説明

携帯型情報処理端末

【課題】携帯型情報処理端末にて動作性能の低下を抑制しつつ、ユーザに対して適切に移動状態を報知すること。
【解決手段】出発地情報及び目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得手段と、上記ルート情報に基づいて上記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定手段と、上記位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、上記現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型情報処理端末にかかり、特に、位置検出機能を有する携帯型情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機では、通話機能のみならず、インターネット上のウェブサイトにアクセスして、データ通信を行うことも可能となっている。そして、インターネット上のウェブサイトには、出発地と目的地を入力することにより、この間のルートを検索することが可能なサイトもある。従って、携帯電話機のユーザは、当該携帯電話にてルート検索サイトにアクセスし、例えば、出発地から目的地までの電車や路線バスなどの乗り換え案内といったルート情報を取得することが可能である。
【0003】
また、近年では、携帯電話機にGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)機能が装備されており、携帯電話機の位置を検出して、この位置情報を利用して目的地までのルート検索を行うことも可能である。
【0004】
ところが、初めて行く地域など、地理に詳しくない地域では、目的地に到着するまで気になることがある。この場合に、ユーザは、駅に停車する毎に駅名を気にしたり、到着予定時間に対して現在時間がどの程度なのかを確認するため時計を繰り返し見る、といった煩わしさがあった。
【0005】
これに対して、特許文献1では、携帯電話機に、目的地などへの到着時刻をスケジュールテーブルに設定し、かかる時刻になるとバイブレータなどでユーザに報知する、という技術を開示している。ところが、電車や路線バスなどの交通機関であっても遅延する場合があるため、このような場合には、特許文献1に開示の技術では、目的地に近付いていないにもかかわらず報知されてしまう場合があり、適切な報知ができない、という問題が生じる。
【0006】
このような問題を解決すべく、特許文献2,3では、携帯型の端末や携帯電話機で、定期的に自端末の現在位置情報を取得し、この現在位置情報と目的地の情報とに基づいて、目的地に近付いたかどうかを調べる。そして、目的地に近付いている場合には、アラームなどで報知する。
【0007】
【特許文献1】特開2002−225712号公報
【特許文献2】特開平9−44754号公報
【特許文献3】特開2005−86718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2,3に開示の技術では、頻繁に現在位置情報を取得する処理を行わなければならず、端末の消費電力や処理負荷が増加する、という問題が生じる。特に、携帯型情報処理端末では、使用できるリソースが限られているため、端末自体の性能を効率よく使用することができず、動作性能が低下する、という問題が生じうる。
【0009】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、携帯型情報処理端末にて動作性能の低下を抑制しつつ、ユーザに対して適切に移動状態を報知する、ことをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である携帯型情報処理端末は、
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得手段と、
上記ルート情報に基づいて上記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定手段と、
上記位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
上記現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知手段と、
を備えた。
【0011】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
携帯型情報処理端末に装備された制御装置に、
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得手段と、
上記ルート情報に基づいて上記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定手段と、
上記位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
上記現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0012】
また、本発明の他の形態である報知方法は、
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得工程と、
上記ルート情報に基づいて上記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定工程と、
上記位置検出時刻設定工程にて設定した位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知工程と、
を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のように構成されることにより、携帯型情報処理端末の処理負荷や消費電力の増加を抑制して、動作性能の低下を抑制しつつ、ユーザに対して適切に移動状態を報知することができ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。図1は、携帯型情報処理端末の構成を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態では、携帯型情報処理端末の概略を説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態における携帯型情報処理端末1は、
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得手段2と、
上記ルート情報に基づいて上記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定手段3と、
