロボットデバイス18のメスポートとの間のような直接リンクであり得る。可動ロボットデバイス18と充電器との間の通信はまた、可動ロボットデバイス18のバッテリを再充電するデバイスをリンクするために使用される物理的コンタクト、または別の物理的コンタクトを介して達成され得る。例示的実施形態において、情報は、ドッキングステーションまたは充電器のための電力充電線、または他の適切なネットワーク接続を介して運ばれ得、ロボットが充電デバイスとドッキングするときは常に情報ネットワークにリンクすることを可能にする。構成情報14および診断情報16は、可動ロボットデバイス18がドッキングされているときは常に、容易に転送され得る。
【0026】
本発明のある実施形態において、デバイスと構成ツール12との間のリンクは、構成ツール12へ電力を供給するために使用され得る。例えば、可動ロボットデバイス18または静止ロボットデバイス20に電力供給するために使用されるバッテリ電力は、一旦デバイスと構成ツール12との間にリンクが確立されると、構成ツール12に電力供給するためにも使用され得る。構成ツール12を、構成ツール12にリンクされたデバイスにより電力供給可能にすると、この実施形態における構成ツール12がバッテリまたは他の電源が構成ツール12自身に設置されることを必要としないので、構成ツール12のサイズおよび重量を最小限にし得る。
【0027】
本発明の代替実施形態において、構成ツール12は、内蔵バッテリ(取り外し可能、または不可能なもの)または、構成ツールを主電源に接続する電源アダプタのような、構成ツール12に外部から接続された別の電源により電力供給されるように適合され得る。本発明の一部実施形態において、構成ツール12とともに使用するためのデバイスは、DINコネクタまたは他の適切な物理的接続、ならびに情報を通信可能、および/または電源を切ってもプログラム保存可能なフラッシュメモリを必要とし得る。
【0028】
構成ツール12とデバイスとの間で情報を通信する前に、構成ツール12は、デバイスにより認証されるように要求され得る。構成ツール12とデバイスとの間との認証を必要とすることは例えば、デバイスのセキュリティを改善すること、承認されていないまたは潜在的に有害な情報がデバイスへ通信されないようにする、または情報が転送される前に適切な命令を提供することが可能になり得る。
【0029】
構成ツール12の認証は、いくつかの異なる方法で行え得る。例えば、構成ツール12とデバイスとの間でリンクが形成されると、構成ツールにはデバイスへ承認コードを送信し得、認可された承認コードが受信されたときのみ、デバイスはデバイスと構成ツール12との間の情報のロードを有効にする。代替として、少なくとも一つの所定のメッセージがデバイスと構成ツール12との間で交換され得、デバイスおよび構成ツール12の両方またはいずれかから所定のメッセージが受信されたときのみ、さらなる通信が許可される。
【0030】
本発明のさらなる実施形態において、構成ツール12とデバイスとの間で送信される認証情報は、デバイスまたは構成ツール12のためのプロセッサの種類、または通信されるべき情報の様式を含み得るが、これに限定されない、構成情報を含み得る。代替的にまたは追加的に、認証情報は、コンピュータプログラムの少なくとも部分を含み得る。コンピュータプログラムは例えば、デバイス間の更なる通信を有効するために、または情報を受信または送信するようにデバイスを構成するために使用され得る。認証情報はまた、デバイスにおいて通信ポートの使用を許可し得、ポートが構成ツール12とデバイスとの間でさらに通信することが可能になるようなロック解除命令を含み得る。
【0031】
ある形態において検証属性は、構成ツール12とデバイスとの間のリンクを介して相互接続され得る。この検証属性は例えば、認証コード、少なくとも一つの所定のメッセージ、ロック解除命令、コンピュータプログラムの少なくとも部分、および/または動作データを含み得る。動作データは、電力情報(例えばモータ電流)、およびデバイスまたは構成ツール12のセンサまたは他の部品のための閾値を含み得る(これに限らない)。ロック解除命令は例えば、情報を通信するために、デバイスの通信ポートを有効するために使用され得る。
【0032】
ある実施形態において、構成ツール12は、認証器を含み得る。認証器は、認証および/または構成情報を受信するための少なくとも一つの受信器を含み得、かつある実施形態において、構成ツール12にリンクされたデバイスへ認証情報および/または構成情報を通信するための送信器をさらに含み得る。認証器は、デバイスと構成ツール12の検証属性との間の相互接続をさらに含み得る。
【0033】
構成ツール12は、本発明のある実施形態において、構成ツール12が有効期限内でのみ動作するように構成、またはプログラムされ得る。有効期限は、認証からの経過時間、認証の回数、または認証の頻度に基づき得る。有効期限の導入は例えば、構成情報の伝播の制御および構成ツール12の承認されていない使用の制限のために有用であり得る。
【0034】
本発明のある実施形態において、構成ツール12とデバイスとの間で通信される情報は暗号化され得る。そのような実施形態において、解読器または解読アルゴリズムなどを含む(これらに限らない)、通信された情報の解読手段がデバイスにインストールされるように要求され得る。情報を暗号化すると、通信される情報を承認されていない第三者がコピーすることを防ぎ得、ロボットシステムのソフトウェアおよびエレクトロニクスの全体のコピーを承認されていないの第三者が複製することを防ぐ。ある実施形態において、構成情報14は、構成ツール12へインストールされる前に暗号化され得、暗号化された形式でデバイスにダウンロードされる。構成情報14はその後に、適切な解読アルゴリズムおよびコードがインストールされたデバイスによりのみ解読され、承認されていないユーザが暗号化されていない情報14を閲覧することを防ぐ。暗号化は、第三者が、商業的に開発されたロボット製品の不正使用、および承認されていないコピーをすることを防ぐことにおいて重要であり得る。
