説明

携帯型注入装置及び携帯型注入装置の制御方法

【課題】 記憶媒体を携帯型注入装置に挿入するだけですぐに注入を開始することができる携帯型注入装置を提供する。
【解決手段】 本発明の携帯型注入装置1は、薬液を注入する注入ポンプ2が装着可能であると共に、記憶媒体3が挿入可能である携帯型注入装置1であって、注入ポンプ2を装着する装着部11と、記憶媒体3を挿入するスロット31と、注入ポンプ2に接続される駆動部17と、薬液の注入プロトコルを記憶媒体3から読み込む読込部102と、駆動部17及び読込部102を制御する制御部100とを備え、制御部100は、注入プロトコルに従って薬液の注入量又は注入速度を変更するように、駆動部17を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型注入装置及び携帯型注入装置の制御方法に関し、特に、記憶媒体が挿入可能な携帯型注入装置、及び当該携帯型注入装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯可能な注入装置として、注入速度設定器を備える携帯用輸液注入ポンプが存在した(特許文献1)。この注入速度設定器は、患者の状態、投与する薬剤を考慮し、患者に対して最適な注入速度となるように、医療従事者により操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−245975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の注入装置では、医療従事者である医師等による操作が必要であるため、院内又は医師が監視できる範囲内での使用に限られていた。そのため、使用者である患者の移動範囲が限られてしまっていた。また、薬液の注入速度、注入量及び注入時間等を一定時間内に増減又は維持するように、若しくは注入を一時停止するように作成された薬液の注入プロトコルを、カルテ情報や医師の指示により注入速度設定器へ入力する必要があった。具体的には、患者の体重、身長、体表面積、性別及び病変部位等を勘案して薬液の注入プロトコルを作成し、この注入プロトコルを注入速度設定器へ入力していた。そのため、注入プロトコルの作成及び入力を含んだ注入準備に時間がかってしまっていた。また、入力以外の注入準備も同時に行われるため、作業工数の多さに起因する入力ミスが生じる可能性もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、薬液を注入する注入ポンプが装着可能であると共に、記憶媒体が挿入可能である携帯型注入装置であって、前記注入ポンプを装着する装着部と、前記記憶媒体を挿入するスロットと、前記注入ポンプに接続される駆動部と、前記薬液の注入プロトコルを前記記憶媒体から読み込む読込部と、前記駆動部及び前記読込部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記注入プロトコルに従って前記薬液の注入量又は注入速度を変更するように、前記駆動部を制御することを特徴とする携帯型注入装置を提供する。
【0006】
また、本発明は、薬液を注入する注入ポンプを装着する装着部と、記憶媒体を挿入するスロットと、前記注入ポンプに接続される駆動部と、前記薬液の注入プロトコルを前記記憶媒体から読み込む読込部と、前記駆動部及び前記読込部を制御する制御部とを備えた携帯型注入装置の制御方法であって、挿入された前記記憶媒体から、前記注入プロトコルを読み込み、前記注入プロトコルに従って前記薬液の注入量又は注入速度を変更するように、前記駆動部を制御することを特徴とする携帯型注入装置の制御方法を提供する。
【0007】
本発明によれば、電子カルテのカルテ情報等又は医師の指示等により薬液の注入プロトコルを作成し、予め記憶媒体に記憶させておくことができる。これにより、記憶媒体を携帯型注入装置に挿入するだけですぐに注入を開始することができる。そのため、注入直前に注入プロトコルを算出及び入力する必要がなくなる。また、注入プロトコルの入力ミスを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】携帯型注入装置と記憶媒体の外観斜視図を示す。
【図2】携帯型注入装置の安全カバーが開いた状態を示す。
【図3】携帯型注入装置の概略断面図を示す。
【図4】第1実施形態の注入装置の概略構成のブロック図を示す。
【図5】注入を停止するまでのフローチャートを示す。
【図6】第2実施形態における注入装置の概略構成のブロック図を示す。
【図7】注入を再開するまでのフローチャートを示す。
【図8】第3実施形態における制御のフローチャートを示す。
【図9】メモリーカードに書き込まれる情報の表を示す。
【図10】第4実施形態における制御のフローチャートを示す。
【図11】第5実施形態における制御のフローチャートを示す。
【図12】肩掛けバッグの外観斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
図1は、本発明の携帯型注入装置1(以下、単に注入装置という)と、注入装置1に装着可能な薬液の注入ポンプ2と、注入装置1に挿入可能な記憶媒体3とを概略的に示している。図2は、注入装置1の安全カバー13を開いた状態を概略的に示している。
【0010】
記憶媒体であるメモリーカード3は、注入装置1の本体10の側面上部に設けられたスロット31に着脱可能に挿入される。なお、メモリーカード3の内部には不揮発性のメモリが設けられており、各種のデータを記憶させることができる。記憶媒体には、SDカード(登録商標)、コンパクト・フラッシュ・カード(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、マルチメディアカード(登録商標)、ICカード、磁気ディスク等が含まれる。
【0011】
メモリーカード3には、電子カルテのカルテ情報等又は医師の指示等により予め作成された薬液の注入プロトコルが記憶されている。そして、このメモリーカード3が、本体10のスロット31に挿入される。スロット31は、突起32が形成されたスライドカバー33によって覆われている。そして、メモリーカード3を挿入する際には、当該突起32に指をかけて、スライドカバー33を本体10の前部方向にスライドさせる。その後、露出したスロット31へメモリーカード3を挿入する。スライドカバー33は防液機能を有しており、スライドカバー33を閉じることにより外部からの液体の侵入を防止することができる。なお、スライドカバー33に代えて、垂直方向又は水平方向に回動して開閉するカバーを設けても良い。
【0012】
また、本体10の前部には、注入ポンプ2が装着される装着部11(図2)が設けられている。装着された注入ポンプ2は、薬液の注入を開始する前に、不図示のダブルチェックバルブ及びチューブ等を介して不図示の薬液バッグ及びカテーテルと接続される。本実施形態では、注入ポンプ2として、5ml〜10mlの薬液を充填できるシリンジ21と、シリンジ21内を前進及び後進させることが可能なプランジャー22を有するシリンジポンプが装着されている。例えば、このようなシリンジ21は、抗がん剤が充填された薬液バッグと、生理食塩水又はブドウ糖液が充填された薬液バッグとに接続される。
【0013】
本体10には、確認スイッチ121、スタート/ストップボタン123(図2)、前進ボタン124及び後進ボタン125(図2)を有する操作部12が設けられている。スタート/ストップボタン123、前進ボタン124及び後進ボタン125は、本体10の前部に設けられ、開閉式の安全カバー13に覆われている。この安全カバー13は防液機能を有しており、安全カバー13を閉じることにより外部からの液体の侵入を防止することができる。一方、確認スイッチ121は本体10の外面に設けられている。