上記位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段4と、
上記現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知手段5と、
を備えている。
【0016】
そして、上記携帯型情報処理端末では、
上記位置検出時刻設定手段は、上記報知手段にて自己の現在位置が上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に位置していないと判断された場合に、上記現在位置情報と上記目的地情報とに基づいて新たな上記位置検出時刻を設定する、という構成を採る。
【0017】
また、上記携帯型情報処理端末では、
上記位置検出時刻設定手段は、上記ルート情報に基づいて目的地から予め設定された距離だけ離れた地点に到着が予想される時刻、または、目的地への予定到着時刻から予め設定された時間だけ前の時刻、を算出して、上記位置検出時刻として設定する、という構成を採る。
【0018】
上記発明によると、まず、携帯型情報処理端末は、出発地から目的地までの経路を表すルート情報を取得し、このルート情報に含まれる予定到着時刻よりも前の時刻、例えば、目的地に到着することが予想される直前の時刻を、位置検出時刻として設定する。その後、携帯型情報処理端末は、位置検出時刻になったときに、当該携帯型情報処理端末の現在位置情報を取得する。そして、この取得した現在位置情報とルート情報に含まれる目的地情報とを比較して、現在位置が目的地の手前である位置検出時刻に到着が予定される場所に位置していると判断できる場合に、目的地に到着することをユーザに報知する報知情報を外部に出力する。
【0019】
このように、携帯型情報処理端末は、目的地近くに到着すると予定される時刻を予め設定し、かかる時刻になると現在位置情報を取得する処理を行う。従って、頻繁に現在位置情報を取得する処理を行うことなく、処理負荷や消費電力の増加を抑制して、動作性能の低下を抑制しつつ、ユーザに対して適切に移動状態を報知することができる。その結果、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0020】
また、上記携帯型情報処理端末では、
上記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、を含み、
上記位置検出時刻設定手段は、上記ルート情報に基づいて、上記乗り換え場所情報への予定到着時刻よりも前の時刻を、上記位置検出時刻として設定し、
上記報知手段は、上記現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、乗り換え場所に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する、
という構成を採る。
【0021】
これにより、出発地から目的地まで移動手段の乗り換えがある場合であっても、上述同様に、乗り換え場所近くに到着すると予定される時刻を予め設定し、かかる時刻になると現在位置情報を取得する処理を行って、実際に乗り換え場所近くまで移動しているか否かを判断する。従って、頻繁に現在位置情報を取得する処理を行うことなく、処理負荷や消費電力の増加を抑制して、動作性能の低下を抑制することができる。その結果、ユーザに対して適切に移動状態を報知することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0022】
また、上記携帯型情報処理端末では、
上記報知手段は、上記乗り換え場所に到着する旨の報知情報を出力してから予め設定された時間が経過した後に、上記位置情報取得手段にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報と上記ルート情報とに基づいて、乗り換えが正常であるか否かを判断する、
という構成を採る。
【0023】
また、上記携帯型情報処理端末では、
上記報知手段は、上記ルート情報に基づいて、上記乗り換え場所情報への予定到着時刻から予め設定された時間が経過した後に、上記位置情報取得手段にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報と上記ルート情報とに基づいて、乗り換えが正常であるか否かを判断する、
という構成を採る。
【0024】
また、上記携帯型情報処理端末では、
上記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、当該乗り換え場所を出発する時刻を表す出発時刻情報と、を含み、
上記報知手段は、上記ルート情報に基づいて、上記乗り換え場所情報への予定到着時刻あるいは上記乗り換え場所を出発する時刻から予め設定された時間が経過した後に、上記位置情報取得手段にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報と上記ルート情報とに基づいて、乗り換えが正常であるか否かを判断する、
という構成を採る。
【0025】
また、上記携帯型情報処理装置では、
上記ルート情報取得手段は、上記報知手段にて乗り換えが正常ではないと判断した場合に、上記現在位置情報と上記目的地情報とに基づいて、現在位置から目的地までの移動手段及び移動経路を表す新たなルート情報を取得する、
という構成を採る。
【0026】
これにより、出発地から目的地まで移動手段の乗り換えがある場合に、乗り換えが行われたと予想される時刻から一定時間が経過した後に、現在位置情報を取得する処理を行う。そして、現在位置情報が正常な移動経路上に位置しているかを調べることで、乗り換えが正しいか否かを判断する。さらに、乗り換えが正常でない場合には、現在地から目的地までの新たなルート情報を取得する。従って、頻繁に現在位置情報を取得する処理を行うことなく、処理負荷や消費電力の増加を抑制して、動作性能の低下を抑制することができる。その結果、ユーザが正常なルートで移動しているかを判断することができ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0027】
また、上述した携帯型情報処理端末は、当該携帯型情報処理端末に装備された制御装置に、携帯型情報処理端末用プログラムが組み込まれることで実現できる。
【0028】
具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、
携帯型情報処理端末に装備された制御装置に、
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得手段と、