【0035】
例示的実施形態において、デバイスにインストールされた解読アルゴリズムおよびコードは、デバイスの機能を制限することなく、デバイスのマイクロコントローラの特徴により読み取られることから保護され得る。このため、ロボットデバイス内の制御情報または他の情報は、ユーザが情報そのものを読み取ることができないまま、更新および/または上書きされ得る。これは、更新された構成情報14または新しい構成情報14が、承認されていないユーザへアクセスを与えずに配信可能にする。暗号化アルゴリズムは、Tiny Encryption Algorithm(TEA)などの共有シークレットキー暗号化、または情報を暗号化、解読する他の適切な手段を含み得る(これに限らない)。
【0036】
本発明の一つの実施形態において、第一の構成ツールは、プログラムをロボットデバイスのフラッシュメモリへ工場でロードするために使用され得る。ロボットデバイスのマイクロプロセッサチップは、少なくともブートローダプログラムを含み得る。複雑な行動言語および制御パラメータを含む(これに限らない)、ロボットの動作に関連するプログラム情報は、この構成ツールからロードされ得る。ある実施形態において、ロボットデバイスへブートローダプログラムをインストールすることにより、暗号化された情報は直接、構成ツール12へ保存され得、またロボットデバイスへアップロードされ得、そこでブートローダに内蔵された適切な暗号化キーにより解読される。これは例えば、解読キーは構成ツール12にインストールされているのではなく、承認されたロボットデバイスまたは他の承認されたデバイスのみにインストールされているので、暗号化された情報が承認されていないユーザによりアクセスされ解読される危険性を低減し得る。
【0037】
ある実施形態において、複雑なプログラム行動をロードするのに使用される、同じ構成ツールがまた、ユーザへの出荷前にロボットデバイスを工場試験するために使用される診断プログラムを持ち得る。診断プログラムは、代替実施形態においてより多くの能力のために、より大規模なプログラムもインストールされ得るが、基本的な診断情報を提供するための簡単なアルゴリズムを伴い得る。
【0038】
診断プログラムは、ロボットデバイスのシステムの品質管理チェックを導入するために、工場において使用され得る、別の第二の構成ツールを介してデバイスに通信され得る。ロボットデバイスのI/Oポートは、ロボットデバイスの一部または全部のシステムならびにロボットデバイスの全てのシステムが完全に正常に動作できる状態であるかを検出し得る多様な値を含む(これに限らない)、局面などに関連する信号を送信し得る。ある具体的な実施形態の一つにおいて、診断プログラムは、診断デバイスが同時または順次、ロボットデバイスの多様なセンサを起動する間に作動するように構成され得る。
【0039】
ある実施形態において、構成ツール12は、ロボットからの受信された信号または情報が何であるかに基づいて、異なる情報をダウンロードまたはアップロードし得る。例示的実施形態において、カスタマイズされた制御アルゴリズムなどを含む(これに限らない)、カスタマイズされた構成情報14は、ロボットデバイスから収集された使用状況情報に基づいて、構成ツール12において計算され得る。その後、構成ツール12は、接続されたデバイスに特定された情報のみをダウンロードする。
【0040】
図2は、本発明の一つの実施形態に従った、構成ツール30の概略上面図である。構成ツールは、DINコネクタ、シリアルポートコネクタ、パラレルポートコネクタ、USBポートコネクタ、IEEE1394「Firewire」ポートコネクタ、PS/2ポートコネクタ、モデムポートコネクタ、イーサネット(登録商標)ネットワークポートコネクタ、または他の適切な通信ポートコネクタなどのコネクタ32を含む。コネクタ32は、構成ツール30がデバイスのI/Oポートと直接物理的に接続することが可能になるオスコネクタ、もしくは構成ツール30および通信相手のデバイスのメスポートをリンクするケーブル接続を介して、構成ツール30がデバイスに接続することが可能になる、メスコネクタポートであり得る。本発明の代替実施形態において、コネクタ32は、構成ツール30が赤外線(IR)信号または他の適切な無線信号を介してデバイスと通信することが可能になる無線コネクタであり得る。
【0041】
コネクタ32は、情報が構成ツール30およびリンクされたデバイスとの間で通信されることを可能にする。ある実施形態において、コネクタ32はまた、構成ツール30の少なくとも一つの機能を電力供給するために、電源がリンクされたデバイスから構成ツール30へ送られることを可能にする。構成ツール30内の電源レギュレータ34は、リンクされたデバイスからの電力を、構成ツール30に電力供給するための正しい電圧に変換するために活用され得る。本発明の代替実施形態において、バッテリなどの内部電源は、リンクされたデバイスからの電力の代わりに、またはとともに使用され得る。さらなる代替実施形態において構成ツール30は、構成ツール30を電力供給するために、主電源などを含む(これに限らない)、外部電源へリンクされ得る。さらに他の実施形態において、構成ツール30からの電力は、リンクされたデバイスの少なくとも一つの機能に電力供給するために使用され得る。