【0014】
注入装置1を準備する医師又は看護師等の操作者は、前進ボタン124及び後進ボタン125を使用して薬液の充填とエア抜きを行う。まず、操作者は注入ポンプ2を装着部11に装着し、前進ボタン124を押してシリンジポンプのプランジャー22を前進させる。その後、シリンジ21にダブルチェックバルブ及びチューブ(不図示)を接続し、当該チューブを薬液バッグ(不図示)に接続する。この状態で、操作者は後進ボタン125を押してシリンジポンプのプランジャー22を後進させる。なお、図2には、プランジャー22が限界まで後進した状態が示されている。プランジャー22が後進すると、チューブを介して薬液バッグから薬液がシリンジ21内に充填される。薬液が充填された後、操作者は前進ボタン124を押し、プランジャー22を前進させる。これにより、カテーテル(不図示)と接続されたチューブ内が薬液で満たされチューブ内のエアが抜かれる。その後、操作者は後進ボタン125を押し、プランジャー22を後進させる。最後に、操作者は前進ボタン124を押し、プランジャー22を僅かに前進させる。これにより、薬液がチューブ及びシリンジ21内に充填され、薬液の注入準備が整う。この一連の動作は、注入装置1に自動的に行わせることも可能である。
【0015】
注入装置1の本体10の外面には、薬液の注入プロトコルを確認するための表示部14が設けられている。スロット31にメモリーカード3を挿入すると、表示部14は薬液の注入量、薬液の注入速度及び薬液の注入時間等の情報を自動的に表示する。操作者は、薬液を注入する前に表示された注入プロトコルの内容を確認する。そして、内容が正しければ確認スイッチ121を押して注入プロトコルを確定させる。なお、表示部14は、注入状況、外部センサー4(図6)によって検知された検知情報、気泡を検知した旨の表示及び気泡のサイズ、注入開始又は注入停止の表示等の様々な情報を表示できる。
【0016】
操作者は、注入プロトコルを確定した後に安全カバー13を開く。そして、操作者がスタート/ストップボタン123を押すことで、薬液の注入が開始される。注入装置1の本体10にはランプ15が設けられており、薬液の注入中はランプ15が点滅する。そして、薬液の注入が停止又は終了すると、ランプ15は消灯する。これにより、操作者は、薬液が注入されているのか注入されていないのかを判断できる。薬液の注入開始を確認した操作者は、安全カバー13を閉じる。なお、操作者が再度スタート/ストップボタン123を押すと、薬液の注入が停止される。
【0017】
図3は、注入装置1の概略断面図である。本実施形態の注入装置1は、シリンジポンプのプランジャー22を進退させるために本体10内で摺動するネジ部16を備えている。また、本体10内部には、駆動部としてステッピングモータ等のモーター17が設けられ、ネジ部16を介して注入ポンプ2に接続されている。モーター17にはプーリー及びベルトを備えたプーリー部171が接続されており、このプーリー及びベルトを介してモーター17がネジ部16に回転力を加える。ネジ部16は、ボールネジ又はすべりネジと螺合するネジナットを含み、モーター17からの回転力により本体10内を摺動する。すなわち、ネジ部16は、モーター17からの回転力により軸受に支持されたネジ軸が回転することにより摺動する。また、ネジ部16は装着部11を介してプランジャー22に接続されており、ネジ部16が本体10内を摺動するとプランジャー22を前進及び後進させることができる。このようなモーター17及びネジ部16を備えることにより、本実施形態の注入装置1は、長時間に渡って高い精度で薬液を注入できる。
【0018】
具体的にボールネジが用いられた注入装置1を、詳細に説明する。この場合、ネジ部16は、軸受に回転可能に支持されたボールネジ軸と、ボールネジ軸の中間部に螺合されたボールネジナットとを含む。そして、ボールネジナットが、本体10に摺動可能に取り付けられたプランジャーフック11(装着部11)と係合する。モーター17の回転軸の回転は、プーリーとベルト(プーリー部171)を介して、ボールネジ軸に伝達される。これにより、ボールネジ軸が伝達された回転力に従って回転し、ボールネジ軸の回転に伴いボールネジナットが摺動する。ボールネジナットが摺動すると、プランジャーフック11を介してプランジャー22が前進又は後進する。すなわち、シリンジ21に対してプランジャー22が出し入れされる。そして、プランジャー22が後進すると、薬液バッグからシリンジ21内に薬液が流入する。一方、プランジャー22が前進すると、シリンジ21内の薬液がチューブへと流出し、カテーテルを介して使用者に注入される。この前進と後進の動作を繰り返すことにより、薬液を長時間連続して使用者に注入することができる。
【0019】
なお、図3ではプランジャー22を1段構造にしているが、2段構造を用いることもできる。この場合、プランジャー22の1段目は、シリンジ21内部の前進方向端面に当接可能となるように設けられる。そして、プランジャー22の2段目は、1段目から後進方向に離れて、シリンジ21内部の後進方向端面に当接可能となるように設けられる。これにより、塵埃がシリンジ21内に侵入することを防止できる。
【0020】
図4は、注入装置1の要部の構成を概略的に示すブロック図である。注入装置1の本体10には、上述した操作部12、表示部14及びモーター17の他、制御部100、記憶部101、読込部102、電源103及びタイマー104が設けられている。なお、本実施形態のモーター17は、不図示のシリンジポンプに接続されるが、シリンジポンプに代えて、ぜん動注入ポンプ、スクリュー又は羽根を用いた注入ポンプ等に接続することもできる。
【0021】
制御部100はCPUからなり、モーター17、表示部14、記憶部101、読込部102を制御する。記憶部101はROMとRAMとを備え、注入プロトコルに従い制御部100で実行される制御プログラムを記憶している。表示部14は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等からなる。例えば、表示部14は、薬液の注入プロトコルの確認のために注入量等を表示する。また、表示部14は、薬液の注入速度、注入開始からの総注入量及び薬液の残量等の情報を、薬液の注入中に表示することもできる。操作部12は、確認スイッチ121、スタート/ストップボタン123、前進ボタン124及び後進ボタン125を有する。操作者が操作部12を操作すると、操作部12は制御部100に信号を出力する。制御部100は、操作部12からの信号に応じてモーター17の回転軸の回転方向及び回転速度を制御する。モーター17は、制御部100から不図示のドライバを介して入力された信号に従って駆動する。これにより、制御部100は、薬液の注入量及び注入速度を変更できる。また、モーター17は不図示のエンコーダーを有し、モーター17の回転数等の情報を制御部100に出力している。電源103は、モーター17に電力を供給し、制御部100に残量情報を出力する。
【0022】
タイマー104は、現在の時刻等の時間情報を制御部100に出力する。また、読込部102は、本体10のスロット31に挿入された記憶媒体であるメモリーカード3から、注入プロトコルを読み込む。制御部100は、読み込まれた注入プロトコルに従い、薬液の注入量又は注入速度を変更するようにモーター17を制御する。この際、モーター17の回転数等の情報及び時間情報がモーター17の制御に使用される。例えば、これらの情報から、制御部100は薬液の総注入量と注入開始からの経過時間とを算出することができる。そして、注入プロトコルに従い薬液の注入速度及び注入量を決定する。その後、制御部100は、決定した注入速度及び注入量に従い、薬液の注入速度及び注入量を変更するようにモーター17を制御する。また、変更の必要が無ければ、制御部100は、現在の注入速度及び注入量を維持するようにモーター17を制御する。なお、注入速度及び注入量の変更には、注入の停止及び開始が含まれる。