上記ルート情報に基づいて上記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定手段と、
上記位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
上記現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0029】
そして、上記プログラムでは、
上記位置検出時刻設定手段は、上記報知手段にて自己の現在位置が上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に位置していないと判断された場合に、上記現在位置情報と上記目的地情報とに基づいて新たに上記位置検出時刻を設定する、
という構成を採る。
【0030】
さらに、上記プログラムでは、
上記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、を含み、
上記位置検出時刻設定手段は、上記ルート情報に基づいて、上記乗り換え場所情報への予定到着時刻よりも前の時刻を、上記位置検出時刻として設定し、
上記報知手段は、上記現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、乗り換え場所に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する、
という構成を採る。
【0031】
また、上述した携帯型情報処理装置の作動により実行される報知方法は、
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得工程と、
上記ルート情報に基づいて上記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定工程と、
上記位置検出時刻設定工程にて設定した位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知工程と、
を有する。
【0032】
そして、上記報知方法では、
上記報知工程にて自己の現在位置が上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に位置していないと判断された場合に、上記現在位置情報と上記目的地情報とに基づいて新たな位置検出時刻を設定する位置検出時刻再設定工程と、
上記位置検出時刻設定工程にて設定された上記新たな位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記新たな位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する第二の報知工程と、を有する、
という構成を採る。
【0033】
さらに、本発明の他の態様に係る報知方法では、
上記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、を含み、
上記位置検出時刻設定工程は、上記ルート情報に基づいて、上記乗り換え場所情報への予定到着時刻よりも前の時刻を位置検出時刻として設定し、
上記報知工程は、上記位置検出時刻設定工程にて設定した位置検出時刻となったときに、上記位置情報取得工程にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報に基づいて、上記ルート情報に基づいて算出した上記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、乗り換え場所に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する、
という構成を採る。
【0034】
上述した構成を有する、プログラム、又は、報知方法、の発明であっても、上記携帯型情報処理端末と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0035】
<実施形態2>
本発明の第2の実施形態を、図2乃至図4を参照して説明する。図2は、システム全体の構成の概略を示す図である。図3は、携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。図4は、携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【0036】
なお、本実施形態では、上述した実施形態1にて説明した携帯型情報処理端末のさらに具体的な構成及び動作を説明する。そして、上述した携帯型情報処理端末の一例として、携帯電話機を挙げている。但し、携帯型情報処理端末は、携帯電話機であることに限定されず、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)や、PDA(Personal Digital Assistants)、ノートパソコンなどの携帯型情報処理端末であってもよい。
【0037】
[構成]
本実施形態におけるシステムの構成は、図1に示すように、携帯電話使用者(以下、ユーザ)が使用する携帯電話機10と、この携帯電話機10にて通話やデータ通信を行うための携帯電話システムを構成し、携帯電話機10と無線通信51を行う基地局50と、を備えている。また、基地局50に接続された携帯電話網やインターネットなどのネットワークNを介して接続され、携帯電話機10とデータ通信を行うことが可能なウェブサーバ60を備えている。さらに、携帯電話機10にて自己の位置を検出するために利用するGPS(Global Positioning System)測位システムのGPS衛星40を備えている。以下、各構成について詳述する。
【0038】
まず、ウェブサーバ60は、移動ルート検索サイトを開設しており、携帯電話機10からの要求に応じて、出発地から目的地までの移動ルートを検索して、検索結果であるルート情報を携帯電話機10に送信する機能を有する。例えば、ウェブサーバ60は、種々の道路や線路などの地図情報、電車やバスなどの移動手段である交通機関の路線経路情報、各交通機関ごとの駅やバス停における時刻情報、などのデータを記憶している。そして、ウェブサーバ60は、携帯電話機10から、出発地を表す出発地情報と、目的地を表す目的地情報と、を受信すると、上述したような予め記憶しているデータに基づいて、現在時刻に出発地を出発したとした場合に、利用する交通機関及び目的地への予定到着時刻を算出する。そして、出発地情報と、目的地情報と、目的地への予定到着時刻である予定到着時刻情報と、出発地から目的地までに利用する交通機関及びその移動経路を表す情報と、を含むルート情報を携帯電話機10に送信する。
【0039】