【0042】
リンクされたデバイスからの電力は、電源レギュレータ34によって一旦変換されると、特定のインストールされたハードウェア、機能、ユーザ入力、および構成ツール30にインストールされた他の部品を駆動するために使用され得る。図2の実施形態においてこれらは、マイクロプロセッサ36、ユーザ入力38、およびいくつかのLED40が含む。部品は、例えばユーザの手により容易に握られるような、任意の適切な形であり得る、ハウジング42内に取り付けられる。デバイスのサイズと形状は、システムの要件に多様であり得、コストを削減するために、ならびに携帯性および機能を向上するために、例えば最低限のものであり得る。
【0043】
マイクロプロセッサ36は、適切なデバイスにインストールされる構成情報を保存するため、デバイスから受信した診断情報を保存するため、構成ツール30およびリンクされたデバイスとの間のリンクを認証するために必要な情報を保存するため、ならびに構成ツール30の機能およびユーザ入力やユーザ出力を制御するために使用され得る。ある実施形態においてマイクロプロセッサ36は、適切なデバイスが検出されると、情報の認証および転送を自動的にトリガーし得、他の実施形態においてマイクロプロセッサ36は、構成ツール30およびリンクされたデバイスとの間に情報が転送される前に、構成ツール30またはリンクされたデバイスのいずれかからのユーザ入力または他の信号を要求するように構成され得る。
【0044】
本発明のある実施形態において、プログラムおよび/または構成情報、ならびにデータは、構成ツール30内のフラッシュベースのマイクロコントローラ、またはマイクロコントローラ36に取り付けられたフラッシュメモリへ保存され得る。本発明の代替実施形態において、構成ツール30は、オーディオCD、MP3、カセット、または他の適切なオーディオプレイヤに置き換えられ得る。この実施形態において、ドングルがCDプレイヤのオーディオ出力(ヘッドホンジャック)とロボットとの間のインタフェースの役目を果たし得、CDプレイヤがプレイヤに挿入されたディスク上に保存された情報をダウンロードおよび配信することを可能にする。情報は、例えば標準的な電話モデムに使用されるような周波数偏移変調または位相編移変調(これに限らない)を使用して、暗号化されたオーディオトーンの形式で、CDまたは他のメディアストーレジデバイスへ保存され得る。異なる情報は、CDまたは他の適切なメディアストレージデバイス上に別個のトラックとして保存され得、ユーザがオーディオプレイヤ上のトラックの選択に基づいて転送するデータを選択することを可能にする。
【0045】
ユーザ入力デバイス38は、少なくとも一つのボタン、スイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、および/またはローラボール(これに限らない)であり得る。ユーザ入力38は、構成ツールが、リンクされたデバイスが検出された時点で自動的に情報が通信されるのではなく、ユーザが起動した時点のみに情報をロードまたは受信することを可能にし得る。ある実施形態において、いくつかのユーザ入力38が、構成ツール30にインストールされ得る。複数のユーザ入力38の場合、各々の個別の入力38が、構成ツール30の異なる機能を制御するように構成され得る。例えば、別個のボタンが、構成プログラムのアップロードまたはダウンロード、診断情報のアップロードまたはダウンロード、および認証機能を制御するためにインストールされ得る。代替実施形態において、単一のユーザ入力38が、ユーザ入力38に対するユーザの相互作用の方法に基づいて、構成ツール30の二つ以上の機能を制御するように構成され得る。例えば、単一のボタンが、ボタンが何回押されたか、および/またはどのくらいの間押されたかに基づいて、いくつかの別個の機能を制御し得る。しかしながら、前述のように、ある実施形態において、ユーザ入力はまったく必要とされず、情報は、構成ツールとデバイスとの間にリンクが確立された時点で自動的に転送され得る。
【0046】
ユーザへのフィードバックは、ビジュアルまたはオーディオ信号により、特定のイベントまたは機能が実行された時点で提供され得る。これは、ランプ、オーディオスピーカ、LCDスクリーン、または他の周知のデバイスのうちの少なくとも一つを伴い得る。図2の例示的実施形態において、三つのカラーLED40の一式が構成ツール30に取り付けられ、実行されている、または完了した所定のイベントに対してユーザの注意を喚起する。この例示的実施形態において構成ツール30は、異なる色の三つのLED40を含む(グリーンが一つ、イエロが一つ、レッドが一つ)。点灯したグリーンのランプは、構成ツール30に電力供給され、リンクされたデバイスと通信していることを表し得る。点滅するグリーンのランプは、プログラムまたは命令の正常な、または完全なダウンロードを表し得る。点滅するイエロのランプは、システムが動作中であることを表し得る。レッドのランプは、ロードの失敗を表し得る。代替実施例において、別個のLEDが、異なるイベントを表し得るが、ユーザにオーディオ信号を提供するために、一つまたはそれ以上のスピーカとともに使用され得、もしく置き換えられ得る。
【0047】
本発明の一つの実施形態において、構成ツール30は、構成情報またはスケジュール情報の転送の完了時点でビジュアルまたはオーディオ信号を提供するように構成され得る。代替の実施形態において、構成情報は、リンクされたデバイスが、情報転送の正常な完了時点でビジュアルまたはオーディオ信号を提供することを可能にするように設計され得る。例えば、ロボットデバイスは、スケジュールプログラムがメモリに保存された場合、およびされた時点でステイタスランプを点灯するように構成され得る。