【0023】
注入装置1に挿入可能であるメモリーカード3は、薬液の注入プロトコルを記憶している。そして、注入プロトコルには、少なくとも注入時間、注入速度及び注入量の情報が含まれている。この注入プロトコルは、所定のプログラムがインストールされたコンピューターに患者である使用者の情報を入力することによって、自動的に作成することができる。使用者情報には、使用者の病名及び身体的特徴(体重、身長、体表面積、年齢又は性別等)、使用者名、使用者ID、病名、病変部位、又は薬液名等の各種の情報が含まれる。これらの情報は、病院内のシステムに記録された電子カルテから自動的にコンピューターに取得させることができると共に、医師等が自らコンピューターに入力することもできる。また、医師等は、使用者情報に基づいて自ら注入プロトコルを作成することもできる。このように作成された注入プロトコルは、コンピューターを用いて予めメモリーカード3に記憶される。なお、使用者情報の全て又はその一部を、メモリーカード3に記憶することもできる。
【0024】
例えば、抗がん剤の注入プロトコルを計算する場合は、体重及び身長、又は体表面積に対応した抗がん剤の注入量が設定されたデータに基づいて注入プロトコルが計算される。この注入量は、入力された体重及び身長から体表面積を計算し、この体表面積に比例した抗がん剤の注入量として計算される。さらに、コンピューターには、薬液の注入速度を時間経過に応じて変化させる可変パターンが入力されている。そして、コンピューターは、可変パターンと計算により求められた注入量に基づいて、薬液の注入速度を計算する。その結果、注入プロトコルは、可変パターンに対応して経時的に変化する注入速度で、所定時間に計算された量の薬液を注入させるように作成される。
【0025】
メモリーカード3の挿入から薬液の注入が開始されるまでの流れを、図5のフローチャートを参照して説明する。まず、操作者は、注入プロトコルが記憶されたメモリーカード3を本体10に挿入する(S1)。メモリーカード3が挿入されると、制御部100は読込部102を制御し、読込部102はメモリーカード3から注入プロトコルを読み込む(S2)。次いで、制御部100は、読み込まれた注入プロトコルの内容、例えば、注入時間、注入速度及び注入量を表示部14に表示する(S3)。操作者は、表示部14に表示された注入プロトコルの内容を確認する。そして、注入プロトコルの内容が正しければ(S4でYES)、操作者は操作部12の確認スイッチ121を押す。表示部14に表示された注入プロトコルの内容が間違っていた場合(S4でNO)、操作者はスロット31からメモリーカード3を取り出す(S7)。そして、操作者は、正しい注入プロトコルが記憶されたメモリーカード3を挿入する。または、操作者は、取り出したメモリーカード3に正しい注入プロトコルを記憶させ、スロット31へ再び挿入する。(S1)。
【0026】
注入プロトコルの内容を表示した後、制御部100は、確認条件が満たされたか否かを判断する(S5)。具体的には、確認スイッチ121が押された場合、又は注入プロトコルを表示した後に所定時間が経過した場合、制御部100は確認条件が満たされたと判断する。確認条件が満たされていれば(S5でYES)、制御部100は、注入プロトコルを記憶部101に記憶させる(S6)。一方、確認条件が満たされていなければ(S5でNO)、制御部100は確認条件が満たされるまで待機する。
【0027】
記憶部101に注入プロトコルを記憶させた後、制御部100は、薬液注入の開始条件が満たされたか否かを判断する(S8)。具体的には、スタート/ストップボタン123が押された場合、又は安全カバー13が閉じられた場合に、制御部100は開始条件が満たされたと判断する。開始条件が満たされていなければ(S8でNO)、制御部100は開始条件が満たされるまで待機する。一方、開始条件が満たされていれば(S8でYES)、制御部100はモーター17を駆動させる。これにより、注入ポンプ2が作動し、薬液の注入が開始される(S9)。そして、制御部100は注入プロトコルに従いモーター17を制御し、注入速度又は注入量を変更する。
【0028】
その後、制御部100は注入状況を監視し、薬液注入の停止条件が満たされたか否かを判断する(S10)。具体的には、所定注入量の薬液の注入が終了した場合、スタート/ストップボタン123が押された場合、安全カバー13が開けられた場合、又は後述する外部センサー4が所定サイズ以上の気泡を検知した場合等に、制御部100は停止条件が満たされたと判断する。停止条件が満たされていなければ(S10でNO)、制御部100は停止条件が満たされるまで薬液の注入を継続する。一方、停止条件が満たされていれば(S10でYES)、制御部100はモーター17を停止し、薬液の注入が停止される(S11)。
【0029】
本実施形態の注入装置1によれば、予め薬液の注入プロトコルを作成し、記憶媒体に記憶させておくことができる。そして、記憶媒体を注入装置に挿入するだけですぐに注入を開始することができる。そのため、注入直前の短い時間に注入プロトコルを作成及び入力する必要がない。これにより、時間に余裕を持ってデータ入力を行うことができるので、入力ミスを防ぐことができる。また、注入装置が作動しない場合であっても、別の注入装置にメモリーカードを挿入するだけですぐに注入を開始することができる。さらに、本実施形態によれば、注入装置の記憶部に注入プロトコルが記憶される。そのため、注入中に誤ってメモリーカードを取り出してしまっても、注入が停止してしまうことがない。
【0030】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る注入装置1の要部の構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態の注入装置1には、外部センサー4が接続可能である。外部センサー4は、本体10に形成された不図示のポートを介して有線接続される。本実施形態に係る注入装置1は、外部センサー4を除いて第1実施形態と同様の構成を備える。すなわち、本実施形態の注入装置1の本体10にも、操作部12、表示部14、モーター17、制御部100、記憶部101、読込部102、電源103及びタイマー104が設けられており、第1実施形態と同様に制御される。よって、第1実施形態と重複する部分の説明は省略する。なお、モーター17は、シリンジポンプ、ぜん動注入ポンプ、スクリュー又は羽根を用いた注入ポンプ等の不図示の注入ポンプに接続される。
【0031】
外部センサー4には、チューブ内の気泡のサイズ又は気泡の有無を検知するエアセンサー、使用者の体温、脈拍数、血圧、脳波、血糖値、発汗量、血中酸素濃度等を検知する生体センサー、及び気温、湿度又は照度等の外部環境の変化を検知する環境センサー等が含まれる。そして、外部センサー4は、検知した検知情報を本体10の制御部100に出力する。また、本体10の電源103からは外部センサー4に電力が供給される。制御部100は、検知情報をモーター17の制御に利用する他、表示部14に表示させることもできる。例えば、制御部100は、気泡のサイズ、使用者の体温、脳波、脈拍数、気温、湿度又は照度等の検知情報を、表示部14に表示させることができる。
【0032】
図7は、外部センサー4が検知を開始してから、制御部100が注入を停止し、その後に注入を再開するまでの流れを示すフローチャートである。外部センサー4は、注入装置1の電源103から電力が供給されると検知を開始する(S21)。具体的には、電源103がオンされた状態の本体10に外部センサー4が接続されると、自動的に電力が外部センサー4へ供給される。また、外部センサー4が接続された状態で本体10の電源103がオンされると、自動的に電力が外部センサー4へ供給される。なお、外部センサー4のスタートスイッチを押すことにより、外部センサー4が検知を開始してもよい。