また、ウェブサーバ60は、移動ルート検索時に、出発地から目的地まで電車や路線バスなど交通機関の乗り換えを必要とするルートが検索対象となった場合には、乗り換えに関する情報も算出して、携帯電話機10に送信する。具体的には、乗り換えて利用する交通機関と、当該交通機関を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、乗り換え場所を出発する時刻を表す出発時刻情報と、を含むルート情報を算出して、携帯電話機10に送信する。
【0040】
次に、携帯電話機10の構成について、図3を参照して説明する。この図に示すように、携帯電話機10は、通話やデータ通信を行うために携帯電話網に無線通信を行うための無線部11と、GPS衛星40から衛星の位置情報及び時刻情報を受信するGPSアンテナ部12と、を備えている。また、携帯電話機10は、時間計測を行うタイマー部13と、音を出力するスピーカ14と、携帯電話機10自体を振動させるバイブレータ部15と、を備えている。
【0041】
また、携帯電話機10は、当該携帯電話機10自体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である制御部20と、携帯電話機10の動作に必要なプログラムや利用される各種データを記憶するフラッシュメモリなどの記憶装置であるメモリ部30と、を備えている。
【0042】
そして、制御部20は、プログラムが組み込まれることによって構築された、ルート情報取得部21と、位置検出時刻設定部22と、現在位置情報取得部23と、報知部24と、を備えている。また、メモリ部30は、上述したウェブサーバ60から取得したルート情報31を記憶する。以下、さらに詳述する。なお、携帯電話機10は、もちろん通話機能やデータ通信機能など一般的な携帯電話機が装備している機能を備えているが、かかる構成についての説明は省略する。
【0043】
上記ルート情報取得部21(ルート情報取得手段)は、上述したウェブサーバ60が開設する移動ルート検索サイトにアクセスして、当該移動ルート検索サイトから出発地から目的地までの移動ルートを含むルート情報を取得して、メモリ部30に記憶する機能を有する。具体的に、ルート情報取得部21は、まず移動ルート検索サイトにアクセスして、携帯電話機10の表示部に移動ルート検索画面を表示する。そして、移動ルート検索画面に表示された出発地及び目的地の入力欄に、携帯電話機10のユーザから入力された出発地情報及び目的地情報を入力し、無線通信51にて移動ルート検索サイトに送信する。なお、出発地情報や目的地情報は、ユーザによって入力される情報であることに限定されない。例えば、出発地情報としては、後述する現在位置情報取得部23にてGPSアンテナ部12にて取得した情報に基づいて算出された、携帯電話機10の現在位置情報を利用してもよい。また、目的地情報は、例えば、ウェブサイトを閲覧していて表示された場所を特定する情報を選択することによって当該ウェブサイトから取得した目的地情報を利用してもよい。
【0044】
さらに、ルート情報取得部21は、ユーザによって出発時刻あるいは到着時刻の指定がされている場合には、かかるユーザにて指定された出発時刻や到着時刻である時刻情報も移動ルート検索サイトに送信する。さらには、ユーザによって乗り換え場所など途中で経由する場所の指定がされている場合には、当該ユーザによって入力された経由場所や乗り換え場所の情報も移動ルート検索サイトに送信する。すると、移動ルート検索サイトでは、上記のようなユーザにて指定された条件を満たすような移動ルートを検索して、検索結果であるルート情報を携帯電話器10に送信する。
【0045】
そして、ルート情報取得部21は、送信した出発地情報や目的地情報に基づいて上述したように移動ルート検索サイトにて算出され送信されたルート情報を受信し、このルート情報をメモリ部30に記憶する。このとき、ルート情報は、上述したように、出発地情報及び目的地情報と、予定到着時刻情報と、利用する交通機関及び移動経路と、を含む。また、移動経路に乗り換えがある場合には、ルート情報は、さらに、乗り換えて利用する交通機関と、乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、当該乗り換え場所を出発する時刻を表す出発時刻情報と、を含む。
【0046】
なお、ルート情報取得部21は、上述したウェブサーバ60が有する移動ルート検索機能を備えていてもよい。つまり、携帯電話機10が地図情報や交通機関の路線情報、時刻情報などのデータベースを装備し、ルート情報取得部21が、入力された出発地及び目的地に応じて上述したルート情報を算出して取得し、メモリ部30に記憶してもよい。
【0047】
また、上記位置検出時刻設定部22(位置検出時刻設定手段)は、上記ルート情報に含まれる目的地への予定到着時刻よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定し、タイマー部13に通知する。具体的に、位置検出時刻設定部22は、予めユーザにて設定され記憶された「到着前時間」をメモリ部30から読み出して、この「到着前時間」を予定到着時刻から差し引いた時刻を、上記位置検出時刻として設定する。そして、タイマー部13は、位置検出時刻までのカウントを開始し、位置検出時刻に到達すると、その旨を現在位置情報取得部23に通知する。例えば、ユーザが「10分」という時間を「到着前時間」として設定していた場合には、ルート情報に含まれる予定到着時刻よりも10分前の時刻を位置検出時刻として設定し、かかる時刻になると、その旨が現在位置情報取得部23に通知される。
【0048】
ここで、上記位置検出時刻設定部22は、例えば、ユーザが「到着前距離」を設定していた場合には、目的地から「到着前距離」だけ離れた手前の場所に到着する時刻を、ルート情報、つまり利用する交通機関や目的地への予定到着時刻などから算出し、この時刻を位置検出時刻として設定する。そして、上記同様に、タイマー部13に通知することで、タイマー部13にて、位置検出時刻になると現在位置情報取得部23に通知される。例えば、ユーザが「5km」という距離を「到着前距離」として設定していた場合には、目的地よりも5km手前の場所に到着すると予想される時刻を予定到着時刻などから算出して、かかる時刻を位置検出時刻として設定する。そして、タイマー部13による計測の結果、位置検出時刻となると、その旨が現在位置情報取得部23に通知される。
【0049】
また、上記現在位置情報取得部23(現在位置情報取得手段)は、上述したようにタイマー部13から位置検出時刻となった旨の通知を受けると、GPSアンテナ部12を介して、複数のGPS衛星40から衛星の位置情報と現在時刻情報とを取得し、携帯電話機10の現在位置を算出して現在位置情報を取得する。なお、GPSを利用した位置情報の取得方法は公知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0050】