【0048】
代替的にまたは追加的に、構成ツール30は、ロボットデバイスへ追加のまたは異なるサウンドをダウンロードするために使用され得る。これらのサウンドは、メロディ、ベルのトーン、スピーチ、警告および注意のトーン、または他の適切なサウンド(これに限らない)を含み得る。これら追加の、または異なるサウンドは、ユーザが可動ロボットをパーソナライズすることを可能にし得、またはロボットデバイスの新しい機能または更新された機能に対する、適切なオーディオ応答を提供し得る。
【0049】
本発明の代替実施形態において、構成ツール30は、例えばLCDディスプレイなどのディスプレイを含み得、構成ツール30が構成ツール30およびその使用に関する、さらに複雑な情報を表示することを可能にする。この情報は例えば、構成ツール30にインストールされた構成プログラムの種類および数、構成ツール30に保存された診断情報の種類、および他のデバイスに構成ツール30がリンクされている間のステイタス情報であり得る。本発明の代替実施形態において、ディスプレイは、通信され得る構成情報の種類、通信される診断情報の種類、またはデバイスと通信する前に必要な認証の形態のためのオプションなど、デバイスから受信した情報を表示するように構成され得る。
【0050】
図3は、構成ツール30のための電源レギュレータ構成50の構成図である。電源レギュレータ構成50は、例えば16ボルト信号52など、一つの電圧における、例えば可動ロボットデバイスなどのデバイスから電力を引き、構成ツール30の作動に電力供給するための、例えば5ボルト信号56などの、異なる電圧へ変換するレギュレータ34を含む。本発明の一つの実施形態において、構成ツール30自身は、内蔵電源要素は有せず、構成ツールが取り付けられたデバイスにより電力供給される。代替実施形態において、構成ツール30はまた、構成ツール30が接続されたデバイスからの電力の代わりに、またはともに作動する内部電源を含み得る。例えば、構成ツール30は、適切なデバイスに接続されるたびに充電される充電可能なバッテリを含み得る。
【0051】
図4は、構成ツール30のためのマイクロプロセッサ構成60の構成図である。マイクロプロセッサ構成60は、情報がマイクロプロセッサ36からリンクされたデバイス(すなわち「Comm Out」信号66)へ通信可能にする接続、および情報がリンクされたデバイス(すなわち「Comm In」信号64)からマイクロプロセッサ36へ通信可能にする別個の接続を有する、マイクロプロセッサ36を含む。マイクロプロセッサ36はまた、構成ツール(すなわち、「Device Detect」信号672)へリンクされたデバイスを検出および認証するための別個の接続を含み得る。代替実施例において、これらの三つの信号は、単一の接続を介して運ばれ得る。
【0052】
図5A〜5Cは、静止ロボットデバイスまたは可動ロボットデバイス、通信デバイス、または分析デバイスなど(これらに限らない)、デバイスと構成ツールをリンクする多様な手段を示す。図5Aに示されるシステム構成80において、デバイス84は、直接接続86を介して、構成ツール82にリンクされる。直接接続は、デバイス84のメス接続ポートに直接接続する、構成ツール82のオス接続ポートからなり得る。ポートは、DINコネクタ、シリアルポート、パラレルポート、USBポート、IEEE1394「Firewire」ポート、PS/2ポート、モデムポート、イーサネット(登録商標)ネットワークポート、または他の適切な通信ポートであり得る。本発明の一つの実施形態において、構成ツール82のオス接続ポートは、使用されていないとき、構成ツール82の引き込まれ得、または折り込まれ得る。
【0053】
本システムにおいて、構成情報は、構成ツール82からデバイス84へ、またはデバイス84から構成ツール82へ通信され得え、その一方で、システム情報、保存されたプログラム情報、ステイタスレポートおよびエラーレポートもまた、構成ツール82とデバイス84との間で通信され得る。
【0054】
図5Bに示されているシステム構成100において、デバイスは、ケーブル104を介して構成ツール82にリンクされている。ケーブル104は、各々のデバイスにある通信ポートを介して両デバイスを接続する。このシステム構成100の一つの実施形態において、ケーブル接続104は、ケーブル104を介して構成ツール82との間で、構成情報および/または診断情報をすばやく通信するために使用され得る。ここでも通信ポートは、DINコネクタ、シリアルポート、パラレルポート、USBポート、IEEE1394「Firewire」ポート、PS/2ポート、モデムポート、イーサネット(登録商標)ネットワークポート、または他の適切な通信ポートであり得る。
【0055】
図5Cに示されるシステム構成120において、構成ツール82は、無線接続を介してデバイス84と通信するように構成される。一つの実施形態において、無線リンクは、矢印124により示されるように、構成ツール82からデバイス84に送信されるIR信号122からなる。この構成において、さらなるIR信号122が、ここでも矢印124により示されるように、デバイス84から構成ツール82送信され得る。また、システム構成120は、構成情報を構成ツール82からデバイス84へ、またはデバイス84から構成ツール82へロードするために使用され得、一方、診断情報は構成ツール82とデバイス84との間で双方向に移動し得る。
【0056】