【0033】
検知を開始した外部センサー4は、検知した検知情報を制御部100に出力する(S22)。制御部100は、検知情報に基づいて注入を停止するか否かを判断する(S23)。例えば、検知情報として気泡のサイズが入力された場合、制御部100は気泡のサイズが所定値よりも大きいか否かを判断する。そして、気泡のサイズが所定値よりも大きい場合は、注入を停止すると判断する(S23でYES)。また、検知情報として使用者の体温が入力された場合、制御部100は体温が所定値よりも高いか否かを判断する。そして、体温が所定値よりも高い場合は、注入を停止すると判断する(S23でYES)。
【0034】
注入を停止する場合、制御部100はモーター17の動作を停止し(S24)、表示部14に異常発生を表示させる(S25)。また、必要であれば、制御部100は異常の内容を表示部14に表示する。例えば、所定値よりも大きいサイズの気泡が検知された場合、制御部100はモーター17を停止し、気泡を検知した旨を表示部14に表示する。なお、表示部14への表示は、モーター17の停止と同時でなくともよい。例えば、制御部100は、モーター17を停止させた後に、表示部14に異常発生を表示してもよい。
【0035】
表示を確認した使用者又は操作者は、表示された異常の内容に応じて適切な処理を行う。例えば、気泡を検知した旨が表示された場合、使用者又は操作者はエア抜き作業を行う。これにより異常が解消すれば、使用者又は操作者は薬液の注入を再開させる。異常発生の表示後に、制御部100は、再開のための開始条件が満たされたか否かを判断する(S26)。開始条件が満たされていなければ(S26でNO)、制御部100は薬液の注入を再開せずに待機を続ける。例えば、スタート/ストップボタン123が押された場合、又は安全カバー13が閉じられた場合、制御部100は開始条件が満たされたと判断する。
【0036】
一方、開始条件が満たされていれば(S26でYES)、制御部100は異常が解消したか否かを判断する(S27)。具体的には、制御部100は、S23と同様の方法で注入の停止を維持するか否かを判断する。そして、制御部100は、注入の停止を維持すると判断すれば(S27でYES)、すなわち注入装置1が注入を停止する状態であると判断すれば、再び異常発生を表示部14に表示する。例えば、開始条件を満たした後に所定値よりも大きいサイズの気泡が検知された場合、制御部100はモーター17の駆動を開始しない。そして、制御部100は、気泡を検知した旨を再び表示部14に表示する。その後、制御部100は、開始条件が再び満たされるまで待機を続ける。
【0037】
一方、制御部100は、注入の停止を維持しないと判断すれば、すなわち注入装置1が注入を停止する必要が無いと判断すれば(S27でNO)、停止していた時間の長さを算出する。具体的には、制御部100は、タイマー104から入力された停止時の時刻情報と現在の時刻情報との差に基づき停止していた時間の長さを算出する。そして、算出した時間に基づいて、薬液の注入プロトコルを修正する(S28)。例えば、4時間で24mlの抗がん剤を注入する注入プロトコルにおいて、18mlの抗がん剤が注入された後に注入が1時間停止された場合について説明する。この場合、制御部100は、停止時間に対応して注入時間を1時間延長する。そして、延長時間内に、6mlの抗がん剤を注入するように注入プロトコルを修正する。修正が完了すると、制御部100はモーター17の駆動を開始し、薬液の注入が再開される(S29)。なお、注入プロトコルの修正が不要である場合、制御部100は、修正せずに薬液の注入を再開することもできる。
【0038】
このように、本実施形態の注入装置1の制御部100は、異常が発生したと判断すると注入を停止する。つまり、外部センサー4から入力された検知情報に基づいて、薬液の注入量を変更するようにモーター17を制御する。そのため、本実施形態の注入装置1は、医師等が使用者のそばにいない場合であっても高い安全性を保つことができる。さらに、本実施形態の注入装置1によれば、注入動作の停止後に、使用者が誤ってスタート/ストップボタン123を押してしまったとしても、異常が解消させるまでは注入が再開されない。
【0039】
なお、図6においては一つのみの外部センサー4が図示されている。しかし、本実施形態の注入装置1には、2つ以上の外部センサー4が接続されても良い。例えば、2つの外部センサー4として、エアセンサーと体温を検知する生体センサーとを本体10に接続することができる。この場合、制御部100は、それぞれの外部センサー4から入力される検知情報に基づいて異常の発生を判断する。そして、いずれか一方の検知情報に基づいて異常が発生したと判断されれば、制御部100は薬液の注入を停止する。
【0040】
また、本実施形態では、異常発生に起因して注入を停止する場合が説明されている。しかし、使用者自らがスタート/ストップボタン123を押して注入を停止した場合も、同様のフローを利用することができる。すなわち、操作部12から制御部100に停止信号が入力されると、制御部100はモーター17の駆動を停止する。同時に、制御部100は表示部14に注入停止を表示する。その後、制御部100は、注入再開のための開始条件が満たされたか否か、例えば、スタート/ストップボタン123が押されたか否かを判断する。そして、開始条件が満たされていた場合、制御部100は検知情報に基づき異常が発生しているか否かを判断する。異常が発生していなければ、制御部100は注入プロトコルを修正する。修正が完了すると、制御部100はモーター17を再び駆動し、薬液の注入を再開する。
【0041】
なお、本実施形態では、薬液の注入停止に代えて薬液の注入量又は注入速度を変更することもできる。例えば、制御部100は、異常が発生したと判断すると注入速度を減速する。つまり、外部センサー4から入力された検知情報に基づいて、薬液の注入速度を減速するようにモーター17を制御する。その後、開始条件を満たし且つ異常が解消されたと判断すれば、制御部100は注入量又は注入速度を元に戻す。
【0042】
[第3実施形態]
第3実施形態の注入装置1は、読込部102がメモリーカード3に情報を書き込み可能である。これにより、所定の情報をメモリーカード3に書き込むように、制御部100が読込部102を制御できる。所定の情報には、外部センサー4からの検知情報又は薬液の注入結果の情報が含まれる。なお、本実施形態の注入装置1は、図6に示された第2実施形態と同様の構成を備える。すなわち、注入装置1の本体10には、操作部12、表示部14、モーター17、制御部100、記憶部101、読込部102、電源103及びタイマー104が設けられており、外部センサー4が接続されている。よって、第2実施形態と重複する部分の説明は省略する。
【0043】
図8は、外部センサー4が検知を開始してから、検知情報がメモリーカード3に書き込まれるまでの流れを示すフローチャートである。電源103から電力が供給されると、外部センサー4は検知を開始する(S31)。そして、外部センサー4は、検知した検知情報を制御部100へ出力する(S32)。制御部100は、検知情報と薬液の注入結果の情報とを、タイマー104から入力された時間情報と関連付けて記憶部101に出力する(S33)。時間情報、検知情報及び注入結果の情報が入力されると、記憶部101はこれらの情報を一時的に記憶する(S34)。その後、制御部100は所定のタイミングで読込部102を制御し、読込部102は記憶部101に記憶されている情報をメモリーカード3へ書き込む(S35)。具体的には、外部センサー4から検知情報が入力されたタイミング、注入開始から所定の時間が経過したタイミング、又は制御部100が注入量及び注入速度を変更したタイミング等に、制御部100は読込部102を制御する。