また、上記報知部24(報知手段)は、上記位置情報取得部23にて取得した携帯電話機10の現在位置情報を取得して、この現在位置情報に基づいて、目的地に到着する旨をユーザに報知するか否かを判断する。具体的に、報知部24は、上述した位置検出時刻に到着が予定される場所である位置検出時刻到着予定場所を特定し、この位置検出時刻到着予定場所から予め設定された距離の範囲内に携帯電話機10の現在位置が位置している場合には、ユーザに報知すると判断する。そして、報知部24は、例えば、スピーカ14からメロディを鳴動したり、バイブレータ部15によって振動させることで、目的地に到着する旨の報知情報を外部に出力する。
【0051】
ここで、上記位置検出時刻到着予定場所は、例えば、上述した位置検出時刻設定部22にて算出して特定してもよく、あるいは、報知部24にて算出して特定してもよい。具体的に、位置検出時刻到着予定場所として、例えば、ユーザにて設定された「到着前距離」だけ目的地から離れた手前の場所を設定してもよく、あるいは、ユーザにて設定された「到着前時間」だけ予定到着時刻よりも前に到着する予定の場所を、ルート情報つまり利用する交通機関や目的地情報、移動経路などから算出して設定してもよい。
【0052】
そして、上記報知部24は、携帯電話機10の現在位置が、位置検出時刻到着予定場所から所定の範囲内に位置していないと判断した場合には、その旨と現在位置情報とを、位置検出時刻設定部22に通知する。これを受けた上記位置検出時刻設定部22は、次に現在位置情報を検出する時刻である位置検出時刻を新たに設定する。この場合には、例えば、現在位置情報とルート情報とに基づいて、目的地に到着する予定到着時刻を再度計算して、この予定到着時刻よりも「到着前時間」だけ前の時刻を新たな位置検出時刻と設定する。あるいは、目的地から「到着前距離」だけ離れた手前の場所に到着が予定される時刻を、上述同様にルート情報などに基づいて再度算出し、かかる時刻を新たな位置検出時刻と設定する。そして、この新たな位置検出時刻となると、上述したように、タイマー部13にて通知され、現在位置情報取得部23が現在位置を取得し、報知部24が報知処理を実行する。
【0053】
[動作]
次に、上述した携帯電話機10の動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、検索したルートに、交通機関の乗り換えがないこととする。
【0054】
まず、携帯電話機10のユーザは、インターネット上で提供されている移動ルート検索サイトにアクセスして、出発地、目的地、電車・路線バス等の交通手段等の条件から、予定到着時間や目的地までのルート・乗り換え情報等の検索を行う(ステップS1)。すると、移動ルート検索サイトにて検索されたルート情報が携帯電話機10に送信され、携帯電話機10は、この送信されたルート情報を受信してメモリ部30に記憶する(ステップS2、ルート情報取得工程)。
【0055】
続いて、携帯電話機10は、目的地到着直前を知らせるアラームを発生させるタイミングを設定する。ここでは、まず、メモリ部30に記憶されたルート情報に基づいて、予定到着時刻から予め設定された「報知前時間」だけ前に位置することが予定される場所、あるいは、目的地から予め設定された「報知前距離」だけ手前の場所を、位置検出時刻到着予定場所として算出する(ステップS3)。そして、この算出した位置検出時刻到着予定場所に到着する予定の時刻を算出して、位置検出時刻としてタイマー部13に設定する(ステップS4、位置検出時刻設定工程)。例えば、メモリ部30に記憶されたルート情報に基づいて、予定到着時刻から予め設定された「報知前時間」だけ前の時刻を算出したり、あるいは、目的地から予め設定された「報知前距離」だけ手前の場所に到着することが予定される時刻を算出して、位置検出時刻を設定してもよい。なお、上記位置検出時刻と位置検出時刻到着予定場所とは、いかなる順序で算出してもよい。
【0056】
続いて、上述したように位置検出時刻がタイマー部13に設定されると、当該タイマー部13は位置検出時刻までのカウントを開始する(ステップS5)。そして、位置検出時刻に到達すると(ステップS6)、その旨がタイマー部13にて通知され、GPSを利用して携帯電話機10の現在位置の検出を行う(ステップS6でYes、ステップS7でYes、ステップS8)。
【0057】
続いて、携帯電話機10は、現在位置を検出した結果である現在位置と、上記ステップS3で算出した位置検出時刻予定到着場所と、を比較する(ステップS9)。そして、現在位置が位置検出時刻予定到着場所から予め設定された距離の範囲内に位置している場合には(ステップS9でYes)、携帯電話機10は、スピーカ部14の鳴動、あるいはバイブレータ部15による振動により、ユーザへ目的地到着が近いことをアラームとして知らせる(ステップS10、報知工程)。
【0058】
一方、上記ステップS9の比較の結果、現在位置が位置検出時刻予定到着場所から所定の範囲内でない場合には(ステップS9でNo)、携帯電話機10は、最新の位置検出結果と目的地情報とを比較し、次回の新たな位置検出時刻及び位置検出時刻予定到着場所を再度設定する(ステップS11、位置検出時刻再設定工程)。
【0059】
その後は、上述同様に、新たな位置検出時刻がタイマー部13に設定されると、当該タイマー部13は新たな位置検出時刻までのカウントを開始する(ステップS5)。そして、新たな位置検出時刻に到達すると(ステップS6)、その旨がタイマー部13にて通知され、GPSを利用して携帯電話機10の現在位置の検出を行う(ステップS6でYes、ステップS7でYes、ステップS8)。
【0060】
続いて、携帯電話機10は、現在位置を検出した結果である現在位置と、上記ステップS11で算出した位置検出時刻予定到着場所と、を比較する(ステップS9)。そして、現在位置が位置検出時刻予定到着場所から所定の範囲内である場合には(ステップS9でYes)、携帯電話機10は、スピーカ部14の鳴動、あるいはバイブレータ部15による振動により、ユーザへ目的地到着が近い事をアラームとして知らせる(ステップS10、第二の報知工程)。
【0061】
このとき、上記ステップS9の比較の結果、現在位置が位置検出時刻予定到着場所から所定の範囲内でない場合には(ステップS9でNo)、携帯電話機10は、上述した処理を繰り返し行う。
【0062】
なお、上記ステップS6で位置検出時刻に達したときに(ステップS6でYes)、携帯電話機10がGPS電波の圏外である場合には(ステップS7でNo)、現在位置の検出が不可能である。かかる場合には、図5に進み、まず、ルート情報に含まれる予定到着時刻に基づいて、予定到着アラームの発生時刻の設定を行う(ステップS12)。例えば、予定到着時刻よりも予め設定された時間(例えば、5分前)だけ前の時刻を、予定到着アラームの発生時刻として設定する。