代替実施形態において、構成ツール82は、構成ツール82への追加的リンクの必要なく、通信された情報をさらなるデバイスへ直接送信し得る、単一のデバイス84へ情報を通信し得る。この構成において、たとえば単一または一連の可動ロボットデバイスおよび静止デバイス(これに限らない)のような複数のデバイス84が、単一のデバイスとのリンクを介して連続して構成され得る。
【0057】
さらなる代替実施形態において、構成ツール82は、一つのデバイス84から情報を抽出し、この情報を新しいデバイスまたは追加のデバイスへダウンロードするために使用され得る。これは、新しいロボットデバイスまたは交換ロボットデバイスが、情報が独立して新しいデバイスに「学ばれる」、またはプログラムされる必要なしに、以前のデバイスにより収集された情報をアップロード可能にする。例示的実施例において、新しいロボット清掃デバイスは、置き換えるロボットデバイスにより収集され、清掃すべき空間に関する、幾何学的および他の情報を、構成ツール82からアップロードし得る。代替実施形態において、追加デバイスが、他のデバイスからの情報を、構成ツール82からアップロードし得、二つのデバイスが並行して機能することを可能にする。アップロードされた情報を有する第二のロボットデバイスはまた、スペアデバイスまたはバックアップデバイスとして使用され得る。
【0058】
図6は、デバイスおよび構成ツールを含む、システムの実施および使用のための一つの方法140を示す構造図である。この方法140によると、単一の構成ツールがデバイスとの間で構成情報を通信するために使用され得、またデバイスへ診断情報をロードおよびデバイスから診断情報を受信するのに使用され得る。
【0059】
方法140はまず、無線接続、通信ポート、または直接接続を介して構成ツールをデバイスへリンクすること142を含む。認証器(例えば、幾何学的な構成、ハードウェア、またはソフトウエアに基づいたシステム)を使用してリンクを認証した時点で、構成ツールはデバイスと通信できる状態にある146。本発明のある実施形態において、認証ステップ144は任意であり得る。
【0060】
一度デバイスおよび構成ツールは、準備ができると、通信を開始する148。構成ツールは、構成情報、診断情報、または制御情報(これに限らない)などの情報150をデバイスへロードするために使用され得、またはデバイスからそのような情報を受信するために使用され得る158。構成ツールおよびデバイスの要件により、構成ツールは情報を先にロードする150または受信する158ように構成され得る。代替の実施形態において、ロードするステップ150および受信するステップ158が同時に行われる可能性があり得る。
【0061】
ロードするステップ150が先に行われる場合、そのステップ完了時点で、構成ツールは、続いてデバイス152から情報を受信する選択肢を有し得る。この時点で、構成ツールは、デバイス152から情報を受信し得るか、または通信を終了して、構成ツールが切断されることを可能にし得る156。
【0062】
受信ステップ158が先に行われる場合、ステップの完了時点で、構成ツールは、続いてデバイス160へ情報をロードする選択肢を有し得る。この時点で、構成ツールは、デバイス162へ情報をロードするか、または通信を終了して構成ツールが切断することを可能にし得る156。
【0063】
本発明のある実施形態において、構成ツールは、構成ツールとデバイスとの間にリンクが確立された時点で、認証するステップ、デバイスへ情報をロードするステップ、およびデバイスから情報を受信するステップが自動的に行われるように設計され得る。代替実施形態において、認証ステップ、ロードステップ、および受信ステップの少なくとも一つは、そのステップが行われる前にユーザからの入力を必要とし得る。このユーザ入力は、構成ツールまたはリンクされたデバイスに取り付けられたユーザ入力デバイスを介して制御され得る。ユーザ入力は、少なくとも一つのボタン、スイッチ、ジョイスティック、タッチパネル、およびローラボール(これに限らない)を含み得る。
【0064】
本発明のある実施形態において、表示が、認証ステップ、ロードステップ、および/または受信ステップの開始、完了、または完了失敗をユーザに知らせるために使用され得る。表示は、構成ツールまたはデバイスのいずれかの上のビジュアル表示またはオーディオ表示器(これに限らない)を含み得る。ビジュアル表示は、単一のまたはいくつかのステイタスランプ(例えば、LEDランプ)もしくは液晶ディスプレイの表示(LCD)または他のグラフィックインタフェース(これに限らない)を含み得る。オーディオ表示器は、構成ツールまたはデバイスのスピーカから送信される所定の信号を含み得る。
【0065】
ロボットデバイスへ構成情報を通信するため、およびロボットデバイスから診断情報を通信するための構成ツールの使用は、ロボットデバイスの開発および製造において有用であり得る。構成ツールの適用は、ロボットデバイスに構築時点でインストールされるマスクチッププログラムの使用に比べて大きな改善を提供し得る。
【0066】
第一に、ロボットデバイスへ情報を通信するために構成ツールを使用することにより、ロボットデバイスのソフトウェアは常に更新され得、工場において同時進行の変更が可能になる。第二に、最終的な機械設計が完了される必要がある何ヶ月も前にメーカーは最終ソフトウェアプログラムを作成する必要がなくなるので、在庫リスクを削減し、販売までの時間を短縮する。本発明の適用はまた、結果としてチップセットの返却が必要となってしまう、開発したソフトウェアがバグを有するというリスクをメーカーがおかす必要がなくなることを意味する。そのかわりに、構成ツールは、更新されたプログラムが必要なときは常に、ロボットデバイスにインストールされることを可能にする。第三に構成ツールは、ロボットを制御するプログラムが特定の市場またはユーザの要求に沿って変更され得、「カスタマイズされた」ロボットデバイスを有するという可能性を可能にする。たとえば、ヨーロッパに送られる全てのロボットは、米国へ送られるロボットとは異なるオーディオキューのセットを有し得る。変更は、審美面(たとえば、オーディオ)または性能面に基づくものであり得る。