【0044】
図9A及び図9Bは、メモリーカード3に書き込まれる情報の例を示している。図9Aは、検知情報としての1時間毎の平均体温と、時間情報としての時刻の例を示し、午前0時から24時間の1時間毎の平均体温を示している。例えば、0時から1時までの平均体温は36.3℃であり、23時から24時までの平均体温は36.4℃である。このように、検知情報は、時間情報と関連付けてメモリーカード3に書き込まれる。なお、本実施形態においては、検知情報が時間情報と関連付けられているが、読込部102は検知情報のみを書き込むこともできる。
【0045】
図9Bは、時間情報としての時刻と、注入結果の情報としての1時間毎の抗がん剤の注入量の情報と、検知情報としての1時間毎の平均体温(℃)と、検知情報としての所定値を超えたサイズの気泡の検知又は非検知の例を示している。図9Bにおいては、22時〜10時までの12時間に900mlの抗がん剤を注入する場合を例示している。例えば、0時から1時までの注入量は75mlであり、この間に所定値を超えるサイズの気泡は検知されていない。また、9時から10時までの注入量は55mlであり、この間に所定値を超えるサイズの気泡が検知されている。なお、この例の注入プロトコルに従えば、9時から10時になる前までの間の予定注入量も75mlである。しかし、気泡の検知に伴い注入を停止し、20mlの未注入の薬液が生じたので、注入時間を延長して10時以降に20mlの薬液を注入している。このように、検知情報及び注入結果の情報が、時間情報と関連付けてメモリーカード3に書き込まれる。なお、読込部102は、注入結果の情報のみ、又は注入結果の情報と時間情報のみを書き込むこともできる。
【0046】
検知情報と時間情報、又は注入結果の情報と時間情報がメモリーカード3に書き込まれることにより、医師は詳細な臨床データを取得できる。そして、取得されたデータは、使用者にとってより適切な薬液の注入プロトコルの作成に利用できる。なお、図9A及び図9Bにおいては時間情報として時刻を用いたが、注入開始からの経過時間を用いても良い。また、検知情報としては、脈拍数、血圧、脳波、血糖値、発汗量、血中酸素濃度、気温、湿度及び照度等の各種情報を用いることができる。また、注入結果の情報としては、注入量、注入速度及び注入時間等の各種情報を用いることができる。
【0047】
[第4実施形態]
第4実施形態の注入装置1は、操作部12から入力された情報に応じて、所定の制御を行うことができる。また、読込部102は、メモリーカード3に情報を書き込み可能である。図10は、操作部12から入力された情報に応じて、制御部100がモーター17を制御し、所定の情報をメモリーカード3に書き込むまでの流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態の注入装置1は、図4に示された第1実施形態と同様の構成を備える。すなわち、注入装置1の本体10には、操作部12、表示部14、モーター17、制御部100、記憶部101、読込部102、電源103及びタイマー104が設けられている。よって、第1実施形態と重複する部分の説明は省略する。
【0048】
注入装置1の使用中に、使用者は食事及び睡眠等の様々な行動をとる。そして、薬液の種類によっては、食事の前後、睡眠の前後等、状態の変化に応じて注入量を異ならせることが好ましい。例えば、食事中及び食後の所定の時間に薬液の注入を停止することが好ましい場合、睡眠中に薬液の注入量を増加させることが好ましい場合等がある。また、薬液の種類によっては、夜間と昼間等、環境の変化に応じて薬液の注入量を異ならせることが好ましいこともある。例えば、昼間には薬液を注入せずに、夜間に薬液を注入することが好ましい場合がある。そこで、本実施形態の注入装置1は、操作部12から入力された情報に応じて、制御部100が使用者の状態の変化又は環境の変化を判断する。そして、制御部100は、判断結果に応じてモーター17を制御し、薬液の注入量を変更する。
【0049】
まず、使用者の状態が「通常」から「食事」へと変更される場合について説明する。使用者は、所定の行動をとる前に、注入装置1の本体10の確認スイッチ121を押して変更する状態の種類を選択する(S41)。例えば、食事をとる場合、使用者は、注入装置1の本体10の確認スイッチ121を押して「食事」を選択する。表示部14には、確認スイッチ121を押す毎に「通常」、「食事」又は「睡眠」等が表示される。そして、使用者は、「食事」が表示されるまで確認スイッチ121を複数回押す。「食事」が表示されたならば、使用者は確認スイッチ121を押すことを止め、その状態で食事をとる。
【0050】
確認スイッチ121が押され、特定の状態の種類が選択されてから所定時間が経過した場合、操作部12は制御部100へ状態の種類に対応した変更信号を出力する(S42)。変更信号が入力された制御部100は、記憶部101から変更後の状態に対応する薬液の注入プロトコルを読み込む(S43)。そして、制御部100は、読み込んだ薬液の注入プロトコルに従ってモーター17を制御する(S44)。すなわち、状態の種類として「食事」が選択された場合、操作部12は、使用者の状態が「食事」へ変更された旨の変更信号を出力する。変更信号が入力された制御部100は、「食事」に対応する薬液の注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100はモーター17を停止し、薬液の注入が停止される。
【0051】
その後、制御部100は、状態の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、それぞれ関連付けて記憶部101へ出力する(S45)。これらの情報が入力された記憶部101は、情報を記憶する(S46)。そして、制御部100は、所定のタイミングで読込部102を制御し、読込部102は記憶部101が記憶している情報をメモリーカード3に書き込む(S47)。すなわち、状態の種類として「食事」が選択されている場合、「食事」を示す状態の種類の情報、状態の種類が変更された時刻を示す時間情報、状態の種類が変化された後の注入量を示す注入結果の情報が、記憶部101に記憶される。そして、読込部102は、これらの情報をメモリーカード3に書き込む。
【0052】
なお、使用者の状態が「食事」から「通常」へと変更される場合も、制御部100が同様の制御を行う。すなわち、使用者は、食事が終わったときに再び確認スイッチ121を押して状態の種類の「通常」を選択する。すると、操作部12は制御部100へ状態の種類に対応した変更信号を出力する。そして、変更信号が入力された制御部100は、記憶部101から変更後の状態に対応する薬液の注入プロトコルを読み込む。例えば、制御部100は、「通常」に対応する注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を制御する。例えば、制御部100は、状態の種類が「通常」に変更されてから1時間を経過した後に、モーター17の駆動を開始して薬液の注入を再開させる。
【0053】
このように、本実施形態の注入装置1は、使用者の状態の変化に応じて薬液の注入プロトコルを切り替えることができる。さらに、本実施形態の注入装置1は、使用者の状態の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、メモリーカード3に書き込むことができる。これにより、医師は詳細な臨床データを取得することができ、使用者にとってより適切な注入プロトコルの作成にデータが利用される。