【0063】
続いて、タイマー部13にて上記予定到着アラームの発生時刻までのカウントを開始する(ステップS13)。そして、タイマー部13が設定された時刻に到達すると(ステップS14でYes)、携帯電話機10は、スピーカ部14の鳴動、あるいはバイブレータ部15による振動により、ユーザへ目的地到着が近いことをアラームとして知らせる(ステップS15)。
【0064】
以上のように、本実施形態によると、携帯電話機10は、目的地近くに到着すると予定される時刻を予め設定し、かかる時刻になると現在位置情報を取得する処理を行う。従って、頻繁に現在位置情報を取得する処理を行うことなく、処理負荷や消費電力の増加を抑制して、動作性能の低下を抑制しつつ、ユーザに対して適切に移動状態を報知することができる。その結果、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0065】
<実施形態3>
本発明の第3の実施形態を、図6乃至図7を参照して説明する。図6は、携帯電話機の構成を示す機能ブロック図であり、図7は、携帯電話機の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、上述した実施形態2にて説明した携帯電話機10にて、検索したルートに電車や路線バスなどの交通機関の乗り換え情報が含まれている場合を示している。
【0066】
[構成]
本実施形態における携帯電話機10の構成は、上述した実施形態2のものとほぼ同様の構成である。これに加えて、本実施形態では、以下の構成を採っている。
【0067】
まず、本実施形態におけるルート情報取得部21は、移動ルート検索サイトからルート情報を取得してメモリ部30に記憶するが、このルート情報は、出発地情報及び目的地情報と、予定到着時刻情報と、利用する交通機関及び移動経路と、を含む。そして、さらに、本実施形態では、移動経路に乗り換えがあるため、乗り換えて利用する交通機関と、乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、当該乗り換え場所を出発する時刻を表す出発時刻情報と、を含む。
【0068】
また、本実施形態における位置検出時刻設定部22は、上述したルート情報に含まれる乗り換え場所への予定到着時刻よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する。このとき、上述した実施形態2の場合と同様に、例えば、予めユーザにて設定され記憶された「到着前時間」をメモリ部30から読み出して、この「到着前時間」を乗り換え場所への予定到着時刻から差し引いた時刻を、上記位置検出時刻として設定する。あるいは、例えば、ユーザが「到着前距離」を設定していた場合には、乗り換え場所から「到着前距離」だけ離れた手前の場所に到着する時刻を、ルート情報つまり利用する交通機関や乗り換え場所への予定到着時刻などから算出し、この時刻を位置検出時刻として設定する。
【0069】
そして、上記現在位置情報取得部23は、実施形態2と同様に、タイマー部13から位置検出時刻となった旨の通知を受けると、GPSアンテナ部12を介してGPS衛星40から情報を取得し、携帯電話機10の現在位置情報を算出して取得する。
【0070】
また、本実施形態における上記報知部24は、上記位置情報取得部23にて取得した携帯電話機10の現在位置情報を取得して、この現在位置情報に基づいて、乗り換え場所に到着する旨をユーザに報知するか否かを判断する。具体的に、報知部24は、上述した位置検出時刻に到着が予定される場所、つまり、乗り換え場所の近い場所を特定し、この場所に対して予め設定された距離の範囲内に携帯電話機10の現在位置が位置している場合には、ユーザに報知すると判断する。そして、報知部24は、例えば、スピーカ14からメロディを鳴動したり、バイブレータ部15によって振動させることで、目的地に到着する旨の報知情報を外部に出力する。なお、上記乗り換え場所に近い場所である位置検出時刻に到着が予定される場所は、上述した位置検出時刻設定部22にて算出されてもよく、あるいは、報知部24にて算出されてもよい。
【0071】
そして、本実施形態における報知部24は、さらに、以下の機能を備えている。まず、報知部24は、上述したように、乗り換え場所に到着する旨の報知を行ってから、予め設定された時間(例えば、10分)が経過した後に、現在位置情報取得部23にて現在位置情報を取得し、この取得した現在位置情報とルート情報とに基づいて、乗り換えが正常であるか否かを判断する。例えば、現在位置が、ルート情報に含まれる移動経路上に位置している場合には、乗り換えが正常であると判断し、ルート情報の移動経路上に位置していなければ、乗り換えが正常ではない、と判断する。
【0072】
そして、報知部24は、乗り換えが正常ではないと判断した場合には、ルート情報取得部21に再度ルート検索を行うよう指示する。すると、ルート情報取得部21は、現在位置情報取得部23にて取得した現在位置情報を出発地とし、また、ルート情報に含まれる目的地情報を目的地として、再度、移動ルート検索を行って、新たなルート情報を取得する。
【0073】
そして、位置検出時刻設定部22、現在位置情報取得部23、報知部24は、上述同様に、新たなルート情報に基づいて、目的地の直前にて位置情報を取得して報知するよう作動する。
【0074】
ここで、上記では、報知部24が、乗り換え場所の直前で報知してから予め設定された時間が経過した後に、携帯電話機10の現在位置情報を取得して乗り換えが正常であるか否かの判断を行う場合を例示したが、かかる処理をこのタイミングで実行することことに限定されない。例えば、ルート情報に含まれる乗り換え場所への予定到着時刻から予め設定された時間が経過した後に、現在位置情報を取得して乗り換えが正常であるか否かの判断を行ってもよい。
【0075】
[動作]
次に、上記携帯電話機10の動作を、図4及び図7のフローチャートを参照して説明する。本実施形態では、上述した実施形態2で説明した図4のステップS1においてルート検索を行った結果、乗り換えが必要なルート情報を取得した場合である(ステップS2)。
【0076】
続いて、本実施形態では、実施形態2で説明した目的地として乗り換え場所(乗り換え駅)を設定する。そして、この乗り換え場所の直前の場所を報知エリアとして設定し(ステップS3)、また、この報知エリアに到着する時刻であり、乗り換え場所に到着する予定到着時刻の前の時刻を、位置検出時刻として設定する(ステップS4)。
【0077】