【0067】
本発明の例示的実施形態は、構成ツールを介した、ユーザの自宅におけるデータ収集用の新しいプログラムをダウンロードする特徴を含み得る。これはロボット清掃デバイスにとって、主要掃きブラシモータの電流、障害物のバンパー衝突の回数、最長直線走行距離、および検出されたゴミ収集量(これに限らない)を含み得る。このデータは、システムRAMに保存され得、同じ、または他の構成ツールにより後日、取り込まれ得る。この情報の分析は、ロボット清掃機の将来の設計および開発に使用され得る。
【0068】
構成ツールの使用はまた、可動ロボットデバイスの使用に関連して、いくつかの他の用途も有し得る。たとえば、構成ツールは、外部デバイスまたは周辺機器とインタラクトすること、もしくは外部デバイスまたは周辺機器に取り付けることを可能にするために、構成情報およびプログラムをインストールするために使用され得る。更新された構成情報をインストールした時点で、ロボットデバイスは、自身のI/Oポートを使用して、周辺機器がロボットデバイスへ接続されることを可能にし得る。例えば、シンプルな802.11通信システムまたは他の適切な通信デバイスが追加され得ると、パーソナルコンピュータ(PC)がインストール済み無線通信システムを含まないロボットデバイスと通信可能となり得る。このシステムは、ロボットデバイスの清掃機能などの機能を設定された時間に開始し得、もしくはユーザが離れた場所からインターネットまたは他のPCを用いた遠隔通信手段を使用して清掃開始を可能にし得る。
【0069】
代替として、新しいセンサまたは他の周辺機器が、デバイスの機能を改良または変更するために追加され得る。一つの例示的実施形態において、追加センサなどの外部デバイスが、例えば教育研究ロボットとして作動することを可能にするため、ロボットデバイスに接続され得、情報がロボットデバイスにより収集されること、および追加プログラムがデバイスに追加されることを可能にする。
【0070】
本発明のある実施形態において構成ツールは、異なる構成プログラムとともにインストールされ得、構成ツールがロボットデバイスの性能特質を変更または強化することを可能にする。結果として、構成ツールを、一人のユーザまたは複数のユーザの特定の要件に基づいてロボットデバイスの性能を調整するアクセサリとして作成することが可能であり得る。性能特性の変更は例えば、上級領域アルゴリズムなどを含み得、ロボット清掃機が特定の区域をよりよく清掃することを可能にする。代替として、既存のプログラムのあるパラメータを変更し、性能を特定の状況に調整させることも可能であり得る。例えばユーザは、特に堅木張りの床を清掃するように清掃ロボットをプログラムすることを目的とした、構成ツールを購入し得る。他の例示的実形態において、ユーザは汚れ検出をさらに敏感にするために清掃ロボットの汚れ検出パラメータを変更する構成ツールを購入し得る。他の可能な構成ツールは、敷物なしの部屋、敷物ありの部屋、人通りの多い区域など、住宅または事務所の異なる部屋のための構成プログラムを目的とし得る。これらの多様なプログラムは例えば、スパイラル、バウンス(bounce)、ウォールフォロー(これに限らない)などの多様なモードをロボット清掃機が切り替える値の調整、もしくは停止センサイベントへ反応する前にどのくらいの時間ロボットデバイスが待機するべきか、またはウォールフォローにおいてロボットデバイスは壁からどのくらいの距離離れているべきか(これに限らない)など、あるセンサ入力に対してロボットデバイスがどう反応するかの様態の調整をし得る。例えば、典型的な動作モードについて、本明細書においてその全体が参考として援用される、米国特許第6,809,490号を参照されたい。
【0071】
本発明のある実施形態において、構成ツールは、ロボットデバイスにインストールされ得る、更新された、異なる、または交換アセンブリともに販売されるように設計され得る。例えば、クリーニングヘッドアセンブリまたはブラシアセンブリは清掃ロボット内で、ユーザの要求により異なる、または強化された性能を有するアセンブリと交換され得る。これらのアセンブリは、構成ツールを備え得、デバイスが新しいアセンブリとともに、好ましい形態で機能することを可能にする。一つの例示的実施形態において、ハードウッドの机をこすったり、磨いたりするのに使用され得るスチールブラシシステムが、清掃ロボットに取り付けられ得る。このシステムについて、例えばアセンブリがベルト駆動型ではなく、ギア駆動型である場合、モータ駆動器および電流モニタシステムは交換される必要があり得、異なるモータ電流パラメータを要求とし得る。
【0072】
構成ツールを使用して有効にされ得る他の例示的アセンブリは、毛の長い動物の飼い主のために設計されたクリーニングヘッドを含み得る。さらに他の例示的実施形態は、より高速な充電システムを可能にするバッテリシステムなど、改良バッテリシステムを伴い得る。これもまた、構成ツールが充電パラメータを最適化することを要求とし得る。
【0073】