【0054】
また、本実施形態の注入装置1は、環境の変化に応じて、薬液の注入プロトコルを切り替えることもできる。続いて、昼から夜へと環境が変化した場合について説明する。所定の環境の変化が生じた場合、使用者は、注入装置1の本体10の確認スイッチ121を押して、変化後の環境の種類を選択する(S41)。すなわち、夜になった場合、使用者は、注入装置1の本体10の確認スイッチ121を押して「夜間」を選択する。表示部14には、確認スイッチ121を押す毎に「昼間」又は「夜間」等が表示される。そして、使用者は、現在の環境に対応した種類が表示されるまで確認スイッチ121を複数回押す。適切な種類が表示されたならば、使用者は確認スイッチ121を押すことを止める。
【0055】
確認スイッチ121が押され、特定の環境の種類が選択された状態で所定時間が経過した場合、操作部12は制御部100へ環境の種類に対応した変更信号を出力する(S42)。変更信号が入力された制御部100は、記憶部101から変更後の状態に対応する薬液の注入プロトコルを読み込む(S43)。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を制御する(S44)。すなわち、環境の種類として「夜間」が選択された場合、操作部12は、環境の種類が「夜間」へ変更された旨の変更信号を出力する。そして、制御部100は、「夜間」に対応する注入プロトコルを読み込む。その後、読み込んだ注入プロトコルに従い、制御部100がモーター17の駆動を開始し、薬液の注入が開始される。
【0056】
また、制御部100は、環境の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、それぞれ関連付けて記憶部101へ出力する(S45)。これらの情報が入力された記憶部101は、情報を記憶する(S46)。すなわち、「夜間」を示す環境の種類の情報、環境の種類が変化された時刻を示す時間情報、環境の種類が変更された後の注入量を示す注入結果の情報が、記憶部101に入力及び記憶される。そして、制御部100は、所定のタイミングで読込部102を制御し、読込部102は記憶部101が記憶している情報をメモリーカード3に書き込む(S47)。
【0057】
なお、環境が「夜間」から「昼間」に変更した場合も、制御部100が同様の制御を行う。すなわち、使用者は、再び確認スイッチ121を押して環境の種類の「昼間」を選択する。すると、操作部12は制御部100へ環境の種類に対応した変更信号を出力する。そして、変更信号が入力された制御部100は、記憶部101から変更後の状態に対応する薬液の注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を制御する。すなわち、制御部100は、「昼間」に対応する注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100はモーター17の駆動を停止し、薬液の注入が停止される。
【0058】
このように、本実施形態の注入装置1は、使用者がおかれた環境の変化に応じて薬液の注入プロトコルを切り替えることができる。そして、注入装置1は、環境の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、メモリーカード3に書き込むことができる。これにより、医師は詳細な臨床データを取得することができ、使用者にとってより適切な薬液の注入プロトコルの作成にデータを利用できる。
【0059】
なお、本実施形態において、注入結果の情報は、注入プロトコルとしてメモリーカード3に書き込むこともできる。例えば、13時に状態の種類を「食事」へと変更して薬液の注入を停止した場合、13時に薬液の注入を停止する注入プロトコルとしてメモリーカード3に書き込むことができる。また、22時に環境の種類を「夜間」へと変更して薬液の注入を開始した場合、22時に薬液の注入を開始する注入プロトコルとしてメモリーカード3に書き込むことができる。このように書き込まれた注入プロトコルは、そのまま次回の薬液注入に使用できる。これにより、使用者の生活習慣又は生活環境に合わせた注入プロトコルを作成できる。そのため、使用者に応じて適切な注入プロトコルを作成及び使用できる。なお、医師等は、注入装置1から取り出したメモリーカード3を用いて、注入プロトコルを保存又は修正できる。
【0060】
また、本実施形態の注入装置1の本体10には、状態又は環境を選択する選択スイッチ、例えば、「通常」、「食事」、「睡眠」、「昼間」及び「夜間」に対応する独立した選択スイッチを設けることもできる。この場合は、確認スイッチ121を押す代わりに、使用者は状態又は環境の種類に対応する選択スイッチを押す。
【0061】
[第5実施形態]
第5実施形態の注入装置1の制御部100は、外部センサー4から入力された検知情報に応じて、所定の制御を行うことができる。また、読込部102は、メモリーカード3に情報を書き込み可能である。なお、本実施形態の注入装置1は、図6に示された第2実施形態と同様の構成を備える。すなわち、注入装置1の本体10には、操作部12、表示部14、モーター17、制御部100、記憶部101、読込部102、電源103及びタイマー104が設けられており、外部センサー4が接続されている。よって、第2実施形態と重複する部分の説明は省略する。
【0062】
本実施形態の注入装置1は、外部センサー4から入力された検知情報に応じて、制御部100が使用者の状態の変化又は環境の変化を判断する。そして、制御部100は、判断結果に応じてモーター17を制御し、薬液の注入量を変化させる。
【0063】
まず、外部センサー4として体温を検知する生体センサーを用いて、使用者の状態が「覚醒」から「睡眠」に変更される場合について説明する。外部センサー4は所定のタイミングで、検知情報を制御部100に出力する(S51)。制御部100は、検知情報が状態の種類の変更条件を満たすか否か判断する(S52)。そして、変更条件を満たさない場合(S52でNO)、制御部100は再び検知情報が入力されるまで待機する。
【0064】
一方、所定の変更条件を満たす場合(S52でYES)、制御部100は状態の種類が変更されたと判断し、記憶部101から変更後の薬液の注入プロトコルを読み込む(S53)。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を制御する(S54)。すなわち、外部センサー4は、使用者の体温を制御部100に出力する。そして、制御部100は、予め記憶部101に記憶されている情報と比較して、使用者の体温が所定値よりも低いか否かを判断する。使用者の体温が所定値よりも低い場合、制御部100は使用者が眠ったと判断し、「睡眠」に対応する注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を加速し、薬液の注入量を増加させる。この場合、状態の種類の変更条件は、体温が所定値よりも低いか否かである。
【0065】
その後、制御部100は、変更後の状態の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、それぞれ関連付けて記憶部101へ出力する(S55)。これらの情報が入力された記憶部101は、情報を記憶する(S56)。すなわち、「睡眠」を示す状態の種類の情報、状態の種類が変更された時刻を示す時間情報、変更後の注入量を示す注入結果の情報が、記憶部101に記憶される。そして、制御部100は所定のタイミングで読込部102を制御し、読込部102は記憶部101が記憶している情報をメモリーカード3に書き込む(S57)。
【0066】