その後、位置検出時刻となると(ステップS5、S6でYes)、GPSを利用して携帯電話機10の現在位置を取得する(ステップS7でYes、ステップS8)。そして、携帯電話機10の現在位置が報知エリア内である場合には(ステップS9でYes)、乗り換え場所に近いことを報知する位置報知処理を行う(ステップS10)。この報知が、図7のステップS21である。
【0078】
続いて、携帯電話機10は、報知処理の一定時間経過後(ステップS22)、GPSを利用して携帯電話機10の現在位置の検出を行う(ステップS23)。そして、検出された現在位置が、ルート情報内の移動経路上に位置しているか否かを調べることで、ユーザが乗り換え予定の電車に乗っているかを判断する(ステップS24)。その結果、予定していた電車に乗っていない場合には、一定時間経過後(ステップS25)、再度、位置検出を行う(ステップS26)。そして、上述同様に検出された現在位置がルート情報内の移動経路上に位置しているか否かを調べることで、ユーザの乗り換えが正常であるか否かを判断する(ステップS27)。このとき、乗り換えが正常か否かを判断できない場合、例えば、別の電車の路線経路上におらず、まだ乗り換え駅に位置している場合などにおいては、上記ステップS24〜S27の処理を繰り返す。
【0079】
そして、上記ステップS27の判断の結果、例えば、ユーザが別の電車に乗っていて、乗り換えが正常ではないと判断されると(ステップS27でNo)、現在位置から目的地までのルートの再検索を、移動ルート検索サイトに対して要求する(ステップS28)。これにより、新たなルート情報を取得でき、かかるルート情報に基づいて、上述したように図4のステップS3からの処理を実行し、目的地の直前で報知を行う。また、ステップS24で乗り換え予定の電車に乗り換えた場合にも、図4のステップS3からの処理を実行し、目的地の直前で報知を行う。
【0080】
以上のように、本実施形態によると、出発地から目的地まで交通機関の乗り換えがある場合であっても、携帯電話機10は、乗り換え場所近くに到着すると予定される時刻を予め設定し、かかる時刻になると現在位置情報を取得する処理を行う。従って、頻繁に現在位置情報を取得する処理を行うことなく、処理負荷や消費電力の増加を抑制して、動作性能の低下を抑制しつつ、ユーザに対して適切に移動状態を報知することができる。その結果、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0081】
また、本実施形態では、乗り換えが正しいか否かを判断することができ、乗り換えが正常でない場合には、現在地から目的地までの新たなルート情報を取得する。従って、頻繁に現在位置情報を取得する処理を行うことなく、処理負荷や消費電力の増加を抑制して、動作性能の低下を抑制しつつ、ユーザが正常なルートで移動しているかを判断することができ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、GPS機能など位置情報取得機能を備えた携帯電話機に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施形態1における携帯型情報処理端末1の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】実施形態2における通信システムの構成を示す概略図である。
【図3】実施形態2における携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】実施形態2における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施形態3における携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】実施形態3における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 携帯型情報処理端末
2 ルート情報取得手段
3 位置検出時刻設定手段
4 現在位置情報取得手段
5 報知手段
10 携帯電話機
11 無線部
12 GPSアンテナ部
13 タイマー部
14 スピーカ部
15 バイブレータ部
20 制御部
21 ルート情報取得部
22 位置検出時刻設定部
23 現在位置情報取得部
24 報知部
30 メモリ部
31 ルート情報
40 GPS衛星
50 基地局
60 ウェブサーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得手段と、
前記ルート情報に基づいて前記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定手段と、
前記位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記現在位置情報に基づいて、前記ルート情報に基づいて算出した前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知手段と、
を備えた携帯型情報処理端末。
【請求項2】
請求項1記載の携帯型情報処理端末であって、
前記位置検出時刻設定手段は、前記報知手段にて自己の現在位置が前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に位置していないと判断された場合に、前記現在位置情報と前記目的地情報とに基づいて新たに前記位置検出時刻を設定する、
携帯型情報処理端末。
【請求項3】
請求項1又は2記載の携帯型情報処理端末であって、
前記位置検出時刻設定手段は、前記ルート情報に基づいて目的地から予め設定された距離だけ離れた地点に到着が予想される時刻、または、目的地への予定到着時刻から予め設定された時間だけ前の時刻、を算出して、前記位置検出時刻として設定する、
携帯型情報処理端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯型情報処理端末であって、
前記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、を含み、
前記位置検出時刻設定手段は、前記ルート情報に基づいて、前記乗り換え場所情報への予定到着時刻よりも前の時刻を、前記位置検出時刻として設定し、
前記報知手段は、前記現在位置情報に基づいて、前記ルート情報に基づいて算出した前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、乗り換え場所に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する、
携帯型情報処理端末。
【請求項5】
請求項4記載の携帯型情報処理端末であって、