構成プログラムはまた、構成ツールを使用してロボットデバイスへインストールされ得、ロボットデバイスがシステムデモを行うことを可能にする(デモは、ロボットデバイスの多様な機能を次々とすばやく周期的に行う)。一部の実施形態において、ロボットデバイスは、二つの構成ツールと共に販売され得、一つは、機能を梱包箱から出した時点のデモを行うようにロボットデバイスを構成するためのもので、また別個の構成ツールは診断機能をインストールするためのもの、および通常使用のためにロボットデバイスを構成するためのものである。ユーザは、デモ構成ツールを使用してシステムについて学習し、デバイスの機能を学習してから、通常使用のためにプログラムをインストールし得る。デモ構成ツールはまた、ロボットデバイスの多様な機能を紹介、および指導するためにデジタル音声を使用し得る、オーディオを有効にする機能を含み得る。
【0074】
本発明の一部の実施形態は、構成ツールからのロードの指定された最大数を有し得、プログラムは、ある数以上のデバイスにロードされ得ない。一つの実施形態において、盗用または破損したソフトウェアがロードされたロボットを簡単に識別するたに、コードへ「ウォータマーク」が導入され得る。これは、いくつかの方法で達成され得る。一つの実施形態において、ユーザ入力の所定の組み合わせ(ボタンが押される特定の順序)は、例えば可動ロボットデバイスの動きの特別な順序など、またはバンパにマーカーが取り付けられている場合、床へシンボルまたは単語を描くなどの隠れた行動をロック解除し得る。他の例示的実施形態において、構成ツールまたはシリアルポートに接続されている任意の通信デバイスは、シリアルポートをロック解除するために特定のフレーズおよび/またはアルゴリズムをまず発行するように要求され得る。このようにロボットデバイスと構成ツールとの間の通信リンクを開放するこのアルゴリズムを使用しなければ、サポートされていないソフトウェアはロボットデバイスにインストールされ得ない。
【0075】
本発明は、本発明の精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の具体的形態に実施され得る。すなわち、ここに記載される実施形態は、本明細書に説明される本発明を限定するものではなく、全ての観点において例示的として考慮されるべきである。このように本発明の範囲は、明細書の記述により示されるのではなく、本明細書に添付される請求項により示されるものであり、請求項の意味および均等性の範囲の下にある全ての変更は、請求項に包含されるように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明の目的および機構は、添付の図面や請求項を参照することにより、より良く理解され得る。図面は必ずしも縮尺とおりではなく、全般的に本発明の原理の説明に注目したものである。図面では、その多様な視点にわたり、同類の部品に対しては同類の数字が使用されている。
【図1】本発明の一つの実施形態に従った、構成ツールおよびロボットデバイスシステムの一つの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一つの実施形態に従った、構成ツールの上面概略図である。
【図3】図2の構成ツールのための電源レギュレータの構成図である。
【図4】図2の構成ツールのためのマイクロプロセッサの構成図である。
【図5A】本発明の一つの実施形態に従った、ロボットデバイスと直接的に通信する構成ツールを示す概略図である。
【図5B】本発明の一つの実施形態に従った、通信ポートおよびケーブルを介してロボットデバイスと通信する構成ツールを示す概略図である。
【図5C】本発明の一つの実施形態に従った、ロボットデバイスと無線通信する構成ツールを示す概略図である。
【図6】本発明の一つの実施形態に従った、ロボットデバイスおよび構成ツールを含むシステムを実施および使用する一つの方法を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットデバイスと通信する方法であって、該方法は、
該ロボットデバイスへ構成ツールをリンクすることと、
該構成ツールを認証することと、
少なくとも
該構成ツールを介して、該ロボットデバイスへ情報をロードすることと、
該ロボットデバイスからの情報を該構成ツールへロードすることと
のうちの一つを行うことであって、該実行されるロードすることは、該構成ツールの正常な認証の後に行われることと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記ロボットデバイスが前記構成ツールへ電力を供給する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リンクが、通信ポート、無線接続、および物理的接続のうちの少なくとも一つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記物理的接続が、検証属性を備える、請求項3に記載される方法。
【請求項5】
前記構成ツールを認証することが、少なくとも前記情報に含まれる承認コードを識別することと、前記ロボットデバイスと前記構成ツールとの間で少なくとも一つの所定のメッセージを交換することと、該ロボットデバイスから構成情報を受信することと、ロック解除コマンドを発行することと、検証属性と該ロボットデバイスを相互接続することとのうちの一つを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも一つの所定のメッセージが、前記ロボットデバイスにより送られたメッセージおよび前記構成ツールにより送られたメッセージを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記構成情報が、プロセッサタイプを備える、請求項5の方法。