その後も同様に、外部センサー4は検知を継続し、所定のタイミングで検知情報を制御部100に出力する。制御部100は、入力された検知情報が状態の種類の変更件を満たすか否か判断する。そして、所定の変更条件を満たす場合、制御部100は状態の種類が再び変更されたと判断し、記憶部101から変更後の薬液の注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を制御する。
【0067】
つまり、「睡眠」から「覚醒」への変化を判断する場合も、制御部100が同様の制御を行う。すなわち、外部センサー4は使用者の体温を制御部100に出力する。そして、制御部100は、予め記憶部101に記憶されている情報と比較して、使用者の体温が所定値よりも高いか否かを判断する。使用者の体温が所定値よりも高い場合、制御部100は使用者が覚醒したと判断し、「覚醒」に対応する薬液の注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17に減速信号を出力し、薬液の注入量を減少させる。この場合、状態の種類の変更条件は、体温が所定値よりも高いか否かである。
【0068】
このように、本実施形態の注入装置1は、外部センサー4から入力された検知情報に基づき、使用者の状態の変化を判断し、薬液の注入プロトコルを切り替えることができる。そのため、使用者が操作部12から状態の変更を入力する手間を省くことができる。さらに、本実施形態の注入装置1は、使用者の状態の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、メモリーカード3に書き込むことができる。これにより、医師は詳細な臨床データを取得することができ、使用者にとってより適切な注入プロトコルの作成にデータが利用される。
【0069】
次に、外部センサー4として照度を検知する環境センサーを用いて、環境の種類が「昼間」から「夜間」へと変更される場合について説明する。外部センサー4は所定のタイミングで、検知情報を制御部100に出力する(S51)。制御部100は、検知情報が環境の種類の変更条件を満たすか否か判断する(S52)。そして、変更条件を満たさない場合(S52でNO)、制御部100は再び検知情報が入力されるまで待機する。一方、所定の変更条件を満たす場合(S52でYES)、制御部100は環境の種類が変更されたと判断し、記憶部101から変更後の薬液の注入プロトコルを読み込む(S53)。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を制御する(S54)。
【0070】
すなわち、「昼間」から「夜間」への環境の変更を判断する場合、外部センサー4は注入装置1が置かれた環境の照度を制御部100に出力する。そして、制御部100は、予め記憶部101に記憶されている情報と比較して、照度が所定値よりも低いか否かを判断する。照度が所定値よりも低い場合、制御部100は夜になったと判断し、「夜間」に対応する薬液の注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17の駆動を開始し、薬液の注入を開始させる。この場合、環境の種類の変更条件は、照度が所定値よりも低いか否かである。
【0071】
その後、制御部100は、変更後の環境の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、それぞれ関連付けて記憶部101へ出力する(S55)。情報が入力された記憶部101は、これらの情報を記憶する(S56)。そして、制御部100は、所定のタイミングで読込部102を制御し、読込部102は記憶部101が記憶している情報をメモリーカード3に書き込む(S57)。すなわち、「夜間」を示す環境の種類の情報、環境の種類が変更された時刻を示す時間情報、変更後の注入量を示す注入結果の情報が、記憶部101に記憶される。読込部102は、記憶部101に記憶された情報をメモリーカード3に書き込む。
【0072】
その後も同様に、外部センサー4は検知を継続し、検知情報を制御部100に出力する。制御部100は、検知情報が環境の種類の変更条件を満たすか否か判断する。そして、所定の変更条件を満たす場合、制御部100は環境の種類が再び変更されたと判断し、記憶部101から変更後の薬液の注入プロトコルを読み込む。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17を制御する。
【0073】
つまり、「夜間」から「昼間」への変更を判断する場合も、制御部100が同様の制御を行う。すなわち、外部センサー4が検知情報として照度を制御部100に出力する。そして、制御部100は、予め記憶部101に記憶されている情報と比較して、照度が所定値よりも高いか否かを判断する。照度が所定値よりも高い場合、制御部100は昼になったと判断し、「昼間」に対応する注入プロトコルを読み込む。この場合、環境の種類の変更条件は、照度が所定値よりも高いか否かである。そして、制御部100は、読み込んだ注入プロトコルに従ってモーター17の駆動を停止し、薬液の注入を停止させる。
【0074】
このように、本実施形態の注入装置1は、外部センサー4から入力された検知情報に基づき、環境の変化を判断し、薬液の注入プロトコルを切り替えることができる。そのため、使用者が環境の変化を入力する手間を省くことができる。さらに、本実施形態の注入装置1は、環境の種類の情報、注入結果の情報及び時間情報を、メモリーカード3に書き込むことができる。これにより、医師は詳細な臨床データを取得することができ、使用者にとってより適切な薬液の注入プロトコルの作成にデータが利用される。
【0075】
本実施形態において、注入結果の情報は、薬液の注入プロトコルとしてメモリーカード3に書き込むこともできる。例えば、22時に状態の種類が「睡眠」へと変更され薬液の注入を開始した場合、22時に薬液の注入を開始する薬液の注入プロトコルとしてメモリーカード3に書き込むことができる。このように書き込まれた薬液の注入プロトコルは、そのまま次回の薬液注入に使用できる。これにより、使用者の生活習慣又は生活環境に合わせた薬液の注入プロトコルを作成できる。そのため、使用者に応じて適切な注入プロトコルを作成及び使用できる。
【0076】
[第6実施形態]
図12は、本発明の携帯型注入装置1を収容するバッグ5を示す。このバッグ5は、肩に掛けて用いられる肩掛けバッグであり、第1〜第5実施形態において説明した注入装置1を収容できる。また、バッグ5は、肩に掛ける際に用いられるベルト部51と、携帯型注入装置1を収容するバッグ本体52とを有する。バッグ本体52の側面には、チューブ23をバッグ5の外側に延在させるための穴53が形成されている。そして、この穴53を通って、携帯型注入装置1のシリンジ21に接続されたチューブ23が不図示のカテーテル又は薬液バッグ等に接続される。また、バッグ本体52に、携帯型注入装置1と共に薬液バッグを収容することもできる。なお、本発明の携帯型注入装置1を収容する構成は、肩掛けバッグには限られず、ウエストポーチ又は収容部を有するジャケットを用いることもできる。
【0077】
[変形形態]
以上説明した各実施形態では、1つの注入ポンプが装着される注入装置について説明した。しかし、本発明の注入装置はこれに限られず、2つ以上の注入ポンプを装着可能であるように構成しても良い。具体的に本発明の注入装置は、装着部11に加えて追加装着部をさらに設け、当該追加装着部に追加注入ポンプを装着させるように構成できる。この場合、追加注入ポンプのプランジャーは、注入ポンプ2のプランジャー22と同様に進退させる。すなわち、ネジ部16及びプーリー部171を介して、駆動部であるモーター17により追加注入ポンプのプランジャーを進退させる。また、追加ネジ部、追加プーリー部及び追加駆動部をさらに設けることも可能である。この場合、追加注入ポンプのプランジャーは、追加ネジ部及び追加プーリー部を介して、追加駆動部により進退させることができる。また、追加注入ポンプのシリンジの先端には、追加薬液が充填された薬液バッグ、注入用のチューブ及びカテーテル等が接続される。なお、注入ポンプ2からの薬液注入と追加注入ポンプからの薬液注入とは、同時に行うことも、別々に行うこともできる。