前記報知手段は、前記乗り換え場所に到着する旨の報知情報を出力してから予め設定された時間が経過した後に、前記位置情報取得手段にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報と前記ルート情報とに基づいて、乗り換えが正常であるか否かを判断する、
携帯型情報処理端末。
【請求項6】
請求項4記載の携帯型情報処理端末であって、
前記報知手段は、前記ルート情報に基づいて、前記乗り換え場所情報への予定到着時刻から予め設定された時間が経過した後に、前記位置情報取得手段にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報と前記ルート情報とに基づいて、乗り換えが正常であるか否かを判断する、
携帯型情報処理端末。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯型情報処理端末であって、
前記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、当該乗り換え場所を出発する時刻を表す出発時刻情報と、を含み、
前記報知手段は、前記ルート情報に基づいて、前記乗り換え場所情報への予定到着時刻あるいは前記乗り換え場所を出発する時刻から予め設定された時間が経過した後に、前記位置情報取得手段にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報と前記ルート情報とに基づいて、乗り換えが正常であるか否かを判断する、
携帯型情報処理端末。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載の携帯型情報処理端末であって、
前記ルート情報取得手段は、前記報知手段にて乗り換えが正常ではないと判断した場合に、前記現在位置情報と前記目的地情報とに基づいて、現在位置から目的地までの移動手段及び移動経路を表す新たなルート情報を取得する、
携帯型情報処理装置。
【請求項9】
携帯型情報処理端末に装備された制御装置に、
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得手段と、
前記ルート情報に基づいて前記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定手段と、
前記位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記現在位置情報に基づいて、前記ルート情報に基づいて算出した前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムであって、
前記位置検出時刻設定手段は、前記報知手段にて自己の現在位置が前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に位置していないと判断された場合に、前記現在位置情報と前記目的地情報とに基づいて新たに前記位置検出時刻を設定する、
プログラム。
【請求項11】
請求項9又は10記載のプログラムであって、
前記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、を含み、
前記位置検出時刻設定手段は、前記ルート情報に基づいて、前記乗り換え場所情報への予定到着時刻よりも前の時刻を、前記位置検出時刻として設定し、
前記報知手段は、前記現在位置情報に基づいて、前記ルート情報に基づいて算出した前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、乗り換え場所に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する、
【請求項12】
出発地の位置を表す出発地情報及び目的地の位置を表す目的地情報と、目的地への予定到着時刻を表す予定到着時刻情報と、を含み、出発地から目的地までの移動手段及び移動経路を表すルート情報を取得するルート情報取得工程と、
前記ルート情報に基づいて前記予定到着時刻情報よりも前の時刻を、位置検出時刻として設定する位置検出時刻設定工程と、
前記位置検出時刻設定工程にて設定した位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報に基づいて、前記ルート情報に基づいて算出した前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する報知工程と、
を有する報知方法。
【請求項13】
請求項12記載の報知方法であって、
前記報知工程にて自己の現在位置が前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に位置していないと判断された場合に、前記現在位置情報と前記目的地情報とに基づいて新たな位置検出時刻を設定する位置検出時刻再設定工程と、
前記位置検出時刻設定工程にて設定された前記新たな位置検出時刻となったときに、自己の現在位置を表す現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報に基づいて、前記ルート情報に基づいて算出した前記新たな位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、目的地に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する第二の報知工程と、を有する、
報知方法。
【請求項14】
請求項12又は13記載の報知方法であって、
前記ルート情報が、利用する移動手段と、当該移動手段を乗り換える乗り換え場所を表す乗り換え場所情報と、当該乗り換え場所への予定到着時刻情報と、を含み、
前記位置検出時刻設定工程は、前記ルート情報に基づいて、前記乗り換え場所情報への予定到着時刻よりも前の時刻を位置検出時刻として設定し、
前記報知工程は、前記位置検出時刻設定工程にて設定した位置検出時刻となったときに、前記位置情報取得工程にて現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報に基づいて、前記ルート情報に基づいて算出した前記位置検出時刻に到着することが予定された場所に、自己の現在位置が位置していると判断した場合に、乗り換え場所に到着する旨をユーザに報知する報知情報を外部に出力する、
報知方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−141556(P2010−141556A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315454(P2008−315454)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】