【請求項8】
前記ロック解除コマンドが、前記通信ポートの使用を許可する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記実行されるロードすることが、有効期限内のみで発生する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記有効期限が、少なくとも部分的に、認証からの経過時間、認証の回数、および認証の頻度のうちの少なくとも一つに基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記構成ツールが、ユーザインタフェースを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記情報が、少なくとも一つの動作データおよびコンピュータプログラムの少なくとも一部を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記動作データが、モータ電流およびセンサ閾値のうちの少なくとも一つを備える、請求項12の方法。
【請求項14】
前記情報の少なくとも一部が、暗号化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記情報をロボットデバイスにより解読することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ロボットデバイスと通信するための装置であって、該装置は、
情報を保存するためのメモリと、
該ロボットデバイスと通信するための少なくとも一つのポートと、
該装置を認証するための少なくとも一つの認証器と、
該少なくとも一つのポートを介して、該情報の少なくとも一部を通信するための少なくとも一つのローダであって、該情報の該少なくとも一部が該装置から該ロボットデバイスへロードされた情報および該ロボットデバイスから該装置へロードされた情報のうちの一つからなる、ローダと
を備える、装置。
【請求項17】
前記ロボットデバイスが、前記装置へ電力を供給する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも一つのポートが、無線接続および物理的接続のうちの少なくとも一つを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記物理的接続が、検証属性を備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記情報が、認証コード、少なくとも一つの所定のメッセージ、ロック解除コマンド、コンピュータプログラムの少なくとも一部、および動作データのうちの少なくとも一つを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも一つの所定のメッセージが、前記ロボットデバイスにより送られたメッセージおよび前記装置により送られたメッセージを備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ロック解除コマンドが、前記少なくとも一つのポートを有効にする、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記動作データが、モータ電流およびセンサ閾値のうちの少なくとも一つを備える、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記認証器が、前記ロボットデバイスからの構成情報を受信するための受信器、および前記検証属性と該ロボットデバイスとの間の相互接続のうちの少なくとも一つを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記構成情報が、プロセッサタイプを備える、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも一つのローダが、有効期限を備える、請求項16に記載の装置。
【請求項27】
前記有効期限が、少なくとも部分的に、認証からの経過時間、認証の回数、および認証の頻度のうちの少なくとも一つに基づく、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記装置が、ユーザインタフェースを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項29】
前記情報が、暗号化されている、請求項16に記載の装置。
【請求項30】
前記情報を前記ロボットデバイス内で解読するための解読器をさらに備える、請求項29に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−508572(P2008−508572A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518322(P2007−518322)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/022526
【国際公開番号】WO2006/002385
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506244515)アイロボット コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】