【0078】
また、本変形形態においては、操作部12に追加薬液用注入ボタンをさらに設けることができる。この追加薬液用注入ボタンを使用者が押すことにより、追加注入ポンプから追加薬液が注入される。また、本変形形態の注入装置においても、第3実施形態と同様に、読込部102を介してメモリーカード3に追加薬液の注入結果の情報を書き込むことができる。
【0079】
このような本変形形態の注入装置によれば、使用者が痛みを感じた場合等に、鎮痛剤などの追加薬液を注入することが可能となる。このような追加薬液としては、一例としてモルヒネが考えられる。モルヒネは抗がん剤を注入している間に持続的に皮下注射(筋肉注射)され、例えば、1時間毎に1mlの注入量で24時間、合計24mlのモルヒネが使用者に注入される。
【0080】
なお、本変形形態の追加注入ポンプは、薬液が予め充填されたプレフィルドシリンジを使用しても良い。具体的には、追加薬液が予め充填されたプレフィルドシリンジを使用し、例えば、ワンショット1時間分として、1ml又は0.5mlの追加薬液を注入することができる。この場合、抗がん剤を注入している間に痛みを感じたときに、使用者が追加薬液用の注入ボタンを押して追加薬液を注入する。
【0081】
また、以上説明した各実施形態では、2つの薬液バッグを使用した注入装置1について説明したが、本発明はこれに限られない。抗がん剤と、ブドウ糖液又は生理食塩水との混合薬液が充填された1つの薬液バッグのみを使用することも可能である。また、抗がん剤、ブドウ糖液又は生理食塩水に代えて、高カロリー液を注入することもできる。
【0082】
さらに、注入量が少ない場合は、予めシリンジ21内に所定量の薬液を充填することも可能である。そして、シリンジ21内に予め充填された薬液は、メモリーカード3に記憶された薬液の注入プロトコルに従って使用者に注入される。この場合、薬液バッグと、シリンジ21と薬液バッグとを接続するチューブとが不要になるという利点がある。
【0083】
また、上記実施形態では、シリンジポンプを備えた注入装置1について説明したが、本発明はこれに限られない。シリンジポンプに代えて、ぜん動注入ポンプ、スクリュー又は羽根を用いた注入ポンプを使用することもできる。
【0084】
また、本発明の携帯型注入装置は、警報装置、GPS又は無線通信装置等の付属機器を備えていても良い。例えば、無線通信装置を備えた注入装置の場合、外部のスキャナー又はICタグリーダーから送信されたデータを無線通信装置に受信させることができる。医師等の操作者は、注入準備の段階でスキャナー又はICタグリーダーを使ってデータを注入装置に送信する。このスキャナーは、使用者が身に付けたリストバンド又は薬液バッグの表面に記録された磁気ストライプ、二次元コード又はバーコード等からデータを取得し、無線通信装置に送信する。また、ICタグリーダーは、リストバンドや薬液バッグのICタグからデータを読み出し、無線通信装置に送信する。無線通信装置に送信されるデータには、薬液の種類の情報又は使用者の情報が含まれる。
【0085】
その後、無線通信装置は、受信したデータを本体10の制御部100に出力する。制御部100は、入力されたデータの情報と、メモリーカード3に記憶された薬液の種類の情報又は使用者の情報とを比較する。そして、比較した情報が一致しない場合、制御部100は表示部14にエラー表示を表示させる。このように、注入準備の段階で薬液の種類又は使用者の比較確認が行われることにより、誤った薬液の注入又は使用者である患者の取り違えを確実に防止できる。
【0086】
なお、上述の各実施形態及び変形形態は、本発明の内容を実質的に変化しない範囲で、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0087】
1:携帯型注入装置
2:注入ポンプ
3:記憶媒体
10:本体
11:装着部
17:駆動部
31:スロット
100:制御部
102:読込部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を注入する注入ポンプが装着可能であると共に、記憶媒体が挿入可能である携帯型注入装置であって、
前記注入ポンプを装着する装着部と、
前記記憶媒体を挿入するスロットと、
前記注入ポンプに接続される駆動部と、
前記薬液の注入プロトコルを前記記憶媒体から読み込む読込部と、
前記駆動部及び前記読込部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記注入プロトコルに従って前記薬液の注入量又は注入速度を変更するように、前記駆動部を制御することを特徴とする携帯型注入装置。
【請求項2】
前記駆動部に接続されたネジ部を備え、
前記装着部には、シリンジ及びプランジャーを有するシリンジポンプが装着可能であり、
前記駆動部は、前記ネジ部に回転力を加え、
前記ネジ部は、前記回転力により摺動すると共に、前記プランジャーを前進及び後進させることを特徴とする請求項1に記載の携帯型注入装置。
【請求項3】
前記携帯型注入装置には、外部センサーが接続可能であり、
前記制御部は、前記外部センサーから入力された検知情報に基づいて、前記薬液の注入量又は注入速度を変更するように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型注入装置。
【請求項4】
前記読込部は、前記記憶媒体に情報を書き込み可能であり、
前記制御部は、前記検知情報を前記記憶媒体に書き込むように前記読込部を制御することを特徴とする請求項3に記載の携帯型注入装置。
【請求項5】
前記読込部は、前記記憶媒体に情報を書き込み可能であり、
前記制御部は、前記薬液の注入結果の情報を前記記憶媒体に書き込むように前記読込部を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯型注入装置。
【請求項6】
追加注入ポンプを装着する追加装着部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯型注入装置。
【請求項7】
薬液を注入する注入ポンプを装着する装着部と、記憶媒体を挿入するスロットと、前記注入ポンプに接続される駆動部と、前記薬液の注入プロトコルを前記記憶媒体から読み込む読込部と、前記駆動部及び前記読込部を制御する制御部とを備えた携帯型注入装置の制御方法であって、
挿入された前記記憶媒体から、前記注入プロトコルを読み込み、
前記注入プロトコルに従って前記薬液の注入量又は注入速度を変更するように、前記駆動部を制御することを特徴とする携帯型注入装置の制御方法。
【請求項8】
前記読込部は、前記記憶媒体に情報を書き込み可能であり、
所定の情報を前記記憶媒体に書き込むように、前記読込部を制御することを特徴とする請求項7に記載の携帯型注入装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−34729(P2012−34729A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175094(P2010−175094)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(391039313)株式会社根本杏林堂 (80)
【Fターム(参考)】